JP2008195840A - ゴムとプラスチック基材の積層用接着剤及びそれを用いた積層体 - Google Patents

ゴムとプラスチック基材の積層用接着剤及びそれを用いた積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリエステルフィルムとゴムとの接着力が高く、かつ該接着力の耐久性に優れ、さらに成型性の優れた積層体が得られるゴム複合用接着剤およびその積層体を提供する。
【解決手段】 不飽和炭化水素結合を分子中に有するポリウレタン樹脂と、溶剤および/または反応性希釈剤を含む、ゴムとプラスチック基材の積層用接着剤関する。また、ゴムとプラスチック基材を、接着剤を介して貼り合わせた積層体において、この接着剤が不飽和炭化水素結合を分子中に有するポリウレタン樹脂と、溶剤および/または反応性希釈剤を含むことを特徴とする積層体に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明はゴムとプラスチック基材の積層用接着剤及びその積層体に関するもので、更に詳しくは、本発明は、種々プラスチックフィルムとゴムを貼り合わせるために好適な接着剤であり、この接着剤としてポリアクリロニトリルブタジエン構造を分子中に有するポリアミドイミド系樹脂を用いることによりゴム界面との親和性が改良され、優れた接着力と接着耐久性が発揮され、更に成形性の優れた積層体が得られるものである。
ゴムは、優れた弾力性を有しているため、産業上の広い分野でシール材やクッション材等に使用されている。しかし、ゴムフィルムは柔軟であるため、装置や部品に組み込む場合の作業性に劣っていた。一方、ポリエステルフィルムのようなプラスチック基材は、ゴムに比べて硬く、寸法安定性が良好で、装置や部品に組み込む場合の作業性に優れており、かつ滑り性が良好であるため、広い分野で利用されている。しかし、一般にプラスチックフィルムは、弾力性やシール性が低いため、シール材やクッション材としては不適当であった。
上記課題を解決する方法としてポリエステルフィルム等の各種フィルムとゴムフィルムとを貼り合わせた複合体が提案されている。(例えば、特許文献1〜2参照)
ポリエステルフィルムは、耐熱性や寸法安定性等に優れており、かつ経済性に優れており、上記ゴムとの複合体の基材フィルムとして好適であり、上記特許文献1〜2には、該ポリエステルフィルムを、接着剤を介してゴムフィルムと貼り合わせた複合体が開示されている。しかしながら、該特許文献の実施例に開示されている複合体の接着剤としてはエポキシ系樹脂が用いられており、ゴム層と接着剤界面の接着性が不十分であった。
上記ゴム複合体の用途の一つとして、各種成型体の構成部材として使用される場合がある。該部材としてゴム複合体を用いることにより、成型体の成形において発生する歪をゴムの弾性を利用して緩和することができるので、例えば、成型体の表面状態を改善することができる。かつ該成型体の使用において成型体に加わる外力をゴムの有する弾性で緩和することが可能となり、その結果として例えば、成型体の耐久性を向上させることができる等の効果を付与することができる。
上記のような使用方法においては、ゴム複合体は高い成型性、ゴム複合体におけるゴムとポリエステルフィルムとの高い接着性が必要である。
さらに、上記使用方法の一つとして、ゴム複合体を上記成型体の表面に複合して用いる場合があり、かつ該使用方法の一つにポリエステルフィルム側を最表層として成型体に組み込み、該ポリエステルフィルムの表面に印刷、塗装あるいは金属薄膜や金属箔を蒸着やラミネート法で積層して使用される場合がある。該対応により成型体表面の加飾や酸素ガスや水蒸気等のガス透過性の低減効果を発現することができる。該使用方法においては、印刷、塗装およびラミネート等において用いられる溶剤によりゴムとポリエステルフィルムとの界面の接着層が侵され、接着性が低下する。また、該成型体は屋外での使用等過酷な条件で使用されることがあり、該過酷な条件においてもゴムとポリエステルフィルムの接着性の維持が求められる等、優れた接着耐久性が必要である。
特開2001−322167号公報 特開2001−323081号公報
本発明は、ポリエステルフィルムとゴムとの接着力が高く、かつ該接着力の耐久性に優れ、さらに成型性の優れた積層体が得られるゴム複合用接着剤およびその積層体を提供することにある。
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の完成に到った。すなわち、本発明は以下のゴムとプラスチック基材の積層用接着剤及びそれを用いた積層体に関する。
(1)不飽和炭化水素結合を分子中に有するポリウレタン樹脂と、溶剤および/または反応性希釈剤を含む、ゴムとプラスチック基材の積層用接着剤。
(2)ゴムとプラスチック基材を、接着剤を介して貼り合わせた積層体において、この接着剤が不飽和炭化水素結合を分子中に有するポリウレタン樹脂と、溶剤および/または反応性希釈剤を含むことを特徴とする積層体。
本発明のゴム複合用接着剤は、ポリウレタン樹脂の分子内に不飽和炭化水素結合を有しており、未架橋のゴム層を積層し、引き続きゴム層を架橋処理することでこの接着剤層とゴム層の界面で架橋反応が進行し、強固な接着力が発現される。
より具体的にはプラスチック基材の片面に本発明の接着剤層を塗布・形成しておき、その上に未架橋のゴム層を積層し、引き続き活性エネルギー線照射により、架橋処理が施されることでゴム層自体の架橋と本発明の接着剤層とゴム層界面の架橋反応が同時に進行し、ゴム層とプラスチック基材が強固に接合された複合体が得られる。
