JP3796869B2 - 能動型騒音低減装置及び騒音低減方法 - Google Patents
能動型騒音低減装置及び騒音低減方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御音と騒音とを互いに干渉させることにより騒音の低減を図る能動型騒音低減装置及び騒音低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の能動型騒音低減装置において、効果的な騒音低減を図るためには、騒音に対し同一周波数、同一振幅でかつ逆位相の制御音をスピーカ等の音発生手段により発生させなければならない。そのため、Filtered−X−LMS(Least Mean Square)制御と呼ばれる制御方法を能動型騒音低減装置に適用して、騒音発生源が例えば自動車エンジンの場合にはその回転センサ信号(基準信号)および騒音検出用のマイクロフォンから取得したマイク信号に基づいて上記スピーカの最適な駆動信号を算出する。
【0003】
このような能動型騒音低減装置としては、例えば特開平5−11777号公報に開示されたものがあり、これはスピーカとマイクロフォンとの間に存在する音場等の伝達系の伝達特性を音楽ソースを用いて予め推定するものである。そしてこの伝達特性を用いて、マイクロフォンによって検出された相殺音が最小となるように、適応デジタルフィルタを変更する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平5−11777号公報の能動型騒音低減装置では、マイクロフォンによって検出される音には例えばオーディオ装置から出力される音楽などの有用な音も含まれるにもかかわらず、これらを含めてすべて騒音として取り扱うことになるため、人間が聞きたい音の成分まで消音されてしまうという不都合があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、騒音だけを低減することのできる能動型騒音低減装置及び騒音低減方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するため、請求項1記載の能動型騒音低減装置は、室内で発生した音を音検出信号として検出する音検出手段と、該音検出手段によって検出された音検出信号からオーディオ信号に基づく成分を取り除いて消音対象である騒音成分を求める分離手段と、該分離手段により求められた騒音成分を消音するための制御音を発生する音発生手段と、該音発生手段を駆動する駆動信号を、前記分離手段により求められた騒音成分に応じて作成する駆動信号作成手段と、前記分離手段により分離された騒音成分と前記駆動信号作成手段により作成された駆動信号との間の伝達特性を推定する伝達特性推定手段と、備えており、前記分離手段は、前記音検出手段によって検出された音検出信号から、前記伝達特性推定手段により推定された伝達特性を前記オーディオ信号に掛け合わせた信号を差し引くことにより消音対象である騒音成分を求め、前記音発生手段は、前記駆動信号作成手段により作成された駆動信号に応じた制御音のほか、前記オーディオ信号に応じたオーディオ音を発生し、前記伝達特性推定手段は、前記音声発生手段により制御音を発生させる場合と発生させない場合それぞれにおいて前記分離手段により求められる騒音成分の差,および,前記駆動信号作成手段により作成された駆動信号から、前記伝達特性を推定する、ことを特徴とする。
【0007】
かかる能動型騒音低減装置では、マイクロフォンや振動センサなどのような音検出手段は、自動車や航空機や船舶や鉄道車両などの室内で発生した音を音検出信号として検出する。分離手段は、この音検出信号からオーディオ信号に基づく成分を取り除き消音対象である騒音成分を求める。ここで、オーディオ信号とはテレビやラジオやビデオなどのオーディオ機器から出力される信号のこといい、音楽やアナウンス、ナレーションなどに関する信号のことをいう。また、オーディオ信号に基づく成分とは、オーディオ装置から出力されるオーディオ信号そのものであってもよいし、このオーディオ信号に何らかの加工を加えたものであってもよい。音発生手段は、駆動信号作成手段によって作成された駆動信号によって駆動されるものであり、騒音成分を消音するための制御音を発生する。
