JP2008181696A - 燃料電池用触媒およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体高分子形燃料電池の触媒として、高活性の触媒を提供する。また、その触媒の製造方法、および、その触媒を使用した膜電極接合体を提供する。
【解決手段】炭素担体に金属酸化物微粒子と白金系金属触媒微粒子とが担持された燃料電池用触媒であり、X線回折法で測定した該金属酸化物微粒子の平均粒径が20nm以下である、燃料電池用の触媒。
炭素担体に金属酸化物と白金系金属触媒微粒子とを担持した燃料電池用触媒の製造方法であって、焼成により金属酸化物となる金属化合物を炭素担体に担持し、300℃以下かつ前記金属化合物が金属酸化物となる温度で焼成する工程1と、前記工程1で得られた担体に白金系金属触媒微粒子を担持する工程2を含む燃料電池用触媒の製造方法。
電極触媒層の少なくとも一方に含まれる触媒が上記触媒である、膜電極接合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素担体に金属酸化物と白金系金属触媒微粒子とを担持した燃料電池用触媒に関する。
近年、固体高分子形燃料電池は高性能化が進み、電気自動車用電源、家庭用コージェネレーション、携帯機器用電源などへの応用が期待され開発が加速している。しかし、本格的な実用化のためには一層の効率向上、小型化、低コスト化および信頼性向上などが求められている。とりわけ、空気極に用いる酸素還元用触媒はいずれの用途においても、白金触媒や白金合金触媒(以下これらを白金系金属触媒という)が最も活性が高く、且つ耐久性に優れるものとして殆どの発電システムに用いられている。しかし、白金は埋蔵量に限りのある希少資源であり、燃料電池の本格的な商業化のためには白金系金属触媒のより一層の活性向上並びに使用量低減が求められている。
上述の白金系触媒は通常導電性で且つ高比表面積のカーボンブラックに担持された状態で、且つ電極触媒層の厚さを薄くしてガス拡散性を確保するため、30%以上の極めて高い担持率のものが多い。従って、高温環境下では触媒金属微粒子が凝集しやすく、また、特に低加湿下では触媒層上での反応に起因して発生するラジカルにより担体そのものが酸化劣化することが報告されている。更には自動車用の場合、燃料電池停止時には電池内水素を空気でパージするため、起動停止を頻繁に繰り返すと触媒が激しく劣化することが報告されており、触媒の耐久性向上も大きな課題となっている。担体の酸化については触媒微粒子自身が触媒作用を示すことが報告されており、担体の耐酸化性向上対策が必要となっている。
非特許文献1〜3にはカーボン担体の腐食が固体高分子形燃料電池の高電位における性能劣化の大きな原因となっていることが示されている。Ptと担体劣化の関係についても言及されている。非特許文献4には固体高分子形燃料電池において自動車用燃料電池で想定される頻繁な起動停止により発生するカソード側の酸素発生やカーボン劣化に関するモデルが議論されている。非特許文献5には担体としてのカーボンブラックとカーボンナノファイバーとの比較が示されており、前者は後者に比較してPt触媒の劣化が大きいことが報告されている。
M. Roen, C.H. Paik, T.D. Jarvi, Electhrochem. Solid−State Lett. 7, A19(2004). J.P. Meyers and R.M. Darling, J. of the Electrochem. Soc., 153, A1432(2006). Z. Siroma, K. Ishii, K. Yasuda, Y. Miyazaki, M. Inaba, A. Tasaka, Electrochem. Commun., 7, 1153(2005). D.A. Stevens, M.T. Hicks, G.M. Haugen and J.R. Dahn, J. of the Electrochem. Soc., 152, A2309(2005). Y. Shao, G. Yin, Y. Gao, and P. Shi, J. of the Electrochem. Soc., 153, A1093(2006).
