JP2008132918A - 車両用電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

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秀亮 岡崎
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Abstract

【課題】操舵者の意思に反してステアリング装置の操舵速度を減少させるような力(粘性感)を取り除くことができ、車両のヨー運動を確実に収斂させるとともに、操舵フィーリングの向上を図ることができる。
【解決手段】コントロールユニット1は、操舵トルク信号T及び車速信号Vとに基づいて操舵補助指令値Iを演算し、モータ電流検出回路19でモータ電流値iを検出して、偏差(I−i)がゼロとなるようにモータ38の制御値Eを決定、モータの駆動電流を制御する。さらに、操舵角度演算器24でモータ角速度ωを基にして操舵角速度*θを算出し、ヨーレート微分演算器25により前記操舵角速度*θを微分して車両のヨーレートγの変化率を算出する。当該変化率は、ヨーレートフィードバックゲイン切換スイッチ263により操舵状態判定器25の判定結果に応じて異なる値が乗じられ減算器13にフィードバックされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両の操舵系にモータによる操舵補助力を付与する車両用電動パワーステアリング装置の制御装置に係り、特に車両のヨーレートの収斂性を確保することのできる車両用電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
ステアリング装置に対してモータの回転力により操舵補助力を付与して、操舵者の操舵を支援する車両用電動パワーステアリング装置では、モータの駆動力を、減速機とギアまたはベルト等の伝導機構を介してステアリングシャフト、あるいはラック軸に伝達している。このような車両用電動パワーステアリング装置は、アシストトルク(操舵補助力)を正確に発生させるために、モータ電流のフィードバック制御を行っている。このフィードバック制御は、電流制御値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータの印加電圧を制御するものであり、一般にPWM(パルス幅変調)制御におけるデュ−ティ比の調整で行っている。
ここで、図6〜8にしたがって、従来の車両用電動パワーステアリング装置について説明する。
図6は、従来の車両用電動パワーステアリング装置の一般的な概略構成を示す図である。当該車両用電動パワーステアリング装置では、図6に示すように、ステアリングホイール31の軸32は減速ギア33、ユニバーサルジョイント34aおよび34b、ラック&ピニオン35を経て車輪のタイロッド36に結合されている。軸32には、ステアリングホイール31の操舵トルクを検出するトルクセンサ37が付設されるとともに、ステアリングホイール31の操舵力を補助するモータ38が減速ギア33を介して結合されている。
従来の車両用電動パワーステアリング装置の制御装置であるコントロールユニット(ECU)50には、バッテリ39からイグニションキー40を介して電力が供給され、トルクセンサ37で検出された操舵トルク信号Tと、車速センサ41で検出された車速信号Vとに基づいて、アシスト指令の操舵補助指令値Iの演算を行い、この操舵補助指令値Iに基づいてモータ38を駆動するための電流(モータ出力トルクに相当)を制御する。
コントロールユニット50は主としてCPU、ROM、RAM、インターフェイス回路などから構成されており、システム内部に記憶されたプログラムを実行することによって車両用電動パワーステアリング装置を制御している。ここで、図7に従って、コントロールユニット50の概略構成を説明する。
図7に示すとおり、トルクセンサ37で検出された操舵トルク信号Tは、操舵系の安定性を高めるために位相補償器51で位相補償され、位相補償された操舵トルク信号TAが操舵補助指令値演算器52に入力される。また、車速センサ41で検出された車速信号Vも操舵補助指令値演算器52に入力される。操舵補助指令値演算器52は、入力された操舵トルク信号TAおよび車速センサ41で検出された車速信号Vとに基づいて、モータ38を駆動する操舵補助指令値(電流制御目標値)Iを決定する。当該操舵補助指令値Iは減算器53に入力されるとともに、フィードフォーワード系の微分補償器54に入力される。なお、当該微分補償器54により制御系の応答速度が高められる。
減算器53から出力される偏差(I−i)は、比例演算器55及び積分演算器56に入力され、その比例出力および積分出力はともに加算器57に入力される。ここで、積分演算器56はフィードバック系の特性を改善するためのものである。加算器57から出力される電流制御値Eは、モータ駆動信号としてモータ駆動回路58に入力され、モータ38の駆動電流iを生成する。これにより、モータ38は前記駆動電流iが供給されて、ステアリング装置に操舵補助力を伝達し、操舵支援を実現している。なお、前記駆動電流iはモータ電流検出回路59で検出され、検出されたモータ電流値iは減算器53にフィードバックされている。
