JP2008174213A - 舵角可変式ステアリング装置 - Google Patents

舵角可変式ステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008174213A
JP2008174213A JP2007206603A JP2007206603A JP2008174213A JP 2008174213 A JP2008174213 A JP 2008174213A JP 2007206603 A JP2007206603 A JP 2007206603A JP 2007206603 A JP2007206603 A JP 2007206603A JP 2008174213 A JP2008174213 A JP 2008174213A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotation
guide groove
shaft
steering
transmission member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007206603A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumio Sugita
澄雄 杉田
Shuji Endo
修司 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2007206603A priority Critical patent/JP2008174213A/ja
Priority to PCT/JP2008/057037 priority patent/WO2009019909A1/ja
Publication of JP2008174213A publication Critical patent/JP2008174213A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H1/00Toothed gearings for conveying rotary motion
    • F16H1/28Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion
    • F16H1/32Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion in which the central axis of the gearing lies inside the periphery of an orbital gear
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/008Changing the transfer ratio between the steering wheel and the steering gear by variable supply of energy, e.g. by using a superposition gear

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Steering Controls (AREA)
  • Retarders (AREA)

Abstract

【課題】比較的簡単な構造で安価に製作でき、電動モータ11の故障時にも、必要最低限のステアリングホイール1の操作に基づいて操舵輪に対し必要な舵角を付与できる構造を実現する。
【解決手段】ステアリングホイール1の回転に伴って回転する入力軸8と、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する出力軸9との間に中間回転筒10を、これら両軸8、9と同心に、且つ、これら両軸8、9に対する相対回転を可能に支持する。又、電動モータ11により、この中間回転筒10を回転駆動自在とする。この中間回転筒10の内径側に、ボール式変速機37を構成する偏心プレート12を、上記両軸8、9の中心軸に対し偏心した中心軸を中心とする回転自在に支持する。上記入力軸8と上記出力軸9との間の回転速度比は、上記電動モータ11の回転方向及び回転速度を変える事で調節自在である。
【選択図】図1