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、従来の炭素担体に担持された白金系触媒に対して、活性が著しく高く、且つ結晶化度の低い担体を用いても触媒の安定性が確保できる技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、炭素担体上に金属酸化物を担持し、さらに、白金系金属触媒微粒子を担持することにより高活性で、高比表面積の炭素担体を用いても安定した特性が得られることを見出し、本発明に至ったものである。
本発明は、炭素担体に金属酸化物と白金系金属触媒微粒子が担持された燃料電池用触媒、その製造方法、およびその燃料電池用触媒が使用された膜電極接合体に関する下記発明である。
炭素担体に金属酸化物微粒子と白金系金属触媒微粒子とが担持された燃料電池用触媒であり、X線回折法で測定した該金属酸化物微粒子の平均粒径が20nm以下であることを特徴とする燃料電池用触媒。
炭素担体に金属酸化物と白金系金属触媒微粒子とを担持した燃料電池用触媒の製造方法であって、下記の工程を含む燃料電池用触媒の製造方法。
工程1:焼成により金属酸化物となる金属化合物を炭素担体に担持し、300℃以下かつ前記金属化合物が金属酸化物となる温度で焼成する工程。
工程2:前記工程1で得られた担体に白金系金属触媒微粒子を担持する工程。
電解質膜と、該電解質膜の両面に設けられた、電解質と触媒とを含む電極触媒層と、該電極触媒層それぞれの外側に設けられたガス拡散層とを有する、固体高分子形燃料電池の膜電極接合体において、少なくとも一方の電極触媒層に含有される触媒が上記燃料電池用触媒であることを特徴とする固体高分子形燃料電池の膜電極接合体。
本発明の触媒は、従来の触媒に比較して、活性が著しく高く、且つ結晶化度の低い担体を用いても触媒の安定性が高い触媒であり、自動車用燃料電池などに使用できる触媒である。
本発明の燃料電池用触媒は、カーボンブラックなどの炭素担体に酸化ジルコニウムなどの金属酸化物の微粒子が担持され、さらに白金触媒などの白金系金属触媒微粒子が担持された燃料電池用触媒である。しかも、炭素担体に担持されている該金属酸化物微粒子の粒子径をX線回折法で測定して得られる平均粒径は20nm以下であることを特徴とする。
本発明の燃料電池用触媒における金属酸化物微粒子の平均粒径はX線回折法で測定して得られる平均粒径である。なお、後述の白金系金属触媒微粒子の平均粒径もまたこの方法で測定して得られる平均粒径である。
X線回折法(XRD)による微粒子の粒子径の測定は公知であり(例えば、2001年10月(株)フジテクノシステム発行「微粒子工学体系 第I巻 基本技術」333〜335ページ参照)、X線の回折線幅を解析すること(line broadening analysis ;LBA)によって微粒子の大きさを見積もる方法である。微粒子の粒子径と回折線の幅との関係はデバイ・シェラーの式で与えられ、回折線の幅の測定値から微粒子の平均粒子径(体積平均の粒子径)が求められる。本発明におけるこの測定は、以下のように行った。
回折装置には(株)リガク製 RINT−2100を用いた。X線の回折線幅を解析するために、XRDデータ解析ソフトはJADEを用い、得られる主ピークと隣接するピークとが形成する基底ラインをベースラインとして、半価幅を求めた。回折角2θは酸化物に対しては、20〜60°、白金に対しては、34〜46°の範囲で走査した。
本発明において、上記測定方法による金属酸化物微粒子の平均粒径は20nm以下であることが必要である。金属酸化物微粒子の平均粒径が20nmよりも大きくなると燃料電池用触媒としての触媒活性低下する傾向にある。本発明における金属酸化物微粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)や電界放出形走査型電子顕微鏡(FE−SEM)による観察では必ずしも粒子を明確に捉えることができない。また、例えば比表面積の大きな担体(ケッチェンブラック:比表面積800m/g)に、金属酸化物を、金属酸化物と炭素担体の合計量に対して、10〜20質量%担持したものでは、酸化物担持後の比表面積は550m/gが得られることなどから、極めて微細な酸化物微粒子が薄く細孔内部に形成されていると推定される。このような金属酸化物微粒子と白金系金属触媒微粒子が直接接合した状態または近傍に存在する状態において、それらの相互作用により触媒活性に影響が現れたものと推定される。
X線回折法で測定して得られる金属酸化物微粒子の平均粒径は、好ましくは15nm以下であり、より好ましくは10nm以下である。また、平均粒径は0.1nm以上であり、より好ましくは1nm以上である。これは金属酸化物の平均粒径が小さいほうが触媒活性が向上する傾向にあるからである。金属酸化物微粒子の形状は不明であるが、その形状が触媒活性に影響することは少ないと推定される。したがって、その形状は、球状、平板状、棒状などいずれでもよく、特に限定はされない。
