次に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、遊技機の一例として、いわゆる第一種パチンコ機(以下、「パチンコ機」と略称する。)を例に挙げて説明する。但し、画像表示機能がある機種であれば、その他のパチンコ機(第二種、第三種等)であっても本発明を適用可能である。
(定義)
本実施形態において用いる用語について、以下のとおりに定義する。
「遊技機」:ホールに設けられ、風適法(「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の略)の適用を受ける、パチンコ型遊技機やスロットマシン型遊技機をいう。
「遊技球」:遊技機で使用される玉(パチンコ玉)(貸玉)のことをいい、カードリーダに所定のカードを読ませることにより、または、貸玉機に直接コインを投入することにより、提供されるものである。
「賞球」:入賞により払い出される遊技球のことをいう。
「入賞」:入賞口に遊技球が入ることをいう。
「入賞口」:遊技球が入ることにより賞球を払い出すように設定されたものをいい、本実施形態では、一般入賞口111、大入賞口113に相当する。
「始動入賞口」:遊技球が入ることにより抽選を開始するように設定されたものをいい、「チャッカー」ともいう。本実施形態では、始動入賞口112に相当する。
「大入賞口」:大当たりの結果、開放される電動役物をいい、「アタッカー」ともいう。本実施形態では、大入賞口113が相当している。
「抽選」:始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機として、予め定められた確率で「大当たり」または「ハズレ」の抽選結果を出力することをいう。
「大当たり」:抽選の結果、特別遊技に移行することをいう。
「リーチ」:あと一つの条件が揃えば「大当たり」となることをいう。例えば、「装飾図柄」においてあと一つ数字が揃えば「大当たり」となる図柄が表示される。
「通常遊技」:「大当たり」となる前までに行われる遊技をいう。
「特別遊技」:遊技者にとって有利な遊技状態をいう。
「特別図柄」:抽選結果を表示するための図柄をいい、「大当たり」か「ハズレ」かが表示される。
「装飾図柄」:抽選結果を遊技者にインパクトのある画像で提示するための図柄であり、「特別図柄」により表示される「大当たり」か「ハズレ」かの抽選結果に対応している。通常、装飾図柄は、数字や記号等の図柄で表される。個々の数字または記号等の図柄を、単に「装飾図柄」という。また遊技機では、一連の装飾図柄(例えば「0」〜「9」の10個の数字)のまとまりが、一体として移動表示される。この一まとまりの「装飾図柄」を「一連の装飾図柄」という。遊技機では、この「一連の装飾図柄」のうち一つの装飾図柄が選択される。この選択された装飾図柄が複数個組合せて表示されることで、「当たり」や「ハズレ」を表示する。この複数の選択された装飾図柄の組合せによって表現される装飾図柄の組合せを、「装飾図柄の組合せ」という。
「普通図柄」:始動入賞口を有する普通電動役物(いわゆる電動チューリップ)に遊技球が入賞しやすい状態か否かを示す図柄である。
「変動表示」:抽選を実施している間に装飾図柄を移動させながら表示することをいう。
「保留数」:遊技球が入賞口に入った累積数をいい、入賞したことによる抽選の待ち数である。通常上限数が定められる。
「確変モード」:確率変動モードのことで、通常遊技よりも「大当たり」になる確率が高くなる状態を形成するようにするモードである。
「時短モード」:所定期間または所定回の単位遊技が実行される期間、「特別図柄」及び「普通図柄」の変動時間が短縮されるモードをいう。
(実施形態1)
本発明の実施形態1では、全体的な構成とともに本発明の基本的な透明化処理を説明する。
図1は、パチンコ機の外観構成の一例を示す正面図である。
図1において、パチンコ機(遊技機)100は、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)と、遊技盤を支持固定する遊技機枠とを備えて構成される。
遊技盤には、複数の釘101、風車102a、102b、普通図柄作動ゲート103、普通電動役物104、センター飾り部品105、特別図柄表示装置106、演出表示装置107、普通図柄表示装置108、外レール110、及び内レール109などが遊技部品として設けられている。また、遊技盤には、一般入賞口111、始動入賞口112、大入賞口113、及びアウト口114が形成されている。
内レール109と外レール110は、発射された遊技球を、遊技領域115へ案内するためのものである。
釘101や、風車102a、102bは、遊技領域115の所定の位置に設けられている。例えば、遊技領域115に入って、図1の上から下に向けて移動する遊技球の動きを不規則にしたり、一般入賞口111、始動入賞口112、及び大入賞口113への遊技球の入賞や、普通図柄作動ゲート103への遊技球の通過頻度を調整したりする。
特別図柄表示装置106は、内レール109の側方に設けられており、例えば、特別図柄を表示する7セグメントLED116と、遊技球の始動入賞口112への入賞数を表示する4つのLED117とを備えて構成されている。
本実施形態では、遊技球の始動入賞口112への入賞に基づいて、7セグメントLED116を発光させて、「大当たり」に対応する特別図柄である「3」及び「7」と、「ハズレ」に対応する特別図柄である「−」とを変動表示させた後に、前記抽選の結果に基づいて、これら3種類の特別図柄のうちの1つを停止表示させるようにしている。
4つのLED117は、遊技球の始動入賞口112への入賞に基づく抽選結果の保留数を表示するためのもので、始動入賞口112に遊技球が入賞する度に順次発光し、また、特別図柄の変動表示を開始する際に順次消灯する。すなわち、前記保留数の上限値に対応する4つのLED117の発光数により、遊技球の始動入賞口112への入賞に基づく抽選結果の現在の保留数を遊技者に報知する。本実施形態では、遊技球の始動入賞口112への入賞に基づく抽選結果の保留数の上限値を4つとしている。そして、この保留数が4つである場合に始動入賞口112に遊技球が入賞した場合には、その遊技球の入賞に基づく抽選を行わずに、始動入賞口112への入賞に対応する数の賞球のみを行うようにしている。
演出表示装置107は、装飾図柄を含む画像を表示するための表示装置であって、遊技者に視認されやすいように、遊技領域115のほぼ中央位置に設けられており、種々の演出に関わる表示をするための液晶表示装置を備えて構成されている。
表示画面118は、演出表示装置107に設けられた液晶表示装置で遊技者に画像が視認可能に提供される領域である。表示画面118には、一揃いの装飾図柄が表示されるようになっている。一揃いの装飾図柄としては、文字及び記号として、例えば「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」がある。装飾図柄の変動期間中には、各々の装飾図柄が、遊技機の定めた順番で、入れ替わり表示される。装飾図柄の変動期間の終了時には、装飾図柄として「0」〜「9」、及び「A」〜「F」のいずれか一つずつが停止表示される。これら3つの装飾図柄の組合せで「大当たり」か「ハズレ」かが示される。一方、前記抽選の結果が「ハズレ」である場合は、「大当たり」に相当する特定の装飾図柄の組合せ以外の装飾図柄を停止表示される。
なお、演出表示装置107は、画像部品や装飾図柄だけでなく、リーチ状態への移行後の「リーチ」演出において、「大当たり」の期待感を遊技者に与えるようにするためのオブジェクト(キャラクタ)画像なども装飾図柄の背景画像として表示する。
また、演出表示装置107は、遊技球の始動入賞口112への入賞数を表示し、始動入賞口112への現在の入賞数を遊技者に報知するようにしてもよい。
演出表示装置107の下方には、普通電動役物104が設けられている。この普通電動役物104は、始動入賞口112へ遊技球を案内するために開閉動作する。
この普通電動役物104の下方には、大入賞口113が形成されている。この大入賞口113は、「大当たり」となり、特別遊技に移行した場合に、大入賞口扉120が倒伏して開放される。本実施形態では、特別遊技において、最大15回の単位遊技が実行されるようにしている。具体的に説明すると、単位遊技を行っている最中に、大入賞口113に形成されている特定領域(いわゆるVゾーン)121を、遊技球が通過すると、次の単位遊技に移行することが可能になるようにして、最大15回の単位遊技が実行されるようにしている。なお、本実施形態では、大入賞口113に特定領域121を形成するようにしたが、必ずしも特定領域121を形成する必要はない。この場合には、特別遊技に移行すると、15回の単位遊技を実行することが保証されることになる。
センター飾り部品105は、透明化の部分を含む成形品であり、演出表示装置107の周囲に設けられている。このセンター飾り部品105は、演出表示装置107を保護したり、パチンコ機100を装飾したりするなどの役割を果たす。また、図1に示したパチンコ機100においては、センター飾り部品105の上部に形成されたスルー部105aに入った遊技球が、センター飾り部品105内を経由して、センター飾り部品105の下部に形成されたステージ105bまで移動するような流路が形成されるようにしている。
普通図柄作動ゲート103は、普通電動役物104と内レール109との間に設けられており、例えば、普通図柄作動ゲート103内を遊技球が上から下へ向けて通過することが可能なように構成されている。
普通図柄表示装置108は、普通電動役物104を介して普通図柄作動ゲート103と対向する位置に設けられており、例えば、普通図柄を表示する7セグメントLED122と、遊技球の普通図柄作動ゲート103への通過数を表示する4つのLED123とを備えて構成されている。普通図柄は、遊技球の普通図柄作動ゲート103への通過を契機として行われる抽選の結果に応じて、普通電動役物104を開放させるか否かを示すための図柄である。
普通図柄表示装置108は、遊技球の普通図柄作動ゲート103への通過に基づいて、7セグメントLED122を発光させて、普通図柄として例えば「7」及び「−」を交互に変動表示させた後に、「7」又は「−」の何れかを停止表示させる。そして、「7」が停止表示された場合に、「当たり」とし、普通電動役物104を開放させる。一方、「−」が停止表示された場合には、「ハズレ」とし、普通電動役物104を開放させない。
また、4つのLED123は、遊技球の普通図柄作動ゲート103への通過数を表示するもので、普通図柄作動ゲート103を遊技球が通過する度に順次発光し、また、普通図柄の変動表示を開始する際に順次消灯する。すなわち、4つのLED123の発光数により、普通図柄作動ゲート103の通過数を遊技者に報知する。
一般入賞口111は、普通図柄作動ゲート103と、内レール109との間に設けられており、この一般入賞口111に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
アウト口114は、遊技領域115の最下部に設けられており、始動入賞口112、一般入賞口111、及び大入賞口113の何れにも入賞しなかった遊技球を回収する。なお、回収された遊技球は、パチンコ機100の外部に放出される。
遊技機枠は、外枠124、前枠125、透明板126、扉127、及び球皿ユニット128を備えている。
外枠124は、開口部分を有し、パチンコ機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠125は、外枠124の開口部分に整合する枠体であり、ヒンジ機構などにより、外枠124へ開閉自在となるように取り付けられる。
前枠125は、遊技球を発射させるための機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構や、遊技球を誘導又は回収するための機構などを有する。さらに、前枠125の周縁部には、遊技の状態に応じて点灯する遊技効果ランプなどの電飾部品130a〜130dが設けられている。
透明板126は、遊技盤を保護するためのものであり、例えば透明なガラス板である。遊技者は、この透明板126を介して、遊技盤の遊技領域115を透視しながら遊技を行う。
扉127は、透明板126を支持するためのものであり、ヒンジ機構などにより、前枠125へ開閉自在となるように取り付けられる。
球皿ユニット128は、前枠125の下方に設けられており、遊技球(貸球及び賞球)を一定量貯留する球皿128a、遊技球を貯留するための機構、前記遊技球を発射させるための機構に遊技球を送り出すための機構、貯留中の遊技球を出球収容箱(いわゆるドル箱)に抜き出すための球抜き機構、発射ハンドル131、及び操作スイッチ132などを有する。
なお、本実施形態のパチンコ機100では、前記球抜き機構として、押しボタン式のものを採用している。具体的に説明すると、弾抜きボタン128bが遊技者により押されると、球皿128aの底面の一部が開口し、球皿128aに貯留中の遊技球が外部に放出されるようにしている。
発射ハンドル131は、遊技球を遊技領域115に向けて発射させる際に遊技者により操作される。遊技者が発射ハンドル131を回動操作すると、回動角度に応じた速度で、遊技球が、内レール109及び外レール110により案内されて遊技領域115に向けて発射される。
操作スイッチ132は、遊技者により操作されるものであり、その操作内容を反映させて遊技の演出を実行するようにする。本実施形態では、操作スイッチ132はプッシュボタンと十字キー(図示せず)とを含んで構成されている。
また、球抜き機構128bの両側方には、効果音を再生出力するスピーカ133が設けられている。
(遊技の概要)
次に、パチンコ機100における遊技の概要について説明する。
まず、貸し出された遊技球が球皿128aに置かれた状態で、遊技者が、発射ハンドル131を、図1に向かって時計回りの方向に回すと、遊技球が、遊技領域115に向けて発射される。遊技領域115に入った遊技球は、遊技領域115に形成されている釘101や風車102などにぶつかって、不規則な動きをしながら、遊技領域115内を上から下に向けて移動する。
遊技開始時、演出表示装置107の表示画面118には、装飾図柄は表示されておらず、背景画像、及び背景画像上を所定のキャラクタ(オブジェクト)が動き回るような画像や、この遊技機のテーマを示す文字情報が表示されている。
そして、遊技球が、始動入賞口112に入賞すると、所定数の賞球(本実施形態では4個の賞球)が球皿128aに払い出されるとともに、特別図柄表示装置106において図柄の変動表示が開始される。また、入賞に基づき抽選が開始される。そして抽選の開始に対応させて、表示画面118に装飾図柄が表示され、変動表示を開始する。そして、当入賞に基づき実行される抽選の結果が「ハズレ」である場合、特別図柄表示装置106に「ハズレ」に相当する所定の特別図柄が停止して表示される。そして、表示画面118には、必要に応じて「リーチ」演出が実行され、本停止において「ハズレ」に相当する所定の装飾画像の組合せが表示され、その後、待機モードに移行する。
一方、当入賞に基づき実行される抽選の結果が「大当たり」である場合、リーチ演出を実行した後、本停止において特別図柄表示装置106に「大当たり」に相当する所定の特別図柄が停止表示される。そして、表示画面118には、「大当たり」に相当する所定の装飾図柄の組合せが表示され、その後、特別遊技に移行する。特別図柄の停止と、装飾図柄の本停止とは、タイミングが一致するようになっている。
特別遊技では、大入賞口扉120が倒伏して、大入賞口113が開放される。この開放された大入賞口113に遊技球が入賞する度に、所定数の賞球(本実施形態では15個の賞球)が払い出される。そして、本実施形態では、大入賞口113が29.5秒開放されるか、又は大入賞口113に特定個数の遊技球が入賞するかの何れかの状態になると、大入賞口扉120が起立して、大入賞口113が閉鎖される。
