JP2008134396A - 偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

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Norimasa Yamada
憲昌 山田
Masayoshi Kumakura
昌義 熊倉
Masao Sugitani
雅夫 杉谷
Masanori Yoshihara
眞紀 吉原
Tetsuya Toyoshima
哲也 豊嶋
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Kyoritsu Chemical and Co Ltd
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Kyoritsu Chemical and Co Ltd
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Abstract

【課題】干渉縞等の光の干渉による視認不良の無い、耐擦傷性に優れ、高温高湿環境下においても偏光子と保護層とが剥離せず、高い偏光度を維持できる、液晶表示装置等に好適な偏光板を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂層がk個(kは2以上の整数)積層されてなり、且つ第i番目の熱可塑性樹脂層の380nm〜780nmの範囲の波長λにおける屈折率ni(λ)及び第i+1番目の熱可塑性樹脂層の380nm〜780nmの範囲の波長λにおける屈折率ni+1(λ)が式〔1〕(ただし、iは1〜k−1の整数を表す。)の関係を有する保護層と、偏光子とが、脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤を介して積層されてなる、偏光板。
【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板および液晶表示装置に関し、さらに詳細には、干渉縞等の光の干渉による視認不良の無い、耐擦傷性と防眩性に優れ、高温高湿環境下においても偏光子と保護層とが剥離せず、高い偏光度を維持できる偏光板および該液晶表示装置に関する。
液晶表示装置等に用いられる偏光板は、偏光子と保護フィルムとからなる積層体である。この偏光板を構成する偏光子としては、ポリビニルアルコールを溶液流延法により製膜したフィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させ、ホウ酸溶液中で延伸させたフィルムが通常使用されている。
一方、偏光板を構成する保護フィルムとしてトリアセチルセルロースフィルムが広く用いられている。しかし、トリアセチルセルロースフィルムは、防湿性とガスバリア性が悪いので、偏光板の耐久性、耐熱性、機械的強度などが不十分である。
偏光板の耐久性や耐熱性を向上させるために、トリアセチルセルロースフィルム以外の保護フィルムを使用することが提案されている。例えば、特許文献1には、ノルボルネン系樹脂層と、ヘイズの値が小さい樹脂層とからなる積層フィルムを保護フィルムとして用いることが提案されている。そして、この保護フィルムを、ポリビニルアルコールを含有してなる偏光子に、ノルボルネン系樹脂層の面を向けて、貼り付けて、偏光板を得ることが開示されている。
特開2005−115085号公報
また特許文献2には、トリアセチルセルロースよりも吸湿性が小さく正の光弾性定数を有する樹脂層と、トリアセチルセルロースよりも吸湿性が小さく負の光弾性定数を有する樹脂層とが積層された、光弾性定数が小さい保護フィルムが提案されている。そして、この保護フィルムをポリビニルアルコールを含有してなる偏光子に貼着してなる偏光板が開示されている。
特開2000−206303号公報
ところが、特許文献1や特許文献2に開示されている技術だけで得られる偏光板では、液晶表示装置等に取り付けたときに、干渉縞が生じたり、摩擦によって傷が付いたりして、観察側からの視認性が不良となることがあった。また、高温高湿下での使用によって偏光度が変化することがあった。
本発明の目的は、干渉縞等の光の干渉による視認不良の無い、耐擦傷性と防眩性に優れ、高温高湿環境下においても偏光子と保護層とが剥離せず、高い偏光度を維持できる、液晶表示装置等に好適な偏光板を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂層がk個(kは2以上の整数)積層されてなるフィルムであって、第i番目の熱可塑性樹脂層の380nm〜780nmの範囲の波長λにおける屈折率ni(λ)と、第i+1番目の熱可塑性樹脂層の380nm〜780nmの範囲の波長λにおける屈折率ni+1(λ)とが特定の関係を満足するフィルムと、偏光子とが、脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤を介して積層されてなる偏光板によって干渉縞等の光の干渉が生じ難くなること、高温高湿環境下においても偏光子と保護層とが剥離せず、高い偏光度を維持することを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明は、下記のものを含む。
(1) 熱可塑性樹脂層がk個(kは2以上の整数)積層されてなり、且つ第i番目の熱可塑性樹脂層の380nm〜780nmの範囲の波長λにおける屈折率ni(λ)及び第i+1番目の熱可塑性樹脂層の380nm〜780nmの範囲の波長λにおける屈折率ni+1(λ)が式〔1〕(ただし、iは1〜k−1の整数を表す。)の関係を有する保護層と、
偏光子とが、脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤を介して積層されてなる、
偏光板。
|ni(λ)−ni+1(λ)|≦0.05 式〔1〕
(2) 保護層は、光弾性係数の絶対値が10×10-12Pa-1以下である(1)に記載の偏光板。
(3) 保護層は紫外線吸収剤を含む(1)又は(2)に記載の液晶表示用偏光板。
(4) (1)〜(3)のいずれか一に記載の偏光板を備える液晶表示装置。
本発明の偏光板は、干渉縞等の光の干渉が起きにくく、摩擦による傷の発生が小さいので、表示画面に取り付けたときに視認性不良を生じ難い。
本発明の偏光板は、熱や変形による応力によって位相差が変化しにくいので、予測不能の好ましくない応力が加わっても、表示画面の縁近傍で、光漏れ、色むら、着色等が生じ難い。また過酷な環境下においても偏光子と保護層とが剥離することがほとんど無い。
本発明の偏光板は、コントラストが高く、スジ等が発生しない。また、可撓性、耐擦傷性に優れているので視認性が不良となることが無い。そして、本発明の偏光板は高温高湿環境下においても偏光子と保護層とが剥離せず、高い偏光度を維持するので、特に大面積の液晶表示装置等に好適である。
本実施例で用いた各樹脂層の屈折率n(λ)を示す図である。 本実施例で用いた各樹脂層の屈折率n(λ)の差の絶対値の分布を示す図である。 本実施例で用いたポリビニルアルコールの屈折率n(λ)とポリメチルメタクリレート層の屈折率n(λ)との差の絶対値の分布を示す図である。
符号の説明
COP:脂環式オレフィンポリマー、PC:ポリカーボネート樹脂、PMMA:ポリメチルメタクリレート樹脂、PVA:ポリビニルアルコール
