JP2008144298A - ポリケトン短繊維とその製造方法 - Google Patents
ポリケトン短繊維とその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008144298A JP2008144298A JP2006331897A JP2006331897A JP2008144298A JP 2008144298 A JP2008144298 A JP 2008144298A JP 2006331897 A JP2006331897 A JP 2006331897A JP 2006331897 A JP2006331897 A JP 2006331897A JP 2008144298 A JP2008144298 A JP 2008144298A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyketone
- fiber
- fibers
- short
- strength
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Artificial Filaments (AREA)
- Paper (AREA)
Abstract
Description
薄肉軽量であっても高い強度を有し加工時に破れトラブルが発生しないセパレーターの実現の為、パルプ素材、パルプ素材の組み合わせ、セパレーターの製造方法などに関し、さまざまな改良や検討が行われている。
特許文献1では、フィブリル化させたポリケトン短繊維を使ったポリケトン100%繊維紙が提案されている。
特許文献1によれば、高度にフィブリル化させたポリケトン短繊維を抄紙した後、高温高圧のプレス機で熱融着させることにより、高強度のポリケトン100%繊維紙を得ようとしている。ポリケトン短繊維は、高度にフィブリル化させるために、2段階の叩解処理によって製造している。
第1段はデスクリファイナーで30回程度の処理を行い、第2段は高圧ホモジナイザーで100MPa×10〜20回の叩解処理を行い製造している
この様に高度にフィブリル化させたポリケトン短繊維を用いることで強度の向上を図っているが、得られたポリケトン繊維紙の強度は低レベルであり、更なる改良が要求されている。
すなわち、本発明は下記の通りである。
本発明の第1は、繰り返し単位の95モル%以上が下記式(1)で示されるポリケトン単位で構成されたポリケトン繊維の短繊維であって、その短繊維の平均繊維長(L)が0.1〜5mmであり、長さ5L〜10Lの繊維の比率が全体の2〜20%であることを特徴とするポリケトン短繊維、である。
本発明のポリケトン繊維を構成するポリケトンは、繰り返し単位の95モル%以上、好ましくは98モル%以上、特に99.6モル%以上が、上記式(1)で示されるものであり、5モル%未満の範囲で、上記式(1)以外の繰り返し単位、例えば、下記式(2)に示すもの等を含有していても良い。
尚、固有粘度[η]は次の定義式に基づいて求められる値である。
ポリケトンには必要に応じて、酸化防止剤、ラジカル抑制剤、他のポリマー、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属石鹸等の添加剤を含んでいてもよい。
ポリケトン繊維の形態は、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、扁平型(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、ブーメラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型等が挙げられる。)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
好ましい単糸繊度は、0.01〜10dtex、より好ましくは0.1〜10dtex、特に好ましくは0.5〜5dtexの範囲であり、モノフィラメント糸の場合は、10〜100000dtexの範囲である。
また、ポリケトン短繊維の繊維長分布において、5L〜10Lの比率が2〜20%であることが必要であり、好ましくは2〜15%、特に好ましくは3〜15%の範囲であり、この比率が2%未満の場合には紙強度が充分発現されず、20%を超える場合には繊維同士が絡まり品位が悪く、厚み斑の大きな紙となってしまう。
尚、ポリケトン短繊維の平均繊維長並びに繊維長分布は、ネスレオートメーション(株)社のカヤーニファイバーアナライザー:FS200を使い、ポリケトン短繊維10000本の繊維長を測定して求めた。
本発明のポリケトン繊維は、フィブリル化しているほうが好ましく、好ましい比表面積は5〜112m2 /gの範囲である。
基本的には、ポリケトン繊維を裁断し、次いでコニカル型リファイナーにより叩解処理することにより製造される。
ポリケトン繊維の裁断は、一般的なギロチンカッター、あるいはロータリーカッターを用いて、好ましくは1〜30mm、より好ましくは、1.5〜20mm、特に好ましくは2〜7mmの範囲に裁断される。
次いで、裁断されたポリケトン繊維は、コニカル型リファイナーで叩解処理される。コニカル型リファイナーで叩解処理することで、繊維長の大きいポリケトン短繊維が得られるものであり、他の叩解機、例えばデスクリファイナー、高圧ホモジナイザー、ビーター、ボールミルなどで製造した場合、繊維長が短くなり、本発明のような繊維長の大きいポリケトン短繊維を得ることは出来ない。
(1)刃クリアランス:0.5〜0.03mm
(2)刃回転数 :500〜1500rpm
(3)繊維濃度 :0.5〜5%
(4)スラリー流量 :50〜500l/min
(5)処理 :20〜60回
また刃についは、2枚刃タイプでも良く、あるいは3枚刃タイプでも良く、特に限定されない。
本発明のポリケトン短繊維は、例えば抄紙法により繊維紙の作成し用いられる。抄紙方法としては、湿式による抄紙方法が均一性などの面で好ましい。
繊維紙の坪量は10〜100g/m2 、好ましくは12〜80g/m2 、特に好ましくは15〜50g/m2 の範囲である。
