JP2008154544A - アミノ変性シリカゲルからなるフィルタ素材およびそれを用いたたばこフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】たばこフィルタを、平均細孔径5nm以上350nm以下のベースシリカゲルにアミノアシルシリル基を全窒素含有量が0.20重量%以上でかつ1.00重量%以下の量を導入したアミノ変性シリカゲル構成されているたばこフィルタ用素材で構成する。前記たばこフィルタ用素材はアミノアシルシリカゲルの導入量が少ないにも関わらず、ホルムアルデヒドを効率よく選択除去できる。そして、両端部をフィルタロッドで構成し中間部にこれらのたばこフィルタ用素材を配したたばこフィルタでは例えば、ニコチンおよびタールをそれぞれ保持率75%以上に保持しつつ、ホルムアルデヒド保持率を40%以下にすることができ、通気抵抗値を上げることがない。
【選択図】なし
Description
このようなアミノ変性シリカゲルの全窒素含有量は約1〜3重量%、より好ましくは1.5〜2.1重量%であることが記載されている。
この文献ではアミノ変性シルカゲルをもちいることにより、アルデヒド類を減少させる効果は記載されている。そして、そのアミノ変性シリカゲルの細孔径(平均細孔径と思われる)については60〜150オングストローム、すなわち0.6〜15nmと小さい孔径のものが好ましい範囲として記載されている。[段落番号0079]
しかしながら、一方でたばこ煙成分中にはタールやニコチンのように喫煙者の喫煙による満足感を向上させる有用な成分が含まれているが、これらの残存率については何ら記載がない。
したがって、ホルムアルデヒドの選択吸着性を維持しつつ、タールやニコチンの吸着量が少ない変性アミノシリカゲルであり、水分(水蒸気)の吸着が少ないたばこ煙用フィルタ材料を用いた、たばこ煙用フィルタが求められていた。
すなわち、特に好ましくは全体の90重量%以上の粒子粒度が0.5mmから1.5mmの範囲内にあるものであっても良い。
本発明に用いるベースシリカゲルはまた、温度22℃および60%RHにおいて、前記ベースシリカゲルの平衡水分率は0.10〜10.00%程度(例えば0.10〜9.50%)であってもよい。特に好ましくは、前記ベースシリカゲルの平衡水分率は0.10〜5.00%程度(例えば0.15〜4.70%)であってもよい。
本発明のたばこフィルタ用素材は、特定の平均細孔径のベースシリカゲルにアミノアシルシリル基を導入したアミノ変性シリカゲルで構成されている。
前記の通り本発明において用いられるベースシリカゲルは特定の細孔径を有するシリカゲルである。シリカゲルは一般的に珪酸ナトリウム水溶性と鉱酸(塩酸や硫酸など)を混合し、ゲル化させ水洗して形成する。珪酸ナトリウムは鉱酸との混合で珪酸モノマーとなり脱水縮合して環状化合物を形成する。
シリカゲルは前記の通りシラノール基を有しており、特に表面にシラノール基を有している。この表面のシラノール基が水分子と結合するため、通常シルカゲルは吸湿剤として使用されているようにその平行水分は高く概ね20重量%以上である。
またアルデヒド類の吸着性能は主には導入したアミノアシルシリル基のアミノ基部分が有する化学的な反応性に依存すると思われていた。このためアミノアシルシリル基の導入量はかなり多い量が必要であると思われていた。
しかしながら、本発明の発明者が実験したところ、驚くべきことに平均細孔径が5nmから350nmのシルカゲルを用い、更にアミノアシルシリル基の導入量が全窒素含有量で0.20重量%以上でかつ1.00重量%という低い数値とした場合に、アルデヒド類の除去性能も低く、かつニコチン、タール、水分の保持率が高いたばこの喫味が良いフィルタ素材が得られることが判明した。
