JP2008132752A - 押出成形機、押出成形方法及びハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

押出成形機、押出成形方法及びハニカム構造体の製造方法 Download PDF

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範彦 山村
Kazuya Naruse
和也 成瀬
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英司 角谷
Mitsunari Tajima
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Abstract

【課題】 スクリューの羽根部等の磨耗が少なく、長寿命であるとともに、欠陥等が発生する可能性が極めて低い成形体を作製可能な押出成形機、該押出成形機を用いた押出成形方法、及び、該押出成形機及び押出成形方法を用いたハニカム構造体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 密閉された空間内に配置され、成形材料を押し出す羽根部を有するスクリューと、押し出された成形材料を成形するダイスとを備えた押出成形機であって、上記空間内が減圧雰囲気に保たれるとともに、少なくとも上記羽根部には、高硬度被覆層が形成されていることを特徴とする押出成形機、該押出成形機を用いた押出成形方法、及び、該押出成形機及び押出成形方法を用いたハニカム構造体の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、押出成形機、押出成形方法及びハニカム構造体の製造方法に関する。
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有されるスス等のパティキュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
そこで、排ガス中のパティキュレートを捕集して、排ガスを浄化するフィルタとして多孔質セラミックからなるハニカム構造体を用いたハニカムフィルタが種々提案されている。
従来、ハニカム構造体を製造する際には、まず、原料粉末であるセラミック粉末とバインダとを乾式混合し、さらに分散媒液等を添加、混合して湿潤混合物を調製する。そして、この湿潤混合物をダイスにより連続的に押出成形し、押出された成形体を所定の長さに切断することにより、角柱形状のハニカム成形体を作製する。
次に、得られたハニカム成形体を、マイクロ波乾燥や熱風乾燥を利用して乾燥させ、乾燥後のハニカム成形体を、もう一度正確な長さに切断した後、所定のセルに目封じを施し、セルのいずれかの端部が封口材層により封止された状態のハニカム成形体を作製する。この後、このハニカム成形体の脱脂処理を行い、続いて脱脂後のハニカム成形体を焼成用治具に載置して焼成処理を行い、ハニカム焼成体を製造する。
この後、ハニカム焼成体の側面に空隙保持材を設置した後、シール材ペーストを塗布し、ハニカム焼成体同士を、空隙保持材を介した間隔で接着させるとともに、シール材層(接着剤層)を介してハニカム焼成体が多数結束した状態のハニカム焼成体の集合体を作製する。次に、得られたハニカム焼成体の集合体に、切削機等を用いて円柱、楕円柱等の所定の形状に切削加工を施してセラミックブロックを形成し、最後に、セラミックブロックの外周にシール材ペーストを塗布してシール材層(コート層)を形成することにより、ハニカム構造体の製造を終了する。
上記製造工程において、ハニカム成形体を作製する際には、形成された成形体が均一な組成を有する必要がある。そのため、通常は、上記のように、セラミック粉末とバインダとを乾式混合した後、混合機を用いて粉末混合物と液状の分散媒液とを混ぜ合わせながら混合した後、再度、スクリューを備えた押出成形機で混合を行い、ダイスにより押出成形を行っている。
しかしながら、通常の押出成形機では、セラミック粉末を含む湿潤混合物をスクリューで混合すると、スクリューを構成する羽根部がセラミック粉末により磨耗し、短期間のうちにスクリューを取り替えなければならないという問題があった。
また、押出成形機の内部が常圧であると、スクリューによる混合時等に湿潤混合物内部にエアーを噛み込み易く、内部に気泡を有する成形体が作製されてしまう場合があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、スクリューの羽根部等の磨耗が少なく、長寿命であるとともに、欠陥等が発生する可能性が極めて低い成形体を作製可能な押出成形機、該押出成形機を用いた押出成形方法、及び、該押出成形機及び押出成形方法を用いたハニカム構造体の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の押出成形機は、密閉された空間内に配置され、成形材料を押し出す羽根部を有するスクリューと、押し出された成形材料を成形するダイスとを備えた押出成形機であって、
上記空間内が減圧雰囲気に保たれるとともに、少なくとも上記羽根部には、高硬度被覆層が形成されていることを特徴とする。
上記押出成形機において、上記高硬度被覆層の主成分は、タングステンカーバイドであることが望ましく、上記高硬度被覆層の表面粗さRaは、10μm以下であることが望ましい。また、上記高硬度被覆層の気孔率は、0.3%以下であることが望ましく、上記高硬度被覆層の表面における凹部の最大寸法は、1〜50μmであることが望ましい。
また、上述したように、上記高硬度被覆層の主成分がタングステンカーバイドである場合、上記高硬度被覆層を形成するためのバインダは、ニッケルであることが望ましい。
また、上記押出成形機は、複数のスクリューと、上記複数のスクリューと同数のダイスとを備え、成形材料が一のスクリュー及びダイスにより、押し出された後、別のスクリュー及びダイスにより、再度、押し出されるように構成されていることが望ましく、また、上記押出成形機は、上記一のスクリュー及びダイスを介して押し出された成形材料を切断する、切断部材を備えていることが望ましい。
本発明の押出成形方法は、密閉された空間内に配置され、成形材料を押し出す羽根部を有するスクリューと、押し出された成形材料を成形するダイスとを備えた押出成形機を使用し、無機粉末を含む湿潤混合物を混合するとともに、上記空間の出口に設けられた上記ダイスを介して、上記湿潤混合物を連続的に押し出すことにより、柱形状の成形体を連続的に成形する押出成形方法であって、
上記空間内が減圧雰囲気に保たれるとともに、少なくとも上記羽根部には、高硬度被覆層が形成されていることを特徴とする。
上記押出成形方法において、上記高硬度被覆層の主成分は、タングステンカーバイドであることが望ましく、上記高硬度被覆層の表面粗さRaは、10μm以下であることが望ましい。また、上記高硬度被覆層の気孔率は、0.3%以下であることが望ましく、上記高硬度被覆層の表面における凹部の最大寸法は、1〜50μmであることが望ましい。
また、上述したように、上記高硬度被覆層の主成分がタングステンカーバイドである場合、上記高硬度被覆層を形成するためのバインダは、ニッケルであることが望ましい。
また、上記押出成形方法において、上記空間内の圧力は、大気圧よりも50〜100kPa低いことが望ましく、上記湿潤混合物の水分量は、10〜20重量%であることが望ましい。
また、上記押出成形方法において、上記押出成形機は、複数のスクリューと、上記複数のスクリューと同数のダイスとを備え、一のスクリューにより混合された後、一のダイスを介して連続的に押し出された湿潤混合物を、別のスクリューにより再度混合し、別のダイスを介して連続的に押し出すことが望ましい。
