JP2008134991A - 入力方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被写体の撮像結果を利用して入力を与えることができる新規な入力方法及びその関連技術を提供することである。
【解決手段】 左右のそれぞれの手の平の側に装着した入力装置3L及び3Rがイメージセンサ54により撮影され(入力状態)、撮影結果を処理して、入力装置3L及び3Rの動きに、カーソル70L及び70Rを連動させる。プレイヤは、点滅した定位置オブジェクト100にカーソル70L又は70Rを移動させ、手を握り締める。手を握り締めた方の入力装置3L又は3Rは撮影されない(非入力状態)。このような操作をプレイヤが行うと、別の定位置オブジェクト100が点滅するので、プレイヤは、同様の操作を行う。これらの処理が繰り返される。
【選択図】 図5
【解決手段】 左右のそれぞれの手の平の側に装着した入力装置3L及び3Rがイメージセンサ54により撮影され(入力状態)、撮影結果を処理して、入力装置3L及び3Rの動きに、カーソル70L及び70Rを連動させる。プレイヤは、点滅した定位置オブジェクト100にカーソル70L又は70Rを移動させ、手を握り締める。手を握り締めた方の入力装置3L又は3Rは撮影されない(非入力状態)。このような操作をプレイヤが行うと、別の定位置オブジェクト100が点滅するので、プレイヤは、同様の操作を行う。これらの処理が繰り返される。
【選択図】 図5
Description
本発明は、被写体の撮像結果を利用する入力方法及びその関連技術に関する。
本件出願人による特許文献1に開示されているゴルフゲームシステムは、ゲーム機及びゴルフクラブ型入力装置を含み、ゲーム機のハウジングの内部には撮像ユニットが収納され、この撮像ユニットは、イメージセンサ及び赤外発光ダイオード等から構成される。赤外発光ダイオードによって撮像ユニットの前方の所定範囲に赤外光が間欠的に照射され、したがって、イメージセンサは、その範囲内で移動するゴルフクラブ型入力装置に設けられた反射体を間欠的に撮影する。このような反射体のストロボ映像を処理することによって、ゲーム機の入力となる入力装置の速度などを計算する。このように、ストロボスコープを用いてコンピュータやゲーム機にリアルタイムで入力を与えることができる。
本発明の目的は、被写体の撮像結果を利用して入力を与えることができる新規な入力方法及びその関連技術を提供することである。
本発明の第1の形態によると、入力方法は、表示装置にターゲット画像を表示するステップと、前記表示装置にカーソルを表示するステップと、ユーザの手の平に装着された被写体を撮像するステップと、前記撮像によって得られた前記被写体の像に基づいて、前記被写体の動きを検出するステップと、前記検出された前記被写体の動きに応じて、前記カーソルを移動するステップと、前記カーソルが前記ターゲット画像に重なった直後に、前記被写体の像が得られなかった場合に、前記ターゲット画像及び/又は前記カーソルに所定の変化を与えるステップと、を含む。
この構成によれば、ユーザは、手の平を開いた状態でカーソルを移動し、ターゲット画像に重ね、そして、手を握り締めて、被写体を隠すことにより、ターゲット画像及び/又はカーソルに変化を与えることができる。つまり、ユーザは、カーソルをターゲット画像まで動かし、手を握り締めることによって、ターゲット画像及び/又はカーソルに変化を与えることができる。従って、ユーザは、あたかもターゲット画像を握るかのような操作によって入力を与えることができる。
上記入力方法において、前記ターゲット画像は、任意の位置又は複数の所定位置のうちのいずれかの位置に、非表示の状態から出現する。
上記入力方法において、前記ターゲット画像は、任意の位置又は所定位置に予め静止して表示されてもよい。
上記入力方法において、前記ターゲット画像は、複数であり、複数の任意の位置又は複数の所定位置に予め静止して表示されてもよい。
上記入力方法において、前記ターゲット画像は、移動する動画像であることもできる。
本発明の第2の形態によると、入力方法は、表示装置に第1オブジェクトを表示するステップと、複数の被写体を撮像するステップと、前記撮像によって得られた前記複数の被写体の像に基づいて、前記複数の被写体の位置を検出するステップと、前記検出された前記複数の被写体の位置関係に応じて、前記第1オブジェクトの形態を変化させるステップと、を含む。
この構成によれば、ユーザは、複数の被写体を動かすことによって、それらの位置関係に応じた形態に、第1オブジェクトを変化させることができる。
この入力方法は、前記表示装置に第2オブジェクトを表示するステップと、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが所定の位置関係を満たした場合に、前記第2オブジェクトに変化を与えるステップと、をさらに含む。
この構成によれば、ユーザは、複数の被写体を動かすことによって、第1オブジェクトに変化を与え、応じて、第2オブジェクトに変化を与えることができる。
本発明の第3の形態によると、練磨方法は、被写体を撮像するステップと、前記撮像によって得られた前記被写体の画像に基づいて、前記被写体の動きを検出するステップと、前記検出された前記被写体の動きに応じて、表示装置のスクリーンに表示されたカーソルを移動させるステップと、前記スクリーンに、静止した又は移動するターゲットを出現させるステップと、少なくとも前記ターゲットに前記カーソルが重なったことを条件として、当該ターゲットに所定の変化を与えるステップと、出現させる前記ステップと変化を与える前記ステップとを繰り返すステップと、を含み、前記ターゲットを出現させる位置は、その都度、新たに設定される。
この構成によれば、プレイヤは、被写体を動かすことにより、カーソルを操作できる。従って、プレイヤに対して、出現した静止ターゲットに、できるだけ早くカーソルを重ねるように指示することができる。プレイヤが、このような指示に基づく動作を繰り返すことにより、次々に現れる静止ターゲットに、いかに早く反応できるか、という能力(動体認識の一種)のトレーニングを行うことができる。
また、プレイヤに対して、できるだけ多くの動き回るターゲットに、できるだけ早くカーソルを移動させる動作を行わせることができる。その結果、俊敏性及び先を読む力のトレーニングを行うことができる。
ここで、静止したターゲットの出現とは、ターゲットを表すオブジェクトを出現させることを含む他、色彩及び形状等の形態の変化により出現を表すこと、並びに、それらの組み合わせが含まれる。また、所定の変化には、形態の変化及びターゲットの消滅等が含まれる。
この練磨方法は、前記被写体としての反射体に光を照射するステップと、前記反射体に照射され、前記反射体が反射した前記光に基づく像が、撮像する前記ステップで得られたときに、前記被写体が検出されたとして第1の入力状態であると判定するステップと、前記反射体に照射され、前記反射体が反射した前記光に基づく像が、撮像する前記ステップで得られなかったときに、前記被写体が検出されていないとして第2の入力状態であると判定するステップと、をさらに含み、前記所定の変化を与える前記ステップでは、前記第1の入力状態において前記ターゲットに前記カーソルが重なった状態から、前記第2の入力状態が判定された場合に、当該ターゲットに前記所定の変化を与える。
この構成によれば、プレイヤが、反射体を撮像させたら第1の入力状態と判定され、反射体を撮像されないようにしたら第2の入力状態と判定される。そして、プレイヤが、第1の入力状態でカーソルをターゲットに重ねただけでは、その選択は確定せず、第2の入力状態にしてはじめて選択が確定する。従って、プレイヤは、ターゲットに所定の変化を与えるためには、反射体を撮像される状態から撮像されない状態にしなければならい。これに伴って、プレイヤは、その様な状態の変化に応じた運動をすることになる。その結果、上記した能力のトレーニングだけでなく、プレイヤに対して、運動を行わせることができ、健康の維持・増進やリハビリテーションの支援を図ることができる。
本発明の第4の形態によると、練磨方法は、被写体を撮像するステップと、前記撮像によって得られた前記被写体の画像に基づいて、前記被写体の動きを検出するステップと、前記検出された前記被写体の動きに応じて、表示装置のスクリーンに表示されたカーソルを移動させるステップと、前記スクリーンに、そのスクリーン上を動き回るオブジェクトを出現させるステップと、を含む。
この構成によれば、プレイヤは、被写体を動かすことにより、カーソルを操作できる。従って、プレイヤに対して、動き回るオブジェクトに、衝突しないようにカーソルを動かすように指示することができる。プレイヤが、このような指示に基づく動作を繰り返すことにより、いかに巧くオブジェクトを避けることができるか、という能力(動体予測の一種)のトレーニングを行うことができる。
この練磨方法は、所定条件に従って、前記スクリーンに、そのスクリーン上を動き回る新たなオブジェクトを出現させるステップをさらに含む。この構成によれば、次々にオブジェクトを出現させることができるので、難易度の向上を図ることができる。
この練磨方法において、前記オブジェクトの出現位置は、その都度、新たに設定される。この構成によれば、オブジェクトの出現位置が一定していないので、より一層難易度の向上を図ることができる。
上記練磨方法は、前記カーソルが前記オブジェクトに衝突したか否かを判定するステップをさらに含む。この構成によれば、カーソルがオブジェクトに衝突したことが分かるので、カーソルがオブジェクトに衝突したときに、映像及び/又は音声により、その旨をプレイヤに通知できる。
本発明の第5の形態によると、練磨方法は、被写体を撮像するステップと、前記撮像によって得られた前記被写体の画像に基づいて、前記被写体の動きを検出するステップと、前記検出された前記被写体の動きに応じて、表示装置のスクリーンに表示されたカーソルを移動させるステップと、順番が割り当てられた複数のターゲットを前記スクリーンに表示するステップと、前記順番に従って少なくとも前記ターゲットに前記カーソルが重なったことを条件として、当該ターゲットに所定の変化を与えるステップと、を含む。
この構成によれば、プレイヤは、被写体を動かすことにより、カーソルを操作できる。従って、プレイヤに対して、順番に従って、表示されたターゲットに、できるだけ早くカーソルを重ねるように指示することができる。プレイヤが、このような指示に基づく動作を繰り返すことにより、いかに早く、しかも、順番どおりに、ターゲットを認識することができるか、という能力(瞬間認識の一種)のトレーニングを行うことができる。
ここで、所定の変化には、形態の変化及びターゲットの消滅等が含まれる。
この練磨方法において、前記ターゲットには、数字が付されており、前記複数のターゲットに付された複数の前記数字は、連続した整数である。この構成によれば、プレイヤに対して、付された数字の順番に従って、ターゲットに、できるだけ早くカーソルを重ねるように指示することができる。一方、上記練磨方法において、前記ターゲットに数字を付し、前記複数のターゲットに付された複数の前記数字を、不連続かつ異なった整数とすることもできる。この構成によれば、ターゲットに付された数字は、不連続かつ異なった整数であるため、難易度の向上を図ることができる。
上記練磨方法は、前記被写体としての反射体に光を照射するステップと、前記反射体に照射され、前記反射体が反射した前記光に基づく像が、撮像する前記ステップで得られたときに、前記被写体が検出されたとして第1の入力状態であると判定するステップと、前記反射体に照射され、前記反射体が反射した前記光に基づく像が、撮像する前記ステップで得られなかったときに、前記被写体が検出されていないとして第2の入力状態であると判定するステップと、をさらに含み、前記所定の変化を与える前記ステップでは、前記第1の入力状態において前記順番に従って前記ターゲットに前記カーソルが重なった状態から、前記第2の入力状態が判定された場合に、当該ターゲットに前記所定の変化を与える。
この構成によれば、プレイヤが、反射体を撮像させたら第1の入力状態と判定され、反射体を撮像されないようにしたら第2の入力状態と判定される。そして、プレイヤが、第1の入力状態でカーソルをターゲットに重ねただけでは、その選択は確定せず、第2の入力状態にしてはじめて選択が確定する。従って、プレイヤは、ターゲットに所定の変化を与えるためには、反射体を撮像される状態から撮像されない状態にしなければならい。これに伴って、プレイヤは、その様な状態の変化に応じた運動をすることになる。その結果、上記した能力のトレーニングだけでなく、プレイヤに対して、運動を行わせることができ、健康の維持・増進やリハビリテーションの支援を図ることができる。
本発明の第6の形態によると、練磨方法は、被写体を撮像するステップと、前記撮像によって得られた前記被写体の画像に基づいて、前記被写体の動きを検出するステップと、前記検出された前記被写体の動きに応じて、表示装置のスクリーンに表示されたカーソルを移動させるステップと、前記スクリーンの予め定められた複数の位置に、静止した複数の定位置オブジェクトを表示するステップと、前記定位置オブジェクトが表示された位置に、所定時間だけ、マーカを表示するステップと、前記マーカを表示する前記ステップを繰り返すステップと、を含み、繰り返す前記ステップでは、前記マーカを表示する位置は、前記複数の定位置オブジェクトの中から、その都度、新たに選択される。
この構成によれば、プレイヤは、被写体を動かすことにより、カーソルを操作できる。従って、プレイヤに対して、所定の時期に表示されたマーカの位置を、カーソルで特定することを指示することができる。プレイヤに対して、このような特定する動作を、マーカを表示するステップを繰り返すステップの終了後に行わせることで、プレイヤの短期的な記憶力(短期記憶の一種)のトレーニングを図ることができる。
この練磨方法において、繰り返す前記ステップでは、各々前記所定時間だけ順次表示される複数の前記マーカは、それぞれ複数形態のうちのいずれかに属する。この構成によれば、プレイヤに対して、特定するマーカの形態をも指示できるので、難易度の向上を図ることができる。一方、上記練磨方法において、表示する前記ステップにて、所定数かつ複数の前記マーカを、前記所定時間だけ、異なる前記定位置オブジェクトの位置に同時に表示することもできる。この構成によれば、プレイヤに対して、複数のマーカを特定することを指示できるので、難易度の向上を図ることができる。さらに、この練磨方法において、表示する前記ステップにて、異なる前記定位置オブジェクトの位置に同時に表示される前記所定数かつ前記複数のマーカを、それぞれ複数形態のうちのいずれかに属するようにすることもできる。この構成によれば、プレイヤに対して、特定する複数のマーカの形態をも指示できるので、より一層難易度の向上を図ることができる。
