JP2008175333A - 防振装置及び防振装置の製造方法 - Google Patents

防振装置及び防振装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程を煩雑にすることなく、ゴム状弾性体上に水が溜まらない防振装置を提供する。
【解決手段】キャブマウント10では、弾性連結体66の上端面が支持金具40の上端、及びホルダ金具62の上端よりも低く、また、弾性連結体66の上端面にすぐり部76が形成されているが、仮に弾性連結体66上に水が侵入した場合には、この水は、弾性連結体66の水抜き孔96、及びダンパストッパ部48の貫通孔98を介して下方に排出されるので、すぐり部76(弾性連結体66の上)に水が溜まることが無い。また、水抜き孔96は、成形時にモールドの1本のピンで形成できるため、後工程で除去しなければならないゴムのバリ等が発生しない。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動発生部の振動を抑える防振装置及び防振装置の製造方法に関する。
振動発生部の振動を抑えるために、振動発生部に防振装置としてのダイナミックダンパを取り付ける場合がある(例えば、特許文献1参照)。
ところで、図8に示すような、下端に外フランジ200Aを備えて軸方向を上下方向に向けた内筒部材200、同じく下端に外フランジ202Aを備えて軸方向を上下方向に向けた外筒部材202、内筒部材200と外筒部材202とを連結するゴム状弾性部材204、及び外筒部材202に取り付けられる質量体206とを備え、ダイナミックダンパ機能を有する防振装置208を水の付着するような状況で使用する場合、ゴム状弾性部材204の上に水が溜まる場合があり、錆、ゴム劣化等の原因となる。
このため、ゴム状弾性部材204に水抜き用の孔を形成することが考えられる。
水抜き孔を形成する方法としては、モールドでゴム状弾性部材204を成形する前に、内筒部材200の外周と外筒部材202の内周との間に軸方向に向けた第1のピン(図示せず)を配置し、内筒部材200の外フランジ200Aと外筒部材202の外フランジ202Aとの間に第2のピン(図示せず)を配置し、ゴム状弾性部材204を成形した後に、第1のピン及び第2のピンを抜いて第1のピンを抜いた後に形成される孔208と、第2のピンを抜いた後に形成される孔210とを貫通させることが考えられる。
なお、孔208と孔210の寸法、及び位置関係は、一例として、図8(A)に示す場合、及び図8(B)に示す場合が考えられる。
特開2002−147530号公報
しかしながら、2方向からピンを差し込んで水抜き孔を形成しようとすると、第1のピンと第2のピンとの接触部分にゴムのバリ(薄い膜)が形成されることは避けられず、ゴムのバリによって水抜き孔の一部分が塞がってしまうため、成形後にゴムのバリを除去する作業を必要とし、製造工程が煩雑になる。
本発明の目的は、上記事実を考慮し、製造工程を煩雑にすることなく、ゴム状弾性体上に水が溜まらない防振装置及び防振装置の製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の防振装置は、軸方向を上下方向に向けて配置される筒状の内筒本体部、及び前記内筒本体部の下端から径方向外側へ延びる内筒外フランジを有する内筒部材と、前記内筒部材の外周側に配置される筒状の外筒本体部、及び前記内筒外フランジよりも上方に離間し前記外筒本体部の下端から径方向外側へ延びる外筒外フランジを有する外筒部材と、前記内筒本体部と前記外筒本体部との間、及び前記内筒外フランジと前記外筒外フランジとの間に配置される第1のゴム状弾性体と、前記第1のゴム状弾性体と前記内筒外フランジとを上下方向に貫通する水抜き孔と、を備え、前記内筒部材を振動発生部側に連結した時に、前記外筒部材がダイナミックダンパの質量、前記第1のゴム状弾性体がダイナミックダンパのバネとして機能して前記振動発生部側の振動を減衰する、ことを特徴としている。
次に、請求項1に記載の防振装置の作用を説明する。
請求項1に係る防振装置は、内筒部材を振動発生部に連結して使用する。振動発生部で振動が発生した場合には、外筒部材がダイナミックダンパの質量、第1のゴム状弾性体がダイナミックダンパのバネとして機能して振動発生部の振動を抑える。
