JP2008140618A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】発電指令値が大きく変動しても、インジェクタの駆動周波数を高めることなく発電指令に対して応答性よくガス供給を制御する。
【解決手段】燃料電池システムは、反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池スタックと、燃料電池スタックへの反応ガス供給を制御するインジェクタと、インジェクタの二次圧力が目標圧力を基準として許容誤差上限値と許容誤差下限値との範囲内に収束するようにインジェクタを開閉制御するコントローラとを備える。コントローラは、燃料電池スタックへの発電指令値の単位時間あたりの変化量が所定の閾値を超えた場合に、許容誤差上限値を新たな目標圧力としてインジェクタを開閉制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は燃料電池スタックへの反応ガス供給を制御する開閉弁を有する燃料電池システムに関する。
近年、環境問題に対する取り組みの一環として、低公害車の開発が進められており、その中の一つに燃料電池システムを車載電源とする燃料電池車両がある。燃料電池システムは、電解質膜の一方の面にアノード極を配置し、他方の面にカソード極を配置してなる膜−電極接合体に反応ガスを供給することで電気化学反応を起こし、化学エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換システムである。なかでも、固体高分子膜を電解質として用いる固体高分子電解質型燃料電池システムは、低コストでコンパクト化が容易であり、しかも高出力密度を有することから、車載電力源としての用途が期待されている。
燃料電池スタックに供給される燃料ガスの流量及び圧力を高精度に制御するための手段として、例えば、特開2005−302563号公報に示すように応答性に優れたインジェクタを用いる構成が知られている。
従来の燃料電池システムでは、図5に示すように、燃料電池スタックへ供給される燃料ガスの目標圧力を発電指令値に基づいて算出し、インジェクタの二次圧力が目標圧力を基準として許容誤差上限値と許容誤差下限値との間に収束するように、インジェクタのガス噴射時間及び噴射時期を制御していた。目標圧力は、燃料電池スタックの発電特性(燃料ガス圧力と発電効率との関係、及び燃料ガス圧力とクロスリーク量との関係など)を加味した上で、アクセルペダルから出力される発電指示値に基づいて、燃料電池スタックにおける燃料ガス消費分と圧力上昇分とを考慮して計算される。
特開2005−302563号公報
しかし、従来では、インジェクタの二次圧力が目標圧力に達した時点でインジェクタのガス噴射を絞るように制御しているので、発電指示値の単位時間あたりの変化量が大きくなると(例えば、図5の時刻t0〜t1の期間)、イジェクタからのガス供給が目標圧力に追いつかなくなる。すると、インジェクタの二次圧力(実圧力)の平均値は、目標圧力よりも低くなるので、インジェクタの二次圧力を目標圧力に応答性よく追従させるには、ガス供給遅れを補うためにインジェクタの駆動周波数を高める必要がある。
ところが、インジェクタの駆動周波数を高めると、インジェクタの機械的耐久性能が低下する上に、機械的騒音が増大するという問題が生じる。
そこで、本発明はかかる問題を解決し、発電指令値が大きく変動しても、開閉弁の駆動周波数を高めることなく、発電指令に対して応答性よくガス供給を制御できる燃料電池システムを提案することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係わる燃料電池システムは、反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池スタックと、燃料電池スタックへの反応ガス供給を制御する開閉弁と、開閉弁の二次圧力が目標圧力を基準として許容誤差上限値と許容誤差下限値との範囲内に収束するように開閉弁を開閉制御する制御手段とを備える。制御手段は、燃料電池スタックへの発電指令値の単位時間あたりの変化量が所定の閾値を超えた場合に、許容誤差上限値を新たな目標圧力として開閉弁を開閉制御する。
かかる構成により、開閉弁の駆動周波数を高めなくても、発電指令値に対して応答性よくガス供給を追従させることができる。
制御手段は、燃料電池スタックへの発電指令値の単位時間あたりの変化量が所定の閾値を超えた場合に、一回のガス噴射により開閉弁の二次圧力が許容誤差上限値に達するまで開閉弁を開弁し続けるように制御する。
