JP2008174160A - 車両操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転舵アクチュエータに特性差がある場合でも、滑らかな車両挙動を実現する。
【解決手段】車両操舵装置10は、車両に含まれる左右一対の操舵輪に対してそれぞれ独立に転舵モータ24を備えた車両操舵装置である。舵角センサ34は、運転者により入力された操舵角を検出する。目標転舵角設定部50は、検出した操舵角に応じて、左右一対の操舵輪の目標転舵角をそれぞれ設定する。転舵モータ制御部66は、目標転舵角設定部50で設定された目標転舵角となるよう転舵モータ24を制御する。実転舵角センサ42は、左右一対の操舵輪の実転舵角をそれぞれ検出する。実転舵角差比較部54は、左右一対の操舵輪の実転舵角差が所定値より大きいか否かを判定する。目標転舵角補正部62は、実転舵角差が所定値より大きいと判定された場合に、少なくとも一方の操舵輪の目標転舵角を補正して転舵モータ制御部66に出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に含まれる左右一対の操舵輪を操舵するための車両操舵装置に関する。
従来、車両に含まれる左右一対の操舵輪を転舵させるための車両操舵装置として、操舵輪ごとに転舵アクチュエータを有して、操舵輪をそれぞれ独立に転舵させることができる車両操舵装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
特開2005−306249号公報
上記のような車両操舵装置では、左右一対の操舵輪にそれぞれ設けられた2つの転舵アクチュエータの応答性、最大作動速度などに差があると、左右の操舵輪を同じように転舵させようとしても左右の操舵輪の転舵角変化に差が生じ、過渡的な車両挙動が滑らかに制御できない場合がある。そのため、理想的には、左右の操舵輪に同等な特性のアクチュエータを設けることが好ましい。
しかしながら、このようなアクチュエータ間の特性差は、アクチュエータにおける慣性(可動部質量)、出力特性、摩擦特性等に製造上のばらつきがあるために生じるものであり、現実的には、アクチュエータ間の特性差を完全になくすことは困難である。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、左右一対の操舵輪に対してそれぞれ独立に転舵アクチュエータを備えた車両操舵装置において、転舵アクチュエータに特性差がある場合でも、滑らかな車両挙動を実現できる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両操舵装置は、車両に含まれる左右一対の操舵輪に対してそれぞれ独立に転舵アクチュエータを備えた車両操舵装置であって、運転者からの操舵入力を受ける操舵入力手段と、操舵入力手段に入力された操舵角を検出する操舵角検出手段と、操舵角検出手段で検出した操舵角に応じて、左右一対の操舵輪の目標転舵角をそれぞれ設定する目標転舵角設定手段と、目標転舵角設定手段で設定された目標転舵角となるよう転舵アクチュエータを制御する制御手段と、左右一対の操舵輪の実転舵角をそれぞれ検出する実転舵角検出手段と、実転舵角検出手段で検出された情報を基に、左右一対の操舵輪の実転舵角差が所定値より大きいか否かを判定する実転舵角差比較手段と、実転舵角差比較手段で実転舵角差が所定値より大きいと判定された場合に、少なくとも一方の操舵輪の目標転舵角を補正して制御手段に出力する補正手段と、を備える。
この態様によると、左右一対の操舵輪の実転舵角差が所定値より大きくなった場合に、少なくとも一方の操舵輪の目標転舵角を補正することができるので、車両挙動が滑らかとなるように操舵輪を制御することができる。
補正手段は、実転舵角差比較手段で実転舵角差が所定値より大きいと判定された場合に、実転舵角差が小さくなるように少なくとも一方の操舵輪の目標転舵角を補正して制御手段に出力してもよい。この場合、左右の操舵輪の実転舵角差が小さくなるよう制御することができるので、車両挙動を滑らかに制御することができる。
補正手段は、実転舵角差比較手段で実転舵角差が所定値より大きいと判定された場合に、実転舵角差が所定値以下となるよう少なくとも一方の操舵輪の目標転舵角を補正して制御手段に出力してもよい。この場合、実転舵角差が所定値以下となるよう転舵角を制御することができる。所定値を適切な値に設定することにより、実転舵角差が大きくなりすぎることがなくなるので、車両挙動を滑らかに制御することができる。
