JP2008143068A - パターン形成方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】段差構造など異なる深さの凹部を有する構造を形成する場合に、工程数を増やすことなく精度の高いパターン形成を行う。
【解決手段】基板10上のレジスト膜12をパターニングして第1の開口部13aと、第1の開口部13aより開口幅が狭い複数の第2の開口部13bを形成する。次に垂直異方性エッチングを行い、第1の開口部13aに第1の凹部14aを形成すると共に、第2の開口部13bのそれぞれに対応して複数の凹部14bを形成する。次に等方性エッチングを行い、複数の第2の開口部13bに形成された複数の凹部14bの側壁を除去し、第2の凹部17を形成する。第1の開口部13aの開口幅と第2の開口部13bの開口幅は、第1の開口部13aが第1の凹部14aの深さに達する間に、複数の第2の開口部13bが第2の凹部17の深さに達するエッチングレート差が生じるように設定される。
【選択図】図1
【解決手段】基板10上のレジスト膜12をパターニングして第1の開口部13aと、第1の開口部13aより開口幅が狭い複数の第2の開口部13bを形成する。次に垂直異方性エッチングを行い、第1の開口部13aに第1の凹部14aを形成すると共に、第2の開口部13bのそれぞれに対応して複数の凹部14bを形成する。次に等方性エッチングを行い、複数の第2の開口部13bに形成された複数の凹部14bの側壁を除去し、第2の凹部17を形成する。第1の開口部13aの開口幅と第2の開口部13bの開口幅は、第1の開口部13aが第1の凹部14aの深さに達する間に、複数の第2の開口部13bが第2の凹部17の深さに達するエッチングレート差が生じるように設定される。
【選択図】図1
Description
本発明は、ドライエッチングによるパターン形成方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法に関する。
液滴吐出ヘッドをはじめ、MEMS(Micro Electro Mechanical System)や半導体分野などのマイクロデバイスは、配線や電極等の構成要素、凹部、貫通孔等が形成された複数の基板を貼り合わせることによって構成されているものも多い。
例えば特許文献1にも開示されている通り、基板に凹部を形成する際は、単に1つのマスクの開口にあわせて円筒状の凹部を設けるだけでなく、種々のキャビティ、位置決め用基準孔、基板同士を貼り合わせるときの接着剤逃げ等のため、内壁に段差を有する凹部を形成することが必要な場合がある。内壁に段差を有する凹部は、エッチング法によって、まず一番直径が小さく深い凹部を形成し、続いてその凹部の開口部より直径の大きいマスクを使用してより浅い凹部を形成することを繰り返すことによって得ることができる。
基板に凹部を設ける方法としては種々の微細加工技術が用いられるが、近年、より寸法精度よく加工するためにドライエッチング法が広く用いられるようになってきている。特許文献2には、インクジェットヘッドをドライエッチング法を使用して形成した事例が開示されている。
特開2005−153369号公報
特開平9−248914号公報
ドライエッチング法による加工は、結晶面にかかわらず所望の方向に高精度な加工を行うことができるという利点があり、基板に内壁に段差を有する凹部を形成するのに適している。しかしながら、段差ごとに段差形状を形成するためのレジスト膜を形成する工程と基板を加工するためのエッチング工程が必要となり、工程数が増加しこれにともなって製造コストも増加するという問題がある。
