JP2008199807A - 電源回路の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で、複数の蓄電機構の直列接続を1度に切り離す。
【解決手段】SMR500は、鉄心500Dにコイル500Cが巻き付けられた励磁コイルと、この励磁コイルに対向して設けられた可動鉄片500Aと、この可動鉄片500Aを励磁コイルの逆側(図4の矢印方向側)に引っ張る復帰バネ500Bと、走行用バッテリ220を3ユニットに分割した場合における分割ユニット間の接点A〜Hの8点にそれぞれ接続された接点と、補機バッテリ221の電力をコイル500Cに通電したり通電を遮断したりするスイッチ500Eとから構成される。ECU400は、車両に大きな衝撃が作用したと判断した場合、励磁コイルへの電力供給を停止して走行用バッテリ220を3ユニットに分割する。
【選択図】図4
【解決手段】SMR500は、鉄心500Dにコイル500Cが巻き付けられた励磁コイルと、この励磁コイルに対向して設けられた可動鉄片500Aと、この可動鉄片500Aを励磁コイルの逆側(図4の矢印方向側)に引っ張る復帰バネ500Bと、走行用バッテリ220を3ユニットに分割した場合における分割ユニット間の接点A〜Hの8点にそれぞれ接続された接点と、補機バッテリ221の電力をコイル500Cに通電したり通電を遮断したりするスイッチ500Eとから構成される。ECU400は、車両に大きな衝撃が作用したと判断した場合、励磁コイルへの電力供給を停止して走行用バッテリ220を3ユニットに分割する。
【選択図】図4
Description
本発明は、電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド車などの走行用モータを搭載した車両に関し、特に、バッテリ(以下、蓄電機構、二次電池と記載する場合がある)と負荷とを接続および遮断する電源回路を制御する装置に関する。
従来から、車両走行の推進力として、燃焼エネルギーで作動するエンジンの他に電気エネルギーで作動するモータを備えたハイブリッド車両が知られている。このハイブリッド車両の種類としては、大きく、(1)車輪の駆動をモータで行ないエンジンはモータへの電力供給源として作動するシリーズ(直列)ハイブリッドシステムと、(2)エンジンとモータとの双方で車輪を駆動するパラレル(並列)ハイブリッドシステムとがある。さらに、これらの両方の機能を併せ持つパラレルシリーズハイブリッドシステムと呼ばれるものもある。
シリーズハイブリッドシステム以外においては、モータをエンジンの出力を補助する補助駆動源として使用される。このようなハイブリッド車は、たとえば、加速時においてはモータによってエンジンの出力を補助し、減速時においては減速回生によってバッテリ等への充電を行なう等、様々な制御を行ない、バッテリの残容量を確保しつつ運転者の要求を満足できるようになっている。このようなハイブリッド車両は、モータの駆動あるいは回生を行なうために、パワードライブユニットを備える。パワードライブユニットは、複数のスイッチング素子を備え、このスイッチング素子を用いた電流制御によりモータを駆動あるいは回生する。また、ハイブリッド車両は、これらスイッチング素子にスイッチングを行なわせる制御信号を出力するモータ制御装置を備えている。
上述したハイブリッド車両には、モータに供給する電力を蓄えるバッテリが搭載され、モータはインバータに接続され、インバータはバッテリに接続されている。このバッテリとしては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池が採用される。たとえば、このような二次電池は、バッテリ1セルあたりの出力電圧は1.2V程度であって、これを6セル直列接続して7.2Vのバッテリモジュールとして、さらに30個〜40個のバッテリモジュールを直列接続して、216V〜288Vのバッテリパックとして車両に搭載される。このようなバッテリパックは、3〜5個のバッテリユニットに分割して、車両のフロアパネルに搭載されたり、ラゲッジルームの床下に搭載される。
特許文献1(特開平6−84546号公報)は、高電圧蓄電池を電源とする電気自動車の蓄電池間容量のアンバランスを最小に押さえるとともに、保守点検時等における危険性を低下しうる電気自動車用蓄電池装置を開示する。この蓄電池装置は、電気自動車の高電圧蓄電池電源を複数の蓄電池群に分割し、これらを電磁スイッチを介して接続し、始動スイッチSWのON・OFFに連動させて放電回路と充電回路とに切り替え、充電に際しては複数の蓄電池群に分割して並列充電回路を構成させる。