【0008】
また、かかる能動型騒音低減装置によれば、オーディオ信号に基づく成分を取り除いた後の騒音成分のみを消音対象としているため、騒音だけを低減することができ、人が聞きたい音楽等は保護されるという効果が得られる。
【0009】
また、かかる能動型騒音低減装置は、音検出信号と駆動信号との間の伝達特性(つまり音検出手段と音発生手段との間の伝達特性)の影響が大きい場合を考慮したものである。即ち、音発生手段から発生されたオーディオ音(オーディオ信号に応じた音)が音検出手段に至ったときには、伝達特性を掛け合わせた信号として検出される。このため、分離手段は音検出信号からオーディオ信号に伝達特性を掛け合わせた信号を差し引くことにより騒音成分を求めるのである。
【0010】
また、かかる能動型騒音低減装置によれば、特に伝達特性の影響が大きい場合において、その伝達特性を考慮して音検出信号から騒音成分を取り出しているため、騒音だけを精度よく低減することができ、人が聞きたい音楽等は確実に保護されるという効果が得られる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の能動型騒音低減装置であって、前記伝達特性推定手段は、一定周期で繰り返し伝達特性の推定を行う、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、室内で発生した音を音検出信号として検出する音検出手段と、該音検出手段によって検出された音検出信号からオーディオ信号に基づく成分を取り除いて消音対象である騒音成分を求める分離手段と、該分離手段により求められた騒音成分を消音するための制御音を発生する音発生手段と、該音発生手段を駆動する駆動信号を、前記分離手段により求められた騒音成分に応じて作成する駆動信号作成手段と、前記分離手段により分離された騒音成分と前記駆動信号作成手段により作成された駆動信号との間の伝達特性の逆特性(以下「逆伝達特性」という)を推定する逆伝達特性推定手段と、を備えており、前記分離手段は、前記音検出手段によって検出された音検出信号から前記オーディオ信号を差し引くことにより消音対象である騒音成分を求め、前記音発生手段は、前記駆動信号作成手段により作成された駆動信号に応じた制御音のほか、前記オーディオ信号に逆伝達特性を掛け合わせた信号に応じたオーディオ音を発生して、前記伝達特性推定手段は、前記音声発生手段により制御音を発生させる場合と発生させない場合それぞれにおいて前記分離手段により求められる騒音成分の差,および,前記駆動信号作成手段により作成された駆動信号から、前記逆伝達特性を推定する、ことを特徴とする。
【0012】
かかる能動型騒音低減装置も、前出の伝達特性の影響が大きい場合を考慮したものである。即ち、オーディオ信号に応じた音をそのまま音発生手段から発生させるとすれば、その音を音検出手段が検出したときつまり人間が耳で聴取したとき、その音は伝達特性が掛け合わされた状態で検出または聴取される。この点に鑑み、本発明では、オーディオ音としてオーディオ信号に逆伝達特性を掛け合わせた信号に応じた音を発生させ、その音を音検出手段が検出したときつまり人間が耳で聴取したときには、その音に伝達特性が掛け合わされることにより、オーディオ信号に応じた音そのものを検出または聴取できるようにしたのである。
【0013】
この場合、音検出信号にはオーディオ信号に応じた音が含まれるため、分離手段は音検出信号からオーディオ信号を差し引くことにより、騒音成分を求める。かかる能動型騒音低減装置によれば、特に伝達特性の影響が大きい場合において、その伝達特性を考慮してオーディオ音を発生させているため、聴取者は良好なオーディオ音を聴取することができるという効果が得られる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の能動型騒音低減装置であって、前記逆伝達特性推定手段は、一定周期で繰り返し伝達特性の推定を行う、ことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の能動型騒音低減装置であって、騒音の周期に追従した基準信号を発生する基準信号発生手段を備え、前記駆動信号作成手段は位相及びゲインを可変設定可能な適応フィルタを含み、前記騒音成分が最小となるように前記適応フィルタのフィルタ特性を可変設定して前記駆動信号を前記基準信号から作成することを特徴とする。
