JP2008123894A - 光電変換素子モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の異なる方向から照射される光を有効に利用することができ、設置の自由度を高めるとともに、大きな出力を有する光電変換素子モジュールを提供すること。
【解決手段】本発明に係る光電変換素子モジュール1A(1)は、互いに異なる方向を向いて配され、電気化学的に連結された2面以上の平面または曲面からなる極面を有する対極16と、前記対極の各極面と対向して設けられ、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有し、窓極として機能する作用極14と、前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に設けられた電解質層15と、を備えてなる光電変換素子20を、複数個並列配置させたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る光電変換素子モジュール1A(1)は、互いに異なる方向を向いて配され、電気化学的に連結された2面以上の平面または曲面からなる極面を有する対極16と、前記対極の各極面と対向して設けられ、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有し、窓極として機能する作用極14と、前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に設けられた電解質層15と、を備えてなる光電変換素子20を、複数個並列配置させたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、色素増感型太陽電池[以下、DSC(Dye-Sensitized Solar Cell) と略記する。]を代表とする湿式太陽電池からなる光電変換素子をモジュール化してなる光電変換素子モジュールに係り、より詳細には、モジュール化した際に光電変換効率の向上をもたらす構造に関する。
一般的に、太陽電池などの光電変換素子は、南面の屋根に設置し、膜面の鉛直方向から光が入射したときに高い性能を発揮するように設計されている。これは、光発電層に用いられる、限られた材料に効率良く光を入射させるためである。しかし、特に現在実用の結晶系のシリコン型光電変換素子では、光入射角度が鉛直から傾くにつれて急激に発電効率が低下する。
また、光電変換素子を覆うガラス基板表面には、入射した光の反射を抑え、内部の光電変換素子に導いて最大の発電効率を得られるよう、反射防止処理が施してある。一方、ガラス裏面、特に薄膜型光電変換素子の代表である、アモルファスシリコン型光電変換素子では、導電性ガラスの導電面にテクスチャー構造が施してあり、入射した光を屈折・散乱して、一旦素子内部に導いた光を光電変換素子に多重照射されるよう導く。このような処理は、光電変換素子の作製コストを押し上げる要因となる。
一方、スイスのグレッツェルらにより開発された新しいタイプの太陽電池である色素増感型光電変換素子は、導電性ガラス基板上に構築された多孔質半導体電極上に単分子色素が吸着した構造からなっており、その多孔質であるがゆえに光入射角度に対する変換効率の依存性が小さい(例えば、特許文献1参照)。
このような素子を複数枚まとめて、樹脂や強化ガラス、金属枠で保護したものは、モジュールと呼ばれる。モジュール化により取り扱いや設置を容易にするほか、湿気や汚れ、紫外線や物理的な応力からセルを保護できる。モジュール化の方法としては、通常、上述したような素子を複数個用い、これらを平面状に並べた構造が採用される。
しかしながら、従来の素子では、その開口部(受光部)が一方のみを向いているため、裏側等から入射する光は実質的に利用することが不可能である。家屋の屋上など一方向からのみ光が当たる利用法では差し支えないが、例えば、看板や室内のパーティションなど両面を利用でき得る場合には、入射光の有効活用において不利となる。
特開平1−220380号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、複数の異なる方向から照射される光を有効に利用することができ、設置の自由度を高めるとともに、大きな出力を有する光電変換素子モジュールを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の光電変換素子モジュールは、互いに異なる方向を向いて配され、電気化学的に連結された2面以上の平面または曲面からなる極面を有する対極と、前記対極の各極面と対向して設けられ、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有し、窓極として機能する作用極と、前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に設けられた電解質層と、を備えてなる光電変換素子を、複数個並列配置させたことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の光電変換素子モジュールは、互いに異なる方向を向いて配され、電気化学的に連結された2面以上の平面または曲面からなる極面を構成し、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有する作用極と、前記対極の各極面と対向して設けられ、窓極として機能する対極と、前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に設けられた電解質層と、を備えてなる光電変換素子を、複数個並列配置させたことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の光電変換素子モジュールは、請求項1または2において、前記光電変換素子は、平板形状をなし、隣り合う光電変換素子同士は、互いに離間するように配されていることを特徴とする。
