JP2008148695A - Apo−2レセプター - Google Patents

Apo−2レセプター Download PDF

Info

Publication number
JP2008148695A
JP2008148695A JP2007318714A JP2007318714A JP2008148695A JP 2008148695 A JP2008148695 A JP 2008148695A JP 2007318714 A JP2007318714 A JP 2007318714A JP 2007318714 A JP2007318714 A JP 2007318714A JP 2008148695 A JP2008148695 A JP 2008148695A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
apo
polypeptide
antibody
cells
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007318714A
Other languages
English (en)
Inventor
Avi J Ashkenazi
ジェー. アシュケナジ,アヴィ
Camellia Adams
アダムス,カメリア
Anan Chuntharapai
チュンタラパイ,アナン
Kyung Jin Kim
ジン キム,キュン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Genentech Inc
Original Assignee
Genentech Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=26693808&utm_source=***_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2008148695(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Genentech Inc filed Critical Genentech Inc
Publication of JP2008148695A publication Critical patent/JP2008148695A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/70578NGF-receptor/TNF-receptor superfamily, e.g. CD27, CD30, CD40, CD95
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2217/00Genetically modified animals
    • A01K2217/05Animals comprising random inserted nucleic acids (transgenic)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Abstract

【課題】動物細胞のアポトーシス(プログラムされた細胞死)に関与する、Apo-2と命名された新規レセプター蛋白質および関連ペプチドと、それらをコードする核酸、および該蛋白質に関連する疾患の治療法を提供する。
【解決手段】Apo-2レセプターポリペプチド、Apo-2に対する抗体、異種性アミノ酸とApo−2とのキメラ分子、およびそれらポリペプチドをコードする遺伝子核酸、さらにそれらを発現する宿主細胞とトランスジェニック動物。また、それらを利用する癌の治療法。
【選択図】なし

Description

Apo-2レセプター
〔発明の分野〕
本発明は、一般に、ここにApo-2と命名する新規ポリペプチドの同定、単離、及び組換え生産、及び抗Apo-2抗体に関する。
〔発明の背景〕
アポトーシス又は「プログラムされた細胞死」
哺乳動物における細胞数のコントロールは、細胞増殖と細胞死のバランスにより部分的に決定されると考えられている。しばしば壊死性細胞死と称される細胞死の一形態は、典型的には、ある種の外傷又は細胞傷害の結果生じる細胞死の病理的形態として特性付けられる。これに対して、通常は規則的又はコントロールされた状態で進行する細胞死の他の「生理的」形態がある。細胞死のこの規則的又はコントロールされた形態は、しばしば「アポトーシス」と称される[例えば、Barrら,Bio Technology,12:487-493(1994);Stellerら,Science,267:1445-1449(1995)を参照]。アポトーシス性細胞死は、免疫系におけるクローン選択と胚の発達を含む多くの生理的プロセスにおいて自然に生じる[Itohら,Cell,66:233-243(1991)]。アポトーシス性細胞死のレベルの減少は、癌、狼瘡、疱疹ウイスル感染を含む種々の病理的条件に関連している[Thompson,Science,267:1456-1462(1995)]。アポトーシス性細胞死のレベルの増加は、エイズ、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、色素性網膜炎、小脳変性、無形成性貧血、心筋梗塞、脳卒中、再灌流傷害、及び毒素誘発性肝疾患を含む様々な他の病理状態に関連している[Thompson,上掲を参照]。
典型的には、アポトーシス性細胞死には、細胞内における一又は複数の特徴的な形態学的及び生化学的変化、例えば細胞質の凝結、原形質膜の微絨毛の喪失、核の分節化、染色体DNAの分解又はミトコンドリア機能の喪失が伴う。様々な外因的及び内因的シグナルが、このような形態学的及び生化学的な細胞変化を惹起又は誘発すると考えられている[Raff,Nature,356:397-400(1992);Steller,上掲;Sachsら,Blood,82:15(1993)]。例えば、ホルモンの刺激、例えば未成熟胸腺細胞に対する糖質コルチコイドホルモン、並びにある種の成長因子の退薬により惹起され得る[Watanabe-Fukunagaら,Nature,356:314-317(1992)]。また、いくつかの同定された発癌遺伝子、例えばmyc、rel、及びE1A、及び腫瘍サプレッサー、例えばp53が、アポトーシスを誘導する役割を有していることも報告されている。ある種の化学療法薬及びある種の放射線も同様にアポトーシス誘導活性を有していることも見出されている[Thompson,上掲]。
サイトカインのTNFファミリー
様々な分子、例えば腫瘍壊死因子-α(「TNF-α」)、腫瘍壊死因子-β(「TNF-β」すなわち「リンホトキシン」)、CD30リガンド、CD27リガンド、CD40リガンド、OX-40リガンド、4-1BBリガンド、アポ1リガンド(Fasリガンド又はCD95リガンドとも称される)、及びApo-2リガンド[トレイル(TRAIL)とも称される]が、サイトカインの腫瘍壊死因子(「TNF」)ファミリーのメンバーとして同定された[例えば、Gruss及びDower,Blood,85:3378-3404(1995);Wileyら,Immunity,3:673−682(1995);Pittiら,J.Biol.Chem.,271;12687-12690(1996);1997年1月16日に公開されたWO97/01633]。これらの分子のなかでも、TNF-α、TNF-β、CD30リガンド、4-1BBリガンド、アポ1リガンド、及びApo-2リガンド(TRAIL)は、アポトーシス性細胞死に関与していることが報告されている。TNF-αとTNF-βの両方とも、感受性腫瘍細胞におけるアポトーシス性死を誘導することが報告されている[Schmidら,Proc.Natl.Acad.Sci.,83:1881(1986);Dealtryら,Eur.J.Immunol.,17:689(1987)]。ゼングらは、TNF-αがCD8ポジティブT細胞のポスト刺激性アポトーシスに関与していることを報告している[Zhengら,Nature,377:348-351(1995)]。他の研究者は、CD30リガンドが胸腺における自己反応性T細胞の欠失に関与していることを報告している[Amakawaら,プログラム細胞死に関するコールドスプリングハーバー研究所のシンポジウム、要約集、第10巻、(1995)]。
マウスのFas/アポ1レセプター又はリガンド遺伝子(それぞれ1pr及びgldと呼称される)における変異がいくつかの自己免疫疾患に関連しており、アポ1リガンドが末梢の自己反応性リンパ球のクローン除去を調節する役割を担っていることを示している[Krammerら,Curr.Op.Immunol., 6:279-289(1994);Nagataら,Science,267:1449-1456(1995)]。また、アポ1リガンドは、CD4ポジティブTリンパ球及びBリンパ球においてポスト刺激性アポトーシスを誘導することが報告されており、それらの機能がもはや必要でなくなった際の活性化リンパ球の除去に関与している[Krammerら,上掲;Nagataら,上掲]。アポ1レセプターと特異的に結合するアゴニストのマウスモノクローナル抗体は、TNF-αに匹敵するか類似する細胞死滅活性を示すことが報告されている[Yoneharaら,J.Exp.Med.,169:1747-1756(1989)]。
レセプターのTNFファミリー
このようなTNFファミリーのサイトカインが介在する種々の細胞反応誘導は、特異的な細胞レセプターに結合することにより開始されると考えられている。
約55-kDa(TNFR1)と75-kDa(TNFR2)の2つの異なるTNFレセプターが同定されており[Hohmanら,J.Biol.Chem.,264:14927-14934(1989);Brockhausら,Proc.Natl.Acad.Sci.,87:3127-3131(1990);1991年3月20日に公開されたEP417563]、双方のレセプター型に対応するヒト及びマウスcDNAが単離され、特徴付けされている[Loetscherら,Cell,61:351(1990);Schallら,Cell,61:361(1990);Smithら,Science,248:1019-1023(1990);Lewisら,Proc.Natl.Acad.Sci.,88:2830-2834(1991);Goodwinら,Mol.Cell.Biol.,11:3020-3026(1991)]。広範な多型性が、双方のTNFレセプター遺伝子に関連している[例えば、Takaoら,Immunogenetics,37:199-203(1993)を参照]。双方のTNFRは細胞外、膜貫通及び細胞内領域を含む細胞表面のレセプターの典型的な構造を共有する。双方のレセプターの細胞外部分はまた可溶性TNF結合タンパク質として天然に見出される[Nophar,Yら,EMBO J.,9:3269(1990);及びKohno,Tら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,87:8331(1990)]。組換え体可溶性TNFレセプターのクローニングはヘイル(Hale)らにより報告されている[J.Cell.Biochem. 増補15F,1991,p.113(P424)]。
1型又は2型のTNFR(TNFR1及びTNFR2)の細胞外部分は、NH2末端から出発して、1〜4とされる4つのシステインに富んだドメイン(CRD)の反復アミノ酸配列パターンを含む。各CRDは約40のアミノ酸長のものであり、良好に保存された位置に4〜6のシステイン残基を含んでいる[Schallら,上掲;Loetscherら,上掲;Smithら,上掲;Nopharら,上掲;Kohnoら,上掲]。TNFR1において、4つのCRDのおおよその境界は次の通りである:CRD1−14から約53までのアミノ酸;CRD2−約54から約97までのアミノ酸;CRD3−約98から約138までのアミノ酸;CRD4−約139から約167までのアミノ酸。TNFR2において、CRD1は、17〜約54までのアミノ酸を、CRD2は約55から約97までのアミノ酸を;CRD3は約98から約140までのアミノ酸を;CRD4は約141から約179までのアミノ酸を含む[Bannerら,Cell,73:431-435(1993)]。また、リガンド結合におけるCRDの潜在的な役割は前掲のバナー(Banner)らにより記載されている。
CRDの類似の反復パターンが、p75神経成長因子レセプター(NGFR)[Johnsonら,Cell,47:545(1986);Radekeら,Nature,325:593(1987)]、B細胞抗原CD40[Stamenkovicら,EMBO J.,8:1403(1989)]、T細胞抗原OX40[Malletら,EMBO J.,9:1063(1990)]及びFas抗原[Yoneharaら,上掲、及びItohら,上掲]を含むいくつかの他の細胞表面タンパク質に存在している。また、CRDはショープ(Shope)及び粘液腫ポックスウィルスの可溶型TNFR(sTNFR)様のT2タンパク質にも見出されている[Uptonら,Virology,166:20-29(1987);Smithら,Biochem.Biophys.Res.Commun.,176:335(1991);Uptonら,Virology,184:370(1991)]。これらの配列の最適なアラインメントは、システイン残基の位置が良好に保存されていることを示している。これらレセプターは、しばしば集合的に、TNF/NGFレセプタースーパーファミリーのメンバーと称される。p75NGFRに関する最近の研究では、このドメインにおけるCRD1の欠失[Welcher,A.A.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:159-163(1991)]又はアミノ酸の挿入[Yan.H及びChao,M.V.,J.Biol.Chem.,266:12099-12104(1991)]は、NGF結合にはほとんど又は全く影響を持たないことが示されている[Yan.H及びChao,M.V.,上掲]。p75NGFRはNGF結合に関与せず、そのCRD4と膜貫通領域の間に約60のアミノ酸のプロリンに富んだ伸長部を含む[Peetre,Cら,Eur.J.Hematol.、41:414-419(1988);Seckinger,Pら,J.Biol.Chem.,264:11966-11973(1989);Yan.H及びChao,M.V.,上掲]。同様のプロリンに富んだ領域はTNFR2に見出されているが、TNFR1にはない。
イトーらは、アポ1レセプターが55-kDaのTNFR1によりシグナル化されるものと同様のアポトーシス性細胞死をシグナル化し得ることを開示している[Itogら,上掲]。また、アポ1抗原の発現は、細胞をTNF-α又は抗アポ1のマウスモノクローナル抗体で処理した場合に、TNFR1のものと共にダウンレギュレーションされることが報告されている[Krammerら,上掲;Nagataら,上掲]。従って、アポ1及びTNFR1レセプターの双方を同時発現する株化細胞が、共通のシグナル伝達経路を通して細胞死滅を媒介しているとの仮説を唱える研究者もいた[同]。
リンホトキシン-αを除き、今日までに同定されているTNFファミリーのリガンドは、II型の膜貫通タンパク質であり、そのC-末端は細胞外にある。
これに対して、今日までに同定されているTNFレセプター(TNFR)ファミリーのレセプター類はI型の膜貫通タンパク質である。しかしながら、TNFリガンド及びレセプターファミリーの双方において、ファミリーメンバーで同定された相同性は、主として細胞外ドメイン(「ECD」)において見出されている。TNF-α、アポ1リガンド及びCD40リガンドを含むTNFファミリーサイトカインのいくつかは、細胞表面においてタンパク質分解的に切断され;各場合に得られたタンパク質は、典型的には、可溶性サイトカインとして機能するホモ三量体分子を形成する。また、TNFレセプターファミリーのタンパク質は、通常、タンパク質分解的に切断され、同族のサイトカインの阻害剤として機能し得る可溶性レセプターのECDを放出する。
最近になって、哺乳動物のTNFRファミリーの他のメンバーが同定されている。マースターズ(Marsters)ら、Curr.Biol.,6:750(1996)において、研究者は、細胞外のシステインに富んだ反復についてTNFRファミリーに対して類似性を示し、細胞質デスドメイン配列を含む点でTNFR1及びCD95に似ており、アポ3と称される、ヒトのポリペプチド天然配列の全長を開示している[Marstersら,Curr.Biol.,6:1669(1996)]。他の研究者に依れば、アポ3はDR3、wsl-1及びTRAMPとも称されている[Chinnaiyanら,Science,274:990(1996);Kitsonら,Nature,384:372(1996);Bodmerら,Immunity,6:79(1997)]。
パンらは、「DR4」と称される他のTNFレセプターファミリーのメンバーを開示している[Panら,Science,276:111-113(1997)]。DR4は細胞自殺器を活動させる細胞質デスドメインを含むと報告されている。パンらは、DR4がApo-2リガンド又はTRAILとして知られているリガンドに対するレセプターであると考えられることを開示している。
アポトーシス誘導性シグナル伝達複合体
現在理解されているように、細胞死プログラムは、少なくとも3つの重要な成分−活性化因子、阻害剤及びエフェクターを含む;線虫(C.elegans)において、これらの成分はそれぞれ3つの遺伝子、Ced-4、Ced-9及びCed-3によりコード化されている[Steller,Science,267:1445(1995);Chinnaiyanら,Science,275:1122-1126(1997)]。TNFRファミリーのメンバーの2つ、TNFR1及びFas/Apol(CD95)は、アポトーシス性細胞死を活性化し得る[Chinnaiyan及びDixit,Current Biology,6:555-562(1996);Fraser及びEvan,Cell,85:781-784(1996)]。また、TNFR1は転写因子、NF-κBの活性化を媒介することも知られている[Tartagliaら,Cell,74:845-853(1993);Hsuら,Cell,84:299-308(1996)]。ある程度のECD相同性に加えて、これら2つのレセプターは、デスドメインとして知られているオリゴマー形成界面の細胞内ドメイン(ICD)での相同性を共有する[Tartaglia,上掲;Nagata,Cell,88:355(1997)]。また、デスドメインはアポトーシスを調節するいくつかの後生動物タンパク質、すなわちFADD/MORT1、TRADD及びRIPと称されるショウジョウバエタンパク質、リーパー(Reaper)及び哺乳動物タンパク質中においても見出されている[Cleaveland及びIhle,Cell,81:479-482(1995)]。ラベンらは、酵母-二重ハイブリッド系を使用して、TNFR1デスドメインに結合するタンパク質wsl-1の同定を報告している[Ravenら,Programmed Cell Death Meeting,9月 20-24,1995、127頁の要約;Ravenら,European Cytokine Network,7.:210頁の要約.82(1996年4-6月)]。wsl-1タンパク質はTNFR1に相同で(48%の同一性)、制限的な組織分布を有すると記載されている。ラベン(Raven)らに依れば、wsl−1の組織分布は、TNFR1結合タンパク質、TRADDとは顕著に異なる。
リガンド結合及びレセプターのクラスター形成の際に、TNFR1とCD95は死誘導性シグナル伝達複合体にFADDを補充するものと考えられている。
言われるところによれば、CD95はFADDに直接結合する一方、TNFRIはTRADDを介して間接的にFADDに結合する[Chinnaiyanら,Cell,81:505-512(1995);Boldinら,J.Biol.Chem.,270:387-391(1995);Hsuら,上掲;Chinnaiyanら,J.Biol.Chem.,271:4961-4965(1996)]。FADDは、Ced-3-関連プロテアーゼ、MACHα/FLICE(カスパーゼ8)を、死シグナル伝達複合体に補充するアダプターとなることが報告されている[Boldinら,Cell,85:803-815(1996);Mizuoら,Cell,85:817-827(1996)]。MACHα/FLICEは、細胞死プログラムのいくつかの重要な側面を実施し得る、インターロイキン-1β変換酵素(ICE)及びCPP32/Yamaを含むアポトーシス性プロテアーゼのカスケードを引き起こすトリガーであると思われる[Fraser及びEvan,上掲]。
プログラム細胞死が、線虫の細胞死遺伝子、ced−3、及び哺乳動物のIL-1-変換酵素、ICEに関連したシステインプロテアーゼファミリーのメンバーの活性に関与していることが最近開示された。ICE及びCPP32/Yamaプロテアーゼの活性は、牛痘ウイルス遺伝子、crmAの産物により阻害され得る[Rayら,Cell,69:597-604(1992);Tewariら,Cell,81:801-809(1995)]。最近の研究では、CrmAがTNFR-及びCD95-誘導細胞死を阻害し得ることが示されている[Enariら,Nature,375:78-81(1995);Tewarlら,J.Biol.Chem.,270:3255-3260(1995)]。
テワリ(Tewari)らにより最近レビューされているように、TNFR1、TNFR2及びCD40は、転写因子、NF-κBの活性化により、炎症誘発性及び同時刺激性サイトカイン、サイトカインレセプター、及び細胞接着分子の発現を変調する[Tewariら,Curr.Op.Genet.Develop.,6:39-44(1996)]。NF-κBは、そのサブユニットが保存Re1領域を含有する二量体転写因子のファミリーの原型である[Vermaら,Genes Develop.,9:2723-2735(1996);Baldwin,Ann.Rev.Immunol.,14:649-681(1996)]。その潜伏形態において、NF-κBはIκB阻害剤ファミリーのメンバーと複合化しており;所定の刺激に反応してIκBの不活性化の際に、放出されたNF-κBが、特異的DNA配列と結合する核に移行して遺伝子転写を活性化する。
サイトカインのTNFファミリー及びそれらのレセプターのレビューについては、上掲のグラス(Gruss)及びダゥアー(Dower)を参照されたい。
〔発明の要旨〕
本出願人は、本出願において「Apo-2」と命名される新規ポリペプチドをコード化したcDNAクローンを同定した。Apo-2はTNFRファミリーのメンバーであると信じられる:全長の天然配列ヒトApo-2ポリペプチドは、細胞質デスドメイン領域を含むいくつかの既知のTNFRに対してある程度の類似性を示す。また、全長の天然配列ヒトApo-2は、細胞外のシステインに富んだ反復部についてTNFRファミリーとの類似性を示す。Apo-2ポリペプチドは、カスパーゼ(caspase)依存性アポトーシスを惹起しNF-κBを活性化し得ることが見出された。本出願人は、驚くべきことに、Apo-2の可溶性細胞外ドメインがApo-2リガンド(「Apo-2L」)に結合し、Apo-2リガンドの機能を阻害可能であることを見出した。現在、Apo-2リガンドは、少なくとも2つの異なるレセプター、DR4とここに新たに記載したApo-2を介してシグナル化可能であると考えられる。
一実施態様においては、本発明は、単離されたApo-2ポリペプチドを提供する。特に、本発明は、一実施態様においては図1の残基1〜411を含んでなるアミノ酸配列(配列番号:1)を含む、単離された天然配列Apo-2ポリペプチドを提供する。他の実施態様においては、単離されたApo-2ポリペプチドは、図1の残基1〜411(配列番号:1)を含んでなる天然配列Apo-2ポリペプチドと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する。場合によっては、Apo-2ポリペプチドは、ATCC 209021として寄託されたベクターのcDNA挿入断片によりコード化されたポリペプチドを発現することにより得られた又は得れうるものである。
他の実施態様において、本発明はApo-2の単離された細胞外ドメイン(ECD)配列を提供する。場合によっては、単離された細胞外ドメイン配列は図1のアミノ酸残基54〜182(配列番号:1)を含んでなる。
他の実施態様において、本発明はApo-2の単離されたデスドメイン配列を提供する。場合によっては、単離されたデスドメイン配列は図1のアミノ酸残基324〜391(配列番号:1)を含む。
他の実施態様において、本発明は、異種ポリペプチド又はアミノ酸配列と融合したApo-2ポリペプチドを含んでなるキメラ分子を提供する。このようなキメラ分子の例には、免疫グロブリン配列と融合したApo-2が含まれる。他の例には、例えば免疫グロブリン配列のような、異種ポリペプチド又はアミノ酸配列と融合したApo-2の細胞外ドメインが含まれる。
他の実施態様において、本発明はApo-2ポリペプチドをコードしている単離核酸分子を提供する。一面において、核酸分子は、Apo-2ポリペプチド又はApo-2の特定のドメインをコード化したRNA又はDNAであるか、又はこのようなコード核酸配列に相補的であり、少なくとも中程度、場合によっては高いストリンジェント条件下でそれに安定して結合したままである。このような相補的核酸はRNA又はDNAの全長に対して完全に相補的であり得る。また相補的核酸はRNA又はDNAヌクレオチド配列のフラグメントにのみ相補的であることも考えられる。一実施態様において、核酸配列は:
(a)残基1〜残基411をコードする図1の核酸配列(配列番号:2)のコード領域(すなわち、ヌクレオチド140−142〜1370−1372);
(b)残基1〜残基182をコードする図1の核酸配列(配列番号:2)のコード領域(すなわち、ヌクレオチド140−142〜683−685);
(c)残基54〜残基182をコードする図1の核酸配列(配列番号:2)のコード領域(すなわち、ヌクレオチド299−301〜683−685);
(d)残基324〜残基391をコードする図1の核酸配列(配列番号:2)のコード領域(すなわち、ヌクレオチド1109−1111〜1310−1312);又は、 (e)遺伝コードの縮退の範囲内において(a)、(b)、(c)又は(d)配列に相当する配列;
から選択される。単離された核酸には、Apo-2ポリペプチドをコード化したヌクレオチド配列を含む、ATCC 209021として寄託されているベクターのApo-2ポリペプチドcDNA挿入断片が含まれ得る。
さらなる実施態様において、本発明はApo-2ポリペプチド又は特定のApo-2ドメインをコード化した核酸分子を含んでなるベクターを提供する。また、ベクター又は核酸分子を含有する宿主細胞も提供する。Apo-2の生産方法もさらに提供する。
他の実施態様において、本発明はApo-2に特異的に結合する抗体を提供する。抗体はアゴニスト、アンタゴニスト又は中和抗体であってよい。また、Apo-2抗体を含有するホモ二量体分子等の二量体分子及び単鎖抗体も提供する。
他の実施態様において、本発明は非ヒト、トランスジェニック又はノックアウト動物を提供する。
本発明のさらなる実施態様では、Apo-2又はApo-2抗体を含む製造品及びキットが提供される。
さらなる実施形態において、本発明は以下のものも提供する:
1. 配列番号:1のアミノ酸残基1〜411を含んでなる天然配列Apo-2ポリペプチドと、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する単離Apo-2ポリペプチド。
2. 前記ポリペプチドが少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する請求項1に記載のApo-2ポリペプチド。
3. 前記ポリペプチドが少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有する請求項2に記載のApo-2ポリペプチド。
4. 配列番号:1のアミノ酸残基1〜411を含んでなる単離Apo-2ポリペプチド。
5. 配列番号:1のアミノ酸残基54〜182を含んでなるApo-2ポリペプチドの単離された細胞外ドメイン配列。
6. 配列番号:1のアミノ酸残基1〜182を含んでなる請求項5に記載の細胞外ドメイン配列。
7. 配列番号:1のアミノ酸残基324〜391を含んでなるApo-2ポリペプチドの単離されたデスドメイン配列。
8. 異種性アミノ酸配列に融合した請求項5に記載の細胞外ドメイン配列又は請求項1に記載のApo-2ポリペプチドを含んでなるキメラ分子。
9. 前記異種性アミノ酸配列がエピトープタグ配列である請求項8に記載のキメラ分子。
10. 前記異種性アミノ酸配列が免疫グロブリン配列である請求項8に記載のキメラ分子。
11. 前記免疫グロブリン配列がIgGである請求項10に記載のキメラ分子。
12. 請求項1に記載のポリペプチド、請求項5に記載の細胞外ドメイン配列、又は請求項7に記載のデスドメイン配列をコードするDNAを含んでなる単離された核酸。
13. 前記DNAが配列番号:1のアミノ酸残基1〜411を含んでなるApo-2ポリペプチドをコードする請求項12に記載の核酸。
14. 請求項12に記載の核酸を含んでなるベクター。
15. ベクターで形質転換した宿主細胞により認識されるコントロール配列に作用可能に結合した請求項14に記載のベクター。
16. ATCC寄託受入番号209021を含んでなる請求項14に記載のベクター。
17. 請求項14に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
18. CHO細胞を含んでなる請求項17に記載の宿主細胞。
19. 大腸菌を含んでなる請求項17に記載の宿主細胞。
20. 酵母細胞を含んでなる請求項17に記載の宿主細胞。
21. Apo-2ポリペプチドの発現に十分な条件下で請求項17に記載の宿主細胞を培養し、培養物から発現したApo-2ポリペプチドを回収することを含んでなるApo-2ポリペプチドの生成方法。
22. ATCC寄託受入番号209021のcDNA挿入物によりコードされたポリペプチドを発現させることにより得られた又は得られうるApo-2ポリペプチド。
23. Apo-2ポリペプチドをコードするDNAを発現する細胞を含む非ヒト、トランスジェニック動物。
24. マウス又はラットである請求項23に記載の動物。
25. Apo-2ポリペプチドをコードする変更遺伝子を有する細胞を含む、非ヒト、ノックアウト動物。
26. マウス又はラットである請求項25に記載の動物。
27. Apo-2ポリペプチドに特異的に結合する抗体。
28. モノクローナル抗体である請求項27に記載の抗体。
29. アゴニスト抗体を含んでなる請求項27に記載の抗体。
30. 阻止抗体を含んでなる請求項27に記載の抗体。
31. キメラ抗体を含んでなる請求項24に記載の抗体。
32. 前記抗体がIgG抗体である請求項28に記載の抗体。
33. 前記抗体がFabフラグメントを含んでなる請求項28に記載の抗体。
34. 前記抗体がscFvフラグメントを含んでなる請求項28に記載の抗体。
35. 前記抗体がF(ab')2フラグメントを含んでなる請求項28に記載の抗体。
36. 前記抗体がヒト抗体を含んでなる請求項27に記載の抗体。
37. ATCC寄託番号HB-12456として寄託されているハイブリドーマ株化細胞により生成されるモノクローナル抗体の生物学的特徴を有している請求項28に記載の抗体。
38. ATCC寄託番号HB-12456として寄託されているハイブリドーマ株化細胞により生成されるモノクローナル抗体に対するエピトープと同じエピトープに結合する請求項28に記載の抗体。
39. 請求項28に記載の抗体を生成するハイブリドーマ株化細胞。
40. ATCC受入番号HB-12456として寄託されているハイブリドーマ株化細胞。
41. ATCC受入番号HB-12456として寄託されているハイブリドーマ株化細胞により生成されるモノクローナル抗体。
42. 前記抗体が単鎖抗体である請求項27に記載の抗体。
43. 前記抗体が16E2抗体を含んでなる請求項42に記載の抗体。
44. 前記抗体が20E6抗体を含んでなる請求項42に記載の抗体。
45. 前記抗体が24C4抗体を含んでなる請求項42に記載の抗体。
46. 前記抗体がエピトープタグ配列に融合している請求項42に記載の抗体。
47. 異種性アミノ酸配列に融合している請求項27に記載の抗体を含んでなるキメラ分子。
48. 前記異種性アミノ酸配列が免疫グロブリン配列を含んでなる請求項47に記載のキメラ分子。
49. 請求項27に記載のApo-2抗体と異種性抗体を含んでなるダイマー分子。
50. 第1のApo-2抗体と第2のApo-2抗体を含んでなるホモダイマー分子。
51. 請求項43に記載のApo-2抗体をコードするDNAを含んでなる単離された核酸。
52. 請求項44に記載の抗体をコードするDNAを含んでなる単離された核酸。
53. 請求項45に記載の抗体をコードするDNAを含んでなる単離された核酸。
54. 請求項51、52又は53のいずれか1項に記載の核酸を含んでなるベクター。
55. 請求項54に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
56. DNAが発現する条件下で請求項55に記載の宿主細胞を培養することを含んでなる、Apo-2抗体の生成方法。
57. 請求項27に記載の抗体と担体を含んでなる組成物。
58. 前記キャリアが製薬的に許容可能な担体である請求項57に記載の組成物。
59. 請求項29に記載のApo-2アゴニスト抗体の有効量に哺乳動物の癌細胞を暴露させることを含んでなる、哺乳動物の癌細胞においてアポトーシスを誘導させる方法。
60. 前記アゴニスト抗体が単鎖抗体を含んでなる請求項59に記載の方法。
61. Apo-2を活性化する薬剤に哺乳動物の癌細胞を暴露することを含んでなる哺乳動物の癌細胞を治療する方法。
62. 前記薬剤がApo-2アゴニスト抗体を含んでなる請求項61に記載の方法。
63. 容器と該容器に入れられる組成物を含んでなり、組成物がApo-2ポリペプチド又はApo-2抗体を含む製造品。
64. インビボ又はエキソビボにおいてApo-2ポリペプチド又はApo-2抗体を使用するための使用説明書をさらに含んでなる請求項63に記載の製造品。
好適な実施態様の詳細な説明
I.定義
ここで使用される際の「Apo-2ポリペプチド」及び「Apo-2」という用語には、天然配列Apo-2及びApo-2変異体(ここでさらに定義される)が含まれる。これらの用語には、ヒトを含む種々の哺乳動物由来のApo-2が含まれる。Apo-2は種々の供給源、例えばヒト組織型又は他の供給源から単離されたもの、あるいは組換え又は合成法により調製されたものであってよい。
「天然配列Apo-2」には、天然由来のApo-2と同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでなる。しかして、天然配列Apo-2は、任意の哺乳動物から自然に生じるApo-2のアミノ酸配列を有し得る。このような天然配列Apo-2は、自然から単離することもできるし、組換え又は合成手段により生産することもできる。「天然配列Apo-2」という用語には、特に、Apo-2の自然に生じる切断又は分泌形(例えば、細胞外ドメイン配列)、自然に生じる変異体形(例えば、他のスプライス型)及びApo-2の自然に生じる対立遺伝子変異体が含まれる。Apo-2の自然に生じる変異体形は、図1に示すアミノ酸配列(配列番号:1)において残基410でアミノ酸が置換されているApo-2を含む。このような自然に生じる変異形の一実施態様では、410位のロイシン残基がメチオニン残基により置換されている。図1(配列番号:1)において、410位のアミノ酸残基は「Xaa」として同定されており、アミノ酸が、場合によってはロイシンかメチオニンのいずれかであることを示している。図1(配列番号:2)において、1367位のヌクレオチドは「W」として同定されており、ヌクレオチドがアデニン(A)かチミン(T)あるいはウラシル(U)のいずれかであることを示している。本発明の一実施態様において、天然配列Apo-2は、図1(配列番号:1)のアミノ酸1〜411を含有する成熟又は全長天然配列Apo-2である。場合によっては、Apo-2は、ATCC 209021として寄託されているベクターのcDNA挿入物によりコードされたポリペプチドを発現させることにより得られた又は得られ得るものである。
「Apo-2細胞外ドメイン」すなわち「Apo-2ECD」は、Apo-2の膜貫通及び細胞質ドメインを本質的に有しないApo-2の形態を意味する。通常、Apo-2ECDは、膜貫通及び/又は細胞質ドメインを1%未満、好ましくはそのようなドメインを0.5%未満だけ有する。場合によっては、Apo-2ECDは、図1(配列番号:1)のアミノ酸残基54〜182又は図1(配列番号:1)のアミノ酸残基1〜182を含む。場合によっては、Apo-2ECDは、一又は複数のシステインに富んだドメイン、好ましくはここで同定されたシステインに富んだドメインの一方又は両方(図2Aを参照)を含有する。当業者であれば、ここでApo-2ポリペプチドに対して同定された膜貫通ドメインは疎水性ドメインのそのタイプを同定するために当該分野において日常的に使用される基準に従い同定されることが理解されるであろう。膜貫通ドメインの厳密な境界は変わり得るが、ここで特に記載するドメインのいずれかの末端から約5アミノ酸を越えない可能性が高い。
「Apo-2変異体」とは、全長天然配列ヒトApo-2に対して図1に示されている推定アミノ酸配列(配列番号:1)又はここでApo-2ECD又はデスドメインに対して同定された配列と少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する以下に定義する生物学的に活性なApo-2を意味する。このようなApo-2変異体には、例えば、図1の配列(配列番号:1)あるいはApo-2ECD又はデスドメインに対してここで同定された配列のN-又はC-末端において一又は複数のアミノ酸残基が付加、もしくは欠失されたApo-2ポリペプチドが含まれる。通常、Apo-2変異体は、図1のアミノ酸配列(配列番号:1)又はここでApo-2ECD又はデスドメインに対して同定されている配列と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性を有している。
ここで同定されているApo-2配列に対する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした、Apo-2配列のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の知る範囲にある種々の方法、例えばALIGNTM又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。当業者であれば、比較される配列の全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。
「エピトープタグ」なる用語は、ここで用いられるときは、「タグポリペプチド」に融合したApo-2又はApo-2抗体、又はそれらのドメイン配列を含んでなるキメラポリペプチドを指す。タグポリペプチドは、その抗体が産生され得るエピトープを提供するに十分な数の残基を有しているが、その長さはApo-2又はApo-2抗体の活性を阻害しないよう充分に短い。また、タグポリペプチドは、好ましくは、抗体が他のエピトープと実質的に交差反応をしないようにかなり独特である。適切なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6のアミノ酸残基、通常は約8〜約50のアミノ酸残基(好ましくは約10〜約20の残基)を有する。
「単離された」とは、ここで開示された種々のポリペプチドを記述するために使用するときは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたポリペプチドを意味する。その自然環境の汚染成分とは、ポリペプチドの診断又は治療への使用を典型的には妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様において、ポリペプチドは、(1)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15のN末端あるいは内部アミノ酸配列の残基を得るのに充分なほど、あるいは、(2)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS−PAGEによる均一性が得られるように充分なほど精製される。

