JP2008186718A - 燃料電池用ガス拡散層、燃料電池、燃料電池搭載装置 - Google Patents

燃料電池用ガス拡散層、燃料電池、燃料電池搭載装置 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池のガス拡散層に供する部材を改良すること。
【解決手段】炭素繊維フィラーおよびまたは炭素繊維複合体と特定樹脂成分を複合して平面状に成形してなる炭素繊維複合層をガス拡散層に用いる事により、従来のガス拡散層に比べ、機械的強度が向上し、携帯用途に好適な燃料電池として、小型化、軽量化、薄型化が図れ、かつ燃料電池に高い耐久性が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種の燃料電池、その中でも液体供給型の燃料電池、特にメタノール又はメタノール水溶液を燃料とする直接メタノール型燃料電池(以下、DMFCと記す)の改良技術に関し、炭素繊維フィラーおよびまたは炭素繊維集合体と樹脂成分とを複合してなる炭素繊維樹脂複合層をガス拡散層として用いることにより、燃料電池もしくは燃料電池搭載装置の小型化・薄型化を図り、携帯性を高め、また燃料電池の耐久性の向上に資するものである。
水素ガスを燃料とする固体高分子型燃料電池(PEFC)に較べ、メタノール又はメタノール水溶液を燃料とするDMFCは装置が小型化できるうえに性能・効率の点でも優れている。燃料電池では装置の小型化と性能の向上は、実用化に伴い、恒に要望されている。
燃料電池、殊に水素・酸素燃料電池は、その反応生成物が原理的に水のみであることから、地球環境への悪影響が全くないゼロエミッション発電システムとして実用化や普及が進んできている。しかしながら、水素ガスは天然資源としては産出していないため、別のエネルギー源から製造しなければならず、しかも常温常圧では爆発性の気体であり、安全に且つ大量に貯蔵する手段等の課題が多い。 最近、メタンやアルコールの発酵を抑制して、バイオマスから水素を生産する技術が報告されている。バイオマスにおける水素産生バクテリアの活動環境を整える手段により水素を直接得る技術であり、注目されている。もっとも、これは未だ研究段階であり、また水素資源の確保、水素の供給手段に未解決の課題がある。
そこで、バイオマスなどから比較的容易に産出できるメタノールを燃料とするDMFCに着目すると、水素ガスを燃料とする場合と同様に、直接メタノール型燃料電池も地球環境への負荷が少なく、電気エネルギーに加え熱エネルギーをも効率よく得られる利点があると云える。
メタノール燃料を使用する燃料電池のアノード(燃料極)では、
Figure 2008186718
の反応によって、メタノールはプロトン(水素イオン、H)と電子に分解される。そして、アノードで生成したプロトンは電解質層を通過してカソード(酸素極)へと移動する。また、電子は燃料電池外部回路の導線内を通ってカソードへと移動する。同時に、酸素はカソードの触媒部位に浸透し、そこで、酸素は電子を得て、プロトンと反応し生成水を得る。
すなわち、カソード(酸素極)では、次の反応が生じる。
Figure 2008186718
このように、燃料電池反応では、生成物は、炭酸ガス、水および電気であり、電流はイオン経路(電解質層)と電子経路(外部回路)とを同時に流れることとなる。この結果、電解質層におけるプロトンの伝導と外部回路における電子の抵抗とによって、発電効率が左右されると言える。したがって、電流に関しては、プロトン及び電子抵抗の双方の抵抗率を最小化することが好ましいこととなる。
燃料極触媒層には、一般に、カーボンブラック担体上に白金触媒又は白金合金(白金・ルテニウム(Pt・Ru))触媒を担持することが広く知られている。燃料として水素を用いる場合でも、メタノールを使用する場合でも、水素極側の触媒層に白金又は白金・ルテニウム合金をカーボンに担持される形態で使用している。この白金触媒に使用されるカーボンの役割は高価な白金を効率的に使用するためのものであると同時に、カーボンは電極の電子移動の抵抗を低減する効用も備えている。PEFCでは水素極側のガス拡散電極の素材開発が進められてきている。
電解質層は固体高分子膜からなり、燃料極で生成したプロトンを酸素極へと移動せしめる働きをする。プロトン伝導性の効率と安定性とから、ナフィオン(Nafion、米国のEI・デュポン社の登録商標)などのスルホン酸基を有するフッ素系ポリマーが用いられることが多い。類似のフッ素系ポリマーはフレミオン(旭硝子株式会社)、アシプレックス(旭化成ケミカルズ株式会社)などとして市販されている。この電解質膜は、膜中において、プロトンは水和されてスルホン酸基上を移動する。このことは膜中の水分が燃料極から酸素極へと移動することを意味する。燃料極側の水分が反応に伴い失われないように燃料極では水分を補給する必要がある。電解質膜や燃料極に水分を補給することから、この燃料電池では0℃以下の温度や100℃を超えるような条件で運転することはできない。水分補給を要しない高分子膜や100℃以上でも使用できる高分子膜の開発が望まれている。
メタノールを燃料とする場合、メタノールが電解質膜を透過するクロスオーバー現象を抑制する必要がある。このクロスオーバーが起きると、メタノールが酸素極でも反応するため、起電力が激減する。殊に、メタノール濃度を高めて、出力密度を高めようとするとクロスオーバーが顕著となる。クロスオーバーを回避又は抑制する高分子膜として、最近多孔性ポリイミド、プロトン伝導性ガラス等が開発されている。
酸素極では、電解質層から移って来たプロトンと、外部回路から移動してきた電子とが空気又は酸素ガスと反応して水を生成する。カソードでも、一般に、カーボンブラック上に白金触媒を担持したものが用いられる。
従来技術を概括すると、固体高分子電解質燃料電池(PEFC)において、ガス拡散電極に多孔性カーボンマトリックス及び異方性ガス拡散層と触媒カーボン粒子と熱可塑性ポリマーとを含有する触媒層からなるガス拡散電極の改良技術があって、カーボン粒子とポリエーテルスルホンとによってガスの流れを規制したもの(特許文献1)が開示されている。また、同様にガス拡散層の新素材として、電気触媒ガス拡散電極にカーボン粒子とポリビニリデンフルオライドとを用いてガス流を規定したもの(特許文献2)が知られている。これらの技術は燃料に水素を用いたものである。
