JP2008156734A - 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絞り成形性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】鋼板表層組織の改善により、深絞り成形時の縦壁部での破断を抑制する。具体的には、平均結晶粒径10μm以下のフェライト相と体積分率30〜90%のマルテンサイト相を含み、板厚表層硬度の板厚中心硬度に対する比が0.6〜1であり、めっき層と鋼板の界面から鋼板側内部へ進展している亀裂および凹部の最大深さが0〜20μmであり、亀裂と凹部以外の平滑部面積率が60%〜100%である組織とする。このような組織を有する鋼板を得るためには、例えば、溶融亜鉛めっき処理では、600℃以上の昇温過程から焼鈍温度を経て450℃までの冷却過程までの範囲内における熱処理炉内雰囲気を水素濃度2〜20%かつ露点-60〜-10℃とし、760〜860℃の焼鈍温度で10〜500秒保持した後、1〜30℃/秒の平均冷却速度で冷却する。
【選択図】なし

Description

本発明は、厳しい形状にプレス成形されることが要求される自動車部品などに用いて好適な、引張強度780MPa以上の高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関するものである。
自動車部品などに用いられる高強度溶融亜鉛めっき鋼板は、その用途の特徴から高強度化に加え、加工性に優れていることが重要である。そして、最近では、車体軽量化による燃費向上、衝突安全性確保の観点から高強度の鋼板が自動車車体に求められ、適用拡大している。また、従来は軽加工主体であったが、複雑形状への適用も検討され始めている。しかしながら、鋼板の高強度化にともない加工性は低下する傾向にあり、高強度鋼板を適用するにあたっての一番の課題としてプレス成形時の割れがある。したがって、部品形状に応じて加工性すなわち絞り成形性、曲げ性、張り出し性および伸びフランジ性が向上することが要求されている。
例えば、特許文献1〜5では、鋼成分や組織の限定、熱延条件、焼鈍条件の最適化により、成形性を向上させる方法が開示されている。例えば、特許文献6〜10には、めっき層と鋼板地鉄界面構造について記載されている。
特許第2761095号公報 特許第2761096号公報 特許第3376882号公報 特開2001-303178号公報 特開2002-206139号公報 特開2001-355043号公報 特開2003-171752号公報 特開2004-18970号公報 特開2004-18971号公報 特開2004-211157号公報
難成形部品では、プレス時の材料の変形は、絞り成形や張り出し成形などが組み合わさった複合成形であることが多い。絞り成形ではポンチ肩あるいは縦壁部で割れを発生することが多い。円筒絞り形状などではポンチ肩破断が多々観察され、角筒絞りおよびオープン断面のハット型絞りなどでは縦壁部で破断を生じることがあり、従来の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造技術では、高強度化と優れた絞り成形性の両立は困難であった。絞り成形性はr値と相関があることが広く知られているが、変態組織強化した冷延焼鈍鋼板または溶融亜鉛めっき鋼板ではr値は1.0未満であることが一般的であり、r値向上による絞り成形性の付与は極めて困難である。この点に関し、特許文献1〜5には、絞り成形性向上に関してなんら示唆するところはない。
特許文献6には、グラニュラーベイニティックフェライトまたはクワシーポリゴナルフェライトを主相とする高強度熱延鋼板の組織を有する鋼について、めっき層と鋼板との界面における個々の結晶の間の結晶粒界が幅2.0μm以下エッチングされていることを特徴とするめっき鋼板について記載されている。その効果はめっき密着性確保に有効であり、密着性を確保させることによって初めて打ち抜き加工時の損傷による結晶粒の欠落を防止し、穴拡率が向上することが開示されている。しかしながら、絞り成形性に重要である鋼板表層と中心の硬度比、めっき層と鋼板の界面における鋼板内に進展している亀裂および鋼板表面の平滑部に関する知見はない。そして、特許文献6と本発明では組織が異なり、熱履歴などが全く異なるフェライトおよびマルテンサイトから構成される絞り成形性に優れる冷延鋼板に関する知見は特許文献6にはない。
特許文献7はフェライトおよびベイナイトを主相とする鋼について鋼板内に存在する粒界酸化相の深さについてのみ記載されており、界面の性状に関する記載は無く、また、成形性に関する知見はない。
特許文献8〜10は残留オーステナイトを含む、フェライトおよびベイナイトを主相とする鋼について、断面観察における界面から10μm以内の鋼中に存在する酸化物の種類、および面積率という指標で鋼板内部の量を規定しているがめっき層と地鉄の界面状態に関する知見はない。
以上のように、従来技術では、いずれも絞り成形性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法に関する検討はなされていない。