Description

この発明は、自動車の操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、一般的には前輪)に舵角を付与する為のステアリング装置のうち、ステアリングホイールの操作量と上記操舵輪に付与される舵角との関係を調節可能な、舵角可変式ステアリング装置の改良に関する。
自動車用のステアリング装置は、例えば図12に示す様に構成されている。運転者がステアリングホイール1の操作に基づいてステアリングシャフト2を回転させると、この回転は、自在継手3と中間シャフト4とを介してステアリングギヤユニット5の入力軸6に伝達される。すると、このステアリングギヤユニット5は、この入力軸6の回転に伴って左右1対のタイロッド7、7を押し引きし、操舵輪に舵角を付与する。この様なステアリング装置で、上記ステアリングホイール1の操舵角が小さい場合には、操舵量に比べて舵角の変化量を少なく抑え、操舵角が大きくなると操舵量に比べて舵角の変化量を大きくする、所謂バリアブルステアリング装置は、従来から一般的に使用されている。
又、車速に応じて上記操舵量と舵角の変化量との関係を変化させる舵角可変式ステアリング装置に就いても、一部のスポーツカーに搭載されており、その構造に就いても、例えば非特許文献1に記載される等により従来から知られている。この様な従来から実施されている舵角可変式ステアリング装置は、基端部に設けた枢軸を中心として揺動変位するピニオンギヤに形成した長孔の内側に、ステアリングホイールの操作に基づいて回転する入力軸により揺動変位するピンを遊合させている。そして、車速に応じてこのピンを上記長孔に沿って変位させる事により、上記操舵量と舵角の変化量との関係を変化させる。この従来構造は、一種の無段変速機を利用したものであり、この操舵量と舵角の変化量との関係(操舵比)を変化させる事はできるが、舵角そのものを上記ステアリングホイールの操作と独立して調節する事はできない。従って、例えば走行状態が不安定になった場合に、ステアリングホイールの操作に関係なく操舵輪に舵角を付与する、所謂カウンターステアを行なう事はできない。
これに対して、特許文献1〜3には、無段変速機ではなく、差動機構をステアリング装置に組み込む事により、上記操舵量と舵角の変化との関係を自由に変更する事が可能な、舵角可変式ステアリング装置に関する発明が記載されている。上記特許文献1〜3に記載された舵角可変式ステアリング装置は、ステアリングホイールの回転に伴って回転する入力軸と、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する出力軸との間に遊星歯車機構を設けると共に、この遊星歯車機構の構成部材の一部を電動モータにより、所望の方向に所望の回転速度で回転駆動自在としている。
この様な特許文献1〜3に記載された舵角可変式ステアリング装置のうち、特許文献1〜2に記載された構造の場合には、構造が複雑である為、コストが嵩む。又、特許文献1に記載された構造の場合、電動モータが故障した場合に、操舵量と舵角の変化量との関係が1:1から大きく外れた状態となる。具体的には、必要とする舵角を得る為に必要となる、ステアリングホイールの操作量が徒に大きくなる。これに対して特許文献2に記載された構造の場合には、電動モータの故障時に、操舵量と舵角の変化量との関係を、凡そ1:1にできるが、各歯車の摩擦損失に基づく回転抵抗が大きくなり、大きな操舵力を要する事が避けられないものと考えられる。
一方、特許文献3に記載された構造の場合には、上述した特許文献1、2に記載された構造の場合に生じる様な不都合を生じない代わりに、次の様な問題を生じる。即ち、操舵量と舵角の変化量との関係を変える為の電動モータが、ステアリングシャフトと共に回転する構造である為、構造が複雑で、小型・軽量化が難しい。しかも、このステアリングシャフトの回転に拘らず、上記電動モータに通電したり、センサの検出信号を取り出したりする為のスパイラルケーブルやスリップリングが必要になる。これらの部品は、使用時に繰り返し撓み量を変化させる可動部品であったり、摺動部品であったりする為、長期間に亙る使用に対応して十分な信頼性を確保する事が難しく、コストが嵩む。更に、比較的重量が嵩む上記電動モータの慣性力や、この電動モータの起動、停止に伴う反力が上記ステアリングシャフトを介してステアリングホイールに伝わる為、このステアリングホイールを操作する運転者に違和感を与え易いものと考えられる。
尚、後述する、本発明の舵角可変式ステアリング装置の実施の形態の第1、3、4例に組み込むボール式変速装置を記載した刊行物として、例えば特許文献4〜6がある。これら各特許文献には、ボール式変速装置の構造及び作用が詳しく記載されている。但し、これら各特許文献には、ボール式変速装置を舵角可変式ステアリング装置の舵角可変機構に使用する事に就いては記載されていない。勿論、ボール式変速装置を舵角可変式ステアリング装置に組み込む場合に、何れの部材を電動モータで回転駆動すれば良いかと言った事は全く記載されていない。
特開平10−287250号公報 特開2002−240729号公報 特許第3189627号公報 特公平7−62495号公報 特許第2863529号公報 特開2003−172419号公報 自動車雑誌「カー・アンド・ドライバー」、ダイヤモンド社、平成12年8月10日、通巻23巻15、p.45−47
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、比較的簡単な構造で安価に製作でき、必要に応じて、電動モータの故障時にも、必要最低限のステアリングホイールの操作に基づいて操舵輪に対し必要な舵角を付与できる、舵角可変式ステアリング装置の構造を実現すべく発明したものである。
本発明の舵角可変式ステアリング装置は、第一回転軸と、第二回転軸と、中間回転筒と、回転駆動手段と、回転伝達部材と、第一回転伝達手段と、第二回転伝達手段とを備える。
このうちの第一回転軸は、ステアリングホイールの回転に伴って回転する入力軸と、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する出力軸とのうちの一方である。
又、上記第二回転軸は、上記入力軸と上記出力軸とのうちの他方であって、上記第一回転軸と同心に、且つ、この第一回転軸に対する相対回転を自在に支持されている。
又、上記中間回転筒は、上記第一回転軸と上記第二回転軸との間に、これら第一回転軸及び第二回転軸と同心に、且つ、これら第一回転軸及び第二回転軸に対する相対回転を可能に支持されている。
又、上記回転駆動手段は、上記中間回転筒を両方向に回転駆動する為のものである。この様な回転駆動手段は、例えば請求項2に記載した様に、電動モータとする。この場合には、上記中間回転筒をハウジングの内側に回転自在に支持し、この中間回転筒の外周面にロータを、このハウジングの内面でこのロータと対向する部分にステータを、それぞれ設ける。
又、上記回転伝達部材は、上記第一回転軸及び第二回転軸と平行で且つこれら両回転軸に対し偏心した中心軸を中心とする回転を可能として、上記中間回転筒の一部に支持されている。
又、前記第一回転伝達手段は、上記第一回転軸と上記回転伝達部材との間で回転を伝達する為のものである。
更に、前記第二回転伝達手段は、上記回転伝達部材と上記第二回転軸との間で回転を伝達する為のものである。
上述の様な本発明の舵角可変式ステアリング装置を実施する場合に、第一、第二両回転軸同士の間に組み込んで、電動モータの回転方向及び回転速度に応じてこれら両回転軸同士の間の変速比を変える変速機としては、ボール式変速装置、或いは、歯車伝達機構を採用できる。
例えば、請求項3に記載した様に、上記第一回転伝達手段と上記第二回転伝達手段とのうちの少なくとも一方の回転伝達手段を、互いに軸方向に対向する1対の面にそれぞれ形成されたサイクロイド波形状又はトロコイド波形状の案内溝と、これら両案内溝同士の間に挟持された複数個のボールとから成るボール式変速装置とする。
この様な請求項3に記載した発明を実施する場合で、上記第一回転伝達手段と上記第二回転伝達手段との双方をボール式変速装置とする場合、例えば請求項4に記載した様に構成する。
先ず、上記回転伝達部材を、軸方向両側面に案内溝を形成した円板状とする。
又、上記第一回転伝達手段を、上記第一回転軸若しくはこの第一回転軸と共に回転する第一回転部材の端面に形成された第一回転軸側案内溝と、上記回転伝達部材の軸方向両側面のうちでこの第一回転軸側案内溝に対向する軸方向片側面部分に形成された回転伝達部材側第一案内溝と、この回転伝達部材側第一案内溝と上記第一回転軸側案内溝との間に挟持された複数個の第一ボールとから構成する。そして、これら回転伝達部材側第一案内溝及び第一回転軸側案内溝を、直径が互いに同じであるピッチ円に沿うサイクロイド系波形状又はトロコイド波形状とし、上記回転伝達部材と上記第一回転軸との偏心分だけ、互いに偏心させる。
又、上記第二回転伝達手段を、上記第二回転軸若しくはこの第二回転軸と共に回転する第二回転部材の端面に形成された第二回転軸側案内溝と、上記回転伝達部材の軸方向両側面のうちでこの第二回転軸側案内溝に対向する上記軸方向他側面部分に形成された回転伝達部材側第二案内溝と、この回転伝達部材側第二案内溝と上記第二回転軸側案内溝との間に挟持された複数個の第二ボールとから構成する。そして、これら回転伝達部材側第二案内溝及び第二回転軸側案内溝を、直径が互いに同じであるピッチ円に沿うサイクロイド系波形状又はトロコイド波形状とし、上記回転伝達部材の中心軸と上記第二回転軸の中心軸との偏心量分だけ、互いに偏心させる。
更に、上記回転伝達部材側第一案内溝の波数と、上記回転伝達部材側第二案内溝の波数とを、互いに異ならせる。
上述した請求項4に記載した様なボール式変速装置を利用した舵角可変式ステアリング装置を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した様に、上記回転伝達部材側第一案内溝と上記第一回転軸側案内溝とのうちの一方の案内溝を、波数がNであるハイポサイクロイド形状又はハイポトロコイド形状とし、同じく他方の案内溝を、波数が「N−2」であるエピサイクロイド形状又はエピトロコイド形状とする。そして、上記回転伝達部材側第一案内溝と上記第一回転軸側案内溝との間で、回転伝達部材の軸方向に関してこれら回転伝達部材側第一案内溝と第一回転軸側案内溝とが重畳する部分に、「N−1」個のボールを配置する。一方、上記回転伝達部材側第二案内溝と上記第二回転軸側案内溝とのうちの一方の案内溝を、波数がM(≠N)であるハイポサイクロイド形状又はハイポトロコイド形状とし、同じく他方の案内溝を、波数が「M−2」であるエピサイクロイド形状又はエピトロコイド形状とする。そして、上記回転伝達部材側第二案内溝と上記第二回転軸側案内溝との間で、上記回転伝達部材の軸方向に関してこれら回転伝達部材側第二案内溝と第二回転軸側案内溝とが重畳する部分に、「M−1」個のボールを配置する。
又、上述した請求項4に記載した様な、ボール式変速装置を利用した舵角可変式ステアリング装置を実施する場合に好ましくは、請求項6に記載した様に、上記回転伝達部材側第一案内溝及び上記第一回転軸側案内溝と上記各ボールとの接触部、並びに、上記回転伝達部材側第二案内溝及び上記第二回転軸側案内溝との接触部の滑りの要素を大きく設定する。この為に、例えば請求項7に記載した様に、上記回転伝達部材側第一、第一回転軸側、回転伝達部材側第二、第二回転軸側、各案内溝の断面形状を、それぞれゴシックアーチ状とする。そして、前記回転駆動手段が回転伝達部材を回転駆動しない状態で、この回転伝達部材と前記第一、第二両回転軸とが同期して回転自在とする。
一方、歯車伝達機構を使用した構造は、例えば請求項8に記載した様に構成する。
先ず、前記回転伝達部材を、前記第一回転軸の端部に支持された外歯歯車とする。又、前記第一回転伝達手段を、これら外歯歯車と第一回転軸とを、径方向に関する相対変位及び回転力の伝達を可能に結合する結合部材とする。この結合部材は、例えば請求項9に記載した様に、それぞれの基半部を上記第一回転軸に固定し、それぞれの先半部をこの第一回転軸の端部から軸方向に突出させた複数本の結合ピンとする。そして、これら各結合ピンの先半部を、外歯歯車に形成した、それぞれがこれら各結合ピンの先半部の外径よりも大きな内径を有する複数の通孔に挿入する。
又、前記第二回転伝達手段を、前記第二回転軸の基端部にこの第二回転軸と同心に、且つ、この第二回転軸と同期した回転を自在に結合され、上記外歯歯車と噛合した内歯歯車とする。
又、例えば上述した請求項8に記載した様な、歯車伝達機構を利用した舵角可変式ステアリング装置を実施する場合に好ましくは、請求項10に記載した様に、上記中間回転筒に凹凸係合部を設ける。そして、上記中間回転筒を収納したハウジング内でこの凹凸係合部に対向する部分に、アクチュエータによりこの中間回転筒に対し遠近動してこの凹凸係合部と係脱する、ストッパ片を設ける。尚、この様なストッパ機構は、上記歯車伝達機構を利用した舵角可変式ステアリング装置を実施する場合に限らず、前述の様なボール式変速装置を利用した舵角可変式ステアリング装置を実施する場合にも利用可能である。
