JP2015058591A - 押出成形装置及びハニカム成形体の製造方法 - Google Patents

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祐樹 松尾
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Abstract

【課題】押出成形装置の金型を備えた先端部の温度をコントロールすることで、ハニカム成形体に発生する形状歪を防止する。【解決手段】炭化ケイ素粉末を含む原料を投入するための投入口と、原料をスクリューによって混練する混練部と、金型が配設された先端部を備えた連続ハニカム成形体を作製する押出成形部と、これを所定の長さに切断し次工程に搬送する搬送部とを備えた押出成形装置であり、先端部には混練物を冷却するための流水用配管が配置され、流水用配管は流入用の流水用配管、及び排出用の流水用配管に接続され、流通する冷却水の流量を制御する流量制御機構が流入用、及び排出用の流水用配管の少なくとも一方に配置されるとともに、搬送部にはハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを測定する高さセンサが少なくとも1台配置され、この垂直方向の高さに基づき冷却水の流量を流量制御機構により制御することを特徴とする押出成形装置。【選択図】図1

Description

本発明は、押出成形装置及びハニカム成形体の製造方法に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、スス等のパティキュレート(以下、PMともいう)が含まれており、近年、このPMが環境または人体に害を及ぼすことが問題となっている。また、排ガス中には、CO、HCまたはNOx等の有害なガス成分も含まれていることから、この有害なガス成分が環境または人体に及ぼす影響についても懸念されている。
そこで、内燃機関と連結されることにより排ガス中のPMを捕集したり、排ガスに含まれるCO、HCまたはNOx等の排ガス中の有害なガス成分を浄化したりする排ガス浄化装置として、コージェライトや炭化ケイ素等の多孔質セラミックからなり、多数のセルが長手方向に並設された構造を有するハニカム構造体が種々提案されている。
この種のハニカム構造体を製造する際には、まず、セラミック粉末、有機バインダ、水等の溶媒、造孔材、成形助剤等を均一に混合した後、混練を経て、最適な粘度を有する混練物を調製する。この混練物を金型を介して押出形成することにより、多数の貫通孔が長手方向に並設された連続ハニカム成形体を作製する。
次に、この連続ハニカム成形体を所定の長さに切断した後乾燥させ、必要により、ハニカム成形体の貫通孔のいずれか一方の端面に目封止用ペーストを用いて目封止する。続いて、目封止された目封止用ペーストを乾燥させた後、ハニカム成形体の脱脂、焼成を行うことにより、多孔質セラミックからなるハニカム構造体を製造することができる。この後、必要により、複数のハニカム構造体を接着材を介して結束させ、外周加工、外周コーティング等を行うことにより、複数のハニカム構造体からなるハニカムフィルタ等を作製することができる。
このようなハニカム構造体の製造方法に関する文献は多数存在するが、そのなかで特許文献1には、押出成形されたハニカム成形体に形状歪が発生することを防ぐため、押出直後の成形体の温度を30℃以下とし、押出成形体の外周温度Tbと中心部温度Taとの温度差が1℃≦Ta−Tb≦5℃となるように押し出すセラミック成形体の押出成形方法が開示されている。
また、特許文献2には、上記した連続ハニカム成形体の切断工程において、ワイヤ等の線状部材を連続ハニカム成形体の移動速度と同期した移動速度で移動させながら上下に移動させ、連続ハニカム成形体の長手方向に垂直に切断する切断方法及び切断装置が開示されている。
特許文献3には、成形時の口金付近での押出圧力の脈動を抑制して、成形品質を向上させた押出成形装置及びそれを用いた成形体の製造方法が開示されている。この押出成形装置は、上記効果を得るために、供給口側のスクリューとして回転羽根が2条設けられた供給口側スクリューと、上記押出口側のスクリューとして回転羽根が1条設けられた押出口側スクリューとを設け、上記回転羽根の最外周の直径をD、回転軸と平行な押出方向の押出口側回転羽根のピッチをPとした際、P/Dが0.5〜0.9の範囲に設定している。
特許文献4には、ハニカム成形体を製造する際に、生成形体に生じる変形や歪みを未然に防止し、大型のハニカムフィルタやセル壁の薄いハニカムフィルタを製造し得ることができる押出成形機が開示されている。このような効果を得るために、押出成形機から排出された主として炭化ケイ素からなる生成形体を冷媒を内蔵した冷凍槽に導入することにより、直ちに凍結させて生成形体を一定形状に保持することが開示されている。
特許文献5には、スクリューの羽根部等の磨耗が少なく、長寿命であるとともに、欠陥等が発生する可能性が極めて低い成形体を作製可能な押出成形機が開示されている。このような効果を得るために湿潤混合物を混練する空間内が減圧雰囲気に保たれるとともに、回転羽根部には、高硬度被覆層が形成されている。
特開2000−153514号公報 特開2008−168609号公報 特開2010−221637号公報 特開平5−124021号公報 特開2008−132752号公報
炭化ケイ素粉末を含んだ混練物を押出成形することによりハニカム成形体を作製する際、炭化ケイ素が極めて硬いため、金型との接触により熱が発生するのみならず、スクリューを構成する羽根等との摩擦により熱が発生し易く、そのため混練物の温度が高くなり易く、湿潤混合物が金型より押し出される際に、金型の中心部分と周辺部分とで移動速度に差が生じ、その結果、押出成形された連続ハニカム成形体に形状歪が発生するという問題がある。
特許文献1には、押出成形されたハニカム成形体に形状歪が発生することを防ぐためにセラミック成形体の外周温度と中心部温度を制御する方法が記載されている。連続押出成形によりハニカム成形体を製造する場合、連続押出成形されたハニカム成形体の外周温度は、非接触温度計等を用いて容易に測定することができる。しかし、ハニカム成形体の中心部温度を測定するには、連続押出成形されたハニカム成形体を切断しなければならず、素早く測定することが困難である。そのため、特許文献1に記載された方法では、得られた外周温度と中心部温度との差に基づいて素早く練土の温度を調整することは難しい。
特許文献2には、上記と同様の方法で押出成形することは記載されているが、上記した湿潤混合物の温度に起因する問題は記載されていない。特許文献3では、押出成形機を構成するスクリューの回転羽根の大きさやピッチを制御することにより、均質なハニカム成形体を作製し、焼成後のクラックの発生等を防止することが記載されているが、金型に導入される湿潤混合物の温度等については、検討されておらず、特許文献3に記載されて方法のみで、湿潤混合物の温度に起因する歪の発生を防止することは難しい。
特許文献4では、形成されたハニカム成形体を凍結させ、成形後に発生する生成形体の変形等を防止しているが、金型に導入される湿潤混合物の温度分布等については検討されていない。湿潤混合物の温度に起因する歪は、金型を出た際に既に発生しているので、特許文献4に記載された方法で湿潤混合物の温度に起因するハニカム成形体の形状歪の発生を防止することは難しい。
特許文献5にも、回転羽根を備えたスクリューを用いて押出成形により、ハニカム成形体を作製することは記載されているものの、金型に導入される湿潤混合物の温度分布等については検討されていない。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、押出成形装置の金型を備えた先端部の温度をコントロールすることにより、押し出されたハニカム成形体に発生する形状歪を防止することが可能となることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の押出成形装置は、炭化ケイ素粉末を含む湿潤混合物からなる原料を投入するための原料投入口と、上記原料投入口に投入された湿潤混合物をスクリューによって混練して混練物を作製し、押出成形部まで上記混練物を搬送する混練部と、金型が配設された先端部を備え、上記混練部から搬送された上記混練物をスクリューにより上記先端部の上記金型に押し込み、上記金型を介して押し出すことにより多数の貫通孔が長手方向に並設された連続ハニカム成形体を作製する押出成形部と、作製された連続ハニカム成形体を所定の長さに切断し、切断されたハニカム成形体を次工程に搬送する搬送部とを備えた押出成形装置であり、上記先端部には、冷却水をその内部に流通させることにより上記混練物を冷却するための流水用配管が配置され、上記流水用配管は、上記先端部に流水を流入するための流入用の流水用配管、及び、上記先端部より流水を排出するための排出用の流水用配管に接続され、流通する上記冷却水の流量を制御する流量制御機構が、上記流入用の流水用配管、及び、上記流水用配管の少なくとも一方に配置されるとともに、上記搬送部には、作製された上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを測定する高さセンサが少なくとも1台配置され、上記高さセンサで測定された上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さに基づき、上記冷却水の流量を上記流量制御機構により制御することを特徴とする。
ここで、ハニカム成形体に発生する形状歪について説明する。
ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面の形状は、略四角形であり、上辺、2つの側辺、下辺である4つの辺で結ばれた形状となるが、形状歪が発生した場合には、4つの辺が曲線となる。この場合のハニカム成形体の断面形状の輪郭は、4つの辺が内側に湾曲している収縮四角形か、又は、4つの辺が外側に向けて湾曲している膨潤四角形となる。
ハニカム成形体を押出成形する際に、混練物の温度が好適である場合には、形状歪が発生せず、上記略四角形を形成する4つの辺は直線となる。
混練物の温度が相対的に高い場合には、中心部分の温度が周辺部分の温度より低くなり易く、周辺部分が移動し易くなるため、周辺部分の貫通孔の断面積が相対的に大きくなり、その結果として上記した収縮四角形となる。すなわち、混練物の冷却が必要な状態であることを意味する。
混練物の温度が相対的に低い場合には、温度が下がりにくい中心部分の温度が周辺部分の温度より相対的には高くなり、中心部分付近が移動し易くなる。そのため、中心部分付近の貫通孔の断面積が大きくなり、その結果として上記した膨潤四角形となる。すなわち、混練物の冷却が過剰な状態であることを意味する。
さらに、中心部分の温度と、周辺部分の温度の差が大きいと、ハニカム成形体の形状歪が大きくなる。
すなわち、周辺部分の温度が、中心部分の温度よりも相対的に高くなるにつれ、上記した収縮四角形を形成する曲線が急なカーブとなる。
また、中心部分の温度が、周辺部分の温度より相対的に高くなるにつれ、上記した膨潤四角形を形成する曲線が急なカーブとなる。
上記押出成形装置によれば、上記押出成形部の先端部には、冷却水をその内部に通過させるための流水用配管が配置され、上記流水用配管は、上記先端部に流水を流入するための流入用の流水用配管、及び、上記先端部より流水を排出するための排出用の流水用配管に接続され、流通する上記冷却水の流量を制御する流量制御機構が、上記流入用の流水用配管、及び、上記流水用配管の少なくとも一方に配置されるとともに、上記搬送部には、作製された上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを測定する高さセンサが少なくとも1台配置され、上記高さセンサで測定された上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さに基づき、冷却水の流量を上記流量制御機構により制御するので、上記金型を通過する混練物の温度を所定の範囲に保つことができ、作製されるハニカム成形体に上記の形状歪が発生するのを防止することができる。
本発明の押出成形装置では、上記高さセンサは2台配置され、上記ハニカム成形体の異なる2個所の高さを測定し、測定された2個所の高さの差に基づいて上記冷却水の流量を制御することが望ましい。
上記押出成形装置によれば、押出成形されたハニカム成形体に形状歪が発生すると、異なる2個所の高さを測定した際、高さに差がでるので、2台の高さセンサにより測定した高さの差に基づいて、混練物の温度が高いか、低いかが判断され、混練物の温度が高い場合には、冷却水の流量を増加させ、混練物の温度が低い場合には、冷却水の流量を減少させることにより、押出成形する混練物の温度を所定の範囲に保つことができる。
本発明の押出成形装置では、上記ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面の形状は略四角形であり、一方の上記高さセンサは、所定の時間毎に上記略四角形の上辺の端部における上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さ(h1)を測定し、他方の上記高さセンサは、所定の時間毎に上記略四角形の上辺の中間部分における上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さ(h2)を測定し、下記(1)式に基づき同じ時刻に測定された上記高さ(h1)と上記高さ(h2)から上記距離差(D)を算出し、各時刻において算出された上記距離差(D)から上記距離差(D)の単位時間当たりの変化量を算出し、上記流量制御機構は、上記距離差(D)が正の値であり、単位時間当たりの上記距離差(D)の変化量が正の値である場合、上記冷却水の流量を増加させ、上記距離差(D)が負の値であり、単位時間当たりの上記距離差(D)の変化量が負の値である場合、上記冷却水の流量を減少させることが望ましい。
D=h1−h2・・・(1)
冷却水の流量が一定である場合、押出成形されたハニカム成形体の形状歪は経時的に進行する。
そのため、距離差(D)を経時的に測定し、単位時間当たりの距離差(D)の変化量を算出することにより、混練物の温度が相対的に高くなりつつあるのか、低くなりつつあるのかを判断することができる。
すなわち、単位時間当たりの距離差(D)の変化量が正の値である場合には、混練物の温度が相対的に高くなりつつあることを意味し、単位時間当たりの距離差(D)の変化量が負の値である場合には、混練物の温度が相対的に低くなりつつあることを意味する。
ハニカム成形体の形状歪と、距離差(D)の値、及び、単位時間当たりの距離差(D)変化量との関係は、以下のような関係となる。
距離差(D)が正の値であり、単位時間当たりの距離差(D)の変化量が正の値である場合は、収縮四角形の形状歪が進行しつつあることを意味する。
距離差(D)が正の値であり、単位時間当たりの距離差(D)の変化量が負の値である場合は、収縮四角形の形状歪が解消しつつあることを意味する。
距離差(D)が負の値であり、単位時間当たりの距離差(D)の変化量が負の値である場合は、膨潤四角形の形状歪が進行しつつあることを意味する。
距離差(D)が負の値であり、単位時間当たりの距離差(D)の変化量が正の値である場合は、膨潤四角形の形状歪が解消しつつあることを意味する。
上記押出成形装置によれば、距離差(D)及び単位時間当たりの距離差(D)の変化量の関係から、形状歪が進行しつつあるのか、解消しつつあるのかを判断し、形状歪が進行しつつある場合には冷却水の流量を制御し形状歪が発生するのを防止することができる。
すなわち、距離差(D)が正の値であり、単位時間当たりの距離差(D)の変化量が正の値である場合、冷却水の流量を増加させ、距離差(D)が負の値であり、単位時間当たりの距離差(D)の変化量が負の値である場合、冷却水の流量を減少させることにより、
混練物の温度を所定の範囲に保つことができ、ハニカム成形体に形状歪が発生するのを防止することができる。
このように、ハニカム成形体の形状の経時的変化に伴い、冷却水の流量を経時的に制御すると、混練物の温度が急激に変化することはないので、作製されるハニカム成形体の形状も急激に変化しないため、構造が安定する。