図8は、モータ駆動回路58の概略構成を示す図である。図8に示すように、モータ駆動回路58はHブリッジ回路を構成する電界効果トランジスタFET1〜4と、加算器57から送られる電流制御値Eに基づいてFET1〜4の各ゲートを駆動するFETゲート駆動回路581と、FET1、2のハイサイド側を駆動する昇圧電源582と、モータ38に流れる電流を検出するためグランドとFET3、4との間に挿入される抵抗素子R1、R2とを備えている。
FET1、2は、電流制御値Eに基づいて決定されるデューティ比D1のPWM(パルス幅変調)信号によってON/OFFされ、実際にモータ38に流れる電流の大きさを制御する。FET3、4は、デューティ比D1の小さい領域では所定の1次関数式D2=a・D1+b(ただし、a,bは定数)で定義されるデューティ比D2のPWM信号で駆動され、デューティ比D2も100%に達した後は、PWM信号の符号により決定されるモータ38の回転方向に応じてON/OFFされる。
上述のような車両用電動パワーステアリング装置の制御装置において、操舵者がステアリング装置を急速に操作した際に適度な手応えを生じるようにした例として、車両のヨーレートの変化率を検出し、検出した変化率に基づいてヨーレートにダンピングを付与するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、モータの角速度の高周波成分を抽出した信号に基づいてステアリング系のダンピング(粘性摩擦)を補償する手段と、操舵トルク信号とモータ角速度とに基づいて操舵状態を判定する手段を備え、操舵状態に応じて粘性摩擦補償値の特性を切り換えるようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−95132号公報 特許第3527469号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の車両用電動パワーステアリング装置の制御装置では、ヨーレートに対し常時同じようなダンピングを付与している構成であり、ステアリング装置の切り増し時においてもヨーレートダンピング制御が働くこととなる。その結果、操舵者の意思とは反してステアリング装置の操舵速度を減少させるような力を感じ(粘性感)、操舵フィーリングが損なわれたと感じるきらいがあり、改善の余地があった。
一方、特許文献2に記載の車両用電動パワーステアリング装置の制御装置では、操舵状態に応じて粘性摩擦補償値の特性を切り換えるので、ステアリング装置の切り増し状態および切り戻し状態に応じてダンピング制御が機能するが、ヨーレートの変化率を考慮したものではないため、操舵フィーリングの点で問題があった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、操舵者の意思を阻害することなく、車両のヨー運動を確実に収斂させるとともに、操舵フィーリングの向上を図ることのできる車両用電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る車両用電動パワーステアリング装置の制御装置は、下記(1)〜(3)を特徴としている。
(1) ステアリングシャフトに発生する操舵トルクを基にして演算した操舵補助指令値と、モータの電流値を基にして演算した電流制御値とに基づいてモータ出力トルクを制御して、ステアリング機構に操舵補助力を付与する車両用電動パワーステアリング装置の制御装置において、
車両のヨーレートの変化率を検出するヨーレート変化率検出手段と、
前記ステアリング機構の操舵状態を判定する操舵状態判定手段と、を備え、
前記ヨーレート変化率検出手段によって検出されたヨーレートの変化率と、前記操舵状態判定手段によって判定されたステアリング装置の操舵状態とに基づいて、前記ヨーレートにダンピングを付与することを特徴とする。
(2) 上記(1)項に記載の車両用電動パワーステアリング装置の制御装置において、
前記ヨーレート変化率検出手段によって検出されたヨーレートの変化率に乗じるフィードバックゲイン値を切り換えるヨーレートフィードバックゲイン切換手段を備え、
当該ヨーレートフィードバックゲイン切換手段は、
前記操舵状態判定手段によって判定されたステアリング装置の操舵状態に基づいて前記フィードバックゲイン値を切り換えて、当該フィードバックゲイン値を前記ヨーレート変化率検出手段によって検出されたヨーレートの変化率に乗じて出力をし、当該出力をモータ出力トルクにフィードバックすることで、前記ヨーレートにダンピングを付与することを特徴とする。
(3) 上記(1)項または(2)項に記載の車両用電動パワーステアリング装置の制御装置において、
前記操舵状態判定手段は、
前記ステアリング装置の切り増し状態と切り戻し状態を判定するものであることを特徴とする。