補正手段は、実転舵角差比較手段で実転舵角差が所定値より大きいと判定された場合に、目標転舵角設定手段で設定された目標転舵角と実転舵角との偏差が小さい方の操舵輪の目標転舵角を補正して制御手段に出力してもよい。この場合も、車両挙動が滑らかとなるよう操舵輪を制御することができる。また、目標転舵角と実転舵角との偏差が小さい方の操舵輪の目標転舵角を補正することにより、制御を容易に行うことができる。
本発明によれば、左右一対の操舵輪に対してそれぞれ独立に転舵アクチュエータを備えた車両操舵装置において、転舵アクチュエータに特性差がある場合でも、滑らかな車両挙動を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る車両操舵装置10の概略構成図である。本実施の形態に係る車両操舵装置10は、車両の右操舵輪14Rおよび左操舵輪14L(以下、右操舵輪14Rおよび左操舵輪14Lを総称する場合は、単に「操舵輪14」と呼ぶ)を操舵する車両操舵装置である。車両操舵装置10は、左右一対の操舵輪14に対してそれぞれ独立に転舵用のアクチュエータを備えて構成される。この車両操舵装置10は、たとえば、各車輪の操舵角を独立して制御することのできる四輪独立操舵機構(4WSシステム)を有する車両に設けられる。四輪独立操舵機構を有する車両に設けられる場合、車両操舵装置10は、車両の前輪の転舵角を制御してもよいし、後輪の転舵角を制御してもよい。
図1に示すように、車両操舵装置10は、運転者からの操作を受け付ける操作部70と、ECU100と、右操舵輪14Rを転舵する右操舵輪転舵装置25Rと、左操舵輪14Lを転舵する左操舵輪転舵装置25Lと、を備える。
操舵輪14の各々は、操舵輪14の各々に対応して車体に設けられたナックルアーム40に回転可能に支持されている。ナックルアーム40は上方においてアッパーアームのジョイント部と、下方においてロアアームのジョイント部と、略鉛直な軸を中心に回動可能に支持されている。このように、アッパーアームのジョイント部およびロアアームのジョイント部によって、仮想軸としてのキングピンが形成される。操舵輪14はこのように形成されたキングピンを中心に転舵される。
右操舵輪14Rに対応して右操舵輪転舵装置25Rが設けられ、左操舵輪14Lに対応して左操舵輪転舵装置25Lが設けられる(以下、右操舵輪転舵装置25R、左操舵輪転舵装置25Lを総称する場合は、単に「転舵装置25」と呼ぶ)。右操舵輪転舵装置25R、左操舵輪転舵装置25Lには、右転舵モータ24R、左転舵モータ24L(以下、必要に応じてこれらを総称して「転舵モータ24」と呼ぶ)が設けられている。また転舵装置25の各々は、転舵モータ24の他に、ボールねじ機構27、ナックルアーム40、およびタイロッド38を有している。
タイロッド38の車輪側端部は、ナックルアーム40に回動可能に連結されている。タイロッド38の他方の外周には、雄ねじ溝が形成されている。タイロッド38の雄ねじ溝が形成された部分を覆うように、筒状に形成されたナット(図示せず)が配置される。ナットの内周には雌ねじ溝が形成されている。タイロッド38の雄ねじ溝とナットの雌ねじ溝によって形成される転動路に複数の転動ボールが配置され、ボールねじ機構27が構成される。
転舵モータ24はロータとステータを有しており、転舵モータ24のロータがナットと同軸に固定される。転舵モータ24が作動することによりロータおよびナットが回転すると、ボールねじ機構27により、転舵モータ24の回転運動がタイロッド38の軸方向運動に変換され、タイロッド38が軸方向に推進する。これにより、ナックルアーム40が回動され、操舵輪14がキングピンを中心に転舵される。
右転舵モータ24Rおよび左転舵モータ24Lは、ECU100に接続される。転舵モータ24の各々は、ECU100から駆動信号が入力されることによって、駆動信号に応じた角度を回転する。ECU100は、転舵モータ24へ入力する駆動信号を制御することによって、操舵輪14の各々の転舵角度を独立に制御する。ECU100による転舵モータ24の制御の詳細は、後述する。