【0015】
かかる能動型騒音低減装置では、駆動信号の周期が騒音発生源の周期に追従するので、騒音発生源の周期が大きく変動する装置、自動車、電車等についても好適に騒音を低減することができるという効果が得られる。
尚、請求項1〜5のいずれかに記載された能動型騒音低減装置は、例えば、ROMなどの記録媒体に記録された能動型騒音低減用制御プログラムをコンピュータのCPUが読み取ってその処理を実行するように構成してもよい。このとき、制御プログラムは、コンピュータに、室内で発生した音を検出させ、その検出結果から消音対象でないオーディオ信号に基づく成分を取り除いて消音対象である騒音成分を求めさせ、音発生手段を駆動する駆動信号を該騒音成分に応じて作成させ、該駆動信号によって前記音発生手段を駆動させて前記騒音成分を消音するための制御音を発生させるように記述されている。
【0016】
請求項6記載の騒音低減方法は、室内で発生した音を音検出信号として検出し、該音検出信号からオーディオ信号に基づく成分を取り除いて消音対象である騒音成分を下記(1)にて求め、音発生手段を駆動する駆動信号を前記騒音成分に応じて作成し、該駆動信号および前記オーディオ信号に応じて前記音発生手段を駆動することにより、前記騒音成分を消音するための制御音およびオーディオ音を発生させることを特徴とする。(1)前記音声発生手段により制御音を発生させる場合と発生させない場合それぞれにおいて求められる騒音成分の差,および,前記駆動信号から、前記騒音成分と前記駆動信号との間の伝達特性を推定し、該伝達特性を前記オーディオ信号に掛け合わせてなる信号を、前記音検出信号から差し引くことにより消音対象である騒音成分を求める。
【0017】
かかる騒音低減方法によれば、オーディオ信号に基づく成分を取り除いた後の騒音成分のみを消音対象としているため、騒音だけを低減することができ、人が聞きたい音楽等は保護されるという効果が得られる。
【0018】
また、かかる騒音低減方法によれば、特に伝達特性の影響が大きい場合において、その伝達特性を考慮して音検出信号から騒音成分を取り出しているため、騒音だけを精度よく低減することができ、人が聞きたい音楽等は確実に保護されるという効果が得られる。
【0019】
請求項7に記載の騒音低減方法は、室内で発生した音を音検出信号として検出し、該音検出信号からオーディオ信号を差し引くことにより消音対象である騒音成分を求め、音発生手段を駆動する駆動信号を前記騒音成分に応じて作成し、該騒音成分と前記駆動信号との間の伝達特性の逆特性(以下「逆伝達特性」という)を下記(1)にて推定し、前記駆動信号および前記オーディオ信号に前記推定した逆伝達特性を掛け合わせた信号に応じて前記音発生手段を駆動することにより音を発生させることを特徴とする。(1)前記音声発生手段により制御音を発生させる場合と発生させない場合それぞれにおいて求められる騒音成分の差,および,前記駆動信号から前記逆伝達特性を推定する。
【0020】
かかる騒音低減方法によれば、特に伝達特性の影響が大きい場合において、その伝達特性を考慮してオーディオ音を発生させているため、聴取者は良好なオーディオ音を聴取することができるという効果が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
[第1実施例]
図1は、自動車に搭載した本発明の能動型騒音低減装置のシステム構成図である。
【0022】
能動型騒音低減装置は、主としてスピーカ1、回転センサ2、マイクロフォン3、及び、制御装置10から構成される。