また、上記押出成形方法において、上記押出成形機は、上記一のスクリュー及びダイスを介して押し出された成形材料を切断する、切断部材を備えていることが望ましい。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、無機粉末を含む湿潤混合物を湿式混合により得た後、この湿潤混合物を成形する押出成形工程を行うことにより、長手方向を貫通する多数のセルがセル壁を隔てて並設された柱状のハニカム成形体を作製し、上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
上記押出成形工程は、密閉された空間内に配置され、成形材料を押し出す羽根部を有し、少なくとも上記羽根部に高硬度被覆層が形成されたスクリューと、ダイスとを備えた押出成形機を使用し、
上記空間内を減圧雰囲気に保ちつつ、上記湿潤混合物を混合するとともに、上記空間の出口に設けられた上記ダイスを介して、上記湿潤混合物を連続的に押し出すことにより行うことを特徴とする。
上記ハニカム構造体の製造方法において、上記高硬度被覆層の主成分は、タングステンカーバイドであることが望ましく、上記高硬度被覆層の表面粗さRaは、10μm以下であることが望ましい。また、上記高硬度被覆層の気孔率は、0.3%以下であることが望ましく、上記高硬度被覆層の表面における凹部の最大寸法は、1〜50μmであることが望ましい。
また、上述したように、上記高硬度被覆層の主成分がタングステンカーバイドである場合、上記高硬度被覆層を形成するためのバインダは、ニッケルであることが望ましい。
また、上記ハニカム構造体の製造方法において、上記空間内の圧力は、大気圧よりも50〜100kPa低いことが望ましい。また、上記湿潤混合物の水分量は、10〜20重量%であることが望ましい。
上記ハニカム構造体の製造方法において、上記押出成形機は、複数のスクリューと、上記複数のスクリューと同数のダイスとを備え、一のスクリューにより混合した後、一のダイスを介して連続的に押し出した湿潤混合物を、別のスクリューにより再度混合し、別のダイスを介して連続的に押し出すことが望ましい。
また、上記ハニカム構造体の製造方法において、上記押出成形機は、上記一のスクリュー及びダイスを介して押し出された成形材料を切断する、切断部材を備えていることが望ましい。
本発明の押出成形機によれば、密閉された空間内が減圧雰囲気に保たれているので、スクリューにより湿潤混合物の混練を行っても、内部に気孔を噛み込むことはなく、均一な組成となるとともに、物理的にも均一化され、形状や組成に偏りがなく、ほぼ設定通りの形状の成形体を作製することができる。
また、少なくとも上記羽根部には、高硬度被覆層が形成されているので、セラミック粉末を含む湿潤混合物を混練しても、羽根部の磨耗が少なく、長期間にわたってスクリュー等の部品を取り替えることなく、効率良く成形体を作製し続けることができる。
また、本発明の押出成形方法によれば、密閉された空間内が減圧雰囲気に保たれた上記押出成形機を用いて柱形状の成形体を連続的に成形するので、スクリューにより湿潤混合物の混練を行っても、内部に気孔を噛み込むことはなく、均一な組成となるとともに、物理的にも均一化され、形状や組成に偏りがなく、ほぼ設定通りの形状の成形体を作製することができる。
また、少なくとも上記羽根部には、高硬度被覆層が形成されているので、セラミック粉末を含む湿潤混合物を混練しても、羽根部の磨耗が少なく、長期間にわたってスクリュー等の部品を取り替えることなく、効率良く成形体を作製し続けることができる。
さらに、本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、上述の押出成形機及び押出成形方法を使用してハニカム成形体を作製するので、スクリューにより湿潤混合物の混練を行っても、内部に気孔を噛み込むことはなく、均一な組成となるとともに、物理的にも均一化され、形状や組成に偏りがなく、ほぼ設定通りの形状のハニカム成形体を作製することができ、このハニカム成形体を用いてほぼ設計した特性を有するハニカム構造体を製造することができる。
また、押出成形機の少なくとも上記羽根部には、高硬度被覆層が形成されているので、セラミック粉末を含む湿潤混合物を混練しても、羽根部の磨耗が少なく、長期間にわたってスクリュー等の部品を取り替えることなく、効率良くセラミック成形体を作製し続けることができる。
本発明の押出成形機は、密閉した空間内に配置され、成形材料を押し出す羽根部を有するスクリューと、押し出された成形材料を成形するダイスとを備えた押出成形機であって、
上記空間内が減圧雰囲気に保たれるとともに、少なくとも上記羽根部には、高硬度被覆層が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の押出成形方法は、密閉された空間内に配置され、成形材料を押し出す羽根部を有するスクリューと、押し出された成形材料を成形するダイスとを備えた押出成形機を使用し、無機粉末を含む湿潤混合物を混合するとともに、上記空間の出口に設けられた上記ダイスを介して、上記湿潤混合物を連続的に押し出すことにより、柱形状の成形体を連続的に成形する押出成形方法であって、
上記空間内が減圧雰囲気に保たれるとともに、少なくとも上記羽根部には、高硬度被覆層が形成されていることを特徴とする。
以下、本発明の押出成形機及び押出成形方法について説明する。
本発明で用いられる湿潤混合物に含まれる無機粉末の材料は特に限定されるものではなく、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック等が挙げられる。
これらのなかでは、非酸化物セラミックが好ましく、炭化ケイ素が特に好ましい。耐熱性、機械強度、熱伝導率等に優れるからである。
なお、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等も挙げられ、例えば、炭化ケイ素に金属ケイ素を配合したものも好適に用いられる。この場合には、炭化ケイ素粉末と金属ケイ素粉末とを用いて、セラミック成形体を作製する。
上記湿潤混合物中には、有機バインダ、分散媒液等が含まれている。さらに、上記湿潤混合物中には、可塑剤や潤滑剤が含まれていてもよい。
上記有機バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらのなかでは、メチルセルロースが望ましい。
上記有機バインダの配合量は、セラミック粉末100重量部に対して、1〜10重量部が望ましい。
上記分散媒液としては、特に限定されず、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。
水を分散媒液として用いる場合、湿潤混合物中の水分量の望ましい下限は、10重量%であり、より望ましい下限は、12重量%である。湿潤混合物中の水分量の望ましい上限は、20重量%であり、より望ましい上限は、15重量%である。水分量が10重量%未満では、成形体にクラック等が入りやすくなり、一方、水分量が20重量%を超えると、押出された成形体が乾燥するまでに一定の形状を保持することが困難になる。
また、作製される成形体の水分量もまた、上記範囲にあることが望ましい。
そのため、成形機内を冷却しながら湿潤混合物を混合することにより、湿潤混合物中の水分量の変化を防止することが望ましい。水分量を一定にすることにより、湿潤混合物の粘度を一定に保つことができるからである。
上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、グリセリン等が挙げられる。
また、上記潤滑剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。
潤滑剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