本発明の押出成形装置では、上記ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面の形状は略四角形であり、上記高さセンサは、上記略四角形の上辺の中間部分における上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを第1の時刻(t1)、及び、上記第1の時刻から所定の時間が経過した後の第2の時刻(t2)で測定し、上記第1の時刻(t1)で上記高さセンサにより測定された上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを第1の時刻での高さ(Ht1)とし、上記第2の時刻(t2)で上記高さセンサにより測定された上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを第2の時刻での高さ(Ht2)とし、上記略四角形を構成する各辺が直線である場合の、上記略四角形の上辺の中間部分におけるハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを高さ(H)とし、上記第1の時刻(t1)から上記第2の時刻(t2)までの間に流れる冷却水の単位時間当たりの流量を流量(Vt1−t2)とすると、上記流量制御機構は、上記第1の時刻での高さ(Ht1)が上記第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高く、かつ、上記第2の時刻での高さ(Ht2)が上記高さ(H)よりも低い場合には、上記第2の時刻での高さ(Ht2)の測定後に、冷却水の単位時間当たりの流量を上記流量(Vt1−t2)よりも増加させ、第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低く、かつ、第2の時刻での高さ(Ht2)が上記高さ(H)よりも高い場合には、上記第2の時刻での高さ(Ht2)の測定後に、冷却水の単位時間当たりの流量を上記流量(Vt1−t2)よりも減少させることが望ましい。
ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面の輪郭を想定すると、形状歪が発生した場合には、断面形状は収縮四角形又は膨潤四角形となる。
また、混練物の温度が好適である場合には、ハニカム成形体に形状歪が発生せず、ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面を形成する辺が略直線となる。この時のハニカム成形体の所定個所の高さを、高さ(H)とする。
混練物の温度が相対的に高く、ハニカム成形体の断面の形状が収縮四角形である場合には、収縮四角形を形成する曲線はより内側に曲がるので、ハニカム成形体の所定個所の高さが、高さ(H)よりも低くなる。
混練物の温度が相対的に低く、ハニカム成形体の断面形状が膨潤四角形である場合には、膨潤四角形を形成する曲線はより外側に曲がるので、ハニカム成形体の所定個所の高さが、高さ(H)よりも高くなる。
また、冷却水の流量が一定である場合、押出成形されたハニカム成形体の形状歪は経時的に進行する。
そのため、第1の時刻(t1)でのハニカム成形体の所定個所の高さ(Ht1)と、第1の時刻(t1)から所定の時間を経過した後の第2の時刻(t2)でのハニカム成形体の所定個所の高さ(Ht2)とを測定することにより混練物の温度が相対的に高くなりつつあるのか、低くなりつつあるのかを判断することができる。
すなわち、第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高いことは、混練物の温度が相対的に高くなりつつあることを意味し、第1の時刻での高さ(Ht1)が、第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低いことは、混練物の温度が相対的に低くなりつつあることを意味する。
以上より、(H)、(Ht1)及び(Ht2)の関係は、以下のような関係となる。
第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高く、かつ、第2の時刻での高さ(Ht2)が高さ(H)よりも低い場合は、収縮四角形の形状歪が進行しつつあることを意味する。
第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低く、かつ、第2の時刻での高さ(Ht2)が高さ(H)よりも低い場合は、収縮四角形の形状歪が解消しつつあることを意味する。
第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低く、かつ、第2の時刻での高さ(Ht2)が高さ(H)よりも高い場合は、膨潤四角形の形状歪が進行しつつあることを意味する。
第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高く、かつ、第2の時刻での高さ(Ht2)が高さ(H)よりも高い場合は、膨潤四角形の形状歪が解消しつつあることを意味する。
上記押出成形装置によれば、(H)、(Ht1)及び(Ht2)の関係から、形状歪が進行しつつあるのか、解消しつつあるのかを判断し、形状歪が進行しつつある場合には冷却水の流量を制御し形状歪が発生するのを防止することができる。
すなわち、第1の時刻(t1)から第2の時刻(t2)までの間に流れる冷却水の単位時間当たりの流量を流量(Vt1−t2)とすると、第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高く、かつ、第2の時刻での高さ(Ht2)が高さ(H)よりも低い場合は、第2の時刻での高さ(Ht2)の測定後に、冷却水の単位時間当たりの流量を上記流量(Vt1−t2)よりも増加させ、第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低く、かつ、第2の時刻での高さ(Ht2)が上記高さ(H)よりも高い場合には、第2の時刻での高さ(Ht2)の測定後に、冷却水の単位時間当たりの流量を上記流量(Vt1−t2)よりも減少させることにより、混練物の温度を所定の範囲に保つことができ、ハニカム成形体に形状歪が発生するのを防止することができる。
なお、冷却水の流量の制御は、第2の時刻でのハニカム成形体の所定個所の高さを測定した直後に行うことが望ましい。
このように、ハニカム成形体の形状の経時的変化に伴い、冷却水の流量を経時的に制御すると、混練物の温度が急激に変化することはないので、作製されるハニカム成形体の形状も急激に変化しないため、構造が安定する。
本発明のハニカム成形体の製造方法は、上述の押出成形装置を用いたハニカム成形体の製造方法であって、炭化ケイ素粉末を含んだ湿潤混合物からなる原料を原料投入口より投入することにより、押出成形部の金型を介して押出成形を行い、多数の貫通孔が長手方向に並設された連続ハニカム成形体を作製する連続ハニカム成形体作製工程と、上記連続ハニカム成形体を所定の長さに切断してハニカム成形体とする切断工程と、切断された上記ハニカム成形体を搬送部により搬送しながら、高さセンサによりハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを測定する高さ測定工程と、上記高さセンサで測定された上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さに基づき、流量制御機構により冷却水の流量を制御する流量制御工程とを含むことを特徴とする。
上記ハニカム成形体の製造方法によれば、上記高さセンサで測定された上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さに基づき、冷却水の流量を上記流量制御機構により制御するので、上記金型を通過する混練物の温度を所定の範囲に保つことができ、作製されるハニカム成形体に形状歪が発生するのを防止することができる。
本発明のハニカム成形体の製造方法では、2台の高さセンサにより、上記ハニカム成形体の異なる2個所の高さを測定し、測定された2個所の高さの差に基づいて上記冷却水の流量を制御することが望ましい。
上記ハニカム成形体の製造方法によれば、押出成形されたハニカム成形体に形状歪が発生すると、異なる2個所の高さを測定した際、高さに差がでるので、2台の高さセンサにより測定した高さの差に基づいて、混練物の温度が高いか、低いかを判断し、混練物の温度が高い場合には、冷却水の流量を増加させ、混練物の温度が低い場合には、冷却水の流量を減少させることにより、押出成形する混練物の温度を所定の範囲に保つことができる。
本発明のハニカム成型体の製造方法では、上記ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面の形状は略四角形であり、上記高さ測定工程では、一方の上記高さセンサにより、所定の時間毎に上記略四角形の上辺の端部における上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さ(h1)を測定し、他方の上記高さセンサにより、所定の時間毎に上記略四角形の上辺の中間部分における上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さ(h2)を測定し、下記(1)式に基づき同じ時刻に測定された上記高さ(h1)と上記高さ(h2)から上記距離差(D)を算出し、各時刻において算出された上記距離差(D)から上記距離差(D)の単位時間当たりの変化量を算出し、上記流量制御工程では、上記流量制御機構は、上記距離差(D)が正の値であり、単位時間当たりの上記距離差(D)の変化量が正の値である場合、上記冷却水の流量を増加させ、上記距離差(D)が負の値であり、単位時間当たりの上記距離差(D)の変化量が負の値である場合、上記冷却水の流量を減少させることが望ましい。
D=h1−h2・・・(1)
上記の通り、距離差(D)及び単位時間当たりの距離差(D)の変化量の関係から、形状歪が進行しつつあるのか、解消しつつあるのかを判断することができる。
上記ハニカム成形体の製造方法によれば、距離差(D)及び単位時間当たりの距離差(D)の変化量に基づいて、冷却水の流量を制御することにより、混練物の温度を所定の範囲に保つことができ、ハニカム成形体に形状歪が発生するのを防止することができる。
上記ハニカム成形体の製造方法では、本発明の押出成形装置で記載したように、ハニカム成形体に発生する形状歪を初期の段階で捉えることができる。
そのため、このような距離差(D)及び単位時間当たりの距離差(D)の変化量に基づいて冷却水の流量を制御することにより、効果的にハニカム成形体に形状歪が発生するのを防止することができる。
するのを防止することができる。
本発明のハニカム成形体の製造方法では、上記ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面の形状は略四角形であり、上記高さ測定工程において、上記高さセンサにより、上記略四角形の上辺の中間部分における上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを第1の時刻(t1)、及び、上記第1の時刻から所定の時間が経過した後の第2の時刻(t2)で測定し、上記第1の時刻(t1)で上記高さセンサにより測定した上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを第1の時刻での高さ(Ht1)とし、上記第2の時刻(t2)で上記高さセンサにより測定した上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを第2の時刻での高さ(Ht2)とし、上記略四角形を構成する各辺が直線である場合の、上記略四角形の上辺の中間部分におけるハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを高さ(H)とし、上記第1の時刻(t1)から上記第2の時刻(t2)までの間に流れる冷却水の単位時間当たりの流量を流量(Vt1−t2)とすると、上記流量制御工程では、上記流量制御機構により、上記第1の時刻での高さ(Ht1)が上記第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高く、かつ、上記第2の時刻での高さ(Ht2)が上記高さ(H)よりも低い場合には、上記第2の時刻での高さ(Ht2)の測定後に、冷却水の単位時間当たりの流量を上記流量(Vt1−t2)よりも増加させ、上記第1の時刻での高さ(Ht1)が上記第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低く、かつ、上記第2の時刻での高さ(Ht2)が上記高さ(H)よりも高い場合には、上記第2の時刻での高さ(Ht2)の測定後に、冷却水の単位時間当たりの流量を上記流量(Vt1−t2)よりも減少させることが望ましい。
本発明の押出成形装置で記載したように、(H)、(Ht2)及び(Ht2)の関係から、形状歪が進行しつつあるのか、解消しつつあるのかを判断することができる。そのため、形状歪が進行しつつある場合には冷却水の流量を制御することにより形状歪が発生するのを防止することができる。
すなわち、第1の時刻(t1)から第2の時刻(t2)までの間に流れる冷却水の単位時間当たりの流量を流量(Vt1−t2)とすると、第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高く、かつ、第2の時刻での高さ(Ht2)が高さ(H)よりも低い場合は、第2の時刻での高さ(Ht2)の測定後に、冷却水の単位時間当たりの流量を上記流量(Vt1−t2)よりも増加させ、第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低く、かつ、第2の時刻での高さ(Ht2)が上記高さ(H)よりも高い場合には、第2の時刻での高さ(Ht2)の測定後に、冷却水の単位時間当たりの流量を上記流量(Vt1−t2)よりも減少させることにより、混練物の温度を所定の範囲に保つことができ、ハニカム成形体に形状歪が発生するのを防止することができる。
なお、冷却水の流量の制御は、第2の時刻でのハニカム成形体の所定個所の高さを測定した直後に行うことが望ましい。
図1は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置を構成する先端部の一例を模式的に示す斜視図である。 図3(a)は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置で作製されたハニカム成形体の一例を模式的に示す斜視図である。図3(b)は、図3(a)のA−A線断面図である。 図4(a)は、混練物が充分に冷却されずに、相対的に高い温度で押出成形されたハニカム成形体を、長手方向に垂直な方向に切断した断面の一例を模式的に示す断面図である。図4(b)は、混練物が過剰に冷却され、相対的に低い温度で押出成形されたハニカム成形体を、長手方向に垂直な方向に切断した断面の一例を模式的に示す断面図である。 図5(a)は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置を構成する高さセンサにより測定される、断面形状が収縮四角形であるハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さの一例を模式的に示す模式図である。図5(b)は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置を構成する高さセンサにより測定される、断面形状が膨潤四角形であるハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さの一例を模式的に示す模式図である。 図6は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置の搬送部材及び搬送部材に搭載されたハニカム成形体を、搬送部材の搬送方向に垂直な方向で切断した断面の一例を模式的に示す斜視図である。 図7は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置の混練物の温度を制御する機構のチャート図である。 図8(a)〜(d)は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置における冷却水の流量を決定する関数の一例を模式的に示したグラフである。 図9(a)は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置を用いて作製されたハニカム成形体から作製されたハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図である。図9(b)は、図9(a)のB−B線断面図である。 図10は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置を用いて作製されたハニカム成形体から作製されたハニカム焼成体を複数個集合して作製されたハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 図11は、本発明の第二実施形態に係る押出成形装置を用いて作製されるハニカム成形体における距離差(D)の時間による変化の一例を模式的に示したグラフである。 図12は、本発明の第三実施形態に係る押出成形装置を用いて作製されるハニカム成形体の所定個所の高さの時間による変化の一例を模式的に示したグラフである。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
(第一実施形態)
以下、本発明の押出成形装置、及び、ハニカム成形体の製造方法の一実施形態である第一実施形態について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示す本発明の第一実施形態に係る押出成形装置1は、炭化ケイ素粉末を含む湿潤混合物からなる原料を投入するための原料投入口2と、原料投入口2から投入された湿潤混合物をスクリューによって混練して混練物を作製し、押出成形部4まで混練物を搬送する混練部3と、金型41が配設された先端部40を備え、混練部3から搬送された混練物をスクリューによって先端部40の金型41に押し込み、金型41を介して押し出すことにより多数の貫通孔が長手方向に並設された連続ハニカム成形体60を作製する押出成形部4と、作製された連続ハニカム成形体60を所定の長さに切断して、切断されたハニカム成形体61を次工程に搬送する搬送部5を備えている。