スピーカ1は、本発明の音発生手段であり、エンジン(E/Gと略記する)等の騒音発生源から騒音が伝達される車室内の空間に対して制御音を発生するものである。尚、音発生手段としては、スピーカ以外に、例えば騒音発生源から騒音・振動が伝達される経路に存在するルーフパネル4、ダッシュパネル5またはフロアパネル6等の振動部位に加振アクチュエータ(不図示)を取付け、ルーフパネル4、ダッシュパネル5またはフロアパネル6の加振アクチュエータによる振動により騒音を低減する構成を使用してもよい。
【0023】
回転センサ2は、本発明の基準信号検出手段であり、スピーカ1を駆動するための基準となる回転センサ信号R(基準信号)を出力するものであり、騒音発生源であるE/Gの爆発に同期し、E/G1回転あたり所定のパルス数を出力するものである。尚、基準信号検出手段としては、回転センサ以外に、例えば振動センサを使用してもよい。振動センサを使用する場合には、騒音発生源の状態を検出でき、かつスピーカ1からの放射音や発生振動が介入されない位置、例えばE/G本体、E/Gマウント等に装着するとよい。
【0024】
マイクロフォン3は、本発明の音検出手段であり、室内空間に発生している音の状態を検出しマイク信号M(音検出信号)を出力するものである。マイクロフォン3は乗員の耳元等の消音すべき位置に装着するとよい。尚、音検出手段としては、マイクロフォン以外に、例えば振動センサを使用してもよい。振動センサを使用する場合には、消音すべき位置の音と相関のある振動部位、例えば車内のルーフパネル4またはフロアパネル6、等に装着するとよい。
【0025】
制御装置10は、スピーカ1を駆動するための駆動信号Yを発生し、その駆動信号Yを制御するものであり、入力処理部11、入力処理部12、出力処理部13、分離部14、駆動信号算出部15、加算部16、切り替えスイッチ17、伝達特性C推定処理部(以下「C推定処理部」ともいう)18を備えている。この制御装置10としては、例えばマイクロプロセッサやデジタルプロセッサ等のコンピュータを使用することができ、内蔵のROMに格納された処理手順(後述)をマイクロプロセッサに内蔵のCPUが実行することにより、分離部14、駆動信号算出部15、加算部16、切り替えスイッチ17、C推定処理部18の各動作を制御する。
【0026】
入力処理部11は、マイク信号Mの中のノイズをローパスフィルタで除去し、上記マイク信号Mを所定の増幅率で増幅する周知の回路によって構成されている。この入力処理部11を通過したマイク信号Mは分離部14に入力される。
入力処理部12は、回転センサ2からの回転センサ信号Rのノイズをローパスフィルタで除去し、上記回転センサ信号Rを所定の増幅率で増幅する周知の回路によって構成されている。この入力処理部12を通過した回転センサ信号Rは駆動信号算出部15に入力される。
【0027】
出力処理部13は、加算部16から出力された加算信号Tのノイズをローパスフィルタで除去し、スピーカ1を駆動するために所定の増幅率で加算信号Tを増幅する周知の回路によって構成されている。この出力処理部13を通過した加算信号Tはスピーカ1に入力される。
【0028】
分離部14は、オーディオ信号Aに基づく成分、ここではオーディオ信号Aにスピーカ1とマイクロフォン3との間の伝達特性Cを掛け合わせた信号(A・C)と、入力処理部11から入力されたマイク信号Mとを加算器14aに入力し、この加算器14aにおいて後者から前者を差し引くことにより、消音対象である騒音成分を算出し、これを分離信号P(=M−A・C)として駆動信号算出部15に出力する。尚、オーディオ信号Aはオーディオ装置7から出力される信号である。
【0029】
駆動信号算出部15は、スピーカ1の駆動信号の位相、振幅を算出すると共にその位相、振幅を持つ駆動信号Yを回転センサ信号Rに基づいて作成し出力する。
加算部16は、駆動信号算出部15から入力された駆動信号Yとオーディオ装置7から入力されたオーディオ信号Aとを加算して加算信号T(=A+Y)として出力処理部13へ出力する。
【0030】
ここで駆動信号算出部15の詳細について図2に基づいて説明する。図2は駆動信号算出部の機能を表すブロック図である。この図2に示すように駆動信号算出部15は、適応フィルタ部15a、前置フィルタ部15b、適応フィルタ更新処理部15cを備えている。
【0031】
適応フィルタ部15aは、位相・ゲインが可変可能なフィルタ特性Hを有し、回転センサ2から出力される回転センサ信号Rを基準にして駆動信号Yを生成するものである。
