JP2023540845A - 高流体圧環境においての締結方法及び装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、マルチジャックボルトテンショナ及びそれを使用する方法に関する。本発明は、現在利用可能なマルチジャックボルトテンショナに関連する問題のいくつかを軽減する。

Description

本開示は、概して、ボルト及びスタッド等の細長い締結部材、ならびにそのような締結具に張力をかけるための装置に関する。

先行技術の方法、装置、又は文書へのいかなる言及も、それらが形成した、又は共通の一般知識の一部を形成する、いかなる証拠又は承認を構成するものとして解釈されるべきではない。

図１は、フランジ３ａであるワークピースの形態の構造部材から突出するスタッド１の形態の細長い締結部材を示す。より具体的には、スタッド１がナット７ａ及び７ｂと併せて、フランジ３ａ及び隣接するフランジ３ｂである２つの部品を接合するために使用される。使用中、２つのフランジ３ａ及び３ｂは、２つのフランジ３ａ及び３ｂを引き離す傾向がある矢印８によって示される負荷を受ける。負荷８に対抗するために、スタッド１は、２つのフランジ３ａ、３ｂのそれぞれの対応する孔４ａ、４ｂを通して挿入される。スタッド１は、それぞれ六角ナット７ａ、７ｂの対応する雌ねじと嵌合する雄ねじ端部５ａ、５ｂを有する。六角ナット７ａ、７ｂはそれぞれ、孔４ａ、４ｂに対して大きすぎる。その結果、六角ナット７ａ、７ｂにトルクをかけると、矢印９で示す予荷重の形態でスタッド１に軸方向張力が発生し、スタッド１のシャンク１１を伸張させる。それに応じて、矢印１３によって示される圧縮クランプ力が、部品３ａ、３ｂを一緒に押圧する。継手の完全性を維持するために、予荷重９（したがって、クランプ力１３）は、負荷８よりも大きくなければならない。

例えば原子炉、蒸気タービン、風力タービン等において非常に高い作業負荷に遭遇する場合、スタッド又はボルトにおいて生成されなければならない予荷重は、予測可能な作業負荷を超えなければならないので、非常に大きくなければならないことが理解されるであろう。

図１のナット７ａ、７ｂのような従来のナットにトルクをかけると、加えられたトルクの約９０％が、ナットとワークピースとの間の摩擦によって、及び細長い締結部材のねじ山とナットとの間の摩擦によって吸収され、加えられたトルクの１０％のみが、締結具のシャンクに沿って発生する予荷重に変換されることが分かった。その結果、非常に高い予荷重用途では、所望の予荷重を達成するのに十分なレベルのトルクを加えるために、高い動力工具及び／又は長いハンドルレンチ及びハンマーを使用することが必要であった。

マルチジャックボルトテンショナ（ＭＪＴ）は、従来のナットを使用して十分に高い予荷重を生成しようとするときに遭遇した困難に応じて開発された。

ＭＪＴは、従来のナット及びボルトの直接的な代替品として使用され得る。図２は、部分的に切り取られたナット型ＭＪＴ２０を示す。図３は、使用中のＭＪＴ１００を示す。ＭＪＴ１００は、本体２２の一例を含む。ＭＪＴ１００の本体部２２には、ボルト、シャフト、又はスタッドを受け入れるためのねじ付中央孔１８が形成されている。各々が中心孔と同心の円上に配置されたねじ付ジャックボルト孔１９の極性配列は、本体部２２を通過する。対応するジャックボルト２４はジャックボルト孔１９を横断し、その中にねじ込み式に受容される。ＭＪＴ１００は、使用時にジャックボルト２４の先端部２９が当接する硬化ワッシャ２６の形態の荷重支持部材を更に含む。硬化ワッシャ２６は、締結される構造部材に当接する。

ジャックボルト２４にトルクを与えることによって、強い軸方向の力が生成され、硬化ワッシャ２６に向けられる。ジャックボルト２４の推力及び対向するナット７ｂ又はボルトヘッドの反対の反力は、フランジ３ａ、３ｂに強い締め付け力を加える。ＭＪＴの利点は、単一の従来のナットが使用された場合に必要とされるトルク入力のほんの一部で、大きなクランプ力が生成され得ることである。例えば、ねじ径が１６０ｍｍの締結具では、３１０Ｍｐａのボルト応力を発生させるために、約１００ｋＮｍのトルクが必要とされる。これに対し、２４個のジャックボルトで構成されるＭＪＴのジャックボルトをそれぞれ約１ｋＮｍのトルクにトルクをかけることによって、同じ量のボルト応力を発生させることができる。したがって、ハンドツールは、任意の直径のスタッド／ボルトに張力をかけるために、ＭＪＴのジャックボルトに適切にトルクをかけるために使用することができる。ボルト型ＭＪＴは、ボルト型ＭＪＴ２００を示す図４に示すようにも利用可能である。スタッド１１は、本体部２２にねじ込まれるのではなく、スタッド５ａの端部は一体的に形成され、一体的に形成されたシャンク１０が従来のナット７ｂを受け入れるために、又は構造部材のねじ孔に挿入するために、ねじ端部５ｂを有する本体部２２から延びるように、一体的に形成される。

ＭＪＴを用いた予荷重精度は、いくつかの方法で従来のボルト締め法よりも改善されている：
・従来のナットとボルトの±４０～５０％に対して、±５～１０％の予荷重精度が得られる。
・ジャックボルトは一般に、摩擦係数の再現性を改善するために、圧延されたねじ山を有する。
・複数のジャックボルトは平均化作用を有し、バラつきを低減する。
・ジャックボルトと本体ねじ部との硬度差が大きい。
・ＭＪＴは、ガスケットを均一に潰すことができる。
・ＭＪＴは、漏れの問題を排除する。

図５に示すように、第１のワークピースを第２のワークピースに圧縮する際に、複数のＭＪＴを利用することができる。図示のように、液圧を利用して、ＭＪＴに圧力を加えることができる。

ＭＪＴは高予荷重用途のための従来のナットを上回る大きな改良であるが、それにもかかわらず、本発明者はガスタービン、蒸気タービン、及び遠心圧縮機フランジ等の高温で高荷重の締結接続部について、スタッド及びナットがクリープ、腐食、及び潤滑剤劣化の影響に耐え得るように設計される必要があることを観察した。クリープ、腐食、及び潤滑剤の劣化は故障メカニズムであり、高温及び高負荷での動作中に、主にＭＪＴのジャックボルトに影響を及ぼす。

本発明の目的は、上述の問題の少なくとも１つ以上を克服又は改善する、スタッド又はボルト等の細長い締結部材に張力をかけるための方法及び装置を提供すること、又は消費者に少なくとも商業的な代替手段を提供することである。

第１の態様では、本発明が最も広い又は実際に唯一の態様である必要はないが、以下を含むマルチジャックボルトテンショナにある：
細長い締結部材と係合するように形成された、又はそれと一体的に形成された本体部であって、本体部はその外周の周りの離隔した位置で長手方向中心軸から均一に離隔した複数の孔を有し、孔は、本体ねじ山が形成された側壁を有する本体部；
本体部の孔のうちの１つに本体ねじ山と係合するためのねじ山を有する本体をそれぞれ含むジャックボルト；及び
締結されるべきワークピースに力を加えるための荷重支持部材であって、細長い締結部材の周りに位置するように配置され、荷重支持部材は内壁及び外壁によって第２の環状面に接続された第１の環状面と、第１の環状面から突出する円筒状リップとを備え、円筒状リップは内壁と連続する壁を備える、荷重支持部材。