図1は、本発明に係る押出成形機を模式的に示す断面図であり、図2(a)は、上記押出成形機を構成するカッタの近傍を模式的に示す縦断面図であり、図2(b)は、そのA−A線断面図である。
図3は、押出成形機を構成する混練押込ローラを模式的に示す斜視図であり、図4は、上段スクリューを構成する、からみスクリューを模式的に示す正面図であり、図5は、先端W羽根スクリューを示す正面図である。
この押出成形機20は、内部にスクリューシャフトとスクリュー羽根(羽根部)とを備えたスクリューが設けられた、上段スクリュー混合機51及び下段スクリュー混合機61の2段のスクリュー混合機を備えている。
上段スクリュー混合機51の一端部には、前もって混合された原料の湿潤混合物を受け入れる投入ホッパー31が設けられるとともに、投入ホッパー31の下の受け入れ口59には、湿潤混合物を上段スクリュー混合機51の内部に押し込むための混練押込ローラ52が設けられている。
この混練押込ローラ52は、図3に示すように、ローラの回転方向に垂直に設けられた羽根を有する一対の混練押込ローラ52a、52bからなり、投入ホッパー31を介して落下した湿潤混合物を、混練しながら一対の混練押込ローラ52a、52bの間に押し込んだ後、下側に押し出すように内側方向に回転し、湿潤混合物を上段スクリュー混合機51の内部に供給する。
上段スクリュー混合機51は、混練とともに湿潤混合物を移動させる役割を有するフィードスクリュー530と、その先端に設けられ、主に湿潤混合物を混練するためのからみスクリュー532(図4参照)と、さらにその先に設けられたW羽根スクリュー534(図5参照)からなる上段スクリュー53を備えている。フィードスクリュー530では、スクリューシャフト530aに、らせん状にスクリュー羽根(羽根部)530bが巻きついており、この羽根により混練を行うとともに湿潤混合物を前方に押し出す。
からみスクリュー532では、図4に示すように、スクリューシャフト532aの周方向に環を形成するように複数のスクリュー羽根(羽根部)532bが形成されるとともに、その一部が斜め方向に切断され、スクリュー羽根(羽根部)532bのない部分が存在する。この部分を湿潤混合物が通過することにより、混練がさらに進行する。
また、図5に示すように、W羽根スクリュー534は、スクリュー羽根(羽根部)534bが二重らせん状になるとともに、先端のスクリューシャフト534aが急激に細くなっており、定量的に湿潤混合物を押し出すことができるようになっている。
上段スクリュー混合機51の他端には、多数の貫通孔が形成された上段ダイス(口金)54(図2(a)、(b)参照)が設置されており、湿潤混合物は、W羽根スクリュー534を経た後、この上段ダイス54に押し込まれ、湿潤混合物が棒状又はうどん麺のような状態で押し出される。
図2(a)、(b)に示すように、上段ダイス54の湿潤混合物が押し出される部分には、減圧室56が設けられており、その内部は、真空に近い減圧状態となっている。なお、減圧室56は、密閉された空間の一部である。
また、上段スクリュー混合機51及び下段スクリュー混合機61の内部も減圧に保たれている。湿潤混合物の内部に泡(空気)を噛み込まないようにするためである。湿潤混合物の内部に泡を噛み込んでしまうと、成形体を作製した際に、隔壁部分等に泡に起因した欠陥が生じやすくなる。
また、減圧室56の内部であって、上段ダイス54の近傍には、切断部材としての上段カッタ55が設けられている。すなわち、上段カッタ55の刃55aは、減圧室56の内部に存在し、減圧室56に設けられたエアーシリンダ57により、刃の部分が上段ダイス54の近傍を上下に往復運動し、上段ダイス54よりうどん麺状(棒状)に押し出された湿潤混合物を細かい塊となるように切断する。
切断された多数の小さな塊は、直ぐ下の下段スクリュー混合機61の受け入れ口69に落ち、混練押込ローラ62により下段スクリュー混合機61の内部に押し込まれる。
下段スクリュー混合機61は、フィードスクリュー630とその先に設けられたW羽根スクリュー634とからなる下段スクリュー63を備え、先端部分で定量的にダイス64に押し込まれる。
このように、混練を繰り返すことにより、混合が充分に進行し、水分や組成等に関して均一な混合物となってダイス64から連続的に押出され、長手方向に多数のセルが形成された四角柱形状の成形体が連続的に形成される。
図1に示した押出成形機20では、スクリュー混合機を2台設けて、混練を行っている。本発明において、スクリュー混合機の台数は特に限定されるものではないが、2〜4台が望ましい。1台では、充分に混練することが難しくなる場合があり、5台以上設けても、混練の度合いは大きく変わらず、経済的に不利となる。
また、図1に示した押出成形機20では、湿潤混合物が混練押込ローラによりスクリュー混合機に押し込まれているが、他の手段によりスクリュー混合機に押し込まれてもよく、単に投入ホッパーが形成されているのみでもよい。また、スクリュー混合機の内部の設けられたスクリューの組み合わせは、上述した組み合わせには限定されず、例えば、フィールドスクリューのみから構成されていてもよく、その他の組み合わせでもよい。
この押出成形機20において、上段スクリュー53及び下段スクリュー63の少なくともスクリュー羽根(羽根部)には、高硬度被覆層が形成され、摩耗が防止されている。羽根部が最も湿潤混合物と接触しやすく、磨耗し易いからである。
また、上段スクリュー53、下段スクリュー63のいずれにも、全面に高硬度被覆層が形成されていることが望ましい。スクリューの全体の磨耗を防止することができるからである。
また、高硬度被覆層の厚さの望ましい下限は、300μmであり、より望ましい下限は、500μmである。また、高硬度被覆層の厚さの望ましい上限は、1200μmであり、より望ましい上限は、1000μmである。
上記厚さが300μm未満であると、充分な耐磨耗性を確保することができない場合があり、一方、1000μmを超えると、剥がれや亀裂が発生することがあるからである。
上記スクリューの材料は、例えば、ステンレス等であり、上記高硬度被覆層は上記スクリューの材料よりも硬度が高い。
上記高硬度被覆層とは、本発明では、JIS Z 2244に準拠して測定したビッカース硬さ(HV)が1000以上のものをいう。
上記高硬度被覆層のビッカース硬さは、1000(HV)以上であればよいが、2000(HV)以上がさらに望ましい。耐磨耗性に特に優れることとなるからである。
上記高硬度被覆層の主成分としては、セラミックコーティング材、工業用ダイヤモンド、めっき被膜等が挙げられ、その具体的な材質としては、例えば、タングステンカーバイド(HV:2500)、チタンカーバイド(HV:3600)、窒化チタン(HV:1800〜2500)、立方晶窒化ホウ素(HV:2700)、CVDダイヤモンド(HV:2500〜4000)、DLC(ダイヤモンドライクカーボン/HV:2000〜4000)、ZrN(HV:2000〜2200)、CrN(HV:1800〜2200)、TiCN(HV:2300〜3500)、TiAlN(HV:2300〜3300)、Al(HV:2200〜2400)、Ti(HV:2300)、WC−12%CO(HV:1200)等を主成分とするものが挙げられる。また、めっき被膜の具体例としては、例えば、無電解ニッケルメッキ(約400℃で処理)(HV:1000)、CrC(硬質炭化クロム4%)メッキ(HV:1200)、ニッケルメッキ(SiC含有量2〜6重量%:400℃処理)(HV:1300〜1400)、超硬質クロムメッキ(HV:1200)等が挙げられる。
なお、本明細書において、括弧内に記した各材質のビッカース硬さは、それぞれのおおよその値である。
これらのなかでは、タングステンカーバイドが望ましい。溶射により高硬度被覆層を形成する場合に、均一で、かつ、羽根部(スクリュー羽根)との密着性に優れ、強固に接着した層を容易に形成することができるからである。また、タングステンカーバイドからなる高硬度被覆層は、比較的低コストで形成することができる。
