JP2008168728A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動パワーステアリング装置の制御系に不具合が発生した場合に、不具合の発生した箇所を判定すること。
【解決手段】電動パワーステアリング装置は、EPS制御装置50によって制御される。EPS制御装置50は、電動機相電流検出回路62、63から検出した電流が異常であると判定した場合には、電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態とする。そして、電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態にもかかわらず、電動機相電流検出回路62、63から電流を検出した場合には電動機相電流検出回路62、63の異常であると確定される。一方、電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態で、電動機相電流検出回路62、63から電流を検出しない場合には、プリドライバ60や電動機駆動回路61の異常であると確定される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、乗用車やトラック等の車両の操舵を電動機によって補助する電動パワーステアリング装置の制御に関する。
乗用車やトラック等の車両の操舵力を軽減するため、電動機によって操舵を補助する、いわゆる電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)装置がある。電動パワーステアリング装置は、減速機を介して電動機の駆動力をステアリングシャフトやステアリング機構のラック軸等に付与することで、運転者がステアリングホイールを操作する際の操作力を軽減するものである。
一般に、電動パワーステアリング装置の電動機は、電動機を駆動する電流の値に基づいてフィードバック制御される。そして、電動パワーステアリング装置では、制御装置を含む制御系が故障した場合、危険を回避する観点から、電動機による補助操舵力の付与を停止する。例えば、特許文献1には、補助操舵力を付与する電動機の端子電圧が所定の範囲を逸脱した場合に、制御系の回路に故障が発生したと判定し、電動機への通電を禁止する電動パワーステアリング装置が開示されている。
特開平11−147479号公報、段落番号0015〜0026
ところで、特許文献1に開示されている技術は、制御系に発生した不具合の箇所は判断しないため、不具合の修正や不具合が発生した原因の解明に手間を要するおそれがある。また、特許文献1に開示されている技術は、制御系に発生した不具合の箇所は判断しないため、操舵補助を継続できる場合であっても、制御系の故障箇所に関わらず一律に電動機への通電を禁止して操舵補助を停止されてしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電動パワーステアリング装置の制御系に不具合が発生した場合に、不具合の発生した箇所を判定できる電動パワーステアリング装置及び電動パワーステアリング装置の制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決して、本発明の目的を達成するために、本発明は、車両のステアリングシャフトに発生する操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、ステアリング機構に補助操舵力を付与する電動機と、少なくとも前記操舵トルクに基づき前記電動機に供給する電流指令値を演算する電流指令値演算部と、前記電動機の電流値を検出する電流検出回路と、前記電流指令値と前記電動機の電流値とに基づいて前記電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段とを備える電動パワーステアリング装置において、前記電流検出回路から検出した電流が異常であるか否かを判定する電流異常判定手段と、前記異常判定手段が異常であると判定した場合には、前記電流検出回路へ電流が流れない状態とする電流遮断手段と、前記電流検出回路へ電流が流れない状態で、前記電流検出回路から電流を検出した場合には、前記電流検出回路の異常であると確定する検出回路異常確定手段と、前記電流検出回路へ電流が流れない状態で、前記電流検出回路から電流を検出しない場合には、前記電動機駆動制御手段の異常であると確定する駆動制御異常確定手段と、を含むことを特徴とする。これによって、電動パワーステアリング装置の制御系に不具合が発生した場合に、不具合の発生した箇所を判定できる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記検出回路異常確定手段は、前記電流異常判定手段が、前記電流検出回路には流れ得ない限界電流値を超えた電流を検出した場合、前記電流検出回路の異常であると確定することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記検出回路異常確定手段が、前記電流検出回路の異常であると確定した場合、前記電流検出回路の検出した電流値には基づかないで前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行うことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電動機駆動制御手段が、前記電流検出回路の検出した電流値には基づかないで前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行う場合は、前記電流検出回路の検出した電流値に基づいて前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行う場合よりも厳しい制限値で、前記電動パワーステアリング装置を制御することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電動機駆動制御手段は、前記電動パワーステアリング装置へ入力されるトルクに基づいたオープンループ制御によって前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行うことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電流検出回路が複数存在する場合、前記電動機駆動制御手段は、正常に動作している前記電流検出回路によって検出される電流値に基づいて前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行うことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電動機駆動制御手段は、前記電動パワーステアリング装置を搭載する車両の速度が所定の設定値以下になった場合には、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を停止することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、駆動制御異常確定手段が、前記電動機駆動制御手段の異常であると確定した場合、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を停止することが望ましい。
上述した課題を解決して、本発明の目的を達成するために、本発明は、車両のステアリングシャフトに発生する操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、ステアリング機構に補助操舵力を付与する電動機と、少なくとも前記操舵トルクに基づき前記電動機に供給する電流指令値を演算する電流指令値演算部と、前記電動機の電流値を検出する電流検出回路と、前記電流指令値と前記電動機の電流値とに基づいて前記電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段とを備える電動パワーステアリング装置を制御する電動パワーステアリング装置の制御方法において、前記電流検出回路から検出した電流が異常であるか否かを判定する手順と、前記電流検出回路から検出した電流が異常である場合には、前記電流検出回路へ電流が流れない状態とする手順と、前記電流検出回路へ電流が流れない状態で、前記電流検出回路から電流を検出した場合には、前記電流検出回路の異常であると確定する手順と、前記電流検出部へ電流が流れない状態で、前記電流検出回路から電流を検出しない場合には、前記電動機駆動制御手段の異常であると確定する手順と、を含むことを特徴とする。