開閉弁として、例えば、インジェクタが好適である。インジェクタは、応答性に優れているので、燃料電池スタックへの高精度な反応ガス供給制御を実現できる。
本発明によれば、開閉弁の駆動周波数を高めなくても、発電指令値に対して応答性よくガス供給を追従させることができる。
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は燃料電池車両の車載電源システムとして機能する燃料電池システム10のシステム構成を示す。
燃料電池システム10は、反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて発電する燃料電池スタック20と、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池スタック20に供給する燃料ガス配管系30と、酸化ガスとしての空気を燃料電池スタック20に供給する酸化ガス配管系40と、電力の充放電を制御する電力系60と、システム全体を統括制御するコントローラ70と、を備えている。
燃料電池スタック20は、例えば、多数のセルを直列に積層してなる固体高分子電解質型セルスタックである。セルは、イオン交換膜からなる電解質膜の一方の面にカソード極を有し、他方の面にアノード極を有し、更にカソード極及びアノード極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有している。一方のセパレータの燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス流路に酸化ガスが供給され、このガス供給により燃料電池スタック20は発電する。
燃料ガス配管系30は、燃料ガス供給源31と、燃料ガス供給源31から燃料電池スタック20のアノード極に供給される燃料ガス(水素ガス)が流れる燃料ガス供給流路35と、燃料電池スタック20から排出される燃料オフガス(水素オフガス)を燃料ガス供給流路35に還流せしめるための循環流路36と、循環流路36内の燃料オフガスを燃料ガス供給流路35に圧送する循環ポンプ37と、循環流路36に分岐接続される排気流路39とを有している。
燃料ガス供給源31は、例えば、高圧水素タンクや水素吸蔵合金などで構成され、例えば、35MPa又は70MPaの水素ガスを貯留する。遮断弁32を開くと、燃料ガス供給源31から燃料ガス供給流路35に水素ガスが流出する。水素ガスは、レギュレータ33やインジェクタ34により、例えば、200kPa程度まで減圧されて、燃料電池スタック20に供給される。
尚、燃料ガス供給源31は、炭化水素系の燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した改質ガスを高圧状態にして蓄圧する高圧ガスタンクと、から構成してもよい。
レギュレータ33は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置である。本実施形態においては、一次圧を減圧する機械式の減圧弁をレギュレータ33として採用している。機械式の減圧弁の構成としては、背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形成された筺体を有し、背圧室内の背圧により調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二次圧とする公知の構成を採用することができる。
インジェクタ34の上流側にレギュレータ33を配置することにより、インジェクタ33の上流側圧力を効果的に低減させることができる。このため、インジェクタ34の機械的構造(弁体、筺体、流路、駆動装置等)の設計自由度を高めることができる。また、インジェクタ34の上流側圧力を低減させることができるので、インジェクタ34の上流側圧力と下流側圧力との差圧の増大に起因してインジェクタ34の弁体が移動し難くなることを抑制することができる。そのため、インジェクタ34の下流側圧力の可変調圧幅を広げることができるとともに、インジェクタ34の応答性の低下を抑制することができる。
インジェクタ34は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることにより、ガス流量やガス圧を調整することが可能な電磁駆動式開閉弁である。インジェクタ34は、燃料ガス供給流路35を開放又は閉鎖するための弁体と、弁体駆動用のソレノイドコイルと、弁体に一体化されてなるアーマチャと、ソレノイドコイルを収容するステータとを有し、ソレノイドコイルへの通電により、アーマチャがステータに吸引されて弁体が所定の開弁位置又は閉弁位置に移動するように構成されている。