Apo-2の自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、単離されたポリペプチドには、組換え細胞内のインサイツのポリペプチドが含まれる。しかしながら、通常は、単離されたポリペプチドは少なくとも1つの精製工程により調製される。
「単離された」Apo-2核酸分子は、同定され、Apo-2核酸の天然源に通常付随している少なくとも1つの汚染核酸分子から分離された核酸分子である。
単離されたApo-2核酸分子は、天然に見出される形態あるいは設定以外のものである。ゆえに、単離されたApo-2核酸分子は、天然の細胞中に存在するApo-2核酸細胞とは区別される。しかし、単離されたApo-2核酸分子は、例えば、核酸分子が天然の細胞のものとは異なった染色***置にあるApo-2を通常発現する細胞に含まれるApo-2核酸分子を含む。
「コントロール配列」という表現は、特定の宿主生物において作用可能に関連付けられたコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に好適なコントロール配列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列、及びリボソーム結合部位を含む。真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。
核酸は、他の核酸配列と機能的な関係にあるときに「作用可能に関連付けられ」ている。例えば、プレ配列あるいは分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に寄与するプレタンパク質として発現されているならそのポリペプチドのDNAに作用可能に関連付けられている;プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼすならばコード配列に作用可能に関連付けられている;又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を容易にするような位置にあるならコード配列と作用可能に関連付けられている。一般的に、「作用可能に関連付けられる」とは、関連付けられたDNA配列が近接しており、分泌リーダーの場合には近接していて読みフェーズにある。しかし、エンハンサーは必ずしも近接しているわけではない。結合は簡便な制限部位でのライゲーションにより達成される。
そのような部位が存在しない場合は、通常の手法にしたがって、合成されたオリゴヌクレオチドアダプターあるいはリンカーが使用される。
「抗体」という用語は最も広い意味において使用され、特に抗Apo-2モノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、及び阻止又は中和抗体を含む)、及び多エピトープ特異性抗Apo-2抗体組成物を包含している。
ここで使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を称する、すなわち、集団を構成する個々の抗体が、少量存在しうる自然に生じる可能な突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、一つの抗原部位に対応する。更に、異なる決定基(エピトープ)に対応する異なる抗体を典型的に含む通常の(ポリクローナル)抗体とは異なり、各モノクローナル抗体は抗原の単一の決定基に対応する。
ここで、モノクローナル抗体は、起源の種又は免疫グロブリンクラス又はサブクラスの命名に拘わらず、定常ドメインを有する抗Apo-2抗体の可変(過剰可変を含む)ドメイン、又は重鎖を有する軽鎖、他の種由来の鎖を有するある種由来の鎖、あるいは異種タンパク質との融合体をスプライシングすることによって得られるハイブリッド及び組換え抗体、並びにそれが所望の生物的活性を有する限りそれら抗体断片(例えばFab、F(ab')2及びFv)を特に含む。例えば、米国特許第4816567号、及Mageら,Monoclonal Antibody Productuon Techniques and Applications,pp.79-97(Marcel Dekker,Inc.:ニューヨーク1987)を参照。
従って、「モノクローナル」との形容は、実質的に均一な抗体集団から得られたという抗体の性質を示し、抗体を何か特定の方法で生産しなければならないことを意味するものではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、最初にKohler及びMilsteinによって、Nature,256:495(1975)に記載されたハイブリドーマ法によって作ることができ、あるいは例えば米国特許第4816567号に記載された組換えDNA法によって作ることができる。「モノクローナル抗体」は例えばMcCaffetyら,Nature,348:552-554(1990)に記載された技術を用いてファージ抗体ライブラリから単離してもよい。
「単鎖Fv」すなわち「scFv」抗体フラグメントは、抗体のVH及びVLドメインを含有し、これらのドメインはポリペプチド単鎖に存在する。一般的に、Fvポリペプチドは、scFvが抗体結合のための所望の構造を形成できるように、VHとVLドメインとの間にポリペプチドリンカーを更に含んでいる。scFvについてのレビューには、例えば、Pluckthun,The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Mooreeds.Springer-Verlag,New York,pp.269-315(1994)を参照されたい。本発明のscFv抗体フラグメントには、以下に詳細に記載する16E2、20E6及び24C4抗体が含まれるが、これらに限定されるものではない。本発明のscFv抗体の範囲内には、16E2、20E6及び24C4抗体と同定された一又は複数のCDR領域を含むVH及びVLドメインを含有するscFv抗体が含まれる。
非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」形とは、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖あるいはそれらの断片(例えばFv、Fab、Fab'、F(ab')2あるいは抗体の他の抗原結合サブ配列)であって、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むものである。大部分においてヒト化抗体はレシピエントの相補性決定領域(CDR)の残基が、マウス、ラット又はウサギのような所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト(ドナー抗体)のCDRの残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ある場合には、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換されている。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移入されたCDRもしくはフレームワーク配列にも見出されない残基を含んでもよい。これらの修飾は抗体の特性を更に洗練し、最適化するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、全てあるいはほとんど全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てあるいはほとんど全てのFR領域がヒト免疫グロブリン配列のものである、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、最適には免疫グロブリン定常領域又はドメイン(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常領域又はドメインの少なくとも一部を含んでなる。
ここで意図している「生物学的に活性な」及び「所望の生物学的活性」とは、インビボ又はエキソビボで少なくとも1つの種類の哺乳動物細胞において(作用的又は刺激する形あるいは拮抗的すなわち阻止する形で)アポトーシスを変調する能力を有しているか;(2)Apo-2リガンドに結合する能力を有しているか;又は(3)Apo-2リガンドのシグナル伝達及びApo-2リガンド活性を変調する能力を有していることを意味する。
「アポトーシス」及び「アポトーシス活性」という用語は広義に使用され、典型的には、細胞質の凝結、原形質膜の微絨毛の喪失、核の分節化、染色体DNAの分解又はミトコンドリア機能の喪失を含む一又は複数の特徴的な細胞変化を伴う、哺乳動物における細胞死の規則的又はコントロールされた形態を指す。この活性は、例えば細胞生死判別アッセイ、FACS分析、又はDNA電気泳動法等、全て従来から知られている方法により決定し測定することができる。
ここで使用される「治療する」、「治療」及び「治療法」とは、治癒的療法及び予防的療法及び防護的療法を称する。
「癌」及び「癌性」という用語は、典型的には調節されない細胞増殖を特徴とする、哺乳動物における生理学的状態を指すか記述する。癌の例には、これらに限定されるものではないが、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病が含まれる。このような癌のより特定の例には、扁平上皮細胞癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、芽細胞腫、胃腸癌、腎臓癌、膵臓癌、神経膠芽細胞腫、神経芽腫、子宮頸管癌、卵巣癌、肝臓癌、胃癌、膀胱癌、肝細胞腫(hepatoma)、乳癌、大腸癌、結腸直腸癌、子宮体癌、唾液腺癌、腎臓癌、肝臓癌、前立腺癌、産卵口癌、甲状腺癌、肝癌(hepatic carcinoma)及び様々な種類の頭部及び頚部の癌が含まれる。
ここで使用される「哺乳動物」という用語は、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ及びネコを含む哺乳動物として分類されるあらゆる動物を指す。本発明の好ましい実施態様においては、哺乳動物はヒトである。
II.本発明の組成物と方法
本発明は、新規に同定され、単離されたApo-2ポリペプチド及びApo-2抗体を提供する。特に本出願人は、種々のヒトApo-2ポリペプチドを同定し、分離した。これらApo-2ポリペプチド及び抗Apo-2抗体のいくつかのものの性質と特徴は、以下の実施例においてさらに詳細に記載する。ここで開示されるApo-2ポリペプチドの性質と特徴に基づき、Apo-2はTNFRファミリーのメンバーであるというのが本出願人の信ずるところである。
Apo-2、並びにApo-2キメラ分子及び抗Apo-2抗体を如何に調製するかにつき、以下に説明する。
A.Apo−2の調製
以下の説明は、主として、Apo-2核酸を含むベクターで形質転換又はトランスフェクトされた細胞を培養してApo-2を生産する方法に関する。もちろん、当該分野においてよく知られている他の方法を用いてApo-2を調製することはできると考えられる。
1.Apo−2をコードするDNAの単離
Apo-2をコードするDNAは、Apo-2mRNAを保有していてそれを検出可能なレベルで発現すると考えられる組織から調製された任意のcDNAライブラリから得ることができる。従って、ヒトApo-2DNAは、実施例1に記載されたヒトの膵臓及び腎臓cDNAのバクテリオファージライブラリのように、ヒトの組織から調製されたcDNAライブラリから簡便に得ることができる。
またApo-2コード化遺伝子は、ゲノムライブラリから又はオリゴヌクレオチド合成により得ることもできる。
ライブラリは、対象となる遺伝子あるいはその遺伝子によりコードされるタンパク質を同定するために設計された(Apo-2に対する抗体又は少なくとも約20−80塩基のオリゴヌクレオチド等の)プローブによってスクリーニングされる。選択されたプローブによるcDNA又はゲノムライブラリのスクリーニングは、例えばSambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)に記載されている標準的な手順を使用して実施することができる。Apo-2をコードする遺伝子を単離する他の方法はPCR方法論を使用するものである[Sambrookら,上掲;Dieffenbachら,PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1995)]。
スクリーニングの好ましい方法は、種々のヒト組織からcDNAライブラリをスクリーニングするために選別したオリゴヌクレオチド配列を用いることである。以下の実施例1には、cDNAライブラリのスクリーニング技術を記載している。プローブとして選択されたオリゴヌクレオチド配列は、充分な長さで、疑陽性が最小化されるよう充分に明瞭でなければならない。オリゴヌクレオチドは、スクリーニングされるライブラリ内のDNAとのハイブリッド化時に検出可能であるように標識されていることが好ましい。標識化の方法は、当該分野において良く知られており、32P標識されたATPのような放射標識、ビオチン化あるいは酵素標識の使用が含まれる。中程度の厳密性及び高厳密性を含むハイブリッド化条件は、Sambrookら,上掲に提供されている。
全てのタンパク質コード化配列を有する核酸は、初めてここで開示された推定アミノ酸配列を使用し、また必要ならば、cDNAに逆転写されなかったmRNAの生成中間体及び先駆物質を検出する上掲のSambrookらにより記述されている従来のプライマー伸長法を使用し、選択されたcDNA又はゲノムライブラリをスクリーニングすることにより得られる。
Apo-2変異体はApo-2DNAに適切なヌクレオチド変化を導入するか、所望のApo-2ポリペプチドを合成することにより、調製することができる。
アミノ酸の変化により、グリコシル化部位の数と位置の変化、膜係留特性の変更のように、Apo-2の翻訳後過程を改変し得ることは当業者であれば理解されることである。
ここで記載されている天然全長配列Apo-2又はApo-2の種々のドメインにおける変異は、例えば米国特許第5364934号に記載された保存的あるいは非保存的突然変異に関する技術とガイドラインの任意のものを使用して発生させることができる。変異は、Apo-2をコードしている一又は複数のコドンの置換、欠失又は挿入であり、天然配列Apo-2に対してApo-2のアミノ酸配列に変化が生じている。場合によっては、変異は、Apo-2分子の一又は複数のドメインにおいて、少なくとも1つのアミノ酸を任意の他のアミノ酸に置換することによりなされる。変異は、オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異誘発、アラニンスキャニング、及びPCR突然変異誘発のような、当該分野において既知の方法を用いて行うことができる。部位特異的突然変異誘発[Carterら,Nucl.Acids.Res.,13:4331(1986);Zollerら,Nucl.Acids.Res.,10:6487(1987)]、カセット突然変異[Wellsら,Gene,34:315(1985)]、制限選択的突然変異誘発[Wellら,Philos.Trans.R.Soc.London.SerA,317:415(1986)]又は他の既知の技術をクローンDNAに実施してApo-2変異体のDNAを生産することができる。
また、特定のリガンド又はレセプターとの相互作用に関与する、近接配列に沿った一又は複数のアミノ酸を同定するために、スキャニングアミノ酸分析法を使用することもできる。好ましいスキャニングアミノ酸は、比較的小さい中性アミノ酸である。このようなアミノ酸には、アラニン、グリシン、セリン及びシステインが含まれる。変異体の主鎖構造をあまり改変することなく、ベータ炭素を越えた側鎖が除去されるため、アラニンがこの群のなかで好ましいスキャニングアミノ酸である。またアラニンは最も一般的なアミノ酸であることも好ましい。さらに、アラニンは埋設及び露出位置の双方に頻繁に見出される[Creighton,The Proteins,(W.H.Freeman & Co.,N.Y.);Chothla,J.Mol.Biol.,150:1(1976)]。
アラニン置換により適切な量の変異体を生じない場合には、アイソテリックアミノ酸を使用することができる。
一度選択されたApo-2変異体が生産されると、それらを、例えばApo-2Lと接触させることができ、相互作用があれば測定することができる。Apo-2変異体とApo-2Lとの相互作用は、例えば以下の実施例に記載したようなインビトロアッセイにより測定することができる。天然配列Apo-2とApo-2変異体の活性と性質を比較するため任意の数の分析的測定法を使用することができ、結合性に対して簡便なものは、天然配列Apo-2の解離定数Kdと比較したApo-2変異体とApo-2Lとの間に形成された複合体の解離定数Kdである。一般に置換残基当り≧3倍Kdが増加又は減少すると、置換残基がApo-2Lとの天然配列Apo-2の相互作用において活性であることになる。
場合によっては、突然変異に好適なApo-2配列中の代表的な部位には、細胞外ドメイン、特にシステインに富んだドメインの一方又は両方の範囲内の部位が含まれる。このような変異は上述の方法を使用することにより達成される。
2. 複製可能なベクターへの核酸の挿入
Apo-2をコードした核酸(例えば、cDNA又はゲノムDNA)は、さらなるクローニング又は発現のために、複製可能なベクター内に挿入される。様々なベクターが公的に入手可能である。ベクター成分としては、一般に、これらに制限されるものではないが、次のものの一又は複数が含まれる:シグナル配列、複製開始点、一つ又は複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列。
(i)シグナル配列成分
Apo-2は直接的に組換え手法によって生産されるだけではなく、シグナル配列あるいは成熟タンパク質あるいはポリペプチドのN末端に特異的切断部位を有する他のポリペプチドである異種性ポリペプチドとの融合ぺプチドとしても生産される。一般に、シグナル配列はベクターの成分であるか、ベクターに挿入されるApo-2DNAの一部である。好ましく選択された異種シグナル配列は宿主細胞によって認識され加工される(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断される)ものである。シグナル配列は、例えばアルカリンホスファターゼ、ぺニシリナーゼ、1ppあるいは熱安定なエンテロトキシンHリーダーの群から選択される原核生物シグナル配列であってよい。酵母の分泌に関しては、シグナル配列は、酵母インベルターゼリーダー、アルファ因子リーダー(酵母菌属(Saccharomyces)及びクルイベロマイシス(Kluyveromyces)α因子リーダーを含み、後者は米国特許第5,010,182号に記載されている)、又は酸ホスファターゼリーダー、白体(C.albicans)グルコアミラーゼリーダー(1990年4月4日発行のEP 362,179)、又は1990年11月15日に公開された国際特許第WO90/13646号に記載されているシグナルであり得る。哺乳動物細胞の発現においては、における天然配列Apo-2プレ配列の発現においては、同一あるいは関連ある種の分泌ポリペプチド由来のシグナル配列、単純ヘルペスグリコタンパク質Dシグナルのようなウイルス分泌リーダーのような他の哺乳動物のシグナル配列がタンパク質の直接分泌に使用されるが、インビボにおけるヒト細胞の細胞膜へのApo-2の挿入を通常指示する天然Apo-2プレ配列が十分である。
このような前駆体領域のDNAは、好ましくは、Apo-2をコードするDNAにリーディングフレームが結合される。
(ii)複製開始点成分
発現とクローニングベクターは共に一又は複数の選択された宿主細胞においてベクターの複製を可能にする核酸配列を含む。一般に、この配列はクローニングベクターにおいて、宿主染色体DNAとは独立にベクターが複製することを可能にするものであり、複製開始点又は自律的複製配列を含む。そのような配列は多くの細菌、酵母及びウイルスに対してよく知られている。プラスミドpBR322に由来する複製開始点は大部分のグラム陰性細菌に好適であり、2μプラスミド開始点は酵母に適しており、様々なウイルス開始点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV又はBPV)は哺乳動物細胞におけるクローニングベクターに有用である。一般には、哺乳動物の発現ベクターには複製開始点成分は不要である(SV40開始点が典型的には初期プロモーターを有しているため用いられる)。
多くの発現ベクターは「シャトル」ベクターである、すなわち、それらは少なくとも一つのクラスの生物において複製可能であるが、発現のために他の生物に形質移入され得る。例えば、大腸菌においてベクターがクローン化され、そのベクターが酵母あるいは哺乳動物細胞に形質移入され、宿主細胞染色体と独立して複製することはできないとしても、発現する。
DNAは宿主ゲノムに挿入することによって増殖され得る。これは、例えばベクターにバシラスゲノムDNAに見られる配列と相補的なDNA配列を含めることにより、宿主としてバシラス(Bacillus)種を用いて容易に達成される。このベクターを用いたバシラスの形質移入は、ゲノムとの相同的組換え及びApo-2DNAの挿入をもたらす。しかし、Apo-2をコードするゲノムDNAの回収は、Apo-2DNAを切除するのに制限酵母による消化を必要とするために、外来的に複製したベクターの場合よりも複雑である。
(iii)選択ゲノム成分
発現及びクローニングベクターは、典型的には、選択的マーカーとも称される選択遺伝子を含む。この遺伝子は、選択的培地で増殖させた形質転換宿主細胞の生存又は増殖に必要なタンパク質をコードする。選択遺伝子を含むベクターと共に形質転換していない宿主細胞は培地で生存しない。典型的な選択遺伝子は、(a)アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサートあるいはテトラサイクリンのような抗生物質あるいは他の毒素に耐性を与え、(b)栄養要求性欠陥を補い、(c)例えばバシリ(Bacilli)に対する遺伝子コードD-アラニンラセマーゼのような、複合培地から得られない重要な栄養素を供給する、タンパク質をコードする。
選択技術の一例においては、宿主細胞の増殖を抑止する薬品が用いられる。異種性遺伝子で首尾よく形質転換した細胞は、抗薬品性を付与し、選択工程を生存するタンパク質を生産する。このような優性選択の例としては、ネオマイシン[southernら,J.Molec.Appl.Genet.,1:327(1982)]、ミコフェノール酸[Mulliganら,Science,209:1422(1980)]又はハイグロマイシン[Sugdenら,Mol.Cell.Biol.,5:410-413(1985)]が使用される。上述した3つの例は、真核生物のコントロール下で細菌遺伝子を用いて、適切な薬品G418又はネオマイシン(ジェネテシン)、xgpt(ミコフェノール酸)、又はハイグロマイシンにそれぞれ耐性を付与する。
哺乳動物の細胞に適切な選択的マーカーの他の例は、DHFRあるいはチミジンキナーゼのように、Apo-2核酸を捕捉することのできる細胞成分を同定することのできるものである。哺乳動物細胞の形質転換細胞は、マーカーを捕捉することによって当該形質転換細胞のみが生存できるような独特に適応化された淘汰圧下に置かれる。淘汰圧は、培地中の選択剤の濃度が次第に変化する条件下で形質転換細胞を培養することにより課し、選択遺伝子とApo-2をコードするDNAの双方を増幅させる。増幅は、増殖に重要なタンパク質の生産に対する要求度が高い遺伝子が、組換え細胞の後の世代の染色体内に直列に反復されるプロセスである。増幅されたDNAから増大したApo-2量が合成される。増幅可能な遺伝子のほかの例には、メタロチオネインI及びII、アデノシンデアミナーゼ、及びオルニチンデカルボキシラーゼが含まれる。
DHFR選択遺伝子によって形質転換された細胞は、まず、DHFRの競合的アンタゴニストであるメトトレキセート(Mtx)を含む培地において形質転換物の全てを培養することで同定される。野生型DHFRを用いた場合の好適な宿主細胞は、Urlaubほかにより,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:7216(1980)に記載されているようにして調製され増殖されたDHFR活性に欠陥のあるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)株化細胞である。形質転換した細胞は次に濃度の高いメトトレキセートに接触させる。これによりDHFR遺伝子の複数コピーが合成され、同時に、Apo-2をコードするDNAのような発現ベクターを含む他のDNAの複数コピーが作られる。この増幅方法は、もしMtxに高度に耐性である変異体DHFR遺伝子が使用されたような場合には内在性DHFRの存在にかかわらず、任意の他の適切な宿主、例えば、ATCC番号CCL61CHO−K1を使用することができる(EP117,060)。
あるいは、Apo-2をコードするDNA配列、野生型DHFRタンパク質、及びアミノグリコシド3'-ホスホトランスフェラーゼ(APH)のような他の選択的マーカーで形質転換あるいは同時形質転換した宿主細胞(特に、内在性DHFRを含む野生型宿主)は、カナマイシン、ネオマイシンあるいはG418のようなアミノグリコシド抗生物質のような選択可能マーカーの選択剤を有する培地における細胞増殖により選択することができる。米国特許第4965199号を参照。
酵母中での使用に好適な選択遺伝子は酵母プラスミドYRp7に存在するtrp1遺伝子である[Stinchcombら,Nature,282:39(1979);Kingmanら,Gene,7:141(1979);Tschemperら,Gene,10:157(1980)]。trp1遺伝子は、例えば、ATCC第44076号あるいはPEP−1のようなトリプトファン内で増殖する能力に欠ける酵母の突然変異株に対する選択マーカーを提供する[Jones,Genetics,85:12(1977)]。酵母宿主細胞ゲノムにtrp1破壊が存在することは、トリプトファンの不存在下における増殖による形質転換を検出する有効な環境を提供する。同様に、Leu2欠陥を有する酵母株(ATCC 20,622あるいは38,626)は、Leu2遺伝子を有する既知のプラスミドによって補完される。
更に、1.6μmの円形プラスミドpKD1由来のベクターは、クルイヴェロマイシス(Kluyveromyces)酵母の形質転換に用いることができる[Bianchiほか.,Curr.Genet.,12:185(1987)]。より最近では、組換え子ウシのキモシンの大量生産のための発現系がK.ラクティス(lactis)に対して報告されている[Van den Berg,Bio/Technology,8:135(1990)]。クルイヴェロマイシスの工業的な菌株からの、組換えによる成熟したヒト血清アルブミンを分泌する安定した複数コピー発現ベクターも開示されている[Fleerほか.,Bio/Technology,9:968-975(1991)]。
(iv)プロモーター成分
発現及びクローニングベクターは、通常、宿主生物によって認識され、Apo-2核酸に作用可能に結びついているプロモーターを含む。プロモーターは、作用可能に結合しているApo-2核酸配列のような特定の核酸配列の転写及び翻訳を制御する構造的な遺伝子(一般的に約100ないし1000bp)の開始コドンの上流側(5')に位置する未翻訳配列である。このようなプロモーターは典型的には、誘導的なクラス及び構成的なクラスの2つのクラスに属する。誘導的なプロモーターは、養分の存在あるいは不存在、温度変化等の培養条件の変化に対応してその制御の下でDNAからの転写レベルを上昇させるプロモーターである。現時点において多種の可能な宿主細胞により認識される非常に多くのプロモーターがよく知られている。これらのプロモーターは、制限酵素の消化によって供給源DNAからプロモーターを排除し、ベクターに単離したプロモーター配列を挿入することで、Apo-2をコードするDNAに作用的に結合している。天然のApo-2プロモーター配列及び多くの異種性プロモーターはいずれもApo-2DNAの直接増幅及び/又は発現に用いることができる。
原核生物宿主での使用に好適なプロモーターはβ-ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系[Cahngほか.,Nature,275:615(1978),Goeddelほか.,Nature,281:544(1979)]、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系[Goeddel,Nucleic Acids Res.,8:4057(1980);EP 36,776]、及びハイブリッドプロモーター、例えばtacプロモーターを含む[deBoerほか.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:21-25(1983)]。しかし、他の既知の細菌プロモーターも好適である。これらのヌクレオチド配列は公表されており、よって当業者は、任意の所望の制限部位を提供するためにリンカーあるいはアダプターを使用することでApo-2をコードするDNA[Siebenlistほか.,Cell,20:269(1980)]にそれらを作用可能に結合させることが可能である。細菌系で使用するプロモーターもまたApo-2をコードするDNAと作用可能に結合したシャイン・ダルガーノ(S.D.)配列を有する。
真核生物に対してもプロモーター配列が知られている。実質的に全ての真核生物の遺伝子は、転写開始部位から25ないし30塩基上流に見出されるATリッチ領域を有する。多数の遺伝子の転写開始位置から70ないし80塩基上流に見出される他の配列は、Xが任意のヌクレオチドであるCXCAAT領域である。
大部分の真核生物遺伝子の3'末端には、コード配列の3'末端にポリA尾部が付加されていることを示すシグナルであるAATAAA配列がある。これらの配列は全て真核生物の発現ベクターに適切に挿入される。
酵母宿主と共に用いて好適なプロモーター配列の例としては、3-ホスホグリセラートキナーゼ[Hitzemanほか,J.Biol.Chem.,255:2073(1980)]又は他の糖分解酵素[Hessほか,J.Adv.Enzyme Reg.,7:149(1968);Holland,Biochemistry,17.:4900(1987)]、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオセリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼが含まれる。
他の酵母プロモーターとしては、増殖条件によって転写が制御される付加的効果を有する誘導的プロモーターであり、アルコールデヒドロキナーゼ2、イソシトクロムC、酸ホスファターゼ、窒素代謝と関連する分解性酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトース及びガラクトースの利用を支配する酵素のプロモーター領域がある。酵母の発現に好適に用いられるベクターとプロモーターは欧州特許第73657号に記載されている。また酵母エンハンサーも酵母プロモーターと共に好適に用いられる。
哺乳動物の宿主細胞におけるベクターからのApo-2転写は、例えば、ポリオーマウィルス、伝染性上皮腫ウィルス(1989年7月5日公開のUK 2,211,504)、アデノウィルス(例えばアデノウィルス2)、ウシ乳頭腫ウィルス、トリ肉腫ウィルス、サイトメガロウィルス、レトロウィルス、B型肝炎ウィルス及び最も好ましくはサルウィルス40(SV40)のようなウィルスのゲノムから得られるプロモーター、異種性哺乳動物プロモーター、例えばアクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーター、ヒートショックプロモーター、そしてApo-2配列に通常付随するプロモーターによって、このようなプロモーターが宿主細胞系に適合し得る限り、調節される。