また、水素を含むガス燃料のPEFCとメタノール型燃料電池との両技術に関する改良手段として、生成する水蒸気の凝縮に伴う電極閉塞現象を減らすために、カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレンとの複合体による撥水性の改善が提案されている(特許文献3)。
さらに、ガス拡散層・触媒層からなる正電極と、同様な構成のガス拡散層・触媒層からなる負電極とをイオン交換可能な電解質層を挟んで対向させ、平面状に積層してなる接合一体化燃料電池装置が開示されている。単セルを如何にスタックして所望の出力を有する燃料電池を造るか、さらに、その上に小型化・平面化を狙ったものである(特許文献4)。
さらにまた、本出願人は、特定の化学組成を有するプロトン伝導膜を開示しており(特許文献5)、この伝導膜は耐メタノール性を備え、DMFCを含む燃料電池に適する。
特開平10−092439号公報 特開平10−092440号公報 特開2004−259661号公報 特開2003−173813号公報 特開2005−320472号公報
ガス拡散層として炭素繊維の集合体を用いることについては、これまでにも多くの提案が為されている。ただし従来提案の酸素極側のガス拡散層は、織布状、不織布状(ペーパー状のものを含む)の炭素繊維集合体が用いられており、肉眼でも観察可能な程度の大きな孔を多数有する多孔体となっている。集合体製造上の必要もしくは炭素繊維への表面処理の目的で樹脂成分を少量共存させるものも一部に提案されているものの、事実上、炭素繊維が100%に近い極めて高い割合を占めている。この事から一般に、ガス拡散層は外部からの機械的衝撃への耐性、もしくは外力に対する応力緩和能力が十分ではない。従って燃料電池が搭載される装置、機器等においては、燃料電池のガス拡散層の外側に、外的衝撃を保護する構造体(カバー、ケース等)の設置が必要になっている。
しかしながら、例えば、携帯用途の機器や装置に、燃料電池を搭載する場合、こうした機械的保護目的の構造体は、機器や装置の小型化、軽量化、薄型化、もしくは曲面状態での使用等の柔軟性(フレキシビリティ)を阻害するものになる。
本発明はこうした事情に鑑み、特に携帯用途として好ましい、軽量、小型、薄型の燃料電池を実現すべく、為されたものであり、従来よりも強度や柔軟性等に優れた炭素繊維樹脂複合層によるガス拡散層を提案するものである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.炭素繊維フィラーおよびまたは炭素繊維集合体と、樹脂成分とを複合してなり、層の表面はマクロに見て連続層を為した、電気比抵抗が少なくとも5×10E5(Ω・cm)以下である炭素繊維樹脂複合層からなる燃料電池用ガス拡散層。
2.少なくとも、炭素繊維フィラーが樹脂成分に分散されてなる炭素繊維樹脂複合層からなる前記1の燃料電池用ガス拡散層。
3.炭素繊維集合体が、三次元的にランダムなマット形状の炭素繊維集合体、もしくは不織布状の炭素繊維集合体である前記1の燃料電池用ガス拡散層。
4.樹脂成分が、シリコーン、ポリイミド、ポリエステル、ポリスルホン、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリオレフィン、フッ素樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記1〜3のいずれの燃料電池用ガス拡散層。
5.炭素繊維フィラーもしくは炭素繊維集合体が、真密度が少なくとも1.5g/cc以上、黒鉛結晶(六画網面)のc軸方向における結晶子サイズ(Lc)が少なくとも5nm以上、平均繊維径が0.1〜100μmであるピッチ系黒鉛化炭素繊維からなる前記1〜4のいずれかの燃料電池用ガス拡散層。
6.炭素繊維樹脂複合層の厚みが5〜5000μmである前記1〜5のいずれかの燃料電池用ガス拡散層。
7.前記1〜6のいずれかの燃料電池用ガス拡散層を、少なくとも酸素極側のガス拡散層として用いた燃料電池。
8.燃料電池が、液体供給型燃料電池である前記7の燃料電池。
9.前記1〜6のいずれかのガス拡散層が、燃料電池を搭載した装置の最外層に配置されている燃料電池搭載装置。
尚、本発明に供する炭素繊維としては、各種公知の炭素繊維が利用可能であるが、特にピッチ系炭素繊維を黒鉛化してなるものが好ましく用いられる。このピッチ系黒鉛化炭素繊維は、黒鉛結晶成分を多く含むため、電気伝導性に優れ、化学的にも安定で、耐薬品性、耐水性が非常に高く、撥水性に富み、強靭な機械的性質を有するものである。
一般に炭素繊維は原料面から2種類に大別され、高性能の炭素繊維は鎖状高分子であるセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル(PAN)等を原料とする繊維形状の鎖状高分子に由来する炭化繊維と、環状炭化水素からなる石油・石炭等のピッチ類を原料とするピッチ系炭素繊維に分類できる。
前者の鎖状高分子由来の炭素繊維は、炭化処理を施すのみで強靭な繊維として利用できる。そして、殊にPAN系炭化繊維は強度・弾性率が通常の合成高分子に比較して著しく高い性能を有効的に利用し、航空・宇宙機材用途、建築・土木資材用途、スポーツ・レジャー用具などに広く用いられている。
これに対し、後者のピッチ系炭素繊維は、中高温の炭化処理を経た上に、高温度の熱処理である黒鉛化処理を加えると、その特性が発揮され、黒鉛結晶の性能が発現する。
つまり、前者の炭化繊維と後者の黒鉛化炭素繊維とを比較すると、後者は、黒鉛結晶として結晶自体は小さく単結晶ではないものの、微結晶として網面構造を有することから、顕著な異方性を呈するので、黒鉛化(結晶化)が充分に進むと、この黒鉛化繊維の方が炭化繊維よりも電気伝導率、熱伝導率が高く、機械的特性も優れてくる。
そこで、単に強化材料としての炭素繊維複合材料の役割から、炭素繊維又は黒鉛化繊維、即ち、ピッチ系炭素繊維としての撥水性(酸素極での反応生成水の排出等に好ましい)、湿潤時の強靭性、電気伝導性をも利用し、複合材料としての特性を利用することによって、この炭素繊維複合材料の総合的利用の途が拓ける期待があり、その用途開発の一環として、携帯用途に好適な燃料電池、特にその中でもDMFC等の液体供給型燃料電池のガス拡散層用途への利用を主旨とする発明とした。
これらの事から本発明で用いる炭素繊維フィラーもしくは炭素繊維集合体の、好ましい材料仕様としては、例えばメソフェーズピッチを原料とした、真密度が少なくとも1.5g/cc以上、黒鉛結晶(六画網面)のc軸方向の結晶子サイズ(Lc)が少なくとも5nm以上、繊維径が0.005〜100μmであるピッチ系黒鉛化炭素繊維が最も好ましく用いられる。真密度はより好ましくは1.8g/cc以上、特に好ましくは2.0g/cc以上であり、Lcの値はより好ましくは20nm以上、繊維径はより好ましくは0.05〜50μm、更に好ましくは0.1〜30μmの範囲である。