本発明では、かかる事情に鑑みなされたもので、絞り成形性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究した。その結果、鋼板表層組織の改善(硬度、平滑度)により、深絞り成形時の縦壁部での破断を抑制することが可能となり、絞り成形性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板が得られることを見出した。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]mass%で、C:0.03〜0.12%、Si:0.01〜1.0%、Mn:1.5〜2.5%、P:0.001〜0.05%、S:0.0001〜0.005%、Al:0.005〜0.15%、N:0.001〜0.01%、Cr:0.01〜0.5%、Ti:0.005〜0.05%、Nb:0.005〜0.05%、V:0.005〜0.5%、B:0.0003〜0.0030%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、平均結晶粒径10μm以下のフェライト相と体積分率30〜90%のマルテンサイト相を含む組織を有し、板厚表層硬度の板厚中心硬度に対する比が0.6〜1であり、めっき層と鋼板の界面から鋼板側内部へ進展している亀裂および凹部の最大深さが0〜20μmであり、さらに、前記亀裂および前記凹部以外の平滑部面積率が60%〜100%であることを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
[2]前記[1]において、さらに、mass%で、Mo:0.01〜0.5%、Cu:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜0.5%のうちの1種以上を含有することを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
[3]前記[1]または[2]に記載の成分からなる鋼に、熱間圧延、酸洗および冷間圧延を行い、溶融亜鉛めっき処理を経て溶融亜鉛めっき鋼板を製造するに際し、前記熱間圧延では、スラブ加熱温度を1150〜1300℃、仕上げ圧延温度を850〜950℃、巻取り温度を400〜600℃とし、前記酸洗では、浴温度を10〜100℃未満、塩酸濃度を1〜20%とし、前記溶融亜鉛めっき処理では、600℃以上の昇温過程から焼鈍温度を経て450℃までの冷却過程までの熱処理炉内雰囲気を水素濃度2〜20%かつ露点-60〜-10℃とし、760〜860℃の焼鈍温度で10〜500秒保持した後、1〜30℃/秒の平均冷却速度で冷却することを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[4]前記[3]において、前記溶融亜鉛めっき処理後に、さらに、合金化処理することを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%は、すべてmass%である。また、本発明において、高強度溶融亜鉛めっき鋼板とは、引張強度(以下、TSと称することもある)が780MPa以上の冷延鋼板である。
本発明によれば、絞り成形性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。そして、本発明により得られる高強度溶融亜鉛めっき鋼板は、自動車部品として要求される強度、成形性の全ての特性を満足しており、厳しい形状にプレス成形される自動車部品として好適である。
本発明は、高強度溶融亜鉛めっき鋼板の絞り成形性向上に関し鋭意検討した結果得られたものであり、平均結晶粒径10μm以下のフェライト相と体積分率30〜90%のマルテンサイトを含む組織を有し、板厚表層硬度の板厚中心硬度に対する比が0.6〜1であり、めっき層と鋼板の界面から鋼板側内部へ進展している亀裂および凹部の最大深さが0〜20μmであり、さらに、亀裂および凹部以外の平滑部面積率が60%〜100%であることを特徴とする。このように、組織、中でも鋼板表層組織を改善し、上記のような硬度、平滑度にすることにより、深絞り成形時の縦壁部での破断を抑制することが可能となり、絞り成形性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板が得られることになる。
以下に、絞り成形性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板を得るための鋼の化学成分、組織の限定理由について詳細に説明する。
まず、本発明における鋼の化学成分(組成)の限定理由は以下の通りである。
C:0.03〜0.12%
マルテンサイト相の強度はC量に比例する傾向にあり、Cはマルテンサイト相を利用して鋼を強化するために必要不可欠である。780MPa以上のTSを得るには0.03%以上必要であり、C量の増加にともないTSは増加する。一方、0.12%を超えて含有すると、スポット溶接性が著しく劣化し、またマルテンサイト相が過度に硬質化し伸びフランジ性など成形性も低下する傾向にある。以上より、Cは0.03%以上0.12 %以下とする。TSを安定して780MPa以上確保するとともに、より優れた成形性、スポット溶接性を得る点から、C量の好ましい範囲は0.06%以上0.10%以下である。