本発明の燃料電池用触媒において、白金系金属触媒微粒子の平均粒径(X線回折法で測定して得られるもの)は、従来燃料電池用触媒として使用されていた炭素担体担持白金系金属触媒における白金系金属触媒微粒子の平均粒径と同程度のものが採用される。その平均粒子径は1〜10nmが好ましく、特に1〜5nmが好ましい。
炭素担体としては、カーボンブラックやカーボンナノファイバーなどの電気伝導性材料が望ましい。炭素担体の比表面積は特に限定されず、比表面積が10m/g程度の小さいものでも、比表面積800m/gのものや更に比表面積の大きい炭素担体も使用可能である。比表面積の小さな炭素担体であっても金属酸化物の担持により担体としての比表面積は拡大されると考えられる。炭素担体の比表面積は、800m/gのものや更に大きい炭素担体も使用可能である。しかしながら、触媒金属の担持率を40〜50%以上を想定するPEFC用触媒の場合には炭素担体の比表面積は、5〜1000m/gが適当であり、200〜1000m/gが好ましい。これは比表面積が200m/g未満では触媒金属の微粒子化が難しくなるためである。1000m/g超では酸化物担持による耐酸化性付与の効果があるとはいえ、基本的には担体の耐酸化性が低下する傾向があるためである。なお、本発明における比表面積とは窒素吸着法(窒素BET法)により測定した比表面積(JIS K 6217−2:2001)を意味する。
本発明の燃料電池用触媒において、金属酸化物微粒子の担持量は使用される炭素担体にも依存するが、金属酸化物と炭素担体の合計量に対して、金属酸化物の金属元素の量として、1〜50質量%が好ましい。より好ましい担持量は5〜35質量%である。1質量%未満では触媒活性向上効果が充分ではなく、また、50質量%超にすると金属酸化物による電気抵抗の上昇が無視できなくなるため、電極用材料としては望ましくないからである。
本発明の燃料電池用触媒において、白金系金属触媒微粒子の担持量は使用される炭素担体にも依存するが、炭素担体と金属酸化物粒子と白金系金属触媒粒子の合計量に対して、10〜70質量%が好ましい。より好ましい担持量は25〜60質量%である。10質量%未満では単位体積当たりの触媒活性が充分ではなく、また、70質量%超にすると白金触媒微粒子の形成が困難になるとともに、また、使用に伴う微粒子の凝集・特性劣化が起こりやすくなるため、燃料電池用電極材料としては望ましくないからである。
本発明における金属酸化物としては、4族(Ti、Zr、Hf)および5族(V、Nb、Ta)から選ばれる金属元素を含む金属酸化物が好ましく、特に、酸化ジルコニウムが好ましい。金属酸化物は2種以上の金属元素を含む金属酸化物であってもよく、その場合も4族および5族から選ばれる金属元素の2種以上の組合せ、または、4族および5族から選ばれる金属元素の1種以上と他の金属元素の組合せ、からなる2種以上の金属元素を含む金属酸化物が好ましい。特に、Zrと他の金属元素少なくとも1種を含む金属酸化物が好ましい。2種以上の金属元素を含む金属酸化物としては、複合金属酸化物が好ましいが、それぞれ別個の金属酸化物の混合物であってもよい。
本発明において好ましい金属酸化物は、金属元素として実質的にZrのみを含む金属酸化物(酸化ジルコニウム)、および、Zrと他の金属元素を含みかつZrを主成分とする金属酸化物、である。Zrと組み合わされる金属元素としては、Ti、Y、Nb、Sn、Ta、W、Mo、V、AlおよびCeからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。このような金属元素の併用することで、金属酸化物の耐酸性や等電点等の特性を調整することができ、またZr単独の場合に比較して触媒活性や安定性が向上する場合がある。しかし、他の金属元素の割合が高くなりすぎると金属酸化物の耐酸性が低下するおそれがあるので、金属酸化物中のZr原子の数は他の金属原子の数よりも多いほうが好ましい。また、耐酸性の面からは、他の金属元素はW、Sn、Tiが好ましい。Zr以外の金属元素を含んでいてもよい酸化ジルコニウムにおける全金属原子に対するZr原子の数の割合は、50〜100%が好ましく、特に70〜100%が好ましい。なお、耐酸性は、金属酸化物担持炭素担体を10%硫酸中、80℃、5日間保持した後の溶出金属イオンの量から判断したものである。
本発明における微粒子状の白金系金属触媒は、実質的に白金のみからなる触媒ほか、白金を含む2種以上の金属の合金、固溶体、金属間化合物の他、成分元素の酸化物が一部含まれていても良い。白金系金属触媒微粒子は、実質的にPtのみからなる白金触媒微粒子であるか、または、Cr、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Re、Ir、Cu、AgおよびAuからなる群から選ばれる少なくとも1種とPtとからなる金属触媒微粒子であることが好ましい。白金系金属触媒微粒子における全金属原子に対するPt原子の数の割合は、1〜100%が好ましく、特に10〜100%が好ましい。