本発明の接着剤に用いる不飽和炭化水素結合を分子内に有するポリウレタン樹脂は、従来良く知られた方法によって合成することができる。その一例を挙げると、不飽和炭化水素基を有する化合物を共重合によりポリウレタン樹脂に導入する方法、不飽和炭化水素基を有する化合物を共重合により一旦プレポリマーを合成した後、それを鎖延長によりポリウレタン樹脂とする方法、ポリウレタン樹脂を合成した後、その末端基を、不飽和炭化水素基を有する化合物により変性する方法が挙げられる。
本発明の接着剤が有する不飽和炭化水素結合はアクリレート基、或いはメタクリレート基に由来するものが好ましく、それらの濃度は分子内に50〜2000eq/tonの範囲で含まれていることが望ましく、更に望ましくは100〜1000eq/tonである。50eq/ton未満ではゴム層界面での架橋効果が十分に発現されず、2000eq/tonを超えると架橋反応時における接着剤層の硬化反応収縮が大きくなり過ぎ、ゴム層界面との接着性が低下する、或いは複合体が歪を有してしまう場合がある。
本発明に用いるポリウレタン樹脂は、ポリエステルジオール(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)およびジイソシアネート化合物(C)を反応させたものであるものが好ましく、必要に応じて更にポリオール化合物(D)、ポリアミン化合物(E)および/またはアミノアルコール化合物(F)も含めて反応させたものであってもよい。
ポリウレタン樹脂を構成するポリエステルジオール(A)成分の酸成分としては例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系二塩基酸や、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸等の脂肪族系二塩基酸、或いは1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族系二塩基酸が挙げられる。これら二塩基酸の内、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸がより汎用的で好ましい。
またこれら酸成分にマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和炭化水素結合を有する二塩基酸を共重合させる事で活性エネルギー線による架橋反応性の向上が期待できる。
上記ポリエステルジオール(A)成分のグリコール成分としては例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール等の脂肪族系ジオール類や1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール等の脂環族系グリコール類が挙げられる。
これらグリコール成分の内、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコールが汎用性の面から好ましい。
上記ポリエステルジオール(A)成分の数平均分子量は5000未満が望ましく、より望ましくは3000以下である。5000以上では共重合により導入される(メタ)アクリレートモノマー(B)成分の共重合量が相対的に少なくなり、本発明のゴム層界面との優れた接着効果が発現されにくくなる傾向にある。
ポリウレタン樹脂を構成する(メタ)アクリレートモノマー(B)成分としては例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセリン−1,3−ジアクリレート、グリセリン−1−アクリレート−3−メタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のモノオール化合物やエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等、種々グリコールまたはビスフェノールAの末端水酸基へのグリシジル(メタ)アクリレート付加物等のジオール化合物を用いることが出来る。これらのうち好ましくはペンタエリスリトールトリアクリレートおよび種々グリコールまたはビスフェノールAの末端水酸基へのグリシジル(メタ)アクリレート付加物がポリウレタン分子中へのアクリレート基導入効率の面から好ましい。
ポリウレタン樹脂を構成するジイソシアネート化合物(C)成分としては例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート、またはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびm−キシレンジイソシアネートの水添加物等の脂肪族、脂環族系ポリイソシアネートが挙げられるが、これらの内、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが汎用性の面から好ましい。