本発明のアミノ変性シリカゲルは第1アミン基を含有するものが好適である。通常の喫煙条件下では、第1アミン基はタバコ煙中のアルデヒドと化学的に反応してそれに共有結合する。アルデヒドはタバコ煙から選択的に除去される。さらに、反応性官能基及びアルデヒドとの反応から生じるそれらの生成物は不揮発性のシリカゲルに共有結合されているので、主流タバコ煙からアルデヒド類を除去することができる。本発明のアミノ変性シリカゲルはアミノアシルシリル基を導入されて作られる。導入するアミノアシルシリル基としては、3−アミノプロピルシリル基又はN−[2−アミノエチル]−3−アミノプロピルシリル基又はN−[3−アミノエチル]−3−アミノプロピルシリル基又はN−[N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルシリル基の如きアミノプロピルシリル基であってもよい。
このようなアミノ変性シリカゲルの製造工程は、3−アミノプロピルトリメトキシシランの如き他のアミノプロピルトリアルコキシシランで実施されてもよい。
以下本発明のたばこフィルタ用素材について説明をする。
なお、前記たばこフィルタ用素材(又はたばこフィルタ)は、さらに他の成分、例えば、無機微粉末(カオリン、タルク、ケイソウ土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナなど)、熱安定化剤(アルカリ又はアルカリ土類金属の塩など)、着色剤、白色度改善剤、油剤、歩留まり向上剤、サイズ剤、アナターゼ型酸化チタン、天然高分子又はその誘導体(セルロース粉末など)などを含んでいてもよい。他の成分は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
前記のように、本発明のたばこフィルタ用素材は、たばこフィルタを構成できる。すなわち、本発明のたばこフィルタは、通常、たばこフィルタを構成する素材(たばこフィルタ用素材)と、前記たばこフィルタ用素材とで構成できる。そして、このようなたばこフィルタは、たばこフィルタ用素材(又はたばこフィルタ、単に、フィルタ用素材、素材などということがある)に前記たばこフィルタ用素材を含有させることにより製造できる。
本発明のたばこフィルタ用素材が充填されたたばこフィルタ(i)では、例えば、複数に分割[2分割(デュアル(dual)、3分割(トリプル(triple)など]された構造を有するたばこフィルタ用素材の少なくとも一つの分割部分(例えば、2分割されたフィルタ用素材の一方の部分、3分割されたフィルタ用素材の中央部分など)を、前記たばこフィルタ用素材(又は前記たばこフィルタ用素材が充填されたフィルタ用素材)で構成(又は置換又は充填)することにより、たばこフィルタ用素材(又はたばこフィルタ)に前記たばこフィルタ用素材を充填してもよい。
保持率(%)=(Y/X)×100
また、本発明では、たばこフィルタの通気抵抗を著しく増大させることなく、たばこフィルタ内に前記たばこフィルタ用素材を組み込むことができる。そのため、本発明のたばこフィルタは、たばこ煙用に適した通気性を有しており、たばこフィルタを取り付けたたばこの通気抵抗は、長さ25mm、円周24.5±0.2mmのたばこフィルタを、同様の円周の60mmのたばこに取り付け、流量17.5ml/秒で空気を通過させたときの圧力損失で測定したとき、150〜600mmWG(ウォーターゲージ)の範囲から選択でき、例えば、150〜500mmWG、好ましくは160〜300mmWG、さらに好ましくは160〜250mmWG程度であってもよい。
業株式会社製)、フィルタ部分の長さ25mm、円周約25mm]を用いて作成したたばこ煙用フィルタサンプルを取り付けたたばこの通気抵抗を測定した。 通気抵抗は、たばこ煙用フィルタサンプル内に、流量17.5ml/秒で空気を通過させたときの圧力損失(mmWG)として、自動通気抵抗測定器(フィルトローナ社製、FTS300)を用いて測定した。
たばこ煙用フィルタサンプルを取り付けたたばこを用い、ピストンタイプの定容量型自動喫煙器(ボルグワルド社製RM20/CS)により、流量17.5ml/秒で喫煙時間2秒/回、喫煙頻度1回/分の条件での喫煙を、計10本のたばこ煙用フィルタサンプルについて行った。フィルタを通過した煙中のニコチン及びタールはガラス繊維製フィルタ(ケンブリッジフィルタ)で捕集し、ニコチン量はガスクロマトグラフ((株)日立製作所製G−3000)を用いて測定した。タール量は重量法により測定を行った。
