JP2008179228A - 液圧ブレーキ装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液圧ブレーキ装置において、液漏れ等の失陥発生時にリザーバタンクからの空気吸い込みを防止しつつブレーキの制御可能時間を延長する。
【解決手段】液面スイッチ80は、リザーバタンクの予め定められた下限液面へのブレーキ液面の低下を検知する。タイマ部108は、リザーバタンク内の液面の傾斜によって液面スイッチがブレーキ液面の低下を検知する第1時刻から、車両が加減速しておらずブレーキ液面が水平であるときに液面スイッチがブレーキ液面の低下を検知する第2時刻までの経過時間を計測する。液漏れ推定部103は、第1時刻の加速度を参照して液面高さマップ保持部102から対応する液面高さを取得し、経過時間と液面高さからブレーキ液面低下速度を算出する。猶予時間算出部110は、ブレーキ液面低下速度に基づいて液圧ブレーキ装置の制御を停止するまでの猶予時間を計算する。
【選択図】図5

Description

本発明は、液圧ブレーキ装置に関し、より詳細には液圧ブレーキ装置の液漏れ時の制御技術に関する。
液圧ブレーキ装置においては、リザーバタンクに液面スイッチを設け、予め設定された下限液面へのブレーキ液の低下を検出している。配管の穴あきなどによる液漏れや、ブレーキパッドやロータの摩耗による内部消費によって、リザーバタンク内のブレーキ液面が低下することがある。液漏れをした後も通常のブレーキ制御を続けていると、マスタシリンダへの配管の中に空気が吸い込まれ、制動力が発生しにくくなるおそれがある。特に、ポンプを駆動してブレーキ液をアクチュエータに送り込む制御ブレーキの場合には、ポンプの駆動によりブレーキ液が短時間で消費されて空気の吸い込みが発生しやすいため、液漏れがあるときには速やかにブレーキ制御を禁止することが好ましい。
ブレーキ液漏れの程度が大きい場合には速やかに制御を禁止する必要があるが、ブレーキ漏れの程度が小さい場合や内部消費による場合は、空気吸い込みが直ちに発生して制動力が低下することはないので、ブレーキを使用できる時間をできるだけ延長することが望ましい。そのためには、液漏れの速度を検出する必要がある。そのような技術として、例えば特許文献1には、二つ以上の液面スイッチの出力に基づいて液漏れ速度を検出することが記載されている。
特開2000−272497号公報
上記特許文献1ではリザーバタンクに液面スイッチを二つ以上設けているが、このように複数のスイッチを設けることはコストの上昇につながり、またスイッチ間の結線が困難な場合もある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、液圧ブレーキ装置においてリザーバタンクに一つの液面スイッチを設けるだけで液漏れ時の液面の低下速度を推定し、ブレーキ制御の延命を可能とする技術を提供することにある。
本発明のある態様は、リザーバタンクから導管を通じてブレーキ液を供給して車両に制動力を発生させる液圧ブレーキ装置である。この装置は、車両に発生する加速度を検出する加速度センサと、リザーバタンクの予め定められた下限液面へのブレーキ液面の低下を検知する液面スイッチと、車両の加減速時にリザーバタンク内のブレーキ液面の傾斜によって前記液面スイッチ以下にブレーキ液面が低下するときの前記下限液面からの液面高さを保持する液面高さマップ保持部と、リザーバタンク内の液面の傾斜によって前記液面スイッチがブレーキ液面の低下を検知する第1時刻から、車両が加減速しておらずブレーキ液面が水平であるときに前記液面スイッチがブレーキ液面の低下を検知する第2時刻までの経過時間を計測するタイマ部と、前記第1時刻における車両の加速度を参照して前記液面高さマップ保持部から対応する液面高さを取得し、前記経過時間と前記液面高さからブレーキ液面低下速度を算出する液漏れ推定部と、前記ブレーキ液面低下速度に基づいて当該装置の制御を停止するまでの猶予時間を計算する猶予時間算出部と、を備える。