なお、以下の説明では、前記特定個数が10個の場合、すなわち、大入賞口113が29.5秒開放されるか、又は大入賞口113に10個の遊技球が入賞するかの何れかの状態になると、大入賞口扉120を起立させるようにする場合を例に挙げて説明する。
入賞口113が開放されている間に、大入賞口113内に形成されている特定領域(いわゆるVゾーン)121に遊技球が通過した場合には、大入賞口113が再度開放される。本実施形態では、このような大入賞口113の開閉動作が最大15回行われるようにしている。すなわち、前述したように、特別遊技においては、大入賞口113の開放/閉鎖をセットとする単位遊技が最大15回行われるようにしている。
このように、特別遊技が実行されると、短期間で多量の賞球が払い出され、遊技者に大きなメリットを与えることができる。
また、遊技球が、普通図柄作動ゲート103を通過すると、普通図柄表示装置108(7セグメントLED122)が普通図柄の変動表示を開始する。その後、普通図柄表示装置108に所定の普通図柄(本実施形態では「7」)が停止表示すると、普通電動役物104が開閉動作を行う。普通電動役物104が開放されると、始動入賞口112の上方にある釘(いわゆる命釘)の間を通過しなくても、遊技球が始動入賞口112に入賞することが可能になる。
また、始動入賞口112への入賞に基づき実行される抽選の結果に応じて、特別遊技の実行後に、「確変モード」又は「時短モード」の何れかのモードに移行するようにしている。「確変モード」に移行する場合は、特別図柄表示装置106は、特別図柄として「7」を表示し、演出表示装置107は、「確変モード」に移行することを示す演出を実行して、遊技者に報知する。また、「時短モード」に移行する場合は、特別図柄表示装置106は、特別図柄として「3」を表示し、演出表示装置107は、「時短モード」に移行することを示す演出を実行して、遊技者に報知する。
以上のように、特別遊技の実行後に「確変モード」に移行した場合には、次の特別遊技が開始するまで、持ち球を可及的に減らさないようにすることができる。また、「時短モード」に移行した場合でも、特別遊技の実行後、暫くの間は、持ち球を可及的に減らさないようにすることができる。
なお、遊技球が、一般入賞口111に入賞すると、所定数の賞球(本実施形態では4個の賞球)が球皿128aに払い出される。また、遊技球が何れの入賞口にも入賞しなかった場合には、遊技球は、アウト口114に流入する。
(システム構成の説明)
次に、パチンコ機100の内部構成等のシステム構成について説明する。
図2は、パチンコ機100のシステム構成の一例を示すブロック図である。
パチンコ機100の筐体内部には、メイン制御基板201、並びにこのメイン制御基板201に接続されたサブ制御基板202、入賞口基板203、LED駆動基板204、発射制御基板205、払出制御基板206、受電基板207、及び電飾基板208などが配置されている。
(メイン制御基板201)
メイン制御基板201には、メインCPU201a、ROM201b、RAM201c、及びインタフェース回路(I/F回路)201dが設けられており、これらはバス201eを介して互いに接続されている。
メインCPU201aは、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、メインCPU201aは、ROM201bに記憶されているプログラム及びデータなどを読み出し、これらに基づいてパチンコ機100全体の制御を行う。
ROM201bには、メインCPU201aが、後述する図6〜図10に示す処理、及びその他の遊技の制御を行うのに必要なプログラム及びデータなどが記憶されている。また、RAM201cは、メインCPU201aが各種の制御を行うときのワークエリアなどとして用いられ、データなどを一時的に記憶する。
I/F回路201dは、メイン制御基板201と、サブ制御基板202、入賞口基板203、LED駆動基板204、発射制御基板205、及び払出制御基板206との間で行われる信号の送受信の際に、タイミングの制御等を行う。ただし、メイン制御基板201とサブ制御基板202との間では、メイン制御基板201からサブ制御基板202への信号の送信は行われるが、サブ制御基板202からメイン制御基板201への信号の送信は行われない。即ち、一方向の送信のみが可能となっている。
また、I/F回路201dは、パチンコ機100の筐体内部に配置されている電源装置209から、受電基板207を介して所定の電力の供給を受ける。この電力によりメイン制御基板201は後述する各種の処理を行うことが可能になる。
(サブ制御基板202)
サブ制御基板202には、サブCPU202a、ROM202b、RAM202c、画像音響プロセッサ202d、画像データROM202e、ビデオRAM202f、音源回路202g、アンプ202h、及びインタフェース回路(I/F回路)202iが設けられている。サブCPU202a、ROM202b、RAM202c、画像音響プロセッサ202d、及びI/F回路202iは、バス202jを介して互いに接続されている。また、音源回路202g、画像データROM202e及びビデオRAM202fは、画像音響プロセッサ202dに接続されており、アンプ202hは、音源回路202gに接続されている。さらに、I/F回路202iには、電飾基板208が接続されている。
サブCPU202aは、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、サブCPU202aは、ROM202bに記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、サブ制御基板202全体の制御、特に遊技者に対する演出の制御を行う。
ROM202bには、サブCPU202aが、後述する図11及び図12に示す処理、及びその他の遊技中の演出を実行するのに必要なプログラム及びデータなどが記憶されている。また、RAM202cは、サブCPU202aが各種の制御を行うときのワークエリアなどとして用いられ、データなどを一時的に記憶する。
なお、ROM202b及びRAM202cとしては、それぞれメイン制御基板201に設けられたROM201b及びRAM201cと同一のものを用いてもよいが、これらよりも容量の大きいものを用いてもよい。
演出表示装置107は、液晶表示装置を備えて構成され、画像音響プロセッサ202dに接続されている。演出表示装置107によって表示画面118に装飾図柄および背景画像が表示されるようになっている。
画像データROM202eには、これら装飾図柄および背景画像を構成するオブジェクト(キャラクタ)、文字などの画像データが記憶されている。
ビデオRAM202fは、演出表示装置107に表示しようとする画像を、画像音響プロセッサ202dが作成するときに用いられるメモリである。このビデオRAM202fは、複数のフレーム画像データを記憶可能となっている。個々のフレーム画像データを記憶する領域が記憶レイヤである。
なお、表示画面118は、液晶表示装置の代わりに、例えばプラズマディスプレイなどを用いて演出表示装置107を構成するようにしてもよいということは言うまでもない。
音源回路202gは、遊技の演出に応じた音声信号を生成するためのものであり、アンプ202hに接続されている。音源回路202gで生成された音声信号に基づく音声は、アンプ202hで増幅され、スピーカ133から出力される。
さらに、演出用周辺機器として、演出表示装置107やスピーカ133の他に、遊技の状態に応じて点灯又は消灯する電飾部品130が設けられている。電飾部品130としては、例えば、リーチ状態が形成された場合に点灯する電飾部品(LED)、特別遊技の実行中に点灯する電飾部品(LED)、賞球時に点灯する電飾部品(LED)などが挙げられる。
なお、これらの演出用周辺機器は、遊技に直接関係しない周辺機器であって、遊技中の演出の出力を行うものであり、サブ制御基板202によってのみ制御され、メイン制御基板201によっては制御されない。
I/F回路202iは、メイン制御基板201からの信号の受信の際に、タイミングの制御などを行う。また、I/F回路202iは、操作スイッチ132の操作を検出し、その検出信号をサブCPU202aに送信する。これにより、サブCPU202aは、操作スイッチ132の操作内容を認識する。
I/F回路202iは、パチンコ機100の筐体内部に配置されている電源装置209から、受電基板207を介して所定の電力の供給を受ける。この電力によりサブ制御基板202は後述する各種の処理を行うことが可能になる。
(電飾基板208)
電飾基板208には、前述した電飾部品130が接続されており、パチンコ機100の筐体内部に配置されている電源装置209から供給された電力を、電飾部品に出力する。これにより、電飾部品130は、点灯又は消灯を行う。電極基板208には、I/F回路202i経由で、遊技状態に応じた制御信号が供給されている。
(入賞口基板203)
入賞口基板203には、始動入賞口112への遊技球の入賞を検出する始動入賞口スイッチ210と、普通図柄作動ゲート103への遊技球の通過を検出する普通図柄作動ゲートスイッチ211と、一般入賞口111への遊技球の入賞を検出する一般入賞口スイッチ212と、大入賞口113への遊技球の入賞を検出する大入賞口スイッチ213と、大入賞口113内に形成されている特定領域121への遊技球の通過を検出する特定領域検出スイッチ214とが接続されている。
入賞口基板203は、これら始動入賞口スイッチ210、普通図柄作動ゲートスイッチ211、一般入賞口スイッチ212、大入賞口スイッチ213、及び特定領域検出スイッチ214から送信された信号に基づいて、遊技球がどの領域を通過したのかを識別し、識別した結果を示す遊技球通過信号をメイン制御基板201に送信する。
さらに、入賞口基板203には、普通電動役物104を開放させるための普通電動役物ソレノイド215と、大入賞口113を開放させるための大入賞口ソレノイド216と、大入賞口113内での遊技球の動きを制御するための特定領域ソレノイド217とが接続されている。具体的に、特定領域ソレノイド217は、特定領域検出スイッチ214により特定領域121への遊技球の通過が検出されるまでは特定領域への遊技球の通過が容易になる状態にし、特定領域121への遊技球の通過が検出されると特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態を解除する。
入賞口基板203は、後述するようにしてメイン制御基板201から普通電動役物開放指示信号を入力すると、普通電動役物104を駆動させるための電流を普通電動役物ソレノイド215に出力する。これにより、普通電動役物104が開閉動作を行う。
また、入賞口基板203は、メイン制御基板201から大入賞口開放指示信号を入力すると、大入賞口扉120を駆動させるための電流を大入賞口ソレノイド216に出力する。これにより、大入賞口扉120が倒伏し、大入賞口113が開放される。一方、メイン制御基板201から大入賞口閉鎖指示信号を入力すると、大入賞口扉120を駆動させるための電流の出力を中止する。これにより、大入賞口扉120が起立し、大入賞口113が閉鎖される。
さらに、特定領域121に遊技球が通過することにより、特別遊技が次の単位遊技に移行することが確定し、メイン制御基板201から特定領域制御指示信号を入力すると、入賞口基板203は、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態を解除するための電流を特定領域ソレノイド217に出力する。なお、前述したように、本実施形態では、一回の特別遊技において、最大15回の単位遊技が継続するようにしている。
(LED駆動基板204)
LED駆動基板204には、特別図柄表示装置106及び普通図柄表示装置108が接続されている。LED駆動基板204は、後述するようにしてメイン制御基板201から特別図柄表示指示信号を入力すると、その特別図柄表示指示信号に基づいて、特別図柄表示装置106に配設されている7セグメントLED116や、入賞数を表示する4つのLED117を発光させる。また、LED駆動基板204は、メイン制御基板201から普通図柄表示指示信号を入力すると、その普通図柄表示指示信号に基づいて、普通図柄表示装置108に配設されている7セグメントLED122や、ゲート通過数を表示する4つのLED123を発光させる。
(発射制御基板205)
発射制御基板205には、遊技球を遊技領域115中に発射するための発射ハンドル131に接続されている。発射制御基板205は、発射ハンドル131が遊技者により操作されたことを検出し、検出した結果を示す発射操作検出信号をメイン制御基板201に送信する。これにより、メイン制御基板201は、発射ハンドル131が操作されたことを認識する。
そして、メイン制御基板201は、球皿128aに遊技球が一定量以上貯留していない場合に発射許可信号を発射制御基板205に送信する。そうすると、発射制御基板205は、遊技球が遊技領域115に向けて発射されるように発射ハンドル131を制御する。
一方、球皿128aに遊技球が一定量以上貯留している場合には、メイン制御基板201は、発射不許可信号を発射制御基板205に送信する。これにより、発射制御基板205は、遊技球が遊技領域115に向けて発射されないように発射ハンドル131を制御する。
(払出制御基板206)
払出制御基板206は、後述するようにしてメイン制御基板201から送信された賞球数信号を受信すると、その賞球数信号に応じた数の賞球(遊技球)が球皿128aに払い出されるように、パチンコ機100の内部に配設されている払出装置218を制御する。これにより、払出装置218は、入賞に応じた賞球(遊技球)を払い出す。
なお、入賞口基板203、LED駆動基板204、発射制御基板205、及び払出制御基板206は、受電基板207を介して電源装置209から供給された電力に基づいて動作する。
(受電基板207)
受電基板207は、パチンコ機100の内部に配置されている電源スイッチ219がオンされると、電源装置209から電力の供給を受け、その電力を、前述したように、メイン制御基板201、サブ制御基板202、入賞口基板203、LED駆動基板204、発射制御基板205、払出制御基板206、及び装飾基板208に分配する。
(メイン制御基板201の機能的な構成)
次に、メイン制御基板201の機能的な構成について説明する。
図3は、メイン制御基板201の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。このメイン制御基板201は、本発明の抽選結果を生成する機能を持つものであり、当抽選結果に基づきサブ制御基板202がオブジェクトの表示態様を変更するようになっている。
(入賞判定部301)
入賞判定部301は、入賞口基板203から送信された前記遊技球通過信号に基づいて、遊技球が何れの領域を通過したのかを判定する。具体的に説明すると、入賞判定部301は、前記遊技球通過信号に基づいて、遊技球が、始動入賞口112、普通図柄作動ゲート103、一般入賞口111、大入賞口113、及び特定領域121の何れを通過したのかを判定する。
なお、入賞判定部301は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(払出指示部303)
払出指示部303は、入賞判定部301により判定された結果に基づいて、賞球数を示す前記賞球数信号を払出制御基板206に送信する。具体的に説明すると、本実施形態では、遊技球が始動入賞口112を通過したと(遊技球が始動入賞口112へ入賞したと)入賞判定部301が判定すると、払出指示部303は、賞球数が「4」であることを示す前記賞球数信号を払出制御基板206に送信するようにしている。
また、遊技球が一般入賞口111を通過したと入賞判定部301が判定すると、払出指示部303は、賞球数が「4」であることを示す前記賞球数信号を払出制御基板206に送信する。さらに、遊技球が大入賞口113を通過したと入賞判定部301が判定すると、払出指示部303は、賞球数が「15」であることを示す前記賞球数信号を払出制御基板206に送信する。
