JP2008128297A - フランジ型管継手用クランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】フランジ型の管継手同士を締め付けるためのクロー・クランプに存在する上記問題を解決し得る、新たな構成を有するクランプを提供すること。
【解決手段】当該クランプは、一方のフランジf1に配置される第1部材1aと、他方のフランジf2に配置される第2部材1bとをそれぞれ1以上有して構成される。両部材は、それぞれ、フランジ係合部11、21と、外縁部12、22とを有し、両部材の外縁部には、ボルトを一方の部材から他方の部材へと管軸方向に通すためのボルト穴がそれぞれに設けられており、該ボルト穴が、両部材のそれぞれの外縁部に、フランジの中心から見て異なる角度の方向に位置するように複数個設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】当該クランプは、一方のフランジf1に配置される第1部材1aと、他方のフランジf2に配置される第2部材1bとをそれぞれ1以上有して構成される。両部材は、それぞれ、フランジ係合部11、21と、外縁部12、22とを有し、両部材の外縁部には、ボルトを一方の部材から他方の部材へと管軸方向に通すためのボルト穴がそれぞれに設けられており、該ボルト穴が、両部材のそれぞれの外縁部に、フランジの中心から見て異なる角度の方向に位置するように複数個設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、フランジ型管継手同士を接続するに際し、フランジ同士を合わせた状態で両者を締め付け固定するためのクランプに関する。
JISに規定された一般的なフランジ型管継手(例えば、JIS B 2220「鋼製管フランジ」、JIS B 2239「鋳鉄製管フランジ」等)では、図7に示すように、フランジ211、212自体にボルト穴が設けられており、シート状のガスケット213を介在させてフランジ面同士を合わせ、該穴にボルト214を通し、ナット215で締め付ける構成となっている。
一方、ガスケットのなかには、より高いシール性を示すように構成された特殊な構造のものがある。図8は、その特殊なガスケットの一例を示す図である。同図のガスケットは、「ヘリコフレックス(HELICOFLEX)」(登録商標)と呼ばれるシールリングのうちの特定の商品であって、このタイプの改善されたものとしては、例えば、特許文献1、2に示されたメタルガスケットなどが挙げられる。
ヘリコフレックスは、セフィラック(CEFILAC)社(フランス国)の製品であって、図8に示すように、パイプ状物(パイプ壁が一部開いたものもある)を閉環状に形成したシール本体部分103aを有することが基本的な特徴となっている。このシール本体部分103aの断面構造は、複数の層によるラミネート構造(図8の例では、外層から順にアルミニウム等からなるメタル層、インコネル層、バネ層の3層構造)となっており、塑性変形と弾性変形とを合わせた強いシール力を生じ得る構造となっている。
ヘリコフレックスは、セフィラック(CEFILAC)社(フランス国)の製品であって、図8に示すように、パイプ状物(パイプ壁が一部開いたものもある)を閉環状に形成したシール本体部分103aを有することが基本的な特徴となっている。このシール本体部分103aの断面構造は、複数の層によるラミネート構造(図8の例では、外層から順にアルミニウム等からなるメタル層、インコネル層、バネ層の3層構造)となっており、塑性変形と弾性変形とを合わせた強いシール力を生じ得る構造となっている。
また、前記ヘリコフレックスのようなタイプのシールリングには、シール本体部分の断面形状が単純な円形である標準型の他に、デルタ型(ヘリコフレックスデルタ)と呼ばれるタイプの製品がある。このデルタ型のシールリングは、図8に示すように、外層表面のうち、フランジシール面と接触する箇所(両サイド)に、稜線状突起103a1がシールリングを一周するように設けられている。この稜線状突起103a1が図9に示すように、対向するフランジ面によって潰され、高いシール性を示す。
さらには、前記ヘリコフレックス等のタイプのシールリングには、図8に示すように、該シール本体部分103aをフランジに対して定位置に配置するための外周ツバ部103bが設けられたものがある。
図9に示すように、2つ合わせたフランジ111、112の外側に外周ツバ部103bを出すことによって、シール本体部分103aをフランジの外周に対して同心状に配置することが可能になる。
図9に示すように、2つ合わせたフランジ111、112の外側に外周ツバ部103bを出すことによって、シール本体部分103aをフランジの外周に対して同心状に配置することが可能になる。
前記のヘリコフレックスのような特殊なガスケットは、専用のフランジ型管継手と共に用いられるのが一般的である。
図9は、ヘリコフレックスを好ましく用いるためのフランジ型管継手の構造を示している。同図に示すフランジ型管継手は、一般的なフランジ型管継手とは異なり、フランジにはボルト穴が設けられておらず、クロー・クランプ(claw clamp)と呼ばれる専用の締め具105によってフランジ外周の多点を掴んで締め付ける構成となっている。
図9の例では、ヘリコフレックスのシールリング103を介在させて2つのフランジ111と112のフランジ面同士を互いに合わせ、これらフランジ同士を外周の複数箇所において、専用の締め付け具であるクロー・クランプ105によって管軸方向に締め付け、圧縮力F1を作用させて、両フランジ部111と112とを互いに密着させる構造となっている。