本発明は、段差構造など異なる深さの凹部を有する構造を形成する場合に、工程数を増やすことなく精度の高いパターン形成を行うことができるパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明に係るパターン形成方法は、基板上に、第1の凹部と前記第1の凹部よりも深さの浅い第2の凹部を形成するパターン形成方法であって、前記基板表面をレジスト膜で被覆する第1の工程と、前記レジスト膜をパターニングし、前記第1の凹部に対応する第1の開口部を形成すると共に、前記第2の凹部に対応する領域に前記第1の開口部より開口幅が狭い複数の第2の開口部を形成する第2の工程と、垂直異方性エッチングを行い、前記第1の開口部に前記第1の凹部を形成すると共に、前記複数の第2の開口部のそれぞれに対応して複数の凹部を形成する第3の工程と、等方性エッチングを行い、前記複数の第2の開口部に形成された前記複数の凹部間の側壁を除去し、前記第2の凹部を形成する第4の工程と、残りのレジスト膜を除去する第5の工程とを有し、前記第1の開口部の開口幅と前記第2の開口部の開口幅は、前記第3の工程において前記第1の開口部が前記第1の凹部の深さに達する間に、前記複数の第2の開口部が前記第2の凹部の深さに達するエッチングレート差が生じるように設定されることを特徴とする。
本発明によれば、レジスト膜の開口幅によりエッチングレートに差が生じることを利用して、一度の垂直異方性エッチングで異なる深さの凹部が形成されるようにした。さらに、深さの浅い凹部については、レジスト膜を開口しなかった部分が側壁として残るので、後工程で等方性エッチングによってそれらの壁を除去するようにした。これにより、エッチングの回数を削減して深さの異なる凹部を形成することが可能になる。さらに、レジスト膜の形成も一度でよい。
このように、エッチング工程、レジスト膜形成工程共に回数を増やすことなく、深さの異なる凹部を形成することができるので、製造プロセスを簡略化し、製造コストを低減して、精度の高い加工を行うことができる。
また、レジスト膜形成工程の削減にともない汚染の可能性が低減され品質の向上も可能となる。
このように、エッチング工程、レジスト膜形成工程共に回数を増やすことなく、深さの異なる凹部を形成することができるので、製造プロセスを簡略化し、製造コストを低減して、精度の高い加工を行うことができる。
また、レジスト膜形成工程の削減にともない汚染の可能性が低減され品質の向上も可能となる。
また、前記複数の第2の開口部は等間隔で形成されることが望ましい。これにより第2の開口部に対応して形成された複数の凹部間の側壁もそれぞれ等しい厚さで形成されるので、第4の工程で、等方性エッチングによりこれらの側壁を除去する際に効率よく行うことができる。
なお、本発明によるパターン形成方法は、前記第1の凹部と前記第2の凹部によって段差形状が形成される場合などに特に好適に利用できる。
例えば、前記第2の工程において、各々の第2の開口部を前記第1の開口部を中心として同心円状に配置し、前記第1の凹部の周囲に前記第2の凹部が配置された段差形状を形成する場合などは様々な分野での利用が考えられる。
例えば、前記第2の工程において、各々の第2の開口部を前記第1の開口部を中心として同心円状に配置し、前記第1の凹部の周囲に前記第2の凹部が配置された段差形状を形成する場合などは様々な分野での利用が考えられる。
本発明による液滴吐出ヘッドの製造方法は、段差形状を含む構造体を有する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、基板表面をレジスト膜で被覆する第1の工程と、前記レジスト膜をパターニングし、第1の凹部に対応する第1の開口部を形成すると共に、前記第1の開口部を中心として同心円状に前記第1の開口部より開口幅が狭い複数の第2の開口部を形成する第2の工程と、垂直異方性エッチングを行い、前記第1の開口部に前記第1の凹部を形成すると共に、前記複数の第2の開口部のそれぞれに対応して複数の凹部を形成する第3の工程と、等方性エッチングを行い、前記複数の第2の開口部に形成された前記複数の凹部の側壁を除去し、前記第1の凹部の周囲に前記第1の凹部よりも深さの浅い第2の凹部が配置された段差形状を形成する第4の工程と、残りのレジスト膜を除去する第5の工程とを有し、前記第1の開口部の開口幅と前記第2の開口部の開口幅は、前記第3の工程において前記第1の開口部が前記第1の凹部の深さに達する間に、前記複数の第2の開口部が前記第2の凹部の深さに達するエッチングレート差が生じるように設定されることを特徴とする。
本発明によれば、レジスト膜の開口幅によりエッチングレートに差が生じることを利用して、一度の垂直異方性エッチングで段差形状を含む構造体が形成されるようにした。さらに、深さの浅い凹部については、レジスト膜を開口しなかった部分が側壁として残るので、後工程で等方性エッチングによってそれらの壁を除去するようにした。これにより、エッチングの回数を削減して段差形状を含む構造体を形成することが可能になる。さらに、レジスト膜の形成も一度でよい。
