JP2008132618A - 離型フィルム用ポリエテルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも片面にカチオンポリマーを含む塗布層を有する延伸ポリエステルフィルムであり、当該塗布層の表面固有抵抗値が1×1013Ω以下であり、ポリエステルフィルム中に存在する粒子の平均粒径(d50)が0.2〜1.5μmの範囲であり、その粒径分布値(d25/d75)が1.0〜2.0の範囲であることを特徴とする離型フィルム用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明で言う延伸ポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押出される、いわゆる押出法により押出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、少なくとも一方向に延伸した後、熱処理を施したフィルムであり、好ましくは、長手方向および幅方向に二軸延伸した後、熱処理を施したフィルムである。
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP4L型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。また、大粒子側から積算して重量分率25%の点の直径と重量分率75%の点の直径の比d25/d75値を粒度分布値とした。
日本ヒューレット・パッカード社製高抵抗測定器 HP4339B、および測定電極 HP16008Bを使用し、23℃、50%RHの測定雰囲気下で、印加電圧100Vで1分後の塗布層の表面固有抵抗値(Ω)を測定した。
23℃、50%RHの測定雰囲気でポリエステルフィルムを十分調湿後、塗布層を綿布で10往復こする。これを、細かく砕いた煙草の灰の上に静かに近づけ、灰の付着状況を以下の基準で評価した。
○:フィルムを灰に接触させても付着しない
△:フィルムを灰に接触させると少し付着する(許容範囲)
×:フィルムを灰に近づけただけで多量に付着する
ポリエステルフィルムマスターロールの幅方向において、中心となる位置から幅方向に両端に向かって、500mm毎の位置のサンプルを切り出し、それぞれ王子計測器社製の自動複屈折率計(KOBRA−21ADH)を用いて主配向方向を測定し、これと幅方向とのなす角度を配向角として、フィルム幅方向の一列で500mm毎の配向角を求めた。続いてこの測定を、フィルム長手方向について500mm毎に7回繰り返して(長手方向に3m長の範囲となる)、縦・横の間隔が500mmとなる測定点での配向角を求めた。これらの各測定点での配向角を、縦・横の隣り合う測定点の値と比較して、その差を求めた。この配向角の差のなかで最も大きい値を配向角の変動(角度/500mm)とした。
ポリエステルフィルムの幅方向において、中心となる位置から、幅方向に両端に向かって500mm毎の位置のサンプルを切り出し、アタゴ光学社製Abbe屈折計を用いてフィルム面内の主配向方向に対してフィルム面内の直角方向の屈折率を各位置について測定し、平均値を求めて、nβとした。主配向方向は上記(5)にて求めたものを用いた。
ポリエステルフィルムを25cm角の大きさに切り取り、150℃に設定されたオーブン(タバイエスペック社製熱風循環炉)中で10分間加熱処理した。次に、熱処理後のポリエステルフィルムを塗布層面が内側になるように折って、上部が開放され、底面の面積が250cm2となる四角い箱を作成する。得られた箱の中にDMF10mlを入れ、室温で3分間放置後DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津LC−7A)に供給してDMF中のオリゴマー量を求め、この値をDMFに接触させたフィルム面積で除して、フィルム表面オリゴマー量(mg/m2)とした。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。標準試料の作成は、予め分取したオリゴマー(環状三量体)を正確に秤量したDMFに溶解して作成した。なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学社製 MCI GEL ODS IHU
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
ポリエステルフィルムの片面に、硬化型シリコーン樹脂(信越化学製「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学製「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン(MEK)/トルエン混合溶媒系2200部よりなる離型剤を塗工量が0.1g/mm2になるように塗布して170℃で10秒間の乾燥を行い、離型フィルムを得た。離型フィルムの幅方向が、偏光フィルムの配向軸と平行となるように、粘着剤を介して離型フィルムを偏光フィルムに密着させ偏光板とし、密着させた離型フィルム上に配向軸がフィルム幅方向と直交するように検査用の偏光板を重ね合わせ、偏光板側より白色光を照射し、検査用の偏光板より10人の検査員がそれぞれ目視にて観察し、クロスニコル下での目視検査性を下記基準に従い評価した。なお、測定の際には、得られたポリエステルフィルムのマスターロール端部から、フィルム幅方向に対して10、50、90%の位置に相当する箇所よりそれぞれA4サイズのサンプルを切り出して実施した。
<クロスニコル下での目視検査性 判定基準>
(検査性良好) ◎>○>△>×>×× (検査性不良)
上記判定基準中、△以上のものが実使用上問題なく使用できるレベルである。