本発発明の請求項4に記載の光電変換素子モジュールは、請求項1または2において、前記光電変換素子は、円筒形状をなし、隣り合う光電変換素子同士は、互いに密接するように配されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の光電変換素子モジュールは、互いに異なる方向を向いて配され、電気化学的に連結された2面以上の平面または曲面からなる極面を構成し、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有する作用極と、前記対極の各極面と対向して設けられ、窓極として機能する対極と、前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に設けられた電解質層と、を備えてなる光電変換素子を、複数個並列配置させたことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の光電変換素子モジュールは、請求項1または2において、前記光電変換素子は、平板形状をなし、隣り合う光電変換素子同士は、互いに離間するように配されていることを特徴とする。
本発発明の請求項4に記載の光電変換素子モジュールは、請求項1または2において、前記光電変換素子は、円筒形状をなし、隣り合う光電変換素子同士は、互いに密接するように配されていることを特徴とする。
本発明の光電変換素子モジュールでは、互いに異なる方向を向いて配された複数の受光部を有する光電変換素子を複数個並列配置しているため、複数の異なる方向から光が照射される環境において、その光を有効に利用することができる。その結果、本発明では、設置の自由度が増すとともに、大きな出力を有する光電変換素子モジュールを提供することができる。
<第一実施形態>
以下、本発明に係る光電変換素子モジュールの第一実施形態を図面に基づいて説明する。第一実施形態は、作用極入射型の光電変換素子を用いた例である。
以下、本発明に係る光電変換素子モジュールの第一実施形態を図面に基づいて説明する。第一実施形態は、作用極入射型の光電変換素子を用いた例である。
図1は、本発明の光電変換素子モジュール1A(1)の一例を示す図面であり、図2は、光電変換素子モジュール1Aが備える光電変換素子20A(20)の一例を示す断面図である。
本実施形態の光電変換素子モジュール1Aは、互いに異なる方向を向いて配され、電気化学的に連結された2面以上の平面または曲面からなる極面を有する対極16と、前記対極16の各極面と対向して設けられ、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層13を有し、窓極として機能する作用極14と、前記対極16と前記作用極14との間の少なくとも一部に設けられた電解質層15とを備えてなる光電変換素子20を複数個並列配置させたことを特徴とする。
この光電変換素子モジュール1Aが備える光電変換素子20A(20)は、図2に示すように、互いに異なる方向を向いて配され、2面以上の極面を有する対極16と、前記対極16の各極面とそれぞれ対向して設けられた作用極14と、これらの間に封入された電解質からなる電解質層15と、から概略構成されている。
この光電変換素子では、二面以上に作用極を有し、かつ、すべての作用極が電気化学的に分離されず、繋がった構造を有する。
具体的には、図2に示すように、対極16の両面に、それぞれ作用極14を配した構造を挙げることができる。これにより、一対の対極16を両面の作用極14にて共有することができるので、シンプルかつスリムな素子構造を有し、さらに複数の方向に受光部を有する単一の素子として構築することが可能となる。
また、対極16が2つの極面16a,16bを貫通するように設けた連通孔19を、その全域にわたって複数個有する構成を備えてもよい。この連通孔を備えた構成は、その内部まで電解質を充填することが可能となり、ひいては両面の作用極14を電気化学的に連結することができる。これに加えて、電解質層となる電解液が注入された際に、この連通孔を介して2つの極面16a,16bの間で行き来できるので、極面16a,16bのいずれか一方に注入孔を設けることによって、電解質層となる電解液を電解質層となる領域全体に注入することも可能となる。
具体的には、図2に示すように、対極16の両面に、それぞれ作用極14を配した構造を挙げることができる。これにより、一対の対極16を両面の作用極14にて共有することができるので、シンプルかつスリムな素子構造を有し、さらに複数の方向に受光部を有する単一の素子として構築することが可能となる。
また、対極16が2つの極面16a,16bを貫通するように設けた連通孔19を、その全域にわたって複数個有する構成を備えてもよい。この連通孔を備えた構成は、その内部まで電解質を充填することが可能となり、ひいては両面の作用極14を電気化学的に連結することができる。これに加えて、電解質層となる電解液が注入された際に、この連通孔を介して2つの極面16a,16bの間で行き来できるので、極面16a,16bのいずれか一方に注入孔を設けることによって、電解質層となる電解液を電解質層となる領域全体に注入することも可能となる。
そして、本発明の光電変換素子モジュール1Aは、図1に示すように、それぞれ、平板形状をなす光電変換素子20aと光電変換素子20bが対向するように、かつ、光電変換素子20aの表面が太陽光の入射角度に対して所定の角度θをなすように、互いに離間するように配設されていることを特徴とする。また、光電変換素子20aの表面もしくは内部で反射した光が、該光電変換素子20aと対向して配された別の光電変換素子20bに入射する構成を備えていることが好ましい。