このように、本発明によれば、エッチング工程、レジスト膜形成工程共に回数を増やすことなく段差形状を含む構造体を形成することができるので、製造プロセスを簡略化し、製造コストを低減して、精度の高い加工を行うことができる。
また、レジスト膜形成工程の削減にともない汚染の可能性が低減され品質の向上も可能となる。
なお、液滴吐出ヘッドにおいては、例えば、流路形成基板とノズルプレートを貼り合わせるための位置決め基準孔に接着剤逃げのための段差構造を設ける必要がある。
本発明によれば、レジスト膜の開口幅によりエッチングレートに差が生じることを利用して、一度の垂直異方性エッチングで段差形状を含む構造体が形成されるようにした。さらに、深さの浅い凹部については、レジスト膜を開口しなかった部分が側壁として残るので、後工程で等方性エッチングによってそれらの壁を除去するようにした。これにより、エッチングの回数を削減して段差形状を含む構造体を形成することが可能になる。さらに、レジスト膜の形成も一度でよい。
このように、本発明によれば、エッチング工程、レジスト膜形成工程共に回数を増やすことなく段差形状を含む構造体を形成することができるので、製造プロセスを簡略化し、製造コストを低減して、精度の高い加工を行うことができる。
また、レジスト膜形成工程の削減にともない汚染の可能性が低減され品質の向上も可能となる。
なお、液滴吐出ヘッドにおいては、例えば、流路形成基板とノズルプレートを貼り合わせるための位置決め基準孔に接着剤逃げのための段差構造を設ける必要がある。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る微細構造の形成方法を示す工程図である。
まず、基板10の表面をレジスト膜12により覆う。次に、図1(A)に示すようにレジスト膜12に開口部を設けパターニングする。このときの平面図を図2に示す。
図1(A)および図2に示すように、レジスト膜12には、円形開口部(第1の開口部)13aと円形開口部13aの外側に、円形開口部13aを中心としてほぼ同心円状に配置された複数の輪状開口部(第2の開口部)13bを設ける。なお、同時にレジスト膜12に開口部13cを設けてもよい。円形開口部13aの直径は例えば100μmから500μmであり、輪状開口部13bの輪の幅は、円形開口部13aの直径よりはるかに小さく例えば0.1μmから5μmである。開口部13cの大きさは、後のエッチングにおいて必要な効果が得られる大きさとする。基板10の材料は、シリコン基板などエッチング法によって好適に加工可能なものであれば特に限定されない。
図1は、本発明に係る微細構造の形成方法を示す工程図である。
まず、基板10の表面をレジスト膜12により覆う。次に、図1(A)に示すようにレジスト膜12に開口部を設けパターニングする。このときの平面図を図2に示す。
図1(A)および図2に示すように、レジスト膜12には、円形開口部(第1の開口部)13aと円形開口部13aの外側に、円形開口部13aを中心としてほぼ同心円状に配置された複数の輪状開口部(第2の開口部)13bを設ける。なお、同時にレジスト膜12に開口部13cを設けてもよい。円形開口部13aの直径は例えば100μmから500μmであり、輪状開口部13bの輪の幅は、円形開口部13aの直径よりはるかに小さく例えば0.1μmから5μmである。開口部13cの大きさは、後のエッチングにおいて必要な効果が得られる大きさとする。基板10の材料は、シリコン基板などエッチング法によって好適に加工可能なものであれば特に限定されない。
レジスト膜12は、例えばフォトリソグラフィー法により得ることができる。具体的には、基板10上にレジスト材料を塗布した後、開口部の形状に対応したフォトマスクを介してこのレジスト材料をi線、紫外線、電子線等により露光・現像することによって形成することができる。レジスト材料は、スピン塗布法、スキャン塗布法、スプレー塗布法、スキージ塗布法等、公知の方法を用いて基板10表面に塗布することができる。
