以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)実施の形態の概要
図1において、1は全体として本実施の形態による通信装置の構成の概要を示す。通信装置1において第1の通信部2は、第1の通信経路を介して他の通信装置と通信する。また通信装置1において第2の通信部3は、第2の通信経路を介して他の通信装置と通信する。さらに通信装置1において判別部4は、他の通信装置との通信時、当該他の通信装置との通信に利用されている1つの第1又は第2の通信経路と、他の通信装置との通信に利用するように指定された1つの第1又は第2の通信経路とが一致するか否かを判別する。さらに通信装置1において切換部5は、判別部4により、他の通信装置との通信に利用されている1つの第1又は第2の通信経路と、他の通信装置との通信に利用するように指定された1つの第1又は第2の通信経路とが一致しないと判別された場合、他の通信装置と通信している一方の第1又は第2の通信部を、他方の第1又は第2の通信部に切り換える。かかる構成により通信装置1は、他の通信装置との通信中に、何ら煩雑な操作を行わせることなく、当該他の通信装置と通信する一方の第1又は第2の通信部を他方の第1又は第2の通信部へ容易に切り換えることができ、かくして通信中に通信経路を容易に変更することができる。
(2)第1の実施の形態
(2−1)通信システムの構成
図2において、10は全体として第1の実施の形態による通信システムを示す。かかる通信システム10は、上述した通信装置1を適用した第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bを有している。そして通信システム10では、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bが、携帯電話用の基地局(図示せず)に接続された第1の通信経路としての公衆電話回線網11を通話に利用する電話(以下、これを携帯電話と呼ぶ)の機能(以下、これを携帯電話機能と呼ぶ)を有している。また通信システム10では、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bが、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイント(図示せず)に接続された第2の通信経路としてのインターネット12を通話に利用する電話(以下、これをネット電話と呼ぶ)の機能(以下、これをネット電話機能と呼ぶ)も有している。
これにより通信システム10では、一方の第1又は第2の携帯通信端末20A又は20Bが、携帯電話機能により基地局と無線接続し、その基地局から公衆電話回線網11を介して他方の第1又は第2の携帯通信端末20A又は20Bと通話用に通信し得るようになされている。また通信システム10では、一方の第1又は第2の携帯通信端末20A又は20Bが、ネット電話機能によりアクセスポイントと無線接続し、そのアクセスポイントからインターネット12を介しても他方の第1又は第2の携帯通信端末20A又は20Bと通話用に通信し得るようになされている。
(2−2)携帯通信端末の回路構成
ここで通信システム10の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bは、同様に構成されている。従って以下には、図3を用いて、例えば一方の第1の携帯通信端末20Aの機能回路ブロックによる詳細なハードウェア構成のみを説明し、他方の第2の携帯通信端末20Bの機能回路ブロックによる詳細なハードウェア構成については説明を省略する。かかる第1の携帯通信端末20Aは、制御部30が、端末全体を統括制御すると共に各種操作キーからなる指定部31へのユーザ操作に応じて入力される種々の命令等に応じて各種処理を実行する。
ところで第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bには、それぞれ携帯電話機能により他の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bと通信接続するための固有の識別情報としての電話番号(以下、これを携帯電話番号と呼ぶ)が割り当てられている。また第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bには、それぞれネット電話機能により他の第1及び第2の携帯通信端末と通信接続するための固有の識別情報としての電話番号(以下、これをネット電話番号と呼ぶ)も割り当てられている。
そして図4に示すように、制御部30は、通話の相手である他のユーザが使用している第2の携帯通信端末20B(つまり、自己の携帯通信端末以外の他の携帯通信端末)の携帯電話番号とネット電話番号とを当該他のユーザを識別可能な名前等と対応付けた識別情報リスト(以下、これを電話番号リストと呼ぶ)NLを生成して記憶部32に記憶している。
これにより制御部30は、ユーザにより指定部31を介して、他のユーザ(すなわち、通話の相手)の使用している第2の携帯通信端末20Bの電話番号を検索する検索要求が入力されると、記憶部32から電話番号リストNLを読み出す。そして制御部30は、この電話番号リストNLに基づいて電話番号選択用の電話番号選択画面データを生成して表示部33に送出することにより当該表示部33に電話番号選択画面データに基づく電話番号選択画面(図示せず)を表示する。この状態で制御部30は、ユーザにより指定部31を介して電話番号選択画面上で、例えば他のユーザの使用している第2の携帯通信端末の携帯電話番号が指定されたうえで、第2の携帯通信端末20Bへの発呼を命令する発呼命令(以下、これを携帯電話発呼命令と呼ぶ)が入力されると、その入力に応じて携帯電話発呼データを生成する。
ここで携帯電話発呼データには、ユーザにより指定された携帯電話番号が通信相手の第2の携帯通信端末20Bを示す通信相手指定情報として格納されている。また携帯電話発呼データには、第1の携帯通信端末20Aに割り当てられている携帯電話番号が通信元の当該第1の携帯通信端末20Aを示す通信元通知情報として格納されている。さらに携帯電話発呼データには、携帯電話機能によって通話用の通信に公衆電話回線網11が利用されることを示す利用経路通知情報も格納されている。そして制御部30は、かかる携帯電話発呼データを生成すると、この携帯電話発呼データを第1の通信部34に送出する。
第1の通信部34は、制御部30から与えられた携帯電話発呼データに所定の送信処理を施して携帯電話発呼信号を生成し、この携帯電話発呼信号を携帯電話用の基地局に向けて送信する。これにより第1の通信部34は、携帯電話発呼信号を基地局から公衆電話回線網11を介して第2の携帯通信端末20Bに送信し、かくして、この第2の携帯通信端末20Bを介して他のユーザに携帯電話機能による発呼を通知する。
その結果、第1の通信部34は、例えば他のユーザにより第2の携帯通信端末20Bにおいて通信接続を許可する接続許可命令(すなわち、オンフック命令)が入力されることで、当該第2の携帯通信端末20Bから接続許可信号が送信されると、この接続許可信号を、基地局経由で受信する。そして第1の通信部34は、この接続許可信号に所定の受信処理を施すことで接続許可データを生成し、この接続許可データを制御部30に送出する。これにより制御部30は、第1の通信部34から与えられた接続許可データに応じて、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間で公衆電話回線網11を利用した通信接続が確立したことを認識する。そして制御部30は、この公衆電話回線網11を介して通信接続が確立したことを切換部39に通知する。
切換部39は、このとき制御部30からの通知に応じて第1の通信部34を音声信号生成部35及び出力部36と接続する。これにより音声信号生成部35は、ユーザの音声を集音するようにして音声データ(以下、これを送信音声データと呼ぶ)を生成し、これを第1の通信部34に送出する。そして第1の通信部34は、音声信号生成部35から与えられた送信音声データに所定の送信処理を施して音声信号(以下、これを送信音声信号と呼ぶ)を生成し、この送信音声信号を基地局に向けて送信する。これにより第1の通信部34は、送信音声信号を基地局から公衆電話回線網11を介して第2の携帯通信端末20Bに送信する。
また第1の通信部34は、このとき第2の携帯通信端末20Bから他のユーザの音声が音声信号(以下、これを受信音声信号と呼ぶ)として公衆電話回線網11を介して送信されると、この受信音声信号を基地局経由で受信する。そして第1の通信部34は、この受信音声信号に所定の受信処理を施すことで音声データ(以下、これを受信音声データと呼ぶ)を生成し、この受信音声データを出力部36に送出する。これにより出力部36は、第1の通信部34から受信音声データが与えられると、この受信音声データに基づく音声を出力する。このようにして制御部30は、第1の携帯通信端末20Aを使用しているユーザと、第2の携帯通信端末20Bを使用している他のユーザとの通話を成立させる。
さらに第1の通信部34は、第2の携帯通信端末20Bから着呼用の携帯電話着呼信号が公衆電話回線網11を介して送信されると、この携帯電話着呼信号を基地局経由で受信する。ここで携帯電話着呼信号には、他のユーザによって指定された、第1の携帯通信端末20Aに割り当てられている携帯電話番号が通信相手の当該第1の携帯通信端末20Aを示す通信相手指定情報として格納されている。また携帯電話着呼信号には、第2の携帯通信端末20Bに割り当てられている携帯電話番号が通信元の当該第2の携帯通信端末20Bを示す通信元通知情報として格納されている。さらに携帯電話着呼信号には、携帯電話機能によって通話用の通信に公衆電話回線網11が利用されることを示す利用経路通知情報も格納されている。
そして第1の通信部34は、携帯電話着呼信号を受信すると、この携帯電話着呼信号に所定の受信処理を施し、得られた携帯電話着呼データを制御部30に送出する。これにより制御部30は、この携帯電話着呼データに応じて図示しないリンガーを鳴らし又は図示しないバイブレータを駆動して第1の携帯通信端末20Aを振動させる等して、ユーザに対して着呼を通知する。
また制御部30は、このとき携帯電話着呼データに格納された通信元通知情報が示す携帯電話番号を、記憶部32内の電話番号リストNLに含まれる携帯電話番号と比較するようにして、通信元の第2の携帯通信端末20Bを使用している他のユーザ(すなわち、携帯電話機能により電話をかけてきた相手)の名前を特定する。そして制御部30は、この特定した他のユーザの名前と携帯電話着呼データとに基づき、ユーザに着呼を通知するための着呼通知画面データを生成して表示部33に送出することにより当該表示部33に着呼通知画面データに基づく着呼通知画面(図示せず)を表示する。
この場合、着呼通知画面内には、他のユーザの名前(すなわち、携帯電話をかけてきた他のユーザの名前)と、当該他のユーザが使用している第2の携帯通信端末20Bに割り当てられた携帯電話番号(すなわち、通信元通知情報が示す携帯電話番号)と、今回の通信に利用されている通信経路の例えば名称とが表示されている。これにより制御部30は、表示部33に表示した着呼通知画面により、ユーザに対し通話を要求している他のユーザの名前や、当該他のユーザの使用している第2の携帯通信端末20Bの携帯電話番号、また今回の通信に利用される通信経路を通知することができる。
そして制御部30は、この際、ユーザにより指定部31を介して、第2の携帯通信端末20Bとの通信接続を許可する接続許可命令(すなわち、オンフック命令)が入力されると、この通信接続の許可を示す接続許可データを生成し、この接続許可データを第1の通信部34に送出する。これにより第1の通信部34は、制御部30から与えられた接続許可データに所定の送信処理を施して接続許可信号を生成し、この接続許可信号を基地局に向けて送信する。これにより第1の通信部34は、接続許可信号を基地局から公衆電話回線網11を介して第2の携帯通信端末20Bに送信し、かくして、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間の公衆電話回線網11を介した通信接続を確立させる。
また制御部30は、このとき例えば第1の通信部34に接続許可信号を送出したことを切換部39に通知する。そして切換部39は、このときも制御部30からの通知に応じて第1の通信部34を音声信号生成部35及び出力部36と接続する。これにより制御部30は、上述と同様に音声信号生成部35により生成した送信音楽データを第1の通信部34により送信音声信号として公衆電話回線網11を介して第2の携帯通信端末20Bに送信する。また制御部30は、第2の携帯通信端末20Bから送信される受信音声信号を第1の通信部34により受信して出力部36により音声として出力する。このようにして制御部30は、第2の携帯通信端末20Bから着呼があったときにもユーザにより応答が許可されると、第1の携帯通信端末20Aを使用しているユーザと、第2の携帯通信端末20Bを使用している他のユーザとの通話を成立させる。
また制御部30は、ユーザにより指定部31を介して、他のユーザ(すなわち、通話の相手)の使用している第2の携帯通信端末20Bの電話番号を検索する検索要求が入力されることに応じて、表示部33に電話番号選択画面(図示せず)を表示した状態で、ユーザにより指定部31を介して電話番号選択画面上で、例えば他のユーザの使用している第2の携帯通信端末のネット電話番号が指定されたうえで、第2の携帯通信端末20Bへの発呼を命令する発呼命令(以下、これをネット電話発呼命令と呼ぶ)が入力されると、その入力に応じてネット電話発呼データを生成する。
ここでネット電話発呼データには、ユーザにより指定されたネット電話番号が通信相手の第2の携帯通信端末20Bを示す通信相手指定情報として格納されている。またネット電話発呼データには、第1の携帯通信端末20Aに割り当てられているネット電話番号が通信元の当該第1の携帯通信端末20Aを示す通信元通知情報として格納されている。さらにネット電話発呼データには、ネット電話機能によって通話用の通信にインターネット12が利用されることを示す利用経路通知情報も格納されている。そして制御部30は、かかるネット電話発呼データを生成すると、このネット電話発呼データを第2の通信部37に送出する。
第2の通信部37は、制御部30から与えられたネット電話発呼データに所定の送信処理を施してネット電話発呼信号を生成し、このネット電話発呼信号を無線LANのアクセスポイントに向けて送信する。これにより第2の通信部37は、ネット電話発呼信号をアクセスポイントからインターネット12を介して第2の携帯通信端末20Bに送信し、かくして、この第2の携帯通信端末20Bを介して他のユーザにネット電話機能による発呼を通知する。
その結果、第2の通信部37は、例えば他のユーザにより第2の携帯通信端末20Bにおいて通信接続を許可する接続許可命令(すなわち、オンフック命令)が入力されることで、当該第2の携帯通信端末20Bから接続許可信号が送信されると、この接続許可信号を、アクセスポイント経由で受信する。そして第2の通信部37は、この接続許可信号に所定の受信処理を施すことで接続許可データを生成し、この接続許可データを制御部30に送出する。これにより制御部30は、第2の通信部37から与えられた接続許可データに応じて、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間でインターネット12を利用した通信接続が確立したことを認識する。そして制御部30は、このインターネット12を介して通信接続が確立したことを切換部39に通知する。
切換部39は、このとき制御部30からの通知に応じて第2の通信部37を音声信号生成部35及び出力部36と接続する。これにより音声信号生成部35は、ユーザの音声を集音するようにして送信音声データを生成し、これを第2の通信部37に送出する。そして第2の通信部37は、音声信号生成部35から与えられた送信音声データに所定の送信処理を施して送信音声信号を生成し、この送信音声信号をアクセスポイントに向けて送信する。これにより第2の通信部37は、送信音声信号をアクセスポイントからインターネット12を介して第2の携帯通信端末20Bに送信する。