先端部40には、冷却水をその内部に通過させることにより混練物を冷却するための流水用配管42が配置され、流水用配管42は、先端部に流水を流入するための流入用の流水用配管45、及び、先端部より流水を排出するための排出用の流水用配管46に接続され、流通する冷却水の流量を制御する流量制御機構43が、流入用の流水用配管45に配置されている。
搬送部5には、作製されたハニカム成形体61の高さを測定する高さセンサ51が少なくとも1台配置されており、高さセンサ51で測定されたハニカム成形体61の高さに基づき、流量制御機構43に内蔵された制御弁の開閉角度の調整を行うことにより冷却水の流量を制御することができるように構成されている。
本発明の第一実施形態に係る押出成形装置1を構成する混練部3について説明する。
混練部3は、内部にスクリューシャフトとスクリュー羽根(羽根部)とを備えたスクリューが設けられた、上段スクリュー混合機100、及び、下段スクリュー混合機200の2段のスクリュー混合機からなっている。
上部スクリュー混合機100の一端部には原料投入口2が配置されており、原料投入口2の下の受け入れ口101には、湿潤混合物を上段スクリュー混合機100の内部に押し込むための混練押込ローラ102が設けられている。
上段スクリュー混合機100は、混練とともに湿潤混合物を移動させる役割を有するフィードスクリュー111と、その先端に設けられ、主に湿潤混合物を混練するためのからみスクリュー112と、さらにその先に設けられたW羽根スクリュー113からなる混練スクリュー110を備えている。フィードスクリュー111では、湿潤混合物の混練を行うことで混練物を作製し、混練物を前方に押し出すことができる。
上段スクリュー混合機100の他端には、多数の貫通孔が形成されたダイス(口金)120が配置されており、W羽根スクリュー113を経た後の混練物は、このダイス120に押し込まれることになる。ダイス120に押し込まれた混練物は、棒状又はうどん麺のような状態となる。
ダイス120の混練物が押し出される部分には、減圧室130が設けられており、その内部を、真空に近い減圧状態とすることができる。
真空に近い減圧状態で混練することにより、混練物の内部に泡(空気)を噛み込まないようにすることができる。混練物の内部に泡を噛み込んでしまうと、ハニカム成形体を作製した際に、隔壁部分等に泡に起因した欠陥が生じやすくなる。
また、減圧室130の内部であって、ダイス120の近傍には、切断部材としての上段カッタ140が設けられている。すなわち、上段カッタ140は、減圧室130の内部に存在し、減圧室130に設けられたエアーシリンダにより、ダイス120の近傍を上下に往復運動し、ダイス120よりうどん麺状(棒状)に押し出された混練物を細かい塊となるように切断することができる。
切断された多数の小さな塊は、直ぐ下の下段スクリュー混合機200に取り込まれることになる。
下段スクリュー混合機200の構成は、上段スクリュー混合機100と同様の構成なので、詳細な説明は省略する。
下段スクリュー混合機200に取り込まれた混練物は、上段スクリュー混合機100でされたのと同様に混練され、押出スクリュー部400に取り込まれることになる。
本発明の第一実施形態に係る押出成形装置1では、混練部3は、2台のスクリュー混合機から構成されており、これら各スクリュー混合機により湿潤混合物の混練を行うことができる。本発明の押出成形装置において、混練部3のスクリュー混合機の台数は特に限定されないが、2〜4台であることが望ましい。1台では、充分に混練することが難しくなる場合があり、5台以上設けても、混練の度合いは大きく変わらず、経済的に不利となる。
また、図1に示した本発明の第一実施形態に係る押出成形装置1では、湿潤混合物が混練押込ローラ102により各スクリュー混合機に押し込まれているが、他の手段により各スクリュー混合機に押し込まれてもよく、単に投入口が形成されているのみでもよい。また、各スクリュー混合機の内部の設けられたスクリューの組み合わせは、上述した組み合わせには限定されず、例えば、フィールドスクリューのみから構成されていてもよく、その他の組み合わせでもよい。
混練押込ローラ102及び混練スクリュー110の構成材料としては、特に限定されないが、タングステンカーバイドを用いることが望ましい。
混練押込ローラ102の心材の大きさ、羽根の大きさ、羽根の間隔、及び、ローラの回転数については、湿潤混合物の組成に合わせ調整することが望ましい。
混練スクリュー110のシャフトの大きさ、羽根の大きさ、羽根の角度、羽根の間隔は、湿潤混合物の組成に合わせ調整することが望ましい。
次に、押出成形部4について説明する。
押出成形部4は、押出スクリュー部400と先端部40とを備えている。
上記下段スクリュー混合機200から押し出され、切断された多数の小さな塊は、直ぐ下の押出スクリュー部400の受け入れ口401に落ち、混練押込ローラ402により押出スクリュー部400の内部に押し込まれることになる。
押出スクリュー部400は、フィードスクリュー411とその先に設けられたW羽根スクリュー413とからなる押出スクリュー410を備えている。混練物は、押出スクリュー410により押し出されることになる。
混練物が押し出される押出スクリュー部400の端部には、先端部40が接続されている。
なお、先端部40と押出スクリュー部400との間には、混練物濾過するためのメッシュフィルタが配置されていてもよい。
混練押込ローラ402、及び、押出スクリュー410の構成材料としては、特に限定されないが、タングステンカーバイドを用いることが望ましい。
混練押込ローラ402の心材の大きさ、羽根の大きさ、羽根の間隔、及び、ローラの回転数については、湿潤混合物の組成に合わせ調整することが望ましい。
押出スクリュー410のシャフトの大きさ、羽根の大きさ、羽根の角度、羽根の間隔は、湿潤混合物の組成に合わせ調整することが望ましい。
図2は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置を構成する先端部の一例を模式的に示す斜視図である。
先端部40には、金型41とケーシング44とが配置されている。押出スクリュー410により押し出された混練物は、ケーシング44を通って金型41から連続的に押し出され、長手方向に多数のセルが形成された略四角柱形状の連続ハニカム成形体60となる。
混練物が押出スクリュー410により押し出される過程において、混練物は、金型41のみならず押出スクリュー410を構成する羽根やケーシング44の内壁等と接触することになる。混練物には、極めて硬い炭化ケイ素粉末が含まれているため、上記の接触(摩擦)により熱が発生しやすく、混練物の温度が高くなり易い。混練物の温度が相対的に高い場合には、金型41の中心部分の温度が周辺部分の温度より低くなり易く、周辺部分の混練物の移動速度が相対的に早くなる。特に、周辺部分の混練物は、定形性を有するケーシング44と接触し、この部分で摩擦熱が多く発生する。そのため、この温度及び移動速度の差が大きくなる。
従って、混練物が金型により押し出される際に、金型41の中心部分と、周辺部分とで混練物が押し出されて移動する速度に差が生じる。その結果、押出成形された連続ハニカム成形体60に形状歪が発生する。そのため、周辺部分の貫通孔の断面積が相対的に大きくなり、結果として形成される連続ハニカム成形体60の長手方向に垂直な断面が収縮四角形となる。
このような歪みが発生するのを防ぐために、先端部40では、金型41及びケーシング44の周囲を流水用配管42が覆っている。流水用配管42に冷却水を流通させることにより(図2中、冷却水の流れを矢印で示す)、金型41及びケーシング44を冷却することができる。これにより、混練物の温度を下げることができる。
しかし、冷却水の流量が増加し金型41及びケーシング44が過剰に冷却されると、混練物が過剰に冷却されることになる。
混練物の温度が相対的に低い場合には、温度が下がりにくい金型41及びケーシング44の中心部分の温度が周辺部分の温度より相対的に高くなり、中心部分付近の混練物の移動速度が相対的に早くなる。特に、流水用配管42は金型41及びケーシング44の周囲を覆っているので、流水用配管42に冷却水が流通することにより、外側から混練物は冷却される。そのため、この温度及び移動速度の差が大きくなる。
従って、中心部分付近の貫通孔の断面積が大きくなり、結果として形成される連続ハニカム成形体60の長手方向に垂直な断面が膨潤四角形となる。
このような過剰な冷却による形状歪を防ぐために、流水用配管42には、先端部に流水を流入するための流入用の流水用配管45、及び、先端部より流水を排出するための排出用の流水用配管46に接続され、流通する上記冷却水の流量を制御する流量制御機構43が、流入用の流水用配管45に配置されている。流量制御機構43による冷却水の流量の制御は、後述する高さセンサ51により測定されたハニカム成形体61の高さに基づき、流量制御機構43に内蔵されている制御弁の開閉角度を調整する等により行われる。
流量制御機構43に内蔵されている制御弁の開閉角度を調整することとは、制御弁の開閉角度を大きくすること、又は、制御弁の開閉角度を小さくすることである。制御弁の開閉角度を大きくすることとは、冷却水の流量を増加させることであり、制御弁の開閉角度を小さくすることとは、冷却水の流量を減少させることである。
冷却水の流量の制御は、制御弁の開閉角度を調整することにより容易に行うことができる。
制御弁の開閉角度がどのような角度の場合に、どれだけの流量の冷却水が流れるかは、あらかじめ測定することにより確認することができる。
また、制御弁を完全に開放すると、冷却水の流量が最大となり、制御弁を完全に閉鎖すると、冷却水は流れなくなる。本発明の第一実施形態に係る押出成形装置1では、流量制御機構43による冷却水の流量の制御は、制御弁の完全開放及び制御弁の完全閉鎖のみで行ってもよい。この場合、混練物の冷却は、冷却水によるオン/オフ制御となる。
次に、搬送部5について説明する。
搬送部5は、押出成形された連続ハニカム成形体60を搬送する搬送部材52と、連続ハニカム成形体60を所定の長さに切断する切断部材53と、ハニカム成形体61の高さを測定する高さセンサ51とを備えており、搬送部材52は、所定の長さに切断されたハニカム成形体61を次工程に搬送することができる。
高さセンサ51は、ハニカム成形体61の所定個所の高さを測定することができる。
高さセンサ51は、ハニカム成形体61の所定個所の高さを測定できれば、台数、測定方法等は特に限定されないが、レーザ変位センサを用いてハニカム成形体61の所定の位置にレーザを照射し、レーザの反射により高さを測定することが望ましい。また、ハニカム成形体61の長手方向に平行な方向から、ハニカム成形体61の端面の画像を撮り画像処理により高さを測定してもよい。なお、測定されるハニカム成形体61の所定個所の詳細は後述する。
上記高さセンサ51により測定されたハニカム成形体61の高さが所定の基準に満たない場合、すなわち、ハニカム成形体61に形状歪の前兆が認められた場合、その測定値がフィードバックされ、流水用配管42に配置された流量制御機構43に内蔵された制御弁の開閉角度の調整が行われる。これにより、ハニカム成形体61に許容できない形状歪が発生することを未然に防止することができる。
搬送部材52は、切断部材53が配置されている場所まで、押出成形部4から押出成形された連続ハニカム成形体60を搬送することができる。搬送部材52の形態としてはベルトコンベア等が挙げられる。
切断部材53は、連続ハニカム成形体60を所定の長さに切断する機能を有している。切断部材の形態としては、特に限定されないが、例えば、刃が形成されたカッタ、レーザ、線状体等が挙げられる。連続ハニカム成形体60との接触面積や、ランニングコストを考慮すると、これらの中では、線状体であることが望ましい。線状体を使用した場合には、セラミック成形体との接触面積が極めて小さいため、連続ハニカム成形体60のセルが接触しても、クラック、ずり変形等の変形や欠け等を起こすこともなく、しかも、レーザのような付帯機器等を必要としないことからランニングコストを低く抑えることができる。
切断部材53が線状体である場合、線状体の構成材料としては、特に限定されないが、金属線や樹脂が被覆された金属線であることが望ましい。
また、線状体は、上から下に稼働することで連続ハニカム成形体60を所定の長さに切断することが望ましい。この際、線状体を連続ハニカム成形体60の搬送される方向と連動させ、線状体を移動させながら連続ハニカム成形体60を切断することにより、連続ハニカム成形体60を、連続ハニカム成形体60の長手方向に垂直な方向に切断することが望ましい。このように切断することにより、ハニカム成形体61の端面を、ハニカム成形体61の長手方向と平行な方向に対し垂直とすることができる。
連続ハニカム成形体60及びハニカム成形体61と接触する搬送部材52の接触部の構成材料としては、特に限定されないが、天然ゴム、ナイロン、ウレタン、ポリエステル等の樹脂が挙げられる。また、接触部は、スポンジ状や長繊維が絡み合ったような形状等であって所定の応力が負荷された場合に弾性変形可能な形状であってもよい。このような形状であれば、切断部材53が連続ハニカム成形体60の内部を通過してハニカム成形体の下面にまで達したときに、切断部材53はさらに接触部へと沈み込むことができ、連続ハニカム成形体60を完全に切断することができる。
ハニカム成形体61の断面形状が膨潤四角形となるような形状歪が生じると、膨潤四角形を形成する辺が外側に曲がる。そのため、搬送部材52が平面であると、搬送部材52により搬送されるハニカム成形体61が傾いてしまう。このような傾きがあると、ハニカム成形体61の高さが測定しにくくなる。そのため、搬送部材52には、ハニカム成形体61の断面形状が膨潤四角形となるような形状歪が生じた際、ハニカム成形体61が傾くことを防ぐための、凹部54が設けられていることが望ましい。搬送部材52に設けられた凹部54については詳しくは後述する。
次に、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置により作製されるハニカム成形体61について説明する。
図3(a)は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置で作製されたハニカム成形体の一例を模式的に示す斜視図である。図3(b)は、図3(a)のA−A線断面図である。
図3(a)及び(b)に示すハニカム成形体61では、多数のセル62がセル壁63を隔てて長手方向に並設されるとともに、その周囲に外周壁64が形成されている。
図3(b)に示すように、混練物の温度を適切に制御して押出成形されたハニカム成形体61の断面形状は略正方形であり、その輪郭は、4つの頂点が4つの略直線で結ばれた形状となる。
上記の通り連続ハニカム成形体60は、炭化ケイ素粉末を含む混練物を押出成形することにより形成される。ハニカム成形体61は連続ハニカム成形体60を所定の長さで切断することにより作製されるので、長手方向に垂直な方向で切断した連続ハニカム成形体60の断面形状は、上記ハニカム成形体61の断面形状と同じ形状である。
混練物に含まれる炭化ケイ素粉末としては、特に限定されないが、平均粒子径が異なる粒子を所定の割合で配合することが望ましい。すなわち、平均粒子径が相対的に大きい1.0〜30μmの炭化ケイ素粒子と、平均粒子径が相対的に小さい0.05〜1.0μmの炭化ケイ素粒子を、配合量が1:0.05〜1:0.65の比率となるように配合することが望ましい。上記のように配合すると、作製されるハニカム成形体61の気孔径の大きさ及び気孔率が好適となる。また、気孔径やセル壁厚みを調整するために、上記比率を変更することや、3種以上の平均粒子径の異なる炭化ケイ素粒子を配合してもよい。
炭化ケイ素粉末は、セラミック材料なので、作製されたハニカム成形体61を加熱することにより、セラミック体であるハニカム焼成体71を焼成することができる。
湿潤混合物には、炭化ケイ素粉末の他に、その他のセラミック材料、無機粒子、無機繊維、無機バインダ、有機バインダ、造孔材、可塑剤、潤滑剤、分散剤等が含まれていてもよい。
その他のセラミック材料としては、コーディライト、アルミナチタネート等が挙げられる。
無機粒子としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト、ゼオライト等が挙げられる。無機粒子の平均粒子径は、0.1〜10μmであることが望ましい。また、無機粒子は、混練物の全量に対し、1〜40重量%を配合させることが望ましい。
無機繊維としては、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、アルミナシリカ、ガラス、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等が挙げられる。無機繊維の繊維長は、0.1〜10μmであることが望ましい。無機繊維は、混練物の全量に対し、3〜50重量%を配合させることが望ましい。