右転舵モータ24R、左転舵モータ24Lには、それぞれ、右実転舵角センサ42R、左実転舵角センサ42Lが設けられる(以下、必要に応じてこれらを総称して単に「実転舵角センサ42」と呼ぶ)。右実転舵角センサ42Rは、右操舵輪14Rが実際に転舵した角度である右実転舵角δRを検出し、左実転舵角センサ42Lは、左操舵輪14Lが実際に転舵した角度である左実転舵角δLを検出する。実転舵角センサ42は、たとえば、転舵モータ24の回転角から実転舵角δを検出するセンサであってもよいし、タイロッド38の軸方向の移動量から実転舵角δを検出するセンサであってもよい。なお、本実施の形態では、車両が車両進行方向Aに直進するときの操舵輪14の転舵角を零とし、操舵輪14が右方向に転舵された場合を正方向の転舵角、操舵輪14が左方向に転舵された場合を負方向の転舵角とする。
操作部70は、ステアリング32と、ステアリングシャフト33と、舵角センサ34と、を備える。ステアリング32は、車両の室内に設けられ、運転者からの操作入力を受ける操作子として機能する。ステアリング32は、ジョイスティックなどであってもよい。ステアリング32は回転可能なステアリングシャフト33に固定されており、ステアリングシャフト33には舵角センサ34が設けられている。舵角センサ34はECU100に接続されている。運転者によりステアリング32が操舵されると、舵角センサ34はステアリング32の操舵角を検出し、検出結果をECU100に入力する。
図2は、本実施の形態に係る車両操舵装置10の構成を説明するためのブロック図である。図2では、ECU100と、ECU100周辺の構成要素を示す。ECU100の入力インターフェースには、舵角センサ34、右実転舵角センサ42Rおよび左実転舵角センサ42Lが接続され、出力インターフェースには、右転舵モータ24Rおよび左転舵モータ24Lが接続される。
なお、図2に示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図2に示すように、ECU100は、目標転舵角設定部50と、実転舵角差比較部54と、保持部60と、目標転舵角補正部62と、転舵モータ制御部66と、を備える。
目標転舵角設定部50は、舵角センサ34で検出されたステアリング32の操舵角に応じて、操舵輪14が目標とすべき転舵角である目標転舵角をそれぞれ設定する。すなわち、目標転舵角設定部50は、右操舵輪14Rの右目標転舵角δR*、および左操舵輪14Lの左目標転舵角δL*を設定する。本実施の形態に係る車両操舵装置10では、右目標転舵角δR*と左目標転舵角δL*は、等しい値が設定される。
実転舵角差比較部54は、実転舵角センサ42からの信号を基に、左実転舵角δLと右実転舵角δRの差の絶対値である実転舵角差|δL−δR|を演算し、この実転舵角差|δL−δR|が、保持部60に保持された所定値ΔKより大きいか否かを判定する。
実転舵角差比較部54において実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔK以下であると判定された場合、実転舵角差比較部54は、目標転舵角設定部50で設定された右目標転舵角δR*および左目標転舵角δL*を、補正することなくそのまま転舵モータ制御部66に出力する。
一方、実転舵角差比較部54において実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔKより大きいと判定された場合、目標転舵角補正部62は、右目標転舵角δR*、左目標転舵角δL*のうち一方を補正し、転舵モータ制御部66に出力する。
転舵モータ制御部66は、右操舵輪14R、左操舵輪14Lの転舵角が入力された右目標転舵角δR*、左目標転舵角δL*となるように、右転舵モータ24R、左転舵モータ24Lの制御を行う。
目標転舵角補正部62の構成についてさらに詳細に説明する。図2に示すように、目標転舵角補正部62は、偏差比較部58と、実転舵角比較部64と、補正値決定部68と、を備える。本実施の形態に係る車両操舵装置10において、目標転舵角補正部62は、実転舵角差|δL−δR|が、所定値ΔK以下となるように、目標転舵角設定部50で設定された目標転舵角と実転舵角との偏差が小さい方の操舵輪の目標転舵角を補正する。
偏差比較部58は、左実転舵角δLと左目標転舵角δL*との差の絶対値である左操舵輪偏差|δL*−δL|と、右実転舵角δRと右目標転舵角δR*の差の絶対値である右操舵輪偏差|δR*−δR|の大きさを比較し、右目標転舵角δR*と左目標転舵角δL*の何れを補正するか決定する。偏差比較部58は、左操舵輪偏差|δL*−δL|が右操舵輪偏差|δR*−δR|よりも大きい場合には、偏差が小さい方の操舵輪である右操舵輪14Rの目標転舵角δR*を補正すると決定する。一方、右操舵輪偏差|δR*−δR|が左操舵輪偏差|δL*−δL|よりも大きい場合には、偏差が小さい方の操舵輪である左操舵輪14Lの目標転舵角δL*を補正すると決定する。