ここで、第1のゴム状弾性体の上に水が付着した場合、その水は水抜き孔を介して防振装置外へと排出されるので、第1のゴム状弾性体の上に水が溜まることが無い。
なお、第1のゴム状弾性体の上面に、剛性調整用のすぐり部(凹部)を形成した場合は、すぐり部に水が溜まり易くなるが、この防振装置は水抜き孔を備えているので、すぐり部を形成しても水が溜まることが無い。
また、上下方向に貫通する水抜き孔は、第1のゴム状弾性体を成形する際に一つのピンで形成することができるので、孔の途中にバリ等を生じさせる事がない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の防振装置において、前記内筒部材は、筒状の内筒本体部、及び前記内筒本体部の下端から径方向外側へ延びる内筒外フランジを有し、前記内筒外フランジには、前記水抜き孔と連通する孔が形成されている、ことを特徴としている。
次に、請求項2に記載の防振装置の作用を説明する。
請求項2に記載の防振装置では、ゴム状弾性体上の水は、第1のゴム状弾性体に形成された水抜き孔、及び内筒外フランジに形成された孔を介して排出される。
また、内筒外フランジを設けることで、外筒部材を下側から支持することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の防振装置において、振動発生部と振動受部の何れか一方に連結される第1の部材と、振動発生部と振動受部の何れか他方に連結される第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との間に配置されて振動を吸収する第2のゴム状弾性体と、を備え、前記内筒部材を第1の部材、または第2の部材に連結した、ことを特徴としている。
次に、請求項3に記載の防振装置の作用を説明する。
請求項3に記載の防振装置では、例えば、振動発生部に第1の部材を連結し、振動受け部に第2の部材を連結し、内筒部材を第1の部材に連結した場合、内筒部材が振動発生部に連結されることになるので、振動発生部の振動が抑えられ小さくなり、小さくなった振動は第2のゴム状弾性体に吸収される。したがって、振動受け部へ伝達される振動がさらに抑えられることになる。
また、振動発生部に第1の部材を連結し、振動受け部に第2の部材を連結し、内筒部材を第2の部材に連結した場合、内筒部材が振動受け部に連結されることになるので、振動発生部の振動は第2のゴム状弾性体に吸収されて振動受け部へ伝達され、振動受け部の振動はダイナミックダンパの作用により抑えられる。したがって、振動受け部の振動がさらに抑えられることになる。
請求項4に記載の発明は、軸方向を上下方向に向けて配置される内筒部材と、前記内筒部材の外周側に配置される筒状の外筒部材と、前記内筒部材と前記外筒部材との間に配置される第1のゴム状弾性体と、を備え、前記内筒部材を振動抑制対象側に連結した時に、前記外筒部材がダイナミックダンパの質量、前記第1のゴム状弾性体がダイナミックダンパのバネとして機能して前記振動抑制対象側の振動を減衰する防振装置の製造方法であって、ピンを前記内筒部材と前記外筒部材との間に軸方向に配置した状態で前記内筒部材と前記外筒部材との間に前記第1のゴム状弾性体を成形し、前記第1のゴム状弾性体を成形した後に前記第1のゴム状弾性体から前記ピンを抜くことで、前記第1のゴム状弾性体に水抜き孔を形成する、ことを特徴としている。
次に、請求項4に記載の防振装置の製造方法を説明する。
第1のゴム状弾性体は、内筒部材と外筒部材との間に成形されるが、成形する際に、内筒部材と外筒部材との間に予め軸方向にピンを配置しておき、成形後にピンを抜くことで、第1のゴム状弾性体に対し、軸方向に貫通する水抜き孔を容易に形成することができる。
この水抜き孔は、ピンを抜いた後に形成されるので、内部にバリ等を生じることがなく、スムーズに水を排出することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の防振装置の製造方法において、前記内筒部材は、筒状の内筒本体部、及び一端から径方向外側へ延びる内筒外フランジを有し、前記内筒外フランジに設けた貫通孔に一部分を挿入したピンを前記内筒本体部と前記外筒本体部との間に配置した状態で、前記内筒部材と前記外筒部材との間に前記第1のゴム状弾性体を成形し、前記第1のゴム状弾性体を成形した後に前記ピンを抜いて、前記内筒外フランジに設けた前記貫通孔と連通する水抜き孔を前記第1のゴム状弾性体に形成する、ことを特徴としている。