また短繊維状の炭素繊維フィラーでは、その単繊維の繊維長は0.1〜10000μmであり、好ましくは10〜5000μm、更に好ましくは100〜1000μmである。
さて本発明者は、特に、特定の繊度・繊維長及び繊維集合体としての形状を有する炭素繊維、その中でも特にピッチ系黒鉛化炭素繊維と、特定の樹脂成分とを、層の表面がマクロに見て連続層を為す形で複合せしめた炭素繊維樹脂複合層を用いる事により、ガス拡散層の機械的強度や応力緩和能、均質性、耐久性の向上、場合により発電効率の向上が為される事を見出し、本発明に到達したものである。そして更には、これらガス拡散層の機械的強度や応力緩和能の向上により、軽量、小型、薄型の燃料電池および燃料電池搭載装置の提案を行うものである。
尚、前記の「マクロに見て連続層」とは、少なくとも肉眼で層の表面を観察した場合に、ほぼ平坦で連続的に連なった層として観察される事を示し、肉眼で認知困難な微細な孔の存在については無視している。
さて一般にガス拡散層は、燃料電池における集電極としての機能も求められる為、電気伝導性の高い層である事が好ましく、本発明のガス拡散層を構成する炭素繊維樹脂複合層の電気比抵抗は少なくとも5×10E5(Ω・m)以下である事が好ましく、より好ましくは5×10E3(Ω・cm)以下、更に好ましくは5×10E1(Ω・cm)以下、最も好ましくは5×10E−1以下である。
本発明のガス拡散層の一つの構成形態としては、炭素繊維フィラーを樹脂成分の中に分散してなる炭素繊維複合層が好ましく例示される。炭素繊維フィラーとしては短繊維状の炭素繊維が好ましく用いられ、十分に黒鉛化を進めた炭素繊維である事が好ましい。またその平均繊維長は0.1〜10000μm、より好ましくは10〜3000μm、更に好ましくは100〜1000μmである事が好ましい。
また本発明のガス拡散層の異なる構成形態の例としては、例えば、炭素繊維集合体と樹脂成分とを複合化した炭素繊維樹脂複合層が好ましく例示される。炭素繊維集合体は、金網ベルトの如き通気性捕捉装置の上に炭素繊維群を三次元的に繊維が相互に交絡してなるランダムなマット状の形状に形成してなるもの(以下、三次元ランダムマットと記す)や、前記炭素繊維フィラーを用いて各種の抄紙法等により作成された不織布状のものが好ましく例示される。
炭素繊維フィラーを抄紙して不織布状に形成する場合には、その結着材として少量のバインダー樹脂を用いる事も好ましく行われる。バインダーとしてはポリビニルアルコール、セルロース、フィブリル化構造を有するパルプ状の芳香族ポリアミド(例えば帝人テクノプロダクツ株式会社製「Twaron Pulp」、「Twaron Jet−Spun Fibrid」および、デュポン株式会社製「ノーメックス パルプ」、「ケブラー パルプ」等))、ゴム系バインダ材料(例えば日本ゼオン株式会社製「電池負極用バインダーBM−400B」)等が好適に用いられる。
尚、十分に黒鉛化を進めた炭素繊維フィラーを用いて抄紙したものを炭素繊維集合体としてそのまま用いる方法と、まだ黒鉛化が十分ではない炭素繊維フィラーを抄紙後に十分焼成して黒鉛化を進めたものを炭素繊維集合体として用いる方法がある。
抄紙後に焼成を行う場合には、抄紙時に混合したバインダー成分は焼成の後にも一部が炭化した状態で残存して、繊維間の結着機能を維持する事が好ましく、混合したバインダーの少なくとも1重量%が炭素質として、焼成後の炭素繊維集合体内部に残存するようにする事が好ましい。
三次元ランダムマット状の炭素繊維集合体は、成型後、不活性ガス雰囲気下300〜1500℃程度の温度範囲で焼成処理を施し、さらに必要に応じ、2000℃〜3000℃前後の高温処理を施すことにより高い黒鉛化率を有する炭素繊維集合体を得ることができる。1500℃以下の焼成処理のみの炭素繊維集合体をガス拡散層に用いることも可能であるが、黒鉛化率としてはあまり高いものは得られにくく、高い導電性が必要とされる場合には2000℃以上での高温処理を施す事が好ましい。
尚、これら炭素繊維フィラー、炭素繊維集合体には少量の炭素微粒子をコーティングその他の手法により複合させて用いる事とも可能である。また場合によっては、炭素繊維樹脂複合層の形成時に炭素微粒子を添加しても構わない。炭素微粒子としては、ダイアモンド、天然黒鉛、人工黒鉛に加え、従来使用されているカーボンブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。なお、炭素微粒子としては、球状、鱗粉状、放射線状、不定形のもの等が使用できる。ガス拡散層の機能維持の点から微粒子は粒径として略0.01〜100μm程度のものが好ましい。より好ましくは、0.05〜50μm、さらに好ましくは0.1〜30μmである。
ガス拡散層を形成する炭素繊維樹脂複合層に用いられる樹脂成分は、燃料電池で要求されるラジカル耐性、耐熱性、強度等を実現する観点から、特にシリコーン、ポリイミド、ポリエステル、ポリスルホン、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリオレフィン(ポリプロピレン、シンジオタックポリスチレン、環状ポリオレフィン等)、フッ素樹脂、特殊ゴム系樹脂材料(例えば日本ゼオン株式会社製「電池負極用バインダーBM−400B」)等からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂成分が好ましく用いられる。
尚、炭素繊維樹脂複合層に占める樹脂成分の割合については、導電性、層の形態保持、耐久性、耐用性等の観点より、2〜80重量%、より好ましくは10〜75重量%、更に好ましくは20〜70重量%の範囲である。
また炭素繊維樹脂複合層の厚みは5〜5000μm、より好ましくは10〜3000μm、更に好ましくは30〜1000μmである。
更に補説すると、本発明の炭素繊維複合層内での炭素繊維フィラーおよびまたは炭素繊維集合体の重量比率は、5〜95重量%である事が好ましい。5重量%未満ではガス拡散層で求められる層の導電性が不十分になり、95重量%を超えると層の機械的強度の保持が困難になるので好ましくない。炭素繊維複合シート内での炭素繊維フィラーおよびまたは炭素繊維集合体の重量比率は、より好ましくは10〜90重量%、更に好ましくは15〜85重量%、最も好ましくは20〜80重量%である。
