JP2008201205A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】SBW方式の車両操舵装置において、据え切り時のタイヤフル転舵に必要なラック推力を、アクチュエータを高出力化することなく確保すること。
【解決手段】車両用操舵装置1の駆動制御部53は、ステアリングホイル21の操舵角度の絶対値が所定の値以上である場合には、ステアリングホイル21の操舵角速度に応じて、ステアリングホイル21に操舵反力を付与するように反力モータ23を制御する。そして、転舵アクチュエータ33はステアリングホイル21の操舵角度に応じて転舵動力を発生させ、この転舵動力に応じて転舵輪31,31が転舵する。
【選択図】図4
【解決手段】車両用操舵装置1の駆動制御部53は、ステアリングホイル21の操舵角度の絶対値が所定の値以上である場合には、ステアリングホイル21の操舵角速度に応じて、ステアリングホイル21に操舵反力を付与するように反力モータ23を制御する。そして、転舵アクチュエータ33はステアリングホイル21の操舵角度に応じて転舵動力を発生させ、この転舵動力に応じて転舵輪31,31が転舵する。
【選択図】図4
Description
本発明は、車両用操舵装置の改良技術に関する。
従来、一般的な車両用操舵装置としては、ステアリングホイルに転舵機構を連結し、ステアリングホイルへの操舵力により転舵機構を介してタイヤを転舵させる構成のものが知られている。
また、近年、ステアリングホイルから転舵機構を機械的に分離し、ステアリングホイルの操舵量に応じて転舵アクチュエータ(転舵モータ)が転舵動力を発生し、この転舵動力を転舵機構へ伝えることでタイヤを転舵させるステア・バイ・ワイヤ式(steer−by−wire、以下「SBW」と略称する)の車両用操舵装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような車両用操舵装置では、ステアリングホイルの操舵量(操作角)に対するタイヤの転舵角の角度比の特性、すなわち、操舵特性を任意に設定できる。
特開2005−29016号公報
このような車両用操舵装置では、ステアリングホイルの操舵量(操作角)に対するタイヤの転舵角の角度比の特性、すなわち、操舵特性を任意に設定できる。
ここで、従来のSBW方式の車両用操舵装置では、タイヤの転舵角を変えるために必要なモータ出力(ラック推力)は、図9に示すように、そのときのタイヤの切れ角によって異なる。すなわち、タイヤが中立状態のとき、及び車両に対するタイヤの切れ角が小さいときは、タイヤの角度を変えるために必要なラック推力は比較的小さいが、車両に対するタイヤの切れ角が大きくなると、タイヤの角度を変えるために必要なラック推力は大きくなる。
ここで、タイヤの切れ角が大きいにもかかわらず、さらにタイヤの転舵が必要となる場合とは、例えば、停車時の転舵(据え切り)が考えられるが、停車時はタイヤが転動せずにその場で転舵するので、タイヤが転動する場合に比べより大きなラック推力が必要となる。
そのため、据え切り時のタイヤの切れ角のエンド付近での転舵(タイヤフル転舵)には、大きなラック推力が要求される。そして、このラック推力を満足させるためには、アクチュエータの高出力化やサスペンションジオメトリー変更などのラック推力適合化の施策が要求され、それらを成立させるためにはコストがかかったり、またレイアウトの大幅変更などの諸問題が生じる。
本発明の目的は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、SBW方式の車両操舵装置において、据え切り時のタイヤフル転舵に必要なラック推力をアクチュエータの高出力化やサスペンションジオメトリー変更などのラック推力適合化の施策をすることなく確保することである。
(1) 運転者が操舵可能なステアリングホイル(例えば、図1のステアリングホイル21に相当)と、前記ステアリングホイルの操舵角度を検出する操舵角度検出手段(例えば、図1の操舵角度センサ24に相当)と、転舵動力を発生させる転舵アクチュエータ(例えば、図1の転舵アクチュエータ33に相当)と、前記転舵動力により転舵輪(例えば、図1の転舵輪31,31)を転舵させる転舵機構(例えば、図1のラック軸32などに相当)と、前記ステアリングホイルに操舵反力を付与する反力モータ(例えば、図1の反力モータ23に相当)と、前記反力モータの動作を制御する駆動制御手段(例えば、図3の駆動制御部53に相当)と、前記ステアリングホイルの操舵角速度を算出する操舵角速度算出手段(例えば、図3の角速度算出部55に相当)と、を備えた車両用操舵装置であって、前記駆動制御手段は、前記ステアリングホイルの操舵角度の絶対値が所定の値以上である場合には、前記ステアリングホイルの操舵角速度に応じて前記ステアリングホイルに前記操舵反力を付与するように、前記反力モータの制御をすることを特徴とする車両用操舵装置を提案している。