SV40ウィルスの初期及び後期プロモーターは、SV40ウイルスの複製起点をさらに含むSV40制限断片として簡便に得られる[Fiersほか,Nature,273:113(1978);Mulligan及びBerg,Science,209:1422-1427(1980);Pavlakisほか,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,78:7398-7402(1981)]。ヒトサイトメガロウィルスの最初期プロモーターは、HindIIIE制限断片として簡便に得られる[Greenawayほか,Gene,18:355-360(1982)]。ベクターとしてウシ乳頭腫ウィルスを用いて哺乳動物宿主でDNAを発現する系が、米国特許第4419446号に開示されている。この系の修飾は米国特許第4601978号に開示されている[また、サルの細胞での免疫インターフェロンをコードしているcDNAの発現について、Grayら,Nature,295:503-508(1982)を;単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼプロモーターの調節下でのマウス細胞におけるヒトβインターフェロンcDNAの発現について、Reyesら,Nature,297:598-601(1982)を;培養されたマウス及びウサギの細胞におけるヒトインターフェロン遺伝子の発現について、Canaani及びBerg,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79:5166-5170(1982)を;
プロモーターとしてラウス肉腫ウィルスの長い末端反復配列を用いたCV−1サル腎臓細胞、ニワトリ胚線維芽細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞、HeLa細胞、及びマウスNIH-3T3細胞における細菌CAT配列の発現について、Gormanほか,Proc.Natl.Acas.Sci.USA,79:6777-6781(1982)を参照のこと]。
(v)エンハンサーエレメント成分
より高等の真核生物による本発明のApo-2をコードしているDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増強され得る。エンハンサーは、通常は約10から300bpで、プロモーターに作用してその転写を増強するDNAのシス作動要素である。エンハンサーは、相対的に方向及び位置に独立しており、転写ユニットの5'[Laiminsほか,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,78:993(1981)]及び3'[Luskyほか,Mol.Cell Bio.,3:1108(1983)]、イントロン内部[Banerjiほか,Cell,33:729(1983)]並びにコード配列自身の内部[Osbornほか,Mol.Cell Bio.,4:1293(1984)]に見出されている。哺乳動物の遺伝子由来の多くのエンハンサー配列が知られている(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン及びインスリン)。しかしながら、典型的には、真核細胞ウィルス由来のエンハンサーが用いられるであろう。例としては、複製起点の後期側のSV40エンハンサー(bp100-270)、サイトメガロウィルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー及びアデノウィルスエンハンサーが含まれる。真核生物のプロモーターの活性化のための増強要素については、Yaniv,Nature,297:17-18(1982)もまた参照のこと。エンハンサーは、Apo-2コード配列の5'又は3'位でベクター中にスプライスされ得るが、好ましくはプロモーターから5'位に位置している。
(vi)転写終止成分
真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、又は他の多細胞生物由来の有核細胞)に用いられる発現ベクターは、また転写の終止及びmRNAの安定化に必要な配列を含む。このような配列は、真核生物又はウィルスのDNA又はcDNAの5'、時には3'の非翻訳領域から一般に取得できる。これらの領域は、Apo-2をコードしているmRNAの非翻訳部分にポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含む。
(vii)ベクターの組立てと分析
一又は複数の上に列挙した成分を含む適切なベクターの組立てには標準的なライゲーション技術を用いる。分離されたプラスミド又はDNA断片を開裂させ、整え、そして必要とされるプラスミドの生成のために望ましい型に再ライゲーションする。
組立てられたプラスミドが正しい配列であることを確認する分析のために、ライゲーション混合物を用いて、大腸菌K12菌株294(ATCC 31446)を形質転換し、適当な場合にはアンピシリン又はテトラサイクリン耐性によって、形質転換細胞を好適に選択する。形質転換細胞からプラスミドを調製し、制限エンドヌクレアーゼ消化により分析し、及び/又はMessingほか,Nucleic Acids Res.,9:309(1981)の方法又はMaximほか,Methods in Enzymology,65:499(1980)の方法によって配列決定する。
(viii)一過性発現ベクター
Apo-2をコードしているDNAの哺乳動物細胞における一過性発現をもたらす発現ベクターを使用することができる。一般に、一過性発現は、宿主細胞が発現ベクターの多くのコピーを蓄積し、次にその発現ベクターによってコードされている所望のポリペプチドを高レベルで合成するように、宿主細胞中で効果的に複製できる発現ベクターを使用することを含む[Sambrookほか,上掲]。一過性発現系は、適切な発現ベクターと宿主細胞を含むが、クローニングされたDNAによりコードされているポリペプチドの簡便で確実な同定並びに所望の生物学的又は生理学的性質についてのポリペプチドの迅速なスクリーニングを可能にする。したがって、一過性発現系は、本発明において、Apo-2変異体を同定する目的のために特に有用である。
(ix)適切な例示的脊椎動物細胞ベクター
組換え脊椎動物細胞培養でのApo-2の合成に適応するのに適切な他の方法、ベクター及び宿主細胞は、Gethingほか,Nature,293:620-625(1981);Manteiほか,Nature,281:40-46(1979);欧州特許第117060号;及び欧州特許第117058号に記載されている。
3.宿主細胞の選択及び形質転換
ここに記載のベクターにDNAをクローニングあるいは発現するために適切な宿主細胞は、原核生物、酵母、又は上述の高等真核生物細胞である。この目的にとって適切な原核生物は、限定するものではないが、真正細菌、例えばグラム陰性又はグラム陽性生物体、例えばエシェリシアのような腸内菌科、例えば大腸菌、エンテロバクター、エルウィニア(Erwinia)、クレブシエラ、プロテウス、サルモネラ、例えばネズミチフス菌、セラチア属、例えばセラチア・マルセスキャンス及び赤痢菌属、並びに桿菌、例えば枯草菌及びバシリ・リチェフォルミス(licheniformis)(例えば、1989年4月12日に公開されたDD 266,710に開示されたバシリ・リチェニフォルミス41P)、シュードモナス属、例えば緑膿菌及びストレプトマイセス属を含む。好ましくは、宿主細胞は最小量のタンパク質分解酵素を分泌すべきである。
原核生物に加えて、糸状菌又は酵母菌のような真核微生物は、Apo-2をコードするベクターのための適切なクローニング又は発現宿主である。サッカロミセス・セレヴィシア、又は一般的なパン酵母は下等真核生物宿主微生物のなかで最も一般的に用いられる。しかしながら、多数の他の属、種及び菌株も、一般的に入手可能で有用である。
グリコシル化Apo-2の発現に適切な宿主細胞は、多細胞生物から誘導される。このような宿主細胞は、複雑なプロセシング及びグリコシル化活動が可能である。原則的には、脊椎動物であろうと無脊椎動物培養であろうと、任意のより高等の真核生物細胞培養が使用できる。無脊椎動物細胞の例としては植物及び昆虫細胞が含まれる。多数のバキュロウィルス株及び変異体及び対応する許容可能な昆虫宿主細胞、例えばスポドプテラ・フルギペルダ(毛虫)、アエデス・アエジプティ(蚊)、アエデス・アルボピクトウス(蚊)、ドウロソフィラ・メラノガスター(ショウジョウバエ)、及びボンビクス・モリが同定されている[例えば、Luckowほか,Bio/Technology,6:47-55(1988);Millerほか,Genetic Engineering,Setlowほか,eds.,Vol.8(Plenum Publishing,1986),pp.277-279;及びMaedaほか,Nature,31,5:592-594(1985)を参照のこと]。トランスフェクションのための種々のウィルス株、例えば、オートグラファ・カリフォルニカNPVのL−1変異体とボンビクス・モリNPVのBm−5株が公に利用できる。
綿花、コーン、ジャガイモ、大豆、ペチュニア、トマト、及びタバコのような植物細胞培養を宿主として利用することができる。典型的には、植物細胞は、細菌アグロバクテリウム・トゥメファシエンスのある菌株と共にインキュベートすることによってトランスフェクトされる。A.トウメファシエンスと共に植物細胞培養をインキュベートする間に、Apo-2をコードしているDNAが、植物細胞宿主がトランスフェクトされるようにその植物細胞宿主に移され、そして適切な条件下でApo-2をコードしているDNAを発現させる。加えて、例えば、ノパリンシンターゼプロモーター及びポリアデニル化シグナル配列のような、植物細胞と適合しうる調節及びシグナル配列が利用できる[Depickerほか,J.Mol.Appl.Gen.,1:561(1982)]。また、T−DNA780遺伝子の上流領域から分離されるDNAセグメントは、組換えDNAを含む植物組織中の植物発現遺伝子の転写レベルを活性化又は増強しうる[1989年6月21日公開のEP 321,196]。
培養(組織培養)中での脊椎動物細胞の増殖は、当該分野おいてよく知られている[例えば、Tissue Culture,Academic Press,編者Kruse and Patterson(1973)を参照のこと]。有用な哺乳動物宿主株化細胞の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7,ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓株[293又は懸濁培養での増殖のためにサブクローン化された293細胞、Grahamほか,J.Gen Virol.,36:59(1977)];ハムスター乳児腎細胞(BHK,ATCC CCL 10):チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO,Urlaub及びChasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216(1980)];マウスのセルトリ細胞[TM4,Mather,Biol.Reprod.,23:243-251(1980)];サルの腎細胞(CVI ATCC CCL 70);アフリカミドリザルの腎細胞(VERO-76,ATCC CRL-1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA,ATCC CCL2);イヌ腎細胞(MDCK,ATCC CCL34);バッファローラット肝細胞(BRL 3A,ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL75);ヒト肝細胞(Hep G2,HB 8065);マウス***腫瘍細胞(MMT 060562,ATTC CCL51);TRI細胞[Motherほか,Annals N.Y.Acad.Sci.,383:44-68(1982)];MRC5細胞;FS4細胞である。
宿主細胞をトランスフェクトし、そして好ましくは上述のApo-2生成のための発現又はクローニングベクターで形質転換し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又は所望の配列をコードしている遺伝子を増幅するために適当に修飾された常套的栄養培地で培養する。
トランスフェクションは、如何なるコード配列が実際に発現されるか否かにかかわらず、宿主細胞による発現ベクターの取り上げを意味する。多数のトランスフェクションの方法が当業者に知られている。例えば、CaPO4及びエレクトロポレーションである。このベクターの操作のあらゆる徴候が宿主細胞内で生じたときに成功したトランスフェクションが一般に認められる。
形質転換は、染色体外のエレメントとしてであろうと染色体成分によってであろうと、DNAが複製可能であるように、生物体中にDNAを導入することを意味する。用いられる宿主細胞に応じて、そのような細胞に対して適した標準的な方法を用いて形質転換はなされる。前掲のSambrookほかにより記載された塩化カルシウムを用いるカルシウム処理又はエレクトロポレーションは、原核生物又は実質的な細胞壁障壁を含む他の細胞に対して用いられる。アグロバクテリウム・トゥメファシエンスによる感染が、Shawほか,Gene,23:315(1983)及び1989年6月29日公開の国際特許第89/05859号に記載されたように、ある種の植物細胞の形質転換に用いられる。加えて、1991年1月10日に公開された国際特許第91/00358号に記載されているように、超音波処理を用いて植物にトランスフェクトすることもできる。
このような細胞壁のない哺乳動物の細胞に対しては、Graham及びvan der Eb,Virology,52:456-457(1978)のリン酸カルシウム沈殿法が好ましい。哺乳動物細胞の宿主系形質転換の一般的な側面は米国特許第4399216号に記載されている。酵母中の形質転換は、典型的には、Van solingenほか,J.Bact.,130:946(1977)及びHsiaoほか,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,76:3829(1979)の方法によって実施する。しかしながら、DNAを細胞中に導入する他の方法、例えば、核マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、無傷の細胞、又はポリカチオン、例えばポリブレン、ポリオルニチン等を用いる細菌プロトプラスト融合も又用いることもできる。哺乳動物細胞を形質転換するための種々の技術については、Keownほか,Methods in Enzymology,185:527-537(1990)及びMansourほか,Nature,336:348-352(1988)を参照のこと。
4. 宿主細胞の培養
本発明のApo-2ポリペプチドを生成るために用いられる原核細胞は、前掲のSambrookほかにより記載されているような適切な培地で培養される。
Apo-2の生産に用いられる哺乳動物の宿主細胞は種々の培地において培養することができる。市販培地の例としては、ハム(Ham)のF10(Sigma)、最小必須培地(「MEM」,Sigma)、RPMI-1640(Sigma)及びダルベッコの改良イーグル培地(「DMEM」Sigma)が含まれる。これらの培地はいずれも、ホルモン及び/又は他の増殖因子(例えばインスリン、トランスフェリン、又は上皮成長因子)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム及びリン酸塩)、バッファー(例えばHEPES)、ヌクレオシド(例えばアデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えば、ゲンタマイシンTM薬)、微量元素(最終濃度がマイクロモル範囲で通常存在する無機化合物と定義される)及びグルコース又は同等のエネルギー源を必要に応じて補充することができる。任意の他の必要な補充物質も又当業者に知られている適当な濃度で含むことができる。培養条件、例えば温度、pH等々は、発現のために選ばれた宿主細胞について以前から用いられているものであり、当業者には明らかであろう。
一般に、哺乳動物の細胞培養の生産性を最大にするための原理、プロトコール、及び実用技術は、Mammalian Cell Biotechnologv:a Practical Approach,M.Butler編(IRL Press,1991)に見出すことができる。
この明細書において言及される宿主細胞は培養中の細胞並びに宿主動物内にある細胞を包含する。
5. 遺伝子増幅/発現の検出
遺伝子の増幅及び/又は発現は、ここで提供された配列に基づき、適切に標識されたプローブを用い、例えば、従来よりのサザンブロット法、mRNAの転写を定量化するノーザンブロット法[Thomas,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77,:5201-5205(1980)]、ドットブロット法(DNA分析)、又はインサイツハイブリダイゼーション法によって、直接的に試料中で測定することができる。種々の標識を用いることができ、最も一般的なものは放射性同位元素、特に32Pである。しかしながら、他の方法、例えばポリヌクレオチド中への導入のためのビオチン修飾されたヌクレオチドもまた使用することができる。ついで、このビオチンは、例えば放射性ヌクレオチド、蛍光剤又は酵素等のような広範囲の標識で標識することができるアビジン又は抗体への結合部位として作用する。また、DNA二本鎖、RNA二本鎖及びDNA−RNAハイブリッド二本鎖又はDNA-タンパク二本鎖を含む、特異的二本鎖を認識することができる抗体を用いることもできる。ついで、抗体を標識し、アッセイを実施することができ、ここで二本鎖は表面に結合しており、その結果二本鎖の表面での形成の時点でその二本鎖に結合した抗体の存在を検出することができる。
あるいは、遺伝子の発現は、遺伝子産物の発現を直接的に定量する免疫学的な方法、例えば細胞又は組織切片の免疫組織化学的染色及び細胞培養又は体液のアッセイによって、測定することもできる。免疫組織化学的染色技術では、細胞試料を、典型的には脱水と固定によって調製し、結合した遺伝子産物に対し特異的な標識化抗体と反応させるが、この標識は通常は視覚的に検出可能であり、例えば酵素的標識、蛍光標識、又はルミネサンス標識である。
試料液の免疫組織化学的染色及び/又はアッセイに有用な抗体は、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、任意の哺乳動物で調製することができる。簡便には、抗体は、天然配列Apo-2ポリペプチドに対して、又はここで提供されるDNA配列をベースとした合成ペプチドに対して、又はApo-2DNAに融合し特異的抗体エピトープをコードする外因性配列に対して調製され得る。
6. Apo−2ポリペプチドの精製
Apo-2は、培地又は宿主細胞の溶菌液から回収することができる。Apo-2が膜結合性であるならば、適切な洗浄液(例えばトリトン-X100)を用いて膜から引き離すか、又はその細胞外ドメインを酵素的に切断して引き離すことができる。
Apo-2がヒト起源以外の組換え細胞でつくられるときは、Apo-2はヒト起源のタンパク質又はポリペプチドを含んでいない。しかしながら、Apo-2に関して実質的に相同である調製物を得るには、組換え細胞タンパク又はポリペプチドからApo-2を精製することが望ましい。第一段階として、培地又は溶菌液を遠心分離して粒状の細胞屑を除去することができる。ついで、Apo-2を、汚染した可溶性タンパク質及びポリペプチドから、適切な精製手順の例である次の手順により精製される:すなわち、イオン交換カラムでの分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ又はカチオン交換樹脂、例えばDEAEによるクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えばセファデックスG-75を用いるゲル濾過;及びIgGのような汚染物を除くプロテインAセファロースカラムである。
残基が欠失され、挿入され、又は置換されたApo-2変異体は、その変異によってしばしば惹起された実質的な性質変化を考慮に入れて、天然配列Apo-2と同じようにして回収することができる。例えば、他のタンパク質又はポリペプチド、例えば細菌性もしくはウイルス性抗原、免疫グロブリン配列、又はレセプター配列とApo-2との融合体の調製は精製を容易にする;配列に対する抗体を含む免疫アフィニティーカラムを、融合ポリペプチドを吸着するために使用することができる。他の種類のアフィニティーマトリックスもまた使用することもできる。
例えばフェニルメチルスルホニルフロリド(PMSF)のようなプロテアーゼインヒビターもまた精製の間のタンパク分解を阻害するのに有用であり、偶発的な汚染物質の増殖を防止するために抗生物質を含めることができる。天然配列Apo-2に適切な精製方法は、組換え細胞培養の発現の際におけるApo-2又はその変異体の特性の変化の起因となる改変が必要となることは、当業者であれば分かるであろう。
7. Apo−2ポリペプチドの共有結合的修飾
Apo-2の共有結合的修飾は本発明の範囲内に含まれる。Apo-2の共有結合的修飾の一つの型は、Apo-2の標的アミノ酸残基を、Apo-2のN末端又はC末端残基、又は選択された側鎖と反応できる有機誘導体化剤と反応させることによって分子内に導入することができる。
二官能性試薬による誘導体形成は、抗Apo-2抗体を精製する方法に使用する水不溶性支持体マトリックス又は表面へのApo-2の架橋に有用であり、またその逆も同様である。二官能性試薬による誘導体形成は、Apo-2分子を架橋させてApo-2二量体を産生するのにも有用である。このような二量体により結合アビディティーが増大させられ、インビボにおける分子の半減期が延びる。通常使用される架橋剤には、例えば、1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば、4-アジドサリチル酸とのエステル、3,3'-ジチオビス(スクシンイミジルプロピオナート)のようなジスクシンイミジルエステルを包含するホモ二官能性イミドエステル、及びビス-N-マレイミド-1,8-オクタンのような二官能性マレイミドが含まれる。メチル-3-[(p-アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミダートのような誘導体化剤は、光の存在下で架橋を形成することができる光活性化中間体を生じる。また、臭化シアン活性化炭水化物のような反応性の水不溶性マトリックス及び米国特許第3969287号;3691016号;4195128号;4247642号;4229537号及び4330440号に記載されている反応性基質がタンパク固定に用いられる。
その他の修飾は、それぞれ対応するグルタミル及びアスパルチル残基へのグルタミニル及びアスパラギニル残基の脱アミド化、プロリンとリジンのヒドロキシル化、セリル又はスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のαアミノ基のメチル化[T.E.Creighton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,PP.79-86(1983)]、N末端アミンのアセチル化、及び任意のC末端カルボキシル基のアミド化を含む。残基の修飾型も本発明の範囲に入る。
本発明の範囲内に含まれるApo-2ポリペプチドの共有結合的修飾の他のタイプは、ポリペプチドの天然グリコシル化パターンを変更することを含む。「天然グリコシル化パターンの変更」とは、天然配列Apo-2に見出される一又は複数の炭水化物部分の欠失、及び/又は天然配列Apo-2に存在しない一又は複数のグリコシル化部位を付加することを意味することをここでは意図している。
ポリペプチドのグリコシル化は、典型的には、N結合又はO結合の何れかである。N結合とは、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を指す。アスパラギン-x-セリン及びアスパラギン-X-スレオニン(ここでXはプロリンを除く任意のアミノ酸)というトリペプチド配列は、アスパラギン側鎖への炭水化物部分の酵素的結合のための認識配列である。したがって、ポリペプチド中にこれらのトリペプチド配列の何れかが存在すると、可能性の有るグリコシル化部位が作り出される。
O結合グリコシル化は、ヒドロキシルアミノ酸、最も一般的にはセリン又はスレオニン(5-ヒドロキシプロリン又は5-ヒドロキシリジンもまた用いられるが)に、糖類N-アセチルガラクトーサミン、ガラクトース、又はキシロースの一つが結合することを意味する。
Apo-2ポリペプチドへのグリコシル化部位の付加は、アミノ酸配列を、それが一又は複数の上述したトリペプチド配列(N結合グリコシル化部位のもの)を含むように変化させることによって達成される。この変化は、天然配列Apo-2ヘの一又は複数のセリン又はスレオニン残基の付加、又はこれによる置換によってもなされる(O結合グリコシル化部位の場合)。場合によっては、Apo-2アミノ酸はDNAレベルでの変化によって、特に、所望のアミノ酸に翻訳するコドンが産生されるように予め選んだ塩基でApo-2ポリペプチドをコードしているDNAを突然変異することによって変更される。このDNA突然変異は、上記に記載され前掲の米国特許第5364934号に記載された方法を用いてなされる。
Apo-2ポリペプチド上の炭水化物部分の数を増加させる他の手段は、該ポリペプチドへのグリコシドの化学的又は酵素的結合による。用いられる結合様式に応じて、糖(類)は、(a)アルギニンとヒスチジンに、(b)遊離のカルボキシル基に、(c)遊離のスルフヒドリル基、例えばシステインのものに、(d)セリン、スレオニン又はヒドロキシプロリンのもののような遊離のヒドロキシル基に、(e)フェニルアラニン、チロシン又はトリプトファンのような芳香族残基、又は(f)グルタミンのアミノ基に結合される。これらの方法は1987年9月11日公開の国際特許第WO87/05330号及びAplin及びWriston,CRC Crit.Rev.Biochem.,pp259-306(1981)に記載されている。
Apo-2ポリペプチド上に存在する炭水化物部分の除去は、化学的又は酵素的あるいはグリコシル化の標的となるアミノ酸残基をコードするコドンの突然変異的置換によりなされる。例えば、化学的脱グリコシル化は、化合物トリフルオロメタンスルホン酸、又は等価な化合物へ該ポリペプチドを曝露し、該ポリペプチドを無傷のまま残しながら、結合糖(N-アセチルグルコサミン又はN-アセチルガラクトサミン)を除く殆ど又は全ての糖を開裂させる。化学的脱グリコシル化は、Hakimuddinほか,Arch.Biochem Biophys.,259:52(1987)及びEdgeほか,Anal.Biochem.,118:131(1981)により記載されている。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的開裂は、Thotakuraほか,Meth.Enzymol.,138:350(1987)に記載されているように、種々のエンド及びエキソグリコシダーゼを使用して達成することができる。
潜在的なグリコシル化部位でのグリコシル化は、Duskinほか,J.Biol.Chem.,257:3105(1982)によって記載されているように、化合物ツニカマイシンを使用して防ぐことができる。ツニカマイシンはタンパク質-N-グルコシド結合の形成を阻害する。
Apo-2の共有結合的修飾の他のタイプは、米国特許番第4640835号;第4496689号;第4301144号;第4670417号;第4791192号又は第4179337号に記載されているように、Apo-2ポリペプチドを、種々の非タンパク性ポリマーの一つ、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレンに結合させることを含む。
8. Apo-2キメラ
また本発明は、他の異種性ポリペプチド又はアミノ酸配列と融合したApo-2を含むキメラ分子を提供する。
一実施態様では、キメラ分子は、抗タグ抗体が選択的に結合するエピトープを提供するタグポリペプチドとのApo-2の融合体を含む。エピトープタグは一般にApo-2のアミノ又はカルボキシル末端に位置させられる。Apo-2のこのようなエピトープタグが付けられた形は、その存在をタグポリペプチドに対する抗体を用いて検出することができる。また、エピトープタグを供給すると、Apo-2を抗タグ抗体又はエピトープタグに結合する他の種類のアフィニティーマトリックスを用いたアフィニティー精製によって直ぐに精製することができる。
タグポリペプチドとその各抗体は従来から良く知られている。例には、fluHAタグポリペプチドとその抗体12CA5[Fieldほか,Mol.Cell.Biol.,8:2159-2165(1988)];c-mycタグとそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7及び9E10抗体[Evanほか,Molecular and Cellular Biology,5:361O-3616(1985)];及び単純ヘルペスウィルス糖タンパクD(gD)タグとその抗体[Paborskyほか,Protein Engineering,3(6):547-553(1990)]が含まれる。他のタグポリペプチドには、フラッグ-ペプチド(Flag-peptide)[Hoppほか,BioTechnology,6:1204-1210(1988)];KT3エピトープペプチド[Martinほか,Science,255:192-194(1992)];α-チューブリンエピトープペプチド[Skinnerほか,J.Biol.Chem.,266:15163-15166(1991)];及びT7遺伝子10タンパクペプチドタグ[Lutz-Freyermuthほか,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:6393-6397(1990)]が含まれる。ひとたびタグポリペプチドが選択されれば、それに対する抗体を、ここに開示した方法を用いて産生することができる。
一般的に、エピトープタグApo-2は、上述した方法に従い作成され生産される。エピトープタグApo-2は以下の実施例においてもまた記載されている。Apo-2タグポリペプチド融合体は、Apo-2タンパク質をインフレームでコードしているcDNA配列をタグポリペプチドDNA配列に融合させ、得られたDNA融合作成物を適当な宿主細胞に発現させることによって好ましく作成される。通常は、本発明のApo-2タグポリペプチドキメラを調製するときは、Apo-2をコードしている核酸を、タグポリペプチドのN末端をコードしている核酸にその3'末端で融合させるが、5'融合もまた可能である。例えば、約5〜約10のヒスチジン残基を有するポリヒスチジン配列はN末端又はC末端で融合され、アフィニティークロマトグラフィーにおける精製ハンドルとして使用される。
エピトープタグApo-2は、抗タグ抗体を用いてアフィニティークロマトグラフィーによって精製することができる。アフィニティー抗体が付着されるマトリックスには、例えばアガロース、調製穴明きガラス又はポリ(スチレンジビニル)ベンゼンが含まれる。ついで、エピトープタグApo-2は、当該分野において知られた技術を使用して、アフィニティーカラムから溶出される。
他の実施態様において、キメラ分子は免疫グロブリン配列と融合したApo-2ポリペプチドを含む。キメラ分子は、また特定のApo-2ドメイン配列、例えば免疫グロブリン配列と融合したApo-2の細胞外ドメイン配列も含む。これには、モノマー、又はホモ-又はヘテロ-マルチマー、そして特にはホモ-又はヘテロダイマー又は-テトラマー型のものが含まれ;場合によっては、キメラはダイマー型又はホモダイマー重鎖型であり得る。一般的に、これらの構築免疫グロブリンは以下の図に示されるような既知の単位構造を有している。
Figure 2008148695
Figure 2008148695
Figure 2008148695
Figure 2008148695
基本的な4鎖の構造単位はIgG、IgD及びIgEが存在する型である。4鎖の単位がより大なる高分子量の免疫グロブリンにおいて繰り返される;IgMが一般にジスルフィド結合によって一緒になった基本的な4鎖単位のペンタマーとして存在する。IgAグロブリン、そして時折IgGグロブリンはまた血清中にマルチマー型で存在する。マルチマーの場合は、各4鎖単位は同一であるか異なっている。
次の図は、いくつかの例示的なモノマー、ホモ-及びヘテロダイマー及びホモ-及びヘテロマルチマー構造を示している。これらの図は単に例証するためのものであって、マルチマーの鎖は、天然免疫グロブリンと同様にジスルフィド結合していると考えられる。
モノマー:
Figure 2008148695