図9は、ヘリコフレックスを好ましく用いるためのフランジ型管継手の構造を示している。同図に示すフランジ型管継手は、一般的なフランジ型管継手とは異なり、フランジにはボルト穴が設けられておらず、クロー・クランプ(claw clamp)と呼ばれる専用の締め具105によってフランジ外周の多点を掴んで締め付ける構成となっている。
図9の例では、ヘリコフレックスのシールリング103を介在させて2つのフランジ111と112のフランジ面同士を互いに合わせ、これらフランジ同士を外周の複数箇所において、専用の締め付け具であるクロー・クランプ105によって管軸方向に締め付け、圧縮力F1を作用させて、両フランジ部111と112とを互いに密着させる構造となっている。
図9の例におけるクロー・クランプ105は、基本的には、1対のクランプ部品105a、105bとボルトとによって構成され、合わせたフランジ対を局所的に締め付ける構造となっている。クロー・クランプは、ワンポイントの締め付け具であって、フランジの外周に沿って、適当な間隔をおいて取り付けられる。
図9のような管継手用製品としては、例えば、アドキャップバキュームテクノロジー(株)社製のISO−LF フランジ・クロー・クランプなどが挙げられる。
図9のような管継手用製品としては、例えば、アドキャップバキュームテクノロジー(株)社製のISO−LF フランジ・クロー・クランプなどが挙げられる。
しかしながら、本発明者が、上記のような従来のクロー・クランプによるフランジ継手の連結作業を詳細に検討したところ、次に述べるような、締め付け作業の効率を低下させる問題が生じていることがわかった。
例えば、フランジの周囲8箇所にクロー・クランプを分散して取り付ける場合、通常の連結作業では、8個のクロー・クランプをゆるい仮締め状態で全て取り付けてから、全周均等に少しずつ締め付けて行くことで、最終的に全てのクロー・クランプを堅い締め付け状態とする。
このように、周囲のクロー・クランプを徐々に締め付けていく理由は、最初に取り付けるクロー・クランプだけを堅く完全に締めつけてから、次のクロー・クランプの取り付け締め付けにかかるというような手順を行なうと、シーリングに均等な軸力がかからず、漏れの原因となるなどのトラブルが生じるからである。
例えば、フランジの周囲8箇所にクロー・クランプを分散して取り付ける場合、通常の連結作業では、8個のクロー・クランプをゆるい仮締め状態で全て取り付けてから、全周均等に少しずつ締め付けて行くことで、最終的に全てのクロー・クランプを堅い締め付け状態とする。
このように、周囲のクロー・クランプを徐々に締め付けていく理由は、最初に取り付けるクロー・クランプだけを堅く完全に締めつけてから、次のクロー・クランプの取り付け締め付けにかかるというような手順を行なうと、シーリングに均等な軸力がかからず、漏れの原因となるなどのトラブルが生じるからである。
しかしながら、各クロー・クランプを均等に順次仮締めしなければならないために、締め付けの初期段階においては、図10に示すように、仮締めした幾つかのクロー・クランプ(特に、フランジの側方に取り付けたもの)が、重力によって、フランジの外縁を掴んだ状態のままフランジの外縁に沿って下方へ滑り降りてしまい、位置がずれてしまう。
例えば、図10の例では、8箇所にクロー・クランプa〜hが装着されているが、クロー・クランプa〜hのうち、側方に取り付けたクランプcが、他のクランプを締めている間にクランプdの位置まで滑り降りている。
上記した問題とは、このようなクロー・クランプの滑り降りであって、これが締め付け作業の能率を低下させるという問題である。
特表2004−528516号公報
特表2004−527707号公報
例えば、図10の例では、8箇所にクロー・クランプa〜hが装着されているが、クロー・クランプa〜hのうち、側方に取り付けたクランプcが、他のクランプを締めている間にクランプdの位置まで滑り降りている。
上記した問題とは、このようなクロー・クランプの滑り降りであって、これが締め付け作業の能率を低下させるという問題である。
本発明の課題は、フランジ型の管継手同士を締め付けるためのクロー・クランプに存在する上記問題を解決し得る、新たな構成を有するクランプを提供することにある。
本発明は、次の特徴を有するものである。
(1)フランジ型管継手同士を連結するに際し、ガスケットを介在させてフランジ面同士を互いに合わせた2つのフランジを、それらの外周において掴み管軸方向に締め付けるためのクランプであって、
当該クランプは、一方のフランジに配置される第1部材と、他方のフランジに配置される第2部材とをそれぞれ1以上有し、
第1部材、第2部材は、フランジの外周よりも内側においてそれぞれのフランジに係合するためのフランジ係合部と、それぞれのフランジよりも外側に張り出している外縁部とを有し、両部材の外縁部には、ボルトを一方の部材から他方の部材へと管軸方向に通すためのボルト穴がそれぞれに設けられており、
一方の部材のボルト穴は、該ボルトが貫通し得る穴であり、他方の部材のボルト穴は、該ボルトが貫通し得る穴であるかまたはボルトのオネジに対応するメネジであり、
該ボルト穴が、第1部材および第2部材のそれぞれの外縁部に、フランジの中心から見て異なる角度の方向に位置するように複数個設けられていることを特徴とする、フランジ型管継手用クランプ。
(2)第1部材と第2部材とが、フランジの外周において円周方向に互いに位置をずらして配置され、かつ、配置された第1部材と第2部材とを管軸方向から見たとき、少なくともそれぞれの外縁部が互いに一部オーバラップするように配置されるものであり、
両部材の外縁部には、前記のオーバラップする領域に少なくとも1つのボルト穴が設けられ、オーバラップしない領域に少なくとも1つのボルト穴が設けられている、上記(1)記載のフランジ型管継手用クランプ。
