JP2008144866A - 管継手とその管継手を用いた管の接続構造および接続方法 - Google Patents

管継手とその管継手を用いた管の接続構造および接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Oリングに傷をつけてしまうことがないように保護しながら相手側となる管との接続を行える管継手を提供する。
【解決手段】継手本体2と、おねじ部10に螺合する袋ナット3と、継手本体2と管9との間のシールを司るOリング5と、継手本体2と管9との抜け止めを司る抜け止め機構8と、管9を受容可能な大きさをもってOリング5の内周にこれを覆うように圧接状態をもって装着されていて、そのOリングを保護している保護スリーブ6とを備えている。保護スリーブ6が継手本体2に内挿された管9とともにOリング5の位置よりも奥部側まで押し込まれたときに初めてOリング5が管9と接触可能となっている。
【選択図】図5

Description

本発明は、管継手とその管継手を用いた管の接続構造および接続方法に関し、特に薄肉状の管との接続を目的としたいわゆるくい込み式の管継手とその管継手を用いた管の接続構造および接続方法に関するものである。
ステンレス鋼管(例えば、JIS G3448に規定されている一般配管用ステンレス鋼管、あるいはJWWA G15に規定されている水道用ステンレス鋼管等)に代表されるような薄肉状の管の接続を目的としたいわゆるくい込み式の管継手が特許文献1〜3等にて提案されている。
これらの特許文献1〜3に記載の技術では、相手側の管が内挿される継手本体と、その継手本体に螺合される袋ナット、および上記継手本体と袋ナットの間に介装された皿ばね状のリングのほか、継手本体と管との間をシールするOリング等のシール部材を主要素としている。そして、袋ナットの締め込みに伴い皿ばね状のリングを変形させて、そのリングを管に食い込ませて管の一部を塑性変形させることで継手本体と管との抜け止めを施すようにしている。
特許第3044224号公報 特開2002−327876号公報 特開平9−166252号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載された技術では、継手本体の内周面にOリング等のシール部材が予め配置されていて、継手本体に管を挿入した瞬間にシール部材が管に圧接して所定のシール性能が得られるようにするために、管の非挿入状態においてシール部材が継手本体の内周面に所定量だけ突出している。そのため、管の挿入時にシール部材を乗り越えるべくそのシール部材を押し広げながら管を挿入する必要があり、継手本体に管を挿入しにくいだけでなく、管の挿入に大きな力を必要とする。
その上、シール部材を乗り越えるべくそのシール部材を押し広げながら管を挿入する際に、管の先端とシール部材とが大きな力で摺動することになり、例えば管の先端のエッジ部でシール部材に傷を付けてしまうおそれがあり、シール性能の低下や耐久性の低下が危惧される。特に、切断後の管を継手本体に挿入する場合、その管の先端面のばり取りが不十分であるとシール部材の損傷が顕著となる。
さらに、抜け止めを司る皿ばね状のリングを管に食い込ませて実質的に管の一部を塑性変形させるようしていることから、この塑性変形をもって管の流路が狭められることとなって好ましくない。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、特にシール部材に傷を付けるこそれがなく、しかも管を塑性変形によって管の流路を狭めることなしに強固な抜け止め効果を発揮できるようにした管継手とその管継手を用いた管の接続構造および接続方法を提供するものである。
請求項1に記載の発明は、少なくとも一端部外周におねじ部が形成されていて、その一端部側に相手側となる管が内挿される筒状の継手本体と、上記おねじ部に螺合する袋ナットと、上記継手本体の内周に装着されていて、上記管との間のシールを司るOリング等の環状のシール部材と、上記継手本体と袋ナットとの間に介装されていて、袋ナットの締め込みによるその螺進作用をもって上記継手本体と管との抜け止めを司る抜け止め機構と、上記管を受容可能な大きさをもってシール部材の内周にこれを覆うように装着されていて、そのシール部材を保護している保護スリーブと、を備えている。その上で、上記保護スリーブが継手本体の一端部側に内挿された管とともにシール部材の位置よりも奥部側まで押し込まれたときに初めてシール部材が管と接触可能となっていることを特徴とする。