無機バインダとしては、無機ゾル、粘土系ゾル等を用いることができる。無機ゾルとしては、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス等が挙げられる。粘土系ゾルとしては、白土、カオリン、モンモリロナイト、セピオライト、アタパルジャイト等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機バインダは、湿潤混合物全量に対し、2〜50重量%を配合させることが望ましい。
有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等の合成樹脂が挙げられる。有機バインダは、混練物全量に対し1〜10重量%を配合することが望ましい。
造孔材としては、アクリル樹脂、澱粉等が挙げられる。造孔材は、湿潤混合物全量に対し、5〜15重量%を配合することが望ましい。
可塑剤としては、グリセリン等が挙げられ、潤滑剤としては、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ユニルーブ等が挙げられる。
分散剤としては、水、有機溶媒(ベンゼン等)、メタノールやエタノール等のアルコールが挙げられる。分散剤は、湿潤混合物全量に対し3〜30%を配合することが望ましい。
次に、押出成形の際に発生するハニカム成形体の形状歪について説明する。
図4(a)は、混練物が充分に冷却されずに、相対的に高い温度で押出成形されたハニカム成形体を、長手方向に垂直な方向に切断した断面の一例を模式的に示す断面図である。
図4(b)は、混練物が過剰に冷却され、相対的に低い温度で押出成形されたハニカム成形体を、長手方向に垂直な方向に切断した断面の一例を模式的に示す断面図である。
図4(a)に示すように、混練物が冷却されずに、相対的に高い温度で押出成形したハニカム成形体80では、ハニカム成形体80を長手方向に垂直な方向に切断した断面の輪郭が、4つの頂点を結ぶ曲線が4つの頂点を結ぶ直線よりも上記四角形の重心に向けて内側に湾曲している収縮四角形となっている。本発明の第一実施形態に係る押出成形装置1の流水用配管42に流通する冷却水の流量が充分でないと、押出成形をする際に、摩擦による発熱を充分に抑えることができなくなる。そのため、金型41の周辺部分に存在する混練物の温度が、金型41の中心部分付近に存在する混練物の温度よりも高くなる。従って、周辺部分に存在する混練物の移動速度の方が、中心部分付近に存在する混練物の移動速度よりも速くなる。この結果、周辺部分の貫通孔の断面積が相対的に大きくなり、押出成形されるハニカム成形体の断面の輪郭は収縮四角形となる。
図4(b)に示すように、混練物が過剰に冷却され、相対的に低い温度で押出成形したハニカム成形体90では、ハニカム成形体90を長手方向に垂直な方向に切断した断面の輪郭が、4つの頂点を結ぶ曲線が4つの頂点を結ぶ直線よりも外側に向けて湾曲している膨潤四角形となっている。本発明の第一実施形態に係る押出成形装置1の流水用配管42に流通する冷却水の流量が過剰であると、押出成形をする際に、混練物が過剰に冷却されることになる。そのため、金型41の周辺部分に存在する混練物の温度が、金型41の中心部分付近に存在する混練物の温度よりも低くなる。従って、金型41周辺部分に存在する混練物の移動速度よりも中心部分付近に存在する混練物の移動速度の方が速くなる。その結果、中心部分付近の貫通孔の断面積が大きくなり押出成形されるハニカム成形体の断面の輪郭は膨潤四角形となる。
ハニカム成形体61は、高温で焼成することによりハニカム焼成体71となり、ハニカム焼成体71を複数個結束することによりハニカム構造体500となる。断面形状が収縮四角形であるハニカム成形体80や、断面形状が膨潤四角形であるハニカム成形体90のように、ハニカム成形体61に形状歪が発生していると、ハニカム焼成体71を結束する際に障害となる。また、作製された排ガス処理は、損傷しやすく、排ガス浄化機能も劣るものとなる。
次に、本発明の押出成形装置1を構成する高さセンサ51が測定するハニカム成形体61の高さについて説明する。
図5(a)は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置を構成する高さセンサにより測定される、断面形状が収縮四角形であるハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さの一例を模式的に示す模式図である。
図5(b)は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置を構成する高さセンサにより測定される、断面形状が膨潤四角形であるハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さの一例を模式的に示す模式図である。
図5(a)に示すように、断面形状が収縮四角形であるハニカム成形体80は、その断面形状において、第1の頂点81a、第2の頂点81b、第3の頂点81c及び第4の頂点81dを有している。また、第1の頂点81aと第2の頂点81bとは、第1の側辺82aにより結ばれている。第2の頂点81bと第3の頂点81cとは、下辺82bにより結ばれている。第3の頂点81cと、第4の頂点81dとは第2の側辺82cにより結ばれている。第1の頂点81aと、第4の頂点81dとは、上辺82dにより結ばれている。
また、第1の頂点81aと第4の頂点81dとを結ぶ直線を直線83a(図5(a)中破線で示す部分)とし、第2の頂点81bと第3の頂点81cとを結ぶ直線を直線83b(図5(a)中破線で示す部分)とする。
下辺82bは、ハニカム成形体80の底面に属し、搬送部材52と接する部分である。また、上辺82dは下辺82bが属する面と反対側の面に属している。また、第1の側辺82aは、下辺82bの左端と接し、第2の側辺82cは、下辺82bの右端と接している。なお、図5(a)では、長手方向に垂直な方向で切断したハニカム成形体80の一方の断面を示しており、もう一方の断面に着目すると左右が逆になるので、第1の側辺82aと第2の側辺82cとの位置関係は逆であってもよく、辺の左右はここでの説明に影響しないが、便宜上、上記の通りに扱う。
第1の側辺82a、下辺82b、第2の側辺82c及び上辺82dは、第1の頂点81a、第2の頂点81b、第3の頂点81c及び第4の頂点81dが形成する四角形の各辺よりも四角形の重心に向けて内側に向けて湾曲している。
ここで、上辺82dの端部である第1の頂点81aを第1の個所とし、第1の頂点81aから第2の頂点81bまでの距離を第1の個所における高さ(h1)とする。また、第1の頂点81aと、第4の頂点81dとを結ぶ上辺82dの中間部分を第2の個所とし、第2の個所から直線83bまでの距離を第2の個所における高さ(h2)とする。以下に、第2の個所における高さ(h2)をより詳しく説明する。直線83aの中点を中点84とする。中点84を通りかつ直線83bと垂直に交わる線を直線85とし、直線85と直線83bの交点を第1の交点86bとする。また、上辺82dと、直線85との交点を第2の交点86aとする。第2の交点86aが、上辺82dの中間部分であり、第2の個所における高さ(h2)は、第1の交点86bから第2の交点86aまでの距離のことである。
図5(b)に示すように、断面形状が膨潤四角形であるハニカム成形体90は、その断面形状において、第1の頂点91a、第2の頂点91b、第3の頂点91c及び第4の頂点91dを有している。また、第1の頂点91aと第2の頂点91bとは、第1の側辺92aにより結ばれている。第2の頂点91bと第3の頂点91cとは、下辺92bにより結ばれている。第3の頂点91cと、第4の頂点91dとは第2の側辺92cにより結ばれている。第1の頂点91aと、第4の頂点91dとは、上辺92dにより結ばれている。
また、第1の頂点91aと第4の頂点91dとを結ぶ直線を直線93a(図5(b)中破線で示す部分)とし、第2の頂点91bと第3の頂点91cとを結ぶ直線を直線93b(図5(b)中破線で示す部分)とする。
下辺92bは、ハニカム成形体90の底面に属し、搬送部材52と接する部分である。また、上辺92dは下辺92bが属する面と反対側の面に属している。また、第1の側辺92aは、下辺92bの左端と接し、第2の側辺92cは、下辺92bの右端と接している。なお、図5(b)では、長手方向に垂直な方向で切断したハニカム成形体90の一方の断面を示しており、もう一方の断面に着目すると左右が逆になるので、第1の側辺92aと第2の側辺92cとの位置関係は逆であってもよく、辺の左右はここでの説明に影響しないが、便宜上、上記の通りに扱う。
第1の側辺92a、下辺92b、第2の側辺92c及び上辺92dは、第1の頂点91a、第2の頂点91b、第3の頂点91c及び第4の頂点91dが形成する四角形の各辺よりも外側に向けて湾曲している。
ここで、上辺92dの端部である第1の頂点91aを第1の個所とし、第1の頂点91aから第2の頂点91bまでの距離を第1の個所における高さ(h1)とする。また、第1の頂点91aと、第4の頂点91dとを結ぶ上辺92dの中間部分を第2の個所とし、第2の個所から直線93bまでの距離を第2の個所における高さ(h2)とする。以下に、第2の個所における高さ(h2)をより詳しく説明する。直線93aの中点を中点94とする。中点94を通りかつ直線93bと垂直に交わる線を直線95とし、直線95と直線93bの交点を第1の交点96bとする。また、上辺92dと、直線95との交点を第2の交点96aとする。第2の交点96aが、上辺92dの中間部分であり、第2の個所における高さ(h2)は、第1の交点96bから第2の交点96aまでの距離のことである。
なお、ハニカム成形体90が平面の上に載置されている場合は、第2の辺92bが外側に向けて湾曲しているので、ハニカム成形体90が傾いてしまう。このような場合、第1の個所における高さ(h1)及び第2の個所における高さ(h2)が測定しにくくなる。
そのため、ハニカム成形体90の所定個所の高さを測定する搬送部材52の部分には凹部54が設けられていることが望ましい。凹部54について、以下に詳しく説明する。
図6は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置の搬送部材及び搬送部材に搭載されたハニカム成形体を、搬送部材の搬送方向に垂直な方向で切断した断面の一例を模式的に示す斜視図である。
搬送部材52に設けられた凹部54の幅は、ハニカム成形体90の第2の頂点91bから第3の頂点91cまでの距離よりも僅かに狭いことが望ましい。凹部54は、搬送部材52の搬送方向に沿って連続して設けられていることが望ましい。凹部54の深さは、凹部54を形成する面が、下辺92bと接触しないような深さであることが望ましい。
また、ハニカム成形体90の第2の頂点91bと第3の頂点91cとの間に凹部54が収まるように、ハニカム成形体90が搬送部材52に載置されることが望ましく、第2の頂点91bから凹部54までの距離と、第3の頂点91cから凹部54までの距離が等しくなるように、ハニカム成形体90が搬送部材52に載置されることが望ましい。
上記のような凹部54が搬送部材52に設けられ、上記のようにハニカム成形体90が載置されると、下辺92bが外側に向けて湾曲していたとしても、ハニカム成形体90の下辺92bと直線93bにより形成される部分は凹部54が形成する空間に収まるので、ハニカム成形体90が傾きにくくなる。そのため、第1の個所における高さ(h1)及び第2の個所における高さ(h2)の測定において殆ど影響を与えることがない。
本発明の第一実施形態に係る押出成形装置1では、高さセンサ51が、高さ(h1)及び高さ(h2)を測定することにより作製されるハニカム成形体の形状歪を判断することができる。
なお、高さセンサ51が測定するのは、連続ハニカム成形体60の高さ(h1)及び高さ(h2)であってもよい。
次に、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置1が、ハニカム成形体61(連続ハニカム成形体60)の形状を制御する機構について説明する。
本発明の第一実施形態に係る押出成形装置では、高さセンサは2台配置され、一方の上記高さセンサは、上記略四角形の上辺の端部における上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さ(h1)を測定し、他方の上記高さセンサは、上記略四角形の上辺の中間部分における上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さ(h2)を測定し、下記(1)式に基づき高さ(h1)と高さ(h2)との距離差(D)を算出し、上記流量制御機構は、上記距離差(D)が0である場合には、冷却水を所定の流量(V)を流通させ、上記距離差(D)が正の値である場合には、上記距離差(D)の絶対値に基づいて冷却水の流量を上記流量(V)以上に増加させ、上記距離差(D)が負の値である場合には、上記距離差(D)の絶対値に基づいて冷却水の流量を上記流量(V)以下に減少させることが望ましい。
D=h1−h2・・・(1)
本発明の第一実施形態に係る押出形成装置1を用いて作製されたハニカム成形体61では、下記(1)式の結果、距離差(D)が高さ(h1)に対し、−10%〜10%であることが望ましい。距離差(D)が上記範囲内であれば、後の工程を経て作製されるハニカム焼成体71を好適に集合させることができ、また、作製された排ガス処理体は損傷しにくく、排ガス浄化機能も充分なものとなる。
D=h1−h2・・・(1)
距離差(D)の値を上記範囲内にするには、高さセンサ51で高さ(h1)及び高さ(h2)を測定し、ハニカム成形体61に形状歪の前兆が表れた段階で、混練物の温度を制御することが望ましい。
高さセンサ51で高さ(h1)及び高さ(h2)を測定し、上記(1)式の結果、距離差(D)の値が0となることは、ハニカム成形体61の断面形状に歪みが殆ど生じていないことを示すので、押出成形される混練物の温度が好適であることを意味する。
距離差(D)が正の値となることは、ハニカム成形体61の断面形状が収縮四角形であることを示すので、押出成形される混練物の温度が、相対的に高くなっていることを意味する。
距離差(D)が負の値となることは、ハニカム成形体61の断面形状が膨潤四角形であることを示すので、押出成形される混練物の温度が相対的に低くなっていることを意味する。
このように、押出成形されたハニカム成形体61に形状歪が発生すると、異なる2個所の高さを測定した際、高さに差がでるので、高さセンサ51により測定した高さの差に基づいて、混練物の温度が高いか、低いかを判断し、混練物の温度が高い場合には、流量制御機構43に内蔵されている制御弁を調整して冷却水の流量を増加させ、混練物の温度が低い場合には、流量制御機構43に内蔵されている制御弁を調整して冷却水の流量を減少させることにより押出成形する混練物の温度を所定の範囲に保つことができる。この機構を以下にチャート図を用いて説明する。
図7は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置の混練物の温度を制御する機構のチャート図である。
(a)本発明の第一実施形態に係る押出成形装置1では、押出成形されたハニカム成形体61の高さ(h1)と、高さ(h2)とは高さセンサ51により測定される。
(b)測定された高さ(h1)、及び、高さ(h2)のデータは、計算装置に伝達される。
(c)計算装置は、上記(1)式により、高さ(h1)と、高さ(h2)との距離差(D)を計算する。
(d)計算結果は、流量制御機構43に送られる。
(e)流量制御機構43は、送られてきた距離差(D)の値に基づいて冷却水の流量を制御するフィードバック制御を行う。流量の制御方法は以下の通りである。
(e−1)計算の結果、距離差(D)が0未満である場合、流量制御機構43は、流水用配管42に流れる冷却水の流量を(V)以下に減らすため、流量制御機構43に内蔵された制御弁を調整する。
(e−2)計算の結果、距離差(D)が0を超える場合、流量制御機構43は、流水用配管42に流れる冷却水の流量を(V)以上に増やすため。流量制御機構43に内蔵された制御弁を調整する。
次に、距離差(D)とハニカム成形体の形状歪の大きさとの関係について説明する。
ハニカム成形体61において、中心部分の温度と、周辺部分の温度の差が大きいと、ハニカム成形体の形状歪が大きくなる。
すなわち、周辺部分の温度が、中心部分の温度よりも相対的に高くなるにつれ、上記したハニカム成形体80の断面形状である収縮四角形を形成する第1の側辺82a、下辺82b、第2の側辺82c、及び、上辺82dが急なカーブとなる。この場合、距離差(D)は正の値となる。第1の側辺82a、下辺82b、第2の側辺82c、及び、上辺82dが急なカーブになるにつれ、距離差(D)の絶対値は大きくなる。
また、中心部分の温度が、周辺部分の温度より相対的に高くなるにつれ、上記したハニカム成形体90の断面形状である膨潤四角形を形成する第1の側辺92a、下辺92b、第2の側辺92c、及び、上辺92dが急なカーブとなる。この場合、距離差(D)は負の値となる。第1の側辺92a、下辺92b、第2の側辺92c、及び、上辺92dが急なカーブになるにつれ、距離差(D)の絶対値は大きくなる。
