JP2008181300A - 情報処理装置、貨幣端末、及び情報処理方法 - Google Patents

情報処理装置、貨幣端末、及び情報処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子マネーカードに残高不足が生じても迅速に決済処理すること。
【解決手段】電子マネーカード6(図1)は、決済機能部52と負債機能部62を備えている。決済機能部52は、決済処理に用いるバリューの残高を記憶しており、決済機能部52は、バリュー残高を減額することにより決済処理を行う。負債機能部62は、決済機能部52で決済時にバリュー残高に不足が生じた場合に、その差額分に該当する貸し付け金額を記録する。また、負債機能部62は、負債の返済があった場合には清算処理を行う。第2種電子マネー端末8は、決済機能部52と負債機能部62にアクセスすることができ、決済時にバリュー残高が不足する場合は、不足分を負債金額として電子マネーカード6に記録して決済を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報処理装置、貨幣端末、及び情報処理方法に関し、例えば、電子マネーを流通させるものに関する。
近年の電子マネーの普及に伴い、電子マネーを用いた商取引が盛んに行われるようになってきた。
電子マネーによる商取引は、バリューと呼ばれる金銭と同等の交換価値を持つ電子データを操作して価値の移動を行うことにより行われる。
バリューは、金額を表す電子データであって、金額情報としてICチップを内蔵した電子マネーカードなどに書き込まれている。
店舗は、自店舗に設置した電子マネー端末から電子マネーカードにアクセスし、ICチップに記憶されているバリューの金額を減額することにより決済を行う。
また、電子マネー端末から電子マネーカードにアクセスし、ICチップに記憶されているバリューの金額を増額することもできる。バリューを増額する処理はチャージと呼ばれている。
チャージの場合は、電子マネーカードのユーザからチャージする金額分の金銭を徴収することにより、バリューと通貨との対応をとっている。
バリューによって決済可能な店舗は加盟店と呼ばれている。加盟店がコンビニエンスストアなどの小売店の場合は、会計場所に電子マネー端末を備えて決済を行い、加盟店が、展覧会場、コンサート会場、遊園地、有料道路、鉄道など、顧客を入場させる業種の場合は、通過ゲートに電子マネー端末を設置している。
通過ゲートに電子マネー端末を設置する場合は、ユーザが通過の際に電子マネー端末に電子マネーカードをかざすなどして、決済を行う。
通過ゲートは、例えば、扉を備えており、決済の際にバリュー残高が不足する場合は、扉を閉じてユーザに残高不足を通知するなどする。
このように、電子マネーカードに記憶されているバリューを用いて決済を行う技術としては、例えば、次のサービス提供方法がある。この技術は、ICカードに予め記憶したバリューを用いてサービスの対価を支払うものである。
特開2000−250994公報
電子マネーカードに記憶されている残高が決済金額に満たない場合は、ユーザに差額を精算してもらう必要がある。
小売店などでは、電子マネー端末で担当者が顧客対応を行っているため、電子マネーカードに残高不足が生じた場合でも迅速な対応ができ、特に問題は生じない。
しかし、通過ゲートなどで決済を行う場合、次々と通過する顧客の決済処理を迅速に行わなければならず、電子マネーの残高不足でゲートの扉が閉じるなどすると、顧客の列の進行が乱れたり、時間的に逼迫している顧客の迷惑になるなど、顧客の利便性に影響があった。
そこで、本発明の目的は、電子マネーカードに残高不足が生じても迅速に決済処理することである。
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、決済に用いることができる貨幣価値の残高を記憶する残高記憶手段と、負債金額を記憶する負債金額記憶手段と、を備えた貨幣端末に対して、前記貨幣端末が、前記残高を変更するための残高変更情報と、前記負債金額を変更するための負債変更情報と、を送信する情報処理装置であって、前記貨幣端末で決済する決済金額を取得する決済金額取得手段と、前記貨幣端末から、残高記憶手段で記憶している残高を取得する残高取得手段と、前記取得した決済金額が前記取得した残高以下の場合、前記記憶している残高から決済金額を減額する残高変更情報を前記貨幣端末に送信し、前記取得した決済金額が前記取得した残高よりも大きい場合、前記記憶している残高の全額を減額する残高変更情報と、前記決済金額と前記残高の差額分を負債金額として増額させる負債変更情報と、を前記貨幣端末に送信する変更情報送信手段と、を具備したことを特徴とする情報処理装置を提供する。
請求項2に記載の発明では、前記貨幣端末から、負債金額記憶手段で記憶している負債金額を取得する負債金額取得手段を具備したことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置を提供する。
請求項3に記載の発明では、前記負債金額記憶手段が記憶する負債金額には所定の上限金額が規定されており、前記変更情報送信手段は、前記取得した残高と、前記取得した負債金額と前記上限金額との差分と、の合計金額よりも、前記取得した決済金額が大きい場合に、前記残高変更情報と前記負債変更情報の送信を行わないことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置を提供する。
請求項4に記載の発明では、前記貨幣端末が記憶する貨幣価値を増額する増額金額を取得する増額金額取得手段を具備し、前記変更情報送信手段は、前記増額金額から前記負債金額記憶手段に記憶されている負債金額を控除した金額を増額する残高変更情報と、前記控除した金額を減額する負債変更情報と、を前記貨幣端末に送信することを特徴とする請求項2、又は請求項3に記載の情報処理装置を提供する。
