JP2008119485A - その場で、または反応性の耐衝撃性が改善されたシリコーン−ウレアまたはシリコーン−ウレタン結合を持つ、ゴルフボール用組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コアとカバーとを含むゴルフボールであって、該ゴルフボールの少なくとも一部が、シリコーンおよびウレア結合、ウレタン結合、またはウレア結合とウレタン結合との組合せを含む、第一の成分;および耐衝撃性ポリマーを含む組成物から形成されたものであることを特徴とする、上記ゴルフボール。
【選択図】なし
Description
本特許出願は、現在継続中の、2006年3月13日付で出願された、米国特許出願第11/373,264号の一部継続出願であり、また該米国特許出願は、2004年5月11日付で出願された、米国特許出願第10/843,017号(現米国特許第7,037,217号)の一部継続出願であり、また該米国特許出願は、2002年10月21日付で出願された、米国特許出願第10/277,154号(現米国特許第6,739,987号)の一部継続出願であり、また後者は、2001年10月22日付で出願された、米国仮特許出願第60/348,496号に関する優先権を主張している。これら特許出願の、全開示事項を、参考としてここに組入れる。
本発明は、その場で改善されたシリコーンウレアおよび/またはその場で改善されたシリコーンウレタンポリマーを、ゴルフ用具構成部品において使用して、ゴルフクラブと接した際に、改善された耐衝撃性を持たせることに関連する。本発明は、更にシリコーン-ウレアまたはシリコーン-ウレタン結合を持つ反応性ポリマーアロイおよび耐衝撃性ポリマーおよびオリゴマーにも関連する。
例えば、バラタから製造されたゴルフボールは、競技者が、特に短いショットに関する、ボールの方向および飛距離を調節するのに十分なスピン速度を達成することを可能とする。しかし、バラタカバーは、容易に損傷を受ける。逆に、イオノマー樹脂から製造したゴルフボールのカバーは、より高い耐久性と全体的な飛距離を与えるが、バラタで被覆されたボールの持つ、スピンおよび感触の点で不足している。また、イオノマーで被覆されたゴルフボールとは違って、ポリウレタンで被覆されたゴルフボールは、バラタで被覆されたゴルフボールの持つソフトな「感触」を持つように処方できるが、ポリウレタン製のゴルフボールカバーは、今日まで、該ゴルフボールカバーのレジリエンスまたは跳ね返りに関して、イオノマーで被覆されたゴルフボールと十分に適合していない。更に、ポリウレタンで被覆されたゴルフボールは、黄変(芳香族成分の使用による)および水分を吸収し易いものとなる可能性がある。塗料および水分遮断層を使用して、ポリウレタンで被覆されたボールにおける該黄変および水分吸収を抑制することができる。
更に、従来のポリウレア組成物は、制御不能な反応速度、不均一な混合物、貧弱な接着性、収縮性および最適でない耐薬品性等を包含する、ゴルフ用具における用途に対しては望ましくない、幾つかの特性を持つ。例えば、従来のポリウレア組成物の反応時間は、急速変動性である。即ち、脂肪族イソシアネートおよび脂肪族アミンは反応し、また約5秒間でゲル化することができ、このことは該組成物生成の調節を困難にしている。更に、幾つかの反応が、ポリウレア組成物中で発生して、不均一な混合物の生成をもたらす可能性がある。例えば、第一の反応が、高度に反応性の成分間で起り、その後反応性の低い成分間で起る可能性がある。この不均一特性は、得られる組成物の仕上がり、特性、およびコンシステンシーに影響を与える可能性がある。更に、該アミンとイソシアネートとの間の迅速な反応は、一般的に該ポリウレアが、基質に浸透し、かつ接着するに十分な時間を与えない。
様々な材料に関する、上で論じた独立の利点および欠点に照らして、個々の材料各々の好ましい特性を、ゴルフボールにおいて使用する組成物に配合することが有利であり、結果として各材料の強度を最大にし、かつその弱点を最小にすることができる。例えば、当分野においては、制御可能な反応速度、均一な特性、および高い耐久性並びに耐衝撃性を持つ、ポリウレアを主成分とするまたはポリウレタンを主成分とする組成物に対する需要がある。本発明は、ポリマーアロイ生成およびブレンド生成を通して、これらの要求を扱うことを意図する。