これにより、払出制御基板206は、前記賞球数信号に示されている賞球数に応じた払い出しがなされるように、払出装置218を制御する。
なお、払出指示部303は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(特別図柄抽選部304)
特別図柄抽選部304は、遊技球が始動入賞口112へ入賞したと、入賞判定部301が判定すると、例えば「0」〜「65535」まで範囲の乱数を発生して取得する。そして、例えばRAM202c内の特別図柄用乱数記憶領域に、乱数が一つも記憶されていない場合には、その取得した乱数を、当選判定部305に出力する。
一方、前記特別図柄用乱数記憶領域に、乱数が記憶されている場合には、取得した乱数を、前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶させる。本実施形態では、この特別図柄抽選部304で取得した乱数を、前記特別図柄用乱数記憶領域に、最大4個まで記憶でき、且つこの乱数の記憶順が識別できるようにしている。そして、特別図柄抽選部304は、前記特別図柄用乱数記憶領域に最も早く記憶された乱数を、当選判定部305に出力するとともに、出力した乱数を前記特別図柄用乱数記憶領域から削除する。
なお、特別図柄抽選部304は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a、ROM201b、及びRAM202cを用いることにより実現される。
(当選判定部305)
当選判定部305は、特別図柄抽選部304により出力された乱数の値に基づいて、特別図柄抽選部304から出力された乱数が「大当たり」又は「ハズレ」の何れに該当するのかを判定する。さらに、「大当たり」に該当する場合には、その「大当たり」後に、「確変モード」又は「時短モード」の何れに移行するかを判定する。これらの判定は、例えば、抽選テーブルを用いて行うようにする。
そして、「大当たり」に該当する場合には、フラグ記憶部302に記憶されているボーナスフラグをオンする。また、「確変モード」に該当する場合には、フラグ記憶部302に記憶されている確変フラグをオンする。一方、「時短モード」に該当する場合には、フラグ記憶部302に記憶されている時短フラグをオンする。
本実施形態では、「確変モード」に移行している場合と、その他の場合(「時短モード」に移行している場合、及び通常遊技を行っている場合)とで異なる抽選テーブルを用いて、前述した「大当たり」又は「ハズレ」の何れに該当するのかの判定を行うようにしている。
具体的に説明すると、本実施形態では、「確変モード」に移行している場合に使用する確変用抽選テーブルと、「時短モード」に移行している場合、及び通常遊技を行っている場合に使用する通常用抽選テーブルとの2つの抽選テーブルが設けられている。
そして、「確変モード」に移行している場合の方が、「時短モード」に移行している場合、及び通常遊技を行っている場合よりも、「大当たり」になる確率が高くなるように、前記2つの抽選テーブルの内容が設定されている。
なお、当選判定部305は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(特別図柄表示指示部306)
特別図柄表示指示部306は、フラグ記憶部302に記憶されているフラグの状態に基づいて、特別図柄表示装置106における特別図柄変動表示時間を決定するとともに、当選判定部305により判定された結果に基づいて、特別図柄表示装置106に停止表示させる特別図柄を決定する。
本実施形態では、確変フラグ又は時短フラグがオンされている場合の方が(前記「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合の方が)、そうでない場合よりも(前記「通常遊技」を行っている場合よりも)、特別図柄変動表示時間を格段に短くするようにしている。
また本実施形態では、「大当たり」に該当し、「確変モード」に移行する場合には、「7」を特別図柄表示装置106に停止表示させる特別図柄として決定する。一方、「大当たり」に該当し、「時短モード」に移行する場合には、「3」を特別図柄表示装置106に停止表示させる特別図柄として決定する。また、「ハズレ」に該当した場合には、「−」を特別図柄表示装置106に停止表示させる特別図柄として決定する。
そして、特別図柄表示指示部306は、このようにして決定した停止図柄や、特別図柄変動表示時間などに基づいて表示パターンを形成し、この表示パターンを示す前記特別図柄表示指示信号をLED駆動基盤204に送信する。これにより、特別図柄表示装置106の7セグメントLED116は、前記特別図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。
なお、特別図柄表示指示部306は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(大入賞口開放指示部307)
大入賞口開放指示部307は、当選判定部305により、特別図柄抽選部304による抽選の結果が「大当たり」に該当すると判定され、フラグ記憶部302内のボーナスフラグがオンされると、入賞口基板203に、前記大入賞口開放指示信号を送信する。これにより、大入賞口113が開放する。その後、入賞判定部301における判定の結果に基づいて、遊技球が大入賞口113内に形成されている特定領域121を通過したと判断すると、大入賞口開放指示部307は、前記特定領域制御指示信号を入賞口基板203に送信する。これにより、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態を解除される。
その後、例えば10個の遊技球が大入賞口113を通過したと判断するか、又は大入賞口113が開放されてから29.5秒が経過したと判断すると、大入賞口開放指示部307は、入賞口基板203に大入賞口閉鎖信号を送信する。これにより、大入賞口113が閉鎖される。
大入賞口開放指示部307は、以上のようにして大入賞口113が閉鎖されると、大入賞口113を開放していた最中に、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態を解除したか否かを判定する。この判定の結果、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態を解除した場合には、大入賞口開放指示部307は、大入賞口113が15回開放されたか否かを判定する。すなわち、15回の単位遊技が消化したか否かを判定する。
これらの判定の結果、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態が解除され、且つ特別遊技における全ての単位遊技が消化していない場合には、大入賞口開放指示部307は、前記大入賞口開放指示信号を入賞口基板203に送信して、次の単位遊技に移行させ、前述したようにして大入賞口113を開閉させるための動作を全ての単位遊技が消化するまで繰り返し行う。
一方、特別遊技の全てのラウンドが消化した場合には、特別遊技が終了したので、大入賞口113を開放させない。また、大入賞口113が開放されている間に、特定領域121に遊技球が通過しなかった場合には、いわゆる「パンク」状態であり、特別遊技における全ての単位遊技が消化したか否かに関わらず、特別遊技を強制的に終了させる。したがって、この場合も大入賞口113を開放させない。
なお、大入賞口開放指示部307は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(普通図柄抽選部309)
普通図柄抽選部309は、遊技球が普通図柄作動ゲート103を通過したと、入賞判定部301が判定すると、所定の範囲の乱数を発生させて取得する。そして、普通図柄表示装置108に普通図柄が変動表示中でない場合には(すなわち、普通図柄の抽選結果を保留する必要がない場合には)、その取得した乱数を、当選判定部310に出力する。
一方、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が、3つ以下の場合であって、且つ普通図柄表示装置108に普通図柄が変動表示中の場合には、その取得した乱数を、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶させる。このように、本実施形態では、この普通図柄抽選部309で取得した乱数を、前記普通図柄用乱数記憶領域に、最大4個まで記憶でき、且つこの乱数の記憶順を識別できるようにしている。そして、普通図柄抽選部304は、前記普通図柄用乱数記憶領域に最も早く記憶された乱数を、当選判定部310に出力するとともに、出力した乱数を前記普通図柄用乱数記憶領域から削除する。
なお、普通図柄抽選部309は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a、ROM201b、及びRAM201cを用いることにより実現される。
(当選判定部310)
当選判定部310は、普通図柄抽選部309より出力された乱数の値に基づいて、普通図柄抽選部309から出力された乱数が「当たり」又は「ハズレ」の何れに該当するのかを判定する。この判定は、例えば、抽選テーブルを用いて行うようにする。
本実施形態では、「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合と、通常遊技を行っている場合とで異なる抽選テーブルを用いて、前述した「当たり」又は「ハズレ」の何れに該当するのかの判定を行うようにしている。
具体的に説明すると、本実施形態では、「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合に使用する特殊モード用抽選テーブルと、通常遊技を行っている場合に使用する通常用抽選テーブルとの2つの抽選テーブルが設けられている。
そして、「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合の方が、通常遊技を行っている場合よりも、「当たり」になる確率が格段に高くなるように、前記2つの抽選テーブルの内容が設定されている。これにより、「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合の普通図柄の当選確率が高くなる。したがって、「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合の方が、通常遊技を行っている場合よりも、普通電動役物104の開放頻度が高くなり、可及的に持ち球を減らさずに、遊技を進行させることができるようになる。
なお、当選判定部310は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a、ROM201b、及びRAM201cを用いることにより実現される。
(普通図柄表示指示部311)
普通図柄表示指示部311は、フラグ記憶部302に記憶されているフラグの状態に基づいて、普通図柄変動表示時間を決定するとともに、当選判定部310により判定された抽選結果に基づいて、普通図柄表示装置108に停止表示させる普通図柄を決定する。そして、決定した停止図柄と、前記普通図柄変動表示時間などに基づく表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記普通図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。
例えば、本実施形態では、フラグ記憶部302に記憶されている確変フラグ又は時短フラグがオンされている場合の方が(「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合の方が)、それらがオンされていない場合よりも(通常遊技を行っている場合よりも)、前記普通図柄変動表示時間を格段に短くするようにしている。
また、当選判定部310の判定の結果、「当たり」に該当する場合には、例えば「7」を普通図柄表示装置108に停止表示させる普通図柄として決定する。一方、「ハズレ」に該当した場合には、例えば「−」を普通図柄表示装置108に停止表示させる普通図柄として決定するようにしている。
そして、普通図柄表示指示部311は、このようにして決定した停止図柄や、普通図柄変動表示時間などに基づく表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記普通図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122は、前記普通図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。
なお、普通図柄表示指示部311は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(普通電動役物駆動指示部312)
普通電動役物駆動指示部312は、フラグ記憶部302に記憶されているフラグの状態、当選判定部310により判定された抽選結果などに基づいて、普通電動役物104の動作態様を決定し、決定した動作態様を示す普通電動役物開放指示信号を送信する。
例えば、本実施形態では、フラグ記憶部302に記憶されている確変フラグ又は時短フラグがオンされている場合の方が(「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合の方が)、それらがオンされていない場合よりも(通常遊技を行っている場合よりも)、始動入賞口112に遊技球が入賞し易くなるように普通電動役物104の動作態様、例えば開放時間を決定するようにしている。
なお、普通電動役物駆動指示部312は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(演出コマンド生成部313)
演出コマンド生成部313は、入賞判定部301で判定された結果、当選判定部305で判定された結果(特別図柄の抽選結果)、フラグ記憶部302に記憶されているフラグの状態、特別図柄表示指示部306で決定された特別図柄変動表示時間などに基づいて、現在の遊技の状態に応じた演出コマンドを生成し、サブ制御基板202に送信する。当演出コマンド生成部313からサブ制御基板202に出力される演出コマンドは、当遊技機の抽選結果を含んだ情報となる。
なお、演出コマンド生成部313は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(サブ制御基板202の機能的な構成)
次に、サブ制御基板202の機能的な構成について説明する。
図4は、サブ制御基板202の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、サブ制御基板202は、演出コマンド解析部401、演出制御部402、演出パターン記憶部403、フラグ記憶部404、画像生成部405、及び音声生成部406を備えている。
(演出コマンド解析部401)
演出コマンド解析部401は、図11のフローチャートに従って動作し、メイン制御基板201(演出コマンド生成部313)から送信された演出コマンドを解析する。例えば、メイン制御基板201から、フラグの状態を示す情報が入力されると、演出コマンド解析部401は、これをフラグ記憶部404に記憶する。また、メイン制御基板201から、特別図柄の抽選結果や特別図柄変動表示時間を示す演出コマンドが入力されると、演出コマンド解析部401は、フラグ記憶部404を参照して、現在の遊技のモード(確変フラグに基づく「確変モード」か、時短フラグに基づく「時短モード」か、ボーナスフラグに基づく「大当たり」(特別遊技)状態か)を取得し、これらの情報を演出制御部402に出力する。
また、演出コマンド解析部401は、操作スイッチ132の操作信号を取得し、操作信号に基づいて遊技モードに対する変動情報を演出制御部402に出力する。
ただし、演出コマンド解析部401が行う処理はこれらに限定されるものではなく、演出コマンドの内容に応じた処理が適宜実行されることになる。