請求項5に記載の発明では、決済に用いることができる貨幣価値の残高を記憶する残高記憶手段と、負債金額を記憶する負債金額記憶手段と、を備えた貨幣端末に対して、前記貨幣端末が、前記残高を変更するための残高変更情報と、前記負債金額を変更するための負債変更情報と、を送信する情報処理装置であって、前記貨幣端末が記憶する貨幣価値を増額する増額金額を取得する増額金額取得手段と、前記貨幣端末から、負債金額記憶手段で記憶している負債金額を取得する負債金額取得手段と、前記取得した増額金額から前記取得した負債金額を控除した金額を増額する残高変更情報と、前記控除した金額を減額する負債変更情報と、を前記貨幣端末に送信する変更情報送信手段と、を具備したことを特徴とする情報処理装置を提供する。
請求項6に記載の発明では、記憶している貨幣価値の残高の減額と、記憶している負債金額の増額と、によって決済可能な貨幣端末であって、貨幣価値の残高を電子データとして記憶する残高記憶手段と、情報処理装置から残高変更情報を受信する残高変更情報受信手段と、前記受信した残高変更情報を用いて前記記憶した残高を変更する残高変更手段と、負債金額を電子データとして記憶する負債金額記憶手段と、情報処理装置から負債変更情報を受信する負債変更情報受信手段と、前記受信した負債変更情報を用いて前記記憶した負債金額を変更する負債変更手段と、を具備したことを特徴とする貨幣端末を提供する。
請求項7に記載の発明では、決済に用いることができる貨幣価値の残高を記憶する残高記憶手段と、負債金額を記憶する負債金額記憶手段と、を備えた貨幣端末に対して、前記貨幣端末が、前記残高を変更するための残高変更情報と、前記負債金額を変更するための負債変更情報と、を送信する情報処理装置が行う情報処理方法であって、前記情報処理装置は、決済金額取得手段と、残高取得手段と、変更情報送信手段と、を備え、前記決済金額取得手段で、前記貨幣端末で決済する決済金額を取得する決済金額取得ステップと、前記残高取得手段で、前記貨幣端末から、残高記憶手段で記憶している残高を取得する残高取得ステップと、前記変更情報送信手段で、前記取得した決済金額が前記取得した残高以下の場合、前記記憶している残高から決済金額を減額する残高変更情報を前記貨幣端末に送信し、前記取得した決済金額が前記取得した残高よりも大きい場合、前記記憶している残高の全額を減額する残高変更情報と、前記決済金額と前記残高の差額分を負債金額として増額させる負債変更情報と、を前記貨幣端末に送信する変更情報送信ステップと、から構成されたことを特徴とする情報処理方法を提供する。
本発明によれば、残高不足時に不足分を貸し付けることにより電子マネーカードに残高不足が生じても迅速に決済処理することができる。
(1)実施の形態の概要
電子マネーカード6(図1)は、決済機能部52と負債機能部62を備えている。
決済機能部52は、決済処理に用いるバリューの残高を記憶しており、決済機能部52は、バリュー残高を減額することにより決済処理を行う。
負債機能部62は、決済機能部52で決済時にバリュー残高に不足が生じた場合に、その差額分に該当する貸し付け金額を記録する。また、負債機能部62は、負債の返済があった場合には精算処理を行う。
一方、電子マネーカード6にアクセスして決済する電子マネー端末には、小売店などに設置された第1種電子マネー端末9と、通過ゲートなどに設置された第2種電子マネー端末8が存在する。
第1種電子マネー端末9は、決済機能部52にのみアクセスすることができ、決済時にバリュー残高が不足する場合は、決済処理を中止する。
これに対し、第2種電子マネー端末8は、決済機能部52と負債機能部62にアクセスすることができ、決済時にバリュー残高が不足する場合は、不足分を負債金額として電子マネーカード6に記録して決済を行う。
このように、第2種電子マネー端末8は、電子マネーカード6のバリュー残高が不足する場合でも、ユーザにとりあえず負債によって与信を与えることにより決済を行い、ユーザの移動の滞りを防ぐことができる。
一方、チャージに関しては、第2種電子マネー端末8は、決済機能部52と負債機能部62にアクセスすることができ、負債機能部62に負債金額が記憶されている場合(即ち、ユーザが負債を負っている場合)は、まず、負債機能部62の負債金額を精算してから、チャージ金額から負債金額を控除した金額を決済機能部52にチャージする。
第1種電子マネー端末9のチャージを行う機能に関しては、負債機能部62にアクセスする機能を有するように構成することも可能であるし、あるいは、負債機能部62にアクセスする機能を有さないように構成することも可能である。
(2)実施の形態の詳細
図2は、本実施の形態のシステム構成を説明するための図である。
本実施の形態の電子マネーシステム1は、電子マネーサーバ2、第1種電子マネー端末9、第2種電子マネー端末8、電子マネーカード6などを用いて構成されている。
第1種電子マネー端末9は、例えば、小売店など、電子マネーカード6の残高不足の対応に迅速性を必ずしも要しない加盟店に設置されている。
第1種電子マネー端末9は、ネットワークによって電子マネーサーバ2に接続可能となっており、例えば、1日1回程度、電子マネーカード6との処理内容を記録した利用ログデータを電子マネーサーバ2に送信する。
第2種電子マネー端末8は、例えば、コンサート会場の通過ゲートなど、電子マネーカード6の残高不足の対応に迅速性を要する加盟店に設置されている。
第2種電子マネー端末8は、ネットワークによって電子マネーサーバ2に接続可能となっており、例えば、1日1回程度、電子マネーカード6との処理内容を記録した利用ログデータを電子マネーサーバ2に送信する。図では、小売店と会場を1ずつのみ示しているが、これは複数存在している。
なお、以下では、第1種電子マネー端末9と第2種電子マネー端末8を特に区別しない場合は単に電子マネー端末と記す。
図3は、電子マネーカード6のハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
電子マネーカード6は、CPU(Central Processing Unit)21、高周波回路22、アンテナ26、ROM(Read Only Memory)23、RAM(Random Access Memory)24、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)25などを有している。
これらの素子は、ICチップ上に形成されている。ただし、アンテナ26は、電子マネーカード6内部の外縁部付近、又は電子マネーカード6の対角線を軸とする楕円曲線上に張り巡らされた空中線により構成され、端部がICチップに接続されている。