一実施形態では、本体部が細長い締結部材にねじ係合するための軸方向開口部を有するように形成される。一実施形態では、軸方向開口部がその端部で閉鎖される。

一実施形態では、本体部が細長い締結部材と一体に形成される。

一実施形態では壁は内壁の平面から若干離れて突出する。

一実施形態では、円筒状リップが第２の壁を備える。一実施形態では、第２の壁が第１の環状面から離れて突出する。特定の実施形態では、第２の壁が壁に向かって傾斜している。いくつかの実施形態では、壁及び第２の壁が表面によって接続される。

一実施形態では、荷重支持部材が一体的に形成される。

特定の実施形態では、荷重支持部材が同心突起を更に備える。同心突起は、第１の環状面から突出する。同心突起は、内壁と外壁との間に位置する。一実施形態では、同心突起が内壁に対して実質的に等距離である円形形状を有する。一実施形態では、同心突起が内壁及び外壁の両方から等距離ではない。

特定の実施形態では、荷重支持部材が第２の環状面から突出する第２の同心突起を更に備える。第２の同心突起は、内壁と外壁との間に位置する。一実施形態では、第２の同心突起が内壁に対して等距離である円形形状を有する。一実施形態では、第２の同心突起が内壁に隣接する。別の実施形態では、第２の同心突起が外壁に隣接する。

特定の実施形態では、荷重支持部材が第１の環状面から突出する第１の同心突起と、第２の環状面から突出する第２の同心突起とを備える。

一実施形態では、円筒状リップが第１のワークピース、本体部、ジャックボルト、及び／又は細長い締結部材とのシールを形成するように構成される。いくつかの実施形態では、円筒状リップが第１のワークピースとのシールを形成するように構成される。一実施形態では、円筒状リップが本体部とのシールを形成するように構成される。複数の実施形態では、円筒状リップがジャックボルト（複数可）とのシールを形成するように構成される。一実施形態では、円筒状リップが細長い締結部材とのシールを形成するように構成される。別の態様では、本発明が第１のワークピースと第２のワークピースとを一緒に圧縮する方法に関し：
第１のワークピース上に荷重支持部材を配置する工程であって、荷重支持部材は内壁及び外壁によって第２の環状面に接続された第１の環状面と、第１の環状面から突出する円筒状リップとを備え、円筒状リップは前記内壁と連続する壁を備える、工程；
荷重支持部材上に本体部を配置する工程であって、本体部は細長い締結部材と係合するか、又はそれと一体的に形成され、本体部はその外周の周りの離隔した位置で長手方向中心軸から均一に離隔した複数の孔を有し、孔は本体ねじ山が形成された側壁を有する；
第２のワークピースの外側の細長い締結部材を捕捉する工程；
本体部の孔の各々に本体ねじ山と係合するねじ山を有する本体を含むジャックボルトを結合する工程；及び、
ジャックボルトに張力をかる工程、を含み、それによって第１のワークピース及び第２のワークピースを互いに向かって圧縮し、円筒状リップが細長い締結部材と協働してそれらの間にシールを形成する。

ＭＪＴ、本体部、及び荷重支持部材は実質的に、第１の態様について説明されたようなものであってもよい。

一実施形態では、本方法が第１のワークピース及び第２のワークピースを圧縮するために液圧を印加する工程を更に含む。更なる実施形態では、本方法がジャックボルトに張力をかけた後に液圧を解放する工程を更に含む。

第２の態様では、本発明が以下を含むマルチジャックボルトテンショナにあり：
細長い締結部材と係合するように形成された、又はそれと一体的に形成された本体部であって、本体部はその外周の周りの離隔した位置で長手方向中心軸から均一に離隔した複数の孔を有し、孔は本体ねじ山が形成された側壁を有し、本体部の基部は、円筒状リップ突出部を備える、本体部；
本体部の孔のうちの１つに本体ねじ山と係合するためのねじ山を有する本体をそれぞれ含むジャックボルト；及び
締結されるべきワークピースに力を加えるための環状荷重支持部材であって、細長い締結部材の周りに配置されるように配置される、環状荷重支持部材、を備え、
円筒状リップ突出部は、環状の荷重支持部材と共に位置するように構成される。

一実施形態では、本体部が細長い締結部材にねじ係合するための軸方向開口部を有するように形成される。一実施形態では、軸方向開口部がその端部で閉鎖される。

いくつかの実施形態では、円筒状リップが第１のワークピース及び／又は細長い締結部材とのシールを形成するように構成される。複数の実施形態では、円筒状リップが第１のワークピースとのシールを形成するように構成される。一実施形態では、円筒状リップが細長い締結部材とのシールを形成するように構成される。

別の態様では、本発明が以下の工程を含む第１のワークピースと第２のワークピースとを一緒に圧縮する方法にあり、
第１のワークピース上に環状の荷重支持部材を配置する工程；
荷重支持部材上に本体部を配置する工程であって、本体部は細長い締結部材と係合するように形成されるか、又はそれと一体的に形成され、本体部はその外周の周りの離隔した位置で長手方向中心軸から均一に離隔した複数の孔を有し、孔は本体ねじ山が形成された側壁を有し、本体部の基部の下側は環状荷重支持ワッシャに当接する円筒状リップ突出部を備える、工程；
第２のワークピースの外側の細長い締結部材を捕捉する工程；
本体部の孔の各々に本体ねじ山と係合するねじ山を有する本体を含むジャックボルトを結合する工程；及び
ジャックボルトに張力をかける工程、を含み、それによって第１のワークピース及び第２のワークピースを互いに向かって圧縮し、円筒状リップは、荷重支持部材及び細長い締結部材と協働して、それらの間にシールを形成する。

ＭＪＴ、本体部、及び荷重支持部材は、第２の態様に関して実質的に記載された通りである。

一実施形態では、本体部が細長い締結部材にねじ係合するための軸方向開口部を有するように形成される。

一実施形態では、本体部が細長い締結部材と一体に形成される。

一実施形態では、本方法が第１のワークピース及び第２のワークピースを圧縮するために液圧を印加する工程を更に含む。更なる実施形態では、本方法がジャックボルトに張力をかけた後に液圧を解放する工程を更に含む。

一実施形態では、本発明が以下の工程を含むガスタービンをシールする方法にある：
ガスタービンの隣接面上に金属インサートを配置する工程；
本明細書で言及される１つ以上のＭＪＴに張力をかけることによって隣接する表面を圧縮する工程；
これにより、ガスタービンをシールする。