(1)の発明によれば、駆動制御手段は、ステアリングホイルの操舵角度の絶対値が所定の値以上である場合には、ステアリングホイルの操舵角速度に応じて、ステアリングホイルに操舵反力を付与するように反力モータを制御する。そして、転舵アクチュエータはステアリングホイルの操舵角度に応じて転舵動力を発生させる。
これにより、操舵角度の絶対値が所定の値以上である場合には、ステアリングホイルの操舵速度が抑えられ、ステアリングホイルがあまり操舵されないため、転舵アクチュエータにより発生される転舵動力を小さく抑えることができる。そのため、転舵アクチュエータを高出力化させることなく、所定の角度の操舵角度に応じて転舵された転舵輪をさらに転舵できる。すなわち、例えば、タイヤフル転舵に必要な転舵動力を、転舵アクチュエータの高出力化などの転舵動力アップの施策をすることなく確保することができる。
これにより、操舵角度の絶対値が所定の値以上である場合には、ステアリングホイルの操舵速度が抑えられ、ステアリングホイルがあまり操舵されないため、転舵アクチュエータにより発生される転舵動力を小さく抑えることができる。そのため、転舵アクチュエータを高出力化させることなく、所定の角度の操舵角度に応じて転舵された転舵輪をさらに転舵できる。すなわち、例えば、タイヤフル転舵に必要な転舵動力を、転舵アクチュエータの高出力化などの転舵動力アップの施策をすることなく確保することができる。
(2) 運転者が操舵可能なステアリングホイル(例えば、図1のステアリングホイル21に相当)と、前記ステアリングホイルの操舵角度を検出する操舵角度検出手段(例えば、図1の操舵角度センサ24に相当)と、転舵動力を発生させる転舵アクチュエータ(例えば、図1の転舵アクチュエータ33に相当)と、前記転舵動力により転舵輪(例えば、図1の転舵輪31,31)を転舵させる転舵機構(例えば、図1のラック軸32などに相当)と、前記転舵輪の転舵角度を検出する転舵角度検出手段(例えば、図1の舵角センサ38に相当)と、車速に応じて、前記操舵角度と前記転舵角度との比率である舵角比を算出する舵角比算出手段(例えば、図6の舵角比制御部54に相当)と、前記舵角比算出手段により算出された前記舵角比に基づいて、前記転舵アクチュエータの動作を制御する駆動制御手段(例えば、図6の駆動制御部53に相当)と、を備えた車両用操舵装置であって、前記舵角比算出手段は、前記転舵角度の絶対値が所定の値以上である場合には、前記操舵角度に対し前記転舵角度が小さくなるように前記舵角比を算出することを特徴とする車両用操舵装置を提案している。
(2)の発明によれば、舵角比算出手段は、転舵輪の転舵角度の絶対値が所定の値以上である場合には、操舵角度に対し転舵角度が小さくなるように舵角比を算出する。そして、駆動制御手段は、この舵角比に基づいて、転舵輪を転舵させる転舵動力を転舵アクチュエータに発生させ、この転舵動力により転舵機構が転舵輪を転舵する。
これにより、転舵輪の転舵角度の絶対値が所定の値以上である場合には、ステアリングホイルの操舵角に対し、転舵輪の転舵角比を小さくできるため、ステアリングホイルの操舵に対して、転舵輪をあまり転舵する必要がない。すなわち、ステアリングホイルの操舵に応じて転舵アクチュエータにより発生される転舵動力を、小さく抑えることができる。そのため、例えば、ステアリングホイルが速く操舵された場合であっても、転舵輪をステアリングホイルの操舵に応じて速く転舵する必要がなく、転舵アクチュエータの高出力化をせずに転舵輪の転舵を行うことができる。したがって、タイヤフル転舵に必要な転舵動力を、転舵アクチュエータの高出力化などの転舵動力アップの施策をすることなく確保することができる。