また第2の通信部37は、このとき第2の携帯通信端末20Bから他のユーザの音声が受信音声信号としてインターネット12を介して送信されると、この受信音声信号をアクセスポイント経由で受信する。そして第2の通信部37は、この受信音声信号に所定の受信処理を施すことで受信音声データを生成し、この受信音声データを出力部36に送出する。これにより出力部36は、第2の通信部37から受信音声データが与えられると、この受信音声データに基づく音声を出力する。このようにして制御部30は、第1の携帯通信端末20Aを使用しているユーザと、第2の携帯通信端末20Bを使用している他のユーザとの通話を成立させる。
さらに第2の通信部37は、第2の携帯通信端末20Bから着呼用のネット電話着呼信号がインターネット12を介して送信されると、このネット電話着呼信号をアクセスポイント経由で受信する。ここでネット電話着呼信号には、他のユーザによって指定された、第1の携帯通信端末20Aに割り当てられているネット電話番号が通信相手の当該第1の携帯通信端末20Aを示す通信相手指定情報として格納されている。またネット電話着呼信号には、第2の携帯通信端末20Bに割り当てられているネット電話番号が通信元の当該第2の携帯通信端末20Bを示す通信元通知情報として格納されている。さらにネット電話着呼信号には、ネット電話機能によって通話用の通信にインターネット12が利用されることを示す利用経路通知情報も格納されている。
そして第2の通信部37は、ネット電話着呼信号を受信すると、このネット電話着呼信号に所定の受信処理を施し、得られたネット電話着呼データを制御部30に送出する。これにより制御部30は、このネット電話着呼データに応じて図示しないリンガーを鳴らし又は図示しないバイブレータを駆動して第1の携帯通信端末20Aを振動させる等して、ユーザに対して着呼を通知する。
また制御部30は、このときネット電話着呼データに格納された通信元通知情報が示すネット電話番号を、記憶部32内の電話番号リストNLに含まれるネット電話番号と比較するようにして、通信元の第2の携帯通信端末20Bを使用している他のユーザ(すなわち、ネット電話機能により電話をかけてきた相手)の名前を特定する。そして制御部30は、この特定した他のユーザの名前とネット電話着呼データとに基づき、ユーザに着呼を通知するための着呼通知画面データを生成して表示部33に送出することにより当該表示部33に着呼通知画面データに基づく着呼通知画面(図示せず)を表示する。
この場合、着呼通知画面内には、他のユーザの名前(すなわち、ネット電話をかけてきた他のユーザの名前)と、当該他のユーザが使用している第2の携帯通信端末20Bに割り当てられたネット電話番号(すなわち、通信元通知情報が示すネット電話番号)と、今回の通信に利用されている通信経路の例えば名称とが表示されている。これにより制御部30は、表示部33に表示した着呼通知画面により、ユーザに対し通話を要求している他のユーザの名前や、当該他のユーザの使用している第2の携帯通信端末20Bのネット電話番号、また今回の通信に利用される通信経路を通知することができる。
そして制御部30は、この際、ユーザにより指定部31を介して、第2の携帯通信端末20Bとの通信接続を許可する接続許可命令(すなわち、オンフック命令)が入力されると、この通信接続の許可を示す接続許可データを生成し、この接続許可データを第2の通信部37に送出する。これにより第2の通信部37は、制御部30から与えられた接続許可データに所定の送信処理を施して接続許可信号を生成し、この接続許可信号をアクセスポイントに向けて送信する。これにより第2の通信部37は、接続許可信号をアクセスポイントからインターネット12を介して第2の携帯通信端末20Bに送信し、かくして、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間のインターネット12を介した通信接続を確立させる。
また制御部30は、このとき例えば第2の通信部37に接続許可信号を送出したことを切換部39に通知する。そして切換部39は、このときも制御部30からの通知に応じて第2の通信部37を音声信号生成部35及び出力部36と接続する。これにより制御部30は、上述と同様に音声信号生成部35により生成した送信音楽データを第2の通信部37により送信音声信号としてインターネット12を介して第2の携帯通信端末20Bに送信する。また制御部30は、第2の携帯通信端末20Bから送信される受信音声信号を第2の通信部37により受信して出力部36により音声として出力する。このようにして制御部30は、第2の携帯通信端末20Bから着呼があったときにもユーザにより応答が許可されると、第1の携帯通信端末20Aを使用しているユーザと、第2の携帯通信端末20Bを使用している他のユーザとの通話を成立させる。
ところで携帯電話機能による通信は、屋外や屋内に関わらずに多数設置された基地局を介して公衆電話回線網11を利用している。このため携帯電話機能による通信では、通信場所がほとんど限定されずに何処でも通信可能であるという利点を有している。しかしながら携帯電話機能による通信で通信経路として利用する公衆電話回線網11や、当該公衆電話回線網11への接続に利用する多数の基地局は、例えば1つの通信会社により維持管理されている。このため携帯電話機能による通信では、公衆電話回線網11や多数の基地局の維持管理のために、当該通信を通話に利用したユーザから比較的高い通信料が徴収されている。
これに対してネット電話機能による通信は、上述した基地局よりも格段的に設置数が少なく、また設置場所のほとんどが屋内というように制限されたアクセスポイントを介してインターネット12を利用している。このためネット電話機能による通信では、通信場所が大幅に制限されている。しかしながらネット電話機能による通信では、コンピュータ通信等ですでに利用されている既存のインターネット12を、通信経路として流用しているため、当該通信を通話に利用したときに発生する通信料が格段的に安いという利点を有している。
このため制御部30は、第1の携帯通信端末20Aの使用環境及び通信料等の使用状況に応じてユーザに、これら携帯電話機能及びネット電話機能の一方を任意に選択させて使い分けさせることができる。よって制御部30は、第1の携帯通信端末20Aを、ユーザに対する使い勝手を向上させて他のユーザとの通話を実現させることができる。
(2−3)通信経路切換処理
次に、第1の携帯通信端末20Aにおいて、第2の携帯通信端末20Bとの通信中にその通信に利用している通信経路を切り換える(すなわち、公衆電話回線網11からインターネット12へ、またインターネット12から公衆電話回線網11へと通信経路を切り換える)通信経路切換処理について詳述する。
まず、上述した構成に加えて第1の携帯通信端末20Aは、例えば工場出荷時にメーカ側で、第2の携帯通信端末20Bの通信に利用するように指定された1つの通信経路としてインターネット12を示す利用経路情報が記憶部32に記憶されている。これにより制御部30は、例えば第2の携帯通信端末20Bからの着呼に応じた第1の携帯通信端末20Aと当該第2の携帯通信端末20Bの通信時に、通信経路として公衆電話回線網11が利用されると、当該第2の携帯通信端末20Bとの通信に利用する通信経路を公衆電話回線網11から、利用経路情報が示すインターネット12に切り換えるように設定する。
そして制御部30は、第1の携帯通信端末20Aがユーザにより使用されいている状態で、当該ユーザにより第2の携帯通信端末20Bの通信に利用する通信経路が特には指定されなければ、工場出荷時にメーカ側により指定されたインターネット12を、ユーザにより指定されたものとする。これにより制御部30は、例えば第2の携帯通信端末20Bからの着呼に応じた第1の携帯通信端末20Aと当該第2の携帯通信端末20Bとの通信時に、通信経路として公衆電話回線網11が利用されると、当該第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用する通信経路を公衆電話回線網11から、利用経路情報が示すインターネット12に切り換える設定をそのまま維持する。
これに対して制御部30は、ユーザにより指定部31を介して第2の携帯通信端末20Bとの通信に利用する1つの通信経路として公衆電話回線網11が指定されると、当該指定された公衆電話回線網11を示す利用経路情報を記憶部32に送出して、すでに記憶していた利用経路情報に上書きすることで、当該利用経路情報の内容を更新する。これにより制御部30は、例えば第2の携帯通信端末20Bからの着呼に応じた第1の携帯通信端末20Aと当該第2の携帯通信端末20Bの通信時に通信経路としてインターネット12が利用されると、当該第2の携帯通信端末20Bとの通信に利用する通信経路をインターネット12から、新たな利用経路情報が示す公衆電話回線網11に切り換えるように設定する。
このようにしてユーザにより第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間の通信に利用する1つの通信経路が指定された状態で、制御部30は、例えば第2の携帯通信端末20Bからの着呼に応じて第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信接続が確立すると(すなわち、着呼に応じて接続許可データを第1及び第2の通信部34及び37に送出すると)と、これを判別部38に通知する。判別部38は、制御部30から第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bとの通信接続の確立が通知されると、第1及び第2の通信部34及び37の動作状態(例えば、第1の通信部34と音声信号生成部35及び出力部36との間の送信音声データ及び受信音声データの授受の有無や、第2の通信部37と音声信号生成部35及び出力部36との間の送信音声データ及び受信音声データの授受の有無)、又は第1及び第2の通信部34及び37と、音声信号生成部35及び出力部36との接続状態等により、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間の通信により動作している一方の第1又は第2の通信部34又は37を検出する。
そして判別部38は、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間の通信により動作している一方の第1又は第2の通信部34又は37を検出すると、その検出結果に応じて、当該第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間の通信に利用されている通信経路を判別する。すなわち、判別部38は、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間の通信により第1の通信部34が動作している場合、当該第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間の通信に1つの通信経路として公衆電話回線網11が利用されていると判別する。これに対して判別部38は、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間の通信により第2の通信部37が動作している場合、当該第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間の通信に1つの通信経路としてインターネット12が利用されていると判別する。そして判別部38は、記憶部32から利用経路情報を読み出す。
判別部38は、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用されている1つの通信経路と、利用経路情報が示す1つの通信経路とを比較して、これらが一致するか否かを判別し、その判別結果を切換部39に通知する。
その結果、切換部39は、判別部38により、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用されている1つの通信経路と、利用経路情報が示す1つの通信経路とが一致したと判別された場合、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間の通信に利用されている1つの通信経路を何ら切り換えないようにする。すなわち、切換部39は、このときの通信に応じた一方の第1又は第2の通信部34又は37と、音声信号生成部35及び出力部36との接続を維持する。
これに対して切換部39は、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用されている1つの通信経路と、利用経路情報が示す1つの通信経路とが一致しないと判別部38により判別された場合、第2の携帯通信端末20Bに対し通信経路の切り換えを要求する経路切換要求データを生成する。
ここで切換部39は、ユーザによる事前の指定に応じて、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間の通信に利用されている1つの通信経路を、公衆電話回線網11からインターネット12へ切り換える場合と、これとは逆にインターネット12から公衆電話回線網11へ切り換える場合とがある。従って以下には、まず第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間の通信に利用されている1つの通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12へ切り換える場合について説明した後、インターネット12から公衆電話回線網11へ切り換える場合について説明する。
まず図5(A)乃至(C)に示すように、切換部39は、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用されている通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12に切り換える場合、制御部30に対し、このとき通信している第2の携帯通信端末20Bの携帯電話番号を要求する。その結果、切換部39は、第2の携帯通信端末20Bから送信された(すなわち、着呼のときに取得した)携帯電話発呼データ内の通信元通知情報が示す携帯電話番号を取得する。
また切換部39は、記憶部32から電話番号リストNL(図4)を読み出す。そして切換部39は、この電話番号リストNL内で、制御部30から取得した携帯電話番号(すなわち、現在、公衆電話回線網11を介して通信している第2の携帯通信端末20Bに割り当てられた携帯電話番号)に対応付けられているネット電話番号(すなわち、現在通信している第2の携帯通信端末20Bに割り当てられているネット電話番号)を検索し、その検索結果に応じて経路切換要求データを生成する。
ここで経路切換要求データには、電話番号リストNLから検索したネット電話番号が通信経路の切換相手である第2の携帯通信端末20Bを示す経路切換相手指定情報として格納されている。また経路切換要求データには、第1の携帯通信端末20Aに割り当てられているネット電話番号が通信経路の切換要求元である当該第1の携帯通信端末20Aを示す経路切換元通知情報として格納されている。切換部39は、このような経路切換要求データを生成すると、これを第2の通信部37に送出する。
第2の通信部37は、このとき切換部39から与えられた経路切換要求データに所定の送信処理を施して経路切換要求信号を生成し、この経路切換要求信号をアクセスポイントに向けて送信する。そして第2の通信部37は、アクセスポイントに向けて経路切換要求信号を送信した時点から予め設定された所定の受信待受時間の間、第2の携帯通信端末20Bからインターネット12を利用する通信接続を許可する接続許可信号が返信されることを待ち受ける。
ここで第2の通信部37は、例えば第2の携帯通信端末20Bと公衆電話回線網11を介して通信中の第1の携帯通信端末20Aがアクセスポイントの通信エリア内に入っていないと、経路切換要求信号を、ネットワーク12を介して第2の携帯通信端末20Bへは送信し得ていないため、受信待受時間が経過しても当該第2の携帯通信端末20Bからの接続許可信号の返信を受けることができない。また第2の通信部37は、例えば第2の携帯通信端末20Bと公衆電話回線網11を介して通信中の第1の携帯通信端末20Aがアクセスポイントの通信エリア内に入っていても、この第2の携帯通信端末20Bが何れのアクセスポイントの通信エリア内にも入っていなければ、経路切換要求信号を受信し得ないため、同様に受信待受時間が経過しても当該第2の携帯通信端末20Bからの接続許可信号の返信を受けることができない。そして第2の通信部37は、このようにアクセスポイントに向けて経路切換要求信号を送信した時点から受信待受時間が経過しても、接続許可信号を受信しないと、その旨を切換部39に通知する。