水平時にはリザーバタンク内のブレーキ液面が下限液面より上にあっても、車両が加減速することによってブレーキ液が揺れて液面が一時的に液面スイッチを下回って液面スイッチがオンになる場合がある。この態様では、そのような現象を利用して液漏れ時のリザーバタンクのブレーキ液面低下速度を推定することで、ブレーキ制御を停止するまでの猶予時間を算出するようにした。こうすることで、ブレーキ失陥時でもできるだけ長時間ブレーキ制御を継続することができる。
前記液漏れ推定部は、液面高さとリザーバタンクの断面積に基づいて前記第1時刻における前記下限液面までのブレーキ液の残存液量を算出し、該残存液量と前記経過時間から前記ブレーキ液面低下速度を算出してもよい。こうすることで、ブレーキ液面低下速度を比較的正確に推定することができる。
ブレーキ液面が下限液面に達してから導管への空気吸い込みが発生するまでに余裕液量がある位置に前記液面スイッチが配置されており、前記猶予時間算出部は、前記ブレーキ液面低下速度と前記余裕液量とに基づいてブレーキ液面が導管出口まで低下するまでの猶予時間を算出してもよい。このように、リザーバタンクに余裕液量を持たせている場合には、ブレーキ液面低下速度にしたがって算出される、ブレーキ液面が導管の出口まで低下する直前の時間までブレーキ制御を継続することができる。
本発明の別の態様は、液圧ブレーキ装置の制御方法である。液圧ブレーキ装置は、リザーバタンクから導管を通じてブレーキ液を供給して車両に制動力を発生させ、リザーバタンクの予め定められた下限液面へのブレーキ液面の低下を検知する液面スイッチが設けられている。この方法は、車両の加減速時にリザーバタンク内のブレーキ液面の傾斜によって前記液面スイッチ以下にブレーキ液面が低下するときの前記下限液面からの液面高さを予めメモリに記憶させておき、リザーバタンク内の液面の傾斜によって前記液面スイッチがブレーキ液面の低下を検知する第1時刻から、車両が加減速しておらずブレーキ液面が水平であるときに前記液面スイッチが液面の低下を検知する第2時刻までの経過時間を計測し、前記第1時刻における車両の加速度を参照して前記液面高さマップ保持部から対応する液面高さを取得し、前記経過時間と前記液面高さからブレーキ液面低下速度を算出し、前記ブレーキ液面低下速度に基づいて液圧ブレーキ装置の制御を停止するまでの猶予時間を計算し、前記第2時刻から前記猶予時間が経過したときに液圧ブレーキ装置の制御を停止する。
この態様によると、ブレーキ液面が低下して空気吸い込みが発生するまでの猶予時間を算出し猶予時間の経過後にブレーキ制御を禁止するようにした。こうすることで、ブレーキ失陥時でもブレーキの制御を可能な限り長時間継続することができる。
本発明によれば、液圧ブレーキ装置において、リザーバタンクに一つの液面スイッチを設けるだけで液漏れ時の液面の低下速度を推定し、ブレーキ制御の使用可能時間を延長することが可能になる。
図1は、液圧ブレーキ装置200の構成を示す。液圧ブレーキ装置200はいわゆる電子制御ブレーキ(ECB:Electronically Controlled Brake)であり、車室内に設けられたブレーキペダル72の操作量をセンサで検知し、ブレーキペダルの操作に応じて発せられるECU100からの指令に応じて、四輪独立してブレーキを作動させることができる。
ブレーキペダル72にはその踏み込みストロークを検出するストロークセンサ46が設けられている。マスタシリンダ74は、運転者によるブレーキペダル72の踏み込み操作に応じ、作動液であるブレーキオイルを圧送する。
