JP2008130800A - 基板処理装置 - Google Patents

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祐介 村岡
Masahito Uno
雅人 宇野
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巧 溝河
Yasuyoshi Kitazawa
保良 北澤
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Abstract

【課題】ラックピッチを低減して、十分な格納可能枚数を備えかつ分割する必要のない基板熱処理部を備える基板処理装置を提供する。
【解決手段】搬送ステージ8を搬送対象支持棚51と相対向する位置に移動させた状態で、支持棚51の上面にエアを供給して、支持棚51で基板Wを滑動可能な状態にする。また、搬送ステージ8の上面にもエアを供給して基板Wを浮上させ、基板Wを滑動自在に支持する。続いて、ピックアップハンド11が、搬送ステージ8に支持された基板Wの一端を保持させて支持棚51上に引き入れて、基板Wを搬送ステージ8から支持棚51に移載する。この構成により、支持棚51を格子状に形成することが可能となる。支持棚51を格子状に形成することによって、厚みを抑え、撓みを低減しつつ、十分な強度を得る。これによって、ラックピッチを最小化し、基板焼成炉1の高さの低減が可能となる。
【選択図】図8

Description

この発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」という)に対して所定の処理を行う基板処理装置に関する。より具体的には、基板に対する熱処理を行う熱処理部と、当該熱処理部に対する基板の搬出入を行う基板搬送装置とを備える基板処理装置に関する。
基板を加熱して焼成処理を行う焼成炉は、特許文献1に記載されているように、内部に基板を多段状態で格納し、その内部を所定の焼成温度まで昇温して基板を焼成する構成のものが一般的である。なお、加熱とは基板を温度上昇させることで、焼成とは、その結果、例えば有機材料の加熱あるいは酸化分解が起こることをいう。また、加熱の目的は、CVD(化学的気相堆積法)やアニールなどの広い用途があるが、ここでは焼成を例に取り説明する。
特開2006−84109号公報
焼成時間や基板1枚当たりの処理タクト等を勘案すると、基板に対する焼成処理を効率的に行うためには、所定枚数以上の基板を焼成炉内に一度に格納できることが望ましい。例えば、焼成時間が30分、処理タクトが1分の場合、ここに昇温時間や搬送時間を勘案すると、効率的な焼成処理を実現するためには、最低でも38枚程度の基板を一度に格納できる焼成炉が必要とされる。焼成時間がこれより長くなると、さらに多くの基板を格納できる焼成炉が求められることになる。
一方、焼成炉の高さには許容限界がある。許容限界を規定する第1の値は、焼成炉が設置されるクリーンルームの天井までの高さであり、焼成炉の高さがこれを超えることは許されない。第2の値は、輸送可能な高さの限界値である。これを超える高さの焼成炉は分割しなければ輸送することができない。焼成炉を分割して輸送する場合、分割状態の焼成炉を現場で接続しなければならず、これに伴い納期上の負担や、余計なコスト(余分な材料費や設計費、接続部のコスト、搬送梱包数の増加、現場の接続作業に要するコスト等)が発生してしまう。また、シール性を確実に確保しなければプロセス上の問題やクリーンルーム環境の汚染といった大問題に発展する恐れもある。
つまり、焼成炉には、高さを抑えながら、その内部に所定数以上の基板を格納することが求められる。このためには、焼成炉内で基板を支持する棚間のピッチ(以下において「ラックピッチ」という)をできるだけ小さくすることが必要となる。
ラックピッチを小さくすることを妨げる要因のひとつは、焼成炉に対する基板の搬出入を行う搬送装置が備える搬送フォークの厚みや撓みである。図20(a)の横断面図に示すように、従来の基板焼成炉910では、基板を支持する支持部材911は、その一端が基板格納部の内背面に固定配置されており、炉内で基板Wを片持ち状態で支持するものである。また、基板Wを補助的に支持する支持部材912が基板格納部の側面にさらに設けられる場合もある。支持部材911上に支持された基板Wを取り出す場合、搬送装置920は、搬送フォーク921を炉内に挿入し、支持部材911上の基板Wを下側から持ち上げて搬送フォーク921上に載置し、その状態で搬送フォーク921を炉内から退出させる。逆に、搬送フォーク921で支持された基板Wを炉内に搬入する場合、図20(b)の縦断面図に示すように、搬送装置920は、基板Wを支持した搬送フォーク921を炉内に挿入し、支持部材911上で搬送フォーク921を下降させて基板Wを支持部材911上に載置する。このように、基板の搬出入を行う搬送装置の搬送フォークが炉内に挿入されることを鑑みると、図20(b)に示されるように、挿入される搬送フォークの厚みと撓みを考慮してラックピッチdを大きく設定しなければならない。
ラックピッチを小さくすることを妨げるもうひとつの要因は、炉内の支持部材911自身の厚みや撓みである。炉内に搬送フォーク911が挿入されるという事情から、支持部材911は炉内で基板Wを片持ち状態で支持しなければならなくなる。このため、支持部材911には不可避的に撓みが発生してしまう。この撓みの要因は、支持部材911の自重、載置される基板Wの重み、炉内の温度上昇による支持部材911の剛性低下等であり、特に焼成炉のように高温下にさらされる支持部材911においては、その撓みの影響は顕著なものとなってしまう。すなわち、図20(b)の位置では、搬送フォーク921と下側の支持部材911に載置される基板Wとが干渉している。よって、干渉しない位置までラックピッチdを拡大する必要がある。
基板の大型化が進む近年においては、搬送フォークや炉内の支持部材に発生する撓みは、一層顕著なものとなっているという事情もあり、従来の様々な技術を採用したところで、ラックピッチはある程度(例えば、2.2m×2.4mサイズの基板で100mm程度)以下にすることは不可能であった。これでは、所定の高さ限界内で分割することなしに、例えば38枚の基板を一度に格納できる焼成炉は実現不可能であった。また、焼成時間が長い焼成処理を行う場合には、焼成炉が複数個必要となってしまい、コストアップ、フットプリントの拡大等を招いていた。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、ラックピッチを低減すること、ひいては、十分な格納可能枚数を備えかつ所定の高さ限界内で分割する必要のない基板熱処理部を備える基板処理装置を提供することを目的としている。
請求項1の発明は、基板に対する熱処理を行う熱処理部と、前記熱処理部に対する基板の搬出入を行う基板搬送装置とを備える基板処理装置であって、前記熱処理部が、複数の基板を格納する基板格納部と、前記基板格納部内に多段に形成され、それぞれが基板を下方から支持する複数の支持棚と、前記複数の支持棚のそれぞれの上面に形成され、基板を滑動自在に支持することができる第1支持手段と、前記複数の支持棚によって支持される基板に対して所定の熱処理を行う熱処理手段と、を備え、前記基板搬送装置が、基板を支持する搬送ステージと、前記搬送ステージを前記複数の支持棚のいずれかに相対向する位置に移動させる移動手段と、前記搬送ステージの上面に形成され、基板を滑動自在に支持することができる第2支持手段と、基板を、前記第1支持手段によって滑動自在に支持される第1の滑動位置と、前記第2支持手段によって滑動自在に支持される第2の滑動位置との間で進退移動させる進退手段と、を備える。
請求項2の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記第1支持手段が、前記複数の支持棚のそれぞれの上面に、下方から上方に向けて噴出される気体を供給して、基板を前記複数の支持棚のそれぞれの上面から所定距離だけ上方に浮上させた位置で滑動自在に支持する第1浮上支持手段、を備える。
請求項3の発明は、請求項2に記載の基板処理装置において、前記第1浮上支持手段が、前記複数の支持棚のそれぞれの上面に供給する気体を加熱する気体加熱手段、を備える。
請求項4の発明は、請求項2または3に記載の基板処理装置において、前記第1浮上支持手段が、前記複数の支持棚のそれぞれの上面に形成された凸部、を備え、前記凸部の上面に基板を支持する支持面が形成されており、前記支持面に前記気体の噴出口が形成されている。
請求項5の発明は、請求項2から4のいずれかに記載の基板処理装置において、前記第1浮上支持手段による前記気体の供給を停止して基板を前記複数の支持棚のそれぞれの上面に載置することによって、前記複数の支持棚のそれぞれに支持される基板の支持状態を、滑動自在に支持する状態から固定して支持する状態に切り替える。
請求項6の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の基板処理装置において、前記複数の支持棚のそれぞれの上面から所定距離だけ上方の位置に基板を突き上げて支持する突き上げ支持手段、を備え、前記第1支持手段によって滑動自在に支持された基板を前記突き上げ支持手段に支持させることによって、前記複数の支持棚のそれぞれに支持される基板の支持状態を、滑動自在に支持する状態から固定して支持する状態に切り替える。
請求項7の発明は、請求項6に記載の基板処理装置において、前記突き上げ支持手段が、基板の裏面を点で突き上げて支持する複数の支持ピン、を備える。
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかに記載の基板処理装置において、前記第1支持手段によって滑動自在に支持された基板の水平方向の位置を規制する基板位置規制手段、を備える。
請求項9の発明は、請求項1から8のいずれかに記載の基板処理装置において、前記第2支持手段が、前記搬送ステージの上面に、下方から上方に向けて噴出される気体を供給して、基板を前記搬送ステージの上面から所定距離だけ上方に浮上させた位置で滑動自在に支持する第2浮上支持手段、を備える。
請求項10の発明は、請求項9に記載の基板処理装置において、前記第2浮上支持手段による前記気体の供給を停止して基板を前記搬送ステージの上面に載置することによって、前記搬送ステージに支持される基板の支持状態を、滑動自在に支持する状態から固定して支持する状態に切り替える。
請求項11の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記第1支持手段が、前記複数の支持棚のそれぞれの上面に配置され、前記複数の支持棚のそれぞれの上面と当該支持棚に支持される基板の裏面との間で転動しながら前記基板を滑動自在に支持する転動支持部、を備える。
請求項12の発明は、請求項11に記載の基板処理装置において、前記複数の支持棚のそれぞれの上面に、下方から上方に向けて噴出される気体を供給して、前記転動支持部を前記複数の支持棚のそれぞれの上面から所定距離だけ上方に浮上させた位置に支持する転動部浮上支持手段、を備える。