目標転舵速度と実転舵角との偏差が小さいということは、目標転舵角の変化に実転舵角が追従できているということであるので、偏差が小さい方の転舵モータ24の方が、応答性、最大作動速度などが速いと考えられる。一般に、応答性や最大作動速度が速い方の転舵モータ24を遅い方の転舵モータ24に合わせる方が容易であるため、本実施の形態に係る車両操舵装置10では、目標転舵角と実転舵角との偏差が小さい方の操舵輪14の目標転舵角を補正する。
実転舵角比較部64は、右実転舵角センサ42R、左実転舵角センサ42Lからの情報を基に、左実転舵角δLと右実転舵角δRの大きさを比較する。ここで左実転舵角δLと右実転舵角δRの大きさを比較するのは、操舵輪14を右方向に転舵した場合と、操舵輪14を左方向に転舵した場合とで、補正値決定部68の処理が異なるためである。
補正値決定部68は、目標転舵角の補正値を決定する。補正値決定部68で決定された目標転舵角の補正値は、転舵モータ制御部66に出力される。偏差比較部58、実転舵角比較部64での判定結果に応じて、目標転舵角の補正値が異なってくるので、それぞれの場合について説明する。
偏差比較部58で左操舵輪偏差|δL*−δL|が右操舵輪偏差|δR*−δR|より大きいと判定され、かつ、実転舵角比較部64で右実転舵角δRが左実転舵角δLよりも大きいと判定された場合、補正値決定部68は、右目標転舵角δR*を式(1)のように補正し、転舵モータ制御部66に出力する。δR*’は、補正後の右目標転舵角である。このような状況となるのは、たとえば、左転舵モータ24Lの応答性、最大作動速度が、右転舵モータ24Rよりも遅く、操舵輪14を右方向に転舵した場合である。なお、左目標転舵角δL*は、目標転舵角設定部50で設定された目標転舵角が、補正されずにそのまま転舵モータ制御部66に出力される。
δR*’=MIN(δR*,δL+ΔK) ・・・(1)
このように、補正後の右目標転舵角δR*’を、左実転舵角δLに所定値ΔKを加えた値とすることにより、右操舵輪14Rと左操舵輪14Lの実転舵角差|δL−δR|を所定値ΔK以内となるように制御することができる。なお、(1)式の右辺にδR*の項が存在するのは、補正後の右目標転舵角δR*’が、補正前の右目標転舵角δR*より大きくならないようにするためである。
また、偏差比較部58で左操舵輪偏差|δL*−δL|が右操舵輪偏差|δR*−δR|より大きいと判定され、かつ、実転舵角比較部64で右実転舵角δRが左実転舵角δLよりも小さいと判定された場合、補正値決定部68は、右目標転舵角δR*を式(2)のように補正し、転舵モータ制御部66に出力する。このような状況となるのは、たとえば、左転舵モータ24Lの応答性、最大作動速度が、右転舵モータ24Rよりも遅く、操舵輪14を左方向に転舵した場合である。なお、左目標転舵角は、目標転舵角設定部50で設定された左目標転舵角δL*が、補正されずにそのまま転舵モータ制御部66に出力される。
δR*’=MAX(δR*,δL−ΔK) ・・・(2)
このように、補正後の右目標転舵角δR*’を、左実転舵角δLから所定値ΔKを減算した値とすることにより、右操舵輪14Rと左操舵輪14Lの実転舵角差|δL−δR|が、所定値以内となるように制御することができる。なお、(2)式の右辺にδR*の項が存在するのは、補正後の右目標転舵角δR*’が、補正前の右目標転舵角δR*より大きくならないようにするためである。
また、偏差比較部58で右操舵輪偏差|δR*−δR|が左操舵輪偏差|δL*−δL|より大きいと判定され、かつ、実転舵角比較部64で右実転舵角δRが左実転舵角δLよりも小さいと判定された場合、補正値決定部68は、左目標転舵角δL*を式(3)のように補正し、転舵モータ制御部66に出力する。δL*’は、補正後の左目標転舵角である。このような状況となるのは、たとえば、右転舵モータ24Rの応答性、最大作動速度が、左転舵モータ24Lよりも遅く、操舵輪14を右方向に転舵した場合である。なお、右目標転舵角は、目標転舵角設定部50で設定された右目標転舵角δR*が、補正されずにそのまま転舵モータ制御部66に出力される。
δL*’=MIN(δL*,δR+ΔK) ・・・(3)
このように、補正後の左目標転舵角δL*’を、右実転舵角δRに所定値ΔKを加算した値とすることにより、右操舵輪14Rと左操舵輪14Lの実転舵角差|δL−δR|が、所定値以内となるように制御することができる。なお、(3)式の右辺にδL*の項が存在するのは、補正後の左目標転舵角δL*’が、補正前の左目標転舵角δL*より大きくならないようにするためである。
