JP2008185758A - 液晶装置、その駆動方法および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】動画表示における応答時間を短縮する。
【解決手段】液晶装置は、第1〜第3期間T1〜T3を繰り返して駆動される。第1期間T1では階調電圧Vbが液晶素子に印加される。第2期間T2ではベンド状態を維持するのに必要な第1基準電圧Vbが液晶素子に印加される。第3期間T3では第1基準電圧Vbより低い第2基準電圧Vwが液晶素子に印加される。そして、バックライトは第1期間T1で点灯し、第2期間T2および第3期間T3で消灯する。
【選択図】図4
【解決手段】液晶装置は、第1〜第3期間T1〜T3を繰り返して駆動される。第1期間T1では階調電圧Vbが液晶素子に印加される。第2期間T2ではベンド状態を維持するのに必要な第1基準電圧Vbが液晶素子に印加される。第3期間T3では第1基準電圧Vbより低い第2基準電圧Vwが液晶素子に印加される。そして、バックライトは第1期間T1で点灯し、第2期間T2および第3期間T3で消灯する。
【選択図】図4
Description
本発明は、配向状態としてベンド状態およびスプレイ状態を有する液晶を用いた液晶装置、その駆動方法および電子機器に関する。
液晶の透過率の変化により表示を行う液晶装置は、情報処理機器やテレビジョンなどの表示装置として広く用いられている。この表示装置では、行方向に延在する走査線と、列方向に延在するデータ線との交差に対応して画素電極が形成される。また、当該交差部分にあって画素電極とデータ線との間に、走査線に供給される走査信号にしたがってオンオフする薄膜トランジスタ(以下、TFT:Thin Film Transistorと称する。)などの画素スイッチが介挿される。さらに、液晶を介して画素電極と対向するように対向電極が設けられる。画素電極と対向電極との間の印加電圧に応じて液晶の配向状態が変化する。これによって、画素における透過光量が変化し、所定の表示が可能になる。
OCB(Optical Compensated Bend)液晶は、スプレイ状態とベンド状態とを有する。ベンド状態ではTN(Twisted Nematic)液晶と比較して高速応答が可能である。初期状態、すなわち、印加電圧が0Vである状態が長時間継続した状態では、OCB液晶はスプレイ状態となっている。スプレイ状態からベンド状態に移行するためには、一定時間高電圧を印加する必要がある。ベンド状態では高速応答が可能であるが、所定レベル以上の電圧が一定時間以上印加されないと、配向状態がスプレイ状態に戻ってしまう。そこで、ノーマリホワイトのOCB液晶に所定周期で所定レベル以上の電圧を印加し、このときバックライトを消灯する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2002−31790号公報
ところで、ノーマリホワイトのOCB液晶では、黒表示(所定電圧印加)から白表示(印加電圧0V)へ変化させる場合の応答時間は、白表示から黒表示へ変化させる場合の応答時間と比較して長い。
このため、所定周期でOCB液晶に黒を書き込むと、その後に、表示すべき階調に応じた電圧をOCB液晶に印加しても直ちに配向状態が変化しない。すなわち、応答に時間がかかり、高速応答の利点を十分引き出させないといった問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、OCB液晶において、高速応答が可能な液晶装置、その駆動方法および電子機器を提供することを解決課題とする。
このため、所定周期でOCB液晶に黒を書き込むと、その後に、表示すべき階調に応じた電圧をOCB液晶に印加しても直ちに配向状態が変化しない。すなわち、応答に時間がかかり、高速応答の利点を十分引き出させないといった問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、OCB液晶において、高速応答が可能な液晶装置、その駆動方法および電子機器を提供することを解決課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る液晶装置の駆動方法は、画素電極と、対向電極と、前記画素電極と前記対向電極との間に挟持され配向状態としてベンド状態およびスプレイ状態を有する液晶とを備えた液晶素子が形成された液晶パネルを備えた液晶装置に対して第1期間、第2期間および第3期間を繰り返して駆動するものであって、前記第1期間において、表示すべき階調に応じた階調電圧を前記液晶素子に印加し、前記第2期間において、ベンド状態を維持するために必要な第1基準電圧を前記液晶素子に印加し、前記第3期間において、前記第1基準電圧より低い第2基準電圧を前記液晶素子に印加することを特徴とする。