本方法は、隣接する表面の間に強固に嵌合するように金属インサートを寸法決めする工程を更に含むことができる。

本発明の好ましい特徴、実施形態、及び変形は、当業者が本発明を実施するのに十分な情報を提供する以下の詳細な説明から識別され得る。「発明を実施するための形態」は、本発明の上記の「発明の概要」の範囲を何ら限定するものとみなされるべきではない。本明細書に記載される実施形態は、添付の図面を参照することによってより良く理解され得る。
フランジの形態の構造部材から突出する従来技術の細長い締結部材を示す。 部分的に切り取った従来技術のナット型ＭＪＴを示す。 従来技術のＭＪＴを示す。 従来技術のボルト型ＭＪＴを示す。 第１のワークピース及び第２のワークピースを圧縮するために利用されている複数のＭＪＴを示す。 ＭＪＴの実施形態における上面図を示す。 図６に示すＭＪＴの線Ｌ－Ｌに沿った断面図を示す。 図７のＡの拡大断面図を示す。 図６に示すＭＪＴの斜視図を示す。 ＭＪＴの別の実施形態の上面図を示す。 図１０に示すＭＪＴの線Ａ－Ａを通る断面図を示す。 図１０に示すＭＪＴの斜視図を示す。 ＭＪＴの代替実施形態を示す。 荷重支持部材の上面斜視図を示す。 図１４の荷重支持部材の側面斜視図を示す。 金属インサートの底面図を示す。 図１６の金属インサートの側面図を示す。 表面に溶接された寸法決めされた金属インサートを示す。 ジャックボルトによって加えられる圧力がほとんど又は全くない例示的なＭＪＴを有する荷重支持部材の実施形態の断面を示す。 ジャックボルトによって荷重支持部材に加えられる圧力を有する図１９に示す実施形態を示す。

説明を容易にするために、本発明は、マルチジャックボルトテンショナに関連して説明してきた。

マルチジャックボルトテンショナ（ＭＪＴ）は、石油、ガス、エネルギー、輸送、及び鉱業産業におけるボルト、シャフト、又はスタッドを締め付けるために使用され得る。ＭＪＴは、高圧環境において適切に利用される。高圧環境の非限定的な例は、タービンの使用である。この点に関して、ガスタービンは一般に、構成部品から組み立てられ、実質的に気密であることが必要とされ、そうでなければ、効率の損失が生じる可能性がある。この目的のために、タービン本体のフランジは、典型的にはＭＪＴと共に圧縮されて、それらの間に気密シールを形成する。

しかしながら、フランジ及びＭＪＴは、高圧及び高温にさらされる可能性があり、それは、その反りにつながる可能性がある。反りが生じると、フランジ及び／又はＭＪＴ間のシールは、もはや互いに密封係合せず、気密シールの損失をもたらすことがある。したがって、タービン本体内のガスは、これらの損傷したシールの間から逃げて、効率又は動作の損失をもたらす可能性がある。ＭＪＴの本体部と荷重支持部材との間、又はジャックボルトとジャックボルト孔との間が大気中にガスが抜ける可能性のある主なポイントである。

本発明は、ＭＪＴ又はＭＪＴの特定の本体部を有する特定の荷重支持部材の提供が、少なくとも気密シールの損失の問題を軽減できるという発見に基づいている。

第１の態様では本発明が唯一の又は実際に最も広い態様である必要はないが、以下を含むマルチジャックボルトテンショナにある：
細長い締結部材と係合するように形成された、又はそれと一体的に形成された本体部であって、本体部はその外周の周りの離隔した位置で長手方向中心軸から均一に離隔した複数の孔を有し、孔は、本体ねじ山が形成された側壁を有する本体部；
本体部の孔のうちの１つに本体ねじ山と係合するためのねじ山を有する本体をそれぞれ含むジャックボルト；及び
締結されるべきワークピースに力を加えるための荷重支持部材であって、細長い締結部材の周りに位置するように配置され、荷重支持部材は内壁及び外壁によって第２の環状面に接続された第１の環状面と、第１の環状面から突出する円筒状リップとを備え、円筒状リップは内壁と連続する壁を備える、荷重支持部材。

現在利用可能なＭＪＴの１つの欠点は、荷重支持部材とＭＪＴの本体部との間の境界部がガス漏出点を提供することができることである。更に、細長い締結部材がＭＪＴの本体部と一体的に形成されていない場合、ねじ付中央孔と細長い締結部材との間の境界部は、追加のガス漏出点を提供することもできる。更に、上述のように、クリープ、腐食、及び潤滑剤の劣化はジャックボルトに影響を及ぼす可能性があり、これは、ジャックボルトと本体部の孔との間のシールの損失につながる可能性がある。更に、荷重支持部材と本体との間の境界部は、追加のガス漏出点を提供し得る。上記に加えて、荷重支持部材とワークピースとの間の境界部は、別の追加のガス漏出点を提供し得る。本発明は、これらの境界部を通るガス漏出を防止するための更なる気密シールを提供することによって、これらの問題を軽減する。

本発明は、ワークピース（フランジ等）とＭＪＴの本体部との間に気密シールを形成するだけでなく、細長い締結部材とワークピースとの間にも気密シールを形成する荷重支持部材を利用する。典型的には、細長い締結部材がスタッドと、圧縮されるワークピースの整列された開口部の間に延在するシャンクとを備える。これはワークピースと、細長い締結部材と、荷重支持部材との間のシールを提供し、これにより細長い締結部材とワークピースとの間の容積から漏れるガスの問題を軽減する。

内壁及び外壁によって第２の環状面に接続される第１の環状面と、第１の環状面から突出する円筒状リップとを備える荷重支持部材の使用であって、円筒状リップが、ＭＪＴ内の内壁と連続する壁を備え、ＭＪＴの本体部とワークピースとの間、及びワークピースと細長い締結部材との間にシールを形成することを可能にする。荷重支持部材の環状本体は、ＭＪＴの本体部とフランジとに係合して、それらの間にシールを形成する。荷重支持部材の円筒状リップはまた、細長い締結部材と係合して、それらの間にシールを形成する。

第１の環状面から突出する円筒状リップは細長い締結部材と係合し、細長い締結部材とワークピースとの間にシールを形成する。このシールは、細長い締結部材とワークピースとの間の内部容積と、荷重支持部材と本体部、ジャックボルトとジャックボルト孔、及び／又は本体部と細長い締結部材との間のシールにおけるあらゆる弱点との間の更なる障壁となることが理解されるであろう（適切な場合）。

一実施形態では、荷重支持部材がワッシャの形態である。一実施形態では、荷重支持部材が一体的に形成される。すなわち、本体及び円筒状リップは、単一の材料から形成される。本明細書で使用するとき、用語「一体的に形成される」は、単一の材料片から形成されることを指す。一実施形態では、荷重支持部材が硬化鋼で形成される。

第１の環状面から突出する円筒状リップはまた、有利には、細長い締結部材及びワークピースに対する荷重支持部材の位置を維持するのを助ける。

図６は、例示的なＭＪＴの上面図を示す。ＭＪＴ６００は本体部６２０を含む。図示の実施形態では、本体部６２０が締め付けナット６４０と一体に形成される。

本体部６２０は、それを貫通する同心円状に配列されたねじ付ジャックボルト孔６６０ａ～６６０ｌを有するように形成される。ねじ付ジャックボルト孔６６０ａ～６６０ｌの各々を通って、複数のジャックボルト６６２ａ～ｌのうちの対応する１つが通過する。図示の実施形態では、１２個のジャックボルト６６２ａ～ｌと、対応する１２個のジャックボルト孔６６０ａ～６６０ｌとがある。しかしながら、当業者は、任意の数のジャックボルト及びジャックボルト孔が利用され得ることを理解するのであろう。一実施形態では、ジャックボルト及びジャックボルト孔の数が２、３、４、５、６、７、８、９、１０、１１、１２．．．．ｎ（ｎは１２より大きい整数）である。