CPU21は、ROM23やEEPROM25に記憶されている各種プログラムに従って情報処理を行う中央処理装置である。
また、CPU21は、アンテナ26、高周波回路22を介して、電子マネー端末と近距離の無線通信を行うことができる。
アンテナ26は、電子マネー端末のリーダライタに内蔵されたアンテナと近距離の無線通信を行うためのアンテナである。
また、アンテナ26は、リーダライタからの電波によりICチップを駆動するための電力を発電する。
高周波回路22は、リーダライタからアンテナ26に送信されてきた高周波をデジタル信号に変換してCPU21に出力したり、逆にCPU21が出力したデジタル信号を高周波に変換してアンテナ26からリーダライタに送出する。
RAM24は、CPU21が情報処理を行う際のワーキングメモリを提供する随時書き込み読み出し可能なメモリである。
RAM24は、電子マネーカード6に電力が供給されている間、記憶内容を保持することができるが、電力の供給が止まると記憶内容は失われる。
ROM23は、電子マネーカード6を機能させるための基本的なプログラムやパラメータ、データなどを記憶した読み出し専用メモリである。
EEPROM25は、情報を書き込んだり消去したりが可能なROMである。EEPROM25に記憶してある情報は、電子マネーカード6への電力の供給がない場合でも保たれる。
EEPROM25には、決済領域51と負債領域61が形成されている。
決済領域51には、電子マネーカード6にバリューによる決済処理機能を発揮させるバリュー処理プログラムと、決済機能部ID(後述)やバリュー残高などを記憶したバリュー記憶部55が形成されている。
また、負債領域61には、電子マネーカード6に負債金額を処理する機能を発揮させる負債金額処理プログラムと、負債機能部ID(後述)や負債金額などを記憶した負債記憶部65が形成されている。
ここで、バリューや負債金額には、運用事業体などを識別する属性を付随させることもでき、バリューの運用事業体と負債金額の運用事業体を同じ事業体とすることもできるし、異なる事業体とすることもできる。
バリューと負債金額を別の運用事業体が運用する場合、例えば、バリューの運用事業体をA社とし、負債金額の運用事業体をB社とし、負債金額分をB社がA社に建て替えておき、ユーザから負債の返済があった場合、A社はこれに利息を付けてB社に支払うといったビジネス形態も可能である。
このビジネス形態では、貸し倒れリスクをB社が負担し、その負担料をA社がB社に支払っている。
電子マネー端末は、バリュー残高を処理する場合は、CPU21にコマンドを送信してバリュー処理プログラムを起動させ、負債金額を処理する場合は、CPU21にコマンドを送信して負債金額処理プログラムを起動させるようになっている。
なお、本実施の形態では、電子マネーカード6を非接触型ICカードで構成したが、接触型ICカードを用いて電子マネーカード6を構成してもよい。
図4は、電子マネーカード6に決済機能部52と負債機能部62が形成されたところを模式的に示した図である。
決済機能部52は、電子マネー端末からのコマンドによりCPU21がバリュー処理プログラムを実行することにより形成され、負債機能部62は、電子マネー端末からのコマンドによりCPU21が負債金額処理プログラムを実行することにより形成される。
本実施の形態では、CPU21は、電子マネー端末からの指令によって、バリュー処理プログラムと負債金額処理プログラムを択一的に実行するが、これらを同時に実行するように構成することも可能である。
まず、決済機能部52について説明する。
決済機能部52は、端末通信部53、バリュー処理部54、及びバリュー記憶部55などから構成されている。
上に説明したように、バリュー記憶部55は、EEPROM25の決済領域51(図3)に形成されており、決済機能部ID、バリュー残高などを記憶している。
決済機能部IDは、決済機能部52に一意に付与したID情報であり、これによって、電子マネーシステム1は、電子マネーカード6及び決済機能部52を特定することができる。
バリュー残高は、決済機能部52で記憶しているバリューの金額であり、決済機能部52は、この残高分だけ決済能力がある。
通常、電子マネーカード6は、バリュー残高が0円の状態でユーザに発行され、ユーザが代金を払って電子マネー端末にてチャージを行うようになっている。
以上のように、バリュー記憶部55は、決済に用いることができる貨幣価値の残高を記憶する残高記憶手段として機能している。
端末通信部53は、電子マネー端末とバリュー処理部54の通信を仲介する機能部であって、電子マネー端末のリーダライタ部から各種コマンド等を受信してバリュー処理部54に入力すると共に、バリュー処理部54から出力された情報をリーダライタ部に送信する。
バリュー処理部54は、電子マネー端末から送信されてきたコマンドを実行する情報処理部である。
コマンドには、金額変更情報、ID参照コマンド、金額参照コマンドなどがある。
金額変更情報は、バリュー処理部54に、金額変更情報で指定されている金額分だけバリュー記憶部55に記憶されているバリューの残高を増減させるコマンドであり、残高変更情報として機能している。そして、バリュー処理部54は、残高を変更する残高変更手段としての機能を有している。
なお、金額変更情報は、負債機能部62に対して負債金額を増減するコマンドとしても使用されるが、この場合は、金額変更情報は負債変更情報として機能している。
金額変更情報は、例えば、次に述べる加算コマンド、減算コマンド、上書きコマンドなどにより構成することができる。
加算コマンドは、バリュー処理部54に、バリュー記憶部55に記憶されたバリュー残高を加算コマンドに付随するパラメータで指定される金額分だけ増額させるコマンドである。
一方、減算コマンドは、バリュー処理部54に、バリュー記憶部55に記憶された金額を減算コマンドに付随するパラメータで指定される金額分だけ減額させるコマンドである。
例えば、バリュー記憶部55に記憶されたバリュー残高が5000円で決済金額が1000円の場合、電子マネー端末は、1000円を減額する減算コマンドを生成して端末通信部53に送信する。そして、バリュー処理部54がこの減算コマンドを実行して、バリュー記憶部55に記憶しているバリュー残高を5000円−1000円=4000円に更新する。