従って切換部39は、第2の通信部37から受信待受時間が経過しても接続許可信号を受信していないことが通知されると、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間でインターネット12を利用した通信接続が確立し得ないことにより、第1の通信部34と、音声信号生成部35及び出力部36との接続を維持する。これにより切換部39は、この際、第1の携帯通信端末20Aに対し公衆電話回線網11を利用した第2携帯通信端末20Bとの通信を継続させる。
これに対して第2の通信部37は、例えば通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bがそれぞれ異なるアクセスポイントの通信エリア内に入っていると、経路切換要求信号を最寄りのアクセスポイントからインターネット12を介して第2の携帯通信端末20Bに送信し得るため、受信待受時間内に当該第2の携帯通信端末20Bからインターネット12を介して送信された接続許可信号を最寄りのアクセスポイント経由で受信する。そして第2の通信部37は、接続許可信号を受信すると、この接続許可信号に所定の受信処理を施して接続許可データを生成し、これを切換部39に送出する。
切換部39は、第2の通信部37から接続許可データが与えられると、これに応じて第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間でインターネット12を利用した通信接続が確立したことを認識する。そして切換部39は、このとき第1の通信部34と音声信号生成部35との接続を遮断すると共に、第2の通信部37と音声信号生成部35とを接続する。また切換部39は、音声信号生成部35に対する第1の通信部34から第2の通信部37への接続の切り換えに合わせて、当該音声信号生成部35から第1の通信部34に替えて第2の通信部37に送出し始める送信音声データの先頭となるように、通信経路の切り換えを指示する経路切換指示データを第2の通信部37に送出する。
この際、第1の通信部34は、音声信号生成部35との接続が遮断されるものの、この接続の遮断までに音声信号生成部35から与えられていた送信音声データを送信処理し、当該送信音声データを送信音声信号として基地局へ送信し終えると、第2の携帯通信端末20Aとの通信用の送信処理を全て終了する。また第2の通信部37は、切換部39から経路切換指示データが与えられると、第2の携帯通信端末20Aとの通信用の送信処理を開始する。そして第2の通信部37は、この経路切換指示データに所定の送信処理を施して経路切換指示信号を生成し、これを最寄りのアクセスポイントに向けて送信する。また第2の通信部37は、この経路切換指示データに引き続き音声信号生成部35から与えられた送信音声データにも所定の送信処理を施して送信音声信号を生成し、これも最寄りのアクセスポイントに向けて送信する。これにより第2の通信部37は、経路切換指示信号と送信音声信号とを順次アクセスポイントからインターネット12を介して第2の携帯通信端末20Bに送信する。
さらに第2の通信部37は、第2の携帯通信端末20Bに対し経路切換指示信号を送信すると、第2の携帯通信端末20Bから、この第2の携帯通信端末20Bにおける通信経路の切換が完了したことを通知する経路切換完了信号が、公衆電話回線網11に替えてインターネット12を介して送信され、引き続き受信音声信号も、公衆電話回線網11に替えてインターネット12を介して送信されることにより、これら経路切換完了信号と受信音声信号との受信を待ち受ける。その結果、第2の通信部37は、第2の携帯通信端末20Bからインターネット12を介して送信された経路切換完了信号を最寄りのアクセスポイント経由で受信すると、この経路切換完了信号に所定の受信処理を施して経路切換完了データを生成して、これを切換部39に送出する。
これにより切換部39は、第2の通信部37から経路切換完了データが与えられると、これに応じて第2の携帯通信端末20Bにおいて送信音声信号及び受信音声信号の送受信に利用していた通信経路の切り換え(すなわち、公衆電話回線網11からインターネット12へと切り換え)が完了したことを認識する。
ところで第1の通信部34は、この際、第2の携帯通信端末20Bから公衆電話回線網11を介して送信されていた受信音声信号がインターネット12を利用する送信に切り換えられるものの、当該公衆電話回線網11を介して送信された受信音声信号を基地局経由で受信している間は、この受信音声信号を受信処理する。そして第1の通信部34は、基地局経由で受信した受信音声信号を受信音声信号として出力部36へ送出し終えると、第2の携帯通信端末20Aとの通信用の受信処理を全て終了し、当該受信処理の終了を切換部39に通知する。よって切換部39は、第2の携帯通信端末20Bにおいて送信音声信号及び受信音声信号の送受信に利用していた通信経路の切り換えが完了し、かつ第1の通信部34での受信処理が終了すると、これに応じて第1の通信部34と出力部36との接続を遮断すると共に、第2の通信部37と出力部36とを接続する。
ここで第2の通信部37は、最寄りのアクセスポイント経由で経路切換指示信号に引き続き受信音声信号を受信すると、この受信音声信号に所定の受信処理を施して受信音声データを生成する。そして第2の通信部37は、受信音声データを生成し始めたときに出力部36と接続されていると、当該生成した受信音声データをその出力部36に送出する。しかしながら第2の通信部37は、受信音声データを生成し始めたときに出力部36と接続されていないと、第1の通信部34から出力部36への受信音声信号の送出が終了して、当該第1の通信部34に替えて出力部36が接続されるまでの間、例えば、生成した受信音声データを一時的に保持している。そして、第2の通信部37は、第1の通信部34に替えて出力部36が接続されると、一時的に保持していた受信音声データを出力部36へと送出し始める。
すなわち第2の通信部37は、切換部39により第1の通信部34から第2の通信部37へと出力部36の接続が切り換えられた時点(以下、これを接続切換時点と呼ぶ)と、受信音声データの生成を開始した時点(以下、これを生成開始時点と呼ぶ)とを監視している。そして第2の通信部37は、接続切換時点と生成開始時点とが一致したときには、生成を開始した受信音声データを直ちに出力部36へ送出し始める。これにより第2の通信部37は、通信経路の切り換えによって、出力部36から出力される他のユーザの音声が通話途中に途切れることを回避している。
また第2の通信部37は、接続切換時点よりも生成開始時点が時間的に後であるときには、受信音声信号に対する受信処理の処理速度を通常よりも高速にして受信音声データを生成しながら出力部36へ送出する。これにより第2の通信部37は、通信経路の切り換えによって、出力部36から出力される他のユーザの音声が通話途中に途切れることを極力回避している。
さらに第2の通信部37は、接続切換時点よりも生成開始時点が時間的に前であるときには、一時的に保持していた受信音声データを、単位時間当たりの送出量を通常の送出量よりもわずかに多くして出力部36へ送出し始める。そして第2の通信部37は、一時的に保持していた受信音声データを出力部36へ送出し終えると、引き続き受信音声信号を受信して受信音声データを生成しながら、これを出力部36に送出する。これにより第2の通信部37は、このように接続切換時点よりも生成開始時点が時間的に前であるときには、一時的に保持している受信音声データを出力部36へ出力し終えるまで、当該出力部36から他のユーザの音声をあたかもわずかに早送り再生しているように出力させる。よって第2の通信部37は、通信経路の切り換えにより、出力部36から出力される他のユーザの音声の一部が通話途中に消失することを回避していると共に、受信音声データを一時的に保持していた分だけ出力部36から出力される他のユーザの音声が遅延することを回避している。
このようにして第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bからの着呼に応じて公衆電話回線網11を介した通信を開始したとき、利用経路情報に、第2の携帯通信端末20Bとの通信に利用する1つの通信経路としてインターネット12がユーザにより予め指定されており、且つ、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bがそれぞれ異なるアクセスポイントの通信エリア内に入っている場合には、ユーザに何ら煩雑な操作を行わせることなく、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12に容易に切り換えることができる。
すなわち第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bを使用している相手方のユーザが公衆電話回線網11を介して携帯電話をかけてきて通話を開始したとき、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bがインターネット12を介して通信接続できた場合には、例えば、「通話に用いる通信になるべく通信料をかけたくない」と所望した第1の携帯通信端末20Aのユーザにより、通話に用いる通信経路としてインターネット12が予め指定されていたことに応じて、ユーザに何ら煩雑な操作を行わせることなく、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12に容易に切り換えることができ、その結果として、通信中に通信経路を容易に変更し得る。
ところで、ここまでは、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用している通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12に切り換えるとき、第1の携帯通信端末20Aが通信経路の切換要求元である場合について説明したが、引き続き、第2の携帯通信端末20Bが通信経路の切換要求元であり、かつ第1の携帯通信端末20Aが通信経路の切換相手である場合について説明する。すなわち、通信経路の切換要求元である第2の携帯通信端末20Bは、この際、第1の携帯通信端末20Aからの着呼に応じた第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信中に、上述した場合と同様の処理を実行する。また通信経路の切換相手である第1の携帯通信端末20Aについては、第1の携帯通信端末20Aへの発呼に応じた第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信中に、当該第2の携帯通信端末20Bからインターネット12を介して送信される経路切換要求信号を、第2の通信部37が最寄りのアクセスポイント経由で受信すると、この経路切換要求信号に所定の受信処理を施して経路切換要求データを生成し、これを切換部39に送出する。
この際、切換部39は、第2の通信部37から経路切換要求データが与えられたことに応じて、インターネット12を介した通信接続を許可する接続許可データを生成し、これを第2の通信部37に送出する。これにより第2の通信部37は、切換部39から与えられた接続許可データに所定の送信処理を施して接続許可信号を生成し、これを最寄りのアクセスポイントに向けて送信する。このようにして第2の通信部37は、接続許可信号をアクセスポイントからインターネット12を介して第2の携帯通信端末20Bに送信する。
そして第2の通信部37は、第2の携帯通信端末20Bからインターネット12を介して送信された経路切換指示信号を最寄りのアクセスポイント経由で受信すると、この経路切換指示信号に対し所定の受信処理を施して経路切換指示データを生成し、これを切換部39に送出する。これにより切換部39は、第2の通信部37から経路切換指示データが与えられると、これに応じて第2の携帯通信端末20Bから送信音声信号及び受信音声信号の送受信に利用していた通信経路の切り換え(すなわち、公衆電話回線網11からインターネット12へと切り換え)が要求されたことを認識する。
切換部39は、第2の通信部37から経路切換指示データが与えられると、これに応じて第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間でインターネット12を利用した通信接続が確立したことを認識する。そして切換部39は、このとき第1の通信部34と音声信号生成部35との接続を遮断すると共に、第2の通信部37と音声信号生成部35とを接続する。また切換部39は、音声信号生成部35に対する第1の通信部34から第2の通信部37への接続の切り換えに合わせて、当該音声信号生成部35から第1の通信部34に替えて第2の通信部37に送出し始める送信音声データの先頭となるように、通信経路の切り換えの完了を通知する経路切換完了データを第2の通信部37に送出する。
この際、第1の通信部34は、音声信号生成部35との接続が遮断されるものの、この接続の遮断までに音声信号生成部35から与えられていた送信音声データを送信処理し、当該送信音声データを送信音声信号として基地局へ送信し終えると、第2の携帯通信端末20Aとの通信用の送信処理を全て終了する。また第2の通信部37は、切換部39から経路切換完了データが与えられると、第2の携帯通信端末20Aとの通信用の送信処理を開始する。そして第2の通信部37は、この経路切換完了データに所定の送信処理を施して経路切換完了信号を生成し、これを最寄りのアクセスポイントに向けて送信する。また第2の通信部37は、この経路切換完了データに引き続き音声信号生成部35から与えられた送信音声データにも所定の送信処理を施して送信音声信号を生成し、これも最寄りのアクセスポイントに向けて送信する。これにより第2の通信部37は、経路切換完了信号と送信音声信号とを順次アクセスポイントからインターネット12を介して第2の携帯通信端末20Bに送信する。
ところで第1の通信部34は、この際、第2の携帯通信端末20Bから公衆電話回線網11を介して送信されていた受信音声信号がインターネット12を利用する送信に切り換えられるものの、当該公衆電話回線網11を介して送信された受信音声信号を基地局経由で受信している間は、この受信音声信号を受信処理する。そして第1の通信部34は、基地局経由で受信した受信音声信号を受信音声信号として出力部36へ送出し終えると、第2の携帯通信端末20Aとの通信用の受信処理を全て終了し、当該受信処理の終了を切換部39に通知する。よって切換部39は、第2の携帯通信端末20Bから送信音声信号及び受信音声信号の送受信に利用していた通信経路の切り換えが要求され、かつ第1の通信部34での受信処理が終了すると、これに応じて第1の通信部34と出力部36との接続を遮断すると共に、第2の通信部37と出力部36とを接続する。
ここで第2の通信部37は、最寄りのアクセスポイント経由で経路切換要求信号に引き続き受信音声信号を受信すると、この受信音声信号に所定の受信処理を施して受信音声データを生成する。そして第2の通信部37は、受信音声データを生成し始めたときに出力部36と接続されていると、当該生成した受信音声データをその出力部36に送出する。しかしながら第2の通信部37は、受信音声データを生成し始めたときに出力部36と接続されていないと、第1の通信部34から出力部36への受信音声信号の送出が終了して、当該第1の通信部34に替えて出力部36が接続されるまでの間、例えば、生成した受信音声データを一時的に保持している。そして、第2の通信部37は、第1の通信部34に替えて出力部36が接続されると、一時的に保持していた受信音声データを出力部36へと送出し始める。
すなわち第2の通信部37は、この場合も接続切換時点と生成開始時点とを監視している。そして第2の通信部37は、接続切換時点と生成開始時点とが一致したときには、生成を開始した受信音声データを直ちに出力部36へ送出し始める。これにより第2の通信部37は、通信経路の切り換えによって、出力部36から出力される他のユーザの音声が通話途中に途切れることを回避している。