これにより、転舵輪の転舵角度の絶対値が所定の値以上である場合には、ステアリングホイルの操舵角に対し、転舵輪の転舵角比を小さくできるため、ステアリングホイルの操舵に対して、転舵輪をあまり転舵する必要がない。すなわち、ステアリングホイルの操舵に応じて転舵アクチュエータにより発生される転舵動力を、小さく抑えることができる。そのため、例えば、ステアリングホイルが速く操舵された場合であっても、転舵輪をステアリングホイルの操舵に応じて速く転舵する必要がなく、転舵アクチュエータの高出力化をせずに転舵輪の転舵を行うことができる。したがって、タイヤフル転舵に必要な転舵動力を、転舵アクチュエータの高出力化などの転舵動力アップの施策をすることなく確保することができる。
本発明によれば、タイヤフル転舵に必要な転舵動力を、転舵アクチュエータの高出力化などの転舵動力アップの施策することなく確保することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
<車両用操舵装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置1の模式図である。
車両用操舵装置1は、運転者による操舵操作が入力される操舵機構20と、この操舵機構20の操舵操作に基づいて一対の転舵輪(タイヤ)31,31を転舵させる転舵機構30と、これら操舵機構20及び転舵機構30を制御する制御装置50と、を含んで構成される。本発明の車両用操舵装置1は、これら操舵機構20と転舵機構30とを機械的に分離した、いわゆるステア・バイ・ワイヤ(SBW)方式の車両用操舵装置である。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置1の模式図である。
車両用操舵装置1は、運転者による操舵操作が入力される操舵機構20と、この操舵機構20の操舵操作に基づいて一対の転舵輪(タイヤ)31,31を転舵させる転舵機構30と、これら操舵機構20及び転舵機構30を制御する制御装置50と、を含んで構成される。本発明の車両用操舵装置1は、これら操舵機構20と転舵機構30とを機械的に分離した、いわゆるステア・バイ・ワイヤ(SBW)方式の車両用操舵装置である。
操舵機構20は、運転者が操舵可能なステアリングホイル21と、このステアリングホイル21を回転可能に支持する略棒状のステアリングシャフト22と、このステアリングシャフト22にトルクを付与する反力モータ23と、反力モータ23が発生するトルク(操舵反力)を検出する反力トルクセンサ25と、を含んで構成される。
反力モータ23は、その出力軸がステアリングシャフト22と連結されており、これにより、ステアリングホイル21を中立位置に復帰させる方向に作用する操舵反力と、この中立位置に復帰させる方向とは反対の方向に作用させる復帰抵抗力と、を発生させることが可能となっている。ここで、反力モータ23とステアリングシャフト22とは、ウォームギヤ機構により連結されているものとするが、これに限らない。
ステアリングシャフト22には、このステアリングシャフト22に連結されたステアリングホイル21の中立位置からの操舵角度(θ)(回転角度)を検出する操舵角度検出手段としての操舵角度センサ24が設けられている。なお、本実施形態では、ステアリングホイル21の操舵角度は、中立位置をθ=0とする。また、ステアリングホイル21の中立位置とは、転舵輪31,31が直進状態になるように制御装置50によって制御されるステアリングホイル21の位置に対応する。
転舵機構30は、略棒状のラック軸32と、このラック軸32に転舵動力を付与する転舵アクチュエータ33と、ラック軸32の両端側に連結された転舵輪31,31と、を含んで構成される。転舵アクチュエータ33は、ステアリングホイル21の回転に応じて駆動される。ラック軸32の両端部には、それぞれ、ステアリングロッド35,35、タイロッド36,36、及びナックルアーム37,37を介して、転舵輪31,31が連結されている。
また、この転舵アクチュエータ33は、ラック軸32とラックアンドピニオン機構、あるいは、ボールアンドスクリュー機構などで連結されている。これにより、転舵アクチュエータ33により付与された転舵動力は、ラック軸32及びステアリングロッド35,35の直線運動に変換され、タイロッド36,36及びナックルアーム37,37を介して、転舵輪31,31に伝達され、これら転舵輪31,31の舵角を変化させる。また、ラック軸32には、転舵輪31,31の舵角(転舵角)を検出する舵角センサ38が設けられている。具体的には、この舵角センサ38は、ステアリングロッド35の作動量を検出するポテンショメータから構成されている。