本発明の燃料電池用触媒の製造法は、炭素担体に金属酸化物を担持する工程1と金属酸化物が担持された炭素担体に白金系金属触媒微粒子を担持する工程2を含む製造方法である。工程1は、焼成により金属酸化物となる金属化合物を炭素担体に担持し、300℃以下かつ前記金属化合物が金属酸化物となる温度で焼成する工程である。工程2は、前記工程1で得られた担体に白金系金属触媒微粒子を担持する工程である。
工程1では、まず、焼成により金属酸化物となる金属化合物を炭素担体に担持する。焼成により金属酸化物となる金属化合物としては、比較的低温で酸化物になりやすい性質を備えるものであれば良く、例えば、金属アルコキシド、硝酸金属塩、オキシ硝酸金属塩、金属水酸化物などが好適に用いることができる。特に好ましい金属化合物は金属アルコキシドとオキシ硝酸金属塩である。金属化合物は300℃以下の焼成温度で金属酸化物となりうるものを使用する。金属酸化物を形成する温度は高すぎると生成する金属酸化物の粒径が大きくなる傾向があり、粒径の大きな金属酸化物が存在すると触媒活性が低下しやすい。また、この金属化合物は水や有機溶媒などの溶媒に溶解しやすい化合物であることが好ましい。
本発明における金属化合物としてのジルコニウム化合物としては、オキシ硝酸ジルコニウムなどのジルコニウム硝酸塩、ジルコニウムエトキシド(テトラエトキシジルコニウムに同じ)、ジルコニウム−n−プロポキシド、ジルコニウム−n−ブトキシジルコニウムなどのジルコニウムアルコキシド、などが好ましい。チタン化合物としては、チタンエトキシド(テトラエトキシチタンに同じ)、チタン−i−プロポキシド、チタン−n−ブトキシなどのチタンアルコキシド、ジ−i−プロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタンなどのチタンキレート化合物、などが好ましい。他の金属化合物としては金属アルコキシドが好ましい。
金属化合物の溶液を炭素担体と接触させて金属化合物を炭素担体に付着させ、その後溶媒を除去することにより、炭素担体に金属化合物を担持させる。金属化合物の溶液と炭素担体と接触は、炭素担体の細孔内まで該溶液を充分に浸透させて金属化合物を吸着させるように、接触時間、撹拌条件等の処理条件を調節する。接触時間は20時間以上が好ましく、特に40時間以上が好ましい。撹拌は充分激しいほど好ましい。また、溶液中の金属化合物を安定化させるために溶液のpHを調整することが好ましい。例えば、オキシ硝酸塩水溶液の場合は硝酸を添加して酸性水溶液とすることが好ましい。金属アルコキシド水溶液や有機溶媒(アルコールなど)溶液の場合は、中性付近が好ましい。また、炭素担体と溶液との濡れ性を向上させるために、水溶液の場合はアルコールなどの有機溶媒を添加することが好ましい。
金属化合物の溶液と炭素担体とを充分接触させた後、溶媒を除去して金属化合物を炭素担体に付着させる。溶媒の除去は、通常濾過分離や蒸発乾燥によって行う。溶媒の除去の前に、金属化合物を炭素担体表面に定着させる処理を行うことが好ましい。例えば、オキシ硝酸塩の酸性水溶液を使用した場合、アンモニアなどのアルカリで酸を中和しさらにアルカリ性にすることによりオキシ硝酸塩の一部が酸化物に変換され、これにより炭素担体表面への付着性が向上する。
炭素担体に金属化合物を担持した後、焼成して炭素担体上に金属酸化物を形成させる。焼成温度は300℃以下であり、焼成温度がこの温度よりも高いと平均粒子径の大きな金属酸化物微粒子が生成しやすい。金属化合物の種類にもよるが、この焼成温度を調整することにより生成する金属酸化物の平均粒径を制御することができる。焼成温度の下限は、金属化合物が金属酸化物になりうる限り特に制限はないが、焼成温度が低すぎると金属水和物を多く含む金属酸化物となり、触媒活性低下のおそれが生じる。焼成温度の下限は200℃が好ましい。好ましい焼成温度は200〜260℃である。
炭素担体に対する金属酸化物の担持量は、前記のように、金属酸化物の金属元素の量として5〜50質量%が好ましく、特に、10〜25質量%が好ましい。金属酸化物の担持量は、炭素担体に対する金属化合物の担持量によって調節できる。炭素担体に対する金属化合物の担持量は、金属化合物の選択、金属化合物溶液の濃度、炭素担体と金属化合物溶液の接触時間、その他の金属化合物担持条件によって調節できる。
次に、工程2として前記工程1で得られた金属酸化物担持炭素担体に白金系金属触媒微粒子を担持する工程を行う。白金系金属触媒微粒子を担持する方法は、従来周知ないし公知の白金系金属触媒微粒子を担持した炭素担体を製造する方法を使用できる。例えば、溶媒溶解性の白金化合物を使用し、該白金化合物の溶液と金属酸化物担持炭素担体を接触させて該担体に白金化合物を付着させ、溶媒を除去した後該白金化合物を金属白金に変換させて、該担体上に金属白金の微粒子を形成させる。白金化合物を金属白金に変換する反応は通常還元反応であり、例えば水素含有窒素中で加熱することにより金属微粒子を形成することができる。本発明においてこの還元反応を高温化で行うと金属酸化物粒子が大きくなるおそれがある。したがって、この還元反応は300℃以下で行うことが好ましい。白金化合物とともに他の金属化合物を使用して、同様に白金と他の金属との合金や固溶体などの金属微粒子を形成することができる。金属化合物としては、金属酸、金属酸塩、金属錯体などを使用しうる。例えば、白金化合物の場合、塩化白金酸、塩化白金酸塩、ジニトロジアンミン白金[Pt(NH(NO]などを使用しうる。