(3)第1部材と第2部材とを管軸方向から見たときの、それぞれの外形が互いに合同な扇形であり、その扇形の中心角が、30度〜180度である、上記(1)または(2)記載のフランジ型管継手用クランプ。
(4)ボルト穴が、第1部材および第2部材の外縁部にそれぞれ2個設けられている、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のフランジ型管継手用クランプ。
(5)ボルト穴が、第1部材および第2部材の外縁部にそれぞれ3個以上設けられている、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のフランジ型管継手用クランプ。
(1)フランジ型管継手同士を連結するに際し、ガスケットを介在させてフランジ面同士を互いに合わせた2つのフランジを、それらの外周において掴み管軸方向に締め付けるためのクランプであって、
当該クランプは、一方のフランジに配置される第1部材と、他方のフランジに配置される第2部材とをそれぞれ1以上有し、
第1部材、第2部材は、フランジの外周よりも内側においてそれぞれのフランジに係合するためのフランジ係合部と、それぞれのフランジよりも外側に張り出している外縁部とを有し、両部材の外縁部には、ボルトを一方の部材から他方の部材へと管軸方向に通すためのボルト穴がそれぞれに設けられており、
一方の部材のボルト穴は、該ボルトが貫通し得る穴であり、他方の部材のボルト穴は、該ボルトが貫通し得る穴であるかまたはボルトのオネジに対応するメネジであり、
該ボルト穴が、第1部材および第2部材のそれぞれの外縁部に、フランジの中心から見て異なる角度の方向に位置するように複数個設けられていることを特徴とする、フランジ型管継手用クランプ。
(2)第1部材と第2部材とが、フランジの外周において円周方向に互いに位置をずらして配置され、かつ、配置された第1部材と第2部材とを管軸方向から見たとき、少なくともそれぞれの外縁部が互いに一部オーバラップするように配置されるものであり、
両部材の外縁部には、前記のオーバラップする領域に少なくとも1つのボルト穴が設けられ、オーバラップしない領域に少なくとも1つのボルト穴が設けられている、上記(1)記載のフランジ型管継手用クランプ。
(3)第1部材と第2部材とを管軸方向から見たときの、それぞれの外形が互いに合同な扇形であり、その扇形の中心角が、30度〜180度である、上記(1)または(2)記載のフランジ型管継手用クランプ。
(4)ボルト穴が、第1部材および第2部材の外縁部にそれぞれ2個設けられている、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のフランジ型管継手用クランプ。
(5)ボルト穴が、第1部材および第2部材の外縁部にそれぞれ3個以上設けられている、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のフランジ型管継手用クランプ。
従来のクロー・クランプは、図9(b)に示すように、1つのクランプに、ただ1つのボルト穴が設けられているだけである。これによって、従来のクロー・クランプは、クランプを構成する2つの部材105a、105bが、必ず2つ1組として用いられ、互いに一致するように位置合わせされてボルト105cが通されていた。
これに対して、本発明によるフランジ型管継手用クランプ(当該クランプ)では、図2に示すように、ボルト穴が、第1部材1aおよび第2部材1bの外縁部にそれぞれ複数個設けられており、それらのボルト穴の位置は、フランジの中心から見て異なる角度の方向に位置するように(即ち、フランジの外周に沿って互いに距離をおいた位置となるように)決定されている。
これによって、第1部材1aと第2部材1bとを相対的にフランジの外周方向にずらしながらも、図2に示すように、第1部材1aの一方のボルト穴1B2と、第2部材1bのボルト穴1B10とを一致させて、ボルトを通すことが可能になり、単発的なクランプ同士を複数連結させて互いに支持させ合うという、従来にはない締め付け方法の実施が可能となる。
第1部材1aと第2部材1bとを、フランジの外周方向(円周方向)にずらして締め付けることで、従来の1対の部材がカバーしていた角度範囲よりも広い角度範囲で一体となってフランジの外周に係合できる。
これに対して、本発明によるフランジ型管継手用クランプ(当該クランプ)では、図2に示すように、ボルト穴が、第1部材1aおよび第2部材1bの外縁部にそれぞれ複数個設けられており、それらのボルト穴の位置は、フランジの中心から見て異なる角度の方向に位置するように(即ち、フランジの外周に沿って互いに距離をおいた位置となるように)決定されている。
これによって、第1部材1aと第2部材1bとを相対的にフランジの外周方向にずらしながらも、図2に示すように、第1部材1aの一方のボルト穴1B2と、第2部材1bのボルト穴1B10とを一致させて、ボルトを通すことが可能になり、単発的なクランプ同士を複数連結させて互いに支持させ合うという、従来にはない締め付け方法の実施が可能となる。
第1部材1aと第2部材1bとを、フランジの外周方向(円周方向)にずらして締め付けることで、従来の1対の部材がカバーしていた角度範囲よりも広い角度範囲で一体となってフランジの外周に係合できる。
さらに、図1(b)に示すように、第1部材1aと第2部材1bとを互いにずらし、第1部材1aからずれてはみ出した第2部材1bのボルト穴に、次の第1部材2aのボルト穴2B1を一致させるというように、多数の第1部材と第2部材とを、複数対や必要な数だけ互い違いにボルトでつないで締め付けていくことで、複数の第1部材(1a、2a、3a...)と、複数の第2部材(1b、2b、3b...)とを、第1部材〜第2部材〜第1部材のように順次連結させ、フランジの外周の広い角度をカバーして係合させながら、広範囲に、好ましくはフランジの外周全周にわたって締め付けることが可能となる。両部材のそれぞれの数は、必ずしも同じである必要はない。