ベンド状態とスプレイ状態とを有する液晶では、高電圧の透過率から低電圧の透過率に遷移する時間が、低電圧の透過率から高電圧の透過率に変化する時間と比較して長い。この発明によれば、第3期間において前記第1基準電圧より低い第2基準電圧を液晶素子に印加するので、第1期間が開始される前に液晶の透過率を変化させておくことができる。この結果、透過率の応答特性を改善することができ、動きの速い画像であっても、ボケを低減して高品質の画像を表示することが可能となる。
ここで、前記液晶装置は前記液晶パネルの一方の面に向けて光を射出する光源を備える場合には、前記第1期間の全部において、前記光源を点灯させ、前記第3期間の一部または全部において、前記光源を消灯させることが好ましい。第3期間おいては、低電圧が液晶に印加されるので透過率が大きくなるが、この際、光源が消灯するので、階調表示に与える影響を低減することができる。
次に、本発明に係る液晶装置は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられた複数の画素回路とを有する液晶パネルと、
1水平走査期間において、表示すべき階調に応じた階調電圧、ベンド状態を維持するために必要な第1基準電圧、および前記第1基準電圧より低い第2基準電圧を時分割多重したデータ信号を前記複数のデータ線に供給するデータ線駆動手段と、1フレームの期間を第1期間、第2期間および第3期間に分割し、前記第1期間の各水平走査期間では、前記階調電圧が前記複数のデータ線に供給される期間において前記複数の走査線を順次選択し、前記第2期間の各水平走査期間では、前記第1基準電圧が前記複数のデータ線に供給される期間において前記複数の走査線を順次選択し、前記第3期間の各水平走査期間では、前記第2基準電圧が前記複数のデータ線に供給される期間において前記複数の走査線を順次選択する走査線駆動手段とを備え、前記複数の画素回路の各々は、画素電極と、対向電極と、前記画素電極と前記対向電極との間に挟持され配向状態としてベンド状態およびスプレイ状態を有する液晶とを具備する液晶素子と、前記走査線が選択される期間において前記データ線と前記画素電極とを電気的に接続することにより、前記第1期間では前記階調電圧を前記画素電極に印加し、前記第2期間では前記第1基準電圧を前記画素電極に印加し、前記第3期間では前記第2基準電圧を前記画素電極に印加するスイッチング素子とを有する。この発明によれば、第3期間において前記第1基準電圧より低い第2基準電圧を液晶素子に印加するので、第1期間が開始される前に液晶の透過率を変化させておくことができる。この結果、透過率の応答特性を改善することができ、動きの速い画像であっても、ボケを低減して高品質の画像を表示することが可能となる。
1水平走査期間において、表示すべき階調に応じた階調電圧、ベンド状態を維持するために必要な第1基準電圧、および前記第1基準電圧より低い第2基準電圧を時分割多重したデータ信号を前記複数のデータ線に供給するデータ線駆動手段と、1フレームの期間を第1期間、第2期間および第3期間に分割し、前記第1期間の各水平走査期間では、前記階調電圧が前記複数のデータ線に供給される期間において前記複数の走査線を順次選択し、前記第2期間の各水平走査期間では、前記第1基準電圧が前記複数のデータ線に供給される期間において前記複数の走査線を順次選択し、前記第3期間の各水平走査期間では、前記第2基準電圧が前記複数のデータ線に供給される期間において前記複数の走査線を順次選択する走査線駆動手段とを備え、前記複数の画素回路の各々は、画素電極と、対向電極と、前記画素電極と前記対向電極との間に挟持され配向状態としてベンド状態およびスプレイ状態を有する液晶とを具備する液晶素子と、前記走査線が選択される期間において前記データ線と前記画素電極とを電気的に接続することにより、前記第1期間では前記階調電圧を前記画素電極に印加し、前記第2期間では前記第1基準電圧を前記画素電極に印加し、前記第3期間では前記第2基準電圧を前記画素電極に印加するスイッチング素子とを有する。この発明によれば、第3期間において前記第1基準電圧より低い第2基準電圧を液晶素子に印加するので、第1期間が開始される前に液晶の透過率を変化させておくことができる。この結果、透過率の応答特性を改善することができ、動きの速い画像であっても、ボケを低減して高品質の画像を表示することが可能となる。