ポリウレタン樹脂の構成成分として必要に応じて共重合されるポリオール(D) 、ポリアミン化合物(E)、アミノアルコール化合物(F)は、ポリウレタン樹脂の分子量や分子内に含まれるウレタン基や不飽和炭化水素基の量を調整するために用いられる。また、さらに別の特性を付与するために用いられるものもある。例えば、ジオール化合物としては1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−フェニル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−3−ナトリウムスルホ−2,5−ヘキサンジオール等が挙げられる。或いはトリメタノールプロパンやグリセリン等のトリオール化合物を共重合成分として用い、ポリウレタン樹脂の末端基濃度を上げることも可能である。ジアミン化合物としては1、2−プロパンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロへキサン、1,2−ジアミノシクロブタン、1,2−ジアミノシクロペンタン、1,2−ジアミノシクロヘプタンなどが挙げられる。ポリウレタン樹脂には、積層されるゴム層成分との親和性を付与させる意味でさらにNBR骨格を有するジオールやその他、不飽和結合を残す或いはそれらが水添化されたオレフィン系ジオール化合物を共重合させても良い。
本発明の接着剤には溶剤および/または反応性希釈剤を用いることが必要である。これらは基材に塗布する際に、塗布可能な粘度に調整するためにも重要である。このうち、溶剤は、上記ポリウレタン樹脂の合成に用いられたものをそのまま用いることができる。例えばトルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等のおのおの単独または混合物が挙げられるがこれらの内、塗布乾燥作業性の面からはメチルエチルケトンの単独またはトルエン、メチルエチルケトンの混合系が好ましい。
ポリウレタン樹脂合成の際、無触媒系で反応させることが出来るが、例えば錫系またはアミン系のような触媒を用いることもできる。反応性の面から錫系触媒を用いるのが好ましい。
本発明の接着剤には塗工性を高める目的で分子中に共重合されていない単官能または多官能(メタ)アクリレート化合物を反応性希釈剤として使用しても良い。積層されるゴム層との架橋反応性を高めるために、多官能(メタ)アクリレート化合物を用いることが好ましい。そのような多官能(メタ)アクリレート化合物の例としてはエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3ブタンジオールジアクリレート、1,3ブタンジオールジメタクリレート、1,4ブタンジオールアクリレート、1,4ブタンジオールメタクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2′ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロン、グリセリンジメタクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンジアクリレート、テトラメチロールメタンジメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールテトラメタクリレート、ダイマージオールジアクリレート、ダイマージオールジメタクリレート等が挙げられ、特に3個以上のアリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを含む化合物が好ましい。
本発明の接着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で無機、有機の顔料、染料、帯電防止剤、レベリング剤およびポリウレタン樹脂以外の樹脂、例えばポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、他のポリウレタン樹脂等を適宜配合することができる。
本発明の接着剤の使用方法の一つとして、ポリウレタン樹脂溶液に架橋剤や添加剤などを配合した溶液を被着体に塗布、乾燥後もう一方の被着体と重ね合わせて加熱ロールまたはヒートプレスにより圧着させ、必要により加熱硬化処理を行う方法が挙げられる。
本発明の接着剤を用いて、ゴムとプラスチック基材の積層体を製造することが可能となる。基材はプラスチックであれば特に限定されないが、その中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネートのいずれかであるものが耐熱性や寸法安定性や強度の点で好ましい。さらにはポリエチレンテレフタレートが本発明の接着剤の密着性が最大限に発揮される。
本発明においては、上記ゴム層を構成するゴム成分は限定されない。例えば、天然ゴム(NR)、シリコーンゴム(Q)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の任意のゴムまたはこれらの混合物が挙げられる。該ゴム成分は使用目的に応じた必要特性により適宜選択される。
本発明においては、ゴム層に接着性改良剤を配合してなることが好ましい。
上記接着性改良剤としては、ラジカル反応に対して活性な反応基を含む化合物を用いるのが好ましい。この化合物としては、アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体およびアリル誘導体等が例示されるが、中でも不飽和結合を2個以上、特に3個以上有する誘導体が好ましい。これらの化合物は、ゴムの共架橋剤として広く使用されており、多価アルコールのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル、多価カルボン酸のアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。