また一方、樹脂成分として、例えば成型時等にミクロン前後サイズの相分離構造を形成できる樹脂成分を用いた場合には、機械的強度に優れ、かつ層の空隙率が高い炭素繊維複合層を得ることもできる。ここで、空隙率とは見かけの容積に対する繊維複合シートの実質容積比率を意味する。
ガス拡散層には、燃料電池の出力を高める観点から、ガスの透過性、反応水の通水性(排水性)を高める事が好ましい場合が多く、この場合には空隙率の高い層を用いる事が好ましい。好適な空隙率の値は、燃料電池の仕様によっても異なるが、概ね5体積%以上、より好ましくは10体積%以上、更に好ましくは15体積%以上、最も好ましくは20体積%以上とする事が好ましい場合が多い。
さて成型時等にミクロン前後のサイズの相分離構造を形成できる樹脂成分の例としては、特に芳香族ポリアミド(例えば帝人テクノプロダクツ株式会社製「コーネックス」、「テクノーラ」、「トワロン」)、熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。
例えば、芳香族ポリアミド系の樹脂であるメタフェニレンイソフタルアミド系樹脂(例えば帝人テクノプロダクツ製「コーネックス」等)をNMP、ジメチルホルムアミドその他の各種極性溶媒、強酸その他の溶剤に溶解してなるドープを、キャストしたフィルムを、水浴中に浸せきする事により、相分離構造が形成され、ミクロン前後のサイズの微細な孔が多数空いたフィルムを得る事ができる。これらの微細な孔は肉眼では認識が困難であり、肉眼で観察する限りでは、フィルム表面には連続的な層が形成されて見える。尚、こうした相分離を促進する相分離剤をドープに添加する事も好ましく行われる。
本発明の燃料電池用ガス拡散層では、その機械的強度の向上により、軽量化、小型化、薄型化を図る事ができ、かつ耐久性、耐用性に優れたガス拡散層とする事ができる。本発明の燃料電池用ガス拡散層を用いる事により、燃料電池、その中でも特に携帯用途に好適に用いられる燃料電池、例えばDMFC等の液体供給型燃料電池を、従来よりも軽量、小型、薄型かつ柔軟性を持った形で作成する事が可能になり、更には燃料電池の耐久性、耐用性が大きく向上する。
次に、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
本発明は、燃料電池、その中でも携帯用途に好適に用いられる燃料電池、特にメタノール又はメタノール水溶液を燃料とする直接メタノール型燃料電池(DMFC)等に代表される液体供給型燃料電池に関する改良技術であって、燃料電池のガス拡散層、特にカソード(酸素極)側のガス拡散層として、炭素繊維フィラーおよびまたは炭素繊維集合体と樹脂成分とからなる炭素繊維樹脂複合層とすることにより、本ガス拡散層および本ガス拡散層を含む燃料電池もしくは燃料電池搭載装置等の小型、軽量、薄型化を図ると共に、耐久性の向上をもたらすものであり、またそのために好適なガス拡散層を構成する材料を提供するものである。
前記の通り、本発明で用いられる炭素繊維集合体はピッチ系炭素原料から得られる黒鉛化炭素繊維を主として用いて作成される事が好ましい。
ピッチ系炭素繊維を得る原料としては、例えば、ナフタレンやフェナントレンの如き縮合多環炭化水素化合物、石油系ピッチや石炭系ピッチの如き縮合複素環化合物等を挙げることができる。なかんずく、ナフタレンやフェナントレンのような縮合多環炭化水素化合物が好ましく、光学的異方性を呈するピッチ、すなわちメソフェーズピッチが特に好ましい。これらは、その1種を単独で用いても、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよいが、メソフェーズピッチを単独で用いることが耐用性の高い炭素繊維を得るうえで望ましい。
なお、炭化繊維として市販の直鎖状高分子由来のもの(例えばポリアクリルニトリル繊維を不融化・炭化処理したもの)を利用することは燃料電池のガス拡散層に適さないので好ましくない。
原料ピッチは紡糸成形の難易度から適切な軟化点(高粘稠液体の流動温度)のものを選ぶことができる。特に本発明に供する炭素繊維は特殊な紡糸成形法、すなわちメルトブロー法を適用するため、熔融粘度の適切な範囲のメソフェーズピッチを選択する。
原料ピッチの軟化点はメトラー法により求めることができる。原料ピッチとしては軟化点が250℃以上350℃以下の範囲のピッチが好ましい。軟化点が250℃より低いと、不融化の際に繊維同士の融着や大きな熱収縮が発生するので好ましくない。また、軟化点が350℃より高いものはピッチの熱分解が生じやすく、繊維状に成形し難く,したがって紡糸・製糸に適さない。
次に炭素繊維の製造・加工工程について説明する。
本発明においては、前述の適切な軟化点を備えたメソフェーズピッチの如き好ましいピッチ原料から紡糸ノズルを用いてピッチ繊維を得る。
この紡糸工程において使用される紡糸ノズルの形状については格別な制約はないものの、ノズル孔のラウンド長と孔径の比(いわゆるL/D)が20以下のものが好ましく用いられ、更に好ましくは15よりもさらに小さいものが用いられる。
本発明のように、炭素繊維の繊維長を変えるためには、或いは同様に、繊維径を変えるにも、この紡糸ノズル孔のラウンド長と孔径の比を変えることによって達成できる。また、紡糸時のノズルの温度を適宜変化させても長短の繊維長の異なる繊維を容易に得ることができる。さらに後述する加熱ガスの吹付け速度を変えることによっても、ピッチ繊維の繊維長と繊維径を変えることが可能となる。ノズルの形状、ピッチの熔融粘度、細化条件等を含め、これら紡糸条件は試行錯誤により好適条件を決定でき、原料ピッチの選択と共に経験的に条件設定が可能である。
一般には、紡糸温度についても特段の制約はなく、安定した紡糸状態が維持できる温度、即ち、紡糸ピッチの粘度が2〜80Pa・S、好ましくは5〜30Pa・Sになる温度であればよい。
ノズル孔から紡出されたピッチ繊維(即ち、炭素繊維の前躯体に該る)は、100〜450℃に加温された毎分100〜10000mの線速度のガスを細化点近傍に吹付けることによって細化・繊維化される。吹付けるガスは空気又は窒素、二酸化炭素、アルゴン等の不活性ガスを用いることができるが、コストパフォーマンスの点から空気で充分である。
繊維化(細化)のガスは加熱空気以外に燃焼ガス(二酸化炭素)が利用できることは言うもでもない。この加温ガスはその温度、吹付け速度等を適宜選んで長短の繊維長を持つピッチ繊維とすることもできる。この場合の細化条件も当業者であれば試行錯誤法により好適条件を設定できる。