液晶装置のより具体的な態様としては、前記液晶パネルの一方の面に向けて光を射出する光源と、前記第2期間および前記第3期間において、前記走査線駆動手段の走査線の選択と同期して、前記光源を消灯させる制御手段とを備えることが好ましい。第3期間おいては、低電圧が液晶に印加されるので透過率が大きくなるが、この際、光源が消灯するので、階調表示に与える影響を低減することができる。
さらに、前記光源は、所定数の行ごとに分割した複数の個別領域の各々について点灯・消灯を制御することが可能であり、前記制御手段は、前記第2期間および前記第3期間において、前記複数の個別領域を順次消灯するように前記光源を制御することが好ましい。この場合には、光源の構成を簡素化することができる。
くわえて、前記第1基準電圧は黒表示に対応する電圧であり、前記第2基準電圧は白表示に対応する電圧であることが好ましい。これにより、第2期間は黒表示となるので、いわゆるインパルス駆動に近づけることができ、人間の網膜における残像の影響を低減して動画ボケを改善することが可能となる。
次に、本発明に係る電子機器は、上述した液晶装置を備えるものであって、いわゆる液晶ディスプレイや、携帯電話機、パーソナルコンピュータなどが該当する。
<1.実施形態>
図1に実施形態に係る液晶装置のブロック図を示す。この液晶装置700は電気光学材料として液晶を用いる。液晶装置700は、主要部として液晶パネルAAを備える。液晶パネルAAは、スイッチング素子としてTFTを形成した素子基板と対向基板とを互いに電極形成面を対向させて、かつ、一定の間隙を保って貼付し、この間隙に液晶が挟持されている。この例の液晶はOCB液晶である。
図1に実施形態に係る液晶装置のブロック図を示す。この液晶装置700は電気光学材料として液晶を用いる。液晶装置700は、主要部として液晶パネルAAを備える。液晶パネルAAは、スイッチング素子としてTFTを形成した素子基板と対向基板とを互いに電極形成面を対向させて、かつ、一定の間隙を保って貼付し、この間隙に液晶が挟持されている。この例の液晶はOCB液晶である。
また、液晶装置700は、タイミング発生回路300、画像処理回路400、メイン制御回路500およびバックライト600を備える。液晶パネルAAの素子基板上には、画像表示領域A、走査線駆動回路100およびデータ線駆動回路200が形成されている。メイン制御回路500は、アナログ形式で外部装置から供給される入力画像信号Vinをデジタル信号に変換し、入力画像データDinとして画像処理回路400に供給する。また、メイン制御回路500はバックライト600の点灯制御を行う。本実施形態において、バックライト600は、液晶パネルAAの画像を表示する面の反対側に設けられており、液晶パネルAAを走査線の方向に分割した複数の領域において、点灯・消灯を制御できるように構成されている。バックライト600の点灯制御については後述する。
次に、入力画像データDinは、例えば、24ビットパラレルの形式である。タイミング発生回路300は、画像処理回路400から供給される水平走査信号や垂直走査信号などの制御信号に同期して、Yクロック信号YCK、Xクロック信号XCK、Y転送開始パルスDY、およびX転送開始パルスDXを生成して、走査線駆動回路100およびデータ線駆動回路200に供給する。また、タイミング発生回路300は、画像処理回路400を制御する各種のタイミング信号を生成し、これを出力する。
ここで、Yクロック信号YCKは、走査線20を選択する期間を特定し、Xクロック信号XCKは、データ線10を選択する期間を特定する。また、Y転送開始パルスDYは走査線20の選択開始を指示するパルスであり、一方、X転送開始パルスDXはデータ線10の選択開始を指示するパルスである。
次に、画像処理回路400は、入力画像データDinに、液晶パネルAAの光透過特性を考慮したガンマ補正等を施した後、RGB各色の画像データをD/A変換して、画像信号VIDを生成して液晶パネルAAに供給する。
次に、画像処理回路400は、入力画像データDinに、液晶パネルAAの光透過特性を考慮したガンマ補正等を施した後、RGB各色の画像データをD/A変換して、画像信号VIDを生成して液晶パネルAAに供給する。