本発明によれば、操舵者の意思に反してステアリング装置の操舵速度を減少させるような力(粘性感)を取り除くことができ、車両のヨー運動を確実に収斂させるとともに、操舵フィーリングの向上を図ることが可能な車両用電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る車両用電動パワーステアリング装置の制御装置の実施形態について、図面に従って説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車両用電動パワーステアリング装置の制御装置の概略構成を示すブロック図である。なお、上述した図6〜8で説明した構成と共通する部分の説明は、同一符号または相当符号を付すことで説明を簡略化あるいは省略する。
図1に示すように、車両用電動パワーステアリング装置の制御装置であるコントロールユニット1は、位相補償器51と、操舵補助指令値演算器52と、減算器13と、微分補償器54と、比例演算器55と、積分演算器56と、加算器57と、モータ駆動回路58と、モータ電流検出回路59と、モータ角速度推定器20と、ロストルク補償器21と、モータ角加速度推定器22と、慣性補償器23と、操舵角速度演算器24と、ヨーレート微分演算器25と、収斂性制御器26と、操舵状態判定器27とを備えている。また、当該コントロールユニット1に入力される操舵トルク信号Tと車速信号Vなどの外部から入力される信号は、前記コントロールユニット1で適宜演算処理できるように、例えば図示しないA/D変換器にてアナログ信号からデジタル信号に変換されている。なお、前記速度信号Vなどの信号は車両に搭載されているCANなどのデジタル通信回線を経由して、コントロールユニット1に入力されてもよい。また、これら信号は図示しない増幅器で増幅され、また図示しないローパスフィルタにて濾波処理が適宜施される。
前記モータ角速度推定器20は、前記モータ電流検出回路59から出力された電流検出値iと前記加算器から出力された電流制御値Eとが入力されて、当該電流検出値iと当該電流制御値Eとからモータ角速度ωを推定し、この結果を前記ロストルク補償器21と、前記操舵状態判定器27と、前記操舵角速度演算器24と、モータ角加速度推定器22とに出力する。
前記ロストルク補償器21は、減速ギア33のバックラッシュあるいは回路発熱などにより発生する前記モータ38の損失トルクを補償するものであり、当該損失トルクが発生する方向、即ちモータ38の回転方向に対して損失トルク相当を補償して、前記減算器13に出力する。
また、前記モータ角加速度推定器22は、入力されたモータ角速度ωを微分演算してモータ角加速度を求め、前記慣性補償器23に出力する。前記慣性補償器23は、当該モータ角加速度に基づき、ステアリングホール31やピニオンラック機構35やモータ38や減速ギア33などの駆動系に係る慣性系の変動に応じて前記制御操舵補助指令値Iを補正して、モータ出力トルクの変動を抑制する。これにより、操舵者に駆動系の慣性が伝達しないように働き、操舵フィーリングを向上させている。
さらに、前記操舵状態判定部27は、操舵トルク信号Tとモータ角速度ωとが入力され、この入力に基づいてステアリング装置の切り増し状態と切り戻し状態を判定する。この判定結果は、後述するヨーレートフィードバックゲイン切換スイッチ263に入力されて、前記ヨーレートγの変化率に乗じるフィードバックゲインを切り換えるために用いられる。
また、前記操舵角速度演算器24は、前記モータ角速度ωが入力されて、予め既知である減速器33の減速比などから操舵角速度*θを算出し、この結果をヨーレート微分演算器25に出力する。前記ヨーレート微分演算器25は、前記操舵角速度*θを微分演算することにより車両のヨーレートγの変化率を算出する。
前記収斂性制御器26は、前記ヨーレート微分演算器25により算出されたヨーレートγの変化率を、所定のフィードバックゲイン値G1で乗じる切り増し用増幅器261と、別の所定のフィードバックゲイン値G2(但し、G1<G2)で乗じる切り戻し用増幅器262と、前記操舵状態判定器27の判定に基づいて前記切り増し用増幅器261および前記切り戻し用増幅器262のいずれか一方に接続を切り換えるヨーレートフィードバックゲイン切換スイッチ263とから構成されている。即ち、前記収斂性制御器26では、ヨーレートフィードバックゲイン切換スイッチ263により操舵状態判定器25の判定結果に基づいて切り換えが実施されて、ステアリング装置が切り増し状態にあると判定された場合に切り増し用増幅器261と接続され、切り戻し状態と判定された場合に切り戻し用増幅器262と接続されて、それぞれ値の異なるフィードバックゲインを選択して出力している。なお、フィードバックゲイン値G1、G2は、後述するように、予め設定されるゲインと、車速センサ41により検出される車速信号Vとにより算出される値である。
このように出力された信号は、ヨーレートを収斂させるための収斂信号CNとして減算器13にフィードバックされ、ステアリング装置の切り増し状態と切り戻し状態とのそれぞれに応じて、ヨーレートγにダンピングを付与する。