上書きコマンドは、バリュー処理部54に、バリュー記憶部55に記憶された金額を上書きコマンドに付随するパラメータで指定される金額で上書きさせるコマンドである。
金額変更情報として上書きコマンドを使用する場合は、加減算後のバリュー残高は電子マネー端末が計算し、この金額でバリュー処理部54にバリュー記憶部55のバリュー残高を上書きさせる。
例えば、バリュー記憶部55に記憶されたバリュー残高が5000円で決済金額が1000円の場合を考える。
電子マネー端末は、電子マネーカード6から現在のバリュー残高5000円を読み取り、決済後の残高5000円−1000円=4000円を計算する。そして、電子マネー端末は、バリューの残高を4000円に上書きさせる上書きコマンドを生成して端末通信部53に送信する。そして、バリュー処理部54がこの上書きコマンドを実行して、バリュー記憶部55が記憶しているバリューの残高を4000円に更新する。
電子マネー端末は、以上に説明した加減算コマンドを用いるように構成してもよいし、又は上書きコマンドを用いるよう構成してもよい。
あるいは、加減算コマンドと上書きコマンドを組み合わせることも可能である。
例えば、チャージには加算コマンドを用い、決済には上書きコマンドを用いたり、あるいはチャージに上書きコマンドを用い、決済には減算コマンドを用いることができる。
ID参照コマンドは、バリュー処理部54に決済機能部IDを読み出させるコマンドであり、バリュー処理部54は、ID参照コマンドが入力されると、バリュー記憶部55から決済機能部IDを読み出して出力する。
金額参照コマンドは、バリュー処理部54にバリュー残高を読み出させるコマンドであり、バリュー処理部54は金額参照コマンドが入力されるとバリュー記憶部55からバリュー残高を読み出して出力する。
次に、負債機能部62について説明する。
負債機能部62は、端末通信部63、負債金額処理部64、及び負債記憶部65などから構成されている。
負債記憶部65は、EEPROM25の負債領域61(図3)に形成されており、負債機能部ID、負債金額などを記憶している。
負債機能部IDは、負債機能部62に一意に付与したID情報であり、これによって、電子マネーシステム1は、電子マネーカード6及び負債機能部62を特定することができる。
負債金額は、負債機能部62で記憶している負債の金額であり、ユーザは、この金額だけ負債を負っている。
通常、電子マネーカード6は、負債金額が0円の状態でユーザに発行され、決済時にバリュー残高が不足すると、電子マネー端末が不足分を負債金額として負債記憶部65に記憶させる。
以上のように、負債記憶部65は、負債金額を電子データとして記憶する負債金額記憶手段として機能している。
端末通信部63は、電子マネー端末と負債金額処理部64の通信を仲介する機能部であって、電子マネー端末のリーダライタ部から各種コマンド等を受信して負債金額処理部64に入力すると共に、負債金額処理部64から出力された情報をリーダライタ部に送信する。
負債金額処理部64は、電子マネー端末から送信されてきたコマンドを実行する情報処理部である。
負債金額処理部64が実行するコマンドは、バリュー処理部54が実行するコマンドと同じであって、金額変更情報、ID参照コマンド、金額参照コマンドなどがある。
負債金額処理部64は、金額変更情報を用いて、金額変更情報で指定されている金額分だけ負債記憶部65に記憶されている負債金額を増減させる。
これによって、電子マネー端末は、ユーザに負債を負わす場合は、金額変更情報を用いて残高不足分だけ負債金額を増額し、負債を精算する場合は、金額変更情報を用いて負債金額を減額する。
このように、負債金額処理部64は、負債変更手段としての機能を有している。
また、負債金額処理部64は、ID参照コマンドが入力されると、負債記憶部65から負債機能部IDを読み出して出力し、金額参照コマンドが入力されると、負債記憶部65から負債金額を読み出して出力する。
なお、負債記憶部65が記憶する負債金額には上限値(即ち、与信の限度額)が設けられており、電子マネー端末は、この上限値に達するまで、負債機能部62に負債金額を増額させることができる。
以上のように、決済機能部52と負債機能部62は、金額情報(決済機能部52ではバリュー残高、負債機能部62では負債金額)を記憶してこれを増減する点で動作が同じであり、また、金額情報の残高やID情報を参照する点においても動作が同じであるため、本実施の形態では決済機能部52と負債機能部62を動作させるコマンドを共通とした。
なお、決済機能部52用のコマンドと、負債機能部62用のコマンドを別の構成とすることも可能である。
また、本実施の形態では、電子マネー端末が、バリュー記憶部55と負債記憶部65に記憶してあるバリュー残高と負債金額が上限値を超えないように管理するが、電子マネーカード6がこのような管理を行うように構成することもできる。
即ち、電子マネー端末が上限値を管理する場合は、電子マネー端末が電子マネーカード6のバリュー残高や負債金額が上限値を超えるか否かを判断し、上限値を超える場合はアラームを発するなどして処理を中止するが、電子マネーカード6が管理する場合は、バリュー残高や負債金額が上限値を超える場合、電子マネーカード6が電子マネー端末にアラームを発し、処理を中止させる。
以上のように、電子マネーカード6に内蔵されているICチップは、残高記憶手段と、負債金額記憶手段を備えた貨幣端末として機能している。
図5は、第2種電子マネー端末8のハードウェア的な構成の一例を示した図である。
第2種電子マネー端末8は、CPU31、ROM33、RAM34、通信制御部35、記憶部36、入力部37、出力部38、リーダライタ部39などがバスラインで接続されて構成されており、金額変更情報送信装置として機能する。
CPU31は、所定のプログラムに従って情報処理を行う他、第2種電子マネー端末8全体の制御などを行う。
本実施の形態では、CPU31は、決済金額がバリュー残高以下の場合は、バリューによって決済処理を行い、決済金額がバリュー残高よりも大きく、バリュー残高と負債として記録可能な金額(負債金額の上限値から現在の負債金額を減じた金額であり、以下、負債可能金額と記す)の合計値以下の場合は、バリュー残高の全額と、負債金額によって決済処理を行い、決済金額がバリュー残高と負債として記録可能な金額の合計値より大きい場合は、決済処理を中止する。