本発明の固体高分子形燃料電池の膜電極接合体は、電解質膜と、該電解質膜の両面に設けられた、電解質と触媒とを含む電極触媒層と、該電極触媒層それぞれの外側に設けられたガス拡散層とを有し、少なくとも一方の電極触媒層に含有される触媒が前記燃料電池用触媒であることを特徴とする膜電極接合体である。2つの電極触媒層の内、前記本発明の燃料電池用触媒を含む電極触媒層は少なくともカソード(空気極)であることが好ましい。加えて、アノードとしても前記本発明の燃料電池用触媒を含む電極触媒層を用いることができる。
電解質膜と電極触媒層の電解質はプロトン伝導性樹脂からなり、プロトン伝導性樹脂としては、プロトン伝導性フッ素系樹脂、プロトン伝導性炭化水素系樹脂等が挙げられ、耐久性の点から、プロトン伝導性フッ素系樹脂が好ましい。プロトン伝導性樹脂のプロトン伝導性基としてはスルホン酸基が好ましい。
プロトン伝導性フッ素系樹脂としては、スルホン酸基を有する繰り返し単位とパーフルオロオレフィンに基づく繰り返し単位を有するパーフルオロスルホン酸樹脂が好ましい。特に、下記式(1)で表される繰り返し単位とテトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位を有するパーフルオロスルホン酸樹脂が好ましい。
−[CF−CF{(OCFCFX)−Op−(CF)n−SOH}]−・・・(1)
ただし、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0または1である。
プロトン伝導性炭化水素系樹脂としては、スルホン化ポリアリーレン、スルホン化ポリベンゾオキサゾール、スルホン化ポリベンゾチアゾール、スルホン化ポリベンゾイミダゾール、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリフェニレンスルホン、スルホン化ポリフェニレンオキシド、スルホン化ポリフェニレンスルホキシド、スルホン化ポリフェニレンサルファイド、スルホン化ポリフェニレンスルフィドスルホン、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルケトンケトン、スルホン化ポリイミド等が挙げられる。
プロトン伝導性樹脂のイオン交換容量は、0.5〜2.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂が好ましく、0.7〜1.6ミリ当量/グラム乾燥樹脂がより好ましい。イオン交換容量が0.5ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上であれば、固体高分子電解質膜の電気抵抗を充分に低くできる。イオン交換容量が2.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂以下であれば、樹脂の親水性が抑えられ、発電時に電解質膜が溶解することがない。
前記本発明の燃料電池用触媒と電解質とを含む電極触媒層における触媒量は、白金系金属量として0.02〜3mg/cmが好ましく、特に0.05〜0.5mg/cmが好ましい。電極触媒層は従来周知ないし公知の方法で形成できる。例えば、所定量の本発明燃料電池用触媒と電解質と溶媒を含むスラリーをシート状に成形して電極触媒層として使用できるシートにする。このシートを電解質膜やガス拡散層用シート上に形成して一体化し、他の部材と組み合わせて膜電極接合体を組み立てることができる。また、このシート単独を形成した後、このシートを電解質膜とガス拡散層用シートと積層することによって膜電極接合体を組み立てることもできる。
前記本発明の燃料電池用触媒は、活性が高くかつ耐酸化性が良好であることより、カソードの電極触媒層における触媒として適している。しかし、カソードの電極触媒層に限られず、アノードの電極触媒層における触媒としても使用できる。また、カソードとアノードの両電極触媒層における触媒としても使用できる。アノードの電極触媒層における触媒として前記本発明の燃料電池用触媒を使用しない場合は、アノードの電極触媒としては従来公知の炭素担持白金系金属触媒を使用することができる。カソードの電極触媒層における触媒として前記本発明の燃料電池用触媒を使用しない場合も同様である。
ガス拡散層の材料としては多孔質の炭素材料シートが好ましく、特に炭素繊維の不織布や織布が好ましい。ガス拡散層の材料は撥水性付与などの処理を行ったものを使用することもできる。