本実施形態においては、ソレノイドコイルに給電されるパルス励磁電流のオン/オフにより、インジェクタ34の噴射孔の開口面積を2段階に切り替えることができるようになっている。コントローラ70から出力される噴射指令によってインジェクタ34のガス噴射時間及びガス噴射時期が制御されることにより、燃料ガスの流量及び圧力が高精度に制御される。インジェクタ34は、弁(弁体及び弁座)を電磁駆動力で直接開閉駆動するものであり、その駆動周期が高応答の領域まで制御可能であるため、高い応答性を有する。
インジェクタ34は、その下流に要求されるガス流量を供給するために、インジェクタ34のガス流路に設けられた弁体の開口面積(開度)及び開放時間の少なくとも一方を変更することにより、下流側(燃料電池スタック20側)に供給されるガス流量(又は水素モル濃度)を調整する。
尚、インジェクタ34の弁体の開閉によりガス流量が調整されるとともにインジェクタ34下流に供給されるガス圧力がインジェクタ34上流のガス圧力より減圧されるため、インジェクタ34を調圧弁(減圧弁又はレギュレータ)と解釈することもできる。また、本実施形態では、ガス要求に応じて所定の圧力範囲の中で要求圧力に一致するようにインジェクタ34の上流ガス圧の調圧量(減圧量)を変化させることが可能な可変調圧弁と解釈することもできる。インジェクタ34は、燃料ガス供給流路35の上流側のガス状態(ガス流量、水素モル濃度、ガス圧力)を調整して下流側に供給する可変ガス供給装置として機能する。
燃料ガス供給流路35には、インジェクタ34の上流側圧力(一次圧力)を検出するための一次側圧力センサ81、インジェクタ34の上流側温度を検出するための一次側温度センサ83、インジェクタ34の下流側圧力(二次圧力)を検出するための二次側圧力センサ82がそれぞれ取り付けられている。
循環流路36には、排気弁38を介して、排気流路39が接続されている。排気弁38は、コントローラ70からの指令によって作動することにより、循環流路36内の不純物を含む燃料オフガスと水分を外部に排出する。排気弁38の開弁により、循環流路36内の燃料オフガス中の不純物の濃度が下がり、循環供給される燃料オフガス中の水素濃度が上がる。
希釈器50には、排気弁38及び排気流路39を介して排出される燃料オフガスと、排出流路45を流れる酸化オフガスとが流入し、燃料オフガスを希釈する。希釈化された燃料オフガスの排出音は、マフラー(消音器)51によって消音され、テールパイプ52を流れて車外に排気される。
酸化ガス配管系40は、燃料電池スタック20のカソード極に供給される酸化ガスが流れる酸化ガス供給流路44と、燃料電池スタック20から排出される酸化オフガスが流れる排出流路45とを有している。
酸化ガス供給流路44には、フィルタ41を介して酸化ガスを取り込むエアコンプレッサ42と、エアコンプレッサ42により圧送される酸化ガスを加湿するための加湿器43とが設けられている。排出流路45には、酸化ガス供給圧を調整するための背圧調整弁46と、加湿器43とが設けられている。
加湿器43は、多数本の水蒸気透過膜(中空糸膜)から成る水蒸気透過膜束(中空糸膜束)を収容している。水蒸気透過膜の内部には、電池反応により生じた水分を多量に含む高湿潤の酸化オフガス(ウェットガス)が流れる一方で、水上透過膜の外部には、大気から取り込まれた低湿潤の酸化ガス(ドライガス)が流れる。酸化ガスと酸化オフガスとの間で水蒸気透過膜を隔てて水分交換が行われることにより、酸化ガスを加湿することができる。
電力系60は、DC/DCコンバータ61、バッテリ62、トラクションインバータ63、トラクションモータ64、及び電流センサ84を有している。
DC/DCコンバータ61は、直流の電圧変換器であり、バッテリ62からの直流電圧を昇圧してトラクションインバータ63に出力する機能と、燃料電池スタック20又はトラクションモータ64からの直流電圧を降圧してバッテリ62に充電する機能と、を有する。DC/DCコンバータ61のこれらの機能により、バッテリ62の充放電が制御される。また、DC/DCコンバータ61による電圧変換制御により、燃料電池スタック20の運転ポイント(出力電圧、出力電流)が制御される。
バッテリ62は、電力の蓄電及び放電が可能な蓄電装置であり、ブレーキ回生時の回生エネルギー貯蔵源、燃料電池車両の加速又は減速に伴う負荷変動時のエネルギーバッファとして機能する。バッテリ62としては、例えば、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、リチウム二次電池等の二次電池が好適である。