この蓄電池装置によると、過充電による早期寿命劣化を防ぐとともに、電気自動車放置中においても、高電圧蓄電池電源は複数の蓄電池群に分割されて並列状態にあるので、高電圧に伴う危険性を低減することができる。
特開平6−84546号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された蓄電池装置においては、4個の蓄電池群に対して、それぞれ1個の電磁スイッチ(合計4個の電磁スイッチ)を設けている。これらの4個の電磁スイッチをコントローラで開閉制御するのであるが、4この電磁スイッチが正常に動作すること、4個の電磁スイッチとコントローラとの間の配線が断線も短絡もしていないこと等を前提として、1度の切り替えで、4個の蓄電池群を直列接続(200V〜300V程度の高電圧がバッテリパックから出力される接続状態)を切り離すことができる、ところが、上述した前提が成立しないと、1度の切り替えで、4個の蓄電池群の直列接続を切り離すことができない。さらに、分割した蓄電池群の数だけ、電磁スイッチが必要になりコストアップも懸念される。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、簡易な構成で、複数の蓄電機構の直列接続を1度に切り離すことができる、電源回路の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る制御装置は、車両に搭載された走行用の蓄電機構を含む電源回路を制御する。この蓄電機構は、複数の蓄電ユニットが端子を介して直列に接続されて、走行用の高電圧負荷に電力を供給する。この制御装置は、1の蓄電ユニットの正極および負極のいずれかの端子と他の蓄電ユニットの他極側の端子とを電気的に接続する、複数の可動接点と、複数の可動接点について、端子間を電気的に接続するように動作させる1つの励磁コイルと、励磁コイルへの電力の供給および遮断を切換えるスイッチとを含む。
第1の発明によると、車両を走行させるための蓄電機構の一例として二次電池(ニッケル水素電池やリチウムイオン電池)がある。これらの二次電池の電圧は200V〜300Vであって、特に、従来の補機用バッテリの12Vに比較して、高電圧である。この蓄電機構(二次電池)は、直列に接続される複数の蓄電ユニット(バッテリユニット)に分割されている。この蓄電ユニットの正極側端子と他の蓄電ユニットの負極側端子とは、1つの励磁コイルで作動される1つの可動接点で電気的に接続されたり、電気的に非接続の状態にされたりする。このような端子の組が、分割された蓄電ユニットの数に対応して存在する。この端子の組は1つの励磁コイルで電気的にオン(通電)オフ(非通電)される。このため、1つの励磁コイルへの通電/非通電指令をスイッチに出力するだけで、高電圧の蓄電機構を、低電圧の複数の蓄電ユニットに分離することができる。その結果、簡易な構成で、複数の蓄電機構の直列接続を1度に切り離すことができる、電源回路の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る制御装置は、第1の発明の構成に加えて、車両に作用した加速度を検出するための手段と、加速度が車両衝突を想定したしきい値よりも大きいと、端子間が電気的に接続しなくなるようにスイッチを制御するための制御手段とをさらに含む。
第2の発明によると、車両が衝突した場合であって、蓄電機構が損傷を受ける場合があり得る。このような場合において、受けた衝突による加速度が大きいと、1つの励磁コイルへの指令信号をスイッチに出力するだけで、高電圧の蓄電機構を、低電圧の複数の蓄電ユニットに分離することができる。このため、たとえ、蓄電機構が損傷を受けて蓄電機構の外部での短絡が発生したとしても、蓄電機構の総電圧(全ての蓄電ユニットを直列接続した場合の電圧)よりも低い電圧にできるので、安全性を高めることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む、ハイブリッド車両全体の制御ブロック図を説明する。なお、本発明は図1に示すハイブリッド車両に限定されない。本発明は、動力源としての、たとえばガソリンエンジン等の内燃機関(以下、エンジンとして説明する)が、車両を走行させる駆動源(走行源)であって、かつ、ジェネレータの駆動源であればよい。さらに、駆動源がエンジンおよびモータジェネレータであって、モータジェネレータの動力により走行可能な車両であればよく(エンジンを停止させても停止させなくても)、走行用のバッテリを搭載した他の態様を有するハイブリッド車両であってもよい(いわゆるシリーズ型やパラレル型等のハイブリッド車両に限定されない)。このバッテリは、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などであって、その種類は特に限定されるものではない。また、蓄電機構としては、バッテリの代わりにキャパシタでも構わない。