上記練磨方法は、所定の時期に表示された前記マーカの位置を特定することを指示する映像及び/又は音声を出力するステップと、特定することを指示された前記マーカが位置した前記定位置オブジェクトに、前記カーソルが重なっているか否かを判定する第1判定ステップと、をさらに含む。
この構成によれば、カーソルが正しい位置に置かれたか否かが分かるので、映像及び/又は音声により、その正否をプレイヤに通知できる。
この練磨方法は、前記被写体としての反射体に光を照射するステップと、前記反射体に照射され、前記反射体が反射した前記光に基づく像が、撮像する前記ステップで得られたときに、前記被写体が検出されたとして第1の入力状態であると決定するステップと、前記反射体に照射され、前記反射体が反射した前記光に基づく像が、撮像する前記ステップで得られなかったときに、前記被写体が検出されていないとして第2の入力状態であると決定するステップと、特定することを指示された前記マーカが位置した前記定位置オブジェクトに、前記第1の入力状態において前記カーソルが重なった状態から、前記第2の入力状態になったか否かを判定する第2判定ステップと、をさらに含む。
この構成によれば、プレイヤが、反射体を撮像させたら第1の入力状態と判定され、反射体を撮像されないようにしたら第2の入力状態と判定される。そして、第1の入力状態を選択状態、第2の入力状態を選択確定状態とすることができる。従って、プレイヤが、第1の入力状態でカーソルを定位置オブジェクトに重ねただけでは、その選択は確定せず、第2の入力状態にしてはじめて選択が確定する。このため、プレイヤは、選択を確定するためには、反射体を撮像される状態から撮像されない状態にしなければならい。これに伴って、プレイヤは、その様な状態の変化に応じた運動をすることになる。その結果、上記した能力のトレーニングだけでなく、プレイヤに対して、運動を行わせることができ、健康の維持・増進やリハビリテーションの支援を図ることができる。
さらに、この練磨方法は、前記第2判定ステップで前記第2の入力状態になったと判定された場合に、当該カーソルが、どの前記定位置オブジェクトに重なっているかを記憶するステップと、前記定位置オブジェクトが表示されている領域以外の領域であって、前記スクリーンの所定位置に所定オブジェクトを表示するステップと、前記第1の入力状態において前記カーソルが前記所定オブジェクトに重なった状態から、前記第2の入力状態になったか否かを判定する第3判定ステップと、前記第3判定ステップで前記第2の入力状態になったと判定された場合に、記憶する前記ステップで記憶した情報を参照して、その情報が、出力する前記ステップによる指示に合致しているか否かを判定する第4判定ステップと、をさらに含む。
この構成によれば、カーソルが定位置オブジェクト以外の領域に位置する所定オブジェクトに重ねられて、第1の入力状態から第2の入力状態になったときに、指示に合致しているか否かの判定が行われるので、プレイヤが意図していない選択状態に基づいて、指示に合致しているか否かの判定が行われることを極力防止できる。
上記第3の形態から第6の形態における練磨方法において、前記カーソルは、透明色又は半透明色を含む。この構成によれば、プレイヤは、カーソルの奥に表示されたものをも視認でき、視認性の向上を図ることができる。
上記第3の形態、第5の形態、及び第6の形態における練磨方法において、撮像する前記ステップでは、各々プレイヤの左右の手に装着された2個の前記反射体が撮像され、移動させる前記ステップでは、一方の前記反射体の動きに応じて、2個の前記カーソルのうちの一方の前記カーソルを移動させ、他方の前記反射体の動きに応じて、他方の前記カーソルを移動させる。この構成によれば、プレイヤは、両手を使うことになるので、両手をバランス良く動かす運動を行うことができる。
上記第3の形態、第5の形態、及び第6の形態における練磨方法において、撮像する前記ステップでは、プレイヤの手に装着された前記反射体が撮像される。この構成によれば、プレイヤは、手の運動を行うことができる。また、これらの練磨方法において、撮像する前記ステップでは、プレイヤの手の平の側に装着された前記反射体が撮像される。この構成によれば、プレイヤは、手を開いて反射体を撮像させ第1の入力状態とし、手を握り締めて反射体を隠して第2の入力状態とすることができる。この場合、手を開くこと(じゃんけんの「ぱあ」)と握り締めること(じゃんけんの「ぐう」)を繰り返すことになる。また、必然的に、ある程度又は完全に、腕を前方に伸ばして、そのような動作を行うことになる。従って、このような、日常生活において、あまり行わない動作に依存する神経や筋肉を鍛えることができる。一方、これらの練磨方法において、撮像する前記ステップでは、プレイヤの手の甲の側に装着された前記反射体が撮像されることもできる。この構成によれば、プレイヤは、手の甲の側を撮像装置に向けて反射体を撮像させ第1の入力状態とし、手の平の側を撮像装置に向けて反射体を隠して第2の入力状態とすることができる。この場合、肘を支点、腕を軸にして手を回転させることになる。また、必然的に、ある程度又は完全に、腕を前方に伸ばして、そのような動作を行うことになる。従って、このような、日常生活において、あまり行わない動作に依存する神経や筋肉を鍛えることができる。また、プレイヤは、手を握り締めた状態でこぶしを撮像装置に向けて反射体を撮像させ第1の入力状態とし、こぶしを撮像装置から隠して(例えば左右の手の指背部を合わせて)非入力状態とすることができる。従って、このような、日常生活において、あまり行わない動作に依存する神経や筋肉を鍛えることができる。
本発明の第7の形態によると、練磨方法は、プレイヤの手に装着された被写体としての反射体に光を照射するステップと、前記反射体を撮像するステップと、前記撮像によって得られた前記反射体の画像に基づいて、前記反射体の動きを検出するステップと、前記検出された前記反射体の動きに応じて、表示装置のスクリーンに表示されたカーソルを移動させるステップと、前記反射体に照射され、前記反射体が反射した前記光に基づく像が、撮像する前記ステップで得られたときに、前記被写体が検出されたとして第1の入力状態であると判定するステップと、前記反射体に照射され、前記反射体が反射した前記光に基づく像が、撮像する前記ステップで得られなかったときに、前記被写体が検出されていないとして第2の入力状態であると判定するステップと、コンピュータプログラムに従って、前記カーソルと共に、前記スクリーンに映像を表示するステップと、を含む。
この構成によれば、プレイヤが、反射体を撮像させたら第1の入力状態と判定され、反射体を撮像されないようにしたら第2の入力状態と判定される。従って、プレイヤに対して、第1の入力状態と第2の入力状態とを繰り返し行わせるような映像をコンピュータプログラムによって表示することにより、プレイヤは、反射体が撮像される状態と撮像されない状態とを繰り返しつくり出さなければならない。これに伴って、プレイヤは、その様な状態の変化に応じた運動をすることになる。その結果、プレイヤに対して、運動を行わせることができ、健康の維持・増進やリハビリテーションの支援を図ることができる。
この練磨方法において、表示する前記ステップでは、前記映像は、人間の所定の能力に関連したものである。
この構成によれば、スクリーンに表示される映像が、人間の所定の能力に関連しているので、プレイヤに対して、この映像に関連して、反射体が撮像される状態と撮像されない状態とを繰り返し行わせることにより、人間の所定の能力のトレーニングを行うことができる。
ここで、所定の能力とは、動体認識能力、動体予測能力、瞬間認識能力、及び短期記憶能力など、目等の感覚器官→感覚神経→脳→運動神経→手等の身体の部位という一連の伝達機能及び記憶機能を含む。
本発明の第8の形態によると、練磨方法は、被写体を撮像するステップと、前記撮像によって得られた前記被写体の画像に基づいて、前記被写体の動きを検出するステップと、前記検出された前記被写体の動きに応じて、表示装置のスクリーンに表示されたカーソルを移動させるステップと、音声及び/又は映像により言語情報をプレイヤに提示するステップと、音声及び/又は映像により前記言語情報に対応する第1の感覚情報と前記言語情報と相反する第2の感覚情報とを前記プレイヤに提示するステップと、を含む。
この構成によれば、ストループ効果を利用して、プレイヤに対して、行動選択及び妨害排除といった機能の練磨を行わせることができる。ここで、ストループ効果(stroop effect)とは、人間の情報処理過程において、感覚情報(例えば色)と言語情報(例えば文字)とが干渉しあう現象のことである。
本発明の第9の形態によると、練磨方法は、被写体を撮像するステップと、前記撮像によって得られた前記被写体の画像に基づいて、前記被写体の動きを検出するステップと、前記検出された前記被写体の動きに応じて、表示装置のスクリーンに表示されたカーソルを移動するステップと、前記スクリーンに表示された所定のオブジェクトを、所定の規則に従って、前記カーソルに向かって移動させるステップと、前記スクリーンにターゲットを表示するステップと、前記ターゲットを含む所定領域に前記所定のオブジェクトが重なったか否かを判定するステップと、前記スクリーンに前記所定のオブジェクトが回避すべき移動する回避オブジェクトを表示するステップと、前記所定のオブジェクトが前記回避オブジェクトに接触したか否かを判定するステップと、を含む。
この構成によれば、回避オブジェクトに所定のオブジェクトが接触したときに、減点等の不利益をプレイヤに与えることにすれば、プレイヤに対して、回避オブジェクトに所定のオブジェクトが接触しないように、カーソルを操作して、所定のオブジェクトをターゲットに導く動作を行わせることができる。その結果、プレイヤは、回避オブジェクトの動きを予想しながら、カーソルを操作しなければならず、先を読む力の鍛錬を行うことができる。
本発明の第10の形態によると、練磨方法は、被写体を撮像するステップと、前記撮像によって得られた前記被写体の画像に基づいて、前記被写体の動きを検出するステップと、前記検出された前記被写体の動きに応じて、表示装置のスクリーンに表示された応答オブジェクトの動きを制御するステップと、複数種類の移動オブジェクトを前記スクリーン上に出現させ移動させるステップと、前記移動オブジェクトと前記応答オブジェクトとの位置関係が所定の条件を満たしたときに、前記移動オブジェクトの移動方向を変化させるステップと、を含み、前記複数種類の前記移動オブジェクトの各々は、異なる内容の情報をプレイヤに提示するものであり、前記練磨方法は、前記複数種類に対応する複数種類のオブジェクトを前記スクリーンに表示するステップをさらに含む。
この構成によれば、プレイヤに対して、応答オブジェクトを操作して、移動オブジェクトが提示する情報と同じ種類のオブジェクトに当該移動オブジェクトを打ち返す動作を行わせることができる。その結果、プレイヤは、移動してくる移動オブジェクトが提示する情報の内容を瞬時に判断して、応答オブジェクトの操作により、複数種類のオブジェクトのうちの適切なオブジェクトに移動オブジェクトを打ち返す必要がある。このため、プレイヤの瞬間的な判断力を鍛えることができる。ここで、移動オブジェクトが提示する情報は、色等の感覚情報及び文字等の言語情報を含む。
本発明の第11の形態によると、練磨方法は、複数の被写体を撮像するステップと、前記撮像によって得られた前記被写体の画像に基づいて、前記被写体の動きを検出するステップと、各々対応する前記検出された前記被写体の動きに応答する複数の応答オブジェクトを表示するステップと、各々対応する到達点に向かう複数の経路を同時に表示するステップと、前記経路上を前記到達点に向かって移動する移動オブジェクトを表示するステップと、所定規則に従って、同時に表示する前記複数の経路を異ならせるステップと、を含み、前記応答オブジェクトは、対応する前記到達点に配置される。
この構成によれば、プレイヤに対して、移動オブジェクトが応答オブジェクトに到達するタイミングで、応答オブジェクトに変化を与える動作を行わせることができる。その結果、プレイヤは、次々に移動してくる移動オブジェクトに合わせて適切なタイミングで応答オブジェクトを変化させる必要があるので、判断力及び先を読む力を鍛えることができる。また、移動オブジェクトを音楽に合わせて出現及び移動させることにすれば、リズム感を鍛えることもできる。
本発明の第12の形態によると、練磨方法は、被写体を撮像するステップと、前記撮像によって得られた前記被写体の画像に基づいて、前記被写体の動きを検出するステップと、前記検出された前記被写体の動きに応じて、表示装置のスクリーンに表示されたカーソルを移動するステップと、各々異なる情報を示すN個(Nは2以上の自然数)のオブジェクトを前記スクリーンに表示するステップと、前記N個のオブジェクトが示す前記情報を視認できないようにするステップと、視認できないようにする前記ステップの後、前記N個のオブジェクトのうち、所定数の前記オブジェクトの位置を入れ替えるステップと、位置を入れ替える前記ステップの後、前記N個のオブジェクトのうち、いずれか1つの前記オブジェクトが示す前記情報を明示するステップと、明示する前記ステップで明示された前記情報を示す前記オブジェクトが、前記カーソルにより選択されたか否かを判断するステップと、を含む。
この構成によれば、プレイヤに対して、N個のオブジェクトが示す情報を記憶させ、さらに、オブジェクトのシャッフル後において、明示した情報を示すオブジェクトをカーソルにより選択させることができる。その結果、プレイヤは、N個のオブジェクトの配置とそれらが示す情報を記憶し、かつ、オブジェクトの入れ替えを目で追って記憶して行かなければならない。このため、プレイヤの記憶力を鍛えることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
図1は、本発明の実施の形態による練磨システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、この練磨システムは、情報処理装置1、入力装置3L及び3R、並びにテレビジョンモニタ5を備える。ここで、入力装置3L及び3Rを区別する必要がないときは、入力装置3と表記する。