上記多価アルコールのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルは、2個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールのアルコール性水酸基2個以上をアクリル酸やメタクリル酸でエステル化したエステル化合物であり、例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールアクリレート、1,4−ブタンジオールメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロン、グリセリンジメタクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、テトラメチロールメタンジアクリレート、テトラメチロールメタンジメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールテトラメタクリレート、ダイマージオールジアクリレート、ダイマージオールジメタクリレート等が挙げられ、特に3個以上のアリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを含む化合物が好ましい。なお、上記の化合物は、アクリル酸およびフタクリル酸のそれぞれの単独エステル化合物を例示したが、アクリル酸とメタクリル酸の混合エステルの形であってもよい。
また、多価カルボン酸のアリルエステルとしては、フタル酸ジアリレート、トリメリット酸ジアリレート、ピロメリット酸テトラアリレート等が挙げられる。
上記ゴム層の接着性改良剤は、いずれか一種を単独で用いてもよく、また二種以上を併用してもよい。また、この発明に用いられる接着改良剤は、上記の例示化合物に限定されるものではない。
上記接着性改良剤の配合量は、全ゴム成分100質量部に対して0.2〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部であり、0.2質量部未満では基材フィルムとの接着強度が不十分となり、反対に20質量部を超えると上記接着強度の向上効果が飽和に達し、かつゴムの物性が低下する。
また、上記した接着性改良剤による接着性向上効果の発現を促進させるため、ゴム層に対してパーオキサイド化合物を配合することが好ましい実施態様である。該対応によりゴムとプラスチック基材との層間剥離強度が一層向上する。
パーオキサイド化合物としては、アシル系またはアルキル系のいずれでもよく、ベンゾイルパーオキサイド、モノクロルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等が例示される。
上記パーオキサイド化合物の配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.05〜10質量部、特に1〜8質量部が好ましい。この配合量が0.05質量部未満では、接着性向上効果の発現が促進されず、また10質量部を超えた場合は、上記の促進効果が飽和し、かつゴムフィルムの物性が低下する。
また、シリコーンゴム以外のゴムを用いる場合には、該ゴム層に未架橋のシリコーンゴムを配合するのが好ましい。該未架橋のシリコーンゴムは、平均単位式:Ra Si O(4-a)/2 で表されるオルガノポリシロキサンである。上式中、Rは置換または非置換の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、ビニル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。また、上式中、aは1.9〜2.1の範囲内の数である。シリコーンゴム成分は、上記の平均単位式で表されるが、これを構成する具体的なシロキサン単位としては、例えば、R3 Si O1/2 単位、R2 (HO)Si O1/2 単位、R2 SiO2/2 単位、RSi O3/2 単位およびSi O4/2 単位が挙げられる。
シリコーンゴム成分の主成分は、R2 Si O2/2 単位とR3 Si O1/2 単位もしくはR2 (HO)Si O1/2 単位を必須とする直鎖状の重合体であり、場合により少量のRSi O3/2 単位および/またはR3 Si O1/2 単位を含有して、一部分岐構造を有することができる。また、シリコーンゴム成分の一部としてR3Si O1/2 単位およびSi O4/2 単位からなる樹脂状の重合体を配合することができる。このようにシリコーンゴム成分は、二種以上の重合体の混合物であってもよい。
また上記未架橋のシリコーンゴム成分の分子構造は特に限定されず、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、樹脂状等が挙げられ、シリコーンゴムを形成するためには、直鎖状の重合体か、または直鎖状の重合体を主成分とする混合物である。このようなシリコーンゴム成分としては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、R3 Si O1/2 単位とSi O4/2 単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、R2 Si O2/2 単位とRSiO3/2 単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、R3 SiO1/2 単位とR2 Si O2/2 単位とRSi O3/2 単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、これら二種以上の混合物が挙げられる。なお、上記シリコーンゴム成分の25℃における粘度は、特に限定されないが、実用的には100センチストークス以上、特に1,000センチストークス以上が好ましい。