請求項13の発明は、請求項1から12のいずれかに記載の基板処理装置において、前記複数の支持棚のそれぞれが、その両端が前記基板格納部の両側面にそれぞれ固定配置された水平支持部材、を備える。
請求項14の発明は、請求項13に記載の基板処理装置において、前記水平支持部材が柱状であり、前記複数の支持棚のそれぞれが、柱状であり、その一端が前記基板格納部の内背面に固定配置された直交水平部材、を備え、前記複数の支持棚のそれぞれが、複数の前記水平部材と複数の前記直交水平支持部材とが一体となって格子状に形成されている。
請求項15の発明は、請求項13に記載の基板処理装置において、前記水平支持部材が平板状であり、前記水平部材の対向する2辺が前記基板格納部の両側面にそれぞれ固定配置されている。
請求項1に記載の発明によると、第1支持手段および第2支持手段が、基板を滑動自在に支持するので、小さな力でもって基板を支持棚と搬送ステージとの間で進退移動させることが可能となる。したがって、支持棚に対する基板の搬出入を行う際に基板加熱炉内に搬送フォーク等を挿入する必要がない。その結果、支持棚間のピッチを小さくすることが可能となり、ひいては、十分な格納可能枚数を備えかつ所定の高さ限界内で分割する必要のない熱処理部を備える基板処理装置を実現することが可能となる。
特に、請求項2に記載の発明によると、支持棚の上面に気体を供給して、基板を支持棚の上面から所定距離だけ上方に浮上させるので、基板と支持棚との間で摩擦が発生しない。これによって、ごく僅かな力でもって基板を進退移動させることが可能となる。
特に、請求項3に記載の発明によると、支持棚の上面に供給する気体を加熱するので、気体の供給によって基板格納部内の温度分布に影響を与えることがなく、基板に対する熱処理を適正に行うことができる。
特に、請求項4に記載の発明によると、支持棚の上面に形成された凸部の上面に形成された支持面に気体の噴出口が形成されている。つまり、気体の吐出位置を、支持棚の上面よりも凸部の高さ分だけ高い位置とすることができる。これによって、支持された基板が撓んで支持棚の表面に接触してしまうことがないように予め基板の浮上位置を高く設定しておく必要がなくなるため、吐出する気体の量を低減することができる。
特に、請求項5に記載の発明によると、滑動自在に支持する必要がない間は気体の供給を停止するので、吐出する気体の量を低減することができる。また、基板を固定して支持することによって、基板に対する熱処理を安定して行うことが可能となる。
特に、請求項6,7に記載の発明によると、支持棚のそれぞれの上面から所定距離だけ上方の位置に基板を突き上げて支持するので、基板が支持棚と接触しない。これによって、支持棚に接触した部分と接触しない部分との間に生じる基板の温度分布の不均一を解消し、基板に対して均一な熱処理を行うことが可能となる。
特に、請求項8に記載の発明によると、滑動自在に支持された基板の水平方向の位置を規制することができるので、基板を安定して精度よく進退移動させることが可能となる。また、基板が横滑りなどを起こして基板格納部の内壁面に接触するといった事態を未然に防止することができる。
特に、請求項9に記載の発明によると、搬送ステージの上面に気体を供給して、基板を搬送ステージの上面から所定距離だけ上方に浮上させるので、基板と搬送ステージとの間で摩擦が発生しない。これによって、ごく僅かな力でもって基板を進退移動させることが可能となる。
特に、請求項10に記載の発明によると、滑動自在に支持する必要がない間は気体の供給を停止するので、吐出する気体の量を低減することができる。また、基板を固定して支持することによって、基板を安定させて搬送することが可能となる。
特に、請求項11に記載の発明によると、転動支持部が、支持棚の上面と基板の裏面との間で転動しながら基板を滑動自在に支持するので、基板と支持棚との間で摩擦を低減することができる。これによって、ごく僅かな力でもって基板を進退移動させることが可能となる。
特に、請求項12に記載の発明によると、支持棚の上面に気体を供給して、転動支持部を支持棚の上面から所定距離だけ上方に浮上させた位置に支持する。したがって、転動支持部が転動しながら支持棚に接触することがなく、接触によるパーティクルの発生を防止することができる。
特に、請求項13に記載の発明によると、支持棚が、その両端が基板格納部の両側面にそれぞれ固定配置された水平支持部材を備えるので、従来のように片持ち状態で基板を支持する支持部材に比べて、高い強度を得ることができる。したがって、支持棚の厚みを小さくすることが可能となり、ひいては、支持棚間のピッチを小さくすることが可能となる。
特に、請求項14に記載の発明によると、支持棚が格子状に形成されているので、一方向のみに張り渡された支持部材により構成される支持棚に比べても、高い強度を得ることができる。
特に、請求項15に記載の発明によると、支持棚が平板状に形成されているので、一方向のみに張り渡された支持部材により構成される支持棚に比べても、高い強度を得ることができる。
〔第1の実施の形態〕
〈I.構成〉
図1を参照しながら、この発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置100の構成について説明する。図1は、この発明に係る基板処理装置100の概略平面図である。なお、以下において、図中には適宜XYZ直交座標系を付している。この座標系においては、Z軸方向を鉛直方向とし、X、Y軸が水平面を規定するものとする。基板処理装置100は、基板焼成炉1と、基板焼成炉1に対する基板の搬出入を行う基板搬送装置2とをそれぞれ少なくとも1以上備える。また、制御部3を備える。基板焼成炉1は、基板に対する焼成処理を行う。基板搬送装置2は、カセットCに収納された基板を1枚ずつ取り出して基板焼成炉1に搬入し、また、基板焼成炉1内で焼成処理が完了した基板を1枚ずつ搬出してカセットCに収納する。
〈1.基板焼成炉〉
〈全体構成〉
基板焼成炉1の構成について図2を参照しながら説明する。図2は基板焼成炉1の外観の概略斜視図である。基板焼成炉1は、開口部を有する箱形の炉体3と、炉体3の開口部を塞ぐルーバタイプのシャッター4とを備えている。
炉体3は、基板焼成炉1の本体を構成する筐体であり、断熱材を用いて成型されている。炉体3はその内部に基板格納部5を収納している。基板格納部5については後に説明する。また、基板格納部5に格納された基板を加熱する加熱気体供給系6を備えている。
シャッター4は、全***置規制部材41と、全***置規制部材41上に鉛直方向に積層載置された複数個のルーバ42a,42b,42cとを備える。全***置規制部材41には、図示しない昇降機構が取り付けられ、上下方向(矢印AR41)に昇降可能である。全***置規制部材41を昇降させることによって、それに積層載置された複数のルーバ42a,42b,42cも一体に昇降させることができる。また、ルーバ42a,42b,42cのそれぞれも、図示しない昇降機構が取り付けられており、上下方向(矢印AR42)に昇降可能である。例えば、ルーバ42bを昇降させることによって、それに積層載置されたルーバ42aも一体に昇降させることができる。すなわち、ルーバ42bを上方に移動させることによって、ルーバ42cとルーバ42bの間に開口部を形成することができる。つまり、ルーバ42a,42b,42cおよび全***置規制部材41のそれぞれを昇降制御することによって、後述する基板格納部5の多段構造のうちの任意の段に対向した開口部を形成することができる。また、ルーバ42a,42b,42cの移動距離を適切に設定することによって、形成される開口部の鉛直方向についての長さを適正値(好ましくは、後述するピックアップハンド11および基板が通過するのに必要な最小限の値)とすることができる。
〈加熱気体供給系6〉
加熱気体供給系6について、図3(a)を参照しながら説明する。加熱気体供給系6は、基板格納部5の内部空間(以下において「焼成空間V」という)に加熱された気体(エア)を供給する。加熱気体供給系6は、配管61と、ヒータ62と、ファン63と、耐熱HEPAフィルタ64とを備えている。
ヒータ62は、配管61内の気体を加熱する。つまり、焼成空間Vにはヒータ62によって加熱された気体が供給されることになり、これによって基板格納部5に格納された基板が加熱される。例えば、300度焼成の場合であればヒータ62は配管61内の気体を320度程度に温調する。
ファン63は、矢印AR6a〜AR6dに沿って配管61および基板格納部5内の気流を循環させる。つまり、焼成空間V内には矢印AR6cの向きの気流が形成されることになり、これによって焼成空間V内が温度ムラなく均質に所定の焼成処理温度に保たれる。なお、基板格納部5の本体を構成する壁のうち、特に側壁はパンチングメタルによって成型されており、気流の循環を妨げない。また、ヒータ62とファン63の位置は図3に示す位置と逆でもよい。
耐熱HEPAフィルタ64は、基板格納部5内に流入する気体中のゴミなどを取り除く。これによって基板格納部5内に清浄な気体が供給される。
〈基板格納部5〉
基板格納部5の構成について図3を参照しながら説明する。図3(a)は基板格納部5の横断面図であり、図3(b)は基板格納部5の縦断面図である。基板格納部5は、所定のラックピッチd1で多段に形成され、それぞれが基板を下方から支持する複数の支持棚51を備えている。
〈a.支持棚51〉
図3(b)に示すように、支持棚51は基板格納部5内に水平に張り渡されている。つまり、支持棚51の上面は水平面を形成しており、これによって基板格納部5は支持棚51によってそれぞれ水平に支持された基板を多段状態で複数枚格納することができる。
図3(a)に示すように、支持棚51は格子状に形成されている。より具体的には、第1の柱状水平部材52と第2の柱状水平部材53とが一体となって支持棚51を形成している。第1の柱状水平部材52は、その一端が基板格納部5の内背面F5cに固定配置され、第1の水平方向(Y方向)について張り渡されている。すなわち、第1の柱状支持部材52は、基板を片持ちで支持する。また、第2の柱状水平部材53は、その両端が基板格納部5の両側面F5a,F5bにそれぞれ固定配置され、第2の水平方向(X方向)について張り渡されている。すなわち、第2の柱状水平部材53は、基板を両持ちで支持する。柱状水平部材52,53は、例えばステンレス(SUS)で形成されている。
支持棚51の上面には、基板を滑動自在に支持する第1支持手段としてエア浮上手段7が形成されている。エア浮上手段7は、支持棚51の上面に、下方から上方に向けて噴出される気体(エア)を供給して、基板を支持棚51の上面から所定距離だけ上方に浮上させた位置(以下において「第1浮上位置T1」(図10(b)参照)という)で滑動自在に支持する。なお、所定距離とは、噴出されるエアの圧力などから規定される距離であり、例えば2ミリ程度である。
〈b.エア浮上手段7〉