これによって、電動パワーステアリング装置の制御系に不具合が発生した場合に、不具合の発生した箇所を判定できる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電流検出回路には流れ得ない限界電流値を超えた電流を前記電流検出回路から検出した場合、前記電流検出回路の異常であると確定することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電流検出回路の異常であると確定した場合、前記電流検出回路の検出した電流値には基づかないで前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行うことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電流検出回路の検出した電流値には基づかないで前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行う場合は、前記電流検出回路の検出した電流値に基づいて前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行う場合よりも厳しい制限値で、前記電動パワーステアリング装置を制御することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電動パワーステアリング装置へ入力されるトルクに基づいたオープンループ制御によって前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行うことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電流検出回路が複数存在する場合、正常に動作している前記電流検出回路によって検出される電流値に基づいて前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行うことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電動パワーステアリング装置を搭載する車両の速度が所定の設定値以下になった場合には、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を停止することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電動機駆動制御手段の異常であると確定した場合、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を停止することが望ましい。
本発明に係る電動パワーステアリング装置及び電動パワーステアリング装置の制御方法は、電動パワーステアリング装置の制御系に不具合が発生した場合に、不具合の発生した箇所を判定できる。また、本発明に係る電動パワーステアリング装置及び電動パワーステアリング装置の制御方法は、不具合の発生した箇所によっては、操舵補助を継続できる。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)により本発明が限定されるものではない。
本実施形態は、電動パワーステアリング装置において、電流検出回路から検出した電流が異常である場合には、電流検出回路へ電流が流れない状態を意図的に作り出し、電流検出回路へ電流が流れない状態において電流検出回路から検出された電流に基づいて、電流検出回路の異常又は電動パワーステアリング装置の電動機駆動制御手段の異常を確定する点に特徴がある。例えば、電流検出回路へ電流が流れない状態にもかかわらず電流検出回路から電流を検出した場合には、電流検出回路の異常であると確定し、また、電流検出部へ電流が流れない状態で、電流検出回路から電流を検出しない場合には、電動パワーステアリング装置の電動機駆動制御手段の異常であると確定する。
図1は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す概略図である。本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2、ステアリングシャフト3、第1ユニバーサルジョイント4A、ステアリングジョイント5、第2ユニバーサルジョイント4B、ステアリングギヤ入力シャフト6及びステアリングギヤ7、電動パワーステアリング装置の制御装置(以下EPS制御装置という)50を含んで構成される。そして、ステアリングシャフト3、第1ユニバーサルジョイント4A、ステアリングジョイント5、第2ユニバーサルジョイント4B、ステアリングギヤ入力シャフト6及びステアリングギヤ7が、ステアリング機構1Cを構成する。電動パワーステアリング装置1は、電動機9によってステアリング機構1Cへ補助操舵力を付与することにより、運転者によるステアリングホイール2の操作を補助する。
電動パワーステアリング装置1は、運転者によってステアリングホイール2に入力される操舵トルクが、入力軸3Iと出力軸3Eとを有するステアリングシャフト3に伝達される。このステアリングシャフト3は、ステアリング機構1Cのケーシングに回転自在に支持される。そして、ステアリングシャフト3は、入力軸3Iの一端がステアリングホイール2に連結され、他端は操舵トルク検出手段としてのトルクセンサ40を介して出力軸3Eの一端に連結される。ステアリングホイール2に入力される操舵トルクは、まずステアリングシャフト3の入力軸3Iへ伝達され、トルクセンサ40を介して出力軸3Eへ伝達される。
ステアリングシャフト3の出力軸3Eに伝達された操舵トルクは、第1ユニバーサルジョイント4Aを介してステアリングジョイント5に伝達され、さらに、第2ユニバーサルジョイント4Bを介してステアリングギヤ入力シャフト6に伝達される。ステアリングギヤ入力シャフト6に伝達された操舵トルクは、ステアリングギヤ7を介してタイロッド8に伝達され、車両100の転舵輪、すなわち左側前輪101l及び右側前輪101rを操舵する。ここで、ステアリングギヤ7は、ステアリングギヤ入力シャフト6に連結されたピニオンギヤ7pと、このピニオンギヤ7pにかみ合うラックギヤ7rとを有する、いわゆるラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオンギヤ7pの回転運動を、ラックギヤ7rで直進運動に変換する。
ステアリングシャフト3の出力軸3Eには、減速ギヤ10が取り付けられており、電動機9の発生する出力は、減速ギヤ10を介することによって増幅されて、出力軸3Eへ伝達される。これによって、電動パワーステアリング装置1のステアリングシャフト3を介して、ステアリング機構1Cへ補助操舵力が付与される。
ステアリングシャフト3の入力軸3Iに取り付けられるトルクセンサ40は、ステアリングホイール2を介して入力軸3Iに伝達された操舵トルクを検出するものである。トルクセンサ40は、例えば、ステアリングシャフト3の入力軸3Iと出力軸3Eとの間に介在させたトーションバーによって、運転者によって入力される操舵トルクを捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位をポテンショメータで検出するように構成される。
図2は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置が備えるトルクセンサに入力される操舵トルクと、トルクセンサの出力値との関係を示す概念図である。このトルクセンサ40は、図2に示すように、運転者によって入力される操舵トルクが0のときには所定の中立電圧V0を出力し、この状態からステアリングホイール2が右方向へ操作されると、入力される操舵トルクの増加に応じて中立電圧V0よりも増加する電圧を出力する。また、入力される操舵トルクが0の状態から、ステアリングホイール2が左方向へ操作されると、トルクセンサ40は、入力される操舵トルクの増加に応じて中立電圧V0 よりも減少する電圧を出力する。
例えば、運転者が、操舵トルクT_Rで電動パワーステアリング装置1のステアリングホイール2を右方向へ操作すると、トルクセンサ40は、V_Rの電圧を出力する。また、運転者が、操舵トルクT_Lで電動パワーステアリング装置1のステアリングホイール2を左方向へ操作すると、トルクセンサ40は、V_Lの電圧を出力する。電動パワーステアリング装置1に入力される操舵トルク及び操舵方向は、トルクセンサ40が出力する電圧と1対1に対応するので、トルクセンサ40が出力する電圧の値によって、電動パワーステアリング装置1へ入力される操舵トルクの大きさ、及び電動パワーステアリング装置1の操舵方向を判断することができる。