この場合、請求項2に記載のように、上記保護スリーブが奥部側にフランジ部を有する有底円環状のものであると、シール部材の保護と保護スリーブの押し出し容易性とを両立する上で好ましいものとなる。
同時に、請求項3に記載のように、上記保護スリーブがシール部材に対する圧接状態をもってそのシール部材を保護していることが、保護スリーブの脱落を防止する上で好ましい。
上記抜け止め機構は、請求項4に記載のように、継手本体と袋ナットとの間に介装された皿ばねを主要素として形成されていて、袋ナットの螺進作用に伴う皿ばねの弾性変形をもってその皿ばねのエッジ部が管へくい込むようなっているものとする。
より具体的には、請求項5に記載のように、上記抜け止め機構は、継手本体側に向かって凸形状となる主皿ばねと、その主皿ばねの反継手本体側に配置された平座金と、その平座金の反継手本体側に上記主皿ばねとは逆向きに配置された補助皿ばねとを重合配置することより形成されていて、上記補助皿ばねが袋ナットの螺進作用に伴う押圧力を受けた時に、その補助皿ばねが平座金を介して主皿ばねを押圧することより主皿ばねの小径側のエッジ部が管に食い込むようになっていることを特徴とする。
この場合、請求項6に記載のように、上記主皿ばねは内周と外周との中間部で屈曲した断面略くの字状のものとして形成されているとともに、上記継手本体の端面と平座金とで加圧拘束されることにより弾性変形してその最小径のエッジ部が管に食い込むようになっていることが、袋ナットの小さな螺進ストロークで確実な抜け止め効果を得る上で望ましい。
ここで、上記抜け止め効果をより確実なものとする上では、請求項7に記載のように、上記継手本体には袋ナットの螺進限位置にてその袋ナットに当接してそれ以上の螺進を阻止するストッパ面が形成されていて、上記袋ナットがストッパ面に当接した状態で抜け止め機構として必要な管へのくい込み量が得られるように設定されていることが望ましい。
同時に、継手本体と管との挿入方向での相対位置関係を安定化させる上では、請求項8に記載のように、上記継手本体の内周には、挿入された管の先端面と当接してその挿入位置を規制する位置規制面が形成されていることが望ましい。
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の管継手を用いることを前提とした管の接続構造として捉えたものであって、相手側となる管を継手本体に挿入して、その管とともに保護スリーブをシール部材の位置よりも奥部側まで押し込んだ状態で袋ナットを締め込むことにより、継手本体と管との間がシール部材にてシールされているとともに、上記抜け止め機構にて継手本体と管との抜け止めが施されていることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の管継手を用いることを前提とした管の接続方法として捉えたものであって、相手側となる管を継手本体に挿入して、その管とともに保護スリーブをシール部材の位置よりも奥部側まで押し込んだ状態で袋ナットを締め込み、この袋ナットの締め込み状態をもってシール部材によるシール機能と抜け止め機構による抜け止め機能とを発揮させることを特徴とする。
したがって、少なくとも請求項1,9,10に記載の発明では、管継手単体の状態ではシール部材が保護スリーブで覆われて保護されているので、例えば工具等との当接からシール部材を確実に保護することができる。
また、管との接続に際しては、保護スリーブに管の先端が当接するまでその管を継手本体に挿入した段階では、シール部材の内周側に保護スリーブが位置しているので、管とシール部材が直接接触することはない。その状態から管をさらに奥部側まで押し込むと、それまでシール部材を保護していた保護スリーブが管ととともに押し出されることから、その時点で初めて管とシール部材が接触することになる。そして、管ととともに押し出されれた保護スリーブはその時点で役目を終える一方、シール部材は管に圧接して本来のシール機能を発揮するようになる。
続いて、袋ナットを締め込むと、その袋ナットの螺進作用に伴い例えば皿ばね式の抜け止め機構が本来の機能を発揮するようになり、継手本体と管との堅固な抜け止めが施される。この場合、上記抜け止め機構の主要素であるところの例えば皿ばねを管に食い込ませるだけとして、管を塑性変形させないようにすれば、従来のように管の流路を狭めてしまうことがない。
なお、当初はシール部材を保護していて管の挿入後にその役目を終えた保護スリーブは継手本体内に残されることになるが、継手本来の機能に支障をきたすこともなければ、流路を狭めてしまうこともない。