また第2の通信部37は、接続切換時点よりも生成開始時点が時間的に後であるときには、受信音声信号に対する受信処理の処理速度を通常よりも高速にして受信音声データを生成しながら出力部36へ送出する。これにより第2の通信部37は、通信経路の切り換えによって、出力部36から出力される他のユーザの音声が通話途中に途切れることを極力回避している。
さらに第2の通信部37は、接続切換時点よりも生成開始時点が時間的に前であるときには、一時的に保持していた受信音声データを、単位時間当たりの送出量を通常の送出量よりもわずかに多くして出力部36へ送出し始める。そして第2の通信部37は、一時的に保持していた受信音声データを出力部36へ送出し終えると、引き続き受信音声信号を受信して受信音声データを生成しながら、これを出力部36に送出する。これにより第2の通信部37は、このように接続切換時点よりも生成開始時点が時間的に前であるときには、一時的に保持している受信音声データを出力部36へ出力し終えるまで、当該出力部36から他のユーザの音声をあたかもわずかに早送り再生しているように出力させる。よって第2の通信部37は、通信経路の切り換えにより、出力部36から出力される他のユーザの音声の一部が通話途中に消失することを回避していると共に、受信音声データを一時的に保持していた分だけ出力部36から出力される他のユーザの音声が遅延することを回避している。
このようにして第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bへの発呼に応じて公衆電話回線網11を介した通信を開始したとき、インターネット12を介して第2の携帯通信端末20Bから送信された経路切換要求信号を受信した場合には、この経路切換要求信号に示される第2の携帯通信端末20Bのユーザの指定に応じ、ユーザに何ら煩雑な操作を行わせることなく、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12に簡易に切り換えることができる。
すなわち第1の携帯通信端末20Aは、この第1の携帯通信端末20Aのユーザが第2の携帯通信端末20Bのユーザに公衆電話回線網11を介して携帯電話をかけて通話を開始したときに、インターネット12を介して第2の携帯通信端末20Bから送信された経路切換要求信号を受信した場合には、例えば、「通話に用いる通信になるべく通信料をかけたくない」と所望した第2の携帯通信端末20Bのユーザにより通話に用いる通信経路としてインターネット12が予め指定されていたことに応じて、ユーザに何ら煩雑な操作を行わせることなく、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12に容易に切り換えることができ、その結果として、通信中に通信経路を容易に変更し得る。
次に図6(A)乃至(C)に示すように、切換部39は、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用されている通信経路をインターネット12から公衆電話回線網11に切り換える場合、制御部30に対し、このとき通信している第2の携帯通信端末20Bのネット電話番号を要求する。その結果、切換部39は、第2の携帯通信端末20Bから送信された(すなわち、着呼のときに取得した)ネット電話発呼データ内の通信元通知情報が示すネット電話番号を取得する。
また切換部39は、記憶部32から電話番号リストNL(図4)を読み出す。そして切換部39は、この電話番号リストNL内で、制御部30から取得したネット電話番号(すなわち、現在、インターネット12を介して通信している第2の携帯通信端末20Bに割り当てられたネット電話番号)に対応付けられている携帯電話番号(すなわち、現在通信している第2の携帯通信端末20Bに割り当てられている携帯電話番号)を検索し、その検索結果に応じて経路切換要求データを生成する。
ここで経路切換要求データには、電話番号リストNLから検索した携帯電話番号が通信経路の切換相手である第2の携帯通信端末20Bを示す経路切換相手指定情報として格納されている。また経路切換要求データには、第1の携帯通信端末20Aに割り当てられている携帯電話番号が通信経路の切換要求元である当該第1の携帯通信端末20Aを示す経路切換元通知情報として格納されている。切換部39は、このような経路切換要求データを生成すると、これを第1の通信部34に送出する。
第1の通信部34は、このとき切換部39から与えられた経路切換要求データに所定の送信処理を施して経路切換要求信号を生成し、この経路切換要求信号を基地局に向けて送信する。そして第1の通信部34は、基地局に向けて経路切換要求信号を送信した時点から予め設定された所定の受信待受時間の間、第2の携帯通信端末20Bから公衆電話回線網11を利用する通信接続を許可する接続許可信号が返信されることを待ち受ける。
ここで第1の通信部34は、例えば第2の携帯通信端末20Bとインターネット12を介して通信中の第1の携帯通信端末20Aが基地局の通信エリア内に入っていないと、経路切換要求信号を、公衆電話回線網11を介して第2の携帯通信端末20Bへは送信し得ていないため、受信待受時間が経過しても当該第2の携帯通信端末20Bからの接続許可信号の返信を受けることができない。また第1の通信部34は、例えば第2の携帯通信端末20Bとインターネット12を介して通信中の第1の携帯通信端末20Aが基地局の通信エリア内に入っていても、この第2の携帯通信端末20Bが何れの基地局の通信エリア内にも入っていなければ、経路切換要求信号を受信し得ないため、同様に受信待受時間が経過しても当該第2の携帯通信端末20Bからの接続許可信号の返信を受けることができない。そして第1の通信部34は、このようにアクセスポイントに向けて経路切換要求信号を送信した時点から受信待受時間が経過しても、接続許可信号を受信しないと、その旨を切換部39に通知する。
従って切換部39は、第1の通信部34から受信待受時間が経過しても接続許可信号を受信していないことが通知されると、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間で公衆電話回線網11を利用した通信接続が確立し得ないことにより、第2の通信部37と、音声信号生成部35及び出力部36との接続を維持する。これにより切換部39は、この際、第1の携帯通信端末20Aに対しインターネット12を利用した第2携帯通信端末20Bとの通信を継続させる。
これに対して第1の通信部34は、例えば通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bがそれぞれ異なる基地局の通信エリア内に入っていると、経路切換要求信号を最寄りの基地局から公衆電話回線網11を介して第2の携帯通信端末20Bに送信し得るため、受信待受時間内に当該第2の携帯通信端末20Bから公衆電話回線網11を介して送信された接続許可信号を最寄りの基地局経由で受信する。そして第1の通信部34は、接続許可信号を受信すると、この接続許可信号に所定の受信処理を施して接続許可データを生成し、これを切換部39に送出する。
切換部39は、第1の通信部34から接続許可データが与えられると、これに応じて第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間で公衆電話回線網11を利用した通信接続が確立したことを認識する。そして切換部39は、このとき第2の通信部37と音声信号生成部35との接続を遮断すると共に、第1の通信部34と音声信号生成部35とを接続する。また切換部39は、音声信号生成部35に対する第2の通信部37から第1の通信部34への接続の切り換えに合わせて、当該音声信号生成部35から第2の通信部37に替えて第1の通信部34に送出し始める送信音声データの先頭となるように、通信経路の切り換えを指示する経路切換指示データを第1の通信部34に送出する。
この際、第2の通信部37は、音声信号生成部35との接続が遮断されるものの、この接続の遮断までに音声信号生成部35から与えられていた送信音声データを送信処理し、当該送信音声データを送信音声信号としてアクセスポイントへ送信し終えると、第2の携帯通信端末20Aとの通信用の送信処理を全て終了する。また第1の通信部34は、切換部39から経路切換指示データが与えられると、第2の携帯通信端末20Aとの通信用の送信処理を開始する。そして第1の通信部34は、この経路切換指示データに所定の送信処理を施して経路切換指示信号を生成し、これを最寄りの基地局に向けて送信する。また第1の通信部34は、この経路切換指示データに引き続き音声信号生成部35から与えられた送信音声データにも所定の送信処理を施して送信音声信号を生成し、これも最寄りの基地局に向けて送信する。これにより第1の通信部34は、経路切換指示信号と送信音声信号とを順次基地局から公衆電話回線網11を介して第2の携帯通信端末20Bに送信する。
さらに第1の通信部34は、第2の携帯通信端末20Bに対し経路切換指示信号を送信すると、第2の携帯通信端末20Bから、この第2の携帯通信端末20Bにおける通信経路の切換が完了したことを通知する経路切換完了信号が、インターネット12に替えて公衆電話回線網11を介して送信され、引き続き受信音声信号も、インターネット12に替えて公衆電話回線網11を介して送信されることにより、これら経路切換完了信号と受信音声信号との受信を待ち受ける。その結果、第1の通信部34は、第2の携帯通信端末20Bから公衆電話回線網11を介して送信された経路切換完了信号を最寄りの基地局経由で受信すると、この経路切換完了信号に所定の受信処理を施して経路切換完了データを生成して、これを切換部39に送出する。
これにより切換部39は、第1の通信部34から経路切換完了データが与えられると、これに応じて第2の携帯通信端末20Bにおいて送信音声信号及び受信音声信号の送受信に利用していた通信経路の切り換え(すなわち、インターネット12から公衆電話回線網11への切り換え)が完了したことを認識する。
ところで第2の通信部37は、この際、第2の携帯通信端末20Bからインターネット12を介して送信されていた受信音声信号が公衆電話回線網11を利用する送信に切り換えられるものの、当該インターネット12を介して送信された受信音声信号をアクセスポイント経由で受信している間は、この受信音声信号を受信処理する。そして第2の通信部37は、アクセスポイント経由で受信した受信音声信号を受信音声信号として出力部36へ送出し終えると、第2の携帯通信端末20Aとの通信用の受信処理を全て終了し、当該受信処理の終了を切換部39に通知する。よって切換部39は、第2の携帯通信端末20Bにおいて送信音声信号及び受信音声信号の送受信に利用していた通信経路の切り換えが完了し、かつ第2の通信部37での受信処理が終了すると、これに応じて第2の通信部37と出力部36との接続を遮断すると共に、第1の通信部34と出力部36とを接続する。
ここで第1の通信部34は、最寄りの基地局経由で経路切換指示信号に引き続き受信音声信号を受信すると、この受信音声信号に所定の受信処理を施して受信音声データを生成する。そして第1の通信部34は、受信音声データを生成し始めたときに出力部36と接続されていると、当該生成した受信音声データをその出力部36に送出する。しかしながら第1の通信部34は、受信音声データを生成し始めたときに出力部36と接続されていないと、第2の通信部37から出力部36への受信音声信号の送出が終了して、当該第2の通信部37に替えて出力部36が接続されるまでの間、例えば、生成した受信音声データを一時的に保持している。そして、第1の通信部34は、第2の通信部37に替えて出力部36が接続されると、一時的に保持していた受信音声データを出力部36へと送出し始める。
すなわち第1の通信部34は、切換部39により第2の通信部37から第1の通信部34へと出力部36の接続が切り換えられた接続切換時点と、受信音声データの生成を開始した生成開始時点とを監視している。そして第1の通信部34は、接続切換時点と生成開始時点とが一致したときには、生成を開始した受信音声データを直ちに出力部36へ送出し始める。これにより第1の通信部34は、通信経路の切り換えによって、出力部36から出力される他のユーザの音声が通話途中に途切れることを回避している。
また第1の通信部34は、接続切換時点よりも生成開始時点が時間的に後であるときには、受信音声信号に対する受信処理の処理速度を通常よりも高速にして受信音声データを生成しながら出力部36へ送出する。これにより第1の通信部34は、通信経路の切り換えによって、出力部36から出力される他のユーザの音声が通話途中に途切れることを極力回避している。
さらに第1の通信部34は、接続切換時点よりも生成開始時点が時間的に前であるときには、一時的に保持していた受信音声データを、単位時間当たりの送出量を通常の送出量よりもわずかに多くして出力部36へ送出し始める。そして第1の通信部34は、一時的に保持していた受信音声データを出力部36へ送出し終えると、引き続き受信音声信号を受信して受信音声データを生成しながら、これを出力部36に送出する。これにより第1の通信部34は、このように接続切換時点よりも生成開始時点が時間的に前であるときには、一時的に保持している受信音声データを出力部36へ出力し終えるまで、当該出力部36から他のユーザの音声をあたかもわずかに早送り再生しているように出力させる。よって第1の通信部34は、通信経路の切り換えにより、出力部36から出力される他のユーザの音声の一部が通話途中に消失することを回避していると共に、受信音声データを一時的に保持していた分だけ出力部36から出力される他のユーザの音声が遅延することを回避している。
このようにして第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bからの着呼に応じてインターネット12を介した通信を開始したとき、利用経路情報に、第2の携帯通信端末20Bとの通信に利用する1つの通信経路として公衆電話回線網11がユーザにより予め指定されており、且つ、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bがそれぞれ異なる基地局の通信エリア内に入っている場合には、ユーザに何ら煩雑な操作を行わせることなく、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信経路をインターネット12から公衆電話回線網11に容易に切り換えることができる。
すなわち第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bを使用している相手方のユーザがインターネット12を介してネット電話をかけてきて通話を開始したとき、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bが公衆電話回線網11を介して通信接続できる場合には、例えば、「移動中に通話することが多いので、できるだけ通話が途切れないようにしたい」と所望した第1の携帯通信端末20Aのユーザにより通話に用いる通信経路として公衆電話回線網11が予め指定されていたことに応じて、ユーザに何ら煩雑な操作を行わせることなく、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信経路をインターネット12から公衆電話回線網11に容易に切り換えることができ、その結果として、通信中に通信経路を容易に変更し得る。
ところで、ここまでは、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用している通信経路をインターネット12から公衆電話回線網11に切り換えるとき、第1の携帯通信端末20Aが通信経路の切換要求元である場合について説明したが、引き続き、第2の携帯通信端末20Bが通信経路の切換要求元であり、かつ第1の携帯通信端末20Aが通信経路の切換相手である場合について説明する。すなわち、通信経路の切換要求元である第2の携帯通信端末20Bは、この際、第1の携帯通信端末20Aからの着呼に応じた第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信中に、上述した場合と同様の処理を実行する。また通信経路の切換相手である第1の携帯通信端末20Aについては、第1の携帯通信端末20Aへの発呼に応じた第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信中に、当該第2の携帯通信端末20Bから公衆電話回線網11を介して送信された経路切換要求信号を、第1の通信部34が最寄りの基地局経由で受信すると、この経路切換要求信号に所定の受信処理を施して経路切換要求データを生成し、これを切換部39に送出する。