トルクセンサ40から出力される電圧値は、図1に示すように、トルク検出値TとしてEPS制御装置50に入力される。このEPS制御装置50には、トルク検出値Tの他に、車速センサ41で検出した車両100の速度の検出値(以下車速検出値という)v、及び電動機9の電流値、すなわち電動機9に流れて電動機9を駆動する電流、すなわち電動機駆動電流の値(以下駆動電流値という)I_dが入力される。そして、EPS制御装置50は、トルク検出値T及び車速検出値vに応じた補助操舵力を電動機9に発生させるために必要な、電動機9へ供給する電流の値(以下電流指令値という)I_cを演算する。EPS制御装置50は、演算した電流指令値I_cと駆動電流値I_dとの差分が0になるように、駆動電流値I_dをフィードバック制御する。ここで、補助操舵力は、減速ギヤ10を介して出力軸3Eに伝達される電動機9の力である。次に、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1を制御するEPS制御装置50の構成を説明する。
図3は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置を制御するEPS制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。EPS制御装置50は、バス51、不揮発性メモリ52、A/D(Analog/Digital)コンバータ53、入力インターフェース54、クロック発生回路55、CPU(Central Processing Unit)56、ROM(Read Only Memory)57、RAM(Random Access Memory)58、RD(Resolver Digital)コンバータ59、プリドライバ60、電動機駆動回路61、電動機相電流検出回路62、63、全電流検出回路64、信号増幅手段65、66、70、電動機用リレー67、68、電源用リレー69を含んで構成される。
バス51は、A/Dコンバータ53、入力インターフェース54、クロック発生回路55、CPU56、ROM57、RAM58等の間でデータの送受信を行うためのものである。A/Dコンバータ53は、入力されたトルクセンサ40から出力されたトルク検出値T、電動機相電流検出回路62、63から検出される駆動電流値、RDコンバータ59からのモータ回転角信号、電動機9の端子間電圧を、ディジタル信号に変換するためのものである。
入力インターフェース54は、車速センサ41からの車速検出値vをディジタル信号に変換する。ROM57は、電動機9の制御プログラム、PWM(Pulse Width Modulation)の演算プログラム、フェールセーフプログラム等を記憶するためのメモリとして使用される。また、RAM58は、前記のプログラムを動作させるためのワークメモリとして使用される。不揮発性メモリ52は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等により構成され、EPS制御装置50の通電が停止された後においても、記憶した内容を保持可能なものである。
プリドライバ60は、CPU56で演算された、電動機9に発生させるトルクを表す信号、すなわち電流指令値を、パルス幅変調されたデューティ指令値W、V、U、Wb、Vb、Ubに変換するためのものである。ここで、デューティ指令値W、V、Uは正相の三相信号を表し、デューティ指令値Wb、Vb、Ubは逆相の三相信号を表す。電動機駆動回路61には、図1に示すように、車両100が搭載する車載電源11が接続されており、車載電源11から、電動機9を駆動するための電力が供給される。電動機駆動回路61は、W、V、Uの三相電流を発生させるための3つのインバータ回路より構成されており、各インバータ回路は、電源電圧側のスイッチングトランジスタ61Aと、接地電位側のスイッチングトランジスタ61Bとを有している。
電源電圧側のスイッチングトランジスタ61Aのゲートには正相のデューティ指令値W、V、Uが入力され、接地電位側のスイッチングトランジスタ61Bには逆相のデューティ指令値Wb、Vb、Ubが入力されている。すなわち、電源電圧側、接地電圧側のスイッチングトランジスタ61A、61Bは相補接続されており、交互にオン、オフ動作を繰り返すことにより、トルク検出値T、車速検出値v、駆動電流値のフィードバック電流値等に基づいてCPU56が演算したパルス幅の電動機駆動電流Iu、Iv、Iwを生成する。
なお、電源電圧側のスイッチングトランジスタ61Aと接地電圧側のスイッチングトランジスタ61Bとが同時にオンにならないように、デッドタイム、すなわち両者がオフになる時間が、正相のデューティ指令値W、V、Uのオンの時間と、逆相のデューティ指令値Wb、Vb、Ubのオンの時間との前後に設けられている。このように、デッドタイムを設けることにより、電源電圧側、接地電圧側のスイッチングトランジスタ61A、61Bの短絡を回避することができる。RDコンバータ59は、励磁電流をレゾルバ42に与えるとともに、レゾルバ42からの出力信号を回転角信号としてA/Dコンバータ53に出力する。
電動機相電流検出回路62、63は、電動機駆動電流の値、すなわち駆動電流値を検出する電流検出回路であり、例えば、抵抗のような電流−電圧変換素子を含んで構成される。電動機相電流検出回路62、63は、電動機駆動電流Iu、Iwを検出し、電動機駆動電流Iu、Iwに応じた電圧を出力する。電動機相電流検出回路62、63の出力した電圧は、例えば、オペアンプのような信号増幅手段65、66で増幅されてからA/Dコンバータ53に入力され、ここでディジタル信号に変換されてCPU56に取り込まれる。そして、CPU56内で、電動機相電流検出回路62、63の出力した電圧の値が電流値に変換されて、駆動電流値が求められる。
全電流検出回路64は、電動機駆動回路61の接地電圧端子側に設けられている。全電流検出回路64は、電動機駆動回路61を流れる全電流の値を検出する電流検出回路であり、例えば、抵抗のような電流−電圧変換素子を含んで構成される。全電流検出回路64は、電動機駆動回路61を流れる全電流Iaを検出し、全電流Iaに応じた電圧を出力する。全電流検出回路64の出力した電圧は、例えば、オペアンプのような信号増幅手段70で増幅されてからA/Dコンバータ53に入力され、ここでディジタル信号に変換されてCPU56に取り込まれる。そして、CPU56内で、全電流検出回路64の出力した電圧の値が電流値に変換されて、全電流値が求められる。
本実施形態において、電流検出回路は、電動機相電流検出回路62、63、全電流検出回路64の他、信号増幅手段65、66、70や、これらの配線を含む。すなわち、本実施形態において、電流検出回路は、電動機相電流検出回路62、63や全電流検出回路64、及びこれらからCPU56までの間に存在する素子や配線を含むものである。また、本実施形態において、電動機相電流検出回路62、63や全電流検出回路64は、電動機駆動電流Iu、Iwや全電流Iaに応じた電圧値を出力するが、電動機相電流検出回路62、63や全電流検出回路64に演算機能を備え、直接駆動電流値や全電流値を出力してもよい。
電動機用リレー67、68は、電動機駆動回路61と電動機9との間に設けられており、電源用リレー69は、車載電源11と電動機駆動回路61との間に設けられる。電動機用リレー67、68及び電源用リレー69は、CPU56からの指令で開閉する。電動機9によって図1に示すステアリング機構1Cに対して補助操舵力を付与する場合、CPU56は、電動機用リレー67、68及び電源用リレー69を閉じて電動機駆動回路61と電動機9とを接続する。また、電動機相電流検出回路62、63から過電流を検出した場合等に補助操舵力の付与を停止する場合、CPU56は、電動機用リレー67及び68、又は電源用リレー69の少なくとも一方を開いて電動機9に対する電力の供給を遮断する。
図4は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置を制御するEPS制御装置の機能ブロック図である。図5は、EPS制御装置が備える電流異常処理部の処理手順を示すフローチャートである。電流指令値演算部20、電流指令値制限部21、ベクトル制御部22、加算器23、電流制御部24、異常処理部26、電流異常処理部30の各機能は、EPS制御装置50が備えるCPU56によって実現される。
トルクセンサ40からのトルク検出値TはA/D変換された後、電流指令値演算部20に入力される。電流指令値演算部20は、トルク検出値T、車速検出値vに基づき、電動機9を駆動するための電流指令値を演算する機能を有している。また、電流指令値演算部20は、ハンドル戻り補償機能、モータ最大電流制御機能等といった、電動パワーステアリング装置1が搭載される車両100の操舵フィーリングを向上させる機能や安全性を確保する機能も有している。
電動機相電流検出回路62、63は、電動機9に供給されるU相、W相の電動機駆動電流を検出し、検出した電動機駆動電流の大きさに応じた電圧値で表される駆動電流値を出力する。駆動電流値は、アナログの信号増幅手段65、66によって増幅され、図3に示すA/Dコンバータ53でA/D変換された後、さらにCPU56に備えられるディジタルの信号増幅手段71によって増幅される。
