JP2008137354A - ガラス板の製造方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス板の上面側及び下面側からそれぞれ別個にドリルにより孔を穿設して最終的に貫通孔を形成するに際して、摩擦熱の影響によるクラックの発生のみならず、ドリルの芯ブレによるクラックの発生等を可及的に低減する。
【解決手段】切削液を供給しながらガラス板3の上面から上部ドリル1を厚み方向中間まで侵入させた後に該上部ドリル1を後退させ、然る後、切削液を供給しながらガラス板3の下面から下部ドリル2を侵入させて、該ガラス板3に貫通孔4を穿設する穿孔工程を含み、上部ドリル1のガラス板3の上面からの侵入深さは、ドリル胴部2xからドリル先端側に向かって縮径する下部ドリル2の最先端から最大外径部までの軸方向距離Lと、上部ドリル1が侵入した軸心上の下端位置からガラス板3の下面までの距離Hとが、L>Hの関係を満たすようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス板の製造方法及びその装置に係り、詳しくは、ガラス板の上面側及び下面側からそれぞれ上部ドリル及び下部ドリルを侵入させて、ガラス板に貫通孔を穿設する技術に関する。
周知のように、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)などのフラットパネルディスプレイに使用されるガラス基板の中には、パネル内の排気やガス封入に使用することを目的として、当該ガラス基板のコーナー部等に貫通孔を形成するものがある。
詳述すると、PDPは、対向する前面ガラス基板と背面ガラス基板とにそれぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、その間にNe、Xe、He等を主体とするガスを封入した構造であって、それらの電極間に電圧を印加すると共に電極周辺の微小なセル内でプラズマ放電を起こし、紫外線を発生させることにより、各セル内の蛍光体が刺激されて発光する構成とされている。
この場合、前面ガラス基板には、プラズマ放電を起こすための表示電極、バス電極、前面誘電体層が形成されると共に、背面ガラス基板には、プラズマ放電の位置を定めるためのアドレス電極、背面誘電体層が形成され、且つその上に放電のセルを仕切るための隔壁が形成されて、そのセル内に、赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体が塗布される。
そして、このような構成を備えた前面ガラス基板と背面ガラス基板とを対向させて配置した状態で、その周囲を封着ガラスを用いて500〜600℃程度で気密封止することによりパネルを形成し、そのパネル内を排気して上述のNe等のガスを封入することによりフラットパネルディスプレイ装置の製作が完了する。この場合、パネル内の排気及びガス封入のためには、背面ガラス基板または前面ガラス基板のいずれかの部分、通常は観察者の目に入り難いガラス基板のコーナー部分或いは周縁部分に、排気やガス封入を行うために十分な口径を有する貫通孔が形成される。
ディスプレイ装置用のガラス基板に、この種の貫通孔を形成する技術として、下記の特許文献1によれば、ガラス基板の下面から、第1ドリルをガラス厚さの1/3〜1/2まで侵入させた後にその第1ドリルを後退させ、然る後、ガラス基板の上面から第2ドリルを侵入させることにより、ガラス基板に貫通孔(排気孔)を形成することが開示されている。
特開平9−117896号公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示の技術は、ガラス基板の下面から第1ドリルを侵入させて所定深さまで非貫通の孔を形成した後、その上面から第2ドリルを侵入させて残余の部分に孔を形成することにより、貫通孔を形成するものであり、且つ、第1ドリルの侵入深さがガラス厚さの1/3〜1/2であることから、以下に示すような問題を招来していた。
即ち、この種のガラス基板に貫通孔を穿設するためのドリルは、金属製のドリル本体の表面にダイヤモンド砥粒を付着させたものであり、摩擦係数が大きいことから、不当に高温の摩擦熱が発生し、これに起因して孔の内周面やドリルの侵入方向前方等にクラックが生じやすくなる。しかも、この種のドリルは、駆動部に摺動部が存在しており、この摺動部に僅かな隙間が存在しているのが通例であるため、必然的に芯ブレが生じる。そのため、この種のドリルで穿孔をする際には、ドリルが僅かに偏心しながら回転することになり、これによっても孔の内周面やドリルの侵入方向前方等にクラックが生じるという事態を招く。