上記のように、本発明のクランプは、複数のボルト穴を利用し、個々の部材を交互にずらして連結し、必要な数だけ用いて広い角度範囲で締め付けることが可能である。これによって、仮締めのゆるい段階でも、複数の部材がフランジと広範囲に係合し、クランプがフランジの周囲を単純に滑り降りて位置が変わるといった現象が発生し難く、締め付け作業が妨げられることがなくなる。
これと同時に、図5に示すように、フランジ背面がテーパーとなっているようなフランジ(ここでは「テーパーフランジ」と呼ぶ)の場合、従来のような穴が1つだけのクランプを適用してボルトで締め込んで行くと、フランジ背面のテーパーのために、半径方向外側への分力aがクランプに作用し、クランプが外側へ逃げて行き外れてしまう。これに対して、本発明のクランプでは、複数の穴を利用し、フランジ外周を広範囲に(とりわけ全周にわたって)包囲するように連結させて締め付けることができるので、クランプがフランジの半径方向外側へ逃げて行く力が相殺され、フランジの半径方向外側へ外れることなく、強固に締め付けることができる。
上記のように、本発明のクランプは、複数のボルト穴を利用し、個々の部材を交互にずらして連結し、必要な数だけ用いて広い角度範囲で締め付けることが可能である。これによって、仮締めのゆるい段階でも、複数の部材がフランジと広範囲に係合し、クランプがフランジの周囲を単純に滑り降りて位置が変わるといった現象が発生し難く、締め付け作業が妨げられることがなくなる。
これと同時に、図5に示すように、フランジ背面がテーパーとなっているようなフランジ(ここでは「テーパーフランジ」と呼ぶ)の場合、従来のような穴が1つだけのクランプを適用してボルトで締め込んで行くと、フランジ背面のテーパーのために、半径方向外側への分力aがクランプに作用し、クランプが外側へ逃げて行き外れてしまう。これに対して、本発明のクランプでは、複数の穴を利用し、フランジ外周を広範囲に(とりわけ全周にわたって)包囲するように連結させて締め付けることができるので、クランプがフランジの半径方向外側へ逃げて行く力が相殺され、フランジの半径方向外側へ外れることなく、強固に締め付けることができる。
尚、従来では、テーパーフランジの締め付けに、チェーン型の締め付け具が用いられる場合がある。チェーン型の締め付け具は、2つのテーパーフランジにまたがる小部材がチェーンのようにつながったものである。これをフランジの外周に嵌め込みながら一周捲き付けた後、チェーン長さ(外周長)を縮小させるようにネジで締め付け、外周方向に強い張力を発生させる。この結果、「コの字」状の小部材が半径方向内側(管軸方向)に食い込み、フランジ同士が互いにはずれないように固定されるというものである。このようなチェーン型の締め付け具の締め付け方向は、あくまでチェーン長さを縮小させようとする周方向への締め付けであり、フランジ同士を管軸方向に密着させて締め付ける作用は、小部材の食い込みで、二次的に発生するものである。
これに対して、本発明によるフランジ型管継手用クランプは、あくまでフランジ同士が互いにはずれないように管軸方向に締め付けを行うものである。当該クランプをテーパーフランジに適用したとき、各クランプがフランジの半径方向外側へ逃げて行こうとする動作に抗して、外周方向の張力が発生するが、それは脱落に抵抗するための二次的な力である。
即ち、当該クランプと、従来のチェーン型の締め付け具とは、締め付け方向も、力が作用する順番も、ことごとく互いに異なっているのである。
これに対して、本発明によるフランジ型管継手用クランプは、あくまでフランジ同士が互いにはずれないように管軸方向に締め付けを行うものである。当該クランプをテーパーフランジに適用したとき、各クランプがフランジの半径方向外側へ逃げて行こうとする動作に抗して、外周方向の張力が発生するが、それは脱落に抵抗するための二次的な力である。
即ち、当該クランプと、従来のチェーン型の締め付け具とは、締め付け方向も、力が作用する順番も、ことごとく互いに異なっているのである。
当該クランプは、図1に示すように、ガスケットを介在させて互いに重ね合わせた状態の2つのフランジf1、f2に対して、一方フランジf1に配置するための第1部材1aと、他方のフランジf2に配置するための第2部材1bとを、1以上有して構成される。
以下、第1部材、第2部材を、単に、部材とも呼んで説明する。
両部材1a、1bは、フランジの外周よりも内側においてそれぞれフランジf1、f2に係合するフランジ係合部を有している。同図の例では、第1部材のフランジ係合部は符号11の部分であり、第2部材のフランジ係合部は符号21の部分である。これらの部分が、フランジf1、f2を押して圧縮力Fを加える。
また、両部材1a、1bは、フランジよりも外側に張り出している外縁部を有しておりこの部分にボルトが通される。図1の例では、第1部材の外縁部は符号12の部分であり、第2部材の外縁部は符号22の部分である。それぞれの外縁部12、22には、一方の部材から他方の部材へと管軸方向にボルトQを通すためのボルト穴がそれぞれに設けられている。
ボルト穴の態様については後述する。以下、便宜上、第1部材1aから第2部材1bへと、ボルトを通すものとして構成を説明するが、ボルトを通す方向は逆であってもよい。
当該クランプの重要な特徴は、このボルト穴が、第1部材および第2部材の外縁部に、それぞれ複数個設けられている点にある。これによって、上記[発明の効果]で述べた連結の作用効果が得られる。