図2は、図1の入力装置3の斜視図である。図2に示すように、入力装置3は、透明体17の底面側にベルト19を通して、そのベルト19を透明体17の内部で固定してなる。透明体17の内面全体にわたって(底面側を除く)、再帰反射シート15が取り付けられる。入力装置3の使用方法は後述する。
ここで、入力装置3L及び3Rを区別する必要があるときは、入力装置3Lの透明体17および再帰反射シート15を、それぞれ、透明体17Lおよび再帰反射シート15Lと表記し、入力装置3Rの透明体17および再帰反射シート15を、それぞれ、透明体17Rおよび再帰反射シート15Rと表記する。
図1に戻って、情報処理装置1は、AVケーブル7により、テレビジョンモニタ5に接続される。さらに、情報処理装置1には、図示していないが、ACアダプタあるいは電池により電源電圧が供給される。情報処理装置1の背面には、電源スイッチ(図示せず)が設けられる。
情報処理装置1は、その前面側に、赤外光のみを透過する赤外線フィルタ20が設けられ、さらに、赤外線フィルタ20を囲むように、赤外光を発生する4つの赤外発光ダイオード9が露出している。赤外線フィルタ20の背面側には、後述のイメージセンサ54が配置される。
4つの赤外発光ダイオード9は、間欠的に赤外光を発光する。そして、赤外発光ダイオード9からの赤外光は、入力装置3に取り付けられた再帰反射シート15により反射され、赤外線フィルタ20の背面側に設けられたイメージセンサ54に入力される。このようにして、イメージセンサ54により、入力装置3が撮影される。
赤外光は間欠的に照射されるところ、赤外光の非照射時においても、イメージセンサ54による撮影処理は行われている。情報処理装置1は、プレイヤにより動かされた入力装置3の、赤外光照射時の画像信号と非照射時の画像信号との差分を求めて、この差分信号DI(差分画像DI)を基に、入力装置3(つまり再帰反射シート15)の位置等を算出する。
このように、差分を求めることで、再帰反射シート15からの反射光以外の光によるノイズを極力除去でき、精度良く再帰反射シート15を検出できる。
図3は、図1の入力装置3L及び3Rの使用状態の一例を示す説明図である。図1及び図3に示すように、プレイヤは、中指を図2のベルト19に通して、入力装置3を装着する。この場合、透明体17及び再帰反射シート15が、手の平の側にくるようにする。図1のように、プレイヤが、情報処理装置1に向けて、つまり、イメージセンサ54に向けて、手を開くと、透明体17、つまり、再帰反射シート15が現れ、この再帰反射シート15が撮影される。一方、透明体17を握り締めると、透明体17、つまり、再帰反射シート15は、手の中に隠れてしまい、イメージセンサ54に撮影されない。従って、プレイヤは、手を開いたり閉じたりする動作によって、再帰反射シート15を撮影させたり撮影させなかったりすることにより、情報処理装置1に対する入力の制御を行うことができる。本実施の形態では、再帰反射シート15が撮影された場合を入力状態(第1の入力状態と呼ぶこともある。)、撮影されない状態を非入力状態(第2の入力状態と呼ぶこともある。)とする。
図4は、図1の情報処理装置1の電気的構成を示す図である。図4に示すように、情報処理装置1は、マルチメディアプロセッサ50、イメージセンサ54、赤外発光ダイオード9、外部メモリ52、及びバス56を含む。外部メモリ52は、ROM、RAM、及び/又はフラッシュメモリなど、システムの仕様に応じて必要なものを備える。
マルチメディアプロセッサ50は、バス56を通じて、外部メモリ52にアクセスできる。従って、マルチメディアプロセッサ50は、外部メモリ52に格納されたプログラムを実行でき、また、外部メモリ52に格納されたデータをリードして処理することができる。この外部メモリ52に、後述の各種画面の制御、再帰反射シート15L及び15Rの位置検出、並びに入力状態及び非入力状態の判定等の各処理を行うプログラム、画像データ、及び音声データ等が予め格納される。
このマルチメディアプロセッサは、図示しないが、中央演算処理装置(以下、「CPU」と呼ぶ。)、グラフィックスプロセシングユニット(以下、「GPU」と呼ぶ。)、サウンドプロセシングユニット(以下、「SPU」と呼ぶ。)、ジオメトリエンジン(以下、「GE」と呼ぶ。)、外部インタフェースブロック、メインRAM、及びA/Dコンバータ(以下、「ADC」と呼ぶ。)などを具備する。
CPUは、外部メモリ52に格納されたプログラムを実行して、各種演算やシステム全体の制御を行う。グラフィックス処理に関するCPUの処理として、外部メモリ52に格納されたプログラムを実行して、各オブジェクトの拡大・縮小、回転、及び/又は平行移動のパラメータ、視点座標(カメラ座標)、並びに視線ベクトルの算出等を行う。ここで、1または複数のポリゴン又はスプライトから構成され、同じ拡大・縮小、回転、及び平行移動の変換が適用される単位を「オブジェクト」と呼ぶ。
GPUは、ポリゴン及びスプライトから構成される三次元イメージをリアルタイムに生成し、アナログのコンポジットビデオ信号に変換する。SPUは、PCM(pulse code modulation)波形データ、アンプリチュードデータ、及びメインボリュームデータを生成し、これらをアナログ乗算して、アナログオーディオ信号を生成する。GEは、三次元イメージを表示するための幾何演算を実行する。具体的には、GEは、行列積、ベクトルアフィン変換、ベクトル直交変換、透視投影変換、頂点明度/ポリゴン明度計算(ベクトル内積)、及びポリゴン裏面カリング処理(ベクトル外積)などの演算を実行する。
外部インタフェースブロックは、周辺装置(本実施の形態ではイメージセンサ54及び赤外発光ダイオード9)とのインタフェースであり、24チャンネルのプログラマブルなデジタル入出力(I/O)ポートを含む。ADCは、4チャンネルのアナログ入力ポートに接続され、これらを介して、アナログ入力装置(本実施の形態ではイメージセンサ54)から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。メインRAMは、CPUのワーク領域、変数格納領域、および仮想記憶機構管理領域等として利用される。
入力装置3L及び3Rは、赤外発光ダイオード9の赤外光に照射され、その赤外光を再帰反射シート15L及び15Rで反射する。この再帰反射シート15L及び15Rからの反射光がイメージセンサ54によって撮影され、したがって、イメージセンサ54からは再帰反射シート15L及び15Rを含む画像信号が出力される。上記のように、マルチメディアプロセッサ50は、ストロボ撮影のために、赤外発光ダイオード9を間欠的に点滅するので、赤外光消灯時の画像信号も出力される。イメージセンサ54からのこれらのアナログ画像信号はマルチメディアプロセッサ50に内蔵されたADCによってデジタルデータに変換される。
マルチメディアプロセッサ50は、イメージセンサ54からADCを介して入力されるデジタル画像信号から上記の差分信号DI(差分画像DI)を生成して、これに基づき、入力装置3L及び3Rによる入力/非入力の判定、さらに入力装置3L及び3Rの位置等を検出して、演算、グラフィック処理、及びサウンド処理等を実行し、ビデオ信号およびオーディオ信号を出力する。ビデオ信号およびオーディオ信号は、AVケーブル7によりテレビジョンモニタ5に与えられ、応じて、テレビジョンモニタ5に映像が表示され、そのスピーカ(図示せず)から音声が出力される。
後述するが、マルチメディアプロセッサ50は、検出した入力装置3L及び3Rの位置に応じて、カーソル70L及び70Rの移動を制御する。つまり、マルチメディアプロセッサ50は、差分画像DIから再帰反射シート15L及び15Rの像を抽出して、それぞれの注目点の差分画像DI上の座標を算出する。そして、マルチメディアプロセッサ50は、2つの注目点の差分画像DI上の座標を、スクリーン座標に変換することによって、2つの注目点のテレビジョンモニタ5の画面上の位置を求める。マルチメディアプロセッサ50は、この2つの注目点(再帰反射シート15L及び15Rに相当)の画面上の位置に、カーソル70L及び70Rを表示する。なお、スクリーン座標系は、テレビジョンモニタ5に映像を表示する際に用いられる座標系である。
次に、本実施の形態の練磨システムにより実行される各種モードでの画面を例示して、マルチメディアプロセッサ50による処理内容を説明する。
[フラッシュキャッチモード]
図5は、図1の練磨システムによるフラッシュキャッチモードでの練磨画面の例示図である。図5(a)を参照して、マルチメディアプロセッサ50は、格子状(4行×5列)に配置された20個の定位置オブジェクト100を含む画面をテレビジョンモニタ5に表示する。
また、マルチメディアプロセッサ50は、カーソル70L及び70Rをテレビジョンモニタ5に表示する。マルチメディアプロセッサ50は、イメージセンサ54により撮影された再帰反射シート15Lの動きにカーソル70Lを連動させ、イメージセンサ54により撮影された再帰反射シート15Rの動きにカーソル70Rを連動させる。カーソル70L及び70Rの色は、半透明色であるので、カーソル70L及び70Rが、定位置オブジェクト100に重なっても、プレイヤは、定位置オブジェクト100を確認できる。もちろん、カーソル70L及び70Rの色を透明色にすることもできる。このように、カーソル70L及び70Rを半透明又は透明にすることで、プレイヤの視認性の向上を図ることができる。
プレイヤが左手を開き再帰反射シート15Lが検出された状態、つまり、左手の入力状態では、開いた状態の左手を模した形態のカーソル70Lが表示される。同様に、プレイヤが右手を開き再帰反射シート15Rが検出された状態、つまり、右手の入力状態では、開いた状態の右手を模した形態のカーソル70Rが表示される。また、図5(b)に示すように、プレイヤが左手を閉じて再帰反射シート15Lが検出されない状態、つまり、左手の非入力状態では、閉じた状態の左手を模した形態のカーソル70Lが表示される。図示はしていないが、プレイヤが右手を閉じて再帰反射シート15Rが検出されない状態、つまり、右手の非入力状態では、閉じた状態の右手を模した形態のカーソル70Rが表示される。このように、プレイヤは、カーソル70L及び70Rの形態により、入力/非入力を認識できる。
プレイする際には、マルチメディアプロセッサ50は、20個の定位置オブジェクト100から、1つの定位置オブジェクト100をランダムに選択し、選択した定位置オブジェクト100を点滅させる。図では、点滅をハッチングで表しており、図5(a)では、3行2列の定位置オブジェクト100が点滅しており、図5(b)では、1行5列の定位置オブジェクト100が点滅している。点滅している定位置オブジェクト100をターゲットと呼ぶこともある。
プレイヤは、入力状態において、点滅している定位置オブジェクト100に、カーソル70L又は70Rを移動させる。そして、プレイヤは、点滅している定位置オブジェクト100に、カーソル70L又は70Rを重ねて、非入力状態にする。すると、マルチメディアプロセッサ50は、新たに定位置オブジェクト100を選択して、点滅させる。マルチメディアプロセッサ50は、プレイヤの入力/非入力を検出して、所定時間、このような処理を繰り返す。なお、プレイヤが、点滅していない定位置オブジェクト100にカーソル70L又は70Rを移動させ非入力状態にしても、マルチメディアプロセッサ50は、その時点滅している定位置オブジェクト100を維持し、新たな定位置オブジェクト100の点滅は行わない。
プレイヤが、点滅している定位置オブジェクト100に入力状態においてカーソル70L又は70Rを移動させ非入力状態にすることを、ターゲットを握ると呼ぶこともある。プレイヤは、ターゲットに素早く反応して、所定時間内に、できるだけ多くのターゲットを握ることを試みる。
ここで、カーソル70Lを移動させるためには、プレイヤは、左手を開き、入力状態にしなければならない。なぜなら、再帰反射シート15Lが検出できなければ、その位置を特定できないからである。従って、プレイヤが、入力状態から非入力状態にしたときは、入力状態での最後のカーソル70Lの位置に、非入力状態のカーソル70Lが静止して表示される。カーソル70Rについても同様である。
以上のように、このモードでは、プレイヤは、できるだけ早く点滅を察知し、できるだけ早くターゲットを握ることを試みる。従って、プレイヤは、このモードによって、次々に現れるターゲットに、いかに早く反応できるか、という能力(動体認識の一種)のトレーニングを行うことができる。
[ボールエスケープモード]
図6は、図1の練磨システムによるボールエスケープモードでの練磨画面の例示図である。図6(a)を参照して、マルチメディアプロセッサ50は、テレビジョンモニタ5のスクリーン上を動き回るオブジェクト102を表示する。このオブジェクト102は、最初1個出現し、所定時間経過後に、さらに1個追加される。このように、所定時間の経過によって、次々に、新たなオブジェクト102が追加される。図6(b)に示すように、マルチメディアプロセッサ50は、新たに追加するオブジェクト102を、出射口オブジェクト104から、矢印オブジェクト106が示す方向に出射する。出射口オブジェクト104の位置及び矢印オブジェクト106の向きは、ランダムに選択され、スクリーンの任意の位置に任意の方向で表示される。つまり、これらは、定位置及び定方向ではない。マルチメディアプロセッサ50は、このような、オブジェクト102の運動と出現のための処理を所定時間行う。
カーソル70L及び70Rについては、フラッシュキャッチモードと同様である。ただし、ボールエスケープモードでは、プレイヤは、常に、入力状態でカーソル70L及び70Rを操作する。プレイヤは、カーソル70L及び70Rを操作して、オブジェクト102との衝突を回避することを試みる。時間が経つにつれ、オブジェクト102の数が増えるので、回避が困難になる。マルチメディアプロセッサ50は、カーソル70L又は70Rが、オブジェクト102と衝突したときには、当該オブジェクト102にエフェクトを与えると共に、効果音を出力する。マルチメディアプロセッサ50は、衝突の回数をカウントし、所定時間経過後に、その結果を表示する。