Si:0.01〜1.0%
Siは固溶強化により強度向上に寄与する元素である。しかしながら含有量が0.01%に満たないと添加効果はない。一方、1.0%を越えて含有してもその効果は飽和するばかりではなくフェライト相の延性も低下する。また過度に含有することにより、熱延時に難剥離性のスケールを生成し鋼板の表面性状を劣化させ、加えて鋼板表面、結晶粒界などに偏析、濃化し材質を劣化する。以上より、Siは0.01%以上1.0%以下、好ましくは0.02%以上0.5%以下とする。
Mn:1.5〜2.5%
Mnは強度に寄与し、このような作用は1.5%以上を含有することで認められる。一方、2.5%を越えて過度に含有すると、Mnの偏析などに起因し部分的に変態点が異なる組織となり、結果としてフェライト相とマルテンサイト相がバンド状に存在し、不均一化な組織となり加工性は低下する。また鋼板表面、結晶粒界などに偏析、濃化し材質を劣化する。以上より、Mnは1.5%以上2.5%以下、好ましくは1.8%以上2.4%以下とする。
P:0.001〜0.05%
Pは、溶接性を劣化させる元素であり、P量が0.05%を超えると、その影響が顕著に現れる。一方で、P量の過度の低減は製鋼工程における製造コストの増加を伴う。以上より、Pは0.001%以上0.05%以下、好ましくは0.001%以上0.015%以下、より好ましくは0.001%以上0.010%以下とする。
S:0.0001〜0.005%
S量が増加すると熱間赤熱脆性の原因となり製造工程上不具合を生じる場合がある。また、介在物MnSを形成し、冷間圧延後に板状の介在物として存在することにより、特に材料の極限変形能を低下させ、成形性を低下させる。S量が0.005%までであれば、上記は特に問題とならない。一方、過度の低減は製鋼工程における脱硫コストの増加を伴う。以上より、Sは0.0001%以上0.005%以下、好ましくは0.0001%以上0.0015%以下とする。
Al:0.005%〜0.15%
Alは、製鋼工程において脱酸剤として有効であり、局部延性を低下させる非金属介在物をスラグ中に分離する点でも有効である。またAlは焼鈍時に、めっき性を阻害する表層へのMn、Si系の酸化物の形成を抑制し、めっき表面外観を向上させる効果がある。さらに、Ac3変態点を上昇させ、フェライト+オーステナイト2相域を拡大することで、適正焼鈍温度範囲を拡大する効果もある。このような作用を得るには0.005%以上の添加が必要である。一方、0.15%を超えて添加すると、鋼成分コスト増を生じるだけではなく、溶接性を低下させる。以上より、Alは0.005%〜0.15%以下、好ましくは0.01%以上0.06%以下とする。
N:0.001〜0.01%
組織強化鋼において材料特性に及ぼすNの影響はあまり大きくはなく、0.01%以下であれば本発明の効果を損なわない。一方、フェライトの清浄化による加工性向上の観点からはN量は少ないほうが好ましいが、製鋼上のコストも増大するので、下限は0.001%とする。以上より、Nは0.001%以上0.01%以下、好ましくは0.001%以上0.0060%以下とする。
Cr:0.01〜0.5%
Crは鋼の焼入れ強化に有効な元素である。この効果を得るには、0.01%以上の添加を必要
とする。一方、Crが0.5%を超えるとこの効果は飽和し、表面品質を著しく低下させる。よって、Crは0.01%以上0.5%以下、好ましくは0.04%0以上0.2%以下とする。
Ti:0.005〜0.05%
Tiは鋼中でCまたはNと微細炭化物や微細窒化物を形成することにより、熱延板組織ならびに焼鈍後の鋼板組織の細粒化および析出強化付与に有効に作用する。この効果を得るためには、Ti量は0.005%以上の添加を必要とする。一方、0.05%を超えると効果は飽和する。よって、Tiは0.005%以上0.05%以下、好ましくは0.01%以上0.04%以下とする。
Nb:0.005〜0.05%
Nbは固溶強化または析出強化により強度向上に寄与する元素である。またフェライトを強化することによりマルテンサイト相との硬度差を低減する効果を通じて、伸びフランジ成形性を向上させる。このような効果はNb量が0.005%以上で得られる。一方、過度に含有すると、熱延板が硬化し、熱間圧延、冷間圧延での圧延荷重が増大する。また、フェライトの延性が劣化し、加工性が低下する。このため、Nb量は0.05%以下とする。強度、加工性の観点から、Nbは0.01%以上0.04%以下が好ましい。
V:0.005〜0.5%
Vは炭化物を析出し、連続焼鈍時の加熱段階でのフェライト相の粗大化を抑制し、鋼組織を微細均一化して伸びフランジ性を著しく向上させる。また、Vは鋼の強化に有効な元素である。これらの効果を得るには、Vは0.005%以上の添加を必要とする。一方で、Vの添加量が0.5%を超えると、これらの効果は飽和する。よって、Vは0.005%以上0.5%以下、好ましくは0.01%以上0.2%以下とする。
B:0.0003〜0.0030%