図2に画像表示領域Aの詳細な構成を示す。画像表示領域Aには、m(mは2以上の自然数)本の走査線20が、X方向に沿って平行に配列して形成される一方、n(nは2以上の自然数)本のデータ線10が、Y方向に沿って平行に配列して形成されている。そして、データ線10と走査線20との交差に対応してm×n個の画素回路Pが配列される。
同図に示すように画素回路Pは、液晶素子60およびTFT50を備える。液晶素子60は画素電極61と対向電極62との間にOCB液晶を挟持して構成される。対向電極62には共通電位Vcomが供給される。TFT50のゲート電極は走査線20に電気的に接続され、そのドレイン電極またはソース電極の一方がデータ線10に電気的に接続され、他方が画素電極61に電気的に接続される。
同図に示すように画素回路Pは、液晶素子60およびTFT50を備える。液晶素子60は画素電極61と対向電極62との間にOCB液晶を挟持して構成される。対向電極62には共通電位Vcomが供給される。TFT50のゲート電極は走査線20に電気的に接続され、そのドレイン電極またはソース電極の一方がデータ線10に電気的に接続され、他方が画素電極61に電気的に接続される。
図1に示すデータ線駆動回路200は、データ信号X1〜Xnをn本のデータ線10に出力する。信号の極性を対向電極62の共通電位Vcomを基準として高電位を正極性、低電位を負極性と定めると、奇数番目のフレームではデータ信号の極性を正極性とし、偶数番目のフレームではデータ信号の極性を負極性とする。これにより、フレーム単位で液晶に印加される電圧が反転する。なお、ライン単位で液晶に印加する電圧を反転してもよいし、ドット単位で液晶に印加する電圧を反転してもよい。
また、各走査線20には、走査線駆動回路100から、走査信号Y1、Y2、…、Ymが、パルス的に線順次で印加されるようになっている。このため、ある走査線20に走査信号が供給されると、当該行の画素回路PにおいてTFT50がオン状態となり、データ線20を介して供給されるデータ信号が液晶素子60に書き込まれる。各画素に印加される電圧レベルに応じて液晶分子の配向や秩序が変化するので、光変調による階調表示が可能となる。例えば、液晶を通過する光量は、ノーマリーホワイトモードであれば、印加電圧が高くなるにつれて制限される一方、ノーマリーブラックモードであれば、印加電圧が高くなるにつれて緩和されるので、液晶装置700全体では、画像信号に応じたコントラストを持つ光が各画素毎に出射される。この例の液晶装置700はノーマリホワイトである。なお、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、保持容量を画素電極61と対向電極62との間に形成される液晶容量と並列に付加してもよい。
次に、図3にバックライト600の領域分割の説明図を示す。この図に示すようにバックライト600はf(fは2以上の自然数)個のブロックB[1]〜B[f]に分割されており、一つのブロックBにはk(kは自然数)行の画素回路Pが含まれている。例えば、ブロックB2にはk+1行から2k行までの画素回路Pが含まれる。そして、メイン制御回路500は走査線駆動回路100の走査線20の選択と同期して、ブロックB[1]〜B[f]を順次消灯するように制御する。
次に、図4を参照して、液晶装置700の動作を説明する。この例では、1フレーム期間1Fを、第1期間T1、第2期間T2、および第3期間T3に分割して液晶装置700を駆動する。ここで、j(jは1≦j≦nを満たす整数)番目のデータ線10に供給されるデータ信号をデータ信号Xjとすれば、データ信号Xjは、1水平走査期間1Hにおいて、表示すべき階調に応じた階調電圧Vd、黒表示に対応する第1基準電圧Vb、および白表示に対応する第2基準電圧Vwが時分割多重されている。上述したようにOCB液晶は、ベンド状態を維持するためには、液晶に所定周期で所定電圧以上の電圧を印加する必要がある。第1基準電圧Vbは、ベンド状態を維持するのに十分な電圧である。一方、第2基準電圧Vwは、第1基準電圧Vbよりも低い電圧であり、この例では、白表示に対応する電圧(0V)である。なお、本実施形態において電圧は液晶素子60に印加される電圧、すなわち、画素電極61と対向電極62との間の電位差を意味する。