以上のように、このモードでは、プレイヤは、動き回るオブジェクト102に衝突しないようにカーソル70L及び70Rを操作する。従って、このモードによって、いかに巧くオブジェクト102を避けることができるか、という能力(動体予測の一種)のトレーニングを行うことができる。また、次々にオブジェクト102が出現するので、その数に応じて徐々に難易度を上げることができる。さらに、出射口オブジェクト104の位置及び矢印オブジェクト106の向きはランダムであり、オブジェクト102の出現位置が一定していないので、より一層難易度の向上を図ることができる。
[第1のナンバーキャッチモード]
図7は、図1の練磨システムによる第1のナンバーキャッチモードでの練磨画面の例示図である。図7(a)を参照して、マルチメディアプロセッサ50は、テレビジョンモニタ5に、1〜20の連続した数字(整数)を付した20個の静止したターゲット110を表示する。カーソル70L及び70Rについては、フラッシュキャッチモードと同様である。
プレイヤは、入力状態でカーソル70L及び70Rを操作して、ターゲット110に重ね、非入力状態にする。本明細書では、このような動作を、ターゲット110を握ると呼ぶこともある。プレイヤは、値が小さい数字が付されたターゲット110から順番に、できるだけ早く、ターゲット110を握ることを試みる。図7(b)に示すように、小さい数字から順番に正しくターゲット110が握られた場合は、当該ターゲット110を消滅させる。もし、正しい順番で、ターゲット110が握られなかった場合は、プレイヤの失敗として、その回数をカウントする。
マルチメディアプロセッサ50は、20個のターゲット110を表示し、プレイ開始をプレイヤに通知した時点から、時間のカウントを開始する。そして、プレイヤが、20の数字が付されたターゲット110を握った時に、時間のカウントを停止し、その結果を表示する。従って、プレイヤは、全てのターゲット110を握るのに要した時間を把握できる。また、マルチメディアプロセッサ50は、時間のカウント結果と共に、失敗の回数も表示する。
図7(c)を参照して、マルチメディアプロセッサ50は、図7(a)の画面に代えて、テレビジョンモニタ5に、不連続かつ異なる数字(整数)を付した10個のターゲット110を表示することもできる。この場合も、図7(a)の場合と同様、プレイヤは、値が小さい数字が付されたターゲット110から順番に、できるだけ早く、ターゲット110を握ることを試みる。小さい数字から順番に正しくターゲット110が握られた場合は、当該ターゲット110を消滅させる。もし、正しい順番で、ターゲット110が握られなかった場合は、プレイヤの失敗として、その回数をカウントする。その他、時間のカウント等は、図7(a)の場合と同様である。ターゲット110に付された数字が不連続であるため、図7(c)のケースは、図7(a)のケースに比べて難易度が高い。
以上のように、このモードでは、プレイヤは、数字が小さいものから順番に、できるだけ早く、ターゲット110を握るように試みる。従って、このモードにより、いかに早く、しかも、順番どおりに、ターゲット110を認識することができるか、という能力(瞬間認識の一種)のトレーニングを行うことができる。
[短期記憶モード]
図8は、図1の練磨システムによる短期記憶モードでの練磨画面の例示図である。図8(a)を参照して、マルチメディアプロセッサ50は、格子状(4行×4列)に配置された16個の定位置オブジェクト120を含む画面をテレビジョンモニタ5に表示する。カーソル70L及び70Rについては、フラッシュキャッチモードと同様である。
まず、マルチメディアプロセッサ50は、同時に、かつ、所定時間(例えば1秒)、任意の2個の定位置オブジェクト120を第1の色彩(例えば赤、右上がりの斜線部)にし、任意の2個の定位置オブジェクト120を第2の色彩(例えば青、右下がりの斜線部)にし、任意の2個の定位置オブジェクト120を第3の色彩(例えば黄、クロスした斜線部)にする(出題)。第1〜第3の色彩をマーカと呼ぶこともある。なお、定位置オブジェクト120の標準色は、白色とする。
そして、所定時間経過後に、マルチメディアプロセッサ50は、第1の色彩を付する新たに選択した2個の定位置オブジェクト120、第2の色彩を付する新たに選択した2個の定位置オブジェクト120、及び第3の色彩を付する新たに選択した2個の定位置オブジェクト120に対して、同時に、かつ、所定時間、第1〜第3の色彩を付する(出題)。
マルチメディアプロセッサ50は、上記のような出題を所定回数繰り返す。そして、全出題の完了後、図8(b)に示すように、マルチメディアプロセッサ50は、指示部122を表示する。指示部122は、指示部122に表示された色のマーカが最後に位置した(つまり、最後に出題された、指示部122に表示された色のマーカが位置した)定位置オブジェクト120の位置を示すことをプレイヤに指示するものである。また、指示部122に表示されたマーカの隣の数字は、1回の出題で付される、その色のマーカの数Nを示す。図8(b)の例では、指示部122は、第3の色彩(クロスした斜線部)の2個(N=2)のマーカが最後に位置した定位置オブジェクト120の位置を示すことをプレイヤに対して指示している。
プレイヤは、指示部122が指示したマーカが最後に位置した定位置オブジェクト120に、入力状態でカーソル70L又は70Rを移動させ、非入力状態にする(選択)。すると、マルチメディアプロセッサ50は、カーソル70L又は70Rが重なった定位置オブジェクト120の色彩を所定色(例えば黒)に変化させる。プレイヤは、指示部122が指示する数(図の例では2)の定位置オブジェクト120の選択を終えると、画面の右上に表示された決定ボタン124上に、入力状態でカーソル70L又は70Rを移動させ、非入力状態にする(選択確定)。すると、マルチメディアプロセッサ50は、プレイヤが選択した定位置オブジェクト120の位置と、マルチメディアプロセッサ50が最後に出題した指示部122が指示する色のマーカの位置と、が完全に一致するか否かを判断する。「完全」とは、指示部122が指示する数がNのときは、プレイヤが選択したN個の定位置オブジェクト120の位置が、マルチメディアプロセッサ50が最後に出題した指示部122が指示する色のN個のマーカの位置と完全に一致することを意味する。
もし、完全に一致しなかったときは、マルチメディアプロセッサ50は、失敗と判断し、処理を終了する。一方、完全に一致したときは、マルチメディアプロセッサ50は、成功と判断し、次のステージに移行する。各ステージでは、所定回数の出題とその終了後の指示が行われる。本実施の形態では、ステージをクリアする度に、出題が難しくなり、難易度が高くなる。
なお、プレイヤは、カーソル70L又は70Rを決定ボタン124に移動させ非入力状態にするまでは(選択の確定までは)、選択のやり直しをすることができる。この場合、プレイヤは、選択されている定位置オブジェクト120にカーソル70L又は70Rを重ねて非入力状態にすると、その定位置オブジェクト120の選択が解除される。
また、入力状態でカーソル70L又は70Rを定位置オブジェクト120又は決定ボタン124に移動し非入力状態にすることを、定位置オブジェクト120又は決定ボタン124を握ると呼ぶこともある。
ここで、難易度について説明する。1回の出題で出現するマーカの数及び色数を調整することにより難易度の調整が可能である。また、所定回数の出題間で、マーカの色及び/又は数を異ならせることによっても、難易度を調整できる。例えば、1回の出題で第1の色彩のマーカのみを2個表示し、次の出題で、第2の色彩のマーカのみを2個表示し、これらの出題を交互に繰り返すこともできる。
以上のように、このモードでは、プレイヤは、最後に出題されたマーカの色及び位置を記憶することを試み、全ての出題終了後に、指示された色のマーカの最後の位置をカーソル70L又は70Rによって指し示すことを行う。従って、このモードにより、プレイヤの短期的な記憶力(短期記憶の一種)のトレーニングを図ることができる。また、プレイヤが決定ボタン124を握ってはじめて選択が確定する。従って、プレイヤが意図していない選択状態に基づいて、正否の判断が行われることを極力防止できる。
[第2のナンバーキャッチモード]
第2のナンバーキャッチモードの内容は、第1のナンバーキャッチモードの内容と同様である。第2のナンバーキャッチモードは、第1のナンバーキャッチモードと比較して、難易度の調整に特徴を有する。以下、異なる点を中心に説明する。
図9は、図1の練磨システムによる第2のナンバーキャッチモードでの練磨画面の例示図である。図9を参照して、マルチメディアプロセッサ50は、テレビジョンモニタ5に、6×6の正方形ブロックに分割されたボード11を表示する。ただし、ボード11の中心の2×2の正方形ブロックに相当する領域には、プレイ終了までの残り時間(例えば30秒からのカウントダウン)を表すタイマ13が表示される。
マルチメディアプロセッサ50は、ボード11の任意に選択された所定数の正方形ブロックに、不連続かつ異なる数字(整数)を表示する。この際、数字を表す画像の大きさとして、大小二種類が用意される。数字を表す画像の大きさが共通であれば難易度は低くなるので、二種類用意することで、難易度の調整が可能である。もちろん、三種類以上用意することもできる。さらに、数字は、所定角度だけ時計回り又は反時計回りに回転して表示されることもある。数字が、回転なしに正しく表示される場合は難易度が低くなるので、このように、回転して表示することで、難易度の調整ができる。
また、このモードでは、片手でプレイするので、マルチメディアプロセッサ50は、1つのカーソル70Lのみを表示する。図の例では、左手に対応するカーソル70Lが表示されているので、プレイヤは、左手でカーソル70Lを操作する。なお、左手でのプレイの前あるいは後に右手でのプレイを行うので、そのときは、右手に対応するカーソル70Rが表示される。
このモードも、第1のナンバーキャッチモード同様、プレイヤは、値が小さい数字から順番に、できるだけ早く、数字を握ることを試みる。小さい数字から順番に正しく握られた場合は、当該数字を消滅させる。もし、正しい順番で握られなかった場合は、その旨を音声(例えば、ブザー音)でプレイヤに知らせると共に、間違って握られた数字を青枠で囲み、正しい数字を赤枠で囲んでプレイヤに知らせる。
以上のように、このモードでは、プレイヤは、数字が小さいものから順番に、できるだけ早く握ることを試みる。従って、このモードにより、いかに早く、しかも、順番どおりに、数字を認識することができるか、という能力(瞬間認識の一種)のトレーニングを行うことができる。
[第3のナンバーキャッチモード]
第3のナンバーキャッチモードは、第2のナンバーキャッチモードを二人のプレイヤで同時に行うものである。
図10は、図1の練磨システムによる第3のナンバーキャッチモードでの練磨画面の例示図である。図10を参照して、マルチメディアプロセッサ50は、テレビジョンモニタ5にボード11を表示する。このボード11は、中心で左右に分割されており、第1プレイヤ用のボード22−1と第2プレイヤ用のボード22−2とを含む。
また、マルチメディアプロセッサ50は、ボード22−1の任意に選択された所定数の正方形ブロックに、不連続かつ異なる数字(整数)を表示する。同時に、マルチメディアプロセッサ50は、ボード22−1に表示する数字と完全同一の数字を、ボード22−2の対応する同じ正方形ブロックに表示する。完全同一とは、数字の値、大きさ、及び形態(回転)が同一であることを指す。
さらに、このモードでは、マルチメディアプロセッサ50は、第1プレイヤが例えば右手に装着した入力装置3Lに連動するカーソル24−1及び第2プレイヤが例えば右手に装着した入力装置3Rに連動するカーソル24−2を表示する。
このモードも、第2のナンバーキャッチモード同様、第1及び第2プレイヤは、値が小さい数字から順番に、できるだけ早く、数字を握ることを試みる。なお、開始は両者同時であり、タイマ13に従う。また、小さい数字から順番に正しく握られた場合は、当該数字を消滅させる。もし、正しい順番で握られなかった場合は、その旨を音声(例えば、ブザー音)でプレイヤに知らせると共に、間違って握られた数字を青枠で囲み、正しい数字を赤枠で囲んでプレイヤに知らせる。
以上のように、このモードでは、プレイヤは、数字が小さいものから順番に、できるだけ早く握ることを試みる。従って、このモードにより、いかに早く、しかも、順番どおりに、数字を認識することができるか、という能力(瞬間認識の一種)のトレーニングを行うことができる。また、二人のプレイヤが競争することになるので、プレイヤの集中力及びやる気を向上できる。
[蝶キャッチモード]
図11は、図1の練磨システムによる蝶キャッチモードでの練磨画面の例示図である。図11を参照して、マルチメディアプロセッサ50は、テレビジョンモニタ5に、飛び回る三種類の蝶オブジェクト29,31及び33を表示する。蝶オブジェクト29,31及び33の大きさは、それぞれ、大、小、及び中となっている。特に、蝶オブジェクト33は、他の蝶オブジェクト29及び31と比較して、素早く動くように制御される。
また、このモードでは、片手でプレイするので、マルチメディアプロセッサ50は、1つのカーソル70Rのみを表示する。図の例では、右手に対応するカーソル70Rが表示されているので、プレイヤは、右手でカーソル70Rを操作する。なお、右手でのプレイの前あるいは後に左手でのプレイを行うので、そのときは、左手に対応するカーソル70Lが表示される。
このモードでは、プレイヤは、時間内(例えば30秒)にできるだけ多くの蝶オブジェクト29,31及び33を握ることを試みる。時間の目安のために、マルチメディアプロセッサ50は、タイマ27(例えば30秒からのカウントダウン)を表示する。また、マルチメディアプロセッサ50は、取得数表示部35を表示する。取得数表示部35には、どの蝶オブジェクトをいくつ握ったか(取得したか)が示される。
また、このモードでは、三段階のレベルが用意される。第2及び第3のレベルでは、蝶オブジェクト29,31及び33は、カーソル70R(70L)との間の距離が所定距離になると、カーソル70R(70L)から離れるように制御される。この場合、蝶オブジェクト29,31及び33は、第3のレベルのほうが、第2のレベルより大きく離れる。第1のレベルでは、蝶オブジェクト29,31及び33の軌道に、カーソル70R(70L)の位置は考慮されない。このような蝶オブジェクト29,31及び33の制御はマルチメディアプロセッサ50が行う。
以上のように、このモードでは、プレイヤは、動き回る蝶オブジェクト29,31及び33を、できるだけ早く多く握ることを試みる。従って、このモードにより、俊敏性及び先を読む力のトレーニングを行うことができる。
[ストループモード]