制御装置50は、上述の操舵角度センサ24及び舵角センサ38の他、車両の車速を検出する車速検出手段としての車速センサ61、及び、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ62などからの入力信号に基づいて、操舵機構20及び転舵機構30を制御する。ここで、操舵機構20及び転舵機構30は、それぞれ、反力モータ駆動回路51及び転舵アクチュエータ駆動回路52を介して、制御装置50に接続されている。
反力モータ駆動回路51は、制御装置50からの出力に基づいて反力モータ23を駆動し、車両の走行状態及び運転者による操作状態に応じて、ステアリングホイル21に対して操舵反力、又は、復帰抵抗力を付与する。ここで、反力モータ駆動回路51には、制御装置50において車両の走行状態及びステアリングホイル21の操作状態に応じて決定された目標操舵反力が入力される。反力モータ駆動回路51は、反力トルクセンサ25により検出される操舵反力トルク値が目標操舵反力と一致するように、反力モータ23を駆動する。
これにより、ステアリングホイル21に対して操舵反力、又は、復帰抵抗力を加えることができるため、運転者は、ステアリングホイル21と転舵輪31,31とが機械的に連結されているかのような操作フィーリングを得ることができる。
これにより、ステアリングホイル21に対して操舵反力、又は、復帰抵抗力を加えることができるため、運転者は、ステアリングホイル21と転舵輪31,31とが機械的に連結されているかのような操作フィーリングを得ることができる。
転舵アクチュエータ駆動回路52は制御装置50からの出力に基づいて転舵アクチュエータ33を駆動し、ラック軸32を動かすことにより転舵輪31,31を転舵させる。ここで、転舵アクチュエータ駆動回路52には、制御装置50において車両の走行状態及びステアリングホイル21の操作状態に応じて決定された制御指示舵角(δ)が入力される。転舵アクチュエータ駆動回路52は、舵角センサ38により検出される転舵輪31,31の転舵角が制御指示舵角と一致するように、転舵アクチュエータ33を駆動する。
これにより、車両用操舵装置1では、ステアリングホイル21の操舵量(操舵角)に対する転舵輪31,31の転舵角の角度比の特性、すなわち、操舵特性を任意に設定できる。
これにより、車両用操舵装置1では、ステアリングホイル21の操舵量(操舵角)に対する転舵輪31,31の転舵角の角度比の特性、すなわち、操舵特性を任意に設定できる。
<転舵制御処理>
車両用操舵装置1についての転舵制御処理についてより詳細に説明する。
図2は、転舵制御処理についての制御ブロック図である。
車両用操舵装置1についての転舵制御処理についてより詳細に説明する。
図2は、転舵制御処理についての制御ブロック図である。
図2に示すように、転舵制御処理についての制御ブロックは、操舵角度センサ24と、車速センサ61と、転舵アクチュエータ33と、制御装置50の一部をなす駆動制御部53及び舵角比制御部54と、から構成される。
舵角比制御部54は、車速センサ61により検出された車速に応じて、ステアリングホイル21の操舵角度に対する転舵輪31,31の転舵角の角度比の特性、すなわち、舵角比を設定する。
また、駆動制御部53は、舵角比制御部54により設定された舵角比に応じて、操舵角度センサ24により検出された操舵角から制御指示舵角を決定し、転舵輪31,31の舵角が制御指示舵角と一致するように、転舵アクチュエータ33を駆動する。
また、駆動制御部53は、舵角比制御部54により設定された舵角比に応じて、操舵角度センサ24により検出された操舵角から制御指示舵角を決定し、転舵輪31,31の舵角が制御指示舵角と一致するように、転舵アクチュエータ33を駆動する。
ここで、車両用操舵装置1では、車速が0のときの舵角比が最も大きく、車速が増大するに応じて、舵角比が小さくなるように操舵特性を設定している。これにより、低車速時の小回り性を高めることができ、また、高車速時の車両の安定性を高めることができる。
しかしながら、車両用操舵装置1では、車速0時に転舵輪31,31の切れ角のエンド付近で転舵が行われる場合(据え切り時のタイヤフル転舵)には、車速0であるため舵角比が最も大きく設定され、また車速0であるため転舵輪31,31が転動しないため、転舵輪31,31を転舵させるために大きな転舵動力(ラック推力)が必要となる。