また、タングステンカーバイドを主成分とする高硬度被覆層を形成する場合、上記高硬度被覆層はバインダ成分を含んで構成されていることが望ましい。そして、上記高硬度被覆層を構成するバインダとしては、例えば、ニッケル、コバルト等が挙げられる。
これらのなかでは、ニッケルが望ましい。この理由は、ニッケルは耐腐食性に優れるからである。特に、高硬度被覆層として、ニッケルをバインダとしたタングステンカーバイドを主成分とする溶射層を形成した場合、コバルト等をバインダとしてタングステンカーバイドを主成分とする溶射層を形成した場合に比べて、タングステンカーバイドを主成分とする粒子の脱落が少ないからである。
上記高硬度被覆層の表面粗さRaは、10μm以下であることが望ましい。
上記高硬度被覆層の表面粗さRaが10μmを超えると、押出効率が低下することとなるからである。
なお、本明細書において、押出効率とは、スクリューの回転数に対する押出量(体積)の理想値に対する比率のことをいい、この押出量が多いほど、上記押出効率が高いこととなる。
また、上記高硬度被覆層の初期(未使用時)の表面粗さRaは、1μm以下であることが望ましい。長期に渡って使用した際に、上述した表面粗さRaを確保するのに好適であるからである。
また、上記表面粗さRaの下限は特に限定されず、押出効率の点からは、小さければ小さいほど望ましい。ただし、後述するように高硬度被覆層の表面粗さRaは、研磨処理により調整することができるが、表面粗さRaを小さくしようとすればするほど、その処理に時間とコストを必要とし、また、あまり小さくしても表面粗さRaを小さくする効果はさほど向上しない。このような点から、上記表面粗さRaの下限は、0.1μmであることが望ましい。
なお、表面粗さRaはJIS B 0601(1994)に準拠した中心線平均粗さであり、例えば、触針式表面粗さ測定器等により測定することができる。
また、上記高硬度被覆層を形成する際には、表面粗さRaを上記範囲にするために、必要に応じて、例えば、バフ研磨、砥石やシートを用いる研磨処理等を施してもよい。
上記バフ研磨で使用するバフとしては、例えば、ディスク型バフ、フラップ型バフ、渦巻き型バフ等の砥粒含有バフ、ポリプロピレン不繊布等の無砥粒バフ等が挙げられる。上記砥粒含有バフに用いられる砥粒としては、例えば、アルミニウムシリケート、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド等が挙げられる。
上記高硬度被覆層の気孔率は、0.3%以下であることが望ましい。
上記気孔率が0.3%を超えると、上記高硬度被覆層の表面粗さRaを小さくすることが困難になる場合があるからである。
具体的には、溶射により形成した高硬度被覆層を例に説明すると、溶射により形成した高硬度被覆層において、気孔率が大きいと、溶射層内に比較的径の大きな二次粒子が存在する傾向にあり、このような径の大きな二次粒子が脱落すると、表面粗さRaが増大することとなるからである。
なお、本明細書において、上記気孔率とは、高硬度被覆層の断面を撮影した画像において、気孔が占める部分の面積率をいう。
上記高硬度被覆層の表面における凹部の最大寸法は、1〜50μmであることが望ましい。
特に、溶射により高硬度被覆層を形成した場合、その表面の凹部の最大寸法は上記範囲にあることが望ましい。通常、溶射により形成した高硬度被覆層の表面の凹部は、粒子(一次粒子や二次粒子)の脱落に起因して生じるのであるが、上記凹部の最大寸法が上記範囲にある場合、表面粗さRaはさほど大きくならないからである。また、上記凹部の最大寸法は、小さければ小さいほど望ましいが、通常、溶射により形成した高硬度被覆層を構成する一次粒子の粒径が1μmであるため、上記最大寸法の望ましい下限を1μmとしている。
なお、本明細書において、高硬度被覆層の表面における凹部の最大寸法とは、上記凹部の開口部分の最も長い部分の長さをいう。また、一次粒子とは、分子間の結合を破壊することなく存在する最小単位の粒子をいい、二次粒子とは、一次粒子が複数個凝集して形成された粒子をいう。
スクリュー混合機の内部や減圧室の内部の圧力(上記空間内の圧力)は、大気圧よりも50〜100kPa低いこと(即ち、(大気圧−100pKa)〜(大気圧−50kPa)であること)が望ましい。
上記圧力が、(大気圧−50kPa)より大きいと、湿潤混合物中に泡を噛み込み易くなり、成形体の内部に欠陥等が発生し易くなるからである。一方、上記圧力が、(大気圧−100kPa)より小さいと、高真空であるため、湿潤混合物が乾燥し、硬くなるため、成形性が悪化することとなるからである。
上記空間内の圧力は、大気圧より60〜100kPa低いことがより望ましい。
この押出成形機20で、原料が押出成形機20の内部に入った後、押し出されるまでの時間は、50〜90分が好ましい。充分に混合して水分等を含めた、全体の組成を均一にする必要があるからである。
また、押出成形の際に、成形体が押し出される速度は、3500〜4500mm/分が望ましい。3500mm/分未満であると、生産効率が落ちてしまうため望ましくなく、一方、4500mm/分を超えると、設計した寸法のセラミック成形体とするのが難しくなるとともに、作製したセラミック成形体に欠陥が発生しやすくなる。
炭化ケイ素粉末等の硬度の高い無機粉末を含む原料粉末の混練を行う場合、スクリューに通常の金属材料を使用すると、該スクリューの摩耗により、スクリューの取り換えを頻繁に行わなければならない。
しかしながら、本発明では、少なくともスクリューの羽根部に高硬度被覆層が形成されているので、摩耗されにくくなり、長期に渡ってスクリューの取り換え無しに運転を行うことが可能であり、設備費の増大を防止することができる。通常、3ヶ月程度、スクリューを交換することなく、生産を続けることができる。
また、スクリュー混合機内は減圧であるので、湿潤混合物が気泡を噛み込みにくくなっており、気泡により成形体に欠陥が発生するのを防止することができる。また、スクリュー混合機内で混練するとともに、多数の貫通孔が形成されたダイス(口金)から押し出すとともに、押し出されたうどん状(棒状)の湿潤混合物をさらに細かく切断して細かい塊とした後に混合するので、混合ムラを発生させずに充分に混合することができ、均一な組成の湿潤混合物となり、均一な特性を有する成形体を作製することができる。
なお、この押出成形機では、減圧室56にカッタの駆動力としてエアーシリンダ57が設けられていたが、往復運動ができるものであればエアーシリンダ57に限定されず、オイルシリンダでもよく、他の装置であってもよい。
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、無機粉末を含む湿潤混合物を湿式混合により得た後、この湿潤混合物を成形する押出成形工程を行うことにより、長手方向を貫通する多数のセルがセル壁を隔てて並設された柱状のハニカム成形体を作製し、上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
上記押出成形工程は、密閉された空間内に配置され、成形材料を押し出す羽根部を有し、少なくとも上記羽根部に高硬度被覆層が形成されたスクリューと、ダイスとを備えた押出成形機を使用し、
上記空間内を減圧雰囲気に保ちつつ、上記湿潤混合物を混合するとともに、上記空間の出口に設けられた上記ダイスを介して、上記湿潤混合物を連続的に押し出すことにより行うことを特徴とする。
上述のように、本発明のハニカム構造体の製造方法では、スクリューとダイスとを備えた押出成形機を使用し、無機粉末を含む湿潤混合物を押出成形機内で混練した後に押出成形し、長手方向を貫通する多数のセルがセル壁を隔てて並設された柱状のハニカム成形体を作製し、上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を製造し、複数のハニカム焼成体を接着材層を介して接着し、所定の形状に加工し、外周にシール材層を設けることによりハニカム構造体を製造する。