Bは焼入れ性を高め、焼鈍冷却過程にて起こるフェライトの生成を抑制し、所望のマルテンサイト量を得るのに寄与する。この効果を得るためには、B量は0.0003%以上の添加を必要とする。一方、B量が0.0030%を超えると、上記効果が飽和する。以上より、Bは0.0003%以上0.0030%以下の範囲とする。好ましくはBを0.0003%以上0.0020%以下とする。
本発明の鋼板は、上記の必須添加元素で目的とする特性が得られるが、所望の特性に応じて以下の元素を含有することができる。
Mo:0.01〜0.5%、Cu:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜0.5%のうちの1種以上
Moは鋼の焼入れ強化に有効な元素であり、この効果を得るには、0.01%以上の添加を必要
とする。しかし、Mo量が0.5%を超えると、この効果は飽和する。よって、Moを含有する場合、含有量は0.01%以上0.5%以下の範囲とする。より好ましくは0.05%以上0.35%以下である。
Cu、Niは強度に寄与する元素であり、強化のため添加する場合、それぞれ0.01%以上が必要とされる。一方、過度に添加してもその効果は飽和するのでCu、Niの上限は0.5%とする。よって、含有する場合、Cu、Niは0.01%以上0.5%以下とする。さらに好ましくは、Cu、Niはそれぞれ0.01%以上0.3%以下である。
また、本願の本質であるめっき性を大きく変化させることなく、硫化物系介在物の形態を制御する作用を有し、これにより成形性の向上に有効に寄与するREM、あるいは鋼板表層の結晶を整粒にする作用を有するSbなどを0.0001%以上0.1%以下の範囲で含有しても構わない。なお、上記以外の残部はFe及び不可避的不純物とする。
次に、本発明にとって重要な要件の一つである鋼の組織の限定理由について説明する。
フェライト相の平均結晶粒径は10μm以下
結晶の微細化は鋼板の伸びフランジ性の向上に寄与する。そこで、本発明では、複合組織中のフェライト相の平均結晶粒径を10μm以下に制限する。フェライト相の平均結晶粒径が過度に粗大化することによりプレス成形後に鋼板表面が荒れることもある。また、軟質な領域と硬質な領域が粗に存在すると、変形が不均一となり成形性が劣化する。フェライト相とマルテンサイト相が均一微細に存在することにより成形時に鋼板の変形が均一となるため、フェライト相の平均結晶粒径は小さいほうが望ましい。以上より、フェライト相の平均結晶粒径は10μm以下、成形性の劣化を抑制する観点から、好ましくは、フェライト相の平均粒径は1μm以上5μm以下である。
マルテンサイト相の体積分率は30〜90%
TS780MPa以上を得るために、本発明の鋼板では、マルテンサイト相を体積分率で30%以上含有させる必要がある。マルテンサイト相は硬質相であり、変態組織強化によって鋼板の強度を増加させる作用を有している。また、変態生成時に可動転位の発生を伴うため、鋼板の降伏比を低下させる作用も有する。一方でマルテンサイト相が90%を超えて存在すると過度に高強度化し、軟質なフェライト相が減少し成形性の確保が困難となる。以上より、マルテンサイト相の体積分率は30%以上90%以下、好ましくは40%以上70%以下とする。
板厚表層硬度の板厚中心硬度に対する比は0.6〜1
良好な絞り成形性を得るために、本発明の鋼板では、板厚表層硬度の板厚中心硬度に対する比(以下、硬度比と称することもある)を0.6〜1とする。この硬度比が0.6〜1の場合、絞り成形時の縦壁部は板厚方向に均一な組織となっており、均一に変形する。しかしながら、硬度比が0.6未満の場合は表層が板厚中心より過度に軟質化しており、また、硬度比が1より大きい場合は表層が硬質化していることになる。このように、表層と板厚中心において硬度の乖離が大きいすなわち組織が不均一であると、絞り成形時に導入される歪によって鋼板が受ける縦壁部の板厚表層と板厚中心部ではダメージが異なる。その結果、このように板厚方向における組織が不均一な場合、成形が進行するにしたがい表層部と板厚中心部の変形挙動が異なり、板厚方向に均一な組織を有する場合に比較すると早く破断に至ることになる。以上より、板厚表層硬度の板厚中心硬度に対する比は0.6〜1とする。好ましい範囲は0.75〜1である。
なお、表層および板厚中心の硬度は、ビッカース硬度計を用い押し付け荷重100gの条件にて、圧延方向に平行な板厚断面の所定位置の硬度を任意5点測定し、単純平均値として測定することができる。また、本発明において、表層とは、めっき層と鋼板地鉄界面を0μmとし、界面から板厚中心深さ方向25μm位置であり、板厚中心とは実測板厚の1/2である。例えばめっき厚みも含む実測板厚1.40mmの場合、おおよそ、表層とはめっき、地鉄界面から25μm近辺であり、板厚中心とはめっき表面から0.70mm近傍である。
また、硬度比を0.6〜1に制御するためには、例えば600℃以下の低温巻取りを行うのが効果的である。
めっき層と鋼板の界面から、鋼板側内部へ進展している亀裂と凹部の最大深さ0〜20μm、亀裂と凹部以外の平滑部面積率60%〜100%