尚、本発明を実施する場合に、舵角可変式ステアリング装置に電動式パワーステアリング装置を組み込む事もできる。この場合には、例えば、請求項11〜13に記載した構造を採用できる。
上述の様に構成する本発明の舵角可変式ステアリング装置によれば、比較的簡単な構造で安価に製作できる。又、必要に応じて、電動モータの故障時にも、必要最低限のステアリングホイールの操作に基づいて操舵輪に対し必要な舵角を付与でき、しかも、その状態でもこのステアリングホイールを操作する為に要する力が過度に大きくならない構造を実現できる。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、請求項1〜7に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の舵角可変式ステアリング装置は、第一回転軸である入力軸8と、第二回転軸である出力軸9と、中間回転筒10と、回転駆動手段である電動モータ11と、回転伝達部材である偏心プレート12と、第一回転伝達手段である第一ボール変速機構13と、第二回転伝達手段である第二ボール変速機構14とを備える。このうちの入力軸8は、ステアリングコラム15の内径側に、1対の転がり軸受により回転自在に支持されたもので、ステアリングホイール1の回転に伴って回転する。この様な入力軸8の回転角度(及び必要に応じて回転角速度)は、上記ステアリングコラム15の一端部(上記ステアリングホイール1側端部である、図1の上端部)に設置した、入力側回転角センサ16により検出自在としている。又、上記出力軸9は、その入力側端部(図1の上端部)を、上記ステアリングコラム15の他端部(上記ステアリングホイール1と反対側端部である、図1の下端部)に結合固定したハウジング17内に、上記入力軸8と同心に、且つ、この入力軸8に対する相対回転を自在に支持している。
又、上記中間回転筒10は、上記ハウジング17内で上記入力軸8と上記出力軸9との間部分に、これら入力軸8及び出力軸9と同心に、且つ、これら入力軸8及び出力軸9に対する相対回転を可能に支持されている。尚、上記中間回転筒10がこれら入力軸8及び出力軸9と同心であるとは、この回転中間筒10の外周面を基準とした状態である。本例の場合、この中間回転筒10は、大径部18と小径部19とを段付部20により連続させる事で、断面クランク型で全体を段付円筒状に形成している。この様な中間回転筒10は、上記小径部19を上記出力軸9の外周面に、転がり軸受21により回転自在に支持する事で、この出力軸9を介して上記ハウジング17内に、回転自在に支持している。
上述の様な中間回転筒10は、上記ハウジング17内に設置した前記電動モータ11により、所望の方向に所望の回転速度で、回転駆動自在としている。この為に本例の場合には、上記中間回転筒10の外周面にロータ22を、上記ハウジング17の一部内面でこのロータ22と対向する部分にステータ23を、それぞれ設けている。又、上記小径部19の外周面と上記ハウジング17の他部内面との間に、制御用回転角センサ24を設けている。本例の場合、この制御用回転角センサ24として、レゾルバを使用している。この構成により、上記中間回転筒10を、所望の方向に所望の回転速度で、この回転速度を適切に規制しつつ、回転駆動自在としている。
上述の様な中間回転筒10を構成する、上記大径部18の径方向に関する肉厚は、円周方向に関して漸次変化させている。従って、この大径部18の内周面の中心軸は、上記入力軸8及び上記出力軸9に対し偏心している。そして、この大径部18の内径側に前記偏心プレート12を、深溝型の玉軸受等の転がり軸受25により、回転自在に支持している。この様な構成により、上記偏心プレート12を、上記入力軸8及び上記出力軸9と平行で且つこれら両軸8、9に対し偏心した中心軸βを中心とする回転を可能として、上記中間回転筒10の内径側に支持している。
上述の様にして、上記大径部18の内径側に回転自在に支持した、上記偏心プレート12の軸方向両側面と上記入力軸8及び上記出力軸9との間に、前記第一ボール変速機構13と前記第二ボール変速機構14とを設置している。そして、このうちの第一ボール変速機構13により、上記入力軸8から上記偏心プレート12に、上記第二ボール変速機構14によりこの偏心プレート12から上記出力軸9に、それぞれ回転を減速しつつ伝達可能としている。但し、上記入力軸8とこの出力軸9との間の回転速度比は、前記電動モータ11により上記偏心プレート12の回転方向及び回転速度を調節する事で、調節可能である。
上記両ボール変速機構13、14のうちの第一ボール変速機構13を構成する為、上記入力軸8の先端部(図1の下端部)で前記ハウジング17内に位置する部分に取付フランジ部26を固設し、この取付フランジ部26に、第一回転部材である駆動リング27を結合固定している。この駆動リング27の内周面と、上記出力軸9の基端部(図1の上端部)に形成した突出軸部28の外周面との間に転がり軸受29を設けて、上記駆動リング27と上記出力軸9との同心性を厳密に確保できる様にしている。更に本例の場合には、上記突出軸部28の先端部に螺合したナット38により、上記転がり軸受29を介して、上記駆動リング27と後述する鍔部33との間に、互いに近付く方向の力を付与している。又、上記駆動リング27の軸方向両端面のうち、上記偏心プレート12に対向する端面に、第一回転軸側案内溝である入力軸側案内溝30を形成している。又、上記偏心プレート12の軸方向両側面のうちでこの入力軸側案内溝30に対向する軸方向片側面部分に、回転伝達部材側第一案内溝である、偏心プレート入力側案内溝31を形成している。これら両案内溝30、31のピッチ円直径は互いに同じである。又、入力軸側案内溝30のピッチ円の中心は、前記入力軸8の中心軸α上に存在し、偏心プレート入力側案内溝31のピッチ円の中心は、上記偏心プレート12の回転中心軸β上に存在する。本例の場合には、図3の(A)に示す様に、上記入力軸側案内溝30をエピサイクロイド形状とし、上記偏心プレート入力側案内溝31をハイポサイクロイド形状としている。この偏心プレート入力側案内溝31の形状と上記入力軸側案内溝30の形状とは、互いに逆にしても良い。
何れにしても、エピサイクロイド形状の案内溝の波数が、ハイポサイクロイド形状の案内溝の波数よりも2個だけ少ない。本例の場合には、ハイポサイクロイド形状である上記偏心プレート入力側案内溝31の波数をNとし、エピサイクロイド形状である上記入力軸側案内溝30の波数を「N−2」としている。そして、上記偏心プレート入力側案内溝31と上記入力軸側案内溝30との間で、偏心プレート12の軸方向に関してこれら偏心プレート入力側案内溝31と入力軸側案内溝30とが重畳する部分に、「N−1」個の入力側ボール32、32を配置している。
又、前記第二ボール変速機構14を構成する為、前記出力軸9の基端寄り部分の外周面に外向フランジ状の鍔部33を形成し、この鍔部33の軸方向両端面のうちで上記偏心プレート12に対向する端面に、第二回転軸側案内溝である出力軸側案内溝34を形成している。又、上記偏心プレート12の軸方向両側面のうちでこの出力軸側案内溝34に対向する軸方向他側面部分に、回転伝達部材側第二案内溝である、偏心プレート出力側案内溝35を形成している。これら両案内溝34、35のピッチ円直径は互いに同じである。又、出力軸側案内溝34のピッチ円の中心は、上記出力軸9の中心軸α上に存在し、偏心プレート出力側案内溝35のピッチ円の中心は、上記偏心プレート12の回転軸β上に存在する。本例の場合には、図3の(B)に示す様に、上記出力軸側案内溝34をエピサイクロイド形状とし、上記偏心プレート出力側案内溝35をハイポサイクロイド形状としている。この偏心プレート出力側案内溝35の形状と上記出力軸側案内溝34の形状とは、互いに逆にしても良い。
何れにしても、エピサイクロイド形状の案内溝の波数が、ハイポサイクロイド形状の案内溝の波数よりも2個だけ少ない。本例の場合には、ハイポサイクロイド形状である上記偏心プレート出力側案内溝35の波数をMとし、エピサイクロイド形状である上記出力軸側案内溝34の波数を「M−2」としている。そして、上記偏心プレート出力側案内溝35と上記出力軸側案内溝34との間で、偏心プレート12の軸方向に関してこれら偏心プレート出力側案内溝35と出力軸側案内溝34とが重畳する部分に、「M−1」個の出力側ボール36、36を配置している。上記偏心プレート入力側案内溝31の波数Nと上記偏心プレート出力側案内溝35の波数Mとは、互いに異ならせている(N≠M)。上記各出力側ボール36、36と前記各入力側ボール32、32とには、前記ナット38の緊締に基づき、予圧を付与している。従って、上記各ボール32、36と上記各案内溝31、30、35、34との転がり接触部ががたつく事はない。
それぞれが上述の様な構成を有し、前記中間回転筒10を介して組み合わされた、前記第一ボール変速機構13と前記第二ボール変速機構14とから成るボール式変速装置37を備えた、本例の舵角可変式ステアリング装置の場合には、上記中間回転筒10の回転制御によって、前記入力軸8と前記出力軸9との回転速度比(相対角)を自由に変更できる。この様な本例の舵角可変式ステアリング装置の作用は、前述の特許文献6に記載されているボール式変速装置を、固定部を持たない差動機構として看做す事により説明できる。即ち、上記特許文献6のハウジング(11)及び第一動力板(12)を本発明の入力軸8とし、この特許文献6の出力軸(21)を本例の構造の出力軸9とし、この特許文献6のクランク軸(20)を本例の構造の中間回転筒10と看做す事により、上記入力軸8と上記出力軸9との間に相対角を生じさせる為の差動動作を説明できる。
例えば、前記ステアリングホイール1を保持して上記入力軸8を固定した状態では、上記特許文献6に記載されたボール式変速装置と同様の動作を行なう。この状態での、上記出力軸9が1回転する間での上記中間回転筒10の回転数を、上記ボール変速装置37の減速比Kとする。この減速比Kは、上記特許文敵6に記載されている様に、自由に設計する事ができる。一方、上記ステアリングホイール1が操作されて、上記入力軸8が回転する場合は、機構全体が回転すると考えれば、次の(1) 式の関係が成り立つ事が分かる。
K=(N10−N8 )/(N9 −N8 ) −−− (1)
この(1) 式中の符号N8 、N9 、N10は、それぞれ入力軸8、出力軸9、中間回転筒10の回転数若しくは回転角度を表している。
一方、上記減速比Kは、前記各案内溝30、31、34、35の波数によって定まる、設計可能な定数である。これらの事を考慮すれば、上記入力軸8の回転数若しくは回転角度N8 が定まれば、上記中間回転筒10の回転数若しくは回転角度N10を適宜調節する事により、上記出力軸9の回転数若しくは回転角度N9 を任意に調節できる事が分かる。即ち、本例の舵角可変式ステアリング装置は、上記入力軸8と上記出力軸9との回転速度比(相対角)を自由に変更できる構造となっている。
例えば、上記中間回転筒10の回転数若しくは回転角度N10を次の(2) 式の様に設定した場合に就いて考える。
10={K(k−1)+1}N8 −−− (2)
この(2) 式を上記(1) 式に代入する事で、次の(3) 式を得られる。
9 =k・N8 −−− (3)
この(3) 式から明らかな通り、上記中間回転筒10の回転数若しくは回転角度N10を上記(2) 式の様に規制する事で、本例の構造は、舵角比kの舵角可変式ステアリング装置となる。その他にも、前記電動モータ11により上記中間回転筒10の回転数若しくは回転角度N10を操作して、出力軸角N9 を自由に制御する事ができる。更には、車両の横滑りやスピンを検知し、自動的に修正舵(カウンターステア)を与える操作も可能となる。
尚、上記入力軸8及び上記中間回転筒10の回転数若しくは回転角度N8 、N10は、前記入力側、制御用、両回転角センサ16、24により計測可能である。但し、スペース等の都合で、このうちの入力側回転角センサ16を設置できず、上記入力軸8の回転数若しくは回転角度N8 を計測できない場合も考えられる。この様な場合には、前記出力軸9側に、この出力軸9の回転数若しくは回転角度N9 を計測する為の角度センサ(図示せず)を設ける。そして、この回転角度N9 を使用して、上記(2) 式の代わりに次の(4) 式を利用して制御を行なえば、上記入力軸8の回転数若しくは回転角度N8 を計測した場合と同様に、上記(3) 式の様な制御を行なえる。
10={K(1−1/k)+1/k}N9 −−− (4)