電流指令値制限部21は、図4に示すように、レゾルバ42から取得した電動機9の回転数に基づき電流指令値を制限する。また、ベクトル制御部22は、レゾルバ42から取得した電動機9の回転角度に基づき、U相、V相、W相の各相の電流指令値を表す三相の電流指令値を出力する。この電流指令値は加算器23に入力され、電動機相電流検出回路62、63から検出された電流検出値と、電流指令値演算部20によって演算された電流指令値との偏差が0になるようにフィードバック制御が実行される。ベクトル制御部22と加算器23との間には、制御切替部25が設けられている。制御切替部25は、上述したフィードバック制御とオープンループ制御とを切り替える機能を有する。
電流制御部24は、電流検出値と電流指令値との偏差、すなわち制御偏差ΔIに基づき、比例制御及び積分制御を組み合わせた、いわゆるPI制御を実行する。電流制御部24からの出力信号はプリドライバ60に出力され、電動機駆動回路61から三相の駆動電流が電動機9に出力され、電動機9が駆動制御される。
異常処理部26は、駆動電流値やトルク検出値T、あるいは電源電圧等を監視することにより、図1に示す電動パワーステアリング装置1の初期診断やフェールセーフ処理を実行するためのものである。例えば、異常処理部26が、電動機9やトルクセンサ40等の異常を検出した場合には、電動機9による補助操舵力を漸減させるように電流指令値演算部20に指示を与える。電流異常処理部30は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御方法を実行する部分である。次に、電流異常処理部30について、電流異常処理部30の処理手順とともに説明する。
上述したように、電流異常処理部30の機能は、EPS制御装置50が備えるCPU56によって実現される。例えば、電流異常処理部30の機能を実現するコンピュータプログラムを、CPU56に読み込ませ、CPU56がこのコンピュータプログラムを実行することで実現される。電流異常処理部30は、電流異常判定手段として機能する電流異常判定部31と、電流遮断手段として機能する電流遮断部32と、検出回路異常確定手段として機能する検出回路異常確定部33と、駆動制御異常確定手段として機能する駆動制御異常確定部34とを備える。
電流異常判定部31は、電動機相電流検出回路62、63が検出した駆動電流値や、全電流検出回路64が検出した全電流に基づいて、電動機相電流検出回路62、63や全電流検出回路64から検出した電流が異常であるか否かを判定する(ステップS1)。ここで、電流異常判定部31は、電動機相電流検出回路62、63、全電流検出回路64のうち、少なくとも一つから検出した電流が異常である場合には、電流検出回路から検出した電流が異常であると判定する(ステップS2、Yes)。
電流遮断部32は、電動機相電流検出回路62、63等から検出した電流が異常であると電流異常判定部31が判定した場合には(ステップS2、Yes)、例えば、電動機用リレー67及び68をOFFにしたり、電動機駆動回路61に供給される駆動電源をOFFにしたり、電流指令値演算部20の演算する電流指令値を0Aに設定したりすることによって、電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態とする(ステップS3、電動機電流遮断)。
検出回路異常確定部33は、電動機相電流検出回路62、63等へ電流が流れない状態としたにも関わらず、電動機相電流検出回路62、63等から電流を検出した場合には(ステップS4、Yes)、電動機相電流検出回路62、63等の異常であると確定する(ステップS5)。この場合、限定的な操舵補助が行われる(ステップS6)。限定的な操舵補助は、例えば、電動機相電流検出回路62、63等の異常を確定してから車両が停止するまでの間のみ操舵補助を行うものである。
また、駆動制御異常確定部34は、電動機相電流検出回路62、63等へ電流が流れない状態で、電動機相電流検出回路62、63等から電流を検出しない場合には(ステップS4、No)、電動機駆動制御手段であるプリドライバ60や電動機駆動回路61等の異常であると確定する(ステップS7)。この場合、電動パワーステアリング装置1の電源がOFFにされて、システム停止の状態になる(ステップS8)。
ステップS2において、電流異常判定部31が、電流検出回路から検出した電流は異常でない場合と判断した場合には、電動機相電流検出回路62、63、全電流検出回路64、電動機駆動制御手段であるプリドライバ60や電動機駆動回路61等はすべて正常と確定され(ステップS9)、通常の操舵補助が継続される(ステップS10)。
ここで、本実施形態において、電動機駆動制御手段とは、プリドライバ60や電動機駆動回路61の他、車載電源11と電動機駆動回路61との間に設けられる電源用リレー69や配線、電動機駆動回路61と電動機9との間に設けられる電動機用リレー67、68や配線を含む。
図6は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御方法の手順を示すフローチャートである。図7〜図10は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御方法におけるタイミングチャートである。これらの図を用いて、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御方法による電動パワーステアリング装置1の動作を説明する。なお、以下の説明においては、便宜上、図3に示す電動機相電流検出回路62、63を対象とするが、図3に示す全電流検出回路64に対しても、電動機相電流検出回路62、63と同様に取り扱うことができる。
本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御方法を実行するにあたり、図4に示す電流異常処理部30の電流異常判定部31が、図3に示す電動機相電流検出回路62、63から検出された駆動電流値(以下検出回路電流値という)Iを取得する(ステップS101)。ここで、以下の判定においては、電動機相電流検出回路62、63のうち、少なくとも一方が該当すれば判定条件を満たし、電動機相電流検出回路62、63の両方が該当しない場合に判定条件を満たさないものとする。
電流異常判定部31は、予め設定した限界電流値I_iよりも大きい検出回路電流値Iを検出したか否かを判定する(ステップS102)。ステップS102における限界電流値I_iは、電動機相電流検出回路62、63には流れ得ず、電動機相電流検出回路62、63からは検出され得ない値に設定される。すなわち、限界電流値I_iは、電動機9には流れ得ない電流の大きさに設定される。例えば、電動機9の電力供給線が短絡すると、この電力供給線には過電流が流れる。この場合、電動機9へ流れる電流は最も大きくなるが、限界電流値I_iは、電動機9の電力供給線が短絡した場合であっても電力供給線には流れ得ない大きさの電流値に設定される。すなわち、限界電流値I_iは、EPS制御装置50や車載電源11、及び電動機9の仕様から考えて、理論上発生し得ない値に設定される。
I>I_iである場合(ステップS102:Yes、図7のt1)、電流異常判定部31は、I>I_iである状態が、予め設定した第1の診断時間Δt1以上継続したか否かを判定する(ステップS103)。第1の診断時間Δt1は、図7に示すように、t2−t1である。I>I_iである状態がΔt1未満である場合(ステップS103:No)、電流異常判定部31は、検出回路電流値Iが、予め設定した電流異常判定閾値I_sよりも大きいか否かを判定する(ステップS104)。
ここで、電流異常判定閾値I_sは、電動機相電流検出回路62、63に異常な電流が流れているか否かを判定するためのものであり、例えば、電動機駆動回路61の供給可能電力や電動機9の最大許容入力等といった、電動パワーステアリング装置50の仕様から定まる上限値とする。例えば、電流異常判定閾値I_sを、電動機9の最大入力電流値に設定すれば、電流異常判定閾値I_sを超える電流は、電動機9に流すことができない。したがって、電流異常判定閾値I_sを超える電流が電動機相電流検出回路62、63から検出された場合、この電流は異常であると判断できる。ステップS102における限界電流値I_iと、電流異常判定閾値I_sとの関係は、図7に示すようにI_i>I_sとなる。なお、図7のI_sと、図8のI_sとは同じものである。