また、偏差比較部58で右操舵輪偏差|δR*−δR|が左操舵輪偏差|δL*−δL|より大きいと判定され、かつ、実転舵角比較部64で左実転舵角δLが右実転舵角δRよりも小さいと判定された場合、補正値決定部68は、左目標転舵角δL*を式(4)のように補正し、転舵モータ制御部66に出力する。このような状況となるのは、たとえば、右転舵モータ24Rの応答性、最大作動速度が、左転舵モータ24Lよりも遅く、操舵輪14を左方向に転舵した場合である。なお、右目標転舵角は、目標転舵角設定部50で設定された右目標転舵角δR*が、補正されずにそのまま転舵モータ制御部66に出力される。
δL*’=MAX(δL*,δR−ΔK) ・・・(4)
このように、補正後の左目標転舵角δL*’を、右実転舵角δRから所定値ΔKを減算した値とすることにより、右操舵輪14Rと左操舵輪14Lの実転舵角差|δL−δR|が、所定値以内となるように制御することができる。なお、(4)式の右辺にδL*の項が存在するのは、補正後の左目標転舵角δL*’が、補正前の左目標転舵角δL*より大きくならないようにするためである。
図3は、車両操舵装置10の動作を説明するための図である。図3の縦軸は転舵角を表し、横軸は時間を表す。図3において、曲線200は、目標転舵角設定部50により設定される右目標転舵角δR*、左目標転舵角δL*の時間変化を表す。また、曲線202は、右実転舵角δRの時間変化を表し、曲線204は、左実転舵角δLの時間変化を表す。ここでは、右実転舵角δRは目標転舵角の変化に追従できるが、左実転舵角δLは、左転舵モータ24Lの応答性、最大作動速度が遅いため、目標転舵角の変化に追従できないという前提で説明を行う。
時刻tに操舵輪14が右方向に転舵するように操舵されたとき、右操舵輪14Rは時刻tとほぼ同時に転舵を開始する。一方、左操舵輪14Lは、応答が遅いため、時刻tから若干遅れて転舵を開始する。
その後、実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔKを超える時刻tまで、右操舵輪14R、左操舵輪14Lは、目標転舵角設定部50で設定される右目標転舵角δR*、左目標転舵角δL*をそれぞれ目標値として転舵する。右実転舵角δRは、目標転舵角に追従して転舵するが、左実転舵角δLは、左転舵モータ24Lの最大作動速度が遅いため、目標転舵角に追従できず、実転舵角差|δL−δR|が次第に大きくなっていく。
そして、時刻tにおいて実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔKを超え、実転舵角比較部64により実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔKより大きいと判定されると、偏差比較部58は、左操舵輪偏差|δL*−δL|と右操舵輪偏差|δR*−δR|の大きさを比較し、左目標転舵角δL*と右目標転舵角δR*の何れを補正するか判断する。ここでは、右操舵輪偏差|δR*−δR|が左操舵輪偏差|δL*−δL|よりも小さいので、右目標転舵角δR*が補正される。その後、実転舵角比較部64において、右実転舵角δRと左実転舵角δLの大きさが比較される。ここでは、右実転舵角δRが左実転舵角δLよりも大きいので、上記の式(1)のように、左実転舵角δLに所定値ΔKを加えた値に、右目標転舵角δR*が補正される。なお、左目標転舵角δR*は、目標転舵角設定部50で設定された目標転舵角のままである。
その後、時刻tにおいて、時刻tで補正された右目標転舵角δR*’となるように、右実転舵角δRが変化する。このようにして、時刻t以後は、実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔK以下となるように、操舵輪14が制御される。所定値ΔKを適切な値、たとえば、実験やシミュレーションを行うことにより、車両挙動が滑らかでなくなる実転舵角差|δL−δR|の閾値を決定し、その閾値より小さい値に設定することにより、車両挙動を滑らかに制御することが可能となる。
図4は、車両操舵装置10の動作を説明するためのフローチャートである。同図に示されるルーチンは、ECU100によって所定時間おきに繰り返し実行されるものである。