膜電極接合体における各層の厚さは、特に限定されるものではないが、電解質膜15〜50μm、電極触媒層(1層)5〜20μm、ガス拡散層(1層)100〜350μmが好ましい。膜電極接合体はこれら以外に他の薄膜層を有していてもよい。例えば、電極触媒層とガス拡散層の間に撥水層を設けることができる。このような薄膜層を含め、膜電極接合体全体の厚さは225〜790μmが好ましい。
膜電極接合体には、その両面にセパレータ等の燃料供給系部材や空気等の酸素供給系部材が取付けられて、燃料電池が組み立てられる。
以下、本発明を具体的な実施の形態をもって説明するが、後述する実施の形態に限定されるものではない。例1〜例10は実施例、例11〜例16は比較例である。
なお、以下の例における、金属酸化物微粒子および金属微粒子の粒子径は、前記X線解析法(以下、XRD法という)で測定した平均粒子径である。また、BET比表面積は窒素吸着法で測定した比表面積である。また以下の例に使用したパーフルオロスルホン酸樹脂は、イオン交換容量が1.2ミリ当量/グラム乾燥樹脂の、前記式(1)で表される繰り返し単位とテトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位を有する共重合体樹脂である。
(例1)
オキシ硝酸ジルコニウム6gを純水400cm、およびエタノール40cmを混合し硝酸でpH2に調整した溶液に溶解した。この溶液にカーボンブラック(ケッチェンブラック:BET比表面積800m/g)12.6gを投入し、超音波分散機を10分間使用して、オキシ硝酸ジルコニウムを純水、硝酸およびエタノールを混合した溶液と分散した。その後、さらにカーボンブラック(ケッチェンブラック:BET比表面積800m/g)を投入し、CBC(株)社製レッドデビル攪拌器で強く二日間撹拌した。次いで、アンモニア水溶液を添加し6時間撹拌した後、沈殿を水流ポンプで吸引しながら濾過した。得られた固形物を乾燥後、空気中で230℃で焼成した。得られた酸化ジルコニウム担持カーボンブラックのZr原子の担持率は9.9質量%であり、BET比表面積は524m/gであった。BET比表面積測定するために、堀場製作所社製SA−9600を用いた。また、XRD法により測定した酸化ジルコニウムの粒子径は7nmであった。 得られた酸化ジルコニウム担持カーボンブラックを担体として、ジニトロジアンミン白金を常法によりこの担体に担持し、その後200℃で還元した。得られた酸化ジルコニウムと白金を担持したカーボンブラックは、その全量に対して、白金を38.1質量%担持したものであった。XRD法により測定した白金粒子径は2.5nm、CO吸着法による金属表面積は134m/gであった。
得られた触媒粉末を回転電極に担持して、0.5M硫酸溶液中で酸素還元活性を測定した。また、触媒を担持した電極の電位をRHEを基準として、0.05V〜1.2Vの間で20回繰り返し掃引し、その後の還元活性を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
田中貴金属(株)社製TEC10E50E(50%白金担持カーボン触媒)とパーフルオロスルホン酸樹脂溶液を用いて水素極用触媒インクを調製した。一方、上記で得られた触媒とパーフルオロスルホン酸樹脂をエタノール/水の混合溶媒(質量比で1/1)中で混合撹拌し、得られる液の固形分(触媒と樹脂の合量)濃度が10質量%となるように調整し、空気極用触媒インクを調製した。
パーフルオロスルホン酸膜(膜厚20ミクロン)の両側に、これらのインクを用いた触媒層を形成した後、厚さ300μmのカーボンクロスからなるガス拡散層2枚の間に挟んで膜電極接合体を作製し、電極作用面積25cmの単セルにセットし、セル温度80℃、露点80℃で加湿した水素および空気を用い、常圧の条件でセル特性を測定した。結果を図1に示す。
(例2)
ジルコニウムエトキシドを3.3gをエタノール300cmに投入後、ケッチェンブラック7gを加え、マグネティックスターラーで4時間撹拌した。それにエタノールと等量の純水を加え、加水分解して沈殿を析出させた。濾過後、80℃で一晩乾燥した後、300℃で焼成して酸化ジルコニウム担持カーボンブラックを調製した。Zr原子の担持率は10.1質量%であり、BET比表面積は550m/gであった。これを担体として、例1と同様に41.5質量%担持した触媒を得た。この触媒粉末を回転電極に担持して、硫酸溶液中で酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。
(例3)
ジルコニウムエトキシドの代わりにジルコニウムエトキシドとチタンエトキシドの混合物(モル比で8:2)を用いる以外は例2と同様にして、担体を調製した。Zr原子とTi原子合計の担持率は12.1質量%であり、BET比表面積は530m/gであった。これを担体として例1と同様に白金を41.5質量%担持した触媒を得た。この触媒粉末を回転電極に担持して、硫酸溶液中で酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。
(例4)