前置フィルタ部15bは、駆動信号Yに対するマイクロフォン3の分離信号Pの遅れを補正するものである。この遅れは分離信号Pと駆動信号Yとの間の伝達特性Cにより生じるものである。このため、伝達特性Cに等しいフィルタ特性C0のフィルタ処理を前置フィルタ部15bにより行う。
【0032】
適応フィルタ更新処理部15cは、分離信号Pが最小となるように、上記適応フィルタ部15aのフィルタ特性H、より具体的には位相・ゲインを可変設定するものである。この適応フィルタ更新処理部15cは、適応フィルタ部15aのフィルタ特性Hを、Filtered−X−LMS制御と呼ばれる制御方式で使用される後述の理論式によって求め、その値の更新を繰り返す。この更新処理は伝達特性Cが固定化された発散なしの制御下において実行される。これにより騒音成分である分離信号Pが最小となる。
【0033】
ここで前置フィルタ部15bの出力をXd、更新刻み(定数)をμ1とすると、これらのパラメータの値と適応フィルタ部15aの更新前のフィルタ特性Hの値を使用して適応フィルタ部15aの更新後の値は数1式のように表すことができる。
【0034】
【数1】
【0035】
次に、分離信号Pと駆動信号Yとの間の伝達特性Cの測定法について述べる。駆動信号算出部15と加算部16との間に設けた切り替えスイッチ17がオンのとき即ち駆動信号出力がオンのときと、この切り替えスイッチ17がオフのとき即ち駆動信号出力がオフのときの、各々のマイク信号をM1、M2、分離信号をP1、P2とすると、伝達特性Cを推定するC推定処理部18は、分離信号P1、P2と駆動信号Yから伝達特性Cを推定することができる。
【0036】
分離信号P1、P2は、エンジン騒音をDとすると、
【0037】
【数2】
【0038】
【数3】
【0039】
で表される。ここで、数2式−数3式とすれば、伝達特性Cは、
【0040】
【数4】
【0041】
で表され、駆動信号出力オン時とオフ時の分離信号の差(P1−P2)及び駆動信号Yから推定できる。なお、伝達特性Cが変化する場合は、何らかの外乱が介入されるときであり、駆動信号Yをオフにしても聴覚上問題はない。
また、数4式を得るためには、入力を駆動信号Y、出力を分離信号P1、P2とした場合の、伝達関数W1(駆動信号出力オン時)、W2(駆動信号出力オフ時)
【0042】
【数5】
【0043】
【数6】
【0044】
を求め、伝達関数W1と伝達関数W2の差をとる。次に、この伝達関数W1、W2を算出するために、図3の制御系を構成する。図3の制御系は図2の制御系の適応フィルタ部15aに関連する箇所を詳細に表したものである。適応フィルタ部15aの伝達関数Wi(i=1,2)に任意の初期値を与え、以下のような誤差Eを求める。
【0045】
【数7】
【0046】
【数8】
【0047】
誤差Eを0とするために、以下のFiltered−X−LMS制御理論式によって、フィルタ特性更新手段51が伝達関数Wiを繰り返し更新する。
【0048】
【数9】
【0049】
最終的に誤差E0ならば、伝達関数W1,W2より数4式の伝達特性Cを求め、前置フィルタの伝達特性を更新する。
次に、制御装置10の具体的な処理内容を図4のフローチャートに基づいて説明する。図4に示す制御手順は記録媒体であるROMに、コンピュータ(この場合、マイクロプロセッサ)により読み取り可能なプログラム言語の形態で予め記録されており一定周期で繰り返し実行される。
【0050】
マイクロプロセッサはステップ(以下「S」と略す)1の入力処理において、回転センサ信号R、マイク信号Mを入力し、続いてS2の分離処理において、マイク信号Mから騒音成分を分離して分離信号Pとして出力する。即ち、オーディオ装置7から入力されたオーディオ信号に伝達特性Cを掛け合わせたものをマイク信号Mから差し引くことにより、騒音成分信号としての分離信号P(=M−C・A)を算出し出力する。
【0051】
続いて、マイクロプロセッサは、S3の前置フィルタ処理において、回転センサ信号Rと分離信号Pの位相調整を行い、S4のフィルタ特性更新処理において、分離信号Pが最小になるように適応フィルタ処理におけるフィルタ特性Hを更新する。