良好な絞り成形性を得るために、本発明の鋼板では、めっき層と鋼板の界面から鋼板側内部へ進展している亀裂と凹部の最大深さが0〜20μmであり、亀裂と凹部以外の平滑部面積率が60〜100%、すなわち、亀裂と凹部の面積率を0〜40%とする。絞り成形の場合、鋼板はフランジ部からダイ肩部を通過して縦壁部へ流入する。例えば、円筒成形の場合、絞り、曲げ、曲げ戻し変形を受けてダイス内へ流れ込む、あるいはハット成形の場合では曲げ、曲げ戻し変形を受けてダイス内へ流れ込むという成形様式をとることが多い。したがって、曲げ戻し変形時に鋼板表層には歪が導入される。ここで、めっき層と鋼板の界面に亀裂や凹部が存在し、かつ一定以上の割合で存在すると、絞り成形時に亀裂発生の起点となり、破断に至り、絞り成形性を満足することが困難となる。亀裂や凹部の深さが20μm以下であれば顕在化することはない。また、亀裂や凹部の存在割合が40%を超えて存在すると、絞り成形性が劣化する。亀裂が存在しないのが好ましいが、このためには、冷間圧延後、熱処理前工程に切削など機械的に除去する工程や、酸、アルカリ処理など薬液により除去する工程など、追加工程が必要となりコスト増となり工業的には困難となる。ゆえに、顕在化しない範囲として、上記上限を設けることとする。
以上より、めっき層と鋼板の界面から鋼板側内部へ進展している亀裂と凹部の最大深さは0〜20μm、亀裂と凹部以外の平滑部面積率は60%〜100%とする。好ましくは、亀裂と凹部の最大深さは0〜5μm、亀裂と凹部以外の平滑部面積率は75%〜100%である。
なお、本発明において、めっき層と鋼板の界面から、鋼板側内部へ進展している亀裂とは、板表面は平滑であるが、任意断面組織観察において線状に、例えば、結晶粒界に沿って鋼板内部に進展しているものであり、凹部とは板表面観察においてクレーター状、例えば、鋼板表面の一部が剥離しており、任意断面組織観察において線状ではなく、例えば、1個の結晶粒が元々存在していたところにおいて、結晶が剥離しくぼみ状に観察される部分である。
また、最大深さは、めっき層と鋼板地鉄界面位置を基準(0μm)とし、亀裂の場合はめっき地鉄界面から亀裂先端部までの板厚方向の深さ、凹部の深さは開口部から凹部の最深底までの板厚方向の深さのようにして測定することができ、詳細には実施例に後述する。同様に、平滑部面積率についても、詳細には実施例に後述する。
また、めっき層と鋼板の界面から、鋼板側内部へ進展している亀裂と凹部の最大深さ0〜20μmであり、かつ亀裂と前記凹部以外の平滑部面積率が60%〜100%に制御するためには、例えば、熱延後の巻取温度を400〜600℃の範囲に制御し、表面スケール生成、鋼板内部の酸化物生成を抑制すること、熱処理炉内水素濃度を2〜20%、かつ露点:-60〜-10℃の範囲に制御することが有効である。
次に本発明の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法について説明する。
まず、以上の化学成分範囲に調整された溶鋼から、連続鋳造または造塊でスラブを溶製する。次いで、得られたスラブを冷却後再加熱するか、あるいはそのまま熱間圧延を行う。この時、スラブ加熱温度は1150〜1300℃とし、熱延板を均一組織化し、伸びフランジ性など成形性を向上させるため仕上げ圧延温度は850〜950℃とする。表面性状および冷間圧延性を向上させるため巻取り温度は400℃以上とする。また、冷間圧延後の幅方向の板厚変動の抑制、スケール生成抑制による表面の平滑化により表面性状を向上、かつ、フェライト相とパーライト相の2相からなるバンド状組織を抑制させるため巻取温度は600℃以下とする。次いで、熱延後の酸洗を浴温度10〜100℃未満、塩酸濃度1〜20%として行う。次いで、冷間圧延した後、所望の板厚とする。冷間圧延率は、フェライト相の再結晶促進により延性を向上させるため30%以上が望ましい。溶融亜鉛めっき処理は、亜鉛浴工程直前まで鋼板表面性状を良好に保つため600℃以上の昇温過程から焼鈍温度を経て450℃までの冷却過程までの熱処理炉内雰囲気を水素濃度2〜20%かつ露点-10〜-60℃とし、760〜860℃の焼鈍温度で10〜500秒保持した後、1〜30℃/秒の平均冷却速度にて冷却する。冷却後、引き続き、溶融亜鉛浴に鋼板を浸漬させて、亜鉛めっき処理する。或いは、更に、亜鉛めっき後に、めっきの合金化処理を行うこともできる。溶融亜鉛めっきの付着量は、ガスワイピング等により制御でき、また合金化処理は、450〜600℃の温度範囲にて10〜120秒保持する程度で十分である。上記のようにめっき処理後、或いは合金化処理後に室温まで冷却して高強度溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。
以下、これらの製造条件について詳細に説明する。
スラブ加熱温度:1150〜1300℃
鋳造時に析出したTi、Nb、V析出物を再溶解させる必要があり、加熱段階に存在している析出物は最終的に得られる鋼板内では粗大な析出物として存在するため、強度に寄与しない。1150℃以上の加熱により強度への寄与が認められるが、1300℃を超えて加熱すると、表層からの脱炭、オーステナイト粒の粗大化を引き起こし、コストが増加する。また、スラブ表層の気泡、偏析など欠陥をスケールオフし、鋼板表面の亀裂、凹凸を減少し、平滑な鋼板表面を達成する観点からも1150℃以上に加熱するのが好ましい。以上より、スラブ加熱温度は1150℃以上1300℃以下の範囲とする。