なお、演出コマンド解析部401は、サブ制御基板202に設けられているサブCPU202a、ROM202b、及びRAM202cを用いることにより実現される。
(演出パターン記憶部403)
演出パターン記憶部403は、本停止において停止表示させるべき装飾図柄の組み合わせ情報、本停止までに変動表示される装飾図柄変動パターン、「リーチ」演出時間、「リーチ」演出における演出内容を示す情報が格納されている。これらの情報は、抽選結果に応じて演出制御部402が決定するものである。
装飾図柄変動パターンとしては、変動表示開始から本停止までの、一連の図柄の移り変わり順序に関する変動パターンが、複数、テーブル化されて設定されている。リーチ演出時間は、「リーチ」がかかっている場合のその「リーチ」である旨を演出するために余分に必要とされる時間長である。
なお、演出パターン記憶部403は、ROM202bに相当している。
(演出制御部402)
演出制御部402は、演出コマンド解析部401から出力された、現在の遊技モード及び変動情報に基づいて、演出パターン記憶部から、本停止において停止表示させるべき装飾図柄の組み合わせ情報、本停止までに変動表示される装飾図柄変動パターン、「リーチ」演出時間、「リーチ」演出における演出内容を示す情報を選択的に読み出す。そして、画像生成部405に生成させるべき画像演出内容、音声生成部406に生成させるべき音声演出内容を決定し、所定のタイミング(例えばフレーム期間毎)に、演出内容を指定する演出情報を特定していく。
装飾図柄の組合せの決定時、演出制御部402は、特別図柄の抽選結果が「大当たり」であり、かつ「確変モード」に移行するものである場合には、「111」、「333」、「555」、「777」、「999」、「AAA」、「CCC」、「EEE」のうちの何れか1つの組合せを、停止表示させる装飾図柄の組合せとして決定する。また、特別図柄の抽選結果が「大当たり」であり、かつ「時短モード」に移行するものである場合には、「000」、「222」、「444」、「666」、「888」、「BBB」、「DDD」、「FFF」のうちの何れか1つの組合せを、停止表示させる装飾図柄の組合せとして決定する。演出表示装置107に停止表示させる装飾図柄の組合せの決定は、例えば抽選により行うようにすればよい。
さらに、特別図柄の抽選結果が「ハズレ」である場合には、表示画面118には、異なる装飾図柄による組合せが表示されるように、停止表示させる装飾図柄の組合せを決定する。
また、演出制御部402は、現在の遊技モード、変動情報、本停止において停止表示させるべき装飾図柄の組み合わせ、本停止までに変動表示される装飾図柄変動パターン等に基づいて、「リーチ」演出の有無を決定する。そして、次の画像表示タイミングで表示させる装飾図柄を特定する装飾図柄演出情報を出力する。また、演出制御部402は、装飾図柄の背景となる背景画像を特定するための背景画像演出情報を出力する。
特に、本実施形態では、装飾図柄として数字と組み合わせられたオブジェクトを表示するものとする。このオブジェクトは、本発明に係る透明化処理がされるものである。演出制御部402は、個々の装飾図柄を透明化するか否かの種別とともに透明化する場合の透明度を含む透明化情報を出力するものとする。
(画像生成部405)
画像生成部405は、本発明に係る構成を備え、詳しくは、図5において説明する。
画像生成部405は、演出コマンド解析部401及び演出制御部402から出力された装飾図柄演出情報に基づいて、装飾図柄に関する画像データを生成する。また、背景画像演出情報に基づいて、背景画像を表示させるための画像データを生成する。そして、これらの画像データを合成して出力用フレーム画像データとして、演出表示装置107に出力する。
なお、画像生成部405は、サブ制御基板202に設けられているサブCPU202aの制御に基づいて動作する、画像音響プロセッサ202d、画像データROM202e、及びビデオRAM202fにより実現される。
(音声生成部406)
音声生成部406は、演出コマンド解析部401及び演出制御部402から出力された音声演出情報に基づいて音声データを生成してスピーカ133に出力する。
例えば、演出制御部402から、装飾図柄の変動パターン情報が出力された場合には、この変動パターンの進行度合いに合わせて、装飾図柄に対応させて、「リーチ」や「大当たり」の期待感を盛り上げるような音声データを生成して、スピーカ133に出力する。また、演出制御部402から、「リーチ」演出に関する演出情報が出力された場合には、この「リーチ」演出の進行に合わせた音声データを生成して、スピーカ133に出力する。
音声生成部406は、サブ制御基板202に設けられているサブCPU202aの制御に基づいて動作する画像音響プロセッサ202d及び音源回路202gを用いることにより実現される。音声生成部406で生成される音声データはこれらに限定されるものではないということは言うまでもない。
なお、メイン制御基板201及びサブ制御基板202に、前述した機能以外の機能が設けられていてもよい。また、メイン制御基板201とサブ制御基板202との機能についても、上記説明に限定されず、種々に編成を代えて実施されるようにしてもよい。
(本実施形態1に係る透明化の原理)
次に、本実施形態における透明化の原理を説明する。
図13は、本実施形態1における仮想三次元空間における背景画像およびオブジェクトの配置の模式図である。図13には、仮想三次元空間において透視投影画像を生成する基準となる視点C(カメラとして図示)を基準として画像化される対象が示されている。図14は、上記視点Cから見た仮想三次元空間を正規化変換した後の正規化座標系における背景画像とオブジェクトの概念斜視図である。
図13において、画像化される対象となる空間領域が視体積VV(ビューボリューム)である。視体積VVは、仮想三次元空間に配置された多数のオブジェクトから二次元画像化するオブジェクトを制限するための空間領域であり、図示しないが、視点Cに近すぎるオブジェクトを画像化対象から排除する前方クリッピング面、および、視点Cから遠すぎるオブジェクトを画像化対象から排除する後方クリッピング面が設定されている。
仮想三次元空間における無限遠に配置される背景画像は、視体積VVでクリッピングされた二次元平面として、異なる視点Cからの距離に2つ配置されている。視点Cから見て遠い方(視点座標系におけるz座標値が大きい方)の背景画像が第1背景画像501であり、近い方(z座標値が小さい方)の背景画像が第2背景画像502である。第1背景画像501と第2背景画像502とは相似形であり、正規化された場合、つまり両方の背景画像を同じ大きさとした場合には、図14に示すように、それぞれの背景画像の各画素が完全に重なる関係となる。表示対象として予め記憶されている背景画像のうち、視体積VVの四角錐で切り取られる領域の背景画像が二次元画像化されたデータが第1背景画像501であり、それと同じデータが第2背景画像502としても使われるのである。第1背景画像501および第2背景画像502は視点Cからそれぞれ距離r501および距離r502だけ離れているものとする。視体積VVのうち、第1背景画像501を後方クリッピング面に対応する位置に配置し、第2背景画像502を前方クリッピング面に対応する位置に配置するものとしてもよい。
透明化の対象となるオブジェクトである透明化オブジェクト601は、第1背景画像501と第2背景画像502とにより挟まれた視体積VV内の一部領域(以下「透明化範囲UVV」と称する。)に配置される。透明化オブジェクト601は、透明化範囲UVV内に入っている部分が二次元画像として表示される部分となり、透明化範囲UVVから出ている部分は切り取られたように表示対象外となる。
ここで、第1背景画像501と第2背景画像502との距離は透明化オブジェクト601を収容することの可能な距離に設定されている。すなわち、第1背景画像501と第2背景画像502とのz軸方向の距離をR1とし、透明化オブジェクト601のz軸方向の最大厚みをwとすると、R1≧wの関係が成り立つように第1背景画像501と第2背景画像502との距離R1および透明化オブジェクト601の大きさが定められている。また、視点Cから第2背景画像502までの距離をR2とし、視点Cから透明化オブジェクト601までの距離をr601とすれば、式(1)が成り立つ。
R2≦r601≦R1+R2…(1)
正規化座標系において、オブジェクトを透明化していない状態(透明度0%)では、第1背景画像501と第2背景画像502は全く等しい画像データからなる(すなわち、同一の二次元座標のピクセルの色情報が等しい)。透明化オブジェクト601を透明化表示させたい場合、第2背景画像502は透明処理が施された画像になる。透明化オブジェクトに対して直接に透明化処理がされるのではなく、代わりに第2背景画像502の方の透明度が変更されるのである(透明度を0%より大きく変更する)。例えば、透明化オブジェクト601の透明度をY(0≦Y≦1)とした場合、第2背景画像502の透明度X(0≦X≦1)は、X=1−Yで表される。
ここで、ある画像(例えば、第2背景画像)を透明化するという意味は、その画像のピクセルの一部が背後の画像(例えば、透明化オブジェクト)のピクセルで置き換えられるという意味である。例えば、透明化オブジェクト601の透明度がYであり、第2背景画像502の透明度がX(=Y−1)である場合、透明化オブジェクトのピクセル数に対する第2背景画像のピクセル数の比が、Y:1−Yに設定されることを意味する。透明度Yが30%であれば、透明化オブジェクトが30ピクセルに対して背景画像が70ピクセルの割合で合成される。この合成は、なるべく分散して均等に混合されるようにする。透明化されている部分では、微視的に見れば第2背景画像502のピクセルと透明化オブジェクト601のピクセルとが混在している状態であり、巨視的に見れば透明化オブジェクト601が透明化されている状態となる。
なお、このように第2背景画像502のピクセルの一部を透明化オブジェクト601のピクセルで置き換える他、正規化された二次元画像の同一座標位置にあるピクセルの色情報を、第2背景画像502と透明化オブジェクト601との間で混成演算するようにしてもよい。例えば、透明化オブジェクト601の透明度Yが30%である場合、正規化変換された所定の二次元座標に位置する透明化オブジェクト601のピクセルの色情報が30%の重み付けで、同じ二次元座標に位置する第2背景画像502のピクセルの色情報が70%の重み付けで、互いに合成演算される。この合成演算は画像の重なり部分のピクセル全てについての色情報の混合演算が必要になるので、上記方法に比べると処理負担が大きいといえる。
図15A〜Cに、図13や図14で示した透明化オブジェクト601を透明化処理した場合の二次元画像(出力画像)例を示す。
図15Aは、透明化オブジェクト601の透明度Yが0%、すなわち透明化されていない場合の画像例を示している。透明度Yが0%である場合は、第2背景画像502の透明度Xが100%となっており、画像表示面には第2背景画像502のピクセルが一切反映されていない状態である。
図15Bは、透明化オブジェクト601の透明度Yが40%の場合の画像例を示している。この場合、第2背景画像502の透明度Xが60%となっており、第2背景画像502のピクセルと透明化オブジェクト601のピクセルとが4:6の割合で反映された状態となっている。
図15Cは、透明化オブジェクト601の透明度Yが80%の場合の画像例を示している。この場合、第2背景画像502の透明度Xが20%となっており、第2背景画像502のピクセルと透明化オブジェクト601のピクセルとが8:2の割合で反映された状態となっている。このまま第2背景画像502の透明度Xを挙げて100%にすれば、第2背景画像502のピクセルの反映が100%となり、透明化オブジェクト601のピクセルは画像表示面に現れず、背景画像のみ表示され透明化オブジェクト601が全く見えない状態となる。
以上のように第2背景画像502の透明度が上昇するに従い、透明化オブジェクト601が第2背景画像502を通して認識可能となっていく。第2背景画像502の透明度が上がるに従って、透明化オブジェクト601以外の部分で第1背景画像501のピクセルも見えてくることになるが、第1背景画像と第2背景画像とは正規化座標上は同一座標について同一の色情報を有しているので、透明度の変化によって第1背景画像のピクセルが見えてこようが第2背景画像のピクセルが見えていようが、背景画像の個々のピクセルの色情報には何の変化もない。よって、背景画像の部分は透明化処理によっても何も変化せず、透明化オブジェクト601のみが透明化されていくように視認される。オブジェクトを透明化しているのではなく、手前に重ねている背景画像を透明化しているのであって、従来と発想が逆になっているが、2つの画像要素間のピクセル合成により透明化表現をするという観点から見れば、オブジェクトの方を透明化しているのと同様の視覚的効果が得られている。そして、この方法によれば、透明化オブジェクト601のサーフェスを透明化しているのではないため、透明化処理により透明化オブジェクトの裏側のサーフェスや内部のテクスチャが透けて見えるといった、三次元表現されたオブジェクト(サーフィスモデル)を透明化した場合に生じる不自然な画像が表示されることがない。
(画像生成部405の構成の説明)
次に、上記原理に基づき動作する画像生成部405の機能的な構成について説明する。
図5は、画像生成部405の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。このような機能ブロックは、サブ制御基板202が図12に示すようなフローチャートにしたがって動作することにより実現される。
図5に示すように、画像生成部405は、背景画像データ記憶部4011、オブジェクト画像記憶部4012、配置決定部4021、透視投影変換部4022、背景画像生成部4023、オブジェクト画像生成部4024、画像合成部4025、背景画像記憶レイヤ4031、オブジェクト画像記憶レイヤ4032、出力用フレーム画像記憶レイヤ4033、及び表示制御部4041を備えている。
このうち、背景画像データ記憶部4011およびオブジェクト画像記憶部4012は、画像データROM202bに相当している。配置決定部4021、透視投影変換部4022、背景画像生成部4023、オブジェクト画像生成部4024、及び画像合成部4025は、サブCPU202aの制御に基づき動作する画像音響プロセッサ202dにより実現される。背景画像記憶レイヤ4031、オブジェクト画像記憶レイヤ4032、および出力用フレーム画像記憶レイヤ4033は、ビデオRAM202fの各記憶レイヤが相当している。表示制御部4041は、画像音響プロセッサ202dが相当している。
(背景画像データ記憶部4011)
背景画像データ記憶部4011は、仮想三次元空間において無限遠、すなわち背景画像に関するデータを記憶する。この記憶部に記憶される背景画像データは、当該遊技機において表示させうる全ての背景画像を含んでいる。毎回の画像更新タイミングでは、その時々の仮想三次元空間を透視投影変換するための視点の向きにより切り取られる視野角に入っている部分の背景画像データが利用されることになる。
(オブジェクトデータ記憶部4012)
オブジェクトデータ記憶部4012は、仮想三次元空間に配置するオブジェクトの形状を定義するための形状情報およびレンダリングに必要な色情報を、オブジェクトごとに格納している。形状情報は、例えば、オブジェクトをポリゴンで表現する形態の場合には、オブジェクトを構成する各ポリゴンの頂点座標の集合となる。各ポリゴンの頂点座標は、個々のオブジェクトに対して定められた基準座標であるボディ座標系で定義される。色情報は、各ポリゴンの色を定めるための色相、彩度、明度(輝度)を定める情報であり、例えばRGBの各色画素の濃度値を、頂点に対応させて設定するものである。また、色情報として、所定の模様を表現するテクスチャデータであってもよい。テクスチャデータは、所定面積の二次元で定義された画像データであり、TIFF形式、PIN形式、ビットマップ形式、JPEG形式等種々の形式で記憶される。