請求項1,9,10に記載の発明によれば、継手本体の内周のシール部材が予め保護スリーブにて保護されていて、継手本体への管の挿入時にその管の先端とシール部材とが摺動することがないので、シール部材の傷付き等を未然に防止することができ、シール性能の向上とシール部材の耐久性向上に寄与できる。
請求項2に記載の発明によれば、保護スリーブを有底円環状のものとしたので、広い面積をもってシール部材を保護できるとともに、相手側となる管の先端部を容易に受容でき、その管によって保護スリーブを確実に押し出すことが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、保護スリーブはシール部材に対する圧接状態をもってそのシール部材を保護しているので、管継手単体での流通過程または搬送過程での保護スリーブの脱落を未然に防止できる。
請求項4に記載の発明によれば、継手本体と袋ナットとの間に介装された皿ばねを主要素として抜け止め機構を形成し、皿ばねの弾性変形をもってその皿ばねのエッジ部を管にくい込ませるようにしたので、少ない部品点数で必要十分な抜け止め効果が得られる。
請求項5に記載の発明によれば、主皿ばねと平座金および補助皿ばねとを重合配置することより抜け止め機構を形成し、主皿ばねの小径側のエッジ部を管に食い込ませるようにしたもので、袋ナットの小さな螺進ストロークで主皿ばねを管に確実にくい込ませることができる利点がある。
請求項6に記載の発明によれば、主皿ばねを断面略くの字状に屈曲したものとして、その最小径のエッジ部を管に食い込ませるようにしたので、袋ナットのより小さな螺進ストロークで主皿ばねを管に確実にくい込ませることができる利点がある。
請求項7に記載の発明によれば、継手本体には袋ナットの螺進限位置にてその袋ナットに当接するストッパ面を形成し、上記袋ナットがストッパ面に当接した状態で抜け止め機構として必要な管へのくい込み量が得られるようにしたので、袋ナットの締め込み加減を管理する必要もなければそのための手段も必要なくなり、継手としての信頼性が高くなるとともに、管接続時の作業性にも優れる。
請求項8に記載の発明によれば、継手本体の内周に、挿入された管の先端面と当接してその挿入位置を規制する位置規制面を形成したので、管の挿入加減を管理する必要もなければそのための手段も必要なくなり、上記と同様に継手としての信頼性が高くなるとともに、管接続時の作業性にも優れる。
図1〜7は本発明に係る管継手のより具体的な実施の形態を示す図であり、特に図1は直管タイプの管継手1の単体での斜視図を、図2はその正面図を、図3は拡大した全断面図をそれぞれ示している。
図1〜3に示すように、管継手1は、外周面の長手方向中央部に六角形状の大径フランジ部2aを有する筒状の継手本体2と、継手本体2の両端部外周に螺合された外周面が六角形状の袋ナット3と、継手本体2の内周面4の両端部に予め装着されたシール部材としてのOリング5と、そのOリング5の内周に装着されてOリング5を保護している保護スリーブ6と、継手本体2の両端の開口端面7と各袋ナット3との間に介装されたリング三枚構成の抜け止め機構8とから構成される。なお、図1〜3から明らかなように、継手本体2の最大直径は袋ナット3の最大直径よりも小さく形成されている。
そして、この管継手1は、図5にも示すように継手本体2の両側から同径の管9をいわゆる内挿形態で突き合わせるように差し込んだ上で、両側の袋ナット3を締め込むことにより、Oリング5をもって所定のシール性能を得ながら抜け止め機構8にて抜け止めを施して、管9,9同士を堅固に接続するものである。なお、図5の詳細は後述する。
継手本体2は、大径フランジ部2aの両側に袋ナット3側のめねじ部10と螺合するおねじ部11が形成されているとともに、大径フランジ部2の両端面がストッパ面12として袋ナット3側の端面と正対していて、袋ナット3を限界まで締め込んだときにその袋ナット3側の端面がストッパ面12に当接するようになっている。言い換えるならば、袋ナット3を締め込んで螺進させたときには、その袋ナット3の端面がストッパ面12に当接することでそれ以上の螺進が阻止されて、袋ナット3の螺進限位置が決定されるようになっている。なお、図1〜3ともに袋ナット3がストッパ面12に当接していない状態を描いてある。
また、継手本体2の内周面4においてその長手方向両端部にはOリング5を装着するための断面矩形状の周溝13が形成されているとともに、内周面4の長手方向中央部には内フランジ部14が突出形成されている。