ハイブリッド車両は、エンジン120と、モータジェネレータ(MG)140とを含む。なお、以下においては、説明の便宜上、モータジェネレータ140を、モータジェネレータ140A(またはMG(2)140A)と、モータジェネレータ140B(またはMG(1)140B)と表現するが、ハイブリッド車両の走行状態に応じて、モータジェネレータ140Aがジェネレータとして機能したり、モータジェネレータ140Bがモータとして機能したりする。このモータジェネレータがジェネレータとして機能する場合に回生制動が行なわれる。モータジェネレータがジェネレータとして機能するときには、車両の運動エネルギが電気エネルギに変換されて、車両が減速される。
ハイブリッド車両は、この他に、エンジン120やモータジェネレータ140で発生した動力を駆動輪160に伝達したり、駆動輪160の駆動をエンジン120やモータジェネレータ140に伝達したりする減速機180と、エンジン120の発生する動力を駆動輪160とモータジェネレータ140B(MG(1)140B)との2経路に分配する動力分割機構(たとえば、後述する遊星歯車機構)200と、モータジェネレータ140を駆動するための電力を充電する走行用バッテリ220と、走行用バッテリ220の直流とモータジェネレータ140A(MG(2)140A)およびモータジェネレータ140B(MG(1)140B)の交流とを変換しながら電流制御を行なうインバータ240と、走行用バッテリ220の充放電状態(たとえば、SOC(State Of Charge))を管理制御するバッテリ制御ユニット(以下、バッテリECU(Electronic Control Unit)という)260と、エンジン120の動作状態を制御するエンジンECU280と、ハイブリッド車両の状態に応じてモータジェネレータ140およびバッテリECU260、インバータ240等を制御するMG_ECU300と、バッテリECU260、エンジンECU280およびMG_ECU300等を相互に管理制御して、ハイブリッド車両が最も効率よく運行できるようにハイブリッドシステム全体を制御するHV_ECU320等を含む。
本実施の形態において、走行用バッテリ220とインバータ240との間には昇圧コンバータ242が設けられている。これは、走行用バッテリ220の定格電圧が、モータ140A(MG(2)140A)やモータジェネレータ140B(MG(1)140B)の定格電圧よりも低いので、走行用バッテリ220からモータジェネレータ140A(MG(2)140A)やモータジェネレータ140B(MG(1)140B)に電力を供給するときには、昇圧コンバータ242で電力を昇圧する。なお、充電する場合にはこの昇圧コンバータで降圧して走行用バッテリ220に充電電力が供給される。
なお、図1においては、各ECUを別構成としているが、2個以上のECUを統合したECUとして構成してもよい(たとえば、図1に、点線で示すように、MG_ECU300とHV_ECU320とを統合したECU(たとえば、図3のECU400)とすることがその一例である)。
動力分割機構200は、エンジン120の動力を、駆動輪160とモータジェネレータ140B(MG(1)140B)との両方に振り分けるために、遊星歯車機構(プラネタリーギヤ)が使用される。モータジェネレータ140B(MG(1)140B)の回転数を制御することにより、動力分割機構200は無段変速機としても機能する。エンジン120の回転力はキャリア(C)に入力され、それがサンギヤ(S)によってモータジェネレータ140B(MG(1)140B)に、リングギヤ(R)によってモータジェネレータ140A(MG(2)140A)および出力軸(駆動輪160側)に伝えられる。回転中のエンジン120を停止させる時には、エンジン120が回転しているので、この回転の運動エネルギをモータジェネレータ140B(MG(1)140B)で電気エネルギに変換して、エンジン120の回転数を低下させる。