ホモダイマー:
Figure 2008148695

ヘテロダイマー:
Figure 2008148695

ホモテトラマー:
Figure 2008148695

ヘテロテトラマー:
Figure 2008148695
及び
Figure 2008148695
上図において、「A」はApo-2配列又は異種性配列に融合したApo-2配列を意味する;Xは、Aと同一でも異なっていてもよい付加的な薬剤、免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーの一部で、例えば天然又はキメラ免疫グロブリン可変領域を含む可変領域又は可変領域様ドメイン、例えばシュードモナス外毒素又はリシンのような毒素、又は他のサイトカイン(すなわち、IL-1、インターフェロン-γ)又は細胞表面分子(すなわち、NGFR、CD40、OX40、Fas抗原、ショープ及び粘液腫ポックスウィルスのT2タンパク質)のような他のタンパク質に機能的に結合している配列、又は定常ドメインと通常は結合していないポリペプチド治療剤である;Yはリンカー又は他のレセプター配列である;VL、VH、CL及びCHは免疫グロブリンの軽又は重鎖の可変又は定常ドメインを表す。「A」として少なくとも1つのApo-2配列のCRDと、「X」としてCRDの反復性パターンを有する他の細胞表面タンパク質とを含む構造体が特に含まれる。
上図は、単に本発明の可能性のあるキメラ構造を例証したものであって、全ての可能性を包括するものではない。例えば、これらの構築のいずれにおいても、望ましくはいくつかの異なった「A」、「X」又は「Y」があるかもしれない。また、重又は軽鎖定常ドメインは、同一又は異なる免疫グロブリンから由来したものであってもよい。図示された類似の構造のあらゆる可能な組合わせは全て本発明の範囲に入る。
一般的にキメラ分子は、ある種の抗体からの可変ドメインが他の種の可変ドメインで置換されたキメラ抗体と同様にして作成することができる。例えば、EP 0 125 023;EP 173,494;Munro,Nature,312:597(1984年12月13日);Neubergerら,Nature,312:604-608(1984年12月13日);Sharonら,Nature,309:364-367(1984年5月24日);Morrisonら,Proc.Nat'l.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984);Morrisonら,Science,229:1202-1207(1985);Boulianneら,Nature,312:643-646(1984年12月13日);Caponら,Nature,337:525-531(1989);Trauneckerら,Nature,339:68-70(1989)を参照のこと。
あるいは、キメラ分子は以下のようにして作製することができる。所望の配列、例えばApo-2及び/又はTNFR配列をコードする領域を含むDNAを、免疫グロブリン様ドメインをコードするドメインの3'末端又はその近傍で、及びApo-2又はTNFRポリペプチドのN-末端をコードするDNAもしくはその近傍の点(異なるリーダーの使用が想定される)で、又はTNFRのN末端コード領域もしくはその近傍(そこでは天然シグナルが使用される)で、制限酵素により開裂させる。ついで、このDNA断片を免疫グロブリン軽又は重鎖定常ドメインをコードするDNAの近傍に直ちに挿入し、必要ならば、得られた作成体を欠失変異誘発により整える。好ましくは、キメラ分子がヒトに対するインビボ治療法を意図したものである場合、Igはヒト免疫グロブリンである。免疫グロブリン軽又は重鎖定常領域をコードするDNAは既知であるか、cDNAライブラリから直ぐに入手できるか合成される。例えば、Adamsら,Biochemistry,19:2711-2719(1980);Goughら,Biochemistry,19:2702-2710(1980);Dolbyら,Proc.Natl.Acad.Sci..USA,77:6027-6031(1980);Riceら,Proc.Natl.Acad.Sci.,79:7862-7865(1982);Falknerら,Nature,298:286-288(1982);及びMorrisonら,Ann.Rev.Immunol.,2:239-256(1984)を参照のこと。
このような融合体の調製方法のさらなる詳細は、イムノアドヘシンの調製に関する刊行物に見出される。イムノアドヘシン一般、及び特にCD4-Ig融合分子は、1989年4月6日に公開された国際特許第WO89/02922号に開示されている。IgG重鎖定常領域に結合している、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のレセプター、CD4の細胞外部分を含む分子は当該分野において知られており、CD4の可溶性細胞外部分よりも著しく長い半減期とより低いクリアランスを有することが見出された[Caponら,上掲;Byrnら,Nature,344:667(1990)]。また、特異的キメラTNFR-IgG分子の作成が、Ashkenaziら,Proc.Natl.Acad.Sci.,88:10535-10539(1991),;Lesslauerら,[J.Cell.Biochem.Supplement 15F,1991,p.115(P432)];及びPeppelとBeutler,J.Cell.Biochem.Supplement 15F,1991,p.118(P439)]に記載されている。
B.Apo-2の治療的又は非治療的用途
本明細書に開示されているように、Apo-2は、治療的に使用することが可能で、哺乳動物細胞においてアポトーシスを誘導する。この治療法は、例えばインビボ又はエキソビボの遺伝子療法を使用することによりなすことができ、ここで開示しているデスドメイン配列の使用を含む。また、免疫グロブリン配列を含むApo-2キメラ分子(Apo-2の細胞外ドメイン配列を含むキメラ分子を含む)も治療的に使用することができ、Apo-2L又はApo-2が結合する他のリガンドによりアポトーシス又はNF-κB誘導を阻害する。
また、本発明のApo-2は非治療的用途においても有用性を有している。Apo-2をコードしている核酸配列を、組織特異性の分類のための診断に使用することもできる。例えば、インサイツハイブリダイゼーション、ノーザン及びサザンブロット法、及びPCR分析のような手順を、Apo-2をコードするDNA及び/又はRNAが評価されている細胞型中に存在しているか否かを決定するために使用することができる。Apo-2核酸は、ここに記載されている組換え技術によるApo-2の調製にもまた有用である。
単離されたApo-2は、未知量のApo-2を含有するサンプルが調製された対照として、定量的診断アッセイに使用され得る。またApo-2調製物は、抗体を産生する際、Apo-2に対するアッセイにおける標準として(例えば、ラジオイムノアッセイ、ラジオレセプターアッセイ又は酵素結合免疫測定法における標準としての使用のためにApo-2を標識することにより)、アフィニティー精製法において、及び例えば放射性ヨウ素、酵素又はフルオロフォアで標識された場合、特に競合型レセプター結合アッセイにおいて有用である。
Apo-2の修飾型、例えば前述のApo-2-IgGキメラ分子(イムノアドヘシン)は、抗Apo-2抗体の生産における免疫原として使用することができる。
また、Apo-2又はその修飾型をコードする核酸は、トランスジェニック動物か「ノックアウト」動物を産生するのに使用でき、これらは治療的に有用な試薬の開発やスクリーニングに有用である。トランスジェニック動物(例えばマウス又はラット)とは、出生前、例えば胚段階で、その動物又はその動物の祖先に導入された導入遺伝子を含む細胞を有する動物である。導入遺伝子とは、トランスジェニック動物が発生する細胞のゲノムに組み込まれたDNAである。一実施形態では、Apo-2をコードするcDNA、又はその適当な配列(例えば、Apo-2-IgG)を、確立された技術によりApo-2をコードするゲノムDNAをクローン化するために使用することができ、ゲノム配列を、Apo-2をコードするDNAを発現する細胞を有するトランスジェニック動物を産生するために使用することができる。特にマウス又はラット等のトランスジェニック動物を産生する方法は当該分野において常套的になっており、例えば米国特許第4736866号や第4870009号に記述されている。典型的には、特定の細胞を組織特異的エンハンサーでのApo-2導入遺伝子の導入の標的にする。胚段階で動物の生殖系列に導入されたApo-2をコードする導入遺伝子のコピーを含むトランスジェニック動物はApo-2をコードするDNAの増大した発現の影響を調べるために使用できる。このような動物は、例えば過度のアポトーシスを伴う病理的状態に対して保護をもたらすと思われる試薬のテスター動物として使用できる。発明のこの側面においては、動物を試薬で治療し、導入遺伝子を有する未治療の動物に比べ病状の発病率が低ければ、疾患に対する治療的処置の可能性が示される。他の実施態様において、可溶性型のApo-2、例えばApo-2ECD又はこのような型の免疫グロブリンキメラを有するトランスジェニック動物を作成して、Apo-2L、Apo-2のリガンドの慢性的中和の効果をテストすることができる。
あるいは、Apo-2の非ヒト相同体は、動物の胚性細胞に導入されたApo-2をコードする変更ゲノムDNAと、Apo-2をコードする内在性遺伝子との間の相同的組換えによって、Apo-2をコードする欠陥又は変更遺伝子を有する「ノックアウト」動物を作成するために使用できる。例えば、Apo-2をコードするDNAは、確立された技術に従い、Apo-2をコードするゲノムDNAのクローニングに使用できる。Apo-2をコードするゲノムDNAの一部を欠失したり、組み込みを監視するために使用する選択可能なマーカーをコードする遺伝子等の他の遺伝子で置換することができる。典型的には、ベクターは無変化のフランキングDNA(5'と3'末端の両方)を数キロベース含む[例えば、相同的組換えベクターについてはThomas and Capecchi,Cell,51:503(1987)を参照のこと]。ベクターは胚性幹細胞に(例えば電気穿孔法等によって)導入し、導入されたDNAが内在性DNAと相同的に組換えられた細胞を選択する[例えば、Liほか,Cell,69:915(1992)参照]。選択された細胞は次に動物(例えばマウス又はラット)の胚盤胞内に注入され、集合キメラを形成する[例えば、Bradley,Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells:A Practical Approach,E.J.Robertson,ed.(IRL,Oxford,1987),pp.113-152参照]。その後、キメラ性胚を適切な偽妊娠の雌性乳母に移植し、「ノックアウト」動物を作ると言われる。胚細胞に相同的に組換えられたDNAを有する子孫は標準的な技術により同定され、それらを利用して動物の全細胞が相同的に組換えられたDNAを含む動物を繁殖させることができる。ノックアウト動物は、例えば腫瘍の発達を含む、Apo-2ポリペプチドが不在であることによるある種の病理的状態及び病理的状態の発達に対して防御する能力によって特徴付けられる。
C. 抗Apo-2抗体の調製
本発明は、さらに抗Apo-2抗体を提供するものである。Apo-2に対する抗体は以下のようにして調製することができる。抗体の例としては、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異性及び異種抱合体抗体が含まれる。
1.ポリクローナル抗体
Apo-2抗体はポリクローナル抗体を含む。ポリクローナル抗体の調製方法は当業者に知られている。哺乳動物においてポリクローナル抗体は、例えば免疫化剤、所望するのであればアジュバントを、一又は複数回注射することで発生させることができる。典型的には、免疫化剤及び/又はアジュバントを複数回皮下又は腹腔内注射により、哺乳動物に注射する。免疫化剤は、Apo-2ポリペプチド又はその融合タンパク質を含みうる。適切な免疫化剤の例は、Apo-2-IgG融合タンパク質、例えばApo-2EDC-IgG融合タンパク質である。また、その表面にApo-2を発現する細胞を使用してもよい。免疫化されている哺乳動物において免疫原性であることが知られているタンパク質に免疫化剤を抱合させることが有用である。使用され得るそのような免疫原性タンパク質の例は、限定するものではないが、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン及び大豆トリプシンインヒビターが含まれる。また、哺乳動物の免疫反応を増強するために、ミョウバンのような凝集剤を使用してもよい。使用され得るアジュバントの例には、フロイント完全アジュバント及びMPL-TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロースジコリノミコラート)が含まれる。免疫化プロトコールは、過度の実験なく当業者により選択されるであろう。哺乳動物から採血し、血清を検定して抗体価を求める。望まれるならば、抗体価が増加又はプラトーするまで哺乳動物に追加免疫を施す。
2.モノクローナル抗体
あるいは、Apo-2抗体はモノクローナル抗体であってもよい。モノクローナル抗体は、Kohler及びMilstein,上掲に記載されているようなハイブリドーマ法を使用することで調製することができる。ハイブリドーマ法では、マウス、ハムスター又は他の適切な宿主動物を典型的には免疫化剤により免疫化することで、(上述したようにして)免疫化剤に特異的に結合する抗体を生成するかあるいは生成可能なリンパ球を誘導する。また、リンパ球をインビトロで免疫化することもできる。
免疫化剤は、典型的にはApo-2ポリペプチド又はその融合タンパク質を含む。適切な免疫化剤の例は、Apo-2-IgG融合タンパク質又はキメラ分子である。Apo-2EDC-IgG免疫原の特定の例は、以下の実施例9に記載している。表面でApo-2を発現する細胞もまた使用することができる。一般にヒト由来の細胞が望まれる場合には末梢血リンパ球(「PBL」)が使用され、あるいは非ヒト哺乳動物源が望まれている場合は、脾臓細胞又はリンパ節細胞が使用される。次いで、ポリエチレングリコール等の適当な融合剤を用いてリンパ球を不死化株化細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する[Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press,(1986)pp.59-103]。不死化株化細胞は、通常は、形質転換した哺乳動物細胞、特に齧歯動物、ウシ、及びヒト由来の骨髄腫細胞である。通常、ラット及びマウスの骨髄腫細胞が使用される。ハイブリドーマ細胞は、好ましくは、未融合の不死化細胞の生存又は増殖を阻害する一又は複数の物質を含有する適切な培地で培養される。例えば、親の形質転換細胞が、酵素のヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠いていると、ハイブリドーマの培地は、典型的には、ヒポキサチン、アミノプチリン及びチミジン(「HAT培地」)を含み、この物質がHGPRT欠乏性細胞の増殖を阻止する。
好ましい不死化株化細胞は、効率的に融合し、選択された抗体生成細胞による安定した高レベルの抗体発現を支援し、HAT培地のような培地に対して感受性であるものが望ましい。より好ましい不死化株化細胞はマウス骨髄腫株であり、これはカリフォルニア州サンディエゴのSalk Institute Cell Distribution Centerやバージニア州マナッサスのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能である。ヒトモノクローナル抗体を生成するためのヒト骨髄腫及びマウス-ヒト異種骨髄腫株化細胞も開示れている[Kozbor,J.Immunol.,133:3001(1984)、Brodeurほか,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,Marcel Dekker,Inc.,New York,(1987)pp.51-63]。
ハイブリドーマ細胞を培養する培地を、Apo-2に対するモノクローナル抗体の存在について検定する。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって生成されたモノクローナル抗体の結合特異性は免疫沈降又はラジオイムノアッセイ(RIA)や酵素結合免疫測定法(ELISA)等のインビトロ結合検定法によって測定する。このような技術及びアッセイは、当該分野において公知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMunson及びPollard,Anal.Biochem.,107:220(1980)によるスキャッチャード分析法によって測定することができる。
所望のハイブリドーマ細胞が同定されたら、クローンを制限希釈工程を経てサブクローニングし、標準的な方法で増殖させることができる[Goding,上掲]。
この目的のための適当な培地には、例えば、ダルベッコの改変イーグル培地及びRPMI-1640倍地が含まれる。更に、ハイブリドーマ細胞は哺乳動物においてインビボで腹水として増殖させることもできる。
サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、例えばプロテインAセファロース法、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー法、ゲル電気泳動法、透析法又はアフィニティークロマトグラフィー等の従来の免疫グロブリン精製方法によって培地又は腹水液から分離又は精製される。
また、モノクローナル抗体は、組換えDNA法、例えば米国特許第4816567号に記載された方法により作製することができる。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、常套的な方法によって(例えば、マウス抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合可能なオリゴヌクレオチドプローブを使用して)、容易に単離し配列決定することができる。本発明のハイブリドーマ細胞はそのようなDNAの好ましい供給源となる。ひとたび単離されたら、DNAは発現ベクター内に配することができ、これが宿主細胞、例えばサルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、あるいは免疫グロブリンタンパク質を生成等しない骨髄腫細胞内にトランスフェクトされ、組換え宿主細胞内でモノクローナル抗体の合成をすることができる。また、DNAは、例えば相同マウス配列に換えてヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード配列を置換することにより[US.Patent No.4816567;Morrisonほか,上掲]、又は免疫グロブリンコード配列に非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の一部又は全部を共有結合することにより修飾することができる。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメインの代わりに置換するか、本発明の抗体の一つの抗原結合部位の可変ドメインの代わりに置換し、キメラ性二価抗体を産生することができる。
以下の実施例に記載するようにして、抗Apo-2モノクローナル抗体を調製した。これらの抗体の一つである3F11.39.7は、ATCCに寄託され、寄託受入番号第HB-12456が付与された。一実施態様において、本発明のモノクローナル抗体は、受入番号HB-12456で寄託されたハイブリドーマ株化細胞により分泌されるモノクローナル抗体と同じ生物学的特徴を有する。「生物学的特徴」という用語は、モノクローナル抗体のインビトロ及び/又はインビボの活性又は性質、例えばApo-2に特異的に結合する能力又はApo-2活性を実質的に阻止、誘導又は高める能力を指すために使用される。本明細書に開示されているように、3F11.39.7モノクローナル抗体(HB-12456)は、アポトーシスを誘導するアゴニスト活性を有し、Apo-2レセプターに結合し、以下の実施例に記載されているように阻害活性を有し、DcR1又はDcR2に対してではなくDR4に対してある程度の交差反応性を有するものとして特徴付けられる。場合によっては、モノクローナル抗体はここで開示された3F11.39.7と同じエピトープに結合する。これは、例えばここや実施例において記載したように、種々のアッセイを行うことにより測定することができる。例えば、モノクローナル抗体が、特に開示された3F11.39.7抗体と同じ特異性を有しているかどうか測定するためには、以下の実施例に記載しているものような、Apo-2阻止及びアポトーシス誘導アッセイにおける活性を比較することができる。
また、本発明の抗体は一価抗体を含む。一価抗体の調製方法は当該分野においてよく知られてる。例えば、一つの方法は免疫グロブリン軽鎖と修飾重鎖の組換え発現を含む。重鎖は一般的に、重鎖の架橋を防止するようにFc領域の任意のポイントで切断される。あるいは、関連したシステイン残基を他のアミノ酸残基で置換するか欠失させて架橋を防止する。
一価抗体の調製にはインビトロ法がまた適している。抗体の消化による、その断片、特にFabフラグメントの調製は、当該分野において知られている慣用的技術を使用して達成できる。例えば、消化はパパインの使用により行うことができる。パパイン消化の例は、94/22/12に公開された国際特許第WO94/29348号、及び米国特許第4342566号に記載されている。抗体のパパイン消化は、典型的には、Fabフラグメントと呼ばれ、各々が単一の抗原結合部位を有する2つの同一の抗原結合フラグメントと、残りのFcフラグメントを生成する。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有し、抗原の架橋が尚も可能なF(ab')2フラグメントが得られる。
また、抗体の消化により生産されたFabフラグメントは、軽鎖の定常ドメインと重鎖の第1定常ドメイン(CH1)を含む。Fab'フラグメントは、抗体のヒンジ領域から一又は複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端にいくつかの残基が付加されているということで、Fabフラグメントとは異なっている。Fab'-SHとは、定常ドメインのシステイン残基が遊離のチオール基を担持しているFab'に対するここでも命名である。F(ab')2抗体フラグメントは、本来は、それらの間にヒンジシステインを有するFab'フラグメントの対として生産された。抗体フラグメントの他の化学的結合もまた知られている。
3.ヒト化抗体
本発明のApo-2抗体は、さらにヒト化抗体又はヒト抗体を含む。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形とは、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖あるいはその断片(例えばFv、Fab、Fab'、F(ab')2あるいは抗体の他の抗原結合サブ配列)であって、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むものである。ヒト化抗体はレシピエントの相補性決定領域(CDR)の残基が、マウス、ラット又はウサギのような所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)のCDRの残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。ある場合には、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置換されている。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移入されたCDRもしくはフレームワーク配列にも見出されない残基を含んでいてもよい。一般に、ヒト化抗体は、全てあるいはほとんど全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てあるいはほとんど全てのFR領域がヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、最適には免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含んでなる[Jonesほか,Nature,321:522-525(1986);Riechmannほか,Nature,332:323-329(1988);及びPresta,Curr.Op Struct.Biol.,2:593-596(1992)]。
非ヒト抗体をヒト化する方法は従来からよく知られている。一般的に、ヒト化抗体には非ヒト由来の一又は複数のアミノ酸残基が導入される。これら非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、典型的には「移入」可変ドメインから得られる「移入」残基と称される。ヒト化は基本的に齧歯動物のCDR又はCDR配列でヒト抗体の該当する配列を置換することによりウィンター及び共同研究者[Jonesほか,Nature,321:522-525(1986)、Riechmannほか,Nature,332:323-327(1988)、Verhoeyenほか,Science,239:1534-1536(1988)]の方法を使用して行える。よって、このような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインより実質的に少ない分が非ヒト種由来の該当する配列で置換されたキメラ抗体(U.S.4,816,567)である。実際には、ヒト化抗体は典型的にはある程度のCDR残基及び場合によってはいくらかのFR残基が齧歯類抗体の類似する部位からの残基によって置換されるヒト抗体である。
抗原性を軽減するには、ヒト化抗体を生成するために使用するヒトの軽及び重可変ドメインの両方の選択が非常に重要である。「ベストフィット法」では、齧歯動物抗体の可変ドメインの配列を既知のヒト可変ドメイン配列ライブラリ全体に対してスクリーニングする。齧歯動物のものと最も近いヒトの配列を次にヒト化抗体のヒトフレームワーク(FR)として受け入れる[Simsほか,J.Immunol.,151:2296(1993);Chothia及びLesk,J.Mol.Biol.,196:901(1987)]。他の方法では、軽又は重鎖の特定のサブグループのヒト抗体全てのコンセンサス配列から誘導される特定のフレームワークを使用する。同じフレームワークをいくつかの異なるヒト化抗体に使用できる[Carterほか,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);Prestaほか,J.Immunol.,151:2623(1993)]。
更に、抗体は、抗原に対する高親和性や他の好ましい生物学的性質を保持してヒト化することが重要である。この目標を達成するべく、好ましい方法では、親及びヒト化配列の三次元モデルを使用して、親配列及び様々な概念的ヒト化産物の分析工程を経てヒト化抗体を調製する。三次元免疫グロブリンモデルは一般的に入手可能であり、当業者にはよく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列の推測三次元立体配座構造を図解し、表示するコンピュータプログラムは購入可能である。これら表示を見ることで、候補免疫グロブリン配列の機能における残基の役割の分析、すなわち候補免疫グログリンの抗原と結合する能力に影響を及ぼす残基の分析を可能とする。このようにして、例えば標的抗原に対する親和性を高めるといった、望ましい抗体特徴が得られるように、FR残基をコンセンサス及び移入配列から選択し、組み合わせることができる。一般的に、CDR残基は、直接かつ最も実質的に抗原結合性に影響を及ぼしている[1994年、3月3日に公開されたWO 94/04679を参照]。
免疫化することで、内在性免疫グロブリンが生成されない状態でもヒト抗体の完全リパートリを生成することができるトランスジェニック動物(例えばマウス)を使用することが可能である。このような生殖系列変異マウスにヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子配列を移すと、抗原による誘導時にはヒト抗体の生成が生じる[例えば、Jakobovitsほか,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:2551-255(1993);Jakobovitsほか,Nature,362:255-258(1993);Bruggermanほか,Year in Immuno.,7:33(1993)を参照]。
また、ヒト抗体はファージディスプレイライブラリ[Hoogenboom及びWinter,J.Mol.Biol.,227:381(1992);Marksほか,J.Mol.Biol.,222:581(1991)]において産生することもできる。また、Coleら及びBoernerらの方法も、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用することができる[Coleら,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss.p.77(1985)及びBoernerら,J.Immunol.,147(1):86-95(1991)]。ファージライブラリを調製するための適切な方法がレビューされ、Winterら,Annu.Rev.Immunol.,12:433-55(1994);Soderlindら,Immunologic al Reviews,130:109-123(1992);Hoogenboom,Tibtech 1997年2月,Vol.15;Neriら,Cell Biophysics,27:47-61(1995)に記載されている。また、単鎖抗体のライブラリも、国際特許第WO92/01047号、国際特許第WO92/20791号、国際特許第WO93/06213号、国際特許第WO93/11236号、国際特許第WO93/19172号、国際特許第WO95/01438号及び国際特許第WO95/15388号に記載されている方法で調製することができる。さらに抗体ライブラリは、例えばCambridge Antibody Technologies(C.A.T.),Cambridge,UK.から市販されている。Apo-2の場合、抗原に対する結合選択は以下の実施例においてさらに詳細に記載されているようにして実施することができる。
以下の実施例に記載されているように、抗Apo-2単鎖Fv(scFv)抗体を、ファージディスプレイライブラリを使用して同定した。ここで16E2、24C4及び20E6と称されるこれら3つの抗体を配列決定して特性付けした。これらの抗体の各DNA及びアミノ酸配列及び相補性決定領域を図15A−15C及び16に示す。本発明の一実施態様において、scFvApo-2抗体は、ここで同定した16E2、24C4又は20E6抗体と同じ生物学的特性を有する。「生物学的特性」という用語は、scFv抗体のインビトロ及び/又はインビボ活性又は性質、例えばApo-2に特異的に結合する能力又はApo-2活性を実質的に誘導又は高める能力を指すために使用される。本明細書に開示しているように、16E2、24C4及び20E6抗体は、Apo-2に結合し、アポトーシスを誘導するアゴニスト活性を有し、DR4又はApo-2リガンドにより認識されるいくつかの他の既知の分子に対する交差反応性がないと特性付けられる。場合によっては、scFvApo-2抗体は同じエピトープ又はここで開示されている16E2、24C4又は20E6抗体により認識されるエピトープに結合する。このことは、例えばここや実施例において記載されているもののような種々のアッセイを実施することにより測定することができる。例えば、scFv抗体が、特に開示されている16E2、24C4又は20E6抗体と同じ特異性を有しているか否かを測定するために、以下の実施例に記載しているもののような、アポトーシス誘導アッセイにおける活性を比較することができる。
場合によっては、Apo-2に対するscFv抗体は、16E2、20E6又は24C4抗体に対して図16において同定された一又は複数の相補性決定領域(CDR)アミノ酸配列を含むVH及びVL鎖を含む抗体を含みうる。
4.二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有するモノクローナル、好ましくはヒトもしくはヒト化抗体である。本発明の場合において、結合特異性の一方はApo-2に対してであり、他方は任意の他の抗原、好ましくは細胞表面タンパク質又はレセプター又はレセプターサブユニットに対してである。
二重特異性抗体を生成する方法は当該技術分野において周知である。伝統的には、二重特異性抗体の組換え生成方法は、二つの重鎖が異なる特異性を持つ二つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の同時発現に基づく[Millstein及びCuello,Nature,305:537-539(1983)]。免疫グロブリンの重鎖と軽鎖のランダムな混合のため、これらハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の異なる抗体分子の潜在的混合物を生成でき、その内一種のみが正しい二重特異性構造を有する。正しい分子の精製は、アフィニティークロマトグラフィー工程によって通常達成される。同様の手順が1993年5月13日公開の国際特許第93/08829号、及びTrauneckerほか,EMBO J.,10:3655-3656(1991)に開示されている。
別のより好ましいアプローチによれば、所望の結合特異性(抗体-抗原組合せ部位)を有する抗体可変ドメインを免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合する。
融合は、好ましくは少なくともヒンジ部、CH2及びCH3領域の一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインで起きる。少なくとも一つの融合には軽鎖結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常領域(CHl)が存在することが望ましい。免疫グロブリン重鎖融合をコードするDNA、望むのであれば免疫グロブリン軽鎖を、別々の発現ベクターに挿入し、適当な宿主生物に同時形質移入する。これは、構築に使用する三つのポリペプチド鎖が不等の比である時に最高の収率が得られる実施態様において、三つのポリペプチドフラグメントの相互比率を調整する際に大なる柔軟性をもたらす。しかし、少なくとも二つのポリペプチド鎖が同比率で発現すると高収率が得られる場合や比率が特に重要ではない場合には、一つの発現ベクターに二つ又は三つ全てのポリペプチド鎖のコード配列を挿入することができる。このアプローチの好適な形態では、二重特異性抗体は、一方のアームの第一結合特異性を有するハイブリッド免疫グロブリン重鎖と、他方のアームのハイブリッド免疫グロブリン重鎖/軽鎖対(第二の結合特異性をもたらす)からなる。このような非対称的構造は、二重特異性分子の半分にのみ免疫グロブリン軽鎖が存在すると容易な方法で分解できるので、所望の二重特異性化合物を不要な免疫グロブリン鎖の組み合わせから分解し易くすることが見出された。このアプローチは1994年3月3日公開の国際特許第94/04690号によって開示されている。二重特異性抗体を生成するためのさらなる詳細については、例えばSureshほか,Methods in Enzymology,121:210(1986)を参照されたい。
5.異種抱合体抗体
ヘテロ抱合抗体もまた本発明の範囲に入る。ヘテロ抱合抗体は、2つの共有的に結合した抗体からなる。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不要な細胞に対してターゲティングさせるため(米国特許第4,676,980号)及びHIV感染の治療(WO 91/00360、WO92/200373;EP 03089)のために提案された。本抗体は、架橋剤に関連したものを含む合成タンパク化学における既知の方法を使用して、インビトロで調製することができると考えられる。例えば、ジスルフィド交換反応を使用するか又はチオエーテル結合を形成することにより、免疫毒素を作成することができる。この目的に対して好適な試薬の例には、イミノチオレート及びメチル-4-メルカプトブチリミデート、及び例えば米国特許第4676980号に開示されているものが含まれる。
6.トリアボディ(Triabodies)
トリアボディも本発明の範囲に入る。このような抗体は、例えばIliadesら,FEBS Letters,409:437-441(1997)及びKorrtら,Protein Engineering,10:423-433(1997)に記載されている。
7.他の改変
Apo-2抗体の他の修飾について考察する。例えば、抗体の治療効果を高めるために、エフェクター機能に関して、本発明の抗体を改変することが望ましい。例えば、システイン残基(類)をFc領域に導入し、この領域において鎖間ジスルフィド結合が形成されるようにする。このようにして産生されたホモダイマー抗体は、内部移行能力が改善され及び/又は補体性細胞死滅性が増加している[例えば、Caronら,J.Exp.Med.,176:1191-1195(1992);Shopes,J.Immunol.,148:2918-2922(1922)を参照のこと]。また、ホモダイマー抗体は、Wolffら,Cancer Research,53:2560-2565(1993)に記載されているようなヘテロ二官能性クロスリンカー(cross-llnkers)を使用して調製することもできる。さらに、Ghetieらは、Proc.Natl.Acad.Sci.,94:7509-7514(1997)において、IgG-IgGホモダイマーの調製について記載しており、このようなホモダイマーがモノマーと比較してア ポトーシス活性を高めることが可能であることを開示している。また、抗体は二重Fc領域を有するように操作することができる[Stevensonら,Anti-CancerDrugDesign,3:219-230(1989)を参照]。
ここで開示されている抗体のアミノ酸配列を改変することが望ましい。scFv相補性決定又はリンカー領域内の配列(図16に示す)は、例えばこれらの抗体の生物学的活性を変調するために改変することができる。全長scFv配列、又はここで記載されているscFv分子の種々のドメインにおける変異は、例えば米国特許第5364934号に記載された保存的あるいは非保存的突然変異に関する方法とガイドラインの任意のものを使用して作製することができる。変異は、天然配列scFvと比較してscFvのアミノ酸配列に変化を生じせしめるscFvをコードしている一又は複数のコドンの置換、欠失又は挿入でありうる。場合によっては、変異は、scFv分子の一又は複数のドメインにおいて、少なくとも1つのアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されることによりなされる。変異は、オリゴヌクレオチド媒介性(部位特異的)突然変異誘発、アラニンスキャニング、及びPCR突然変異誘発のような当該分野において既知の方法を用いて行うこともできる。クローン化DNAに部位特異的突然変異誘発[Carterら,Nucl.Acids.Res.,13:4331(1986);Zollerら,Nucl.Acids.Res.,10:6487(1987)]、カセット突然変異誘発[Wellsら,Gene,34:315(1985)]、制限選択的突然変異誘発[Wellら,Philos.Trans.R.Soc.London.SerA,317:415(1986)]又は他の既知の技術を実施して、scFv変異体DNAを生産することができる。