また、CPU31は、電子マネーカード6に対してチャージを行う場合、まず、電子マネーカード6に負債金額の精算処理を行わせてから、バリュー残高の増額を行う。
即ち、CPU31は、電子マネーカード6にチャージを行う場合、チャージする金額を負債機能部62の負債返済に優先的に割り当てていく。
ROM33は、第2種電子マネー端末8を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどを記憶した読み出し専用メモリである。
RAM34は、CPU31のワーキングメモリを提供したり、記憶部36に記憶されたプログラムやデータをロードして記憶したりなどする随時書き込み読み出し可能なメモリである。
通信制御部35は、ネットワークを介して第2種電子マネー端末8を電子マネーサーバ2に接続する接続装置である。
第2種電子マネー端末8は、通信制御部35を介して利用ログデータを電子マネーサーバ2に送信する。
記憶部36は、例えばハードディスクやその他の記憶媒体と、これらを駆動する駆動装置から構成されており、各種プログラムを格納したプログラム格納部42、データを格納したデータ格納部44などから構成されている。
プログラム格納部42には、第2種電子マネー端末8を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、電子マネーカード6にアクセスして決済やチャージを行ったり、利用ログデータを電子マネーサーバ2に送信したりするためのプログラムなどが記憶されている。
データ格納部44には、負債金額の上限値や、電子マネーカード6との取引履歴である利用ログデータなどを記憶している。この利用ログデータは、バッチ処理にて電子マネーサーバ2に送信される。
入力部37は、通過ゲートの制御装置など、周辺装置とのインターフェースに接続されており、周辺装置からの入力を受け付ける。
出力部38は、通過ゲートの制御装置など、周辺装置とのインターフェースに接続されており、例えば、決済の完了を周辺装置に通知したりする。
第2種電子マネー端末8は、入力部37や出力部38を介して通過ゲートの制御装置と通信し、通過ゲートと一体となって動作することができる。
リーダライタ部39は、電子マネーカード6の決済機能部52や負債機能部62と無線通信を行う。
以上、第2種電子マネー端末8のハードウェア的な構成について説明したが、第1種電子マネー端末9のハードウェア的な構成も第2種電子マネー端末8と同じである。
第1種電子マネー端末9は、決済の際に負債機能部62を使用しない点で第2種電子マネー端末8と機能的に一部異なる。この違いは、プログラム格納部42に記憶されているプログラムによるものである。
なお、チャージに関しては、第1種電子マネー端末9は、負債機能部62を使用するように構成することも可能であるし、あるいは、負債機能部62を使用しないように構成することも可能である。
次に、電子マネーカード6の別の形態について説明する。
近年の携帯電話ユーザの増加に伴い、電子マネーカード6に埋め込んだICチップと同様のICチップを携帯電話に組み込んで、携帯電話を電子マネーカード6と同様に使用することが行われている。
携帯電話に組み込まれたICチップに関しても決済領域と負債領域を形成することにより電子マネーカード6と同様に使用することができる。
図6は、このようなICチップを組み込んだ携帯電話の機能的な構成の一例を示した概念図である。
携帯電話7は、電話機能部10とICチップ12を備えており、両者はインターフェース部11によって接続している。
ICチップ12は、電子マネーカード6に組み込まれているICチップと同様のICチップであり、決済機能部52と負債機能部62の両機能を実現することができる。
電話機能部10は、通話機能を有する他、CPUと、各種のアプリケーションプログラムを記憶した記憶部を備えており、アプリケーションプログラムをCPUで実行することにより電子マネーアプリケーション部15を形成することができる。
電子マネーアプリケーション部15は、電子マネーサーバ2とICチップ12の両方にアクセスすることができ、電子マネーサーバ2とICチップ12の通信を仲介することができる。
このため、携帯電話7は、電子マネーサーバ2から金額変更情報や各種コマンドを受信してICチップ12に入力し、ICチップ12にチャージ、決済などの各機能を行わせることができる。
また、電子マネーアプリケーション部15は、ICチップ12に記憶されているバリュー残高や負債金額を携帯電話7のディスプレイに表示したり、あるいは、決済機能部IDや負債機能部IDをICチップ12から読み出してディスプレイに表示したりなど、ユーザ向けの各種機能を発揮することもできる。
ICチップ12は、インターフェース部11によって電子マネーアプリケーション部15と接続している。
ICチップ12には、電子マネーカード6と同様に、ICチップ内で、EEPROMに記憶されたバリュー処理プログラムや負債金額処理プログラムをCPUが実行することにより、決済機能部52や負債機能部62などが形成される。これらの機能は、図4の電子マネーカード6の場合と同様である。
以上のように構成された携帯電話7は、電子マネーカード6と同様に電子マネー端末のリーダライタに近接させることにより、バリュー残高などでの決済を行うことができる。
即ち、第1種電子マネー端末9の場合は、バリュー残高による決済を行うことができ、第2種電子マネー端末8の場合は、バリュー残高と負債金額による決済を行うことができる。
そして、電子マネー端末8でチャージを行う場合は、チャージする金額が負債金額の精算に優先的に割り当てられる。
また、第1種電子マネー端末9でチャージを行う場合は、第1種電子マネー端末9が負債機能部62にアクセスする機能を有する場合は、第2種電子マネー端末8と同様に負債金額の精算を優先的に行ってからチャージを行い、負債機能部62にアクセスする機能を有しない場合は、精算処理を行わずにチャージを行う。
また、携帯電話7は、電子マネーサーバ2と通信して決済とチャージを行うこともできるが、電子マネーサーバ2は、第1種電子マネー端末9と同様に、決済とチャージを行う。
なお、電子マネーサーバ2を第2種電子マネー端末8と同様に決済とチャージを行うように構成してもよい。