次に、請求項5に記載の防振装置の製造方法を説明する。
内筒本体部と外筒本体部との間に、内筒外フランジに設けた貫通孔に一部分を挿入するようにピンを配置し、その状態で、内筒部材と外筒部材との間に第1のゴム状弾性体を成形し、第1のゴム状弾性体を成形した後にピンを抜くことで、内筒外フランジに設けた貫通孔と連通する水抜き孔をゴム状弾性体に形成することができる。
以上説明したように本発明の防振装置によれば、第1のゴム状弾性体の上に水が溜まることがなく、耐久性に優れる、という優れた効果を有する。
また、本発明の防振装置の製造方法によれば、第1のゴム状弾性体の上に水を溜めない防振装置を効率的に製造できる、という優れた効果を有する。
軽貨物自動車及び一部の乗用車には、下部走行体が設けられた車体と、これに搭載された運転室であるキャビン(キャブ)とを備えたものがあり、このような貨物自動車等では、作業時や走行時における振動が車体からキャブに伝達されないように、キャブが防振機能を有するキャブマウントを介して車体上に搭載されている。
以下、本発明の実施形態に係る防振装置について図面を参照して説明する。
(実施形態の構成)
図1及び図2には本発明の実施形態に係る防振装置であるキャブマウントが示されている。このキャブマウント10は、下部走行体である車体80と運転室であるキャブボックス82との間に配置され、車体80上にキャブボックス82を防振的に搭載するために用いられる。
図2に示されるように、キャブマウント10は全体として略円柱状に形成されている。キャブマウント10には、その外周側に略円筒状に形成された外筒金具12が配置されると共に、外筒金具12の内周側に同軸的に略円柱状に形成された内筒金具14が配置されている。なお、図1中の符号Sは外筒金具12及び内筒金具14の軸心を表しており、この軸心Sに沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行う。
キャブマウント10には、外筒金具12と内筒金具14との間に肉厚円筒状に形成されたゴム状弾性体16が配置されている。ゴム状弾性体16は、外周面が外筒金具12の内周面に加硫接着されると共に、内周面が内筒金具14の外周面に加硫接着されている。これにより、外筒金具12と内筒金具14とがゴム状弾性体16により弾性的に連結される。
外筒金具12には、図2に示されるように、軸方向に沿った一端側(図2では、上端側)が外周側へ屈曲されて環状のフランジ部18が一体的に形成されると共に、このフランジ部18の径方向両端部からそれぞれ外周側へ延出する一対のステー部20が一体的に形成されている。これら一対のステー部20は、軸心Sを中心とする径方向に沿って互いに反対側へ延出している。フランジ部18及び一対のステー部20の外周縁部には、上方へ屈曲された補強用のリブ22が形成されている。またステー部20の上面の先端側には補強リング24が溶接等により固着されており、この補強リング24の中心部及びステー部20には軸方向へ貫通する円形の連結穴26が穿設されている。また外筒金具12には、下端部が内周側へ屈曲されてリブ状のストッパ受部28が形成されている。
内筒金具14は、軸方向に沿った寸法が外筒金具12の寸法よりも長くなっており、上端部及び下端部を外筒金具12の上端及び下端から突出させている。内筒金具14には、上端部に外周側へ延出する環状のフランジ部30が一体的に形成されている。内筒金具14には、内周面の下端側に上端側に対して内径が縮小した嵌挿部32が形成されると共に、図3(A)に示されるように、嵌挿部32の上端部に内径がテーパ状に拡大するように傾斜した被係止部34が形成されている。
図2に示されるように、ゴム状弾性体16には、その上端部から上方へ延出してフランジ部30の下面側を覆うバウンドクッション部36が形成されている。またゴム状弾性体16には、その下端部の外周側から下方へ延出してストッパ受部28の下面側を覆うリバウンドクッション部38が形成されている。