続いて、図1(B)に示すように、レジスト膜12をマスクとしてエッチング法により、基板10に第1の凹部14aおよび複数の凹部14bを形成する。エッチング法は、精度の良い加工が可能な反応性ガスによるドライエッチングを使用する。
第1の凹部14aは円形開口部13aに対応し、凹部14bは輪状開口部13bに対応して形成される。ここで、第1の凹部14aおよび凹部14bの深さは、円形開口部13aの開口幅と輪状開口部13bの開口幅によって決定される。これは、マイクロローディング効果により、開口幅によってエッチングレートが決定されるからである。
マイクロローディング効果とは、エッチングマスクの開口寸法が小さくなるに従い、エッチャントが開口部に入りにくくなり、結果としてエッチングレートが遅くなり、広い開口部と狭い開口部でエッチングレートに差を生じる効果のことをいう。
よって、本実施形態のように、輪状開口部13bの開口幅(輪の幅)を円形開口部13aの開口幅(直径)に比べて極端に小さくすることにより、図1(B)に示すように、凹部14bの深さHbを第1の凹部14aの深さHaより浅くすることができる。レジスト膜12の開口部13cに対応して形成される凹部14cについては、開口部13cの面積を円形開口部13aと同程度とすれば、凹部14cの深さを第1の凹部14aの深さと同程度に形成することができる。
反応性ガスによる垂直異方性エッチングは、反応性ガスを基板10が設置されているチャンバ内に導入することによりおこなわれる。反応性ガスとしては、例えば、フッ素系ガス、塩素および臭素のうちの少なくとも1種を含有するハロゲン系ガス等が挙げられる。基板10がシリコン単結晶で構成される場合には、SF6、C4F8、CBrF3、CF4/O2、Cl2、SF6/N2/Ar、BCl2/Cl2/Arガスを用いるのが好ましく、特に、SF6およびC4F8ガスのうちのいずれかを単独で、またはこれらの混合ガスを用いるのが好ましく、これにより効率よく加工を行うことができる。
次に、反応性ガスをプラズマ化して再度ドライエッチングをおこなう。反応性ガスをプラズマ化することにより等方性エッチングが可能となる。等方性エッチングを行うことにより、凹部14bの側壁16がエッチングにより除去され、図1(C)に示すように、第2の凹部17が形成され、段差形状を有する凹部15を形成することができる。このとき、図1(A)に示すように、輪状開口部13bを等間隔に形成しておくことにより、側壁16の除去を効率よく行うことができる。また、側壁16はできるだけ薄いほうが除去しやすいので、輪状開口部13bは密に設けた方がよい。
反応性ガスをプラズマ化しておこなう等方性ドライエッチングは、チャンバと、チャンバ内に反応性ガスを導入するための第1の導入バルブと、基板10を冷却する冷却媒体ガスを導入するための第2の導入バルブと、チャンバ内に対向するように設けられた一対の電極と、一方の電極側に設置された基板10を冷却媒体ガスが通過可能な連通孔を通じて冷却する冷却板と、基板10を固定するための設置台とを備えたドライエッチング装置を用いておこなうことができる。第2の導入バルブから導入した冷却媒体ガスを基板10の加工する側と反対側から吹き付けて冷却板および冷却媒体ガスの温度を伝えて冷却し、かつ、プラズマ発生用ガスを一対の電極間に充たした状態で、この電極間に高周波電圧を印加する。これにより、電極間でプラズマが発生し、生じたイオンや電子が形成されたレジスト膜12の開口部を介して基板10に衝突することにより、凹部14bの側壁16をこの等方性プラズマエッチングにより除去することができる。この等方性プラズマエッチングにICPドライエッチング装置を使用してもよい。
本実施形態では、垂直異方性エッチングと等方性プラズマエッチングで同一の反応性ガスを使用しているが、本発明は同一の反応性ガスを使用する場合に限られず異なる種類の反応性ガスを使用してもよい。
冷却媒体ガスとしては、冷却効率に優れ、プラズマの発生に影響を与えないようなものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガス等が挙げられ、これらの中でも、ヘリウムを主成分とするのが好ましい。ヘリウムは、特に冷却効果に優れるものであることから冷却媒体ガスとして好適に用いられる。