エア浮上手段7について図3および図4を参照しながらより詳細に説明する。ただし、図4は、支持棚51の上面付近の拡大断面図である。エア浮上手段7は、複数の空気吐出口71と、パッド72と、浮上用エア供給系73とを備える。
空気吐出口71は、支持棚51の上面に形成された孔であり、支持棚51の内部に形成された中空構造(エアラインAL)に貫通する。後述する浮上用エア供給系73から支持棚51内のエアラインALに供給されたエアは、空気吐出口71を通じて下方から上方に向けて噴出される。
パッド72は、支持棚51の上面の所定箇所(すなわち、空気吐出口71の形成箇所)に取り付けられた平板状の部材であり、図4(a)に示すように所定の厚みd2を有している。パッド72が支持棚51の上面に取り付けられることによって、支持棚51の上面には所定の高さd2の凸部が形成されることになる。パッド72の上面には、水平面が形成されており、基板を支持することができる。つまり、パッド72が取り付けられた部分には、支持棚51の表面から所定距離d2だけ離間した位置で基板を支持可能な支持面が形成されることになる。また、空気吐出口71はパッド72を貫通して形成される。パッド72は例えば、テフロン(登録商標)、PEEK、ベスペルで形成されている。
なお、パッド72の上面には図4(b)に示すように凸構造が形成されていてもよい。ただし、この場合、空気吐出口71がパッド72の上面に形成された凸構造の先端面(すなわち、基板の支持面)内に配置されるようにすることが望ましい。
また、安定的な基板移動のため、各支持棚51に取り付けられる複数のパッド72の総面積は、基板面積の1/3程度とすることが好ましい。また、互いに隣接するパッド72間の距離は、最大で40mm程度とすることが好ましい。さらに、パッド72は非金属の部材で形成することが望ましい。パッド72を非金属の部材で形成すれば、支持棚51上に基板を載置した際に、基板の裏面が支持棚51の上面ではなく非金属で形成されたパッド72に接触するので、基板の下面に傷がついてしまうといった事態が防止される。
再び図3を参照する。浮上用エア供給系73は、基板の浮上に利用するエアを供給する。より具体的には、加熱気体供給系6の備える配管61内を循環する加熱されたエアの一部を配管61から採取して(矢印AR7)、支持棚51内に形成されたエアラインALに供給する。浮上用エア供給系73は、配管731と、ソレノイド弁732と、ブースターファン733とを備えている。
配管731の一端は、基板格納部5の備える複数の支持棚51のそれぞれ(より具体的には、各支持棚51内に形成されたエアラインAL)に接続されている。また、配管731の他端は加熱気体供給系6の配管731に接続されている。配管731には、複数の支持棚51のそれぞれに対するエアの供給および停止を制御するソレノイド弁732が介挿されている。各ソレノイド弁732は制御部3に接続されている。図3(b)に示すように、エアラインALとの接続端からみてソレノイド弁732よりも下流側において、配管731は他の段の支持棚51内のエアラインALに接続された配管と合流する。制御部3は、複数のソレノイド弁731を別個独立に制御して、各支持棚51に対するエアの供給および停止を独立して制御する。
ソレノイド弁732のさらに下流側において配管731には、ブースターファン(あるいは、ブロワ)733が介挿されている。ブースターファン733は配管731内のエアを加圧制御する。ブースターファン733は制御部3に接続されている。制御部3はブースタファン733を制御して、所定の圧力のエアを支持棚51のエアラインALに供給する。
〈2.基板搬送装置2〉
〈全体構成〉
次に、基板搬送装置2の構成について図1、図5を参照しながら説明する。図5は、基板搬送装置2の概略斜視図である。基板搬送装置2は、搬送ステージ8とステージ駆動部9とを備えている。
〈ステージ駆動部9〉
ステージ駆動部9は、搬送ステージ8を基板格納部5が備える複数の支持棚51の内の任意の支持棚51に相対向する位置に移動させる。ステージ駆動部9は、第1ベース部91と、第2ベース部92と、本体部93とコラム94とを備えており、X方向、Y方向、Z方向および中心軸94Aを中心とした回動方向の各方向に搬送ステージ8を移動させる。
第1ベース部91は、図示しないX軸方向駆動機構を内蔵し、図1に示すように、複数の基板焼成炉1の配列方向(図ではX方向)に沿って敷設された第1ガイドレール91Lに案内されて進退可能である(AR91)。X軸方向駆動機構は制御部3に接続されており、制御部3はX軸方向駆動機構を制御して第1ベース部91を第1ガイドレール91Lに沿って進退させる。これによって、搬送ステージ8を複数の基板焼成炉1のそれぞれに対向する位置に移動させることが可能となる。また、基板焼成炉1に対向するように配置された複数のカセットCのそれぞれに対向する位置に移動させることが可能となる。
第2ベース部92は、図示しないY軸方向駆動機構を内蔵し、図1に示すように、第1ベース部91上に第1ガイドレール91Lと直交する向き(図ではY方向)に沿って敷設された第2ガイドレール92Lに案内されて進退可能である(AR52)。Y軸方向駆動機構は制御部3に接続されており、制御部3はY軸方向駆動機構を制御して第2ベース部92を第2ガイドレール92Lに沿って進行させる。これによって、搬送ステージ8を基板焼成炉1の開口部に近接する位置に移動させることが可能となる(図1の仮想線位置)。また、カセットCの開口部に近接する位置に移動させることが可能となる。
本体部93は、第2ベース部92の上部に取り付けられている。本体部93には円筒状の外形を有するコラム94が取り付けられている。コラム94は、図示しない昇降機構および回動機構を内蔵し、上下方向(Z方向)に昇降可能である(AR93)とともに、コラム94の中心軸94Aのまわりに回動可能である(AR94)。昇降機構は制御部3に接続されており、制御部3は昇降機構を制御してコラム94を昇降させる。これによって、搬送ステージ8を基板焼成炉1に多段状態に設けられた支持棚51のうちの任意の段にアクセスさせることが可能となる。また、カセットCに多段状態に設けられた基板載置棚(図示省略)のうちの任意の段にアクセスさせることが可能となる。また、回動機構も制御部3に接続されており、制御部3は回動機構を制御してコラム94を中心軸94Aのまわりに回動させる。これによって、搬送ステージ8の先端辺Fを、支持棚51およびカセットCの基板載置棚のいずれにも相対向させることが可能となる。
〈搬送ステージ8〉
次に、搬送ステージ8について図5、図6を参照しながら説明する。図6は、搬送ステージ8の平面図である。搬送ステージ8は、基板を下方から支持するステージである。搬送ステージ8の上面には、基板を滑動自在に支持する第2支持手段としてエア浮上手段10と、基板を進退移動させるピックアップハンド11とを備えている。
〈a.エア浮上手段10〉
エア浮上手段10は、搬送ステージ8の上面に、下方から上方に向けて噴出される気体(エア)を供給して、搬送ステージ8の上面から所定距離だけ上方に浮上させた位置(以下において「第2浮上位置T2」(図8(b)参照)という)で滑動自在に支持する。エア浮上手段10は、複数の空気吐出口101と、パッド102と、浮上用エア供給系103と、吐出口負圧系104とを備える。
空気吐出口101は搬送ステージ8の上面に複数個形成された孔であり、搬送ステージ8の内部に形成された中空構造(エアライン(図示省略))に貫通する。後述する浮上用エア供給系103から搬送ステージ8内のエアラインに供給されたエアは、空気吐出口101を通じて下方から上方に向けて噴出される。
パッド102は、搬送ステージ8の上面の空気吐出口101の形成箇所に取り付けられた平板状の部材であり、その構成は、先に説明したパッド72と同様である。
浮上用エア供給系103は、基板の浮上に利用するエアを供給する。浮上用エア供給系103は、配管131と、ソレノイド弁132と、ブースターファン133とを備えている。
配管131の一端は、搬送ステージ8の内部に形成されたエアラインに接続されている。また、配管131の他端は大気に開放しており、外気を取り込むようになっている。配管131には、搬送ステージ8に対するエアの供給および停止を制御するソレノイド弁132が介挿されている。ソレノイド弁132は制御部3に接続されており、制御部3はソレノイド弁132を制御して搬送ステージ8のエアラインALに対するエアの供給および停止を制御する。
また、配管131は、配管131内のエアを加圧制御するブースターファン133が接続されている。ブースタファン133は制御部3に接続されており、制御部3はブースタファン133を制御して所定の圧力のエアを搬送ステージ8のエアラインALに供給する。
吐出口負圧系104は、空気吐出口101を負圧する。吐出口負圧系104は、配管141と、ソレノイド弁142と、真空ポンプ143とを備えている。配管141の一端は、浮上用エア供給系103の配管131に接続されており、ソレノイド弁142を介挿して、他端は真空ポンプ143に接続されている。ソレノイド弁142は、制御部3に接続されている。制御部3は、ソレノイド弁142を所定のタイミングで開閉制御することによって、空気吐出口101を負圧して空気吐出口101に吸引力を生じさせる。
〈b.ピックアップハンド11〉
ピックアップハンド11は、エア浮上手段7によって滑動自在に支持される第1浮上位置T1と、エア浮上手段10によって滑動自在に支持される第2浮上位置T2との間で、基板を進退移動させる。ピックアップハンド11は、ハンド111と、伸縮駆動機構(図示省略)と、吸着部負圧系112とを備えている。
ハンド111は、搬送ステージ8の上面の先端辺Fと対向する辺にその一端が固定されるとともに、先端辺Fに直交する向きに沿って凹設されたハンド収納溝Hの内部にその全体が収納されている。ただし、ハンド収納溝Hは、ハンド111を収納可能な幅および深さでもって形成されている。また、空気吐出口101は、ハンド収納溝H内には形成されない。
また、ハンド111は、先端辺Fに直交する向き(AR111)に沿って伸縮可能な構造を有しており、固定端の側において伸縮駆動機構に接続されている。伸縮駆動機構は、制御部3に接続されている。制御部3は、伸縮駆動機構を制御してピックアップハンド11を所定のタイミングで伸縮させる。
また、ハンド111の自由端部には、基板の裏面を吸着して保持する吸着部113が形成されている。
吸着部負圧系112は、吸着部113を負圧する。吸着部負圧系112は、配管1121と、ソレノイド弁1121と、真空ポンプ1123とを備えている。ただし、真空ポンプ1123は、吐出口負圧系104の備える真空ポンプ143と共用可能である。配管1121の一端は、ハンド111内において吸着部113まで貫通して形成された中空構造(エアライン(図示省略))に接続されている。また、ソレノイド弁1121を介挿して、他端は真空ポンプ1123に接続されている。ソレノイド弁1121は、制御部3に接続されている。制御部3は、ソレノイド弁1122を所定のタイミングで開閉制御することによって、吸着部113を負圧して吸着部113に吸引力を生じさせる。