図1に示すようなハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車両においては、車両の状態について予め定められた条件が成立すると、HV_ECU320は、モータジェネレータ140のモータジェネレータ140A(MG(2)140A)のみによりハイブリッド車両の走行を行なうようにモータジェネレータ140A(MG(2)140A)およびエンジンECU280を介してエンジン120を制御する。たとえば、予め定められた条件とは、走行用バッテリ220のSOCが予め定められた値以上であるという条件等である。このようにすると、発進時や低速走行時等であってエンジン120の効率が悪い場合に、モータジェネレータ140A(MG(2)140A)のみによりハイブリッド車両の走行を行なうことができる。この結果、走行用バッテリ220のSOCを低下させることができる(その後の車両停止時に走行用バッテリ220を充電することができる)。
また、通常走行時には、たとえば動力分割機構200によりエンジン120の動力を2経路に分け、一方で駆動輪160の直接駆動を行ない、他方でモータジェネレータ140B(MG(1)140B)を駆動して発電を行なう。この時、発生する電力でモータジェネレータ140A(MG(2)140A)を駆動して駆動輪160の駆動補助を行なう。また、高速走行時には、さらに走行用バッテリ220からの電力をモータジェネレータ140A(MG(2)140A)に供給してモータジェネレータ140A(MG(2)140A)の出力を増大させて駆動輪160に対して駆動力の追加を行なう。一方、減速時には、駆動輪160により従動するモータジェネレータ140A(MG(2)140A)がジェネレータとして機能して回生発電を行ない、回収した電力を走行用バッテリ220に蓄える。なお、走行用バッテリ220の充電量が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン120の出力を増加してモータジェネレータ140B(MG(1)140B)による発電量を増やして走行用バッテリ220に対する充電量を増加する。
また、走行用バッテリ220の目標SOCはいつ回生が行なわれてもエネルギーが回収できるように、通常は60%程度に設定される。また、SOCの上限値と下限値とは、走行用バッテリ220のバッテリの劣化を抑制するために、たとえば、制御上限値を80%とし、制御下限値を30%として設定され、HV_ECU320は、MG_ECU300を介してSOCが上限値および下限値を越えないようにモータジェネレータ140による発電や回生、モータ出力を制御している。なお、ここで挙げた値は、一例であって特に限定される値ではない。
図2を参照して、動力分割機構200についてさらに説明する。動力分割機構200は、サンギヤ(S)202と(以下、単にサンギヤ202と記載する)、ピニオンギヤ204と、キャリア(C)206(以下、単にキャリア206と記載する)と、リングギヤ(R)208(以下、単にリングギヤ208と記載する)とを含む遊星歯車から構成される。
ピニオンギヤ204は、サンギヤ202およびリングギヤ208と係合する。キャリア206は、ピニオンギヤ204が自転可能であるように支持する。サンギヤ202はMG(1)140Bの回転軸に連結される。キャリア206はエンジン120のクランクシャフトに連結される。リングギヤ208はMG(2)140Aの回転軸および減速機180に連結される。
エンジン120、MG(1)140BおよびMG(2)140Aが、遊星歯車からなる動力分割機構200を介して連結されることで、エンジン120、MG(1)140BおよびMG(2)140Aの回転数は、共線図において直線で結ばれる関係になる。
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る制御装置で制御される電源回路について説明する。この電源回路は、走行用バッテリ220と、昇圧コンバータ242と、インバータ240と、コンデンサC(1)510と、コンデンサC(2)520と、SMR500と、ECU400とを含む。本実施の形態に係る制御装置は、ECU400が実行するプログラムにより実現される。