仕上げ圧延温度:850〜950℃
仕上げ圧延温度を850℃以上とすることによりプレス成形性(TS×λ≧45000MPa・%かつTS×El≧18000MPa・%)が著しく向上することができる。仕上げ圧延温度が850℃未満の場合、熱間圧延後に、特に幅方向エッジ部などに顕著であるが、一部熱間圧延により展伸された結晶粒径を有する未再結晶のオーステナイトと再結晶したオーステナイトが混在する場合がある。整粒な再結晶オーステナイトからは整粒な組織が、元々展伸粒が存在している領域には旧オーステナイト粒界近傍に層状にフェライト相と低温変態相が存在し、バンド状組織を形成することになる。例えば製鋼段階での鋳造偏析に起因し、オーステナイト安定化元素であるMnが偏析していると、その領域のAr3変態点が低下し、低温までオーステナイト域となる。また、温度が低下することにより未再結晶温度域と圧延終了温度が同じ温度域となり、結果的に熱間圧延中に未再結晶のオーステナイトが存在すると考えられる。このように、不均一な組織となると成形時の材料の均一な変形を阻害し、著しく優れた成形性を有することが困難となる。
一般に、熱延スケールは、高温域では短時間に成長しやすく、時間に対し、指数関数的にスケール厚は増加する。950℃を超えると酸化物生成量が急激に増大し、地鉄-酸化物界面が荒れ、酸洗、冷間圧延後の表面品質が劣化する。このように、冷間圧延後の表面品質が低下すると、最終製品である溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき-鋼板界面の鋼板側内部へ進展している亀裂と凹部の存在が顕著となり、プレス成形時に割れ易くなる。また、結晶粒径が過度に粗大となり、成形時にプレス品表面荒れを生じる場合がある。よって、仕上げ圧延温度は850〜950℃とする。尚、仕上げ圧延温度の好ましい条件は900℃〜950℃である。
巻取り温度:400〜600℃
巻取り温度については、600℃を超えると、表層からの脱炭、スケールの成長が著しく表面品質が劣化する。また鋼板内部においても、結晶粒界および粒内にSi、Mn系酸化物が生成し、酸洗後に微小亀裂、冷間圧延後に鉄粉が剥離し凹部となることにより冷間圧延材の表面が荒れ、成形性が低下する。また、巻取り温度は、熱延板強度の上昇による冷間圧延負荷の増大を抑制するため、400℃以上とする。
熱延後酸洗浴温度:10〜100℃未満、塩酸濃度:1〜20%
酸洗浴温度が10℃未満、塩酸濃度が1%未満の場合、熱延および巻取り時に生成したスケールの除去が不完全となり、鋼板表面性状は劣化しめっき外観不良が発生する。一方、酸洗浴温度が100℃以上の場合、或いは塩酸濃度が20%を超える場合、スケール除去後、過酸洗となり、地鉄-酸化物界面が荒れ、酸洗、冷間圧延後の表面品質が劣化し、最終製品である溶融亜鉛めっき鋼板において、鋼板側内部へ進展している亀裂と凹部により、プレス成形性が低下する。以上のことから熱延後酸洗浴温度:10〜100℃未満、塩酸濃度:1〜20%とする。なお、同様な効果を得られるのであれば、酸の種類は塩酸に限定するものではない。また、さらに表面性状を改善し平滑化するために酸洗に引き続きアルカリ処理工程を追加しても構わない。
溶融亜鉛めっき処理、600℃以上の昇温過程から焼鈍温度を経て450℃までの冷却過程までの熱処理炉内水素濃度:2〜20%、露点:-60〜-10℃
めっき鋼板では、溶融亜鉛ポットに入る直前の鋼板表面の状態がめっき性や成形性に重要である。Si、Mn系酸化物は600℃以上の高温域で生成し易く、いったん600℃以上に加熱された後、亜鉛ポットに進入するまでの間に炉内水素濃度が2%未満あるいは露点が-10℃を超える条件下に鋼板がさらされるとSi、Mnが鋼板表層、粒界に濃化し、酸化が進行する。Si、Mn酸化物の生成によって結晶粒界強度は低下し、炉内ロールと接触すると酸化物を媒体として結晶粒がロールに付着、鋼板表層から剥離し、亀裂や凹部を生成する。このように、地鉄-酸化物界面が荒れ、ポット進入前の表面品質が劣化したまま(鋼板側内部へ進展している亀裂と凹部が存在したまま)で、鋼板が亜鉛浴中に浸漬して、鋼板上にめっき層が形成される。このような亜鉛めっき-鋼板界面付近に形成された亀裂と凹部により、絞り成形性が著しく低下する。
水素濃度は高ければかまわず、露点も低ければかまわないが、鋼板製造上のコストの観点から、水素濃度は20%以下、露点は-60℃以上とする。また、水素以外の炉内ガスは窒素とするが好ましい。
焼鈍温度:760〜860℃の温度範囲で10〜500秒保持
焼鈍温度が760℃より低い場合、冷間圧延により結晶粒が展伸した組織に起因し、バンド状の不均一な組織となり、第2相が圧延方向に連続して存在すると鋼板の変形を阻害するため、板厚方向に亀裂が伝播しやすくなり、伸び、穴拡げ率および曲げ性など加工性が劣化する。また連続焼鈍時に十分なオーステナイト相が存在せず、最終製品にマルテンサイト相が得られず、強度不足をまねく。一方、焼鈍温度が860℃より高い場合、結晶粒径は過度に粗大化し穴拡げ率が低下し、またフェライト相の生成量も減少し伸びも低下する。以上より、760℃以上860℃以下の温度で焼鈍する。