従って、距離差(D)の値により、混練物の温度が、どの程度高いか、低いかを判断することができる。すなわち、距離差(D)が正の値である場合には、距離差(D)の絶対値が大きければ大きいほど周辺部分の温度が中心部分の温度よりも相対的に高いことを意味し、冷却水による冷却が充分でないことを意味する。また、距離差(D)が負の値である場合には、距離差(D)の絶対値が大きければ大きいほど周辺部分の温度が中心部分の温度よりも相対的に低いことを意味し、冷却水による冷却が過剰であることを意味する。
そのため、距離差(D)が0である場合には、冷却水を所定の流量(V)を流通させ、この流量(V)を基準とし、距離差(D)が正の値である場合には、距離差(D)の絶対値に基づいて冷却水の流量を流量(V)以上に増加させ、距離差(D)が負の値である場合には、距離差(D)の絶対値に基づいて冷却水の流量を流量(V)以下に減少させることにより、混練物の温度を所定の範囲に保つことができ、ハニカム成形体61に形状歪が発生するのを防止することができる。
冷却水の流量と距離差(D)との関係について詳しく説明する。
冷却水の流量は、距離差(D)を変数とする関数により決定することが望ましい。この場合の冷却水の流量を関数V((D))と表す。
関数V((D))の最小値は0である。すなわち、冷却水を流通させない場合である。関数V((D))の最大値をVmaxとする。Vmaxは流水用配管に冷却水が最大に流れる流量であり、流水用配管の太さ等に依存する。
ある距離差Dと、ある距離差Dとの関係がD<Dである場合((D)∋D、D)、本発明の押出成形装置において冷却水の流量を決定する関数V((D))は、V(D)≦V(D)となる関係が成立する関数であることが望ましい。
このような関数V((D))に従って冷却水の流量を決定すると、距離差(D)の値の増減に伴い、冷却水の流量が増減する。すなわち、距離差(D)の値が増えると、V((D))も増加し、距離差(D)の値が減少すると、V((D))も減少する。
このような関係が成立する関数V((D))について以下に説明する。
図8(a)〜(d)は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置における冷却水の流量を決定する関数の一例を模式的に示したグラフである。
図8(a)〜(d)では、縦軸が冷却水の流量を示し、横軸が距離差(D)の値を示す。
本発明の第一実施形態に係る押出成形装置における冷却水の流量を決定する関数V((D))としては、特に限定されないが、図8(a)に示すV((D))のようなV((D))=α(D)+V(αは任意の係数)となるような一次関数であってもよい。関数V((D))が、V((D))=α(D)+V(αは任意の係数)で表される一次関数である場合、係数αは、押出成形装置の大きさ、作製するハニカム成形体の大きさ等に合わせ決定しておくことが望ましい。
また、V((D))は、図8(b)に示すV((D))のように段階的に冷却水の流量が変化するような関数であってもよい。すなわち、D<(D)≦D(D及びDは任意の数)である場合、V((D))=V(Vは定数)となり、D<(D)≦D(Dは任意の数)である場合、V((D))=V(VはVより大きい定数)となり、D<(D)≦Dn+1(D及びDn+1は任意の数)の場合、V((D))=V(VはVn−1より大きい定数)となるような関数であってもよい。冷却水の流量を決定する距離差(D)の範囲、及び、冷却水の流量は、押出成形装置の大きさ、作製するハニカム成形体の大きさ等に合わせ決定しておくことが望ましい。
また、V((D))は、図8(c)に示すV((D))のように、(D)≦0の場合、V((D))=0であり、0<(D)の場合、V((D))=Vmaxとなる関数であってもよい。この場合、膨潤四角形の形状歪が認められた場合には、冷却水を流さず、収縮四角形の形状歪が認められた場合には、冷却水を最大量流すというオン/オフ制御となる。
また、V((D))は、図8(d)に示すV((D))のようにS字カーブを描く関数であってもよい。この場合のV((D))は、押出成形装置の大きさ、作製するハニカム成形体の大きさ等に合わせ決定しておくことが望ましい。
上記の関数V((D))に従い、冷却水の流量を制御することでハニカム成形体61に許容できない形状歪が発生することを未然に防止することができる。
なお、高さセンサ51で測定するハニカム成形体61の高さは頂点81a(91a)の高さ(h1)及び第2の交点86a(96a)の高さ(h2)の2個所に限定されるものではなく、1個所の測定であってもよく、頂点81a(91a)の高さ(h1)及び第2の交点86a(96a)の高さ(h2)以外の2個所であってもよく、3個所以上の測定であってもよい。
高さセンサ51が測定するハニカム成形体61の高さが第2の交点86a(96a)の高さ(h1)及び第2の交点86a(96a)の(h2)以外の2個所である場合、その2個所は、上辺82d(92d)の任意の2点であってもよい。この場合、第1の個所は、第2の交点86a(96a)以外の部分であり、第2の個所は、第2の交点86a(96a)と、第1の個所との間であることが望ましい。
第1の個所における高さ(h1)と第2の個所における高さ(h2)との差により、長手方向に垂直な方向で切断したハニカム成形体61の断面形状が収縮四角形となっているのか膨潤四角形となっているのかを判断することができる。
高さセンサ51で測定するハニカム成形体61の高さが1個所である場合、以下のように測定することが望ましい。
混練物の温度が好適である場合には、ハニカム成形体に形状歪が発生せず、第1の側辺82a(92a)、下辺82b(92b)、第2の側辺82c(92c)及び上辺82d(92d)は略直線となる。この場合、上辺82d(92d)の任意の部分で高さは、全ての部分でほぼ等しくなる。このような高さはあらかじめ求めることができる。この任意の部分の高さを(h1´)とする。
高さセンサ51で測定する高さは、第1の頂点81a(91a)及び第4の頂点81d(91d)を除いた上辺82d(92d)の任意の部分の高さであることが望ましい。この任意の部分の高さを(h2´)とする。このような高さ(h2)は、ハニカム成形体に形状歪が発生すると変動するので、ハニカム成形体に形状歪が発生しているか否かの判断に用いることができる。また、高さ(h2´)は、形状歪の影響を最も受ける第2の交点86a(96a)の高さであることが望ましい。
このような(h1´)と(h2´)との距離差(D´)に基づき、下記(2)式を計算することにより長手方向に垂直な方向で切断したハニカム成形体61の断面形状が収縮四角形となっているのか膨潤四角形となっているのかを判断することができる。すなわち、距離差(D´)が正の値である場合、ハニカム成形体61の断面形状が収縮四角形となっており、距離差(D´)が負の値である場合ハニカム成形体61の断面形状が膨潤四角形となっている。
D´=h1´−h2´・・・(2)
高さセンサ51で測定するハニカム成形体61の高さが3個所以上である場合は、第4の辺82d(92d)中の任意の3点以上の高さを測定することにより、長手方向に垂直な方向で切断したハニカム成形体61の断面形状が収縮四角形となっているのか膨潤四角形となっているのかを判断することができる。
また、高さセンサ51でハニカム成形体61の高さを測定する代わりに、第1の側辺82a(92a)から第2の側辺82c(92c)方向の幅を測定してもよい。
ハニカム成形体80(90)のように形状歪が発生している場合には、第1の側辺82a(92a)、及び、第2の側辺82c(92c)も曲線になる。そのため、ハニカム成形体61の幅を測定することで、ハニカム成形体61の形状歪を判断することができる。この場合の測定するハニカム成形体61の幅を測定する部分は特に限定されず、1個所であってもよく2個所以上であってもよい。
このように、ハニカム成形体61の形状歪を判断し、その結果をフィードバックして混練物の温度を適切に制御することによりハニカム成形体61に形状歪が発生することを未然に防止することができる。
また、混練物の温度が部分によって異なると、温度の低い部分の混練物と、金型41との摩擦は、温度の高い部分の混練物と、金型41との摩擦よりも大きくなる。そのため、温度の低い部分の混練物と接触する金型41の部分は、温度の高い部分の混練物と接触する金型41の部分より磨耗する。
しかし、上記のように混練物の温度が適切に制御されている場合、金型41の周辺部分の混練物の温度と、中心部分付近の混練物の温度とは差が小さくなる。すなわち、混練物の温度が部分によって異なりにくい。そのため、金型41の一部のみが温度の低い混練物と接触することはないので、金型41の一部分のみの磨耗が増大するということを抑制することができる。
次に、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置1を用いて、ハニカム成形体61を作製する方法を説明する。
本発明の第一実施形態に係る押出成形装置1を用いて、ハニカム成形体61を作製する方法には、炭化ケイ素粉末を含んだ湿潤混合物からなる原料を原料投入口2より投入することにより、押出成形部4の金型41を介して押出成形を行い、多数の貫通孔が長手方向に並設された連続ハニカム成形体60を作製する連続ハニカム成形体作製工程と、上記連続ハニカム成形体60を所定の長さに切断してハニカム成形体61とする切断工程と、切断された上記ハニカム成形体61を搬送部材52により搬送しながら、高さセンサ51によりハニカム成形体61の高さを測定する高さ測定工程と、上記高さセンサ51で測定された上記ハニカム成形体61の高さに基づき、流量制御機構43により冷却水の流量を制御する流量制御工程とを含むことを特徴とする。
(a)連続ハニカム成形体作製工程
(a−1)湿潤混合物の調製
炭化ケイ素粉末を必須とし、その他のセラミック材料、無機粒子、無機繊維、無機バインダ、有機バインダ、造孔材、可塑剤、潤滑剤、分散材等を混合し湿潤混合物を調製する。各成分の配合量等は既に述べているので省略する。
(a−2)湿潤混合物の混練
上記(a−1)により調製された湿潤混合物を、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置1の原料投入口2から投入する。湿潤混合物は、混練押込ローラ102により上段スクリュー混合機100の内部に押し込まれる。湿潤混合物は、混練スクリュー110によって混練することにより混練物が得られる。
混練スクリュー110によって混練された混練物は、ダイス120に押し込まれ棒状又はうどん麺のような状態となる。また、ダイス120の近傍には、上段カッタ140が設けられており、上段カッタ140により、棒状又はうどん麺のような状態の混練物はさらに細かく切断される。
上段スクリュー混合機100の内部及び減圧室130の内部の圧力は、大気圧よりも50〜100kpa低いこと(すなわち、(大気圧−100kpa)〜(大気圧−50kpa))が望ましい。上記圧力が、(大気圧−50kPa)より大きいと、混練物中に泡を噛み込み易くなり、成形体の内部に欠陥等が発生し易くなるからである。一方、上記圧力が、(大気圧−100kPa)より小さいと、高真空であるため、混練物が乾燥し、硬くなるため、成形性が悪化することとなるからである。
上記工程を経た混練物は、下段スクリュー混合機200に取り込まれ、上段スクリュー混合機100と同様に混練されて、押出成形するのに適した混練物となる。
(a−3)押出成形
上記(a−2)の工程を経た混練物は、押出スクリュー部400の受け入れ口401に落ち、押出スクリュー410により先端部40に押し出される。混練物が金型41に到達すると、多数の貫通孔が長手方向に並設された連続ハニカム成形体60が押出成形される。
混練物が、上段スクリュー混合機100の内部に入った後、押出成形されるまでの時間は、50〜90分であることが望ましい。充分に混合して水分等を含めた、全体の組成を均一にする必要があるからである。
(b)切断工程
押出成形された連続ハニカム成形体60は、搬送部材52により切断部材53が配置されている場所まで搬送される。連続ハニカム成形体60は、切断部材53により所定の長さに切断されハニカム成形体61となる。
(c)高さ測定工程
上記(b)工程を経て作製されたハニカム成形体61は、高さセンサ51により、高さ(h1)及び高さ(h2)を測定される。測定されるハニカム成形体61の高さは上述した通りであるので詳細は省略する。
測定された高さ(h1)及び高さ(h2)は、計算装置に伝達される。
(d)流量制御工程
上記計算装置では、第1の個所における高さ(h1)及び第2の個所における高さ(h2)を下記(1)式により計算し距離差(D)が求められる。計算結果は、冷却水の流量制御機構43に伝達される。
流量制御機構43は、計算結果に基づいて制御弁を調整することにより、冷却水の流量を制御し、作製されるハニカム成形体61に形状歪が発生することを未然に防止することができる。冷却水の流量及び距離差(D)の関係は、上述した通りであるので詳細は省略する。
D=h1−h2・・・(1)
なお、この工程では、流水用配管42に冷却水を流通させているが、流水用配管42に流通させる冷却部材は冷却水に限定されず、有機溶媒等であってもよい。
また、冷却水の温度等は特に限定されないが、押出成形装置の大きさ、混練物の組成等に合わせ調整することが望ましい。
これまでの工程を行うことで、形状歪の少ないハニカム成形体61を作製することができる。
次に、ハニカム成形体61から作製されるハニカム焼成体71、ハニカム焼成体71を用いて作製されるハニカム構造体500、ハニカム焼成体71の製造方法、及び、ハニカム構造体500の製造方法を説明する。
図9(a)は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置を用いて作製されたハニカム成形体から作製されたハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図である。図9(b)は、図9(a)のB−B線断面図である。
図10は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置を用いて作製されたハニカム成形体から作製されたハニカム焼成体を複数個集合して作製されたハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。
ハニカム成形体61は、後の工程を経て焼成されることにより多孔質のハニカム焼成体71となる。
図9(a)に示すように、ハニカム焼成体71は、多数のセル72がセル壁73を隔てて長手方向に並設されるとともに、その周囲に外周壁74が形成されている。そして、セル71のいずれかの端部は、封止材75によって封止されている。
従って、一方の端面が開口したセル72に流入した排ガスG(図9(b)中、排ガスをGで示し、排ガスの流れを矢印で示す)は、必ずセル72を隔てるセル壁73を通過した後、他方の端面が開口した他のセル72から流出するようになっている。排ガスGがセル壁73を通過する際に、排ガス中のPM等が捕集されるため、セル壁73はフィルタとして機能し、排ガスを浄化することができる。
ハニカム焼成体71に形成される気孔の平均気孔径は、0.5〜40μmであることが望ましく、20〜40μmであることがより望ましい。
ハニカム焼成体71の気孔率は、40〜70%であることが望ましく60〜70%であることがより望ましい。
平均気孔径、及び、気孔率が上記範囲にある場合、ハニカム焼成体71に多量の触媒を担持させることができる。
ハニカム焼成体71のセル壁に形成される開口率は、30〜60%であることが望ましい。
開口率が上記範囲にある場合、好適にPMを捕集することができる。
ハニカム焼成体71のセル壁73の厚さは、0.1〜0.45mmであることが望ましく、0.1〜0.3mmであることがより望ましい。
セル壁73の厚さが、上記範囲にある場合、ある程度の強度を有することになるので、外部からの衝撃により容易に破損することはない。
ハニカム焼成体71のセル72の幅は、0.2〜2.0mmであることが望ましく、0.2〜1.2mmであることがより望ましい。
セル72の幅が、上記範囲にある場合、好適にPMを捕集することができる。
図10に示すように、ハニカム構造体500は、上記ハニカム焼成体71が接着材層501を介して複数個結束されてセラミックブロック502を構成し、さらに、このセラミックブロック502の外周に外周コート層503が形成されている。なお、外周コート層503は、必要に応じて形成されていればよい。
以下に、ハニカム焼成体71及びハニカム構造体500を製造する方法について説明する。
(e)乾燥工程
本発明の第一実施形態に係る押出成形装置1を用いて作製されたハニカム成形体61を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させる。
(f)封止工程
次に、必要に応じて、ハニカム成形体61のセルのいずれか一方の端部が封止されるように、封止材となる封止材ペーストを所定量充填しセル62を封止する。なお、セルの封止は、ハニカム構造体500を作製した後に行ってもよい。