インバータ240は、6つのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と、IGBTのエミッタ側からコレクタ側に電流を流すように、各IGBTにそれぞれ並列に接続された6つのダイオードとを含む。インバータ240は、ECU400からの制御信号に基づいて各IGBTのゲートをオン/オフ(通電/遮断)することにより、走行用バッテリ220から供給された電流を、直流電流から交流電流に変換し、モータジェネレータ140に供給する。なお、インバータ240およびIGBTには、周知の技術を利用すればよいため、ここではさらなる詳細な説明は繰返さない。なお、図3において、モータジェネレータ140A(140B)が駆動用である場合には上側のインバータ240が駆動用インバータであって、モータジェネレータ140B(140A)が発電用である場合には下側のインバータ240が発電用インバータである。
昇圧コンバータ242は、リアクトル311と、NPNトランジスタ312,313と、ダイオード314,315とを含む。リアクトル311の一方端は走行用バッテリ220の電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタ312とNPNトランジスタ313との中間点、すなわち、NPNトランジスタ312のエミッタとNPNトランジスタ313のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタ312,313は、インバータ240の電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタ312のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタ313のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタ312,313のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード314,315が接続されている。
昇圧コンバータ242は、ECU400によってNPNトランジスタ312,313がオン/オフされ、コンデンサC(1)510から供給された直流電圧を昇圧して出力電圧をコンデンサC(2)520に供給する。また、昇圧コンバータ242は、モータ駆動回路が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、モータジェネレータ140によって発電され、インバータ240によって変換された直流電圧を降圧してコンデンサC(1)510へ供給する。コンデンサC(2)520は、昇圧コンバータ242から供給された直流電力の電圧を平滑化し、その平滑化された直流電力をインバータ240へ供給する。
モータジェネレータ140は、三相交流モータである。モータジェネレータ140の回転軸は、図2に示すように車両のドライブシャフト(図示せず)に接続され、駆動輪に駆動力を伝達する。車両は、モータジェネレータ140からの駆動力により走行する。
コンデンサC(1)510は、インバータ240と並列に接続されている。コンデンサC(1)510は、走行用バッテリ220から供給された電力、またはインバータ240から供給された電力を平滑化するため、電荷を一旦蓄積する。平滑化された電力は、インバータ240または走行用バッテリ220に供給される。
SMR500は、走行用バッテリ220の正極側に設けられている(なお、負極側であっても構わない)。また、詳しくは、SMR500は、正極用のメインSMRであって、負極側にもメインSMRを有し、正極側または負極側のいずれかのメインSMRと並列にプリチャージ用SMRが設けられる。このプリチャージSMRには、制限抵抗が直列に接続されている。プリチャージSMRは、プリチャージSMRと同極のメインSMRが接続される前にオン(通電)され、インバータ240に突入電流が流れることを防止するためのSMRである。このプリチャージ処理後、メインSMRがオン(通電)されて、走行用バッテリ220から昇圧コンバータ242を介してインバータ240に電力が供給される。このSMR500は、ECU400により制御される。なお、SMR500がオフ(非通電)から通電(オン)に切り替えられた場合にはこのようなプリチャージ処理が実行されるが、このことは、本発明の本質的な部分ではないので、以下の説明においては、SMR500をオン(通電)すると記載するに留める。