ここで、ピックアップハンド11の伸縮態様についてより具体的に説明する。上述の通り、ハンド111は、先端辺Fに直交する向き(AR111)に沿って伸縮可能な構造を有している。すなわち、ハンド111が伸縮することによって、吸着部113は、第1位置P1(図6の仮想線位置)と第2位置P2(図6の実線位置)との間を移動する。ここで、第1位置P1は、搬送対象となる支持棚51と搬送ステージ8とが相対向した状態において、第1浮上位置T1にある基板の先端部(基板焼成炉1の開口部側に位置する端部)の裏面に吸着部113が到達可能な位置である(図10(a)参照)。また、第2位置P2は、第2浮上位置T2にある基板の後端部(先端辺Fと逆側に位置する端部)の裏面に吸着部113が到達可能な位置である(図8(a)参照)。
例えば、吸着部113を第1位置P1に位置させた状態で負圧することによって、ハンド111に第1浮上位置T1にある基板の裏面を真空吸着して保持させることができる。さらに、負圧状態を維持しながら吸着部113を第2位置P2に移動させることによって、基板を第1浮上位置T1から第2浮上位置T2まで引き入れることができる(図10参照)。
また、吸着部113を第2位置P2に位置させた状態で負圧することによって、ハンド111に第2浮上位置T2にある基板の裏面を真空吸着して保持させることができる。さらに、負圧状態を維持しながら吸着部113を第1位置P1に移動させることによって、基板を第2浮上位置T2から第1浮上位置T1まで押し出すことができる(図8参照)。
〈II.処理動作〉
基板処理装置100で実行される基板の焼成処理動作について説明する。基板に対する焼成処理は、所定の焼成温度まで昇温された基板焼成炉1内に未処理基板を搬入し、所定時間経過して基板に対する焼成処理が完了した時点で、処理済基板を基板焼成炉1から搬出することによって行われる。より具体的に説明すると、制御部3は、ヒータ62およびファン63を駆動制御して、焼成空間Vに所定温度に温調された気体を供給して、焼成空間Vを所定の焼成処理温度(例えば300℃)まで昇温する。焼成空間Vが所定の焼成処理温度になると、基板搬送装置2が基板の搬入を開始する。すなわち、カセットCから未処理基板を1枚ずつ取り出して基板焼成炉1内に搬入する。また、焼成処理が完了した処理済基板を1枚ずつ基板焼成炉1内から搬出してカセットCに収納する。
〈基板焼成炉1内への搬入〉
図7,図8を参照しながら、未処理基板を基板焼成炉1内に搬入する際の動作について詳細に説明する。図7は、当該動作の流れを示す図である。また、図8は、当該動作を説明するための図である。
はじめに、基板搬送装置2がカセットCから未処理基板Wを取り出して、取り出した未処理基板Wを搬送ステージ8の上面に載置する(ステップS1)。
続いて、制御部3が吐出口負圧系104のソレノイド弁142を開いて、搬送ステージ8の上面に形成された空気吐出口101内を負圧し、未処理基板Wを搬送ステージ8の上面に吸着保持する(ステップS2)。
続いて、未処理基板Wを搬送ステージ8の上面に吸着保持した状態のまま、制御部3がステージ駆動部9の駆動機構を制御して、搬送ステージ8を、基板格納部5の備える複数の支持棚51のうちで未処理基板Wを載置すべき支持棚51(搬送対象支持棚51)に対向する位置に移動する(ステップS3)。搬送対象支持棚51に対向する位置とは、より具体的には、図8に示すように、搬送ステージ8の先端辺Fが搬送対象支持棚51の先端辺に近接した位置であり、かつ、搬送ステージ8の上面が搬送対象支持棚51の上面と略水平となる高さにある位置である。
続いて、制御部3が第1支持手段として設けられたエア浮上手段7を制御して、未処理基板Wを滑動自在に支持可能な状態に切り替える(ステップS4)。より具体的には、浮上用エア供給系73の所定のソレノイド弁732(すなわち、搬送対象支持棚51内のエアラインALに接続された配管731に介挿されたソレノイド弁732)を開いて、配管61内を循環するエアの一部を、所定圧力で搬送対象支持棚51のエアラインALに供給する。ただし、配管61を流れるエアは所定温度(例えば、320度)に維持されている。浮上用エア供給系73から搬送対象支持棚51内のエアラインALに供給されたエアは、空気吐出口71を通じて下方から上方に向けて噴出される。
続いて、制御部3が第2支持手段として設けられたエア浮上手段10を制御して、未処理基板Wを固定して支持する状態から滑動自在に支持する状態に切り替える(ステップS5)。より具体的には、まず、吐出口負圧系104のソレノイド弁142を閉じて未処理基板Wを吸着保持された状態から解放する。続いて、浮上用エア供給系103のソレノイド弁132を開いて、搬送ステージ8内のエアラインにエアを供給する。浮上用エア供給系103からエアラインに供給されたエアは空気吐出口101を通じて下方から上方に向けて噴出される。これによって、搬送ステージ8の上面に固定して支持された未処理基板Wが第2浮上位置T2において滑動自在に支持される状態になる。なお、この処理はステップS4の処理と並行して行われてもよい。
続いて、制御部3がピックアップハンド11の伸縮駆動機構と吸着部負圧系112とを制御して、第2浮上位置T2にある未処理基板Wを第1浮上位置T1まで押し出す(ステップS6)。この動作は、より具体的には次のように行われる。まず、吸着部負圧系112のソレノイド弁1122を開いて吸着部113を負圧して、第2浮上位置T2にある未処理基板Wの後端部を吸着保持する。続いて、伸縮駆動機構を制御してハンド111を伸長させて、吸着部113を第2位置P2から第1位置P1まで移動させる。支持棚51の上面にはエアが供給されており、移動した未処理基板Wは、第1浮上位置T1において滑動可能に支持される状態になる。
続いて、制御部3が吸着部負圧系112のソレノイド弁1122を閉じて吸着部113に吸着された未処理基板Wを吸着状態から解放した後に、伸縮駆動機構を制御してハンド111を縮小させて、吸着部113を第1位置P1から第2位置P2まで移動させる(ステップS7)。
続いて、制御部3がエア浮上手段7を制御して、未処理基板Wを滑動自在に支持する状態から固定して支持する状態に切り替える(ステップS8)。より具体的には、浮上用エア供給系73のソレノイド弁732を閉じて、支持棚51の上面に対するエアの供給を停止する。これによって、第1浮上位置T1に浮上している未処理基板Wが支持棚51の上面に載置されて固定的に支持される状態になる。なお、空気吐出口71内を負圧可能な配管系を設けておき、ここで、空気吐出口71を負圧して、未処理基板Wを支持棚51の上面に吸着保持する構成としてもよい。
以上の処理によって、カセットC内の未処理基板を基板焼成炉1内に搬入する動作が終了する。
〈基板焼成炉1内からの搬出〉
図9,図10を参照しながら、焼成処理が完了した処理済基板を基板焼成炉1内から搬出する際の動作について詳細に説明する。図9は、当該動作の流れを示す図である。また、図10は当該動作を説明するための図である。
はじめに、制御部3がステージ駆動部9の駆動機構を制御して、搬送ステージ8を、基板格納部5の備える複数の支持棚51のうちで搬出すべき処理済基板Wが支持された持棚51(搬送対象支持棚51)に対向する位置に移動する(ステップS11)。
続いて、制御部3が第2支持手段として設けられたエア浮上手段10を制御して、処理済基板Wを滑動自在に支持可能な状態に切り替える(ステップS12)。より具体的には、浮上用エア供給系103のソレノイド弁132を開いて、搬送ステージ8のエアラインにエアを供給する。浮上用エア供給系103から搬送ステージ8内のエアラインに供給されたエアは、空気吐出口101を通じて下方から上方に向けて噴出される。
続いて、制御部3が第1支持手段として設けられたエア浮上手段7を制御して、処理済基板Wを固定して支持する状態から滑動自在に支持する状態に切り替える(ステップS13)。より具体的には、浮上用エア供給系73のソレノイド弁32(すなわち、搬送対象支持棚51内のエアラインALに接続された配管731に介挿されたソレノイド弁732)を開いて、搬送対象支持棚51のエアラインALにエアを供給する。浮上用エア供給系73からエアラインALに供給されたエアは空気吐出口71を通じて下方から上方に向けて噴出される。これによって、支持棚51の上面に載置されることにより固定的に支持された処理済基板Wが第1浮上位置T1において滑動自在に支持される状態になる。なお、この処理はステップS12の処理と並行して行われてもよい。
続いて、制御部3がピックアップハンド11の伸縮駆動機構と吸着部負圧系112とを制御して、第1浮上位置T1にある処理済基板Wを第2浮上位置T2まで引き込む(ステップS14)。この動作は、より具体的には次のように行われる。まず、伸縮駆動機構を制御してハンド111を伸長させて、吸着部113を第2位置P2から第1位置P1まで移動させる。吸着部113が第1位置P1に到達すると、続いて吸着部負圧系112のソレノイド弁1122を開いて吸着部113を負圧して、第1浮上位置T1にある処理済基板Wの先端部を吸着保持する。続いて、再び伸縮駆動機構を制御してハンド111を縮小させて、吸着部113を第1位置P1から第2位置P2まで移動させる。搬送ステージ8の上面にはエアが供給されており、移動した処理済基板Wは、第2浮上位置T2において滑動可能に支持される状態になる。なお、エア浮上手段7によって滑動自在に支持される前(すなわち、ステップS13の処理を行う前)に、ピックアップハンド11の吸着部113で処理済基板Wの先端部を吸着保持させてもよい。このようにすれば、処理済基板Wが浮上する前にピックアップハンド11によって吸着保持しておくことによって、浮上した基板の位置を規制することが可能となる。
続いて、制御部3がエア浮上手段10を制御して、処理済基板Wを滑動自在に支持する状態から固定して支持する状態に切り替える(ステップS15)。より具体的には、浮上用エア供給系103のソレノイド弁132を閉じて搬送ステージ8の上面に対するエアの供給を停止する。これによって、第2浮上位置T2に浮上している処理済基板Wが搬送ステージ8の上面に載置されて固定的に支持される状態になる。さらに続いて、吐出口負圧系104のソレノイド弁142を開いて空気吐出口101を負圧して、処理済基板Wを搬送ステージ8の上面に吸着保持する。
続いて、処理済基板Wを搬送ステージ8の上面に吸着保持した状態のまま、制御部3がステージ駆動部9の駆動機構を制御して、処理済基板Wを格納すべきカセットCの位置まで搬送ステージ8を移動するとともに、当該カセットCに処理済基板Wを格納する(ステップS16)。
以上の処理によって、焼成処理が完了した処理済基板を基板焼成炉1内から搬出してカセットCに収納する動作が終了する。
なお、基板搬送装置2がカセットCに対する基板Wの搬出入を行う際の動作(ステップS1およびステップS16)を、基板焼成炉1に対する基板Wの搬出入動作と同様に行う構成としてもよい。この場合、カセットC内の基板載置面を支持棚51と同様の構成とすればよい。
〈III.効果〉