複数の光電変換素子20を、上述したような、いわゆるブラインド状に配置することで、太陽光を効率よく利用することができる。
複数の光電変換素子20を、上述したような、いわゆるブラインド状に配置することで、太陽光を効率よく利用することができる。
具体的には、複数の光電変換素子20を、受光面が互いに平行になるように並べて配置することで、光電変換素子20aに達する光のうち素子表面で反射されてしまうおよそ一割の反射光の一部が、隣接する光電変換素子20bの裏面側に入射すること、さらに、この裏面で再度反射された光が元の光電変換素子20aの受光面に達するなどにより、複数の光電変換素子20の集合体全体が占める面積に対する短絡光電流密度が、セルのそれに比べておよそ10%向上する。
前記光電変換素子20の表面が太陽光の入射方向に対してなす角度θとしては、特に限定されるものではないが、例えば30〜90[゜]の範囲が好ましい。これにより、光電変換素子20aの表面に入射する太陽光の光度を高くることができ、高い発電効率を得ることができる。すなわち、太陽光をより効率よく利用することができる。
また、前記光電変換素子20は、それぞれ向きを変えられるようになされており、太陽の移動等に合わせて前記角度θを保つように向きを変えることが好ましい。これにより太陽が移動しても、太陽光を効率よく利用することができる。
このように、本発明では、複数の受光面を有する光電変換素子20を、複数個並べて並列配置することで、素子表面で反射して散逸してしまう光エネルギーを隣接する素子で受光することができる。これにより、素子の集合体全体として(それらの素子が電気的に接続されたモジュールとして)の変換効率の向上を達成する。この方法によれば、変換効率の向上のみならず、素子表面での反射防止のための加工が必要なくなり、コスト増を抑制できる。
さらに素子の複数の面から入射した光を受光して発電が可能となり、モジュールを、シースルー型の屋根や壁、直立した塀に埋め込んで設置するなどした場合には、直進光のみではなく散乱光をも利用できるため、設置の自由度がさらに高まる。
さらに素子の複数の面から入射した光を受光して発電が可能となり、モジュールを、シースルー型の屋根や壁、直立した塀に埋め込んで設置するなどした場合には、直進光のみではなく散乱光をも利用できるため、設置の自由度がさらに高まる。
図2において、符号10は透明導電性基板、11は透明基材、12は透明導電膜、13は多孔質酸化物半導体層、14は作用極、15は電解質層、16は対極、17は封止部材、18は積層体、20は色素増感型の光電変換素子をそれぞれ示している。
光電変換素子20において、対極16を電解質層15を介して作用極14で挟んでなる積層体18が、その外周部が封止部材17によって接着、一体化されて光電変換素子として機能する。
光電変換素子20において、対極16を電解質層15を介して作用極14で挟んでなる積層体18が、その外周部が封止部材17によって接着、一体化されて光電変換素子として機能する。
対極16は、たとえば、カーボンを主成分とする材料から構成される。ここで主成分とは、単なる基材となっている部分を除いての最多構成要素のことである。対極を、カーボンを主成分とする材料から構成することにより、電解質との電荷の授受が連やかに進行する。具体的には、例えば、グラファイト化(結晶化)カーボンあるいは非晶質カーボンからなる多孔質の板材、シート材などを対極として使用することができる。
また、電解質に対して電気化学的に不活性な材質のメッシュ、不織布、孔開け板などを基材とし、結晶質・非晶質カーボンの粒子やカーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノホーン、フラーレン類を、塗布、プレスなどの手法により前記基材の両面に固定したもの、スパッタリング、蒸着といった真空法にて前記基材の両面に膜形成したもの、電着などにより前記基材の両面に析出させたものなども対極16として使用することができる。
また、カーボンを主成分とすれば、基材または電極組成物中には、バインダ材などのその他の成分を含んでも構わない。
また、対極16としてカーボンを使用する場合には、加熱、焼成処理等により不要吸着物を除去して用いたほうが、ヨウ素レドックス対の電極反応が円滑に進むようになるので好ましい。
また、対極16としてカーボンを使用する場合には、加熱、焼成処理等により不要吸着物を除去して用いたほうが、ヨウ素レドックス対の電極反応が円滑に進むようになるので好ましい。
加えて、上記のカーボン材、あるいは、導電性を有し、かつ、電解質に対して電気化学的に不活性な材質からなる基材(たとえば、チタン、ニッケル、タングステン、モリブデンなどの金属、あるいは両面に導電性膜を有する導電性ガラス基板)上に、導電性高分子膜や白金層を形成したものも、対極16として用いることができる。このような対極では電解質との電荷の授受が速やかに進行する。特に、カーボンメッシュ、カーボンシートを基材とし、該基材上に導電性高分子であるPEDOT[poly(ethylenedioxy)thiophene : 「ポリエチレンジオキシチオフェン」]誘導体膜を形成したものは、対極16として好適である。
また、対極16には、連通孔19が設けられている。この連通孔により、両面の極面が電気化学的に連結され、単一のセルとして機能する。
連通孔19の大きさとしては、特に限定されるものではないが、表面積(実効面積)が大きくなるように設定することが好ましい。ただし、連通孔19が大きすぎると、対極としての実効面積が減少してセル特性低下につながり、一方、連通孔19が小さすぎると電解質の充填が不十分となり、やはりセル特性低下につながる可能性がある。したがって、連通孔19の大きさとしては、100nm以上、lmm以下とすることが好ましいが、これに限定されるものではない。