次に、走査信号Y1、Y2、…Ymは、第1期間T1では階調電圧Vdが供給される期間Tdにおいて順次アクティブになり、第2期間T2では第1基準電圧Vbが供給される期間Tbにおいて順次アクティブになり、第3期間T3では第2基準電圧Vwが供給される期間Twにおいて順次アクティブになる。この結果、第1期間T1では階調電圧Vdが画素回路Pに書き込まれ、第2期間T2では第1基準電圧Vbが画素回路Pに書き込まれ、第3期間T3では第2基準電圧Vwが画素回路Pに書き込まれる。
例えば、1行j列目の画素回路Pに着目すると、第1期間T1では階調電圧VdがOCB液晶に印加され、第2期間T2においては第1基準電圧VbがOCB液晶に印加され、さらに第3期間T3においては第2基準電圧VwがOCB液晶に印加される。
このとき、1行j列目の画素回路Pの透過率は、図に示すように変化する。すなわち、第1期間T1では階調電圧Vdが印加されると、透過率が直ちに階調電圧Vdに応じた透過率Qdに変化するのではなく、透過率の初期値Qiから次第に透過率Qdに変化する。一方、第2期間T2においては短時間で透過率Qdが第1基準電圧Vbに対応する透過率Qbに変化する。OCB液晶は、透過率の立ち上がり時間と立ち下がり時間が異なるといった性質を有する。
このとき、1行j列目の画素回路Pの透過率は、図に示すように変化する。すなわち、第1期間T1では階調電圧Vdが印加されると、透過率が直ちに階調電圧Vdに応じた透過率Qdに変化するのではなく、透過率の初期値Qiから次第に透過率Qdに変化する。一方、第2期間T2においては短時間で透過率Qdが第1基準電圧Vbに対応する透過率Qbに変化する。OCB液晶は、透過率の立ち上がり時間と立ち下がり時間が異なるといった性質を有する。
さらに、第3期間T3では、白表示に対応する第2基準電圧VwがOCB液晶に印加されるので、透過率が透過率Qbから透過率Qwへと変化する。このように、第3期間T3を設けることにより、第1期間T1の開始において透過率をある程度高くすることできる。このため、第3期間T3を設けない場合と比較して、OCB液晶の透過率をより短時間で階調電圧Vdに応じた透過率にすることができる。
ここで、第3期間T3は透過率がQbからQwに向けて変化するので、バックライト600が点灯していると、表示輝度から白方向へずれることになる。そこで、メイン制御回路500は、バックライト600を第2期間T2および第3期間T3において消灯させるように制御する。これにより、図に示すように第2期間T2および第3期間においては、輝度が黒となり、第3期間T3における透過率の変化を受けないようになる。この例では第2期間T2および第3期間T3において、バックライト600を消灯したが、第2期間T2においては、透過率が低下して黒表示となるので、メイン制御回路500は、当該期間において必ずしもバックライト600を消灯するように制御する必要はない。
ここで、第3期間T3は透過率がQbからQwに向けて変化するので、バックライト600が点灯していると、表示輝度から白方向へずれることになる。そこで、メイン制御回路500は、バックライト600を第2期間T2および第3期間T3において消灯させるように制御する。これにより、図に示すように第2期間T2および第3期間においては、輝度が黒となり、第3期間T3における透過率の変化を受けないようになる。この例では第2期間T2および第3期間T3において、バックライト600を消灯したが、第2期間T2においては、透過率が低下して黒表示となるので、メイン制御回路500は、当該期間において必ずしもバックライト600を消灯するように制御する必要はない。
1フレーム期間1Fを16.7msとすれば、例えば、第1期間T1にその60%を割り当てて10.1msとし、第2期間T2に20%を割り当てて3.3msとし、第3期間T3に20%を割り当てて3.3msとしてもよい。実験によれば、OCB液晶が黒表示から白表示に遷移する時間は5.3msであり、白表示から黒表示に遷移する時間は0.8msである。したがって、仮に、次のフレームで表示すべき階調が白表示であるとすれば、第1期間T1の開始から2msで目標の階調を表示することが可能となる。一方、次のフレームで表示すべき階調が黒表示であるとすれば、第1期間T1の開始から0.8ms以下で目標の階調を表示することが可能となる。