炭素繊維フィラーを得る場合には、金網ベルト上に捕捉した繊維群を平面状に並べ、炭素微粒子と混ぜるか混ぜずに、薄いウェブ状の集合体とする。通常クロスラッピングをせずに、炭素微粒子と混合が容易に為し得るようにする。炭素繊維フィラーはガス拡散層において、カーボンブラックのような炭素微粒子に較べ、その機械的強度、耐湿性・耐水性、透湿性・通水性などの機能が優れている。
ランダムマットを得る製造工程では、ピッチ繊維は、金網ベルト上に捕集され、連続的な三次元ランダム形状を有するシート状物になり、さらにクロスラッピングなどを施してシート状物をランダムに積層する。
このようにして得られた平面配列の炭素繊維フィラー及び三次元的にランダムなピッチ繊維シート状物は、公知の方法で不融化を実施できる。即ち、不融化工程は、空気のみで処理するか、又は空気に少量の第三成分であるオゾン、二酸化窒素、窒素、酸素、ヨウ素若しくは臭素等を添加したガスを用いて処理するものであり、不融化温度を150〜400℃に設定することにより達成される。これらピッチ系繊維の不融化では、安全性、利便性を考慮すると空気中で実施することが望ましい。
この不融化工程に継いで、ピッチ繊維シート状物は500〜3500℃で焼成・黒鉛化処理されて、炭素繊維又は黒鉛化炭素繊維として安定する。つまり、平面配列の炭素繊維フィラー又は三次元ランダム形状を有するピッチ系炭素繊維集合体となる。この不融化ピッチ繊維の焼成工程は、真空中又は窒素、アルゴン若しくはクリプトン等の不活性ガス中で実施される。通常は常圧の窒素中で実施することが望ましく、コストの安い窒素が常用される。
ピッチ系繊維の焼成(黒鉛化)温度は、炭素繊維として高い熱安定性・耐薬品性を得るためには、焼成処理温度500〜1500℃(黒鉛化温度2300〜3500℃)の高温度を選択して黒鉛化を高めることが好ましい。さらに好ましくは2500〜3500℃の温度にする。焼成処理の際に黒鉛製容器に入れて不融化処理された炭素繊維を焼成処理(黒鉛化)すると、外部からの物理的、化学的作用の影響を遮断できるので好適な態様となる。黒鉛製容器は不融化処理を終えたピッチ繊維シート状物を所定量収納することができる容量であれば、その大きさ、形状に特に制約はない。もっとも、焼成処理中、又はその後の冷却中に、炉内の酸化性のガス又は炭素蒸気との反応によるピッチ系炭素繊維集合体の損傷を防ぐために、蓋付きの気密性の高いものを使用することが好ましい。
ここで、本発明で得られるピッチ系炭素繊維集合体は三次元ランダム形状である。炭素繊維を骨格とし、粉末に近い形状の繊維を三次元ランダム形状に分散させたものであって、繊維同士が相互に密着した状態になっていて、しかもピッチ系炭素繊維集合体を構成する各々の繊維が特定の方向に配向していない。このようにピッチ系炭素繊維集合体が三次元ランダム形状となることから、得られる炭素繊維はあらゆる方向(全方向)に等価にプロトンを分配させ得る性質を有し、本発明の課題を達成でき、好ましい実施形態となる。
これに対し、従来の補強材として使用される、例えばアクリル系繊維由来の炭化繊維は、特定の方向に配向した炭化繊維束(UD材)であるから、炭化繊維複合材料としてガス拡散層を製造した場合には、特定の方向にはガス流動しやすいが、それ以外の方向については流動抵抗があり不均質という問題が生じるので、このような炭化繊維集合物は燃料電池の部材に適応できるか否かという観点からは好ましいとは云えない。もっとも、かような異方性炭素繊維集合物は機械的強度においても方向性を有しているため、この性能を活かすように重用されることは言うまでもない。
本発明で用いるピッチ系炭素繊維集合体を構成する炭素繊維の黒鉛化率に関しては、その反映値としてピッチ系黒鉛化炭素繊維の真密度が少なくとも1.5g/cc以上である事が好ましい。真密度の値はより好ましくは1.8g/cc以上であり、更に好ましくは2.0g/cc以上である。尚、真密度の上限値はおよそ2.5g/ccである。
また結晶子サイズに関しては、炭素材料中の黒鉛結晶(六角網面)のc軸方向の結晶子サイズ(Lc)が少なくとも5nm以上、より好ましくは20nm以上である事が好ましい。尚、Lcの値の上限値としてはおよそ100nm程度である。
また更に好ましくは、炭素材料中の黒鉛結晶(六角網面)のab軸方向の結晶子サイズ(La)が少なくとも5nm以上、より好ましくは30nm以上である事が好ましい。Laの値の上限値はおよそ200nm程度である。
尚、これら黒鉛結晶の大きさ(微結晶サイズ)は、公知の方法によって求めることができ、例えばX線回折法によって得られる炭素結晶の(110)面からの回折線によって求めることができる。
このピッチ系炭素繊維は黒鉛化(結晶化)の加圧・加熱条件等によって六角網面の面間隔が僅かに変化するが、本発明に供する炭素繊維フィラーでは、X線回折法によって得られる炭素結晶の(002)面からの回折線によって求められる面間隔は0.3365〜0.3375nmの範囲であり、このような結晶構造を呈する炭素繊維が好ましい形態安定性・耐用性を有している。
炭素繊維の繊維径や繊維長のサイズの調整は篩の目の粗さを組み合わせることによって達成することができる。また本発明の炭素繊維は、篩分けを終えたピッチ繊維を2300〜3500℃に加熱し黒鉛化して最終的な炭素繊維としてもよい。
本発明の炭素繊維の形状について補説する。炭素短繊維の長さは、上述した篩い分けで決まるが、直径及び径の分散率は紡糸工程によってほぼ一意的に決定される。そして、炭素繊維の直径は紡糸された際のピッチ繊維(原糸)の繊維直径より1〜2μm小さい値となる。これは不融化及び焼成処理に起因して繊維が少量痩せて緻密化するためである。
炭素繊維の繊維長や繊維径を粉砕手段と篩とによって適宜調製することができる。粉砕方法は特に限定されないが、ビクトリーミル、ジェットミル、高速回転ミル等の粉砕機、切断機等が好ましく使用され、粉砕を効率よく行うためには、ブレードを取付けたロータを高速に回転させることにより、繊維軸に対して直角方向に繊維を寸断する方法が適切である。粉砕によって生じる炭素繊維の平均長さは、ロータの回転数、ブレードの角度等を調整することにより制御される。篩を用いて炭素繊維のサイズを所定の範囲に限定することは容易である。