図７には、ＭＪＴ６００の線Ｌ－Ｌを通る部分的に切り取られた断面図が示されている。本体部６２０は、荷重支持部材７００上に着座する。一実施形態では、本体部が荷重支持部材に当接する。荷重支持部材７００は、第１のワークピースのフランジ７２０ａ上に着座する。一実施形態では、荷重支持部材が第１のワークピースのフランジに当接する。フランジ７２０ａは、第２のワークピース（図示せず）のフランジの上部に着座する。ジャックボルト６６２ａは、ねじ付ジャックボルト孔６２０ａに挿入されている。ジャックボルト６６２ａ～ｌは、雌ねじを有するジャックボルト孔６６０ａ～ｌに係合する雄ねじを備える。ジャックボルト６６２がジャックボルト孔６６０に挿入されると、ジャックボルト６６２は、ジャックボルト孔６６０の端部を越えて延在する。ジャックボルト６６２は、荷重支持部材７００に力を加える先端部６６１を備えることができる。先端部６６１は、好適には荷重支持部材７００に当接する平坦面である。ジャックボルト６６２がジャックボルト孔６６０内で張力をかけられると、先端部６６１は荷重支持部材７００に力を加える。荷重支持部材７００は次に、フランジ等のワークピースに力を加える。次いで、２つのワークピースは、一緒に圧縮されて、それらの間にシールを形成する。

図７に示されるＭＪＴ６００の部分的に切り取られた断面図は、その中に形成された開口部又はジャックボルト孔６２０ａも示す。開口部又はジャックボルト孔６２０ａは、その一端６２０ｂで閉じられる。ジャックボルト孔６２０ａの側壁には、雌ねじ（図示せず）が形成されている。スタッド６２０ｃの雄ねじ付頂部は、開口部又はジャックボルト孔６２０ａの雌ねじと係合するように形成される。この実施形態は、ガスが大気中に逃げることができる細長い締結部材と本体部との間に境界部がないので、高圧環境において特に有用である。

細長い締結部材６５０は、好適にはシャンク６５４を備えるスタッド６５２を含んでいる。シャンク６５４は、シャンク６５４の残りの部分よりも大きな直径を有する拡大部６５５を含む。拡大部６５５は、荷重支持部材７００に当接して、それらの間にシールを形成することができ、これは、以下でより詳細に論じられる。細長い締結部材６５０は、雄ねじ部６５６を更に備える。雄ねじ部６５６は、ボルトと、任意選択的に、第２のワークピースの外側に捕捉され得るワッシャ（図示せず）とを受容するように構成される。

一実施形態では、ジャックボルトがプラズマボンド処理を施される。プラズマボンド処理は、有利には効率的な潤滑を可能にする。

一実施形態では、細長い締結部材ボルトがコルステライジング処理を施される。コルステライジング処理は、細長い締結部材の機械的トライボロジー特性を向上させる際に利用される。コルステライジングは、耐食性を失うことなく、機械的特性及び摩耗特性を改善し、これは本発明に特に有益である。これにより、層間剥離及び金属デブリを最小限にし、耐摩耗性や疲労強度を向上させることができる。

図８は、フランジ７２０ａと、荷重支持部材７００と、ジャックボルト６６２ａとの間の境界部の拡大断面図（すなわち、図７「Ａ」の拡大図）を示す。図８に示すように、荷重支持部材７００は、フランジ７２０ａと、本体部６２０と、ジャックボルト６６２ａとの間に位置する。この際、荷重支持部材７００は、フランジ７２０ａ、本体部６２０、及びジャックボルト６６２ａに当接する。荷重支持部材７００はまた、細長い部材６５０の拡大部６５５に当接する。

荷重支持部材７００は、内壁７０３及び外壁７０４によって第２の環状面７０２に接続された第１の環状面７０１を備える。第１の環状面７０１及び第２の環状面７０２は、実質的に平行な平面内にある。一実施形態では、第１の環状面及び第２の環状面が平行な平面内にある。内壁７０３は、外壁７０４よりも小さい円周を有する。一実施形態では、荷重支持部材は、概ね環状の本体を有する。

荷重支持部材７００は、第１の環状面７０１から突出する円筒状リップ７１０を更に備える。円筒状リップ７１０は、内壁７０３と連続する壁７１１を備える。図示のように、壁７１１は、好適には内壁７０３の平面から若干突出することができる。すなわち、壁７１１は、内壁７０３によって画定される開口の中心長手方向軸から離れるように延在する。円筒状リップ７１０は、好適には第１の環状面７０１から離れて突出する第２の壁７１２を備える。第２の壁７１２は、好適には、壁７１１に向かって角度が付けられるように第１の環状面７０１の平面に対して鈍角である。このわずかな向きの変化が、使用時に、円筒状リップ７１０を拡大部６５５の方に偏らせ、その間にシールを形成すると仮定される。一実施形態では、荷重支持部材と細長い締結部材又はそのスタッドとの間にシールが形成される。壁７１１及び第２の壁７１２は、表面７１３によって接続され得る。壁７１１及び第２の壁７１２は頂点で交わってもよいことが理解されよう。しかしながら、壁７１１及び第２の壁７１２は、これが円筒状リップ７１０に更なる構造的一体性を提供するので、表面７１３によって接続されることが好ましい。

いくつかの従来技術の荷重支持部材の欠点は、力が加えられたときにずれたり動いたりすることである。荷重支持部材のこのずれは、シールの弱点になり得る。円筒状リップ７１０は、細長い締結部材６５０（及びその拡大部６５５）及びワークピースの開口部に対して、荷重支持部材７００の位置決め機構として作用する。これにより、力が加えられたときに荷重支持部材７１０がオフセットされるという問題が軽減される。

円筒状リップ７１０はまた、それが拡大部６５５に当接し、それらの間にシールを形成するようなサイズ及び寸法に設定される。円筒状リップ７１０は拡大部６５５の周り全体に延在し、それらの間にシールを提供することが理解されるであろう。リップ７１０は、その全周にわたって拡大部６５５とシールを形成することが理解されるであろう。荷重支持部材７００と拡大部６５５との間のシールは、荷重支持部材７００と本体部６２０との間、及びジャックボルト６６２と対応するジャックボルト孔６６０との間のシールにおけるいかなるの妥協点の間の内部容積が逃げることを妨げる別の障壁を提供する。

図９は、図６に示すＭＪＴ６００の斜視図である。ＭＪＴ６００は上述のように、本体部６２０と、荷重支持部材７００と、細長い締結部材６５０とを備える。細長い部材６５０の遠位端には、雄ねじ部６５６が設けられている。雄ねじ部６５６は、シャンク６５２よりも大きい直径を有する。雄ねじ部６５６は、ボルトと、任意の第２のワークピースの外側に捕捉されるワッシャ（図示せず）とを受容するように構成される。

一実施形態では、荷重支持部材が同心突起を更に備える。一実施形態では、同心突起が第１の環状面から突出する。すなわち、荷重支持部材は内壁と外壁との間に、それらの間に形成された円形状の突起が形成されるように配置された突起を備える。特定の実施形態では、同心突起が内壁と外壁との間の中央に配置されない。

別の実施形態では、同心突起が第２の環状面から突出する。すなわち、荷重支持部材は、内壁と外壁との間に配置され、その間に円形状の突起が形成されるような突起を備える。特定の実施形態では、同心突起が内壁と外壁との間の中央に配置されない。一実施形態では、同心突起が内壁に隣接して配置される。他の実施形態では、同心突起が外壁に隣接して配置される。