【0052】
この処理の後、マイクロプロセッサはS5の適応フィルタ処理において、更新したフィルタ特性Hのフィルタ処理を行い、駆動信号Yを作成し、S6の加算処理において、オーディオ信号Aを駆動信号Yに加算して加算信号T(=A+Y)を作成する。
【0053】
そして、S7の加算信号出力処理により加算信号Tをスピーカ1に出力する。すると、マイクロフォン3は加算信号Tが伝達系の影響を受けた状態の信号つまりC・T(=C・A+C・Y)を入力し、これをマイク信号Mとして出力する。その後、マイクロプロセッサはS8の伝達特性C推定処理において、上述したような伝達特性Cの推定手順を行うことにより伝達特性Cを推定する。
【0054】
以上のように、本実施例によれば、オーディオ信号に基づく成分を取り除いた後の騒音成分のみを消音対象としているため、騒音だけを低減することができ、人が聞きたい音楽等は保護されるという効果が得られる。また、特に伝達特性の影響が大きい場合には、その伝達特性を考慮したうえでマイク信号から騒音成分を取り出しているため、騒音だけを精度よく低減することができ、人が聞きたい音楽等は確実に保護されるという効果が得られる。
【0055】
[第2実施例]
図5は、自動車に搭載した本発明の能動型騒音低減装置のシステム構成図である。
第2実施例の能動型騒音低減装置は、第1実施例と比べて、分離部24及び加算部26の構成及び処理が異なるほか、第1実施例のC推定処理部18に代えて逆伝達特性C-1推定処理部(以下「C-1推定処理部」ともいう)28を備えている点が異なる以外は、第1実施例と略同じ構成である。従って、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
本実施例の加算部26は、駆動信号算出部15から入力された駆動信号Yと、逆伝達特性処理部29においてオーディオ装置7から入力されたオーディオ信号Aに逆伝達特性C-1を掛け合わせた信号とを加算して、これを加算信号T(=Y+A・C-1)として出力処理部13へ出力する。
【0057】
本実施例では、駆動信号Yに加えてオーディオ信号Aに逆伝達特性C-1を掛け合わせた信号をスピーカ1から出力させるが、これらの信号がスピーカ1からマイクロフォン3に至ったとき、伝達特性Cが掛け合わせられた信号として入力される。つまり、オーディオ信号Aに逆伝達特性C-1を掛け合わせた信号は、更に伝達特性Cが掛け合わされるため、元のオーディオ信号Aそのものとしてマイクロフォン3に入力される。このため、聴取者は音場等の伝達系の影響を受けていない状態のオーディオ信号Aを聴取できるという効果が得られる。この効果は、特に、音場等の伝達特性の影響が大きい場合に有用である。
【0058】
また、分離部24は、オーディオ信号Aに基づく成分としてオーディオ信号Aそのものと、入力処理部11から入力されたマイク信号Mとを加算器24aに入力し、この加算器24aにおいて後者から前者を差し引くことにより、消音対象である騒音成分を算出し、これを分離信号P(=M−A)として駆動信号算出部15に出力する。
【0059】
本実施例では、マイクロフォン3は聴取者の耳と略同じ位置に取り付けてあるため、マイク信号Mに含まれるオーディオ信号Aに基づく成分は、聴取者が聴取するものと略同じ(つまりA)である。このため、分離部24において差し引く成分もオーディオ信号Aそのものでよいのである。
【0060】
また、C-1推定処理部28は、第1実施例のC推定処理部18と同様にして伝達特性Cを求めたうえでその逆特性である逆伝達特性C-1を求めるものである。このため、詳細な説明は省略する。
制御装置10の具体的な処理内容の手順は図4のフローチャートと同様であるため、このフローチャートに基づいて説明する。この制御手順は記録媒体であるROMに、コンピュータ(この場合、マイクロプロセッサ)により読み取り可能なプログラム言語の形態で予め記録されており一定周期で繰り返し実行される。
【0061】