図5に示すように、バックライト500をOCB液晶の駆動と同期して第2期間T2および第3期間T3でブロックBごとに消灯する。この場合、バックライト500の点灯と消灯とは、ブロック単位で制御されるので、ブロックB[2]において最初に選択される走査線20に接続される画素回路Pでは、第2期間T2および第3期間T3でバックライト500が消灯するが、ブロックB[2]において最後に選択される走査線20に接続される画素回路Pでは、1ブロックの走査線20を走査する期間だけずれることになる。例えば、走査線20が768本あり、1ブロックB当たりの走査線20の本数を50本とすれば、1行の走査期間は20μsであり、1ブロックBの走査期間は1msとなる。この場合、1msの期間、本来、表示されない輝度が表示されることになる。しかしながら、ブロックBに含まれる走査線20の本数を減らせば、当該期間は短くなり、画質に大きな影響を与えることはない。また、当該期間における輝度はOCB液晶の応答特性によって定まるので、これを予測して、メイン制御回路500で補正した入力画像データDinを生成するようにしてもよい。
以上、説明したように、本実施形態によれば、1フレーム期間1Fに白表示の第3期間T3を設けたので、透過率の応答性を向上させることができる。この結果、スポーツなどの動きの早い画像を表示する場合に、動画ボケを大幅に改善することができる。また、第2期間T2において黒表示を行うので、いわゆるインパルス駆動に近づけることができ、人間の網膜の残像を低減して動画ボケをより一層改善することができる。さらに、白表示の第3期間T3の一部または全部で、バックライト600を消灯するように制御したので、画像の品質劣化を低減することができる。
なお、上述した実施形態においては、第2基準電圧Vwとして白表示の電圧を採用したが、第2基準電圧Vwは、応答時間を改善するために印加するものであるから、第1基準電圧Vbよりも低電圧であれば、どのような電圧であってもよい。
また、ブロックBに含まれる走査線20の本数は任意であり、例えば、1本であってもよい。この場合には、バックライト600の消灯と印加電圧の関係が完全に同期するので、高品質の画像を表示することができる。
さらに、バックライト600は、液晶パネルAAの一方の面に光を射出できるのであれば、どのような光源であってもよい。例えば、蛍光管で構成してもよいし、あるいは、有機発光ダイオードで構成してもよい。この場合、有機発光ダイオードを短冊状に配置し行ごとに点灯・消灯を制御してもよい。
また、ブロックBに含まれる走査線20の本数は任意であり、例えば、1本であってもよい。この場合には、バックライト600の消灯と印加電圧の関係が完全に同期するので、高品質の画像を表示することができる。
さらに、バックライト600は、液晶パネルAAの一方の面に光を射出できるのであれば、どのような光源であってもよい。例えば、蛍光管で構成してもよいし、あるいは、有機発光ダイオードで構成してもよい。この場合、有機発光ダイオードを短冊状に配置し行ごとに点灯・消灯を制御してもよい。
<2.電子機器>
次に、本発明に係る液晶装置700を利用した電子機器について説明する。図6は、以上に説明した何れかの形態に係る液晶装置700を表示装置として採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表示装置としての液晶装置700と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。この液晶装置700は動画ボケを低減することができるので、画像の表示品質を向上させることができる。
次に、本発明に係る液晶装置700を利用した電子機器について説明する。図6は、以上に説明した何れかの形態に係る液晶装置700を表示装置として採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表示装置としての液晶装置700と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。この液晶装置700は動画ボケを低減することができるので、画像の表示品質を向上させることができる。
図7に、実施形態に係る液晶装置700を適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに表示装置としての液晶装置700を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、液晶装置700に表示される画面がスクロールされる。この液晶装置700によれば、動画の応答時間が短いので、スクロール中にも文字を読み取ることが可能となる。