次に、本発明の実施形態に係るコントロールユニット1の動作について、さらに図2〜4に従って説明する。
まず、図2に示すような車両のモデルを考え、ヨーレートγにダンピングを付与することについてより具体的に説明する。
操舵者のステアリングホイール31の操舵力をTh、モータ38が発生するモータ出力トルクのコラム軸換算値をTm、ラック&ピニオンの増速比をg、ステアリングイナーシャとモータイナーシャ、減速比等を含めた定数をJとすると、図2に示す自動車のモデルを伝達特性ブロックで示すと図3のようになる。ただし、sはラプラス演算子、a、a、b、b、c、c、cは車速Vに係るパラメータである。
図3において、操舵力Thを微小な値として、モータ出力トルクTmからヨーレートγまでの伝達特性を求めると、式(1)として簡略化して表すことができる。
Figure 2008132918
さらに、図4に示すように、モータ出力トルクTmにヨーレートγを帰還入力することにより所定のフィードバックを行う制御系を考えると、以下に示す式(2)が成り立つ。
Figure 2008132918
ここで、ヨーレートγに関するゲインをKdとして、P(s)=Kd・s/(b0・s+b1)とすると、式(2)は以下に示すような式(3)として表すことができる。
Figure 2008132918
ここで、ヨーレートγをフィードバックする式(3)と式(1)とを比較すると、式(1)における分母の第2項(sの1次の項)にゲインKdが新たに表出していることが分かる。これにより、操舵トルクTmからヨーレートγまでの伝達特性においてP(s)内のゲインKdを調整することにより、当該ゲインKdに応じたダンピングをヨーレートγに付与することができ、結果的に車両の収斂性を改善することができることがわかる。
ここで、さらに式(1)と式(3)とに基づいて展開すると、モータトルクTmへのフィードバック値は、以下に示すような式(4)として表すことができる。
Figure 2008132918
したがって、ヨーレートγの変化率(ヨーレートの微分値)*γ(s)をモータ出力トルクTmにフィードバックすることにより、ヨーレートγにダンピングを与えることができることが分かる。
したがって、本発明の実施形態に係るコントロールユニット1では、上述したゲインKdを複数用意してそれぞれ前記切り戻し用増幅器262と切り戻し用増幅器262の内部に予め設定しておき、前記ヨーレートフィードバックゲイン切換スイッチ263により前記操舵状態判定器27の判定結果に基づいて、操舵者が積極的にステアリング装置を操舵する切り増しの状態と、そうではない切り戻しの状態とに応じて異なる値に設定することで、ヨーレートγにダンピングを与えることができるとともに操舵者の意思を阻害することなく、車両のヨー運動を確実に収斂させるとともに操舵フィーリングの向上を図ることができる。
次に、図5に従って、操舵角速度演算器24、ヨーレート微分演算器25、操舵状態判定器25、ヨーレートフィードバックゲイン切換スイッチ263による切り換え動作について、フローチャートを用いて説明する。図5は、フィードバックゲインの切り換え動作を説明するためのフローチャートである。
まず、操舵角速度演算器24において、モータ角速度ωから操舵角速度*θを算出する(ステップS101)。なお、モータ角速度ωと操舵角速度*θはほぼ比例関係を有しており、したがってモータ角速度ωから容易に操舵角速度*θを求めることができる。
次に、ヨーレート微分演算器25において、前記操舵角速度24で算出した操舵角速度*θから車両のヨーレートγの変化率を算出する(ステップS102)。
なお、一般に操舵角θとヨーレートγの関係は、下記の式(5)となる。
Figure 2008132918
さらに、式(5)の両辺を微分すると、次の式(6)となる。
Figure 2008132918
このように、式(6)を用いることにより操舵角速度*θ(s)からヨーレートの変化率*γ(s)を求めることができる。
さらに、ステアリング装置の機械系のモータ出力トルクTm対操舵角θの伝達特性における固有振動数は、操舵角θ対ヨーレートγの固有振動数より約10倍高いので、操舵トルク信号Tは操舵角θにほぼ比例するとみなすことができる。従って、式(6)における*γ(s)に比例した信号を減算器13にフィードバックすることにより、ヨーレートγの変化率に同期した操舵角信号を発生することができ、結果としてヨーレートに対してダンピングを与えることが可能となることがわかる。
ステップS103では、操舵状態判定部25において、ステアリング装置が切り増し状態にあるか、又は切り戻し状態にあるかを判定する。この判定には、トルクセンサ2による操舵トルクTの方向とモータ角速度ωの方向が一致した場合を切り増し状態、不一致の場合を切り戻し状態とする方法を用いる。
ステップS103の手順でステアリング装置が切り増し状態にあると判定された場合は、ヨーレートフィードバックゲイン切換スイッチ263は切り増し用増幅器261と接続し、フィードバックゲイン値G1を選択して減算器13に出力する。