抗体は、一又は複数の化学基に共有的に結合されるか、又は抱合されてもよい。例えば、ポリオールは国際特許第WO93/00109号に開示されているようなリシン残基を含む、一又は複数のアミノ酸残基で抗体分子に抱合することができる。場合によっては、ポリオールは、ポリ(アルケレングリコール)、例えばポリ(エチレングリコール)(PEG)であるが、当業者であれば、他のポリオール、例えばポリ(プロピレングリコール)及びポリエチレン-ポリプロピレングリコールコポリマーを、ポリペプチドにPEGを抱合する技術を使用して用いることができることは分かる。ポリペプチドをペギレート化(pegylating)するための種々の方法が記述されている。例えば、低減した免疫原性を有する生理学的に活性な組成物を生成するための、PEG及びポリプロピレングリコールへの、多くのホルモン及び酵素の抱合が開示されている米国特許第4179337号を参照のこと。
また、抗体は他の異種ポリペプチド又はアミノ酸配列、例えばエピトープタグに融合又は結合させてもよい。エピトープタグポリペプチド及びそれらの使用方法は、A部8項に上述されている。ここで記載された任意のタグを抗体に結合させてもよい。例えば、以下の実施例には、His-タグ及びgD-タグ単鎖抗体が記載されている。
D.Apo-2抗体の治療的用途
本発明のApo-2抗体は治療的な有用性を有している。例えば、アゴニストApo-2抗体は癌細胞においてアポトーシスを活性化又は刺激するために使用することができる。従って、本発明は、このようなApo-2抗体を使用する癌の治療方法を提供する。もちろん、本発明の方法は外科術等の他の治療方法と組合せて使用することができると考えられる。
アゴニストは好ましくは担体によって哺乳動物に投与される。適切な担体とそれらの製剤は、Osloらにより編集された、Remington's Pharmaceutical Sciences,16th ed.,1980,Mack Publishing Co.,に記載されている。典型的には、適量の製薬的に許容可能な塩が、製剤を等浸透圧にするために製剤において使用される。製薬的に許容可能な担体の例には、生理食塩水、リンガー液及びデキストロース液が含まれる。溶液のpHは、好ましくは約5〜8、さらに好ましくは約7〜7.5である。さらに担体には、アゴニストを含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックス等の徐放性製剤が含まれ、このマトリックスは、例えばフィルム状、リポソーム状又はマイクロ粒子状等の成形物の形態をしている。例えば投与されるアゴニストの投与経路及び濃度によっては、ある種の担体がより好ましくなることは、当業者には明らかである。
アゴニスト抗体は、注射(例えば、静脈、腹腔内、皮下、筋内)、又は例えば点滴のように、有効な形態で血流への送達を確実にする他の方法で哺乳動物に投与することができる。アゴニストは、また、腫瘍内、腫瘍周囲、病巣内、又は病巣周囲経路で投与されて、局所的並びに全身的治療効果を発揮する。局所的又は静脈注射が好ましい。
アゴニスト抗体を投与するための有効な用量とスケジュールは経験的に決定することができ、このような決定は当業者の技量の範囲に含まれる。当業者であれば、投与されなければならないアゴニストの用量が、アゴニストを受入れる哺乳動物、投与経路、使用されるアゴニストの特定の種類、及び哺乳動物に投与されている他の薬剤に依存して変わりうることは理解できるであろう。抗体アゴニストの適切な投与量の選択における指針は、抗体の治療的用途における文献、例えば、Handbook of Monoclonal Antibodies,Ferroneら,eds.,Noges Publications,Park Ridge,N.J.,(1985)ch.22及びpp.303-357;Smithら,Antibodies in Human Diagnos is and Therapy,Haberら,eds.,Raven Press,New York(1977)pp.365-389に見出される。単独で使用されるアゴニストの典型的な一日の投与量は、上述の要因に依存し、1日当たり約1μg/kg体重から100mg/kg体重又はそれ以上の範囲である。
また、アゴニスト抗体は、有効量の一又は複数の他の治療剤と組合せるか、又は放射線治療と共に、哺乳動物に投与してもよい。考えられる治療剤には、化学療法並びにイムノアジュバント及びサイトカインが含まれる。本発明において考慮される化学療法には、当該分野において既知であって市販されている化学物質又は薬物、例えばドキソルビシン、5-フルオロウラシル、シトシンアラビノシド(「Ara-C」)、シクロホスファミド、チオテパ、ブスルファン、サイトキシン、タキソール、メトトレキセート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチン及びカルポプラチンが含まれる。アゴニストは、一又は複数の他の治療剤と連続して又は同時に投与してもよい。アゴニスト及び治療剤の量は、例えば、使用される薬物の種類、治療される癌、及び投与スケジュールと経路に依存するが、各々が個々に使用される場合よりも一般に少ない。
哺乳動物にアゴニストを投与した後、哺乳動物の癌及び生理学的状態を、当業者によく知られている種々の方法でモニターすることができる。例えば、腫瘍塊を物理的又は標準的なx線画像技術により観察することができる。
また、本発明のApo-2抗体は、例えばADCC又は補体結合により、Apo-2を発現している細胞における免疫媒介性細胞死を高めるのに有用である。
また、アンタゴニスト抗体は、NF-κBの活性化の結果生じるApo-2の潜在的自己免疫/炎症効果を阻止するか、又は過度のアポトーシス(例えば、神経変性症)を阻止するために使用することもできる。このようなアンタゴニスト抗体は、上述の治療方法及び技術に従って利用することができる。
E.Apo-2抗体の非治療的用途
さらに、Apo-2抗体はApo-2の診断検定法、例えば特異的細胞、組織又は血清における発現を検出する検定法に使用することができる。当該分野において知られている様々な診断検定技術、例えば、競合的結合検定、直接的又は間接的サンドイッチ検定及び不均一又は均一相の何れにおいても実施される免疫沈降検定を使用することができる[Zola,Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques,CRC Press,Inc.,(1987)pp.147-158]。診断検定法に使用される抗体は、検出可能部分で標識することができる。検出可能成分は、直接的に又は間接的に検出可能なシグナルをつくりだすことができなければならない。例えば検出可能成分は、3H、14C、32P、35S又は125I等の放射性同位体、蛍光イソチオシアネート、ローダミン又はルシフェリン等の蛍光又は化学発光化合物、もしくはアルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ又は酉洋わさびペルオキシダーゼ等の酵素であってもよい。Hunterほか,Nature,144:945(1962)、Davidほか,Biochemistry,13:1014(1974)、Painほか,J.Immunol.Meth.,40:219(1981)及びNygrenほか,J.Histochem.and Cytochem.,30:407(1982)等に記載されている方法を含み、検出可能部分に抗体を抱合させるための当該分野において知られている任意の方法を使用することができる。
また、Apo-2抗体は天然供給源又は組換え細胞培養由来のApo-2のアフィニティー精製にも有用である。この方法においては、Apo-2に対する抗体を、当該分野でよく知られている方法を使用して、セファデックス樹脂や濾過紙のような適当な支持体に固定する。次に、固定された抗体を、精製するApo-2を含む試料と接触させ、ついで、固定された抗体に結合したApo-2以外の試料内の物質を実質的に全て除去する適当な溶媒で支持体を洗浄する。最後に、Apo-2を抗体から離脱させる他の適当な溶媒で支持体を洗浄する。
F.Apo-2又はApo-2抗体を含むキット
本発明のさらなる実施態様においては、例えば上述の治療的又は非治療的用途に使用可能なApo-2又はApo-2抗体を含むキット及び製造品が提供される。製造品にはラベルが付された容器が含まれる。適切な容器には、例えばボトル、バイアル、及び試験管が含まれる。容器はガラス又はプラスチックのような種々の物質から形成できる。容器は、上述の治療的又は非治療的用途に有効な活性剤を含む組成物を収容する。組成物中の活性剤は、Apo-2又はApo-2抗体である。容器のラベルには、組成物が特定の治療的又は非治療的用途に使用されることが示され、また上述のもののようなインビボ又はインビトロのいずれかの使用の指示が示されている。
本発明のキットは、典型的には、前掲の容器と、商業上及び使用者の観点から望まれる、バッファー、希釈液、フィルター、針、注入器及び使用説明が記されたパッケージ挿入物を含む、材料を含む一又は複数の他の容器を含んでいる。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
以下の実施例は例示するためにのみ提供されるものであって、本発明の範囲を決して限定することを意図するものではない。
本明細書で引用した全ての特許及び参考文献の全体を、出典明示によりここに援用する。
実施例
実施例において言及されている全ての制限酵素は、ニューイングランドバイオラボ社(New England Biolabs)から購入し、製造者の使用説明書に従い使用した。実施例で言及されていろ全ての他の市販試薬は、特に示していない限りは、製造者の使用説明書に従い使用した。ATCC受入番号により次の実施例及び明細書全体を通して特定している細胞の供給源はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(Manassas,VA)である。
実施例1
ヒトApo−2をコードしているcDNAクローンの単離 発現配列タグ(EST)DNAデータベース(LIFESEQTM,Incyte Pharmaceuticals,Palo Alto,CA)を検索し、アポ3レセプター[Marstersら,Curr.Biol.,6:750(1996)]のデスドメインに相同であったあるESTを同定した。ヒト膵臓及び腎臓のlgt10バクテリオファージcDNAライブラリ(両方ともClontech社から購入)を、以下のようにしてpRKベクター中に結合させた。試薬を添加し、16℃で16時間インキュベートした:5X T4リガーゼバッファー(3ml);pRK5、Xho1、Not1消化ベクター、0.5mg、1ml);cDNA(5ml)及び蒸留水(6ml)。続いて、さらに蒸留水(70ml)と10mg/mlのtRNA(0.1ml)を添加し、全反応物をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)により抽出した。水相を取り出し、収集し、5MのNaCl(10ml)と無水エタノール(−20℃、250ml)に希釈した。ついで、これを14000xgで20分間遠心分離し、デカントし、ペレットを70%エタノール(0.5ml)に再懸濁し、再度、14000xgで2分間遠心分離した。ついで、DNAペレットをスピードバク中で乾燥させ、次の処理で使用できるように蒸留水(3ml)に溶解した。
予め調製しておいた結合cDNA/pRK5ベクターDNAを氷上で冷却し、エレクトロコンピテントDH10B細菌(Life Tech.,20ml)を添加した。ついで、細菌ベクターの混合物を、製造者の推奨に従って電気穿孔法にかけた。続いてSOC培地(1ml)を添加し、混合物を37℃で30分間インキュベートした。ついで、形質転換体を、アンピシリンを含有する20の標準的な150mmLBプレートに蒔き、16時間(37℃)の間インキュベートし、コロニーを成長させた。ついで、陽性コロニーを擦り取り、標準的なCsCl勾配性プロトコールを使用して、細菌ペレットからDNAを単離した。
ついで、濃縮5'-cDNAライブラリを作成し、このライブラリに含まれるcDNAの5'末端を優先的に示すcDNAフラグメントのバイアスを得た。10mgのプールした単離全長ライブラリプラスミドDNA(41ml)をNot1制限バッファー(New England Biolabs、5ml)及びNot1(New England Biolabs、4ml)と組合せ、37℃で1時間インキュベートした。反応物をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1、50ml)により抽出し、水相を取り出し、収集し、5MのNaCl(5ml)と無水エタノール(−20℃、150ml)中に再懸濁させた。ついでこれを、14000xgで20分間遠心分離し、デカントし、70%エタノール(0.5ml)に再懸濁し、再度、14000xgで2分間遠心分離した。ついで、上清を取り出し、ペレットをスピードバック中で乾燥させ、蒸留水(10ml)に再懸濁させた。
次の試薬を一緒にし、37℃で2時間インキュベートした:蒸留水(3ml);直線化DNAライブラリ(1mg、1ml);リボヌクレオチドミックス(インビトロゲン、10ml);転写バッファー(インビトロゲン、2ml)及びSp6酵素ミックス。ついで反応物をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1、50ml)により抽出し、水相を取り出し、収集し、5MのNaCl(5ml)と無水エタノール(−20℃、150ml)に再懸濁させ、14000xgで20分間遠心分離した。ついでペレットをデカントし、70%エタノール(0.5ml)に再懸濁し、再度、1400xgで2分間遠心分離し、デカントして、スピードバック中で乾燥させ、蒸留水(10ml)に再懸濁させた。
次の試薬を一緒に添加し、16℃で16時間インキュベートした:5X T4リガーゼバッファー(Life Tech.,3ml):pRK5、Cla-Sal消化ベクター、0.5mg、1ml);cDNA(5ml);蒸留水(6ml)。続いて、さらなる蒸留水(70ml)と10mg/mlのtRNA(0.1ml)を添加し、全反応物をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1、100ml)により抽出した。水相を取り出し、収集し、5MのNaCl(10ml)と無水エタノール(−20℃、250ml)で希釈し、14000xgで20分間遠心分離した。DNAペレットをデカントし、70%エタノール(0.5ml)に再懸濁し、再度、14000xgで2分間遠心分離した。上清を取り出し、残査ペレットをスピードバック中で乾燥させ、蒸留水(3ml)に再懸濁させた。結合cDNA/pSST-amy.1ベクターDNAを氷上で冷却し、電子受容性DH10B細菌を添加した(Life Tech.,20ml)。ついで、細菌ベクターの混合物を、製造者の推奨により電気穿孔法にかけた。続いてSOC培地(Life Tech.,1ml)を添加し、混合物を37℃で30分間インキュベートした。ついで、形質転換体を、アンピシリンを含有する20の標準的な150mmLBプレートに配し、16時間(37℃)でインキュベートした。ついで、陽性コロニーをプレートから擦り取り、標準的なプロトコール、例えばCsCl勾配を使用し、細菌ペレットからDNAを単離した。
cDNAライブラリを、ESTに基づく合成オリゴヌクレオチドプローブ:GGGAGCCGCTCATGAGGAAGTTGGGCCTCATGGACAATGAGATAAAGGTGGCTAAAGCTGAGGCAGCGGG(配列番号:3)を用いたハイブリダイゼーションによりスクリーニングした。
3つのcDNAの全体を配列決定した。cDNAの重複コード領域はコドン410を除き同一であった(図1の番号付けを使用);おそらくは多型性であるため、この位置は、両膵臓cDNAのロイシン残基(TTG)、及び腎臓cDNAのメチオニン残基(ATG)をコード化した。
Apo-2の全ヌクレオチド配列を図1に示す(配列番号:2)。クローン27868(以下に示されるように、ATCC 209021として寄託され、pRK5-アポ2とも称される)は、ヌクレオチド位置140-142における見かけ翻訳開始部位を有する単一のオープンリーディングフレームを含み[Kozakら,上掲]、ヌクレオチド部位1373-1375で見出される終止コドンで終了する(図1;配列番号2)。予想されるポリペプチド前駆物質は411アミノ酸長さで、I型膜貫通タンパク質であり、約45kDaの算定分子量を有する。ヒドロパシー分析(図示しない)により、シグナル配列(残基1-53)、続いて細胞外ドメイン(残基54-182)、膜貫通ドメイン(残基183-208)、及び細胞内ドメイン(残基209-411)の存在が示唆された(図2;配列番号:1)。293細胞で発現したApo-2-IgGのN末端アミノ酸配列分析により、成熟ポリペプチドがアミノ酸残基54で始まり、実際のシグナル配列は残基1-53を含むことが示された。Apo-2ポリペプチドは、寄託されたATCC20902lベクターのcDNA挿入物によりコード化される分子を発現させることにより得られるか得られうる。
TNFレセプターファミリータンパク質は、典型的には、細胞外領域に複数の(通常は4つ)システインに富んだドメインが存在していることを特徴としており、各システインリッチドメインは約45アミノ酸長であり、規則的に間隔を開けた約6つのシステイン残基を有している。1型TNFレセプターの結晶構造に基づき、各ドメインにおけるシステインは、典型的には3つのジスルフィド結合を形成し、通常システイン1と2、3と5、及び4と6が互いに対になっている。
DR4のように、Apo-2は2つの細胞外のシステインに富んだ擬性反復部を含む(図2A)が、これに対し他の同定されている哺乳動物TNFRファミリーのメンバーは3又はそれ以上のこのようなドメインを含む[Smithら,Cell,76:959(1994)]。
Apo-2の細胞質領域はデスドメインを含み(図1に示すアミノ酸残基324-391;さらに図2Aを参照)、これはTNFR1(30%);CD95(19%);又はアポ3/DR3(29%)のデスドメインに対してよりも、DR4(64%)のデスドメインに対して、顕著により高いアミノ酸配列同一性を示すものである(図2B)。TNFR1によるシグナル伝達に必要とされる6つのデスドメインの内4つはApo-2内に保存されているが、他の2つの残基は半保存されている(図2Bを参照)。
全長配列のアラインメント分析(ALIGMTMコンピュータプログラムを使用)に基づくと、Apo-2は他のアポトーシス関連レセプター、例えばTNFR1(19%);CD95(17%);又はアポ3(DR3、WSL-1又はTRAMPとも称される)(29%)に対してよりも、DR4(55%)に対してより高い配列同一性を示す。
実施例2
A.Apo-2ECDの発現
可溶性の細胞外ドメイン(ECD)融合カセットを調製した。Apo-2ECD(図1に示すアミノ酸残基1-184)をPCR法により得て、C末端フラッグエピトープタグ(Sigma)に融合させた。(残基183及び184は膜貫通領域にあることが予想されていても、Apo-2ECD作成物は図1に示す残基183及び184を含んでおり、接合部に可撓性を付与する)。ついで、フラッグエピトープタグ分子をpRK5に挿入し、ヒト293細胞(ATCC CRL 1573)に一過性トランスフェクションして発現させた。
48時間インキュベートした後、細胞上清を収集し、共沈試験(実施例3を参照)に直接使用するか、製造者(Sigma)の使用説明書に従い、抗フラッグアガロースビーズによるアフィニティークロマトグラフィーによりApo-2ECD-フラッグの精製を行った。
B.イムノアドヘシンとしてのApo-2ECDの発現
可溶性のApo-2ECDイムノアドヘシン作成物を調製した。Apo-2ECD(図1に示すアミノ酸1-184)を、過去に記載されているようにして[Ashkenaziら,Proc.Natl.Acad.Sci.,88:10535-10539(1991)]、pRK5のヒト免疫グロブリンG1重鎖のヒンジ及びFc領域に融合した。イムノアドヘシンは、ヒト293細胞に一過性トランスフェクションして発現させ、前掲のAshkenaziらにより記載されたプロテインAアフィニティークロマトグラフィーにより細胞上清から精製した。
実施例3
Apo-2とApo-2リガンド間の結合相互作用を示す免疫沈降アッセイ
Apo-2とApo-2Lが相互作用するか又は互いに結合するかを測定するために、擬似トランスフェクト293細胞又はApo-2ECD-フラッグ(上記の実施例2に記載されたもの)がトランスフェクトした293細胞(5ml)からの上清を、5μgのポリ-ヒスチジンタグ可溶性Apo-2Lと室温で30分間インキュベートし[Pittiら,上掲]、ついで共沈アッセイにより複合体形成について分析した。
試料を25μlの抗フラッグ抱合アガロースビーズ(Sigma)又はニッケル抱合アガロースビーズ(Qiagen)を使用し、免疫沈降にかけた。4℃で1.5時間インキュベートした後、ビーズを遠心沈殿させ、リン酸緩衝食塩水(PBS)で4回洗浄した。抗フラッグアガロースを使用することにより、Apo-2LをフラッグタグApo-2ECDを通して沈殿させ;ニッケルアガロースを使用することにより、Apo-2ECDをHisタグApo-2Lを通して沈殿させた。沈殿したタンパク質を、SDS−PAGEバッファー中で5分間ビーズを沸騰させることで放出させ、12%のポリアクリルアミドゲルでの電気泳動により分離し、ついでMarstersら,J.Biol.Chem.,(1997)に記載されたようにして、抗Apo-2L又は抗フラッグ抗体(2μg/ml)による免疫ブロットにより検出した。
図3に示した結果は、Apo-2ECDとApo-2Lが互いに結合可能であることを示している。
さらに、結合相互作用を、抗フラッグビーズ(実施例2を参照)を用い、トランスフェクションした293細胞上清からApo-2ECDを精製し、ついでBIACORETM装置で試料を分析することにより、分析した。BIACORETM分析により、約1nMの解離定数(Kd)が示された。また、BIACORETM分析により、Apo-2ECDが他のアポトーシス誘導性TNFファミリーのメンバー、すなわちTNF-α[Genentech,Inc.,Pennicaら,Nature,312:712(1984)、lymphotoxin−α(Genentech,Inc.),又はFas/アポ1リガンド(Alexis Biochemicals)]と結合不可能であることが示された。よって、これらのデータは、Apo-2がApo-2Lに特異的なレセプターであることを示している。
実施例4
Apo-2によるアポトーシスの誘導
デスドメインはオリゴマー化界面として機能するため、デスドメインを含むレセプターの過剰発現により、リガンドの不在下においてシグナル伝達が活性化する[Frazerら,上掲,Nagataら,上掲]。Apo-2が細胞死を誘導可能であるか否かを測定するために、ヒト293細胞又はHeLa細胞(ATCC CCL 2.2)をリン酸カルシウム沈殿法(293細胞)又は電気穿孔法(HeLa細胞)により、Apo-2及び/又はCrmAをコードしているpRK5系プラスミド又はpRK5ベクターで一過性トランスフェクションした。適用できる場合に、プラスミドDNAの全体量を、ベクターDNAを添加することにより調節した。アポトーシスを、形態学的(図4A)、DNA断片化(図4B)、又はMarstersら,Curr.Biol.,6:1669(1996)に記載されているようなホスファチジルセリン暴露のFACS分析(図4C)により、トランスフェクション24時間後に評価した。図4A及び4Bに示すように、Apo-2トランスフェクション293細胞には、顕著なアポトーシスが発生した。
FACSにより分析される試料に対して、HeLa細胞にトランスフェクション用のマーカーとしてpRK5-CD4を同時形質移入させ、CD4発現細胞におけるアポトーシスを測定した:FADDをApo-2プラスミドで同時形質移入した;データは、Marstersら,Curr.Biol.,6:1669(1996)に記載されているように、少なくとも3回の実験の平均値±SEMである。カスパーゼ阻害剤、DEVD-fmk(Enzyme Systems)又はz-VAD-fmk(Research Biochemicals Intl.)を、トランスフェクション時に200μMで添加した。図4Cに示すように、カスパーゼ阻害剤CrmA、EVD-fmk及びz-VAD-fmkが、Apo-2により誘導されるアポトーシスを阻害し、この反応におけるCed-3-プロテアーゼの関与が示された。
FADDは、CD95、TNFR1及びアポ3/DR3によるアポトーシスの活性化を媒介するアダプタータンパク質である[Nagataら,上掲]が、Apo-2L[Marstersら,上掲]又はDR4[Panら,上掲]によるアポトーシス誘導には必要であるとは思われない。CD95、TNFR1又はアポ3/DR3によるアポトーシス誘導を阻害するFADDのドミナントネガティブ変異体型[Frazerら,上掲;Nagataら,上掲;Chinnaylanら,上掲]は、HeLa細胞にApo-2を同時形質移入させた場合(図4C)に、Apo-2によるアポトーシス誘導を阻害しなかった。これらの結果より、Apo-2は、FADDとは独立して、アポトーシスのシグナル伝達をしていることが示唆される。この結論と一致して、Apo-2細胞質領域を含むグルタチオン-S-トランスフェラーゼ融合タンパク質は、インビトロで転写され翻訳されたFADDに結合しなかった(データは示さず)。
実施例5
可溶性Apo-2ECDによるApo-2L活性の阻害
可溶性Apo-2L(0.5μg/ml、Pittiら,上掲に記載されたようにして調製)を、抗フラッグ抗体(Sigma)と共に、PBSバッファー又はアフニティー精製されたApo-2ECD(5μg/ml)と室温で1時間、プレインキュベートし、HeLa細胞に添加した。インキュベート5時間後、細胞をFACS(上述)(図4D)によりアポトーシスについて分析した。
Apo-2LはHeLa細胞において顕著なアポトーシスを誘導し、可溶性Apo-2ECDはApo-2Lの作用を阻止でき、Apo-2LとApo-2との間に特異的な相互作用があることが確認された。同様の結果がApo-2ECDイムノアドヘシンでも得られた(図4D)。用量-反応分析では、約0.3nMのApo-2イムノアドヘシンで最大半減阻害が示されている(図4E)。
実施例6
Apo-2によるNF-κBの活性化
Apo-2がNF-κBを活性化させるか否かを測定するためのアッセイを行った。
HeLa細胞を、全長天然配列Apo-2、DR4又はアポ3をコードするpRK5発現プラスミドでトランスフェクションし、トランスフェクション24時間後に収集した。核抽出物を調製し、1μgの核タンパク質を、32P標識NF-κB特異性合成オリゴヌクレオチドプローブATCAGGGACTTTCCGCTGGGGACTTTCCG(配列番号:4)[MacKayら,J.Immunol.,153:5274-5284(1994)も参照のこと]と、単独又は50倍過剰の非標識プローブと共に、又は関連のない32P標識合成オリゴヌクレオチドAGGATGGGAAGTGTGTGATATATCCTTGAT(配列番号:5)と反応させた。いくつかの試料に、NF-κBのp65/Re1Aサブユニットに対する抗体(1μg/ml;Santa,Cruz Biotechnology)を添加した。DNA結合性を、Hsuら,上掲;Marstersら,上掲、及びMacKayら,上掲に記載されたようにして、電気泳動移動度シフトアッセイにより分析した。
結果を図5に示す。図5Aに示すように、電気泳動移動度シフトアッセイにより測定した場合、Apo-2とDR4の両方が、HeLa細胞へのトランスフェクションの際に、有意なNF-κβの活性化を誘導した;活性化レベルはアポ3/DR3で観察される活性化に匹敵するものであった。NF-κBのp65/Re1Aサブユニットに対する抗体は、NF-κBプローブの移動を阻害し、3つの全てのレセプターに対する反応においてp65を示していた。
さらに、Apo-2Lそれ自体がNF-κB活性を調節可能であるか否かを測定するアッセイを行った。HeLa細胞又はMCF7細胞(ヒト胸腺癌株化細胞、ATCCHTB22)を、PBSバッファー、可溶性Apo-2(Pittiら,上掲)又はTNF-α[Genentech,Inc.,Pennicaら,Nature,312:721(1984)を参照](1μg/ml)で処理し、上述のようにしてNF-κB活性をアッセイした。結果を図5Bに示す。Apo-2Lは、処理されたHeLa細胞においては有意なNF-κB活性化を誘導したが、処理されたMCF7細胞においては誘導しなかった:TNF-αは両方の株化細胞においてより著しい活性化を誘導した。いくつかの研究においては、TNFによるNF-κBの活性化で、TNF誘導性アポトーシスに対し、細胞を保護できることが開示されている[Nagataら,上掲]。
また、NF-κBインヒビターであるALLN(-アセチル-Leu-Leu-ノルロイシナル)及び転写インヒビターであるシクロヘキサミドの影響を試験した。HeLa細胞(6-ウェル皿に蒔いた)を、Apo-2L(1μg/ml)の添加前に、PBSバッファー、ALLN(Calbiochem)(40μg/ml)又はシクロヘキサミド(Sigma)(50μg/ml)と共に、1時間プレインキュベートした。インキュベート5時間後、FACSによりアポトーシスについて分析した(図5Cを参照)。
結果を図5Cに示す。ALLN及びシクロヘキサミドの両方とも、HeLa細胞におけるApo-2L誘導性アポトーシスのレベルを増加させた。データは、Apo-2Lが保護性NF-κB依存性遺伝子を誘導可能であることを示している。また、データは、Apo-2Lがある種の株化細胞においてNF-κβを活性化することができ、Apo-2とDR4の両方がその機能を媒介し得ることを示している。
実施例7
哺乳動物組織におけるApo-2の発現
A.ノーザンブロット分析
ヒト組織におけるApo-2mRNAの発現を、ノーザンブロット分析によって検査した。ヒトRNAブロットを、全長Apo-2cDNAをベースにした4.6キロベースの32標識DNAプローブにハイブリダイズした;プローブはEcoRIでpRK5-Apo-2プラスミドを消化することにより産生した。ヒト胎児RNAブロットMTN(Clontech)、ヒト成人RNAブロットMTN-11(Clonetech)、及びヒト癌株化細胞RNAブロット(Clonetech)をDNAプローブと共にインキュベートした。ブロットをハイブリダイゼーション用バッファー[5X SSPE;2X デンハード溶液;100mg/mLの変性剪断されたサケ***DNA;50%のホルムアミド;2%のSDS]に入ったプローブと共に、42℃で60時間インキュベートした。ブロットを2X SSC;0.05%のSDSを用い、室温で1時間、数回洗浄し、ついで0.1XSSC;0.1%のSDSを用い、50℃で30分間洗浄した。ブロットを一晩さらした後、展開させた。
図6Aに示すように、約4.6キロベースの優性mRNAの転写が複数の組織において検出された。発現は、胎児及び成人の肝臓及び肺、及び成人の卵巣及び末梢血白血球(PBL)において比較的高かったが、胎児及び成人の脳においてはmRNAの発現は検出されなかった。中レベルの発現は、成人の大腸、小腸、精巣、前立腺、胸腺、膵臓、腎臓、骨格筋、胎盤、及び心臓において見出された。
Apo-2が発現したいくつかの成人組織、例えばPBL、卵巣及び脾臓は、DR4を発現することが以前に見出されているが[Panら,上掲]、各レセプターmRNAの発現の相対レベルが異なっているようである。
B.インサイツハイブリダイゼーション
正常及び癌のあるヒト組織におけるApo-2の発現を、インサイツハイブリダイゼーションにより検査した。さらに、いくつかの異なるチンパンジー及びアカゲザル組織についてのApo-2の発現も検査した。これらの組織には:ヒト胎児組織(E12-E16週)-胎盤、脾帯、肝臓、腎臓、副腎、甲状腺、肺、心臓、大動脈、食道、胃、小腸、脾臓、胸腺、膵臓、脳、眼、脊髄、体壁、骨盤及び下肢;成人ヒト組織-腎臓、膀胱、副腎、脾臓、リンパ節、膵臓、肺、皮膚、網膜、肝臓;チンパンジー組織-唾液腺、胃、甲状腺、上皮小体、舌、胸腺、卵巣、リンパ節、及び末梢神経;アカゲザル組織-大脳皮質、海馬、小脳及び陰茎;ヒト腫瘍組織-肺腺癌、精巣、肺癌、乳癌、線維腺腫、柔組織肉腫が含まれる。
組織の試料をパラフィン包埋し、薄片切断した。後で、薄片切断された組織からパラフィンを取り除き、スライドを水中に配した。スライドを、2X SSCで、室温において、5分間、2回すすいだ。すすぎ後、スライドを20μg/mlのプロテアーゼK(Rnアーゼフリーのバッファー中)に37℃で15分間、又は8Xのプロテイナーゼ(ホルマリン組織用)に37℃で30分間配した。ついでスライドを再度0.5X SSCですすいで脱水した。ハイブリダイゼーション前に、スライドをバッファー(4X SSC、50%のホルムアミド)飽和濾紙で裏打ちされたプラスチックボックスに配した。組織を50μlのハイブリダイゼーションバッファー(3.75gの硫酸デキストランと6mlの水;2分間攪拌し加熱する;氷上で冷却し、18.75mlのホルムアルデヒド、3.75mlの20X SSC及び9ml水を添加する)で被い、42℃で1〜4時間インキュベートした。
ハイブリダイゼーションを、配列番号:2のヌクレオチド706-1259からなる33P標識プローブを使用して行った。プローブをハイブリダイゼーションバッファー中のスライドに加え、55℃で一晩インキュベートした。ついで、数回の洗浄工程を以下のようにして連続して行った:2XSSC、EDTAバッファー(400mlの20X SSC、16mlの0.25M EDTA)で、室温で10分間に2回:20μg/mlのRNアーゼAで37℃で30分に1回;2X SSC、EDTAバッファーで、室温で10分間に2回:0.1X SSC、EDTAバッファーで55℃で2時間に1回;0.5XSSCで室温で10分間に2回。0.3MのNH4ACを含有する50%、70%、90%のエタノールにおいて、各々2分間、脱水した。最後にスライドを2時間空気乾燥させ、フィルムに感光させた。
胎児組織におけるApo-2の発現は、肝臓の肝細胞、発育途上にある腎臓の糸球体、副腎皮質、及び胃腸管の上皮に最も強く現れた。中程度の発現は、肺の上皮細胞、及び骨の成長板の脈管化部位において観察された。比較的低レベルの発現は、甲状腺の上皮細胞及び心室内の細胞において観察された。発現は胸腺髄のリンパ球様細胞、発育途上のリンパ腺及び胎盤細胞栄養芽層細胞において観察された。
成人組織におけるApo-2の発現は、原小胞の休止卵母細胞で、低レベルの発現はチンパンジーの卵巣の、発育途上にある小胞の顆粒膜細胞で観察された。
発現は、硬変症のある肝臓の小節縁部の肝細胞(すなわち、ダメージ領域、正常な成人肝臓は陰性であった)で観察された。他の組織では発現はみられなかった。
検査した癌組織において、Apo-2の発現は、2つの肺腺癌及び精巣の2つの生殖細胞腫瘍で見出された。2つの付加的な肺癌(一方は鱗状)では陰性であった。5つの胸癌の一つは陽性であった(正常な胸組織においては発現があった)。
線維腺腫においては、上皮及びストロマエレメントの両方に発現が現れた。また、柔組織肉腫も陽性であった。検査した他の組織は陰性であった。
実施例8
Apo-2遺伝子の染色体局在化
ヒトApo-2遺伝子の染色体局在化を、放射線ハイブリッド(RH)パネル分析により検査した。RHマッピングを、ヒト-マウス細胞の放射線ハイブリッドパネル(Research Genetics)とApo-2cDNAのコード領域に基づくプライマーを使用するPCRにより、実施した[Gelbら,Hum.Genet.,98:141(1996)]。スタンフォードヒトゲノムセンターデータベースを使用したPCRデータの解析では、Apo-2は11.05LODを有するマーカーD8S481に結合しており;D8S481はD8S2055と今度は結合しており、これがヒト染色体8p21に位置する。また、DR4の類似した分析においては、DR4は、ヒト染色体8p21に位置するマーカーD8S2127に結合していることが示された。
本出願人の知る限りでは、今日まで、TNFR遺伝子ファミリーのメンバーで染色体8に位置しているものはなかった。
実施例9
Apo-2に特異的なモノクローナル抗体の調製
0.5μg/50μlのApo-2ECDイムノアドヘシンタンパク質(Ribi Immunochemical Research Inc.,Hamilton,MTから購入したMPL-TDMアジュバントで希釈)を、各々の後足の裏の柔らかい部分に、3-4日の間隔で11回注射することで、Balb/cマウス(チャールズリヴァー研究所から得たもの)を免疫化した。過去に開示されたように[Ashkenaziら、Proc.Natl.Acad.Sci.,38:10535-10539(1991)]、pRK5においてヒト免疫グロブリンG1重鎖のヒンジ及びFc領域に、Apo-2の細胞外ドメイン配列を融合させることにより、Apo-2ECDイムノアドヘシンタンパク質を産生した。イムノアドヘシンタンパク質を、ヒト293細胞に一過性トランスフェクションして発現させ、前掲のAshkenaziらにより記載されたように、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにより細胞上清から精製した(上述の実施例2Bを参照)。
最終の追加免疫から3日後に、膝窩リンパ節をマウスから取り除き、単細胞懸濁液を、1%のペニシリン-ストレプトマイシンが補われたDMEM培地(Biowhitakker Corp.から得たもの)中で調製した。ついで、リンパ節細胞を35%のポリエチレングリコールを使用し、マウス骨髄腫細胞P3X63AgU.1(ATCC CRL 1597)と融合させ、96-ウェル培養プレートで培養した。融合の結果得られたハイブリドーマをHAT培地において選択した。融合から10日後に、ハイブリドーマ培養の上清をELISAでスクリーニングし、Apo-2ECDイムノアドヘシンタンパク質に結合するモノクローナル抗体の有無を試験した。
ELISAにおいて、各々のウェルに、PBSに2μg/mlのヤギ抗ヒトIgG Fc(Cappel Laboratories社から購入)が入ったものを50μl添加して、96-ウェルマイクロタイタープレート(Maxisorb;Nunc,Kamstrup,Denmark)をコートし、4℃で一晩インキュベートした。ついでプレートを洗浄用バッファー(0.05%のトゥイーン20を含有するPBS)で3回洗浄した。ついで、マイクロタイタープレートのウェルを、PBSに2.0%のウシ血清アルブミンが入ったもの50μlでブロックし、室温で1時間インキュベートした。ついでプレートを、洗浄用バッファーで、再度3回洗浄した。
洗浄工程後、アッセイ用バッファーに0.4μg/mlのApo-2ECDイムノアドヘシンタンパク質(上述のもの)が入ったもの50μlを各々のウェルに添加した。プレートを振盪装置上で、室温で1時間インキュベートし、続いて洗浄用バッファーで3回洗浄した。
洗浄工程に続き、100μlのハイブリドーマ上清又は精製した抗体(プロテインA-セファロースカラムを使用)(1μg/ml)を、CD4-IgGが存在する指定ウェルに添加した。100μlのP3X63AgU.1骨髄腫細胞の条件培地を、対照として他の指定ウェルに添加した。プレートを振盪装置上で、室温で1時間インキュベートし、続いて洗浄用バッファーで3回洗浄した。
次に、アッセイ用バッファー[0.5%のウシ血清アルブミン、0.05%のトゥイーン20、0.01%のチメルソール(Thimersol)がPBSに入ったもの]で、1:1000に希釈されたHRP-抱合ヤギ抗マウスIgG Fc(Cappel Laboratories社から購入)を50μl、各々のウェルに添加し、プレートを振盪装置上で、室温で1時間インキュベートした。プレートを洗浄用バッファーで3回洗浄し、ついで各々のウェルに50μlの基質(TMBマイクロウェル・ペルオキシダーゼ基質、Kirkegaard & Perry,Gaithersburg,MD)を添加し、室温で10分間インキュベートした。50μlのTMB1-成分終止溶液(ジエチレングリコール,Kirkegaard & Perry)を各々のウェルに添加して反応を終了させ、450nmでの吸光度を自動マイクロタイタープレート読取装置で読み取った。