周溝13に装着されたOリング5の内周には、そのOリング5を保護するために奥部側にフランジ部6a(図4の(A)参照)を有する有底円環状の保護スリーブ6がOリング5を隠蔽するようにして圧接状態をもって装着されている。この保護スリーブ6の内径は相手側となる管9の少なくとも先端部を受容し得る大きさに形成されている。なお、この保護スリーブ6は薄板製のものであって、Oリング5の装着後にそのOリング5の内側にセットした上で、所定の治具にて拡径させることにより、そのOリング5を弾性変形させるようにして装着され、同時にOリング5との圧接状態をもってその位置に自己保持される。
また、内フランジ部14の両端面は、図5に示すように継手本体2に対する管9の挿入位置を規制する位置規制面14aとして機能し、後述するように相手側となる管9の先端面が保護スリーブ6とともに位置規制面14aに突き当てられることになる。
継手本体2の両端の開口端面7には一段低い凹状面15が形成されている。この凹状面15はそれに隣接する隔壁フランジ16をもって周溝13とは隔てられていて、後述するように凹状面15にて抜け止め機構8の一部を形成しているグリップリング18を受容することになる。
なお、袋ナット3側の穴17の径や隔壁フランジ部16の内径は、継手本体2の内周面4の径や保護スリーブ6の内径とともに相手側となる管9の外径を受容し得る大きさに形成されている。これに対して、内フランジ部14の内径はその機能よりして管9の外径よりも小さく形成されている。
継手本体2の両端の開口端面7と袋ナット3との間に介装された抜け止め機構8は、継手本体2に近い順に主皿ばねとしてのグリップリング18と、平座金としてのバックアップリング19と、補助皿ばねとしてのアジャストリング20とを、それぞれ重合配置することで構成されている。
グリップリング18は継手本体2側の凹状面15に向かって凸形状となるように内周と外周の中間部を屈曲部として断面略くの字状に屈曲または湾曲形成して、図4の(A)に示すように平坦部18aから小径のテーパコーン状の凸状部18bが凹状面15側に向かって突出するように形成したもので、その小径な凸状部18b側が凹状面15に臨んでいる。また、平座金としてのバックアップリング19はその名のとおりグリップリング18よりの板厚の大きな平座金状のものであって、グリップリング18の平坦部18aの背面に密着してそのグリップリング18をバックアップしている。さらに、補助皿ばねとしてのアジャストリング20もその名のとおりバックアップリング19よりの板厚の小さな皿ばね状のものであって、グリップリング18とは逆向きに、継手本体2側の凹状面15に向かって凹形状となるように配置されている。
そして、後述するように継手本体2に相手側となる管9を挿入した上で袋ナット3を締め込むことにより、上記抜け止め機構8を形成している三枚のリング18,19,20を圧締し、もってグリップリング18を弾性変形させつつその最小径のエッジ部38(図7参照)を管9にくい込ませることにより抜け止め機能を発揮するようになっている。すなわち、本実施の形態の管継手1では、先にも述べたように各袋ナット3の端面がストッパ面12に当接するまで締め込むことでグリップリング18が十分に相手側の管9にくい込み、その状態で初めて所期の抜け止め効果が発揮されるように設定されている。
なお、継手本体2や袋ナット3をはじめとして保護スリーブ6やリング18,19,20を含む各継手構成要素は、例えばステンレス鋼、真鍮等の非鉄金属材料あるいは樹脂材料にて形成される。この場合、グリップリング18は相手側となる管9にくい込ませるために、少なくとも管9の材質よりも硬度の大きな材質であることが望ましい。
次に、このように構成された管継手1を用いた管9,9同士の接続手順を図4,5を参照しながら詳しく説明する。
なお、図4は図3の管継手1に対し右側から管9を挿入(接続)する際の手順の拡大図を示しており、図5は図3の管継手1に対し右側から挿入した管9を接続し終えた後に、同図の管継手1に対し左側から管9を挿入する途中の状態を示している。
最初に、図3に示すように双方の袋ナット3がストッパ面12に当接することなく、各袋ナット3が所定量の締め込みストローク(螺進ストローク)αを残している状態で、図4の(A)に示すように相手側となる管9を継手本体2に挿入するものとする。
上記のように、袋ナット3の締め込みストロークαを残している状態では、抜け止め機構8を形成しいる三枚のリング18,19,20が未だ圧締されておらず、それぞれにわずかながら動き得る自由度を有していることから、図4の(B)および図5の左半部に示すように、それらのリング18,19,20は相手側となる管9の挿入をスムーズに許容し、管9の先端面が保護スリーブ6のフランジ部6aに着座する。この状態では、なおも管9にOリング5が接触することはない。また、図4の(B)に示すように、保護スリーブ6の内径は隔壁フランジ部16の内径よりも予めわずかに大きく形成されているので、管9の先端面がフランジ部6aに着座する前にその保護スリーブ6を押し出してしまうことがない。