それにも拘わらず、上記の特許文献1に開示のように、先ず最初にガラス基板の下面から第1ドリルを侵入させて所定深さまで非貫通の孔を形成したのでは、切削液がその重量によって下方に落下し、第1ドリルと孔の内周面との間に切削液が適切に浸潤しなくなるため、高温の摩擦熱の発生を抑制することができず、クラックの発生を免れることができない。
しかも、第1ドリルの侵入深さがガラス厚さの1/3〜1/2であって、その残余部であるガラス厚さの1/2〜2/3と、第2ドリルの形状や径との間には、何ら因果関係がなく且つ相対関係についても何ら考慮がなされていない。そのため、第2ドリルの芯ブレ及び偏心回転に伴う振動に対する対策が講じられていないばかりでなく、第2ドリルの侵入方向前方に一旦生じたクラックを効果的に削除することができず、クラックの発生や残存を適切に回避することができない。
そして、以上のようにして生じたクラックが原因となって、ディスプレイを製造する際の熱処理工程で、貫通孔(排気孔)の周辺を起点としてガラス基板に破損が生じるという致命的な欠陥を招く。
本発明は、上記事情に鑑み、ガラス板の上面側及び下面側からそれぞれ別個にドリルにより孔を穿設して最終的に貫通孔を形成するに際して、摩擦熱の影響によるクラックの発生のみならず、ドリルの芯ブレによるクラックの発生、ドリルの形状や径及び侵入深さによるクラックの残存等を、可及的に低減することを技術的課題とする。
上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係るガラス板の製造方法は、切削液を供給しながらガラス板の上面から上部ドリルを厚み方向中間まで侵入させた後に該上部ドリルを後退させ、然る後、切削液を供給しながらガラス板の下面から下部ドリルを侵入させて、該ガラス板に貫通孔を穿設する穿孔工程を含み、前記上部ドリルのガラス板の上面からの侵入深さは、ドリル胴部からドリル先端側に向かって縮径する下部ドリルの最先端から最大外径部までの軸方向距離Lと、上部ドリルが侵入した軸心上の下端位置からガラス板の下面までの距離Hとが、L>Hの関係を満たすことに特徴づけられる。この場合、下部ドリルは、ドリル胴部(通例はドリルの最大外径部)からドリル先端側に向かって縮径する形状を呈している必要があるが、上部ドリルは、これと同種或いは同様の形状であってもよく、またはドリル先端部がフラットであってもよく、もしくはドリル先端部が凹状であってもよい。また、上記の「下部ドリルの最先端から最大外径部までの軸方向距離L」とは、最大外径部が軸方向長さを有している場合には、「下部ドリルの最先端から最大外径部の上端までの軸方向距離L」を意味する。
このような方法によれば、穿孔工程において先ず最初にガラス板の上面から上部ドリルを厚み方向中間まで侵入させることから、摩擦熱が発生し得る状態となるが、この間においては切削液が重力により上部ドリルと孔の内周面との間に十分に浸潤することになるため、適切な冷却効果を得ることができる。従って、ドリルに芯ブレが生じていても、摩擦熱の発生が抑制されることによる利点が優先されて、摩擦熱の発生に起因するクラックの発生確率が可及的に低減することになる。一方、上部ドリルのガラス板の上面からの侵入深さは、上記のL>Hの関係を満たすことから、即ち先端側が縮径する下部ドリルの最先端から最大外径部までの軸方向距離Lが、上部ドリルにより穿設された孔の軸心上の下端位置からガラス板下面までの距離Hよりも長いことから、下部ドリルがガラス板の下面から侵入していく際には、下部ドリルの最大外径部がガラス板に入り込む前段階でその最先端が、上部ドリルにより既に穿設されている上側からの孔に到達する。この場合、下部ドリルの最先端がガラス板の上側からの孔に到達するまでの間は、下部ドリルに芯ブレが発生しているが、上側からの孔に到達した以降においては、下部ドリルの先端部はその孔に挿通されていくことになるため、過度な切削力が作用しなくなり、下部ドリルの芯ブレが抑止される。そして、下部ドリルが芯ブレを生じていた場合に発生していた小径の孔周辺或いは下部ドリルの侵入方向前方のクラックは、下部ドリルの芯ブレが抑止された後に下部ドリルの最大外径部周辺によって削除されていく。従って、下部ドリルによる孔の穿設時に切削液が重力によって落下することによる冷却不足が生じていても、下部ドリルの芯ブレが抑止されることによる利点が優先されて、クラックの発生或いはクラックの残存が可及的に低減することになる。
この場合、前記下部ドリルと上部ドリルとの最大外径は、実質的に同一であることが好ましい。