本発明では、黒鉛粉末の如き炭素微粒子を炭素繊維フィラーもしくは炭素繊維集合体に添加する態様も含む。炭素微粒子をピッチ系炭素繊維フィラー集合体へ分散せしめる方法としては特に限定はない。炭素繊維フィラー中へ炭素微粒子をドライブレンドする方法、炭素微粒子を液体分散材中に分散させた後に該分散液を炭素繊維フィラーもしくは炭素繊維集合体に浸漬させ、その後前記液体分散材を乾燥する等のウェットブレンド処理手段により不要な分散液を除去できる。逆に、炭素繊維フィラーを炭素微粒子からなる粉末の中へ分散せしめる方法も全く同様であって、ドライブレンド又はウェットブレンドが適用できる。炭素繊維100重量部に対し1〜100重量部の炭素微粒子を加えれば適切な組成となる。
本発明において炭素繊維複合層を得るための樹脂成分の配合方法としては特に限定はなく、通常の混練技術が採択できる。また本発明特有の方法として、炭素繊維集合体の一部を樹脂中へ分散し、その後炭素繊維が分散された樹脂を残余の炭素繊維集合体中へ炭素繊維とともに導入する方法が挙げられる。
また他の方法として、炭素繊維の分散された樹脂成分をあらかじめ平面状などの形状に加工し、炭素繊維集合体と積層させた状態でプレス成形することにより、炭素繊維複合層を得ることができる。
さらに、別の方法として、炭素繊維フィラーと炭素繊維ランダムマットとを混合して使用すること、又は炭素繊維フィラーと炭素微粒子粉末とを混合使用することもできる。これらの場合いずれか一方の成分を他方に分散せしめ、その後、樹脂成分を混合した炭素繊維集合体の中へ導入する方法が挙げられる。
さらにまた、ランダムマットからなる繊維集合体は樹脂成分を添加する手段により容易に炭素繊維樹脂複合層に為し得る。この場合は金属網ベルトにおいて炭素繊維自体が既に相互に交絡し、収束しているからである。
なお、炭素繊維フィラーやランダムマットの炭素繊維からなる炭素繊維集合体には、炭素繊維複合シートの性質を変えない範囲の量比において、黒鉛粉末、カーボンブラック等の炭素微粒子を配合することができる。
ガス拡散層に炭素繊維樹脂複合層を適用する場合には、あらかじめ規定された形状・寸法・機能(透湿性や通水性等)があるから、この仕様を充たす必要がある。勿論、当業者であれば、試行錯誤により適切な製造条件を設定できる。例えば、炭素繊維複合層の厚さは、当初の炭素繊維層状物の目付・坪量と複合シートの加熱又は非加熱カレンダーロールを用いて1回ないし複数回押圧することにより、指定条件を予測でき、諸条件を適宜変えて炭素繊維集合体を造り、これを適切にプレスすることによって、「仕様を充たす」適合層の要件を達成できる。
尚、炭素繊維樹脂複合層は、例えば燃料電池の電解質膜上に積層された触媒層上、もしくは触媒層の材料を含んで、電解質膜上にコーティング等により、一体形成する事も可能である。また層を自立性のシート状の層として、もしくは剥離性の支持体フィルム上に形成された層として作成した場合には、これらの層を触媒層が積層された電解質膜上にラミネートして一体化する方法が好適に用いられる。
尚、前記において、炭素繊維集合体は平面状に配列したものや立体的に繊維自体が交絡したもの、即ち不織布状の者を説明したが、本発明には合成紙や、勿論、炭素繊維からなる織布、編物状の集合体も含む。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
(1)炭素繊維フィラーの平均繊維径:
黒鉛化を経たピッチ系炭素繊維フィラーを光学顕微鏡下400倍で任意の10視野撮影し求めた。
(2)炭素繊維フィラーの平均繊維長:
黒鉛化を経たピッチ系炭素短繊維フィラーを光学顕微鏡下で任意の10視野撮影し求めた。倍率は糸長さに応じて適宜調整した。
(3)炭素繊維フィラーの真密度:
比重法を用いて求めた。
(4)結晶子サイズ:
X線回折にて求めた。計算法は学振法に準拠して実施した。
(5)炭素繊維複合層の電気比抵抗:
ダイヤインスツルメンツ社製ロレスタEPで測定した。
[実験例1]
(ピッチ系黒鉛化炭素繊維フィラーの作成)
縮合多環炭化水素化合物よりなるピッチを主原料とした。光学的異方性割合は100%、軟化点が283℃であった。直径0.2mmの孔径の紡糸口金を使用し、スリットから加熱空気を毎分5000mの線速度で噴出させて、溶融ピッチを牽引して平均繊維径が15μmのピッチ系炭素繊維を製糸した。紡出された繊維をベルト上に捕集してマットとし、さらにクロスラッピングにより目付320g/mのピッチ系炭素繊維からなるウェブとした。
このウェブを空気中で175℃から280℃まで平均昇温速度7℃/分で昇温して不融化を行った。不融化したウェブを窒素雰囲気中800℃で焼成した後、ミリングし、平均繊維長が約400μmの炭素繊維フィラー(以下、炭素繊維Aと記す)、平均繊維長が約40μmの炭素繊維フィラー(以下、炭素繊維Bと記す)とに篩い分けを行った。その後、非酸化性雰囲気とした高温炉にて3000℃で熱処理して黒鉛化した。ここで前記炭素繊維Aを黒鉛化したものをピッチ系黒鉛化炭素繊維フィラーA、前記炭素繊維Bを黒鉛化したものをピッチ系黒鉛化炭素繊維フィラーBとした。
尚、これらピッチ系黒鉛化炭素繊維フィラーの平均繊維径は9.7μmであり、繊維径分散の平均繊維径に対する百分率は14%であった。真密度は2.18g/ccであった。
透過型電子顕微鏡を用い、100万倍の倍率で本ピッチ系黒鉛化炭素繊維を観察し、400万倍に写真上で拡大した所、本ピッチ系黒鉛化炭素繊維の端面はグラフェンシートが閉じていることを確認した。また走査型電子顕微鏡で4000倍の倍率で観察したピッチ系黒鉛化炭素繊維の表面には大きな凹凸はなく、平滑であった。
また本ピッチ系黒鉛化炭素繊維のX線回折法によって求めた黒鉛結晶のc軸方向の結晶子サイズは33nmであった。またab軸方向の結晶子サイズは57nmであった。
また焼成までを同じ工程で作製し、ミリングを実施しなかったウェブを、非酸化性雰囲気とした電気炉にて3000℃で熱処理した黒鉛化ウェブより、単糸を抜き取り、電気比抵抗を測定したところ、2.2μΩ・mであった。なお参考までに下記式(1)を用いて求めた炭素繊維の熱伝導度は530W/m・Kであった。
[数1]
C=1272.4/ER−49.4 (1)
(ERは電気比抵抗を示し、ここでの単位はμΩ・mである)
[実験例2]
(ピッチ系黒鉛化炭素繊維不織布の製造)
実験例1で作成したピッチ系黒鉛化炭素繊維フィラー90重量部、およびバインダーとして平均繊維長5mmのPVA繊維(商品名ビニロン)10重量部を混合した後に、30℃の水浴を用いて抄紙し、不織布状(ペーパー状)の集合体シートとした後、窒素雰囲気下1500℃で焼成処理して、厚み約200μmの不織布状のピッチ系黒鉛化炭素繊維集合体を作成した。
[実験例3]
(三次元ランダムマット炭素繊維集合体の製造)