上記押出成形機としては特に限定されるものではないが、上述した本発明の押出成形機を好適に用いることができる。また、押出成形方法についても特に限定されるものではないが、上述した本発明の押出成形方法を好適に用いることができる。
従って、ここでは、押出成形工程については、ごく簡単に説明し、上記押出成形工程以外の工程について、詳しく説明することとする。
図6は、ハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図7(a)は、上記ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体を模式的に示す斜視図であり、図7(b)は、そのA−A線断面図である。
ハニカム構造体130では、図7(a)に示すようなハニカム焼成体140がシール材層(接着剤層)131を介して複数個結束されてセラミックブロック133を構成し、さらに、このセラミックブロック133の外周にシール材層(コート層)132が形成されている。
また、ハニカム焼成体140は、図7(a)、(b)に示すように、長手方向に多数のセル141が並設され、セル141同士を隔てるセル壁143がフィルタとして機能するようになっている。
すなわち、ハニカム焼成体140に形成されたセル141は、図7(b)に示すように、排ガスの入口側又は出口側の端部のいずれかが封口材層142により目封じされ、一のセル141に流入した排ガスは、必ずセル141を隔てるセル壁143を通過した後、他のセル141から流出するようになっており、排ガスがこのセル壁143を通過する際、パティキュレートがセル壁143部分で捕捉され、排ガスが浄化される。
また、ここでは、無機粉末として炭化ケイ素粉末を使用し、炭化ケイ素からなるハニカム構造体を製造する場合を例に、ハニカム構造体の製造方法について説明する。
本発明の製造方法で製造するハニカム構造体の材料は、炭化ケイ素に限定されるわけではなく、押出成形機の項で説明した種類のセラミックを使用することができる。
(1)本発明のハニカム構造体の製造方法では、まず、平均粒径の異なる炭化ケイ素粉末と有機バインダ(有機粉末)とを乾式混合して混合粉末を調製する。
上記炭化ケイ素粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程で収縮の少ないものが好ましく、例えば、0.3〜50μmの平均粒径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μmの平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを組み合せたものが好ましい。
ハニカム焼成体の気孔径等を調節するためには、焼成温度を調節する方法が効果的であるが、無機粉末の粒径を調節することによっても、一定の範囲で気孔径を調節することができる。
(2)次に、液状の可塑剤と潤滑剤と水とを混合して混合液体を調製し、続いて、上記(1)の工程で調製した混合粉末と上記混合液体とを湿式混合機を用いて混合することにより、成形体製造用の湿潤混合物を調製する。
上記有機バインダの種類や量、可塑剤及び潤滑剤の種類、及び、水の量等は、上記押出成形方法で記載したので、ここでは、その記載を省略する。
上記湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
(3)上記湿潤混合物は、混合調製後、搬送機で上述したスクリューとダイスとを備えた押出成形機に搬送し、押出成形機の内部で充分に混練した後、ダイスを通過させることにより長手方向を貫通する多数のセルがセル壁を隔てて並設された柱状のハニカム成形体を作製する。
次に、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させ、乾燥後のハニカム成形体の両端部付近を切断し、所定の長さとする。
次いで、必要に応じて、入口側セル群の出口側の端部、及び、出口側セル群の入口側の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、セルを目封じする。
上記封止材ペーストとしては特に限定されないが、後工程を経て製造される封止材の気孔率が30〜75%となるものが望ましく、例えば、上記湿潤混合物と同様のものを用いることができる。
上記封止材ペーストの充填は、必要に応じて行えばよく、上記封止材ペーストを充填した場合には、例えば、後工程を経て得られたハニカム構造体をセラミックフィルタとして好適に使用することができ、上記封止材ペーストを充填しなかった場合には、例えば、後工程を経て得られたハニカム構造体を触媒担体として好適に使用することができる。
(4)次に、上記封止材ペーストが充填されたハニカム成形体を、所定の条件で脱脂(例えば、200〜600℃)、焼成(例えば、1400〜2300℃)することにより、全体が一の焼成体から構成され、長手方向を貫通する複数のセルがセル壁を隔てて並設され、上記セルのいずれか一方の端部が封止されたハニカム焼成体(図7(a)、(b)参照)を製造することができる。
上記ハニカム成形体の脱脂及び焼成の条件は、従来から多孔質セラミックからなるフィルタを製造する際に用いられている条件を適用することができる。
(5)次に、ハニカム焼成体の側面に、必要に応じて、スペーサとなる空隙保持材を接着するとともに、シール材層(接着剤層)となるシール材ペーストを均一な厚さで塗布してシール材ペースト層を形成し、このシール材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返し、所定の大きさのハニカム焼成体の集合体を作製する。
なお、本発明のハニカム構造体の製造方法では、上記空隙保持材を介して必要個数のハニカム焼成体を組み上げた後、ハニカム焼成体同士の空隙に一括してシール材ペーストを充填してもよい。
上記シール材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機繊維及び/又は無機粒子とからなるもの等が挙げられる。
上記無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
上記有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記有機バインダのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。
上記無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバ等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維のなかでは、アルミナファイバが望ましい。
上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粉末等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素が望ましい。
さらに、上記シール材ペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
(6)次に、このハニカム焼成体の集合体を加熱してシール材ペースト層を乾燥、固化させてシール材層(接着剤層)とする。
次に、ダイヤモンドカッター等を用い、ハニカム焼成体がシール材層を介して複数個接着されたハニカム焼成体の集合体に切削加工を施し、円柱形状のセラミックブロックを作製する。
なお、この製造方法で製造する上記セラミックブロックの形状は、円柱形状に限定されず、楕円柱形状、多角柱形状等任意の柱の形状を含む。