ECU100は、まず、舵角センサ34からの信号に基づいて、運転者により操舵された操舵角を取得する(S10)。目標転舵角設定部50は、S10にて取得した操舵角に基づいて、右操舵輪14Rの右目標転舵角δR*、および左操舵輪14Lの左目標転舵角δL*を演算する(S12)。ここで、右目標転舵角δR*と左目標転舵角δL*は、同じ値が設定される。
さらに、ECU100は、右実転舵角センサ42R、左実転舵角センサ42Lからの信号に基づいて、右実転舵角δRおよび左実転舵角δLを取得する(S14)。実転舵角比較部64は、S14にて取得した右実転舵角δRおよび左実転舵角δLを基に実転舵角差|δL−δR|を演算し、この実転舵角差|δL−δR|が、保持部60に保持された所定値ΔKより大きいか否かを判定する(S16)。
S16において、実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔK以下であると判定されると(S16のN)、実転舵角比較部64は、目標転舵角設定部50で設定された右目標転舵角δR*および左目標転舵角δL*を転舵モータ制御部66に出力する。そして、転舵モータ制御部66は、右操舵輪14R、左操舵輪14Lの転舵角が、入力された右目標転舵角δR*、左目標転舵角δL*となるように、右転舵モータ24R、左転舵モータ24Lを制御する(S32)。その後、再びS10に戻り、処理が繰り返される。
このように、実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔK以下である場合には、左実転舵角δLと右実転舵角δRの差分がそれほど大きくなっておらず、車両挙動が滑らかとなるように操舵輪14を転舵できているので、目標転舵角設定部50で設定された右目標転舵角δR*と左目標転舵角δL*の補正は行わずに、右転舵モータ24R、左転舵モータ24Lを制御する。
一方、S16において実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔKより大きいと判定された場合(S16のY)、目標転舵角補正部62において、右目標転舵角δR*、左目標転舵角δL*のうち一方が補正される。
この場合、まず、偏差比較部58において、左操舵輪偏差|δL*−δL|と右操舵輪偏差|δR*−δR|の大きさを比較し、右目標転舵角δR*と左目標転舵角δL*の何れを補正するか決定する(S18)。
S18において、左操舵輪偏差|δL*−δL|が右操舵輪偏差|δR*−δR|よりも大きいと判定された場合(S18のY)、偏差比較部58は、偏差が小さい方の操舵輪である右操舵輪14Rの目標転舵角δR*を補正すると決定する。
その後、実転舵角比較部64は、左実転舵角δLと右実転舵角δRの大きさを比較する(S20)。右実転舵角δRが左実転舵角δLよりも大きいと判定された場合(S20のY)、補正値決定部68は、上記の式(1)のように右目標転舵角δRを補正する(S22)。一方、左実転舵角δLが右実転舵角δRよりも大きいと判定された場合(S20のN)、補正値決定部68は、上記の式(2)のように右目標転舵角δRを補正する(24)。
S18において、右操舵輪偏差|δR*−δR|が左操舵輪偏差|δL*−δL|よりも大きいと判定された場合(S18のN)、偏差比較部58は、偏差が小さい方の操舵輪である左操舵輪14Lの目標転舵角δL*を補正すると決定する。
その後、実転舵角比較部64は、左実転舵角δLと右実転舵角δRの大きさを比較する(S26)。左実転舵角δLが右実転舵角δRよりも大きいと判定された場合(S26のY)、補正値決定部68は、上記の式(3)のように左目標転舵角δLを補正する(S28)。一方、右実転舵角δRが左実転舵角δLよりも大きいと判定された場合(S26のN)、補正値決定部68は、上記の式(4)のように左目標転舵角δLを補正する(S30)。
S22、S24、S28、S30で補正された目標転舵角は、転舵モータ制御部66に出力される。なお、S22、S24、S26、S28で補正されなかった方の操舵輪の目標転舵角は、目標転舵角設定部50で設定された目標転舵角がそのまま転舵モータ制御部66に出力される。そして、転舵モータ制御部66は、右操舵輪14R、左操舵輪14Lの転舵角が、入力された右目標転舵角δR*、左目標転舵角δL*となるように、右転舵モータ24R、左転舵モータ24Lを制御する(S32)。その後、再びS10に戻り、処理が繰り返される。