本発明の偏光板は、熱可塑性樹脂層がk個(kは2以上の整数)積層されてなる保護層と、偏光子とが、脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤を介して積層されてなるものである。また、通常、偏光子には保護層が積層された側の反対側に別の保護層が積層される。
(光カチオン硬化型接着剤)
本発明に用いられる光カチオン硬化型接着剤は、脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含むものである。
本発明に用いられる脂肪族エポキシは、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルを含む。脂肪族エポキシとして、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。粘度が低い点からも、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテルが好ましい。脂肪族エポキシの市販品としては、エポライト100MF(共栄社化学社製、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル)、EX−321L(ナガセケムテックス社製、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル)などがある。
本発明に用いられる脂環式エポキシとして、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、1,2:8,9ジエポキシリモネン、3、4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートなどが挙げられる。市販品としては、ダイセル化学工業社製の「CEL2000」、「CEL3000」、「CEL2021P」などが挙げられる。
オキセタン化合物は、分子内に4員環エーテル、すなわちオキセタン環を有する化合物である。本発明に用いられるオキセタン化合物として、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス〔{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル〕ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン)、3−エチル−〔{(3−トリエトキシシリルプロポキシ)メチル)オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタンなどが挙げられる。これらのオキセタン化合物の中でも、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンが好ましい。オキセタン化合物の市販品としては、東亞合成社製の「OXT−101」(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン)、「OXT−211」(3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン)、「OXT−221」(ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル)、「OXT−212」(3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン)がある。
光重合開始剤として、スルホニウム塩やヨウドニウム塩が挙げられる。
スルホニウム塩として、例えば、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
ヨードニウム塩として、例えば、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で使用しても、又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの光重合開始剤の市販品には、例えば、ローディア社製「PI−2074」がある。
更に、必要に応じて光増感剤を接着剤に含有させてもよい。光増感剤を使用することで、反応性が向上し、硬化物の機械強度や接着強度を向上させることができる。
光増感剤は、特に限定されない。例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ及びジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。光増感剤として、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンのようなベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノンのようなアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドンのようなアクリドン誘導体;その他、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。また、これらは、単独で使用しても、又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。光増感剤の市販品には、例えば日本化薬社製「カヤキュアDETX−S」などが挙げられる。
本発明の偏光板は、保護層を上記光カチオン硬化型接着剤を介して偏光子の一面に貼合し、次いで該接着剤を硬化させ、保護層を偏光子に固定することによって得られる。
基材の樹脂フィルムへの接着剤の塗工方法に特別な限定は無く、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなど、種々の塗工方法が利用できる。
光カチオン硬化型接着剤の硬化は、光照射によって行う。用いる光源は特に限定されないが、例えばメタルハライドランプ、水銀キセノンランプ、高圧水銀、その他波長450〜300nmに発光分布を有する光を発するものを用いることができる。光照射強度は、目的とする接着剤や樹脂フィルムによって異なり、やはり限定されないが、開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が1〜2000mW/cm2(365nm)であるのが好ましい。光照射時間は、硬化する接着剤や樹脂フィルムによって異なり、やはり限定されないが、照射強度と照射時間との積として表される積算光量が1500〜3000mJ/cm2(365nm)となるようにするのが好ましい。
保護層の偏光子への貼合に先立って、貼合面に、ケン化処理、コロナ処理、プライマー処理、アンカーコーティング処理などの易接着処理が施されてもよい。
(保護層)
保護層は、熱可塑性樹脂層がk個(kは2以上の整数)積層されてなるものである。すなわち、保護層は、第1番目の熱可塑性樹脂層から第k番目の熱可塑性樹脂層までがこの順に積層されてなる。kは、通常2〜7、好ましくは3〜5である。
この保護層は、偏光板の少なくとも片面に配置する。この保護層は、偏光板の視認側保護層として機能しても良いし、液晶セル側保護層として機能しても良い。この保護層を偏光板の片面にのみ配置した場合、通常、反対側の面に他の保護層(以下、他面の保護層という)を配置する。
熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂は、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、および脂環式オレフィンポリマーなどから選択することができる。