同心突起は、ジャックボルトがそれに圧力を加えると荷重支持部材が若干ねじれることを可能にする。これは、それらの間でより緊密なシールを形成すると仮定される。

図１０は、別の例示的なＭＪＴの上面図を示す。ＭＪＴ１０００は、細長い締結部材が本体部を横断する開口部に受容されることを除いて、ＭＪＴ６００と同様である。

ＭＪＴ１０００は、本体部１０２０を含む。本体部１０２０は、環状の本体部である。本体部１０２０は細長い締結部材（図示せず）を受容するために、そこを通って形成された円形のねじ付開口部１０４０を備える。細長い締結部材は、好適には円形のねじ付開口部１０４０と係合するねじ本体を有する。円形のねじ付開口部１０４０の直径は、好適には、細長い締結部材のねじ本体の直径に等しい。

本体部１０２０は、それを貫通するねじ付ジャックボルト孔１０６０ａ～ｌの同心円配列で形成される。各ねじ付ジャックボルト孔１０６０ａ－ｌを通して、複数のジャックボルト１０６２ａ－ｌの対応する１つが挿通される。図示の実施形態では、１２個のジャックボルト１０６２ａ～ｌ及び１２個の対応するジャックボルト孔１０６０ａ～ｌがある。

図１１には、ＭＪＴ１０００の線Ａ－Ａを通る部分切欠断面図が示されている。本体部１０２０は、荷重支持部材１１００上に着座する。一実施形態では、本体部が荷重支持部材に当接する。荷重支持部材１１０は、第１のワークピースのフランジ１１２０ａ上に着座する。フランジ１１２０ａは、第２のワークピースのフランジ１１２０ｂ上に着座する。一実施形態では、荷重支持部材が第１のワークピースのフランジに当接する。ジャックボルト１０６２ａ及び１０６２ｇは、本体部１０２０のそれぞれのねじ付ジャックボルト孔１０６０ａ及び１０６２ｇに挿入される。ジャックボルト１０６２ａ及び１０６２ｇは、雌ねじ付ジャックボルト孔１０６０ａ及び１０６０ｇに係合する雄ねじを備える。ジャックボルト１０６２ａ及び１０６２ｇがそれぞれのジャックボルト孔１０６０ａ及び１０６２ｇに挿入されると、ジャックボルト１０６２ａ及び１０６２ｇは、ジャックボルト孔１０６０ａ及び１０６０ｇの端部を越えて延びる。ジャックボルト１０６２ａ及び１０６２ｇはそれぞれ、荷重支持部材１１００に力を加えるそれぞれの先端部１０６１ａ及び１０６１ｇを備える。ジャックボルト１０６２ａ及び１０６２ｇがジャックボルト孔１０６０ａ及び１０６０ｇ内で張力をかけられると、それぞれの先端部が荷重支持部材１１００に力を加える。荷重支持部材１１００は次に、ワークピースに力を加える。

荷重支持部材１１００は、実質的に上述の荷重支持部材７００について説明した通りである。

細長い締結部材１０５０は、シャンク１０５４を備えるスタッド１０５２を備える。シャンク１０５４は、拡大部１０５５及びねじ部１０５６を備える。拡大部１０５５は、シャンク１０５４の残りの部分よりも大きい直径を有する。ねじ部１０５６は、シャンク１０５４よりも大きい直径を有する。ねじ部１０５６は、第２のワークピース１１２０ｂの外側に捕捉されるボルト１２００を受容するように構成される。細長い締結部材１０５０は、本体部１０２０の円形雌ねじ付開口部１０４０と係合する雄ねじ付本体１０５８を更に備える。雄ねじ付本体１０５８は、細長い締結部材１０５０の遠位端に位置する。ねじ付本体１０５８は、拡大部１０５５に接続される。ねじ付本体１０５８の直径は、好適には、円形ねじ付開口部１０４０の直径に等しい。すなわち、ねじ付本体１０５８は、円形雌ねじ付開口部１０４０と相補的である。

図示のように、荷重支持部材１１００は同様に、第１のワークピース１１２０ａとスタッド１０５４との間にシールを形成する。ＭＪＴ１０００が別個の構成要素として細長い締結部材１０５０を備えると仮定すると、このシールは、荷重支持部材１１００と本体部１０２０との間の境界部、荷重支持部材１１００とワークピース１１２０ａとの間の境界部、及びジャックボルトとジャックボルト孔との間の境界部に加えて、細長い締結部材１０５０と本体部１０２０の円形ねじ付開口部１０４０との間の境界部からのガス漏出を更に防止する。

図１２には、図１０に示すＭＪＴの斜視図が示されている。細長い締結部材は図示されていないことに留意されたい。

図１４は荷重支持部材の上面斜視図であり、図１５は、荷重支持部材の側面斜視図である。荷重支持部材１４００は、内壁１４０３及び外壁１４０４によって第２の環状面１４０２に接続された第１の環状面１４０１を備える。第１の環状面１４０１及び第２の環状面１４０２は、実質的に平行な平面内にある。一実施形態では、第１の環状面１４０１及び第２の環状面１４０２は平行な平面内にある。内壁１４０３は、外壁１４０４よりも小さい円周を有する。図示の実施形態では、荷重支持部材１４００がほぼ環状の本体を有する。

荷重支持部材１４００は、第１の環状面１４０１から突出する円筒状リップ１４１０を更に備える。円筒状リップ１４１０は、内壁１４０３と連続する壁１４１１を備える。すなわち、壁１４１１は、内壁１０３によって画定される開口部の中心長手方向軸から離れるように延在する。好ましい実施形態では、開口部が上述の細長い締結部材を受容するようなサイズ及び寸法に設定される。壁１４１１は、内壁１４０３の平面から若干離れて突出してもよい。円筒状リップ１４１０は、第１の環状面１４０１から離れて突出する第２の壁１４１２を備える。第２の壁１４１２は、壁１４１１に向かって角度が付けられるように第１の環状面１４０１の平面に対して鈍角である。このわずかな向きの変化が、使用時に、円筒状リップ１４１０をスタッド（使用中）の方に偏らせ、その間にシールを形成すると仮定される。壁１４１１及び第２の壁１４１２は、表面１４１３によって接続され得る。この表面１４１３は、円筒状リップに更なる構造的一体性を提供すると仮定される。

細長い締結部材と一体に形成されていない本体部との使用において、円筒状リップは、第１のワークピース、本体部、ジャックボルト、及び／又は細長い締結部材（適用可能な場合）とのシールを形成するように構成される。いくつかの実施形態では、円筒状リップが第１のワークピースとのシールを形成するように構成される。複数の実施形態では、円筒状リップが本体部とのシールを形成するように構成される。一実施形態では、円筒状リップがジャックボルト（複数可）とのシールを形成するように構成される。一実施形態では、円筒状リップが細長い締結部材とのシールを形成するように構成される。

本体部と一体的に形成された細長い締結部材との使用において、円筒状リップは、第１のワークピース及び／又は細長い締結部材とのシールを形成するように構成される。複数の実施形態では、円筒状リップが第１のワークピースとのシールを形成するように構成される。一実施形態では、円筒状リップが細長い締結部材とのシールを形成するように構成される。

本発明は、フランジに当接する円筒状リップ突出部を有する荷重支持部材に関して上述した。しかしながら、荷重支持部材は、円筒状リップ突出部がＭＪＴの本体と係合してそれらの間にシールを形成する反対の向きで利用されてもよいことが理解されるであろう。この実施形態は、図１９及び２０に示されている。一実施形態では、円筒状リップが本体部とのシールを形成するように構成される。