尚、本例の舵角可変式ステアリング装置を構成するボール式変速装置37は、前述した特許文献6に記載されたボール式変速装置の構造を基本としている。但し、特許文献6に記載されたボール式変速装置の構造をそのまま使用したのでは、この特許文献6に記載されたボール式変速装置を構成するクランク軸を電動モータで回転させしかも回転角度を制御する為に、この電動モータ自身もボール式変速装置と共に回転させなければならず、スパイラルケーブル等の、高価で信頼性確保が難しい部品を必要とする。これに対して本例の構造の場合には、上記舵角比kを変化させる為の部材として、外径側から偏心回転を制御可能な上記中間回転筒10を採用し、前記電動モータ11のステータ23を固定可能な構成としている。そして、上記スパイラルケーブル等の、高価で信頼性確保が難しい部品を使用する必要がない、簡単で安価に構成でき、しかも信頼性を確保し易い構造を実現している。
更に、図示の例では、上記電動モータ11の故障時にも、前記入力軸8の回転を上記出力軸9に伝達可能にすべく、次の(a)(b)の様な構成を合わせ持たせている。 (a) 上記両ボール変速機構13、14から成るボール式変速装置37の減速比Kを高く(例えば20〜100程度に)設定する。
(b) 前記偏心プレート入力側案内溝31及び前記入力軸側案内溝30と上記各入力側ボール32、32との接触部、並びに、上記偏心プレート出力側案内溝35及び上記出力軸側案内溝34と上記各出力側ボール36、36との接触部の滑りの要素を大きく設定する。本例の場合、この様な設定を行なう為に、上記各案内溝31、30、35、34の断面形状を、それぞれ図4に示す様なゴシックアーチ状としている。より具体的には、これら各案内溝31、30、35、34と上記各ボール32、36とのレスト角θを25〜60度とし、同じく溝R比(これら各案内溝31、30、35、34の曲率半径R/上記各ボール32、36の直径Da)を0.505〜0.54の範囲に設定する。
そして、上記(a)(b)の様な構成を合わせ持たせる事により、上記電動モータ11が前記中間回転筒10を回転駆動せず、上記偏心プレート12に対し、外部から公転運動方向の力が加わらない状態で、この偏心プレート12と上記入力軸8及び上記出力軸9とが同期して回転する(上記ボール式変速装置37がセルフロックする)様にしている。
尚、本例の構造の場合には、上記出力軸9に送り出されるトルクは、上記入力軸8に入力されるトルクと、上記電動モータ11から加えられる(又は減じられる)トルクとの合計になる。従って、この電動モータ11による上記中間回転筒10の回転駆動状態により、前記ステアリングホイール1の操作感が変わる事になる。即ち、上記電動モータ11による上記中間回転筒10の駆動トルクは、前記ボール式変速装置37の減速比Kの値と符号とにより変わり、上記ステアリングホイール1を回転させる為に要する力(操舵力)も変化する。上記電動モータ11の駆動トルクがあまり大きいと、上記ステアリングホイール1を操作する運転者に違和感を与えるので、上記減速比Rを20〜100程度の大きな値に設定する事が好ましい。上記特許文献6に記載されている様に、上記ボール式変速装置37の減速比Kの符号(加減状態)は、上記各案内溝31、30、35、34の波数N、N−2、M、M−2の符号(大小関係)を変える事で反転できる。従って、舵角比kを大きくする(又は小さくする)場合に上記操舵力が大きくなるか、或いは小さくなるかは、本例の舵角可変式ステアリング装置を搭載する自動車の性格(スポーツカーであるか商用車であるか等)により、設計的に定める(上記各案内溝31、30、35、34の形状に基づく、波数N、N−2、M、M−2の符号を規制する)。又、上記電動モータ11により付加されるトルクを補償する様に、電動パワーステアリング装置を構成する別の電動モータによるアシストトルクを調節する事で、上記電動モータ11による制御の影響を運転者に感じさせない様にする事もできる。
更に、上記電動モータ11が故障し、上記中間回転筒10が上記電動モータ11により回転駆動されない状態では、上記両ボール変速機構13、14がロックする。即ち、上記各入力側ボール32、32が入力軸側、偏心プレート入力側両案内溝31、30同士の間に食い込むと共に、上記各出力側ボール36、36が出力軸側、偏心プレート出力側両案内溝35、34同士の間に食い込む。この状態では、上記偏心プレート12と、入力軸8及び出力軸9との相対回転が阻止され、この入力軸8の回転がこの出力軸9にそのまま伝わる。この状態では、特に大きな抵抗を受ける事なく、通常のステアリング装置と同様にして、操舵輪に舵角を付与できる。
又、本例の構造の場合には、上記中間回転筒10と、この中間回転筒10を回転駆動する為の電動モータ11とを径方向に重畳させた状態で配置している為、軸方向寸法を短く抑える事ができる。即ち、前述の特許文献1〜2に記載されている従来構造の様に、遊星歯車機構と、この遊星歯車機構の構成部材を回転駆動する為の電動モータとを軸方向にずらせて配置した構造の場合には、軸方向寸法が嵩む事が避けられない。一方、ステアリング装置には、衝突事故の際に運転者を保護する為、衝撃を吸収しつつ軸方向寸法を縮める為の衝撃吸収機構を組み込む。従って、舵角を調節する為の機構の軸方向寸法が嵩む事は、この衝撃吸収機構の設計の自由度を低くする為、好ましくない。これに対して本例の構造によれば、舵角を調節する為の機構の軸方向寸法を短く抑えて、上記衝撃吸収機構の設計の自由度を高くできる。又、軸方向寸法を確保する事が難しい、ステアリングコラム部に設置する事も可能になる。
[実施の形態の第2例]
図5〜6は、請求項8〜10に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、第一回転軸である入力軸8の先端部(図5の下端部)に、回転伝達部材である外歯歯車39を、結合部材である複数本(図示の例では4本)の結合ピン40、40により、径方向に関する相対変位及び回転力の伝達を可能に結合している。これら各結合ピン40、40の基半部は、上記入力軸8の先端部に固設した外向フランジ状の支持鍔部41に形成した取付孔に、締り嵌めにより内嵌固定している。この状態で上記各結合ピン40、40の先半部を、上記支持鍔部41から軸方向に突出させている。一方、上記外歯歯車39は、円形の支持板部42の外周縁に歯車部43を設けて成る。そして、この支持板部42の円周方向複数個所で上記各結合ピン40、40と整合する部分に、通孔44、44を形成している。これら各通孔44、44の内径は、上記各結合ピン40、40の外径よりも、次述する入力軸8の中心軸αと外歯歯車39の中心軸βとの偏心量の2倍だけ大きい。そして、これら各結合ピン40、40の先半部を、上記各通孔44、44に、これら各結合ピン40、40の先半部の外周面がこれら各通孔44、44の内周面に接する様に挿入して、第一伝達手段を構成している。
又、上記外歯歯車39は、上記入力軸8の先端部に、この入力軸8の中心軸αを中心とする公転と、この中心軸αに対し偏心した中心軸βを中心とする自転とを自在に支持している。この為に本例の場合には、上記支持板部42の軸方向片側面に、上記歯車部43と同心に設けた円筒部51を、中間回転筒10aの内径に設けられた、上記中心軸βをその中心とする偏心孔に、転がり軸受25aを介して支持している。上記中間回転筒10aは、ハウジング17a内で上記入力軸8の先端部周囲部分に、深溝型玉軸受等の転がり軸受21aにより、この入力軸8と同心に、且つ、この入力軸8に対する相対回転を可能に支持されている。本例の場合も、上記中間回転筒10aがこの入力軸8と同心であるとは、この回転中間筒10aの外周面(電動モータ11aを構成するロータ22aの外周面)を基準とした状態である。
又、上記中間回転筒10aは、上記ハウジング17a内に設置した電動モータ11aにより、所望の方向に所望の回転速度で、回転駆動自在としている。この為に本例の場合には、上記中間回転筒10aを構成する小径部19aの外周面にロータ22aを、上記ハウジング17aの一部内面でこのロータ22aと対向する部分にステータ23aを、それぞれ設けている。又、このステータ23aの軸方向一端面(図5の上端面)と上記ハウジング17aの他部内面との間に、制御用回転角センサ24aを設けている。本例の場合、この制御用回転角センサ24aとして、ホールセンサ等の、磁気検知式の回転角度検出センサを使用している。この構成により、上記中間回転筒10aを、所望の方向に所望の回転速度で、この回転速度を適切に規制しつつ、回転駆動自在としている。尚、上記入力軸8の回転方向及び回転速度は、前述した実施の形態の第1例と同様の入力側回転角度センサ16(図1参照)により検出自在としている。
本例の場合も、上記中間回転筒10aを構成し、段付部20aにより上記小径部19aと連続した、大径部18aの径方向に関する肉厚を、円周方向に関して漸次変化させて、この大径部18aの内周面の中心軸βを、上記入力軸8及び出力軸9の中心軸αに対し偏心させている。そして、上記大径部18aの内径側に前記外歯歯車39を、深溝型の玉軸受等の転がり軸受25aにより、回転自在に支持している。この様な構成により、上記外歯歯車39を、上記入力軸8及び上記出力軸9の中心軸αを中心とする公転、及び、この中心軸αと平行でこの中心軸αに対し偏心した中心軸βを中心とする自転を可能として、上記中間回転筒10aの内径側に支持している。
一方、第二回転軸である出力軸9の基端部(図5の上端部)に、第二回転伝達手段である内歯歯車45を、この出力軸9と同心に、且つ、この出力軸9と同期した回転を自在に結合している。この為に本例の場合には、上記出力軸9の基端部と上記内歯歯車45とを、結合板46を介して結合している。そして、この内歯歯車45と上記外歯歯車39とを噛合させている。尚、この内歯歯車45のピッチ円直径はこの外歯歯車39のピッチ円直径よりも大きい事は勿論であるが、これら両歯車45、39の噛合(噛み合いに基づく相対変位)が可能である限り、できるだけ近い大きさ(「内歯歯車45のピッチ円直径/外歯歯車39のピッチ円直径」の値を、1よりも大きく、できるだけ1に近い値)に設定する。尚、上記内歯歯車45及び上記外歯歯車39の形状は、サイクロイド曲線、トロコイド曲線、円弧曲線等一般的な形状を使用できる。
更に、上記中間回転筒10aの外周面に、円周方向に関して凹部と凸部とを交互に配置した、歯車状の凹凸係合部47を設けている。そして、上記中間回転筒10aを収納した、前記ハウジング17a内でこの凹凸係合部47に対向する部分に、ストッパ片49を設けている。このストッパ片49は、ソレノイド等のアクチュエータ48の出力ロッド50の先端部に支持しており、このアクチュエータ48により上記中間回転筒10aの径方向に変位して、上記凹凸係合部47と係脱する。そして、係合時に、上記中間回転筒10aの回転を阻止する。
上述の様に構成する本例の舵角可変式ステアリング装置の場合、前記入力軸8の回転は、前記各結合ピン40、40を介して上記外歯歯車39に伝わり、この外歯歯車39を回転させる。この外歯歯車39は、上記中間回転筒10aの内径側に、偏心した状態で支持されているので、上記入力軸8の回転に伴って上記外歯歯車39は、前記中心軸βを中心として自転しつつ、上記中間回転筒10aの回転に伴って前記中心軸αの周囲を公転する。この際、この中間回転筒10aが停止していると仮定した場合には、上記外歯歯車39と上記内歯歯車45とにより構成される歯車伝達機構による回転力の伝達状態は、上記中心軸βを中心として自転する上記外歯歯車39の回転が、上記中心軸αを中心として自転する上記内歯歯車45に伝達されると考える事ができる。従って、この状態では、上記入力軸8が1回転すると、前記出力軸9は、上記外歯歯車39の歯数N39と上記内歯歯車45の歯数N45との比(N39/N45)に応じた分回転する。
これに対して、上記入力軸8を固定した状態を考えると、上記中間回転筒10aを1回転させる事で上記出力軸9が、上記外歯歯車39の歯数N39と上記内歯歯車45の歯数N45との差に応じた分、即ち、(N39−N45)/N39だけ回転する。尚、この値は負であり、上記出力軸9が上記中間回転筒10aと逆方向に回転する事を意味する。(N39−N45)/N39=Kとし、このKを減速比とすれば、上記入力軸8及び上記出力軸9の回転数若しくは回転角度と上記中間回転筒10aの回転数若しくは回転角度との関係は、前述した実施の形態の第1例と等価である。即ち、前述の(1) 式の動作が可能であり、舵角比の変更や自動カウンタステア(修正舵)の動作を、上記実施の形態の第1例と同様に行なえる。
上記電動モータ11aの故障時には、前記アクチュエータ48により前記ストッパ片49を前進させ、このストッパ片49を前記凹凸係合部47と係合させ、上記中間回転筒10aの回転を阻止すれば、上記入力軸8の回転に伴って上記出力軸9が、上記両歯車39、45の歯数の比に応じた回転速度で回転する。上述の様な本例の構造は、セルフロックの特性を持たせる事が難しいので、上述の様なストッパ片49と凹凸係合部47とによるロック機構が必要になるが、その分、トルク伝達機構の効率が高い。従って、上記電動モータ11aの小型化や省電力化が可能になる。