滞留時間10秒未満では焼鈍中に未溶解炭化物が存在する可能性が高くなり、焼鈍中あるいは冷却開始温度におけるオーステナイト相の存在量が少なくなる可能性があり、最終的に鋼板の強度確保が困難となる。一方、長時間焼鈍により結晶粒は成長し粗大化する傾向にあり、500秒を超えると加熱焼鈍中のオーステナイト相の粒径が粗大化し、最終的に熱処理後に得られる鋼板の組織が粗大化し、穴拡げ率が低下する。加えて粗大粒に起因し、プレス成形後の肌荒れの原因ともなり好ましくない。また、冷却停止温度までの冷却過程中のフェライト相の生成量も減少するため伸びも低下する。したがって、より微細な組織を達成することと、焼鈍前の組織の影響を小さくし均一微細な組織を得ることとを両立するためには、焼鈍時間は10秒以上500秒以下とし、好ましくは20秒以上200秒以下とする。
平均冷却速度:1〜30℃/秒
平均冷却速度はフェライト相とマルテンサイト相の存在比率を制御し、TS780MPa級以上を確保するのに重要な役割を担っている。すなわち、平均冷却速度が30℃/秒を超えると、過度にマルテンサイト相が生成するためTS780MPa級確保は容易であるが、成形性が劣化する。一方、平均冷却速度が1℃/秒より遅いとフェライト相が多くなりすぎ、TSの低下を招く。好ましい平均冷却速度は5〜20℃/秒である。
なお、本発明においての平均冷却速度は、焼鈍温度から500℃まで冷却する際の平均冷却速度とし、500℃以降の冷却について特に限定しなくてもよい。
また、この場合の冷却は、ガス冷却が好ましいが、放冷、ミスト冷却、ロール冷却、水冷などを用いて組み合わせて行うことが可能である。
冷却後、一般的な溶融亜鉛めっき工程を通過、あるいは加えて誘導加熱装置などにより再加熱を施し、場合によっては合金化処理工程を通過し、溶融亜鉛めっき鋼板を得る。
連続焼鈍後、最終的に得られた溶融亜鉛めっき鋼板に、形状矯正や表面粗度調整の目的から調質圧延を行ってもかまわないが、過度にスキンパス圧延をすると歪が導入され結晶粒が展伸され圧延加工組織となり、延性が低下するため、スキンパス圧延する場合の圧下率は0.1〜1.5%が好ましい。
表1に示す成分を有するスラブを用い、表2に示す各条件にて熱延、酸洗、冷延、連続焼鈍、およびめっき処理を行い板厚1.4mm、亜鉛皮膜付着量45g/m2の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。尚、亜鉛めっき浴温度は460℃で行い、めっきの合金化は550℃で実施した。このようにして得られた溶融亜鉛めっき鋼板について、下記に示す材料試験を行い、材料特性を調査した。得られた結果を表3に示す。
Figure 2008156734
Figure 2008156734
(1)鋼板の組織
圧延方向に平行な板厚断面(深さ位置は板厚の1/4位置)を光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡で観察することにより調査した。フェライト相結晶粒径は、JISZ0552に規定の方法に準拠して結晶粒度を測定し、平均結晶粒径に換算した。マルテンサイト相体積分率は倍率1000倍の断面組織写真を用いて、画像解析により任意に設定した100mm×100mm四方の正方形領域内に存在するマルテンサイト相の占有面積を求め、マルテンサイト相体積分率とした。
めっき層と鋼板の界面から鋼板側内部へ進展している亀裂と凹部の最大深さ、および亀裂と凹部以外の平滑部面積率の測定方法について図1に示す。図1に示すように、めっき層と地鉄界面境界における凹部と亀裂部の最大深さは、倍率が1000倍の断面SEM写真を用いて、めっき層と地鉄界面境界における凹部、亀裂部の開口端から鋼板内部に向かって進展している凹部の底、あるいは亀裂部先端までの距離の中でもっとも深い方の値を採用した。また、図1に示すように、平滑部の面積率は圧延方向に平行な板厚断面において、100μm×100μm領域内の任意10箇所の鋼板表層の断面SEM写真(倍率1000)を用いて、任意の断面線長100μmに対して、平滑部(凹部、および亀裂部の開口部を除いた平滑部分)の占める線長の総和の割合を求めた。尚、最大深さ、面積率ともに任意10ヶ所の断面の観察を実施し、それぞれ平均値を求めた。
(2)引張特性:圧延方向に対して直角方向を長手方向(引張方向)とするJISZ2201の5号試験片を用い、JISZ2241準拠した引張試験を行い評価した。なお、引張特性の評価基準はTS×El≧14000MPa・%以上を良好とした。
(3)穴拡げ率:日本鉄鋼連盟規格JFST1001に基づき実施した。初期直径d=10mmの穴を打抜き、60°の円錐ポンチを上昇させ穴を拡げた際に、亀裂が板厚貫通したところでポンチ上昇を止め、亀裂貫通後の打抜き穴径dを測定し、穴拡げ率(%)=((d- d)/ d)×100として算出した。N=3で試験し、単純平均値で求めた。なお、穴拡げ率の評価基準はTS×λ≧30000MPa・%以上を良好とした。