脂環式オレフィンポリマーとしては、特開平05−310845号公報に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体、特開平05−97978号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン系開環重合体及びその水素添加物等を挙げることができる。なお、例示したすべての熱可塑性樹脂を本発明に適用できるということではなく、同種の熱可塑性樹脂の中には下記の要件を満たすものと満たさないものとがあるため、下記要件を満たすものを適宜選択する。
本発明に用いる熱可塑性樹脂は、顔料および染料等の着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、および溶剤などの配合剤が適宜配合されたものであってもよい。
滑剤としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、および硫酸ストロンチウムなどの無機粒子、ならびに、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、セルロースアセテート、およびセルロースアセテートプロピオネートなどの有機粒子が挙げられる。滑剤を構成する粒子としては、有機粒子が好ましく、この中でもポリメチルメタクリレート製の粒子が特に好ましい。
滑剤としては、ゴム状弾性体からなる弾性体粒子を用いることができる。ゴム状弾性体としては、アクリル酸エステル系ゴム状重合体、ブタジエンを主成分とするゴム状重合体、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。アクリル酸エステル系ゴム状重合体としては、ブチルアクリレ−ト、2−エチルヘキシルアクリレ−ト等を主成分とするものがある。これらのうち、ブチルアクリレ−トを主成分としたアクリル酸エステル系重合体およびブタジエンを主成分とするゴム状重合体が好ましい。弾性体粒子は、二種の重合体が層状になったものであってもよく、その代表例としては、ブチルアクリレ−ト等のアルキルアクリレ−トとスチレンのグラフト化ゴム弾性成分と、メチルメタクリレ−ト及び又はメチルメタクリレ−トとアルキルアクリレ−トの共重合体からなる硬質樹脂層とがコア−シェル構造で層を形成している弾性体粒子が挙げられる。
弾性体粒子は、熱可塑性樹脂中に分散した状態における数平均粒径が通常2.0μm以下、好ましくは0.1〜1.0μm、より好ましくは0.1〜0.5μmである。弾性体粒子の一次粒子径が小さくても、凝集などによって形成される二次粒子の数平均粒径が大きいと、保護層はヘイズ(曇り度)が高くなり、光線透過率が低くなるので、表示画面用には適さなくなる。また、数平均粒径が小さくなりすぎると可撓性が低下する傾向にある。
本発明において、弾性体粒子の波長380nm〜780nmにおける屈折率np(λ)は、マトリックスとなる熱可塑性樹脂の波長380nm〜780nmにおける屈折率nr(λ)との間に、式〔2〕の関係を満たすことが好ましい。
|np(λ)−nr(λ)| ≦ 0.05 式〔2〕
特に、|np(λ)−nr(λ)|≦0.045であることがより好ましい。なお、np(λ)及びnr(λ)は、波長λにおける主屈折率の平均値である。|np(λ)−nr(λ)|の値が上記値を超える場合には、界面での屈折率差によって生じる界面反射により、透明性を損なうおそれがある。
本発明に用いる熱可塑性樹脂は、1mm厚における、400〜700nmの可視領域の光の透過率が80%以上のものが好ましく、85%以上のものがより好ましく、90%以上のものがさらに好ましい。熱可塑性樹脂は、透明性の観点から非晶性の樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が60〜200℃であるものが好ましく、100〜180℃であるものがより好ましい。なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量分析(DSC)により測定できる。
本発明に用いる熱可塑性樹脂は、メルトフローレートの値が10〜100g/10分(280℃、荷重2.16kgf)の範囲に入る物から選択するのが好ましい。また、各層を構成する熱可塑性樹脂のメルトフローレートの値は同程度であることが好ましい。具体的には隣接する層を構成する熱可塑性樹脂のメルトフローレート値の差が、0〜30g/10分(280℃、荷重2.16kgf)であることが好ましい。
また、前記保護層に含まれる揮発性成分の含有量は少ない事が好ましい。揮発性成分の含有量を減らすための手段としては、(1)透明樹脂自体の揮発性成分量を少なくする;(2)溶融押出成形法により保護層を成形する;(3)保護層を成形する前に用いる透明樹脂を予備乾燥する;などの手段が挙げられる。予備乾燥は、例えば原料をペレットなどの形態にして、熱風乾燥機などで行われる。乾燥温度は100℃以上が好ましく、乾燥時間は2時間以上が好ましい。予備乾燥を行うことにより、保護層中の揮発成分量を低減させる事ができ、さらに押し出す透明樹脂の発泡を防ぐことができる。
保護層は、第i番目の熱可塑性樹脂層の380nm〜780nmの範囲の波長λにおける屈折率ni(λ)が、第i+1番目の熱可塑性樹脂層の380nm〜780nmの範囲の波長λにおける屈折率ni+1(λ)と、式〔1〕の関係を有する。
|ni(λ)−ni+1(λ)|≦0.05 式〔1〕
ただし、iは1〜k−1の整数を表す。特に、保護層は、|ni(λ)−ni+1(λ)|≦0.045の関係を満たすことがより好ましい。
なお、ni(λ)及びni+1(λ)は、波長λにおける主屈折率の平均値である。|ni(λ)−ni+1(λ)|の値が、i=1〜k−1の一部または全部の値に対して上記値を超える場合には、界面での屈折率差によって生じる界面反射により、保護層表面に干渉縞が生じるおそれがある。なお、相互に隣接する第i番目の熱可塑性樹脂層と第i+1番目の熱可塑性樹脂層とは直接に接していてもよいし、後述する接着層を介して接していてもよい。
保護層は、積層された熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1層の吸水率を0.5%以下とすることができ、さらには0.1%以下とすることができる。吸水率が低いものを保護層に用いることにより偏光板の耐久性を高めることができる。熱可塑性樹脂層の吸水率は、JIS K 7209により求めることができる。
本発明に用いる保護層は、光学的に等方であることが好ましく、具体的にはReは10nm以下が好ましく、より好ましくは5nm以下である。Rthはその絶対値が10nm以下であることが好ましく、より好ましくは5nm以下である。
なお、面内方向のレターデーションRe、厚さ方向のレターデーションRthは、フィルムの厚さをd(nm)とした際に、Re=(nx−ny)×d、Rth=((nx+ny)/2−nz)×dで示される値である。nx、nyは面内主屈折率(nx≧ny);nzは厚さ方向の屈折率;dは平均厚さである。
保護層を構成する各熱可塑性樹脂層のそれぞれの厚さは特に制限されないが、第k番目の熱可塑性樹脂層の厚さは、通常5〜100μmであり、好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは10〜50μmである。第1番目の熱可塑性樹脂層の厚さは、通常5〜100μmであり、好ましくは10〜50μmである。この際、第k番目の熱可塑性樹脂層の厚さと、第1番目の熱可塑性樹脂層の厚さとがほぼ等しいことが好ましい。具体的には、第1番目の熱可塑性樹脂層の厚さと第k番目の熱可塑性樹脂層の厚さとの差の絶対値が、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。