実験例1で作成したランダムマット炭素繊維前駆体を空気中で170℃から310℃まで平均昇温速度5℃/分で昇温して不融化を行い、ついで700℃で焼成した後、さらにそのまま3000℃で焼成、黒鉛化することにより、三次元ランダムマット状のピッチ系黒鉛化炭素繊維集合体を得た。尚、この炭素繊維の比重、結晶子サイズ等の値については実施例1で作成したピッチ系黒鉛化炭素繊維の値と同等であった。
[実施例1]
樹脂成分として、主剤と硬化剤からなる二液混合型の熱硬化性シリコーン樹脂(東レダウシリコーン社製SE1740)を用いた。まず実験例1で作成したピッチ系黒鉛化炭素繊維フィラーAと、前記熱硬化性シリコーン樹脂成分の主剤とを自公転型の万能混合機を用いて混合し、フィラーを樹脂内に均一分散した後に、硬化剤を添加して、更に混合を行って、炭素繊維樹脂複合層作成用の混合物を作成した。尚、この混合物中のピッチ系黒鉛化炭素フィラーの重量分率は約50重量%であった。
キャリアフィルムとして、75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、前記混合物をコーターを用いてキャリアフィルム上に押出した。次いで75μmのPETフィルムをカバーフィルムとして押出された混合物の上に貼合した。ついで混合物を上記PETフィルム間にサンドウィッチ状に挟んだ炭素繊維樹脂複合層を、クリアランスが1mmのロールで押圧しながら通過させ、さらにクリアランスが0.5mmのロールを通過させ圧縮工程とした。その後、硬化ゾーンとして熱風型の乾燥機を用い180℃において15分間の熱処理を施して熱硬化を行った後、両面のPETフィルムを剥離して、更にカレンダー処理を施し、厚みが約300μmの自立性のあるシート状の炭素繊維樹脂複合層を得た。
このシート状の炭素繊維樹脂複合層の電気比抵抗は、約2.3(Ω・cm)であった。またゴム弾性を表わすアスカーC硬度は39であり、応力緩和能に優れた柔軟性の層であった。
次に、この炭素繊維樹脂複合層を酸素極側のガス拡散層として用い、酸素極の触媒層が積層された電解質膜上にラミネートし、ガス拡散層、触媒層(酸素極)、電解質層、触媒層(水素極)および供給液体貯層からなる評価セルを作成し、燃料電池出力特性を評価した。
供給液体貯層には10Mメタノール水溶液を充填し、供給液体貯層から毛細管現象に基づき水素極に必要量のメタノール水溶液が継続的に供給されるようにした。一方、酸素極側は全面で大気に開放した状態とした。セル全体を40℃に加熱して1mA/cmの電流をとり、電池性能の時間的安定性を観測したところ、100時間経過後でも出力は安定していた。また酸素極側のガス拡散層の炭素繊維複合層はそれ自身が充分な強度を有しており、構成も単純なため薄型化が可能であった。
[実施例2]
樹脂成分は実施例1と同じ熱硬化性シリコーン樹脂を用いた。この熱硬化性シリコーン樹脂の主剤と硬化剤とを十分よく混合した後に、テフロン(登録商標)シート上にドクターナイフにより塗工したものを2枚用意した。次に、実験例2において作成した不織布(ペーパー状)のピッチ系黒鉛化炭素繊維集合体をこの2枚のテフロン(登録商標)シートに挟み込む形にして、うちのり300mmの金型にセットした。そして北川精機株式会社製真空プレス機にて、130℃の温度で真空熱プレス成形を実施し、約400μm厚みの自立性のあるシート状の炭素繊維樹脂複合層を得た。尚、この炭素繊維樹脂複合層の中の炭素繊維が占める重量比率は約44重量%であった。
このシート状の炭素繊維樹脂複合層の電気比抵抗は、約6.8×10E−1(Ω・cm)であった。またゴム弾性を表わすアスカーC硬度は51であり、応力緩和能に優れた柔軟性の層であった。
次に実施例1と全く同様に、前記シート状の炭素繊維樹脂複合層を、酸素極側のガス拡散層として、単セルの燃料電池を作成し、評価を行った。
燃料電池の出力は100時間経過後でも安定していた。また酸素極側のガス拡散層として用いたこの炭素繊維複合層はそれ自身が充分な強度を有しており、構成も単純なため薄型化が可能であった。
[実施例3]
樹脂成分は実施例1と同じ熱硬化性シリコーン樹脂を用いた。この熱硬化性シリコーン樹脂の主剤と硬化剤とを十分よく混合した後に、テフロン(登録商標)シート上にドクターナイフにより塗工したものを2枚用意した。次に、実験例3において作成した三次元ランダムマット状のピッチ系黒鉛化炭素繊維集合体をこの2枚のテフロン(登録商標)シートに挟み込む形にして、うちのり300mmの金型にセットした。そして北川精機株式会社製真空プレス機にて、130℃の温度で真空熱プレス成形を実施し、約400μmの厚みの自立性のあるシート状の炭素繊維樹脂複合層を得た。尚、この炭素繊維樹脂複合層の中の炭素繊維が占める重量比率は約44%であった。
このシート状の炭素繊維樹脂複合層の電気比抵抗は、約2.9×10E−1(Ω・cm)であった。またゴム弾性を表わすアスカーC硬度は44であり、応力緩和能に優れた柔軟性の層であった。
次に実施例1と全く同様に、前記シート状の炭素繊維樹脂複合層を、酸素極側のガス拡散層として、単セルの燃料電池を作成し、評価を行った。
燃料電池の出力は100時間経過後でも安定していた。また酸素極側のガス拡散層として用いたこの炭素繊維複合層はそれ自身が充分な強度を有しており、構成も単純なため薄型化が可能であった。
[実施例4]
樹脂成分は実施例1と同じ熱硬化性シリコーン樹脂を用いた。まず最初に、実験例3で作成した三次元ランダムマット状炭素繊維集合体と、熱硬化性シリコーン樹脂の主剤とをパドル型縦型混練装置で攪拌し、さらに硬化剤を添加し、三次元ランダムマット状炭素繊維集合体をマットの形態がなくなるまで分散させた混合物を作成した。尚、この混合物中の三次元ランダムマットの重量分率は46%であった。
キャリアフィルムとして、75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、前記混合物を、コーターを用いてキャリアフィルム上に押出した。次いで75μmのPETフィルムをカバーフィルムとして押出された混合物の上に貼合した。ついで混合物を上記PETフィルム間にサンドウィッチ状に挟んだ炭素繊維樹脂複合層を、クリアランスが1mmのロールで押圧しながら通過させ、さらにクリアランスが0.5mmのロールを通過させ圧縮工程とした。その後、硬化ゾーンとして熱風型の乾燥機を用い180℃において15分間の熱処理を施して熱硬化を行った後、両面のPETフィルムを剥離して、更にカレンダー処理を施し、厚みが約300μmの自立性のあるシート状の炭素繊維樹脂複合層を得た。