上記未架橋のシリコーンゴムの配合量は、エチレンプロピレン系ゴム100質量部に対して5〜100質量部、特に10〜70質量部が好ましい。上記配合量が5質量部未満では、接着性向上効果の向上が促進されず、反対に100質量部を超えた場合は上記の促進効果が飽和に達し、かつ経済的でない。なお、シリコーンゴムを配合することにより、ゴムの耐熱性も向上する場合がある。
また、ゴム層に未架橋のシリコーンゴムを配合する代わりに、ゴム複合用ポリエステルとゴム層との間に中間層として接着性改良剤が配合された未架橋のシリコーンゴム組成物の層を介在させてゴム複合用ポリエステルとゴム層との層間剥離強度を向上させてもよい。この場合の未架橋のシリコーンゴムは、上記同様のものが使用可能であり、また接着性改良剤は、前記のゴム層に配合されるものと同様のものが使用可能である。そして、シリコーンゴムに対する接着性改良剤の配合量は、前記メタクリル酸エステルの場合、シリコーンゴム100質量部に対し0.5〜30質量部、特に1〜20質量部が好ましく、0.5質量部未満では基材フィルムとの接着強度が不十分となり、30質量部を超えると強度が飽和し、経済的に不利となる。
上記未架橋のシリコーンゴム層の厚みは、0.0005〜0.05mmが好ましい。
なお、必要に応じて補強性充填剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、離型剤、難燃剤、チクソトロピー性付与剤、充填剤用分散剤等を配合することができる。また、上記の接着性改良剤による接着性向上効果を促進させるための接着性向上促進剤として、過酸化物を配合することができる。
ゴムに上記配合剤を配合する方法は、特に限定されず、例えばゴムコンパウンドを作製する際に2本ロール、バンバリーミキサー、ドウミキサー(ニーダー)などのゴム練り機を用いて行ってもよく、またゴムを溶剤に溶解し、流延法で製膜する場合は、ゴムコンパウンドを溶媒に溶解して溶液を作製する際、または溶液にした後のいずれで添加配合してもよい。
本発明のゴム/プラスチック基材積層体の製造方法は限定されない。例えば、プラスチック基材表面に本発明の接着剤層を設け、未架橋のゴム層を積層し、該積層体を架橋して製造するのが好ましい。該方法において、ゴム層に上記した接着性改良剤を配合してなることがより好ましい実施態様である。
上記対応により経済的にゴム/プラスチック基材積層体を製造することができる。
ゴム層を積層する方法は任意であり、例えばゴム組成物を溶媒に溶解した溶液を、接着層を有するプラスチック基材表面に塗工、乾燥してゴム層を形成する方法、プラスチック基材層表面に接着剤層を設け、ゴム組成物を高圧下で押出してゴム層を形成する方法およびカレンダー法等が挙げられる。液状シリコーンゴムのような液状ゴムを用いる場合は、溶剤で希釈することなく塗工することができる。
上記製造方法における架橋方法は特に限定されない。例えば、熱架橋であってもよく、電子線やγ線等のような高エネルギーの活性線による架橋であってもよい。特に、活性線による方法は、過酸化物等のラジカル発生のための添加物を配合する必要がなく、これらの添加物の残渣によるゴム物性の低下がなく、しかも効率的に架橋でき、生産性が高いので好適である。
より好ましい実施形態としては本発明の接着剤層表面に溶剤に溶解した未架橋のゴム層を塗工、乾燥し、引き続きゴムを架橋して製造するのが好ましい。この際、ゴム層の架橋と共にゴム層と本発明の接着剤層中の不飽和炭化水素結合との間で界面架橋が起こり、より強固な接着性が発現されることが期待される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、もとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
尚、本明細書中で採用した測定、評価方法は次の通りである。
(1)数平均分子量
ウオーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)150Cを用い、テトラヒドロフランをキャリアー溶剤として流速1ml/分で測定した。カラムとして昭和電工(株)製 Shodex KF−802、KF−804、KF−806を3本連結しカラム温度は30℃に設定した。分子量標準サンプルとしてはポリスチレン標準物質を用いた
(2)酸価
樹脂0.2gを20mlのクロロホルムに溶解後、0.1N−NaOHエタノール溶液でフェノールフタレインを指示薬として測定し、測定値を樹脂固形分1ton中の当量で示した。
(3)ガラス転移温度
動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御(株)製 DVA−220)を用いて以下の条件で測定した。
サンプルサイズ:4mm(幅)×15mm(長さ); 厚み:20μm
測定周波数:110Hz
昇温速度:4℃/min.