ELISAによりスクリ-ニングされたハイブリドーマ上清の内、22の上清が陽性であると判断された(バックグラウンドの約4倍高いと算出された)。ELISAで陽性であると判断された上清を、さらに9D細胞(Apo-2を発現するヒトBリンパ球様株化細胞;Genentech,Inc.)及びFITC-抱合ヤギ抗マウスIgGを使用してFACS分析により分析した。この分析のため、細胞選別用バッファー(1%のFCSと0.02%のNaN3を含有するPBS)に懸濁させた25μlの細胞(4×106細胞/ml)をU字底のマイクロタイターウェルに添加し、100μlの培養上清又は精製した抗体(プロテインA-セファロースカラムを使用)(10μg/ml)が細胞選別用バッファーに入ったものと混合し、氷上で30分間インキュベートした。ついで、細胞を洗浄し、100μlのFITC-抱合ヤギ抗マウスIgGと共に、4℃で30分間インキュベートした。ついで細胞を2回洗浄し、150mlの細胞選別用バッファーに再懸濁させ、FACScan(Becton Dickinson,Mountain View,CA)により分析した。FACS分析により、8/22の上清が抗Apo-2抗体に対して陽性であることが示された。
図7は、3F11.39.7と称されるApo-2抗体の一つとインキュベートした9D細胞のFACS染色を示す。図7に示すように、3F11.39.7抗体は、9D細胞において発現するApo-2レセプターを認識する。
実施例10
アポトーシスを拮抗的に誘導するApo-2抗体の能力のアッセイ
ハイブリドーマ上清及び精製した抗体(上記の実施例9に記載)について、Apo-2媒介性9D細胞アポトーシスの誘導活性を試験した。9D細胞(5×105細胞/0.1ml)を、100μlの完全RPMI培地に種々の濃度の抗体が入ったものと共に、4℃で15分間インキュベートした。ついで細胞を37℃で5分間インキュベートし、300μlの完全RPMIに10μgのヤギ抗マウスIgG Fc抗体(Cappel研究所)が入ったものを細胞試料のいくつかに添加した。この時点で、細胞を、7%のCO2の存在下、37℃で一晩インキュベートした。
ついで細胞を収集し、PBSで1回洗浄した。細胞の生存力を、製造者の推奨(Clontech)に従い、ホスファチジルセリンに結合するFITC-アネキシンVの染色により測定した。細胞をPBSで洗浄し、20μlの結合用バッファーに再懸濁させた。10μlのアネキシン-V-FITC(1μg/ml)と10μlのヨウ化プロピジウムを細胞に添加した。暗所で15分間インキュベートした後、9D細胞をFACSにより分析した。
図8に示すように、3F11.39.7抗体(ヤギ抗マウスIgG Fcの不在下において)は、対照抗体と比較して、9D細胞においてアポトーシスを誘導している。しかし、アゴニスト活性は、ヤギ抗マウスIgGFcの存在下でApo-2レセプターが架橋することにより高められた(図9参照)。9D細胞において、抗体を組合せることによりアポトーシスが高められ(図9)、これはApo-2のアポトーシス活性に匹敵する(データは示さず)。
実施例11
Apo-2リガンド誘導性アポトーシスを阻止する抗体能力のアッセイ
ハイブリドーマ上清及び精製した抗体(上記の実施例9に記載)について、Apo-2リガンド誘導性9D細胞アポトーシスを阻止する活性を試験した。9D細胞(5×105細胞/0.1ml)を、完全RPMI培地(RPMIに10%FCS、グルタミン、非必須アミノ酸、ペニシリン、ストレプトマイシン、ピルビン酸ナトリウムを加えたもの)に懸濁させ、個々のファルコン2052管に配した。ついで、細胞を、200μlの培地に10μlの抗体が入ったものと共に、氷上で15分間インキュベートした。0.2mlのApo-2リガンド(2.5μg/ml)(WO 97/25428に記載されているようにして調製された可溶性HisタグApo-2L;さらに、Pittiら,上掲を参照)を、完全RPMI培地に懸濁し、ついで9D細胞が収容された管に添加した。9D細胞を7%のCO2の存在下、37℃で一晩インキュベートした。ついでインキュベートされた細胞を収集し、PBSで1回洗浄した。細胞の生存力を、製造者の推奨(Clontech)に従い、ホスファチジルセリンに結合するFITC-アネキシンVの染色により測定した。特に、細胞をPBSで洗浄し、20μlの結合用バッファーに再懸濁させた。10μlのアネキシン-V-FITC(1μg/ml)と10μlのヨウ化プロピジウムを細胞に添加した。暗所で15分間インキュベートした後、9D細胞をFACSにより分析した。
結果を図10に示す。9D細胞はApo-2Lに対する一を越えるレセプターを発現するため、Apo-2Lは、Apo-2又はDR4レセプターのいずれかと相互作用することにより、9D細胞においてアポトーシスを誘導することができる。よって、Apo-2抗体のあらゆる阻止活性を検出するためには、DR4とApo-2Lとの間の相互作用をブロックする必要がある。抗DR4抗体である4H6.17.8(ATCC HB-12455)と組合わせて、Apo-2抗体である3F11.39.7は、Apo-2Lにより誘導されるアポトー
シスの約50%をブロックすることができた。残った約50%のアポトーシス活性は、図10に示されるように、それら自身によるこれら2つの抗体のアゴニスト活性によるもの
であると考えられる。従って、3F11.39.7抗体は、阻止するApo-2抗体又はApo-2に対するApo-2リガンドの結合に競合する形でApo-2に結合する抗体であると考えられる。
実施例12
他のApo-2リガンドレセプターへのApo-2抗体の結合性をテストするためのELISAアッセイ
実施例9に記載したモノクローナル抗体が、Apo-2以外の他の既知のApo-2Lレセプターに結合することができたか否かを測定するためにELISAを実施した。特に、3F11.39.7抗体の、DR4[Panら,上掲]、DcR1[Sheridanら,上掲]、及びDcR2[Marstersら,Curr.Biol.,7:1003-1006(1997)]に対する結合性を調べた。ELISAは、本質的に上述の実施例9に記載したようにして実施した。
結果を図11に示す。Apo-2抗体3F11.39.7はApo-2に結合した。また3F11.39.7抗体は、DR4に対してはいくらかの交差反応性を示したが、DcR1又はDcR2に対しては示さなかった。
実施例13
抗体のアイソタイピング
3F11.39.7抗体(上述のもの)のアイソタイプを決定するため、ヤギ抗マウスIg(Fisher Biotech,Pittsburgh,PA)に特異的なアイソタイプで、マイクロタイタープレートを4℃で一晩かけて被覆した。ついでプレートを洗浄用バッファー(上述の実施例9に記載したもの)で洗浄した。ついで、マイクロタイタープレートのウェルを200μlの2%ウシ血清アルブミン(BSA)で閉塞し、室温で1時間インキュベートした。プレートを、再度洗浄用バッファーで3回洗浄した。次に、5μg/mlの精製3F11.39.7抗体を100μl、指定ウェルに加えた。プレートを室温で30分インキュベートし、ついで50μlのHRP-抱合ヤギ抗マウスIgG(上述したもの)を各々のウェルに添加した。プレートを室温で30分インキュベートした。プレートに結合したHRPのレベルを、上述のHRP基質を使用して検出した。
アイソタイピング分析により、3F11.39.7抗体はIgG1抗体であることが示された。
実施例14
単鎖Apo-2抗体
A.ストレプトアビジンで被覆した常磁性ビーズを使用した抗体ファージ選択
ファージライブラリを、可溶性ビオチン化抗原及びストレプトアビジン被覆常磁性ビーズを使用して選択した。抗原、上述した実施例2Bに記載したようにして調製したApo-2ECDイムノアドヘシンを、製造者の使用説明書に従い、IMMUNO PURENHS-ビオチン(ビオチニ-N-ヒドロキシ-スクシンイミド、Pierce)を使用してビオチン化した。
2つのパニング実験を行った。第1の実験は、Apo-2に特異的であり、DR4又はDcR1と交差反応しないファージクローンを単離するためのものである。3段階のパニングを行った。第1段階において、Cambridge Antibody Technologiesのファージライブラリ10μlを、800μgのCD4−Ig、300μgのDR4-Ig、及び200μgのDcR1-Igを含有するMPBST(3%のドライミルクパウダー、1X PBS、0.2%のトゥイーン)を用い、室温で回転ホイールで1時間ブロックした[CD4-Ig、DR4、及びDcR1は、Caponら,Nature,337:525(1989);パンら,上掲;及びSheridanら,上掲に記載されている]。ついで、ビオチン化Apo-2ECDイムノアドヘシンを最終濃度が100nMになるように添加し、ファージを37℃、1時間で抗原に結合させた。一方、300mlの、ストレプトアビジン(DYNAL)で被覆されたDYNABEAS M-280を1mlのMPBSTで3回洗浄し[DYNAL磁性粒子濃縮器(Magnetic Particle Concentrator)使用]、ついで、ローテータ上で、1mlの新鮮MPBSTを用い、37℃で2時間ブロックした。ビーズをMPCで収集し、50μlのMPBSTに再懸濁させ、ファージプラス抗原溶液に添加した。室温で15分間、ホイールで混合し続けた。ついで、DYNABEADSと付着したファージを、1mlのPBS-TWEENで3回、MPBSで1回、続いてPBSで3回の合計7回洗浄した。
100mMのトリエチルアミン300μlを用い、室温で5分間インキュベートすることで、ビーズからファージを溶出させた。ファージ含有上清を取り出し、1Mのトリス-HCl(pH7.4)150μlで中和した。中和ファージを使用し、mid-log TG1宿主細胞に感染させ、2%のグルコースと100μg/mlのカルベニシリンが補足された2YT寒天上に配した。30℃で一晩増殖させた後、コロニーを10mlの2YTに擦り取った。50μlのこの溶液を使用し、カルベニシリンとグルコースと共に25mlの2YTに接種し、37℃で2時間インキュベートし、振盪させた。ヘルパーファージM13KO7(Pharmacla)を、10のm.o.i.で添加した。吸着後、細胞をペレット状にし、カルベニシリン(100μg/ml)とカナマイシン(50μg/ml)を含む2YT25mlに再懸濁させ、30℃で4時間増殖させ続けた。大腸菌を遠心分離によりファージから取り除き、1mlのこれらのファージ(約1012c.f.u.)を次の選択段階に使用した。
第2段階の選択において、1mlの収集ファージを3%のドライミルク、1X PBS、0.2%のTWEENで調節し、ついで100μgのDR4-Ig、65μgのDcR1-Ig、及び500μgのCD4−Igをブロッキングのために添加した。選択のために、ビオチン化Apo-2を10nMで添加した。2サイクルの7回洗浄まで洗浄の厳密性を増加させた。
第3段階の選択において、ファージをMPBSTのみでブロックした。ビオチン化Apo-2を1nMまで添加し、洗浄の厳密性を、3サイクルの7回洗浄まで増やした。比較的少ないクローンしかこの段階では得られなかった;よって5nMのビオチン化Apo-2を使用し、全ての他の条件を上述のように繰り返して、パン2B、段階3を実施した。
第2のパニング実験を、段階1及び2において、ファージ溶液のブロックを1.0mg/mlのCD4-Igを含有するMPBST(他のイムノアドヘシンはない)で行い、段階3ではMPBSTのみでブロックしたことを除き、上述したものと同様にして実施した。ビオチン化Apo-2を、段階1において200nMで、段階2において60nMで、及び段階3において12nMで添加した。各々の段階において、100nMのトリエチルアミン300μl、ついで0.1Mのトリス-HCl(pH7.5)300μl、さらに1mg/mlのBSAを含有するグリシン-0.1M-HCl(pH2.2)300mlを用いて、ファージを磁性ビーズから溶出させた。3回連続の溶出により得られたファージをプールし、上述の宿主株への感染に使用した。
B.選択されたクローンのELISAスクリーニング
各段階で選択した後、個々のカルベニシリン耐性コロニーをELISAでスクリーニングし、Apo-2結合性ファージをつくりだすものを確認した。二又はそれ以上のアッセイフォーマットで陽性であってクローンのみをさらに研究した。
個々のクローンを96ウェル組織培養プレートにおいて、2%のグルコースと100μg/mlのカルベニシリンと共に、2TYでインキュベートし、濁るまで増殖させた。ついで培養物に、M12KO7ヘルパーファージを、m.o.i.10で感染させ、感染細胞をカルベニシリン(100μg/ml)とカナマイシン(50μg/ml)を含有する2YT培地に移し、ゆっくりと振とうしながら30℃で一晩増殖させた。
NUNC MAXISORPマイクロタイタープレートを、4℃で一晩、50mMの炭酸塩バッファー(pH9.6)中に2μg/mlのCD4-IgG、又はApo-2ECDイムノアドヘシンが入ったもので、ウェル当り50μlで被覆した。抗原を取り出した後、プレートを、PBSに3%のドライミルクが入ったもの(MPBS)で、室温で2時間ブロックした。
ファージ培養物を遠心分離し、100μlのファージを含有する上清を、20μlの6xPBS/18%のドライミルクで、室温で1時間ブロックした。ブロックをタイタープレートから取り除き、ブロックされたファージを添加し、室温で1時間結合させた。洗浄後、MPBSにファージを酉洋わさびペルオキシダーゼ抱合抗M13抗体(Pharmacia)が入ったもの、続いて3',3',5',5'-テトラメチルベンジジン(TMB)により検出した。反応をH2SO4を添加することにより終止させ、A460nmからA405nmを引いて、読み取りを行った。
C.クローンのDNAフィンガープリント法
Apo-2結合クローンの多様性を、リーダー配列の上流をアニール化したプライマーpUC19R(5'AGC GGA TAA CAA TTT CAC ACA GG3')(配列番号:12)と、遺伝子IIIの5'末端がアニール化されたfdtetseq(5'GTC GTC TTT CCA GAC GGT AGT3')(配列番号:13)を使用し、scFv挿入物をPCR増幅し、ついで頻繁切断制限酵素BstNIで消化させることにより測定した。
DNAフィンガープリント法:プロトコール混合物A:dH20 67μl 10xampliTagバッファー 10 25mMのMgCl2 10 DMSO、50% 2 前進プライマー 1混合物B: 2.5mMのdNTPs 8μl AMPLITAQ 0.5 リバースプライマー 1.0 90μlの混合物Aを反応管に入れ、ついで黄色チップを使用し、非常に少量の大腸菌コロニーと共にインキュベートした。ついで、反応混合物をPCBブロックで98℃まで、3分間加熱し、取り出し、氷上に置いた。ついで、10μlの混合物Bを添加し、反応混合物を、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で1分20秒、パーキン・エルマー(Perkin Elmer)2400サーモサイクラーで25サイクル、サーモサイクルさせた。ついで、10μlの結果として生じた反応生成物を取り出し、1%のアガロースゲル上を移動させ、1kBバンドを試験した。残った混合物を1xBstNI反応バッファーにし、5単位のBstNIを添加し、DNAを60℃で2時間消化した。ついで、得られた試料をGenegel Excelの12.5%アクリルアミドゲル(Pharmacia Biotech)の電気泳動にかけた。
D.クローンの配列決定
各指紋パターンの代表的クローンのヌクレオチド配列が得られた。コロニーを、2%のグルコースと100μg/mlのカルベニシリンが補足された50mlのLB培地でインキュベートし、30℃で一晩増殖させた。DNAをQiagen Tip-100s及び製造者のプロトコールを使用して単離し、蛍光ジデオキシ鎖ターミネーターでサイクル配列化した(Applied Biosystems)。試料をアプライド・バイオシステムズ373A自動DNAシーケンサーにかけ、プログラム「Sequencher」(Gene Codes Corporation)を使用し、配列を解析した。選択された抗体16E2、20E6及び24C4のヌクレオチド配列を、それぞれ配列番号:6、配列番号:7及び配列番号:8に示す(図15A、15B及び15C)。抗体16E2、20E6及び24C4の対応するアミノ酸配列を、それぞれ配列番号:9、配列番号:10及び配列番号:11に示す(また図16)。加えて、図16においては、これらscRV分子のシグナル領域、及び重及び軽鎖相補性決定領域(下線を付した)が同定されている。図16に示されるCDR領域は、Kabetら,「免疫学的関心のあるタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest)」,NIH Publ.No.91-3242,第5版、の方法に従い割当てられた。
E.(his)6を有するscFvの精製
可溶性抗体のタンパク質精製のために、大腸菌株33D3をファージミドDNAで形質転換した。カルベニシリンとグルコースを有する5mlの2YTを使用し、30℃で一晩培養して増殖させた。2.5mlのこれら培養物を、250mlの同じ培地で希釈し、OD600が約1.2になるまで増殖させた。細胞をペレット状にし、IPTG(1mM)とカルベニシリン(100μg/ml)を含有する500mlの2YTに再懸濁させ、発現を誘導し、22℃でさらに16時間増殖させた。細胞ペレットを収集し、−20℃で凍らせた。
抗体を固定金属キレートアフィニティークロマトグラフィー(IMAC)で精製した。冷凍ペレットを10mlの氷冷ショッカート(shockate)バッファー(25mMのトリス-HCl、1mMのEDTA、500mMのNaCl、20%のスクロース、1mMのPMSF)に、1時間、氷上で振盪することにより再懸濁させた。20mMになるまでイミダゾールを添加し、遠心分離により、細胞屑を除去した。上清を1mMのMgCl2と50mMのリン酸バッファーpH7.5に調節した。QiagenのNi-NTAアガロース樹脂を、製造者の使用説明書に従い使用した。樹脂を、50mMのリン酸ナトリウムバッファー、pH7.5で平衡にし、500mMのNaCl、20mMのイミダゾール、及びショッカートを添加した。結合が、バッチモード又は重力流カラムのいずれかで生じた。ついで、樹脂を10総容積の平衡バッファーで2回、50mMまで増加させたイミダゾールを含有するバッファーで2回洗浄した。タンパク質の溶出は、50mMのリン酸バッファー(pH7.5)、500mMのNaCl及び250mMのイミダゾールで行った。過剰の塩及びイミダゾールをPD-10カラム(Pharmacia)で除去し、タンパク質を約1ml容量のCentricom10を使用して濃縮した。
濃度は、A280nmで1.0=0.6mg/mlであると仮定して、分光光度的に推定した。
F.抗Apo-2scFvの結合特異性を決定するアッセイ
scFvクローンの各々の特異性を評価するため、ELISAアッセイを行い、Apo-2のECD−Ig、DR4-Ig、DcR1-Ig、DcR2-Ig及びCD4-Ig(上述及び実施例12に記載)に対する16E2、20E6及び24C4の結合性を評価した。
簡単に述べると、NUNC ELISAプレートを、0.05Mの炭酸ナトリウムバッファー(pH9.5)に1μg/mlのレセプターIgイムノアドヘシン分子が入ったもの50μlで被覆し、4℃で一晩インキュベートした。ついでプレートを285μlのELISA希釈液(0.5%のBSA、0.05%のトゥイーン20が補足されたPBS、pH7.4)で、室温で少なくとも1時間ブロックした。
50μlのscFvを1:5の段階希釈のプレートに添加し、室温で1時間インキュベートした。この1時間の希釈後に、プレートをPBS/0.05%のトゥイーンで6回洗浄した。被覆されたプレートを抗原に結合させた後、可溶性scFvを、ウェル当り1μg/mlのMab 9E10(抗c-myc抗体;ATCC CRL 1729)を50μl添加し、プレートを室温で1時間インキュベートすることにより検出した。プレートをPBS/0.05%のトゥイーンで6回洗浄した後、MPBSに1:5000希釈度で西洋ワサビペルオキシダーゼ抱合抗ネズミ抗体(Cappelカタログ:55569)が入ったものを50μl、プレートに添加し、1時間インキュベートした。50μlの3',3',5',5'-テトラメチルベンジジン(TMB)ペルオキシダーゼ基質(KPLカタログ#:50-76-00)を添加することにより、観察可能なシグナルを生じさせた。H2SO4を添加することにより反応を終止させ、A450nmからA405nmを引いて、読み取りを行った。
図12A、12B及び12Cに示すように、ELISA分析により、各々のこれら抗体が、Apo-2に対して比較的高度の特異性を示すことがわかった。
また、トランスフェクション細胞を利用するさらなるアッセイによっても、Apo-2に対する16E2抗体の特異性が示された。特に免疫組織化学的実験を行い、Apo-2及びDR4-トランスフェクションCHO細胞に対する16E2抗体の結合特異性を評価した。CHO細胞を、ベクター単独又はApo-2又はDR4に対する遺伝子を含むベクターでトランスフェクションした。トランスフェクション細胞を培養プレートから取り出し、ペレット状にし、PBSで2回洗浄した。ついでペレットを、O.C.T.(Fisher)に再懸濁させ、イソペンテイン及びLN2中でフラッシュ冷凍させ、通常のプロトコールを使用し、後者を薄片に切断した。切断細胞の染色をVectastain Elite ABCキットを使用して行った。
切断薄片を抗Apo-2抗体16E2又は負の対照用単鎖抗体と共にインキュベートした。使用した二次抗体は、ビオチン化された抗c-myc 9E10抗体、又は抗ペンタHis抗体(Quagen)で続いてビオチン化抗マウスIgGである。
この免疫組織化学的アッセイにより、Apo-2トランスフェクション細胞は特異的に染色されるが、DR4トランスフェクション細胞は染色されないことが示された。細胞染色は細胞質が主として染色された。
実施例15
アポトーシスを拮抗的に誘導するHisタグscFvの能力のアッセイ
A.アネキシン-V-ビオチン/ストレプトアビジン-[S-35]96ウェルアッセイ
精製したscFv抗体(上記の実施例14に記載されたもの)の、Apo-2媒介性アポトーシスを誘導する能力について試験した。
簡単には、SK-MES-1細胞(ヒト肺癌株化細胞;ATCC HTB 58)又はHCT116細胞(ヒト結腸癌株化細胞;ATCC CCL 247)(4X104細胞/ウェル)を、アッセイ用培地(フェノールレッドフリーのダルベッコ変性イーグル培地と、10%のウシ胎児血清、2mMのL-グルタミン、100U/mlのペニシリン及び100ug/mlのストレプトマイシンが補足されたフェノールレッドフリーのハムF-12栄養混合物との1:1混合物)にある96ウェルに等分し、37℃で一晩付着させた。ついで培地を除去し、最終濃度が50ug/mlであるscFv(16E2又は20E6)を含有するアッセイ用培地をウェルに0.1ml添加し(プレートにおいて1:2の連続的希釈を行った)、室温で1時間インキュベートした。他の単鎖抗体:抗組織因子scFvクローン、7D5、又は19B8と称されるscFvを負の対照として使用した。scFv抗体と1時間インキュベートした後、10ug/mlの抗His(Qiagen、カタログ番号1007671)又は抗-c-myc抗体を0.1ml、適切なウェルに添加した。架橋抗体を受け入れていないウェルは、培地を単独で受け入れた。ついで、プレートを室温で30分間インキュベートした。30分のインキュベート後、10ug/mlのヤギ抗マウスIgG(ICN cst.No.67-029)を0.1ml、適切なウェルに添加した。抗IgG抗体を受け入れていないウェルは、培地を単独で受け入れている。ついで、プレートを15分間インキュベーターに配し、pHを7.0に戻した。正の対照用として、pH7.0のリン酸カリウムバッファーにApo-2リガンド(Apo-2L)(実施例11で記載したようにして調製)が入った2ug/ml溶液を適切なウェルに添加し、プレートで2倍の段階希釈を行った。負の対照用ウェルは、培地を単独で受け入れている。ついで、細胞を5%のCO2の存在下で37℃で一晩インキュベートした。2XCa2+結合バッファー(NeXins B.V.)にアネキシン-V-ビオチン(1ug/ml)が入ったものを0.05ml、ウェルに添加し、振盪器で30分間混合した。2XCa2+結合バッファー(NeXins B.V.)に0.05mlのストレプタビジン-[S−35]が入ったもの(最終濃度は2.5x104cpm/ウェル)(Amersham)をウェルに添加し、振盪器で30分間混合した。ついでプレートを密封し、1500rpmで4分間遠心分離した。アポトーシスの程度を評価するため、ついでプレートをTrialux Microbeta計測器(Wallace)で計測し、アネキシン-V-結合に相当するcpm値を得た。
図13C及び14Bに示すように、16E2と20E6抗体は、SK-MES-1細胞において、アポトーシスを拮抗的に誘導した。
B.クリスタルバイオレットアッセイ
上述のアネキシン-V-ビオチン/ストレプトアビジン-[S-35]アッセイに加えて、scFv抗体(上述の実施例14に記載)の、Apo-2媒介性アポトーシスを誘導する能力について、クリスタルバイオレットを利用するアッセイを介してテストした。
簡単には、SK-MES-1細胞を、4X104細胞/ウェルでアッセイ用培地(上記のA部に記載)に配し、37℃で一晩付着させた。培地を除去し、最終濃度が50ug/mlであるscFvを含有するアッセイ用培地(上記のA部に記載)を適切なウェルに0.1ml添加した(scFvが添加されていないウェルは培地交換を受ける)。選択されたウェルには、10ug/mlのscFv16E2と100ug/mlの抗His抗体とを、プレートへの添加前に4℃で5時間混合し続けて組合せた「前複合」試料が収容されている。プレートを室温で1時間インキュベートした。
scFv培地を除去し、10ug/mlの抗His(Qiagen、カタログ番号1007671)又はアッセイ培地に希釈された抗-c-myc抗体を0.1ml、ウェルに添加した(scFvが添加されていないウェルは培地交換を受ける)。ついで、プレートを室温で30分間インキュベートした。
ついで培地を除去し、アッセイ用培地に希釈された10ug/mlのヤギ抗マウスIgG(Fcフラグメント特異性-ICN cst.No.67-029)を0.1ml、適切なウェルに添加した(抗Fcのないウェルは培地交換を受ける)。ついで、プレートを15分間インキュベーターに配し、pHを7.0に戻した。
Apo-2L(pH7.0のリン酸カリウムバッファーに100μg/mlで保存)を2μg/mlに希釈し、0.1mlを適切なウェルに添加した。プレートにつき段階2倍希釈を実施した。ついでプレートを37℃で一晩インキュベートした。
全ての培地をウェルから除去し、プレートに多量のクリスタルバイオレット溶液を注いだ。プレートを15分間染色した。流生水を大量にプレートに注いでクリスタルバイオレットを除去した。ついでプレートを一晩乾燥させた。
プレートを、540nmにおいてSLTプレート読取器で読み、Excel macro及び4p-fitを使用し、データを分析した。
図13A、13B、14A及び14Bに示すように、16E2と20E6抗体は、SK-MES-1細胞において、アポトーシスを拮抗的に誘導した。
実施例16
アポトーシスを拮抗的に誘導するgDタグscFvの能力のアッセイ
16E2scFvの精製したgDタグ型の、Apo-2媒介性アポトーシスを誘導する能力について、上記の実施例15に記載されたクリスタルバイオレットアッセイで試験した。
A.gDタグを有するscFvの作成
16E2のscFv形態のSfi IからNot Iフラグメントを、元のライブラリのlacZプロモーターとハイブリッドシグナル配列ではなく、phoAプロモーターとstIIシKグナル配列を含むpAK19の誘導体[Carterら,Methods:A Companion to Methods in Enzymolngy,3:183-192(1991)]にサブクローン化した。精製を容易にするため、単純ヘルペスウィルス1型糖タンパクD[Laskyら,DNA,3:23-29(1984)]由来の12アミノ酸(met-ala-asp-pro-asn-arg-phe-arg-gly-lys-asp-leu、配列番号:14)をコードするDNAフラグメントを合成し、Cambridge Antibody Technologiesのライブラリクローンに当初は存在する(his)6及びc-mycエピトープの代わりに、VLドメインの3'末端に挿入した。
B.大腸菌における発現
scFv16E2-gDに対する遺伝子を含むプラスミドを、振盪フラスコ培養で発現させるために、大腸菌株33D3中に形質転換させた。カルベニシリンとグルコースを含有する2YTを5ml使用し、30℃で一晩培養して増殖させた。2.5mlのこれらの培養物を250mlの同じ培地で希釈し、OD600が約1.0になるまで増殖させた。細胞をペレット状にし、カルベニシリン(100μg/ml)を含有する変性AP-5最小培地500mlに再懸濁させ、30℃でさらに16時間増殖させた。ついで細胞をペレット状にし、凍らせた。
C.gDタグを有するscFvの精製
冷凍細胞のペーストを、1gm/10mlのショッカートバッファー(25mMのトリス-HCl、1mMのEDTA、500mMのNaCl、20%のスクロース、1mMのPMSF、pH7.2)に再懸濁させ、氷上で4時間ゆっくりと攪拌した。ついで細胞懸濁液をPolytronマイクロ流動化装置(Brinkman)により加工した。細胞屑を10000xgで30分間遠心分離することにより除去した。0.22ミクロンのフィルターを通して濾過した後、PBSで平衡にしたCNBrセファロースに結合した抗gD抗体5B6[Paborskyら,タンパク質工学(Protein Engineering,3:547-553(1990)]からなるアフィニティーカラム(2.5x9.0cm)に上清を充填した。カラム流出液の吸光度がベースラインに等しくなるまで、カラムをPBSで18時間洗浄した。全ての工程を、25cm/時間の線形流量で4℃において実施した。溶出は、0.1Mの酢酸、0.5MのNaCl、pH2.9で行った。カラムフラクションを280nmの吸光度でモニターし、ピークのフラクションをプールして、1.0Mのトリス(pH8.0)で中和し、PBSで透析して滅菌濾過した。得られたタンパク質調製物を、非還元SDS-PAGEにより分析した。
D. クリスタルバイオレットアッセイ
試料がプレートにおいて滅菌希釈1:3され、16E2-gDタグ抗体を、16E2scFvの2つの他の調製物(図14Cにおいて調製物A及び調製物Bと称されているもの)に加えて試験していることを除けば、本質的に実施例15(B)に記載されたようにして、アポトーシスアッセイを行った。16E2-gD抗体により、SK-MES-1細胞において誘導されるアポトーシスを示すアッセイの結果を図14Cに図示する。
★ ★ ★ ★ ★
材料の寄託
次の材料をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション,10801 UniversityBoulevard,Manassas,Virginia,USA(ATCC)に寄託した:材料 ATCC寄託番号 寄託日pRK-アポ2 209021 1997年5月8日3F11.39.7 HB-12456 1998年1月13日 この寄託は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約及びその規則(ブダペスト条約)の規定に従って行われた。これは、寄託の日付から30年間、寄託の生存可能な培養が維持されることを保証するものである。
寄託物はブダペスト条約の条項に従い、またジェネンテク社とATCCとの間の合意に従い、ATCCから入手することができ、これは、どれが最初であろうとも、関連した米国特許の発行時又は任意の米国又は外国特許出願の公開時に、寄託培養物の後代を永久かつ非制限的に入手可能とすることを保証し、米国特許法第122条及びそれに従う特許庁長官規則(特に参照番号886OG638の37CFR第1.14条を含む)に従って権利を有すると米国特許庁長官が決定した者に後代を入手可能とすることを保証するものである。
本出願の譲受人は、寄託した培養物が、適切な条件下で培養されていた場合に死滅もしくは損失又は破壊されたならば、材料は通知時に同一の他のもの即座に取り替えることに同意する。寄託物質の入手可能性は、特許法に従いあらゆる政府の権限下で認められた権利に違反して、本発明を実施するライセンスであるとみなされるものではない。
上記の文書による明細書は、当業者に本発明を実施できるようにするために十分であると考えられる。寄託した態様は、本発明のある側面の一つの説明として意図されており、機能的に等価なあらゆる作成物がこの発明の範囲内にあるため、寄託された作成物により、本発明の範囲が限定されるものではない。ここでの物質の寄託は、文書による説明が、そのベストモードを含む、本発明の任意の側面の実施を可能にするために不十分であることを認めるものではないし、それが表す特定の例証に対して請求の範囲を制限するものと解釈されるものでもない。
実際、ここに示し記載したものに加えて、本発明を様々に改変することは、前記の記載から当業者にとっては明らかなものであり、添付の請求の範囲内に入るものである。
図1Aは、天然配列ヒトApo-2cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:2)及びその誘導アミノ酸配列(配列番号:1)を示す。 図1Bは、天然配列ヒトApo-2cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:2)及びその誘導アミノ酸配列(配列番号:1)を示す。 図1Cは、天然配列ヒトApo-2cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:2)及びその誘導アミノ酸配列(配列番号:1)を示す。 図2Aは、天然配列ヒトApo-2の誘導アミノ酸配列を示し、推定シグナル配列には下線をひき、推定膜貫通ドメインは囲み、推定デスドメイン配列には破線の下線を付している。2つのシステインに富んだドメインのシステインには、個々に下線を引いている。図2Bは、天然配列ヒトApo-2、DR4、アポ3/DR3、TNFR1、及びFas/アポ1(CD95)のデスドメイン配列のアラインメントと比較を示す。星印はTNFR1による死のシグナル伝達に必須である残基を示す[Tartagliaら,上掲]。 図3は、Apo-2LとのApo-2ECDの相互作用を示す。フラッグエピトープタグ付きApo-2ECDでトランスフェクトされた293細胞又は擬似トランスフェクトされた293細胞の上清をポリ-His-タグ付きApo-2Lと共にインキュベートし、抗フラッグ抱合又はニッケル抱合アガロースビーズで免疫沈降させた。沈殿したタンパク質をポリアクリルアミドゲルによる電気泳動法で分離し、抗Apo-2L又は抗フラッグ抗体を用いた免疫ブロットにより検出した。 図4は、Apo-2によるアポトーシスの誘導と、可溶性Apo-2ECDによるApo-2L活性の阻害を示す。ヒト293細胞(A、B)又はHeLa細胞(C)を、Apo-2及び/又はCrmAをコードしたpRKベクター又はpRK5ベースプラスミドによりトランスフェクトした。アポトーシスを、形態学的(A)、DNA断片化(B)、又はFACS(C-E)により評価した。 ヒト293細胞(A、B)又はHeLa細胞(C)を、Apo-2及び/又はCrmAをコードしたpRKベクター又はpRK5ベースプラスミドによりトランスフェクトした。アポトーシスを、形態学的(A)、DNA断片化(B)、又はFACS(C-E)により評価した。可溶性Apo-2Lを、バッファーでプレインキュベートし、あるいは抗フラッグ抗体又はApo-2ECDイムノアドヘシン又はDR4又はTNFR1イムノアドヘシンと共にアフィニティー精製し、HeLa細胞に添加した。後で細胞のアポトーシスを分析した(D)。また、Apo-2ECDイムノアドヘシンを備えたApo-2Lを使用して用量反応分析を行った(E)。 図5は、Apo-2、DR4及びApo-2LによるNF-κBの活性化を示す。(A)HeLa細胞を、示したタンパク質をコードする発現プラスミドでトランスフェクトした。核抽出物を調製し、電気泳動易動度シフトアッセイにより分析した。(B)HeLa細胞又はMCF7細胞をバッファー、Apo-2L又はTNF-アルファで処理し、NF-κB活性をアッセイした。 (C)HeLa細胞をApo-2Lの添加前に、バッファー、ALLN又はシクロヘキサミドと共にプレインキュベートした。後にFACSによりアポトーシスを分析した。 図6Aは、ヒト組織のポリA RNAブロットのノーザンハイブリッド形成により分析した、ヒト組織におけるApo-2mRNAの発現を示す。図6Bは、ヒトのガン株化細胞のポリA RNAブロットのノーザンハイブリッド形成により分析した、ヒトのガン株化細胞におけるApo-2mRNAの発現を示す。 図7は、IgG対照(点線)と比較したApo-2抗体3F11.39.7(太線で示す)のFASC分析を示す。3F11.39.7抗体は、ヒト9D細胞において発現されたApo-2レセプターを認識した。 図8は、ヤギ抗マウスIgG Fcの不在下において、Apo-2抗体3F11.39.7により9D細胞において誘導されたアポトーシスパーセント(%)を示すグラフである。 図9は、ヤギ抗マウスIgG Fcの存在又は不在下における、Apo-2抗体3F11.39.7による9D細胞での、Apo-2Lと比較した、アポトーシスパーセント(%)を示す棒グラフである。 図10は、9D細胞においてApo-2Lにより誘導されるアポトーシスをブロックする、Apo-2抗体3F11.39.7の能力を示す棒グラフである。 図11は、Apo-2、及びDR4、DcR1及びDcR2と称される他の既知のApo-2Lレセプターに対するApo-2抗体3F11.39.7の結合性をテストする酵素結合免疫吸着検定(ELISA)の結果を示すグラフである。 図12Aは、Apo-2、DR4、DcR1、DcR2及びCD4-Igに対する16E2抗体の結合性を評価するELISAアッセイの結果を示すグラフである。 図12Bは、Apo-2、DR4、DcR1、DcR2及びCD4-Igに対する20E6抗体の結合性を評価するELISAアッセイの結果を示すグラフである。 図12Cは、Apo-2、DR4、DcR1、DcR2及びCD4-Igに対する24C4抗体の結合性を評価するELISAアッセイの結果を示すグラフである。 図13Aは、SK-MES-1細胞を使用するアポトーシスアッセイ(クリスタルバイオレット染色)における、Apo-2Lと比較した、16E2抗体のアゴニスト活性を示すグラフである。 図13Bは、SK-MES-1細胞を使用するアポトーシスアッセイ(クリスタルバイオレット染色)における、7D5 scFv抗体(抗組織因子抗体)と比較した、16E2抗体のアゴニスト活性を示す棒グラフである。図13Cは、SK-MES-1細胞を使用するアポトーシスアッセイ(アネキシンV-ビオチン/ストレプトアビジン-[S35])における、7D5 scFv抗体と比較した、16E2抗体のアゴニスト活性を示す棒グラフである。 図14Aは、SK-MES-1細胞を使用するアポトーシスアッセイ(クリスタルバイオレット染色)における、Apo-2Lと比較した、20E6抗体のアゴニスト活性を示すグラフである。 図14Bは、クリスタルバイオレット及びアネキシン V-ビオチン/ストレプトアビジン-[S35]アポトーシスアッセイにおいて得られた結果を比較することにより、20E6抗体のアゴニスト活性を示すグラフである。 図14Cは、SK-MES-1細胞を使用するアポトーシスアッセイ(クリスタルバイオレット染色)における、Apo-2Lと比較した、gDタグ16E2抗体のアゴニスト活性を示すグラフである。 図15Aは、16E2と称される単鎖抗体(scFv)フラグメントのヌクレオチド配列を示す(配列番号:6)。図15Bは、20E6と称される単鎖抗体(scFv)フラグメントのヌクレオチド配列を示す(配列番号:7)。 図15Cは、24C4と称される単鎖抗体(scFv)フラグメントのヌクレオチド配列を示す(配列番号:8)。 図16は、それぞれ同定された重鎖及び軽鎖CDR領域(CDR1、CDR2、及びCDR3領域に下線を付する)及びシグナル配列のアミノ酸配列を有する、16E2、20E6及び24C4と称される単鎖抗体(scFv)フラグメントを示す。