ECU400は、イグニッションスイッチ(図示せず)、アクセルペダル(図示せず)の踏込み量、ブレーキペダル(図示せず)の踏込み量などに基づいて、ROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムを実行し、インバータ240および各SMRを制御して、車両を所望の状態で走行させる。ECU400には、走行用バッテリ220の電流値IBを検出する電流計222が接続されている。
SMR500は、コイルに対して励磁電流を通電したときに接点を閉じるリレーである。SMR500の作動状態とイグニッションスイッチの位置との関係について説明する。なお、SMRがオンとは通電状態を示し、SMRがオフとは非通電状態を示す。
イグニッションスイッチには、OFF(オフ)位置と、ACC位置、ON(オン)位置およびSTA(スタート)位置とがあり、ECU400は、電源遮断時、すなわちイグニッションスイッチのポジションがOFF位置にあるときには、SMR500をオフ(非通電)する。すなわち、SMR500のコイルに対する励磁電流をオフする。なお、イグニッションスイッチのポジションは、OFF位置→ACC位置→ON位置→STA位置の順に切り換えられ、STA位置からON位置へは自動的に戻るものとする。なお、このようなスイッチに、本発明の適用が限定されるものではない。
一方、イグニッションスイッチのポジションがON位置からOFF位置に切り換えられると、ECU400は、SMR500をオフ(非通電)する。この結果、走行用バッテリ220とインバータ240との間の電気的な接続が遮断され、電源遮断状態となる。このとき、駆動回路側の残存電圧はディスチャージされ、インバータ240の電圧値VHは徐々に約0V(遮断時電圧)に収束する。なお、遮断時電圧値は必ずしも0Vである必要はなく、たとえば、2〜3V程度の微弱電圧値であっても良い。
図4および図5を参照して、走行用バッテリ220とSMR500とについて、詳細に説明する。図4が、ECU400によりSMR500がオフ(非通電)とされた状態であって、図5が、ECU400によりSMR500がオン(通電)とされた状態を示す。
図4および図5において、SMR500の部分は、上面から見た図である。図4に示すように、SMR500は、鉄心550Dにコイル500Cが巻き付けられた励磁コイルと、この励磁コイルに対向して設けられた可動鉄片500Aと、この可動鉄片500Aを励磁コイルの逆側(図4の矢印方向側)に引っ張る復帰バネ500Bと、走行用バッテリ220を3ユニットに分割した場合における分割ユニット間の接点A〜Hの8点にそれぞれ接続された接点と、補機バッテリ221の電力をコイル500Cに通電したり通電を遮断したりするスイッチ500Eとから構成される。なお、図4および図5においては、可動鉄片500A、復帰バネ500Bについて、接点Aおよび接点Bの接点の組のみ記載するが、他の接点の組についても、可動鉄片500A、復帰バネ500Bは同じであるので、参照符号の記載を省略している。
図4の状態においては、ECU400はオフ指令信号をスイッチ500Eに出力しており、コイル500Cに補機バッテリ221の電力が供給されないので、励磁コイルに電流が流れないので、鉄心500Dが磁化しないので、復帰バネ500Bの力により(図4の矢印方向の力)、可動鉄片500Aが2つの接点(たとえばA接点とB接点)とを電気的に接続しない状態を維持している。
図5の状態においては、ECU400はオン指令信号をスイッチ500Eに出力しており、コイル500Cに補機バッテリ221の電力が供給されるので、励磁コイルに電流が流れて、鉄心500Dが磁化して、復帰バネ500Bの力に抗して(図5の矢印方向の力)、可動鉄片500Aが2つの接点(たとえばA接点とB接点)とを電気的に接続した状態を維持している。可動鉄片500Aは、復帰バネ500Bおよび2つの接点(たとえばA接点とB接点)が図4の紙面手前側に設けられているとすると、紙面奥側にヒンジを有した片持ちの薄い直方体である。
なお、上述した説明においては、補機バッテリ221からの電流がコイル500Cに流れているときに走行用バッテリ220の分割された接点が電気的に接続されるものとして説明したが、補機バッテリ221からの電流がコイル500Cに流れていないときに走行用バッテリ220の分割された接点が電気的に接続される構成としても構わない。さらに、走行用バッテリ220を3個のバッテリユニットに分割して、開閉制御する接点を4組として説明したが、本発明はこのような分割数にも接点組数にも限定されない。