図4の(B)の状態からなおも管9を奥部側に押し込むと、保護スリーブ6が管9とともにOリング5から抜け出て、同図(C)に示すようにその管9の先端面が保護スリーブ6とともに内フランジ部14の端面である位置規制面14aに着座するまで管9が奥深く挿入される。管9にて押された保護スリーブ6が管9とともにOリング5から抜け出た瞬間にOリング5がそれまでの保護スリーブ6による拘束から解除されて、弾性復元するかたちで初めて管9の外周面に圧接するようになり、この状態をもってOリング5の圧接による本来の機能が発揮されることになる。この時、Oリング5から保護スリーブ6が抜け出た以降の管9の挿入過程でOリング5が管9の外周面と摺動することはあっても、従来のようにエッジが鋭利であったりあるいは「ばり」が付帯している可能性のある管9の先端とOリング5とが大きな力をもって摺動することはないので、Oリング5の傷付きや破損を未然に防止できることになる。また、従来のように管9の先端がOリング5を乗り越える必要がないので、管9の挿入に要する力も従来に比べて著しく小さくて済むことになる。なお、保護スリーブ6はOリング5から抜け出て位置規制面14aに着座した時点でその役目を終える。
図4の(D)に示すように、管9の先端面が保護スリーブ6とともに位置規制面14aに着座した状態で、ストッパ面12に当接するまで袋ナット3を締め込む。袋ナット3の締め込みに基づくその螺進作用に伴い、抜け止め機構8を形成している三枚のリング、すなわちグリップリング18とバックアップリング19およびアジャストリング20の三者が相互に圧締されて、最終的には継手本体2側の凹状面15に臨んでいるグリップリング18の最小径のエッジ部38(図7参照)が相手側の管9の外周にくい込んでその状態を自己保持することで管9の抜け止めが瞬時に施される。この抜け止めが施された状態を図5の右半部に示す。
なお、本実施の形態では、グリップリング18を弾性変形させるのに必要なわずかな締め込みストローク(螺進ストローク)α分だけ袋ナット3を締め込むだけで良いので、袋ナット3の締め込み作業は汎用のスパナあるいはモンキーレンチ等で十分に対応可能である。
また、図2および図6から明らかなように、継手本体2の最大直径は袋ナット3の最大直径よりも小さく形成されていて、両者の間に積極的に段差を持たせてあるので、例えば図6に示すように継手本体2用のスパナ類S1と袋ナット3用のスパナ類S2を併用する場合でも、継手本体2用のスパナ類S1が双方の袋ナット3の端面で位置規制されて、継手本体2用のスパナ類S1が管継手1の長手方向に移動して外れてしまうことがない。
ここで、上記グリップリング18が相手側の管9にくい込む過程を図7を参照しながらより詳しく説明すると、図3〜5に示すように、抜け止め機構8を形成しているグリップリング18が袋ナット3の締め込みにより圧締されていない状態においても、グリップリング18の平坦部18aの背面側がバックアップリング19にてバックアップされていることから、グリップリング18は図7の姿勢を自己保持している。袋ナット3の締め込みによりその袋ナット3を螺進させると、アジャストリング20とバックアップリング19とを介してグリップリング18が押圧されて、それら三者が継手本体2と袋ナット3との間に圧締されるようになる。
図7において、符号P1は太実線で示すグリップリング18における凸状部18bの先端のエッジ部28が凹状面15に当接した瞬間の状態を(このときのグリップリング18の高さはh1である)、符号P2は太破線で示すグリップリング18における凸状部18bの先端のエッジ部28が凹状面15に当接し且つ平坦部18aが開口端面7に当接した管接続完了状態をそれぞれ示しており(このときのグリップリング18の高さはh2である)、符号P3は細破線で示すグリップリング18が上記二つの状態の中間の位置にある状態を示している。
グリップリング18が押圧されると、その凸状部18aの先端のエッジ部28が最初に凹状面15に当接し、さらなるF方向の力がバックアップリング19によって加えられることで、グリップリング18の高さがh1からh2と減ぜられるようにグリップリング18全体が展開されるかの如き形態で弾性変形し、エッジ部28がE1位置からE2位置を経てE3位置へと徐々に移動するとともに、もう一方の最小内径側のエッジ部38がe1位置からe2位置を経てe3位置へと徐々に移動し、最終的には図4の(D)に示すようにグリップリング18の平坦部18aが開口端面7に密着して、エッジ部38がe3位置をもって管9にくい込むことで抜け止めが施され、以上をもって管継手1と管9との接続作業が完了する。