以下、第1部材、第2部材を、単に、部材とも呼んで説明する。
両部材1a、1bは、フランジの外周よりも内側においてそれぞれフランジf1、f2に係合するフランジ係合部を有している。同図の例では、第1部材のフランジ係合部は符号11の部分であり、第2部材のフランジ係合部は符号21の部分である。これらの部分が、フランジf1、f2を押して圧縮力Fを加える。
また、両部材1a、1bは、フランジよりも外側に張り出している外縁部を有しておりこの部分にボルトが通される。図1の例では、第1部材の外縁部は符号12の部分であり、第2部材の外縁部は符号22の部分である。それぞれの外縁部12、22には、一方の部材から他方の部材へと管軸方向にボルトQを通すためのボルト穴がそれぞれに設けられている。
ボルト穴の態様については後述する。以下、便宜上、第1部材1aから第2部材1bへと、ボルトを通すものとして構成を説明するが、ボルトを通す方向は逆であってもよい。
当該クランプの重要な特徴は、このボルト穴が、第1部材および第2部材の外縁部に、それぞれ複数個設けられている点にある。これによって、上記[発明の効果]で述べた連結の作用効果が得られる。
第1部材と第2部材にどのように複数のボルト穴を配置するかによって、第1部材と第2部材とのずれ量が異なる。ボルト穴の配置パターンの好ましい一例としては、次の態様が挙げられる。
先ず、図3に示すように、第1部材1aと第2部材1bとを、フランジの外周において円周方向に互いに位置をずらし、少なくともそれぞれの外縁部が互いに一部オーバラップするように配置する。同図においてハッチングを施した部分がオーバラップした部分である。同図では、第1部材1aと第2部材1bとがオーバラップしてもわかり易いように、両部材1a、1bの大きさを意図的に変えて表現しているが、両部材の外形は、合同の扇形である。
先ず、図3に示すように、第1部材1aと第2部材1bとを、フランジの外周において円周方向に互いに位置をずらし、少なくともそれぞれの外縁部が互いに一部オーバラップするように配置する。同図においてハッチングを施した部分がオーバラップした部分である。同図では、第1部材1aと第2部材1bとがオーバラップしてもわかり易いように、両部材1a、1bの大きさを意図的に変えて表現しているが、両部材の外形は、合同の扇形である。
ここで、両部材のオーバラップする領域に、少なくとも1つのボルト穴が設けられ、オーバラップしない領域に少なくとも1つのボルト穴が設けられている。
これによって、オーバラップしない領域のボルト穴を利用して、次の部材を連結していくことが可能となる。
図1の態様では、両部材1a、1bには、それぞれ3つのボルト穴が設けられており、両部材のオーバラップする領域には2つのボルト穴が設けられ、オーバラップしない領域には1つのボルト穴が設けられている。
これによって、オーバラップしない領域のボルト穴を利用して、次の部材を連結していくことが可能となる。
図1の態様では、両部材1a、1bには、それぞれ3つのボルト穴が設けられており、両部材のオーバラップする領域には2つのボルト穴が設けられ、オーバラップしない領域には1つのボルト穴が設けられている。
第1部材と第2部材とを管軸方向から見たときのそれぞれの外形は、図1〜3に示すように、互いに合同な扇形であることが好ましく、これによって、第1部材と第2部材とをずらして規則的に互い違いに連結することが可能となる。また、一方の部材だけをより広い中心角の扇形とし、他方の部材をそれよりも狭い中心角の扇形として組み合わせてもよい。
用途に応じては、一方の部材同士の間でも、広い中心角の扇形と、狭い中心角の扇形とが、混在していてもよい。
用途に応じては、一方の部材同士の間でも、広い中心角の扇形と、狭い中心角の扇形とが、混在していてもよい。
以下、説明の便宜上、両部材が互いに合同な扇形であるとして、構成を説明するが、フランジの外周を全周取り巻いて両部材を配置する場合に、必ずしも両部材は全て合同な扇形である必要はない。
個々の部材の扇形の中心角は、限定はされないが、1対の部材1a、1bを、フランジを局所的に締め付けるクロウ・クランプとして作用させる点からは、30度〜180度が好ましい範囲である。
個々の部材の扇形の中心角は、限定はされないが、1対の部材1a、1bを、フランジを局所的に締め付けるクロウ・クランプとして作用させる点からは、30度〜180度が好ましい範囲である。
フランジの外周全周に両部材を配置したとき、寸法上の余りや不足のないように両部材を配置する点からは、個々の部材の扇形の中心角は、nを整数として(360/n)度で表される角度を基準の中心角度とし、隣り合った部材同士の間に確保すべき隙間の分を適宜減じる態様が好ましい。
この場合の整数nは、フランジの外径によっても異なるが、例えば、フランジの外径が290mm〜370mmの場合では、n=2〜8程度が好ましい値であり、2〜4がより好ましく、特にn=4は、フランジの外周縁部を過度に広範囲にクランプすることもなく、フランジの外周縁部に配置する部材の部品点数も適度であり、作業性も良い。
この場合の整数nは、フランジの外径によっても異なるが、例えば、フランジの外径が290mm〜370mmの場合では、n=2〜8程度が好ましい値であり、2〜4がより好ましく、特にn=4は、フランジの外周縁部を過度に広範囲にクランプすることもなく、フランジの外周縁部に配置する部材の部品点数も適度であり、作業性も良い。