また、第1番目の熱可塑性樹脂層と第k番目の熱可塑性樹脂層との間に、必要に応じて設けられる中間の熱可塑性樹脂層の厚さは、通常5〜100μmであり、好ましくは10〜50μmである。中間の熱可塑性樹脂層の厚さと、第k番目の熱可塑性樹脂層の厚さまたは第1番目の熱可塑性樹脂層の厚さとの比(中間の層の厚さ:第1番目の層または第k番目の層の厚さ)は、特に制限されないが、5:1〜1:5であることが好ましい。
このような保護層全体の厚さは、通常20〜200μmであり、好ましくは40〜100μmである。
第1番目の熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂は、アクリル樹脂、脂環式オレフィンポリマー、及びポリカーボネート樹脂から選択したものが好ましく、特にポリメチルメタクリレート樹脂などのアクリル樹脂から選択したものが好ましい。
第k番目の熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂は、硬いものが好ましい。具体的には鉛筆硬度(JIS K 5600−5−4、但し試験荷重は500g)で、2Hより硬いものが好ましい。第k番目の熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂として、最も好ましいものはポリメチルメタクリレート樹脂などのアクリル樹脂から選択されるものである。
また、保護層を偏光子に設けて偏光板を構成した際に、偏光板の反り、湾曲、丸まりなどを防ぐために、第k番目の熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂と、第1番目の熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂とは、同じ種類の熱可塑性樹脂から選択することが好ましい。
積層された熱可塑性樹脂層は、それぞれが直接に接していても良いし、接着層を介して接していてもよい。接着層は、その平均厚さが、通常0.01〜30μm、好ましくは0.1〜15μmである。接着層は、JIS K 7113による引張り破壊強度が40MPa以下の層である。接着層を構成する接着剤としては、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、変性ポリオレフィン系接着剤、ポリビニルアルキルエーテル系接着剤、ゴム系接着剤、エチレン−酢酸ビニル系接着剤、塩化ビニル−酢酸ビニル系接着剤、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体)系接着剤、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)系接着剤、エチレン−スチレン共重合体などのエチレン系接着剤、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体などのアクリル酸エステル系接着剤などが挙げられる。これらの内、硬化後に所定の弾性を維持するものがより好ましく、そのような接着剤としては、SEBS系接着剤、SIS系接着剤、エチレン−酢酸ビニル系接着剤を挙げることができる。
本発明に用いる保護層の透湿度は、好ましくは5g・m-2day-1以上、400g・m-2day-1以下であり、より好ましくは10g・m-2day-1以上、200g・m-2day-1以下である。透湿度は、40℃、92%RHの環境下で、24時間放置する試験条件で、JIS Z 0208に記載のカップ法により測定できる。
保護層の透湿度を上記範囲にすることにより、高温・高湿環境下においても耐久性に優れた偏光板を得ることが可能となる。
また、保護層は、第i番目の熱可塑性樹脂層の引張弾性率をAi、第i+1番目の熱可塑性樹脂層の引張弾性率をAi+1とした際に、iのすべての値に対して、|Ai+1−Ai|≧0.5GPaとすることができる。このような構成とすることにより、干渉縞等による光学性能の低下を防止しつつ、当該保護フィルムが設けられた偏光板の強度および可撓性を高めることができる。第k番目の熱可塑性樹脂層の引張弾性率Akが3.0GPa以上とすることができる。第k番目の熱可塑性樹脂層の引張弾性率Akは、これに隣接する第k−1番目の熱可塑性樹脂層の引張弾性率Ak-1よりも大きいこととすることができる。また、第1番目の熱可塑性樹脂層の引張弾性率A1が3.0GPa以上とすることができる。
熱可塑性樹脂層が非晶質熱可塑性樹脂を含んでいることに加え、第i番目の熱可塑性樹脂層の湿度膨張係数βiと第i+1番目の熱可塑性樹脂層の湿度膨張係数βi+1とが特定の関係を満たすフィルムと、偏光子とを積層してなる偏光板は、高温高湿環境下においても偏光子と保護層とが剥離せず、高い偏光度を維持できる。
また、熱可塑性樹脂層の総積層数は、7層以下であることが好ましく、5層以下であることがより好ましい。このような積層数より多い場合には、各層の面状や厚さの制御が困難になるおそれがある。
また、保護層には、第k番目の熱可塑性樹脂層の表面に線状凹部や線状凸部が形成されず、表面が平らであることが好ましい。仮に、線状凹部や線状凸部が形成されていたとしても、深さが50nm未満、または、幅が500nmより大きい線状凹部や、高さが50nm未満、または、幅が500nmより大きい線状凸部であることが好ましい。より好ましくは、深さが30nm未満、または、幅が700nmの線状凹部であり、高さが30nm未満、または、幅が700nmより大きい線状凸部である。さらに、第1番目の熱可塑性樹脂層の表面にも、第k番目の熱可塑性樹脂と同様に、上述した線状凹部や線状凸部が形成されないことが好ましい。線状凹部や線状凸部が形成されないことにより、光漏れや光干渉などを防ぐことができる。
上述した線状凹部の深さや、線状凸部の高さ、及びこれらの幅は、次に述べる方法で求めることができる。保護層に光を照射して、透過光をスクリーンに映し、スクリーン上に現れる光の明又は暗の縞の有る部分(この部分は線状凹部の深さ及び線状凸部の高さが大きい部分である。)を30mm角で切り出す。切り出したフィルム片の表面を三次元表面構造解析顕微鏡(視野領域5mm×7mm)を用いて観察し、これを3次元画像に変換し、この3次元画像からMD方向の断面プロファイルを求める。断面プロファイルは視野領域で1mm間隔で求める。この断面プロファイルに、平均線を引き、この平均線から線状凹部の底までの長さが線状凹部深さ、または平均線から線状凸部の頂までの長さが線状凸部高さとなる。平均線とプロファイルとの交点間の距離が幅となる。これら線状凹部深さ及び線状凸部高さの測定値からそれぞれ最大値を求め、その最大値を示した線状凹部又は線状凸部の幅をそれぞれ求める。以上から求められた線状凹部深さ及び線状凸部高さの最大値、その最大値を示した線状凹部の幅及び線状凸部の幅を、そのフィルムの線状凹部の深さ、線状凸部の高さ及びそれらの幅とする。