キャブマウント10には、軸方向に沿って内筒金具14の下側に円筒状の支持金具40が同軸的に配置されている。支持金具40は、頂面側が頂板部42により閉止されており、その内外径が外筒金具12よりも小さく、かつ内筒金具14よりも大きくなっている。頂板部42の中心部には、軸方向へ貫通する円形の連結穴44が形成されており、この連結穴44の内周面は、図3(A)に示されるように、上端側から下端側へ向って内径がテーパ状に拡大するように傾斜した被係止部46とされている。ここで、連結穴44の上端側の内径(最小径)は、内筒金具14における嵌挿部32の内径と略等しくなっている。 また、支持金具40には、図2に示されるように、一定径の内筒本体部47の下端部が全周に亘って外周側へ屈曲されることにより、フランジ状のダンパストッパ部48が形成されている。
なお、ダンパストッパ部48の外径寸法は、後述するホルダ金具62の内径寸法よりも大きく設定されている。
キャブマウント10には、支持金具40を内筒金具14の下端側に連結する連結金具50が設けられている。連結金具50はパイプ状に形成されており、その上端側が内筒金具14の嵌挿部32内へ嵌挿されると共に、下端部が支持金具40の連結穴44内へ嵌挿されている。
またキャブマウント10には、連結金具50の外周側に円板状のストッパ金具52が配置されている。ストッパ金具52の中心部には円形の挿通穴54が形成されており、連結金具50は、挿通穴54内を通ってストッパ金具52を軸方向へ貫通している。ストッパ金具52は、内筒金具14の下端面と支持金具40の頂板部42との間に挟持固定されている。このとき、ストッパ金具52は、上面の外周側をリバウンドクッション部38の下端面と所定の間隔(隙間)を空けて対向させている。
図3(A)に示されるように、連結金具50には、上端部に上方へ向って内外径がテーパ状に拡大する上側係止部56が形成されると共に、下端部に下方へ向って内外径がテーパ状に拡大する下側係止部58が形成されている。連結金具50は、その上端側を内筒金具14の嵌挿部32内に嵌挿すると共に、上側係止部56の外周側を被係止部34に面接触状態となるように圧接させている。また連結金具50は、その下端部を支持金具40の連結穴44内へ嵌挿すると共に、下側係止部58の外周側を被係止部46に面接触状態となるように圧接させている。これにより、支持金具40が、連結金具50を介して内筒金具14の下端部に連結固定されると共に、内筒金具14と支持金具40との間にストッパ金具52に加圧状態で挟持されて固定される。
ここで、連結金具50により内筒金具14と支持金具40とを連結する際には、連結金具50の下端部を支持金具40の連結穴44内へ嵌挿する前に、プレス等の加工方法により連結金具50に下側係止部58を予め成形しておき、連結金具50の上端側を嵌挿部32内へ嵌挿した状態で、連結金具50の上端部をかしめ治具(図示省略)により外周側にかしめることにより上側係止部56が成形する。これとは逆に、連結金具50の上端側を嵌挿部32内へ嵌挿する前に、プレス等の加工方法により連結金具50に上側係止部56を予め成形しておき、連結金具50の下端部を嵌挿部32内へ嵌挿した状態で、連結金具50の下端部をかしめ治具により外周側にかしめることにより下側係止部58を形成するようにしても良い。
また、連結金具50の上端部に上側係止部56を形成することなく、連結金具50の外径を内筒金具14の嵌挿部32に対して圧入径を有するものとし、図3(B)に示されるように、連結金具50の上端側を嵌挿部32の内周側へ圧入することにより、連結金具50の上端側を内筒金具14と固定するようにしても良い。この場合、内筒金具14と連結金具50との固定強度が上側係止部56を形成する場合と比較して低下するが、図1に示されるように、キャブマウント10が貨物自動車等における車体80とキャブボックス82との間に組み付けられた状態では、連結金具50と内筒金具14とが連結ボルト90及びナット92により締結固定されるので問題ない。
図1に示されるように、キャブマウント10には、支持金具40の外周側にダイナミックダンパ60が配置されている。ダイナミックダンパ60は、支持金具40の外周側に配置される略薄肉筒状のホルダ金具62と、このホルダ金具62の外周側に嵌挿固定される円筒状の質量体64と、ホルダ金具62と支持金具40とを弾性的に連結する略円筒状の弾性連結体66とを備えている。