トラクションインバータ63は、直流電流を三相交流に変換し、トラクションモータ64に供給する。トラクションモータ64は、例えば、三相交流モータであり、燃料電池車両の動力源を構成する。
電流センサ84は、燃料電池スタック20の出力電流(掃引電流)を検出する。
コントローラ70は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インタフェースを備えるコンピュータシステムであり、燃料電池システム10の各部を制御する。例えば、コントローラ70は、イグニッションスイッチ(図示せず)から出力される起動信号を受信すると、燃料電池システム10の運転を開始し、アクセルセンサ(図示せず)から出力されるアクセル開度信号や、車速センサ(図示せず)から出力される車速信号などを基に、システム全体の要求電力を求める。システム全体の要求電力は、車両走行電力と補機電力との合計値である。
補機電力には、例えば、車載補機類(加湿器、エアコンプレッサ、水素ポンプ、及び冷却水循環ポンプ等)で消費される電力、車両走行に必要な装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、及び懸架装置等)で消費される電力、乗員空間内に配設される装置(空調装置、照明器具、及びオーディオ等)で消費される電力などが含まれる。
そして、コントローラ70は、燃料電池スタック20とバッテリ62の出力電力の配分を決定し、燃料電池スタック20の発電量が目標電力に一致するように、エアコンプレッサ42の回転数やインジェクタ34の弁開度を調整し、燃料電池スタック20への反応ガス供給量を調整するとともに、DC/DCコンバータ61を制御して燃料電池スタック20の出力電圧を調整することにより燃料電池スタック20の運転ポイント(出力電圧、出力電流)を制御する。更に、コントローラ70は、アクセル開度に応じた目標車速が得られるように例えば、スイッチング指令として、U相、V相、及びW相の各交流電圧指令値をトラクションインバータ63に出力し、トラクションモータ64の出力トルク、及び回転数を制御する。
図2はインジェクタ制御に係わる機能ブロックを示している。
コントローラ70は、燃料電池スタック20の運転状態(電流センサ84で検出した燃料電池スタック20の出力電流)に基づいて、燃料電池スタック20で消費される燃料ガスの量(以下、「燃料消費量」という)を算出する(燃料消費量算出機能:B1)。本実施形態においては、燃料電池スタック20の出力電流値と燃料消費量との関係を表す特定の演算式を用いて、コントローラ70の演算周期毎に燃料消費量を算出して更新することとしている。
コントローラ70は、燃料電池スタック20の運転状態(電流センサ84で検出した燃料電池スタック20の発電時の電流値)に基づいて、インジェクタ34下流位置における燃料ガスの目標圧力値(燃料電池スタック20への目標ガス供給圧)を算出する(目標圧力値算出機能:B2)。本実施形態においては、燃料電池スタック20の電流値と目標圧力値との関係を表すマップデータを用いて、コントローラ70の演算周期毎に、二次側圧力センサ82が配置された位置(圧力調整が要求される位置である圧力調整位置)における目標圧力値を算出して更新することとしている。
コントローラ70は、算出した目標圧力値と、二次側圧力センサ82で検出したインジェクタ34下流位置(圧力調整位置)の圧力値(検出圧力値)との偏差に基づいてフィードバック補正流量を算出する(フィードバック補正流量算出機能:B3)。フィードバック補正流量は、目標圧力値と検出圧力値との偏差を低減させるために燃料消費量に加算される燃料ガス流量(圧力差低減補正流量)である。本実施形態においては、PI型フィードバック制御則を用いて、コントローラ70の演算周期毎にフィードバック補正流量を算出して更新することとしている。
具体的には、コントローラ70は、目標圧力値と検出圧力値との偏差(e)に比例ゲイン(KP)を乗じることにより比例型フィードバック補正流量(比例項:P=KP×e)を算出するとともに、偏差の時間積分値(∫(e)dt)に積分ゲイン(KI)を乗じることにより積分型フィードバック補正流量(積分項:I=KI×∫(e)dt)を算出し、これらを加算した値を含むフィードバック補正流量を算出している。