連通孔19の大きさとしては、特に限定されるものではないが、表面積(実効面積)が大きくなるように設定することが好ましい。ただし、連通孔19が大きすぎると、対極としての実効面積が減少してセル特性低下につながり、一方、連通孔19が小さすぎると電解質の充填が不十分となり、やはりセル特性低下につながる可能性がある。したがって、連通孔19の大きさとしては、100nm以上、lmm以下とすることが好ましいが、これに限定されるものではない。
作用極14は、透明導電性基板10と、該透明導電性基板10をなす透明導電膜12の―方の面に形成され、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層13とから構成されている。
この透明導電性基板10は、透明基材11と、透明基材11の一方の面11aに形成された透明導電膜12から概略構成されている。
この透明導電性基板10は、透明基材11と、透明基材11の一方の面11aに形成された透明導電膜12から概略構成されている。
透明基材11としては、光透過性の素材からなる基板が用いられ、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなど、通常、光電変換素子の透明基材として用いられるものであればいかなるものでも用いることができる。透明基材11は、これらの中から電解液への耐性などを考慮して適宜選択される。また、透明基材11としては、用途上、できる限り光透過性に優れる基板が好ましく、透過率が85%以上の基板がより好ましい。
透明導電膜12は、透明基材11に導電性を付与するために、その一方の面11aに形成された薄膜である。本発明では、透明導電性基板の透明性を著し<損なわない構造とするために、透明導電膜12は、導電性金属酸化物からなる薄膜であることが好ましい。
透明導電膜12を形成する導電性金属酸化物としては、例えば、スズ添加酸化インジウム(ITO)、フッ素添加酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO2 )などが用いられ、中でも、ITO、FTOが好ましい。
また、透明導電膜12は、ITO又はFTOのみからなる単層の膜、または、ITOからなる膜にFTOからなる膜を重ねて設けた積層謨であることが好ましい。透明導電膜12を、ITO又はFTOのみからなる単層の膜、または、ITOからなる膜にFTOからなる膜が積層されてなる積層膜とすることにより、可視域における光の吸収量が少なく、導電率が高い透明導電性基板を構成することができる。
透明導電膜12の形成方法としては、材料に応じた公知の適切な方法を用いればよいが、例えば、スパッタ法、蒸着法、スプレー熱分解法(SPD法)、化学気相成長法(CVD法)などが挙げられる。
多孔質酸化物半導体層13は、透明導電膜12の上に設けられており、その表面には増感色素が担持されている。多孔質酸化物半導体層13を形成する半導体としては特に限定されず、通常、光電変換素子用の多孔質酸化物半導体を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb2O5 )などを用いることができる。
多孔質酸化物半導体層13を形成する方法としては、例えば、市販の酸化物半導体微粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調製できるコロイド溶液を、必要に応じて所望の添加剤を添加した後、スクリーンプリント法、インクジェットプリント法、ロールコート法、ドクターブレード法、スプレー塗布法など公知の塗布方法を用いて形成する手法が挙げられる。
増感色素としては、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニン等の含金属錯体をはじめ、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素などを適用することができ、これらの中から用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを適宜選択すれば良い。
電解質層15は、多孔質酸化物半導体層13内に電解液を含浸させてなるものか、または、多孔質酸化物半導体層13内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層13と一体に形成されてなるもの、あるいは、イオン性液体をベースとしたもの、さらには、酸化物半導体粒子および導電性粒子を含むゲル状の電解質などが用いられる。
上記電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒やイオン液体に溶解されてなるものが用いられる。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
上記イオン液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、例えば、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンとした常温溶融塩が挙げられる。
常温溶融塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF4 −、PF6 −、(HF)n −、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CF3SO2 )2 −]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン性液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
