JP2008120685A - エバスチン経口投与用製剤およびその製造方法 - Google Patents

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恵美子 近松
Masaru Mizuno
優 水野
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Abstract

【課題】エバスチンの粗結晶を粉砕することなく、高い溶出性と優れた経時安定性を有する、エバスチンを主薬とする経口投与用製剤を提供すること。
【解決手段】エバスチンおよびヒドロキシプロピルセルロースを溶媒に溶解してなる溶液を、カルメロース、結晶セルロースおよび部分アルファー化デンプンなどの水に難溶性の製剤用添加剤に噴霧し、乾燥させてエバスチン経口投与用製剤を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、エバスチン経口投与用製剤およびその製造方法に関する。
エバスチン(ebastine;4−ジフェニルメトキシ−1−[3−(4−tert−ブチルベンゾイル)プロピル]ピペリジン)は、持続性選択H1受容体拮抗剤であり、呼吸、アレルギー性または心臓血管疾患を治療するために汎用されている。
このエバスチンは、水性媒質に対する溶解性が低いために、これを経口投与した場合、消化管内でエバスチンが溶出しにくいという問題があった。
そこで、エバスチンの溶解性および溶出性の改善を目的とした技術として、特許文献1(特許第3518601号公報)には、エバスチンの粗結晶を微細粉粒化する方法が開示されている。
しかし、エバスチンの融点は84〜87℃と低いため、特許文献1の手法では、エバスチンの融解を防ぐ工夫、すなわち、粉砕工程中に熱を発生させないような工夫が必要であった。
また、特許文献2(特開2006−117535号公報)には、エバスチンを溶媒に溶解後、この溶液にヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはポリビニルピロリドンを溶解または分散し、製剤用添加剤に噴霧し、乾燥することでエバスチンの少なくとも一部を非晶質化する方法が開示されている。
しかし、非晶質形態は一般に不安定であり、経時的に非晶質化度が変化すると、それに伴って溶出性も変化するおそれがある。
特許第3518601号公報 特開2006−117535号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、エバスチンの粗結晶を粉砕することなく、高い溶出性と優れた経時安定性とを有する、エバスチンを主薬とする経口投与用製剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、エバスチンをヒドロキシプロピルセルロースとともに溶媒に溶解し、これを水に難溶性の製剤用添加物に噴霧し、乾燥させることで、高い溶出性と優れた経時安定性とを備えたエバスチン経口投与用製剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. エバスチンおよびヒドロキシプロピルセルロースを溶媒に溶解してなる溶液を、水に難溶性の製剤用添加剤に噴霧し、乾燥させてなることを特徴とするエバスチン経口投与用製剤、
2. 前記製剤用添加剤が、カルメロース、結晶セルロースおよび部分アルファー化デンプンから選ばれる1種または2種以上の混合物である1のエバスチン経口投与用製剤、
3. エバスチンおよびヒドロキシプロピルセルロースを溶媒に溶解して溶液を調製し、この溶液を水に難溶性の製剤用添加剤に噴霧した後、乾燥させることを特徴とするエバスチン経口投与用製剤の製造方法、
4. 前記製剤用添加剤が、カルメロース、結晶セルロースおよび部分アルファー化デンプンから選ばれる1種または2種以上の混合物である3のエバスチン経口投与用製剤の製造方法
を提供する。
本発明によれば、エバスチンの粗結晶を粉砕することなく、高い溶出性と優れた経時安定性を有する、エバスチンを主薬とする経口投与用製剤を得ることができる。特に本発明の製剤では、エバスチンを溶媒に溶解して使用するので、エバスチンの溶出性は、その粒径に影響を受けず、エバスチンを粉砕する必要がない。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係るエバスチン経口投与用製剤は、エバスチンおよびヒドロキシプロピルセルロースを溶媒に溶解してなる溶液を、水に難溶性の製剤用添加剤に噴霧し、乾燥させてなるものである。