この実施の形態によると、第1支持手段として設けられたエア浮上手段7および第2支持手段として設けられたエア浮上手段10が、基板を滑動自在(すなわち、摩擦が低減された状態)で支持するので、小さな力でもって基板を支持棚51と搬送ステージ8との間で進退移動させることが可能となる。したがって、搬送対象支持棚51に対する基板の搬出入を行う際に基板焼成炉1内に搬送フォーク等を挿入する必要がない。その結果、支持棚51のラックピッチd1を小さくする(具体的には、45mm程度まで小さくする)ことが可能となり、ひいては、十分な格納可能枚数を備えかつ所定の高さ限界内で分割する必要のない基板焼成炉1を備える基板処理装置100が実現することが可能となる。これによって、分割可能な構成とするために必要となる余計な経費の加算、シール性確保の困難性といった問題を回避することができる。また、格納枚数が増大して焼成処理時間が長くなる場合にも、基板焼成炉を複数セット保有する必要がなくなるので、基板焼成炉の設置面積を抑えることが可能となり、フットプリントの拡大を回避できる。
また、この実施の形態によると、エア浮上手段7が支持棚51の上面に気体を供給して基板を第1浮上位置T1に浮上させるので、滑動自在に支持された基板と支持棚51との間で摩擦が発生しない。これによって、ごく僅かな力でもって基板を進退移動させることが可能となる。
また、この実施の形態によると、エア浮上手段7の備える浮上用エア供給系73は、加熱気体供給系6の備える配管61内を循環する加熱されたエアの一部を配管61から採取して、支持棚51内に形成されたエアラインALに供給する。つまり、支持棚51の上面に加熱された気体を供給するので、支持棚51より吐出された気体が焼成空間Vの温度分布に影響を与えることがない。したがって、基板に対する熱処理を適正に行うことができる。
また、この実施の形態によると、支持棚51の上面に所定の厚みdを有するパッド72が取り付けられており、空気吐出口71はパッド72を貫通して形成されている。通常において、空気吐出口71からエアを供給した状態においては、互いに隣接する空気吐出口71の間部分において基板に撓みが生じてしまう。基板を支持棚51の表面に接触させることなく完全に浮上させるためには、この撓みを考慮して、基板の浮上位置を撓み分だけ高い位置に設定しなければならない。そのためには、供給するエアの量を多くするか、空気吐出口71の形成箇所を増やさなければならない。しかしながらこの実施の形態においては、空気吐出口71の形成箇所にパッド72が取り付けられており、これによって、気体の吐出位置がパッド72の厚みd分だけ高い位置となっている。したがって、この厚みd分の撓みが基板に生じても、支持棚51の表面上に基板が接触することがない。つまり、基板の浮上位置を余計に高くする必要がなくなるため、少ないエア量で完全に基板を浮上させることが可能となる。また、パッド72上面と基板の下面との間において基板重量と気流とのバランス状態が形成されることによって、基板を安定して支持することが可能となる。
また、この実施の形態によると、一連の基板の搬出入動作の中の所定のタイミングで、制御部3が、支持棚51や搬送ステージ8に支持される基板の支持状態を滑動自在に支持する状態から支持棚51の上面に載置して固定的に支持する状態に切り替えるので(図7のステップS8,図9のステップS15参照)、吐出する気体の量を低減することができる。また、基板を支持棚51に対して固定して支持することによって、基板に対する焼成処理を安定して行うことが可能となる。また、搬送ステージ8に対して固定して支持することによって、基板を安定させて搬送することが可能となる。
特に、この実施の形態によると、支持棚51が、その両端が基板格納部5の両側面F5a,F5bにそれぞれ固定配置され、基板を両持ちで支持する第2の柱状水平部材53を備えるので、従来のように片持ち状態で基板を支持する支持部材に比べて、高い強度を得ることができる。したがって、支持棚51の厚みを小さくすることが可能となり、ひいては、ラックピッチd1を小さくすることが可能となる。また、支持棚51はさらに、その一端が基板格納部5の内背面S20cに固定配置され、基板を片持ちで支持する第1の柱状水平部材52を備え、第1の柱状支持部材52と第2の柱状水平部材53とが一体となって全体として格子状に形成されているので、一方向のみに張り渡された支持部材により構成される支持棚に比べても、高い強度を得ることができる。また、格子状に形成されているため、焼成空間V内の気流の循環を妨げることがなく、焼成空間V内を温度ムラなく均質に所定の焼成処理温度に保つことができる。
〔第2の実施の形態〕
〈I.構成〉
この発明の第2の実施の形態に係る基板処理装置の構成について説明する。なお、以下においては、第1の実施の形態と相違する点を説明し、相違しない点については説明を省略する。また、同じ構成部を示す際には、第1の実施の形態の説明で用いた参照符号を用いる。
この実施の形態に係る基板処理装置は、第1の実施の形態に係る基板処理装置100と同様、基板焼成炉と、基板焼成炉に対する基板の搬出入を行う基板搬送装置2とをそれぞれ少なくとも1以上備えている。この実施の形態に係る基板焼成炉は、第1の実施の形態に係る基板焼成炉1と同様、基板格納部5aを収納する炉体3と、炉体3の開口部を塞ぐシャッター4と、基板格納部5aに格納された基板を加熱する加熱気体供給系6とを備えている。
〈基板格納部5a〉
この実施の形態に係る基板格納部5aの構成について、図11、図12を参照しながら説明する。図11(a)は、基板格納部5aの横断面図であり、図11(b)は基板格納部5aの縦断面図である。また、図12は、支持棚51付近の拡大断面図である。基板格納部5aは、所定のラックピッチd3で多段に形成され、それぞれが基板を下方から支持する複数の支持棚51と、複数の支持棚51のそれぞれに支持された基板を下方から突き上げて支持する突き上げ支持手段54とを備えている。支持棚51の構成は第1の実施の形態と同様であり、支持棚51の上面には、基板を滑動自在に支持するエア浮上手段7が形成されている。
〈突き上げ支持手段54〉
突き上げ支持手段54は、基板を支持棚51の上面から所定距離だけ上方の位置(以下において「突き上げ位置K1」という)まで突き上げて支持する。なお、突き上げ位置K1は、第1浮上位置T1よりも高い位置であることが望ましく、特に、支持棚51上面(より正確には、支持棚51上に形成されたパッド72の上面)と当該支持棚51より1段上の支持棚51下面との中間付近であることが望ましい。なぜなら、突き上げ支持された基板を、上下に隣接する支持棚51の中間付近に置くことによって、当該基板を焼成空間V内に形成される加熱エアの気流にダイレクトに晒すことが可能となり、これによって焼成処理を効率的に行うことが可能となるからである。
突き上げ支持手段54は、支持柱541に固設された複数の突き上げ支持棚542と、突き上げ支持棚542を水平方向について駆動する支持棚駆動機構(図示省略)とを備えている。
複数の突き上げ支持棚542のそれぞれは、図11(b)に示すように、基板格納部5bの内部に多段に形成された支持棚51のそれぞれと対をなしており、対応する支持棚51よりも下側に位置している。また、図11(a)に示すように、突き上げ支持棚542は格子状に形成されている。より具体的には、第1の柱状部材5421と第2の柱状部材5422とが一体となって突き上げ支持棚542を形成している。ただし突き上げ支持棚543の格子は、支持棚51の格子と互い違いになるように配置されている。第2の柱状部材5422は、その両端が支持柱541に固定配置され、第2の水平方向(X方向)について張り渡されている。また、第1の柱状部材5421は、第2の柱状部材に固定されることによって、支持柱541に対して固定される。柱状部材5421,5422は、例えばステンレス(SUS)で形成されている。
なお、突き上げ支持棚542の格子と、支持棚51の格子とが互いに重なる箇所には、図12に示すように、支持棚51の下面部に、第2の柱状部材5422の幅よりも大きな幅の凹部D1を形成しておいてもよい。このような凹部D1を形成しておけば、突き上げ支持棚542を後述する上側位置L1まで移動させた際に、突き上げ支持棚542の第2の柱状部材5422を支持棚51内に入れ子状態にすることができる。したがって、基板格納部50内の空間を効率的に利用することが可能となり、支持棚51間の間隔(ラックピッチ)d3を低減することができる。
突き上げ支持棚542の上面には、複数の支持ピン543が垂設されている。支持ピン543は、基板の裏面を点で突き上げて支持する。
突き上げ支持棚542は、支持棚駆動機構に接続されており、上下方向(Z方向)に昇降可能である。支持棚駆動機構は制御部3に接続されており、制御部3は支持棚駆動機構を制御して突き上げ支持棚542を支持棚51に対して相対的に上下移動させる。
突き上げ支持棚542が図12に示す上側位置L1と下側位置L2との間を上下移動すると、支持ピン543の先端部は突き上げ位置L11と待避位置L21との間で移動する。ただし、待避位置L21は、パッド72の上面位置よりも低い位置に設定しておくことが望ましいく、少なくとも、第1浮上位置T1にある基板Wの裏面に接触しない位置に設定する。また、突き上げ位置L11は、基板Wを突き上げ位置K1に支持する位置である。
〈II.処理動作〉
第2の実施の形態に係る基板処理装置で実行される基板の焼成処理動作について説明する。なお、以下においても、第1の実施の形態と相違する点を説明し、相違しない点については説明を省略する。
〈基板焼成炉1内への搬入〉
この実施の形態においても、未処理基板を基板焼成炉1内に搬入する際の動作は、図7に示した流れに従って行われる。
ただし、この実施の形態においては、支持棚51上の未処理基板Wを滑動自在に支持する状態から固定して支持する状態に切り替える動作(図7のステップS8)は次のように行われる。まず、制御部3が支持棚駆動機構を制御して、突き上げ支持棚542を下側位置L2から上側位置L1に移動させることによって、支持ピン543の先端部を待避位置L21から突き上げ位置L11まで移動させる。すると、基板Wは第1浮上位置T1において滑動自在に支持された状態から、突き上げ位置K1において支持ピン543によって支持される状態に切り替えられる。続いて、制御部3が、浮上用エア供給系73のソレノイド弁732を閉じて、支持棚51の上面に対するエアの供給を停止する。
〈基板焼成炉1内からの搬出〉
また、焼成処理が完了した処理済基板を基板焼成炉1内から搬出する際の動作は、図9に示した流れに従って行われる。
ただし、この実施の形態においては、支持棚51上の処理済基板Wを固定して支持する状態から滑動自在に支持する状態に切り替える動作(図9のステップS13)は次のように行われる。まず、制御部3が浮上用エア供給系73のソレノイド弁732(すなわち、搬送対象支持棚51内のエアラインALに接続された配管731に介挿されたソレノイド弁732)を開いて、支持棚51の上面に対するエアの供給を開始する。続いて、制御部3が支持棚駆動機構を制御して、突き上げ支持棚542を上側位置L1から下側位置L2に移動させることによって、支持ピン543の先端部を突き上げ位置L11から待避位置L21まで移動させる。すると、基板Wは突き上げ位置K1において支持ピン543によって支持される状態から、第1浮上位置T1において滑動自在に支持された状態に切り替えられる。