このような大きさの線状凸部及び線状凹部を有しない熱可塑性樹脂層は、例えば、Tダイ式の押出成形法において、ダイのリップ部の表面粗さを小さくする、リップ先端部にクロム、ニッケル、チタンなどのメッキを施す、リップ先端部にセラミックスを溶射する、リップの内面にPVD(Phisical Vapor Deposition)法などによりTiN、TiAlN、TiC、CrN、DLC(ダイアモンド状カーボン)などの被膜を形成する、ダイから押し出された直後の溶融樹脂周りの温度分布、空気流れなどを均一に調整する、熱可塑性樹脂層を形成する樹脂としてメルトフローレート値が同程度のものを選択する、などの手段を行うことによって、またキャスト成形法において、表面粗さが小さいキャスト支持フィルムを用いる、塗布機の表面粗さを小さくする、さらに塗布層の乾燥時の温度分布、乾燥温度、乾燥時間を調整する、などの手段を行うことによって、得ることができる。
線状凹部や線状凸部の大きさを前記の範囲にするためのその他の手段としては、Tダイ式の押出成形法においては、ダイリップに付着しているもの(例えば、ヤケやごみ)を取り除く、ダイリップの離型性をあげる、ダイリップのぬれ性を全面にわたり均一にする、樹脂粉を減らす、樹脂ペレットの溶存酸素量を少なくする、溶融押出し機内にポリマーフィルターを設置するなどの方法が挙げられる。
保護層は、その製法によって特に制限されず、例えば、単層の熱可塑性樹脂フィルムを貼り合わせることによって得られたもの、複数の熱可塑性樹脂を共押出成形して得られたもの、熱可塑性樹脂フィルムに熱可塑性樹脂溶液をキャストして得られたものなどを挙げることができる。この中でも、生産性の観点から、本保護層は、共押出成形で得られたものが好ましい。共押出成形の場合には、複雑な工程(例えば、乾燥工程や塗工工程)が不要なので、ゴミなどの外部異物の混入が少なく光学特性に優れるフィルムを提供できる利点がある。
さらに本発明の偏光板は、保護層の外表面にハードコート層、反射防止層、防汚層などの機能層が形成されていても良い。特にこれらの層は、保護層が視認側保護層であるときにその機能を発揮する。
(ハードコート層)
ハードコート層は、JIS K 5600−5−4で示す鉛筆硬度試験(試験板はガラス板)で1Hまたはそれより硬い硬度を示す、熱や光硬化性の材料から形成されることが好ましい。ハードコート層が設けられた保護層の鉛筆硬度は4Hまたはそれより硬い硬度となることが好ましい。保護層の表面層がアクリル系樹脂で構成されている場合には、ハードコート層で、表面の鉛筆強度を4Hまたはそれより硬い硬度に調整することが容易である。
ハードコート層用材料としては、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系などの有機ハードコート材料;および、二酸化ケイ素などの無機ハードコート材料;などが挙げられる。なかでも、接着力が良好であり、生産性に優れる観点から、ウレタンアクリレート系および多官能アクリレート系ハードコート材料の使用が好ましい。
このハードコート層は、その屈折率nHが、その上に積層する低屈折率層の屈折率nLとの間に、nH≧1.53、及びnH 1/2−0.2<nL<nH 1/2+0.2、の関係を有することが、反射防止機能を発現させるために好ましい。
このハードコート層には、所望により、屈折率の調整、曲げ弾性率の向上、体積収縮率の安定化、耐熱性、帯電防止性、防眩性などの向上を図る目的で、各種フィラーを含有せしめてもよい。さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、レベリング剤、消泡剤などの各種添加剤を配合することもできる。
(反射防止層)
本発明の偏光板を例えばディスプレイの表示画面に用いる場合には、前記ハードコート層の上に、さらに反射防止層が積層されていることが好ましい。反射防止層は、外光の移りこみを防止するための層である。このような反射防止層が積層された偏光板は、入射角5°、430〜700nmにおける反射率が2.0%以下であるとともに、550nmにおける反射率が1.0%以下であることが好ましい。反射防止層の厚さは、0.01μm〜1μmが好ましく、0.02μm〜0.5μmがより好ましい。このような反射防止層としては、例えば、前記ハードコート層よりも屈折率の小さい、好ましくは屈折率が1.30〜1.45である低屈折率層を積層したもの、無機化合物からなる低屈折率層と無機化合物からなる高屈折率層とを繰り返し積層したもの、などを挙げることができる。
低屈折率層を形成する材料は、保護層又はハードコート層よりも屈折率の低いものであれば特に制限されないが、例えば、紫外線硬化型アクリル系樹脂等の樹脂系材料、樹脂中にコロイダルシリカ等の無機微粒子を分散させたハイブリッド系材料、テトラエトキシシラン等の金属アルコキシドを用いたゾル−ゲル系材料等が挙げられる。前記例示した低屈折率層を形成する材料は、重合済みのポリマーであってもよいし、前駆体となるモノマーまたはオリゴマーであってもよい。また、それぞれの材料は、表面に防汚染性を付与するためにフッ素基を含有する化合物を含むことが好ましい。
前記フッ素基を含有するゾル−ゲル系材料としては、パーフルオロアルキルアルコキシシランを例示できる。パーフルオロアルキルアルコキシシランとしては、たとえば、一般式:CF3(CF2nCH2CH2Si(OR)3(式中、Rは、炭素数1〜5個のアルキル基を示し、nは0〜12の整数を示す)で表される化合物が挙げられる。具体的には、たとえば、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらのなかでも前記nが2〜6の化合物が好ましい。
低屈折率層は、熱硬化性含フッ素化合物または電離放射線硬化型のフッ素化合物の硬化物からなることが好ましい。該硬化物の動摩擦係数は、好ましくは0.03〜0.15であり、水に対する接触角は好ましくは90〜120度である。硬化性の含フッ素高分子化合物としてはパーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)等の他、架橋性官能基を有する含フッ素共重合体が挙げられる。
架橋性官能基を有する含フッ素重合体はフッ素含有モノマーと架橋性官能基を有するモノマーとを共重合することによって、又はフッ素含有モノマーと官能基を有するモノマーとを共重合し次いで重合体中の官能基に架橋性官能基を有する化合物を付加させることによって得ることができる。
含フッ素モノマーとしては、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等のフルオロオレフィン類;「ビスコート6FM」(大阪有機化学社製)、「M−2020」(ダイキン社製)等の(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられる。
架橋性官能基を有するモノマー又は架橋性官能基を有する化合物としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基を有するモノマー;アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基を有するモノマー;ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレートなどのヒドロキシル基を有するモノマー;メチロールアクリレート、メチロールメタクリレート;アリルアクリレート、アリルメタクリレートなどのビニル基を有するモノマー;アミノ基を有するモノマー;スルホン酸基を有するモノマー;等を挙げることができる。