しかしながら、車両用操舵装置1では、車速0時に転舵輪31,31の切れ角のエンド付近で転舵が行われる場合(据え切り時のタイヤフル転舵)には、車速0であるため舵角比が最も大きく設定され、また車速0であるため転舵輪31,31が転動しないため、転舵輪31,31を転舵させるために大きな転舵動力(ラック推力)が必要となる。
そして、このラック推力を満足させるためには、転舵アクチュエータ33の高出力化などのラック推力アップの施策が要求され、それを成立させるためにはコストがかかったり、またレイアウトの大幅変更などの問題が生じる。
そこで、以下では、据え切り時のタイヤフル転舵に必要なラック推力を転舵アクチュエータ33の高出力化などのラック推力適合化の施策をすることなく確保する手段について説明する。
そこで、以下では、据え切り時のタイヤフル転舵に必要なラック推力を転舵アクチュエータ33の高出力化などのラック推力適合化の施策をすることなく確保する手段について説明する。
<第1実施形態>
図3〜図5を用いて、第1実施形態の車両用操舵装置1における据え切り時のタイヤフル転舵に必要なラック推力を確保する手段について説明する。
第1実施形態の車両用操舵装置1では、据え切り時のタイヤフル転舵の際に、反力モータ23を制御することにより、据え切り時のタイヤフル転舵動作を確保する。
図3〜図5を用いて、第1実施形態の車両用操舵装置1における据え切り時のタイヤフル転舵に必要なラック推力を確保する手段について説明する。
第1実施形態の車両用操舵装置1では、据え切り時のタイヤフル転舵の際に、反力モータ23を制御することにより、据え切り時のタイヤフル転舵動作を確保する。
図3は、反力モータ制御処理についての制御ブロック図であり、図4は、操舵角と反力モータトルクとの関係を示す図であり、図5は、転舵アクチュエータ33のモータ特性を示す図である。
図3に示すように、反力モータ制御処理についての制御ブロックは、操舵角度センサ24と、制御装置50の一部をなす駆動制御部53及び角速度算出部55と、から構成される。
ここで、角速度算出部55は、ステアリングホイル21の操舵角速度θ´を算出する。角速度算出部55は、操舵角度センサ24から入力される操舵角度θの時間微分を演算することにより、操舵角速度θ´を算出する。駆動制御部53は、これら操舵角度及び操舵角速度に応じて、目標操舵反力を設定し、反力モータ23の操舵反力が目標操舵反力と一致するように、反力モータ23を駆動する。
ここで、操舵角度及び操舵角速度と反力モータ23のトルクとの関係について、図4を参照して説明する。
図4中、実線100はある一定の操舵角速度でステアリングホイル21が操作された場合の操舵角度及び操舵角速度と反力モータ23のトルクとの関係を示し、破線101は実線100よりも速い操舵角速度でステアリングホイル21が操作された場合の操舵角度及び操舵角速度と反力モータ23のトルクとの関係を示し、2点鎖線102は実線100よりも遅い操舵角速度でステアリングホイル21が操作された場合の操舵角度及び操舵角速度と反力モータ23のトルクとの関係を示す。
図4中、実線100はある一定の操舵角速度でステアリングホイル21が操作された場合の操舵角度及び操舵角速度と反力モータ23のトルクとの関係を示し、破線101は実線100よりも速い操舵角速度でステアリングホイル21が操作された場合の操舵角度及び操舵角速度と反力モータ23のトルクとの関係を示し、2点鎖線102は実線100よりも遅い操舵角速度でステアリングホイル21が操作された場合の操舵角度及び操舵角速度と反力モータ23のトルクとの関係を示す。
実線100、破線101及び2点鎖線102によると、操舵角度が所定の角度(−所定の角度)に達するまでは、反力モータ23のトルクは一定である。一方、操舵角度が正である場合は操舵角度が「所定の角度」以上になると、操舵角度に応じて反力モータ23のトルクが上昇し、操舵角度が負である場合は操舵角度が「−所定の角度」以下になると、操舵角度に応じて反力モータ23のトルクが上昇する。そして、上昇する反力モータ23のトルクは、操舵角速度に応じて異なり、操舵角速度が速いほど反力モータ23のトルクは上昇し(破線101)、操舵角速度が遅いほど反力モータ23のトルクは上昇しない(2点鎖線102)。すなわち、操舵角度の絶対値が所定の値以上である場合には、操舵角速度に応じて反力モータ23のトルクが変化する。