本発明は、またコアとカバーとを含むゴルフボールを提供するものであり、該ゴルフボールにおいて、該カバーは、a) (i) イソシアネートと、(ii) アミノ-末端を持つ成分、ヒドロキシ-末端を持つ成分、またはこれらの組合せの反応生成物を含む第一の成分; b) シリコーンを含む第二の成分;およびc) 耐衝撃性ポリマーを含む、第三の成分を含む組成物から形成されたものである。
一態様において、該第一成分は飽和状態にある。もう一つの態様において、該組成物は、更にアミノ-末端を持つ硬化剤、ヒドロキシ-末端を持つ硬化剤、またはこれらの組合せを含む。
該組成物は、以下の結合からなる:
本発明の組成物は、様々なゴルフ用具において使用できる。例えば、ゴルフボールの様々な構造層を、本発明の組成物から製造することができ、また他のゴルフ用具構成部品、例えばクラブヘッドおよびシューズのインサートをも製造できる。更に、本発明の組成物は、被覆並びに医療および自動車用途において使用することも意図されている。
上で一般的に議論したように、本発明の組成物は、一般的にウレタン結合、ウレア結合、またはウレア結合とウレタン結合との組合せを含むポリマーアロイを主成分とするものである。例えば、本発明の組成物は、芳香族または脂肪族ウレタンまたはウレアセグメントを含む。更に、多くのシリコーンが、低い硬さおよび低いモジュラスの値を有し、従ってシリコーンのポリウレタンまたはポリウレア組成物への配合は、追加の柔軟性をもたらす。該シリコーンは、該ポリマーの骨格と共におよび/または共有結合で結合した末端基またはグラフトとして存在し得る。シリコーンで変性したウレタンまたはウレアは、更に耐衝撃性ポリマーによって変性される。
本発明の組成物を製造するのに使用する各成分を、以下においてさらに詳細に議論する。更に、該組成物を製造するための様々な方法を与える。
2またはそれ以上、例えば2〜4個のイソシアネート基を持ち、有機基に結合したあらゆるイソシアネートを、本発明のプレポリマーの製造のために使用することができる。本発明において使用するのに適したイソシアネートの一般式は、以下の通りである:
R-(NCO)x
ここでRは、原子価xを持つ任意の有機基である。一態様において、Rは、直鎖または分岐鎖の炭化水素部分、非-環式基、環式基、ヘテロ環式基、芳香族基、フェニル基、ヒドロカルビレン(hydrocarbylene)基、またはこれらの混合物である。例えば、Rは、約6〜約25個の、好ましくは約6〜約12個の炭素原子を持つヒドロカルビレン基であり得る。もう一つの態様において、Rは、置換されたまたは置換されていない基である。例えば、幾つかの場合において、該環式または芳香族基は、2-、3-および/または4-位において、あるいはo-、m-および/またはp-位において、夫々置換されていてもよい。置換基は、ハロゲン原子、一級、二級または三級炭化水素基、またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
該イソシアネートは、有機ポリイソシアネート末端を持つプレポリマー、低遊離イソシアネートプレポリマー、およびこれらの混合物であり得る。該イソシアネート-含有反応性成分は、また任意のイソシアネート官能性モノマー、ダイマー、トリマー、またはこれらのポリマーアダクト、プレポリマー、擬似プレポリマー、またはこれらの混合物を含むことができる。一態様において、トリイソシアネートは、最終的に上記硬化剤によって3-次元架橋をもたらす、プレポリマーを生成するのに使用される。
以下においてより詳しく論じられるように、アミノ-末端および/またはヒドロキシル-末端を持つ成分を使用して、該イソシアネートにおけるNCO基と、少なくとも部分的に反応させて、ウレア結合、ウレタン結合、またはこれらの組合せを生成することができる。例えば、アミノ-末端を持つ成分とイソシアネートとの間の反応は、ウレア結合を形成し、一方でヒドロキシル-末端を持つ成分とイソシアネートとの間の反応は、ウレタン結合を生成する。