ストループモードとはストループ効果(stroop effect)を利用したモードである。ストループ効果とは、人間の情報処理過程において、感覚情報(例えば色)と言語情報(例えば文字)とが干渉しあう現象のことである。例えば、色名を答える質問を行ったときに、緑インクで記された「みどり」という文字自体の色名を答えるときより、赤インクで記された「みどり」という文字自体の色名(答えは赤)を答えるほうが時間がかかる事をいう。
図12(a)及び図12(b)は、図1の練磨システムによるストループモードでの練磨画面の例示図である。図12(a)及び図12(b)を参照して、マルチメディアプロセッサ50は、テレビジョンモニタ5に、六角形の言語情報提示部39を表示する。言語情報提示部39には、「絵」又は「声」なる文字のいずれかが表示される。また、マルチメディアプロセッサ50は、言語情報提示部39の上下左右に、感覚情報提示部37T,37B,37L及び37Rを表示し、このうちの1つの色を他の3つの色と異ならせる。さらに、マルチメディアプロセッサ50は、「ウエ」、「シタ」、「ヒダリ」、又は「ミギ」なる音声のうちの1つを出力する。ただし、唯1つ色が異なる感覚情報提示部が位置する方向と異なる方向を示す音声が出力される。
図12(a)に示すように、プレイヤは、言語情報提示部39に「絵」なる文字が表示されると、カーソル70Rを操作して、4つの感覚情報提示部37T,37B,37L及び37Rのうち、色が異なる感覚情報表示部をできるだけ素早く握ることを試みる。この場合、音声により示される方向の感覚情報提示部を握ると失敗となる。
言語情報提示部39の周りには6個のカウントダウンオブジェクト41が表示され、所定時間が経過するたびに、1つのカウントダウンオブジェクト41の色が変化する。この場合、右上のカウントダウンオブジェクト41から開始して、時計回りに色が変化し、左上のカウントダウンオブジェクト41の色が変化したらプレイ終了となる。
また、図12(b)に示すように、プレイヤは、言語情報提示部39に「声」なる文字が表示されると、カーソル70Rを操作して、4つの感覚情報提示部37T,37B,37L及び37Rのうち、マルチメディアプロセッサ50が出力する音声が示す方向に位置する感覚情報表示部をできるだけ素早く握ることを試みる。この場合、唯1つ色が異なる感覚情報提示部を握ると失敗となる。
マルチメディアプロセッサ50は、以上のような表示を、言語情報提示部39の文字及び感覚情報提示部37T,37B,37L及び37Rの色を変えながら繰り返し、プレイヤに右手によるプレイを行わせる。右手によるプレイが終了すると、左手によるプレイを行わせるべく、カーソル70Rに変えて、左手に対応するカーソル70Lが表示される。
以上のように、このモードでは、ストループ効果を利用したプレイを行うことができる。その結果、プレイヤの行動選択及び妨害排除といった機能を鍛えることができる。
[パネルエスケープモード]
図13は、図1の練磨システムによるパネルエスケープモードでの練磨画面の例示図である。図13を参照して、マルチメディアプロセッサ50は、テレビジョンモニタ5に、15×15の正方形ブロックに分割されたボード43を表示する。また、マルチメディアプロセッサ50は、入力装置3Rの動きに連動するカーソル45と、このカーソル45に向かって動いて行く正方形のスレイブオブジェクト47と、を表示する。この場合、スレイブオブジェクト47は、ボード43の1正方形ブロックを1単位として動く。ただし、スレイブオブジェクト47は、水平あるいは垂直方向に動き、斜め方法には動かない。さらに、マルチメディアプロセッサ50は、ターゲット49を、ボード43の正方形ブロックのいずれかに表示する。
プレイヤは、カーソル45を操作して、スレイブオブジェクト47をターゲット49に重ねることを試みる。マルチメディアプロセッサ50は、スレイブオブジェクト47がターゲット49に重ねられた場合は、そのターゲット49を消失させ、新たなターゲット49を他の正方形ブロックに表示する。
この場合、マルチメディアプロセッサ50は、ボード43の左右の縁から回避オブジェクト60H(例えば赤色)を出現させ、他方の縁に向かって水平方向に移動させる。また、マルチメディアプロセッサ50は、ボード43の上下の縁から回避オブジェクト60V(例えば青色)を出現させ、他方の縁に向かって垂直方向に移動させる。なお、回避オブジェクト60H及び60Vの出現時には、その中に進行方向を示す矢印が表記される。
スレイブオブジェクト47がターゲット49に重ねられた場合は、マルチメディアプロセッサ50は、ポイントを1つ加算するが、スレイブオブジェクト47が、回避オブジェクト60H又は60Vに接触した場合は、ポイントが1つ減算される。従って、プレイヤは、回避オブジェクト60H及び60Vの動きを予想しながら、カーソル45を操作して、スレイブオブジェクト47をターゲット49に導く必要がある。このため、プレイヤの先を読む力の鍛錬を行うことができる。
[バランスラインモード]
図14は、図1の練磨システムによるバランスラインモードでの練磨画面の例示図である。図14を参照して、マルチメディアプロセッサ50は、テレビジョンモニタ5に、バー66L及び66R、棒状の操作オブジェクト63、並びにカーソル69L及び69Rを表示する。マルチメディアプロセッサ50は、カーソル69L及び69Rを、それぞれ、入力装置3L及び3Rの動きに連動させる。また、マルチメディアプロセッサ50は、カーソル69Lの動きに従って、操作オブジェクト63の左端を、バー66Lに沿って上下させる。一方、マルチメディアプロセッサ50は、カーソル69Rの動きに従って、操作オブジェクト63の右端を、バー66Rに沿って上下させる。操作オブジェクト63は直線状であるが、伸縮するので、カーソル69L及び69Rを操作することにより、操作オブジェクト63を水平にしたり、任意の角度で斜めにしたりすることができる。
また、マルチメディアプロセッサ50は、ボールオブジェクト65R,65B,65Y及び65Gを、任意の順番で、画面の上端中央から、次々に出現させ、下方に落下させる。ボールオブジェクト65R,65B,65Y及び65Gの色は、それぞれ、赤、青、黄、及び緑である。ボールオブジェクト65R,65B,65Y及び65Gのそれぞれに対応して、長方形状の受け皿オブジェクト75R,75B,75Y及び75Gが表示される。受け皿オブジェクト75R,75B,75Y及び75Gの色は、それぞれ、赤、青、黄、及び緑である。
プレイヤは、カーソル69L及び69Rにより、操作オブジェクト63を操作し、落下してくるボールオブジェクト65R,65B,65Y及び65Gを打ち返して、対応する同じ色の受け皿オブジェクト75R,75B,75Y及び75Gまで打ち返すことを試みる。この際、ボールオブジェクト65R,65B,65Y及び65Gを対応する同じ色の受け皿オブジェクト75R,75B,75Y及び75Gに打ち返すことができた場合、それぞれ、0点、2点、1点、及び3点が加算される。
以上のように、プレイヤは落下してくるボールオブジェクト65R,65B,65Y及び65Gが何色かを瞬時に判断して適切な受け皿オブジェクト75R,75B,75Y及び75Gに打ち返す必要がある。このため、プレイヤの瞬間的な判断力を鍛えることができる。
[リズムボールモード]
図15は、図1の練磨システムによるリズムボールモードでの練磨画面の例示図である。図15を参照して、マルチメディアプロセッサ50は、テレビジョンモニタ5に、20×20のドットからなる経路領域76を表示する。マルチメディアプロセッサ50は、経路領域76のドットの色を変更することにより、右経路78L及び左経路78Rの形状を変更できる。
この経路78L及び78Rの形状に関係なく、経路78L及び78Rは、それぞれ、経路領域76の下縁に表示された受領オブジェクト72L及び72Rに延びるように設定される。受領オブジェクト72L及び72Rの位置は固定である。また、マルチメディアプロセッサ50は、カーソル69L及び69Rを表示する。受領オブジェクト72L及び72Rは、それぞれ、入力装置3L及び3Rの入力状態から非入力状態の検出に応答して、収縮し、非入力状態から入力状態の検出に応答して、再び拡張する。
マルチメディアプロセッサ50は、ボールオブジェクト74L及び74Rをそれぞれ、画面上縁から出現させ、それぞれ、経路78L及び78Rに沿って、受領オブジェクト72L及び72Rへ向かって移動させる。この場合、ボールオブジェクト74L及び74Rの出現タイミング及び間隔は、出力する音楽に合わせて設定される。
プレイヤは、入力装置3L及び3Rにより、受領オブジェクト72L及び72Rを操作して、ボールオブジェクト74L及び74Rが受領オブジェクト72L及び72Rに到達するタイミングで、受領オブジェクト72L及び72Rを収縮させる。プレイヤは、次々に移動してくるボールオブジェクト74L及び74Rに合わせて適切なタイミングで受領オブジェクト72L及び72Rを収縮させる必要があるので、判断力及び先を読む力を鍛えることができる。また、ボールオブジェクト74L及び74Rは音楽に合わせて出現及び移動してくるので、リズム感を鍛えることもできる。
[シャッフルメモリモード]
図16(a)〜図16(c)は、図1の練磨システムによるシャッフルメモリモードでの練磨画面の例示図である。図16(a)を参照して、マルチメディアプロセッサ50は、テレビジョンモニタ5に、五個のパネル86−1〜86−5を表示する。パネル86−1〜86−5には、それぞれ異なる図形が記されている。このようなパネル86−1〜86−5の表示と同時に、タイマ80がカウントダウンを開始し(例えば15秒からの)、カウントが0になった時、図16(b)に示すように、パネル86−1〜86−5が裏返され、OKオブジェクト103が消失する。一方、タイマ80が0になる前でも、プレイヤが入力装置3Lの動きに連動するカーソル70Rを操作して、OKオブジェクト103を握ると、図16(b)に示すように、パネル86−1〜86−5が裏返され、OKオブジェクト103が消失する。図16(a)の画面の表示中において、プレイヤは、どのパネル86−1〜86−5にどの図形が記されているかを記憶することを試みる。
パネル86−1〜86−5が裏返されると、マルチメディアプロセッサ50は、回数明示オブジェクト82に記された回数だけ、裏返されたパネル86−1〜86−5をシャッフルする。図の例では、パネル86−1と86−5とを入れ替えると共に、パネル86−3と86−4とを入れ替える(2回シャッフル)。
このシャッフルの終了後に、図16(c)に示すように、マルチメディアプロセッサ50は、出題オブジェクト91を表示する。出題オブジェクト91には、パネル86−1〜86−5のうち、いずれか1つのパネルに記された図形が記される。プレイヤは、カーソル70Rを操作して、出題オブジェクト91に記された図形と同じ図形が記されたパネル86−1,86−2,86−3又は86−5を握る。適切なパネルを握ることができれば正解、そうでなければ不正解となる。
図16(a)〜図16(c)に示した画面の表示が、出題オブジェクト91に記された図形及びシャッフル回数を変えながら繰り返し行われる。なお、シャッフル回数が増えれば記憶も難しくなり難易度が上がる。また、パネルの数を多くすると難易度が上がり、少なくすると難易度が下がる。
以上のように、プレイヤは、決められた時間内に、パネル86−1〜86−5の配置とそこに記された図形を記憶し、かつ、パネルの入れ替えを目で追って記憶して行かなければならない。このため、プレイヤの記憶力を鍛えることができる。
次に、モードの選択のための選択画面について説明する。
図17は、図1の練磨システムによるモード選択画面の例示図である。図17(a)を参照して、マルチメディアプロセッサ50は、方向ボタン130L及び130R、選択対象132、並びにカーソル70L及び70Rを含む選択画面をテレビジョンモニタ5に表示する。カーソル70L及び70Rについては、フラッシュキャッチモードと同様である。
図17(b)に示すように、プレイヤが、入力状態でカーソル70L又は70Rを方向ボタン130R上に移動し非入力状態にすると、マルチメディアプロセッサ50は、選択対象132を右方向に回転し、左隣の選択対象132を表示する。一方、プレイヤが、入力状態でカーソル70L又は70Rを方向ボタン130L上に移動し非入力状態にすると、マルチメディアプロセッサ50は、選択対象132を左方向に回転し、右隣の選択対象132を表示する。プレイヤは、このような操作により、所望の選択対象132を表示する。そして、プレイヤが、入力状態でカーソル70L又は70Rを選択対象132上に移動し非入力状態にすると、マルチメディアプロセッサ50は、その選択対象132に対応するモードを実行する。
ここで、入力状態でカーソル70L又は70Rを方向ボタン130L若しくは130R又は選択対象132に移動し非入力状態にすることを、方向ボタン130L若しくは130R又は選択対象132を握ると呼ぶこともある。
ところで、上記の第2のナンバーキャッチモード等のように、片手ずつプレイを行うモードがある。この場合、左右いずれの手を最初に使ってプレイするかは、予め定めておいてもよいが、プレイヤに選択させることもできる。この場合の左右選択画面について説明する。
図18は、図1の練磨システムによる左右選択画面の例示図である。図18を参照して、この左右選択画面は、左手を模した左手オブジェクト88L及び右手を模した右手オブジェクト88Rを含む。また、入力装置3L及び3Rの動きにそれぞれ連動するカーソル70L及び70Rが表示される。
プレイヤは、いずれかのカーソル70L又は70Rを操作して、左手オブジェクト88L及び右手オブジェクト88Rのいずれかを握る。すると、握られたオブジェクト88L又は88Rに対応するカーソル70L又は70Rが練磨画面に表示される。従って、プレイヤは、所望の手でのプレイを行うことができる。
次に、入力装置3の他の装着方法を説明する。
図19は、図1の入力装置3の他の装着例を示す図である。図19を参照して、プレイヤは、中指を図2のベルト19に通して、入力装置3を装着する。この場合、透明体17及び再帰反射シート15が、手の甲の側にくるようにする。この点、図3の場合と異なる。従って、プレイヤが、情報処理装置1に、つまり、イメージセンサ54に、手の甲を向けると、透明体17、つまり、再帰反射シート15が現れ、この再帰反射シート15が撮影される(入力状態)。一方、イメージセンサ54に、手の平を向けると、透明体17、つまり、再帰反射シート15は、隠れてしまい、イメージセンサ54に撮影されない(非入力状態)。従って、プレイヤは、肘を支点、腕を軸として、手を回転させることによって、再帰反射シート15を撮影させたり撮影させなかったりすることにより、情報処理装置1に対する入力/非入力の制御を行うことができる。上記の各モードにおいて、プレイヤに対し、このような方法で、入力/非入力を行わせることもできる。