更に、内壁と外壁との間の中央に配置されていない同心の突出部は、フランジと荷重支持部材との間に更なるシールを形成することを可能にする。図１９及び２０には、例示的なＭＪＴを有する荷重支持部材１９００の一実施形態の断面が示されている。

荷重支持部材１９００は、内壁１９０３及び外壁１９０４によって第２の環状面１９０２に接続された第１の環状面１９０１を備える。第１の環状面１９０１及び第２の環状面１９０２は、実質的に平行な平面内にある。一実施形態では、第１の環状面１９０１及び第２の環状面１９０２は平行な平面内にある。内壁１９０３は、外壁１９０４よりも小さい円周を有する。図示の実施形態では、荷重支持部材１９００がほぼ環状の本体を有する。

荷重支持部材１９００は、第１の環状面１９０１から突出する円筒状リップ１９１０を更に備える。円筒状リップ１９１０は、内壁１９０３と連続する壁１９１１を備える。円筒状リップ１９１０は、好適には第１の環状面１９０１から離れて突出する第２の壁１９１２を備える。壁１９１１及び第２の壁１９１２は、表面１９１３によって接続され得る。壁１９１１及び第２の壁１９１２は、頂点で交わってもよいことが理解されよう。しかしながら、壁１９１１及び第２の壁１９１２は、円筒状リップ１９１０に更なる構造的一体性を提供するので、表面１９１３によって接続されることが好ましい。一実施形態では、円筒状リップ１９１０が本体部とのシールを形成するように構成される。

荷重支持部材１９００は、同心突起１９５０を更に備える。同心突起１９５０は、第２の環状面１９０２から離れるように延在する。好適には、同心突起が内壁１９０３に隣接して位置する。別の実施形態では、同心突起が外壁１９０４に隣接して位置する。

図１９に示されるように、本体部１９２０は、荷重支持部材１９００上に着座する。一実施形態では、本体部が荷重支持部材に当接する。荷重支持部材１９００は、第１のワークピースのフランジ１９２０ａ上に着座する。一実施形態では、荷重支持部材が第１のワークピースのフランジに当接する。フランジ１９２０ａは、第２のワークピース（図示せず）のフランジの上部に着座する。ジャックボルト１９６２ａは、本体部１９２０のねじ付ジャックボルト孔を通して挿入される。図１９は、荷重支持部材１９００の第１の環状面１９０１と接触するジャックボルト１９６２ａを示す。円筒状リップ１９１０は、本体部１９２０と接触してそれらの間にシールを形成するように配置される。図１９のジャックボルト１９６２ａによって荷重支持部材１９００に加えられる圧力は、ほとんど又は実質的に全くないことに留意されたい。図示のように、同心突起１９５０は、フランジ１９２０ａに係合する。

図２０は、ジャックボルト１９６２ａによって荷重支持部材１９００に圧力が加えられることを除いて、図１９の構成を示す。荷重支持部材１９００に圧力が加えられると、同心突起１９５０とフランジ１９２０ａとの間にシールが形成される。更に、加えられた圧力は、荷重支持部材１９００を第２の位置でフランジ１９２０ａに接触させる。図示のように、外壁１９０４に隣接する第２の環状面１９０２の一部は、フランジ１９２０ａに接触させられ、それらの間にシールが形成される。したがって、同心突起１９５０の使用は一対のシールが形成されることを更に可能にし、ガス漏れの問題を軽減する。

図１９及び２０に示される実施形態では、本体部１９２０が円筒状リップ１９１０を収容する凹部を備える。円筒状リップ１９１０は、本体部１９２０の凹部とシールを形成する。

同心突起が内壁と外壁との間の中央に位置しない場合、追加のシールの形成が生じることが理解されるであろう。一実施形態では、同心突起が内壁に隣接して配置される。別の実施形態では、同心突起が外壁に隣接して配置される。

円筒状リップは、第１のワークピース及び本体部とのシールを形成するように構成されることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、円筒状リップが第１のワークピースとのシールを形成するように構成される。複数の実施形態では、円筒状リップが本体部とのシールを形成するように構成される。一実施形態では、円筒状リップが細長い締結部材とのシールを形成するように構成される。

別の形態では、本発明が第１のワークピースと第２のワークピースとを一緒に圧縮する方法であって：
第１のワークピース上に荷重支持部材を配置する工程であって、荷重支持部材は内壁及び外壁によって第２の環状面に接続された第１の環状面と、第１の環状面から突出する円筒状リップとを備え、円筒状リップは前記内壁と連続する壁を備える工程；
荷重支持部材上に本体部を配置する工程であって、本体部は細長い締結部材と係合するか、又はそれと一体的に形成され、本体部はその外周の周りの離隔した位置で長手方向中心軸から均一に離隔した複数の孔を有し、孔は本体ねじ山が形成された側壁を有する工程；
第２のワークピースの外側の細長い締結部材を捕捉する工程；
本体部の孔の各々に本体ねじ山と係合するねじ山を有する本体を含むジャックボルトを結合する工程；
ジャックボルトに張力をかる工程、を含み、それによって第１のワークピース及び第２のワークピースを互いに向かって圧縮する。

ＭＪＴ、本体部、ジャックボルト、及び荷重支持部材は、実質的に上述の通りであってもよい。

動作中、マルチジャックボルトテンショナは、細長い締結部材と係合するように形成されるか、又はそれと一体的に形成される本体部を備える。細長い締結部材は、典型的には第１のワークピース及び第２のワークピース（例えば、フランジ）の開口部を通過する。細長い締結部材の遠位端は、好適には、第２のワークピースの外側に捕捉される。細長い締結部材は、任意選択的で、ワッシャを有するボルトによって捕捉されてもよい。細長い締結部材は、第１のワークピース及び第２のワークピースを通って延びるスタッド及び／又はシャンクを備えてもよい。

荷重支持部材は第１のワークピース上に配置され、マルチジャックボルトテンショナの本体部はその上に配置される。本体部に設けられた孔に、本体部の雌ねじとねじ係合する雄ねじを有するジャックボルトがそれぞれ挿入され、結合される。ジャックボルトに張力がかかると、そこから荷重支持部材、ひいては第１のワークピース及び第２のワークピースに圧力が加えられる。この圧力により、第１と第２のワークピースには圧縮圧力がかかる。

一実施形態では、本方法が第１のワークピース及び第２のワークピースを圧縮するために液圧を印加する工程を更に含む。本方法は、ジャックボルトに張力をかけた後に液圧を解放する工程を更に含む。

一実施形態では、本方法が円筒状リップと第１のワークピース、本体部、ジャックボルト、及び／又は細長い締結部材の間にシールを形成する工程を更に含む。いくつかの実施形態では、本方法が円筒状リップと第１のワークピースとの間にシールを形成する工程を更に含む。特定の実施形態では、本方法が円筒状リップとジャックボルトとの間にシールを形成する工程を更に含む。複数の実施形態では、本方法が円筒状リップと細長い締結部材との間にシールを形成する工程を更に含む。いくつかの実施形態では、本方法が円筒状リップと本体部との間にシールを形成する工程を更に含む。

円筒状リップの特徴はＭＪＴの本体部の基部上に形成され得ることが、当業者によって理解されるであろう。この点に関して、図１３は、円筒状リップがその本体部の基部上に形成される、ＭＪＴの代替実施形態を示す。図１３は、ＭＪＴ１３００の断面図を示す。