コントローラ70は、前回算出した目標圧力値と、今回算出した目標圧力値との偏差に対応するフィードフォワード補正流量を算出する(フィードフォワード補正流量算出機能:B4)。フィードフォワード補正流量は、目標圧力値の変動に起因する燃料ガス流量の変動分(圧力差対応補正流量)である。本実施形態においては、目標圧力値の偏差とフィードフォワード補正流量との関係を表す特定の演算式を用いて、コントローラ70の演算周期毎にフィードフォワード補正流量を算出して更新することとしている。
コントローラ70は、インジェクタ34の上流側のガス状態(一次側圧力センサ81で検出した燃料ガスの圧力、及び一次側温度センサ83で検出した燃料ガスの温度)に基づいてインジェクタ34の上流側の静的流量を算出する(静的流量算出機能:B5)。本実施形態においては、インジェクタ34の上流側の燃料ガスの圧力及び温度と静的流量との関係を表す特定の演算式を用いて、コントローラ70の演算周期毎に静的流量を算出して更新することとしている。
コントローラ70は、インジェクタ34の上流側ガス状態(燃料ガスの圧力及び温度)及び印加電圧に基づいて、インジェクタ34の無効噴射時間を算出する(無効噴射時間算出機能:B6)。ここで、無効噴射時間とは、インジェクタ34がコントローラ70から制御信号を受けてから実際に噴射を開始するまでに要する時間を意味する。本実施形態においては、インジェクタ34の上流側の燃料ガスの圧力及び温度と印加電圧と無効噴射時間との関係を表すマップデータを用いて、コントローラ70の演算周期毎に無効噴射時間を算出して更新することとしている。
コントローラ70は、燃料消費量と、フィードバック補正流量と、フィードフォワード補正流量とを加算することにより、インジェクタ34の噴射流量を算出する(噴射流量算出機能:B7)。そして、コントローラ70は、インジェクタ34の噴射流量を静的流量で除した値にインジェクタ34の駆動周期を乗じることにより、インジェクタ34の基本噴射時間を算出するとともに、この基本噴射時間と無効噴射時間とを加算してインジェクタ34の総噴射時間を算出する(総噴射時間算出機能:B8)。ここで、駆動周期とは、インジェクタ34の噴射孔の開閉状態を表す段状(オン/オフ)波形の周期を意味する。本実施形態においては、コントローラ70により駆動周期を一定の値に設定している。
コントローラ70は、以上の手順を経て算出したインジェクタ34の総噴射時間を実現するための噴射指令をインジェクタ34に出力することにより、インジェクタ34のガス噴射時間及びガス噴射時期を制御して、燃料電池スタック20に供給される燃料ガスの流量及び圧力を調整する。
次に、図3を参照しながらインジェクタ34の目標圧力の設定方法について説明する。
通常運転時では、コントローラ70は、インジェクタ34の二次圧力が目標圧力を基準として許容誤差上限値と許容誤差下限値との範囲内に収束するようにインジェクタ34を開閉制御する。
そして、燃料電池スタック20への発電指示値の単位時間あたりの変化量が所定の閾値を超えると(時刻t0〜t1の期間)、コントローラ70は、許容誤差上限値を新たな目標圧力として設定する。このように、許容誤差上限値を新たな目標圧力として設定することにより、インジェクタ34は、その二次圧力が許容誤差上限値に達するまで、一回のガス噴射でガス供給し続けるので、駆動周波数を高めなくても、発電指令値に対して十分にガス供給を追従させることができる。
但し、許容誤差上限値がインジェクタ34の機械的強度の上限に近い場合には、その許容誤差上限値を新たな目標圧力として設定すると、インジェクタ34が破損する虞があるので、許容誤差上限値を新たな目標圧力とする設定は行わずに、通常運転時の目標圧力を制御目標とするのが好ましい。
尚、許容誤差上限値を新たな目標圧力として運転する期間は、例えば、車両を急加速するようなごく短時間であるので、目標圧力を高めに設定することによる燃料電池スタック20のクロスリークは、殆ど問題にはならない。また、燃料電池スタック20の発電特性上、ガス供給圧が高い運転ポイントにおいて発電効率が高くなるので、一時的に許容誤差上限値を新たな目標圧力として運転することは、エネルギー効率の観点からも問題ないといえる。
燃料電池スタック20の発電特性上、発電電力がガス供給圧の変動に対して敏感に影響を受ける運転ポイントと、発電電力がガス供給圧の変動に対してあまり影響を受けない運転ポイントとがある。前者については、調圧範囲(許容誤差上限値と許容誤差下限値との差)を狭く設定し、後者については、調圧範囲を広く設定することも可能である。