低屈折率層を形成するための材料としては、耐傷性を向上できる点で、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、フッ化マグネシウム等の微粒子をアルコール溶媒に分散したゾルが含まれたものを用いることができる。前記微粒子は、反射防止性の観点から、屈折率が低いものほど好ましい。このような微粒子は、空隙を有するものであってもよく、特にシリカ中空微粒子が好ましい。中空微粒子の平均粒径は、5nm〜2,000nmが好ましく、20nm〜100nmがより好ましい。ここで、平均粒径は、透過型電子顕微鏡観察によって求められる数平均粒径である。
低屈折率層の厚さは特に制限されないが、0.05〜0.3μm程度、特に0.1〜0.3μmとするのが好ましい。
(防汚層)
前記低屈折率層の防汚性を高めるために、前記低屈折率層の上にさらに防汚層を設けてもよい。防汚層は、表面に撥水性、撥油性、耐汗性、防汚性などを付与できる層である。防汚層を形成するために用いる材料としては、フッ素含有有機化合物が好適である。フッ素含有有機化合物としては、フルオロカーボン、パーフルオロシラン、又はこれらの高分子化合物などが挙げられる。また、防汚層の形成方法は、形成する材料に応じて、蒸着、スパッタリング等の物理的気相成長法、化学的気相成長法、湿式コーティング法等を用いることができる。防汚層の平均厚さは好ましくは1〜50nm、より好ましくは3〜35nmである。
また、これらの層の他に、さらに、防眩層、ガスバリア層、透明帯電防止層、プライマー層、電磁波遮蔽層、下塗り層等のその他の層を視認側保護層に設けてもよい。
以上のような機能層を形成する場合には、形成させる面に化学的処理を施すことが好ましい。化学的処理の手段としては、例えば、コロナ放電処理、スパッタ処理、低圧UV照射処理、プラズマ処理などが挙げられる。また、視認側保護層は、前記化学的処理に加えて、機能層との密着性強化や防眩性付与を目的として、エッチング、サンドブラスト、エンボスロール等による機械的処理が施されていても良い。
これらの機能層の形成方法に格別な限定はなく、各機能層の形成に一般的な方法を採用すればよい。
(偏光子)
本発明に用いる偏光子としては、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素若しくは二色性染料を吸着させた後、ホウ酸浴中で一軸延伸することによって得られるものや、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素もしくは二色性染料を吸着させ延伸し、さらに分子鎖中のポリビニルアルコール単位の一部をポリビニレン単位に変性することによって得られるものなど、を挙げることができる。また、偏光子として、グリッド偏光子、多層偏光子、コレステリック液晶偏光子などの偏光を反射光と透過光に分離する機能を有する偏光子を用いることもできる。この中でも、ポリビニルアルコールを含んでなる偏光子が好ましい。偏光子の偏光度は、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。偏光子の厚さ(平均厚さ)は、好ましくは5μm〜80μmである。
(他面の保護層)
偏光板に、上述した保護層が形成された面と反対の面に保護層(他面の保護層)を積層する場合、他面の保護層は、前述の保護層と同じものであってもよいし、従来から偏光板に用いられている保護層であってもよい。保護層に形成された保護層と他面の保護層とは、どちらかが視認側保護層として機能し、他方が液晶セル側保護層として機能することになる。
保護層は、1mm厚における、400〜700nmの可視領域の光線透過率が80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上の材料で形成したものが好適である。
本発明に用いる他面の保護層の透湿度は、好ましくは5g・m-2day-1以上、400g・m-2day-1以下であり、より好ましくは10g・m-2day-1以上、200g・m-2day-1以下である。
保護層の透湿度を上記範囲にすることにより、高温・高湿環境下においても耐久性に優れた偏光板を得ることが可能となる。
この従来から偏光板に用いられている保護層を構成する樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロースエステル、脂環式オレフィンポリマーなどを挙げることができる。脂環式オレフィンポリマーとしては、特開平05−310845号公報又は米国特許第5179171号公報に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体、特開平05−97978号公報又は米国特許第5202388号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報、国際公開99/20676号公報に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン開環重合体及びその水素添加物等を挙げることができる。
偏光子に他面の保護層を積層する方法に格別な制限はなく、例えば、他面の保護層となる保護フィルムを必要に応じて接着剤などを介して偏光子と積層する一般的方法を採用することができる。他面の保護層を偏光子に貼合する際の接着剤としては、前述の脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤を用いてもよいし、従来公知の接着剤であってもよい。
本発明の偏光板は、前述の保護層、偏光子、及び他面の保護層以外に、複屈折性を示すフィルムを積層することができる。このとき、複屈折性を示すフィルムは、液晶セル側保護層側に積層するのが一般的である。
この場合には、液晶セル側保護層は光学的に等方であることが好ましく、具体的にはReは10nm以下が好ましく、より好ましくは5nm以下である。Rthはその絶対値が10nm以下であることが好ましく、より好ましくは5nm以下である。
複屈折性を示すフィルムとしては、熱可塑性樹脂を含有するフィルムを延伸したもの、無延伸の熱可塑性樹脂フィルム上に光学異方性層を形成したもの、熱可塑性樹脂を含有するフィルム上に光学異方性層を形成した後、さらに延伸したもの等を挙げることができる。複屈折性を示すフィルムは、単層フィルムであっても、積層フィルムであってもよい。
また液晶セル側保護層として前記のような複屈折性を示すフィルムを用いてもよい。
複屈折性を示すフィルムを液晶セル側保護層として用いた場合、又は複屈折性を示すフィルムを液晶セル側保護層側に積層した場合には、色補償、視野角補償等の光学補償の機能を備え、液晶表示装置の視認性が向上する。
本発明の好ましい偏光板は、前記視認側保護層が第1番目の熱可塑性樹脂層を前記偏光子側に向けて積層されており、第1番目の熱可塑性樹脂層の、380nm〜780nmの範囲の波長における屈折率n1(λ)と、ポリビニルアルコールの、380nm〜780nmの範囲の波長における屈折率nb(λ)とが、式〔3〕の関係を満足するものである。
|n1(λ)−nb(λ)|≦0.05 式〔3〕
また、本発明の好ましい偏光板は、前記視認側保護層の第1番目の熱可塑性樹脂層が偏光子側に向いて積層されており、該第1番目の熱可塑性樹脂層の波長380nmにおける屈折率n1(380)及び波長780nmにおける屈折率n1(780)と、前記偏光子に含有させるポリビニルアルコールの波長380nmにおける屈折率nb(380)及び波長780nmにおける屈折率nb(780)とが、式〔4〕の関係を満足する。
||n1(380)−nb(380)|
−|n1(780)−nb(780)||≦0.02 式〔4〕