図20は、図1の入力装置3のさらに他の装着例を示す図である。図20を参照して、プレイヤは、中指を図2のベルト19に通して、入力装置3を装着する。この場合、透明体17及び再帰反射シート15が、手の甲の側にくるようにする。そして、プレイヤは、手を握り締める。従って、プレイヤが、情報処理装置1に、つまり、イメージセンサ54に、こぶしを向けると、透明体17、つまり、再帰反射シート15が現れ、この再帰反射シート15が撮影される(入力状態)。一方、こぶしをイメージセンサ54から隠すと(例えば左右の手の指背部を合わせる。)、透明体17、つまり、再帰反射シート15は、イメージセンサ54に撮影されない(非入力状態)。従って、プレイヤは、こぶしの向きを変えることによって、再帰反射シート15を撮影させたり撮影させなかったりすることにより、情報処理装置1に対する入力/非入力の制御を行うことができる。上記の各モードにおいて、プレイヤに対し、このような方法で、入力/非入力を行わせることもできる。
さて、以上のように、本実施の形態によれば、プレイヤが、再帰反射シート15を撮像させたら入力状態と判定され、再帰反射シート15が撮像されないようにしたら非入力状態と判定される。従って、プレイヤに対して、入力状態と非入力状態とを繰り返し行わせるような映像(例えば、図5、図7、図8)を表示することにより、プレイヤは、再帰反射シート15が撮像される状態と撮像されない状態とを繰り返しつくり出さなければならない。これに伴って、プレイヤは、その様な状態の変化に応じた運動をすることになる。その結果、プレイヤに対して、運動を行わせることができ、健康の維持・増進やリハビリテーションの支援を図ることができる。また、プレイヤは、両手を使うことになるので、両手をバランス良く動かす運動を行うことができる。
加えて、テレビジョンモニタ5に表示する映像を人間の所定の能力に関連したもの(例えば、図5〜図8)とすることにより、人間の所定の能力のトレーニングを行うことができる。ここで、所定の能力とは、動体認識能力、動体予測能力、瞬間認識能力、及び短期記憶能力など、目等の感覚器官→感覚神経→脳→運動神経→手等の身体の部位という一連の伝達機能及び記憶機能を含む。
図3の装着例に関連して、この場合は、プレイヤの手の平の側に装着された再帰反射シート15が撮像される。従って、プレイヤは、手を開いて再帰反射シート15を撮像させ入力状態とし、手を握り締めて再帰反射シート15を隠して非入力状態とすることができる。この場合、手を開くこと(じゃんけんの「ぱあ」)と握り締めること(じゃんけんの「ぐう」)を繰り返すことになる。また、必然的に、ある程度又は完全に、腕を前方に伸ばして、そのような動作を行うことになる。従って、このような、日常生活において、あまり行わない動作に依存する神経や筋肉を鍛えることができる。
また、図10の装着例に関連して、この場合は、プレイヤの手の甲の側に装着された再帰反射シート15が撮像される。従って、プレイヤは、手の甲の側をイメージセンサ54に向けて再帰反射シート15を撮像させ入力状態とし、手の平の側をイメージセンサ54に向けて再帰反射シート15を隠して非入力状態とすることができる。この場合、肘を支点、腕を軸にして手を回転させることになる。また、必然的に、ある程度又は完全に、腕を前方に伸ばして、そのような動作を行うことになる。従って、このような、日常生活において、あまり行わない動作に依存する神経や筋肉を鍛えることができる。
さらに、図11の装着例に関連して、この場合は、手を握り締めた状態で手の甲の側に装着された再帰反射シート15が撮像される。従って、プレイヤは、こぶしをイメージセンサ54に向けて再帰反射シート15を撮像させ入力状態とし、こぶしをイメージセンサ54から隠して(例えば左右の手の指背部を合わせて)非入力状態とすることができる。従って、このような、日常生活において、あまり行わない動作に依存する神経や筋肉を鍛えることができる。
さて、次に、再帰反射シート15L及び15Rの検出処理及び左右決定処理を図面を用いて説明する。
図21は、再帰反射シート15L及び15Rの検出処理の説明図である。図21には、赤外光発光時及び消灯時の画像データから生成した差分画像データに基づく差分画像(32×32ピクセル)が図示されている。図中、小さい正方形は1ピクセルを示す。また、左上角をXY座標軸の原点とする。
この画像には、輝度値が大きい2つの領域251及び253が含まれる。領域251及び253は、再帰反射シート15L及び15Rである。ただし、この時点では、どの領域がどの再帰反射シートに対応するかは判別できない。
まず、マルチメディアプロセッサ50は、Y=0を出発点として、X=0からX=31まで、差分画像データをスキャンし、次に、Yをインクリメントし、X=0からX=31まで、差分画像データをスキャンする。このような処理をY=31まで行い、32×32ピクセルの差分画像データをスキャンして、閾値ThLより大きいピクセルデータの上端位置minY、下端位置maxY、左端位置minX、及び右端位置maxXを求める。
次に、マルチメディアプロセッサ50は、座標(minX,minY)を出発点として、X軸の正方向にスキャンを実行して、最初に閾値ThLを超えるピクセルまでの距離LTを算出する。また、マルチメディアプロセッサ50は、座標(maxX,minY)を出発点として、X軸の負方向にスキャンを実行して、最初に閾値ThLを超えるピクセルまでの距離RTを算出する。さらに、マルチメディアプロセッサ50は、座標(minX,maxY)を出発点として、X軸の正方向にスキャンを実行して、最初に閾値ThLを超えるピクセルまでの距離LBを算出する。さらに、マルチメディアプロセッサ50は、座標(maxX,maxY)を出発点として、X軸の負方向にスキャンを実行して、最初に閾値ThLを超えるピクセルまでの距離RBを算出する。
マルチメディアプロセッサ50は、距離LT>RTのときは、座標(maxX,minY)を第1抽出点とし、距離LT≦RTのときは、座標(minX,minY)を第1抽出点とする。また、マルチメディアプロセッサ50は、距離LB>RBのときは、座標(maxX,maxY)を第2抽出点とし、距離LB≦RBのときは、座標(minX,maxY)を第2抽出点とする。
図22は、左右決定処理の説明図である。図22には、前回(1ビデオフレーム前)の再帰反射シート15Lの位置TPL2及び前々回(2ビデオフレーム前)の位置TPL1、並びに、前回(1ビデオフレーム前)の再帰反射シート15Rの位置TPR2及び前々回(1ビデオフレーム前)の位置TPR1が図示されている。位置TPL1,TPL2,TPR1及びTPR2は、差分画像データに基づく差分画像上の位置である。
マルチメディアプロセッサ50は、位置TPL1を始点、位置TPL2を終点とする速度ベクトルVLを算出する。そして、位置TPL2を始点とする速度ベクトルVLの終点を、再帰反射シート15Lの予測位置TPLpとする。一方、マルチメディアプロセッサ50は、位置TPR1を始点、位置TPR2を終点とする速度ベクトルVRを算出する。そして、位置TPR2を始点とする速度ベクトルVRの終点を、再帰反射シート15Rの予測位置TPRpとする。
マルチメディアプロセッサ50は、第1抽出点TPN1と予測位置TPLpとの距離LD1、第1抽出点TPN1と予測位置TPRpとの距離RD1、第2抽出点TPN2と予測位置TPLpとの距離LD2、及び、第2抽出点TPN2と予測位置TPRpとの距離RD2を求める。
マルチメディアプロセッサ50は、距離LD1>RD1ならば、第1抽出点TPN1を再帰反射シート15Rの今回の位置とし、距離LD1≦RD1ならば、第1抽出点TPN1を再帰反射シート15Lの今回の位置とする。また、マルチメディアプロセッサ50は、距離LD2>RD2ならば、第2抽出点TPN2を再帰反射シート15Rの今回の位置とし、距離LD2≦RD2ならば、第2抽出点TPN2を再帰反射シート15Lの今回の位置とする。
このように、左右の予測位置TPLp及びTPRpに基づいて、第1抽出点TPN1及び第2抽出点TPN2に左右を割り当てているため、再帰反射シート15Lと再帰反射シート15Rとの左右が入れ替わった場合でも(クロスした場合でも)、マルチメディアプロセッサ50は、差分画像データに基づく差分画像上において、再帰反射シート15L及び15Rの各々を的確に認識できる。
さて、次に、マルチメディアプロセッサ50による処理の流れをフローチャートを用いて説明する。
図23は、図4のマルチメディアプロセッサ50による全体処理の流れの一例を示すフローチャートである。図23を参照して、ステップS1にて、マルチメディアプロセッサ50は、各種変数(フラグやカウンタを含む。)の初期化等、システムの初期設定を実行する。ステップS3にて、マルチメディアプロセッサ50は、外部メモリ52に格納されたアプリケーションプログラムに従った処理を実行する。ステップS5にて、マルチメディアプロセッサ50は、ビデオ同期信号による割り込みが発生するまで待機する。つまり、マルチメディアプロセッサ50は、ビデオ同期信号による割り込みが発生していない場合は、同じステップS5に戻り、ビデオ同期信号による割り込みが発生した場合は、ステップS7に進む。例えば、ビデオ同期信号による割り込みは、1/60秒ごとに発生する。この割り込みに同期して、ステップS7及びステップS9にて、マルチメディアプロセッサ50は、テレビジョンモニタ5に表示する画像を更新すると共に、音声の再生を行う。そして、マルチメディアプロセッサ50は、ステップS3に戻る。
ステップS3の処理を制御するアプリケーションプログラムは、複数のプログラムを含む。この複数のプログラムに、下記するフローチャートが示す処理を実行するプログラムが含まれる。
図24は、図23のステップS3におけるアプリケーションプログラムによる処理の主要部分の流れの一例を示すフローチャートである。図24を参照して、ステップS21にて、マルチメディアプロセッサ50は、再帰反射シート15L及び15Rの撮影処理を実行する。ステップS23にて、マルチメディアプロセッサ50は、ステップS21で得られた画像に基づいて、再帰反射シート15L及び15Rの像を検出する。ステップS25にて、マルチメディアプロセッサ50は、ターゲットを適切に握る処理が行われたか否かを判定する。ステップS27にて、マルチメディアプロセッサ50は、テレビジョンモニタ5に表示する映像の制御や、その他の必要な演算を実行する。
ここで、ターゲットとは、プレイヤが握る対象のことを意味し、上記例では、定位置オブジェクト100及び120、ターゲット110、図9及び図10の数字、蝶オブジェクト29,31及び33、37、感覚情報提示部37T,37B,37L及び37R、ボールオブジェクト74L及び74R、84、パネル86−1〜86−5、OKオブジェクト103、並びに方向ボタン130L及び130Rである。
また、ターゲットを握るとは、プレイヤが、入力状態でカーソルをターゲットまで移動し、非入力状態にすることである。
図25は、図24のステップS21における撮影処理の流れの一例を示すフローチャートである。図25に示すように、ステップS41において、マルチメディアプロセッサ50は、赤外発光ダイオード9を点灯する。ステップS43で、マルチメディアプロセッサ50は、イメージセンサ54から、赤外光点灯時の画像データを取得して、メインRAMに格納する。
ここで、本実施の形態では、イメージセンサ54の例として、32ピクセル×32ピクセルのCMOSイメージセンサを使用する。従って、イメージセンサ54からは、画像データとして、32ピクセル×32ピクセルのピクセルデータが出力される。このピクセルデータは、A/Dコンバータにより、デジタルデータに変換されて、メインRAM上の二次元配列P1[X][Y]の要素として格納される。
ステップS45で、マルチメディアプロセッサ50は、赤外発光ダイオード9を消灯する。ステップS47にて、マルチメディアプロセッサ50は、イメージセンサ54から、赤外光消灯時の画像データ(32ピクセル×32ピクセルのピクセルデータ)を取得して、メインRAMに格納する。この場合、このピクセルデータは、メインRAM上の二次元配列P2[X][Y]の要素として格納される。
以上のようにして、ストロボ撮影が行われる。ここで、イメージセンサ54による画像を構成する各ピクセルの位置を表す二次元座標系では、水平方向をX軸、垂直方向をY軸とする。また、原点Oを画像の左上角とする。本実施の形態では、32ピクセル×32ピクセルのイメージセンサ54を用いているため、X=0〜31、Y=0〜31である。この点、差分画像DIについても同じである。また、ピクセルデータは輝度値である。
図26は、図24のステップS23におけるシート検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。図26に示すように、ステップS61にて、マルチメディアプロセッサ50は、赤外光発光時のピクセルデータP1[X][Y]と、赤外光消灯時のピクセルデータP2[X][Y]と、の差分を算出して、配列Dif[X][Y]に代入する。ステップS63にて、マルチメディアプロセッサ50は、32×32ピクセル分の差分を算出した場合は、ステップS65に進み、そうでなければ、ステップS61に進む。このように、マルチメディアプロセッサ50は、ステップS61の処理を繰り返して、赤外光発光時の画像データと、赤外光消灯時の画像データと、の差分画像データを生成する。このように、差分画像データ(差分画像)を求めることで、再帰反射シート15L及び15Rからの反射光以外の光によるノイズを極力除去でき、再帰反射シート15L及び15Rを精度良く検出できる。
ステップS65にて、マルチメディアプロセッサ50は、図21で説明した左右上下端(minX、maxX、minY、maxY)検出処理を実行する。
図27は、図26のステップS65における左右上下端検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。図27に示すように、ステップS91にて、マルチメディアプロセッサ50は、「X」、「Y」、「maxX」、「maxY」、「k」、及び「SN」に「0」を代入する。また、マルチメディアプロセッサ50は、「minX」及び「minY」に「31」を代入する。