このように、第1実施形態における車両用操舵装置1は、操舵角度の絶対値が所定の角度以上である場合には、操舵角速度に応じて、反力モータ23のトルクを変化させている。そのため、ステアリングホイル21が所定の角度以上回転されている場合には、運転者が速くステアリングホイル21を回転させようと操作すればするほど、反力モータ23により付与される操舵反力が大きくなる。これにより、ステアリングホイル21を操舵するには大きな力が必要となり、ステアリングホイル21を速く回転できなくなるため、転舵輪31,31をあまり転舵させる必要がなくなる。
その結果、転舵アクチュエータ33の回転速度を抑えられ、転舵アクチュエータ33のモータトルク(ラック推力)を確保できる(図5中点P→点Q)。すなわち、ステアリングホイル21の急操舵(操舵角速度の速い操舵)が行われると、ステアリングホイル21の急転舵に対応するように転舵輪31,31を転舵させる必要がある。そのため、転舵アクチュエータ33の回転速度が増えてしまい転舵アクチュエータ33が発生するモータトルクが不足してしまう(点P)。そこで、反力モータ23により付与される操舵反力を大きくすることで、ステアリングホイル21の操舵角速度を抑える。これにより、転舵輪31,31の転舵する速度(すなわち、転舵アクチュエータ33の回転速度)を抑え、転舵アクチュエータ33のモータトルクを確保する(点Q)。
特に、操舵角度が所定の角度以上になると、反力モータ23により大きな操舵反力が加えられることとなるため、タイヤフル転舵時の転舵アクチュエータ33のモータトルクを、転舵アクチュエータ33を高出力化することなく確保できる。したがって、転舵アクチュエータ33を高出力化することなく、タイヤフル転舵に必要なラック推力を確保できる。
<第2実施形態>
図6〜図8を用いて、第2実施形態の車両用操舵装置1Aにおける据え切り時のタイヤフル転舵の際に転舵アクチュエータ33に要求されるモータ出力を抑える手段について説明する。
第2実施形態の車両用操舵装置1Aでは、据え切り時のタイヤフル転舵に必要な転舵アクチュエータ33のモータ出力を抑える方法が第1実施形態の車両用操舵装置1と異なる。すなわち、車両用操舵装置1Aでは、車速の増加と共に使用されなくなる転舵輪31,31の切れ角終端付近の舵角比を制御することにより、据え切り時のタイヤフル転舵に必要な転舵アクチュエータ33のモータ出力を抑える。なお、実施形態では、転舵角45°又は−45°を転舵輪31,31の切れ角終端としている。
図6〜図8を用いて、第2実施形態の車両用操舵装置1Aにおける据え切り時のタイヤフル転舵の際に転舵アクチュエータ33に要求されるモータ出力を抑える手段について説明する。
第2実施形態の車両用操舵装置1Aでは、据え切り時のタイヤフル転舵に必要な転舵アクチュエータ33のモータ出力を抑える方法が第1実施形態の車両用操舵装置1と異なる。すなわち、車両用操舵装置1Aでは、車速の増加と共に使用されなくなる転舵輪31,31の切れ角終端付近の舵角比を制御することにより、据え切り時のタイヤフル転舵に必要な転舵アクチュエータ33のモータ出力を抑える。なお、実施形態では、転舵角45°又は−45°を転舵輪31,31の切れ角終端としている。
図6は、車両用操舵装置1Aにおける転舵制御処理についての制御ブロック図であり、図7は、車両用操舵装置1Aにおける転舵角と舵角比との関係を示す図であり、図8は、車両用操舵装置1Aにおける転舵アクチュエータ33のモータ出力と転舵角との関係を示す図である。
図6に示すように、転舵制御処理についての制御ブロックは、操舵角度センサ24と、舵角センサ38と、車速センサ61と、転舵アクチュエータ33と、制御装置50の一部をなす駆動制御部53及び舵角比制御部54と、から構成される。
すなわち、車両用操舵装置1Aにおける転舵制御処理では、車両用操舵装置1における転舵制御処理(図2参照)では用いることのない、舵角センサ38を用いることに特徴がある。
すなわち、車両用操舵装置1Aにおける転舵制御処理では、車両用操舵装置1における転舵制御処理(図2参照)では用いることのない、舵角センサ38を用いることに特徴がある。
より詳細には、舵角比制御部54は、車速センサ61により検出された車速だけでなく、舵角センサ38により検出される転舵輪31,31の転舵角に応じて、舵角比を設定する。具体的には、舵角比制御部54は、図7に示すように、転舵角が正である場合は転舵角が「所定の角度」以上になった場合に舵角比を小さくし、転舵角が負である場合は転舵角が「−所定の角度」以下になった場合に舵角比を小さくする。すなわち、転舵角の絶対値が所定の値以上である場合に、舵角比制御部54は舵角比を小さくする。