ここで、エバスチンとヒドロキシプロピルセルロースとの混合割合は特に限定されるものではないが、エバスチンの溶出性を向上させるという点から、エバスチン:ヒドロキシプロピルセルロース=5:1〜5:5(質量比)が好ましく、特に5:2〜5:4(質量比)が好適である。
エバスチンおよびヒドロキシプロピルセルロースを溶解する溶媒は、これら2成分がともに溶解する溶媒であれば特に制限はなく、例えば、エタノール、メタノール等のアルコール類、アルコール類と塩化メチレンとの混合溶媒などが挙げられるが、経口投与する医薬品という観点から、エタノールが好ましい。
また、溶媒の使用量は、用いるエバスチンおよびヒドロキシプロピルセルロースが溶解し得る量であれば特に限定はないが、エタノールの場合、エバスチンおよびヒドロキシプロピルセルロースの合計質量に対して、30質量倍以上が好ましく、30〜40質量倍がより好ましい。
水に難溶性の製剤用添加剤とは、水に不溶であるか、水を加えるとわずかに溶けるまたは膨潤する性質を持つ、医薬の製剤化に用いられる添加剤をいう。このような添加剤としては、例えば、デンプン類、結晶セルロース、リン酸水素カルシウム、カルメロースおよびその塩、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム等が挙げられるが、特にカルメロース、結晶セルロース、部分アルファー化デンプン、これらの混合物が好適である。
これらの添加剤の添加量は、特に限定されるものではないが、通常、エバスチンとヒドロキシプロピルセルロースとの合計量に対して、3〜10質量倍、好ましくは5〜9質量倍である。
本発明において、エバスチンおよびヒドロキシプロピルセルロースを含む溶液を製剤用添加剤に噴霧する手法は、公知のスプレー法から適宜選択して採用すればよい。
また、乾燥温度は、エバスチンの融点を考慮して、常温から60℃程度とすればよい。
噴霧・乾燥により得られた乾燥物には、必要に応じて、さらに賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤等を加えることができる。
また、本発明のエバスチン経口投与用製剤は、経口投与が可能なものであればその剤形に特に制限はなく、錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤などとすることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、「部」は、「質量部」を意味する。
[実施例1]
結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社製)32部および部分アルファー化デンプン(PCS−10、旭化成ケミカルズ株式会社製)40部を流動層造粒機(フロイント産業株式会社製)に投入し、ここに、エバスチン(株式会社三洋化学研究所製、平均粒径約200μm)5部およびヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達株式会社製)3部をエタノール240部に溶解した溶液を、スプレーにて噴霧して流動層造粒し、55℃で乾燥した。
得られた乾燥物を、42メッシュの篩で整粒し、その80部に、クロスポビドン(Kollidon CL、BASFジャパン株式会社製)4部、およびステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社製)1部を添加・混合し、ロータリー打錠機(畑鉄工株式会社製)にて直径6mm、重量85mgの錠剤を製造した。
[実施例2]
部分アルファー化デンプン40部を流動層造粒機に投入し、ここに、エバスチン5部およびヒドロキシプロピルセルロース3部をエタノール/塩化メチレン(1/1)混合液(W/W)100部に溶解した溶液を噴霧して流動層造粒し、55℃で乾燥した。
得られた乾燥物を、42メッシュの篩で整粒し、その48部に、結晶セルロース32部、カルメロースカルシウム(E.C.G−505、ニチリン化学工業株式会社製)4部、およびステアリン酸マグネシウム1部を添加・混合し、実施例1と同様にして直径6mm、重量85mgの錠剤を製造した。
[実施例3]
カルメロース(NS−300、ニチリン化学工業株式会社製)40部を流動層造粒機に投入し、ここに、エバスチン5部およびヒドロキシプロピルセルロース4部をエタノール240部に溶解した溶液を噴霧して流動層造粒し、55℃で乾燥した。
得られた乾燥物を、42メッシュの篩で整粒し、その49部に、結晶セルロース35部、カルメロースカルシウム4部、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101、フロイント産業株式会社製)1部、およびステアリン酸マグネシウム1部を添加・混合し、実施例1と同様にして直径6mm、重量90mgの錠剤を製造した。