ステップS93にて、マルチメディアプロセッサ50は、配列Dif[X][Y]の要素を所定の閾値ThLと比較する。ステップS95にて、マルチメディアプロセッサ50は、配列Dif[X][Y]の要素が所定の閾値ThLより大きい場合は、ステップS97に進み、所定の閾値ThL以下の場合は、ステップS121に進む。
ステップS93,S95の処理は、再帰反射シート15L,15Rが撮影されたか否かを検出するための処理である。再帰反射シート15L,15Rが撮影されると、差分画像上では、再帰反射シート15L,15Rに相当するピクセルの輝度値が大きくなる。このため、閾値ThLにより、輝度値の大小を峻別して、閾値ThLより大きい輝度値を持つピクセルを、撮影された再帰反射シート15L,15Rの一部であると認識する。
ステップS97にて、マルチメディアプロセッサ50は、カウント値kを1つインクリメントする。ステップS99にて、マルチメディアプロセッサ50は、カウント値kが「1」か否かを判断し、k=1であれば、ステップS101に進み、それ以外では、ステップS103に進む。
ステップS101では、マルチメディアプロセッサ50は、最小Y座標minYに、現在のY座標を代入する。つまり、スキャンは、(X,Y)=(0,0)から開始して、X=0〜31まで行い、Yをインクリメントして、再び、X=0〜31まで行う、という処理を繰り返すので(後述のステップS121〜S129参照)、最初に閾値ThLを超えた要素(つまりピクセル)を持つ配列Dif[X][Y]の「Y」が最小Y座標minYとなる。
ステップS103では、マルチメディアプロセッサ50は、現在の最大Y座標maxYと現在のY座標とを比較する。ステップS105にて、マルチメディアプロセッサ50は、現在の最大Y座標maxYより現在のY座標が大きい場合は、ステップS107に進み、それ以外はステップS109に進む。ステップS107では、マルチメディアプロセッサ50は、最大Y座標maxYに、現在のY座標を代入する。
ステップS109では、マルチメディアプロセッサ50は、現在の最小X座標minXと現在のX座標とを比較する。ステップS111にて、マルチメディアプロセッサ50は、現在の最小X座標minXより現在のX座標が小さい場合は、ステップS113に進み、それ以外はステップS115に進む。ステップS113では、マルチメディアプロセッサ50は、最小X座標minXに、現在のX座標を代入する。
ステップS115では、マルチメディアプロセッサ50は、現在の最大X座標maxXと現在のX座標とを比較する。ステップS117にて、マルチメディアプロセッサ50は、現在の最大X座標maxXより現在のX座標が大きい場合は、ステップS119に進み、それ以外はステップS121に進む。ステップS119では、マルチメディアプロセッサ50は、最大X座標maxXに、現在のX座標を代入する。
ステップS121では、マルチメディアプロセッサ50は、「X」を1つインクリメントする。ステップS123にて、マルチメディアプロセッサ50は、X=32のときは(つまり、差分画像のピクセル1行分の処理が終了したときは)ステップS125に進み、それ以外はステップS93に進む。
ステップS125では、マルチメディアプロセッサ50は、「X」に「0」を代入する。ステップS127にて、マルチメディアプロセッサ50は、「Y」を1つインクリメントする。ステップS125,S127の処理は、差分画像の1行分の処理が終了したため、次の1行分の処理を進めるために実行される。
ステップS129にて、マルチメディアプロセッサ50は、Y=32のときは(つまり、差分画像の32×32ピクセル分の処理が終了したときは)、ステップS131に進み、それ以外はステップS93に進む。
上記ステップS93〜S129を繰り返すことにより、Y=32となった時点で、最小X座標minX、最大X座標maxX、最小Y座標minY、及び最大Y座標maxYが全て確定する。
ステップS131では、「maxX」、「maxY」、「minX」及び「minY」が初期値のままであるか否かを判断し、初期値の場合はステップS133に進み、それ以外はリターンする。「maxX」、「maxY」、「minX」及び「minY」の全てが初期値ということは、差分画像の全ピクセルが閾値ThL以下であり、再帰反射シート15L及び15Rが撮影されなかったことを意味する。従って、ステップS133では、マルチメディアプロセッサ50は、撮影された再帰反射シートの数を示すシート数フラグSNに「01」(撮影された再帰反射シートの数が0であることを示す。)を代入する。そして、ステップS135にて、マルチメディアプロセッサ50は、左オープンフラグOL及び右オープンフラグORをオフにして、図26のステップS77に進む。左オープンフラグOL及び右オープンフラグORは、それぞれ、再帰反射シート15L及び15Rが撮影されたことを示すフラグである。
図26に戻って、ステップS67にて、マルチメディアプロセッサ50は、図21で説明した2点位置(第1抽出点(Xtp[0],Ytp[0])、第2抽出点(Xtp[1],Ytp[1]))の決定処理を実行する。
図28は、図26のステップS67における2点位置決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図28に示すように、マルチメディアプロセッサ50は、ステップS151にて、「M」に「0」を代入して、ステップS153からステップS185までの処理を繰り返す。ここで、ステップS153に示すように、一回目のループのときは、Ytb=minY、二回目のループのときは、Ytb=maxY、である。ステップS155にて、マルチメディアプロセッサ50は、座標(minX,Ytb)を始点としてスキャンを開始する。
ステップS157にて、マルチメディアプロセッサ50は、カウント値Clに「0」を代入する。ステップS159にて、マルチメディアプロセッサ50は、差分データDif[X][Y]と閾値ThLとを比較して、差分データが閾値より大きい場合は、ステップS165に進み、それ以外は、ステップS161に進む。ステップS161では、マルチメディアプロセッサ50は、カウント値Clを1つインクリメントする。ステップS163にて、マルチメディアプロセッサ50は、座標Xを1つインクリメントして、ステップS159に進む。
ステップS159で、Dif[X][Y]>ThLと判断された時点のカウント値Clは、図21の距離LTあるいはLBに相当する。ステップS155で、Ytb=minYのときは、Cl=LTであり、Ytb=maxYのときは、Cl=LBである。
ステップS165にて、マルチメディアプロセッサ50は、座標(maxX,Ytb)を始点としてスキャンを開始する。ステップS167にて、マルチメディアプロセッサ50は、カウント値Crに「0」を代入する。ステップS169にて、マルチメディアプロセッサ50は、差分データDif[X][Y]と閾値ThLとを比較して、差分データが閾値より大きい場合は、ステップS175に進み、それ以外は、ステップS171に進む。ステップS171では、マルチメディアプロセッサ50は、カウント値Crを1つインクリメントする。ステップS173にて、マルチメディアプロセッサ50は、座標Xを1つデクリメントして、ステップS169に進む。
ステップS169で、Dif[X][Y]>ThLと判断された時点のカウント値Crは、図21の距離RTあるいはRBに相当する。ステップS165で、Ytb=minYのときは、Cr=RTであり、Ytb=maxYのときは、Cr=RBである。
ステップ175では、マルチメディアプロセッサ50は、距離ClとCrとを比較する。ステップS177にて、距離Clが距離Crより大きい場合は、ステップS179に進み、それ以外は、ステップS181に進む。
ステップS181では、「Xtp[M]」に「minX」を代入するとともに、「Ytp[M]」に「Ytb」を代入する。一方、ステップS179では、「Xtp[M]」に「maxX」を代入するとともに、「Ytp[M]」に「Ytb」を代入する。
ここで、座標(Xtp[0],Ytp[0])は、図21で説明した第1抽出点の座標であり、座標(Xtp[1],Ytp[1])は、第2抽出点の座標である。
ステップS183では、マルチメディアプロセッサ50は、「M」を1つインクリメントして、ステップS185へ進む。ステップS153からステップS185までのループが終了するとリターンする。
図26に戻って、ステップS69にて、マルチメディアプロセッサ50は、第1抽出点及び第2抽出点に左右を割り当てる処理を実行する。
図29は、図26のステップS69における左右決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、再帰反射シート15Lの位置を左抽出点、再帰反射シート15Rの位置を右抽出点と呼ぶ。
図29に示すように、ステップS201にて、マルチメディアプロセッサ50は、過去(前回及び前々回)の左抽出点の位置(XL,YL)からの今回の左抽出点の位置(Xnl,Ynl)を予測する。ステップS203にて、マルチメディアプロセッサ50は、過去(前回及び前々回)の右抽出点の位置(XR,YR)からの今回の右抽出点の位置(Xnr,Ynr)を予測する。ここで、左抽出点(Xnl,Ynl)は、図22の予測位置TPLpに相当し、右抽出点の位置(Xnr,Ynr)は、予測位置TPRpに相当する。
ステップS205にて、マルチメディアプロセッサ50は、「M」に「0」を代入する。ステップS207にて、マルチメディアプロセッサ50は、予測位置(Xnl,Ynl)と抽出点(Xtp[M],Ytp[M])との間の距離Dlを算出する。ステップS209にて、マルチメディアプロセッサ50は、予測位置(Xnr,Ynr)と抽出点(Xtp[M],Ytp[M])との間の距離Drを算出する。
ここで、抽出点(Xtp[0],Ytp[0])は、図28のルーチンで求めた第1抽出点であり、抽出点(Xtp[1],Ytp[1])は、図28のルーチンで求めた第2抽出点である。M=0のときは、距離Dlは、図22の距離LD1に相当し、距離Drは、距離RD1に相当する。M=1のときは、距離Dlは、図22の距離LD2に相当し、距離Drは、距離RD2に相当する。
ステップS211にて、マルチメディアプロセッサ50は、距離Dlと距離Drとを比較する。ステップS213にて、マルチメディアプロセッサ50は、Dl>DrならばステップS215に進み、それ以外はステップS217に進む。
ステップS217では、マルチメディアプロセッサ50は、今回の左抽出点の位置(XL,YL)を、座標(Xtp[M],Ytp[M])とする。
一方、ステップS215では、マルチメディアプロセッサ50は、今回の右抽出点の位置(XR,YR)を、座標(Xtp[M],Ytp[M])とする。
ステップS219では、マルチメディアプロセッサ50は、「M」を1つインクリメントする。ステップS221にて、マルチメディアプロセッサ50は、M=2か否かを判断し、M=2であればリターンし、それ以外はステップS207に進む。
図26に戻って、ステップS71にて、マルチメディアプロセッサ50は、左抽出点(XL,YL)と右抽出点(XR,YR)との中点(XM,YM)を算出する。
そして、ステップS73にて、マルチメディアプロセッサ50は、検出した再帰反射シートの数を決定する処理を実行する。
図30は、図26のステップS73における検出シート数決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図30を参照して、ステップS241にて、マルチメディアプロセッサ50は、左抽出点のY座標YLと右抽出点のY座標YRとを比較する。ステップS243にて、マルチメディアプロセッサ50は、Y座標YLが大きい場合は、ステップS251に進み、それ以外はステップS247に進む。
ステップS251では、マルチメディアプロセッサ50は、差分画像を、その右上がりの対角線に沿ってスキャンする。一方、ステップS247では、マルチメディアプロセッサ50は、差分画像を、その右下がりの対角線に沿ってスキャンする。
ステップS253では、マルチメディアプロセッサ50は、ステップS247又はS251でのスキャンの結果、閾値ThL以下のピクセルを検出した場合は、2つの再帰反射シート15L及び15Rが撮影されたとみなして、ステップS255に進み、閾値ThL以下のピクセルを検出しなかった場合は、再帰反射シート15L及び15Rのうちのいずれか一方のみが検出されたとみなして、ステップS259に進む。
ステップS255では、マルチメディアプロセッサ50は、シート数フラグSNに「11」(2つの再帰反射シート15L及び15Rが撮影されたことを示す。)をセットする。そして、ステップS257にて、マルチメディアプロセッサ50は、左オープンフラグOL及び右オープンフラグORをオンする。一方、ステップS259では、マルチメディアプロセッサ50は、シート数フラグSNに「10」(再帰反射シート15L及び15Rのうちのいずれか一方のみが撮影されたことを示す。)をセットする。
図26に戻って、ステップS75にて、マルチメディアプロセッサ50は、再帰反射シート15L及び15Rのうちのいずれか一方のみが撮影された場合に、どちらが撮影されたかを特定する処理(1点特定処理)を実行する。
図31は、図26のステップS75における一点特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図31を参照して、ステップS271にて、マルチメディアプロセッサ50は、シート数フラグSNが「10」か否か、つまり、再帰反射シート15L及び15Rのうちのいずれか一方のみが撮影されたか否かを判断して、YESの場合、左右どちらの再帰反射シートかを特定するためにステップS273に進み、それ以外はリターンする。
ステップS273にて、マルチメディアプロセッサ50は、予測位置(Xnl,Ynl)と中点(XM,YM)との間の距離Dlmを算出する。ステップS275にて、マルチメディアプロセッサ50は、予測位置(Xnr,Ynr)と中点(XM,YM)との間の距離Drmを算出する。なお、中点(XM,YM)は、図26のステップS71で求めたものである。また、予測位置(Xnl,Ynl)は、図29のステップS201で求めたものである。予測位置(Xnr,Ynr)は、図29のステップS203で求めたものである。
ステップS277にて、マルチメディアプロセッサ50は、距離Dlmと距離Drmとを比較する。ステップS279にて、マルチメディアプロセッサ50は、Dlm>DrmならばステップS281に進み、それ以外はステップS285に進む。