得られた保存弾性率の温度依存性曲線の変曲点の温度をガラス転移温度とした。
(4)ポリエステル樹脂組成
クロロホルム−dに樹脂を溶解し、ヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)“ジェミニ−200”を用い、H−NMRにより樹脂組成比を求めた。
(5)層間剥離強度
ゴム/プラスチック基材積層体のゴム層とプラスチックフィルムの界面の接着剤層にナイフを入れ、その部分に指で応力を加えて界面剥離を発生させ、JIS K6854に準じてT型剥離法で剥離強度を測定した。
(6)接着耐久性
ゴム/プラスチック基材積層体を25℃に調温したトルエンに72時間浸漬した後に、試料を取り出しトルエンを拭き取り、上記方法で層間剥離強度を測定した。
合成例−1)
ポリエステルジオール(A)成分の合成
温度計、攪拌棒、リービッヒ冷却管を具備した1Lの4つ口フラスコにテレフタル酸ジメチル97g、イソフタル酸ジメチル97g、ネオペンチルグリコール73g、エチレングリコール81gおよび触媒としてテトラブチルチタネート(TBT)を0.1g仕込み190℃〜230℃で3時間エステル交換反応を進行させた。ついで250℃に昇温後、減圧下に20分重合し、ポリエステルジオールa1を得た。得られたポリエステルジオールa1の組成はテレフタル酸/イソフタル酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/50//50/50モル%であり、数平均分子量は2000、酸価は5eq/tonであった。
ポリウレタン樹脂(UR−1)の合成
温度計、攪拌棒、コンデンサーを具備した1Lの4つ口フラスコに上記ポリエステルジオールa1を100g、トルエン80g、メチルエチルケトン(MEK)80gを仕込み、60℃に昇温し、均一に溶解させた。ついで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート26gを添加し同温度で2時間反応させた後、新中村化学(株)製NK−701Aを6.5g添加し、更に2時間反応を続けた。ついでトルエンとMEKを各々24g加えて希釈し、トリメチロールプロパン5.2gを添加し60℃で3時間反応させ合成反応を終了した。得られたポリウレタン樹脂UR−1の組成、数平均分子量、ガラス転移温度、および仕込み値からの不飽和炭化水素結合濃度の計算値を表1に示した。
合成例−2)
ポリウレタン樹脂UR−2の合成
温度計、攪拌棒、コンデンサーを具備した1Lの4つ口フラスコに上記ポリエステルジオールa1を50g、大日本インキ(株)製ポリライトOD−X−688を50gトルエン80g、メチルエチルケトン80gを仕込み、60℃に昇温し、均一に溶解させた。ついで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート26gを添加し、2時間反応させた後新中村化学(株)製NK-701Aを6.5g添加し、更に2時間反応を続けた。ついでネオペンチルグリコール4gを添加して同温度で更に3時間反応させ、MEKとトルエンを各々23gずつ添加して希釈し、合成反応を終了させた。得られたポリウレタン樹脂UR−2の組成、数平均分子量、ガラス転移温度、および仕込み値からの不飽和炭化水素結合濃度の計算値を表1に示した。
合成例−3)
ポリウレタン樹脂UR−3の合成
温度計、攪拌棒、コンデンサーを具備した1Lの4つ口フラスコに上記ポリエステルジオールa1を50g、日本曹達(株)製G−3000を50gトルエン80g、メチルエチルケトン80gを仕込み、60℃に昇温し、均一に溶解させた。ついで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート26gを添加し、2時間反応させた後新中村化学(株)製NK−701Aを6.5g添加し、更に2時間反応を続けた。ついでネオペンチルグリコール5gを添加して同温度で30分反応させ、ジブチルチンジラウレート0.025gを添加した。更に3時間反応させ、MEKとトルエンを各々24gずつ添加して希釈し、合成反応を終了させた。得られたポリウレタン樹脂UR−3の組成、数平均分子量、ガラス転移温度、および仕込み値からの不飽和炭化水素結合濃度の計算値を表1に示した。
合成例−4)
ポリウレタン樹脂UR−4の合成
温度計、攪拌棒、コンデンサーを具備した1Lの4つ口フラスコに上記ポリエステルジオールa1を100g、トルエン80g、メチルエチルケトン80gを仕込み、60℃に昇温し、均一に溶解させた。ついで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート26gを添加し、2時間反応させた後新中村化学(株)製NK-701Aを2.2g添加し、更に2時間反応を続けた。ついでMEKとトルエンを各々40gずつ添加して希釈し、共栄社化学(株)製A3002を31g添加し、無触媒下60℃で3時間反応させた後、合成反応を終了させた。得られたポリウレタン樹脂UR−4の組成、数平均分子量、ガラス転移温度、および仕込み値からの不飽和炭化水素結合濃度の計算値を表1に示した。