すなわち可視光領域の上限付近の波長における第1番目の熱可塑性樹脂層の屈折率と偏光子に含有されるポリビニルアルコールの屈折率との差が、下限付近の波長におけるその差と、それほど違わないということである。特に、||n1(380)−nb(380)|−|n1(780)−nb(780)||≦0.01であることが好ましい。なお、n1(380)、及びn1(780)はそれぞれの波長における主屈折率の平均値である。nb(380)及びnb(780)は無配向のポリビニルアルコールの屈折率である。
本発明の偏光板はJIS K 5600−5−4で示す鉛筆硬度試験(試験板はガラス板)で3Hまたはそれより硬い硬度を示すことが好ましく、4Hまたはそれより硬い硬度を示すことがより好ましい。
<液晶表示装置>
本発明の偏光板を用いて、本発明の液晶表示装置を製造することができる。液晶表示装置は、通常、光源と、入射側偏光板と、液晶セルと、出射側偏光板とがこの順に、配置されてなるものである。本発明の偏光板は、当該装置の出射側(視認側)および/または入射側(光源側)に備えることができるが、少なくとも出射側に本発明の偏光板を配置することが好ましい。なお、本発明の液晶表示装置には、さらに、位相差板、輝度向上フィルム、導光板、光拡散板、光拡散シート、集光シート、反射板などを備えていてもよい。
本発明について、実施例および比較例により、より詳細に説明する。なお、部及び%は特に断りが無い限り質量基準である。
実施例および比較例で得た保護フィルムを下記の方法により評価した。
<熱可塑性樹脂層の屈折率>
樹脂を単層成形し、プリズムカプラー(Metricon社製、model2010)を用い、温度20℃±2℃、湿度60±5%の条件下で、波長633nm、407nm、532nmにおける屈折率の値から、Caucyの分散式により、380nm及び780nmの屈折率を算出する。図1は各樹脂層の屈折率の波長に対する分布を示している。図2はポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)と脂環式オレフィンポリマー(COP)との屈折率の差の分布、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)とポリカーボネート(PC)との屈折率の差の分布を示している。図3はポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)とポリビニルアルコール(PVA)との屈折率の差の分布を示している。
<各樹脂層の膜厚>
保護フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトーム(大和工業社製、RUB−2100)を用いてスライスし、走査電子顕微鏡を用いて断面を観察し測定した。
<保護フィルムの透湿度>
40℃、92%RHの環境下に24時間放置する試験条件で、JIS Z 0208に記載のカップ法に準じた方法で測定した。透湿度の単位はg・m-2・day-1である。
<メルトフローレート>
JIS K 7210に準じ、280℃、2.16kgf(条件S)の条件にて、東洋精機製作所製、メルトインデクサF-B01により測定した。
<引張弾性率>
熱可塑性樹脂を単層成形して、厚み100μmのフィルムを得、1cm×25cmの試験片を切り出し、ASTM D 882に基づき、引張試験機(東洋ボールドウィン社製、テンシロンUTM−10T−PL)を用いて引張速度25mm/minの条件で測定した。同様の測定を5回行い、その算術平均値を引張弾性率の代表値とする。
(偏光子の作製)
波長380nmにおける屈折率が1.545、波長780nmにおける屈折率が1.521で、厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、2.5倍に一軸延伸し、ヨウ素0.2g/L及びヨウ化カリウム60g/Lを含む30℃の水溶液中に240秒間浸漬し、次いでホウ酸70g/L及びヨウ化カリウム30g/Lを含む水溶液に浸漬すると同時に6.0倍に一軸延伸して5分間保持した。最後に、室温で24時間乾燥し、平均厚さ30μmで、偏光度99.95%の偏光子Pを得た。
(保護フィルム1の作製)
ポリメチルメタクリレート樹脂(メルトフローレート18g/10分(280℃、2.16kgf)、引張弾性率3.3GPa、Tg=110℃、吸水率0.3%;以下「PMMA1」と記すことがある)を、目開き10μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを設置したダブルフライト型一軸押出機に投入し、押出機出口温度260℃で溶融樹脂をダイスリップの表面粗さRaが0.1μmであるマルチマニホールドダイの一方に供給した。
同時に、数平均粒径0.4μmの弾性体粒子を含むポリメチルメタクリレート樹脂(メルトフローレート20g/10分(280℃、2.16kgf)、引張弾性率2.8GPa、Tg=100℃、吸水率0.3%)に紫外線吸収剤を2重量%添加し、この紫外線吸収剤含有ポリメチルメタクリレート樹脂(以下、「PMMA2」と記すことがある)を、目開き10μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを設置したダブルフライト型の一軸押出機に導入し、押出機出口温度260℃で溶融樹脂をダイスリップの表面粗さRaが0.1μmであるマルチマニホールドダイの他方に供給した。
そして、溶融状態のポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA1)、紫外線吸収剤入りポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA2)のそれぞれをマルチマニホールドダイから260℃で吐出させ、130℃に温度調整された冷却ロールにキャストし、その後、50℃に温度調整された冷却ロールに通して、PMMA1層(15μm)−PMMA2層(50μm)−PMMA1層(15μm)の3層構成からなる、幅600mm、厚さ80μmの保護フィルム1を共押出成形により得た。この保護フィルム1の線状凹部の深さまたは線状凸部の高さは、20nm以下であり、かつ幅が800nm以上の範囲であり、透湿度は51g・m-2・day-1であった。
(保護フィルム2の作製)
ポリメチルメタクリレート樹脂(メルトフローレート18g/10分(280℃、2.16kgf)、引張弾性率3.3GPa、Tg=110℃、吸水率0.3%;以下、「PMMA」と記すことがある。)を、目開き10μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを設置したダブルフライト型一軸押出機(スクリュー有効長さLとスクリュー径Dとの比L/D=28)に装着されたホッパーへ投入し、押出機出口温度260℃、押出機のギヤポンプの回転数6rpmで溶融樹脂をダイスリップの表面粗さRaが0.1μmであるマルチマニホールドダイの一方に供給した。
同時に、脂環式オレフィンポリマー(ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物;メルトフローレート20g/10分(280℃、2.16kgf)、引張弾性率2.4GPa、Tg=110℃、吸水率0.01%未満;以下、「COP」と記すことがある。)を、目開き10μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを設置したダブルフライト型の一軸押出機に導入し、押出機出口温度260℃で溶融樹脂をダイスリップの表面粗さRaが0.1μmであるマルチマニホールドダイの他方に供給した。