このシート状の炭素繊維樹脂複合層の電気比抵抗は、約9.3×10E−1(Ω・cm)であった。またゴム弾性を表わすアスカーC硬度は39であり、応力緩和能に優れた柔軟性の層であった。
次に実施例1と全く同様に、前記シート状の炭素繊維樹脂複合層を、酸素極側のガス拡散層として、単セルの燃料電池を作成し、評価を行った。
燃料電池の出力は100時間経過後でも安定していた。また酸素極側のガス拡散層として用いたこの炭素繊維複合層はそれ自身が充分な強度を有しており、構成も単純なため薄型化が可能であった。
[実施例5]
樹脂成分として、ポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)(帝人テクノプロダクツ株式会社製「コーネックス」、以下コーネックスポリマーと記す)を用い、ミクロンサイズの多孔構造を有する炭素繊維樹脂複合膜を作成した。
すなわち、コーネックスポリマーをジメチルアセトアミドに溶解させた後、本ドープ中に実験例1で作成したピッチ系黒鉛化炭素繊維フィラーBを固形分比率50重量%の割合で混合した後、このドープをポリプロピレンフィルム上に流延し、次いでこの流延物をジメチルアセトアミド55重量%と水45重量%とからなる30℃の凝固浴に30秒間投入し、凝固膜を得た。その後、ポリプロピレンフィルムから該凝固膜を剥離し、50℃の水浴中に10分間浸漬した。次いで、該凝固膜を120℃で10分間、さらに270℃で10分間処理することによって、樹脂部分にミクロンサイズの多孔構造を有し、自立性を有するのシート状の炭素繊維樹脂複合層を作成した。本炭素繊維樹脂複合層の厚みは約50μmであり、電気比抵抗は約1.2×10E2(Ω・cm)であり、空隙率(炭素繊維樹脂複合層、樹脂、炭素繊維の比重から計算)は約21体積%であった。
次に実施例1と同様に、前記シート状の炭素繊維樹脂複合層を、酸素極側のガス拡散層として、単セルの燃料電池を作成した。評価を行った。すなわちセル全体を40℃に加熱して10mA/cmの電流をとり、電池性能の時間的安定性を観測したところ、100時間経過後でも出力は安定していた。また酸素極側のガス拡散層の炭素繊維複合層はそれ自身が充分な強度を有しており、構成も単純なため薄型化が可能であった。
[実施例6]
樹脂成分として、ポリフッ化ビニリデンを用い、ミクロンサイズの多孔構造を有する炭素繊維樹脂複合膜を作成した。すなわち、ポリフッ化ビニリデンをNMPに溶解させた後、本ドープ中に実験例1で作成したピッチ系黒鉛化炭素繊維フィラーBを固形分比率40重量%の割合で混合した。このドープをポリプロピレンフィルム上に流延し、次いでこの流延物をNMP55重量%と水45重量%とからなる30℃の凝固浴に20秒間投入し、凝固膜を得た。次に50℃の水浴中に10分間浸漬し、該凝固膜を120℃で15分間処理することによって、支持体としてのポリプロピレンフィルム上に、樹脂部分にミクロンサイズの多孔構造を有した炭素繊維樹脂複合層を作成した。本炭素繊維樹脂複合層の厚みは約50μmであり、電気比抵抗は約3.6×10E2(Ω・cm)、空隙率は約17体積%であった。
次にこの炭素繊維樹脂複合層を、酸素極側の触媒層が積層された電解質膜の表面にラミネートして、電解質膜、触媒層と一体化してなる酸素極側のガス拡散層とした。
続いて実施例1と同様の要領にて単セルの燃料電池を作成し、評価を行った。すなわちセル全体を40℃に加熱して10mA/cmの電流をとり、電池性能の時間的安定性を観測したところ、100時間経過後でも出力は安定していた。また酸素極側のガス拡散層の炭素繊維複合層は充分な強度を有しており、構成も単純なため薄型化が可能であった。
[比較例1]
ガス拡散層として、PAN系カーボンペーパー(東レ株式会社製)を用いた事以外は、実施例1と全く同様にして、単セルの燃料電池を作成し、評価を行った。電池性能の時間的安定性を観測したところ、100時間経過後でも出力は安定していた。しかしながら、本比較例の燃料電池は、カーボンペーパーが最表層に配置されているために強度不足であり、燃料電池表面への外的な衝撃等に対して明らかに弱い構造となっていた。

Claims (9)

  1. 炭素繊維フィラーおよびまたは炭素繊維集合体と、樹脂成分とを複合してなり、層の表面はマクロに見て連続層を為し、電気比抵抗が少なくとも5×10E5(Ω・cm)以下である炭素繊維樹脂複合層からなる事を特徴とする燃料電池用ガス拡散層。
  2. 少なくとも、炭素繊維フィラーが樹脂成分に分散されてなる炭素繊維樹脂複合層からなる事を特徴とする請求項1に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  3. 炭素繊維集合体が、三次元的にランダムなマット形状の炭素繊維集合体、もしくは不織布状の炭素繊維集合体である事を特徴とする請求項1に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  4. 樹脂成分が、シリコーン、ポリイミド、ポリエステル、ポリスルホン、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリオレフィン、フッ素樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散層。
  5. 炭素繊維フィラーもしくは炭素繊維集合体が、真密度が少なくとも1.5g/cc以上、黒鉛結晶(六角網面)のc軸方向の結晶子サイズ(Lc)が少なくとも5nm以上で、平均繊維径が0.1〜100μmであるピッチ系黒鉛化炭素繊維からなる事を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散層。
  6. 炭素繊維樹脂複合層の厚みが5〜5000μmである事を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散層。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散層を、少なくとも酸素極側のガス拡散層として用いた事を特徴とする燃料電池。
  8. 燃料電池が、液体供給型燃料電池である請求項7に記載の燃料電池。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載のガス拡散層が、燃料電池を搭載した装置の最外層に配置されている事を特徴とする燃料電池搭載装置。
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