ハニカム成形体61に形状歪が発生していると、封止材ペーストを充填する際に隙間が生じやすくなる。このような隙間が生じると、後の工程を経て作製されたハニカム焼成体71に排ガスが流入する際、PMがこの隙間を通って漏れることになる。従って、ハニカム焼成体71のPM捕集機能が害される。
封止材ペーストの構成材料は、セル62を封止できれば特に限定されないが、例えば、上記混練物の構成材料と同じであってもよい。
封止材ペーストの粘度は20〜50PaSであることが望ましい。
封止材ペーストの充填は、必要に応じて行えばよく、上記封止材ペーストを充填した場合には、例えば、後工程を経て得られたハニカム構造体をセラミックフィルタとして好適に使用することができ、上記封止材ペーストを充填しなかった場合には、例えば、後工程を経て得られたハニカム構造体を触媒担体として好適に使用することができる。
(g)脱脂工程
次に、セルの封止を行ったハニカム成形体61を脱脂処理することにより、ハニカム脱脂体を作製する。脱脂処理は、酸素含有雰囲気下で、300〜650℃加熱することにより行われる。脱脂処理を行うことにより、ハニカム成形体61中の有機バインダの大部分が揮散するとともに、分解、消失する。
(h)焼成工程
次に、上記ハニカム脱脂体を窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で1700〜2000℃に加熱し、焼成することにより、多孔質の長手方向を貫通する複数のセル72がセル壁73を隔てて並設され、セル72のいずれか一方の端部が封止されたハニカム焼成体71を得ることができる。
上記(g)脱脂工程及び(h)焼成工程では、ハニカム成形体61を、ハニカム成形体61の全体を覆うような所定の焼成用治具に搭載し、脱脂及び焼成することが望ましい。焼成用治具を用いると、脱脂工程及び焼成工程を効率的に行うことができ、また載せ代え等において、ハニカム成形体61が損傷することを防ぐことができる。
(i)ハニカム焼成体の集合体作製工程
次に、ハニカム焼成体71の側面に、接着材層501となるシール材ペーストを均一な厚さで塗布してシール材ペースト層を形成し、このシール材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体71を積層する工程を繰り返し、所定の大きさのハニカム焼成体71の集合体を作製する。
なお、この工程では、空隙保持材を介して必要個数のハニカム焼成体を組み上げた後、ハニカム焼成体同士の空隙に一括してシール材ペーストを充填してもよい。
その後、このハニカム焼成体71の集合体を加熱してシール材ペースト層を乾燥、固化させて接着材層501とする。
ハニカム焼成体71の集合体を作製する際に、ハニカム焼成体71に形状歪があると、集合体同士の間に隙間ができやすくなる。また、ハニカム焼成体71に形状歪が発生していると、その歪み部分にかかる応力が強くなるのでハニカム焼成体71の集合体が損傷しやすくなる。
上記シール材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機繊維及び/又は無機粒子とからなるもの等が挙げられる。
上記無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
上記有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記有機バインダのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。
上記無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバ等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維のなかでは、アルミナファイバが望ましい。
上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粉末等であることが望ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素が望ましい。
さらに、上記シール材ペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔材を添加してもよい。
上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
(j)切削工程
次に、ダイヤモンドカッタ等を用い、ハニカム焼成体71が接着材層501を介して複数個接着されたハニカム焼成体71の集合体に切削加工を施し、円柱形状のセラミックブロック502を作製する。
なお、この製造方法で製造する上記セラミックブロック502の形状は、円柱形状に限定されず、楕円柱形状等、その他の柱状であってもよい。
そして、ハニカムブロック502の外周に上記シール材ペーストを用いて外周コート層503を形成する。このような工程を経ることにより、ハニカム焼成体71が接着材層501を介して複数個接着された円柱形状のセラミックブロック502の外周部に外周コート層503が設けられたハニカム構造体500を製造することができる。
また、ハニカム構造体を製造する際は、必要に応じて、ハニカム構造体500に触媒を担持させてもよい。
上記触媒の担持は、集合体を作製する前のハニカム焼成体71に行ってもよい。
触媒を担持させる場合には、ハニカム構造体の表面に高い比表面積のアルミナ膜を形成し、このアルミナ膜の表面に助触媒、及び、白金等の触媒を付与することが望ましい。
上記ハニカム構造体500の表面にアルミナ膜を形成する方法としては、例えば、Al(NO等のアルミニウムを含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体500に含浸させて加熱する方法、アルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に助触媒を付与する方法としては、例えば、Ce(NO等の希土類元素等を含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に触媒を付与する方法としては、例えば、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH(NO]HNO、白金濃度4.53重量%)等をハニカム構造体500に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
また、予め、アルミナ粒子に触媒を付与して、触媒が付与されたアルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体500に含浸させて加熱する方法で触媒を付与してもよい。
図10において、ハニカム構造体500は、16個のハニカム焼成体71を組み合わせて形成されていたが、ハニカム焼成体71の数は特に限定されず、16個より多くてもよく、少なくてもよい。
図10において、ハニカム構造体500は、円柱状であったが、例えば、楕円柱形状、角柱形状等の任意の形状であっても良い。
以下、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置、及び、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置を用いたハニカム成形体の製造方法の作用効果について説明する。
(1)本発明の第一実施形態に係る押出成形装置によれば、押出成形部の先端部には、冷却水をその内部に通過させるための流水用配管と上記冷却水の流量を制御するための流量制御機構が配置され、押出成形装置の搬送部には、作製されたハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを測定する高さセンサが少なくとも1台配置され、高さセンサで測定されたハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さに基づき、冷却水の流量を流量制御機構により制御するので、金型を通過する混練物の温度を所定の範囲に保つことができ、作製されるハニカム成形体に形状歪が発生するのを防止することができる。
(2)本発明の第一実施形態に係る押出成形装置を用いたハニカム成形体の製造方法によれば、高さセンサで測定されたハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さに基づき、冷却水の流量を流量制御機構により制御するので、金型を通過する混練物の温度を所定の範囲に保つことができ、作製されるハニカム成形体に形状歪が発生するのを防止することができる。
(実施例1)
(a)連続ハニカム成形体作製工程
(a−1)湿潤混合物の調製
平均粒子径22μmを有する炭化ケイ素粉末37.8重量%と、平均粒子径0.05〜1.0μmを有する炭化ケイ素粉末16.2重量%と、造孔材としてアクリル樹脂(商品名「NS−P20」)19.2重量%と、有機バインダとしてメチルセルロース(商品名「65SH−15000」)4.0重量%と、可塑剤としてグリセリン1.3重量%と、潤滑剤としてポリオキシプロピレンアルキルエーテル2.4重量%と、イオン交換水19.1重量%とを配合し、ミキサにて混合し、湿潤混合物を調製した。
(a−2)湿潤混合物の混練
上記(a−1)により調製された湿潤混合物を、押出成形装置の原料投入口から投入し、上段スクリュー混合機及び下段スクリュー混合機によって混練物を作製した。
この際、各スクリュー混合機の内部の圧力を、大気圧よりも65kPa低くした。
(a−3)押出成形
上記(a−2)の工程を経た混練物は、押出スクリュー部の受け入れ口に落ち、押出スクリューにより先端部に押し出された。
上記先端部には、セル幅1.20mm、セル壁厚みが0.28のハニカム成形体を形成するための金型が取り付けられており、混練物は、押出スクリューにより、金型から押出押し出されることにより押出成形され、多数の貫通孔が長手方向に並設された連続ハニカム成形体が作製された。
また、押出成形された連続ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さは35.0mmであった。
(b)切断工程
押出成形された連続ハニカム成形体は、搬送部に配置された回転ローラからなる搬送部材により切断部材が配置されている場所まで搬送され、200mmの長さになるよう切断された。切断後の連続ハニカム成形体は、ハニカム成形体となる。
(c)高さ測定工程
上記(b)工程を経て作製されたハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さ(h1)及び高さ(h2)を、搬送部材に配置された2台のレーザ変位センサ(オムロン株式会社製:商品名「ZX2」)により測定した。
搬送部材により搬送される各ハニカム成形体は毎回ほぼ同じ場所を通るので、高さ(h1)を測定するレーザ変位センサは、ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面の形状で略四角形の上辺の端部が通過する場所の上にあらかじめ固定された。同様に、高さ(h2)を測定するレーザ変位センサは、上記略四角形の上辺の中間部分が通過する場所の上にあらかじめ固定された。
(d)流量制御工程
コンピュータでは、高さ(h1)及び高さ(h2)を下記(1)式を計算することにより、距離差(D)が求められ、その結果が、流量制御機構に伝達された。
流量制御機構は、距離差(D)が−3mm以下となった時点で、金型及びケーシングの周囲に配設された流水用配管に冷却水を流通させるため、流量制御機構に内蔵された制御弁を開の状態となるよう制御した。この時の流水量は15m/minであり、冷却水の温度は20℃であった。
また、距離差(D)の値が3mm以上となった時点で、金型の周囲に配設された流水用配管への冷却水の流通を停止するため、制御弁を閉の状態となるよう制御した。
D=h1−h2・・・(1)
(e)乾燥工程
上記工程を経て作製されたハニカム成形体をマイクロ波と熱風を併用した乾燥機を用いて、水分を除去した。
(f)封止工程
乾燥後のハニカム成形体を全長150mmとなるように切断し、上記湿潤混合物と同じ組成の封止材ペーストを用いて、ハニカム成形体の所定のセルに、封止材ペーストを充填してセルの封止を行った。
その後、セルが封止されたハニカム成形体を熱風乾燥機にて80〜130℃に加熱し、封止材ペーストを乾燥させた。
(g)脱脂工程
セルが封止されたハニカム成形体を、10%酸素含有雰囲気下で400℃で2時間加熱することにより脱脂処理を行いハニカム脱脂体を得た。
(h)焼成工程
上記工程(g)を経て得られたハニカム脱脂体を窒素雰囲気下で2000℃で2時間加熱することにより焼成を行いハニカム焼成体を得た。
上記工程によりハニカム焼成体を合計20本作製した。
(比較例1)
上記(d)流量制御工程における制御弁の開閉を、レーザ変位センサで測定したハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さに基づいて行う代わりに、目視によるハニカム成形体の変形度合に基づいて行った以外は、実施例1と同様にハニカム焼成体を作製した。すなわち、目視によりハニカム成形体の端面の形状が収縮四角形と判断した場合には冷却水を流通させ、ハニカム成形体の端面の形状が膨潤四角形と判断した場合には、冷却水の流通を止めた。
(形状歪の評価)
実施例1及び比較例1で作製した20本のハニカム焼成体のうち、ランダムに5本抜き取り、ハニカム焼成体の形状歪の有無を目視により確認した。評価方法は以下の3つである。
(評価1)ハニカム焼成体の端面形状の変形
ハニカム焼成体の端面を目視し、ハニカム焼成体に形状歪(膨潤四角形、収縮四角形等)が認められた場合を、「端面形状の変形あり」とした。
(評価2)ハニカム焼成体のセルに充填された封止材に生じた隙間
ハニカム焼成体の封止材が充填されたセルを目視し、封止材に隙間があった場合を「充填隙間あり」とした。
(評価3)ハニカム焼成体の高さのズレ量
ハニカム焼成体の距離差(D)の絶対値が5mm以上大きい場合を「高さのズレあり」とした。
これらの結果を以下の表1に示す。
Figure 2015058591
表1に示すように、実施例1では、全ての評価のおいて良好であった。
一方、比較例1では、評価1においては、5本中2本のハニカム焼成体が「端面形状の変形あり」と評価された。評価2においては、5本中2本のハニカム焼成体が「充填隙間」ありと評価された。評価3においては、5本中2本のハニカム焼成体に「高さのズレあり」と評価された。
(第二実施形態)
以下、本発明の押出成形装置、及び、ハニカム成形体の製造方法の一実施形態である第二実施形態について説明する。
本発明の第二実施形態に係る押出成形装置は、冷却水の流量の制御方法が異なる以外は、本発明の第一実施形態に係る押出成形装置と同じである。
本発明の第二実施形態に係る押出成形装置では、第1の個所における高さ(h1)と第2の個所における高さ(h2)との距離差(D)、及び、単位時間当たりの距離差(D)の変化量に基づき、冷却水の流量を制御する。
第1の個所における高さ(h1)、第2の個所における高さ(h2)及び距離差(D)は既に説明しているので、詳細は省略する。
本発明の第二実施形態に係る押出成形装置における冷却水の流量の制御方法について詳しく説明する。
本発明の第二実施形態に係る押出成形装置では、高さセンサは、ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さ(h1)及び高さ(h2)を第1の時刻(t1)、及び、上記第1の時刻から所定の時間が経過した後の第2の時刻(t2)で測定する。
上記第1の時刻(t1)で上記高さセンサにより測定された高さ(h1)及び高さ(h2)の距離差を(Dt1)とし、第2の時刻(t2)で上記センサにより測定された高さ(h1)及び(h2)の距離差を(Dt2)とする。
また、上記第1の時刻(t1)から上記第2の時刻(t2)までの間に流れる冷却水の単位時間当たりの流量を流量(Vt1−t2)とする。
本発明の第2実施形態における流量制御機構は、第1の時刻での距離差(Dt1)よりも第2の時刻での距離差(Dt2)が大きく、かつ、上記第2の時刻での距離差(Dt2)が正の値である場合、冷却水の単位時間当たりの流量を流量(Vt1−t2)よりも増加させ、第1の時刻での距離差(Dt1)よりも第2の時刻での距離差(Dt2)が小さく、かつ、第2の時刻での距離差(Dt2)が負の値である場合、冷却水の単位時間当たりの流量を流量(Vt1−t2)よりも減少させる。
すなわち、本発明の第二実施形態に係る押出成形装置では、距離差(D)及び単位時間当たりの距離差Dの変化量に基づいて、流量制御機構に内蔵された制御弁の開閉角度を調整することにより、冷却水の流量を制御し、作製されるハニカム成形体に形状歪が発生することを未然に防止することができる。
本発明の第二実施形態に係る押出成形装置により作製されるハニカム成形体における距離差(D)の経時変化について説明する。
冷却水の流量が一定である場合、押出成形されたハニカム成形体の形状歪は経時的に進行する。
そのため、第1の時刻でのハニカム成形体における距離差(Dt1)と、第1の時刻から所定の時間を経過した後の第2の時刻でのハニカム成形体における距離差(Dt2)とを算出することにより混練物の温度が相対的に高くなりつつあるのか、低くなりつつあるのかを判断することができる。