次に、以上のように構成された電子マネーカード6が、第2種電子マネー端末8と共に決済処理を行う手順について説明する。
図7は、電子マネーカード6と第2種電子マネー端末8が決済処理を行う手順を説明するフローチャートである。
以下の処理は、電子マネーカード6のCPU21と第2種電子マネー端末8のCPU31が所定のプログラムに従って行うものである。
まず、第2種電子マネー端末8は、周辺装置などから決済する金額と共に決済要求を受け付ける(決済金額取得手段)(ステップ5)。これは、例えば、第2種電子マネー端末8が通過ゲートに設置されている場合、通過ゲートのセンサがユーザの通過を検知して、通過ゲートの制御装置が第2種電子マネー端末8に対して所定の金額のバリューを決済するように要求することにより行われる。
次に、ユーザが電子マネーカード6を第2種電子マネー端末8のリーダライタ部39に近接させ、第2種電子マネー端末8は、これを検知して決済処理を開始する。
まず、第2種電子マネー端末8は、電子マネーカード6に決済機能部52を起動させた後、決済機能部52に金額参照コマンドを送信し、決済機能部52に対して現在のバリュー残高の送信を要求する(ステップ10)。
決済機能部52は、金額参照コマンドを受信してこれを実行し、バリュー記憶部55からバリュー残高を読み出して第2種電子マネー端末8に送信する(ステップ15)。
第2種電子マネー端末8は、決済機能部52からバリュー残高を受信し(残高取得手段)、これを決済金額と比較してバリュー残高で決済可能か否かを判断する(ステップ20)。
決済金額がバリュー残高以下の場合、第2種電子マネー端末8は、バリュー残高で決済可能であると判断し(ステップ20;Y)、バリュー残高による決済処理を行う(ステップ40)。
決済金額が、バリュー残高よりも大きい場合、第2種電子マネー端末8は、バリュー残高による決済が不可であると判断する(ステップ20;N)。
この場合、第2種電子マネー端末8は、電子マネーカード6に負債機能部62を起動させた後、負債機能部62に金額参照コマンドを送信し、負債機能部62に対して負債金額の送信を要求する(ステップ25)。
負債金額処理部64は、第2種電子マネー端末8から金額参照コマンドを受信してこれを実行し、負債記憶部65から負債金額を読み出して第2種電子マネー端末8に送信する(ステップ30)。
第2種電子マネー端末8は、負債機能部62から負債金額を受信し(負債金額取得手段)、負債金額の上限値から負債金額を減算して負債可能金額を算出する。
そして、第2種電子マネー端末8は、バリュー残高と負債可能金額の合計値と決済金額と比較してバリュー残高と負債可能金額の合計値で決済可能か否かを判断する(ステップ35)。
第2種電子マネー端末8は、決済金額がバリュー残高と負債可能金額の合計値以下の場合、バリュー残高と負債可能金額で決済可能であると判断し(ステップ35;Y)、バリュー残高と負債金額による決済処理を行う(ステップ40)。
決済金額が、バリュー残高と負債可能金額の合計値よりも大きい場合、第2種電子マネー端末8は、バリュー残高と負債可能金額の合計値による決済が不可であると判断し(ステップ35;N)、アラームを発するなどして決済処理を中止する。
このように、負債記憶部65が記憶する負債金額には第2種電子マネー端末8によって所定の上限金額が規定されており、第2種電子マネー端末8の変更情報送信手段は、電子マネーカード6から取得した残高と、電子マネーカード6から取得した負債金額と前記上限金額との差分と、の合計金額よりも、決済金額が大きい場合に、残高変更情報と負債変更情報の送信を行わない。
図8は、バリュー残高で決済可能である場合に(ステップ20;Y)、ステップ40で行う決済処理を説明するためのフローチャートである。
第2種電子マネー端末8は、決済金額分のバリューを減額する金額変更情報(残高変更情報に該当)を生成し、決済機能部52に送信する(変更情報送信手段)(ステップ50)。
決済機能部52は、この金額変更情報を受信して実行し、バリュー残高を決済金額分だけ減額して決済処理を行う(ステップ55)。これによって、決済処理が完了する。
このように、第2種電子マネー端末8は、決済金額が電子マネーカード6から取得したバリュー残高以下の場合、電子マネーカード6が記憶しているバリュー残高から決済金額を減額する残高変更情報を前記貨幣端末に送信する変更情報送信手段を備えている。
図9は、バリュー残高と負債可能金額の合計値で決済可能である場合に(ステップ35;Y)、ステップ40で行う決済処理を説明するためのフローチャートである。
第2種電子マネー端末8は、電子マネーカード6に決済機能部52を起動させた後、バリュー残高全額分を減額する金額変更情報(残高変更情報に該当)を生成して決済機能部52に送信する(ステップ70)。
決済機能部52は、第2種電子マネー端末8から金額変更情報を受信してこれを用いて決済処理し、バリュー残高を減額してバリュー残高分の決済処理を行う(ステップ75)。
これによりバリュー残高は0円となる。このように、第2種電子マネー端末8は、バリュー残高と負債によって決済を行う場合は、バリュー残高から優先的に決済する。
次に、第2種電子マネー端末8は、電子マネーカード6に負債機能部62を起動させた後、決済金額とバリュー残高との差額分を計算し、当該差額分を減額する金額変更情報(負債変更情報に該当)を生成して負債機能部62に送信する(ステップ80)。
負債機能部62は、第2種電子マネー端末8から金額変更情報を受信してこれを用いて決済処理し、負債金額を差額分だけ増額する(ステップ85)。
このようにして、第2種電子マネー端末8は、バリュー残高が決済金額に不足する場合に、これを負債とすることにより決済を行うことができる。
本実施の形態では、バリュー残高から優先的に決済したが、これに限定するものではなく、バリュー残高の減額分と負債金額の増額分の合計値が決済金額となればよい。
以上のように、第2種電子マネー端末8は、決済金額が電子マネーカード6から取得したバリュー残高よりも大きい場合、電子マネーカード6で記憶しているバリュー残高の全額を減額する残高変更情報と、当該決済金額とバリュー残高の差額分を負債金額として電子マネーカード6に増額させる負債変更情報と、を電子マネーカード6に送信する変更情報送信手段を備えている。