[実施の形態の第3例]
図7〜9は、請求項1〜7、11、12に対応する、実施の形態の第3例を示している。尚、本例を表す図7〜8の上下方向と実際に車体に組み付ける状態での上下方向との関係は、前述の図1、2、5の場合とは異ならせている。この理由は、本例は、衝突事故の際に運転者保護の為の収縮代の確保を意図しており、図面上の前後方向と車体の前後方向とを近く描く方が、本例の意図が分かり易くなると考えられる為である。尚、前後は車体への組み付け状態で言い、後とは図7〜8の右側。反対に、図7〜8の左側を前と言う。本例の構造と前述の第1〜2例の構造とが、車体への組み付け時で組み付け方向が大きく異なる訳ではない。実際の組み付け時には、図7の状態よりも少し反時計方向に回動させ、後方に向かう程上方に向かう様に傾斜させる。本例の場合も、電動モータ11bとボール式変速装置37aとを組み合わせて、入力軸8aと出力軸9aとの回転速度比を可変とする部分の基本的な構造及び作用は、前述の図1〜4に示した実施の形態の第1例の場合と同様である。就いては、同等部分に関する説明は、省略若しくは簡略にし、以下、上記実施の形態の第1例の場合と異なる、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合、入力軸8aとして、インナシャフト52とアウタチューブ53とを、衝撃荷重に基づいて収縮可能に組み合わせて成るコラプシブルステアリングシャフトを使用している。又、ステアリングコラム15aとして、インナコラム54とアウタコラム55とを衝撃荷重に基づいて収縮可能に組み合わせて成るコラプシブルステアリングコラムを使用している。衝突事故の際には、上記入力軸8aと上記ステアリングコラム15aとが、衝撃エネルギを吸収しつつ、上記アウタコラム55の前端縁がハウジング17bの後面に突き当たるまで、図7のストロークL分だけ縮む。この様に、衝突事故の際に上記入力軸8aと上記ステアリングコラム15aとが縮む量(コラプスストローク)を確保する事が、運転者の保護を充実させる面から重要である。本例の場合には、以下に述べる様な構造により、電動式パワーステアリング装置56を設けた構造で、上記コラプスストロークの確保を図っている。
本例の場合には、前述の図1〜4に示した実施の形態の第1例の構造に電動式パワーステアリング装置56を組み込んでいる。この電動式パワーステアリング装置56は、電動モータ57により出力軸9aに操舵補助力(アシスト力)を付与自在とすると共に、この出力軸9a部分で伝達されるトルクを測定して、上記電動モータ57への通電量を調節し、上記操舵補助力を適正に調節する様にしている。この様な電動式パワーステアリング装置56を構成する為に本例の場合には、上記出力軸9aを、円管状の外筒58と、この外筒58内に挿入されたトーションバー59とから構成している。そして、このトーションバー59の後端部で上記外筒58の後方に突出した部分を、基本的に上記実施の形態の第1例のボール式変速装置37(図1〜2参照)と同様の構成を有するボール式変速装置37aの出力部材60に、ピン61aにより結合固定している。従って上記トーションバー59の後端部は、この出力部材60と共に回転する。これに対してこのトーションバー59の前端部は、上記外筒58の前端部に、別のピン61bにより結合固定している。従って上記トーションバー59の前端部は、上記外筒58と共に回転する。
上記電動モータ57から上記出力軸9aに操舵補助力を付与自在とする為に、上記出力軸9aのうちの外筒58の中間部にウォームホイール62を外嵌固定し、このウォームホイール62と、上記電動モータ57の出力軸に固定したウォーム63とを噛合させている。又、このウォームホイール62の前後に1対の回転角センサ64a、64bを配置して、上記出力軸9a部分で伝達されるトルクを測定自在としている。本例の場合、上記両回転角センサ64a、64bとしてレゾルバを使用している。そして、後側の回転角センサ64aを、上記出力部材60の外周面とハウジング17bの内周面との間に設けている。これに対して、前側の回転角センサ64bを、このハウジング17bの内周面と上記外筒58の外周面との間に設けている。これら両回転角センサ64a、64bの出力信号の位相は、上記トーションバー59の捩れ角度分だけずれるので、これら両回転角センサ64a、64bの出力信号の位相のずれに基づいて、上記出力軸9a部分で伝達されるトルクを求められる。
本例の場合には、この様に出力軸9a部分で伝達されるトルクを求める為の1対の回転角センサ64a、64bを、前記電動式パワーステアリング装置56を構成するウォームホイール62の前後に振り分けて配置する事により、この電動式パワーステアリング装置56の軸方向寸法の短縮を図っている。即ち、上記ウォームホイール62の軸方向両側内径寄り部分に存在する余裕空間を有効利用する事で、上記両回転角センサ64a、64bを含む、上記電動式パワーステアリング装置56の軸方向寸法の短縮を図り、前記コラプスストロークLを確保し易い構造としている。又、上記両回転角センサ64a、64b同士の間に上記ウォームホイール62を配置する事により、これら両回転角センサ64a、64b同士の間隔を確保すると同時に、これら両回転角センサ64a、64b同士の間での磁気的、電気的な干渉を防止して、これら両回転角センサ64a、64bの性能(測定精度、耐ノイズ性)を向上させられる様にしている。
尚、本例の場合、上記電動式パワーステアリング装置56を設けた事に伴って、出力軸9aの前端位置が、この電動式パワーステアリング装置56を設けていない、前記実施の形態の第1例の構造の場合よりも前方に位置する。この為、上記出力軸9aの前端部と中間シャフト4の後端部とを接続する自在継手3(図12参照)の前後位置がずれ、上記出力軸9aと、ステアリングギヤユニット5の入力軸6(図12参照)との等速性を確保する為の条件がずれる可能性がある。但し、このずれは、中間シャフト4の両端部にそれぞれ自在継手を、同じジョイント角で位相を整えて組み込む限り、一般的には僅少で、操舵感に殆ど影響しない為、無視できる場合が多い。又、無視できない場合でも、ずれの方向及び大きさは規則的で予測できる為、前記電動モータ11とボール式変速装置37aとを組み合わせて成る舵角可変機構により上記ずれを補償(ずれを打ち消して、上記出力軸9aと上記入力軸6との等速性を確保)できる。
又、トルク測定用に上記後側の回転角センサ64aを設置したのに伴って、制御用回転角センサ24bを、中間回転筒10bの後端部外周面と上記ハウジング17bの内周面との間に設置している。本例の場合には、この様な構成により、上記制御用回転角センサ24bを、第一ボール変速機構13aを構成する駆動リング27aの外径側に配置して、この制御用回転角センサ24bの設置部分の軸方向寸法の短縮を図っている。この様な軸方向寸法の短縮も、前記コラプスストロークLを確保して、衝突事故の際の運転者保護に役立つ。尚、前記インナシャフト52の前端部外周面と上記駆動リング27aの内周面とはスプライン係合して、このインナシャフト52からこの駆動リング27aへの、回転力の伝達を自在としている。
又、本例の場合には、上記ボール式変速装置37aを構成する各入力側ボール32、32と各出力側ボール36、36とに予圧を付与する為のナット38と駆動リング27aとの間に、スラスト軸受65を設けている。このスラスト軸受65としては、例えばスラストニードル軸受を使用する。上記ナット38の締め付け力を、軸方向に関する剛性が高い、上記スラスト軸受65を介して上記駆動リング27aに伝達する事で、上記各ボール32、36と各案内溝31、30、35、34との転がり接触部のがたつきを、より確実に防止できる様にしている。
尚、上記スラスト軸受65の内径側に予圧間座(シム)80を設け、この予圧間座80として適切な厚さ寸法を有するものを選択使用する。そして、上記ナット38の締め付けに伴って、上記スラスト軸受65に過度なスラスト荷重を加える事なく上記ボール式変速装置37aに適切な予圧を付与し、このボール式変速装置37a内部のがたつきを抑えて、このボール式変速装置37aの動力伝達性能の維持を図っている。即ち、上記ボール式変速装置37aを構成する上記駆動リング27aと次述する従動リング67との間でトルクを伝達する際には、上記各ボール32、36が上記各案内溝30、31、34、35に乗り上げる傾向になって、上記両リング27a、67同士を、軸方向に関して互いに離す方向の力が働く。この為、上記スラスト軸受65の剛性が低いと、上記両リング27a、67同士の間隔が拡がり、上記ボール式変速装置37aのトルク伝達方向に関する剛性(捩れ剛性)が低下し、このボール式変速装置37aを組み込んだ舵角可変式ステアリング装置の操舵感が低下する。これに対して、上記スラスト軸受65は剛性が高い為、上記捩れ剛性の低下を防止して、上記操舵感の低下を防止できる。
尚、上記駆動リング27aは前記出力部材60の周囲に、単列深溝型の玉軸受等、心合わせ用の転がり軸受29aにより、同心に保ったまま回転自在に支持している。又、前記中間回転筒10bは、上記駆動リング27aの周囲に、単列深溝型の玉軸受等の転がり軸受66により、回転自在に支持している。更に、上記駆動リング27aの他部内径側に偏心プレート12と従動リング67とを、それぞれ単列深溝型の玉軸受等の転がり軸受25、68により、回転自在に支持している。上記各転がり軸受29a、66、25、68は何れも、各転動体(玉)に予圧を付与すると共に、内外両輪を相手面に、締り嵌め若しくは接着により嵌合固定してラジアル方向のがたつきをなくし、必要とする同心性及び偏心量の確保を図っている。尚、上記従動リング67は、前述した実施の形態の第1例の鍔部33(図1〜2参照)の代わりとなるもので、上記出力部材60の中間部外周面にスプライン係合させて、この出力部材60と共に回転する様にしている。これら出力部材60と従動リング67とは、一体としても良い。
本例の場合には、上述の様にして上記ボール式変速装置37aを構成する各部材27a、12、60の同心性或いは偏心量を確保すると共に、上記各ボール32、36と各案内溝31、30、35、34との転がり接触部のがたつきを抑えている。この為、上記ボール式変速装置37aの剛性を高くして、ステアリングホイール1(図1参照)の操舵感を良好にできる。又、上記ボール式変速装置37aの逆効率(上記駆動リング27a及び上記従動リング67の回転が上記中間回転筒10aに伝わる割合)を低くして、逆作動(上記駆動リング27a及び上記従動リング67の回転に伴って上記中間回転筒10bが回転する現象)が発生しにくくできる。この結果、電動モータ11bの故障時に、この中間回転筒10aを停止した状態のまま、上記駆動リング27aから上記従動リング67へのトルク伝達が可能になって、必要最小限の機能を確保できる(フェールセーフを図れる)構造を実現できる。
前記スラスト軸受65として使用するスラストニードル軸受は、各ニードルの転動面と両スラスト軌道面との接触部の差動滑りが大きく、動トルクが大きい(損失が大きい)為、上記ボール式変速装置37aの伝達効率が低下する。本例の場合には、上記電動モータ11bの故障時のフェールセーフを図る為に、上記ボール式変速装置37aの逆効率が0である事が望まれる。この点で、予圧付与の為の軸受として、動トルクが大きなスラストニードル軸受を使用する事は有利である。上記スラスト軸受65として、スラストニードル軸受に代えてスラスト滑り軸受を使用すれば、スラスト軸受としての効率が更に低く抑えられるので、上記逆効率を完全に0にし易い。スラスト滑り軸受は、スラストニードル軸受よりも剛性が高く、負荷容量も大きい為、上記ボール式変速装置37a部分で伝達するトルクが大きく、上記スラスト軸受65に加わる荷重が大きくなる場合に有利である。尚、このスラスト軸受65を設置する、前記インナシャフト52の前端と上記駆動リング27aの後側面とは、相対回転速度が遅く、総回転数も極端に大きくなる事はない。この為、逆効率を低くする為に、上記スラスト軸受65として動トルクが大きなものを使用しても、舵角可変式ステアリング装置全体としての極端に効率が悪くなったり、上記スラスト軸受65の設置部分で著しい磨耗が発生する事はない。従って、上記スラストニードル軸受や上記滑り軸受を使用できる。
更に、本例の場合には、下記の(A) 〜(C) の点を工夫している。
(A) 前記電動モータ11bを構成する永久磁石製のロータ22bを、高分子材料等の非磁性材製で薄肉のカバー69により覆っている。
万一、上記ロータ22bが割れたり、或いは剥がれたりした場合でも、このロータ22bの破片等が、上記ボール式変速装置37a等、前記ハウジング17b内に収納された各部に入り込んで、動作不良、誤動作等を起こす事を防止する為である。
(B) 上記インナシャフト52の前端と前記出力部材60との間に、ファイナルバックアップ機構70を設けている。