このようにして、実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔKより大きい場合には、実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔK以下となるように、右目標転舵角δR*、左目標転舵角δLの一方が補正される。その結果、実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔK以下となるように制御される、車両挙動を滑らかに制御することが可能となる。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、上述の実施の形態では、実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔKより大きくなった場合に、目標転舵角と実転舵角との偏差が小さい方の操舵輪の目標転舵角を補正することにより、実転舵角差|δL−δR|を小さくするように構成したが、目標転舵角と実転舵角との偏差が大きい方の操舵輪の目標転舵角を補正するように構成してもよい。また、左右の操舵輪両方の目標転舵角を補正するように構成してもよい。
また、上述の実施の形態では、実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔKより大きくなった場合に、目標転舵角を補正する構成としたが、左右の操舵輪の転舵の傾向を学習する手段を設け、ある程度転舵の傾向が把握できた段階で、実転舵角差|δL−δR|が所定値ΔKより大きくなる前に、予め目標転舵角を補正するように構成してもよい。このように構成することにより、実転舵角差|δL−δR|をさらに小さくでき、車両挙動をより滑らかに制御することができる。
本発明の実施の形態に係る車両操舵装置の概略構成図である。 本実施の形態に係る車両操舵装置の構成を説明するためのブロック図である。 車両操舵装置の動作を説明するための図である。 車両操舵装置の動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10 車両操舵装置、 14 操舵輪、 24 転舵モータ、 25 転舵装置、 32 ステアリング、 34 舵角センサ、 42 実転舵角センサ、 50 目標転舵角設定部、 54 実転舵角差比較部、 58 偏差比較部、 60 保持部、 62 目標転舵角補正部、 64 実転舵角比較部、 66 転舵モータ制御部、 68 補正値決定部、 100 ECU。

Claims (4)

  1. 車両に含まれる左右一対の操舵輪に対してそれぞれ独立に転舵アクチュエータを備えた車両操舵装置であって、
    運転者からの操舵入力を受ける操舵入力手段と、
    前記操舵入力手段に入力された操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記操舵角検出手段で検出した操舵角に応じて、前記左右一対の操舵輪の目標転舵角をそれぞれ設定する目標転舵角設定手段と、
    前記目標転舵角設定手段で設定された目標転舵角となるよう前記転舵アクチュエータを制御する制御手段と、
    前記左右一対の操舵輪の実転舵角をそれぞれ検出する実転舵角検出手段と、
    前記実転舵角検出手段で検出された情報を基に、前記左右一対の操舵輪の実転舵角差が所定値より大きいか否かを判定する実転舵角差比較手段と、
    前記実転舵角差比較手段で実転舵角差が所定値より大きいと判定された場合に、少なくとも一方の操舵輪の目標転舵角を補正して前記制御手段に出力する補正手段と、
    を備えることを特徴とする車両操舵装置。
  2. 前記補正手段は、前記実転舵角差比較手段で実転舵角差が所定値より大きいと判定された場合に、実転舵角差が小さくなるように少なくとも一方の操舵輪の目標転舵角を補正して前記制御手段に出力することを特徴とする請求項1に記載の車両操舵装置。
  3. 前記補正手段は、前記実転舵角差比較手段で実転舵角差が所定値より大きいと判定された場合に、実転舵角差が前記所定値以下となるよう少なくとも一方の操舵輪の目標転舵角を補正して前記制御手段に出力することを特徴とする請求項1または2に記載の車両操舵装置。
  4. 前記補正手段は、前記実転舵角差比較手段で実転舵角差が所定値より大きいと判定された場合に、前記目標転舵角設定手段で設定された目標転舵角と実転舵角との偏差が小さい方の操舵輪の目標転舵角を補正して前記制御手段に出力することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両操舵装置。
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