ここで、継手本体2やグリップリング18あるいはバックアップリング20等の加工誤差によっては、抜け止め完了状態でグリップリング18の平坦部18aが開口端面7に密着しないこともあるが、その場合でもエッジ部38の管9へのくい込みは確実に行われる。
上記のような抜け止め完了状態では、先に述べたようにエッジ部38がe3位置をもってくい込むのと相前後して袋ナット3の端面がストッパ面12に当接し、それ以上の袋ナット3の締め込み(螺進)が阻止される。そして、図5の右半部の状態を自己保持することになる。このような管9の接続手順は図5の左側のもう一方の管9についても全く同様である。
このように本実施の形態のよれば、抜け止め機構8を形成している断面略くの字状のグリップリング18を弾性変形させてそのエッジ部38を相手側の管9にくい込ませるだけで抜け止めが施されるので、抜け止めのための袋ナット3の螺進ストロークがきわめて小さくて済むことになる。
また、管継手1の内部の清掃等に際しては袋ナット3を緩めることで容易に分解することが可能であり、またOリング5のほか抜け止め機構8を形成している各リング18,19,20を交換することで少なくとも継手本体2と袋ナット3は再利用可能である。この場合、一旦分解した後は保護スリーブ6を使用しても使用しなくても良い。
なお、先にも述べたように、当初はOリング5を保護していて管9の挿入後にその役目を終えた保護スリーブ6は継手本体2内に残されることになるが、管継手本来の機能に支障をきたすこともなければ、流路を狭めてしまうこともない。
図8は本発明に係る管継手の第2の実施の形態を示し、その要部の断面図を示している。なお、図3と共通する部分には同一符号を付してある。
この第2の実施の形態では、Oリング5の内周に配置される保護スリーブ26を、継手本体2の奥部側に向かって先細りとなるテーパ状に形成したものであり、相手側となる管9が挿入された場合に、その管9の先端が保護スリーブ26の内周面のうち長手方向のほぼ中間位置に当接するようにその内径が設定される。
したがって、この第2の実施の形態においても保護スリーブ26の機能としては第1の実施の形態のものと同様であるから、管9の挿入時に保護スリーブ26をもってOリング5を保護することができる。
図9,10および図11,12は本発明に係る管継手の第3,第4の実施の形態を示し、図9,10では、保護スリーブ6や抜け止め機構8を主要素とする第1の実施の形態の管継手1の構造を、継手本体42がいわゆるT形をなす管継手41に適用したものであり、また図11,12では、上記第1の実施の形態の管継手の構造を、継手本体52が所定の曲率を有するいわゆるベンドと称される管継手51に適用したものである。
図13は本発明に係る管継手の第5の実施の形態を示す図である。
この第5の実施の形態では、テーパねじによるねじ込み式のT形管継手61をもって管9,9同士を接続するにあたり、そのT形管継手61と管9との間に、保護スリーブ6や抜け止め機構8を主要素とする第1の実施の形態の管継手71を介装したものである。すなわち、管継手71における継手本体72と袋ナット3との関係は第1の実施の形態と同様であるものの、継手本体72の他端にはT形管継手61との接続部となるテーパねじのおねじ部73が形成されている。
これらの第3〜第5の実施の形態においても、先に述べた第1の実施の形態と同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
本発明に係る管継手の第1の実施の形態を示す図で、管継手単体での斜視図。 図1の正面説明図。 図2の拡大断面図。 図3の管継手に対して管を挿入・接続する際の要部の挙動を説明するための図で、(A)は相手となる管の挿入開始時の要部拡大断面図、(B)は管が保護スリーブに着座したときの要部拡大断面図、(C)は管が保護スリーブとともに位置規制面に着座したときの要部拡大断面図、(D)は抜け止めが施されたときの要部拡大断面図。 図3の管継手に対して左右から管を挿入・接続する際の挙動を説明するための説明図。 図2の管継手に工具であるスパナ掛けを行ったときの説明図。 図4におけるグリップリング単独での挙動を説明するための拡大説明図。 本発明に係る管継手の第2の実施の形態を示す図で、その要部拡大断面図。 本発明に係る管継手の第3の実施の形態を示す図で、T形管継手に適用した場合の正面図。 図9に示したT形管継手の斜視図。 本発明に係る管継手の第4の実施の形態を示す図で、ベンドに適用した場合の正面図。 図11に示したT形管継手の斜視図。 本発明に係る管継手の第5の実施の形態を示す図で、ねじ込み式のT形管継手と併用する場合の断面図。