抄紙したポリケトン繊維紙は、室温で乾燥(一般的には、風乾、1日)した後、ホットプレスにて、例えば105℃×5分間程度の加熱加圧処理を行なう。
さらに、強度、平滑性、通気度の向上を目的としてカレンダー加工をすることが好ましい。
カレンダー加工温度は、ポリケトン繊維の融点+40℃以下の範囲内で、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、特に好ましくは150℃以下である。カレンダー加工時の線圧としては、好ましくは50〜1500KN/cm、より好ましくは250〜1500KN/cm、特に好ましくは350〜1000KN/cmの範囲である。
本発明における測定方法及び評価方法は以下の通りである。
(1)平均繊維長(L)並びに繊維長分布
ネスレオートメーション(株)社のカヤーニファイバーアナライザー:FS200を用いて水に希釈した任意の本数のポリケトン短繊維を直径0.4mmのキャピラリーに通し、光学部のレーザーにより繊維長を測定し平均値を求めて算出した。平均繊維長(L)を5倍したものを5L、10倍したものを10Lとした。
(2)引張強力
JIS−P−8113に準じて測定した。
サンプル巾:1.5cm、引張速度:20cm/分で測定し、10回測定した時の平均値を求めた。
1670dtex/1250fのポリケトン繊維(旭化成せんい(株)社製;商標名サイバロン;引張強度18cN/dtex、引張伸度5%、引張弾性率350cN/dtex)をギロチンカッターにて5mmにカットして、コニカル型リファイナーにて刃クリアランス0.5mm、繊維濃度3%の条件で30回叩解し、平均繊維長(L)0.45mm、5L〜10Lの比率が20%、比表面積8m2 /gのポリケトン短繊維を得た。
得られたポリケトン短繊維を湿式法にて抄紙し、室温乾燥、ホットプレス乾燥(105℃×5分間)し坪量50g/m2 、厚み0.10mmのポリケトン繊維紙を作成した。この繊維紙の強力を測定した。結果を表1に示した。
実施例1と同様のポリケトン繊維をギロチンカッターにて5mmにカットして、コニカル型リファイナーにより叩解処理するに際し、刃クリアランスを変化させて、表1に記載のポリケトン短繊維を得た。得られたポリケトン短繊維を湿式法にて抄紙し、室温乾燥、ホットプレス乾燥(105℃×5分間)し、ポリケトン繊維紙を作成した。この繊維紙の強力を測定した。結果を表1に示した。
[実施例5、6]
実施例2、4のポリケトン繊維紙をカレンダー加工機にて150℃、1000KN/cmの熱プレス加工を行い、これについて引張強力を評価した。結果を表1に示した。
実施例1と同様のポリケトン繊維をギロチンカッターにて5mmにカットして、シングルデスクリファイナー(熊谷理機工業(株)社製)にて刃クリアランス0.1mm、繊維濃度2%の条件で40回叩解処理し、平均繊維長0.45mm、5L〜10Lの比率が1%、比表面積が6.3m2 /gのポリケトン短繊維を得た。得られたポリケトン短繊維を湿式法にて抄紙し、室温乾燥、ホットプレス乾燥(105℃×5分間)し、ポリケトン繊維紙を作成し引張試験を実施した。結果を表1に示した。
[比較例2]
比較例1の繊維紙を実施例5記載の条件にてカレンダー加工を実施し引張強力を評価した。結果を表1に示した。
比較例1のポリケトン短繊維を水中に分散し濃度0.75%のスラリーを作成した。作成したスラリーを高圧ホモジナイザー(三丸機械工業(株)社製)にて100MPaの圧力で15回処理して平均繊維長(L)0.26mm、5L〜10Lの比率が0.5%、比表面積が8.3m2 /gのポリケトン短繊維を得た。このポリケトン短繊維を湿式法にて抄紙し、室温乾燥、ホットプレス乾燥(105℃×5分間)し、ポリケトン繊維紙を作成して引張試験を実施した。結果を表1に示した。
[比較例4]
比較例3のポリケトン繊維紙を実施例5記載の条件にてカレンダー加工を実施し、引張試験を実施した。結果を表1に示した。
Claims (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006331897A JP4799384B2 (ja) | 2006-12-08 | 2006-12-08 | ポリケトン短繊維とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006331897A JP4799384B2 (ja) | 2006-12-08 | 2006-12-08 | ポリケトン短繊維とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008144298A true JP2008144298A (ja) | 2008-06-26 |
JP4799384B2 JP4799384B2 (ja) | 2011-10-26 |
Family
ID=39604775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006331897A Expired - Fee Related JP4799384B2 (ja) | 2006-12-08 | 2006-12-08 | ポリケトン短繊維とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4799384B2 (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0841792A (ja) * | 1994-07-25 | 1996-02-13 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 画像記録媒体の製造方法 |
JPH09295877A (ja) * | 1996-05-07 | 1997-11-18 | Teijin Ltd | 短繊維補強コンクリート |
JPH1131495A (ja) * | 1997-04-17 | 1999-02-02 | Japan Vilene Co Ltd | アルカリ電池用セパレータ |
JP2001207335A (ja) * | 2000-01-27 | 2001-08-03 | Asahi Kasei Corp | フィブリル状物及びその製造方法 |