また、冷却板の温度すなわち冷却媒体ガスの温度は、−20〜60℃程度であるのが好ましく、−10〜10℃程度であるのがより好ましい。これにより、基板10を冷却して適切な温度を維持することができるようになる。
最後に図1(D)に示すように、レジスト膜12を除去することにより、基板10に段差形状を有する凹部15を形成することができる。レジスト膜12の剥離は、例えば大気圧または減圧下において酸素プラズマやオゾン蒸気に晒すこと、または、レジスト膜12を溶解し得るアセトン、アルキルベンゼンスルホン酸のようなレジスト剥離液に浸漬することにより、レジスト膜12を液状化して行うことができる。
なお、段差形状を有する凹部15の段差は1段に限らず多段とするこができる。
例えば、図3(A)に示すように、レジスト膜22に円形開口部23aと円形開口部23aを中心として同心円状に配置された複数の第1の輪状開口部23bと、さらに外側に同心円状に配置された複数の第2の輪状開口部23cを形成する。ここで、第1の輪状開口部23bの幅は円形開口部23aの幅より狭く、第2の輪状開口部23cの幅は第1の輪状開口部23bの幅より狭く形成する。
例えば、図3(A)に示すように、レジスト膜22に円形開口部23aと円形開口部23aを中心として同心円状に配置された複数の第1の輪状開口部23bと、さらに外側に同心円状に配置された複数の第2の輪状開口部23cを形成する。ここで、第1の輪状開口部23bの幅は円形開口部23aの幅より狭く、第2の輪状開口部23cの幅は第1の輪状開口部23bの幅より狭く形成する。
次に、図3(B)に示すように垂直異方性エッチングをおこなう。上述したようにマイクロローディング効果を利用して、基板に円形開口凹部24aと円形開口凹部24aより浅い第1の輪状開口凹部24bを形成することができる。さらに、レジスト膜22により第2の輪状開口部23cの幅を第1の輪状開口部23bの幅より狭く形成しているので、第2の輪状開口部23cについては第1の輪状開口部23bよりもマイクロローディング効果が顕著となり、基板に第1の輪状開口凹部24bより更に浅い第2の輪状開口凹部24cを同時に形成することができる。
次に、反応性ガスをプラズマ化して、等方性プラズマエッチングをおこなう。等方性プラズマエッチングを使用して第1の輪状開口凹部24bと第2の輪状開口凹部24cの側壁を除去することにより、図3(C)に示すように、内壁に2段の段差を有する凹部25を形成することができる。このように、簡易な方法で内壁に2段以上の段差を有する凹部を形成することができる。
また、本実施形態では、1段あるいは2段以上の段差形状を有する構造体を形成しているが、1つの基板上に深さの異なる複数の凹部を形成する場合であれば、段差形状に限らず本発明を適用することができる。
以上のように本発明によれば、1つの基板上に深さの異なる複数の凹部を形成する場合、特に1段以上の段差形状を含む微細な構造体を形成する場合に、加工精度の高いドライエッチングを用い、マイクロローディング効果を利用してレジスト膜の開口寸法を決定することにより、一度の垂直異方性エッチングで異なる深さの凹部が形成されるようにした。さらに、最も深い凹部以外の凹部については、レジスト膜を開口しない部分を薄い壁として残しておき、後工程で等方性エッチングによってそれらの壁を除去するようにした。これにより、最小限の回数のエッチングで深さの異なる複数の凹部や段差形状を含む構造体を形成することが可能になる。さらに、レジスト膜の形成も一度でよい。
このように、本発明によれば、エッチング工程、レジスト工程共に工程数を増やすことなく、深さの異なる複数の凹部や段差形状を含む構造体を形成することができるので、製造プロセスを簡略化し、製造コストを低減することができる。
また、レジスト工程の削減にともない汚染の可能性が低減され品質の向上も可能となる。
このように、本発明によれば、エッチング工程、レジスト工程共に工程数を増やすことなく、深さの異なる複数の凹部や段差形状を含む構造体を形成することができるので、製造プロセスを簡略化し、製造コストを低減することができる。
また、レジスト工程の削減にともない汚染の可能性が低減され品質の向上も可能となる。
(液滴吐出ヘッド)