〈III.効果〉
この実施の形態によると、突き上げ支持手段54が、基板を突き上げ位置K1まで突き上げて支持するので、焼成処理が行われる間、基板が支持棚51と接触しない。基板が支持棚51に接触した状態で焼成処理を行うと、基板のうち、支持棚51表面と接触している部分と接触していない部分との間で、温度の上がり方に差が出てくることになり(一般に、支持棚51に接触しない部分の方が温度の上がり方が鈍い)、この差が焼成処理におけるムラの原因となってしまう。この実施の形態の構成によると、支持棚51を接触しない状態で基板に対する焼成処理が行われるので、基板を均一に焼成することができる。なお、一旦昇温してしまうと、支持棚51表面に接触するかしないかで温度分布は発生しなくなる。
〔第3の実施の形態〕
〈I.構成〉
この発明の第3の実施の形態に係る基板処理装置の構成について説明する。なお、以下においては、第1の実施の形態と相違する点を説明し、相違しない点については説明を省略する。また、同じ構成部を示す際には、第1の実施の形態の説明で用いた参照符号を用いる。
この実施の形態に係る基板処理装置は、第1の実施の形態に係る基板処理装置100と同様、基板焼成炉と、基板焼成炉に対する基板の搬出入を行う基板搬送装置2とをそれぞれ少なくとも1以上備えている。この実施の形態に係る基板焼成炉は、第1の実施の形態に係る基板焼成炉1と同様、基板格納部5を収納する炉体3と、炉体3の開口部を塞ぐシャッター4と、基板格納部5に格納された基板を加熱する加熱気体供給系6とを備えている。
基板格納部5は、所定のラックピッチで多段に形成され、それぞれが基板を下方から支持する複数の支持棚51bを備えている。第1の実施の形態に係る支持棚51の上面には基板を滑動自在に支持する第1支持手段としてエア浮上手段7が形成されていたが、この実施の形態に係る支持棚51bの上面には、第1支持手段として転動支持手段7bが形成されている。なお、この転動支持手段7bを第2支持手段として採用することもできる。
〈転動支持手段7b〉
転動支持手段7bについて、図13を参照しながら説明する。図13は、支持棚51bの上面付近の拡大断面図である。転動支持手段7bは、転動支持部材71bと、転動支持部材浮上手段72bとを備えている。
転動支持部材71bは、複数の支持棚51bのそれぞれの上面に配置され、支持棚51bの上面と当該支持棚51bに支持される基板の裏面との間で転動しながら基板を滑動自在に支持する部材であり、支持棚51bの上面に形成された凹部D2内に配置されている。
特に、この実施の形態においては、転動支持部材71bは、凹部D2の底面から所定距離だけ上方に浮上した位置で転動しながら基板を滑動自在に支持する。なお、転動支持部材71bは、図13(a)に示すような球形状の部材であってもよいし、図13(b)に示すようなローラ形状の部材(ベアリング部材)であってもよい。また、基板が支持棚51bの上面に与える衝撃・摩擦を吸収可能とするべく、転動支持部材71bは例えば、テフロン(登録商標)、PEEK,ベスペルで形成されることが望ましい。
転動支持部材浮上手段72bは、支持棚51bの上面と転動支持部材71bとの間に、下方から上方に向けて噴出される気体(エア)を供給して、転動支持部材71bを支持棚51bの上面(より具体的には、凹部D2の底面)から所定距離だけ上方に浮上させた位置に支持する。転動支持部材浮上手段72bは、複数の空気吐出口721bと、浮上用エア供給系(図示省略)とを備えている。
空気吐出口721bは、支持棚51bの上面であって凹部D2の底面部分に形成された孔であり、支持棚51bの内部に形成された中空構造(エアラインALb)に貫通する。浮上用エア供給系から支持棚51b内のエアラインALbに供給されたエアは、空気吐出口721bを通じて、凹部D2の底面と当該凹部D2内に配置された転動支持部材71bとの間に、下方から上方に向けて噴出される。
浮上用エア供給系は、転動支持部材浮上手段72bの浮上に利用するエアを供給する。その具体的な構成は第1の実施の形態において説明した浮上用エア供給系73と同様である。
〈II.処理動作〉
第3の実施の形態に基板処理装置で実行される基板の焼成処理動作について説明する。なお、以下においても、第1の実施の形態と相違する点を説明し、相違しない点については説明を省略する。
この実施の形態においても、未処理基板を基板焼成炉1内に搬入する際の動作は、図7に示した流れに従って行われる。また、焼成処理が完了した処理済基板を基板焼成炉1内から搬出する際の動作は、図9に示した流れに従って行われる。
ただし、この実施の形態においては、未処理基板Wや処理済基板Wを滑動自在に支持可能な状態に切り替える動作(図7のステップS4、図9のステップS13)は次のように行われる。まず、制御部3が転動支持部材浮上手段72bの浮上用エア供給系の所定のソレノイド弁(すなわち、搬送対象支持棚51b内のエアラインALbに接続された配管に介挿されたソレノイド弁(図示省略))を開いて、配管61内を循環するエアの一部を、所定圧力で搬送対象支持棚51bのエアラインALbに供給する。浮上用エア供給系から搬送対象支持棚51内のエアラインALbに供給されたエアは、空気吐出口321bを通じて下方から上方に向けて噴出され、凹部D2内に配置された転動支持部材71bが凹部D2の底面から所定距離だけ上方に浮上した位置に支持される。
つまり、未処理基板Wを基板焼成炉1内に搬入する処理動作におけるステップS4でこの処理が行われると、続くステップS6において支持棚51bの上面まで押し出された未処理基板Wは、浮上位置において転動する転動支持部材71bによって滑動自在に支持されることになる。
また、処理済基板Wを基板焼成炉1内から搬出する処理動作におけるステップS13でこの処理が行われると、支持棚51の上面に載置されることにより固定的に支持されていた未処理基板Wは、浮上位置において転動する転動支持部材71bによって滑動自在に支持されることになる。
また、凹部D2の深さを転動支持部材71bの高さよりも大きくしておけば、浮上用エア供給系からのエアの供給を停止して転動支持部材71bを凹部D2の底面に載置することによって、滑動自在に支持されている基板Wを支持棚51bの上面に載置して、固定的に支持することも可能となる。
〈III.効果〉
この実施の形態によると、転動支持部材71bが、支持棚51bの上面と基板の裏面との間で転動しながら基板を滑動自在に支持するので、基板と支持棚51bとの間で摩擦を低減することができる。これによって、ごく僅かな力でもって基板を進退移動させることが可能となる。
また、転動支持部材浮上手段72bが、支持棚51bの上面と転動支持部材71bとの間に気体を供給して、転動支持部材71bを支持棚51の上面から所定距離だけ上方に浮上させた位置に支持するので、転動支持部材71bが支持棚51vの上面に対して転動してもパーティクルが発生しにくく、焼成空間Vをクリーンな状態に保つことが可能となる。
〔第1の変形例〕
〈構成〉
上記の第1の実施の形態では、所定のタイミングで浮上用エア供給系73のソレノイド弁732を閉じて、支持棚51の上面に対するエアの供給を停止して、第1浮上位置T1に浮上している基板を支持棚51の上面に載置することにより、基板を滑動自在に支持する状態から固定して支持する状態に切り替えているが、エアの供給を停止せずに常に支持棚51の上面にエアを供給し続けて、基板を滑動自在に支持し続けてもよい。
なお、この変形例においては、基板を滑動自在に支持した状態で焼成処理を行うこととなるので、滑動自在に支持された基板の位置を規制する部材(「第4,5の変形例」として後述する「位置規制部」)を設けておくことが望ましい。
〈効果〉
この変形例によると、支持棚51に支持された基板に対して焼成処理が行われる間も、基板は、第1浮上位置T1に浮上し続けることになる。つまり、焼成処理が行われる間にも、基板は支持棚51の表面に接触しない。したがって、焼成ムラの発生を防止して基板を均一に焼成することができる。
〔第2の変形例〕
〈構成〉
上記の第1の実施の形態では、支持棚51は格子状に形成されているものとしたが、支持棚を平板状の部材で形成してもよい。この場合の支持棚51cの構成について図14を参照しながら説明する。図14は、この変形例係る基板格納部5cの横断面図である。
この変形例に係る支持棚51cは、平板状の板状部材511cを備えている。板状部材511cは、その対向する2辺K1,K2が基板格納部5の両側面F5a,F5bに固定配置されている。例えば辺K1,K2の両端部が側面F5a,F5bの両端部(例えば、基板格納部5の柱)に固定配置されていてもよいし、辺K1,K2の全体にわたって側面F5a,F5bに固定配置されてもよい。なお、支持棚5cのその他の構成は、上記の実施の形態に係る支持棚5と同様である。
〈効果〉
この変形例によると、支持棚51cが平板状に形成されているので、一方向のみに張り渡された支持部材により構成される支持棚に比べて、高い強度を得ることができる。したがって、支持棚5cの厚みを小さくすることが可能となり、ラックピッチを小さくすることが可能となる。
〔第3の変形例〕
〈構成〉
上記の第2の実施の形態では、突き上げ支持手段54を備える構成について説明した。第2の実施の形態においては、突き上げ支持手段54は、基板の裏面を複数の支持ピン543によって複数の点で支持する構成としたが、基板の裏面を点ではなく線で支持する構成としてもよい。
〈基板格納部5d〉
この変形例に係る基板格納部5dの構成について、図15、図16を参照しながら説明する。図15(a)は、基板格納部5dの横断面図であり、図15(b)は基板格納部5dの縦断面図である。また、図16は、支持棚51d付近の拡大断面図である。基板格納部5dは、所定のラックピッチd4で多段に形成され、それぞれが基板を下方から支持する複数の支持棚51dと、複数の支持棚51dのそれぞれに支持された基板を下方から突き上げて支持する突き上げ支持手段54dとを備えている。支持棚51dの構成は第1の実施の形態と同様であってもよいし、図15に示すように、平板状の部材(第2の変形例参照)を採用してもよい。また、支持棚51dの上面には、基板を滑動自在に支持するエア浮上手段7が形成されている。
〈突き上げ支持手段54d〉
突き上げ支持手段54dは、第2の実施の形態に係る突き上げ支持手段54と同様、基板を支持棚51dの上面から所定距離だけ上方の位置(第1突き上げ位置K1)まで突き上げて支持する。突き上げ支持手段54dは、支持柱541dに固設された複数の突き上げ支持棚542dと、突き上げ支持棚542dを水平方向について駆動する支持棚駆動機構(図示省略)とを備えている。
複数の突き上げ支持棚542dのそれぞれは、図15(b)に示すように、基板格納部5の内部に多段に形成された支持棚51dのそれぞれと対をなしており、対応する支持棚51よりも上側に位置している。