タール保持率(%)=100×(Ct/Tt)。
たばこ煙用フィルタサンプルを取り付けたたばこを用い、ピストンタイプの定容量型自動喫煙器(ボルグワルド社製RM20/CS)により、流量17.5ml/秒で喫煙時間2秒/回、喫煙頻度1回/分の条件で喫煙を行った。フィルタを通過した煙中のホルムアルデヒドは、DNPH(ジニトロフェニルヒドラジン)溶液で捕集し、DNPHで誘導体化した上で高速液体クロマトグラフを用いてUV(紫外線)の吸光度を用い測定した。
たばこ煙用フィルタサンプルを取り付けたたばこを用い、ピストンタイプの定容量型自動喫煙器(ボルグワルド社製RM20/CS)により、流量17.5ml/秒で喫煙時間2秒/回、喫煙頻度1回/分の条件での喫煙を、計10本のたばこ煙用フィルタサンプルについて行った。
フィルタを通過した煙中の水分はガラス繊維製フィルタ(ケンブリッジフィルタ)で捕集し、メタノールで抽出し、カールフィシャー水分計(CA-06)で定量した。
下記の実施例及び比較例で用いるアミノ変性シリカゲルは以下の方法で調整した。アミノ変性シリカゲルのベースシリカゲルの性状について表1に記載した。
表1に記載の各ベースシリカゲルを用い、耐熱ガラス製の容器にエタノール水溶液と共に入れ、攪拌ながら加熱した。アミノプロピルエトキシシランをエタノールで希釈し、シリカゲルと水とエタノールの混合攪拌物に添加した。
加熱と攪拌を継続しながら、水を添加して溶液量を保った。加熱と攪拌を終了後、混合物を冷却した。得られた混合物を水とエタノールの混合溶液で希釈して、濾別した。濾別された固形物を吸引漏斗上で更に水とエタノールの混合溶液で洗浄した。洗浄終了後、固形物は乾燥させられた。
乾燥終了後、原子吸光分析を行い、炭素、水素、窒素の各元素量を測定した。結果を表1に記載する。
平均細孔径が小さいベースシリカゲルを用い、アミノアシルシリル基を全窒素含有量が2.08重量%及び1.39重量%のアミノ変性シリカゲルを調製した。
得られたアミノ変性シリカゲルを用い以下のようにしてたばこ煙用フィルタサンプルを作成した。
市販の煙草[ピース・ライト・ボックス(登録商標第2122839号)(日本たばこ産業株式会社製)]のセルロースジアセテート捲縮繊維トウのフィルタ本体(25mm)の末端から14mmの部分をカミソリで切断した。切断した長片すなわち、タバコ葉充填片のフィルタ部に長さ20mm、内径8mmのガラス管を残フィルター長に相当する長さ(11mm)だけ挿入し、これらをシーリングテープにて結束した。
結果を表−2に記載する。
実施例1から5では、本発明で特定する範囲の平均細孔径が大きい様々な平均細孔径を有するシリカゲルをベースシリカゲルとして用いた、このシリカゲルの性状を表1に示す。
前記のアミノ変性シリカゲルの調製の工程で製造されたアミノ変性シリカゲルについて、比較例1と同様にして、フィルタ間に空隙を作りアミノ変性シリカゲルを充填した。アミノ変性シリカゲルの充填量は煙草一本当たり100mgであった。
Claims (7)
- 平均細孔径が20nmから350nmであるシリカゲルにアミノアシルシリル基を導入したアミノ変性シリカゲルからなるたばこフィルタ素材。
- 平均細孔径が20nmから130nmである請求項1に記載のたばこフィルタ素材。
- 全窒素含有量が0.20重量%以上でかつ1.00重量%以下の請求項1乃至2に記載のたばこフィルタ素材。
- 全窒素含有量が0.3重量%以上かつ0.90重量%以下である請求項3に記載のたばこフィルタ素材。
- 全窒素含有量が0.50重量%以上かつ0.90重量%以下である請求項1から4何れかに記載のたばこフィルタ素材。
- 請求項1から5何れかに記載のたばこフィルタ素材を用いたたばこ。
- 少なくとも3個の部分から構成されているたばこフィルタであって、中間部に請求項1から5の何れかに記載のたばこフィルタ素材が配置されているたばこフィルタ。
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