即ち、下部ドリルの最大外径が上部ドリルの最大外径よりも過度に小径である場合には、貫通孔の内周面の軸方向中間に段差が形成されることに起因してクラックや破損が生じるおそれがある。また、下部ドリルの最大外径が上部ドリルの最大外径よりも過度に大径である場合には、下部ドリルによる実質上の新たな貫通孔の穿設に起因してチッピングや欠けが発生するおそれがある。しかしながら、下部ドリルと上部ドリルとの最大外径が実質的に同一であれば、このような不具合は生じない。
そして、前記下部ドリルの先端部は、ドリル胴部に滑らかに連なる半球状部であることが好ましく、また前記上部ドリルの先端部も、ドリル胴部に滑らかに連なる半球状部であることが好ましい。
このようにすれば、下部ドリル及び上部ドリルの形状が良好なものとなり、ガラス板への下部ドリルの侵入時や上部ドリルの侵入時に、孔の内周面或いは侵入方向前方にクラックが発生し難くなる。
以上の構成において、ガラス板は、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板であることが好ましい。
このようにすれば、フラットパネルディスプレイを製造する際の熱処理工程において、貫通孔(排気孔)を起点としてガラス基板に破損が生じるという事態を効果的に回避することができる。
一方、上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係るガラス板の製造装置は、切削液を供給しながらガラス板の上面から上部ドリルを厚み方向中間まで侵入させた後に該上部ドリルを後退させ、然る後、切削液を供給しながらガラス板の下面から下部ドリルを侵入させて、該ガラス板に貫通孔を穿設するように構成すると共に、前記上部ドリルのガラス板の上面からの侵入深さは、ドリル胴部からドリル先端側に向かって縮径する下部ドリルの最先端から最大外径部までの軸方向距離Lと、上部ドリルが侵入した軸心上の下端位置からガラス板の下面までの距離Hとが、L>Hの関係を満たすように構成したことに特徴づけられる。
このような装置によれば、本欄の冒頭で述べた方法についての事項と、同一の事項が当てはまり、またその方法と同一の作用効果を得ることができる。
以上のように本発明に係るガラス板の製造方法及びその装置によれば、穿孔工程において先ず最初にガラス板の上面から上部ドリルを厚み方向中間まで侵入させることから、切削液が重力により上部ドリルと孔の内周面との間に十分に浸潤することになり、適切な冷却効果を得ることができる。従って、ドリルに芯ブレが生じていても、摩擦熱の発生が抑制されることによる利点が優先されて、摩擦熱の発生に起因するクラックの発生確率が可及的に低減することになる。更に、先端側が縮径する下部ドリルの最先端から最大外径部までの軸方向距離Lが、上部ドリルにより穿設された孔の軸心上の下端位置からガラス板下面までの距離Hよりも長いことから、下部ドリルがガラス板の下面から侵入していく際には、下部ドリルの最大外径部がガラス板に入り込む前段階でその最先端が、上部ドリルにより既に穿設されている上側からの孔に到達し、それ以降は下部ドリルの芯ブレが抑止される。そして、下部ドリルが芯ブレを生じていた場合に発生していた小径の孔周辺或いは侵入方向前方のクラックは、下部ドリルの芯ブレが抑止された後に下部ドリルの最大外径部周辺によって削除されていくため、下部ドリルによる孔の穿設時に切削液が重力によって落下することによる冷却不足が生じていても、下部ドリルの芯ブレが抑止されることによる利点が優先されて、クラックの発生或いはクラックの残存が可及的に低減することになる。また、下部ドリルが上部ドリルにより穿設された孔と貫通した後は、上部冷却水が下側からの孔に流れ込むことになり、下部ドリルの摩擦熱を抑える効果も得られる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るガラス板の製造装置の構成要素である2種のドリルの要部を示す概略正面図である。同図に示すように、ガラス板の製造装置は、主たる構成要素として、上下動可能に保持された上部ドリル1と、同じく上下動可能に保持された下部ドリル2とを備えている。上部ドリル1は、最大外径部である直径2mmの円柱状をなすドリル胴部1xの下端に、先端に向かって漸次縮径するドリル先細り部1aが滑らかに連なっている。また、下部ドリル2も同様に、最大外径部である直径2mmの円柱状をなすドリル胴部2xの上端に、先端に向かって漸次縮径するドリル先細り部2aが滑らかに連なっている。