(配置決定部4021)
配置決定部4021は、仮想三次元空間内で、第1背景画像、透明化表示の対象となる透明化オブジェクト、および第1背景画像と相似である第2背景画像の順に視点に近づくよう、それぞれの配置を定める。すなわち、図13において、視点Cからz軸方向に対し、第1背景画像501をR1+R2の距離に、第2背景画像502をR2の距離に、透明化オブジェクト601をr601(R2≦r601≦R1)の距離に、それぞれ配置する。
また、配置決定部4021は、透明化オブジェクトが第1背景画像と第2背景画像との間に収まるように透明化オブジェクトの大きさを定める。図13では、透明化オブジェクト601の幅wが第1背景画像501と第2背景画像502との距離R1に収まるように大きさの調整がされる。
(透視投影変換部4022)
透視投影変換部4022は、視体積内の物体を二次元画像平面(ビュースクリーン)に投影する座標変換演算を実施する。具体的には、視体積VVに含まれる第1背景画像501、透明化オブジェクト601、および第2背景画像502を視点座標系に透視投影変換する。
この透視投影変換は、モデリングされた物体の二次元画像平面への投影であり、実際に物体の色情報を生成するレンダリングは、これ以降に説明する他の手段により実行される。
(背景画像生成部4023)
背景画像生成部4023は、視点を基準とした背景画像データを生成するもので、視点Cを基準として、z軸の方向から透視投影後の二次元画像平面に投影させるべき背景画像の範囲を決定し、その範囲のデータを背景画像データ記憶部4011から読み取って二次元画像として背景画像記憶レイヤ4031に記憶する。背景画像生成部4023によって特定された二次元画像が背景画像データである。
ここで、背景画像生成部4023は、背景画像データ記憶部4011に記憶されている純粋な背景のための画像データのみを参照して背景画像データを生成してもよいが、背景画像の他に視体積VV内にモデリングされたオブジェクトをレンダリングし、背景の一部として取り込んだ背景画像データを生成するようにしてもよい。この手順は実施形態2で利用する。
(オブジェクト画像生成部4024)
オブジェクト画像生成部4024は、各オブジェクトを表示させるためのオブジェクト画像データを生成する。つまり、配置決定部4021によるモデリング処理により、仮想三次元空間に配置されるオブジェクトの全部または一部が視体積VVの中に入ることになった場合に、オブジェクト画像生成部4024は、そのオブジェクトをレンダリングし、視点Cからみたオブジェクトの画像となるオブジェクト画像データを生成し、オブジェクト画像記憶レイヤ4032に出力する。
特に本実施形態では、透明化範囲UVVに配置された透明化オブジェクト601の画像化が行われるものとする。透明化オブジェクト601が複数存在する場合にはそれら全てのオブジェクトについてレンダリングして一枚の二次元画像データであるオブジェクト画像データを生成する。オブジェクト以外の領域は、ピクセルの色情報が存在しないものとなり、他の画像データと合成された場合にはその他の画像データのピクセルの色情報が反映されることになる。
(画像合成部4025)
画像合成部4025は、モデリングされレンダリングされた複数の画像データを、所定の順番で合成していき、最終的な出力用フレーム画像の各ピクセルの色情報を生成し、出力用フレーム画像記憶レイヤ4033に記憶する。具体的には、第1背景画像501として背景画像記憶レイヤ4031に記憶された背景画像データ、透明化オブジェクト602してオブジェクト画像記憶レイヤ4032に記憶されたオブジェクト画像データ、第2背景画像502として第1背景画像501と同じ背景画像データを用いる。
最初に第1背景画像501である背景画像データに対して、透明化オブジェクト601であるオブジェクト画像データが上書きされる。これにより、背景画像の手前に透明化オブジェクト601が位置している画像が生成される(図15A参照)。
次いで、合成された第1背景画像501と透明化オブジェクト601の画像に対して、第2背景画像502が透明化合成される。上述したように、透明化処理には、背景となる画像のピクセルと透明化の対象となる画像のピクセルとを指定された透明度の比率で分散させて合成する方法と、背景となる画像のピクセルの色情報と透明化の対象となる画像のピクセルの色情報とを透明度の比率で重み付けして混合合成演算する方法とがある。前者の方法を適用する場合には、透明化オブジェクト601のための指定された透明度Yの比率で、第2背景画像502のピクセルの色情報を無くし、第1背景画像501および透明化オブジェクト601の合成画像にその第2背景画像502を上書きする。中抜けとなったピクセルに、背景側の画像のピクセルが反映されるのである。第1背景画像501、透明化オブジェクト601、メッシュ(網目)化された第2背景画像502の順番で重ねられるような概念である。
(各画像記憶レイヤ4031〜4033)
背景画像記憶レイヤ4031、オブジェクト画像記憶レイヤ4032、および出力用フレーム画像記憶レイヤ4033は、それぞれ透視投影変換された二次元画像平面に対応する一枚の絵(フレーム画像)を記憶可能な容量を備えている。
(表示制御部4041)
表示制御部4041は、出力用フレーム画像記憶レイヤ4033に記憶された出力用フレーム画像データを所定の画像表示タイミング(例えば、フレーム期間である1/30秒ごと)に演出表示装置107に出力するように構成されている。
(動作説明)
次に、本実施形態1における動作を説明する。
まず図6〜図10に基づいてメイン制御基板201の動作を、次に図11及び図12に基づいてサブ制御基板202の動作を説明する。
(メイン制御基板201の処理動作)
図6は、メイン制御基板201における処理動作の一例を示すメインフローチャートである。
図6のステップS1において、電源スイッチ219がオンされると、メイン制御基板201は、遊技球発射処理を行う。この遊技球発射処理の具体例を説明する。
発射ハンドル131が遊技者により操作されたことを示す前記発射操作検出信号が発射制御基板205から送信された後に、まず、メイン制御基板201は、球皿128aに遊技球が一定量以上貯留しているか否かを判定する。
この判定の結果、球皿128aに遊技球が一定量以上貯留していない場合には、メイン制御基板201は、発射許可信号を発射制御基板205に送信するとともに、遊技球が遊技領域115に向けて発射されたことを示すコマンドを生成し、サブ制御基板202に送信する。これにより、遊技球が遊技領域115中に発射されるとともに、遊技中の演出が開始される。
一方、球皿128aに遊技球が一定量以上貯留している場合には、メイン制御基板201は、発射不許可信号を発射制御基板205に送信するとともに、遊技球が遊技領域115中に発射できないことを示すコマンドを生成し、サブ制御基板202に送信する。この場合には、遊技者が発射ハンドル131を操作しても、遊技球が遊技領域115に向けて発射されない。また、球皿128aに遊技球が一定量以上貯留していることが、電飾部品130を点灯させることで遊技者に報知される。
次に、ステップS2において、メイン制御基板201は、一般入賞処理を行う。この一般入賞処理は、遊技領域115中に発射された遊技球が、一般入賞口111に入賞した場合に行われる処理である。一般入賞処理の詳細については、図7を用いて後述する。
次に、ステップS3において、メイン制御基板201は、普通図柄作動ゲート通過処理を行う。この普通図柄作動ゲート通過処理は、遊技領域115中に発射された遊技球が、普通図柄作動ゲートを通過した場合に行われる処理である。普通図柄作動ゲート通過処理については、図8A及び図8Bを用いて後述する。
次に、ステップS4において、メイン制御基板201は、始動入賞処理を行う。この始動入賞処理は、遊技領域115中に発射された遊技球の、始動入賞口112への入賞に基づき行われる処理である。始動入賞処理の詳細については、図9A及び図9Bを用いて後述する。
次に、ステップS5において、メイン制御基板201は、特別遊技実行処理を行う。この特別遊技実行処理は、当選判定部305によって「大当たり」と判定された結果、特別図柄表示装置106及び演出表示装置107に所定の図柄や演出画像が表示されて「大当たり」となり、特別遊技に移行した場合に行われる処理である。特別遊技実行処理の詳細については、図10を用いて後述する。
以上のように、メイン制御基板201では、遊技球発射処理、一般入賞処理、普通図柄作動ゲート通過処理、始動入賞処理、及び特別遊技実行処理を繰り返し行うが、以下の図7〜図10に示すように、本実施形態では、遊技の状態に応じて、不必要な処理を省略しながら、各処理を繰り返し実行するようにしている。
(一般入賞処理)
次に、図7のフローチャートを参照しながら、図6のステップS2における一般入賞処理の詳細について説明する。なお、各工程(符号が付与されていない部分的な工程を含む)は、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる(かかる点は、他のフローチャートについても同様とする)。
図7のステップS11において、入賞判定部301は、入賞口基板203から送信された前記遊技球通過信号に基づいて、遊技球が一般入賞口111に入賞したか否かを判定する。この判定の結果、遊技球が一般入賞口111に入賞した場合には、ステップS12に進み、払出指示部303は、賞球数が「4」であることを示す前記賞球数信号を払出制御基板206に送信する。これにより、4個の賞球が球皿128aに払い出される。また、演出コマンド生成部313は、一般入賞口111に入賞したことを示す演出コマンドを生成してサブ制御基板202に送信する。これにより、サブ制御基板202は、電飾部品130を点灯させるなどして、一般入賞口111に入賞したことを遊技者に報知する。そして、図6に示したメインフローチャートに戻る。
一方、遊技球が一般入賞口111に入賞していない場合には、ステップS12の処理を行う必要がないので、図6に示したメインフローチャートに戻る。
(普通図柄作動ゲート通過処理)
次に、図8A及び図8Bのフローチャートを参照しながら、図6のステップS3における普通図柄作動ゲート通過処理の詳細について説明する。
図8AのステップS21において、入賞判定部301は、入賞口基板203から送信された前記遊技球通過信号に基づいて、遊技球が普通図柄作動ゲート103を通過したか否かを判定する。この判定の結果、遊技球が普通図柄作動ゲート103を通過した場合には、ステップS22に進み、普通図柄抽選部309は、乱数を発生させて抽選を行う(すなわち乱数の取得を行う)。
次に、ステップS23において、普通図柄抽選部309は、普通図柄が変動表示中か否かを判定する。この判定の結果、普通図柄が変動表示中の場合には、ステップS24に進み、普通図柄抽選部309は、RAM201c内に設けられている前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下であるか否かを判定する。この判定の結果、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下である場合には、ステップS25に進み、普通図柄抽選部309は、普通図柄の抽選結果(ステップS22で取得した乱数)を、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶させて、図6のメインフローチャートに戻る。
なお、前記ステップS24において、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つを超えていると判定した場合には、ステップS22で取得した乱数を保留することも、その乱数に基づく普通図柄の表示も行うことができないので、図6のメインフローチャートに戻る。
一方、前記ステップS23において、普通図柄が変動表示中でないと判定された場合には、ステップS26に進み、普通図柄抽選部309は、前記普通図柄用乱数記憶領域に乱数が記憶されているか否かを判定する。この判定の結果、乱数が記憶されている場合には、ステップS27に進み、普通図柄抽選部309は、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下であるか否かを判定する。
この判定の結果、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下である場合には、ステップS28に進み、普通図柄抽選部309は、普通図柄の抽選結果(ステップS22で取得した乱数)を、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶させる。
次に、ステップS29において、普通図柄抽選部309は、前記普通図柄用乱数記憶領域に最も早く記憶された乱数を読み出して、ステップS30に進む。
一方、前記ステップS26において、乱数が記憶されていないと判定した場合には、普通図柄抽選部309は、ステップS27〜S29を省略してステップS30に進む。
また、前記ステップS27において、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つを超えていると判定した場合には、ステップS22で取得した乱数を保留することも、その乱数に基づく普通図柄の表示も行うことができないので、普通図柄抽選部309は、図6のメインフローチャートに戻る。
以上のようにして、普通図柄の抽選結果(乱数)が得られると、ステップS30に進み、普通図柄抽選部309は、得られた乱数を当選判定部310に出力する。
次に、ステップS31において、当選判定部310は、フラグ記憶部302を参照して、時短フラグ又は確変フラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、時短フラグ又は確変フラグがオンされている場合には、「時短モード」又は「確変モード」に移行中であると判断して、ステップS32に進み、当選判定部310は、「時短モード」又は「確変モード」である場合に使用する特殊モード用抽選テーブルを読み出す。
一方、時短フラグ又は確変フラグのいずれもオンされていないと判定した場合には、通常遊技中であると判断して、ステップS33に進み、当選判定部310は、通常遊技中である場合に使用する通常用抽選テーブルを抽出する。
以上のように、ステップS33で抽選テーブルを選択すると、図8BのステップS34に進み、当選判定部310は、ステップS30で普通図柄抽選部309から出力された抽選の結果(乱数)が、選択した抽選テーブルにおいて「当たり」に該当するのか否かを判定する。すなわち、普通図柄の抽選に当選したか否かを判定する。
この判定の結果、普通図柄の抽選に当選した場合には、ステップS35に進み、普通図柄表示指示部311と普通電動役物駆動指示部312は、フラグ記憶部302を参照して、時短フラグ又は確変フラグがオンされているか否かを判定する。すなわち、「時短モード」又は「確変モード」のいずれかに移行中であるか否かを判定する。この判定の結果、時短フラグ又は確変フラグがオンされており、「時短モード」又は「確変モード」に移行中である場合には、ステップS36に進む。
ステップS36において、「時短モード」に移行中である場合には、普通図柄表示指示部311は、「時短モード」におけるデフォルトの普通図柄変動表示時間の間、普通図柄を変動表示させた後、「当たり」であることを示す「7」を停止表示させるような表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記普通図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122は、前記普通図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。