JP2005344274A (ja) * | 2004-05-07 | 2005-12-15 | Kao Corp | 抄造成形体、その製造方法及び発熱成形体 |
WO2006077789A1 (ja) * | 2005-01-18 | 2006-07-27 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | ポリケトン繊維紙、プリント配線基板用ポリケトン繊維紙芯材およびプリント配線基板 |
-
2006
- 2006-12-08 JP JP2006331897A patent/JP4799384B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0841792A (ja) * | 1994-07-25 | 1996-02-13 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 画像記録媒体の製造方法 |
JPH09295877A (ja) * | 1996-05-07 | 1997-11-18 | Teijin Ltd | 短繊維補強コンクリート |
JPH1131495A (ja) * | 1997-04-17 | 1999-02-02 | Japan Vilene Co Ltd | アルカリ電池用セパレータ |
JP2001207335A (ja) * | 2000-01-27 | 2001-08-03 | Asahi Kasei Corp | フィブリル状物及びその製造方法 |
JP2005344274A (ja) * | 2004-05-07 | 2005-12-15 | Kao Corp | 抄造成形体、その製造方法及び発熱成形体 |
WO2006077789A1 (ja) * | 2005-01-18 | 2006-07-27 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | ポリケトン繊維紙、プリント配線基板用ポリケトン繊維紙芯材およびプリント配線基板 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4799384B2 (ja) | 2011-10-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1457590B1 (en) | Polyvinyl alcohol binder fibers, and paper and nonwoven fabric comprising them | |
US6485828B2 (en) | Flat synthetic fiber, method for preparing the same and non-woven fabric prepared using the same | |
KR101876601B1 (ko) | 내열성 전기 절연 시트 재료 및 그의 제조 방법 | |
US9212435B2 (en) | Pulp and fibrillated fiber composite | |
JP3142692B2 (ja) | 電池用セパレーター及びその製造法 | |
JP5317289B2 (ja) | ヤーンまたはスライバーを叩解する方法 | |
KR101899188B1 (ko) | 초지용 원료의 제조 방법, 얻어진 초지용 원료 및 상기 원료를 사용한 내열성 전기 절연 시트 재료 | |
US20240128587A1 (en) | Alkaline battery separators having controlled pore size | |
JP2009521621A (ja) | Pipdフロックを含んでなる紙およびその製造方法 | |
JP5594844B2 (ja) | 電気化学素子用セパレーター | |
CN1473217A (zh) | 包含回用合成纤维材料的水刺缠结非织造物 | |
JP2008144290A (ja) | ポリケトン紙およびセパレーター | |
CN107386011B (zh) | 一种多层医疗专用透析纸原纸及其加工方法 | |
CN116516718A (zh) | 芳纶纸及其制备方法 | |
JP4799384B2 (ja) | ポリケトン短繊維とその製造方法 | |
JP2008150723A (ja) | ポリケトン繊維紙 | |
US8137506B2 (en) | Paper comprising PIPD pulp and process for making same | |
JP2008163481A (ja) | ポリケトン叩解短繊維の製造方法 | |
JP5594845B2 (ja) | 電気化学素子用セパレーター | |
JP2015074851A (ja) | 湿式不織布および繊維製品 | |
WO2021188418A1 (en) | Solid-state composite electrolytes comprising aramid polymer fibrils | |
JP2022070291A (ja) | 炭素繊維含有湿式不織布 | |
KR101751273B1 (ko) | 건조지력증강제를 이용한 미세섬유를 다량 함유한 펄프의 종이 제조 방법 | |
KR101752795B1 (ko) | 스테인레스 스틸 간지용 펄프의 제조방법 및 이로부터 제조된 펄프 | |
JP2018016900A (ja) | 耐熱性不織布 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091202 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110725 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110802 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110802 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |