JP2008122179A - マイクロ総合分析チップおよびマイクロ総合分析システム - Google Patents

マイクロ総合分析チップおよびマイクロ総合分析システム Download PDF

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Abstract

【課題】検体あるいは試薬等の液体を所定の分割比で正確に分割して送液することのできる複数に分岐した分割流路を備え、複数の反応を並列に行うことで、分析に要する時間を短縮することのできるマイクロ総合分析チップおよびマイクロ総合分析システムを提供すること。
【解決手段】分割流路の有する高流路抵抗部の流路抵抗値と、該高流路抵抗部が含まれる分割流路の流量、その他の分割流路の流路の断面積、断面の周長、送液される液体の表面張力との関係が所定の関係を満たすように高流路抵抗部の流路抵抗値を設定することにより、検体あるいは試薬等の液体を所定の分割比で正確に分割して送液することのできる複数に分岐した分割流路を実現することができ、複数の反応を並列に行うことで分析に要する時間を短縮することのできるマイクロ総合分析チップおよびマイクロ総合分析システムを提供することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、マイクロ総合分析チップおよびマイクロ総合分析システムに関し、特に、検体あるいは試薬等の液体を所定の分割比で分割して送液するための複数に分岐した分割流路を備えたマイクロ総合分析チップおよびマイクロ総合分析システムに関する。
近年、マイクロマシン技術および超微細加工技術を駆使することにより、従来の試料調製、化学分析、化学合成などを行うための装置、手段(例えばポンプ、バルブ、流路、センサーなど)を微細化して1チップ上に集積化したマイクロ総合分析チップが開発されている。
マイクロ総合分析チップは、μ−TAS(Micro total Analysis System)、バイオリアクタ、ラブ・オン・チップ(Lab−on−chips)、バイオチップとも呼ばれ、医療検査・診断分野、環境測定分野、農産製造分野でその応用が期待されている。現実には遺伝子検査に見られるように、煩雑な工程、熟練した手技、機器類の操作が必要とされる場合には、自動化、高速化および簡便化されたマイクロ化分析システムは、コスト、必要試料量、所要時間のみならず、時間および場所を選ばない分析を可能とすることによる恩恵は多大と言える。
このようなマイクロ総合分析チップを用いた分析、検査等においては、検体を複数に分割してその各々を異なる試薬と反応させる、つまり複数の反応を並列に行うことで、分析に要する時間を短縮することが重要である。さらに、定量的な分析、検査等においては、検体と試薬を正確な混合比で混合して反応させることが重要であり、そのためには、検体や試薬を正確な分割比で分割する方法が重要である。
従来のマイクロ総合分析チップにおいては、液体を分割する技術として、所謂2相分配法での反応後の溶液の分離方法が知られており、例えば、並行して流れる2相流の各層の溶解度の違いを利用して溶液に溶解している微小物を分配することにより、2相流を混合することなく分離したままで反応を行わせ、分岐部で各層を層間で分離して分岐部に流す方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
あるいは、流路の内面に処理を施すことで、2相流の界面を安定させたまま分岐部まで送液し、分岐部でそれぞれの液体を安定して分岐させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−281233号公報 特開2005−331286号公報
しかし、特許文献1および2の方法は、共に、2相分配法での反応後の液体を相間で分離するための方法であり、上述したように検体や試薬を正確な分割比で分割することは想定されていない。特に、分割比が1対1以外の場合には、単純に流路を2分割するだけでは不可能であり、新規な方法が必要である。
さらに、マイクロ総合分析チップにおいては、流路の断面寸法が非常に微細なため、流路の内壁面と流体との間の毛管力等の相互作用の影響が大きい。この力は流路の内壁面の表面状態(面荒れや表面への付着物など)の影響を極めて受けやすく、たとえ特許文献2に示したような内面処理を施しても、これらの影響によって分割比のバラツキが生じやすく、分割比1対1を含めて、正確な分割比を実現するには、何らかの新規な対応が必要である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、検体あるいは試薬等の液体を所定の分割比で正確に分割して送液することのできる複数に分岐した分割流路を備え、複数の反応を並列に行うことで、分析に要する時間を短縮することのできるマイクロ総合分析チップおよびマイクロ総合分析システムを提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
1.液体を送液するための主流路と、
前記主流路から送液された液体を所定の分割比で分割して送液するための複数に分岐された分割流路とを備え、
複数に分岐された前記分割流路の各々は、流路の一部を前後の流路よりも細く絞って流路抵抗を高めた高流路抵抗部を有し、
前記高流路抵抗部のうちの何れかの流路抵抗値をR、その高流路抵抗部が含まれる分割流路の流量の値をQとし、
その他の分割流路の流路の断面積をS、断面の周長をL、送液される液体の表面張力をσとしたとき、
R×Q>σ×L÷S
となるように、前記高流路抵抗部のうちの何れかの流路抵抗値Rが設定されていることを特徴とするマイクロ総合分析チップ。
2.複数に分岐された前記分割流路の各々は、少なくとも1つの撥水バルブを有し、
前記高流路抵抗部のうちのいずれかの流路抵抗値をR、その高流路抵抗部を含む分割流路の流量の値をQとし、その他の分割流路の有する撥水バルブの液体保持圧力の上限値をPとしたとき、
R×Q>P
となるように前記高流路抵抗部のうちのいずれかの流路抵抗値Rが設定されていることを特徴とする1に記載のマイクロ総合分析チップ。
3.1または2に記載のマイクロ総合分析チップと、
前記マイクロ総合分析チップと接続され、前記マイクロ総合分析チップ内において液体を送液するための送液装置と、
前記マイクロ総合分析チップ上で生成される標的物質を検出する検出部とを備えたことを特徴とするマイクロ総合分析システム。
本発明によれば、分割流路の有する高流路抵抗部の流路抵抗値と、該高流路抵抗部が含まれる分割流路の流量、その他の分割流路の流路の断面積、断面の周長、送液される液体の表面張力との関係が所定の関係を満たすように高流路抵抗部の流路抵抗値を設定することにより、検体あるいは試薬等の液体を所定の分割比で正確に分割して送液することのできる複数に分岐した分割流路を実現することができ、複数の反応を並列に行うことで分析に要する時間を短縮することのできるマイクロ総合分析チップおよびマイクロ総合分析システムを提供することができる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。なお、図中、同一あるいは同等の部分には同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
まず、本発明におけるマイクロ総合分析システムについて、図1を用いて説明する。図1は、マイクロ総合分析システムの一例を示す模式図である。
図1において、本発明におけるマイクロ総合分析システムである検査装置1は、本発明におけるマイクロ総合分析チップである検査チップ100、検査チップ内の送液を行うマイクロポンプユニット210、検査チップ内の反応を促進および抑制するための加熱冷却ユニット230、検査チップ内の反応によって得られる生成液に含まれる標的物質を検出する検出部250、および検査装置内の各部の駆動、制御、検出等を行う駆動制御部270等で構成される。ここに、マイクロポンプユニット210は、本発明における送液装置として機能する。送液装置としては、その他に空気圧によって送液を行う空気圧ポンプ等も用いることができる。
マイクロポンプユニット210は、送液を行うマイクロポンプ211、マイクロポンプ211と検査チップ100とを接続するチップ接続部213、送液のための駆動液216を供給する駆動液タンク215および駆動液タンク215からマイクロポンプ211に駆動液216を供給するための駆動液供給部217等で構成される。駆動液タンク215は、駆動液216の補充のために駆動液供給部217から取り外して交換可能である。マイクロポンプ211上には1個または複数のポンプが形成されており、複数の場合は、各々独立にあるいは連動して駆動可能である。
加熱冷却ユニット230は、ペルチエ素子等で構成される冷却部231およびヒータ等で構成される加熱部233等で構成される。もちろん、加熱部もペルチエ素子で構成してもよい。検出部250は、発光ダイオード(LED)251および受光素子(PD)253等で構成され、検査チップ内の反応によって得られる生成液に含まれる標的物質を光学的に検出する。
検査チップ100は、一般に分析チップ、マイクロリアクタチップなどとも称されるものと同等であり、例えば、樹脂、ガラス、シリコン、セラミックスなどを材料とし、そこに微細加工技術によりその幅および高さが数μm〜数百μmのレベルの微細な流路を形成したものである。検査チップ100のサイズは、通常、縦横が数十mm、高さが数mm程度である。
検査チップ100とマイクロポンプ211とはチップ接続部213で接続されて連通され、マイクロポンプ211が駆動されることにより、検査チップ100内の複数の収容部に収容されている各種試薬や検体が、マイクロポンプ211からチップ接続部213を介して検査チップ100に流入する駆動液216により送液される。
次に、本発明における検査チップ100の第1の実施の形態について、図2を用いて説明する。図2は、検査チップ100の第1の実施の形態を示す模式図である。ここでは、検体を2つの流路に分割して、2種類の試薬と別々に反応させて複数項目の分析や検査を行うための流路の構成例について説明する。
図2において、検査チップ100は、検体貯留部101に検体301が注入されており、試薬A貯留部103および試薬B貯留部105にそれぞれ試薬A303および試薬B305が注入されている。検体貯留部101、試薬A貯留部103および試薬B貯留部105のそれぞれの上流にはマイクロポンプ211が接続されるポンプ接続部107a、107bおよび107cが設けられ、マイクロポンプ211から送り込まれる駆動液216によって、検体301、試薬A303および試薬B305が下流に送液される。
検体貯留部101の下流には検体主流路111が設けられ、検体主流路111の下流には分岐部121が設けられている。本例では分岐部121は2分岐として説明するが、3分割以上の多分割でも同様である。分岐部121の一方の下流には、第1分割路123が設けられ、第1分割路123には、流路の断面を前後の流路よりも細く絞って流路抵抗を高めた長さL1の第1高流路抵抗部123aが設けられ、同様に、分岐部121の他方の下流には第2分割路125が設けられ、第2分割路125には、長さL2の第2高流路抵抗部125aが設けられている。ここに、分岐部121、第1分割路123および第2分割路125は本発明における分割流路として機能する。
なお、上述した「流路抵抗」とは、流路に対して加わる単位圧力あたりの液体の流量の逆数に相当し、流路の入口に所定の圧力をかけて流体を流した時の流量を測定し、圧力を流量で割ることにより求めることができる。詳細は後述する。
試薬A貯留部103の下流には試薬A主流路113が設けられ、第1分割路123と試薬A主流路113とは、撥水バルブ133よび135を介して第1合流部131で合流し、第1合流部131の下流には第1混合路141が設けられ、第1混合路141の下流には第1検出部143が設けられている。第1合流部131で合流した検体301と試薬A303とは、第1混合路141で混合されて第1検出部143に注入され、第1検出部143で反応して反応生成液が生成され、検出部250により反応生成液に含まれる標的物質が光学的に検出される。撥水バルブの詳細については後述する。
同様に、試薬B貯留部105の下流には試薬B主流路115が設けられ、第2分割路125と試薬B主流路115とは、撥水バルブ153よび155を介して第2合流部151で合流し、第2合流部151の下流には第2混合路161が設けられ、第2混合路161の下流には第2検出部163が設けられている。第2合流部153で合流した検体301と試薬B305とは、第2混合路161で混合されて第2検出部163に注入され、第2検出部163で反応して反応生成液が生成され、検出部250により反応生成液に含まれる標的物質が光学的に検出される。
一例として、試薬A303と検体301との混合比を3:1、試薬B305と検体301の混合比を1:1とし、第1検出部143および第2検出部163の容積はいずれも4nm3であるとする。この場合、試薬A303の第1検出部143への送液量は3nm3、検体301の第1検出部143への送液量は1nm3であり、検体301の第2検出部163への送液量は2nm3、試薬B305の第2検出部163への送液量は2nm3である。
これを実現するには、検体301を1:2の流量比で分割して送液する必要がある。そのために、第1分割路123に長さL1の第1高流路抵抗部123aを、第2分割路125に長さL2の第2高流路抵抗部125aを設け、それぞれの流路抵抗値の比が2:1になるように設定した。具体的には、第1高流路抵抗部123aのL1=5.0mm、第2高流路抵抗部125aの長さL2=2.5mmとした。第1高流路抵抗部123aおよび第2高流路抵抗部125aの幅はいずれも50μmで、深さはいずれも40μmである。液体の粘度を1mPa・s(20℃の水に相当)とすると、第1高流路抵抗部123aおよび第2高流路抵抗部125aの流路抵抗値は、それぞれ40×1012(N・s/m5)、20×1012(N・s/m5)、である。
ここで、「流路抵抗」について詳述すると、「流路抵抗」とは、流路に対して加わる単位圧力あたりの液体の流量の逆数に相当し、流路の入口に所定の圧力をかけて流体を流した時の流量を測定し、圧力を流量で割ることにより求めることができる。特に、上述した例のように細くて長い流路であって、流路内での液体の流れが層流が支配的であるならば、流路抵抗値Rは以下の式で算出することができる。
Figure 2008122179
但し、ηは液体の粘度、Sは流路の断面積、φは流路の等価直径、Lは流路の長さである。また、等価直径φは、幅:a、高さ:bの長方形断面の場合、以下で表される。
φ=(a×b)/{(a+b)/2}・・・(2式)
次に、上述した検査チップ100の第1の実施の形態における送液の手順について説明する。まず、ポンプ接続部107a、107bおよび107cに接続された3つのマイクロポンプ211が同時に2kPa程度の比較的弱めの圧力で駆動される。このとき、検体301、試薬A303および試薬B305は、それぞれ下流に送液され、撥水バルブ133、135、153および155に達したところで、撥水バルブの撥水性による液体保持力によって送液が停止される。なお、この例での撥水バルブの幅は25μmであり、この撥水バルブの液体保持力は約4kPa程度である。
ここに、撥水バルブとは、疎水性で、幅が狭まった細流路であり、液体を所定の圧力以下で送液した場合には、細流路の撥水力によって液の流れをその場で停止させることができるものである。上述した例では、マイクロポンプ211による送液に際して、撥水バルブ133と135、および撥水バルブ153と155とを介して検体301と試薬A303および検体301と試薬B305を第1合流部131および第2合流部151に導くことで、送液のタイミングを一致させることができ、正確な混合比で検体301と試薬A303および検体301と試薬B305を混合することができる。
次に、3つのマイクロポンプ211から撥水バルブの液体保持力を超える圧力(例えば10kPa以上)が同時に加えられると、検体301と試薬A303、および検体301と試薬B305とは、それぞれ第1合流部131および第2合流部151で同時に合流し、第1混合路141および第2混合路161に流れ込んで混合されて第1検出部143および第2検出部163に注入される。
このとき、検体301は分岐部121で、第1高流路抵抗部123aと第2高流路抵抗部125aの抵抗値の比の逆数に従い、1:2の分割比で2つに分割されて送液される。試薬A303および試薬B305は、マイクロポンプ211の送液圧力によって任意の送液量で送液できるので、前述したような所望の送液量で、かつ所望の混合比での混合が可能になる。
なお、流路の断面寸法が数十μmのオーダーの検査チップの場合、流路の内壁面と液体との間に働く毛管力等の相互作用力が送液に大きな影響を与える。このような相互作用力は、流路の内壁面の荒れや内壁面への付着物等といった流路の表面状態の影響を極めて受けやすい。従って、分岐部で液体を所望の分割比で分割しようとしても、このような相互作用力の影響によって分割比のバラツキが生じやすい。
特に、本実施の形態のように、2分割された第1分割路123および第2分割路125の下流部の何れにも撥水バルブ133および153が設けられていて、双方ともに撥水バルブ133および153で一旦液体を止めた後、所望のタイミングで両方を同時に、所定の分割比で再送液する場合は、撥水バルブ133および153の特性バラツキによって、どちらか一方の分割路の撥水バルブだけが先に液体を通過させてしまう場合がある。
例えば、検体301が撥水バルブ133を通過した時に、撥水バルブ153の方は、その撥水力による液体保持圧力で検体301の先端(以下、メニスカス部と言う)が保持されたままであったとすると、その後は、撥水バルブ133の方の第1分割路123にばかり検体301が流れて、撥水バルブ153の方の第2分割路125の検体301は、いつまでたっても撥水バルブ153を超えられないという現象が起こることがある。
上述したような現象を防止する方策として、本発明においては、上述した第1高流路抵抗部123aおよび第2高流路抵抗部125aのいずれかの流路抵抗値、例えば第1高流路抵抗部123aの流路抵抗値をRとして、第1高流路抵抗部123aを含む第1分割路123の検体301の流量をQ、第2分割路125に存在する撥水バルブ153の液体保持圧力の上限値をPとしたとき、以下のように設定することによって解決できることを見出した。
R×Q>P・・・(3式)
第2高流路抵抗部125aの側についても同様である。
ここで、R×Qは、第1高流路抵抗部123の上流側の端と下流側の端との間の差圧に相当する。液体が流れている時の液体の下流のメニスカス部の圧力は大気圧とほぼ等しいので、これは第1高流路抵抗部123aの上流側の端と大気圧との差圧の値がおよそR×Qになることを意味する。そうすると、流路のつながりからみて、撥水バルブ153が検体301のメニスカス部を保持している場合には、撥水バルブ153の両端にR×Qの差圧が加わることになる。したがって、第1高流路抵抗部123aにおけるR×Qの値が撥水バルブ153の液体保持圧力P以上であれば、上記の問題を解決し、撥水バルブ153からも速やかに液体が流れ出して、所望の分割比で送液されるようになる。
具体例として、第1高流路抵抗部123aの流路抵抗値R=40×1012(N・s/m5)であり、第1高流路抵抗部123aが含まれる流路を流れる流量Q=0.15×10-9(m3/s)である。このとき、R×Q=6kPaになり、撥水バルブ153の液体保持圧力の上限値P(=4kPa)よりも大きく設定されている。
なお、マイクロポンプ211の送液圧力の立ち上がりが遅い場合は、流量Qが所定の値に達するのに時間が掛かるために、それまでの間はR×Qの値が想定値以下になってしまい、所定の値に達するまでは一方の流路にしか送液されないという問題が生じるため、マイクロポンプ211の送液の立ち上がり時間はできるだけ短い方が好ましい。
上述した本発明における検査チップ100の第1の実施の形態によれば、複数に分岐された分割流路の各々の流路抵抗値の比を、前記分割流路の各々に分割して送液される液体の前記所定の分割比の逆数と略同一に設定することにより、検体あるいは試薬等の液体を所定の分割比で正確に分割して送液することのできる複数に分岐した分割流路を実現することができ、複数の反応を並列に行うことで分析に要する時間を短縮することができる。
さらに、上述した本発明における検査チップ100の第1の実施の形態によれば、分割路に撥水バルブを設けた場合に、高流路抵抗部の流路抵抗値Rを(3式)を満たすように設定することで、一方の分割路の撥水バルブだけが先に液体を通過させてしまい、他方の分割路にはいつまでたっても液体が通過しない現象を防止することができるので、検体あるいは試薬等の液体を所定の分割比で正確に分割して送液することのできる複数に分岐した分割流路を実現することができ、複数の反応を並列に行うことで分析に要する時間を短縮することができる。
次に、検査チップ100の第1の実施の形態における分割流路の第2の例について、図3を用いて説明する。図3は、分割流路の第2の例を説明するための模式図である。図3には、図2のポンプ接続部107a、検体貯留部101、検体主流路111、分岐部121、第1分割路123、第1高流路抵抗部123a、第2分割路125、第2高流路抵抗部125aに相当する部分を示してある。
もし、第1分割路123および第2分割路125の流路抵抗値を上述したような所定値に設定できるのであれば、「高流路抵抗部」としてわざわざ流路幅を狭くした流路をつける必要もない。そこで、図3に示した例においては、分岐部121の下流に第1高流路抵抗部123aおよび第2高流路抵抗部125aを設けず、他の流路と同様の幅で長さを長くした第1分割路123および第2分割路125を設け、その長さによって流路抵抗値を調整している。
本例では、第1分割路123の長さが第2分割路125の長さの約2倍となっており、これによって、第1分割路123の流路抵抗値を第2分割路125の流路抵抗値の約2倍とすることができる。
上述した分割流路の第2の例によれば、分割路を長くして流路抵抗値を所定値に設定することで、高流路抵抗部を用いることなく、図2に示した第1高流路抵抗部123aおよび第2高流路抵抗部125aを用いた例と同様の働きをさせることができ、同様の効果を得ることができる。
続いて、検査チップ100の第1の実施の形態における分割流路の第3の例について、図4を用いて説明する。図4は、分割流路の第3の例を説明するための模式図である。図4には、検体301を1対2対5に3分割するための分割流路の例を示してあり、図示した範囲は、図3と同様、図2のポンプ接続部107a、検体貯留部101、検体主流路111、分岐部121、第1分割路123、第1高流路抵抗部123a、第2分割路125、第2高流路抵抗部125aに相当する部分である。
図4において、検体貯留部101の下流には検体主流路111が設けられ、検体主流路111の下流には分岐部121が設けられている。分岐部121の下流には同一幅で同一長さの細流路129が8本並列に設けられており、8本の細流路129の下流は、1本の細流路129に接続された第1分割路123、2本の細流路129に接続された第2分割路125および5本の細流路129に接続された第3分割路127が設けられている。この場合、第1分割路123、第2分割路125および第3分割路127に分割される検体301の分割比は、1対2対5となる。
上述した分割流路の第3の例によれば、同一形状の細流路129を複数本並列に設け、必要な分割比に応じて細流路129を並列接続して分割路とすることで、非常に高精度な分割比を実現することができ、図2および図3に示した例と同等以上の高精度な分析や検査を実現することができる。
次に、図2に示した高流路抵抗部および図4に示した細流路の好ましい形状について、図5を用いて説明する。図5は、高流路抵抗部および細流路の好ましい形状を示す模式図である。
図2に示した高流路抵抗部、および図4に示した細流路等の幅の狭い流路199は、前後の流路と同じ深さでもよいし、その部分だけ深さを変えてもよい。深さも浅くすれば、その分流路抵抗が高くなる。
また、高流路抵抗部および細流路の出入口部分は、図5(a)に示すように流路の幅に段差があるような形状でもよいが、図5(a)の形状では、出入口で液体と流路表面との濡れ性の関係で液体のメニスカス部が保持されやすくなりやすいため、前述の「撥水バルブ」と同様の働きをしてしまう可能性がある。そのため、高流路抵抗部および細流路の出入口部分、特に出口部は、図5(b)に示すように、急激な段差をつけずに傾斜部199aを設けて徐々に幅が変わるような形状や、図5(c)に示すように、傾斜部199aに加えて、更に、傾斜部199aの角部を丸めてなだらかにした曲面部199bを設けた形状のほうが好ましい。
次に、本発明における検査チップ100の第2の実施の形態について、図6を用いて説明する。図6は、検査チップ100の第2の実施の形態を示す模式図である。ここでは、図2に示した第1の実施の形態に対して、撥水バルブ133、135、153および155を設けない構成例について説明する。
図2においては、撥水バルブ133、135、153および155を設けた場合に、高流路抵抗部の流路抵抗値Rと、高流路抵抗部を含む分割路の流量Qと、他方の分割路に存在する撥水バルブの液体保持圧力の上限値Pとが(3式)の関係を満たすことが必要であることを説明したが、図6のように撥水バルブ133、135、153および155を設けない場合においても、流路抵抗Rの値は所定値以上が望ましい。
なぜなら、流路の断面寸法が数十μmのオーダーの検査チップの場合、撥水バルブがあっても無くても、流路の内壁面と液体との間に働く毛管力等の相互作用力の影響で液体の分割比がバラツキやすいことには変わりがないからである。流路の毛管力Pcは、流路断面の断面積をS、断面周長をL、送液される液体の表面張力をσ、流路の内壁面と送液される液体のメニスカス部との接触角をθとしたとき、以下の式で表すことができる。
Pc=(σ・L/S)×cosθ・・・(4式)
この時、cosθは流路の内壁面の荒さや内壁面の付着物等で非常にバラツキやすい。このバラツキがあっても分析や検査に影響のない精度で分割送液するためには、少なくとも高流路抵抗部の両端にかかる差圧Pdが、上述した毛管力Pcの最大値σ・L/S以上であることが望ましい。高流路抵抗部の両端にかかる差圧Pdは、上述したように、もう一方の高流路抵抗部の流路抵抗Rと流量Qの積R×Qにほぼ等しいので、
R×Q>σ・L/S・・・(5式)
の関係を満たすように、各高流路抵抗部の流路抵抗値Rを設定することが望ましい。
図2に示した具体例では、第1高流路抵抗部123aの流路抵抗値Rは40×1012(N・s/m5)であり、第1高流路抵抗部123aが含まれる第1分割路123を流れる流量Qは0.15×10-9(m3/s)である。このとき、R×Qの値は6kPaになる。第2分割路125は、流路断面が幅200μm×深さ250μm、送液される液体の表面張力σがほぼ水と同じ73(mN/m)であるので、毛管力Pcの最大値σ・L/Sの値は約1.3kPaとなり、(5式)の関係が成り立っている。
上述した本発明における検査チップ100の第2の実施の形態によれば、分割路に撥水バルブを設けない場合において、(5式)を満たすように高流路抵抗部の流路抵抗値Rを設定することによって、流路の内壁面と液体との間に働く毛管力等の相互作用力に起因する液体の分割比のバラツキの影響を受けずに安定した分割比で分割送液することができ、複数の反応を並列に行うことで、分析や検査に要する時間を短縮することができる。
次に、上述した検査チップ100の第1および第2の実施の形態での送液に用いられるマイクロポンプ211の一例について、図7を用いて説明する。マイクロポンプ211は、アクチュエータを設けた弁室の流出入孔に逆止弁を設けた逆止弁型のポンプなど各種のものが使用できるが、ピエゾポンプを用いることが好適である。図7は、マイクロポンプ211の構成例を示す模式図で、図7(a)はピエゾポンプの一例を示した断面図、図7(b)はその上面図、図7(c)はピエゾポンプの他の例を示した断面図である。
図7(a)および(b)において、マイクロポンプ211は、第1液室408、第1流路406、加圧室405、第2流路407および第2液室409が形成された基板402、基板402上に積層された上側基板401、上側基板401上に積層された振動板403、振動板403の加圧室405と対向する側に積層された圧電素子404と、圧電素子404を駆動するための図示しない駆動部とが設けられている。駆動部と圧電素子404の両面上の2つの電極とは、フレキシブルケーブル等による配線で接続されており、該配線を通じて駆動部の駆動回路により圧電素子404に駆動電圧を印加する構成となっている。駆動時には、第1液室408、第1流路406、加圧室405、第2流路407および第2液室409の内部は、駆動液216で満たされる。
一例として、基板402として、厚さ500μmの感光性ガラス基板を用い、深さ100μmに達するまでエッチングを行うことにより、第1液室408、第1流路406、加圧室405、第2流路407および第2液室409を形成している。第1流路406は幅を25μm、長さを20μmとしている。また、第2流路407は幅を25μm、長さを150μmとしている。