常温溶融塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF4 −、PF6 −、(HF)n −、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CF3SO2 )2 −]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン性液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどが特に限定されないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質の伝導性を低下させることがなく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO2、SiO2、WO3、ZnO、Nb2O5、In2O3、ZrO2、Ta2O5、La2O3、SrTiO3、Y2O3、Ho2O3、Bi2O3、CeO2、Al2O3 からなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましく、その平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性微粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合でも、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性微粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
封止部材17としては、作用極14をなす透明導電性基板10に対する接着性に優れるものであれば特に限定されないが、例えば、分子鎖中にカルボン酸基を有する熱可塑性樹脂からなる接着剤などが望ましく、具体的には、ハイミラン(三井デュポンリケミカル社製)、バイネル(デュポン社製)などが挙げられる。
このように、本発明の光電変換素子モジュール1Aでは、光電変換素子20において、互いに異なる方向を向いて配された複数の受光部を有しているため、異なる方向から光が照射される環境において、その光を有効に利用することができる。その結果、このような光電変換素子20を複数個備えた光電変換素子モジュール1Aは、大きな出力を有するものとなる。
<第二実施形態>
以下、本発明に係る光電変換素子モジュールの第二実施形態を図面に基づいて説明する。第二実施形態は、上述した第一実施形態の変形例に相当する。
図3は、本実施形態に係る光電変換素子モジュール1B(1)の―実施形態を示す概略断面図である。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
本実施形態は、光電変換素子モジュールが備える光電変換素子の形状が異なること以外は、第一実施形態とほぼ同様である。すなわち、第一実施形態では、光電変換素子20A(20)は平面型の場合であったが、本実施形態では、光電変換素子20B(20)が円筒形状を有している。
以下、本発明に係る光電変換素子モジュールの第二実施形態を図面に基づいて説明する。第二実施形態は、上述した第一実施形態の変形例に相当する。
図3は、本実施形態に係る光電変換素子モジュール1B(1)の―実施形態を示す概略断面図である。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
本実施形態は、光電変換素子モジュールが備える光電変換素子の形状が異なること以外は、第一実施形態とほぼ同様である。すなわち、第一実施形態では、光電変換素子20A(20)は平面型の場合であったが、本実施形態では、光電変換素子20B(20)が円筒形状を有している。
すなわち、この光電変換素子モジュール1Bが備える光電変換素子20Bは、円筒形状の極面を有する対極16と、前記対極16の極面と対向して、対極16の外周を覆うように設けられた作用極14と、これらの間に封入された電解質からなる電解質層15と、から概略構成されている。
そして、本実施形態の光電変換素子モジュール1Bにおいて、隣り合う光電変換素子20B同士は、互いに密接するように配されていることが好ましい。これにより、複数の異なる方向から照射される太陽光をより効率よく利用することができ、大きな出力を有するものとなる。
<第三実施形態>
以下、本発明に係る光電変換素子モジュールの第三実施形態を図面に基づいて説明する。第三実施形態は、対極入射型の光電変換素子を用いた例である。
図4は、本発明の光電変換素子モジュール1C(1)の一例を示す図面であり、図5(a)は、光電変換素子モジュール1が備える光電変換素子40A(40)の一例を示す断面図である。また、図5(b)は図5(a)に示した光電変換素子の平面図であり、第一対極(図5(a)における上側の対極)を除去した状態を示している。
なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
以下、本発明に係る光電変換素子モジュールの第三実施形態を図面に基づいて説明する。第三実施形態は、対極入射型の光電変換素子を用いた例である。
図4は、本発明の光電変換素子モジュール1C(1)の一例を示す図面であり、図5(a)は、光電変換素子モジュール1が備える光電変換素子40A(40)の一例を示す断面図である。また、図5(b)は図5(a)に示した光電変換素子の平面図であり、第一対極(図5(a)における上側の対極)を除去した状態を示している。
なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
本実施形態の光電変換素子モジュール1C(1)は、互いに異なる方向を向いて配され、電気化学的に連結された2面以上の平面または曲面からなる極面を構成し、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層33を有する作用極34と、前記作用極34の各極面と対向して設けられ、窓極として機能する対極36と、前記対極36と前記作用極34との間の少なくとも一部に設けられた電解質層35と、を備えてなる光電変換素子40A(40)を、複数個並列配置させたことを特徴とする。