マスタシリンダ74には右前輪用のブレーキ油圧制御導管76および左前輪用のブレーキ油圧制御導管78の一端が接続され、これらのブレーキ油圧制御導管はそれぞれ、右前輪および左前輪の制動力を発揮する右前輪14FR用および左前輪14FL用のホイールシリンダ15FR、15FLに接続されている。右前輪14FR用および左前輪14FL用のブレーキ油圧制御導管76、78の途中には、右マスタカット弁22FRおよび左マスタカット弁22FLが間挿されている。右マスタカット弁22FRおよび左マスタカット弁22FLは非通電時に開状態にあり、ブレーキ操作を検出した際に閉状態に切り替わる(これを「常開型」と呼ぶ)電磁弁である。
また、ブレーキ油圧制御導管76、78の途中には、それぞれ右前輪14FR側および左前輪14FL側のマスタシリンダ液圧を計測する右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLが設けられている。運転者によってブレーキペダル72が踏まれたとき、ストロークセンサ46によりその踏み込み操作量が検出されるが、ストロークセンサ46の故障を想定し、右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLによるマスタシリンダ液圧の計測によってもブレーキペダル72の踏み込み操作力が検出される。マスタシリンダ液圧を二つの圧力センサで監視するのは、フェイルセーフの観点による。
マスタシリンダ74にはリザーバタンク26が接続され、また、開閉弁23を介して、運転者の操作量や反力を創出するストロークシミュレータ24が接続される。開閉弁23は、非通電時に開状態にあり、ブレーキ操作時に開状態に切り替わる常開型の電磁弁である。リザーバタンク26には油圧給排導管28の一端が接続される。油圧給排導管28にはモータ32により駆動されるオイルポンプ34が設けられている。オイルポンプ34の吐出側は高圧導管30になっており、アキュムレータ50とリリーフバルブ53が設けられている。アキュムレータ50はオイルポンプ34によって例えば14〜22MPaという範囲(以下「制御範囲」という)の高圧にされたブレーキオイルを蓄積する。リリーフバルブ53は、アキュムレータ圧が異常に高く、例えば25MPaといった高圧になったとき開き、油圧給排導管28へ高圧のブレーキオイルを逃がす。
高圧導管30にはアキュムレータ圧を計測するアキュムレータ圧センサ51が設けられる。後述のECU100にはアキュムレータ圧センサ51の出力であるアキュムレータ圧が入力され、このアキュムレータ圧が制御範囲に収まるようモータ32を制御する。
高圧導管30は、それぞれ非通電時は閉じた状態(これを「常閉型」という)にあり、必要なときにホイールシリンダの増圧用に利用される電磁流量制御弁、すなわちリニア弁である増圧弁40FR、40FL、40RR、40RLを介し、右前輪14FRのホイールシリンダ15FR、左前輪14FLのホイールシリンダ15FL、右後輪14RR用のホイールシリンダ15RR、左後輪14RL用のホイールシリンダ15RLに接続されている。
車両の右前輪14FR、左前輪14FL、右後輪14RR、左後輪14RLには、ディスクブレーキが設けられており、それぞれホイールシリンダ15FR、15FL、15RR、15RLの駆動によりブレーキパッドをディスクに押し付けることで制動力を発揮するようになっている。
右前輪のホイールシリンダ15FRと左前輪のホイールシリンダ15FLは、必要なときに減圧用に利用される電磁流量制御弁、すなわちリニア弁である常閉型の減圧弁42FR、42FLを介して油圧給排導管28へ接続されている。また、右後輪用のホイールシリンダ15RR、左後輪用のホイールシリンダ15RLは、それぞれ常開型の減圧弁42RR、42RLを介して油圧給排導管28へ接続されている。
右前輪、左前輪、右後輪、左後輪のホイールシリンダ15FR、15FL、15RR、15RL付近には、それぞれホイールシリンダ内の液圧を計測する右前輪用、左前輪用、右後輪用、左後輪用の圧力センサ44FR、44FL、44RR、44RLが設けられている。