このファイナルバックアップ機構70は、万一、上記ボール式変速装置37aが破損しても、操舵輪に対し舵角を付与する為の必要最低限の機能を確保する為に、上記インナシャフト52の前端面に設けた係合凹部71に、上記出力部材60の後端部に設けた係合凸部72を挿入する事で構成している。これら係合凹部71と係合凸部72とは、通常状態では図9の(A)に示す様に、相対回転可能に係合している。これに対して、故障時に、上記インナシャフト52を上記出力部材60に対し大きく回動させると、図9の(B)に示す様に、上記係合凸部72が上記係合凹部71の端部にくさび状に食い込み、上記インナシャフト52と上記出力部材60とが同期して回転する様にして、上記必要最低限の機能を確保する。この状態では、ステアリングホイールの中立位置が正常時とはずれるが、操舵輪に対し舵角を付与する事は可能になる。
(C) 上記インナシャフト52と上記ハウジング17bとの間部分に、サポート軸受73及びダストシール74を設けている。
上記サポート軸受73としては、ラジアル滑り軸受が適切である。上記間部分は、本来特に負荷が加わる部分ではないので、この部分に使用する上記サポート軸受73として、低コストでしかも設置スペースが嵩まないラジアル滑り軸受を使用する事により、省スペース、低コストを図れる。又、上記ダストシール74と合わせて、上記インナシャフト52の前端部に適度な摩擦を付与する事により、このインナシャフト52の微振動を抑えて、操舵感を改善できる。
[実施の形態の第4例]
図10〜11は、請求項1〜7、11、13に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、出力軸9a部分で伝達されるトルクを測定する為に、ホールICやMRセンサの如き磁気検出素子を組み込んだ、トルクセンサ75を使用している。この様な磁気式のトルクセンサ75を構成する為に本例の場合には、上記出力軸9aを構成する外筒58とトーションバー59とのうち、外筒58の側に永久磁石を組み込んだ被検出リング76と磁気検出素子を組み込んだ検出リング77とのうちの一方のリングを、トーションバー59の基端部(入力側端部)側に他方のリングを、それぞれ外筒58及びトーションバー59と同心に支持している。これら両リング76、77は、このトーションバー59の入力側端部と上記外筒58との相対回転に伴って相対回転(捩り方向に相対変位)し、上記検出リング77に設けた各磁気検出素子の特性を変化させて、出力を変化させる。この様な磁気検出式のトルクセンサ75を構成する場合に、上記被検出リング76に設けた永久磁石と上記検出リング77に組み込んだ磁気検出素子とを半径方向に対向させれば、上記トルクセンサ75の軸方向寸法を小さく(薄く)できる。この為、ボール式変速装置37a等を収納したハウジング17cをステアリングコラム15aの前端部に設置した、コラム式の舵角可変機構と組み合わせる事で、設置スペースの自由度が高くなったり、コラプスストロークを確保し易い等の効果を得られる。
又、本例の場合には、中間回転筒10cの回転角度を求める為の制御用回転角センサ24cとして、磁気検出素子とエンコーダとを組み合わせた、磁気検知式のものを使用している。前述した各実施の形態の様に、中間回転筒の回転角度をレゾルバで検出する場合には、高価なデジタル変換用ICを使用するか、演算負荷の大きいソフトウェア処理を行なう必要がある。これに対して、磁気検知式の回転角センサは、従来からアンチロックブレーキシステム(ABS)等に広く使用されており、低コストでしかも演算負荷も小さい。但し、上記磁気検知式の回転角センサは、角度の変化分しか分からず、角度の絶対値は分からない。この為、上記中間回転筒10cを回転駆動する電動モータ11cであるブラシレスDCモータの始動時に、この電動モータ11cを回転させる為に必要な転流角度を求める動作を自動的に行なう(自動転流角検知)。
この自動転流検知では、始動時に上記電動モータ11cに直流を流して、この電動モータ11cを構成するロータが落ち着く角度を検出する。直流電流に対するこのロータの落ち着き位置が一度でも分かれば、上記電動モータ11cの極数と、上記制御用回転角センサ24cを構成するエンコーダのカウント数及び回転方向との関係は予め分かっているので、どのタイミングで転流すれば上記電動モータ11cを回転させられるかが分かる。尚、自動転流検知を行なう場合には、単純に直流を流すだけではなく、上記ロータの回転角度を測定しながら適切に電流を制御し、少ない回転で検知したり信頼性を上げる工夫を行なう事もできる。
上述の様な自動転流検知を行なう際には、上記電動モータ11cのロータが回転するので、一般的には自動転流検知が使えない場合がある。これに対して本例の場合には、上記モータ11cにより回転駆動する中間回転筒10cが、差動機構であるボール式変速装置37aを構成するものである事、上記電動モータ11cの極数が多く、上記転流角を検知する際の回転角度が小さくて済む事、上記ボール式変速装置37a減速比が大きい事、このボール式変速装置37aの入力側、出力側に結合したインナシャフト52と出力軸9aの外筒58が固定されていても、間に存在するトーションバー59が捻じれる事等から、上記ロータを回転させて行なう、上記自動転流検知が可能である。例えばステアリングホイール1を回転させた状態でも、上記電動モータ11cに直流を流せば、この電動モータ11cを構成するロータの位置が、落ち着き位置に固定される。この事から、上記自動転流検知が使用可能な事が分かる。
尚、上述の図10〜11に示した機構中には、ステアリングホイールの操作角を検出する為の手段がない。従って、この操作角を検出する為に、ハンドルスイッチパック78(方向指示器やライトのスイッチ類等をステアリングホイール部に収納したユニット)に内蔵された舵角センサを利用する事等を考慮する。又、ステアリングコラム部に舵角センサを設置する事ができない場合には、ステアリングギヤユニット5(図12参照)に設けたピニオン軸に舵角センサを配置する事もできる。
又、本例の場合には、上記中間回転筒10cの回転角度を検出する為、この中間回転筒10cに外嵌固定したセンサギア79の外周縁を、フェイルセーフの為の凹凸係合部47(図5参照)の代わりに利用している。即ち、上記センサギア79の外周縁と、アクチュエータ48により進退するストッパ片49とにより、前述の図5に示した実施の形態の第2例と同様のフェイルセーフ機構を構成している。この様なフェイルセーフ機構は、上記電動モータ11cを小型化する為、上記ボール式変速装置37aの効率を高くしてセルフロック構造としない場合や、セルフロックよりも確実なフェールセーフを期待する場合に用いる。上記電動モータ11cの故障時には、上記アクチュエータ48のコイルへの通電が断たれ、上記ストッパ片49がばねの弾力により上記センサギア79の外周面に押し付けられて、前記中間回転筒10cがロックする。この状態で前記出力軸9aは、ステアリングシャフト2とほぼ同じ角速度で回転する。この様な本例の構造は、上記センサギア79をフェイルセーフ機構の構成部品として利用するので、スペース効率を高くして、小型に構成できる。
本発明を実施する場合に、入力軸と出力軸とは、図示の実施の形態の各例の場合と逆にする事もできる。
又、前述の実施の形態の第1例で、電動モータ11の故障時にボール式変速装置37をセルフロックさせるべく、各案内溝30、31、34、35と各ボール32、36との転がり接触部の滑り要素を多くする為には、それぞれがサイクロイド波形状又はトロコイド波形状である上記各案内溝を、僅かにオフセットさせる事で対応する事もできる。何れの場合でも、上記転がり接触部での滑りは局所的なものであり、入力軸と出力軸との相対回転に影響を及ぼすものではない。
又、前述した実施の形態の第3〜4例の様に、本発明の舵角可変式ステアリング装置と電動式パワーステアリング装置とを組み合わせて実施する事もできる。この場合には、ステアリングホイールから入力軸に加えられるトルクを測定する為の、トーションバー式のトルクセンサが必要になるが、このトルクセンサを、本発明の舵角可変式ステアリング装置よりも上記ステアリングホイール側に設けるか、或いは上記第3〜4例の様に反対側に設けるかは自由である。反対側に設ける場合には、トーションバーを電動式パワーステアリング装置の内部に設けられる為、上記トルクセンサの設置部分をコンパクトに構成する事が可能になる。但し、この場合には、このトルクセンサが、舵角可変式ステアリング装置を構成する電動モータから付加されるトルクも検出する事になる為、この付加トルクをキャンセルする為の演算が必要になる。この付加されるトルクによる上記トーションバーの捩れの影響は、上記電動モータへの通電量に基づいて求められ、上記付加されるトルクは既知となるので、上記演算は、十分な信頼性を確保した状態で、且つ、実用上十分な処理速度で行なえる。
更に、前述の実施の形態の第1、3、4例では、ボール式変速装置37として、前述の特許文献6に記載された如き構造のものを使用した場合に就いて説明した。これに対して、本発明の舵角可変式ステアリング装置を実施する場合に、前述の特許文献4〜5に記載されたボール式変速装置、更にはボール式変速装置と他の構造の変速装置とをトルクの伝達方向に関して互いに直列に配置した複合型の変速装置を使用する事もできる。この場合に於いて、特許文献4に記載されたボール式変速装置を使用する場合には、この特許文献4の図1に記載された動板6を偏心プレートとし、同じく偏心軸8の代わりに中間回転筒を組み込む。但し、この場合には、電動モータの故障時にボール式変速装置をセルフロックさせる事が難しくなるので、上述した本発明の実施の形態の第2、4例の場合と同様に、故障時にこの電動モータ若しくは上記中間回転筒の回転を阻止する為のロック機構を設ける。又、特許文献5に記載されたボール式変速装置を使用する場合には、この特許文献5の第1図に記載された第1の動板5を偏心プレートとし、この第1の動板5に外径側から偏心運動をさせる機構を加える。尚、特許文献5の第1図に記載された静止部材1を入力軸とし、出力軸9をそのまま出力軸とする。
本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 図1のA部拡大図。 (a)は、第一ボール変速機構を構成する、入力軸側案内溝と偏心プレート側第一案内溝と複数個の入力側ボールとの関係を、(b)は、第二ボール変速機構を構成する、出力軸側案内溝と偏心プレート側第二案内溝と複数個の出力側ボールとの関係を、それぞれ図1〜2の上下方向から見た状態で示す模式図。 上記各案内溝の断面形状を示す、図2のB部拡大図。 本発明の実施の形態の第2例を示す要部断面図。 歯車伝達機構の分解斜視図。 本発明の実施の形態の第3例を示す断面図。 図7のC部拡大図。 図8のD−D断面図。 本発明の実施の形態の第4例を示す断面図。 図10のE部拡大図。 ステアリング装置の1例を示す斜視図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 自在継手
4 中間シャフト
5 ステアリングギヤユニット
6 入力軸
7 タイロッド
8、8a 入力軸
9、9a 出力軸
10、10a、10b、10c 中間回転筒
11、11a 電動モータ
12 偏心プレート
13、13a 第一ボール変速機構
14 第二ボール変速機構
15、15a ステアリングコラム
16 入力側回転角センサ
17、17a ハウジング
18、18a 大径部
19、19a 小径部
20、20a 段付部
21、21a 転がり軸受
22、22a、22b ロータ
23、23a ステータ
24、24a、24b、24c 制御用回転角センサ
25、25a 転がり軸受
26 取付フランジ
27、27a 駆動リング
28 突出軸部
29、29a 転がり軸受
30 入力軸側案内溝
31 偏心プレート入力側案内溝
32 入力側ボール
33 鍔部
34 出力軸側案内溝
35 偏心プレート出力側案内溝
36 出力側ボール
37、37a ボール式変速装置
38 ナット
39 外歯歯車
40 結合ピン
41 支持鍔部
42 支持板部
43 歯車部
44 通孔
45 内歯歯車
46 結合板
47 凹凸係合部
48 アクチュエータ
49 ストッパ片
50 出力ロッド
51 円筒部
52 インナシャフト
53 アウタチューブ
54 インナコラム
55 アウタコラム
56 電動式パワーステアリング装置
57 電動モータ
58 外筒
59 トーションバー
60 出力部材
61a、61b ピン
62 ウォームホイール
63 ウォーム
64a、64b 回転角センサ
65 スラスト軸受
66 転がり軸受
67 従動リング
68 転がり軸受
69 カバー
70 ファイナルバックアップ機構
71 係合凹部
72 係合凸部
73 サポート軸受
74 ダストシール
75 トルクセンサ
76 被検出リング
77 検出リング
78 ハンドルスイッチパック
79 センサギア
80 予圧間座