また、図4および図5に示すように、ECU400には、このハイブリッド車両の衝突を検出するために車両に加わった加速度(衝撃値)を検出するGセンサ410が接続されている。このGセンサ410は、車両前後方向(たとえば前方向への加速度を正値)および左右方向(たとえば右方向への加速度を正値)として、加速度を検出することができる。
また、ECU400は、イグニッションスイッチの状態を検出することができるように、イグニッションスイッチと接続されている。
図6を参照して、本実施の形態に係る電源回路の制御装置を実現するために、ECU400が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、サブルーチンであって、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU400は、運転者により操作されたイグニッションスイッチがスタート位置にあるか否かを判別する。イグニッションスイッチがオフ位置からACC位置およびオン位置を経由してスタート位置にされた場合(S100にてYES)、処理はS200に移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS100へ戻され、イグニッションスイッチがスタート位置にされるまで待つ。すなわち、以下に示す処理は、イグニッションスイッチがスタート位置に移行されてSMR500がオン(通電)した以降に行なわれる。なお、上述したように、本発明においては、イグニッションスイッチに限定されない。このため、以下の処理を開始するタイミングは、SMR500がオンされるタイミングであれば、特に、イグニッションスイッチがスタート位置であるタイミングに限定されない。
S200にて、ECU400は、SMRオン(通電)指令信号をスイッチ500Eに出力する。スイッチ500Eが電気的にコイル500Cと補機バッテリ221とを接続して、補機バッテリ221の電力がコイル500Cに供給されるので、励磁コイルに電流が流れて、鉄心500Dが磁化して、復帰バネ500Bの力に抗して、可動鉄片500Aが2つの接点(たとえばA接点とB接点)とを電気的に接続する。
S300にて、ECU400は、Gセンサ410からの信号を検出する。S400にて、ECU400は、衝撃の絶対値を算出する。これは、前後方向で加速度の値の正負が反転し、左右方向で加速度の値の正負が反転するためである。
S300にて、ECU400は、Gセンサ410からの信号を検出する。S400にて、ECU400は、衝撃の絶対値を算出する。これは、前後方向で加速度の値の正負が反転し、左右方向で加速度の値の正負が反転するためである。
S500にて、ECU400は、衝撃の絶対値がしきい値よりも大きいか否かを判断する。このしきい値はこのハイブリッド車両が、車両や固定物に衝突した場合の加速度に基づいて設定される。衝撃の絶対値がしきい値よりも大きいと(S500にてYES)、処理はS600へ移される。もしそうでないと(S500にてNO)、処理はS700へ移される。
S600にて、ECU400は、SMRオフ(非通電)指令信号をスイッチ500Eに出力する。スイッチ500Eが電気的にコイル500Cと補機バッテリ221とを非接続の状態に切換えて、補機バッテリ221の電力がコイル500Cに供給されなくなるので、励磁コイルに電流が流れなくなり、鉄心500Dの磁化が解消されて、復帰バネ500Bの力により、可動鉄片500Aが2つの接点(たとえばA接点とB接点)とを電気的に非接続の状態に切換える。その後、この処理は終了する。
S700にて、ECU400は、運転者により操作されたイグニッションスイッチがオフ位置にあるか否かを判別する。イグニッションスイッチがオン位置からACC位置を経由してオフ位置にされた場合(S700にてYES)、処理はS800に移される。もしそうでないと(S700にてNO)、処理はS300へ戻される。
S800にて、ECU400は、SMRオフ(非通電)指令信号をスイッチ500Eに出力する。スイッチ500EがSMRオフ(非通電)指令信号を受けた後についてのSMR500の動作はS600と同じであるので説明は繰り返さない。その後、この処理は終了する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態にかかる電源回路の制御装置であるECU400の動作について説明する。