ECU100は、マスタカット弁22FR、22FL、開閉弁23、モータ32、4個の増圧弁40FR、40FL、40RR、40RL、および4個の減圧弁42FR、42FL、42RR、42RLを制御する。ECU100はマイクロコンピュータによる演算ユニット、各種制御プログラムを格納するROM、およびデータ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMなどを備える。
詳細は図示しないが、演算ユニットには、右前輪用、左前輪用、右後輪用、左後輪用の圧力センサ44FR、44FL、44RR、44RLから、それぞれ、右前輪のホイールシリンダ15FR内の圧力信号、左前輪のホイールシリンダ15FL内の圧力信号、右後輪用のホイールシリンダ15RR内の圧力信号、左後輪用のホイールシリンダ15RL内の圧力信号が入力される。さらに、演算ユニットには、ストロークセンサ46からはブレーキペダル72の踏み込みストロークを示す信号が、右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLからはマスタシリンダ液圧を示す信号が、アキュムレータ圧センサ51からはアキュムレータ圧を示す信号が入力される。
ECU100のROMは所定の制動制御フローを記憶している。演算ユニットはストローク信号とマスタシリンダ液圧信号に基づき車両の目標制動力を演算し、演算された目標制動力に基づいて各輪の目標ホイールシリンダ液圧を演算し、各輪のホイールシリンダ液圧が目標ホイールシリンダ液圧になるよう、増圧弁40および減圧弁42を制御する。
図2は、リザーバタンク26の構造を模式的に示した断面図である。リザーバタンク26にはブレーキ液84が貯留されている。リザーバタンク26の上方は大気開放されている。リザーバタンク26の下方には、マスタシリンダ74や油圧給排導管28に通じる導管27が設けられている。導管27の上端のラインDよりもブレーキ液の液面が低下すると、空気が導管27を通じて液圧ブレーキ装置に吸い込まれてしまう。
そのため、リザーバタンク26には下限ライン(MINライン)Cが予め設定されている。そして、下限ラインCへのブレーキ液面の低下を検出するために、液面スイッチ80がリザーバタンク26の内壁に取り付けられている。この液面スイッチ80は、ブレーキ液面が下限ラインCより少なくなるとオフ状態からオン状態に切り替わるスイッチである。液面スイッチ80は任意のタイプのものを使用できる。例えば、ブレーキ液の容量に基づく圧力変化や静電容量の変化に基づいて液面を検出するタイプのスイッチでもよい。または、液面の高さをフロートを使用して検出したり、または光学的に検出するタイプのスイッチでもよい。
ブレーキ液が消費されてブレーキ液面が下限ラインCまで低下すると、液面スイッチ80がオンになる。従来は、液面スイッチ80がオンになると警報ランプが点灯し、またブレーキ液のこれ以上の消費を防ぐために液圧ブレーキ装置の制御を停止していた。具体的には、図1において、増圧弁40FR、40FLおよび減圧弁42FR、42FLを閉状態にするとともに右マスタカット弁22FRおよび左マスタカット弁22FLを開状態にすることで、マスタシリンダ74からホイールシリンダ15にブレーキ液が供給されるようにする。リザーバタンク26のブレーキ液がなくなってもマスタシリンダ74にブレーキ液が残っていれば、ブレーキペダル72により制動力を発生させることができる。
しかし、図2に示すように、通常下限ラインCは、実際に空気吸い込みが生じるラインDに対してやや上方に設定されている。つまり、ブレーキ液面が下限ラインCを下回っても下限ラインCとラインDの間にあれば、ブレーキ制御を継続していても空気の吸い込みが起こることはない。そこで、本実施形態では、液面が下限ラインCを下回った後に空気吸い込みが生じるまでにどれだけの猶予時間があるかを推定し、その猶予時間の間は液圧ブレーキ装置の制御を継続するようにした。