そして、下部ドリル2は、この実施形態では、ドリル先細り部2aが半径1mmの半球状をなし、ドリル胴部2xとドリル先細り部2aとの境界からドリル先細り部2aの最先端までの軸方向距離Lが1mmとされている。換言すれば、下部ドリル2の最先端から最大外径部2xまでの軸方向距離Lが1mmとされている。尚、上部ドリル1のドリル先細り部1aも、同様の半球状であることが好ましい。また、上部ドリル1及び下部ドリル2はいずれも、ドリル胴部1x、2xとドリル先細り部1a、2aとを一体化してなる金属製本体の表面にダイヤモンド砥粒を付着して形成されている。
次に、図2に基づいて、上部ドリル1と下部ドリル2とを使用して、ガラス板(この実施形態ではPDP用のガラス基板)のコーナー部に貫通孔(排気孔)を穿設する手順を説明する。
先ず、図2(a)に示すように、水平姿勢にあるガラス板3の上方に、ドリル先細り部1aが下方を指向するように上部ドリル1を配置し、この上部ドリル1を下降させることにより切削液を供給しながら上部ドリル1のドリル先細り部1aをガラス板3に上側から侵入させていく。そして、図2(b)に示すように、上部ドリル1のドリル胴部1xがガラス板3に完全に侵入した時点で、上部ドリル1の下降を停止する。
この時点で、上部ドリル1がガラス板3に侵入した軸心上の下端位置からガラス板3の下面までの距離Hは、上述の下部ドリル2におけるドリル先細り部1aの軸心方向寸法Lよりも短くなっている。また、このように上部ドリル1がガラス板3に侵入していく過程では、切削液が重力によってその侵入部に十分に浸潤することになるので、切削液の冷却作用によって摩擦熱の発生が抑制され、クラックが生じ難くなる。
この後は、図2(c)に示すように、上部ドリル1を上昇させることにより、ガラス板3から上部ドリル1を抜脱させて退避位置まで移動させる。これにより、ガラス板3には、上方のみが開口する非貫通状態の上部孔4aが形成された状態となる。
次に、図2(d)に示すように、ガラス板3の下方に、ドリル先細り部2aが上方を指向するように下部ドリル2を配置するが、この場合には、ガラス板3に既に形成されている上部孔4aの軸心と下部ドリル2の軸心とを一致させる。そして、図2(e)に示すように、下部ドリル2を上昇させることにより切削液を供給しながら下部ドリル2のドリル先細り部2aをガラス板3に下側から侵入させていく。この時点では、下部ドリル2の芯ブレと切削液の重力による落下を原因とする冷却不足とが相俟って、ドリル先細り部2aの周囲や侵入方向前方部位5にクラックが生じる。
そして、下部ドリル2が上昇し続けて更にガラス板3に侵入していくことにより、図2(f)に示すように、ドリル先細り部2aの先端が、ガラス板3の上部孔4aの下端に到達する。この時点では、上述のL>Hの関係が満たされていることから、下部ドリル2のドリル胴部2x(最大外径部)は未だガラス板3には侵入していない。
このような状態から、下部ドリル2が上昇し続けることにより、図2(g)に示すように、ドリル先細り部2aがガラス板3の上部孔4aに侵入していくことになるので、下部ドリル2は芯ブレを生じることなくガラス板3に侵入できる。しかも、ドリル胴部2xのガラス板3への侵入ひいては上部孔4aへの侵入によって、既に上述の部位5等に形成されていたクラックが削除される。また、上部ドリル1により穿設された上部孔4aと貫通(連通)することにより、上部冷却水が下側からの孔に流れ込むことになり、下部ドリル2の摩擦熱を抑えることができる。
そして、下部ドリル2の更なる上昇によって、下部ドリル2のドリル胴部2xがガラス板3の上面側に突き抜けた時点で、貫通孔(排気孔)4の穿設加工を終え、この後に下部ドリル2を下降させて図2(h)に示す退避位置まで移動した時点で穿孔工程が完了する。
尚、上記実施形態は、PDP用のガラス基板に貫通孔(排気孔)を形成する場合に本発明を適用したが、これ以外に、FED用或いはELD用のガラス基板に貫通孔を形成する場合にも同様にして本発明を適用できるのは勿論のこと、その他、クラックの発生が問題となる貫通孔をガラス板に形成する必要がある場合には、それら全般に渡っても本発明を適用することが可能である。
本発明の効果を確認すべく、以下に示す試験ならびにその検討を行った。本発明の実施例、比較例1、比較例2、比較例3について、共通する項目として、横寸法が100mmで縦寸法が100mmであり且つ厚みが1.8mmのPDP用のガラス基板を、それぞれ100枚ずつ用意した。また、上部ドリル及び下部ドリルはいずれも、直径が2.0mmのドリル胴部と、半径が1.0mmの半球状をなすドリル先細り部とからなり、ドリル回転数が15000rpm、ドリル侵入速度が0.5mm/秒の条件でガラス基板に排気孔を穿設した。更に、下部ドリルはいずれも、図1に示す軸方向距離Lを1.0mmとした。