[比較例1]
エバスチン5部、乳糖(ダイラクトーズR、フロイント産業株式会社製)40部、結晶セルロース(セオラスPH302、旭化成ケミカルズ株式会社製)23部、ヒドロキシプロピルセルロース3部、カルメロースカルシウム5部、軽質無水ケイ酸2部、およびステアリン酸マグネシウム2部を混合し、実施例1と同様にして直径6mm、重量80mgの錠剤を製造した。
[比較例2]
エバスチン5部および乳糖(Pharmatose200M、DMVジャパン株式会社製)40.5部を高速攪拌造粒機(株式会社パウレック製)に投入し、ここに、ヒドロキシプロピルセルロース3部をエタノール27部に溶解した溶液を添加して攪拌造粒し、50℃で乾燥した。
得られた乾燥物を、42メッシュの篩で整粒し、その48.5部に、結晶セルロース(セオラスPH302、旭化成ケミカルズ株式会社製)24部、カルメロースカルシウム5部、軽質無水ケイ酸2部、およびステアリン酸マグネシウム0.5部を添加・混合し、実施例1と同様にして直径6mm、重量80mgの錠剤を製造した。
[比較例3]
乳糖(Pharmatose200M、DMV製)44.5部およびポビドン(プラスドンK30、五協産業株式会社製)5部を流動層造粒機に投入し、ここに、エバスチン5部をメタノール240部に溶解した溶液を噴霧して流動層造粒し、55℃で乾燥し、さらにそれを42メッシュの篩で整粒した。
得られた造粒物54.5部、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ株式会社製)20.5部、およびヒドロキシプロピルセルロース4部を高速攪拌造粒機に投入し、水7.7部を添加して攪拌造粒し、40℃で乾燥した。
得られた乾燥物を、42メッシュの篩で整粒し、その79部に、カルメロースカルシウム4部、軽質無水ケイ酸1部、ステアリン酸マグネシウム1部を添加・混合し、実施例1と同様にして直径6mm、重量85mgの錠剤を製造した。
[1]溶出試験
上記実施例1〜3および比較例1〜3で得られた各製剤について、第14改正日本薬局方に規定のパドル法により、毎分50回転の条件で、pH1.2の溶液(日本薬局方崩壊試験の第1液)900mLに対する溶出試験を行った。その結果を図1に示す。
図1に示されるように、実施例1〜3で得られた本発明の製剤は、比較例1〜3の製剤に比べ、速やかな溶出を示すことがわかる。
[2]溶出性の経時変化
(a)14日保存後
実施例1の錠剤を、温度50℃、相対湿度75%の条件で14日間保存したときの溶出性の変化を測定した。第14改正日本薬局方に規定のパドル法により、毎分50回転の条件で、pH1.2の溶液(日本薬局方崩壊試験の第1液)900mLに対する溶出試験を行った。結果を図2に示す。
図2に示されるように、保存前後で溶出性にほとんど変化がないことが確認された。
(b)1〜6ヶ月保存後
実施例1の錠剤を、温度40℃、相対湿度75%の条件で1ヶ月、3ヶ月、および6ヶ月間保存したときの溶出性の変化を測定した。第14改正日本薬局方に規定のパドル法により、毎分50回転の条件で、pH4.0の溶液(Mcilvaine緩衝液)900mLに対する15分後の溶出率を測定した。結果を表1に示す。
表1に示されるように、1〜6ヶ月保存後も、溶出性にほとんど変化がないことが確認された。
実施例1〜3および比較例1〜3で得た製剤の溶出試験結果を示す図である。 実施例1の錠剤を、温度50℃、相対湿度75%の条件で14日間保存したときの溶出性の変化を示す図である。

Claims (4)

  1. エバスチンおよびヒドロキシプロピルセルロースを溶媒に溶解してなる溶液を、水に難溶性の製剤用添加剤に噴霧し、乾燥させてなることを特徴とするエバスチン経口投与用製剤。
  2. 前記製剤用添加剤が、カルメロース、結晶セルロースおよび部分アルファー化デンプンから選ばれる1種または2種以上の混合物である請求項1記載のエバスチン経口投与用製剤。
  3. エバスチンおよびヒドロキシプロピルセルロースを溶媒に溶解して溶液を調製し、この溶液を水に難溶性の製剤用添加剤に噴霧した後、乾燥させることを特徴とするエバスチン経口投与用製剤の製造方法。
  4. 前記製剤用添加剤が、カルメロース、結晶セルロースおよび部分アルファー化デンプンから選ばれる1種または2種以上の混合物である請求項3記載のエバスチン経口投与用製剤の製造方法。
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