図3は、車両が急加速または急減速したときのリザーバタンク内の様子を示す。図3(a)は、車両の加速度(または減速度)が比較的小さい場合のリザーバタンク内の液面を示す。本来の液面がAであるとき、車両の加速または減速によってリザーバタンク26内の液面はBのように傾くため、液面スイッチ80の設置されている箇所で一瞬ブレーキ液面が液面スイッチ80を下回り、液面スイッチ80がオンになることがある。同様に、図3(b)は、車両の加速度または減速度が比較的大きい場合のリザーバタンク内の液面を示す。同様に、本来の液面がAであるとき、車両の加速または減速によってリザーバタンク26内の液面がBのように傾くと、液面スイッチ80がオンになる。
車両の加速度または減速度の大きさによってリザーバタンク26内の液面の傾きの程度は異なるから、液面スイッチ80がオンになるような液面hの高さ(下限ラインCからの高さ)も異なる。したがって、車両の加速度または減速度の大きさが分かれば、車両の加減速によってリザーバタンク26内の液面が揺れたために液面スイッチ80がオンになったときの液面高さhを推定することができる。車両の加減速度と液面高さhとの対応関係は、実験等によって正確に求めることが可能である。このように、本実施形態では、液面スイッチ80がオンになったときの車両の加減速度を用いることで、液面高さhを求める。
図4は、液漏れ発生時の液面スイッチのオンオフ状態と時間経過を示す図である。本実施形態では以下のようにして猶予時間を算出する。車両が加速または減速しておりかつ液面スイッチ80が最初にオンになったとき(図4の時刻t)から、車両が加減速しておらず液面スイッチ80がオンになったとき(図4の時刻t)までの時間Tをタイマによって測定する。時刻tは、図3(a)、(b)の液面Aが傾いて液面Bの状態になった時点に対応し、また時刻tは、液面が平らであって下限ラインCまで減少した時点に対応する。したがって、時間Tは、図3において液面Aから下限ラインCまで液漏れによってブレーキ液量が減少するのに要した時間に相当する。
上述したように、時刻tの加速度に基づいて、液面Aから下限ラインCまでの高さhを求めることができる。リザーバタンクの断面積をSとすると、下限ラインCを上回るブレーキ液量WはW=S・hで求められる。したがって、リザーバタンク内のブレーキ液面低下速度vは次式で表すことができる。
v=W/T・・・(1)
ブレーキ液面低下速度vを使用して、空気吸い込みに至るまでの猶予時間Tを推定することができる。下限ラインCから空気吸い込みラインDまでの余裕液量Rは予め分かっているので、猶予時間Tは次式で表すことができる。
=R/v・・・(2)
したがって、時刻tからTが経過するまで(図4の時刻tまで)の間は、空気吸い込みを起こすことなくブレーキ制御を継続できると判断できる。
図5は、本実施形態に係るリザーバタンクの使用時間延長制御に関与する部分の構成を示す機能ブロック図である。ECU100内に示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
加速度センサ90は車体に設置され、車両の上下加速度または左右加速度を検出する。液面スイッチ80は、上述したように、リザーバタンク26内での下限ラインへのブレーキ液面の低下を検知する。
液面高さマップ保持部102は、車両がある加速度で加減速したときに、リザーバタンク26内のブレーキ液面の傾きによって液面スイッチ80の設置箇所でブレーキ液面が下限ラインCを下回るような液面の高さhをマップとして保持している。車両の加速度と液面高さhの関係は、実験やシミュレーションで予め求めておくことができる。この加速度は、上下加速度または左右加速度のいずれかとしてもよいし、これらの合成値でもよい。
液漏れ推定部103は、加速度センサ90から加速度を、液面スイッチ80からはスイッチのオンオフ情報を受け取る。液量算出部104は、車両が加減速したときに液面スイッチ80がオンになったことを検知すると、加速度を参照して液面高さマップ保持部102から対応する液面高さhを取得する。そして、液面高さhにリザーバタンクの断面積Sを乗じることで、時刻tにおいて下限ラインCを上回るブレーキ液量W=S・hを推定する。