次に、図4を参照しながらインジェクタ34の開閉タイミングについて説明を加える。同図において、Aは従来例に係わるインジェクタ34の開閉タイミングを示し、Bは本実施形態に係わるインジェクタ34の開閉タイミングを示す。
従来例では、時刻t0のタイミングで発電指令値の単位時間あたりの変化量が所定の閾値を超えると、発電指令値に対するガス供給遅れを補うために、インジェクタ34の駆動周波数を高くし、インジェクタ34の二次圧力が目標圧力に一致する時刻t2まで複数回のガス噴射を行っていた。
一方、本実施形態では、時刻t0のタイミングで発電指令値の単位時間あたりの変化量が所定の閾値を超えると、インジェクタ34は、その二次圧力が許容誤差上限値に達する時刻t1まで、一回のガス噴射でガス供給し続けるので、駆動周波数を高めることなく、発電指令値に対して迅速にガス供給を追従させることができる。
尚、インジェクタ34のガス噴射をPID制御している場合には、インジェクタ34の二次圧力が許容誤差上限値に達する前に、フィードバック制御の影響を受けてガス噴射が途中で中断される虞があるので、許容誤差上限値を新たな目標圧力としてインジェクタ34を制御している期間中は、フィードバック制御を解除するのが好ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、発電指示値の単位時間あたりの変化量が所定の閾値を超えた場合に、インジェクタ34の二次圧力の目標圧力を許容誤差上限値に設定するので、駆動周波数を高めなくても、発電指令値に対して迅速にガス供給を追従させることができる。また、インジェクタ34の駆動周波数を高める必要がないので、インジェクタ34の機械的耐久性を低下させることもなく、また機械的騒音の発生を抑制することもできる。
上述の実施形態では、燃料電池システム10を車載電源システムとして用いる利用形態を例示したが、燃料電池システム10の利用形態はこの例に限られるものではない。例えば、燃料電池システム10を燃料電池車両以外の移動体(ロボット、船舶、航空機等)の電力源として搭載してもよい。また、本実施形態に係わる燃料電池システム10を住宅やビル等の発電設備(定置用発電システム)として用いてもよい。
本実施形態に係わる燃料電池システムのシステム構成図である。 本実施形態に係わるインジェクタ制御の機能ブロック図である。 本実施形態に係わるインジェクタの二次圧力の目標圧力の時間変化を示すグラフである。 インジェクタの開閉タイミングを示すタイミングチャートである。 従来技術に係わるインジェクタの二次圧力の目標圧力の時間変化を示すグラフである。
符号の説明
10…燃料電池システム 20…燃料電池スタック 30…燃料ガス配管系 31…燃料ガス供給源 32…遮断弁 33…レギュレータ 34…インジェクタ 35…燃料ガス供給流路 40…酸化ガス配管系 41…フィルタ 42…エアコンプレッサ 43…加湿器 44…酸化ガス供給流路 60…電力系 61…DC/DCコンバータ 62…バッテリ 63…トラクションインバータ 64…トラクションモータ 70…コントローラ

Claims (3)

  1. 反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックへの反応ガス供給を制御する開閉弁と、
    前記開閉弁の二次圧力が目標圧力を基準として許容誤差上限値と許容誤差下限値との範囲内に収束するように前記開閉弁を開閉制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記燃料電池スタックへの発電指令値の単位時間あたりの変化量が所定の閾値を超えた場合に、前記許容誤差上限値を新たな目標圧力として前記開閉弁を開閉制御する、燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御手段は、前記燃料電池スタックへの発電指令値の単位時間あたりの変化量が所定の閾値を超えた場合に、一回のガス噴射により前記開閉弁の二次圧力が前記許容誤差上限値に達するまで前記開閉弁を開弁し続けるように制御する、燃料電池システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システムであって、
    前記開閉弁はインジェクタである、燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016046082A (ja) * 2014-08-22 2016-04-04 スズキ株式会社 燃料供給装置

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