図8に、実施形態に係る液晶装置700を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002、ならびに表示装置としての液晶装置700を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が液晶装置700に表示される。
なお、本発明に係る液晶装置が適用される電子機器としては、図6から図8に示したもののほか、プロジェクタ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。
10……データ線、20……走査線、50……TFT(スイッチング素子)、60……液晶素子、61……画素電極、62……対向電極、Vcom……共通電位、100……走査線駆動回路、200……データ線駆動回路、500……メイン制御回路、600……バックライト、X1〜Xn……データ信号、Y1〜Ym……走査信号、P……画素回路。
Claims (7)
- 画素電極と、対向電極と、前記画素電極と前記対向電極との間に挟持され配向状態としてベンド状態およびスプレイ状態を有する液晶とを備えた液晶素子が形成された液晶パネルを具備する液晶装置に対して第1期間、第2期間および第3期間を繰り返して駆動する液晶装置の駆動方法であって、
前記第1期間において、表示すべき階調に応じた階調電圧を前記液晶素子に印加し、
前記第2期間において、ベンド状態を維持するために必要な第1基準電圧を前記液晶素子に印加し、
前記第3期間において、前記第1基準電圧より低い第2基準電圧を前記液晶素子に印加する、
液晶装置の駆動方法。 - 前記液晶装置は前記液晶パネルの一方の面に向けて光を射出する光源を備え、
前記第1期間の全部において、前記光源を点灯させ、
前記第3期間の一部または全部において、前記光源を消灯させる、
請求項1に記載の液晶装置の駆動方法。 - 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられた複数の画素回路とを有する液晶パネルと、
1水平走査期間において、表示すべき階調に応じた階調電圧、ベンド状態を維持するために必要な第1基準電圧、および前記第1基準電圧より低い第2基準電圧を時分割多重したデータ信号を前記複数のデータ線に供給するデータ線駆動手段と、
1フレームの期間を第1期間、第2期間および第3期間に分割し、前記第1期間の各水平走査期間では、前記階調電圧が前記複数のデータ線に供給される期間において前記複数の走査線を順次選択し、前記第2期間の各水平走査期間では、前記第1基準電圧が前記複数のデータ線に供給される期間において前記複数の走査線を順次選択し、前記第3期間の各水平走査期間では、前記第2基準電圧が前記複数のデータ線に供給される期間において前記複数の走査線を順次選択する走査線駆動手段とを備え、
前記複数の画素回路の各々は、
画素電極と、対向電極と、前記画素電極と前記対向電極との間に挟持され配向状態としてベンド状態およびスプレイ状態を有する液晶とを具備する液晶素子と、
前記走査線が選択される期間において前記データ線と前記画素電極とを電気的に接続することにより、前記第1期間では前記階調電圧を前記画素電極に印加し、前記第2期間では前記第1基準電圧を前記画素電極に印加し、前記第3期間では前記第2基準電圧を前記画素電極に印加するスイッチング素子とを有する、
液晶装置。 - 前記液晶パネルの一方の面に向けて光を射出する光源と、
前記第2期間および前記第3期間において、前記走査線駆動手段の走査線の選択と同期して、前記光源を消灯させる制御手段とを備え、
請求項3に記載の液晶装置。 - 前記光源は、所定数の行ごとに分割した複数の個別領域の各々について点灯・消灯を制御することが可能であり、
前記制御手段は、前記第2期間および前記第3期間において、前記複数の個別領域を順次消灯するように前記光源を制御する、
請求項4に記載の液晶装置。 - 前記第1基準電圧は黒表示に対応する電圧であり、前記第2基準電圧は白表示に対応する電圧であることを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載の液晶装置。
- 請求項3乃至6のうちいずれか1項に記載の液晶装置を備えた電子機器。
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