一方、「確変モード」に移行中である場合には、普通図柄表示指示部311は、「確変モード」におけるデフォルトの普通図柄変動表示時間の間、普通図柄を変動表示させた後、「当たり」であることを示す「7」を停止表示させるような表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記普通図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122は、前記普通図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。
次に、ステップS37において、普通電動役物駆動指示部312は、「時短モード」又は「確変モード」におけるデフォルトの動作態様を示す前記普通電動役物開放信号を、入賞口基板203に送信する。これにより、普通電動役物104は、前記普通電動役物開放信号に示されている動作態様で動作を行う。そして、図6のメインフローチャートに戻る。なお、前記普通電動役物開放信号は、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122に普通図柄が停止表示した後に送信される。
一方、前記ステップS35において、時短フラグ又は確変フラグのいずれもオンでないと判定された場合には、通常遊技中であるので、ステップS38に進み、普通図柄表示指示部311は、通常遊技中におけるデフォルトの普通図柄変動表示時間の間、普通図柄を変動表示させた後、「当たり」であることを示す「7」を停止表示させるような表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記普通図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122は、前記普通図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。
次に、ステップS39において、普通電動役物駆動指示部312は、通常遊技中におけるデフォルトの動作態様を示す前記普通電動役物開放信号を、入賞口基板203に送信する。これにより、普通電動役物104は、前記普通電動役物開放信号に示されている動作態様で動作を行う。そして、図6のメインフローチャートに戻る。なお、前記普通電動役物開放信号は、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122に普通図柄が停止表示した後に送信される。
前記ステップS34において、普通図柄の抽選に当選していないと判定された場合には、ステップS40に進み、普通図柄表示指示部311は、フラグ記憶部302を参照して、時短フラグ又は確変フラグがオンされているか否かを判定する。これらの判定の結果、時短フラグ又は確変フラグがオンされており、「時短モード」又は「確変モード」に移行中である場合には、ステップS41に進み、普通図柄表示指示部311は、「時短モード」又は「確変モード」におけるデフォルトの普通図柄変動表示時間の間、普通図柄を変動表示させた後、「ハズレ」であることを示す「−」を停止表示させるような表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記普通図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122は、前記普通図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。そして、図6のメインフローチャートに戻る。
前記ステップS40において、時短フラグ又は確変フラグのいずれもオンでないと判定された場合には、通常遊技中であるので、ステップS42に進み、普通図柄表示指示部311は、通常遊技中におけるデフォルトの普通図柄変動表示時間の間、普通図柄を変動表示させた後、「ハズレ」であることを示す「−」を停止表示させるような表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記普通図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122は、前記普通図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。そして、図6のメインフローチャートに戻る。
図8AのステップS21において、遊技球が普通図柄作動ゲート103を通過していないと判定された場合には、ステップS43に進み、普通図柄抽選部309は、RAM201c内に設けられている前記普通図柄用乱数記憶領域に、乱数が記憶されているか否かを判定する。この判定の結果、乱数が記憶されている場合には、普通図柄抽選部309は、前述したステップS29に進む。一方、乱数が記憶されていない場合には、ステップS22以降の処理を行う必要がないので、普通図柄抽選部309は、図6に示したメインフローチャートに戻る。
(始動入賞処理)
次に、図9A及び図9Bのフローチャートを参照しながら、図6のステップS4における始動入賞処理の詳細について説明する。
図9AのステップS61において、入賞判定部301は、入賞口基板203から送信された前記遊技球通過信号に基づいて、遊技球が始動入賞口112を通過したか否かを判定する。この判定の結果、遊技球が始動入賞口112を通過した場合には、ステップS62に進み、特別図柄抽選部304は、乱数を発生させて抽選を行う(すなわち乱数の取得を行う)。
次に、ステップS63において、特別図柄抽選部304は、フラグ記憶部302を参照して、ボーナスフラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、ボーナスフラグがオフされている場合には、ステップS64に進み、特別図柄抽選部304は、特別図柄が変動表示中か否かを判定する。この判定の結果、特別図柄が変動表示中の場合には、ステップS65に進み、特別図柄抽選部304は、RAM201c内に設けられている前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下であるか否かを判定する。
この判定の結果、前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下である場合には、ステップS66に進み、特別図柄抽選部304は、特別図柄の抽選結果(ステップS62で取得した乱数)を前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶させる。
一方、前記ステップS63において、ボーナスフラグがオフされていない(オンされている)と判定した場合には、特別遊技の実行中であるので、特別図柄抽選部304は、ステップS65に進む。
なお、前記ステップS65において、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つを超えていると判定した場合には、ステップS62で取得した乱数を保留することも、その乱数に基づく普通図柄の表示も行うこともできないので、特別図柄抽選部304は、図6のメインフローチャートに戻る。
一方、前記ステップS64において、特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には、ステップS67に進み、特別図柄抽選部304は、前記特別図柄用乱数記憶領域に乱数が記憶されているか否かを判定する。この判定の結果、乱数が記憶されている場合には、ステップS68に進み、特別図柄抽選部304は、前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下であるか否かを判定する。
この判定の結果、前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下である場合には、ステップS69に進み、特別図柄抽選部304は、特別図柄の抽選結果(ステップS62で取得した乱数)を、前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶させる。
次に、ステップS70において、特別図柄抽選部304は、前記特別図柄用乱数記憶領域に最も早く記憶された乱数を読み出して、ステップS71に進む。
一方、前記ステップS67において、乱数が記憶されていないと判定した場合には、特別図柄抽選部304は、ステップS68〜S70を省略してステップS71に進む。
また、前記ステップS68において、前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つを超えていると判定した場合には、ステップS62で取得した乱数を保留することも、その乱数に基づく特別図柄の表示も行うことができないので、特別図柄抽選部304は、図6のメインフローチャートに戻る。
以上のようにして、特別図柄の抽選結果(乱数)が得られると、ステップS71に進み、特別図柄抽選部304は、得られた乱数を当選判定部305に出力する。
次に、ステップS72において、当選判定部305は、フラグ記憶部302を参照して、確変フラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、確変フラグがオンされている場合には、「確変モード」に移行中であると判断して、ステップS73に進み、当選判定部305は、「確変モード」である場合に使用する確変用抽選テーブルを抽出する。
一方、確変フラグがオンされていない場合には、ステップS74に進み、当選判定部305は、フラグ記憶部302を参照して、時短フラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、時短フラグがオンされている場合には、「時短モード」に移行中であると判断して、ステップS75に進み、当選判定部305は、フラグ記憶部302を参照して、時短回数に1を加算する。すなわち、現在の遊技が、「時短モード」における何遊技目に該当するのかを計数する。
次に、ステップS76において、当選判定部305は、「時短モード」である場合に使用する通常用抽選テーブルを抽出する。
次に、ステップS77において、当選判定部305は、規定の遊技回数を消化して「時短モード」が終了したか否かを判定する。この判定の結果、規定の遊技回数を消化して「時短モード」が終了した場合には、ステップS78に進み、当選判定部305は、フラグ記憶部302を参照して、時短フラグをオフする。
なお、前記ステップS77において、規定の遊技回数を消化していないと判定した場合には、「時短モード」が継続中であるので、前記ステップS78の処理を省略する。
また、前記ステップS74において、時短フラグがオンされていないと判定した場合には、通常遊技中であるので、ステップS79に進み、当選判定部305は、通常遊技中に使用する通常用抽選テーブルを抽出する。
以上のように、ステップS73、S76、S79で抽選テーブルを抽出すると、図9BのステップS80に進み、当選判定部305は、ステップS71で特別図柄抽選部304から出力された抽選の結果(乱数)が、抽出した抽選テーブルにおいて「大当たり」に該当するのか否かを判定する。すなわち、特別図柄の抽選に当選したか否かを判定する。
この判定の結果、特別図柄の抽選に当選した場合には、ステップS81に進み、当選判定部305は、特別遊技後に「確変モード」又は「時短モード」の何れに移行するかを更に判定するとともに、フラグ記憶部302を参照して、ボーナスフラグをオンしてステップS82に進む。一方、特別図柄の抽選に当選していない場合には、このステップS81の処理を省略してステップS82に進む。
そして、ステップS82において、特別図柄表示指示部306は、フラグ記憶部302を参照して、時短フラグ又は確変フラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、時短フラグ又は確変フラグがオンされている場合には、「時短モード」又は「確変モード」のうちの何れかのモードを実行している最中であるので、ステップS83に進み、特別図柄表示指示部306は、ステップS80、S82による判定結果に基づいて、時短、確変モード用の表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記特別図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、特別図柄表示装置106の7セグメントLED116は、前記特別図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。
一方、時短フラグ又は確変フラグがオンされていない場合には、通常遊技中であるので、ステップS84に進み、特別図柄表示指示部306は、ステップS80、S82による判定結果に基づいて、通常遊技用の表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記特別図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、特別図柄表示装置106の7セグメントLED116は、前記特別図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。
ステップS85において、払出指示部303は、賞球数が「4」であることを示す前記賞球数信号を払出制御基板206に送信する。これにより、4個の賞球が球皿128aに払い出される。
次に、ステップS86において、当選判定部305は、フラグ記憶部302を参照して、ボーナスフラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、ボーナスフラグがオンされている場合には、ステップS87に進み、当選判定部305は、S87において「確変モード」に移行すると判定した場合には、ステップS88に進み、フラグ記憶部302を参照して、確変フラグをオンする。
一方、当選判定部305は、S87において「時短モード」に移行すると判定した場合、ステップS89に進み、フラグ記憶部302を参照して、時短フラグをオンする。
ステップS90において、演出コマンド生成部313は、ステップS80、S82による判定結果や、フラグ記憶部302の記憶内容に基づいて、演出コマンドを生成してサブ制御基板02に送信し、図6のメインフローチャートに戻る。
なお、図9AのステップS61において、遊技球が始動入賞口112を通過していないと判定された場合には、ステップS91に進み、特別図柄抽選部304は、RAM201c内に設けられている前記特別図柄用乱数記憶領域に、乱数が記憶されているか否かを判定する。この判定の結果、乱数が記憶されている場合には、前述したステップS70に進む。一方、乱数が記憶されていない場合には、ステップS62以降の処理を行う必要がないので、図6に示したメインフローチャートに戻る。
(特別遊技実行処理)
次に、図10のフローチャートを参照しながら、図6のステップS5における特別遊技実行処理の詳細について説明する。
図10のステップS101において、当選判定部305は、フラグ記憶部302を参照して、ボーナスフラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、ボーナスフラグがオンされていない場合には、ステップS102以降の処理を行う必要がないので(特別遊技に移行しないので)、図6のメインフローチャートに戻る。
一方、ボーナスフラグがオンされている場合には、ステップS102に進む。ステップS102において、大入賞口開放指示部307は、入賞口基板203に、前記大入賞口開放指示信号を送信する。これにより、大入賞口113が開放され、15ラウンドからなる特定遊技のうちの1ラウンドが開始する。
次に、ステップS103において、入賞判定部301は、入賞口基板203から送信された前記遊技球通過信号に基づいて、遊技球が大入賞口113を通過したか否かを判定する。