ＭＪＴ１３００は、本体部１３２０を含む。本体部１３２０は、好適には、上述のもの等の環状本体部である。本体部１３２０は、細長い締結部材１３５０を受容するようにそこを通って形成された円形のねじ開口部（図示せず）を備える。

本体部１３２０は、それを貫通するねじ付ジャックボルト孔の同心円配列で形成されてもよい。ねじ付ジャックボルト孔の各々を通って、複数のジャックボルトのうちの対応する１つが通過する。図１３に示されているのは、２つのジャックボルト１３６２ａ及び１３６２ｇがそれぞれねじ付ジャックボルト孔を通して挿入されたものである。ジャックボルト１３６２ａ及び１３６２ｇは、対応する雌ねじジャックボルト孔と係合する雄ねじを備える。ジャックボルト１３６２ａ及び１３６２ｇがジャックボルト孔に挿入されると、ジャックボルト１３６２ａ及び１３６２ｇは、ジャックボルト孔の端部を越えて延びる。ジャックボルト１３６２ａ、１３６２ｇは、好適には、荷重支持部材１４００に力を加える先端部１３６１ａ、１３６１ｇを備える。

この実施形態では、荷重支持部材１４００は環状の荷重支持部材である。別の実施形態では、荷重支持部材１４００は環状ワッシャの形態である。

本体部１３２０の基部の下側には、円筒状リップ突出部１３２２が設けられている。円筒状リップ突出部１３２２は、荷重支持部材１４００と細長い締結部材１３５０のシャンクの拡大部１３５５との間に位置するようなサイズ及び寸法にされる。この点に関して、円筒状リップ突出部は、拡大部及び／又は荷重支持部材とシールを形成する。一実施形態では、円筒状リップ突出部が拡大部とシールを形成する。一実施形態では、円筒状リップ突出部が荷重支持部材とシールを形成する。円筒状リップ突出部は使用時に、荷重支持部材１４００と拡大部１３５５との間にシールを形成するようなサイズ及び寸法に設定される。

円筒状リップ突出部１３２２は、荷重支持部材１４００と拡大部１３５５との間にシールを形成する。円筒状リップ突出部１３２２は、先の実施形態で説明した荷重支持部材と同様の機能を達成することが理解されるであろう。円筒状リップ突出部１３２２はまた、荷重支持部材１４００を所望の場所／位置に維持するのを助ける。

上述のＭＪＴは、液圧テンショナと共に利用されてもよいことが理解されるであろう。この点に関して、液圧テンショナを利用して、第１のワークピース及び第２のワークピースに圧縮圧力を加えることができる。次いで、ジャックボルトは、加えられた液圧が維持されるように張力をかけられ、次いで、液圧が解放され、液圧テンショナが除去され得る。

円筒状リップは、第１のワークピース及び／又は細長い締結部材とのシールを形成するように構成されることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、円筒状リップが第１のワークピースとのシールを形成するように構成される。一実施形態では、円筒状リップが細長い締結部材とのシールを形成するように構成される。

荷重支持部材又は本体部の何れかの円筒状リップは、圧力損失の問題を軽減する更なるシールを提供することが理解されよう。この点に関して、荷重支持部材又は本体部（及び荷重支持部材又は本体部それぞれ）の円筒状リップによって形成されるシールは、シールの損失に対する更なるバックアップを提供する。これは、従来技術のＭＪＴよりも有意な利点である。

別の形態では、本発明が第１のワークピースと第２のワークピースとを一緒に圧縮する方法であって：
第１のワークピース上に環状の荷重支持部材を配置する工程；
荷重支持部材上に本体部を配置する工程であって、本体部は細長い締結部材と係合するように形成されるか、又はそれと一体的に形成され、本体部はその外周の周りの離隔した位置で長手方向中心軸から均一に離隔した複数の孔を有し、孔は本体ねじ山が形成された側壁を有し、本体部の基部の下側は環状荷重支持ワッシャに当接する円筒状リップ突出部を備える工程；
第２のワークピースの外側の細長い締結部材を捕捉する工程；
本体部の孔の各々に本体ねじ山と係合するねじ山を有する本体を含むジャックボルトを結合する工程；及び
ジャックボルトに張力をかける工程、を含み、これにより第１のワークピース及び第２のワークピースを互いに向かって圧縮する。

本体部、ジャックボルト、及び荷重支持部材は、実質的に上述の通りであってもよい。

一実施形態では、本方法が円筒状リップ突出部と拡大部及び／又は荷重支持部材との間にシールを形成する工程を更に含む。一実施形態では、本方法が円筒状リップ突出部と拡大部との間にシールを形成する工程を更に含む。一実施形態では、本方法が円筒状リップ突出部と荷重支持部材との間にシールを形成する工程を更に含む。

前述のように、上述のＭＪＴは、高流体圧環境（ガスタービン等）において適切に利用される。これらの高流体圧環境に関する１つの問題は、タービン内の隣接する表面が不均一であることである。これらの境界部は、シールの損失につながる可能性がある。この問題に対する１つの解決策は、シールを取り付けることによって隣接する表面をシールすることである。シールは、金属インサートで形成することができる。上記ＭＪＴでシールする前に、金属インサートを適切に取り付ける。金属インサートはＭＪＴに張力をかける前に溶接しておくのが好適である。金属インサートは、隣接する表面の間に強固に嵌合するように寸法決めされてもよい。

一実施形態では、本発明がガスタービンをシールする方法であって：
ガスタービンの隣接する表面の上に金属インサートを配置する工程；及び
本明細書で言及される１つ以上のＭＪＴに張力をかけることによって隣接する表面を圧縮する工程を含み、これにより、ガスタービンをシールする。

本方法は、金属インサートが隣接する表面の間に強固に嵌合するように金属インサートを寸法決めする工程を更に含むことができる。

本方法は、金属インサートを隣接する表面に溶接する工程を更に含むことができる。１つ以上のＭＪＴの張力付与は実質的に上述の通りであり得る。一実施形態では、隣接する表面を圧縮する工程が上述のＭＪＴを利用することを含む。

金属インサートは、ＭＪＴが張力をかけられ、それらの間に緊密なシールを形成することにつれて圧縮される。好適には、圧縮金属インサートが隣接する表面間に気密シールを形成する。金属インサートの使用は、高流体圧環境におけるシールの損失に対する更なる障壁を提供すると仮定される。

図１６及び１７には、金属インサート１６００の一実施形態が示されている。一実施形態では、金属インサートがその面から延びる１つ以上の突起１６２０ａ、１６２０ｂを有する実質的に平坦な本体部１６１０を備える。１つ以上の突起１６２０ａ、１６２０ｂは、好適には離隔される。一実施形態では、金属インサートが一体的に形成される。好適には、１つ以上の突出部がほぼ平坦な本体の端部の間でほぼ中央に位置する。これにより、金属インサートを、隣接する表面間に緊密に嵌合するように切断又は寸法決めすることが可能になる。一実施形態では１つ以上の突起１６２０ａ、１６２０ｂ間の接合部はそれらが実質的に平坦な本体部１６１０と接触する点で補強される（図示の通り）。