すなわち、第1の時刻での距離差(Dt1)よりも第2の時刻での距離差(Dt2)が大きいことは、混練物の温度が相対的に高くなりつつあることを意味し、第1の時刻での距離差(Dt1)よりも、第2の時刻での距離差(Dt2)が小さいことは、混練物の温度が相対的に低くなりつつあることを意味する。
以上より、距離差(Dt1)、距離差(Dt2)及び単位時間当たりの(D)変化量の関係は、以下のような関係となる。
第1の時刻での距離差(Dt1)よりも第2の時刻での距離差(Dt2)が大きく、かつ、第2の時刻での距離差(Dt2)が正の値である場合は、収縮四角形の形状歪が進行しつつあることを意味する。
第1の時刻での距離差(Dt1)よりも第2の時刻での距離差(Dt2)が小さく、かつ、第2の時刻での距離差(Dt2)が正の値である場合は、収縮四角形の形状歪が解消しつつあることを意味する。
第1の時刻での距離差(Dt1)よりも第2の時刻での距離差(Dt2)が小さく、かつ、第2の時刻での距離差(Dt2)が負の値である場合は、膨潤四角形の形状歪が進行しつつあることを意味する。
第1の時刻での距離差(Dt1)よりも第2の時刻での距離差(Dt2)が大きく、かつ、第2の時刻での距離差(Dt2)が負の値である場合は、膨潤四角形の形状歪が解消しつつあることを意味する。
このことを、グラフを用いて以下に詳しく説明する。
図11は、本発明の第二実施形態に係る押出成形装置を用いて作製されるハニカム成形体における距離差(D)の時間による変化の一例を模式的に示したグラフである。
図11に示すグラフでは、縦軸がハニカム成形体における距離差(D)を示し、横軸が時間(t)を示す。
ハニカム成形体が押出成形される過程において混練物の温度は、摩擦により経時的に上昇することになる。そのため、ハニカム成形体の断面形状は収縮四角形となり、経時的に形状歪が増していく。従って、ハニカム成形体における距離差(D)は経時的に大きくなっていく。すなわち、収縮四角形の形状歪が進行している状態となる。このような状態では、距離差(D)は正の値となる。
ハニカム成形体の断面が収縮四角形である形状歪は、混練物の温度を降下させることにより解消することができる。
混練物の温度を速やかに降下させるには、冷却水の単位時間当たりの流量を、第1の時刻から上記第2の時刻(t2)までの間に流れる冷却水の単位時間当たりの流量(Vt1−t2)よりも増加させることが望ましい。このように冷却水の流量を制御すると、摩擦による発熱よりも、冷却水による冷却が勝ることになる。そのため、混練物の温度の上昇が止まることになる。混練物の温度の上昇が止まると、ハニカム成形体における距離差(D)が大きくなることが止まることになる。この時の時刻をtとする。
さらに摩擦による発熱よりも冷却水による冷却が勝ると、混練物の温度が経時的に降下することになる。そのため、ハニカム成形体の断面形状が収縮四角形である形状歪は経時的に解消していく。従って、ハニカム成形体における距離差(D)は0に経時的に近づいていく。このような状態では、距離差(D)は正の値となる。
このような状態が維持され続けると、ハニカム成形体における距離差(D)は0となる。この時の時刻をtとする。
摩擦による発熱よりも冷却水による冷却が勝る状態が維持され続けると、混練物が過剰に冷却されることになる。そのため、ハニカム成形体の断面形状は膨潤四角形となり、経時的に形状歪が増していく。従って、ハニカム成形体における距離差(D)は経時的に小さくなっていく。すなわち、膨潤四角形の形状歪が進行している状態となる。このような状態では、距離差(D)は負の値となる。
ハニカム成形体の断面が収縮四角形である形状歪は、混練物の温度を上昇させることにより解消することができる。
混練物の温度を速やかに上昇させるには、冷却水の単位時間当たりの流量を、流量(Vt1−t2)よりも減少させることが望ましい。このように冷却水の流量を制御すると、摩擦による発熱が、冷却水による冷却より勝ることになる。そのため、混練物の温度の降下が止まることになる。混練物の温度の降下が止まると、ハニカム成形体における距離差(D)が小さくなることが止まることになる。この時の時刻をtとする。
さらに摩擦による発熱が、冷却水による冷却より勝ると、混練物の温度が経時的に上昇することになる。そのため、ハニカム成形体の断面形状が膨潤四角形である形状歪は経時的に解消していく。従って、ハニカム成形体における距離差(D)は0に経時的に近づいていく。このような状態では、距離差(D)は負の値となる。
このような状態が維持され続けると、ハニカム成形体における距離差(D)は0となる。この時の時刻をtとする。
摩擦による発熱が、冷却水による冷却よりも勝る状態が維持され続けると、混練物の温度は、時刻0〜tまでの混練物の温度と同様に経時的に上昇することになる。そのため、時刻0〜tまでの冷却水の流量の制御と同様に、冷却水の流量を制御することが望ましい。
本発明の第二実施形態に係る押出成形装置では、以下同様に、冷却水の流量が制御されることが望ましい。
時刻tにおけるハニカム成形体における距離差をD(t)という関数で表すと、距離差(D)の変化量は、D(t)をtにより微分した値となる。この変化量をD´(t)とする。
図11において、t=0の場合、D(0)=0となる。このような場合は、ハニカム成形体に形状歪が発生していないことを意味する。
図11において、0<t<tの場合、0<D(t)となり、0<D´(t)となる。このような場合は、収縮四角形の形状歪が進行しつつあることを意味する。
図11においてt=tの場合、D´(t)=0となり極限値となる。
図11において、t<t<tの場合、0<D(t)となり、D´(t)<0となる。このような場合は、収縮四角形の形状歪が解消しつつあることを意味する。
図11において、t=tの場合、D(t)=0となる。このような場合は、ハニカム成形体に形状歪が発生していないことを意味する。
図11において、t<t<tの場合、D(t)<0となり、D´(t)<0となる。このような場合は、膨潤四角形の形状歪が進行しつつあることを意味する。
図11において、t=tの場合、D(t)=0となる。このような場合は、ハニカム成形体に形状歪が発生していないことを意味する。
図11において、t<t<tの場合、D(t)<0となり、0<D´(t)となる。このような場合は、膨潤四角形の形状歪が解消しつつあることを意味する。
図11において、t=tの場合、D´(t)<0となる。このような場合は、ハニカム成形体に形状歪が発生していないことを意味する。
本発明の第二実施形態に係る押出成形装置では、0<D(t)かつ0<D´(t)となる場合、収縮四角形の形状歪が進行しつつあることを意味するので、冷却水の流量を増加させることが望ましい。また、D(t)<0かつD´(t)<0となる場合、膨潤四角形の形状歪が進行しつつあることを意味するので、冷却水の流量を減少させることが望ましい。
また、本発明の第二実施形態に係る押出成形装置では、D(t)とD(t)との差が小さくなるように冷却水の流量を制御することが望ましい。
D(t)とD(t)との差が小さくなるように冷却水の流量を制御する方法としては、第1の時刻と第2の時刻との間の所定の時間を短くすること等が挙げられる。
本発明の第二実施形態に係るハニカム成形体の製造方法は、流量制御工程において冷却水の流量を制御する方法が異なる以外は、本発明の第一実施形態に係るハニカム成形体の製造方法と同じである。
ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さの測定、及び、冷却水の流量を制御する方法は本発明の第二実施形態に係る押出成形装置の説明にて、既に述べているので詳細は省略する。
本発明の第二実施形態に係る押出成形装置、及び、本発明の第二実施形態に係る押出成形装置を用いたハニカム成形体の製造方法では、本発明の第一実施形態に記載した(1)及び(2)の効果を奏する。
(第三実施形態)
以下、本発明の押出成形装置、及び、ハニカム成形体の製造方法の一実施形態である第三実施形態について説明する。
本発明の第三実施形態に係る押出成形装置は、高さセンサにより測定するハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さが1個所であること、及び、冷却水の流量の制御方法が異なる以外は、本発明の第二実施形態に係る押出成形装置と同じである。
本発明の第三実施形態に係る押出成形装置における冷却水の流量の制御方法について詳しく説明する。
本発明の第三実施形態に係る押出成形装置では、ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面の形状は略四角形であり、高さセンサは、上記略四角形の上辺におけるハニカム成形体の所定個所の高さを第1の時刻(t1)、及び、上記第1の時刻から所定の時間が経過した後の第2の時刻(t2)で測定し、上記第1の時刻(t1)で上記高さセンサにより測定された上記ハニカム成形体の所定個所の高さを第1の時刻での高さ(Ht1)とし、上記第2の時刻(t2)で上記高さセンサにより測定された上記ハニカム成形体の所定個所の高さを第2の時刻での高さ(Ht2)とする。
上記略四角形を構成する各辺が直線である場合の上記ハニカム成形体の所定の個所の高さを高さ(H)とする。
上記第1の時刻(t1)から上記第2の時刻(t2)までの間に流れる冷却水の単位時間当たりの流量を流量(Vt1−t2)とすると、上記流量制御機構は、上記第1の時刻での高さ(Ht1)が上記第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高く、かつ、上記第2の時刻での高さ(Ht2)が高さ(H)よりも低い場合には、上記第2の時刻での高さ(Ht2)の測定後に、冷却水の単位時間当たりの流量を上記流量(Vt1−t2)よりも増加させ、第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低く、かつ、第2の時刻での高さ(Ht2)が上記高さ(H)よりも高い場合には、第2の時刻での高さ(Ht2)の測定後に、冷却水の単位時間当たりの流量を上記流量(Vt1−t2)よりも減少させることによりハニカム成形体に形状歪が発生するのを防止することができる。
すなわち、本発明の第三実施形態に係る押出成形装置では、ハニカム成形体の所定個所の高さを経時的に測定し、その変化量に基づいて、流量制御機構に制御機能内蔵された制御弁の開閉角度を調整することにより、冷却水の流量を制御し、作製されるハニカム成形体に形状歪が発生することを未然に防止することができる。
なお、冷却水の流量の制御は、第2の時刻でのハニカム成形体の所定個所の高さを測定した直後に行うことが望ましい。
本発明の第三実施形態に係る押出成形装置で測定するハニカム成形体の所定個所の高さは、図5(a)又は(b)で示したハニカム成形体80(90)の、第1の頂点81a(91a)及び第4の頂点81d(91d)を除く、第4の辺82d(92d)の中のいずれか一点から直線83b(93b)までの距離のであることが望ましく、第1の交点86b(96b)から第2の交点86a(96a)までの距離であることがより望ましい。
本発明の第三実施形態に係る押出成形装置により作製されるハニカム成形体の所定個所の高さの経時変化について説明する。
ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面は略四角形となるが、形状歪が発生した場合には、収縮四角形か、又は、膨潤四角形となる。
また、上記4つの辺が略直線である状態は、ハニカム成形体に形状歪が発生していない状態である。ハニカム成形体に形状歪が発生していない状態のハニカム成形体の所定個所の高さを所定高さ(H)とする。
湿潤混合物の温度が相対的に高い場合には、中心部分の温度が周辺部分の温度より低くなり易く、周辺部分が移動し易くなるため、周辺部分の貫通孔の断面積が相対的に大きくなり、その結果として上記した収縮四角形となる。すなわち、湿潤混合物の温度が相対的に高くなりつつある場合には、収縮四角形を形成する曲線はより内側に曲がるので、ハニカム成形体の所定個所の高さが、所定高さ(H)よりも低くなる。
湿潤混合物の温度が相対的に低い場合には、温度が下がりにくい中心部分の温度が周辺部分の温度より相対的には高くなり、中心部分付近が移動し易くなる。そのため、中心部分付近の貫通孔の断面積が大きくなり、その結果として上記した膨潤四角形となる。すなわち、湿潤混合物の温度が相対的に低くなりつつある場合には、膨潤四角形を形成する曲線がより外側に曲がるので、ハニカム成形体の所定個所の高さが、所定高さ(H)よりも高くなる。
また、冷却水の流量が一定である場合、押出成形されたハニカム成形体の形状歪は経時的に進行する。
そのため、第1の時刻でのハニカム成形体の所定個所の高さ(Ht1)と、第1の時刻から所定の時間を経過した後の第2の時刻でのハニカム成形体の所定個所の高さ(Ht2)とを測定することにより湿潤混合物の温度が相対的に高くなりつつあるのか、低くなりつつあるのかを判断することができる。
すなわち、第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高いことは、湿潤混合物の温度が相対的に高くなりつつあることを意味し、第1の時刻での高さ(Ht1)が、第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低いことは、湿潤混合物の温度が相対的に低くなりつつあることを意味する。
以上より、(H)、(Ht1)及び(Ht2)の関係は、以下のような関係となる。
第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高く、かつ、第2の時刻での高さ(Ht2)が所定高さ(H)よりも低い場合は、収縮四角形の形状歪が進行しつつあることを意味する。
第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低く、かつ、第2の時刻での高さ(Ht2)が所定高さ(H)よりも低い場合は、収縮四角形の形状歪が解消しつつあることを意味する。
第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低く、かつ、第2の時刻での高さ(Ht2)が所定高さ(H)よりも高い場合は、膨潤四角形の形状歪が進行しつつあることを意味する。
第1の時刻での高さ(Ht1)が第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高く、かつ、第2の時刻での高さ(Ht2)が所定高さ(H)よりも高い場合は、膨潤四角形の形状歪が解消しつつあることを意味する。
図12は、本発明の第三実施形態に係る押出成形装置を用いて作製されるハニカム成形体の所定個所の高さの時間による変化の一例を模式的に示したグラフである。
図12に示すグラフでは、縦軸がハニカム成形体の所定個所の高さを示し、横軸が時間(t)を示す。
ハニカム成形体が押出成形される過程において湿潤混合物の温度は、摩擦により経時的に上昇することになる。そのため、ハニカム成形体の断面形状は収縮四角形となり、経時的に形状歪が増していく。従って、ハニカム成形体の所定個所の高さはHよりも経時的に低くなっていく。すなわち、収縮四角形の形状歪が進行している状態となる。このような状態では、第1の時刻での高さ(Ht1)は、第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高くなる。
ハニカム成形体の断面が収縮四角形である形状歪は、湿潤混合物の温度を降下させることにより解消することができる。
湿潤混合物の温度を速やかに降下させるには、冷却水の単位時間当たりの流量を、第1の時刻から上記第2の時刻(t2)までの間に流れる冷却水の単位時間当たりの流量(Vt1−t2)よりも増加させることが望ましい。このように冷却水の流量を制御すると、摩擦による発熱よりも、冷却水による冷却が勝ることになる。そのため、湿潤混合物の温度の上昇が止まることになる。湿潤混合物の温度の上昇が止まると、ハニカム成形体の所定個所の高さが低くなることが止まることになる。この時の時刻をtとする。
さらに摩擦による発熱よりも冷却水による冷却が勝ると、湿潤混合物の温度が経時的に降下することになる。そのため、ハニカム成形体の断面形状が収縮四角形である形状歪は経時的に解消していく。従って、ハニカム成形体の所定個所の高さはHに経時的に近づいていく。このような状態では、第1の時刻での高さ(Ht1)は、第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低くなる。
このような状態が維持され続けると、ハニカム成形体の所定個所の高さはHとなる。この時の時刻をtとする。
摩擦による発熱よりも冷却水による冷却が勝る状態が維持され続けると、湿潤混合物が過剰に冷却されることになる。そのため、ハニカム成形体の断面形状は膨潤四角形となり、経時的に形状歪が増していく。従って、ハニカム成形体の所定個所の高さはHよりも経時的に高くなっていく。すなわち、膨潤四角形の形状歪が進行している状態となる。このような状態では、第1の時刻での高さ(Ht1)は、第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低くなる。