ホルダ金具62には、上端側に外径が略一定とされた円筒部68が形成されると共に、この円筒部68の下端部から外周側へ延出する鍔部70が屈曲形成されている。質量体64は、各種の金属及びそれらの合金を素材として成形されており、必要に応じて表面に防錆処理等の表面処理が施される。質量体64は、その内径が円筒部68の外径に対応するものとされている。
質量体64は、例えば、ホルダ金具62における円筒部68の外周側へ嵌挿されると共に、下端面が鍔部70の上面側に突き当てられた状態で、内径が縮小するように外周側から加圧されることによりホルダ金具62に固定される。これとは逆に、外径が拡大するように円筒部68を内周側から加圧することにより、ホルダ金具62と質量体64とを固定するようにしても良く、また焼きばめ、接着、溶接等により質量体64をホルダ金具62に固定するようにしても良い。
弾性連結体66には、円筒状の本体部72が設けられる共に、この本体部72の下端部から外周側へ延出する延出部74が一体的に形成されている。本体部72は、その内周面が連結金具50の外周面下部側に加硫接着されると共に、外周面が円筒部68の外周面下部側に加硫接着されている。また延出部74は、その下面側が支持金具40におけるダンパストッパ部48へ加硫接着されると共に、上面側がホルダ金具62の鍔部70の内周側に加硫接着されている。これにより、質量体64がホルダ金具62及び弾性連結体66を介して連結金具50の下部側に弾性的に連結される。
また、弾性連結体66には、上端面に断面U字状のすぐり部76が周方向へ延在するように形成されると共に、延出部74の外周面にスリット状のすぐり部78が周方向に沿って断続的に形成されている。弾性連結体66では、すぐり部76により主として径方向に沿った剛性が調整され、またすぐり部78により主として軸方向に沿った剛性が調整されており、このようにしてダイナミックダンパ60の特性方向が設定されている。
弾性連結体66には、軸方向に直線状に貫通する水抜き孔96が周方向に複数形成されており、この水抜き孔96と連結するようにフランジ状のダンパストッパ部48には、図4に示すように複数の貫通孔98が形成されている。
ダンパストッパ部48の外周縁部分には、特性方向位置決め用の切欠49が4個形成されている。
ちなみに、本実施形態のキャブマウント10は、一対の連結穴26を結ぶ方向が車両前後方向に向けられるように車両に取り付けられる。なお、切欠49は、一対の連結穴26を結ぶ直線上に2個配置され、残りの2個の切欠49は該直線直交する直線上に配置されている。
ここで、図4に示すように、貫通孔98、及び水抜き孔96(図4では図示せず)と、切欠49との位置関係は、実際には周方向に45°ずれた位置関係にある。なお、図1、及び図2では、説明の都合上、貫通孔98、及び水抜き孔96の位置を、図4とは異なる位置に記載している。
このようにダイナミックダンパ60に切欠49を設けることで、ダイナミックダンパ60をキャブマウント本体部分(外筒金具12、内筒金具14、ゴム状弾性体16)に取り付ける際の位置決めに利用できる。図4の例では、キャブマウント10を車体80に取り付ける基準となる一対の連結穴26を結ぶ仮想線上に切欠49を合わせている。
なお、ダイナミックダンパ60の方向性は、水抜き孔96の形状、数、位置、及びすぐり部78の形状、数、位置を変更することで設定が可能である。
上記のように構成されたキャブマウント10は、図1に示されるように、貨物自動車等における車体80とキャブボックス82との間に配置される。車体80おけるキャブマウント10の取付位置には、軸方向へ貫通する円形の取付穴84が穿設されており、この取付穴84の内径は、キャブマウント10におけるストッパ金具52の外径よりも若干大きくされている。またキャブボックス82のフロア部分には、車体80の取付穴84と同軸的に軸方向へ貫通する挿通穴86が穿設されている。