制御装置10を構成するマイクロプロセッサは、S1の入力処理において第1実施例と同様、回転センサ信号R、マイク信号Mを入力する。続くS2の分離処理において、マイク信号Mから騒音成分を分離して分離信号Pとして出力する。即ち、オーディオ装置7から入力されたオーディオ信号Aそのものをマイク信号Mから差し引くことにより、騒音成分信号としての分離信号P(=M−A)を算出し出力する。
【0062】
続いて、マイクロプロセッサは、S3の前置フィルタ処理、S4のフィルタ特性更新処理、S5の適応フィルタ処理は第1実施例と同様の処理を行う。続くS6の加算処理において、オーディオ信号Aに逆伝達特性C-1を掛け合わせた信号を駆動信号Yに加算して加算信号T(=A・C-1+Y)を作成する。
【0063】
そして、S7の加算信号出力処理により加算信号T(=A・C-1+Y)をスピーカ1に出力する。その後、マイクロプロセッサはS8の伝達特性C推定処理において、上述したような伝達特性Cの推定手順を行うことにより伝達特性Cを推定し、更にその逆特性である逆伝達特性C-1を求める。
【0064】
以上のように、本実施例によれば、オーディオ信号に基づく成分を取り除いた後の騒音成分のみを消音対象としているため、騒音だけを低減することができ、人が聞きたい音楽等は保護されるという効果が得られる。また、特に伝達特性の影響が大きい場合において、その伝達特性を考慮してオーディオ音を発生させているため、聴取者は良好なオーディオ音を聴取することができるという効果が得られる。
【0065】
尚、本発明は、上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば上記第1実施例において、伝達特性の影響が特に大きくない場合には、分離部14はオーディオ信号Aを加工せずそのままマイク信号Mから差し引くように処理し、また加算部16はオーディオ信号Aそのものと駆動信号Yとを加算して加算信号Tを作成し、これをスピーカ1に出力する構成としてもよい。
【0066】
また、上記第1実施例において、音発生手段はただ一つのスピーカ1により制御音とオーディオ音を出力する構成としたが、音発生手段を制御音発生用スピーカとオーディオ音発生スピーカに分けて各々別個に出力してもよい。この場合には、制御音発生用スピーカとマイクロフォンとの間の伝達特性と、オーディオ音発生用スピーカとマイクロフォンとの間の伝達特性を各々推定し、駆動信号算出部15が駆動信号を作成する際には前者の伝達特性を、分離部14がマイク信号Mから騒音成分を取り出す際には後者の伝達特性を用いるようにしてもよい。尚、第2実施例についても同様の構成を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の能動型騒音低減装置のシステム構成図である。
【図2】 駆動信号算出部の機能を表すブロック図である。
【図3】 図2の制御系を部分的に表すブロック図である。
【図4】 制御装置の処理手順を表すフローチャートである。
【図5】 第2実施例の能動型騒音低減装置のシステム構成図である。
【符号の説明】
1・・・スピーカ、2・・・回転センサ、3・・・マイクロフォン、7・・・オーディオ装置、10・・・制御装置、14・・・分離部、15・・・駆動信号算出部、15a・・・適応フィルタ部、15b・・・前置フィルタ部、15c・・・適応フィルタ更新処理部、16・・・加算部、17・・・切り替えスイッチ、18・・・伝達特性C推定処理部。
Claims (7)
- 室内で発生した音を音検出信号として検出する音検出手段と、
該音検出手段によって検出された音検出信号からオーディオ信号に基づく成分を取り除いて消音対象である騒音成分を求める分離手段と、
該分離手段により求められた騒音成分を消音するための制御音を発生する音発生手段と、
該音発生手段を駆動する駆動信号を、前記分離手段により求められた騒音成分に応じて作成する駆動信号作成手段と、
前記分離手段により分離された騒音成分と前記駆動信号作成手段により作成された駆動信号との間の伝達特性を推定する伝達特性推定手段と、備えており、
前記分離手段は、前記音検出手段によって検出された音検出信号から、前記伝達特性推定手段により推定された伝達特性を前記オーディオ信号に掛け合わせた信号を差し引くことにより消音対象である騒音成分を求め、