上述した第一実施形態では、光電変換素子において、対極が互いに両面をなす2つの極面を有していたが本実施形態では、作用極が互いに両面をなす2つの極面を有している。
この光電変換素子モジュール1Cが備える光電変換素子40A(40)は、互いに異なる方向を向いて配され、電気化学的に連結された2面以上の極面を有する作用極36と、前記作用極36の各極面とそれぞれ対向して設けられた対極34と、これらの間に封入された電解質からなる電解質層35と、から概略構成されている。
この光電変換素子モジュール1Cが備える光電変換素子40A(40)は、互いに異なる方向を向いて配され、電気化学的に連結された2面以上の極面を有する作用極36と、前記作用極36の各極面とそれぞれ対向して設けられた対極34と、これらの間に封入された電解質からなる電解質層35と、から概略構成されている。
作用極34は、図5(a)に示すように、第一方向(表面)(図5においては上面)を向いて配置された第一極面34aと、第一方向と反対方向(裏面)(図5においては下面)を向いて配置され、第一極面34aと電気的に連結された第二極面34bとを有する。
また、図5(a)に示すように、対極36は、第一極面34aに対向して配置された第一対極36aと、第二極面34bに対向して配置された第二対極36bとからなる。 また、図5に示す光電変換素子40では、図5(b)に示すように、対極36の外周域には封止部材37からなる封止部が備えられ、図5(a)に示すように、作用極34を対極36で電解質層35を介して挟んでなる積層体38が、封止部材37によって積層体38の外周部が接着されて一体化されることにより光電変換素子として機能するようになっている。
そして、本発明の光電変換素子モジュール1Aは、図4に示すように、それぞれ、平板形状をなす光電変換素子40aと光電変換素子40bが対向するように、かつ、光電変換素子40aの表面が太陽光の入射角度に対して所定の角度θをなすように、互いに離間するように配設されていることを特徴とする。また、光電変換素子40aの表面もしくは内部で反射した光が、該光電変換素子40aと対向して配された別の光電変換素子40bに入射する構成を備えていることが好ましい。
複数の光電変換素子40を、上述したような、いわゆるブラインド状に配置することで、太陽光を効率よく利用することができる。
複数の光電変換素子40を、上述したような、いわゆるブラインド状に配置することで、太陽光を効率よく利用することができる。
具体的には、複数の光電変換素子40を、受光面が互いに平行になるように並べて配置することで、光電変換素子40aに達する光のうち素子表面で反射されてしまうおよそ一割の反射光の一部が、隣接する光電変換素子40bの裏面側に入射すること、さらに、この裏面で再度反射された光が元の光電変換素子40aの受光面に達するなどにより、複数の光電変換素子40の集合体全体が占める面積に対する短絡光電流密度が、セルのそれに比べておよそ10%向上する。
前記光電変換素子40の表面が太陽光の入射方向に対してなす角度θとしては、特に限定されるものではないが、例えば30〜90[゜]の範囲が好ましい。これにより、光電変換素子40aの表面に入射する太陽光の光度を高くることができ、高い発電効率を得ることができる。すなわち、太陽光をより効率よく利用することができる。
また、前記光電変換素子40は、それぞれ向きを変えられるようになされており、太陽の移動等に合わせて前記角度θを保つように向きを変えることが好ましい。これにより太陽が移動しても、太陽光を効率よく利用することができる。
このように、複数の受光面を有する光電変換素子40を、複数個並べて並列配置することで、素子表面で反射して散逸してしまう光エネルギーを隣接する素子で受光することができる。これにより、素子の集合体全体として(それらの素子が電気的に接続されたモジュールとして)の変換効率の向上を達成する。この方法によれば、変換効率の向上のみならず、素子表面での反射防止のための加工が必要なくなり、コスト増を抑制できる。
さらに素子の複数の面から入射した光を受光して発電が可能となり、モジュールを、シースルー型の屋根や壁、直立した塀に埋め込んで設置するなどした場合には、直進光のみではなく散乱光をも利用できるため、設置の自由度がさらに高まる。
さらに素子の複数の面から入射した光を受光して発電が可能となり、モジュールを、シースルー型の屋根や壁、直立した塀に埋め込んで設置するなどした場合には、直進光のみではなく散乱光をも利用できるため、設置の自由度がさらに高まる。
図5において、符号30は導電性基板、1は透明基材、32は透明導電膜、33は多孔質酸化物半導体層、34は作用極、35は電解質層、36は対極、37は封止部材、38は積層体、40は色素増感型の光電変換素子をそれぞれ示している。
光電変換素子40において、対極36を電解質層35を介して作用極34で挟んでなる積層体38が、その外周部が封止部材37によって接着、一体化されて光電変換素子として機能する。
光電変換素子40において、対極36を電解質層35を介して作用極34で挟んでなる積層体38が、その外周部が封止部材37によって接着、一体化されて光電変換素子として機能する。
作用極34は、図5(a)に示すように、第一方向(表面)(図5においては上面)を向いて配置された第一極面34aと、第一方向と反対方向(裏面)(図5においては下面)を向いて配置され、第一極面34aと電気的に連結された第二極面34bとを有する。
また、図5(a)に示すように、対極36は、第一極面34aに対向して配置された第一対極36aと、第二極面34bに対向して配置された第二対極36bとからなる。