この際、切換部39は、第1の通信部34から経路切換要求データが与えられたことに応じて、公衆電話回線網11を介した通信接続を許可する接続許可データを生成し、これを第1の通信部34に送出する。これにより第1の通信部34は、切換部39から与えられた接続許可データに所定の送信処理を施して接続許可信号を生成し、これを最寄りの基地局に向けて送信する。このようにして第1の通信部34は、接続許可信号を基地局から公衆電話回線網11を介して第2の携帯通信端末20Bに送信する。
そして第1の通信部34は、第2の携帯通信端末20Bから公衆電話回線網11を介して送信された経路切換指示信号を最寄りの基地局経由で受信すると、この経路切換指示信号に対し所定の受信処理を施して経路切換指示データを生成し、これを切換部39に送出する。これにより切換部39は、第1の通信部34から経路切換指示データが与えられると、これに応じて第2の携帯通信端末20Bから送信音声信号及び受信音声信号の送受信に利用していた通信経路の切り換え(すなわち、インターネット12から公衆電話回線網11へと切り換え)が要求されたことを認識する。
切換部39は、第1の通信部34から経路切換指示データが与えられると、これに応じて第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間で公衆電話回線網11を利用した通信接続が確立したことを認識する。そして切換部39は、このとき第2の通信部37と音声信号生成部35との接続を遮断すると共に、第1の通信部34と音声信号生成部35とを接続する。また切換部39は、音声信号生成部35に対する第2の通信部37から第1の通信部34への接続の切り換えに合わせて、当該音声信号生成部35から第2の通信部37に替えて第1の通信部34に送出し始める送信音声データの先頭となるように、通信経路の切り換えの完了を通知する経路切換完了データを第1の通信部34に送出する。
この際、第2の通信部37は、音声信号生成部35との接続が遮断されるものの、この接続の遮断までに音声信号生成部35から与えられていた送信音声データを送信処理し、当該送信音声データを送信音声信号としてアクセスポイントへ送信し終えると、第2の携帯通信端末20Aとの通信用の送信処理を全て終了する。また第1の通信部34は、切換部39から経路切換完了データが与えられると、第2の携帯通信端末20Aとの通信用の送信処理を開始する。そして第1の通信部34は、この経路切換完了データに所定の送信処理を施して経路切換完了信号を生成し、これを最寄りの基地局に向けて送信する。また第1の通信部34は、この経路切換完了データに引き続き音声信号生成部35から与えられた送信音声データにも所定の送信処理を施して送信音声信号を生成し、これも最寄りの基地局に向けて送信する。これにより第1の通信部34は、経路切換完了信号と送信音声信号とを順次基地局から公衆電話回線網11を介して第2の携帯通信端末20Bに送信する。
ところで第2の通信部37は、この際、第2の携帯通信端末20Bからインターネット12を介して送信されていた受信音声信号が公衆電話回線網11を利用する送信に切り換えられるものの、当該インターネット12を介して送信された受信音声信号をアクセスポイント経由で受信している間は、この受信音声信号を受信処理する。そして第2の通信部37は、アクセスポイント経由で受信した受信音声信号を受信音声信号として出力部36へ送出し終えると、第2の携帯通信端末20Aとの通信用の受信処理を全て終了し、当該受信処理の終了を切換部39に通知する。よって切換部39は、第2の携帯通信端末20Bから送信音声信号及び受信音声信号の送受信に利用していた通信経路の切り換えが要求され、かつ第2の通信部37での受信処理が終了すると、これに応じて第2の通信部37と出力部36との接続を遮断すると共に、第1の通信部34と出力部36とを接続する。
ここで第1の通信部34は、最寄りの基地局経由で経路切換要求信号に引き続き受信音声信号を受信すると、この受信音声信号に所定の受信処理を施して受信音声データを生成する。そして第1の通信部34は、受信音声データを生成し始めたときに出力部36と接続されていると、当該生成した受信音声データをその出力部36に送出する。しかしながら第1の通信部34は、受信音声データを生成し始めたときに出力部36と接続されていないと、第2の通信部37から出力部36への受信音声信号の送出が終了して、当該第37に替えて出力部36が接続されるまでの間、例えば、生成した受信音声データを一時的に保持している。そして、第1の通信部34は、第2の通信部37に替えて出力部36が接続されると、一時的に保持していた受信音声データを出力部36へと送出し始める。
すなわち第1の通信部34は、この場合も接続切換時点と生成開始時点とを監視している。そして第1の通信部34は、接続切換時点と生成開始時点とが一致したときには、生成を開始した受信音声データを直ちに出力部36へ送出し始める。これにより第1の通信部34は、通信経路の切り換えによって、出力部36から出力される他のユーザの音声が通話途中に途切れることを回避している。
また第1の通信部34は、接続切換時点よりも生成開始時点が時間的に後であるときには、受信音声信号に対する受信処理の処理速度を通常よりも高速にして受信音声データを生成しながら出力部36へ送出する。これにより第1の通信部34は、通信経路の切り換えによって、出力部36から出力される他のユーザの音声が通話途中に途切れることを極力回避している。
さらに第1の通信部34は、接続切換時点よりも生成開始時点が時間的に前であるときには、一時的に保持していた受信音声データを、単位時間当たりの送出量を通常の送出量よりもわずかに多くして出力部36へ送出し始める。そして第1の通信部34は、一時的に保持していた受信音声データを出力部36へ送出し終えると、引き続き受信音声信号を受信して受信音声データを生成しながら、これを出力部36に送出する。これにより第1の通信部34は、このように接続切換時点よりも生成開始時点が時間的に前であるときには、一時的に保持している受信音声データを出力部36へ出力し終えるまで、当該出力部36から他のユーザの音声をあたかもわずかに早送り再生しているように出力させる。よって第1の通信部34は、通信経路の切り換えにより、出力部36から出力される他のユーザの音声の一部が通話途中に消失することを回避していると共に、受信音声データを一時的に保持していた分だけ出力部36から出力される他のユーザの音声が遅延することを回避している。
このようにして第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bへの発呼に応じてインターネット12を介した通信を開始したとき、公衆電話回線網11を介して第2の携帯通信端末20Bから送信された経路切換要求信号を受信した場合には、この経路切換要求信号に示される第2の携帯通信端末20Bのユーザの指定に応じ、ユーザに何ら煩雑な操作を行わせることなく、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信経路をインターネット12から公衆電話回線網11に簡易に切り換えることができる。
すなわち第1の携帯通信端末20Aは、ユーザが第2の携帯通信端末20Bのユーザにインターネット12を介してネット電話をかけて通話を開始したときに、公衆電話回線網11を介して第2の携帯通信端末20Bから送信された経路切換要求信号を受信した場合には、例えば、「移動中に通話することが多いので、できるだけ通話が途切れないようにしたい」と所望した第2の携帯通信端末20Bのユーザにより通話に用いる通信経路として公衆電話回線網11が予め指定されていたことに応じて、ユーザに何ら煩雑な操作を行わせることなく、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信経路をインターネット12から公衆電話回線網11に容易に切り換えることができ、その結果として、通信中に通信経路を容易に変更し得る。
これに加えて制御部30は、上述したように着呼に応じて第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bとが通信すると、着呼通知画面を介して、この通信に利用されている通信経路をユーザに通知し得るようになされている。また切換部39は、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bとの通信途中に、通信経路を切り換えると、この切換後の通信経路を制御部30に通知する。これにより制御部30は、切換部39により通信経路が切り換えられたときにも、例えば通信経路の切換通知用の所定の表示画面を介してユーザに切換後の通信経路を通知(又は確認)させ得るようになされている。
さらに指定部31には、例えば第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用する通信経路として公衆電話回線網11を指定するための第1の経路指定ボタンと、当該通信経路としてインターネット12を指定するための第2の経路指定ボタンとが設けられている。そして制御部30は、第2の携帯通信端末20Bからの着呼に応じた第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信中に、ユーザにより指定部31の第1及び第2の経路指定ボタンの一方が例えば押下操作され、一方の通信経路が指定されると、当該通信経路の指定を判別部38に通知すると共に、その指定された通信経路を切換部39に通知する。
判別部38は、第2の携帯通信端末20Bからの着呼に応じた第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信中に、制御部30からユーザにより、この通信に利用する通信経路が指定されたことが通知されると、上述と同様に当該第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用されている1つの通信経路を判別し、その判別結果と、このときユーザにより指定された一方の通信経路とを比較するようにして、引き続き上述と同様に処理する。これにより切換部39は、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信中でも、ユーザにより、この通信に利用する通信経路が指定されると、その指定に応じて判別部38により、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用されている1つの通信経路と、ユーザの指定が示す1つの通信経路とが一致しないと判別されたときには、上述と同様に第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用する通信経路を、公衆電話回線網11からインターネット12へと、又はインターネット12から公衆電話回線網11へと切り換えることができるようになされている。
また切換部39は、判別部38により、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用されている1つの通信経路と、ユーザの指定が示す1つの通信経路とが一致すると判別されたときには、上述と同様に通信経路の切り換えを実行しない。すなわち切換部39は、例えば、ユーザの勘違いにより、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用されている1つの通信経路と同じ通信経路が、指定部31の第1及び第2の経路指定ボタンの押下操作により指定された場合に、通信経路の切り換え処理を無理に実行しないため、第1の携帯通信端末20Aの処理負荷を不必要に増加させるといったことを回避できる。
このようにして第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bからの着呼に応じた通信中に、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bがそれぞれ異なる基地局又はアクセスポイントの通信エリア内に入っている場合には、ユーザに対し、指定部31の第1及び第2の経路指定ボタンの一方を押下するという簡易な操作をさせるだけで、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信経路をインターネット12から公衆電話回線網11に、又はインターネット12から公衆電話回線網11に容易に切り換えることができる。
すなわち第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bを使用している相手方のユーザが公衆電話回線網11を介して携帯電話をかけてきたことによる通話中に、例えば、第1の携帯通信端末20Aのユーザが所定の駅の構内等に立ち入り、この駅の構内がアクセスポイントの通信エリア内で、且つ、第2の携帯通信端末20Bがアクセスポイントのエリア内に入っている場合には、「この駅の構内はアクセスポイントかもしれないので、できるならば、通信料のかからないインターネット12による通信で通話したい」と所望した第1の携帯通信端末20Aのユーザに対し、第2の経路指定ボタンを押下させる(すなわちインターネット12を指定させる)という簡易な操作をさせるだけで、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12に容易に切り換えることができ、その結果として、通信中に通信経路を容易に変更し得る。
また第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bを使用している相手方のユーザがインターネット12を介してネット電話をかけてきたことによる通話中に、例えば、アクセスポイントのエリア内である所定のカフェで通話中の第1の携帯通信端末20Aのユーザがカフェの外に移動しなければならないときに、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bが基地局のエリア内に入っている場合には、「通話を維持するため、できるならば、通信を維持し易い公衆電話回線網11による通信で通話したい」と所望した第1の携帯通信端末20Aのユーザに対し、第1の経路指定ボタンを押下させる(すなわち公衆電話回線網11を指定させる)という簡易な操作をさせるだけで、通信中の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信経路をインターネット12から公衆電話回線網11に容易に切り換えることができ、その結果として、通信中に通信経路を容易に変更し得る。
(2−4)通信経路切換処理手順
ここで、第1の携帯通信端末20Aにおいて、第2の携帯通信端末20Bとの通信中にその通信に利用されている通信経路を切り換えるとき、第1の携帯通信端末20Aが通信経路の切換要求元である場合の、第1の携帯通信端末20Aで行われる通信経路を切り換える処理(以下、これを第1の通信経路切換処理と呼ぶ)の手順(以下、これを第1の通信経路切換処理手順と呼ぶ)RT1について、図7に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。第1の携帯通信端末20Aの制御部30は、第2の携帯通信端末20Bからの着呼に応じて第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信接続が確立すると、第1の通信経路切換処理手順RT1を開始し、ステップSP1で第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用されている1つの通信経路と、第1の携帯通信端末20Aのユーザが指定する1つの通信経路(すなわちこの場合、ユーザの指定により記憶部32に予め記憶している利用経路情報が示す1つの通信経路又は、ユーザによる指定部31の第1及び第2の経路指定ボタンへの押下操作により指定される1つの通信経路)とを比較し、これらが一致するか否かを判別して次のステップSP2に移る。
ステップSP2において制御部30は、通信経路を切り換えるか否かを判別する。このステップSP2において否定結果が得られると、このことは、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bが、第1の携帯通信端末20Aのユーザが指定した通信経路を介して通信していることを示している。従って、このとき制御部30は、通信経路を切り換えずにステップSP8に移る。