キャブマウント10は、外筒金具12における一対のステー部20を車体80上に載置すると共に、一対のステー部20よりも下側の部分を車体80の取付穴84内へ挿入し、取付穴84から下方へ突出させている。車体80には、ステー部20の連結穴26に一致するようにねじ穴88が形成されており、一対のステー部20は、連結穴26を挿通すると共に、ねじ穴88内に捻じ込まれたボルト(図示省略)により車体80上に締結固定される。
キャブマウント10は、内筒金具14のフランジ部30をキャブボックス82の下面側に当接させると共に、内筒金具14を貫通する中空部をキャブボックス82の挿通穴86と一致させる。この状態で、挿通穴86を通して連結ボルト90の軸部94を内筒金具14及び連結金具50の内周側を挿通させ、連結金具50の円筒部68から突出した軸部94の先端部にナット92を所定の締結トルクが発生するまで捻じ込む。これにより、キャブマウント10における外筒金具12が一対のボルトを介して車体80上に連結固定されると共に、内筒金具14が連結ボルト90及びナット92を介してキャブボックス82に連結固定される。
ここで、ダイナミックダンパ60における質量体64の質量及び弾性連結体66の剛性は、キャブボックス82の共振周波数に対応するように設定されており、これによりキャブボックス82に共振周波数と一致する振動が生じている時には、外筒金具12を介してキャブボックス82に連結されたダイナミックダンパ60の質量体64にも共振振動が生じる。
(実施形態の作用)
次に、上記のように構成された本実施形態に係るキャブマウント10の作用を説明する。
貨物自動車等が走行すると、車体80に搭載されたエンジンが発生した振動や、路面の起伏を乗り越えた際にタイヤから発生する振動がキャブマウント10へ伝えられる。このとき、キャブマウント10におけるゴム状弾性体16が外筒金具12と内筒金具14との間で弾性変形することにより、ゴム状弾性体16により車体80とキャブボックス82との間で振動が遮断されると共に、ゴム状弾性体16により振動を減衰吸収できるので、車体80からキャブボックス82へ伝達される振動を低減できる。
また、キャブマウント10では、連結金具50の一端側が内筒金具14の内周側へ嵌挿されて固定されると共に、連結金具50の他端部が支持金具40の連結穴44内へ嵌挿されて固定されることにより、この連結金具50を介して支持金具40を内筒金具14に連結固定し、連結金具50及び支持金具40を介してダイナミックダンパ60を内筒金具14の下端側に連結固定できるので、キャブボックス82に生じた振動を内筒金具14、連結金具50及び支持金具40並びに連結ボルト90及びナット92を介して確実にダイナミックダンパ60に伝達できる。
このとき、質量体64の質量及び弾性連結体66の振幅方向に沿った剛性がキャブボックス82における共振周波数に応じて設定されていることからキャブボックス82に共振周波数の振動が発生している時には、質量体64にも共振振動が発生し、この質量体64の慣性力によりキャブボックス82に発生する共振振動の振動レベルを効果的に低減できる。
この結果、キャブマウント10によれば、質量体64及び弾性連結体66を含むダイナミックダンパ60を内筒金具14に連結して、装置(キャブマウント10)の一部として一体的に設けることができるので、キャブマウントとは別にダイナミックダンパを単体で組み付ける作業を不要にできると共に、ダイナミックダンパ60をキャブマウント10の一部として一体的に構成できるので、キャブマウント10及びダイナミックダンパ60のトータルの製造コストを低減できる。
また、本実施形態のキャブマウント10では、弾性連結体66の上端面が支持金具40の上端、及びホルダ金具62の上端よりも低く、また、弾性連結体66の上端面にすぐり部76が形成されているが、仮に弾性連結体66上に水が侵入した場合には、この水は、弾性連結体66の水抜き孔96、及びダンパストッパ部48の貫通孔98を介して下方に排出されるので、すぐり部76(弾性連結体66の上)に水が溜まることが無い。このため、キャブマウント10においてゴムの劣化、錆の発生等が防止され、耐久性が向上する。
ここで、支持金具40、及びホルダ金具62の間に水抜き孔96を備えた弾性連結体66を成形するには、図5に示すような上型100と下型102からなるモールド103を用いる。このモールド103では、上型100と下型102とで支持金具40、及びホルダ金具62を保持するようになっており、上型100には、すぐり部76を形成する突起104が設けられ、突起104には支持金具40の軸方向に沿って延びる直線状のピン106が固定されている。なお、図5に示すように、上型100と下型102とが組み合わされている状態では、ピン106の先端は、ダンパストッパ部48の貫通孔98に挿入される。