ハニカム成形体の断面が収縮四角形である形状歪は、湿潤混合物の温度を上昇させることにより解消することができる。
湿潤混合物の温度を速やかに上昇させるには、冷却水の単位時間当たりの流量を、流量(Vt1−t2)よりも減少させることが望ましい。このように冷却水の流量を制御すると、摩擦による発熱が、冷却水による冷却より勝ることになる。そのため、湿潤混合物の温度の降下が止まることになる。湿潤混合物の温度の降下が止まると、ハニカム成形体の所定個所の高さが高くなることが止まることになる。この時の時刻をtとする。
さらに摩擦による発熱が、冷却水による冷却より勝ると、湿潤混合物の温度が経時的に上昇することになる。そのため、ハニカム成形体の断面形状が膨潤四角形である形状歪は経時的に解消していく。従って、ハニカム成形体の所定個所の高さはHに経時的に近づいていく。このような状態では、第1の時刻での高さ(Ht1)は、第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高くなる。
このような状態が維持され続けると、ハニカム成形体の所定個所の高さはHとなる。この時の時刻をtとする。
摩擦による発熱が、冷却水による冷却よりも勝る状態が維持され続けると、湿潤混合物の温度は、時刻0〜tまでの湿潤混合物の温度と同様に経時的に上昇することになる。そのため、時刻0〜tまでの冷却水の流量の制御と同様に、冷却水の流量を制御することが望ましい。
本発明の第三実施形態に係る押出成形装置では、以下同様に、冷却水の流量が制御されることが望ましい。
時刻tにおけるハニカム成形体の所定の位置の高さをH(t)という関数で表すと、ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さの変化量は、H(t)をtにより微分した値となる。この変化量をH´(t)とする。
図12において、t=0の場合、H(0)=Hとなる。
図12において、0<t<tの場合、H´(t)<0となり、H(t)<Hとなる。このような場合は、収縮四角形の形状歪が進行しつつあることを意味する。
図12においてt=tの場合、H´(t)=0となり、H(t)は極限値となる。
図12において、t<t<tの場合、0<H´(t)となり、H(t)<Hとなる。このような場合は、収縮四角形の形状歪が解消しつつあることを意味する。
図12において、t=tの場合、0<H´(t)となり、H(t)=Hとなる。
図12において、t<t<tの場合、0<H´(t)となり、H<H(t)となる。このような場合は、膨潤四角形の形状歪が進行しつつあることを意味する。
図12において、t=tの場合、H´(t)=0となり、H(t)は極限値となる。
図12において、t<t<tの場合、H´(t)<0となり、H<H(t)となる。このような場合は、膨潤四角形の形状歪が解消しつつあることを意味する。
図12において、t=tの場合、H´(t)<0となり、H(t)=Hとなる。
本発明の第三実施形態に係る押出成形装置では、H(t)<H、かつ、H´(t)<0となる場合、収縮四角形の形状歪が進行しつつあることを意味するので、冷却水の流量を増加させることが望ましい。また、H(t)>Hb、かつ、H´(t)>0となる場合、膨潤四角形の形状歪が進行しつつあることを意味するので、冷却水の流量を減少させることが望ましい。
また、本発明の第三実施形態に係る押出成形装置では、H(t)とH(t)との差が小さくなるように冷却水の流量を制御することが望ましい。
H(t)とH(t)との差が小さくなるように冷却水の流量を制御する方法としては、第1の時刻と第2の時刻との間の所定の時間を短くすること等が挙げられる。
本発明の第三実施形態に係るハニカム成形体の製造方法は、高さ測定工程において測定するハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さが1個所であること、及び、流量制御工程において冷却水の流量を制御する方法が異なる以外は、本発明の第2実施形態に係るハニカム成形体の製造方法と同じである。
ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さの測定、及び、冷却水の流量を制御する方法は本発明の第三実施形態に係る押出成形装置の説明にて、既に述べているので詳細は省略する。
本発明の第三実施形態に係る押出成形装置、及び、本発明の第三実施形態に係る押出成形装置を用いたハニカム成形体の製造方法では、本発明の第一実施形態に記載した(1)及び(2)の効果を奏する。
本発明の押出成形装置は、炭化ケイ素粉末を含む湿潤混合物からなる原料を投入するための原料投入口と、上記原料投入口に投入された湿潤混合物をスクリューによって混練して混練物を作製し、押出成形部まで上記混練物を搬送する混練部と、金型が配設された先端部を備え、上記混練部から搬送された上記混練物をスクリューにより上記先端部の上記金型に押し込み、上記金型を介して押し出すことにより多数の貫通孔が長手方向に並設された連続ハニカム成形体を作製する押出成形部と、作製された連続ハニカム成形体を所定の長さに切断し、切断されたハニカム成形体を次工程に搬送する搬送部とを備えており、上記先端部には、冷却水をその内部に流通させることにより上記混練物を冷却するための流水用配管が配置され、上記流水用配管は、上記先端部に流水を流入するための流入用の流水用配管、及び、上記先端部より流水を排出するための排出用の流水用配管に接続され、流通する上記冷却水の流量を制御する流量制御機構が、上記流入用の流水用配管、及び、上記流水用配管うち少なくとも一方に配置されるとともに、上記搬送部には、作製された上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを測定する高さセンサが少なくとも1台配置され、上記高さセンサで測定された上記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さに基づき、上記冷却水の流量を上記流量制御機構により制御することを必須の構成要件としている。係る必須の構成要件に本発明の第一実施形態〜第三実施形態で詳述した種々の構成(測定するハニカム成形体の所定個所、時期、高さセンサの数、冷却水の流量を制御する方法等)を適宜組み合わせることにより所望の効果を得ることができる。
1 押出成形装置
2 原料投入口
3 混練部
4 押出成形部
5 搬送部
40 先端部
41 金型
42 流水用配管
43 流量制御機構
44 ケーシング
45 流入用の流水用配管
46 排出用の流水用配管
51 高さセンサ
52 搬送部材
53 切断部材
60 連続ハニカム成形体
61 ハニカム成形体
62、72 セル
63、73 セル壁
64、74 外周壁
71 ハニカム焼成体
75 封止材
100 上段スクリュー混合機
101、401 受け入れ口
102、402 混練押込ローラ
110 混練スクリュー
111、411 フィードスクリュー
112 からみスクリュー
113、413 W羽根スクリュー
120 ダイス
130 減圧室
140 上段カッタ
200 下段スクリュー混合機
400 押出スクリュー部
410 押出スクリュー

Claims (8)

  1. 炭化ケイ素粉末を含む湿潤混合物からなる原料を投入するための原料投入口と、
    前記原料投入口に投入された湿潤混合物をスクリューによって混練して混練物を作製し、押出成形部まで前記混練物を搬送する混練部と、
    金型が配設された先端部を備え、前記混練部から搬送された前記混練物をスクリューにより前記先端部の前記金型に押し込み、前記金型を介して押し出すことにより多数の貫通孔が長手方向に並設された連続ハニカム成形体を作製する押出成形部と、
    作製された連続ハニカム成形体を所定の長さに切断し、切断されたハニカム成形体を次工程に搬送する搬送部とを備えた押出成形装置であり、
    前記先端部には、冷却水をその内部に流通させることにより前記混練物を冷却するための流水用配管が配置され、
    前記流水用配管は、前記先端部に流水を流入するための流入用の流水用配管、及び、前記先端部より流水を排出するための排出用の流水用配管に接続され、流通する前記冷却水の流量を制御する流量制御機構が、前記流入用の流水用配管、及び、前記流水用配管の少なくとも一方に配置されるとともに、
    前記搬送部には、作製された前記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを測定する高さセンサが少なくとも1台配置され、
    前記高さセンサで測定された前記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さに基づき、前記冷却水の流量を前記流量制御機構により制御することを特徴とする押出成形装置。
  2. 前記高さセンサは2台配置され、前記ハニカム成形体の異なる2個所の高さを測定し、測定された2個所の高さの差に基づいて前記冷却水の流量を制御する請求項1に記載の押出成形装置。
  3. 前記ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面の形状は略四角形であり、
    一方の前記高さセンサは、所定の時間毎に前記略四角形の上辺の端部における前記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さ(h1)を測定し、
    他方の前記高さセンサは、所定の時間毎に前記略四角形の上辺の中間部分における前記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さ(h2)を測定し、
    下記(1)式に基づき同じ時刻に測定された前記高さ(h1)と前記高さ(h2)から前記距離差(D)を算出し、
    各時刻において算出された前記距離差(D)から前記距離差(D)の単位時間当たりの変化量を算出し、
    前記流量制御機構は、
    前記距離差(D)が正の値であり、単位時間当たりの前記距離差(D)の変化量が正の値である場合、前記冷却水の流量を増加させ、
    前記距離差(D)が負の値であり、単位時間当たりの前記距離差(D)の変化量が負の値である場合、前記冷却水の流量を減少させる請求項2に記載の押出成形装置。
    D=h1−h2・・・(1)
  4. 前記ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面の形状は略四角形であり、
    前記高さセンサは、前記略四角形の上辺の中間部分における前記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを第1の時刻(t1)、及び、前記第1の時刻から所定の時間が経過した後の第2の時刻(t2)で測定し、
    前記第1の時刻(t1)で前記高さセンサにより測定された前記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを第1の時刻での高さ(Ht1)とし、
    前記第2の時刻(t2)で前記高さセンサにより測定された前記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを第2の時刻での高さ(Ht2)とし、
    前記略四角形を構成する各辺が直線である場合の、前記略四角形の上辺の中間部分におけるハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを高さ(H)とし、
    前記第1の時刻(t1)から前記第2の時刻(t2)までの間に流れる冷却水の単位時間当たりの流量を流量(Vt1−t2)とすると、
    前記流量制御機構は、
    前記第1の時刻での高さ(Ht1)が前記第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高く、かつ、前記第2の時刻での高さ(Ht2)が前記高さ(H)よりも低い場合には、前記第2の時刻での高さ(Ht2)の測定後に、冷却水の単位時間当たりの流量を前記流量(Vt1−t2)よりも増加させ、
    前記第1の時刻での高さ(Ht1)が前記第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低く、かつ、前記第2の時刻での高さ(Ht2)が前記高さ(H)よりも高い場合には、前記第2の時刻での高さ(Ht2)の測定後に、冷却水の単位時間当たりの流量を前記流量(Vt1−t2)よりも減少させる請求項1に記載の押出成形装置。
  5. 請求項1に記載の押出成形装置を用いたハニカム成形体の製造方法であって、
    炭化ケイ素粉末を含んだ湿潤混合物からなる原料を原料投入口より投入することにより、押出成形部の金型を介して押出成形を行い、多数の貫通孔が長手方向に並設された連続ハニカム成形体を作製する連続ハニカム成形体作製工程と、
    前記連続ハニカム成形体を所定の長さに切断してハニカム成形体とする切断工程と、
    切断された前記ハニカム成形体を搬送部により搬送しながら、高さセンサによりハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを測定する高さ測定工程と、
    前記高さセンサで測定された前記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さに基づき、流量制御機構により冷却水の流量を制御する流量制御工程とを含むことを特徴とするハニカム成形体の製造方法。
  6. 前記高さ測定工程において、2台の高さセンサにより、前記ハニカム成形体の異なる2個所の高さを測定し、測定された2個所の高さの差に基づいて前記冷却水の流量を制御する請求項5に記載のハニカム成形体の製造方法。
  7. 前記ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面の形状は略四角形であり、
    前記高さ測定工程では、
    一方の前記高さセンサにより、所定の時間毎に前記略四角形の上辺の端部における前記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さ(h1)を測定し、
    他方の前記高さセンサにより、所定の時間毎に前記略四角形の上辺の中間部分における前記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さ(h2)を測定し、
    下記(1)式に基づき同じ時刻に測定された前記高さ(h1)と前記高さ(h2)から前記距離差(D)を算出し、
    各時刻において算出された前記距離差(D)から前記距離差(D)の単位時間当たりの変化量を算出し、
    前記流量制御工程では、前記流量制御機構は、
    前記距離差(D)が正の値であり、単位時間当たりの前記距離差(D)の変化量が正の値である場合、前記冷却水の流量を増加させ、
    前記距離差(D)が負の値であり、単位時間当たりの前記距離差(D)の変化量が負の値である場合、前記冷却水の流量を減少させる請求項6に記載のハニカム成形体の製造方法。
    D=h1−h2・・・(1)
  8. 前記ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面の形状は略四角形であり、
    前記高さ測定工程において、前記高さセンサにより、前記略四角形の上辺の中間部分における前記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを第1の時刻(t1)、及び、前記第1の時刻から所定の時間が経過した後の第2の時刻(t2)で測定し、
    前記第1の時刻(t1)で前記高さセンサにより測定した前記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを第1の時刻での高さ(Ht1)とし、
    前記第2の時刻(t2)で前記高さセンサにより測定した前記ハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを第2の時刻での高さ(Ht2)とし、
    前記略四角形を構成する各辺が直線である場合の、前記略四角形の上辺の中間部分におけるハニカム成形体の押出方向に対して垂直方向の高さを高さ(H)とし、
    前記第1の時刻(t1)から前記第2の時刻(t2)までの間に流れる冷却水の単位時間当たりの流量を流量(Vt1−t2)とすると、
    前記流量制御工程では、前記流量制御機構により、
    前記第1の時刻での高さ(Ht1)が前記第2の時刻での高さ(Ht2)よりも高く、かつ、前記第2の時刻での高さ(Ht2)が前記高さ(H)よりも低い場合には、前記第2の時刻での高さ(Ht2)の測定後に、冷却水の単位時間当たりの流量を前記流量(Vt1−t2)よりも増加させ、
    前記第1の時刻での高さ(Ht1)が前記第2の時刻での高さ(Ht2)よりも低く、かつ、前記第2の時刻での高さ(Ht2)が前記高さ(H)よりも高い場合には、前記第2の時刻での高さ(Ht2)の測定後に、冷却水の単位時間当たりの流量を前記流量(Vt1−t2)よりも減少させる請求項5に記載のハニカム成形体の製造方法。
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