これに対し、このステップSP2において肯定結果が得られると、このことは、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bが、第1の携帯通信端末20Aのユーザが指定していない通信経路を介して通信していることを示している。従って、このとき制御部30は、次のステップSP3に移る。
ステップSP3において制御部30は、第2の携帯通信端末20Bに対し、現時点で通信に用いていない方の通信経路を介して経路切換要求信号を送信し、次のステップSP4に移る。
ステップSP4において制御部30は、第2の携帯通信端末20Bからの接続許可信号の返信を待ち受け、この接続許可信号が返信されてきたか否かを判別する。このステップSP4において肯定結果が得られると、このことは、現時点で通信に用いていない方の通信経路を介して第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間で通信接続が確立したことを示している。従って、このとき制御部30は、ステップSP6に移る。
これに対し、ステップSP4において否定結果が得られると、このことは、現時点で通信に用いていない方の通信経路を介して第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間で通信接続する処理を継続中であることを示している。従って、このとき制御部30は、次のステップSP5に移る。
ステップSP5において制御部30は、所定の受信待受時間が経過したか否かを判別する。このステップSP5において肯定結果が得られると、このことは、現時点で通信に用いていない方の通信経路を介して第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間で通信接続する処理に失敗(すなわち、タイムアウト)したことを示している。従って、このとき制御部30は、ステップSP8に移る。
これに対し、このステップSP5において否定結果が得られると、このことは、現時点で通信に用いていない方の通信経路を介して第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間で通信接続する処理を未だ継続中であることを示している。従って、このとき制御部30は、ステップSP4に戻る。そして制御部30は、ステップSP4及びステップSP5のいずれかで肯定結果が得られるまで、上述したステップSP4及びステップSP5の処理を繰り返す。
ステップSP6において制御部30は、現時点で通信に用いている方の通信経路を介した送信処理を終了すると共に現時点で通信に用いていない方の通信経路を介した送信処理を開始することで、第2の携帯通信端末20Bに対する送信処理を切り換える。そして制御部30は、第2の携帯通信端末20Bに対し、通信経路の切り換えを指示する経路切換指示信号を送信して、次のステップSP7に移る。
ステップSP7において制御部30は、第2の携帯通信端末20Bから送信される、この第2の携帯通信端末20Bにおける通信経路の切り換えの完了を示す経路切換完了信号を受信すると、現時点で通信に用いている方の通信経路を介した受信処理を終了すると共に現時点で通信に用いていない方の通信経路を介した受信処理を開始することで、第2の携帯通信端末20Bに対する受信処理を切り換える。このようにして制御部30は、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信中において、かかる通信に利用している通信経路を切り換えて、次のステップSP8に移る。
ステップSP8において制御部30は、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信中に、ユーザにより指定部31の第1及び第2の経路指定ボタンの一方が押下操作されたか否かを判別する。このステップSP8において肯定結果が得られると、このことは、第1の携帯通信端末20Aのユーザが通話中に一方の通信経路を指定したことを表している。従って、このとき制御部30は、ステップSP1に戻り、上述したステップSP1乃至ステップSP7の処理を実行する。
これに対し、ステップSP8において否定結果が得られると、このことは、第1の携帯通信端末20Aのユーザが通話中に通信経路を未だ指定していないことを示している。従って、このとき制御部30は、次のステップSP9に移る。
ステップSP9において制御部30は、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信が終了したか否かを判別する。このステップSP9において肯定結果が得られると、このことは、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bのいずれかのユーザからの所定の通信切断操作に応じて通信が切断されて、通話が終了したことを示している。従って、このとき制御部30は、ステップSP10に移り、かかる第1の通信経路切換処理手順RT1を終了する。
これに対し、ステップSP9において否定結果が得られると、このことは、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bは未だ通信中であり、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bのユーザ同士の通話が行われていることを示している。従って、このとき制御部30は、ステップSP8に戻り、かかるステップSP8及びステップSP9のいずれかにおいて肯定結果が得られるまで、上述したステップSP8及びステップSP9の処理を繰り返す。
このような第1の通信経路切換処理手順RT1により、制御部30は、通信経路の切換要求元である第1の携帯通信端末20Aにおいて、第2の携帯通信端末20Bとの通信中にその通信に利用している通信経路を切り換えるようになされている。
次に、第1の携帯通信端末20Aにおいて、第2の携帯通信端末20Bとの通信中にその通信に利用されている通信経路を切り換えるとき、第2の携帯通信端末20Bが通信経路の切換要求元であり、かつ第1の携帯通信端末20Aが通信経路の切換相手である場合の、第1の携帯通信端末20Aで行われる通信経路を切り換える処理(以下、これを第2の通信経路切換処理と呼ぶ)の手順(以下、これを第2の通信経路切換処理手順と呼ぶ)RT2について、図8に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。第1の携帯通信端末20Aの制御部30は、第2の携帯通信端末20Bへの発呼に応じて第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信接続が確立すると、第2の通信経路切換処理手順RT2を開始し、ステップSP11において、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信に利用されていない1つの通信経路を介して、第2の携帯通信端末20Bから経路切換要求信号が送信されてくることを待ち受け、この経路切換要求信号を受信したか否かを判別する。
このステップSP11において肯定結果が得られると、このことは、通信に用いる通信経路の切り換えを第2の携帯通信端末20Bが要求していることを示している。従って、このとき制御部30は、ステップSP13に移る。
ステップSP13において制御部30は、受信した経路切換要求信号に応じた通信経路を介して接続許可信号を第2の携帯通信端末20Bに返信し、次のステップSP14に移る。
ステップSP14において制御部30は、第2の携帯通信端末20Bから送信される経路切換指示信号を受信するまで待ち受け、この経路切換指示信号を受信すると、次のステップSP15に移る。
ステップSP15において制御部30は、現時点で通信に用いている方の通信経路を介した受信処理を終了すると共に現時点で通信に用いていない方の通信経路を介した受信処理を開始することで、第2の携帯通信端末20Bに対する受信処理を切り換える。そして制御部30は、現時点で通信に用いている方の通信経路を介した送信処理を終了すると共に現時点で通信に用いていない方の通信経路を介した送信処理を開始することで、第2の携帯通信端末20Bに対する送信処理を切り換える。そして制御部30は、第2の携帯通信端末20Bに対し、この第2の携帯通信端末20Bでの通信経路の切り換えの完了を示す経路切換指示信号を送信して、ステップSP11に戻る。
一方でステップSP11において否定結果が得られると、このことは、第2の携帯通信端末20Bからの経路切換要求信号を未だ受信していないことを示している。従って、このとき制御部30は、次のステップSP12に移る。
ステップSP12において制御部30は、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信が終了したか否かを判別する。このステップSP12において肯定結果が得られると、このことは、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bのいずれかのユーザからの所定の通信切断操作に応じて通信が切断されて、通話が終了したことを示している。従って、このとき制御部30は、ステップSP16に移り、かかる第2の通信経路切換処理手順RT2を終了する。
これに対し、ステップSP12において否定結果が得られると、このことは、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bは未だ通信中であり、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bのユーザ同士の通話が行われていることを示している。従って、このとき制御部30は、ステップSP11に戻り、かかるステップSP11及びステップSP12のいずれかにおいて肯定結果が得られるまで、上述したステップSP11及びステップSP12の処理を繰り返す。
このような第2の通信経路切換処理手順RT2により、制御部30は、通信経路の切換相手である第1の携帯通信端末20Aにおいて、第2の携帯通信端末20Bとの通信中にその通信に利用している通信経路を切り換えるようになされている。
実際上、通信システム10において、第1の携帯通信端末20Aが第1の通信経路切換処理手順RT1を実行すると共に第2の携帯通信端末20Bが第2の通信経路切換処理手順RT2を実行することで、又は第2の携帯通信端末20Bが第1の通信経路切換処理手順RT1を実行すると共に第1の携帯通信端末20Aが第2の通信経路切換処理手順RT2を実行することで、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの通信中に、通信に利用している通信経路を切り換えるようになされている。
(2−5)第1の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において第1の携帯通信端末20Aは、ユーザの指定する通信経路を示す利用経路情報を予め記憶しておき、第2の携帯通信端末20Bからの着呼に応じて、公衆電話回線網11又はインターネット12を利用した通信を行っているとき、現時点で通信に利用している通信経路が利用経路情報に示されるユーザの指定した通信経路であるか否かを判別し、判別の結果、ユーザの指定した通信経路ではなく、且つユーザの指定した通信経路を介して第2の携帯通信端末20Bと通信接続できた場合に、第2の携帯通信端末20Bとの通信に利用する通信経路を切り換える。
従って第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bからの着呼により、この第2の携帯通信端末20Bとの通信を行っているとき、ユーザに何ら煩雑な操作を行わせることなく、利用経路情報に示されるユーザの指定した通信経路での通信に切り換えることができ、その結果として、通信中に通信経路を容易に変更することができる。
また第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bからの着呼に応じて、公衆電話回線網11又はインターネット12を利用した通信を行っているときに、ユーザにより第1及び第2の経路指定ボタンを押下操作されると、現時点で通信に利用している通信経路がこの第1及び第2の経路指定ボタンの押下操作により指定された通信経路であるか否かを判別し、判別の結果、第1及び第2の経路指定ボタンの押下操作により指定された通信経路でなく、且つ第1及び第2の経路指定ボタンの押下操作により指定された通信経路を介して第2の携帯通信端末20Bと通信接続できた場合に、第2の携帯通信端末20Bとの通信に利用する通信経路を切り換える。
従って第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bからの着呼により、この第2の携帯通信端末20Bとの通信を行っているとき、ユーザに対し、第1及び第2の経路指定ボタンを押下するという簡易な操作をさせるだけで、ユーザの指定した通信経路での通信に切り換えることができ、その結果として、通信中に通信経路を容易に変更することができる。
さらに第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bへの発呼により、この第2の携帯通信端末20Bとの間で、公衆電話回線網11又はインターネット12を利用した通信を行っているとき、現時点で通信に利用していない通信経路を介して第2の携帯通信端末20Bから送信された経路切換要求信号を受信した場合に、第2の携帯通信端末20Bとの通信に利用する通信経路を、経路切換要求信号を受信した通信経路に切り換える。
従って第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bへの発呼により、この第2の携帯通信端末20Bとの通信を行っているとき、ユーザに何ら煩雑な操作を行わせることなく、経路切換要求信号に示される第2の携帯通信端末20Bのユーザの指定する方の通信経路での通信に切り換えることができ、その結果として、通信中に通信経路を容易に変更することができる。
以上の構成によれば、公衆電話回線網11を介して第2の携帯通信端末20Bと通信する第1の通信部34と、インターネット12を介して第2の携帯通信端末20Bと通信する第2の通信部37との一方による第2の携帯通信端末20Bとの通信中に、この第2の携帯通信端末20Bとの通信に利用されている公衆電話回線網11又はインターネット12と、第2の携帯通信端末20Bとの通信に利用するように指定された公衆電話回線網11又はインターネット12とが一致するか否かを判別し、当該第2の携帯通信端末20Bとの通信に利用されている公衆電話回線網11又はインターネット12と、第2の携帯通信端末20Bとの通信に利用するように指定された公衆電話回線網11又はインターネット12とが一致しないと判別された場合、第2の携帯通信端末20Bと通信している一方の第1又は第2の通信部34又は37を、他方の第1又は第2の通信部34又は37に切り換えるようにしたことにより、第2の携帯通信端末20Bとの通信中に、何ら煩雑な操作を行わせることなく、当該第2の携帯通信端末20Bと通信する一方の第1又は第2の通信部34又は37を他方の第1又は第2の通信部34又は37へ容易に切り換えることができ、かくして通信中に通信経路を容易に変更することができる。
また第1の携帯通信端末20Aは、第2の携帯通信端末20Bへの発呼に応じて、一方の第1又は第2の通信部34又は37による第2の携帯通信端末20Bとの通信中に、第2の携帯通信端末20Bから送信された経路切換要求信号を他方の第1又は第2の通信部34又は37により受信した場合、第2の携帯通信端末20Bと通信している一方の第1又は第2の通信部34又は37を、他方の第1又は第2の通信部34又は37に切り換えるようにしたことにより、第2の携帯通信端末20Bとの通信中に、何ら煩雑な操作を行わせることなく、当該第2の携帯通信端末20Bと通信する一方の第1又は第2の通信部34又は37を他方の第1又は第2の通信部34又は37へ容易に切り換えることができ、かくして通信中に通信経路を容易に変更することができる。
(2−6)第1の実施の形態における他の実施の形態