上記(8)で作成した離型フィルムを用いて、離型フィルムの幅方向が偏光フィルムの配向軸と平行となるように、公知のアクリル系粘着剤を介して離型フィルムを偏光フィルムに密着させ離型フィルム付きの偏光板を作成した。ここで上記偏光板を作成する際、粘着剤と偏光フィルムとの間に50μm以上の大きさを持つ黒色の金属粉(異物)を50個/m2となるように混入させた。このようにして得られた異物を混入させた偏光板離型フィルム上に配向軸が離型フィルム幅方向と直交するように検査用の偏光板を重ね合わせ、偏光板側より白色光を照射し、検査用の偏光板より10人の検査員がそれぞれ目視にて観察し、粘着剤と偏光フィルムとの間に混入させた異物を見いだせるかどうかを下記分類にて評価した。なお、測定の際には、得られたフィルムのマスターロール中央部と両端部の計3箇所のフィルムを用いて評価し、目視検査性が最も良好であった箇所の結果を持って、そのフィルムの異物認知性とした。
<異物認知性 分類基準>
(異物認知性良好) ◎>○>△>× (異物認知性不良)
上記判定基準中、○以上のものが実使用上問題なく使用できるレベルである。
<ポリエステル(A)の製造>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。
4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。
一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(A)を得た。この、ポリエステルの極限粘度は0.63であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径0.8μm、粒径分布値1.6の合成炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が1重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径0.4μm、粒径分布値1.7の合成炭酸カルシウム粒子に、ポリエステルに対する含有量を、1重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径1.4μm、粒径分布値1.9の合成炭酸カルシウム粒子に、ポリエステルに対する含有量を、1重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(D)を得た。得られたポリエステル(D)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径2.5μm、粒径分布値1.3のシリカ粒子に、ポリエステルに対する含有量を、0.6重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(E)を得た。得られたポリエステル(E)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径0.8μm、粒径分布値2.5の天然炭酸カルシウム粒子に、ポリエステルに対する含有量を、1重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(F)を得た。得られたポリエステル(F)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径0.12μm、粒径分布値2.0のシリカ粒子に、ポリエステルに対する含有量を、0.3重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(G)を得た。得られたポリエステル(G)は極限粘度0.63であった。
・カチオンポリマー:(a1)
ジアリルジメチルアンモニウムクロライドを用いた4級アンモニウム塩含有カチオンポリマー ((1)式のピロリジニウム環含有カチオンポリマー)
平均分子量約30000。
・カチオンポリマー:(a2)
ジアリルモノメチルアンモニウムメタンスルホン酸塩を用いた4級アンモニウム塩含有カチオンポリマー ((1)式のピロリジニウム環含有カチオンポリマー)
平均分子量約30000。
・カチオンポリマー:(a3)
ポリ(トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート)モノメチル硫酸塩のホモポリマー ((5)式のカチオンポリマー)
・バインダーポリマー:(b)
ポリビニルアルコール樹脂 (けん化度88モル%、重合度約500)
・架橋剤:(c)
アルキロールメラミン/尿素共重合の架橋性樹脂(大日本インキ化学工業社製ベッカミン)
上記ポリエステル(A)と、ポリエステル(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)とを、下記表1または2に示すとおりの割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(A)チップ100%の原料をB層の原料として、180℃で4時間乾燥した後、2台の押出機に各々供給した。そしてA層を最外層(両表層)、B層を中間層として290℃で溶融押出しし、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで表1または2で示した延伸倍率、延伸温度で縦延伸を行って、一軸延伸フィルムとした。ここでフィルムの両面にコロナ放電処理を施した後、表1または2で示した固形分組成の塗布液を、乾燥・延伸後の厚みが0.06μmとなるように塗布した(比較例4は除く)。この後フィルムをテンターに導き、乾燥・予熱を行った後、表1または2に示した条件で横延伸および熱固定を行い、総厚み40μm、厚み構成が4μm/32μm/4μm(A/B/A)、幅3300mmのマスターロールを得た。これをスリッターにて、幅1000mm、長さ5000mのフィルムロールにスリットして、各3ロール採取した。
Claims (1)
- 少なくとも片面にカチオンポリマーを含む塗布層を有する延伸ポリエステルフィルムであり、当該塗布層の表面固有抵抗値が1×1013Ω以下であり、ポリエステルフィルム中に存在する粒子の平均粒径(d50)が0.2〜1.5μmの範囲であり、その粒径分布値(d25/d75)が1.0〜2.0の範囲であることを特徴とする離型フィルム用ポリエステルフィルム。
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