そして、図5に示すように、支持金具40とホルダ金具62との間の間隙に未加硫ゴム組成物を充填して加硫を行い、加硫後に上型100と下型102とを上下に分離すると、弾性連結体66からピン106が抜け、貫通孔98と連通する水抜き孔96が得られる。水抜き孔96は、1本のピン106で形成できるので、水抜き孔96の途中に後工程で除去しなければならないようなゴムのバリ等を発生することは無い。
なお、成形後、ホルダ金具62の外周側に円筒状の質量体64を嵌挿固定する。これにより、ダイナミックダンパ60が得られる。
なお、キャブマウント10における内筒金具14にバウンド方向(図1の矢印B方向)への過大な荷重が入力した場合には、内筒金具14のフランジ部30がバウンドクッション部36を介してゴム状弾性体16の上端部へ当接することにより、内筒金具14のバウンド方向への過大な相対変位が防止される。また、キャブマウント10における内筒金具14にリバウンド方向(図1の矢印R方向)への過大な荷重が入力した場合には、ストッパ金具52の外周側がリバウンドクッション部38を介して外筒金具12の下端部へ当接することにより、内筒金具14のリバウンド方向への過大な相対変位が防止される。
また、キャブマウント10では、連結金具50により内筒金具14と支持金具40とを連結する際に、連結金具50の下端部を支持金具40の連結穴44内へ嵌挿する前に、プレス等の加工方法により連結金具50に下側係止部58を予め成形しておき、連結金具50の上端側を嵌挿部32内へ嵌挿した状態で、連結金具50の上端部をかしめ治具(図示省略)により外周側にかしめて上側係止部56が成形することにより、ダイナミックダンパ60、支持金具40及びストッパ金具52をそれぞれ連結金具50に予め組み付けておき、これらをサブアッセンブリとして内筒金具14、外筒金具12及びゴム状弾性体16を含む本体部分に組み付けることができる。
この結果、キャブマウント10によれば、ダイナミックダンパ60のチューニングが互いに異なる複数種類のサブアッセンブリを予め用意しておけば、それらのサブアッセンブリからキャブマウント10の共振周波数に適合するものを選択し、そのサブアッセンブリを本体部分に簡単に組み付けることができるので、本体部分の共通化を図りつつ、サブアッセンブリのみを簡単にキャブマウント10に適合するものとすることができる。
また、振動入力時、ダイナミックダンパ60においては、ホルダ金具62が質量体64と共に振動するが、ダンパストッパ部48の外径寸法が、ホルダ金具62の内径寸法よりも大きく設定されており、ホルダ金具62を弾性連結体66の一部分を介して下側から支持することになるので、ホルダ金具62及び質量体64(ダイナミックダンパ60の質量)の振動振幅を制限でき、また、ホルダ金具62が弾性連結体66から分離して落下することを防止できる。
なお、本実施形態に係るキャブマウント10では、外筒金具12を車体80側に連結すると共に、内筒金具14をキャブボックス82側に連結したが、これとは逆に、外筒金具12をキャブボックス82側に連結すると共に、内筒金具14を車体80側に連結し、ダイナミックダンパ60により車体80の共振振動を低減するようにしても良い。
本実施形態に係るキャブマウント10では、ホルダ金具62と質量体64とでダイナミックダンパの質量を構成したが、ホルダ金具62に厚肉のパイプ状部材を用い、ホルダ金具62のみでダイナミックダンパの質量を構成しても良い。
図1に示すキャブマウント10では、連結金具50の上端、及び下端が拡径されてかしめ加工されていたが、図6に示すように、連結金具50は一定径であっても良い。
また、図5に示すモールド103では、上型100に対し、別部品で突起104、及びピン106を設けたが、図7に示すように、突起104、及びピン106は上型100に対して一体的に形成されていても良い。