次に、電子マネーカード6が第1種電子マネー端末9と共に決済処理を行う手順について説明する。
第1種電子マネー端末9の場合は、図7のステップ5、ステップ10、及びステップ15は同じであるが、バリュー残高よりも決済金額が大きく、バリュー残高での決済が不可であると判断した場合は(ステップ20;N)、アラームを発するなどして決済処理を中止する。
このように、第1種電子マネー端末9は、決済機能部52が行う処理の範囲で決済処理を行う。
次に、図10のフローチャートを用いて電子マネー端末が電子マネーカード6にチャージする手順を説明する。
以下の、チャージ処理は、第1種電子マネー端末9が負債機能部62にアクセスする機能を有する場合は、第1種電子マネー端末9と第2種電子マネー端末8に共通であり、第1種電子マネー端末9が負債機能部62にアクセスする機能を有しない場合は、第2種電子マネー端末8が行うものである。
電子マネー端末には、担当者がユーザから現金を受け取って操作することによりチャージを行うものや、現金投入口からユーザが投入した金額をチャージするものなどがある。
このようにして電子マネー端末は、担当者の操作やチャージするための現金の通過の検知などによって、周辺装置などからチャージする金額と共にチャージ要求を受け付ける(増額金額取得手段)(ステップ105)。
次に、電子マネー端末は、電子マネーカード6に負債機能部62を起動させた後、負債機能部62に金額参照コマンドを送信し、負債機能部62に現在の負債金額の送信を要求する(ステップ110)。
これに対し、負債機能部62は、負債記憶部65から負債金額を読み出して電子マネー端末に送信する(ステップ115)。
電子マネー端末は、負債機能部62から負債金額を受信して、負債金額が0円であるか否かを判断する(ステップ120)。
負債金額が0円である場合(即ち、負債が無い場合)(ステップ120;Y、)、電子マネー端末は、電子マネーカード6に決済機能部52を起動させた後、チャージ分の金額変更情報を生成して決済機能部52に送信する(ステップ135)。
そして、決済機能部52は、この金額変更情報を受信してチャージ処理を行い、バリュー残高を増額する(ステップ140)。
一方、負債金額が0円でない場合(即ち、負債がある場合)(ステップ120;N)、電子マネー端末は、チャージする金額の範囲内で負債を最大限精算できる金額を減額する金額変更情報を生成して負債機能部62に送信する(ステップ125)。
負債機能部62は、電子マネー端末から金額変更情報を受信してこれを実行し、負債金額を精算する(ステップ130)。
この精算処理によって、チャージする金額が負債金額以上である場合、負債金額は0円となり、また、チャージする金額が負債金額未満である場合は、チャージする金額分だけ負債金額が減額される。
次に、電子マネー端末は、チャージする金額と負債機能部62が減額した負債金額との差額を計算する。
そして、電子マネーカード6に決済機能部52を起動させた後、電子マネー端末は、この差額分(即ち、チャージする金額から負債金額を精算した金額を控除した金額分)を増額する金額変更情報を生成して決済機能部52に送信する(ステップ135)。
決済機能部52は、この金額変更情報を受信してチャージ処理を行い、バリュー残高を増額する(ステップ140)。
このように、第2種電子マネー端末8は、チャージする金額(増額金額)から電子マネーカード6が記憶している負債金額を控除した金額を増額する残高変更情報と、当該控除した金額を電子マネーカード6が記憶している負債金額から減額する負債変更情報と、を電子マネーカード6に送信する変更情報送信手段を備えている。
以上のようにして、電子マネー端末は、負債金額から優先的にチャージを行うことができる。このため、負債金額が消費された場合も迅速に回復することができる。
なお、電子マネーカード6は、負債機能部62にチャージした場合は、ユーザがチャージを要求した金額よりも、決済機能部52に増額された金額が少ないことユーザに通知するようになっている。
以上の説明では、電子マネーカード6に決済機能部52と負債機能部62を形成したが、単一の電子マネー機能部に2つのバリュー残高を持たせる構成とすることも可能である。
例えば、図11は、電子マネーカード70に埋め込んだICチップに、端末通信部71とバリュー処理部72を形成し、これに、バリュー記憶部55と負債記憶部65を接続した場合を示している。
この場合、第2種電子マネー端末8は、コマンドにバリュー記憶部55と負債記憶部65を識別するパラメータを付属させておき、バリュー処理部72は、このパラメータに従って、バリュー記憶部55と負債記憶部65を個別に処理する。
これによって、第2種電子マネー端末8は、バリュー処理部72にバリュー記憶部55と負債記憶部65を選択的に処理させることが可能となり、バリュー残高で残高が不足する場合に、負債金額を記録することにより決済処理を行うことができる。
以上に説明した本実施の形態により次のような効果を得ることができる。
(1)電子マネーカード6に負債機能部62を備えることにより、バリュー残高が不足した場合に負債金額を記録することにより迅速に決済処理を行うことができる。
(2)負債金額での決済が必要な場所に第2種電子マネー端末8を設置し、他の場所には第1種電子マネー端末9を設置することにより、無用な負債金額の記録を防ぐことができる。
(3)通過ゲートなど、決済不可による顧客の利便性が損なわれやすい場所に第2種電子マネー端末8を設置することにより、顧客の利便性をより高めることができる。
(4)第2種電子マネー端末8と第1種電子マネー端末9に関わらず、電子マネー端末は負債金額の精算処理を優先的に行うため、負債金額が記録された場合でも迅速に負債を返済することができる。
なお、本実施の形態では、第2種電子マネー端末8を、決済処理とチャージの双方を行うように構成したが、決済処理のみ、あるいは、チャージのみ行うように構成することも可能である。
決済処理のみする第2種電子マネー端末8は、例えば、自動販売機に組み込まれて使用され、チャージのみする第2種電子マネー端末8は、例えば、広場や加盟店の付近などに設置されて使用される。