この判定の結果、遊技球が大入賞口113を通過した場合には、ステップS104に進み、入賞判定部301は、入賞口基板203から送信された前記遊技球通過信号に基づいて、遊技球が特定領域121を通過したか否かを判定する。この判定の結果、遊技球が特定領域121を通過した場合には、ステップS105に進み、大入賞口開放指示部307は、前記特定領域制御指示信号を入賞口基板203に送信してステップS106に進む。これにより、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態が解除される。一方、遊技球が特定領域121を通過していない場合には、このステップS105を省略してステップS106に進む。
次に、ステップS106において、演出コマンド生成部313は、遊技球が大入賞口113又は特定領域121を通過したことを示す演出コマンドを生成して、サブ制御基板202に送信する。これにより、遊技球が大入賞口113又は特定領域121を通過したことを示す画像が、演出表示装置107に表示される。また、払出指示部303は、賞球数が「15」であることを示す前記賞球数信号を払出制御基板206に送信する。これにより、15個の賞球が球皿128aに払い出される。
なお、前記ステップS103において、遊技球が大入賞口113に入賞していないと判定された場合には、入賞判定部301は、ステップS104〜S106の処理を省略してステップS107に進む。
次に、ステップS107において、大入賞口開放指示部307は、大入賞口113が開放してから所定時間(29.5秒)が経過したか否かを判定する。この判定の結果、所定時間が経過している場合には、単位遊技の終了であるので、ステップS108に進み、大入賞口開放指示部307は、入賞口基板203に大入賞口閉鎖信号を送信する。これにより、大入賞口113が閉鎖される。
次に、ステップS109において、大入賞口開放指示部307は、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態を解除したか否かを判定する。この判定の結果、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態を解除した場合には、ステップS110に進み、大入賞口開放指示部307は、特別遊技における全ての単位遊技(すなわち、特別遊技)が終了したか否かを判定する。この判定の結果、特別遊技が終了した場合には、ステップS111に進み、演出コマンド生成部313は、特別遊技の終了を示す演出コマンドを生成して、サブ制御基板202に送信する。これにより、特別遊技の終了を示す画像が演出表示装置107に表示される。
また、大入賞口開放指示部307は、前記特定領域制御指示信号を入賞口基板203に送信する。これにより、特定領域121への遊技球の通過が容易な状態になる。
そして、ステップS112において、当選判定部305は、フラグ記憶部302を参照して、ボーナスフラグをオフし、図6のメインフローチャートに戻る。
前記ステップS107において、大入賞口113が開放されてから所定時間が経過していないと判定した場合には、ステップS113に進み、大入賞口開放指示部307は、入賞判定部301から送信された前記遊技球通過信号に基づいて、10個以上の遊技球が大入賞口113を通過したか否かを判定する。この判定の結果、大入賞口113を通過した遊技球が10個以上である場合には、単位遊技の終了であるので、前述したステップS108に進み、大入賞口113を閉鎖させる。
一方、大入賞口113を通過した遊技球が10個以上でない場合には、単位遊技が継続中であるので、図6のメインフローチャートに戻る。
また、前記ステップS110において、特別遊技における全ての単位遊技が終了していないと判定された場合には、次の単位遊技に進むので、ステップS114に進み、演出コマンド生成部313は、次の単位遊技に進むことを示す演出コマンドを生成して、サブ制御基板202に送信する。これにより、次の単位遊技に進んだことを示す画像が演出表示装置107に表示される。また、大入賞口開放指示部307は、前記特定領域制御指示信号を入賞口基板203に送信して、図6のメインフローチャートに戻る。これにより、特定領域121への遊技球の通過が容易な状態になる。
なお、図7〜図10に示した以外の処理を行ってもよいということは言うまでもない。例えば、演出コマンドを生成して送信するタイミングは、図7〜図10に示したものに限定されず、これら以外の演出コマンドを生成して送信するようにしてもよい。
(サブ制御基板202の処理動作)
図11および図12を参照して、サブ制御基板202の動作について説明する。
図11は、サブ制御基板202における通常遊技における処理動作の一例を示すフローチャートである。
図11のステップS131において、サブ制御基板202内の演出コマンド解析部401は、メイン制御基板201から演出コマンドを受信したか否かを判定する。この判定の結果、演出コマンドを受信した場合には、ステップS132に進み、演出コマンド解析部401は、受信した演出コマンドを解析する。
演出コマンド解析部401は、演出コマンドを解析して現在の遊技モードを特定し、また、操作スイッチ132からの操作信号を解析して、遊技モードに付随する変動情報を生成する。演出制御部402は、現在の遊技モード及び変動情報に基づいて、演出パターン記憶部403から、本停止において停止表示させるべき装飾図柄の組み合わせ情報、本停止までに変動表示される装飾図柄変動パターン、「リーチ」演出時間、「リーチ」演出における演出内容を示す情報を選択的に読み出し、「リーチ」演出の有無を決定する。そして、演出制御部402は、装飾図柄を特定する装飾図柄特定情報、演出内容に応じた背景画像を表示させるための背景特定情報等を含めて演出パターン情報として出力する。
また、演出制御部402は、演出コマンドを解析した結果に対応する音声を放音させる演出を実行するための指示を、音声生成部406に対して行う。これにより、音声生成部406は、演出に対応する音声データを生成して、スピーカ133から放音させる。
一方、前記ステップS131において、演出コマンドを受信していないと判定した場合には、演出制御部402は、ステップS133に移行し、待機中の演出を行うように、画像生成部405などに対して指示を行う。これにより、画像生成部405は、待機中の演出を実行するための画像データを生成して、演出表示装置107に表示させる。
(本発明に係る画像生成処理)
次に、図12のフローチャートに基づいて、本発明に係る画像生成処理について説明する。
これらの処理は、主として、サブ制御基板202の演出制御部402および画像生成部405において実行されるものである。以下、話を簡単にするため、背景画像の手前に合成される装飾画像についての図示と表示方法の説明は省略する。
ステップS201において、演出制御部402は、メイン制御基板201から送信された演出パターンを読み取る。次いでステップS202に移行し、演出制御部402は、画像更新(描画)タイミングに達しているか否かを判定する。画像更新タイミングに達していない場合には、演出制御部402は現状の表示状態を継続するため、ステップS212に移行する。
一方、ステップS202において画像更新タイミングに達していると判定した場合、演出制御部402は画像生成部405に処理を渡す。ステップS203において、画像生成部405の配置決定部4021は、第1背景画像および第2背景画像の仮想三次元空間内における配置を決定する。図13に示すように、配置決定部4021は、視点Cから距離R1+R2の位置に第1背景画像501を視点Cに正対させて配置し、距離R2の位置に第2背景画像502を視点Cに正対させて配置する。この背景画像の配置はモデリング処理の一環であり、各ピクセルの色情報を生成する処理とは異なる。
次いで、ステップS204に移行し、視体積VVに少なくとも一部が入ることによって表示対象となるオブジェクトが透明化処理の対象となる透明化オブジェクトであるか否かが判定される。判定の結果、表示対象となるオブジェクトが透明化オブジェクトであった場合、ステップS205に移行し、配置決定部4021は、このオブジェクトを透明化範囲UVVに配置する。
一方、ステップS204の判定の結果、表示すべきオブジェクトが透明化処理の対象とならない場合、不透明オブジェクトとして処理する必要が出てくるため、ステップS206に移行し、不透明オブジェクトとして処理される。不透明オブジェクトの処理については、後の実施形態で説明する。
上記ステップS204の処理は、表示対象となるオブジェクトが存在する限り繰り返される。以上で、背景画像およびオブジェクトのモデリングが終了する。
次いで、ステップS207に移行し、透視投影変換部4022は、視体積VVに配置された背景画像およびオブジェクトに対し透視投影変換を実施する。具体的には、モデリングされた背景画像やオブジェクトの配置を定める、ワールド座標系で定義された頂点座標を、視点Cを基準点とする視点座標系において定義し直すマトリクス演算が実施される。
次いで、ステップS208に移行し、背景画像生成部4023は、視点Cを基準とした視体積VVで切り取られる背景に対応した背景画像データを生成する。生成された背景画像データは、背景記憶レイヤ4031に格納される。
次いで、ステップS209に移行し、オブジェクト画像生成部4024は、視体積VV内に配置されたオブジェクトに対しレンダリング処理を実施し、オブジェクト画像データを生成する。レンダリング処理としては、シェーディング、シャドイング、テクスチャマッピング等の公知の画像処理技術が適用される。生成されたオブジェクト画像データはオブジェクト画像記憶レイヤ4032に格納される。
次いで、ステップS210に移行し、画像合成部4025は、第1背景画像および透明化オブジェクトを合成していく画像合成演算を実施する。第1背景画像と透明化オブジェクトとの合成処理は、記憶された背景画像データが読み出され透明化オブジェクトを含むオブジェクト画像データで上書きされることによって実施される。合成された画像データは一時的に記憶される。
次いで、ステップS211に移行し、画像合成部4025は、一時的に記憶された背景画像と透明化オブジェクトとの合成画像データに対し、透明化処理された第2背景画像に係る背景画像データを上書きする。具体的には、背景画像データをメッシュ化し、合成画像データに上書きすることで実現される。また、背景画像データと合成画像データとをピクセル毎に合成演算するように処理してもよい。透明化処理がされた出力用フレーム画像データは、出力用フレーム画像記憶レイヤ4033に格納される。
最後にステップS212において、表示制御部4041は、出力用フレーム画像記憶レイヤ4033に記憶された出力用フレーム画像をハードウェアで規定されたタイミングで演出表示装置107に転送する。
以上の処理によって、ひとつの画像更新タイミングにおける透明化画像生成処理が終了する。
図16A〜Cに、上記実施形態1に基づいて透明化された透明化オブジェクトの画像表示実施例を示す。図16AからCにかけては、透明化オブジェクトの透明度を上げていった場合の様子である。
背景画像500は、海底付近の様子を模したものであり、背景画像データにより表現されるものである。この背景画像500は、第1背景画像と第2背景画像の合成によって表示されるものであるが、上述したように、第2背景画像の透明度がいかなるものであっても、合成後の背景画像部分における各ピクセルの色情報に変化を生じないので、透明化オブジェクト601の透明化状態の如何によらず変化のない海底の光景となっている。透明化オブジェクト601としては、海中を及ぶ魚類が表現されている。亀、いるか、エイ、イカの合計4つのオブジェクトが示されている。これら透明化オブジェクト601は、背景画像500の手前に表示されるようになっている。
図16Aは、透明化オブジェクトの透明度が0%の場合を示している。透明化オブジェクトの透明度が0%であるということは第2背景画像の透明度が100%、すなわち第2背景画像のピクセルは一切二次元画像に反映されないので、第1背景画像と透明化オブジェクトのみが表示されることになる。透明化オブジェクトは第1背景画像の手前に重ねられるものなので、図面のとおりに海底の光景の手前側に魚類が表示された画像となっている。
図16Bは、透明化オブジェクトの透明度が40%の場合を示している。透明化オブジェクトの透明度が40%ということは第2背景画像の透明度が60%であり、第2背景画像のピクセルが4の割合に対して透明化オブジェクトのピクセルが6の割合だけ反映される。このため透明化オブジェクト601は、ある程度透明になって霞んでいるように表示される。透明化オブジェクトが存在しない部分は、第2背景画像のピクセルがどのような割合で反映されようとも、合成された画像における各ピクセルの色情報に変化はないので、表示画像に変化は生じない。
図16Cは、透明化オブジェクトの透明度が80%の場合を示している。透明化オブジェクトの透明度が80%ということは第2背景画像の透明度が20%であり、第2背景画像のピクセルが8の割合に対して透明化オブジェクトのピクセルが2の割合だけ反映される。このため透明化オブジェクト601の領域では、殆ど背景画像のピクセルが反映され、殆ど透明になっているように表示される。透明化オブジェクトが存在しない部分は、第2背景画像のピクセルがどのような割合で反映されようとも、合成された画像における各ピクセルの色情報に変化はないので、表示画像に変化は生じない。
さらに透明化オブジェクトの透明度を100%とすれば、第2背景画像の透明度が0%、すなわち、全画面に第2背景画像のピクセルが反映されるので、透明化オブジェクト601は背景画像の背後に完全に隠され、完全に透明化したように表示される。
(実施形態の効果)
以上、本実施形態1によれば、以下の利点を備える。
1)本実施形態によれば、第2背景画像502について透明化処理がされ、透明化オブジェクトの表面が透明化するものではないので、透明化オブジェクトの裏側の面が透けて見えるという透明化処理の不都合を生じない。
2)本実施形態によれば、透明化処理のためのピクセル単位の混成演算もオブジェクト毎の二次元画像化も必要無いため、従来の三次元画像の透明化処理に比べて処理負担を大いに減らすことが可能である。
3)本実施形態によれば、第1背景画像501と第2背景画像502との距離R1は、透明化オブジェクト601を収容するのに十分な幅に設定されるので、透明化オブジェクト601の大きさや向きに応じて、その一部が背景画像を突き抜けてしまうといった不都合を防止できる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2は、透明化オブジェクトの他に透明化されない不透明オブジェクトを表示可能とするものである。特に本実施形態では、不透明オブジェクトが透明化オブジェクトの背後に配置される場合に関する。
本実施形態2における透明化の原理を説明する。
図17は、本実施形態2における仮想三次元空間における背景画像およびオブジェクトの配置の模式図である。図17には、仮想三次元空間において透視投影画像を生成する基準となる視点Cを基準として画像化される対象が示されている。図18は、上記視点Cから見た仮想三次元空間を正規化変換した後の正規化座標系における背景画像とオブジェクトの概念斜視図である。
視体積VVや透明化オブジェクト601の配置については、上記実施形態1と同様である(図13参照)。特に、本実施形態では、透明化されない不透明オブジェクトを表示させるために、背景画像データの生成時に不透明オブジェクトも含めて背景画像をレンダリングしてしまう点に特徴がある。すなわち、本実施形態2では、背景画像データを生成する場合に、視体積VVに切り取られる背景のみを背景画像データ化するのではなく、不透明オブジェクト602として二次元画像化してしまうのである。透明化オブジェクト601との前後関係では、不透明オブジェクト602は背景画像と同一視できるので、画像表示上は透明化オブジェクト601の背後に不透明オブジェクト602が配置されているようになる。
図19A〜Cに、図17や図18で示した透明化オブジェクト601を透明化処理した場合の二次元画像(出力画像)例を示す。