そして、ハニカムブロックの外周に上記シール材ペーストを用いてシール材層(コート層)を形成する。このような工程を経ることにより、ハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して複数個接着された円柱形状のセラミックブロックの外周部にシール材層(コート層)が設けられたハニカム構造体(図6参照)を製造することができる。
また、本発明のハニカム構造体の製造方法では、この後、必要に応じて、ハニカム構造体に触媒を担持させてもよい。
上記触媒の担持は、集合体を作製する前のハニカム焼成体に行ってもよい。
触媒を担持させる場合には、ハニカム構造体の表面に高い比表面積のアルミナ膜を形成し、このアルミナ膜の表面に助触媒、及び、白金等の触媒を付与することが望ましい。
上記ハニカム構造体の表面にアルミナ膜を形成する方法としては、例えば、Al(NO等のアルミニウムを含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法、アルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に助触媒を付与する方法としては、例えば、Ce(NO等の希土類元素等を含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に触媒を付与する方法としては、例えば、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH(NO]HNO、白金濃度4.53重量%)等をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
また、予め、アルミナ粒子に触媒を付与して、触媒が付与されたアルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法で触媒を付与してもよい。
また、ここまで説明したハニカム構造体の製造方法は、複数のハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して結束された構成を有するハニカム構造体(以下、集合型ハニカム構造体ともいう)であるが、本発明の製造方法により製造するハニカム構造体は、円柱形状のセラミックブロックが1つのハニカム焼成体から構成されているハニカム構造体(以下、一体型ハニカム構造体ともいう)であってもよい。
このような一体型ハニカム構造体を製造する場合は、押出成形により成形するハニカム成形体の大きさが、集合型ハニカム構造体を製造する場合に比べて大きい以外は、集合型ハニカム構造体を製造する場合と同様の方法を用いて、ハニカム成形体を作製する。
ここで、原料粉末を混合する方法等は、上記集合型ハニカム構造体を製造する方法と同様であるため、ここではその説明を省略する。
次に、集合型ハニカム構造体の製造と同様に、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させる。次いで、入口側セル群の出口側の端部、及び、出口側セル群の入口側の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、セルを目封じする。
その後、集合型ハニカム構造体の製造と同様に、脱脂、焼成、付着物除去処理を行うことによりセラミックブロックを製造し、必要に応じて、シール材層(コート層)の形成を行うことにより、一体型ハニカム構造体を製造することができる。上記付着物除去処理を行うことにより、シール材層を良好に形成することができる。
また、上記一体型ハニカム構造体にも、上述した方法で触媒を担持させてもよい。
なお、上述したような製造方法により、ハニカム構造体を製造する場合において、上記集合型ハニカム構造体を製造する場合、その材料の主成分は、炭化ケイ素や、金属ケイ素及び炭化ケイ素であることが望ましく、一体型ハニカム構造体を製造する場合には、コージェライトやチタン酸アルミニウムであることが望ましい。
またここでは、ハニカム構造体として、排ガス中のパティキュレートを捕集する目的でも用いるハニカムフィルタ(セラミックフィルタ)を中心に説明したが、上記ハニカム構造体は、排ガスを浄化する触媒担体(ハニカム触媒)としても好適に使用することができる。
以下に実施例を掲げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
平均粒径10μmのα型炭化ケイ素粉末250kgと、平均粒径0.5μmのα型炭化ケイ素粉末100kgと、有機バインダ(メチルセルロース)20kgとを混合し、混合粉末を調製した。
次に、別途、潤滑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)12kgと、可塑剤(グリセリン)5.6kgと、水64kgとを混合して液体混合物を調製し、この液体混合物と混合粉末とを湿式混合機を用いて混合し、湿潤混合物を調製した。このとき、湿潤混合物の水分含有量は、14重量%である。
次に、図1に示した2段のスクリュー混合機を備えた押出成形機を用い、湿潤混合物を投入ホッパー31から連続的に投入して押出成形を行いハニカム成形体の長尺体を作製し、これを25cmの長さに切断し、その後、マイクロ波と熱風とを併用した乾燥機を用いて水分を略全部除去(水分含有量をほぼ100%減少)させる乾燥処理を行い、ハニカム成形体を作製した。
この押出成形機20において、上段スクリュー53、及び、下段スクリュー63を構成する羽根部には、800μmの厚さを有し、初期の表面粗さRaが0.6μmのタングステンカーバイトを主成分とする高硬度被覆層(タングステンカーバイド膜)が形成されたものを使用した。
表面粗さRaは、バフ研磨により調整した。なお、表面粗さRaは、接触式表面粗さ測定機(東京精密社製、サーフコム804A)により測定した。
また、押出成形機の内部の圧力は、大気圧よりも65kPa低くした。
上記タングステンカーバイド膜は、自溶合金溶射により膜を形成し、その後、上記表面粗さとなるようバフ研磨を施すことにより形成した。即ち、バインダとしてNi(ニッケル)を使用し、タングステンカーバイドとニッケルとを混合して溶射後、加熱溶着させることによりタングステンカーバイド膜を形成し、次いで、バフ研磨を施した。
(ハニカム成形体の形状評価)
作製したハニカム成形体について、主にセルの形状を中心に目視観察し、セルの一部が切れたりすることなく、所望の形状を有しているか否かを評価し、併せて、ハニカム成形体の反り量を測定した。そして、セル切れがなく、反り量が0.5mm未満のものを良品と評価した。結果を表1に示した。
なお、反り量の測定は、反り量測定用治具を用いて行った。
反り量測定用治具としては、成形体の全長とほぼ同じ長さを有する真直な角材において、この角材の両端に同じ厚さの当接部材が配設されており、また、この角材の中央に上記角材の長手方向と垂直にスライド可能なスケールが取り付けられているものを使用した。また、測定時には、上記当接部材を成形体の両端付近に当接し、その後、反り量測定用スケールを成形体側に移動させ、成形体と上記スケールとが接触したときのスケールの移動量を読み取ることにより反り量を測定した。
(高硬度被覆層の磨耗量の測定)
上記押出成形機による運転を4000時間連続して行った後に分解して、タングステンカーバイト膜の磨耗状況を目視により観察した。
(実施例2、3 参考例1)
成形機の高硬度被覆層の厚さを表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様にしてハニカム成形体を作製した。
実施例1と同様にして、ハニカム成形体の形状評価及び高硬度被覆層の磨耗量の測定を行った。結果を表1に示した。
(参考例2)