(4)絞り成形性:ポンチ径50mmφ、ポンチ肩半径5mmR、ダイス内径55mmφ、ダイ肩半径5mmRの円筒深絞り試験により評価した。潤滑はポリエチレンシートを用いた。直径の異なる複数の試料(円盤上の薄板)を用いて、円筒深絞り成形し、絞り比(ポンチ直径に対する試料の直径)が1.5の条件にて成形可能な場合、絞り成形性を良好とした。
(5)硬度:ビッカース硬度計を用い押し付け荷重100gの条件にて、圧延方向に平行な板厚断面の硬度を測定した。めっき層と地鉄界面を最表層とし、最表層から深さ25μmの位置の硬度(任意5点の平均)を板厚表層の硬度として測定した。また、最表層から深さ0.70mmの位置の硬度(任意5点の平均)を板厚中心の硬度として求めた。
Figure 2008156734
表3より、本発明例では、絞り比1.5を満足し、さらに加えてTS×El≧14000MPa・%以上、TS×λ≧30000MPa・%のすべてを同時に満足し、成形性、特に絞り成形性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板が得られていることがわかる。
一方、熱延スラブ加熱条件が本発明範囲外であるNo7は、平滑部面積が小さく(亀裂、凹部の面積率が多く)、絞り成形性が劣っている。
熱延巻取り温度、酸洗条件、水素濃度、露点条件のいずれかが本発明範囲外であるNo8、9、10、11、12は、亀裂、凹部の最大深さが長く、平滑部面積が小さいため、絞り成形性が劣っている。
焼鈍温度が高いNo13は、焼鈍中のオーステナイト分率が多く、最終的に得られるマルテンサイト量が所定量を超過しておりTS×El値が低く、成形性が劣る。No14は焼鈍温度での保持時間が過度に長く、結晶粒径が粗大化しすぎるため伸び、伸びフランジ性に劣る。
冷却速度が速いNo15はフェライトの量が少なくTSが高くなりすぎ、Elが低く延性に劣る。
C成分が本発明範囲外であるNo18はマルテンサイト相が過度に硬質化し、伸びフランジ性、絞り成形性も劣っている。
Si成分が本発明範囲外であるNo19は亀裂、凹部の亀裂深さが長く、平滑部面積が小さいため、伸びフランジ性、絞り成形性が劣っている。Mn成分が本発明範囲外であるNo20はマルテンサイト相体積分率が多く範囲外となり高TS低ElとなりTS×El値が低く成形性が劣っている。
本発明の高強度冷延鋼板は、自動車部品以外にも、建築および家電分野など厳しい寸法精度、加工性が必要とされる分野に対しても好適に用いられる。
めっき層と鋼板の界面から鋼板側内部へ進展している亀裂と凹部の最大深さ、および亀裂と凹部以外の平滑部面積率の測定方法を示す図である。(実施例1)

Claims (4)

  1. mass%で、C:0.03〜0.12%、Si:0.01〜1.0%、Mn:1.5〜2.5%、P:0.001〜0.05%、S:0.0001〜0.005%、Al:0.005〜0.15%、N:0.001〜0.01%、Cr:0.01〜0.5%、Ti:0.005〜0.05%、Nb:0.005〜0.05%、V:0.005〜0.5%、B:0.0003〜0.0030%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、
    平均結晶粒径10μm以下のフェライト相と体積分率30〜90%のマルテンサイト相を含む組織を有し、
    板厚表層硬度の板厚中心硬度に対する比が0.6〜1であり、めっき層と鋼板の界面から鋼板側内部へ進展している亀裂および凹部の最大深さが0〜20μmであり、さらに、前記亀裂および前記凹部以外の平滑部面積率が60%〜100%であることを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. さらに、mass%で、Mo:0.01〜0.5%、Cu:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜0.5%のうちの1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 請求項1または2に記載の成分からなる鋼に、熱間圧延、酸洗および冷間圧延を行い、溶融亜鉛めっき処理を経て溶融亜鉛めっき鋼板を製造するに際し、
    前記熱間圧延では、スラブ加熱温度を1150〜1300℃、仕上げ圧延温度を850〜950℃、巻取り温度を400〜600℃とし、
    前記酸洗では、浴温度を10〜100℃未満、塩酸濃度を1〜20%とし、
    前記溶融亜鉛めっき処理では、600℃以上の昇温過程から焼鈍温度を経て450℃までの冷却過程までの熱処理炉内雰囲気を水素濃度2〜20%かつ露点-60〜-10℃とし、760〜860℃の焼鈍温度で10〜500秒保持した後、1〜30℃/秒の平均冷却速度で冷却することを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  4. 前記溶融亜鉛めっき処理後に、さらに、合金化処理することを特徴とする請求項3に記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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