I>I_sである場合(ステップS104:Yes、図8のt1)、電流異常判定部31は、図8に示すように診断フラグF1を発生させて、図3に示すEPS制御装置50のRAM58へ格納するとともに、I>I_sである状態が、予め設定した第2の診断時間Δt2以上継続したか否かを判定する(ステップS105)。第2の診断時間Δt2は、図8に示すように、t2−t1である。また、診断フラグF1は、電動機9への電力供給系に異常な電流が流れたことを示すものである。診断フラグF1が発生することにより、電流異常判定部31は、ステップS105に進む。なお、RAM58へ格納された診断フラグF1は、異常の発生した箇所が確定した後、図3に示すEPS制御装置50の不揮発性メモリ52へ格納される。
I>I_sである状態がΔt2以上継続した場合(ステップS105:Yes)、電動機相電流検出回路62、63には、過電流が流れていると判断できる。この場合、電流異常判定部31は、電動機相電流検出回路62、63から検出された電流は異常であると判定するとともに、診断フラグF3を発生させて、図3に示すEPS制御装置50のRAM58へ格納する。診断フラグF3は、電動機9への電力供給系に流れる異常な電流が所定時間継続したことから、電動機9の電力供給系に何らかの異常が発生したことを示すものである。診断フラグF3が発生することにより、電流異常判定部31は、ステップS106に進み、異常の発生した箇所の確定手順へ進む。なお、RAM58へ格納された診断フラグF3は、異常の発生した箇所が確定した後、図3に示すEPS制御装置50の不揮発性メモリ52へ格納される。
電動機相電流検出回路62、63から、通常の制御時においては流れ得ない大きさの異常な値の電流(過電流)が検出された場合、その原因としては、(1)実際に過電流は流れていないが、電動機相電流検出回路62、63の異常によって、電動機相電流検出回路62、63による検出回路電流値Iが異常な値を示している、(2)実際に過電流は流れていないが、プリドライバ60や電動機駆動回路61に異常が発生している、(3)実際に過電流が流れている、ことが考えられる。いずれの場合であっても、EPS制御装置50に何らかの不具合が発生しているので、安全を確保するため、図1に示す電動パワーステアリング装置1のステアリング機構1Cに対する補助操舵力の付与が停止される。また、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御方法では、次の手法により、異常の発生している箇所を判定する。
I>I_sである状態がΔt2以上継続した場合(ステップS105:Yes)、電流異常処理部30の電流遮断部32は、電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態を意図的に作り出す(ステップS106、電動機電流遮断)。本実施形態では、電流遮断部32が、少なくとも、図3に示す電動機駆動回路61を構成する電源電圧側のスイッチングトランジスタ61A、接地電圧側のスイッチングトランジスタ61BをOFFにすることで、電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態を意図的に作り出す。
さらに、電動機用リレー67、68、及び電源用リレー69を開いたり、プリドライバ60をOFFにしたり、図4に示す電流指令値演算部20の演算する電流指令値を0Aに設定したりしてもよい。これによって、より確実に、電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態を作り出すことができる。なお、電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態を作り出すことにより、電動機9にも電動機駆動電流は流れないので、図1に示す電動パワーステアリング装置1のステアリング機構1Cに対する補助操舵力の付与は停止される。
電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態が作り出されたら(ステップS106)、電流異常処理部30の検出回路異常確定部33及び駆動制御異常確定部34は、電動機相電流検出回路62、63から検出回路電流値Iを再度取得する(ステップS107)。そして、検出回路異常確定部33及び駆動制御異常確定部34は、検出回路電流値Iが、予め設定した電流異常判定下限値I_miよりも大きいか否かを判定する(ステップS108)。図8に示す電流異常判定下限値I_miは、電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態にも関わらず電動機相電流検出回路62、63から電流が検出された場合に、電動機相電流検出回路62、63の異常と判定可能な大きさに設定される。例えば、電流異常判定下限値I_miは、ノイズとして検出される値よりも大きい値に設定する。
I>I_miである場合(ステップS108:Yes)、検出回路異常確定部33及び駆動制御異常確定部34は、I>I_miである状態が、予め設定した第3の診断時間Δt3以上継続したか否かを判定する(ステップS109)。第3の診断時間Δt3は、図8に示すように、t3−t2である。
I>I_miである状態がΔt3以上継続した場合(ステップS109:Yes)、検出回路異常確定部33は、電動機相電流検出回路62、63に異常が発生していると確定し(ステップS110)、診断フラグF4を発生させて、図3に示すEPS制御装置50の不揮発性メモリ52へ格納する。これは、ステップS106において、電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態を意図的に作り出したにもかかわらず、電動機相電流検出回路62、63から所定の大きさの電流を検出した場合は、電動機相電流検出回路62、63に異常があると判断できるからである。I>I_miである状態がΔt3以上継続する現象は、例えば、電動機相電流検出回路62、63に、CPU56等の駆動電圧がショートしていること(いわゆる天絡)が原因で発生しうる。
ここで、図8に示す診断フラグF4は、電動機相電流検出回路62、63に異常が発生していることを示すフラグであり、点検や修理をする際に、不揮発性メモリ52の記憶内容を読み出すことにより、電動機相電流検出回路62、63の異常を知ることができる。このように、本実施形態では、上記判定手順によって電動機相電流検出回路62、63の異常を確定することができるので、EPS制御装置50の異常箇所を迅速に特定することができ、点検や修理の効率が向上する。なお、電動機相電流検出回路62、63に異常が発生していると確定した場合、CPU56は、図1に示す車両100の計器パネルに、電動機相電流検出回路62、63に異常が発生した旨の警告を表示し、運転者の注意を促すことが好ましい。
電動機相電流検出回路62、63に異常が発生していると確定された場合(ステップS110)、電動機9を駆動制御するプリドライバ60や電動機駆動回路61には異常が発生していないと判断できる。この場合、異常のないプリドライバ60や電動機駆動回路61を用いて電動機9を駆動制御し、電動パワーステアリング装置1のステアリング機構1Cに対する補助操舵力の付与を継続することができる。
しかし、電動機相電流検出回路62、63には異常が発生しているため、電動機相電流検出回路62、63から検出される検出回路電流値Iに基づいてフィードバック制御をすることはできない。このため、検出回路電流値Iに基づかないで電動機9を駆動制御して、電動パワーステアリング装置1のステアリング機構1Cに対する補助操舵力の付与(操舵補助)が再開される(ステップS111)。
検出回路電流値Iに基づかないで電動機9を駆動制御する方法は、例えば、電動機駆動電流のフィードバックを行わず、トルク検出値T、車速検出値vから決定される電流指令値に基づいたオープンループ制御がある。オープンループ制御を実行する場合、図5に示す制御切替部25は、電動機9の制御を、フィードバック制御からオープンループ制御へ切り替える。これによって、操舵補助が継続されるので、運転者によるステアリングホイール2への入力トルクに対して補助操舵力が付与されるので、運転者に与える違和感を抑制できる。また、補助操舵力の付与によって、操舵補助の停止によってステアリングホイール2の操作が急激に重くなることを抑制できるので、安全性も確保できる。
操舵補助を再開するにあたっては、図8のt4〜t5に示すように、電動機9を駆動するための電動機駆動電流の値、すなわち駆動電流値を徐々に増加させることによって、電動パワーステアリング装置1のステアリング機構1Cに対する補助操舵力を徐々に大きくすることが好ましい。すなわち、ステアリングホイール2への入力トルクに応じた電動機駆動電流を、操舵補助の再開と同時に電動機9へ供給するのではなく、入力トルクに応じた電流指令値へ、電動機駆動電流を徐々に近づけることが好ましい。これによって、操舵補助を再開した場合に電動機9による補助操舵力が急激に上昇して、図1に示す車両100の操舵輪の操舵角が急激に増加することを抑制できるので、安全性を向上させることができる。