ジルコニウムエトキシドの代わりにジルコニウムエトキシドとニオビウムエトキシドの混合物(モル比で8:2)を用いる以外は例2と同様にして、担体を調製した。Zr原子とNb原子合計の担持率は30.2質量%であり、BET比表面積は510m/gであった。これを担体として例1と同様に白金を42.5質量%担持した触媒を得た。この触媒粉末を回転電極に担持して、硫酸溶液中で酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。
(例5)
ジルコニウムエトキシドの代わりにジルコニウムエトキシドとタンタルエトキシドの混合物(モル比で8:2)を用いる以外は例2と同様にして、担体を調製した。Zr原子とTa原子合計の担持率は22.1質量%であり、BET比表面積は490m/gであった。これを担体として例1と同様に白金を43.3質量%担持した触媒を得た。この触媒粉末を回転電極に担持して、硫酸溶液中で酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。
(例6)
ジルコニウムエトキシドの代わりにジルコニウムエトキシドとスズエトキシドの混合物(モル比で8:2)を用いる以外は例2と同様にして、担体を調製した。Zr原子とSn原子合計の担持率は18.3質量%であり、BET比表面積は560m/gであった。これを担体として例1と同様に白金を42.4質量%担持した触媒を得た。この触媒粉末を回転電極に担持して、硫酸溶液中で酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。
(例7)
ジルコニウムエトキシドの代わりにジルコニウムエトキシドとアルミニウムエトキシドの混合物(モル比で9:1)を用いる以外は例2と同様にして、担体を調製した。ZrとAl原子合計の担持率は19.1質量%であり、BET比表面積は570m/gであった。これを担体として例1と同様に、白金を41.4質量%担持した触媒を得た。この触媒粉末を回転電極に担持して、硫酸溶液中で酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。
(例8)
ジルコニウムエトキシドの代わりにジルコニウムエトキシドとセリウムエトキシドの混合物(モル比で9:1)を用いる以外は例2と同様にして、担体を調製した。ZrとCe原子合計の担持率は20.1質量%であり、BET比表面積は565m/gであった。これを担体として例1と同様に白金を41.4質量%担持した触媒を得た。この触媒粉末を回転電極に担持して、硫酸溶液中で酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。
(例9)
白金系金属触媒原料としてジニトロジアンミン白金(硝酸溶液)と塩化コバルトを用いる以外は例1と同様にして触媒を調製した。この触媒粉末を回転電極に担持して、硫酸溶液中で酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。
(例10)
白金系金属触媒原料としてジニトロジアンミン白金(硝酸溶液)とジニトロジアンミンパラジウム(硝酸溶液)を用いる以外は実施例1と同様にして触媒を調製した。この触媒粉末を回転電極に担持して、硫酸溶液中で酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。
(例11)
例1と同じカーボンブラック(ケッチェンブラック:BET比表面積800m/g)を担体とし、金属酸化物を担持せず、ジニトロジアンミン白金(硝酸溶液)を用いて例1と同じ方法で白金を38.1質量%担持した触媒を得た。XRD法により測定した白金粒子径は2.5nm、CO吸着法による白金の比表面積は134m/gであった。この触媒粉末を回転電極に担持して、硫酸溶液中で酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。
(例12)
ケッチェンブラックを担体とする、石福金属(株)社製IFPC40−II(白金担持量40質量%)を回転電極に担持して、硫酸溶液中で酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。本触媒を用いて、膜電極接合体を例1と同様にして作製し、電流電圧曲線を測定した。結果を図1に示す。
(例13)
ケッチェンブラックを担体とする、石福金属(株)社製IFPC40−III(白金担持量40質量%)を回転電極に担持して、硫酸溶液中で酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。
(例14)
例1と同じカーボンブラック(ケッチェンブラック:BET比表面積800m/g)を担体とし、金属酸化物を担持せず、例9と同様にして白金系触媒を担持した。回転電極に担持して、硫酸溶液中で酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。
(例15)