本発明の実施形態に係るキャブマウント及び貨物自動車等におけるキャブマウントの取付部の構成を示す軸方向に沿った断面図である。 図1に示されるキャブマウントの構成を示す一部を断面として斜視図である。 図1に示されるキャブマウントにおける連結金具により互いに連結された内筒金具と支持金具との構成を示す軸方向に沿った断面図である。 防振装置の底面図である。 モールドの断面図である。 他の実施形態に係るキャブマウントの断面図である。 他の実施形態に係るモールドの断面図である。 (A)及び(B)は従来の防振装置の断面図である。
符号の説明
10 キャブマウント(防振装置)
12 外筒金具(第1の部材)
14 内筒金具(第2の部材)
16 ゴム状弾性体(第2のゴム状弾性体)
40 支持金具(内筒部材)
47 内筒本体部
48 ダンパストッパ部(内筒外フランジ)
62 ホルダ金具(外筒部材)
64 質量体(外筒部材)
96 水抜き孔
98 貫通孔

Claims (5)

  1. 軸方向を上下方向に向けて配置される内筒部材と、
    前記内筒部材の外周側に配置される筒状の外筒部材と、
    前記内筒部材と前記外筒部材との間に配置される第1のゴム状弾性体と、
    前記ゴム状弾性体を上下方向に貫通する水抜き孔と、
    を備え、
    前記内筒部材を振動抑制対象側に連結した時に、前記外筒部材がダイナミックダンパの質量、前記第1のゴム状弾性体がダイナミックダンパのバネとして機能して前記振動抑制対象側の振動を減衰する、ことを特徴とする防振装置。
  2. 前記内筒部材は、筒状の内筒本体部、及び前記内筒本体部の下端から径方向外側へ延びる内筒外フランジを有し、
    前記内筒外フランジには、前記水抜き孔と連通する孔が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 振動発生部と振動受部の何れか一方に連結される第1の部材と、
    振動発生部と振動受部の何れか他方に連結される第2の部材と、
    前記第1の部材と前記第2の部材との間に配置されて振動を吸収する第2のゴム状弾性体と、
    を備え、
    前記内筒部材を第1の部材、または第2の部材に連結した、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防振装置。
  4. 軸方向を上下方向に向けて配置される内筒部材と、前記内筒部材の外周側に配置される筒状の外筒部材と、前記内筒部材と前記外筒部材との間に配置される第1のゴム状弾性体と、を備え、前記内筒部材を振動抑制対象側に連結した時に、前記外筒部材がダイナミックダンパの質量、前記第1のゴム状弾性体がダイナミックダンパのバネとして機能して前記振動抑制対象側の振動を減衰する防振装置の製造方法であって、
    ピンを前記内筒部材と前記外筒部材との間に軸方向に配置した状態で前記内筒部材と前記外筒部材との間に前記第1のゴム状弾性体を成形し、前記第1のゴム状弾性体を成形した後に前記第1のゴム状弾性体から前記ピンを抜くことで、前記第1のゴム状弾性体に水抜き孔を形成する、ことを特徴とする防振装置の製造方法。
  5. 前記内筒部材は、筒状の内筒本体部、及び一端から径方向外側へ延びる内筒外フランジを有し、
    前記内筒外フランジに設けた貫通孔に一部分を挿入したピンを前記内筒本体部と前記外筒本体部との間に配置した状態で、前記内筒部材と前記外筒部材との間に前記第1のゴム状弾性体を成形し、前記第1のゴム状弾性体を成形した後に前記ピンを抜いて、前記内筒外フランジに設けた前記貫通孔と連通する水抜き孔を前記第1のゴム状弾性体に形成する、ことを特徴とする請求項4に記載の防振装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105398320A (zh) * 2015-11-27 2016-03-16 北京新能源汽车股份有限公司 用于车辆的悬置安装组件和具有其的车辆
CN108266492A (zh) * 2018-01-25 2018-07-10 孙江花 一种采矿设备用减震承载机构
WO2023248672A1 (ja) * 2022-06-24 2023-12-28 株式会社プロスパイラ キャブマウント

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