前記音発生手段は、前記駆動信号作成手段により作成された駆動信号に応じた制御音のほか、前記オーディオ信号に応じたオーディオ音を発生し、
前記伝達特性推定手段は、前記音声発生手段により制御音を発生させる場合と発生させない場合それぞれにおいて前記分離手段により求められる騒音成分の差,および,前記駆動信号作成手段により作成された駆動信号から、前記伝達特性を推定する
ことを特徴とする能動型騒音低減装置。 - 請求項1に記載の能動型騒音低減装置であって、
前記伝達特性推定手段は、一定周期で繰り返し伝達特性の推定を行う
ことを特徴とする能動型騒音低減装置。 - 室内で発生した音を音検出信号として検出する音検出手段と、
該音検出手段によって検出された音検出信号からオーディオ信号に基づく成分を取り除いて消音対象である騒音成分を求める分離手段と、
該分離手段により求められた騒音成分を消音するための制御音を発生する音発生手段と、
該音発生手段を駆動する駆動信号を、前記分離手段により求められた騒音成分に応じて作成する駆動信号作成手段と、
前記分離手段により分離された騒音成分と前記駆動信号作成手段により作成された駆動信号との間の伝達特性の逆特性(以下「逆伝達特性」という)を推定する逆伝達特性推定手段と、を備えており、
前記分離手段は、前記音検出手段によって検出された音検出信号から前記オーディオ信号を差し引くことにより消音対象である騒音成分を求め、
前記音発生手段は、前記駆動信号作成手段により作成された駆動信号に応じた制御音のほか、前記オーディオ信号に逆伝達特性を掛け合わせた信号に応じたオーディオ音を発生して、
前記伝達特性推定手段は、前記音声発生手段により制御音を発生させる場合と発生させない場合それぞれにおいて前記分離手段により求められる騒音成分の差,および,前記駆動信号作成手段により作成された駆動信号から、前記逆伝達特性を推定する
ことを特徴とする能動型騒音低減装置。 - 請求項3に記載の能動型騒音低減装置であって、
前記逆伝達特性推定手段は、一定周期で繰り返し伝達特性の推定を行う
ことを特徴とする能動型騒音低減装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の能動型騒音低減装置であって、
騒音の周期に追従した基準信号を発生する基準信号発生手段を備え、
前記駆動信号作成手段は位相及びゲインを可変設定可能な適応フィルタを含み、前記騒音成分が最小となるように前記適応フィルタのフィルタ特性を可変設定して前記駆動信号を前記基準信号から作成する
ことを特徴とする能動型騒音低減装置。 - 室内で発生した音を音検出信号として検出し、該音検出信号からオーディオ信号に基づく成分を取り除いて消音対象である騒音成分を下記(1)にて求め、音発生手段を駆動する駆動信号を前記騒音成分に応じて作成し、該駆動信号および前記オーディオ信号に応じて前記音発生手段を駆動することにより、前記騒音成分を消音するための制御音およびオーディオ音を発生させる
ことを特徴とする騒音低減方法。
(1)前記音声発生手段により制御音を発生させる場合と発生させない場合それぞれにおいて求められる騒音成分の差,および,前記駆動信号から、前記騒音成分と前記駆動信号との間の伝達特性を推定し、該伝達特性を前記オーディオ信号に掛け合わせてなる信号を、前記音検出信号から差し引くことにより消音対象である騒音成分を求める。 - 室内で発生した音を音検出信号として検出し、該音検出信号からオーディオ信号を差し引くことにより消音対象である騒音成分を求め、音発生手段を駆動する駆動信号を前記騒音成分に応じて作成し、該騒音成分と前記駆動信号との間の伝達特性の逆特性(以下「逆伝達特性」という)を下記(1)にて推定し、前記駆動信号および前記オーディオ信号に前記推定した逆伝達特性を掛け合わせた信号に応じて前記音発生手段を駆動することにより音を発生させる
ことを特徴とする騒音低減方法。
(1)前記音声発生手段により制御音を発生させる場合と発生させない場合それぞれにおいて求められる騒音成分の差,および,前記駆動信号から前記逆伝達特性を推定する。
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