例1と同じカーボンブラック(ケッチェンブラック:BET比表面積800m/g)を担体とし、金属酸化物を担持せず、例10と同様にして白金系触媒を担持した。回転電極に担持して、硫酸溶液中で酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。
(例16)
ケッチェンブラックへ担持したオキシ硝酸ジルコニウムの焼成を320℃で焼成する他は例1と同様にして担体を調製した。ジルコニアの粒径は34nmであった。この担体に白金を担持して、触媒を調製して、回転電極による酸素還元活性を測定したところ、表1の結果を得た。
上記触媒を用いて例1と同様にしてMEAを作製して、電圧特性を調べた。出力電圧は例1に対して低めとなり、0.1A/cmで0.78V、0.2A/cmで0.74Vであった。
Figure 2008181696
表1に単位白金系金属量当たりの電流値として質量活性を求めたものを示すように、本発明の触媒は、カーボンブラックに直接白金を担持した触媒に比較して顕著な活性向上効果が得られることが確認された。また、例12や例13の従来触媒に対して優れた電流電圧特性が得られることが確認された。
本発明の燃料電池用触媒の製造方法から作製される燃料電池用触媒は極めて高い活性を有している。したがって、本発明の燃料電池用触媒を備える固体高分子型燃料電池は、高い電流電圧特性を有し、燃料電池自動車などに使用できる。
例1および例12における膜電極接合体の電流電圧特性を示すグラフ。

Claims (12)

  1. 炭素担体に金属酸化物微粒子と白金系金属触媒微粒子とが担持された燃料電池用触媒であり、X線回折法で測定した該金属酸化物微粒子の平均粒径が20nm以下であることを特徴とする燃料電池用触媒。
  2. 前記金属酸化物微粒子の担持量が、当該金属酸化物微粒子の金属原子の量として、金属酸化物と炭素担体の合計量に対して1〜50質量%である、請求項1に記載の燃料電池用触媒。
  3. 前記金属酸化物微粒子における金属元素が、Zrからなるか、または、Ti、Y、Nb、Sn、Ta、W、Mo、V、AlおよびCeからなる群から選ばれる少なくとも1種とZrとからなる、請求項1または2に記載の燃料電池用触媒。
  4. 前記白金系金属触媒微粒子における金属元素が、Ptからなるか、または、Cr、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Re、Ir、Cu、AgおよびAuからなる群から選ばれる少なくとも1種とPtとからなる、請求項1、2または3に記載の燃料電池用触媒。
  5. 前記炭素担体がカーボンブラックである、請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用触媒。
  6. 炭素担体に金属酸化物と白金系金属触媒微粒子とを担持した燃料電池用触媒の製造方法であって、下記の工程を含む燃料電池用触媒の製造方法。
    工程1:焼成により金属酸化物となる金属化合物を炭素担体に担持し、300℃以下かつ前記金属化合物が金属酸化物となる温度で焼成する工程。
    工程2:前記工程1で得られた担体に白金系金属触媒微粒子を担持する工程。
  7. 前記金属酸化物の担持量が、当該金属酸化物の金属原子の量として、前記工程1で得られた金属酸化物担持炭素担体に対して1〜50質量%である、請求項6に記載の製造方法。
  8. 燃料電池用触媒中の前記金属酸化物が、X線回折法で測定した平均粒径が20nm以下の微粒子形状をなしている、請求項6または7に記載の製造方法。
  9. 前記金属酸化物における金属元素が、Zrからなるか、または、Ti、Y、Nb、Sn、Ta、W、Mo、V、AlおよびCeからなる群から選ばれる少なくとも1種とZrとからなる、請求項6、7または8に記載の製造方法。
  10. 前記白金系金属触媒微粒子における金属元素が、Ptからなるか、または、Cr、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Re、Ir、Cu、AgおよびAuからなる群から選ばれる少なくとも1種とPtとからなる、請求項6〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 前記炭素担体がカーボンブラックである、請求項6〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 電解質膜と、該電解質膜の両面に設けられた、電解質と触媒とを含む電極触媒層と、該電極触媒層それぞれの外側に設けられたガス拡散層とを有する、固体高分子形燃料電池の膜電極接合体において、少なくとも一方の電極触媒層に含有される触媒が請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用触媒であることを特徴とする固体高分子形燃料電池の膜電極接合体。
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