突き上げ支持棚542bは、図15(a)に示すように、支持枠5421dと、水平部材5422dとから形成されている。つまり、突き上げ支持棚542dは、水平部材5422dのそれぞれの上端面によって基板を支持する。
支持枠5421dは、その両端が支持柱541dに固定されている。水平部材5422dは、その両端が支持枠5421dに固定されており、所定方向(より具体的には、基板の進退方向に対して垂直な方向(X方向))に張り渡されている。ただし、水平部材5422dとパッド72とが干渉しないように、水平部材5422dはパッド72の形成位置と互い違いとなる位置に張り渡されている。また、水平部材5422dの厚み(高さ方向の長さ)は、支持棚51dに取り付けられたパッド72の厚みよりも小さく形成される。
突き上げ支持棚542dは、支持棚駆動機構に接続されており、上下方向(Z方向)に昇降可能である。支持棚駆動機構の構成は、上記の第2の実施の形態に係る支持棚駆動機構と同じである。
突き上げ支持棚542dが図16に示す上側位置L1と下側位置L2との間を上下移動すると、水平部材5422dの上端面は突き上げ位置L11と待避位置L21との間で移動する。ただし、上述の通り、水平部材5422dの厚みはパッド72の厚みよりも小さく設定されており、待避位置L21は、パッド72の上面位置よりも低い位置となる。また、突き上げ位置L11は、基板Wを突き上げ位置K1に支持する位置である。
この変形例においては、制御部3が支持棚駆動機構を制御して、突き上げ支持棚542dを下側位置L2から上側位置L1に移動させることによって、水平部材5422dの上端面を待避位置L21から突き上げ位置L11まで移動させる。すると、基板Wは第1浮上位置T1において滑動自在に支持された状態から、突き上げ位置K1において水平部材5422dの上端面によって線で支持される状態に切り替えられる。
〈効果〉
この変形例によると、突き上げ支持手段54dが、基板を突き上げ位置K1まで突き上げて支持するので、焼成処理が行われる間、基板が支持棚51dと接触しないので、基板を均一に焼成することができる。
〔第4の変形例〕
上記の各実施の形態では、基板搬送装置2が基板焼成炉1内に対して基板を搬出入する際に、第1支持手段が基板を滑動自在に支持している。この変形例においては、滑動自在に支持された基板の水平方向の位置を規制する構成(位置規制部)として位置規制ローラー10eを設ける。なお、これと同様の構成を搬送ステージ8にも設けてもよい。
この変形例に係る基板処理装置の備える基板格納部5eの構成について、図17、図18を参照しながら説明する。図17はこの変形例に係る基板格納部5eの平面図である。また、図18(a)は位置規制ローラー10eの平面図、図18(b)は位置規制ローラー10eの側面図である。基板格納部5eは、所定のラックピッチで多段に形成され、それぞれが基板を下方から支持する複数の支持棚51eを備えている。支持棚51eの構成は第1の実施の形態と同様であり、その上面には、基板を滑動自在に支持するエア浮上手段7が形成されている。
〈位置規制ローラー〉
〈構成〉
位置規制ローラー10eは、第1浮上位置T1に位置する基板の水平方向の位置(より具体的には、X方向およびY方向についての位置)を規制する。位置規制ローラー10eには、基板の+X方向についての位置を規制する位置規制ローラー10eAと、−X方向についての位置を規制する位置規制ローラー10eBと、−Y方向についての位置を規制する位置規制ローラー10eCとがあり、各位置規制ローラー10eは、それぞれ基板格納部5eの内側面F5a、内側面F5b、内背面F5cに所定数ずつ固設される。内壁面F5a,b,c内の同一水平面上に設けられた少なくとも1以上(図17では8個)の位置規制ローラー10eが組となって、基板格納部5eに設けられた複数の支持棚51eのそれぞれに支持される基板の位置を規制する。ただし、同一水平面上に設けられる位置規制ローラー10e(すなわち、1枚の基板の位置を規制する位置規制ローラー10e)の数はいくつであってもよい。また、必ずしも位置規制ローラー10eA,10eB,10eCの全てを設ける必要はない。ただし、基板格納部5e内に形成される気流方向についての位置を規制するローラーは設けることが望ましい。すなわち、すくなくとも気流の下流側にあたる内壁面(図17においては、内壁面F5b)には位置規制ローラー10eを設けておくことが望ましい。
位置規制ローラー10eは、ローラ部11eと、ローラ支持部材12eと、バネ13eとを備えている。
ローラ部11eは、円筒形状のローラであり、ローラー支持部材12eによってローラ軸111eが垂直になるように支持されている。ローラ部11eは、テフロン(登録商標)、PEEK、ベスペル等によって形成されている。
ローラー支持部材12eは、ローラ軸111aを支持する。ローラ支持部材12eは、支持軸121eに対して水平姿勢で回動可能に配設される。
バネ13eは、ローラ部11eを当該位置規制ローラー10eが固設されている内壁面(図18においては、内壁面F5b)から所定距離Dだけ離間した標準位置に規制する。例えば、基板Wがローラ部11eの側面に接触することにより、ローラ部11eが内壁面F5bに接近する方向に押圧された場合(矢印AR1e)、バネ13eが弾性力によってローラ部11eを標準位置に押し戻す(矢印AR2e)。
〈位置規制の態様〉
次に、位置規制ローラー10eが基板Wの位置を規制する態様について具体的に説明する。基板Wが第1支持手段によって滑動自在に支持された状態においては、通常であれば、基板Wは、図17に示すように、基板格納部5eの内壁面F5a,b、cや位置規制ローラー10eのいずれにも触れない状態で支持されているはずである。ところが、基板格納部5e内には、加熱気体供給系6により所定方向(矢印AR6c)に向かう加熱エアの気流が形成されており、第1支持手段によって滑動自在に支持された基板Wがこの気流に流されて横滑りする可能性がある。また、支持棚51eに傾斜がある場合にも、基板Wが傾斜に沿って滑ってしまう可能性もある。
この変形例においては、基板Wが気流に流されるなどして、いずれかの内壁面F5a,b,cに接近すると、当該内壁面に設けられた位置規制ローラー10eのローラ部11eに基板Wの側面が当接することになる。
ローラ部11eが横滑りした基板Wによって内壁面に接近する方向に押圧されると、バネ13eは弾性力によって押圧されたローラ部11eを標準位置まで押し戻す。これによって、横滑りした基板Wが逆方向に押し戻されることになり、その位置が規制される。
〈効果〉
この変形例によると、位置規制ローラー10eが滑動自在に支持された基板の位置を規制するので、基板を安定して精度よく進退移動させることが可能となる。また、基板が横滑りなどを起こして基板格納部5eの内壁面F5a,b,cに接触するといった事態を未然に防止することができる。
〔第5の変形例〕
上記の第4の変形例では、位置規制部として位置規制ローラー10eを設ける構成としたが、この変形例においては、位置規制部として、位置規制チャック20fを設ける。
この変形例に係る基板処理装置の備える基板格納部5fの構成について、図19を参照しながら説明する。図19(a)は基板格納部5fの平面図、図19(b)は吸着管21fの側面図である。基板格納部5fは、所定のラックピッチで多段に形成され、それぞれが基板を下方から支持する複数の支持棚51fを備えている。支持棚51fの構成は第1の実施の形態と同様であり、その上面には、基板を滑動自在に支持するエア浮上手段7が形成されている。
〈位置規制チャック〉
〈構成〉
位置規制チャック20fは、吸着管21fと、吸着管負圧系22fとを備えている。
吸着管21fは、第1浮上位置T1に位置する基板を吸着保持することによって、基板の水平方向の位置(より具体的には、X方向およびY方向についての位置)を規制する。吸着管21fは、基板格納部5fの内背面F5cに所定数固設され、内背面F5c内の同一水平面上に設けられた少なくとも1以上(図19では3個)の吸着管21fが組となって、基板格納部5fに設けられた複数の支持棚51fのそれぞれに支持される基板の位置を規制する。ただし、同一水平面上に設けられる吸着管21f(すなわち、1枚の基板の位置を規制する吸着管21f)の数はいくつであってもよい。吸着管21fは、金属もしくは耐熱性樹脂で形成されている。
吸着管21fはL字状に形成されており、その一端は、基板格納部5fの内背面F5cに固定されている。また、自由端には、基板の裏面を吸着して保持する吸着部211fが形成されている。なお、吸着管21fの固定端の固定位置は、吸着部211fの位置が第1浮上位置T1に位置する基板Wの裏面と略同一の高さとなるように調整される。
吸着管21fのL字部分のうち、水平方向に伸びる部分の一部分には、蛇腹形状が形成されており、吸着部211fは、第1浮上位置T1に位置する基板Wの裏面と略同一の高さとなる位置(第1吸着位置A1)を標準位置(自然位置)としながら、この標準位置と、支持棚51f上に載置された基板Wの裏面と略同一の高さとなる位置(第2吸着位置A2)との間を移動自在となっている。
吸着部211fには、Oリング組み付け溝が形成されており、当該溝にOリング212fが組み付けられている。
吸着管負圧系22fは、吸着部211fを負圧する。吸着管負圧系22fは、配管221fと、ソレノイド弁222fと、真空ポンプ223fとを備えている。配管221fの一端は、吸着管21f内において吸着部211fまで貫通して形成された中空構造(エアライン(図示省略))に接続されている。また、ソレノイド弁222fを介挿して、他端は真空ポンプ223fに接続されている。ソレノイド弁222fは、制御部3に接続されている。制御部3は、ソレノイド弁222fを所定のタイミングで開閉制御することによって、吸着部211fを負圧して吸着部211fに吸引力を生じさせる。なお、図19(a)に示すように、エアラインとの接続端からみてソレノイド弁222fよりも下流側において、配管221fは他の段の支持棚51fについて設けられた吸着管21f内のエアラインに接続された配管と合流する。制御部3は、複数のソレノイド弁222fを別個独立に制御して、各支持棚51fに対して設けられた吸着管21fに対する負圧制御を独立して行う。なお、ソレノイド弁222fは例えば3方弁によって形成されており、フィルタを介して大気ブレイクすることが可能となっている。
〈位置規制の態様〉
次に、位置規制チャック20fが基板Wの位置を規制する態様について具体的に説明する。
第1の実施の形態において説明したとおり、未処理基板Wを基板焼成炉1に搬入する際の処理動作においては、制御部3は、ピックアップハンド11を制御して、搬送ステージ8上の第2浮上位置T2にある未処理基板Wを支持棚51上の第1浮上位置T1まで押し出し(図7のステップS6)、その後にさらにピックアップハンド11を制御して、吸着部113に吸着された未処理基板Wを吸着状態から解放した後に、ハンド111を縮小して、吸着部113を第1位置P1から第2位置P2まで移動させる(図9のステップS7)。ここで、第4の変形例において説明したとおり、ピックアップハンド11の吸着部113が吸着状態から開放されると、未処理基板Wは、基板格納部5内に形成されている加熱エアの気流に流されて基板Wが横滑りする可能性がある。