1つのクランプの部材に設けられるボルト穴の数は、締め付けるべきフランジの外径、両部材の扇形の中心角の大小などに応じて適宜変えてもよい。好ましい例を挙げると、例えば、フランジの外径が290mm〜370mmの場合であって、扇形の中心角が60度〜90度では、ボルト穴の数は2個〜4個が好ましい。そのなかでも、より範囲を狭めた具体例を挙げると、フランジの外径が290mm〜370mmの場合であって、扇形の中心角が90度では、ボルト穴の数は3個〜4個が好ましい例として挙げられる。
両部材がオーバラップする部分に設けられるボルト穴の数は、1つの部材に設けられるボルト穴の総数から1〜2を減じた数とするのが好ましい。好ましい例では、〔ボルト穴の総数2に対して、オーバラップする部分のボルト穴の数1〕、〔ボルト穴の総数3に対して、オーバラップする部分のボルト穴の数1〜2〕、〔ボルト穴の総数4に対して、オーバラップする部分のボルト穴の数1〜3〕が挙げられる。
1つのクランプの部材に設けられるボルト穴の数が2である場合、両部材がオーバラップする部分のボルト穴の数は1となる。オーバラップする部分のボルト穴の数が1の場合、仮組みの段階では、両部材の位置関係はフランジに沿わせないと定まらず、チェーンの如く自由に湾曲する。
これに対して、1つのクランプの部材に設けられるボルト穴の数が3以上の場合、両部材がオーバラップする部分のボルト穴の数を2以上とすることができる(図6では、1つのクランプの部材に設けられるボルト穴の数が3であり、両部材がオーバラップする部分のボルト穴の数は2と1である)。特に、1つのクランプの部材に設けられるボルト穴の数を4以上とすれば、図4(a)に示すように、オーバラップする部分のボルト穴の数を全て2以上とすることもできる。オーバラップする部分のボルト穴の数が2以上であれば、仮組みの段階でも、両部材の位置関係は定まり、フランジに沿う前から、所定の湾曲を呈することになる。
1つのクランプの部材に設けられるボルト穴の数は、これらの特徴をも考慮して、適宜選択すればよい。
これに対して、1つのクランプの部材に設けられるボルト穴の数が3以上の場合、両部材がオーバラップする部分のボルト穴の数を2以上とすることができる(図6では、1つのクランプの部材に設けられるボルト穴の数が3であり、両部材がオーバラップする部分のボルト穴の数は2と1である)。特に、1つのクランプの部材に設けられるボルト穴の数を4以上とすれば、図4(a)に示すように、オーバラップする部分のボルト穴の数を全て2以上とすることもできる。オーバラップする部分のボルト穴の数が2以上であれば、仮組みの段階でも、両部材の位置関係は定まり、フランジに沿う前から、所定の湾曲を呈することになる。
1つのクランプの部材に設けられるボルト穴の数は、これらの特徴をも考慮して、適宜選択すればよい。
1対の部材1a、1bにおいて、オーバラップしない部分に設けられるボルト穴の数が2以上(図4では、B3、B4の2つ)であって、それらのボルト穴を利用してさらなる他の部材2bを連結する場合、図4(a)のように、それらのボルト穴(B3、B4)を全て連結に利用するか、図4(b)のように、最も端に位置する1つのボルト穴(B4)だけを利用するかは、部材の扇形の中心角を考慮し、適宜選択してよい。
当該クランプが適用されるフランジ型管継手の管の用途や、管の外径に限定はない。一般的な管の外径は、例えば、130mm〜508mm程度、フランジの外径は160mm〜550mm程度である。
当該クランプが特に有用となるフランジ型管継手は、例えば、加速器の空洞(素粒子を通過させる管路)などの超高真空を必要とする用途に用いられており、そのような用途では、汎用的な管の外径は、260mm〜330mm程度、その場合のフランジの外径は290mm〜370mm程度である。
当該クランプが特に有用となるフランジ型管継手は、例えば、加速器の空洞(素粒子を通過させる管路)などの超高真空を必要とする用途に用いられており、そのような用途では、汎用的な管の外径は、260mm〜330mm程度、その場合のフランジの外径は290mm〜370mm程度である。
両部材のフランジ係合部の形状は、フランジの背面を押して2つのフランジ同士を締め付けることが可能であれば、特に限定はされない。
例えば、図1(a)の例では、フランジ係合部11は、フランジの背面に密着し、該フランジの背面に設けられた溝に嵌り込む突起eを有している。
また、図5の例では、フランジ係合部11は、テーパーとなったフランジの背面に沿うように、勾配面gを有する態様となっている。このような勾配面gは、一般的な単発のクロウ・クランプでは、抜き勾配のように作用し、締め付けと共にクランプが外側へ逃げるために、うまく締め付けることができない。しかし、本発明では、1対よりも多い部材を連結することができるので、フランジの外周を取り巻けば、勾配面gが抜き勾配のように作用しても、部材同士が引張り合ってクランプが外側へ逃げることがなく、締め付けることが可能となる。
これらフランジ係合部の断面形状自体は、公知のクロー・クランプを参照してよく、フランジの背面の態様と関連付けて決定すればよい。
例えば、図1(a)の例では、フランジ係合部11は、フランジの背面に密着し、該フランジの背面に設けられた溝に嵌り込む突起eを有している。
また、図5の例では、フランジ係合部11は、テーパーとなったフランジの背面に沿うように、勾配面gを有する態様となっている。このような勾配面gは、一般的な単発のクロウ・クランプでは、抜き勾配のように作用し、締め付けと共にクランプが外側へ逃げるために、うまく締め付けることができない。しかし、本発明では、1対よりも多い部材を連結することができるので、フランジの外周を取り巻けば、勾配面gが抜き勾配のように作用しても、部材同士が引張り合ってクランプが外側へ逃げることがなく、締め付けることが可能となる。
これらフランジ係合部の断面形状自体は、公知のクロー・クランプを参照してよく、フランジの背面の態様と関連付けて決定すればよい。