Claims (29)

  1. 配列番号:1のアミノ酸残基1〜411を含んでなる天然配列Apo-2ポリペプチドと、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する単離Apo-2ポリペプチド。
  2. 前記ポリペプチドが少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する請求項1に記載のApo-2ポリペプチド。
  3. 前記ポリペプチドが少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有する請求項2に記載のApo-2ポリペプチド。
  4. 配列番号:1のアミノ酸残基1〜411を含んでなる単離Apo-2ポリペプチド。
  5. 配列番号:1のアミノ酸残基54〜182を含んでなるApo-2ポリペプチドの単離された細胞外ドメイン配列。
  6. 配列番号:1のアミノ酸残基1〜182を含んでなる請求項5に記載の細胞外ドメイン配列。
  7. 配列番号:1のアミノ酸残基324〜391を含んでなるApo-2ポリペプチドの単離されたデスドメイン配列。
  8. 異種性アミノ酸配列に融合した請求項5に記載の細胞外ドメイン配列又は請求項1に記載のApo-2ポリペプチドを含んでなるキメラ分子。
  9. 前記異種性アミノ酸配列がエピトープタグ配列である請求項8に記載のキメラ分子。
  10. 前記異種性アミノ酸配列が免疫グロブリン配列である請求項8に記載のキメラ分子。
  11. 前記免疫グロブリン配列がIgGである請求項10に記載のキメラ分子。
  12. 請求項1に記載のポリペプチド、請求項5に記載の細胞外ドメイン配列、又は請求項7に記載のデスドメイン配列をコードするDNAを含んでなる単離された核酸。
  13. 前記DNAが配列番号:1のアミノ酸残基1〜411を含んでなるApo-2ポリペプチドをコードする請求項12に記載の核酸。
  14. 請求項12に記載の核酸を含んでなるベクター。
  15. ベクターで形質転換した宿主細胞により認識される対照配列に作用可能に結合した請求項14に記載のベクター。
  16. ATCC寄託受入番号209021を含んでなる請求項14に記載のベクター。
  17. 請求項14に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
  18. CHO細胞を含んでなる請求項17に記載の宿主細胞。
  19. 大腸菌を含んでなる請求項17に記載の宿主細胞。
  20. 酵母細胞を含んでなる請求項17に記載の宿主細胞。
  21. Apo-2ポリペプチドの発現に十分な条件下で請求項17に記載の宿主細胞を培養し、培養物から発現したApo-2ポリペプチドを回収することを含んでなるApo-2ポリペプチドの生成方法。
  22. ATCC寄託受入番号209021のcDNA挿入物によりコードされたポリペプチドを発現させることにより得られた又は得られうるApo-2ポリペプチド。
  23. Apo-2ポリペプチドをコードするDNAを発現する細胞を含む非ヒト、トランスジェニック動物。
  24. マウス又はラットである請求項23に記載の動物。
  25. Apo-2ポリペプチドをコードする変更遺伝子を有する細胞を含む、非ヒト、ノックアウト動物。
  26. マウス又はラットである請求項25に記載の動物。
  27. Apo-2を活性化する薬剤に哺乳動物の癌細胞を暴露することを含んでなる哺乳動物の癌細胞を治療する方法。
  28. 容器と該容器に入れられる組成物を含んでなり、組成物がApo-2ポリペプチド又はApo-2抗体を含む製造品。
  29. インビボ又はエキソビボにおいてApo-2ポリペプチド又はApo-2抗体を使用するための使用説明書をさらに含んでなる請求項28に記載の製造品。
JP2007318714A 1997-05-15 2007-12-10 Apo−2レセプター Pending JP2008148695A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US85721697A 1997-05-15 1997-05-15
US2074698A 1998-02-09 1998-02-09

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP54946098A Division JP2001511653A (ja) 1997-05-15 1998-05-14 Apo−2レセプター

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009246543A Division JP2010075184A (ja) 1997-05-15 2009-10-27 Apo−2レセプター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008148695A true JP2008148695A (ja) 2008-07-03