この変形例においては、ステップS6において未処理基板Wが第1浮上位置T1まで押し出されると、制御部3が、吸着管負圧系22fのソレノイド弁221fを開いて吸着部211fを負圧し、第1浮上位置T1にある未処理基板Wの後端部を吸着保持する。すなわち、基板Wの後端部を吸着保持することによってその位置を規制する。
位置規制チャック20fが未処理基板Wを吸着保持したことが確認されると、制御部3は、ピックアップハンド11を制御して、吸着部113の負圧を解除する。
そして、ステップS8の処理が実行されて未処理基板Wが支持棚51f上に載置されて固定的に支持される状態に切り替えられると、制御部3は、吸着管負圧系22fのソレノイド弁221を閉じて吸着部211fの負圧を解除する。
処理済基板Wを基板焼成炉1から搬出する際にもこれと同様の動作が行われる。すなわち、ステップS13において、処理済基板Wが固定して支持された状態から滑動自在に支持される状態に切り替えられると、制御部3が、吸着管負圧系22fのソレノイド弁221fを開いて吸着部211fを負圧し、第1浮上位置T1にある処理済基板Wの後端部を吸着保持する。なお、先に支持棚51f上に載置された処理済基板Wの後端部を吸着保持しておき、その後に、処理済基板Wを滑相似剤に支持する状態に切り替えてもよい。
そして、ステップS14の処理が実行されて、ピックアップハンド11の吸着部113が処理済基板Wを吸着保持したことが確認されると、制御部3は、吸着管負圧系22fのソレノイド弁221を閉じて吸着部211fの負圧を解除する。
〈効果〉
この変形例によると、ピックアップハンド11の吸着部113が基板を吸着保持していない間は、位置規制チャック20fが基板を吸着保持して、その位置を規制するので、基板を安定して精度よく進退移動させることが可能となる。また、基板が横滑りなどを起こして基板格納部5fの内壁面F5a,b,cに接触するといった事態を未然に防止することができる。
〔その他の変形例〕
上記の各実施の形態においては、基板焼成炉1を備える基板処理装置1について述べてきたが、上述した基板焼成炉1の構成を冷却ラックに応用してもよい。冷却ラックに応用する場合には、上述したヒータ62(図3)を、ラジエータやクーラに換えればよい。この場合、基板は別途ホットプレート等で加熱された後に、基板搬送装置2によって冷却ラックに搬入される。
この発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置の概略平面図である。 基板焼成炉の外観の概略斜視図である。 基板焼成炉の横断面図および縦断面図である。 支持棚の上面付近の拡大断面図である。 基板搬送装置の概略斜視図である。 搬送ステージの平面図である。 基板搬送装置が未処理基板を基板焼成炉内に搬入する際の動作の流れを示す図である。 基板搬送装置が未処理基板を基板焼成炉内に搬入する際の動作を説明するための図である。 基板搬送装置が処理済基板を基板焼成炉内から搬出する際の動作の流れを示す図である。 基板搬送装置が処理済基板を基板焼成炉内から搬出する際の動作を説明するための図である。 第2の実施の形態に係る基板格納部の横断面図および縦断面図である。 第2の実施の形態に係る支持棚付近の拡大断面図である。 第3の実施の形態に係る支持棚の上面付近の拡大断面図である。 第2の変形例に係る基板格納部の横断面図である。 第3の変形例に係る基板格納部の横断面図および縦断面図である。 第3の変形例に係る支持棚付近の拡大断面図である。 第4の変形例に係る基板格納部の平面図である。 第4の変形例に係る位置規制ローラーの平面図および側面図である。 第5の変形例に係る基板格納部の平面および吸着管の側面図である。 従来の基板焼成炉に対する基板の搬出入の態様を説明する図である。
符号の説明
1 基板焼成炉
2 基板搬送装置
5 基板格納部
6 加熱気体供給系
7 エア浮上手段
7b 転動支持手段
8 搬送ステージ
9 ステージ駆動部
10 エア浮上手段
10e 位置規制ローラー
11 ピックアップハンド
20f 位置規制チャック
51 支持棚
52 第1の柱状水平部材
53 第2の柱状水平部材
54 突き上げ支持手段
62 ヒータ
71 空気吐出口
71b 転動支持部材
72 パッド
72b 転動支持部材浮上手段
73 浮上用エア供給系
100 基板処理装置
143 真空ポンプ
1123 真空ポンプ
AL エアライン

Claims (15)

  1. 基板に対する熱処理を行う熱処理部と、前記熱処理部に対する基板の搬出入を行う基板搬送装置とを備える基板処理装置であって、
    前記熱処理部が、
    複数の基板を格納する基板格納部と、
    前記基板格納部内に多段に形成され、それぞれが基板を下方から支持する複数の支持棚と、
    前記複数の支持棚のそれぞれの上面に形成され、基板を滑動自在に支持することができる第1支持手段と、
    前記複数の支持棚によって支持される基板に対して所定の熱処理を行う熱処理手段と、
    を備え、
    前記基板搬送装置が、
    基板を支持する搬送ステージと、
    前記搬送ステージを前記複数の支持棚のいずれかに相対向する位置に移動させる移動手段と、
    前記搬送ステージの上面に形成され、基板を滑動自在に支持することができる第2支持手段と、
    基板を、前記第1支持手段によって滑動自在に支持される第1の滑動位置と、前記第2支持手段によって滑動自在に支持される第2の滑動位置との間で進退移動させる進退手段と、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記第1支持手段が、
    前記複数の支持棚のそれぞれの上面に、下方から上方に向けて噴出される気体を供給して、基板を前記複数の支持棚のそれぞれの上面から所定距離だけ上方に浮上させた位置で滑動自在に支持する第1浮上支持手段、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項2に記載の基板処理装置において、
    前記第1浮上支持手段が、
    前記複数の支持棚のそれぞれの上面に供給する気体を加熱する気体加熱手段、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項2または3に記載の基板処理装置において、
    前記第1浮上支持手段が、
    前記複数の支持棚のそれぞれの上面に形成された凸部、
    を備え、
    前記凸部の上面に基板を支持する支持面が形成されており、前記支持面に前記気体の噴出口が形成されていることを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項2から4のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記第1浮上支持手段による前記気体の供給を停止して基板を前記複数の支持棚のそれぞれの上面に載置することによって、前記複数の支持棚のそれぞれに支持される基板の支持状態を、滑動自在に支持する状態から固定して支持する状態に切り替えることを特徴とする基板処理装置。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記複数の支持棚のそれぞれの上面から所定距離だけ上方の位置に基板を突き上げて支持する突き上げ支持手段、
    を備え、
    前記第1支持手段によって滑動自在に支持された基板を前記突き上げ支持手段に支持させることによって、前記複数の支持棚のそれぞれに支持される基板の支持状態を、滑動自在に支持する状態から固定して支持する状態に切り替えることを特徴とする基板処理装置。
  7. 請求項6に記載の基板処理装置において、
    前記突き上げ支持手段が、
    基板の裏面を点で突き上げて支持する複数の支持ピン、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記第1支持手段によって滑動自在に支持された基板の水平方向の位置を規制する基板位置規制手段、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記第2支持手段が、
    前記搬送ステージの上面に、下方から上方に向けて噴出される気体を供給して、基板を前記搬送ステージの上面から所定距離だけ上方に浮上させた位置で滑動自在に支持する第2浮上支持手段、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  10. 請求項9に記載の基板処理装置において、
    前記第2浮上支持手段による前記気体の供給を停止して基板を前記搬送ステージの上面に載置することによって、前記搬送ステージに支持される基板の支持状態を、滑動自在に支持する状態から固定して支持する状態に切り替えることを特徴とする基板処理装置。
  11. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記第1支持手段が、
    前記複数の支持棚のそれぞれの上面に配置され、前記複数の支持棚のそれぞれの上面と当該支持棚に支持される基板の裏面との間で転動しながら前記基板を滑動自在に支持する転動支持部、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  12. 請求項11に記載の基板処理装置において、
    前記複数の支持棚のそれぞれの上面に、下方から上方に向けて噴出される気体を供給して、前記転動支持部を前記複数の支持棚のそれぞれの上面から所定距離だけ上方に浮上させた位置に支持する転動部浮上支持手段、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記複数の支持棚のそれぞれが、
    その両端が前記基板格納部の両側面にそれぞれ固定配置された水平支持部材、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  14. 請求項13に記載の基板処理装置において、
    前記水平支持部材が柱状であり、
    前記複数の支持棚のそれぞれが、
    柱状であり、その一端が前記基板格納部の内背面に固定配置された直交水平部材、
    を備え、
    前記複数の支持棚のそれぞれが、複数の前記水平部材と複数の前記直交水平支持部材とが一体となって格子状に形成されていることを特徴とする基板処理装置。
  15. 請求項13に記載の基板処理装置において、
    前記水平支持部材が平板状であり、
    前記水平部材の対向する2辺が前記基板格納部の両側面にそれぞれ固定配置されていることを特徴とする基板処理装置。
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