ステップS281では、マルチメディアプロセッサ50は、今回の左抽出点の位置(XL,YL)を、座標(0,0)とし、今回の右抽出点の位置(XR,YR)を、座標(XM,YM)とする。そして、ステップS283にて、マルチメディアプロセッサ50は、左オープンフラグOLをオフにし、右オープンフラグORをオンにして、リターンする。
一方、ステップS285では、マルチメディアプロセッサ50は、今回の左抽出点の位置(XL,YL)を、座標(XM,YM)とし、今回の右抽出点の位置(XR,YR)を、座標(0,0)とする。そして、ステップS287にて、マルチメディアプロセッサ50は、左オープンフラグOLをオンにし、右オープンフラグORをオフにして、リターンする。
図26に戻って、ステップS77にて、マルチメディアプロセッサ50は、左抽出点(XL,YL)及び右抽出点(XR,YR)をスクリーン座標に変換してリターンする。なお、図27のステップS135に続く場合は、マルチメディアプロセッサ50は、左抽出点(XL,YL)及び右抽出点(XR,YR)をそれぞれ(0,0)として、スクリーン座標に変換する。
次に、図24のステップS25のキャッチ判定処理の詳細を説明する。
図32は、図24のステップS25におけるキャッチ判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図32を参照して、ステップS301にて、マルチメディアプロセッサ50は、左グリップトリガ及び右グリップトリガをオフにする。左グリップトリガは、入力状態でカーソル70Lがターゲットまで移動し、非入力状態にされた場合(プレイヤが入力装置3Lを装着した左手を握り締めることに相当)にオンするフラグのことである。右グリップトリガは、入力状態でカーソル70Rがターゲットまで移動し、非入力状態にされた場合(プレイヤが入力装置3Rを装着した右手を握り締めることに相当)にオンするフラグのことである。
ステップS303にて、マルチメディアプロセッサ50は、左オープンフラグOLがオンからオフへ遷移したか否かを判断し、遷移した場合は、プレイヤが左手を握り締めたとみなしてステップS305に進み、それ以外はステップS309に進む。ステップS305では、マルチメディアプロセッサ50は、直前の左抽出点がターゲット上に位置したか否かを判断し、位置した場合、ターゲットが握られたとみなしてステップS307に進む。ステップS307では、マルチメディアプロセッサ50は、左グリップトリガをオンにする。
ステップS309では、マルチメディアプロセッサ50は、右オープンフラグORがオンからオフへ遷移したか否かを判断し、遷移した場合は、プレイヤが右手を握り締めたとみなしてステップS311に進み、それ以外はリターンする。ステップS311では、マルチメディアプロセッサ50は、直前の右抽出点がターゲット上に位置したか否かを判断し、位置した場合、ターゲットが握られたとみなしてステップS313に進む。ステップS313では、マルチメディアプロセッサ50は、右グリップトリガをオンにしてリターンする。
次に、図24のステップS27の映像制御処理の詳細を説明する。
図33は、図24のステップS27における映像制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートが示す処理は、図5、図7、図8、図9、図10、図11、図12、及び図16の各モードを実行する際の処理である。
図33を参照して、ステップS331にて、マルチメディアプロセッサ50は、左グリップトリガ及び右グリップトリガを参照して、該当するモードに応じて、ターゲットを適切に握る処理が行われたか否かを判定及び評価する。ステップS333にて、マルチメディアプロセッサ50は、テレビジョンモニタ5に映し出された、あるいは、映し出すターゲットを制御(座標や画像データの設定等)する。ターゲットは、例えば、定位置オブジェクト100及び120、ターゲット110、図9及び図10の数字、蝶オブジェクト29,31及び33、37、感覚情報提示部37T,37B,37L及び37R、ボールオブジェクト74L及び74R、84、パネル86−1〜86−5、OKオブジェクト103、並びに方向ボタン130L及び130Rである。なお、ステップS331の結果に応じてターゲットに変化を与えることもできるし、ターゲットが握られたと判断した場合にターゲットに変化を与えることもできる。
ステップS335にて、マルチメディアプロセッサ50は、スクリーン座標に変換された左抽出点(XL,YL)に対応する位置にカーソル70Lの座標を設定し、スクリーン座標に変換された右抽出点(XR,YR)に対応する位置にカーソル70Rの座標を設定する。また、マルチメディアプロセッサ50は、左オープンフラグOLがオンの場合は、手の平を開いた形態のカーソル70Lの画像データを設定し、左オープンフラグOLがオフの場合は、手を握り締めた形態のカーソル70Lの画像データを設定する。さらに、マルチメディアプロセッサ50は、右オープンフラグORがオンの場合は、手の平を開いた形態のカーソル70Rの画像データを設定し、右オープンフラグORがオフの場合は、手を握り締めた形態のカーソル70Rの画像データを設定する。
ステップS337にて、マルチメディアプロセッサ50は、ステップS331の結果に従って、エフェクト画像を制御(座標や画像データの設定等)する。ステップS339にて、マルチメディアプロセッサ50は、上記以外の画像を制御(座標や画像データの設定等)する。例えば、この制御の対象となる画像は、背景画像並びに画像122,124,13,27,35,41,39及び91等である。
さて、以上のように、本実施の形態によれば、ユーザは、手の平を開いた状態でカーソルを移動し、ターゲットに重ね、そして、手を握り締めて、再帰反射シートを隠すことにより、ターゲット及び/又はカーソルに変化を与えることができる。つまり、ユーザは、カーソルをターゲットまで動かし、手を握り締めることによって、ターゲット及び/又はカーソルに変化を与えることができる。従って、ユーザは、あたかもターゲットを握るかのような操作によって入力を与えることができる。
図34は、図24のステップS27における映像制御処理の流れの他の例を示すフローチャートである。このフローチャートが示す処理は、図14のモードを実行する際の処理である。また、この場合、図24のステップS25はスキップしてよい。
図34を参照して、ステップS351にて、マルチメディアプロセッサ50は、操作オブジェクト63がボールオブジェクト(65R,65B,65Y及び65G)に当ったか否かを判定する。ステップS353にて、マルチメディアプロセッサ50は、左抽出点(XL,YL)及び右抽出点(XR,YR)に基づいて、操作オブジェクト63の上下方向の位置及び傾きを算出して、操作オブジェクト63の形態及び動きを制御(座標や画像データの設定等)する。
ステップS355にて、マルチメディアプロセッサ50は、ボールオブジェクトの出現及び移動を制御(座標や画像データの設定等)する。この場合、ステップS351の判定結果を参照し、操作オブジェクト63がボールオブジェクトに当った場合は、その時の操作オブジェクト63の傾き及び速度に応じた方向及び速度で、ボールオブジェクトを移動する。
ステップS357にて、マルチメディアプロセッサ50は、ステップS351の結果に基づいて、エフェクト画像を制御(座標や画像データの設定等)する。ステップS359にて、マルチメディアプロセッサ50は、上記以外の画像を制御(座標や画像データの設定等)する。例えば、この制御の対象となる画像は、背景画像並びに画像75R,75B,75Y,75G,69L,69R等である。
さて、以上のように、本実施の形態によれば、ユーザは、2個の入力装置3L及び3Rを動かすことによって、それらの位置関係に応じた形態に、操作オブジェクト63を変化させることができる。また、ユーザは、2個の入力装置3L及び3Rを動かすことによって、操作オブジェクト63に変化を与え、応じて、ボールオブジェクトに変化を与えることができる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような変形も可能である。
(1)透明体17の透明には、半透明や有色透明が含まれる。
(2)上記では、入力装置3に、中指を通す例を挙げたが、挿入する指及びその数はこれに限定されない。
(3)入力装置の形状は、上記した入力装置3の形状に限定されない。また、プレイヤが負荷状態で手を動かすことができるように、入力装置の内部に、所定重量の重りを内蔵することもできる。
(4)入力装置3に、再帰反射シート15のような反射部材を取り付ける代わりに、赤外発光ダイオードのような自発光装置を取り付けることもできる。この場合は、情報処理装置1には、赤外発光ダイオード9は不要である。また、入力装置を使用せずに、イメージセンサやCCDなどの撮像装置により、被写体を撮影し、画像解析して、動きを検出することもできる。
(5)フラッシュキャッチモードに関連して、定位置オブジェクト100の数及び配置は、図5のものに限定されない。また、定位置オブジェクト100の表示をせずに、マーカだけを表示していくこともできる。さらに、カーソル70L又は70Rをターゲットに重ねただけで選択を確定することもできる。つまり、プレイヤは、入力状態でカーソル70L及び70Rを動かすだけでよく、非入力状態にすることが不要である。
(6)ボールエスケープモードに関連して、オブジェクト102の速さは、可変でも一定でもよい。また、オブジェクト102を定位置から出現させることもできる。
(7)ナンバーキャッチモードに関連して、ターゲット110には数字を付したが、順番があるものであれば、これに限定されない。例えば、アルファベットやカタカナ等を付すことができる。さらに、カーソル70L又は70Rをターゲット110に重ねただけで選択を確定することもできる。つまり、プレイヤは、入力状態でカーソル70L及び70Rを動かすだけでよく、非入力状態にすることが不要である。
(8)短期記憶モードに関連して、定位置オブジェクト120の数及び配置は、図8のものに限定されない。また、上述のように、マーカの様々な出現態様を採用できる。さらに、上記では、最後に出題されたマーカの位置を示すことをプレイヤに指示したが、最後に限らず、最後から二番目や最初など、任意の時期を指示できる。さらに、決定ボタン124を表示せずに、定位置オブジェクト120にカーソル70L又は70Rを移動させ非入力状態にするだけで選択を確定することもできる。さらに、定位置オブジェクト120にカーソル70L又は70Rを移動させるだけで、選択を確定することもできる。
(9)上記では、カーソル70L及び70R等のカーソルを定位置オブジェクト100等のオブジェクトに重ね、さらに、非入力状態にすることにより、「握る」動作をプレイヤに行わせたが、単に、カーソルをオブジェクトに重ねるだけの操作を行わせることもできる。
(10)上記では、片手ずつプレイを行わせるモードをいくつか例示したが、操作に連動する2つのカーソルを表示して、両手を使ってプレイを行わせるようにすることもできる。
(11)蝶キャッチモードでは、蝶オブジェクト29,31及び33を動き回らせたが、どのような形状及び形態のものを動き回らせるかは任意に設定できる。
(12)バランスラインモードでは、移動オブジェクト66L等及び受け皿オブジェクト75L等に色を付して、その色を識別させたが、文字等をこれらに付して、文字等を識別させることもできる。また、それらの双方を記してもよい。さらに、ストループ効果を加えてもよい。
(13)シャッフルメモリモードでは、記憶の対象を図形としたが、これに限定されず、数字、文字、色、及び図画等、任意のものを対象とすることができる。
1…情報処理装置、3,3L,3R…入力装置、5…テレビジョンモニタ、9…赤外発光ダイオード、15,15L,15R…再帰反射シート、17,17L,17R…透明体、50…マルチメディアプロセッサ、52…外部メモリ,54…イメージセンサ、56…バス、70L,70R…カーソル、100,120…定位置オブジェクト、102…オブジェクト、104…出射口オブジェクト、106…矢印オブジェクト、110…ターゲット、122…指示部、124…決定ボタン、130L,130R…方向ボタン、132…選択対象。
Claims (7)
- 表示装置にターゲット画像を表示するステップと、
前記表示装置にカーソルを表示するステップと、
ユーザの手の平に装着された被写体を撮像するステップと、
前記撮像によって得られた前記被写体の像に基づいて、前記被写体の動きを検出するステップと、
前記検出された前記被写体の動きに応じて、前記カーソルを移動するステップと、
前記カーソルが前記ターゲット画像に重なった直後に、前記被写体の像が得られなかった場合に、前記ターゲット画像及び/又は前記カーソルに所定の変化を与えるステップと、を含む入力方法。 - 前記ターゲット画像は、任意の位置又は複数の所定位置のうちのいずれかの位置に、非表示の状態から出現する、請求項1記載の入力方法。
- 前記ターゲット画像は、任意の位置又は所定位置に予め静止して表示される、請求項1記載の入力方法。
- 前記ターゲット画像は、複数であり、複数の任意の位置又は複数の所定位置に予め静止して表示される、請求項1記載の入力方法。
- 前記ターゲット画像は、移動する動画像である、請求項1記載の入力方法。
- 表示装置に第1オブジェクトを表示するステップと、
複数の被写体を撮像するステップと、
前記撮像によって得られた前記複数の被写体の像に基づいて、前記複数の被写体の位置を検出するステップと、
前記検出された前記複数の被写体の位置関係に応じて、前記第1オブジェクトの形態を変化させるステップと、を含む入力方法。 - 前記表示装置に第2オブジェクトを表示するステップと、
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが所定の位置関係を満たした場合に、前記第2オブジェクトに変化を与えるステップと、をさらに含む請求項6記載の入力方法。
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2007
- 2007-04-24 JP JP2007114891A patent/JP2008134991A/ja active Pending
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