チャージのみ行う第2種電子マネー端末8は、増額金額を取得する増額金額取得手段と、電子マネーカード6から、負債金額を取得する負債金額取得手段と、当該増額金額から当該負債金額を控除した金額を増額する残高変更情報と、当該控除した金額を減額する負債変更情報と、を電子マネーカード6に送信する変更情報送信手段と、を備えている。
本実施の形態の概要を説明するための図である。 本実施の形態のシステム構成を説明するための図である。 電子マネーカードのハードウェア的な構成を説明するための図である。 電子マネーカードの機能的な構成を説明するための図である。 第2種電子マネー端末のハードウェア的な構成を説明するための図である。 携帯電話の機能的な構成を説明するための図である。 決済処理の手順を説明するためのフローチャートである。 決済処理の手順を説明するためのフローチャートである。 決済処理の手順を説明するためのフローチャートである。 チャージする手順を説明するためのフローチャートである。 電子マネーカードの変形例を説明するための図である。
符号の説明
1 電子マネーシステム
2 電子マネーサーバ
6 電子マネーカード
8 第2種電子マネー端末
9 第1種電子マネー端末
51 決済領域
52 決済機能部
53 端末通信部
54 バリュー処理部
55 バリュー記憶部
61 負債領域
62 負債機能部
63 端末通信部
64 負債金額処理部
65 負債記憶部

Claims (7)

  1. 決済に用いることができる貨幣価値の残高を記憶する残高記憶手段と、負債金額を記憶する負債金額記憶手段と、を備えた貨幣端末に対して、前記貨幣端末が、前記残高を変更するための残高変更情報と、前記負債金額を変更するための負債変更情報と、を送信する情報処理装置であって、
    前記貨幣端末で決済する決済金額を取得する決済金額取得手段と、
    前記貨幣端末から、残高記憶手段で記憶している残高を取得する残高取得手段と、
    前記取得した決済金額が前記取得した残高以下の場合、前記記憶している残高から決済金額を減額する残高変更情報を前記貨幣端末に送信し、前記取得した決済金額が前記取得した残高よりも大きい場合、前記記憶している残高の全額を減額する残高変更情報と、前記決済金額と前記残高の差額分を負債金額として増額させる負債変更情報と、を前記貨幣端末に送信する変更情報送信手段と、
    を具備したことを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記貨幣端末から、負債金額記憶手段で記憶している負債金額を取得する負債金額取得手段を具備したことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記負債金額記憶手段が記憶する負債金額には所定の上限金額が規定されており、
    前記変更情報送信手段は、前記取得した残高と、前記取得した負債金額と前記上限金額との差分と、の合計金額よりも、前記取得した決済金額が大きい場合に、前記残高変更情報と前記負債変更情報の送信を行わないことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記貨幣端末が記憶する貨幣価値を増額する増額金額を取得する増額金額取得手段を具備し、
    前記変更情報送信手段は、前記増額金額から前記負債金額記憶手段に記憶されている負債金額を控除した金額を増額する残高変更情報と、前記控除した金額を減額する負債変更情報と、を前記貨幣端末に送信することを特徴とする請求項2、又は請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 決済に用いることができる貨幣価値の残高を記憶する残高記憶手段と、負債金額を記憶する負債金額記憶手段と、を備えた貨幣端末に対して、前記貨幣端末が、前記残高を変更するための残高変更情報と、前記負債金額を変更するための負債変更情報と、を送信する情報処理装置であって、
    前記貨幣端末が記憶する貨幣価値を増額する増額金額を取得する増額金額取得手段と、
    前記貨幣端末から、負債金額記憶手段で記憶している負債金額を取得する負債金額取得手段と、
    前記取得した増額金額から前記取得した負債金額を控除した金額を増額する残高変更情報と、前記控除した金額を減額する負債変更情報と、を前記貨幣端末に送信する変更情報送信手段と、
    を具備したことを特徴とする情報処理装置。
  6. 記憶している貨幣価値の残高の減額と、記憶している負債金額の増額と、によって決済可能な貨幣端末であって、
    貨幣価値の残高を電子データとして記憶する残高記憶手段と、
    情報処理装置から残高変更情報を受信する残高変更情報受信手段と、
    前記受信した残高変更情報を用いて前記記憶した残高を変更する残高変更手段と、
    負債金額を電子データとして記憶する負債金額記憶手段と、
    情報処理装置から負債変更情報を受信する負債変更情報受信手段と、
    前記受信した負債変更情報を用いて前記記憶した負債金額を変更する負債変更手段と、
    を具備したことを特徴とする貨幣端末。
  7. 決済に用いることができる貨幣価値の残高を記憶する残高記憶手段と、負債金額を記憶する負債金額記憶手段と、を備えた貨幣端末に対して、前記貨幣端末が、前記残高を変更するための残高変更情報と、前記負債金額を変更するための負債変更情報と、を送信する情報処理装置が行う情報処理方法であって、
    前記情報処理装置は、決済金額取得手段と、残高取得手段と、変更情報送信手段と、を備え、
    前記決済金額取得手段で、前記貨幣端末で決済する決済金額を取得する決済金額取得ステップと、
    前記残高取得手段で、前記貨幣端末から、残高記憶手段で記憶している残高を取得する残高取得ステップと、
    前記変更情報送信手段で、前記取得した決済金額が前記取得した残高以下の場合、前記記憶している残高から決済金額を減額する残高変更情報を前記貨幣端末に送信し、前記取得した決済金額が前記取得した残高よりも大きい場合、前記記憶している残高の全額を減額する残高変更情報と、前記決済金額と前記残高の差額分を負債金額として増額させる負債変更情報と、を前記貨幣端末に送信する変更情報送信ステップと、
    から構成されたことを特徴とする情報処理方法。
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