また、図5に示す光電変換素子40では、図5(b)に示すように、対極36の外周域には封止部材37からなる封止部が備えられ、図5(a)に示すように、作用極34を対極36で電解質層35を介して挟んでなる積層体38が、封止部材37によって積層体38の外周部が接着されて一体化されることにより光電変換素子40として機能するようになっている。
対極36は、透明基材1の作用極34と対向させる側の面に、透明電極膜32と、金属電極層31とからなる電極を形成したものである。対極36は、図5(b)に示すように、作用極34と平面的にずらして配置され、対極36の一方の端部36 cは、外部と電気的に接続するために、封止部材37よりも外側にはみ出している。
透明基材1としては、上述した第一実施形態における透明基材と同様のものを用いることができる。
また、透明導電膜32は、透明基材1に導電性を付与するために透明基材2の一方の面に形成された薄膜であり、上述した第一実施形態における透明導電膜と同様のものを用いることができる。
金属電極層31としては、白金膜などを用いることができる。例えば、金属電極層31が白金膜である場合、金属電極層31の膜厚は、lnm〜500nmの範囲とされる。白金膜厚が上記範囲を越えると、十分な光透過性が得られず、光電変換素子40の特性低下につながる可能性がある。また、白金膜の膜厚が上記範囲未満であると、十分な導電性が得られず、光電変換素子40の特性低下につながる可能性がある。
金属電極層31の形成方法としては、例えば白金膜である場合、塩化白金酸を塗布して熱処理する等の方法が例示でき、蒸着法やスパッタ法によって形成してもよい。なお、金属電極層31は白金膜に限定されるものではなく、これに代えて、たとえば、カーボンや導電性高分子を用いてもよい。
金属電極層31の形成方法としては、例えば白金膜である場合、塩化白金酸を塗布して熱処理する等の方法が例示でき、蒸着法やスパッタ法によって形成してもよい。なお、金属電極層31は白金膜に限定されるものではなく、これに代えて、たとえば、カーボンや導電性高分子を用いてもよい。
作用極34は、導電性を有する電極基板30と、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層33とから構成されている。多孔質酸化物半導体層33は、図5に示すように、電極基板30の表裏両面に形成されている。また、作用極34と対極36とは、平面的に互いにずらして配置されている。そして、作用極34の一方の端部34cには、多孔質酸化物半導体層33が形成されておらず、作用極34の一方の端部34cは、図5(b)に示すように、外部と電気的に接続するために、電極基板30の表面が露出した状態で封止部材37を貫通して外部に露出している。
また、作用極34の他方の端部34dと封止部材37との間には、図5(b)に示すように、隙間39が形成されている。隙間39は、図5(b)に示すように、作用極34の縁部に沿って形成されている。また、隙間39内においては、図5(a)に示すように、作用極34の厚み方向に電解質層35が連続して形成され、第一極面34a側の電解質層35と第二極面34b側の電解質層35とが一体化されている。本実施形態においては、図5に示すように、隙間39が設けられていることにより、電解質層35となる電解液が、図示しない注入口から注入された際に、隙間39を介して第一極面34a側と第二極面34b側との間で行き来できるようにされている。したがって、図5に示す光電変換素子40では、第一極面34a側と第二極面34b側のいずれか一方に注入口を設けることによって、電解質層35となる電解液を電解質層35となる領域全体に注入できる。
電極基板30としては、導電性を有する材質からなるものを用いることが望ましく、具体的には、例えば、チタンなどの金属基板を用いることができる。電極基板30としてチタンからなるものを用いることで、チタンを主成分とする材料からなる作用極34となり、良好な導電性を有し、電解液への耐性に優れた作用極34となる。
また、電極基板30が導電性を有する材質によって形成されていることにより、作用極34の第一極面34aと第二極面34bとが電気的に連結され、光電変換素子40が単一のセルとして機能する。したがって、第一極面34aと第二極面34bとに個別に配線を設ける必要がない。また、例えば、電極基板30に代えて絶縁基板の表裏両面に導電膜を設けたものを用いる場合と比較して、作用極34の厚みを薄くすることができる。さらに、図5に示すように、封止部材37を貫通して外部に露出している電極基板30を端子として用いて、作用極34を外部と電気的に接続できる。
このような光電変換素子40は、作用極34が、表面を向いて配置された第一極面34aと、裏面を向いて配置され、第一極面34aと電気的に連結された第二極面34bとを有し、対極36が、第一極面34aに対向して配置された第一対極36aと、第二極面34bに対向して配置された第二対極36bとからなるので、表面および裏面が受光部となり、表面からの入射光も裏面からの入射光も、有効に利用できる。その結果、このような光電変換素子40を複数備えた本実施形態の光電変換素子モジュール1C(1)は、大きな出力を有するものとなる。
また、光電変換素子40では、作用極34の両面に、それぞれ対極36が配され、作用極34を構成する第一極面34aと第二極面34bとが電気的に連結されており、すべての極面が電気的に分離されずに1つの作用極34を構成している。また、光電変換素子40が隙間39を有することにより、電解質層35となる電解液が、隙間39を介して第一極面34a側と第二極面34b側との間を行き来できるようにされている。これにより、本実施形態の光電変換素子40では、1つの作用極34を表側と裏側の両面に配置された対極36で共有でき、シンプルかつスリムな光電変換素子の構造とすることが可能となり、複数の方向から入射する光を有効利用できる単一の光電変換素子を実現できる。