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法について図面を参照して説明する。
本実施形態で製造される液滴吐出ヘッドは、図4に示されるインクジェットプリンタのインクジェットヘッド1であり、図5及び図6に示されるように、ノズルプレート320と、流路形成基板100と、弾性膜50と弾性膜50上に設けられた圧電素子300と、リザーバ形成基板30と、リザーバ形成基板30上に設けられた圧電素子300と、リザーバ形成基板30と、リザーバ形成基板30上に設けられた駆動IC120とを備えている。
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法について図面を参照して説明する。
本実施形態で製造される液滴吐出ヘッドは、図4に示されるインクジェットプリンタのインクジェットヘッド1であり、図5及び図6に示されるように、ノズルプレート320と、流路形成基板100と、弾性膜50と弾性膜50上に設けられた圧電素子300と、リザーバ形成基板30と、リザーバ形成基板30上に設けられた圧電素子300と、リザーバ形成基板30と、リザーバ形成基板30上に設けられた駆動IC120とを備えている。
このようなインクジェットヘッド1は、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、流路形成基板100となるシリコン基板100’に熱酸化処理などをすることによって、二酸化シリコン膜からなる弾性膜50を形成し、続いて弾性膜50上に絶縁体膜55及び下電極膜60を形成する。次に、下電極膜60上に圧電素子300、リード電極90を形成した後、貫通孔110を完成する。そして、シリコン基板100’の圧電素子300が設けられている側の面とリザーバ形成基板30とを接着剤層35により接着する。この段階の断面図を図7(A)に示す。このように、この段階では、シリコン基板100’の一面側に、弾性膜50、絶縁体膜55、及びリザーバ形成基板30が設けられている。
この後、シリコン基板100’にインク室102と、インク供給路104、連通部103及び位置決め基準孔105により構成される凹部とを形成して流路形成基板100を得た後、流路形成基板100にノズルプレート320を貼り合わせる。そのため、流路形成基板100の凹部の内部には、ノズルプレート320を貼り合わせるための接着剤逃げのための段差構造を設ける必要があり、ここに、本発明に係る方法が用いられる。
まず図7(B)に示されるように、シリコン基板100’のリザーバ形成基板30が貼り合わせられている側に、接着樹脂400を介して保護基板420を貼り合わせる。保護基板420は、加工によって部分的に強度が不足した場合にも、シリコン基板100’の加工を安定して継続するためのものである。
次に、図7(C)に示されるように、シリコン基板100’表面上に、レジスト膜422を設ける。レジスト膜422は、位置決め基準孔105(図8(A)参照。)を形成する第1の開口とインク室となるキャビティ102(図8(A)参照。)を形成する第2の開口を有する。第1および第2の開口は、中心にある円形状の開口(第1の開口部)と円形状の開口を中心として同心円状に配置された複数の輪状の開口(第2の開口部)とから構成される。
1回目の垂直異方性ドライエッチングでインク流路102と位置決め基準孔105を同時に形成する。インク流路102と位置決め基準孔105は同程度のエッチングレートとなるが、同心円状に配置された複数の輪状の開口は円形状の開口に比べて極端に小さく形成しているので、マイクロローディング効果によりエッチングレートが小さくなる。したがって、エッチングがインク流路102と位置決め基準孔105の中心部の所定の底部に到達した時点で輪状部分は浅く形成されている(図7(A))。
続いて、図8(B)に示されるように、2回目の等方性ドライエッチング法により、輪状開口部分の側壁を除去して第2の凹部426を形成し、図8(C)に示すように、残りのレジスト膜424、接着樹脂400、及び保護基板420を流路形成基板100から取り外す。こうして、位置決め基準孔105の内壁に段差構造を有する凹部が形成する。