両部材の材料は、公知のクロー・クランプの材料を参照してもよく、機械的強度や耐食性を考慮して、ステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金等が好ましい材料として挙げられる。
第1部材1aのボルト穴は、該ボルトが貫通し得る穴である。第2部材のボルト穴は、該ボルトが貫通し得る穴(その場合はナットを用いて締めつける)であってもよいし、ボルトのオネジに対応するメネジであってもよい。簡単な締め付け作業のためには、第2部材のボルト穴をメネジとする態様が好ましい。その場合、緩み止めのナット等は、適宜加えてよい。
締め付けに用いられるボルトは、管の口径や内圧に応じて適宜選択してよいが、例えば、JIS B1180に規定されたメートルネジを有するボルトでは、呼びがM8〜M16である六角ボルト、六角穴付きボルトなどが汎用的である。
締め付けに用いられるボルトは、管の口径や内圧に応じて適宜選択してよいが、例えば、JIS B1180に規定されたメートルネジを有するボルトでは、呼びがM8〜M16である六角ボルト、六角穴付きボルトなどが汎用的である。
実施例1
本実施例では、図6に示す態様のクランプを実際に製作し、その締め付け作業性を確認した。
本実施例品は、部材の扇形の中心角を90度として、フランジの全周を4分割し、各部材に3つのボルト穴を形成する態様とした。ただし、この場合の中心角90度は、ボルト穴の位置を決定するための、設計上の基準角度であって、実際には、隣り合った部材同士の間に隙間が形成されるようにした(本例では、図6に示すように、10mmの平行な隙間が生じるように加工した)。
第1部材、第2部材のそれぞれの扇形の形状は合同であって、それらの断面形状は、図1(a)に示すように互いに対称的である。図6では、形状合同による図示上の混乱を避けるため、他の図と同様に、第2部材1b〜4bを一点鎖線にて、第1部材よりも大きく描いている。
図6は、フランジの外周に沿って4つの第1部材1a、2a、3a、4aを円環状に配置した状態を示しており、第2部材1b、2b、3b、4bは、見えるように大きく一点鎖線で示している。これら部材で形成された円環の外径は約344mmであり、内径は約265mmである。
本実施例では、図6に示す態様のクランプを実際に製作し、その締め付け作業性を確認した。
本実施例品は、部材の扇形の中心角を90度として、フランジの全周を4分割し、各部材に3つのボルト穴を形成する態様とした。ただし、この場合の中心角90度は、ボルト穴の位置を決定するための、設計上の基準角度であって、実際には、隣り合った部材同士の間に隙間が形成されるようにした(本例では、図6に示すように、10mmの平行な隙間が生じるように加工した)。
第1部材、第2部材のそれぞれの扇形の形状は合同であって、それらの断面形状は、図1(a)に示すように互いに対称的である。図6では、形状合同による図示上の混乱を避けるため、他の図と同様に、第2部材1b〜4bを一点鎖線にて、第1部材よりも大きく描いている。
図6は、フランジの外周に沿って4つの第1部材1a、2a、3a、4aを円環状に配置した状態を示しており、第2部材1b、2b、3b、4bは、見えるように大きく一点鎖線で示している。これら部材で形成された円環の外径は約344mmであり、内径は約265mmである。
適用する管のフランジ外径は290mmである。
ボルト穴の位置は、扇形の中心角90度のうち、一方の端から順に、15度、45度、75度の位置に設けた。これは、フランジの外周に両部材を4対配置したときに、ボルト穴のピッチが30度の等間隔となる配置パターンである。
第1部材にはボルト通過用の貫通孔(内径13mm)を設け、第2部材には、M12のメネジを形成した。
ボルト穴の位置は、扇形の中心角90度のうち、一方の端から順に、15度、45度、75度の位置に設けた。これは、フランジの外周に両部材を4対配置したときに、ボルト穴のピッチが30度の等間隔となる配置パターンである。
第1部材にはボルト通過用の貫通孔(内径13mm)を設け、第2部材には、M12のメネジを形成した。
上記のように形成した第1部材、第2部材を、それぞれ4つ用い、フランジの外周方向に互いに30度ずらすことで順次連結し、図6に示すように、フランジの周囲を包囲するように配置した。
フランジに最初に装着した1対の部材1a、1bは、3つのボルト穴のうち2つが一致するように、互いの位置をフランジの外周に沿って逆方向ににずらし、一致させた2つのボルト穴にそれぞれボルトを通して仮締めを行なった。部材1aの余ったボルト穴には、次に配置する部材2bのボルト穴を一致させ、それによって部材2bで余った2つのボルト穴と、その相手の部材2aの2つのボルト穴とを一致させるというように、両部材を交互に順次連結してボルトを通して仮締めを行っていき、最終的に全てのボルトを強く締め、締め付けを完了した。
この仮締めの間、第1部材、第2部材がフランジの周囲をずれて移動することはなく、順調に締め付け作業が行なえることがわかった。
フランジに最初に装着した1対の部材1a、1bは、3つのボルト穴のうち2つが一致するように、互いの位置をフランジの外周に沿って逆方向ににずらし、一致させた2つのボルト穴にそれぞれボルトを通して仮締めを行なった。部材1aの余ったボルト穴には、次に配置する部材2bのボルト穴を一致させ、それによって部材2bで余った2つのボルト穴と、その相手の部材2aの2つのボルト穴とを一致させるというように、両部材を交互に順次連結してボルトを通して仮締めを行っていき、最終的に全てのボルトを強く締め、締め付けを完了した。
この仮締めの間、第1部材、第2部材がフランジの周囲をずれて移動することはなく、順調に締め付け作業が行なえることがわかった。