Claims (13)

  1. ステアリングホイールの回転に伴って回転する入力軸と回転に伴って操舵輪に舵角を付与する出力軸とのうちの一方である第一回転軸と、この第一回転軸と同心に、且つ、この第一回転軸に対する相対回転を自在に支持された、上記入力軸と上記出力軸とのうちの他方である第二回転軸と、この第二回転軸と上記第一回転軸との間に、これら第一回転軸及び第二回転軸と同心に、且つ、これら第一回転軸及び第二回転軸に対する相対回転を可能に支持された中間回転筒と、この中間回転筒を両方向に回転駆動する為の回転駆動手段と、上記第一回転軸及び第二回転軸と平行で且つこれら両回転軸に対し偏心した中心軸を中心とする回転を可能として上記中間回転筒の一部に支持された回転伝達部材と、上記第一回転軸とこの回転伝達部材との間で回転を伝達する為の第一回転伝達手段と、この回転伝達部材と上記第二回転軸との間で回転を伝達する為の第二回転伝達手段とを備えた舵角可変式ステアリング装置。
  2. 中間回転筒がハウジングの内側に回転自在に支持されており、回転駆動手段が、この中間回転筒の外周面に設けられたロータと、上記ハウジングの内面でこのロータと対向する部分に設けられたステータとから成る電動モータである、請求項1に記載した舵角可変式ステアリング装置。
  3. 第一回転伝達手段と第二回転伝達手段とのうちの少なくとも一方の回転伝達手段が、互いに軸方向に対向する1対の面にそれぞれ形成されたサイクロイド波形状又はトロコイド波形状の案内溝と、これら両案内溝同士の間に挟持された複数個のボールとから成るボール式変速装置である、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した舵角可変式ステアリング装置。
  4. 回転伝達部材が、軸方向両側面に案内溝を形成した円板状であり、第一回転伝達手段が、第一回転軸若しくはこの第一回転軸と共に回転する第一回転部材の端面に形成された第一回転軸側案内溝と、上記回転伝達部材の軸方向両側面のうちでこの第一回転軸側案内溝に対向する軸方向片側面部分に形成された回転伝達部材側第一案内溝と、この回転伝達部材側第一案内溝と上記第一回転軸側案内溝との間に挟持された複数個の第一ボールとから成り、これら回転伝達部材側第一案内溝及び第一回転軸側案内溝は、直径が互いに同じであるピッチ円に沿うサイクロイド系波形状又はトロコイド波形状であって、上記回転伝達部材の中心軸と上記第一回転軸の中心軸との偏心量分だけ互いに偏心しており、第二回転伝達手段が、第二回転軸若しくはこの第二回転軸と共に回転する第二回転部材の端面に形成された第二回転軸側案内溝と、上記回転伝達部材の軸方向両側面のうちでこの第二回転軸側案内溝に対向する上記軸方向他側面部分に形成された回転伝達部材側第二案内溝と、この回転伝達部材側第二案内溝と上記第二回転軸側案内溝との間に挟持された複数個の第二ボールとから成り、これら回転伝達部材側第二案内溝及び第二回転軸側案内溝は、直径が互いに同じであるピッチ円に沿うサイクロイド系波形状又はトロコイド波形状であって、上記回転伝達部材の中心軸と上記第二回転軸の中心軸との偏心量分だけ互いに偏心しており、上記回転伝達部材側第一案内溝の波数と上記回転伝達部材側第二案内溝の波数とを互いに異ならせている、請求項3に記載した舵角可変式ステアリング装置。
  5. 回転伝達部材側第一案内溝と第一回転軸側案内溝とのうちの一方の案内溝が、波数がNであるハイポサイクロイド形状又はハイポトロコイド形状であり、同じく他方の案内溝が、波数が「N−2」であるエピサイクロイド形状又はエピトロコイド形状であり、上記回転伝達部材側第一案内溝と上記第一回転軸側案内溝との間で、回転伝達部材の軸方向に関してこれら回転伝達部材側第一案内溝と第一回転軸側案内溝とが重畳する部分に、「N−1」個のボールが配置されており、回転伝達部材側第二案内溝と第二回転軸側案内溝とのうちの一方の案内溝が、波数がMであるハイポサイクロイド形状又はハイポトロコイド形状であり、同じく他方の案内溝が、波数が「M−2」であるエピサイクロイド形状又はエピトロコイド形状であり、上記回転伝達部材側第二案内溝と上記第二回転軸側案内溝との間で、上記回転伝達部材の軸方向に関してこれら回転伝達部材側第二案内溝と第二回転軸側案内溝とが重畳する部分に、「M−1」個のボールが配置されている、請求項4に記載した舵角可変式ステアリング装置。
  6. 回転伝達部材側第一案内溝及び第一回転軸側案内溝と各ボールとの接触部、並びに、回転伝達部材側第二案内溝及び第二回転軸側案内溝との接触部の滑りの要素を大きく設定する事により、回転駆動手段が回転伝達部材を回転駆動しない状態で、この回転伝達部材と第一、第二両回転軸とが同期して回転自在としている、請求項4〜5のうちの何れか1項に記載した舵角可変式ステアリング装置。
  7. 回転伝達部材側第一案内溝、第一回転軸側案内溝、回転伝達部材側第二案内溝、第二回転軸側案内溝の断面形状が、それぞれゴシックアーチ状である、請求項6に記載した舵角可変式ステアリング装置。
  8. 回転伝達部材が、第一回転軸の端部に支持された外歯歯車であり、第一回転伝達手段が、これら外歯歯車と第一回転軸とを、径方向に関する相対変位及び回転力の伝達を可能に結合する結合部材であり、第二回転伝達手段が、第二回転軸の基端部にこの第二回転軸と同心に、且つ、この第二回転軸と同期した回転を自在に結合され、上記外歯歯車と噛合した内歯歯車である、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した舵角可変式ステアリング装置。
  9. 結合部材が、それぞれの基半部を第一回転軸に固定し、それぞれの先半部をこの第一回転軸の端部から軸方向に突出させた複数本の結合ピンであり、これら各結合ピンの先半部を、外歯歯車に形成した、それぞれがこれら各結合ピンの先半部の外径よりも大きな内径を有する複数の通孔に挿入している、請求項8に記載した舵角可変式ステアリング装置。
  10. 中間回転筒に凹凸係合部が設けられており、この中間回転筒を収納したハウジング内でこの凹凸係合部に対向する部分に、アクチュエータによりこの中間回転筒に対し遠近動してこの凹凸係合部と係脱するストッパ片が設けられている、請求項1〜5、7〜9のうちの何れか1項に記載した舵角可変式ステアリング装置。
  11. 出力軸の外周面に外嵌固定したウォームホイールと、電動モータの出力軸に固定したウォームとを噛合させる事で電動式パワーステアリング装置を構成すると共に、上記出力軸を通過するトルクを測定する為のトルクセンサを設け、このトルクセンサが測定したこの出力軸を通過するトルクの値に基づき、上記電動モータへの通電量を制御する、請求項1〜10のうちの何れか1項に記載した舵角可変式ステアリング装置。
  12. 出力軸が、円管状の外筒と、この外筒内に挿入されてその出力側端部をこの外筒の出力側端部に結合固定したトーションバーとから成り、ウォームホイールがこのうちの外筒に外嵌固定されており、このトーションバーの入力側端部でこの外筒から突出した部分を、上記出力軸を回転駆動する部分に結合固定しており、トルクセンサが、上記ウォームホイールを軸方向両側から挟む2個所位置にそれぞれ設けられて、上記トーションバーの入力側端部と上記外筒との間の捩れ角度を測定する、1対の回転角センサである、請求項11に記載した舵角可変式ステアリング装置。
  13. 出力軸が、円管状の外筒と、この外筒内に挿入されてその出力側端部をこの外筒の出力側端部に結合固定したトーションバーとから成り、ウォームホイールがこのうちの外筒に外嵌固定されており、このトーションバーの入力側端部でこの外筒から突出した部分を、上記出力軸を回転駆動する部分に結合固定しており、トルクセンサが、上記トーションバーの入力側端部と上記外筒との間に設けられて、これらトーションバーの入力側端部と外筒との相対回転に伴って出力を変化させる、磁気式のトルクセンサである、請求項11に記載した舵角可変式ステアリング装置。
JP2007206603A 2006-12-20 2007-08-08 舵角可変式ステアリング装置 Pending JP2008174213A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007206603A JP2008174213A (ja) 2006-12-20 2007-08-08 舵角可変式ステアリング装置
PCT/JP2008/057037 WO2009019909A1 (ja) 2007-08-08 2008-04-09 舵角可変式ステアリング装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006342045 2006-12-20
JP2007206603A JP2008174213A (ja) 2006-12-20 2007-08-08 舵角可変式ステアリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008174213A true JP2008174213A (ja) 2008-07-31