なお上述した第1の実施の形態においては、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの固有の識別情報として、公衆電話回線網11上で第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bを識別する携帯電話番号や、インターネット12上で第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bを識別するネット電話番号を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、公衆電話回線網11又はインターネット12上で第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bを識別することができるのであれば、識別情報としては、所定のネットワーク毎のIP(Internet Protocol)アドレスやネットワークID(IDentification)等であっても良く、特に限定しない。
また上述した第1の実施の形態においては、第2の携帯通信端末20Bからの着呼により通信を開始したときにのみ、第1の携帯通信端末20Aが、利用経路情報に示されるユーザの指定する方の通信経路での通信に切り換えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第2の携帯通信端末20Bからの着呼により通信を開始したときに利用経路情報に示されるユーザの指定する方の通信経路に切り換えられなかった場合に、利用経路情報に示されるユーザの指定する方の通信経路への切り換えを試み続ける(すなわち、ポーリングし続ける)ようにしても良い。そうすることで、例えば、利用経路情報にはインターネット12を利用することが示されているものの、第2の携帯通信端末20Bからの公衆電話回線網11を介した携帯電話での着呼に応じて通信を開始したときにはアクセスポイントの通信エリア内に入っていなかったために公衆電話回線網11での通信を継続している第1の携帯通信端末20Aのユーザが、かかる公衆電話回線網11での通信を継続したままアクセスポイントの通信エリア内である所定の駅の構内等に入ったときに、このユーザに対して、指定部31の第1及び第2の経路指定ボタンを押下操作させることなく、利用経路情報に応じて、通信に利用する通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12へと切り換えることができ、その結果として、より一層、通信中に通信経路を容易に変更し得ると共に、使い勝手を向上できる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、電話番号リストNLを第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの記憶部32に予め記憶しておくようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、発呼を行った第1の携帯通信端末20Aから着呼を受けた第2の携帯通信端末20Bに対して、発呼時や、通信接続時、通信を確保した後などに、この第1の携帯通信端末20Aのユーザ名に携帯電話番号とネット電話番号を対応付けたリスト(以下、これを個人リストと呼ぶ)も一緒に送信するようにして、着呼を受けた第2の携帯通信端末20Bは、この送信されてきた個人リストに基づき、現時点で使用していない通信経路の携帯電話番号及びネット電話番等を取得するようにしても良い。その場合、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの記憶部32に電話番号リストNLを記憶しておかなくても済む分だけ、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bを簡易に構成することができる。また、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bが発呼するとき、所定のサーバを介するようにして、このサーバに電話番号リストNLを記憶させておくようにしても良い。その場合、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの記憶部32に電話番号リストNLを記憶しておかなくても済む分だけ、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bを簡易に構成することができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、ユーザの指定に応じて現時点で通信に利用いていない方の通信経路で通信接続したら、通信経路を切り換えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ユーザの指定に応じて現時点で通信に利用いていない方の通信経路で通信接続した後に、通信速度や通信負荷等を計測することにより、かかる通信経路で通話が確保できるか否かを判別してから通信経路を切り換えるようにしても良い。そうすることで、通信に用いる通信経路を切り換えたら、通信が維持できなくて途切れてしまった、といったことを回避することができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、第2の携帯通信端末20Bからの着呼により通信を開始した第1の携帯通信端末20Aにおいて、指定部31の第1及び第2の経路指定ボタンの一方が例えば押下されることに応じて、通信に利用する通信経路を切り換えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第2の携帯通信端末20Bへの発呼により通信を開始した第1の携帯通信端末20Aにおいて、指定部31の第1及び第2の経路指定ボタンの一方が例えば押下されることに応じて、通信に利用する通信経路を切り換えるようにしても良い。そうすることで、例えば、アクセスポイントの通信エリア内に入っていなかったことに応じて、第2の携帯通信端末20Bとの間で公衆電話回線網11を利用した通信を開始した第1の携帯通信端末20Aのユーザが、この公衆電話回線網11を利用した通信を継続したままアクセスポイントの通信エリアである所定の駅の構内等に入ったときに、第2の経路指定ボタンを押下操作することで、第2の携帯通信端末20Bがアクセスポイントの通信エリア内に入っている場合には、通信に利用する通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12に切り換えることができ、その結果として、通話状況に合わせてユーザの指定する通信経路に容易に変更できる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、第1の携帯通信端末20Aと第2の携帯通信端末20Bとの間で音声信号を通信してユーザ同士で通話を行わせるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2の通信部により第2の携帯通信端末20Bに送信される送信画像信号を生成する画像信号生成部と、第2の携帯通信端末20Bから送信されて第1及び第2の通信部により受信される受信画像信号に基づく画像を表示する表示部とを設け、音声信号と共に、この画像信号生成部で生成した画像信号を第2の携帯通信端末20Bに送信するようにすると共に、第2の携帯通信端末20Bから送信される画像信号を受信して表示部に表示するようにして、ユーザ同士にテレビ電話による画像音声通話を行わせるようにしても良く、その場合も、上述と同様にして通信に利用する通信経路を切り換えることができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの記憶部32に、自己に対して予め指定された利用経路情報のみを記憶するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他のユーザの第2の携帯通信端末20B毎の利用経路情報を記憶部32に記憶するようにしても良い。具体的には、他のユーザの第2の携帯通信端末20B毎の利用経路情報を、ユーザの名前に対応付けて電話番号リストNLに付加するようにすれば良く、その場合、第1の携帯通信端末20Aは、着呼に応じて通信を開始したときに、電話番号リストNLに基づいて発呼してきた第2の携帯通信端末20Bの利用経路情報を取得し、この利用経路情報に応じて通信経路の切り換えを行うことができる。また、例えば、第1の携帯通信端末20Aに予め指定された利用経路情報と、電話番号リストNLから取得した第2の携帯通信端末20Bに予め指定された利用経路情報とを比較して、それぞれの利用経路情報に示される通信経路が一致したときに、この利用経路情報に応じて、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B間の通信経路を切り換えるようにしても良い。そうすることで、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの双方のユーザの所望する通信経路で通信することができる。さらに、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20B毎の利用経路情報を、ユーザの名前に対応付けて示す利用経路情報リストを新たに生成したり、データベース化する等して第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの記憶部32に記憶させるようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、第1の携帯通信端末20Aのユーザが指定した1つの利用経路情報に応じて、第2の携帯通信端末20B(すなわち他の全ての携帯通信端末20)との通信に利用する通信経路を切り換えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ユーザに対し、通信を行う第2の携帯通信端末20B毎に利用経路情報を指定させて、例えば第2の携帯通信端末20B毎(すなわち他のユーザ毎)に電話番号リストNTに追加したり、ユーザの名前に対応付けて示す利用経路情報リストを新たに生成する等して、この電話番号リストや利用経路情報リストに示される第2の携帯通信端末20B毎の利用経路情報に応じて通信に利用する通信経路を切り換えるようにしても良い。その場合、第1の携帯通信端末20Aは、例えば、ユーザにより、携帯電話はかかり易いがネット電話はかかり難い他のユーザの使用する第2の携帯通信端末20Bに対して、利用経路情報として公衆電話回線網11が予め指定されている場合には、通信に利用する通信経路をインターネット12から公衆電話回線網11に切り換えることができ、また、ネット電話はかかり易いが携帯電話はかかり難い他のユーザの使用する第2の携帯通信端末20Bに対して、利用経路情報としてインターネット12が予め指定される場合には、通信に利用する通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12に切り換えることができ、その結果として、電話をかけてきた他のユーザ毎に、通信に利用する通信経路を通信中に切り換えることができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、通信経路として、携帯電話機能により通信可能な公衆電話回線網11と、スカイプ(Skype)等のネット電話の機能により通信可能なインターネット12とを適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、通信経路としては、固定電話の機能により通信可能な固定電話回線網等を適用するようにしても良い。また、ネット電話機能としては、スカイプ(Skype)だけでなくMSN(Micro Soft Network)等の他のインスタントメッセンジャーを用いるようにしても良く、その場合、利用経路情報や第1及び第2の経路指定ボタンの押下操作に応じて、公衆電話回線網11及びインターネット12を切り換えるだけでなく、通信速度や通信料金などに応じて、ネット電話の機能としてのスカイプやMSN、他のインスタントメッセンジャーを切り換えるようにすることができる。さらにこの場合、ネット電話の機能としてのスカイプやMSN、他のインスタントメッセンジャーを、それぞれ別の通信経路として扱っても良い。具体的には、上述したネット電話番号を、スカイプの機能に応じたネット電話番号(以下、これをスカイプ電話番号と呼ぶ)やMSNの機能に応じたネット電話番号(以下、これをMSN電話番号と呼ぶ)、または他のインスタントメッセンジャーの機能に応じたそれぞれの電話番号等に分けて、これらを第1の携帯通信端末20A及び第2の携帯通信端末20Bのそれぞれに割り当てることで、上述と同様にして実現できる。すなわち、通信中に切り換える通信経路は、公衆電話回線網11とインターネット12との2種類だけでなく、固定電話回線網等を加えても良いし、またネット電話の種類に応じていくらでも追加して設定可能であるものとする。
さらに上述した第1の実施の形態においては、第2の携帯通信端末20Bからの着呼により通信を開始した第1の携帯通信端末20Aにおいて、利用経路情報に応じて通信経路を切り換えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第2の携帯通信端末20Bへの発呼により通信を開始した第1の携帯通信端末20Aにおいて、利用経路情報に応じて通信経路を切り換えるようにしても良い。これにより、例えば、通信料金がかからないインターネット12を利用することを利用経路情報で予め指定されている場合に、インターネット12を介して第2の携帯通信端末20Bと通信可能な使用状況であるにも関わらず、ユーザの勘違いにより公衆電話回線網11を介した発呼により第2の携帯通信端末20Bと接続してしまった第1の携帯通信端末20Aが、利用経路情報に応じて、通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12に切り換えることができ、かくして、ユーザの指定する通信経路に容易に変更することができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、判別部38により、現時点で通信に利用している通信経路を判別するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、判別部38は、現時点で通信に利用している通信経路を制御部30に要求して教えてもらっても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、第1の携帯通信端末20Aと第2の携帯通信端末20Bとの間で経路切換指示信号と経路切換完了信号とを送受することに基づき、通信経路を切り換えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1の携帯通信端末20Aと第2の携帯通信端末20Bとの間で共通のタイマーを設定し、このタイマーに合わせたタイミングで通信経路を切り換えるようにしても良い。以下、タイマーを用いた通信経路の具体的な手法について、通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12に切り換える場合を例にして説明する。
第1の携帯通信端末20Aの制御部30は、第2の携帯通信端末20Bから送信された接続許可信号を受信してインターネット12を介して通信接続が確立されると、音声信号生成部35から第1の通信部34に送出されている音声データを第2の通信部37にも送出する。そして第2の通信部37は、音声信号生成部35から送出される音声データに所定の送信処理を施して音声送信信号を得て、この音声送信信号をインターネット12を介して相手方携帯通信端末に送信する。また制御部30は、第2の携帯通信端末20Bから接続許可信号に引き続きインターネット12を介して送信された音声に相当する音声受信信号を、第2の通信部37で受信して所定の受信処理を施すことで、第1の通信部34で受信して生成している音声データと同じ音声データを第2の通信部37でも生成する。ちなみに、制御部30は、この第2の通信部37で音声データを生成するものの、第1の通信部34により公衆電話回線網11を介して第2の携帯通信端末20Bとの間で通信を行っている間は、第2の通信部37で生成した音声データを出力部36に送信しないように設定されていることにより、出力部36から出力されるのは第1の通信部34から送信される音声データに基づく音声(すなわち、公衆電話回線網11を介して第2の携帯通信端末20Bから送信されてくる音声受信信号に基づく音声)のみである。従って制御部30は、第1の通信部34から送信される音声データに基づく音声に対して第2の通信部37から送信される音声データに基づく音声を重ねて出力部36から一緒に出力させることに起因して、音声が乱れたり干渉したりすることを未然に防止することができ、結果として、通話を行っているユーザに不快な思いをさせることを回避できる。