ガラス基板である上側基板401を基板402上に積層することにより、第1液室408、第1流路406、第2液室409および第2流路407の上面が形成される。上側基板401の加圧室405の上面に当たる部分は、エッチングなどにより加工されて貫通している。
上側基板401の上面には、厚さ50μmの薄板ガラスからなる振動板403が積層され、その上に、例えば厚さ50μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)セラミックス等からなる圧電素子404が積層され貼付されている。駆動部からの駆動電圧により、圧電素子404とこれに貼付された振動板403が振動し、これにより加圧室405の体積が増減する。
第1流路406と第2流路407とは、幅および深さが同じで、長さが第1流路406よりも第2流路407の方が長くなっており、第1流路406では、差圧が大きくなると流路の出入り口およびその周辺で乱流が発生し、流路抵抗が増加する。一方、第2流路407では流路の長さが長いので差圧が大きくなっても層流になり易く、第1流路406に比べて差圧の変化に対する流路抵抗の変化割合が小さくなる。すなわち、差圧の大小によって第1流路406と第2流路407との液体の流れ易さの関係が変化する。これを利用して、圧電素子404に対する駆動電圧波形を制御して送液を行っている。
例えば、圧電素子404に対する駆動電圧により、加圧室405の内方向へ素早く振動板403を変位させて、大きい差圧を与えながら加圧室405の体積を減少させ、次いで加圧室405から外方向へゆっくり振動板403を変位させて、小さい差圧を与えながら加圧室405の体積を増加させると、液体は加圧室405から第2液室409の方向(図7(a)のB方向)へ送液される。
逆に、加圧室405の外方向へ素早く振動板403を変位させて、大きい差圧を与えながら加圧室405の体積を増加させ、次いで加圧室405から内方向へゆっくり振動板403を変位させて、小さい差圧を与えながら加圧室405の体積を減少させると、液体は加圧室405から第1液室408の方向(図7(a)のA方向)へ送液される。
なお、第1流路406と第2流路407における差圧の変化に対する流路抵抗の変化割合の相違は、必ずしも流路の長さの違いによる必要はなく、他の形状的な相違に基づくものであってもよい。
上記のように構成されたマイクロポンプ211によれば、ポンプの駆動電圧および周波数を変えることによって、所望する液体の送液方向、送液速度を制御できるようになっている。図7(a)(b)には図示されていないが、第1液室408には駆動液タンク215につながるポートが設けられており、第1液室408は「リザーバ」の役割を演じ、ポートで駆動液タンク215から駆動液216の供給を受けている。第2液室409はマイクロポンプユニット210の流路を形成し、その先にチップ接続部213があり、検査チップと繋がる。
図7(c)において、マイクロポンプ211は、シリコン基板471、圧電素子404、基板474および図示しないフレキシブル配線で構成される。シリコン基板471は、シリコンウエハをフォトリソグラフィ技術により所定の形状に加工したものであり、エッチングにより加圧室405、振動板403、第1流路406、第1液室408、第2流路407、および第2液室409が形成されている。駆動時には、加圧室405、第1流路406、第2流路407、第1液室408、および第2液室409の内部は、駆動液216で満たされる。
基板474には、第1液室408の上部にポート472が、第2液室409の上部にポート473がそれぞれ設けられており、例えばこのマイクロポンプ211を検査チップ100と別体とする場合には、ポート473を介して検査チップ100のポンプ接続部と連通させることができる。例えば、ポート472、473が穿孔された基板474と、検査チップ100のポンプ接続部近傍とを上下に重ね合わせることによって、マイクロポンプ211を検査チップ100に接続することができる。
また、上述したように、マイクロポンプ211は、シリコンウエハをフォトリソグラフィ技術により所定の形状に加工したものであるため、1枚のシリコン基板上に複数のマイクロポンプ211を形成することも可能である。この場合、検査チップ100と接続するポート473の反対側のポート472には、駆動液タンク215が接続されていることが望ましい。マイクロポンプ211が複数個ある場合、それらのポート472は、共通の駆動液タンク215に接続されていてもよい。
上述したマイクロポンプ211は、小型で、マイクロポンプ211から検査チップ100までの配管等によるデッドボリュームが小さく、圧力変動が少ないうえに瞬時に正確な吐出圧力制御が可能なことから、駆動制御部270での正確な送液制御が可能である。