Family

ID=26693808

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP54946098A Withdrawn JP2001511653A (ja) 1997-05-15 1998-05-14 Apo−2レセプター
JP2007318714A Pending JP2008148695A (ja) 1997-05-15 2007-12-10 Apo−2レセプター
JP2009246543A Withdrawn JP2010075184A (ja) 1997-05-15 2009-10-27 Apo−2レセプター

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP54946098A Withdrawn JP2001511653A (ja) 1997-05-15 1998-05-14 Apo−2レセプター

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009246543A Withdrawn JP2010075184A (ja) 1997-05-15 2009-10-27 Apo−2レセプター

Country Status (13)

Country Link
US (1) US20030017161A1 (ja)
EP (2) EP0981618B2 (ja)
JP (3) JP2001511653A (ja)
AT (2) ATE516354T1 (ja)
CA (1) CA2287911C (ja)
CY (1) CY1106966T1 (ja)
DE (1) DE69838249T3 (ja)
DK (2) DK0981618T4 (ja)
ES (1) ES2293682T5 (ja)
HK (1) HK1109423A1 (ja)
IL (1) IL132067A0 (ja)
PT (2) PT981618E (ja)
WO (1) WO1998051793A1 (ja)

Families Citing this family (125)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6072047A (en) * 1997-02-13 2000-06-06 Immunex Corporation Receptor that binds trail
US7528239B1 (en) 1997-02-13 2009-05-05 Immunex Corporation Receptor that binds trail
US7122636B1 (en) 1997-02-21 2006-10-17 Genentech, Inc. Antibody fragment-polymer conjugates and uses of same
US20080248046A1 (en) * 1997-03-17 2008-10-09 Human Genome Sciences, Inc. Death domain containing receptor 5
US20050233958A1 (en) * 1997-03-17 2005-10-20 Human Genome Sciences, Inc. Death domain containing receptor 5
CN1624128A (zh) 1997-03-17 2005-06-08 人类基因组科学公司 包含死亡结构域的受体-5
EP1788086A1 (en) * 1997-03-17 2007-05-23 Human Genome Sciences, Inc. Death Domain Containing Receptor 5
US6872568B1 (en) 1997-03-17 2005-03-29 Human Genome Sciences, Inc. Death domain containing receptor 5 antibodies
US20040136951A1 (en) * 1997-03-17 2004-07-15 Human Genome Sciences, Inc. Death domain containing receptor 5
US20100152426A1 (en) * 1997-05-15 2010-06-17 Ashkenazi Avi J Apo-2 receptor fusion proteins
US6342369B1 (en) * 1997-05-15 2002-01-29 Genentech, Inc. Apo-2-receptor
WO1999011791A2 (en) * 1997-09-05 1999-03-11 University Of Washington Tumor necrosis factor family receptors and ligands, encoding nucleic acids and related binding agents
WO2001060397A1 (en) 2000-02-16 2001-08-23 Genentech, Inc. Uses of agonists and antagonists to modulate activity of tnf-related molecules
CA2328498A1 (en) * 1998-06-12 1999-12-16 Genentech, Inc. Monoclonal antibodies, cross-reactive antibodies and method for producing the same____________________________________
ATE429450T1 (de) * 1999-05-28 2009-05-15 Genentech Inc Chimärische dr4 antikörper und ihre verwendung
WO2000075191A2 (en) * 1999-06-09 2000-12-14 Genentech, Inc. Apo-2L RECEPTOR AGONIST AND CPT-11 SYNERGISM
NZ537920A (en) 1999-06-28 2006-10-27 Genentech Inc An isolated Apo-2 ligand variant polypeptide comprising an amino acid sequence which differs from the native sequence Apo-2 ligand
IL148266A0 (en) * 1999-09-15 2002-09-12 Genentech Inc Apo-2 receptor antibodies
CA2399391A1 (en) * 2000-02-11 2001-08-16 Genetics Institute, Llc. Trade molecules and uses related thereto
NZ521540A (en) 2000-04-11 2004-09-24 Genentech Inc Multivalent antibodies and uses therefor
TWI318983B (en) 2000-05-02 2010-01-01 Uab Research Foundation An antibody selective for a tumor necrosis factor-related apoptosis-inducing ligand receptor and uses thereof
US7279160B2 (en) 2000-05-02 2007-10-09 The Uab Research Foundation Combinations of DR5 antibodies and other therapeutic agents
US7476383B2 (en) 2000-05-02 2009-01-13 The Uab Research Foundation Antibody selective for DR4 and uses thereof
EP1303293B1 (en) 2000-07-27 2008-12-03 Genentech, Inc. Sequential administration of cpt-11 and apo-2l polypeptide
US20060062786A1 (en) * 2000-11-08 2006-03-23 Human Genome Sciences, Inc. Antibodies that immunospecifically bind to TRAIL receptors
US20030228309A1 (en) * 2000-11-08 2003-12-11 Theodora Salcedo Antibodies that immunospecifically bind to TRAIL receptors
WO2002094880A1 (en) 2001-05-18 2002-11-28 Kirin Beer Kabushiki Kaisha Anti-trail-r antibodies
US20090226429A1 (en) * 2001-05-25 2009-09-10 Human Genome Sciences, Inc. Antibodies That Immunospecifically Bind to TRAIL Receptors
US20050214209A1 (en) * 2001-05-25 2005-09-29 Human Genome Sciences, Inc. Antibodies that immunospecifically bind to TRAIL receptors
US7348003B2 (en) 2001-05-25 2008-03-25 Human Genome Sciences, Inc. Methods of treating cancer using antibodies that immunospecifically bind to TRAIL receptors
US20050129616A1 (en) * 2001-05-25 2005-06-16 Human Genome Sciences, Inc. Antibodies that immunospecifically bind to TRAIL receptors
NZ529359A (en) * 2001-05-25 2007-04-27 Human Genome Sciences Inc Antibodies that immunospecifically bind to a TR4 polypeptide or polypeptide fragment or variant of TR4 and their use in a medicament for treating cancer
US7361341B2 (en) * 2001-05-25 2008-04-22 Human Genome Sciences, Inc. Methods of treating cancer using antibodies that immunospecifically bind to trail receptors
US7252994B2 (en) 2001-07-03 2007-08-07 Genentech, Inc. Human DR4 antibodies and uses thereof
EP2348043A1 (en) 2001-10-02 2011-07-27 Genentech, Inc. APO-2 ligand variants and uses thereof
US7842668B1 (en) 2001-11-13 2010-11-30 Genentech, Inc. Apo-2 ligand/trail formulations
DE60237841D1 (de) 2001-11-13 2010-11-11 Genentech Inc Zusammensetzungen basierend auf APO2-Ligand/ TRAIL und ihre Verwendung
US7741285B2 (en) 2001-11-13 2010-06-22 Genentech, Inc. APO-2 ligand/trail formulations
NZ532881A (en) * 2001-12-20 2008-04-30 Human Genome Sciences Inc Antibodies that immunospecifically bind to trail receptors
ES2319636T3 (es) 2002-02-05 2009-05-11 Genentech, Inc. Purificacion de proteinas.
US7323553B2 (en) 2002-04-26 2008-01-29 Genentech, Inc. Non-affinity purification of proteins
CA2489348A1 (en) 2002-06-24 2003-12-31 Genentech, Inc. Apo-2 ligand/trail variants and uses thereof
CA2490280A1 (en) 2002-07-01 2004-01-08 Human Genome Sciences, Inc. Antibodies that specifically bind to reg iv
DE10303974A1 (de) 2003-01-31 2004-08-05 Abbott Gmbh & Co. Kg Amyloid-β(1-42)-Oligomere, Verfahren zu deren Herstellung und deren Verwendung
ME00425B (me) 2003-05-30 2011-10-10 Genentech Inc Liječenje sa anti-vegf antitijelima
PT3095793T (pt) 2003-07-28 2020-05-04 Genentech Inc Redução da lixiviação de proteína a durante a cromatografia por afinidade com proteína a
EP1531162A1 (en) * 2003-11-14 2005-05-18 Heinz Vollmers Adenocarcinoma specific antibody SAM-6, and uses thereof
CA2560742A1 (en) 2004-03-23 2005-10-06 Biogen Idec Ma Inc. Receptor coupling agents and therapeutic uses thereof
CN101035912A (zh) 2004-08-06 2007-09-12 健泰科生物技术公司 使用生物标志的测定法和方法
CA2575755C (en) 2004-08-06 2014-04-08 Genentech, Inc. Assays and methods using biomarkers
US7662926B2 (en) 2004-09-02 2010-02-16 Genentech, Inc. Anti-Fc-gamma receptor antibodies, bispecific variants and uses therefor
US7655229B2 (en) 2004-09-02 2010-02-02 Chan Andrew C Anti-FC-gamma RIIB receptor antibody and uses therefor
JO3000B1 (ar) 2004-10-20 2016-09-05 Genentech Inc مركبات أجسام مضادة .
ZA200706246B (en) * 2005-02-02 2008-11-26 Genentech Inc DR5 antibodies and uses thereof
US8029783B2 (en) * 2005-02-02 2011-10-04 Genentech, Inc. DR5 antibodies and articles of manufacture containing same
CA2595440A1 (en) 2005-02-02 2006-08-10 The Uab Research Foundation Agents and methods related to reducing resistance to apoptosis-inducing death receptor agonists
US20060188498A1 (en) 2005-02-18 2006-08-24 Genentech, Inc. Methods of using death receptor agonists and EGFR inhibitors
EP1915626B1 (en) 2005-08-16 2011-11-09 Genentech, Inc. Apoptosis sensitivity to apo2l/trail by testing for galnac-t14 expression in cells/tissues
PE20071101A1 (es) * 2005-08-31 2007-12-21 Amgen Inc Polipeptidos y anticuerpos
WO2007062090A2 (en) 2005-11-23 2007-05-31 Genentech, Inc. Methods and compositions related to b cell assays
BRPI0619249A2 (pt) 2005-11-30 2011-09-20 Abbott Lab anticorpos anti-globulÈmeros-aß, frações que se ligam a antìgeno destes, hibridomas correspondentes, ácidos nucléicos, vetores, células hospedeiras, métodos de produzir os ditos anticorpos, composições compreendendo os ditos anticorpos, usos dos ditos anticorpos e métodos de usar os ditos anticorpos
CN101506236B (zh) 2005-11-30 2012-12-12 雅培制药有限公司 抗淀粉样β蛋白的单克隆抗体及其用途
ES2388932T3 (es) 2005-12-02 2012-10-19 Genentech, Inc. Polipéptidos de unión y usos de los mismos
FR2902799B1 (fr) 2006-06-27 2012-10-26 Millipore Corp Procede et unite de preparation d'un echantillon pour l'analyse microbiologique d'un liquide
US8455626B2 (en) 2006-11-30 2013-06-04 Abbott Laboratories Aβ conformer selective anti-aβ globulomer monoclonal antibodies
US20100267933A1 (en) 2006-12-21 2010-10-21 Moya Wilson Purification of proteins
US8362217B2 (en) 2006-12-21 2013-01-29 Emd Millipore Corporation Purification of proteins
US8569464B2 (en) 2006-12-21 2013-10-29 Emd Millipore Corporation Purification of proteins
CA2673851C (en) 2007-01-22 2016-05-03 Genentech, Inc. Polyelectrolyte precipitation and purification of proteins
EP2486928A1 (en) 2007-02-27 2012-08-15 Abbott GmbH & Co. KG Method for the treatment of amyloidoses
US20090053786A1 (en) 2007-07-09 2009-02-26 Yung-Hsiang Kao Prevention of disulfide bond reduction during recombinant production of polypeptides
PT2215117E (pt) 2007-10-30 2015-04-01 Genentech Inc Purificação de anticorpo por cromatografia de troca de catiões
WO2009151514A1 (en) 2008-06-11 2009-12-17 Millipore Corporation Stirred tank bioreactor
PT2848625T (pt) 2008-08-14 2019-10-25 Genentech Inc Métodos para remover um contaminante com a utilização de cromatografia de membrana de permuta iónica de deslocação de proteína indígena.
US20100068210A1 (en) 2008-09-10 2010-03-18 Ji Junyan A Compositions and methods for the prevention of oxidative degradation of proteins
US20100105620A1 (en) 2008-10-10 2010-04-29 Anaphore, Inc. Polypeptides that bind Trail-R1 and Trail-R2
ES2749232T3 (es) 2008-12-16 2020-03-19 Emd Millipore Corp Reactor de tanque agitado y procedimiento
EP2358734A1 (en) 2008-12-16 2011-08-24 Millipore Corporation Purification of proteins
SG173812A1 (en) 2009-02-27 2011-09-29 Genentech Inc Methods and compositions for protein labelling
EP3760712A1 (en) 2009-08-11 2021-01-06 F. Hoffmann-La Roche AG Production of proteins in glutamine-free cell culture media
EP3736338A1 (en) 2009-09-01 2020-11-11 F. Hoffmann-La Roche AG Enhanced protein purification through a modified protein a elution
US9238069B2 (en) 2009-12-16 2016-01-19 The United States Of America, As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services Method of sensitizing cancer cells to the cytotoxic effects of death receptor ligands in cancer treatment
WO2011098904A1 (en) 2010-02-12 2011-08-18 Aegera Therapeutics, Inc. Iap bir domain binding compounds
EP2543727B1 (en) 2010-03-02 2016-08-31 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Modified antibody composition
ES2722201T3 (es) 2010-03-22 2019-08-08 Hoffmann La Roche Composiciones y procedimientos útiles para estabilizar formulaciones que contienen proteínas
EP2554669B1 (en) 2010-03-26 2018-09-19 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Novel antibody having modification site introduced therein, and antibody fragment
MX360403B (es) 2010-04-15 2018-10-31 Abbvie Inc Proteinas de union a amiloide beta.
JP2013525484A (ja) 2010-05-03 2013-06-20 ジェネンテック, インコーポレイテッド タンパク質含有製剤の粘度を低減させるために有用な組成物及び方法
SG10201804385YA (en) 2010-05-17 2018-06-28 Emd Millipore Corp Stimulus responsive polymers for the purification of biomolecules
WO2011150241A2 (en) 2010-05-28 2011-12-01 Genentech, Inc. Decreasing lactate level and increasing polypeptide production by downregulating the expression of lactate dehydrogenase and pyruvate dehydrogenase kinase
SI3586826T1 (sl) 2010-06-24 2021-09-30 F. Hoffmann-La Roche Ag Sestavki in postopki za stabilizacijo formulacij, ki vsebujejo beljakovine
JPWO2012017925A1 (ja) 2010-08-02 2013-10-03 協和発酵キリン株式会社 物質の製造方法
RU2013110844A (ru) 2010-08-13 2014-09-20 Дженентек, Инк. АНТИТЕЛА ПРОТИВ IL-1β И IL-18, ИСПОЛЬЗУЕМЫЕ ДЛЯ ЛЕЧЕНИЯ ЗАБОЛЕВАНИЙ
JP6147665B2 (ja) 2010-08-14 2017-06-14 アッヴィ・インコーポレイテッド アミロイドベータ結合タンパク質
WO2012030512A1 (en) 2010-09-03 2012-03-08 Percivia Llc. Flow-through protein purification process
BR112013010574A2 (pt) 2010-10-29 2016-08-09 Daiichi Sankyo Co Ltd anticorpo, fragmento funcional do anticorpo, composição farmacêutica, usos de um anticorpo ou um fragmento funcional do mesmo e de pelo menos um membro selecionado do grupo que consiste de paclitaxel, carvoplatina, cpt-11, vinblastina, e 5-fu, polinucleotídeo, vetor, célula hospedeira transformada, e, método de produzir o anticorpo
CA2820151C (en) 2010-12-15 2019-03-26 Inter-University Research Institute Corporation Research Organization Of Information And Systems Process for production of protein
ES2710543T3 (es) 2010-12-27 2019-04-25 Kyowa Hakko Kirin Co Ltd Método para preparar una disolución acuosa que contiene medio de cultivo y agente quelante
CA2828405A1 (en) 2011-02-28 2012-09-07 Istituto Di Ricovero E Cura A Carattere Scientifico Materno-Infantile Bu Rlo Garofolo - Ospedale Di Alta Specializzazione E Di Rilievo Nazionale Apoptosis-inducing molecules and uses therefor
EP2704735A1 (en) 2011-05-03 2014-03-12 Genentech, Inc. Vascular disruption agents and uses thereof
KR101902225B1 (ko) 2011-07-08 2018-09-28 이엠디 밀리포어 코포레이션 일회용 생명공학적 공정용의 개선된 심층 필터
KR20210025692A (ko) 2011-12-22 2021-03-09 제넨테크, 인크. 이온 교환 막 크로마토그래피
CA2866753C (en) 2012-03-27 2020-09-22 Genentech, Inc. Improved harvest operations for recombinant proteins
SG11201407512VA (en) 2012-05-18 2014-12-30 Genentech Inc High-concentration monoclonal antibody formulations
CN104994885B (zh) 2012-12-19 2017-09-29 基因泰克公司 用于放射性卤素蛋白质标记的方法和组合物
US20160067337A1 (en) 2013-03-14 2016-03-10 Bristol-Myers Squibb Company Combination of dr5 agonist and anti-pd-1 antagonist and methods of use
SG11201700097WA (en) 2014-07-09 2017-02-27 Genentech Inc Ph adjustment to improve thaw recovery of cell banks
WO2017139485A1 (en) 2016-02-09 2017-08-17 The United States Of America, As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services Method of sensitizing cancer cells to the cytotoxic effects of apoptosis inducing ligands in cancer treatment
BR112018070139A2 (pt) 2016-03-29 2019-02-05 Geltor Inc expressão de proteínas em bactérias gram-negativas em que a razão entre o volume periplasmático e o volume citoplasmático é entre 0,5:1 e 10:1
EP3323428A1 (en) 2016-11-17 2018-05-23 CNRS Centre National de la Recherche Scientifique Selective c-flip inhibitors as anticancer agents
AU2017382281A1 (en) 2016-12-22 2019-06-13 Genentech, Inc. Methods and formulations for reducing reconstitution time of lyophilized polypeptides
US11180541B2 (en) 2017-09-28 2021-11-23 Geltor, Inc. Recombinant collagen and elastin molecules and uses thereof
KR20210027427A (ko) 2018-07-03 2021-03-10 브리스톨-마이어스 스큅 컴퍼니 재조합 단백질 생산 방법
MA53859A (fr) 2018-10-10 2022-01-19 Boehringer Ingelheim Int Procédé de transfert de gaz de membrane dans une culture de bioréacteur à haute densité
EP3875595A4 (en) 2018-11-02 2022-07-13 Kyowa Kirin Co., Ltd. METHOD FOR PREPARING LIQUID CULTURE MEDIUM
KR20210145152A (ko) 2019-04-01 2021-12-01 제넨테크, 인크. 단백질-함유 제제들의 안정화를 위한 조성물들 및 방법들
EP3953380A4 (en) 2019-04-12 2023-01-25 Geltor, Inc. RECOMBINATION ELASTIN AND ASSOCIATED PRODUCTION
US20220315887A1 (en) 2019-08-01 2022-10-06 Bristol-Myers Squibb Company Methods of improving protein productivity in fed-batch cell cultures
US20230220042A1 (en) 2019-12-03 2023-07-13 Shanghai Jiao Tong University School Of Medicine Antibody fc region having enhanced binding affinity to fcyriib
EP3910331A1 (en) 2020-05-15 2021-11-17 iOmx Therapeutics AG Intracellular kinase associated with resistance against t-cell mediated cytotoxicity, and uses thereof
JP2023542924A (ja) 2020-09-22 2023-10-12 ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー 治療タンパク質を生産するための方法
WO2022154664A1 (en) 2021-01-15 2022-07-21 Stichting Het Nederlands Kanker Instituut-Antoni van Leeuwenhoek Ziekenhuis Inducers of senescence, in combination with a selective death receptor 5 (dr5) agonist, for use in a method of treating cancer
WO2023015234A1 (en) 2021-08-05 2023-02-09 Bristol-Myers Squibb Company Cell culture methods for producing therapeutic proteins
WO2023049687A1 (en) 2021-09-21 2023-03-30 Bristol-Myers Squibb Company Methods of controlling the level of dissolved oxygen (do) in a solution comprising a recombinant protein in a storage container
EP4257132A1 (en) 2022-04-08 2023-10-11 iOmx Therapeutics AG Sik3 inhibitors for treating diseases resistant to death receptor signalling

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002514069A (ja) * 1997-02-13 2002-05-14 イミュネックス・コーポレーション Trailに結合する受容体

Family Cites Families (46)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3691016A (en) 1970-04-17 1972-09-12 Monsanto Co Process for the preparation of insoluble enzymes
CA1023287A (en) 1972-12-08 1977-12-27 Boehringer Mannheim G.M.B.H. Process for the preparation of carrier-bound proteins
US4179337A (en) 1973-07-20 1979-12-18 Davis Frank F Non-immunogenic polypeptides
US4195128A (en) 1976-05-03 1980-03-25 Bayer Aktiengesellschaft Polymeric carrier bound ligands
US4330440A (en) 1977-02-08 1982-05-18 Development Finance Corporation Of New Zealand Activated matrix and method of activation
CA1093991A (en) 1977-02-17 1981-01-20 Hideo Hirohara Enzyme immobilization with pullulan gel
US4229537A (en) 1978-02-09 1980-10-21 New York University Preparation of trichloro-s-triazine activated supports for coupling ligands
JPS6023084B2 (ja) 1979-07-11 1985-06-05 味の素株式会社 代用血液
US4342566A (en) * 1980-02-22 1982-08-03 Scripps Clinic & Research Foundation Solid phase anti-C3 assay for detection of immune complexes
US4399216A (en) * 1980-02-25 1983-08-16 The Trustees Of Columbia University Processes for inserting DNA into eucaryotic cells and for producing proteinaceous materials
US4419446A (en) 1980-12-31 1983-12-06 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Recombinant DNA process utilizing a papilloma virus DNA as a vector
US4640835A (en) 1981-10-30 1987-02-03 Nippon Chemiphar Company, Ltd. Plasminogen activator derivatives
US4870009A (en) * 1982-11-22 1989-09-26 The Salk Institute For Biological Studies Method of obtaining gene product through the generation of transgenic animals
US4601978A (en) 1982-11-24 1986-07-22 The Regents Of The University Of California Mammalian metallothionein promoter system
US4713339A (en) 1983-01-19 1987-12-15 Genentech, Inc. Polycistronic expression vector construction
AU2353384A (en) 1983-01-19 1984-07-26 Genentech Inc. Amplification in eukaryotic host cells
US4816567A (en) 1983-04-08 1989-03-28 Genentech, Inc. Recombinant immunoglobin preparations
DD266710A3 (de) 1983-06-06 1989-04-12 Ve Forschungszentrum Biotechnologie Verfahren zur biotechnischen Herstellung van alkalischer Phosphatase
JPS60231699A (ja) * 1983-11-09 1985-11-18 Aichiken 正常及び悪性ヒト造血器細胞に対するモノクローナル抗体
US4496689A (en) 1983-12-27 1985-01-29 Miles Laboratories, Inc. Covalently attached complex of alpha-1-proteinase inhibitor with a water soluble polymer
US4965199A (en) * 1984-04-20 1990-10-23 Genentech, Inc. Preparation of functional human factor VIII in mammalian cells using methotrexate based selection
US4736866A (en) * 1984-06-22 1988-04-12 President And Fellows Of Harvard College Transgenic non-human mammals
EP0173494A3 (en) 1984-08-27 1987-11-25 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Chimeric receptors by dna splicing and expression
EP0206448B1 (en) 1985-06-19 1990-11-14 Ajinomoto Co., Inc. Hemoglobin combined with a poly(alkylene oxide)
US4676980A (en) * 1985-09-23 1987-06-30 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Target specific cross-linked heteroantibodies
US5153118A (en) * 1985-12-17 1992-10-06 Eastern Virginia Medical Authority Monoclonal antibodies having binding specificity to human prostate tumor-associated antigens and methods for employing the same
US4791192A (en) 1986-06-26 1988-12-13 Takeda Chemical Industries, Ltd. Chemically modified protein with polyethyleneglycol
US5010182A (en) * 1987-07-28 1991-04-23 Chiron Corporation DNA constructs containing a Kluyveromyces alpha factor leader sequence for directing secretion of heterologous polypeptides
PT88641B (pt) 1987-10-02 1993-04-30 Genentech Inc Metodo para a preparacao de uma variante de adesao
AU622137B2 (en) * 1987-10-16 1992-04-02 Biomedical Systems Limited Mouse monoclonal antibodies raised to the t-cell line hsb-2 and t-cell chronic lymphocytic leukemia (t-cll) cells react with normal human t and b lymphocytes and monocytes
US5206161A (en) * 1991-02-01 1993-04-27 Genentech, Inc. Human plasma carboxypeptidase B
CA2067031C (en) * 1991-04-26 2003-02-18 Shigekazu Nagata Dna coding for human cell surface antigen
US5216126A (en) * 1991-06-19 1993-06-01 Genentech, Inc. Receptor polypeptides and their production and uses
AU2147192A (en) 1991-06-28 1993-01-25 Genentech Inc. Method of stimulating immune response using growth hormone
ES2253753T3 (es) * 1995-06-29 2006-06-01 Immunex Corporation Citocina que induce apoptosis.
US6046048A (en) * 1996-01-09 2000-04-04 Genetech, Inc. Apo-2 ligand
US20020160446A1 (en) * 2000-11-14 2002-10-31 Holtzman Douglas A. Novel genes encoding proteins having prognostic diagnostic preventive therapeutic and other uses
US6313269B1 (en) * 1997-03-14 2001-11-06 Smithkline Beecham Corporation Tumor necrosis factor related receptor, TR6
US6872568B1 (en) * 1997-03-17 2005-03-29 Human Genome Sciences, Inc. Death domain containing receptor 5 antibodies
CN1624128A (zh) * 1997-03-17 2005-06-08 人类基因组科学公司 包含死亡结构域的受体-5
WO1998046643A1 (en) * 1997-04-16 1998-10-22 Millennium Biotherapeutics, Inc. TUMOR NECROSIS FACTOR RECEPTOR RELATED PROTEINS TANGO-63d AND TANGO-63e
US6342369B1 (en) * 1997-05-15 2002-01-29 Genentech, Inc. Apo-2-receptor
CA2301202A1 (en) * 1997-08-15 1999-02-25 Idun Pharmaceuticals, Inc. Trail receptors, nucleic acids encoding the same, and methods of use thereof
US7279160B2 (en) * 2000-05-02 2007-10-09 The Uab Research Foundation Combinations of DR5 antibodies and other therapeutic agents
US20020048566A1 (en) * 2000-09-14 2002-04-25 El-Deiry Wafik S. Modulation of cellular apoptosis and methods for treating cancer
NZ532881A (en) * 2001-12-20 2008-04-30 Human Genome Sciences Inc Antibodies that immunospecifically bind to trail receptors

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002514069A (ja) * 1997-02-13 2002-05-14 イミュネックス・コーポレーション Trailに結合する受容体

Also Published As

Publication number Publication date
AU740858B2 (en) 2001-11-15
DE69838249T2 (de) 2008-05-15
ES2293682T5 (es) 2011-11-17
US20030017161A1 (en) 2003-01-23
JP2010075184A (ja) 2010-04-08
WO1998051793A1 (en) 1998-11-19
DE69838249T3 (de) 2012-01-19
ES2293682T3 (es) 2008-03-16
PT1860187E (pt) 2011-10-04
EP1860187B1 (en) 2011-07-13
EP0981618A1 (en) 2000-03-01
EP1860187A1 (en) 2007-11-28
EP0981618B1 (en) 2007-08-15
CA2287911C (en) 2014-05-06
DK0981618T3 (da) 2007-11-26
ATE370232T1 (de) 2007-09-15
CA2287911A1 (en) 1998-11-19
DK1860187T3 (da) 2011-10-31
IL132067A0 (en) 2001-03-19
JP2001511653A (ja) 2001-08-14
PT981618E (pt) 2007-11-23
HK1109423A1 (en) 2008-06-06
ATE516354T1 (de) 2011-07-15
DK0981618T4 (da) 2011-11-21
DE69838249D1 (de) 2007-09-27
CY1106966T1 (el) 2012-09-26
EP0981618B2 (en) 2011-08-24
AU7796398A (en) 1998-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7314619B2 (en) Inducing apoptosis using anti-Apo-2 antibodies
CA2287911C (en) Apo-2 receptor
JP2010013451A (ja) Apo−2DcR
JP2001513994A (ja) Rtdレセプター
US20070037191A1 (en) Apo-2DcR
US20120042400A1 (en) Rtd receptor
US20100152426A1 (en) Apo-2 receptor fusion proteins
ES2368654T3 (es) Receptor apo-2.
AU2005203183A1 (en) Apo-2 receptor
AU2011202895A1 (en) APO-2 receptor
AU1472002A (en) APO-2 receptor
AU2008201807A1 (en) Apo-2dcr

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080812

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081111

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20081127

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081212

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20081225

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090113

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090428

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090723

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090728

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090828

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090904

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090928

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091001

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100914