次に、図6に示されるように流路形成基板100にノズルプレート320を貼り合わせてから駆動IC120を実装し、コンプライアンス基板40を接合する。さらに、駆動IC120と下電極膜60及びリード電極90の接続部60a、90aとの間をワイヤボンディングすることにより接続配線を形成し、インクジェットヘッド1を完成する。
このような構成とすることにより、流路形成基板100にノズルプレート320を貼り合わせる際、この第2の凹部426を接着剤逃げとして機能させることができる。
なお、本発明のパターン形成方法は、液滴吐出ヘッドに限らず種々のマイクロデバイスの製造工程に用いることができる。
10…基板、12、22、422…レジスト膜、13a、13b、13c、23a、23b、23c…レジスト膜の開口、14a、24a…基板の円形開口凹部、14b、24b、24c…基板の輪状開口凹部、14c…基板の開口凹部、15、25…段差形状を有する凹部、17,426…第2の凹部、100…流路形成基板、102…インク室、105…位置決め基準孔
Claims (5)
- 基板上に、第1の凹部と前記第1の凹部よりも深さの浅い第2の凹部を形成するパターン形成方法であって、
前記基板表面をレジスト膜で被覆する第1の工程と、
前記レジスト膜をパターニングし、前記第1の凹部に対応する第1の開口部を形成すると共に、前記第2の凹部に対応する領域に前記第1の開口部より開口幅が狭い複数の第2の開口部を形成する第2の工程と、
垂直異方性エッチングを行い、前記第1の開口部に前記第1の凹部を形成すると共に、前記複数の第2の開口部のそれぞれに対応して複数の凹部を形成する第3の工程と、
等方性エッチングを行い、前記複数の第2の開口部に形成された前記複数の凹部の側壁を除去し、前記第2の凹部を形成する第4の工程と、
残りのレジスト膜を除去する第5の工程とを有し、
前記第1の開口部の開口幅と前記第2の開口部の開口幅は、前記第3の工程において前記第1の開口部が前記第1の凹部の深さに達する間に、前記複数の第2の開口部が前記第2の凹部の深さに達するエッチングレート差が生じるように設定されることを特徴とするパターン形成方法。 - 前記複数の第2の開口部は等間隔で形成されることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
- 前記第1の凹部と前記第2の凹部は段差形状を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン形成方法。
- 前記第2の工程において、各々の第2の開口部は前記第1の開口部を中心として同心円状に配置され、
前記第1の凹部の周囲に前記第2の凹部が配置された段差形状が形成されることを特徴とする請求項3に記載のパターン形成方法。 - 段差形状を含む構造体を有する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
基板表面をレジスト膜で被覆する第1の工程と、
前記レジスト膜をパターニングし、第1の凹部に対応する第1の開口部を形成すると共に、前記第1の開口部を中心として同心円状に前記第1の開口部より開口幅が狭い複数の第2の開口部を形成する第2の工程と、
垂直異方性エッチングを行い、前記第1の開口部に前記第1の凹部を形成すると共に、前記複数の第2の開口部のそれぞれに対応して複数の凹部を形成する第3の工程と、
等方性エッチングを行い、前記複数の第2の開口部に形成された前記複数の凹部の側壁を除去し、前記第1の凹部の周囲に前記第1の凹部よりも深さの浅い第2の凹部が配置された段差形状を形成する第4の工程と、
残りのレジスト膜を除去する第5の工程とを有し、
前記第1の開口部の開口幅と前記第2の開口部の開口幅は、前記第3の工程において前記第1の開口部が前記第1の凹部の深さに達する間に、前記複数の第2の開口部が前記第2の凹部の深さに達するエッチングレート差が生じるように設定されることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
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2006
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