タイマ部108は、車両が加減速したときに液面スイッチ80がオンになった時刻tから、車両が加減速していないときに液面スイッチ80がオンになる時刻tまでの経過時間Tを計測する。
液漏れ推定部103は、タイマ部108から経過時間Tを受け取る。低下速度算出部106は、推定したブレーキ液量Wと経過時間Tを用いて、ブレーキ液面低下速度vを算出する。猶予時間算出部110は、余裕液量Rとブレーキ液面低下速度vとから、猶予時間Tを算出する。
制御停止部112は、液面スイッチがオンになった時刻tから猶予時間Tが経過すると、警報ランプ114を点灯させて乗員にブレーキ液漏れが生じたためブレーキ制御を停止することを報知するとともに、液圧ブレーキ装置200の制御を停止する。具体的には、ポンプや各種制御弁の作動を停止し、マスタシリンダ74から導管76、78を経由したブレーキ圧だけで動作するようにする。
図6は、本実施形態に係るリザーバタンクの使用時間延長制御のフローチャートである。
加速度センサ90は、車両の加速度を検出する(S10)。液面スイッチ80は、下限ラインCへのブレーキ液面の低下を検知する(S12)。ブレーキ液面の低下を検知しない限り(S12のN)、S10とS12を繰り返す。ブレーキ液面の低下を検知すると(S12のY)、タイマ部108は時間の計測を開始する(S14)。液量算出部104は液面スイッチがオンになったときの車両の加速度を取得する。そして、液面高さマップ保持部102を参照して液面高さhを取得し、下限ラインCまでの液量Wを推定する(S16)。続いて、タイマ部108は、加速度センサ90と液面スイッチ80とを監視し、加速度が0かつ液面スイッチがオンになるのを待機し(S18)、この条件が満たされると(S18のY)、タイマ部108は時間の計測を停止する(S20)。これで計測時間Tが求められる。低下速度算出部106は、液量Wと計測時間Tからブレーキ液面低下速度vを算出する(S22)。猶予時間算出部110は、ブレーキ液面低下速度vと余裕液量Rとから猶予時間Tを算出する(S24)。
以上説明したように、本実施形態によれば、車両の加減速時にリザーバタンク内の液面スイッチが一時的にオンになる現象を利用して液漏れ時のブレーキ液面低下速度を推定することで、空気吸い込みが発生するまでの猶予時間を算出するようにした。そして、猶予時間の間はブレーキ制御を継続することで、ブレーキ失陥時でもブレーキ制御をより長時間継続することができる。
また、本実施形態はリザーバタンク内に液面スイッチを一つ設けるだけで実現可能である。通常のリザーバタンクには液面スイッチが設けられているから、従来の構成に対して新たな要素を追加することがなく実現可能であり、コスト的にも有利である。
以上、本発明をいくつかの実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態はあくまで例示であり、実施の形態どうしの任意の組合せ、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスの任意の組合せなどの変形例もまた、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能である。
実際の運転では、車両は加減速を繰り返すことから、そのたびにリザーバタンク内の液面が揺れて液面スイッチが何回かオンオフされることが多いと考えられる。この場合は、液面スイッチが初めてオンになったときにブレーキ液面低下速度を推定し、その後の加速度0で液面スイッチがオンになるまでの液面スイッチのオンオフは無視するようにしてもよい。または、加減速で液面スイッチがオンになる毎にブレーキ液面低下速度を推定し、これらの平均をとってもよい。または、ブレーキ液面低下速度の変化傾向からより正確な速度を推定してもよい。
液圧ブレーキ装置の構成を示す図である。 リザーバタンクの模式的な断面図である。 (a)、(b)は、車両が急加速または急減速したときのリザーバタンク内の液面の様子を示す図である。 液漏れ発生時の液面スイッチのオンオフ状態と時間経過を示す図である。 本実施形態に係るリザーバタンクの使用時間延長制御に関与する部分の構成を示す機能ブロック図である。 本実施形態に係るリザーバタンクの使用時間延長制御のフローチャートである。
符号の説明
26 リザーバタンク、 80 液面スイッチ、 90 加速度センサ、 100 ECU、 102 液面高さマップ保持部、 103 液漏れ推定部、 104 液量算出部、 106 低下速度算出部、 108 タイマ部、 110 猶予時間算出部、 112 制御停止部、 114 警報ランプ、 200 液圧ブレーキ装置。

Claims (4)

  1. リザーバタンクから導管を通じてブレーキ液を供給して車両に制動力を発生させる液圧ブレーキ装置において、
    車両に発生する加速度を検出する加速度センサと、
    リザーバタンクの予め定められた下限液面へのブレーキ液面の低下を検知する液面スイッチと、
    車両の加減速時にリザーバタンク内のブレーキ液面の傾斜によって前記液面スイッチ以下にブレーキ液面が低下するときの前記下限液面からの液面高さを保持する液面高さマップ保持部と、
    リザーバタンク内の液面の傾斜によって前記液面スイッチがブレーキ液面の低下を検知する第1時刻から、車両が加減速しておらずブレーキ液面が水平であるときに前記液面スイッチがブレーキ液面の低下を検知する第2時刻までの経過時間を計測するタイマ部と、
    前記第1時刻における車両の加速度を参照して前記液面高さマップ保持部から対応する液面高さを取得し、前記経過時間と前記液面高さからブレーキ液面低下速度を算出する液漏れ推定部と、
    前記ブレーキ液面低下速度に基づいて当該装置の制御を停止するまでの猶予時間を計算する猶予時間算出部と、
    を備えることを特徴とする液圧ブレーキ装置。
  2. 前記液漏れ推定部は、液面高さとリザーバタンクの断面積に基づいて前記第1時刻における前記下限液面までのブレーキ液の残存液量を算出し、該残存液量と前記経過時間から前記ブレーキ液面低下速度を算出することを特徴とする請求項1に記載の液圧ブレーキ装置。
  3. ブレーキ液面が下限液面に達してから導管への空気吸い込みが発生するまでに余裕液量がある位置に前記液面スイッチが配置されており、
    前記猶予時間算出部は、前記ブレーキ液面低下速度と前記余裕液量とに基づいてブレーキ液面が導管出口まで低下するまでの猶予時間を算出することを特徴とする請求項2に記載の液圧ブレーキ装置。
  4. リザーバタンクから導管を通じてブレーキ液を供給して車両に制動力を発生させ、リザーバタンクの予め定められた下限液面へのブレーキ液面の低下を検知する液面スイッチが設けられている液圧ブレーキ装置において、
    車両の加減速時にリザーバタンク内のブレーキ液面の傾斜によって前記液面スイッチ以下にブレーキ液面が低下するときの前記下限液面からの液面高さを予めメモリに記憶させておき、
    リザーバタンク内の液面の傾斜によって前記液面スイッチがブレーキ液面の低下を検知する第1時刻から、車両が加減速しておらずブレーキ液面が水平であるときに前記液面スイッチが液面の低下を検知する第2時刻までの経過時間を計測し、
    前記第1時刻における車両の加速度を参照して前記液面高さマップ保持部から対応する液面高さを取得し、
    前記経過時間と前記液面高さからブレーキ液面低下速度を算出し、
    前記ブレーキ液面低下速度に基づいて液圧ブレーキ装置の制御を停止するまでの猶予時間を計算し、
    前記第2時刻から前記猶予時間が経過したときに液圧ブレーキ装置の制御を停止することを特徴とする液圧ブレーキ装置の制御方法。
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