一方、ステップS103において、ステアリング装置が切り戻し状態にあると判定された場合は、ヨーレートフィードバックゲイン切換スイッチ263は切り戻し用増幅器262と接続し、フィードバックゲイン値G2を選択して減算器13に出力する(ステップS105)。
したがって、本実施形態によれば、ステアリング装置が切り増し状態にあるか、または切り戻し状態にあるかを判定し、判定結果に応じてフィードバックゲイン値を選択して減算器13に出力することにより、ステアリング装置の操舵手放し操舵などで重要となるヨーの収斂を確実に行うことができるとともに、操舵者の意思に反してステアリング装置の操舵速度を減少させるような力(粘性感)を取り除くことができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の様態はこれら実施形態に限られるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。例えば、本実施形態では処理の大部分をソフトウエアにて行っているが、その一部またはすべてをFPGA(Field Programable Gate Array)などのハードウエアで実現してもよい。また、ヨーレートγの変化率を操舵角速度*θを用いて算出したが、これに限らず、直接ヨーレートγを計測するようにしてもよい。
本実施形態では、PID制御を例示して説明を行ったが、特にこれに限らず、種々の制御系、例えばロバスト制御系にも適用可能である。
なお、本発明は電動パワーステアリング装置の形式(コラムタイプ、ピニオンタイプ、ラックタイプ)、モータの種類(ブラシ付き、ブラシレスなど)を問わず、全ての電動パワーステアリング装置に適用可能である。
本発明の実施形態に係る車両用電動パワーステアリング装置の制御装置の概略構成を示すブロック図である。 自動車をモデル化した図である。 図2に示す自動車のモデルを伝達特性ブロックで示す図である。 モータ出力トルクとヨーレートのフィードバックを含めた伝達特性を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る車両用電動パワーステアリング装置の制御装置のヨーレートゲインの切り換え動作を説明するためのフローチャートである。 従来の車両用電動パワーステアリング装置の概略構成を示す図である。 従来のコントロールユニットの一般的な概略構成を示す図である。 モータ駆動回路の一般的な概略構成を示す図である。
符号の説明
1,50 コントロールユニット
24 操舵角速度演算器(ヨーレート変化率検出手段)
25 ヨーレート微分演算器(ヨーレート変化率検出手段)
26 収斂性制御器
261 切り増し用増幅器
262 切り戻し用増幅器
263 ヨーレートフィードバックゲイン切換スイッチ(ヨーレートフィードバックゲイン切換手段)
27 操舵状態判定器(操舵状態判定手段)
36 モータ

Claims (3)

  1. ステアリングシャフトに発生する操舵トルクを基にして演算した操舵補助指令値と、モータの電流値を基にして演算した電流制御値とに基づいてモータ出力トルクを制御して、ステアリング機構に操舵補助力を付与する車両用電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    車両のヨーレートの変化率を検出するヨーレート変化率検出手段と、
    前記ステアリング機構の操舵状態を判定する操舵状態判定手段と、を備え、
    前記ヨーレート変化率検出手段によって検出されたヨーレートの変化率と、前記操舵状態判定手段によって判定されたステアリング装置の操舵状態とに基づいて、前記ヨーレートにダンピングを付与することを特徴とする車両用電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記ヨーレート変化率検出手段によって検出されたヨーレートの変化率に乗じるフィードバックゲイン値を切り換えるヨーレートフィードバックゲイン切換手段を備え、
    当該ヨーレートフィードバックゲイン切換手段は、
    前記操舵状態判定手段によって判定されたステアリング装置の操舵状態に基づいて前記フィードバックゲイン値を切り換えて、当該フィードバックゲイン値を前記ヨーレート変化率検出手段によって検出されたヨーレートの変化率に乗じて出力をし、当該出力をモータ出力トルクにフィードバックすることで、前記ヨーレートにダンピングを付与することを特徴とする請求項1に記載の車両用電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記操舵状態判定手段は、
    前記ステアリング装置の切り増し状態と切り戻し状態を判定するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用電動パワーステアリング装置の制御装置。
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