成形機の内部の圧力を、(大気圧−40kPa)とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム成形体を作製した。
実施例1と同様にして、ハニカム成形体の形状評価及び高硬度被覆層の磨耗量の測定を行った。結果を表1に示した。
(参考例3、4)
液体混合物を調製する際の水の量を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にしてハニカム成形体を作製した。即ち、参考例3では水の量を34kgとし、参考例4では水の量を130kgとした。
実施例1と同様にして、ハニカム成形体の形状評価及び高硬度被覆層の磨耗量の測定を行った。結果を表1に示した。
(参考例5)
高硬度被覆層の厚さを表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様にしてハニカム成形体を作製しようとした。しかしながら,本参考例では、高硬度被覆層を形成した際に高硬度被覆層に亀裂が発生したため、ハニカム成形体の作製は行わなかった。
(比較例1)
高硬度被覆層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にしてハニカム成形体を作製した。
実施例1と同様にして、ハニカム成形体の形状評価及び高硬度被覆層の磨耗量の測定を行った。結果を表1に示した。
なお、本比較例でいう表面粗さRaとは、羽根部本体の表面粗さRaである。
Figure 2008132752
表1に示した結果から明らかなように、実施例で製造したハニカム成形体は、その形状は良好で、高硬度被覆層の磨耗量も400μm未満と磨耗量も少なかった。
一方、参考例1及び比較例1では高硬度被覆層の磨耗量が大きくなっていた。これは高硬度被覆層の厚さが薄いか、高硬度被覆層が形成されなかったためであると考えられる。
参考例2、3で製造したハニカム成形体では、一部のセルにセル切れが観察された。
これについて、参考例2のハニカム成形体は、内部の圧力が(大気圧−40kPa)と高い成形機で成形したため、湿潤混合物中に泡を噛み込んだものと考えられ、参考例3のハニカム成形体は、湿潤混合物中の水分含有量が少なかったためと考えられる。
また、参考例4で製造したハニカム成形体では、0.5mmを超える大きな反りが発生していた。これは、湿潤混合物中の水分含有量が多かったためと考えられる。
また、参考例5では、高硬度被覆層を形成した際に、高硬度被覆層に亀裂が発生した。これは、高硬度被覆層の厚さが厚かったためと考えられる。
(実施例4〜9、参考例6)
スクリューの表面に形成した高硬度被覆層の初期の表面粗さRaを表2に示した大きさとした以外は、実施例1と同様にしてハニカム成形体を作製した。
ここでは、押出成形機における押出効率を下記の方法により評価し、結果を表2に示した。
まず、下段スクリュー63の回転速度を10回転/minとして、単位時間あたりに成形体の押し出し速度を測定し、押し出される成形材料の体積を算出する。次に、スクリューの羽根部のピッチ(間隔)、ピッチ円(羽根部の先端が描く円)の直径、及び、上記単位時間に応じた回転数に基づいて成形材料の理想的な押し出し体積を算出する。そして、実測押し出し体積を理想的な押し出し体積で割ったものを押出効率(%)とした。
図8に実施例4〜9、参考例6の初期表面粗さRa(μm)と押出効率(%)の関係(試験結果)を示す。
Figure 2008132752
表2及び図8に示した結果から明らかなように、高硬度被覆層の表面粗さRaが10μmを以下であると、約11%以上の押出効率を確保することができるのに対し、高硬度被覆層の表面粗さRaが10μmを超えて粗くなると、押出効率が大きく低下することとなる。
特に、高硬度被覆層の表面粗さRaが5μm以下と小さい場合には、約21%以上の押出効率を確保することができ、作業効率に優れることが明らかとなった。
(実施例10〜12、参考例7)
スクリューの表面に形成した高硬度被覆層の初期の表面粗さRa、及び、高硬度被覆層の気孔率を表3に示した大きさとした以外は、実施例1と同様にしてハニカム成形体を作製した。なお、高硬度被覆層の気孔率の調整は、溶射後のフェージング条件を変更することにより行った。ここで、フェージングとは、溶射後に被覆層を再溶融する処理を指す。
ここでは、上記押出成形機の運転を4000時間連続して行った後、高硬度被覆層の表面粗さRaを測定するとともに、高硬度被覆層の表面に形成された凹部の最大寸法を測定した。結果を表3に示した。
なお、凹部の最大寸法は、高硬度被覆層の表面の電子顕微鏡画像を撮像し、この画像に基づいて算出した。
(参考例8)
タングステンカーバイド膜を下記の方法により形成した以外は、実施例1と同様にしてハニカム成形体を作製した。
タングステンカーバイド膜の形成は、バインダとしてCo(コバルト)を使用し、タングステンカーバイドとコバルトとを混合して溶射後、加熱溶着させることによりタングステンカーバイド膜を形成し、その後、バフ研磨を施した。
本参考例では、実施例10と同様にして、上記押出成形機の運転を4000時間連続して行った後、高硬度被覆層の表面粗さRaを測定するとともに、高硬度被覆層の表面に形成された凹部の最大寸法を測定した。結果を表3に示した。
実施例10〜12、参考例7、8において、気孔率(%)と4000時間連続運転後の表面粗さRa(μm)との関係を図9(a)、気孔率(%)と高硬度被覆層の表面の凹部の最大寸法(μm)との関係を図9(b)、気孔率(%)と押出効率(%)との関係を図9(c)に示す。
Figure 2008132752
表3及び図9(a)、(b)、(c)に示した実施例10〜12及び参考例7、8の結果から明らかなように、高硬度被覆層の気孔率が0.3%未満であると、4000時間連続運転後も、充分な押出効率を確保することができる10μm以下の表面粗さRaを維持することができ、また、高硬度被覆層の表面に形成された凹部の最大寸法も50μm以下と小さい傾向にある。
一方、参考例7のように、高硬度被覆層の気孔率が0.3%より大きいと、表面粗さRaが大きくなってしまう。そして、表面粗さRaが10μmより大きくなると、すでに参考例6で示したように、押出効率が大きく低下してしまう。このように気孔率が0.3%を超えると、表面粗さRaが大きくなるのは、タングステンカーバイド膜を構成する粒子の粒径が大きい傾向にあるからであり、このことは、高硬度被覆層の表面の凹部の最大寸法が50μmより大きくなっていることからも明らかである。
また、参考例8の結果から明らかなように、タングステンカーバイド膜のバインダをCoとした場合には、その結果、4000時間連続運転後の表面粗さRaが26μmと大きくなっていた。これは、タングステンカーバイド膜のバインダがCoであるため、タングステンカーバイド膜の耐腐食性が劣り、タングステンカーバイド膜を構成する粒子の脱落頻度が高かったからであると考えられる。なお、高硬度被覆層の表面の凹部の最大寸法を算出する際の電子顕微鏡写真像を観察すると、実施例10に比べて、形成されている凹部の数が多くなっていた。
本発明に係る押出成形機を模式的に示す断面図である。 (a)は、上記押出成形機を構成するカッタの近傍を模式的に示す縦断面図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。 本発明に係る押出成形機を構成する混練押込ローラを模式的に示す斜視図である。 本発明に係る押出成形機の上段スクリューを構成する、からみスクリューを模式的に示す正面図である。 本発明に係る押出成形機の中段スクリューを構成する先端W羽根スクリューを示す正面図である。 ハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 (a)は、上記ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体を模式的に示す斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。 実施例4〜9、参考例6の初期表面粗さと押出効率との関係を示すグラフである。 (a)は、実施例10〜12、参考例7、8の気孔率と4000時間連続運転後の表面粗さRaとの関係を示すグラフである。(b)は、実施例10〜12、参考例7、8の気孔率と高硬度被覆層の表面の凹部の最大寸法との関係を示すグラフである。(c)は、実施例10〜12、参考例7、8の気孔率と押出効率との関係を示すグラフである。