以上に述べたように、本発明によれば、複数に分岐された分割流路の各々の流路抵抗値の比を、前記分割流路の各々に分割して送液される液体の前記所定の分割比の逆数と略同一に設定することにより、検体あるいは試薬等の液体を所定の分割比で正確に分割して送液することのできる複数に分岐した分割流路を実現することができ、複数の反応を並列に行うことで分析に要する時間を短縮することのできるマイクロ総合分析チップおよびマイクロ総合分析システムを提供することができる。
さらに、上述した本発明における検査チップ100の第1の実施の形態によれば、分割路に撥水バルブを設けた場合に、高流路抵抗部の流路抵抗値Rを(3式)を満たすように設定することで、一方の分割路の撥水バルブだけが先に液体を通過させてしまい、他方の分割路にはいつまでたっても液体が通過しない現象を防止することができるので、検体あるいは試薬等の液体を所定の分割比で正確に分割して送液することのできる複数に分岐した分割流路を実現することができ、複数の反応を並列に行うことで分析に要する時間を短縮することのできるマイクロ総合分析チップおよびマイクロ総合分析システムを提供することができる。
尚、本発明に係るマイクロ総合分析チップおよびマイクロ総合分析システムを構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
マイクロ総合分析システムの一例を示す模式図である。 検査チップの第1の実施の形態を示す模式図である。 分割流路の第2の例を説明するための模式図である。 分割流路の第3の例を説明するための模式図である。 高流路抵抗部および細流路の好ましい形状を示す模式図である。 検査チップの第2の実施の形態を示す模式図である。 マイクロポンプの構成例を示す模式図である。
符号の説明
1 検査装置
100 検査チップ
101 検体貯留部
103 試薬A貯留部
105 試薬B貯留部
107a ポンプ接続部
107b ポンプ接続部
107c ポンプ接続部
111 検体主流路
113 試薬A主流路
115 試薬B主流路
121 分岐部
123 第1分割路
123a 第1高流路抵抗部
125 第2分割路
125a 第2高流路抵抗部
127 第3分割路
129 細流路
131 第1合流部
133 撥水バルブ
135 撥水バルブ
141 第1混合路
143 第1検出部
151 第2合流部
153 撥水バルブ
155 撥水バルブ
161 第2混合路
163 第2検出部
199 幅の狭い流路
199a 傾斜部
199b 曲面部
210 マイクロポンプユニット
211 マイクロポンプ
213 チップ接続部
215 駆動液タンク
216 駆動液
217 駆動液供給部
230 加熱冷却ユニット
231 冷却部
233 加熱部
250 検出部
251 発光ダイオード(LED)
253 受光素子(PD)
270 駆動制御部
301 検体
303 試薬A
305 試薬B
401 上側基板
402 基板
403 振動板
404 圧電素子
405 加圧室
406 第1流路
407 第2流路
408 第1液室
409 第2液室
471 シリコン基板
472 ポート
473 ポート
474 基板

Claims (3)

  1. 液体を送液するための主流路と、
    前記主流路から送液された液体を所定の分割比で分割して送液するための複数に分岐された分割流路とを備え、
    複数に分岐された前記分割流路の各々は、流路の一部を前後の流路よりも細く絞って流路抵抗を高めた高流路抵抗部を有し、
    前記高流路抵抗部のうちの何れかの流路抵抗値をR、その高流路抵抗部が含まれる分割流路の流量の値をQとし、
    その他の分割流路の流路の断面積をS、断面の周長をL、送液される液体の表面張力をσとしたとき、
    R×Q>σ×L÷S
    となるように、前記高流路抵抗部のうちの何れかの流路抵抗値Rが設定されていることを特徴とするマイクロ総合分析チップ。
  2. 複数に分岐された前記分割流路の各々は、少なくとも1つの撥水バルブを有し、
    前記高流路抵抗部のうちのいずれかの流路抵抗値をR、その高流路抵抗部を含む分割流路の流量の値をQとし、その他の分割流路の有する撥水バルブの液体保持圧力の上限値をPとしたとき、
    R×Q>P
    となるように前記高流路抵抗部のうちのいずれかの流路抵抗値Rが設定されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ総合分析チップ。
  3. 請求項1または2に記載のマイクロ総合分析チップと、
    前記マイクロ総合分析チップと接続され、前記マイクロ総合分析チップ内において液体を送液するための送液装置と、
    前記マイクロ総合分析チップ上で生成される標的物質を検出する検出部とを備えたことを特徴とするマイクロ総合分析システム。
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