図19Aは、透明化オブジェクト601の透明度Yが0%、すなわち透明化されていない場合の画像例を示している。透明度Yが0%である場合は、第2背景画像502の透明度Xが100%となっており、画像表示面には第2背景画像502のピクセルが一切反映されていない状態である。ここで、不透明オブジェクト602は背景画像500の一部となっているので、透明化オブジェクト601の背後に一部隠されて表示される。
図19Bは、透明化オブジェクト601の透明度Yが40%の場合の画像例を示している。この場合、第2背景画像502の透明度Xが60%となっており、第2背景画像502のピクセルと透明化オブジェクト601のピクセルとが4:6の割合で反映された状態となっている。このとき、不透明オブジェクト602は、背景画像500の一部となっており、第2背景画像502の透明度如何によらず不透明オブジェクト602の領域における各ピクセルの色情報は常に一定なので、不透明オブジェクト602は不透明な状態のまま表示される。
図19Cは、透明化オブジェクト601の透明度Yが80%の場合の画像例を示している。この場合、第2背景画像502の透明度Xが20%となっており、第2背景画像502のピクセルと透明化オブジェクト601のピクセルとが8:2の割合で反映された状態となっている。不透明オブジェクト602は変わらず不透明のまま透明化オブジェクト601の背後に位置するように表示される。このまま第2背景画像502の透明度Xを挙げて100%にすれば、第2背景画像502のピクセルの反映が100%となり、透明化オブジェクト601のピクセルは画像表示面に現れず、背景画像のみ表示され透明化オブジェクト601が全く見えない状態となる。しかしながら、不透明オブジェクト602はそのまま表示されているので、不透明オブジェクト602が一部も隠されることなく全て表示された状態となる。
画像生成部405の機能ブロックとしては、次のように動作する。
配置決定部4021は、不透明オブジェクト602も含めて視体積VVに一部でも入るオブジェクトの配置を決定する。透視投影変換部4022は、不透明オブジェクト602を含めた透視投影変換を実施する。背景画像生成部4023は、背景画像データを生成するに当たり、モデリングされたオブジェクトのうち、不透明オブジェクト602のみが視体積VVに配置されているものとして背景画像データを生成し、不透明オブジェクト602を含めた二次元画像データを生成する。オブジェクト画像生成部4024は上記実施形態1と同様に透明化オブジェクト601についてのオブジェクト画像データを生成する。画像合成部4025は、上記実施形態1と同様に、不透明オブジェクト602を含んでいる背景画像データを、第1背景画像501および第2背景画像502に用いて、オブジェクト画像とともに上記実施形態1と同様にして画像合成する。
図20A〜Cに、上記実施形態2に基づいて透明化された透明化オブジェクトの画像表示実施例を示す。図20AからCにかけては、透明化オブジェクトの透明度を上げていった場合の様子である。
背景画像500は、海底付近の様子を模したものであり、背景画像データにより表現されるものである。特に、不透明オブジェクト602として、海底に立つ人物が表現されている。背景画像500は、この人物を表現する不透明オブジェクト602を、海底の光景を表現する背景画像とともに合成したものとなっている。
図20Aは、透明化オブジェクトの透明度が0%の場合を示している。透明化オブジェクトの透明度が0%であるということは第2背景画像の透明度が100%、すなわち第2背景画像のピクセルは一切二次元画像に反映されないので、第1背景画像と透明化オブジェクトのみが表示されることになる。透明化オブジェクトは第1背景画像の手前に重ねられるものなので、図面のとおりに海底の光景の手前側に魚類が表示された画像となっている。また、不透明オブジェクト602は背景画像の一部となっているので、人物は海底の光景の前景になっているが、魚類の背後に立っているように表示された画像となる。
図20Bは、透明化オブジェクトの透明度が40%の場合を示している。透明化オブジェクトの透明度が40%ということは第2背景画像の透明度が60%であり、第2背景画像のピクセルが4の割合に対して透明化オブジェクトのピクセルが6の割合だけ反映される。このため透明化オブジェクト601は、ある程度透明になって霞んでいるように表示される。このとき、不透明オブジェクト602も背景画像500と同じ扱いとなり、第2背景画像によって透明化されていくことになる。よって、透明化オブジェクト601と不透明オブジェクト602が重なっている部分においても、透明化オブジェクト601が霞んでいるように表示される。透明化オブジェクトが重なっていない部分は、それが背景画像であっても不透明オブジェクトであっても、合成された画像における各ピクセルの色情報に変化はないので、表示画像に変化は生じない。
図20Cは、透明化オブジェクトの透明度が80%の場合を示している。透明化オブジェクトの透明度が80%ということは第2背景画像の透明度が20%であり、第2背景画像のピクセルが8の割合に対して透明化オブジェクトのピクセルが2の割合だけ反映される。このため透明化オブジェクト601の領域では、殆ど背景画像のピクセルが反映され、殆ど透明になっているように表示される。このとき、不透明オブジェクト602も背景画像500の場合と同様に、不透明オブジェクトのピクセルの反映割合が大きい。よって、透明化オブジェクト601と不透明オブジェクト602が重なっている部分において、不透明オブジェクト602のピクセルが相対的に多く反映され、透明化オブジェクト601が霞んでいるように表示される。透明化オブジェクトが重なっていない部分は、それが背景画像であっても不透明オブジェクトであっても、合成された画像における各ピクセルの色情報に変化はないので、表示画像に変化は生じない。
さらに透明化オブジェクトの透明度を100%とすれば、第2背景画像の透明度が0%、すなわち、全画面に背景画像データのピクセルが反映されるので、透明化オブジェクト601は背景画像の背後に完全に隠され、不透明オブジェクト602である人物のみが海底にいるような画像が表示される。
以上、本実施形態2によれば、背景画像生成部4023は、不透明オブジェクト602が視点から見て透明化オブジェクト601より奥に存在する場合には、不透明オブジェクト602を含めて背景画像データを生成するので、第2背景画像502の透明度の如何によらず、不透明のまま表示される。
また本実施形態2によれば、第2背景画像502が透明化された場合に、透明化オブジェクト601より背後に位置することになるため、不透明オブジェクト602が透明化オブジェクト601よりも奥に、すなわちz値の大きな位置に配置されているような画像が提供される。
(実施形態3)
本発明の実施形態3は、透明化オブジェクトの他に透明化されない不透明オブジェクトを表示可能とするものである。特に本実施形態では、不透明オブジェクトが透明化オブジェクトの手前に配置される場合に関する。
本実施形態3における透明化の原理を説明する。
図21は、本実施形態3における仮想三次元空間における背景画像およびオブジェクトの配置の模式図である。図21には、仮想三次元空間において透視投影画像を生成する基準となる視点Cを基準として画像化される対象が示されている。図22は、上記視点Cから見た仮想三次元空間を正規化変換した後の正規化座標系における背景画像とオブジェクトの概念斜視図である。
図21において、視体積VVや透明化オブジェクト601の配置については、上記実施形態1と同様である(図13参照)。特に、本実施形態では、透明化されない不透明オブジェクト603を透明化オブジェクト601よりも手前に配置する点に特徴がある。すなわち、不透明オブジェクト603を第2背景画像502の視点側に配置してから透明化オブジェクト601とともにレンダリングするように構成されている。第1背景画像501と第2背景画像502とのz軸方向の距離をR1とし、視点Cから第2背景画像502までの距離をR2とし、視点Cから透明化オブジェクト601までの距離をr601、不透明オブジェクト603までの距離をr602とすれば、次が成り立つ。
r602≦R2≦r601≦R1+R2…(2)
図23A〜Cに、図21や図22で示した透明化オブジェクト601を透明化処理した場合の二次元画像(出力画像)例を示す。
図23Aは、透明化オブジェクト601の透明度Yが0%、すなわち透明化されていない場合の画像例を示している。透明度Yが0%である場合は、第2背景画像502の透明度Xが100%となっており、画像表示面には第2背景画像502のピクセルが一切反映されていない状態である。ここで、不透明オブジェクト603は、第2背景画像502の手前に配置されているので、透明化オブジェクト601が不透明オブジェクト603に一部隠されて表示されるようになる。
図23Bは、透明化オブジェクト601の透明度Yが40%の場合の画像例を示している。この場合、第2背景画像502の透明度Xが60%となっており、第2背景画像502のピクセルと透明化オブジェクト601のピクセルとが4:6の割合で反映された状態となっている。このとき、不透明オブジェクト603は、透明化オブジェクト601に優先して手前に表示されているため、第2背景画像502の透明度如何によらず不透明オブジェクト603のピクセルに色情報の変化は生じない。
図23Cは、透明化オブジェクト601の透明度Yが80%の場合の画像例を示している。この場合、第2背景画像502の透明度Xが20%となっており、第2背景画像502のピクセルと透明化オブジェクト601のピクセルとが8:2の割合で反映された状態となっている。不透明オブジェクト603は変わらず不透明のまま透明化オブジェクト601の手前に位置するように表示される。このまま第2背景画像502の透明度Xを挙げて100%にすれば、第2背景画像502のピクセルの反映が100%となり、透明化オブジェクト601のピクセルは画像表示面に現れず、背景画像のみ表示され透明化オブジェクト601が全く見えない状態となる。しかしながら、不透明オブジェクト603は第2背景画像502よりも手前に配置されているので、不透明オブジェクト603が一部も隠されることなく全て表示された状態となる。
画像生成部405の機能ブロックとしては、次のように動作する。
配置決定部4021は、不透明オブジェクト603を第2背景画像502の手前に配置する。特に配置決定部4021は、表示対象オブジェクトが透明化オブジェクトか不透明オブジェクトかによりそのオブジェクトの大きさを変更する。すなわち、配置決定部4021は、同一種類のオブジェクトが透明化オブジェクトに割り当てられていても不透明オブジェクトに割り当てられていても、視点Cからの見かけの大きさが同一になるように視点Cからオブジェクトの距離に相関させてオブジェクトの拡大率を変化させる。
また、透視投影変換部4022は、不透明オブジェクト603を含めた透視投影変換を実施する。背景画像生成部4023は、上記実施形態1と同様に、背景画像データを生成する。オブジェクト画像生成部4024は上記実施形態1と同様に透明化オブジェクト601についてのオブジェクト画像データを生成する。また不透明オブジェクト603についても同様にオブジェクト画像データを生成する。透明化オブジェクト601についてのオブジェクト画像データは、不透明オブジェクト603についてのオブジェクト画像データと異なる記憶レイヤに記憶される。画像合成部4025は、上記実施形態1と同様に、第1背景画像501についての背景画像データ、透明化オブジェクト601についてのオブジェクト画像データ、第2背景画像502についての背景画像データをこの順番で合成してから、さらに不透明オブジェクト603を含んでいるオブジェクト画像データを合成する。
図24A〜Cに、上記実施形態2に基づいて透明化された透明化オブジェクトの画像表示実施例を示す。図24AからCにかけては、透明化オブジェクトの透明度を上げていった場合の様子である。
背景画像500は、海底付近の様子を模したものであり、背景画像データにより表現されるものである。特に、不透明オブジェクト603として、海底に立つ人物が表現されている。ここで、本実施形態2と異なり、不透明オブジェクト603は、最も手前に配置されている。
図24Aは、透明化オブジェクトの透明度が0%の場合を示している。透明化オブジェクトの透明度が0%であるということは第2背景画像の透明度が100%、すなわち第2背景画像のピクセルは一切二次元画像に反映されないので、第1背景画像と透明化オブジェクトのみが表示されることになる。透明化オブジェクトは第1背景画像の手前に重ねられるものなので、図面のとおりに海底の光景の手前側に魚類が表示された画像となっている。また、不透明オブジェクト603は最も手前に配置されるので、人物は、魚類の手前に立っているように表示された画像となる。
図24Bは、透明化オブジェクトの透明度が40%の場合を示している。透明化オブジェクトの透明度が40%ということは第2背景画像の透明度が60%であり、第2背景画像のピクセルが4の割合に対して透明化オブジェクトのピクセルが6の割合だけ反映される。このため透明化オブジェクト601は、ある程度透明になって霞んでいるように表示される。このとき、不透明オブジェクト603は、第2背景画像502の透明化の程度とは無関係に最も手前に配置されるので、透明化表示されている透明化オブジェクト601に対しても背景画像500に対しても優先して、人物の全身が手前に表示されている。
図24Cは、透明化オブジェクトの透明度が80%の場合を示している。透明化オブジェクトの透明度が80%ということは第2背景画像の透明度が20%であり、第2背景画像のピクセルが8の割合に対して透明化オブジェクトのピクセルが2の割合だけ反映される。このため透明化オブジェクト601の領域では、殆ど背景画像のピクセルが反映され、殆ど透明になっているように表示される。このとき、不透明オブジェクト603は、全てのオブジェクトや背景画像に優先して手前に配置されているので、人物の全身が手前に表示された状態が保たれる。
さらに透明化オブジェクトの透明度を100%とすれば、第2背景画像の透明度が0%、すなわち、全画面に背景画像データのピクセルが反映されるので、透明化オブジェクト601は背景画像の背後に完全に隠される。そして、不透明オブジェクト603である人物のみが海底にいるような画像が表示される。
以上、本実施形態3によれば、配置決定部4021は、透明化表示をしない不透明オブジェクト603が視点から見て透明化オブジェクト601の手前に存在する場合には、不透明オブジェクト603を第2背景画像502よりも視点Cに近い位置に配置するので、透明化オブジェクト601の透明度がどのようなものであろうとその影響を受けないで、常に透明度0%で手前に表示される。
また、実施形態3によれば、配置決定部4021は、配置するオブジェクトが透明化オブジェクト601か不透明オブジェクト603かにより視点からオブジェクトへの距離に比例させてそのオブジェクトの拡大率を変更して配置するようにするので、オブジェクトを透明化させる場合と不透明化させる場合とで、視点からの見かけの大きさは等しくし、オブジェクトのz座標の違いによる大きさの変化を補償することができる。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。
例えば、上記実施形態2においては、不透明オブジェクトを透明化オブジェクトの奥に配置する場合、実施形態3においては、不透明オブジェクトを透明化オブジェクトの手前に配置する場合をそれぞれ説明したが、透明化オブジェクトの奥にも手前にも不透明オブジェクトを配置するようにしてもよい。それぞれのオブジェクトはその配置により異なる処理がされることになる。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機を例示したが、遊技機としてはスロットマシンに適用可能である。さらに遊技機の枠を超えて、ゲーム装置やシミュレーション装置の画像表示に本発明に係る画像生成処理を適用してもよい。すなわち、二次元画像表示機能しか備えていない装置であっても擬似的に立体画像を表示できるという点に鑑みれば、スロットマシンにもゲーム装置にも、シミュレーション装置にも、適用可能な技術だからである。