なお、検出回路電流値Iに基づかないで電動機9を駆動制御する場合、検出回路電流値Iに基づいて電動機9を駆動制御する場合よりも厳しい条件で、電動パワーステアリング装置1を制御し、電動パワーステアリング装置1の異常を判定することが好ましい。これは、EPS制御装置50に何らかの異常が発生しているため、より安全性を確保する必要があるからである。例えば、検出回路電流値Iに基づいて電動機9を駆動制御する場合よりも補助操舵力の最大値を小さくしたり、検出回路電流値Iに基づいて電動機9を駆動制御する場合よりも電動機駆動電流や電動機端子電圧等の異常判定値を小さくしたりする。
ステップS111で操舵補助を再開させたら、CPU56は、操舵補助の停止条件にあるか否かを判定する(ステップS112)。EPS制御装置50には、電動機相電流検出回路62、63に異常が発生しているため、無制限に操舵補助を継続させることは好ましくない。したがって、操舵補助を停止しても、十分に安全が確保できる状態となったら、操舵補助を停止する。本実施形態では、図1に示す車両100の車速が、図8に示す所定の設定値v_c以下になった場合に、操舵補助の停止条件が満たされたと判定する。
操舵補助の停止条件が満たされていない場合(ステップS112:No)、CPU56は、検出回路電流値Iに基づかないで電動機9を駆動制御することによる操舵補助を継続する。操舵補助の停止条件が満たされた場合(ステップS112:Yes)、CPU56は、制御終了を表す制御終了フラグF5発生させ、操舵補助を停止して(ステップS113)、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御方法が終了する。
操舵補助を停止する場合、図8のt6〜t7に示すように、駆動電流値を徐々に減少させることによって、電動パワーステアリング装置1のステアリング機構1Cに対する補助操舵力を徐々に小さくすることが好ましい。すなわち、操舵補助の停止と同時に駆動電流値を0にするのではなく、駆動電流値を徐々に0へ近づけることが好ましい。これによって、操舵補助を停止した場合に電動機9による補助操舵力が急激に低下して、図1に示す電動パワーステアリング装置1のステアリングホイール2が急激に重くなることを抑制できるので、運転者に与える違和感を抑制できる。
次に、ステップS102に戻って説明する。ステップS102においてNoと判定された場合、すなわち、I≦I_iである場合、検出回路電流値Iは、ステップS104における電流異常判定閾値I_s以上であることも考えられる。したがって、I≦I_iである場合にはステップS104に進み、CPU56は、上述したステップS104以降の手順を実行する。
次に、ステップS103に戻って説明する。ステップS103においてYesと判定された場合、すなわち、I>I_iである状態がΔt1以上継続した場合、ステップS110に進み、検出回路異常確定部33は、電動機相電流検出回路62、63に異常が発生していると確定する。限界電流値I_iは、理論上、電動機相電流検出回路62、63には流れ得ない大きさなので、このような値が検出されるということは、プリドライバ60や電動機駆動回路61の異常ではなく、電動機相電流検出回路62、63の異常と判断する。電動機相電流検出回路62、63の異常が確定されたら、CPU56は、ステップS111以降の手順を実行する。I>I_iである状態がΔt1以上継続する現象は、例えば、CPU56等の駆動電圧が電動機相電流検出回路62、63にショートする、いわゆる天絡が原因で発生しうる。
このように、電動機相電流検出回路62、63には流れ得ない大きさの限界電流値I_iを用いて、電動機相電流検出回路62、63の異常を確定することにより、ステップS106の電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態を意図的に作り出す手順、及びその後の異常箇所を確定する手順を実行する必要がなくなる。これによって、迅速に異常の発生箇所を確定して、操舵補助を再開できるので、異常の発生箇所の確定から操舵補助へ移行するまでの時間を短縮でき、操舵補助が実行されない時間を短縮できる。その結果、操舵補助の中断によって運転者に与える違和感をより低減することができ、安全性もより向上する。
次に、ステップS104に戻って説明する。ステップS104においてNoと判定された場合、すなわち、I≦I_sである場合、過電流は発生していないため、電流異常判定部31は、電動機相電流検出回路62、63やプリドライバ60や電動機駆動回路61は正常に動作していると判定する(ステップS114)。この場合、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御方法は終了する。
次に、ステップS105に戻って説明する。ステップS105においてNoと判定された場合、すなわち、I>I_sである状態がΔt2未満である場合、検出時における誤差等が原因と考えられる。また、実際に過電流が発生したとしても、継続時間が極めて短いため、電動パワーステアリング装置1に対する影響はないと考えられる。したがって、電流異常判定部31は、電動機相電流検出回路62、63やプリドライバ60や電動機駆動回路61は正常に動作していると判定する(ステップS114)。この場合、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御方法は終了する。
次に、ステップS108に戻って説明する。ステップS108においてNoと判定された場合、すなわち、I≦I_miである場合、検出回路異常確定部33及び駆動制御異常確定部34は、I≦I_miである状態が、予め設定した第3の診断時間Δt3以上継続したか否かを判定する(ステップS115)。第3の診断時間Δt3は、図9に示すように、t3−t2である。
I≦I_miである状態がΔt3以上継続した場合(ステップS115:Yes)、駆動制御異常確定部34は、プリドライバ60や電動機駆動回路61といった電動機駆動制御手段に異常が発生していると確定する(ステップS116)。そして、図9に示すように診断フラグF6を発生させて、図3に示すEPS制御装置50の不揮発性メモリ52へ格納する。この場合、CPU56は、システムを停止、すなわち電動パワーステアリング装置1の電源をOFFとして(ステップS117)、安全性を確保する。
ここで、診断フラグF6は、プリドライバ60や電動機駆動回路61に異常が発生していることを示すフラグであり、点検や修理をする際に、不揮発性メモリ52の記憶内容を読み出すことにより、プリドライバ60や電動機駆動回路61の異常を知ることができる。このように、本実施形態では、上記判定手順によってプリドライバ60や電動機駆動回路61に異常が発生したことを確定できるので、点検や修理においてはEPS制御装置50の異常箇所を迅速に特定することができる。その結果、点検や修理の効率が向上する。なお、電動機相電流検出回路62、63に異常が発生していると確定した場合、CPU56は、図1に示す車両100の計器パネルに、プリドライバ60や電動機駆動回路61に異常が発生した旨の警告を表示し、運転者の注意を促すことが好ましい。
I≦I_miである状態がΔt3未満である場合(ステップS115:No、図10)、検出回路異常確定部33及び駆動制御異常確定部34は、電動機相電流検出回路62、63又はプリドライバ60や電動機駆動回路61のいずれか一方に異常が発生していると確定し(ステップS118)、図10に示すように診断フラグF7を発生させて、図3に示すEPS制御装置50の不揮発性メモリ52へ格納する。その後、CPU56は、システムを停止し(ステップS117)、安全性を確保する。
ステップS106において、電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態を意図的に作り出したが、電動機相電流検出回路62、63から電流が検出されない時間が第3の診断時間Δt3に満たない場合、ステップS104でI>I_sとなった原因は、電動機相電流検出回路62、63又はプリドライバ60や電動機駆動回路61のいずれか一方に異常があることが原因であると判断することが適切だからである。この場合、CPU56は、システムを停止し(ステップS117)、安全性を確保する。
ここで、診断フラグF7は、電動機相電流検出回路62、63及びプリドライバ60や電動機駆動回路61に異常が発生していることを示すフラグであり、点検や修理をする際に、不揮発性メモリ52の記憶内容を読み出すことにより、電動機相電流検出回路62、63及びプリドライバ60や電動機駆動回路61の異常を知ることができる。このように、本実施形態では、EPS制御装置50に異常が発生した可能性のある箇所を確定できるので、EPS制御装置50の異常箇所を迅速に特定することができ、点検や修理の効率が向上する。なお、電動機相電流検出回路62、63及びプリドライバ60や電動機駆動回路61に異常が発生していると確定した場合、CPU56は、図1に示す車両100の計器パネルに、電動機相電流検出回路62、63及びプリドライバ60や電動機駆動回路61に異常が発生した旨の警告を表示し、運転者の注意を促すことが好ましい。