そして、本発明の実施例は、図2(b)に示す距離Hを0.7mmとして、L>Hの関係を満たすようにした上で、ガラス基板の上面側を先行させて穿孔したものである。これに対して、比較例1は、図2(b)に示す距離Hを0.7mmとして、L>Hの関係を満たしているものの、ガラス基板の下面側を先行させて穿孔したものである。また、比較例2は、図2(b)に示す距離Hを1.2mmとして、L>Hの関係が満たされていない状態で、ガラス基板の上面側を先行させて穿孔したものである。更に、比較例4は、図2(b)に示す距離Hを1.2mmとして、L>Hの関係が満たされていない状態で、ガラス基板の下面側を先行させて穿孔したものである。
上記のようにして排気孔を形成した計400枚のガラス基板を、電気炉で160℃まで加熱し、それらを取り出した後に、水温20℃の水を排気孔の周辺に吹きかけ、クラックが視認できるガラス基板の枚数を数えた。その結果を、下記の表1に示す。
Figure 2008137354
上記の表1によれば、クラックを視認できたガラス基板の枚数は、本発明の実施例では2枚、比較例1では4枚、比較例2では5枚、比較例3では7枚であった。このような結果から言えることは、ガラス基板にクラックが全く発生しないということは有り得ないことから、ガラス基板へのクラックの発生確率(クラックを視認できる確率)が3%以下であれば、ディスプレイ製造工程では殆ど問題が生じないと解される。従って、比較例1〜3は、ディスプレイ製造工程で問題となり得るのに対して、本発明の実施例によれば、殆ど問題とならないことを確認するに至った。
本発明の実施形態に係るガラス板の製造装置の主たる構成要素である上部ドリル及び下部ドリルの要部を示す正面図。 図2(a)〜(h)は、本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法における穿孔工程の実施状況を順を追って示す概略縦断正面図。
符号の説明
1 上部ドリル
1a 上部ドリルのドリル先細り部
1x 上部ドリルのドリル胴部
2 下部ドリル
2a 下部ドリルのドリル先細り部
2x 下部ドリルのドリル胴部
3 ガラス板
4 貫通孔(排気孔)

Claims (6)

  1. 切削液を供給しながらガラス板の上面から上部ドリルを厚み方向中間まで侵入させた後に該上部ドリルを後退させ、然る後、切削液を供給しながらガラス板の下面から下部ドリルを侵入させて、該ガラス板に貫通孔を穿設する穿孔工程を含み、
    前記上部ドリルのガラス板の上面からの侵入深さは、ドリル胴部からドリル先端側に向かって縮径する下部ドリルの最先端から最大外径部までの軸方向距離Lと、上部ドリルが侵入した軸心上の下端位置からガラス板の下面までの距離Hとが、L>Hの関係を満たすことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記下部ドリルと上部ドリルとの最大外径は、実質的に同一であることを特徴とする請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記下部ドリルの先端部は、ドリル胴部に滑らかに連なる半球状部であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記上部ドリルの先端部は、ドリル胴部に滑らかに連なる半球状部であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記ガラス板は、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラス板の製造方法。
  6. 切削液を供給しながらガラス板の上面から上部ドリルを厚み方向中間まで侵入させた後に該上部ドリルを後退させ、然る後、切削液を供給しながらガラス板の下面から下部ドリルを侵入させて、該ガラス板に貫通孔を穿設するように構成すると共に、
    前記上部ドリルのガラス板の上面からの侵入深さは、ドリル胴部からドリル先端側に向かって縮径する下部ドリルの最先端から最大外径部までの軸方向距離Lと、上部ドリルが侵入した軸心上の下端位置からガラス板の下面までの距離Hとが、L>Hの関係を満たすように構成したことを特徴とするガラス板の製造装置。
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