隣接する表面に間隙が存在してもよく、これらの間隙は異なる寸法を有する可能性があることが理解されるであろう。金属インサートは隣接する表面間に強固に嵌合するように、ユーザが金属インサートを寸法決めすることを可能にすることによって、これらの間隙に対応することを可能にする。例えば、実質的に平坦な本体部１６１０は、所望のサイズに切断されてもよい。更に、１つ以上の突起は、間隙に挿入されるときにある程度の屈曲を生じることが仮定される。

図１８には、隣接する表面１８１０、１８２０の少なくとも１つに溶接された寸法決めされた金属インサート１６００の実施形態が示されている。図示のように、金属インサートは、所望のサイズに寸法設定された実質的に平坦な本体を有している。図示の実施形態では、寸法決めされた金属インサート１６００が隣接する表面１８２０に溶接される。

本明細書に引用されるいかなる文書も、参照により本明細書に組み込まれるが、組み込まれる資料が本明細書に記載される既存の定義、記述、又は他の文書と矛盾しない範囲でのみ、組み込まれる。本書における用語の何れかの意味又は定義が参考として組み込まれた文献における同一の用語の何れかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。何れの文献の引用も、それが本出願に関する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。

更に、先行技術の方法、装置、又は文書へのいかなる言及も、それらが形成した、又は共通の一般知識の一部を形成する、いかなる証拠又は承認を構成するものとして解釈されるべきではない。

特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。当業者は、本明細書に記載の特定の装置及び方法に対する多数の均等物（代替物、変異体、付加、欠失、修飾及び置換を含む）を認識するか、又は日常的な実験のみを用いて確認することができる。

したがって、添付の特許請求の範囲を含む本出願は、本出願の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を包含することが意図されている。

Claims (16)

1. マルチジャックボルトテンショナであって：
   細長い締結部材と係合するように形成された、又はそれと一体的に形成された本体部であって、前記本体部はその外周の周りの離隔した位置で長手方向中心軸から均一に離隔した複数の孔を有し、前記孔は、本体ねじ山が形成された側壁を有する本体部；
   前記本体部の孔のうちの１つに本体ねじ山と係合するためのねじ山を有する本体をそれぞれ含むジャックボルト；及び、
   締結されるべきワークピースに力を加えるための荷重支持部材であって、細長い締結部材の周りに位置するように配置され、前記荷重支持部材は内壁及び外壁によって第２の環状面に接続された第１の環状面と、前記第１の環状面から突出する円筒状リップとを備え、前記円筒状リップは前記内壁と連続する壁を備える、荷重支持部材；
   を備える、マルチジャックボルトテンショナ。
2. 第１のワークピースと第２のワークピースとを一緒に圧縮する方法であって：
   前記第１のワークピース上に荷重支持部材を配置する工程であって、前記荷重支持部材は内壁及び外壁によって第２の環状面に接続された第１の環状面と、前記第１の環状面から突出する円筒状リップとを備え、前記円筒状リップは前記内壁と連続する壁を備える工程；
   前記荷重支持部材上に本体部を配置する工程であって、前記本体部は細長い締結部材と係合するか、又はそれと一体的に形成され、前記本体部はその外周の周りの離隔した位置で長手方向中心軸から均一に離隔した複数の孔を有し、前記孔は本体ねじ山が形成された側壁を有する工程；
   前記第２のワークピースの外側に前記細長い締結部材を捕捉する工程；
   前記本体部の孔の各々に本体ねじ山と係合する前記ねじ山を有する本体を含むジャックボルトを結合する工程；及び、
   前記ジャックボルトに張力をかける工程、を含み、これにより前記第１のワークピース及び前記第２のワークピースを互いに向かって圧縮する、方法。
3. 前記壁は、前記内壁の平面から若干離れて突出する、請求項１に記載のマルチジャックボルトテンショナ、又は請求項２に記載の方法。
4. 前記円筒状リップは、前記第１の環状面から離れて突出する第２の壁を備える、請求項１～３の何れか一項に記載のマルチジャックボルトテンショナ又は方法。
5. 前記荷重支持部材は、前記第１の環状面から突出する同心突起を更に備える、請求項１～４の何れか一項に記載のマルチジャックボルトテンショナ又は方法。
6. 前記荷重支持部材は、前記第２の環状面から突出する第２の同心突起を更に備える、請求項１～５の何れか一項に記載のマルチジャックボルトテンショナ又は方法。
7. 前記円筒状リップは、前記第１のワークピース、前記本体部、前記ジャックボルト、及び／又は前記細長い締結部材とのシールを形成するように構成される、請求項１～６の何れか一項に記載のマルチジャックボルトテンショナ又は方法。
8. 前記円筒状リップは、前記細長い締結部材とシールを形成するように構成される、請求項１～７の何れか一項に記載のマルチジャックボルトテンショナ又は方法。
9. 前記円筒状リップは、前記本体部とのシールを形成するように構成される、請求項１～８の何れか一項に記載のマルチジャックボルトテンショナ又は方法。
10. マルチジャックボルトテンショナであって：
    細長い締結部材と係合するように形成された、又はそれと一体的に形成された本体部であって、前記本体部はその外周の周りの離隔した位置で長手方向中心軸から均一に離隔した複数の孔を有し、前記孔は本体ねじ山が形成された側壁を有し、前記本体部の基部は、円筒状リップ突出部を備える本体部；
    前記本体部の孔のうちの１つに前記本体ねじ山と係合するためのねじ山を有する本体をそれぞれ含むジャックボルト；及び
    締結されるべきワークピースに力を加えるための環状荷重支持部材であって、前記細長い締結部材の周りに配置されるように配置され、前記円筒状リップ突出部は、環状の荷重支持部材と共に位置するように構成される環状荷重支持部材；
    を備える、マルチジャックボルトテンショナ。
11. 第１のワークピースと第２のワークピースとを一緒に圧縮する方法であって：
    前記第１のワークピース上に環状の荷重支持部材を配置する工程；
    前記荷重支持部材上に本体部を配置する工程であって、前記本体部は細長い締結部材と係合するように形成されるか、又はそれと一体的に形成され、前記本体部はその外周の周りの離隔した位置で長手方向中心軸から均一に離隔した複数の孔を有し、前記孔は本体ねじ山が形成された側壁を有し、前記本体部の基部の下側は前記環状荷重支持ワッシャに当接する円筒状リップ突出部を備える工程；
    前記第２のワークピースの外側の細長い締結部材を捕捉する工程；
    前記本体部の孔の各々の前記本体ねじ山と係合するねじ山を有する本体を含むジャックボルトを結合する工程；及び、
    前記ジャックボルトに張力をかける工程、を含み、これにより前記第１のワークピース及び前記第２のワークピースを互いに向かって圧縮する、方法。
12. 前記円筒状リップは、前記細長い締結部材とシールを形成するように構成される、請求項１０に記載のマルチジャックボルトテンショナ又は請求項１１に記載の方法。
13. 前記本体部は、前記細長い締結部材と係合するための軸方向開口部を備えて形成される、請求項１～１２の何れか一項に記載のマルチジャックボルトテンショナ又は方法。
14. 前記軸方向開口部は、その端部が閉鎖されている、請求項１～１３の何れか一項に記載のマルチジャックボルトテンショナ又は方法。
15. 前記第１のワークピース及び前記第２のワークピースを圧縮するために液圧を印加する工程を更に含む、請求項２又は請求項１１に記載の方法。
16. 前記ジャックボルトに張力をかける工程の後に、前記液圧を解放する工程を更に含む、請求項１５に記載の方法。