次に、ステップS109に戻って説明する。ステップS109においてNoと判定された場合、すなわち、すなわち、I>I_miである状態の継続時間がΔt3未満である場合、検出回路異常確定部33及び駆動制御異常確定部34は、電動機相電流検出回路62、63及びプリドライバ60や電動機駆動回路61の両方に異常が発生していると確定し(ステップS118)、図10に示すように診断フラグF7を発生させる。診断フラグF7は、上述した通りである。
ステップS106において、電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態を意図的に作り出すことにより、電動機相電流検出回路62、63から所定の大きさの電流が検出されたが、その時間が第3の診断時間Δt3に満たない場合、ステップS104でI>I_sとなった原因は、電動機相電流検出回路62、63又はプリドライバ60や電動機駆動回路61のいずれか一方に異常があることが原因であると判断することが適切だからである。この場合、CPU56は、システムを停止し(ステップS117)、安全性を確保する。
上述した電動機9は、ブラシレスの電動機でもよいし、ブラシを備える電動機でもよい。また、上述した第1の診断時間Δt1〜第3の診断時間Δt3は、実験や解析等により設定される。第1の診断時間Δt1〜第3の診断時間Δt3は、すべて同じ時間でもよいし、それぞれが異なっていてもよい。また、上述した説明では、電動機相電流検出回路62、63の異常を判定したが、同様の手法で、全電流検出回路64の異常も判定できる。また、本実施形態では、電動機相電流検出回路62、63及び全電流検出回路64によって、それぞれ独立に電流を検出できるので、電動機相電流検出回路62、63及び全電流検出回路64の異常は、それぞれ独立に判定できる。
検出回路電流値Iには基づかないで電動機9を駆動制御する場合、正常に動作している電流検出回路から検出される電動機駆動電流に基づいて、電動機9をフィードバック制御してもよい。例えば、電動機相電流検出回路62、63へ電流が流れない状態を作り出したときに、電動機相電流検出回路62、63のうち、一方の電動機送電流検出回路から電流異常判定下限値I_mi以上の電流が第3の診断時間Δt3以上検出された場合、電流の検出された電動機相電流検出回路に異常が発生したと判断できる。
したがって、正常に動作している電動機相電流検出回路と、図3に示す全電流検出回路64とを用いて、異常が発生した電動機相電流検出回路を流れる電動機駆動電流の値を推定して、電動機駆動電流のフィードバック制御をする。このようにすれば、電動パワーステアリング装置1の操作フィーリングを向上させることができるので、運転者に与える違和感をより低減できる。さらに、検出回路電流値Iには基づかないで電動機9を駆動制御する場合、図3に示すレゾルバ42を用いた電動機9の回転角位置制御によって電動機9を制御してもよい。
ステップS102やステップS104等の判定にあたっては、検出回路電流値Iの瞬時値を用いることができる。このようにすれば、処理速度を向上させることができる。また、ステップS102やステップS104等の判定にあたっては、所定時間における検出回路電流値Iの平均値や積分値を用いてもよい。このようにすれば、判定の精度を向上させることができる。
上記説明では、電動機相電流検出回路62、63から過大な電流を検出した場合における異常箇所の確定手順を説明した。電動機相電流検出回路62、63の異常に起因して電動機相電流検出回路62、63から過大な電流を検出した場合は、電動機相電流検出回路62、63にCPU56等の駆動電圧がショートする、いわゆる天絡が原因の場合が多い。一方、電流検出回路62、63の地絡や断線によって、電動機9が駆動されているにもかかわらず、電動機相電流検出回路62、63からは電流が検出されない異常もある。これは、電動機相電流検出回路62、63やこれらの配線がアースに接触したような場合、すなわち、いわゆる地絡が発生した場合に起こりうる。
この場合、例えば、電動機相電流検出回路62、63を流れる電流と、電動機相電流検出回路62、63から出力される電圧との関係をオフセットさせる。例えば、電動機相電流検出回路62、63が0V(ボルト)から5V(ボルト)の電圧を出力する場合、2.5V(ボルト)を0Aとし、5V(ボルト)を正の最大電流I_max、0V(ボルト)を負の最大電流−I_maxに設定する。このようにすれば、電流検出回路62、63の地絡や断線によって、電動機相電流検出回路62、63からは0V(ボルト)が出力される場合には、見かけ上、負の最大電流−I_maxが検出されることになる。
そして、負の電流の限界電流値−I_iを、電動機9への電力供給線には流れ得ない大きさに定める。ここで、−I_max<−I_iである。電流検出回路62、63の地絡や断線によって、電動機相電流検出回路62、63からは0V(ボルト)が出力された場合には、電動機相電流検出回路62、63から負の最大電流−I_maxが検出される。−I_max<−I_iの関係があるので、負の最大電流−I_maxが検出された場合には、見かけ上、電動機9への電力供給線には流れ得ない電流が流れていることになり、このような値が検出されるということは、プリドライバ60や電動機駆動回路61の異常ではなく、電動機相電流検出回路62、63の異常と判断する。
また、電動機9に電力が供給され、レゾルバ42からの検出値から電動機9が駆動されていることが確認できるにもかかわらず、電流検出回路62、63の地絡や断線によって、電動機相電流検出回路62、63からは0V(ボルト)が出力された場合には、電動機相電流検出回路62、63の異常であると確定してもよい。この場合、電動機9が駆動されているため、プリドライバ60や電動機駆動回路61は正常に動作していると判断できるため、それにもかかわらず電動機相電流検出回路62、63からは0V(ボルト)が出力された場合には、電動機相電流検出回路62、63の異常と判断する。このような手法により、電流検出回路62、63の地絡や断線による電動機相電流検出回路62、63等の異常が発生した場合でも、これを確定することができる。
以上、本実施形態では、電動パワーステアリング装置において、電流検出回路から検出した電流が異常である場合には、電流検出回路へ電流が流れない状態を意図的に作り出し、電流検出回路へ電流が流れない状態において電流検出回路から検出された電流に基づいて、電流検出回路の異常又は電動パワーステアリング装置の電動機駆動制御手段の異常を確定する。これによって、電動パワーステアリング装置の制御系に不具合が発生した場合に、不具合の発生した箇所を判定し、確定できる。
以上のように、本発明に係る電動パワーステアリング装置及び電動パワーステアリング装置の制御方法は、電動パワーステアリング装置に対して有用であり、特に、制御系に発生した不具合の箇所を判定することに適している。
本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す概略図である。 本実施形態に係る電動パワーステアリング装置が備えるトルクセンサに入力される操舵トルクと、トルクセンサの出力値との関係を示す概念図である。 本実施形態に係る電動パワーステアリング装置を制御するEPS制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る電動パワーステアリング装置を制御するEPS制御装置の機能ブロック図である。 EPS制御装置が備える電流異常処理部の処理手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御方法の手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御方法におけるタイミングチャートである。 本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御方法におけるタイミングチャートである。 本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御方法におけるタイミングチャートである。 本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御方法におけるタイミングチャートである。
符号の説明
1 電動パワーステアリング装置
1C ステアリング機構
2 ステアリングホイール
9 電動機
11 車載電源
20 電流指令値演算部
21 電流指令値制限部
22 ベクトル制御部
23 加算器
24 電流制御部
25 制御切替部
26 異常処理部