合成例−5)
ポリウレタン樹脂UR−5の合成
温度計、攪拌棒、コンデンサーを具備した1Lの4つ口フラスコに上記ポリエステルジオールa1を20g、トルエン80g、メチルエチルケトン90gを仕込み、60℃に昇温し、均一に溶解させた。ついで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート48gを添加し、2時間反応させた後、MEKとトルエンを各々56gずつ添加して希釈し、共栄社化学(株)製A3002を120gおよび新中村化学(株)製NK-701Aを6.5g添加し、無触媒下60℃で更に3時間反応を続け、合成反応を終了した。得られたポリウレタン樹脂UR−5の組成、数平均分子量、ガラス転移温度、および仕込み値からの不飽和炭化水素結合濃度の計算値を表1に示した。
合成例−6)
ポリウレタン樹脂UR−6
温度計、攪拌棒、コンデンサーを具備した1Lの4つ口フラスコに上記ポリエステルジオールa1を100g、トルエン60g、メチルエチルケトン60gを仕込み、60℃に昇温し、均一に溶解させた。ついで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート13gを添加し、2時間反応させて2−ヒドロキシエチルアクリレートを0.5g添加し、3時間反応させ合成を終了した。トルエン24g、メチルエチルケトン24gを加えて希釈し、ポリウレタン樹脂UR−6を得た。得られたポリウレタン樹脂UR−6の組成、数平均分子量、ガラス転移温度、および仕込み値からの不飽和炭化水素結合濃度の計算値を表1に示した。
比較合成例−7)
ポリウレタン樹脂UR−7
温度計、攪拌棒、コンデンサーを具備した1Lの4つ口フラスコに上記ポリエステルジオールa1を50g、大日本インキ(株)製ポリライトOD−X−688を50g、トルエン60g、メチルエチルケトン60gを仕込み、60℃に昇温し、均一に溶解させた。ついで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート12gを添加し、3時間反応させて合成を終了し、トルエン24g、メチルエチルケトン24gを加えて希釈した。得られたポリウレタン樹脂UR−7の組成、数平均分子量、ガラス転移温度を表1に示した。ポリウレタン樹脂UR−7は不飽和炭化水素結合基を分子中に全く有さない比較合成例である。
[接着試験サンプルの作製方法]
上記合成例、比較合成例で得られた接着剤溶液を各々乾燥後厚みが5μmになるように50μm厚みの易接着処理PETフィルム(東洋紡績(株)製「コスモシャインA4100」)の易接着面に塗工した。
ゴムとしてEPDM(エチレン含有量34%、日本合成ゴム社製「EP21」)を、老化防止剤Aとして2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩(大内新興化学工業(株)製「ノクラックMBZ」)を、老化防止剤Bとして4,4−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(大内新興化学工業(株)製「ノクラックCD」)をそれぞれ用い、下記の配合で常法により混練した。
(配合組成)
EPDM:100.0質量部、ポリエチレングリコール(分子量4000):2.5質量部、ステアリン酸:0.5質量部、老化防止剤A:1.5質量部、老化防止剤B:0.7質量部、フェノールホルムアルデヒド樹脂:2.0質量部、MAFカーボン:30.0質量部、FTカーボン:40.0質量部、ポリブテン:15.0質量部、N,N’−m−フェニレンジマレイミド:1.5質量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン:5.0質量部
(積層体製法)
上記の混練ゴムを厚さ3mmのシートに成形した。この未加硫のゴムシートを切断して1cm角の細片とし、この細片をトルエンに対する質量比率が30%となるように秤量し、トルエンと共に真空脱泡装置付き攪拌機に投入し、大気圧下で15時間攪拌して上記細片をトルエンに溶解した後、該溶液にペンタエリスリトールテトラアクリレートを、EPDMゴム100質量部に対して8質量部となるように添加し、均一に攪拌した後、真空脱泡装置を駆動し、ゲージ圧−750mmHgの真空下で更に20分間攪拌し、脱泡した。