車両の運転者がイグニッションスイッチをOFF位置からACC位置およびON位置を経由してスタート位置にすると(S100にてYES)、SMRオン(通電)指令信号がスイッチ500Eに出力されて、SMR500が通電状態になり、走行用バッテリ220と負荷とが電気的に接続される。
このとき、図5に示すように、接点Aと接点Bとが可動鉄片500Aで電気的に接続され、同じように、接点Cと接点Dとが可動鉄片500で電気的に接続され、接点Eと接点Fとが可動鉄片500で電気的に接続され、接点Gと接点Hとが可動鉄片500で電気的に接続されて、走行用バッテリ220の複数のバッテリユニットが直列に接続されて、216V〜288V等の高電圧の電力が負荷(昇圧コンバータ242やインバータ240)に供給される。
Gセンサ410からの信号を監視して(S300)、衝撃の絶対値を算出して(S400)、このハイブリッド車両が他の車両や固定物等に衝突すると、しきい値よりも大きな衝撃の絶対値が検出される(S500にてYES)。この場合、イグニッションスイッチの位置に関わらず、SMRオフ(非通電)指令信号がスイッチ500Eに出力される(S600)。可動鉄片により電気的に接続された接点の組(接点Aと接点B、接点Cと接点D、接点Eと接点F、接点Gと接点H)が電気的に通電された状態から非通電の状態に切換えられる。
このように、全体としては216V〜288V程度の高い電圧の走行用バッテリを、1つのSMRを用いて、分割されたバッテリユニットの数に応じた電圧値まで低下させることができる。そのため、たとえ、走行用バッテリが外部で短絡したとしても、そのときに流れる電流値は走行用バッテリの総電圧ではなく、分割されたバッテリユニットの電圧値まで低下させることができ、安全性を高めることが可能となる。なお、バッテリユニットを多い数に分割するほど外部短絡時に流れる電圧値を低下させることができる。このときにおいても、本発明によれば、1つのSMRで制御できるため、多くの電磁リレーを必要とすることなく、コストアップにならない。
なお、S600の処理を実行する条件として、走行用バッテリに設けられたサービスプラグを取り外されたときとしても構わない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
120 エンジン、140 モータジェネレータ、160 駆動輪、180 減速機、200 動力分割機構、220 走行用バッテリ、222 電流計、240 インバータ、242 昇圧コンバータ、260 バッテリECU、280 エンジンECU、300 MG_ECU、320 HV_ECU、400 ECU、500 SMR、510 コンデンサC(1)、520 コンデンサC(2)。
Claims (2)
- 車両に搭載された走行用の蓄電機構を含む電源回路の制御装置であって、
前記蓄電機構は、複数の蓄電ユニットが端子を介して直列に接続されて、走行用の高電圧負荷に電力を供給し、
前記制御装置は、
1の蓄電ユニットの正極および負極のいずれかの端子と他の蓄電ユニットの他極側の端子とを電気的に接続する、複数の可動接点と、
前記複数の可動接点について、前記端子間を電気的に接続するように動作させる1つの励磁コイルと、
前記励磁コイルへの電力の供給および遮断を切換えるスイッチとを含む、電源回路の制御装置。 - 前記制御装置は、
前記車両に作用した加速度を検出するための手段と、
前記加速度が車両衝突を想定したしきい値よりも大きいと、前記端子間が電気的に接続しなくなるように前記スイッチを制御するための制御手段とをさらに含む、請求項1に記載の電源回路の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007033165A JP2008199807A (ja) | 2007-02-14 | 2007-02-14 | 電源回路の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=39758250
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-
2007
- 2007-02-14 JP JP2007033165A patent/JP2008199807A/ja not_active Withdrawn
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