そして、ポリメチルメタクリレート樹脂、脂環式オレフィンポリマー、及び接着剤としてエチレン−酢酸ビニル共重合体をそれぞれ、溶融状態でマルチマニホールドダイから260℃で吐出させ、130℃に温度調整された冷却ロールにキャストし、その後、50℃に温度調整された冷却ロールに通して、PMMA層(20μm)/接着層(4μm)/COP層(32μm)/接着層(4μm)/PMMA層(20μm)の3層構成(接着層を除く)からなる、幅600mm、厚さ80μmの保護フィルム2を共押出成形により得た。
PMMA層の波長380nmにおける屈折率は、いずれも1.512、波長780nmにおける屈折率は、1.488であった。また、COP層の波長380nmにおける屈折率は、いずれも1.555、波長780nmにおける屈折率は、1.529であった。得られた保護フィルム2のヘイズは0.1%以下であり、全光線透過率は93%であり、透湿度3.5はg・m-2・day-1であった。
(光カチオン硬化型接着剤組成物1の調製)
エポライト100MF(共栄社化学社製、脂肪族エポキシ化合物)100質量部、CEL3000(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ化合物)7.5質量部、OXT−221(東亞合成社製、オキセタン化合物)7.5質量部、PI2074(ローディア社製、光重合開始剤)3.8質量部、及びDETX−S(日本化薬社製、光増感剤)2.3質量部を容器中で均一な液体になるまで攪拌し光カチオン硬化型接着剤組成物1を調製した。
(光カチオン硬化型接着剤組成物2の調製)
エポライト100MF(共栄社化学社製、脂肪族エポキシ化合物)100質量部、CEL3000(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ化合物)7.5質量部、OXT−221(東亞合成社製、オキセタン化合物)7.5質量部、OXT−211(東亞合成社製、オキセタン化合物)7.5質量部、OXT−101(東亞合成社製、オキセタン化合物)5質量部、PI2074(ローディア社製、光重合開始剤)3.8質量部、及びDETX−S(日本化薬社製、光増感剤)2.3質量部を容器中で均一な液体になるまで攪拌し光カチオン硬化型接着剤組成物2を調製した。
実施例1
偏光子Pの両面に上記の光カチオン硬化型接着剤組成物1を塗布し、次いで保護フィルム1を重ね合わせ、ローラーにより押圧し、次いで、3000mJ/cm2(365nmメタルハライドランプ)の光を照射して偏光板1を得た。
実施例2
保護フィルム1に替えて、保護フィルム2を用いた以外は実施例1と同様にして偏光板2を得た。
実施例3
光カチオン硬化型接着剤組成物1に替えて、光カチオン硬化型接着剤組成物2を用いた以外は実施例1と同様にして偏光板3を得た。
比較例1
エピコートYX8000(ジャパンエポキシレジン社製、芳香族エポキシ化合物)100質量部、PI2074(ローディア社製、光重合開始剤)3.8質量部、及びDETX−S(日本化薬社製、光増感剤)2.3質量部を容器中で均一な液体になるまで攪拌し接着剤組成物3を調製した。
光カチオン硬化型接着剤組成物1に替えて、接着剤組成物3を用いた以外は実施例1と同様にして偏光板4を得た。
Figure 2008134396
<剥離試験>
偏光板から、幅15mm、長さ40mmの試験片を切り出し、保護フィルムと偏光子とを、手で剥がして剥離の状態を確認した。尚、表中「破壊」は剥離せず、加えられた力で破壊したことを意味する。
<偏光度変化>
10インチ四方の大きさに切り出した2枚の偏光板を用意し、偏光軸が平行になるように重ね合わせ偏光板の対角線交点における透過率(H0)をJIS Z 8701の2度視野(C光源)により、分光光度計を用いて測定した。次に偏光軸が直交するように重ね合わせ偏光板の対角線交点における透過率(H90)を同様にして測定した。この測定値から下記式に基づき偏光度を算出した。
偏光度(%)=[(H0−H90)/(H0+H90)]1/2×100
(H0及びH90は、視感度補正したY値である。)
次いで2枚の偏光板を下記の環境下に順次さらした後、同様にして偏光板の対角線交点における偏光度を求め、高温高湿下の放置前後での偏光度の変化を求めた。
1.高温環境:80℃、湿度50%、500時間
2.高温高湿度環境その1:温度60℃、湿度90%、500時間
3.高温高湿度環境その2:温度80℃、湿度90%、100時間
4.低温環境:−30℃、湿度10%、500時間
5.耐水環境:温度80℃、湿度90%にて、積層フィルム上にウエットティッシュを載せて30分放置する。
○:偏光度の変化幅が0.5以下
×:偏光度の変化幅が0.5を超えている
<耐湿性>
市販の液晶モニター(IPSモードの20V型液晶モニター)から、液晶セルを挟んでいる偏光板及び視野角補償フィルムのうち、視認側に設置されている、偏光板及び視野角補償フィルムを剥がし取り、実施例及び比較例で得た偏光板1〜3を液晶セルに再貼合した。
組みなおした液晶表示装置を、80℃、95%RHの恒温恒湿室に24時間放置し、次いで20℃、40%RHの恒温恒湿室に24時間放置する操作を20回繰り返した。保護層の各層間及び偏光子と保護層との間の積層状態を目視観察し、剥離して白く見える部分が偏光板の端から1mm以上の長さであれば×、1mm未満の長さであれば○として評価した。
<鉛筆硬度>
荷重を500gにした以外はJIS K 5600−5−4に従って、4Hの鉛筆で、保護フィルムの表面(防眩フィルムと接する面)を、5箇所について、5mm程度引っかき、傷の付き具合を確認した。
○:1箇所も傷がつかなかった。
×:1箇所以上傷がついた。
<偏光板の干渉縞観察>
暗幕のような光を通さない黒布の上に、偏光板を置き、三波長蛍光灯(松下電器産業社製、ナショナルFL20SS・ENW/18)で照らして、偏光板保護フィルム表面を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:干渉縞が見えない
△:干渉縞がうっすらと見える
×:干渉縞が目立つ
<色再現性>
上記組み立てなおした液晶テレビを、周囲明るさ500ルクスの環境下に設置し、画面表示を黒表示にしたときの、表示画面を目視観察して、以下の基準で評価した。
○:表示画面の色が黒
×:表示画面の色が青

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂層がk個(kは2以上の整数)積層されてなり、且つ第i番目の熱可塑性樹脂層の380nm〜780nmの範囲の波長λにおける屈折率ni(λ)及び第i+1番目の熱可塑性樹脂層の380nm〜780nmの範囲の波長λにおける屈折率ni+1(λ)が式〔1〕(ただし、iは1〜k−1の整数を表す。)の関係を有する保護層と、
    偏光子とが、
    脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤を介して積層されてなる、
    偏光板。
    |ni(λ)−ni+1(λ)|≦0.05 式〔1〕
  2. 保護層は、光弾性係数の絶対値が10×10-12Pa-1以下である請求項1に記載の偏光板。
  3. 保護層は紫外線吸収剤を含む請求項1又は2に記載の液晶表示用偏光板。
  4. 請求項1〜3のいずれか一に記載の偏光板を備える液晶表示装置。
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