Family

ID=39701546

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007206603A Pending JP2008174213A (ja) 2006-12-20 2007-08-08 舵角可変式ステアリング装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2008174213A (ja)
WO (1) WO2009019909A1 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014119138A1 (ja) * 2013-02-01 2014-08-07 Ikeda Masayuki 変速装置
JP2018021603A (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 Ntn株式会社 減速装置
JP2018021602A (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 Ntn株式会社 減速装置
WO2018025591A1 (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 Ntn株式会社 減速装置
JP2018021604A (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 Ntn株式会社 減速装置
CN108415475A (zh) * 2018-05-02 2018-08-17 吉林大学 行星齿轮式磁流变液双转筒力感反馈装置及其使用方法
EP2363697B1 (en) * 2010-03-02 2019-09-18 Hamilton Sundstrand Corporation Load monitoring for electromechanical systems
CN110775142A (zh) * 2018-07-31 2020-02-11 Trw有限公司 转向柱组件
US11105397B2 (en) * 2018-05-15 2021-08-31 Robotis Co., Ltd. Gear module comprising two-point contact internal gear

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014518203A (ja) 2011-06-06 2014-07-28 キエスィ ファルマチェウティチ エス.ピー.エー. ホスホジエステラーゼ阻害剤としての1−フェニル−2−ピリジニルアルキルアルコール誘導体
JP6017128B2 (ja) * 2011-10-13 2016-10-26 利晃 島田 歯車装置及び駆動装置
KR102192739B1 (ko) * 2012-12-05 2020-12-18 키에시 파르마슈티시 엣스. 피. 에이. 포스포디에스테라제 억제제로서 1-페닐-2-피리디닐 알킬 알코올의 유도체
CN112752913A (zh) * 2018-09-28 2021-05-04 Ntn株式会社 减速装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5869146U (ja) * 1981-11-02 1983-05-11 住友重機械工業株式会社 回転駆動装置
JPS6121861A (ja) * 1984-03-23 1986-01-30 Aisin Seiki Co Ltd 電気式パワ−ステアリング装置
JPH0331665Y2 (ja) * 1984-09-05 1991-07-04
JP2003172419A (ja) * 2001-12-10 2003-06-20 Nsk Ltd ボール式変速装置
JP2006117033A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Hitachi Ltd ギヤ比可変機構および車両の操舵制御装置
JP2006142931A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Hitachi Ltd 操舵制御装置
JP2006143029A (ja) * 2004-11-22 2006-06-08 Hitachi Ltd 操舵制御装置
JP4256420B2 (ja) * 2006-11-09 2009-04-22 三菱電機株式会社 伝達比可変機構

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2363697B1 (en) * 2010-03-02 2019-09-18 Hamilton Sundstrand Corporation Load monitoring for electromechanical systems
CN104956123A (zh) * 2013-02-01 2015-09-30 池田昌幸 变速装置
US9512906B2 (en) 2013-02-01 2016-12-06 Masayuki Ikeda Transmission device
WO2014119138A1 (ja) * 2013-02-01 2014-08-07 Ikeda Masayuki 変速装置
JP2018021603A (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 Ntn株式会社 減速装置
WO2018025591A1 (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 Ntn株式会社 減速装置
JP2018021604A (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 Ntn株式会社 減速装置
CN109477560A (zh) * 2016-08-03 2019-03-15 Ntn株式会社 减速装置
JP2018021602A (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 Ntn株式会社 減速装置
US10670121B2 (en) 2016-08-03 2020-06-02 Ntn Corporation Speed reducer
CN109477560B (zh) * 2016-08-03 2022-04-29 Ntn株式会社 减速装置
CN108415475A (zh) * 2018-05-02 2018-08-17 吉林大学 行星齿轮式磁流变液双转筒力感反馈装置及其使用方法
CN108415475B (zh) * 2018-05-02 2023-05-12 吉林大学 行星齿轮式磁流变液双转筒力感反馈装置及其使用方法
US11105397B2 (en) * 2018-05-15 2021-08-31 Robotis Co., Ltd. Gear module comprising two-point contact internal gear
CN110775142A (zh) * 2018-07-31 2020-02-11 Trw有限公司 转向柱组件

Also Published As

Publication number Publication date
WO2009019909A1 (ja) 2009-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008174213A (ja) 舵角可変式ステアリング装置
EP1335154B1 (en) Electric power steering apparatus
JP2009061836A (ja) 舵角可変式ステアリング装置
JP4930751B2 (ja) ステアリング装置
CN103318253B (zh) 车辆用转向操作装置
US7819041B2 (en) Transmission ratio variable device and steering gear
JP2012045978A (ja) 車両用操舵装置
CN109963770B (zh) 转向传动机构和转向***
US20220045574A1 (en) Driving device
JP2008030747A (ja) ステアリング装置
JP2017124715A (ja) 操舵装置
JP2016013821A (ja) 電動パワーステアリング装置
WO2010001592A1 (ja) 伝達比可変機構および車両用操舵装置
JP4872229B2 (ja) 車両用操舵装置
JP2001322554A (ja) 電動式舵取装置
JP2009171736A (ja) 電動モータ
JP2006088726A (ja) 電動パワーステアリング装置
US8961367B2 (en) Vehicle drive apparatus
JP5899001B2 (ja) 操舵角検出装置
JP5594523B2 (ja) 車両用操舵装置
JP4016886B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
US20210261186A1 (en) Steering system
JP2006103395A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP5397662B2 (ja) 車両用操舵装置
JP4734945B2 (ja) 車両用操舵装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100310