このように、本発明の光電変換素子モジュール1Cでは、光電変換素子40において、互いに異なる方向を向いて配された複数の受光部を有しているため、異なる方向から光が照射される環境において、その光を有効に利用することができる。その結果、このような光電変換素子40を複数個備えた光電変換素子モジュール1C(1)は、大きな出力を有するものとなる。
<第四実施形態>
以下、本発明に係る光電変換素子モジュールの第四実施形態を図面に基づいて説明する。第四実施形態は、上述した第三実施形態の変形例に相当する。
図6は、本実施形態に係る光電変換素子モジュール1D(1)の―実施形態を示す概略断面図である。なお、本実施形態では、上述した第三実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
以下、本発明に係る光電変換素子モジュールの第四実施形態を図面に基づいて説明する。第四実施形態は、上述した第三実施形態の変形例に相当する。
図6は、本実施形態に係る光電変換素子モジュール1D(1)の―実施形態を示す概略断面図である。なお、本実施形態では、上述した第三実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
本実施形態は、光電変換素子モジュールが備える光電変換素子の形状が異なること以外は、第三実施形態とほぼ同様である。すなわち、第三実施形態では、光電変換素子は平面型の場合であったが、本実施形態では、光電変換素子が円筒形状を有している。
すなわち、この光電変換素子モジュール1Dが備える光電変換素子40B(40)は、円筒形状の極面を有する作用極34と、前記作用極34の極面と対向して、作用極34の外周を覆うように設けられた対極36と、これらの間に封入された電解質からなる電解質層35と、から概略構成されている。
そして、本実施形態の光電変換素子モジュール1Dにおいて、隣り合う光電変換素子40B同士は、互いに密接するように配されていることが好ましい。これにより、複数の異なる方向から照射される太陽光をより効率よく利用することができ、大きな出力を有するものとなる。
以上、本発明の光電変換素子モジュールについて説明してきたが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更が可能である。
たとえば、上述した例では、光電変換素子モジュールが備える光電変換素子において、素子形状が平面型(第一施形態、第三)実施形態)の場合や、円筒形状(第二実施形態、第四実施形態)の場合を示しているが、本発明はこの例に限定されるものではない。
例えば、対極または作用極は、3面、4面またはそれ以上の極面を有していてもよい。この場合、対極および素子の断面形状を三角形、四角形、五角形、六角形またはそれ以上の多角形形状とすることができる。また、極面は平面に限定されず、曲面で構成されていてもよい。また、曲面は凸曲面や凹曲面であってもよい。凹曲面とすることで、集光効果を付与することができ、素子に照射される光をより有効に利用することができる。さらに平面と曲面とを組み合わせた形状であってもよい。
このような素子形状を有する光電変換素子を複数個並列に備えることで、複数の異なる方向から照射される太陽光をより効率よく利用することができる。
このような素子形状を有する光電変換素子を複数個並列に備えることで、複数の異なる方向から照射される太陽光をより効率よく利用することができる。
本発明は、光電変換素子を複数個接続した光電変換素子モジュールに適用可能である。
1A,1B,1C,1D(1) 光電変換素子モジュール、10 透明導電性基板、11 透明基材、12 透明導電膜、13 多孔質酸化物半導体層、14 作用極、15 電解質層、16 対極、17 封止部材、18 積層体、20,40 光電変換素子。
Claims (4)
- 互いに異なる方向を向いて配され、電気化学的に連結された2面以上の平面または曲面からなる極面を有する対極と、
前記対極の各極面と対向して設けられ、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有し、窓極として機能する作用極と、
前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に設けられた電解質層と、を備えてなる光電変換素子を、複数個並列配置させたことを特徴とする光電変換素子モジュール。 - 互いに異なる方向を向いて配され、電気化学的に連結された2面以上の平面または曲面からなる極面を構成し、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有する作用極と、
前記対極の各極面と対向して設けられ、窓極として機能する対極と、
前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に設けられた電解質層と、を備えてなる光電変換素子を、複数個並列配置させたことを特徴とする光電変換素子モジュール。 - 前記光電変換素子は、平板形状をなし、隣り合う光電変換素子同士は、互いに離間するように配されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子モジュール。
- 前記光電変換素子は、円筒形状をなし、隣り合う光電変換素子同士は、互いに密接するように配されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子モジュール。
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JP2010009832A (ja) * | 2008-06-25 | 2010-01-14 | Tdk Corp | 光電変換素子 |
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-
2006
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