符号の説明
1…管継手
2…継手本体
3…袋ナット
5…シール部材としてのOリング
6…保護スリーブ
6a…フランジ部
8…抜け止め機構
9…管
10…おねじ部
11…めねじ部
18…主皿ばねとしてのグリップリング
19…平座金としてのバックアップリング
20…補助皿ばねとしてのアジャストリング
26…保護スリーブ
38a…エッジ部

Claims (10)

  1. 少なくとも一端部外周におねじ部が形成されていて、その一端部側に相手側となる管が内挿される筒状の継手本体と、
    上記おねじ部に螺合する袋ナットと、
    上記継手本体の内周に装着されていて、上記管との間のシールを司る環状のシール部材と、
    上記継手本体と袋ナットとの間に介装されていて、袋ナットの締め込みによるその螺進作用をもって上記継手本体と管との抜け止めを司る抜け止め機構と、
    上記管を受容可能な大きさをもってシール部材の内周にこれを覆うように装着されていて、そのシール部材を保護している保護スリーブと、
    を備えていて、
    上記保護スリーブが継手本体の一端部側に内挿された管とともにシール部材の位置よりも奥部側まで押し込まれたときに初めてシール部材が管と接触可能となっていることを特徴とする管継手。
  2. 上記保護スリーブは、奥部側にフランジ部を有する有底円環状のものであることを特徴とする請求項1に記載に管継手。
  3. 上記保護スリーブはシール部材に対する圧接状態をもってそのシール部材を保護していることを特徴とする請求項1または2に記載の管継手。
  4. 上記抜け止め機構は、継手本体と袋ナットとの間に介装された皿ばねを主要素として形成されていて、袋ナットの螺進作用に伴う皿ばねの弾性変形をもってその皿ばねのエッジ部が管へくい込むようなっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の管継手。
  5. 上記抜け止め機構は、継手本体側に向かって凸形状となる主皿ばねと、その主皿ばねの反継手本体側に配置された平座金と、その平座金の反継手本体側に上記主皿ばねとは逆向きに配置された補助皿ばねとを重合配置することより形成されていて、
    上記補助皿ばねが袋ナットの螺進作用に伴う押圧力を受けた時に、その補助皿ばねが平座金を介して主皿ばねを押圧することより主皿ばねの小径側のエッジ部が管に食い込むようになっていることを特徴とする請求項4に記載の管継手。
  6. 上記主皿ばねは内周と外周との中間部で屈曲した断面略くの字状のものとして形成されているとともに、上記継手本体の端面と平座金とで加圧拘束されることにより弾性変形してその最小径のエッジ部が管に食い込むようになっていることを特徴とする請求項5に記載の管継手。
  7. 上記継手本体には袋ナットの螺進限位置にてその袋ナットに当接してそれ以上の螺進を阻止するストッパ面が形成されていて、上記袋ナットがストッパ面に当接した状態で抜け止め機構として必要な管へのくい込み量が得られるように設定されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の管継手。
  8. 上記継手本体の内周には、挿入された管の先端面と当接してその挿入位置を規制する位置規制面が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の管継手。
  9. 請求項1に記載の管継手を用いた管の接続構造であって、
    相手側となる管を継手本体に挿入して、その管とともに保護スリーブをシール部材の位置よりも奥部側まで押し込んだ状態で袋ナットを締め込むことにより、継手本体と管との間がシール部材にてシールされているとともに、上記抜け止め機構にて継手本体と管との抜け止めが施されていることを特徴とする管の接続構造。
  10. 請求項1に記載の管継手を用いた管の接続方法であって、
    相手側となる管を継手本体に挿入して、その管とともに保護スリーブをシール部材の位置よりも奥部側まで押し込んだ状態で袋ナットを締め込み、
    この袋ナットの締め込み状態をもってシール部材によるシール機能と抜け止め機構による抜け止め機能とを発揮させることを特徴とする管の接続方法。
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