30 電流異常処理部
31 電流異常判定部
32 電流遮断部
33 検出回路異常確定部
34 駆動制御異常確定部
40 トルクセンサ
41 車速センサ
42 レゾルバ
50 電動パワーステアリング装置の制御装置(EPS制御装置)
56 CPU
60 プリドライバ
61 電動機駆動回路
62、63 電動機相電流検出回路
64 全電流検出回路
67、68 電動機用リレー
69 電源用リレー
100 車両

Claims (16)

  1. 車両のステアリングシャフトに発生する操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、ステアリング機構に補助操舵力を付与する電動機と、少なくとも前記操舵トルクに基づき前記電動機に供給する電流指令値を演算する電流指令値演算部と、前記電動機の電流値を検出する電流検出回路と、前記電流指令値と前記電動機の電流値とに基づいて前記電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段とを備える電動パワーステアリング装置において、
    前記電流検出回路から検出した電流が異常であるか否かを判定する電流異常判定手段と、
    前記異常判定手段が異常であると判定した場合には、前記電流検出回路へ電流が流れない状態とする電流遮断手段と、
    前記電流検出回路へ電流が流れない状態で、前記電流検出回路から電流を検出した場合には、前記電流検出回路の異常であると確定する検出回路異常確定手段と、
    前記電流検出回路へ電流が流れない状態で、前記電流検出回路から電流を検出しない場合には、前記電動機駆動制御手段の異常であると確定する駆動制御異常確定手段と、
    を含むことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記検出回路異常確定手段は、前記電流異常判定手段が、前記電流検出回路には流れ得ない限界電流値を超えた電流を検出した場合、前記電流検出回路の異常であると確定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記検出回路異常確定手段が、前記電流検出回路の異常であると確定した場合、前記電流検出回路の検出した電流値には基づかないで前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記電動機駆動制御手段が、前記電流検出回路の検出した電流値には基づかないで前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行う場合は、前記電流検出回路の検出した電流値に基づいて前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行う場合よりも厳しい制限値で、前記電動パワーステアリング装置を制御することを特徴とする請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記電動機駆動制御手段は、
    前記電動パワーステアリング装置へ入力されるトルクに基づいたオープンループ制御によって前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行うことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記電流検出回路が複数存在する場合、前記電動機駆動制御手段は、正常に動作している前記電流検出回路によって検出される電流値に基づいて前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行うことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記電動機駆動制御手段は、
    前記電動パワーステアリング装置を搭載する車両の速度が所定の設定値以下になった場合には、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を停止することを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 駆動制御異常確定手段が、前記電動機駆動制御手段の異常であると確定した場合、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を停止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 車両のステアリングシャフトに発生する操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、ステアリング機構に補助操舵力を付与する電動機と、少なくとも前記操舵トルクに基づき前記電動機に供給する電流指令値を演算する電流指令値演算部と、前記電動機の電流値を検出する電流検出回路と、前記電流指令値と前記電動機の電流値とに基づいて前記電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段とを備える電動パワーステアリング装置を制御する電動パワーステアリング装置の制御方法において、
    前記電流検出回路から検出した電流が異常であるか否かを判定する手順と、
    前記電流検出回路から検出した電流が異常である場合には、前記電流検出回路へ電流が流れない状態とする手順と、
    前記電流検出回路へ電流が流れない状態で、前記電流検出回路から電流を検出した場合には、前記電流検出回路の異常であると確定する手順と、
    前記電流検出部へ電流が流れない状態で、前記電流検出回路から電流を検出しない場合には、前記電動機駆動制御手段の異常であると確定する手順と、
    を含むことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御方法。
  10. 前記電流検出回路には流れ得ない限界電流値を超えた電流を前記電流検出回路から検出した場合、前記電流検出回路の異常であると確定することを特徴とする請求項9に記載の電動パワーステアリング装置の制御方法。
  11. 前記電流検出回路の異常であると確定した場合、前記電流検出回路の検出した電流値には基づかないで前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行うことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の電動パワーステアリング装置の制御方法。
  12. 前記電流検出回路の検出した電流値には基づかないで前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行う場合は、前記電流検出回路の検出した電流値に基づいて前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行う場合よりも厳しい制限値で、前記電動パワーステアリング装置を制御することを特徴とする請求項11に記載の電動パワーステアリング装置の制御方法。
  13. 前記電動パワーステアリング装置へ入力されるトルクに基づいたオープンループ制御によって前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行うことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の電動パワーステアリング装置の制御方法。
  14. 前記電流検出回路が複数存在する場合、正常に動作している前記電流検出回路によって検出される電流値に基づいて前記電動機を駆動制御して、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を行うことを特徴とする請求項11〜請求項13のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御方法。
  15. 前記電動パワーステアリング装置を搭載する車両の速度が所定の設定値以下になった場合には、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を停止することを特徴とする請求項11〜請求項14のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御方法。
  16. 前記電動機駆動制御手段の異常であると確定した場合、前記ステアリング機構に対する補助操舵力の付与を停止することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の電動パワーステアリング装置の制御方法。
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