次いで、上記の溶解、脱泡で得られたEPDMゴム溶液をロールコーターに供給し、上記ポリエステルフィルムの接着剤層に乾燥後厚みが0.15mmとなるように塗布し、続いてオーブンに導入し、80℃で乾燥し、そのEPDMゴムの表面にポリ−4−メチルペンテン−1の共重合体からなる厚み0.035mmのマット加工フィルムシート(三井石油化学(株)製「オピュランX−60YMT4」)をそのマット加工面がEPDMゴム面に向くように重ね、圧着ロールを用い圧力5kgf/cmで押さえながら連続的に積層し、得られた積層体を更に連続して電子線照射装置に導入し、ポリエステルフィルム側から200KV、3Mradのエネルギーで電子線を照射してプレ架橋を行い、しかるのちカバーシートを剥離し、EPDMゴム層とポリエステルフィルムからなる複合体を得た。そして、この複合体を更に電子線照射装置に導入し、EPDMゴム層側から200KV、30Mradの電子線照射によるポスト架橋を行い、ゴム/プラスチック基材積層体を得てロール状に巻取った。
実施例−1)〜−6)および比較例−7)
上記合成例−1)〜−6)および比較合成例−7)で得られたポリウレタン樹脂UR−1〜UR−7を用いて上記接着試験サンプルを作成し、層間剥離強度および接着耐久性評価に供した結果を表2に示した。
以下、表中に示す略号はそれぞれ以下の化合物名を表す。
NPG:ネオペンチルグリコール
TMP:トリメチロールプロパン
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
NK−701A:新中村化学(株)製 2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、分子量:214、アクリレートおよびメタクリレート合計濃度:0.93eq/100g、アクリレート基濃度:2.21eq/100g
A3002:共栄社化学(株)製 ビスフェノールAへの2倍モル量のグリシジルアクリレート付加物、分子量:600、アクリレート基濃度:0.33eq/100g
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
G−3000:日本曹達(株)製1,2−ポリブタジエンのジオールの重合体(不飽和結合残存)、分子量:2900
OD−X−688:大日本インキ(株)製アジペート系ポリエステルジオール、分子量:2000
Figure 2008195840
Figure 2008195840
本発明の接着剤は、ポリウレタン樹脂分子内に不飽和炭化水素結合を有しており、未加硫ゴムシート上に塗布され、活性エネルギー線照射される事により、このポリウレタン接着剤層とゴム層との界面で架橋反応が進行し、結果として優れた接着力が発揮される。かつポリウレタン接着剤層とゴム層界面が化学結合により接合されるため、優れた接着耐久性が発現される。従って高性能のゴム/プラスチック基材積層体を得ることができる。

Claims (10)

  1. 不飽和炭化水素結合を分子中に有するポリウレタン樹脂と、溶剤および/または反応性希釈剤を含む、ゴムとプラスチック基材の積層用接着剤。
  2. 不飽和炭化水素結合が、(メタ)アクリレート基に由来するものである請求項1に記載のゴムとプラスチック基材の積層用接着剤。
  3. 不飽和炭化水素結合濃度が分子中に50〜2000eq/tonの範囲で含まれる請求項1または2に記載のゴムとプラスチック基材の積層用接着剤。
  4. ポリウレタン樹脂が、ポリエステルジオール(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)およびジイソシアネート化合物(C)を反応させたものである請求項1〜3のいずれかに記載のゴムとプラスチック基材の積層用接着剤。
  5. ポリウレタン樹脂が、更にポリオール化合物(D)、ポリアミン化合物(E)および/またはアミノアルコール化合物(F)も含めて反応させたものである請求項4に記載のゴムとプラスチック基材の積層用接着剤。
  6. ゴムとプラスチック基材を、接着剤を介して貼り合わせた積層体において、該接着剤として不飽和炭化水素結合を分子中に有するポリウレタン樹脂と、溶剤および/または反応性希釈剤が含まれるものを用いたことを特徴とする積層体。
  7. 不飽和炭化水素結合が(メタ)アクリレート基に由来するものである請求項6に記載の積層体。
  8. 不飽和炭化水素結合濃度が分子中に50〜2000eq/tonの範囲で含まれる請求項6または7に記載の積層体。
  9. ポリウレタン樹脂が、ポリエステルジオール(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)およびジイソシアネート化合物(C)を反応させたものである請求項6〜8のいずれかに記載の積層体。
  10. ポリウレタン樹脂が、更にポリオール化合物(D)、ポリアミン化合物(E)および/またはアミノアルコール化合物(F)も含めて反応させたものである請求項9に記載の積層体。
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