そして、駆動制御部53は、舵角比制御部54により設定された舵角比に応じて、操舵角度センサ24により検出された操舵角から制御指示舵角を決定し、転舵輪31,31の舵角が制御指示舵角と一致するように、転舵アクチュエータ33を駆動する。
これにより、転舵輪31,31の切れ角終端付近では、舵角比が小さくなるためステアリングホイル21の操作に対し、転舵輪31,31があまり転舵しないことになる。そのため、転舵輪31,31の転舵に必要な転舵アクチュエータ33のモータ出力を転舵角にかかわらず一定にすることができる(図8の制御後に相当)。
ここで、通常の車両用操舵装置では、転舵輪の転舵角が小さいときは、転舵輪の転舵に際し必要な転舵アクチュエータ33のモータ出力は比較的小さいが、転舵角が大きくなり転舵輪の切れ角終端付近になると、転舵輪の転舵に必要な転舵アクチュエータ33のモータ出力は大きくなる(図8の制御前に相当)。
これに対し、車両用操舵装置1Aでは、転舵輪31,31の転舵角が大きくなると舵角比(転舵角/操舵角)を小さくした。これにより、転舵輪31,31の切れ角終端付近では、ステアリングホイル21の操作に対して、転舵輪31,31があまり転舵しないため、転舵輪31,31の転舵に必要な転舵アクチュエータ33のモータ出力を抑えることができる。すなわち、ステアリングホイル21の操作に応じた転舵輪31,31の転舵について転舵アクチュエータ33には大きなモータ出力が要求されない。
これに対し、車両用操舵装置1Aでは、転舵輪31,31の転舵角が大きくなると舵角比(転舵角/操舵角)を小さくした。これにより、転舵輪31,31の切れ角終端付近では、ステアリングホイル21の操作に対して、転舵輪31,31があまり転舵しないため、転舵輪31,31の転舵に必要な転舵アクチュエータ33のモータ出力を抑えることができる。すなわち、ステアリングホイル21の操作に応じた転舵輪31,31の転舵について転舵アクチュエータ33には大きなモータ出力が要求されない。
したがって、タイヤフル転舵時の転舵輪31,31の転舵に必要なラック推力を、転舵アクチュエータ33を高出力化することなく確保できる。
以上、本発明の第1実施形態又は第2実施形態について、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらに限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計なども含まれる。
1…車両用操舵装置、20…操舵機構、21…ステアリングホイル、22・・・ステアリングシャフト、23・・・反力モータ、24…操舵角度センサ、30…転舵機構、31,31…転舵輪、32…ラック軸、33…転舵アクチュエータ、50…制御装置、53…駆動制御部、55…角速度算出部
Claims (2)
- 運転者が操舵可能なステアリングホイルと、
前記ステアリングホイルの操舵角度を検出する操舵角度検出手段と、
転舵動力を発生させる転舵アクチュエータと、
前記転舵動力により転舵輪を転舵させる転舵機構と、
前記ステアリングホイルに操舵反力を付与する反力モータと、
前記反力モータの動作を制御する駆動制御手段と、
前記ステアリングホイルの操舵角速度を算出する操舵角速度算出手段と、を備えた車両用操舵装置であって、
前記駆動制御手段は、前記ステアリングホイルの操舵角度の絶対値が所定の値以上である場合には、前記ステアリングホイルの操舵角速度に応じて前記ステアリングホイルに前記操舵反力を付与するように、前記反力モータの制御をすることを特徴とする車両用操舵装置。 - 運転者が操舵可能なステアリングホイルと、
前記ステアリングホイルの操舵角度を検出する操舵角度検出手段と、
転舵動力を発生させる転舵アクチュエータと、
前記転舵動力により転舵輪を転舵させる転舵機構と、
前記転舵輪の転舵角度を検出する転舵角度検出手段と、
車速に応じて、前記操舵角度と前記転舵角度との比率である舵角比を算出する舵角比算出手段と、
前記舵角比算出手段により算出された前記舵角比に基づいて、前記転舵アクチュエータの動作を制御する駆動制御手段と、を備えた車両用操舵装置であって、
前記舵角比算出手段は、前記転舵角度の絶対値が所定の値以上である場合には、前記操舵角度に対し前記転舵角度が小さくなるように前記舵角比を算出することを特徴とする車両用操舵装置。
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