実施例2
本実施例では、両部材のフランジ係合部の断面形状を、図5に示すように、勾配面gを有する態様としたこと以外は、実施例1と同様にクランプを製作した。
両部材のフランジ係合部の勾配面によって形成されるテーパー面の基準の開き角度は、15度である。
この第1部材、第2部材を、それぞれ4つ用い、実施例1と同様に、フランジの周囲に配置し、仮締めを行い、最終的に全てのボルトを強く締め、締め付けを完了した。
本実施例でも、仮締めの間、第1部材、第2部材がフランジの周囲をずれて移動することはなく、また、両部材のフランジ係合部の勾配面による半径方向外側への抜けもなく、順調に管軸方向の締め付け作業が行なえることがわかった。
本実施例では、両部材のフランジ係合部の断面形状を、図5に示すように、勾配面gを有する態様としたこと以外は、実施例1と同様にクランプを製作した。
両部材のフランジ係合部の勾配面によって形成されるテーパー面の基準の開き角度は、15度である。
この第1部材、第2部材を、それぞれ4つ用い、実施例1と同様に、フランジの周囲に配置し、仮締めを行い、最終的に全てのボルトを強く締め、締め付けを完了した。
本実施例でも、仮締めの間、第1部材、第2部材がフランジの周囲をずれて移動することはなく、また、両部材のフランジ係合部の勾配面による半径方向外側への抜けもなく、順調に管軸方向の締め付け作業が行なえることがわかった。
実施例1、2において、それぞれ締め付けたフランジ係合部の密閉性を、真空フード法によるHeリーク試験によって確認した。
真空フード法は、フランジ係合部の外側をフードで囲い、該フード内にHeガスを封入し、管内を真空にして、管内に浸入したHeガスを検知することで、フランジ係合部の密閉性を調べる方法である。
該リーク試験の結果、Heガスの管内への洩れ量は、1×10−11(Pa・m3/s)以下であり、洩れが無いように充分良好にクランプできていることがわかった。
真空フード法は、フランジ係合部の外側をフードで囲い、該フード内にHeガスを封入し、管内を真空にして、管内に浸入したHeガスを検知することで、フランジ係合部の密閉性を調べる方法である。
該リーク試験の結果、Heガスの管内への洩れ量は、1×10−11(Pa・m3/s)以下であり、洩れが無いように充分良好にクランプできていることがわかった。
本発明のクランプによって、フランジ型の管継手同士を作業効率良く締め付けることが可能となった。また、予め、第1部材と第2部材とをつなげておくことで、クランプでありながらも、チェーン型の締め付け具のように簡単にフランジに装着することも可能となった。
f1、f2 フランジ
1 フランジ型管継手用クランプ
1a 第1部材
11 第1部材のフランジ係合部
12 第1部材の外縁部
1B1〜1B3 第1部材のボルト穴
1b 第2部材
21 第2部材のフランジ係合部
22 第2部材の外縁部
F クランプの圧縮力
Q ボルト
1 フランジ型管継手用クランプ
1a 第1部材
11 第1部材のフランジ係合部
12 第1部材の外縁部
1B1〜1B3 第1部材のボルト穴
1b 第2部材
21 第2部材のフランジ係合部
22 第2部材の外縁部
F クランプの圧縮力
Q ボルト
Claims (5)
- フランジ型管継手同士を連結するに際し、ガスケットを介在させてフランジ面同士を互いに合わせた2つのフランジを、それらの外周において掴み管軸方向に締め付けるためのクランプであって、
当該クランプは、一方のフランジに配置される第1部材と、他方のフランジに配置される第2部材とをそれぞれ1以上有し、
第1部材、第2部材は、フランジの外周よりも内側においてそれぞれのフランジに係合するためのフランジ係合部と、それぞれのフランジよりも外側に張り出している外縁部とを有し、両部材の外縁部には、ボルトを一方の部材から他方の部材へと管軸方向に通すためのボルト穴がそれぞれに設けられており、
一方の部材のボルト穴は、該ボルトが貫通し得る穴であり、他方の部材のボルト穴は、該ボルトが貫通し得る穴であるかまたはボルトのオネジに対応するメネジであり、
該ボルト穴が、第1部材および第2部材のそれぞれの外縁部に、フランジの中心から見て異なる角度の方向に位置するように複数個設けられていることを特徴とする、フランジ型管継手用クランプ。 - 第1部材と第2部材とが、フランジの外周において円周方向に互いに位置をずらして配置され、かつ、配置された第1部材と第2部材とを管軸方向から見たとき、少なくともそれぞれの外縁部が互いに一部オーバラップするように配置されるものであり、
両部材の外縁部には、前記のオーバラップする領域に少なくとも1つのボルト穴が設けられ、オーバラップしない領域に少なくとも1つのボルト穴が設けられている、請求項1記載のフランジ型管継手用クランプ。 - 第1部材と第2部材とを管軸方向から見たときの、それぞれの外形が互いに合同な扇形であり、その扇形の中心角が、30度〜180度である、請求項1または2記載のフランジ型管継手用クランプ。
- ボルト穴が、第1部材および第2部材の外縁部にそれぞれ2個設けられている、請求項1〜3のいずれかに記載のフランジ型管継手用クランプ。
- ボルト穴が、第1部材および第2部材の外縁部にそれぞれ3個以上設けられている、請求項1〜3のいずれかに記載のフランジ型管継手用クランプ。
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- 2006-11-17 JP JP2006311642A patent/JP2008128297A/ja active Pending
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