符号の説明
20 押出成形機
31 投入ホッパー
51 上段スクリュー混合機
52(52a、52b)、62 混練押込ローラ
53 上段スクリュー(一のスクリュー)
54 上段ダイス(一のダイス)
55 上段カッタ(切断部材)
56 減圧室(密閉された空間の一部)
57 エアーシリンダ
59、69 受け入れ口
61 下段スクリュー混合機
63 下段スクリュー(別のスクリュー)
530、630 フィードスクリュー
530a、532a、534a スクリューシャフト
530b、532b、534b スクリュー羽根
532 からみスクリュー
534、634 W羽根スクリュー

Claims (28)

  1. 密閉された空間内に配置され、成形材料を押し出す羽根部を有するスクリューと、押し出された成形材料を成形するダイスとを備えた押出成形機であって、
    前記空間内が減圧雰囲気に保たれるとともに、少なくとも前記羽根部には、高硬度被覆層が形成されていることを特徴とする押出成形機。
  2. 前記高硬度被覆層の主成分は、タングステンカーバイドである請求項1に記載の押出成形機。
  3. 前記高硬度被覆層の表面粗さRaは、10μm以下である請求項1又は2に記載の押出成形機。
  4. 前記高硬度被覆層の気孔率は、0.3%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の押出成形機。
  5. 前記高硬度被覆層の表面における凹部の最大寸法は、1〜50μmである請求項1〜4のいずれかに記載の押出成形機。
  6. 前記高硬度被覆層を形成するためのバインダは、ニッケルである請求項1〜5のいずれかに記載の押出成形機。
  7. 複数のスクリューと、前記複数のスクリューと同数のダイスとを備え、
    成形材料が一のスクリュー及びダイスにより、押し出された後、別のスクリュー及びダイスにより、再度、押し出されるように構成されている請求項1〜6のいずれかに記載の押出成形機。
  8. 前記一のスクリュー及びダイスを介して押し出された成形材料を切断する、切断部材を備えている請求項1〜7のいずれかに記載の押出成形機。
  9. 密閉された空間内に配置され、成形材料を押し出す羽根部を有するスクリューと、押し出された成形材料を成形するダイスとを備えた押出成形機を使用し、成形材料である無機粉末を含む湿潤混合物を混合するとともに、前記空間の出口に設けられた前記ダイスを介して、前記湿潤混合物を連続的に押し出すことにより、柱形状の成形体を連続的に成形する押出成形方法であって、
    前記空間内が減圧雰囲気に保たれるとともに、少なくとも前記羽根部には、高硬度被覆層が形成されていることを特徴とする押出成形方法。
  10. 前記高硬度被覆層の主成分は、タングステンカーバイドである請求項9に記載の押出成形方法。
  11. 前記高硬度被覆層の表面粗さRaは、10μm以下である請求項9又は10に記載の押出成形方法。
  12. 前記高硬度被覆層の気孔率は、0.3%以下である請求項9〜11のいずれかに記載の押出成形方法。
  13. 前記高硬度被覆層の表面における凹部の最大寸法は、1〜50μmである請求項9〜12のいずれかに記載の押出成形方法。
  14. 前記高硬度被覆層を形成するためのバインダは、ニッケルである請求項9〜13のいずれかに記載の押出成形方法。
  15. 前記空間内の圧力は、大気圧よりも50〜100kPa低い請求項9〜14のいずれかに記載の押出成形方法。
  16. 前記湿潤混合物の水分量は、10〜20重量%である請求項9〜15のいずれかに記載の押出成形方法。
  17. 前記押出成形機は、複数のスクリューと、前記複数のスクリューと同数のダイスとを備え、
    一のスクリューにより混合された後、一のダイスを介して連続的に押し出された湿潤混合物を、別のスクリューにより再度混合し、別のダイスを介して連続的に押し出す請求項9〜16のいずれかに記載の押出成形方法。
  18. 前記押出成形機は、前記一のスクリュー及びダイスを介して押し出された成形材料を切断する、切断部材を備えている請求項9〜17のいずれかに記載の押出成形方法。
  19. 無機粉末を含む湿潤混合物を湿式混合により得た後、この湿潤混合物を成形する押出成形工程を行うことにより、長手方向を貫通する多数のセルがセル壁を隔てて並設された柱状のハニカム成形体を作製し、前記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
    前記押出成形工程は、密閉された空間内に配置され、成形材料を押し出す羽根部を有し、少なくとも前記羽根部に高硬度被覆層が形成されたスクリューと、ダイスとを備えた押出成形機を使用し、
    前記空間内を減圧雰囲気に保ちつつ、前記湿潤混合物を混合するとともに、前記空間の出口に設けられた前記ダイスを介して、前記湿潤混合物を連続的に押し出すことにより行うことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  20. 前記高硬度被覆層の主成分は、タングステンカーバイドである請求項19に記載のハニカム構造体の製造方法。
  21. 前記高硬度被覆層の表面粗さRaは、10μm以下である請求項19又は20に記載のハニカム構造体の製造方法。
  22. 前記高硬度被覆層の気孔率は、0.3%以下である請求項19〜21のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  23. 前記高硬度被覆層の表面における凹部の最大寸法は、1〜50μmである請求項19〜22のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  24. 前記高硬度被覆層を形成するためのバインダは、ニッケルである請求項19〜23のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  25. 前記空間内の圧力は、大気圧よりも50〜100kPa低い請求項19〜24のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  26. 前記湿潤混合物の水分量は、10〜20重量%である請求項19〜25のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  27. 前記押出成形機は、複数のスクリューと、前記複数のスクリューと同数のダイスとを備え、
    一のスクリューにより混合された後、一のダイスを介して連続的に押し出された湿潤混合物を、別のスクリューにより再度混合し、別のダイスを介して連続的に押し出す請求項19〜26のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  28. 前記押出成形機は、前記一のスクリュー及びダイスを介して押し出された成形材料を切断する、切断部材を備えている請求項19〜27のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
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