また制御部30は、第2の携帯通信端末20Bとの通信接続が確立されると、第2の通信部37により、例えばこの第2の携帯通信端末20Bとの間の処理で用いる共通のタイマーを設定することで同期をとるようになされている。
切換部39は、第2の通信部37によりインターネット12を介して第2の携帯通信端末20Bとの通信接続が確立し、この第2の携帯通信端末20Bとの間で同期をとると、例えば、第1及び第2の通信部第1の通信部34及び37を切り換える処理を実行するまでの現時点からの時間をタイマーでの計時用に設定することにより、通信に利用する通信経路を切り換えるタイミング(この場合、公衆電話回線網11をインターネット12に切り換えるタイミング)を示すデータ(以下、これを切換タイミングデータと呼ぶ)を生成し、この切換タイミングデータを第2の通信部37を介して第2の携帯通信端末20Bに送出すると共に、かかる切換タイミングデータに示されるタイミングになるまでの時間の計時をタイマーにより開始する。そして切換部39は、タイマーでの計時により切換タイミングデータに示される切り換えのタイミングになったことを検出すると、公衆電話回線網11を介した相手方携帯通信端末との接続を切断するように第1の通信部34を制御すると共に、第2の通信部37を制御して、この第2の通信部37で生成した音声データを出力部36に送出して音声データに基づく音声を出力させて、音声通話に用いる通信部を切り換える。このとき、第2の携帯通信端末20Bにおいても、タイマーでの計時に応じて、切換タイミングデータに示される切り換えのタイミングで音声通話に用いる通信部が切り換えられていることにより、その結果として第1の携帯通信端末20Aは、切換タイミングデータに示される切り換えのタイミングで、第2の携帯通信端末20Bとの音声通話に使用する通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12に切り換えることができる。かくして、第1の携帯通信端末20Aは、切換タイミングデータに示される切り換えのタイミングで、通信に利用されている通信経路を公衆電話回線網11からインターネット12に切り換えるときに、例えば、何らかの通信トラブルによりインターネット12が通話を行うだけの通信を維持できないような通信状態であった場合に通信経路の切り換えを無理に実行して通信(通話)を長時間中断させてしまうといったことを回避することができる。
(3)第2の実施の形態
(3−1)通信システムの構成
図9において、100は全体として第2の実施の形態による通信システムを示す。かかる通信システム100は、実施の形態で上述した通信装置1を適用した第1及び第2の携帯通信端末200A及び200Bを有している。そして通信システム100では、第1及び第2の携帯通信端末200A及び200Bが、携帯電話用の基地局(図示せず)に接続された第1の通信経路としての公衆電話回線網11を通話に利用する携帯電話機能を有している。また通信システム100では、第1及び第2の携帯通信端末200A及び200Bが、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイント(図示せず)に接続された第2の通信経路としてのインターネット12を通話に利用するネット電話機能も有している。
これにより通信システム100では、一方の第1又は第2の携帯通信端末200A又は200Bが、携帯電話機能により基地局と無線接続し、その基地局から公衆電話回線網11を介して他方の第1又は第2の携帯通信端末200A又は200Bと通話用に通信し得るようになされている。また通信システム100では、一方の第1又は第2の携帯通信端末200A又は200Bが、ネット電話機能によりアクセスポイントと無線接続し、そのアクセスポイントからインターネット12を介しても他方の第1又は第2の携帯通信端末200A又は200Bと通話用に通信し得るようになされている。
(3−2)携帯通信端末の回路構成
ここで通信システム100の第1及び第2の携帯通信端末200A及び200Bは、同様に構成されている。従って以下には、図10を用いて、第1の携帯通信端末200Aのハードウェア回路ブロックによるハードウェア回路構成についてのみ説明する。かかる第1の携帯通信端末200Aは、当該第1の携帯通信端末200Aの筐体表面に設けられた各種操作キーでなる操作入力部54がユーザによって操作されると、当該操作入力部54でこれを認識し、その操作に応じた操作入力信号を入力処理部53に送出する。入力処理部53は、供給される操作入力信号に対して所定の処理を施すことにより、当該操作入力信号を操作コマンドに変換しバス67を介して中央処理ユニット50に送出する。
中央処理ユニット50は、ROM51に予め記憶されている基本プログラムやアプリケーションプログラム等の各種プログラムをバス67を介してRAM52に読み出す。そして中央処理ユニット50は、RAM52上で展開した各種プログラムに従って全体を制御すると共に、所定の演算処理や、入力処理部53から与えられる操作コマンドに応じた各種処理を実行する。
これにより中央処理ユニット50は、携帯電話モード時、マイクロホン63でユーザの音声を集音して得られた送信音声信号を音声処理部62によって音声データに変換する。そして中央処理ユニット50は、音声処理部62によって得られた音声データに変復調回路部59でスペクトラム拡散処理を施した後、送受信回路部60でデジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を順次施し、得られた送信音声用の送信信号を携帯電話アンテナ61から公衆電話回線網の基地局(図示せず)に送信する。
このとき中央処理ユニット50は、携帯電話アンテナ61で受信した受信音声用の受信信号を送受信回路部60で増幅して周波数変換処理及びアナログデジタル変換処理を順次施した後に変復調回路部59でスペクトラム逆拡散処理を施し、得られた音声データを音声処理部62に送出する。そして中央処理ユニット50は、音声処理部62によって音声データを受信音声信号に変換してスピーカ64に送出し、かくしてスピーカ64から受信音声信号に基づく相手の音声を放音させる。このようにして中央処理ユニット50は、携帯電話モード時に、ユーザと相手との音声通話を成立させる。
また中央処理ユニット50は、ネット電話モード時、マイクロホン63でユーザの音声を集音して得られた送信音声信号を音声処理部62によって音声データに変換する。そして中央処理ユニット50は、音声処理部62によって得られた音声データをデータ処理部67で圧縮符号化した後、無線LAN通信回路57でパケット化し、得られたパケットを無線LANアンテナ58からインターネットのアクセスポイント(図示せず)に送信する。
このとき中央処理ユニット50は、無線LANアンテナ58で受信したパケットを無線LAN通信回路57で繋げた後にデータ処理部67で復号化し、得られた音声データを音声処理部62に送出する。そして中央処理ユニット50は、音声処理部62によって音声データを受信音声信号に変換してスピーカ64に送出し、かくしてスピーカ64から受信音声信号に基づく相手の音声を放音させる。このようにして中央処理ユニット50は、ネット電話モード時に、ユーザと相手との音声通話を成立させる。
さらに中央処理ユニット50は、携帯電話モード時またはネット電話モード時、携帯電話またはネット電話の機能によりユーザと相手との音声通話を行っていることの通知用の通知画面データを生成し、これを表示処理部55に送出する。これにより中央処理ユニット50は、表示処理部55によりディスプレイ56に対し、その通知画面データに基づく通知画面を表示してユーザに提示することができる。
さらに中央処理ユニット50は、携帯電話モード時に他の携帯通信端末に携帯電話の機能に応じた発呼を行うための携帯電話番号や、ネット電話モード時に他の携帯通信端末にネット電話の機能に応じた発呼を行うためのネット電話番号を、他の携帯通信端末のユーザの名前に対応付けてリスト化し、メディアインタフェース65を介して、着脱可能な半導体メモリのようなメディア66に送出して記憶している。これにより中央処理ユニット50は、携帯電話モード時やネット電話モード時に、このリストをメディアインタフェース65を介してメディア66から読み出し、この読み出したリストに基づいて、他の携帯通信端末のユーザ毎の携帯電話番号及びネット電話番号でなる提示用の電話番号提示画面データを生成し、これを表示処理部55によりディスプレイ56に対し表示させて、ユーザに電話番号を選択させることができる。
ところで第1の携帯通信端末200Aは、上述したように基本的には中央処理ユニット50がROM51に記憶された各種プログラムに従って各種処理を実行すると共に各ハードウェアを制御している。このため第1の携帯通信端末200Aでは、図3について上述した機能回路ブロックによるハードウェア構成の第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの機能に応じて、ROM51に記憶させる各種プログラムを、上述した第1の通信経路切換処理手順RT1や第2の通信経路切換処理手順RT2を実行させるための通信プログラムのように適宜選定することにより、中央処理ユニット50を上述した制御部30、判別部38及び切換部39と同様に機能させることができる。
また第1の携帯通信端末200Aでは、操作入力部54及び入力処理部53を、上述した指定部31(図3)と同様に機能させることができると共に、RAM52又はメディア66を、上述した記憶部32(図3)と同様に機能させることができる。さらに第1の携帯通信端末200Aでは、変復調回路部59及び送受信回路部60並びに携帯電話アンテナ61を、上述した第1の通信部34(図3)と同様に機能させることができると共に、データ処理部67、無線LAN通信回路57及び無線LANアンテナ58を、上述した第2の通信部37(図3)と同様に機能させることができる。さらに第1の携帯通信端末200Aでは、表示処理部55及びディスプレイ56を上述した表示部33(図3)と同様に機能させることができる。さらに第1の携帯通信端末200Aでは、音声処理部62及びスピーカ64を、上述した出力部36と同様に機能させることができると共に、音声処理部62及びマイクロホン63を、上述した音声信号生成部35と同様に機能させることができる。
従って第1の携帯通信端末200Aは、第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bの機能に応じて、ROM51に記憶させる各種プログラムを適宜選定することにより、当該第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bと同様に上述した第1の通信経路切換処理手順RT1や第2の通信経路切換処理手順RT2を実行することができ、かくして上述した第1の実施の形態による第1及び第2の携帯通信端末20A及び20Bと同様の効果を得ることができる。
因みに第1の携帯通信端末200Aについては、ROM51に対し予め通信プログラムを記憶していても良いし、通信プログラムが格納されたプログラム格納媒体をインストールするようにしても良い。そして通信プログラムを第1の携帯通信端末200Aにインストールして実行可能な状態にするためのプログラム格納媒体としては、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、DVD等のパッケージメディアのみならず、各種プログラムが一時的もしくは永続的に格納される半導体メモリや磁気ディスク等で実現しても良い。また、これらプログラム格納媒体に復号プログラムを格納する手段としては、ローカルエリアネットワークやインターネット、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用しても良く、ルータやモデム等の各種通信インタフェースを介して格納するようにしても良い。
(3−3)第2の実施の形態における他の実施の形態
なお、上述した第2の実施の形態においては、本発明による通信装置を、図10について上述した第1の携帯通信端末200Aに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、マイクロホン及びスピーカ付きのパーソナルコンピュータや、携帯電話、やPHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、固定電話等のように、この他種々の通信装置に広く適用することができる。
また上述した第2の実施の形態においては、第1の通信経路を介して他の通信装置と接続して通信する第1の通信部として、図10について上述した変復調回路部59及び送受信回路部60並びに携帯電話アンテナ61を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図9について上述したデータ処理部67、無線LAN通信回路57及び無線LANアンテナ58であっても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、第2の通信経路を介して他の通信装置と接続して通信する第2の通信部として、図10について上述したデータ処理部67、無線LAN通信回路57及び無線LANアンテナ58を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図9について上述した変復調回路部59及び送受信回路部60並びに携帯電話アンテナ61であっても良い。
また上述した第2の実施の形態においては、他の通信装置との通信時、当該他の通信装置との通信に利用されている1つの第1又は第2の通信経路と、他の通信装置との通信に利用するように指定された1つの第1又は第2の通信経路とが一致するか否かを判別する判別部として、図10について上述した中央処理ユニット50を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の通信装置との通信時、当該他の通信装置との通信に利用されている1つの第1又は第2の通信経路と、他の通信装置との通信に利用するように指定された1つの第1又は第2の通信経路とが一致するか否かを判別するハードウェア構成の判別回路等のように、この他種々の判別部を広く適用することができる。
さらに上述した第2の実施の形態においては、他の通信装置との通信時、判別部により、他の通信装置との通信に利用されている1つの第1又は第2の通信経路と、他の通信装置との通信に利用するように指定された1つの第1又は第2の通信経路とが一致しないと判別された場合、他の通信装置と通信している一方の第1又は第2の通信部を、他方の第1又は第2の通信部に切り換える切換部として、図10について上述した中央処理ユニット50を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の通信装置との通信時、判別部により、他の通信装置との通信に利用されている1つの第1又は第2の通信経路と、他の通信装置との通信に利用するように指定された1つの第1又は第2の通信経路とが一致しないと判別された場合、他の通信装置と通信している一方の第1又は第2の通信部を、他方の第1又は第2の通信部に切り換えるハードウェア構成の切換回路等のように、この他種々の切換部を広く適用することができる。
1……通信装置、2、34……第1の通信部、3、37……第2の通信部、4、38……判別部、5、39……切換部、10、100……通信システム、11……公衆電話回線網、12……インターネット、20、200……携帯通信端末、30……制御部、31……指定部、33……表示部、35……音声信号生成部、36……出力部、32……記憶部、NL……電話番号リスト、RT1……第1の通信経路切換処理手順、RT2……第2の通信経路切換処理手順。