アミノ-末端を持つ成分
当業者が入手できる任意のアミノ-末端を持つ成分が、該イソシアネート-反応性成分として使用するのに適している。このアミノ-末端を持つ成分は、アミノ-末端を持つ炭化水素、アミノ-末端を持つポリエーテル、アミノ-末端を持つポリエステル、アミノ-末端を持つポリカーボネート、アミノ-末端を持つポリカプロラクトン、およびこれらの混合物を含むことができる。該アミノ-末端を持つ成分は、第一アミン(NH2)または第二アミン(NHR)の状態であり得る。該アミノ-末端を持つ成分は、飽和または不飽和状態のものであり得る。一態様において、該アミノ-末端は飽和状態であり得る。
一態様において、該アミノ-末端を持つ化合物は、以下の一般的な構造を有する、アミノ-末端を持つ炭化水素を包含する:
H2N-[CnH2n]x-NH2; H2N-[CnH2n]x-NHR;またはRHN-[CnH2n]x-NHR
ここで、xは、鎖長であり、即ち1以上であり、nは好ましくは約1〜約12なる範囲にあり、またRは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物である。
H2N-[CnH2nO]x-CnH2n-NH2; H2N-[CnH2nO]x-CnH2n-NHR;またはRHN-[CnH2nO]x-CnH2n-NHR
ここで、xは、鎖長であり、即ち1以上であり、nは好ましくは約1〜約12なる範囲にあり、またRは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物である。アミノ-末端を持つポリエーテルの一例は、ポリエーテルアミンである。しかし、イソシアネートとアミンとの迅速な反応および多くのウレア生成物の不溶性のために、ジアミンおよびポリエーテルの選択は、ポリウレアプレポリマーを首尾よく生成し得るものに制限されてしまう。一態様において、該ポリエーテル骨格は、テトラメチレン、プロピレン、エチレン、トリメチロールプロパン、グリセリン、およびこれらの混合物を基本とするものである。
更に、該アミノ-末端を持つ成分は、以下の一般的な構造を有する、アミノ-末端を持つポリエステルをも含む:
H2N-[R1CO2R2CO2]x-R1-NH2;H2N-[R1CO2R2CO2]x-R1-NHR;またはRHN-[R1CO2R2CO2]x-R1-NHR
ここで、xは、鎖長であり、即ち1以上、好ましくは約1〜約20なる範囲内であり、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物であり、R1およびR2は、直鎖または分岐した炭化水素鎖、例えばアルキルまたはアリール鎖である。
もう一つの態様において、該アミノ-末端を持つ成分は、以下の一般式の一つで表される、アミノ-末端を持つポリカーボネートであり得る:
アミノ-末端を持つポリアミンも、イソシアネート成分と反応させて、ウレア結合を生成することができる。適当なアミノ-末端を持つポリアミンは、以下のような構造を持つものを含むが、これらに限定されない:
追加のアミノ-末端を持つ化合物も、本発明の該プレポリマーの製造において有用であり、その例はポリ(アクリロニトリル-co-ブタジエン);液状またはワックス状固体形状にある、ポリ(1,4-ブタンジオール)ビス(4-アミノベンゾエート);直鎖または分岐したポリエチレンイミン;約500〜約30,000なる範囲の平均分子量を持つ、低および高分子量ポリエチレンイミン;約200〜約5,000なる範囲の平均分子量を持つ、ポリ(プロピレングリコール)ビス(2-アミノプロピルエーテル);約200〜約2,000なる範囲の平均分子量を持つ、ポリテトラヒドロフランビス(3-アミノプロピル)末端を持つもの;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。これら全ては、ウイスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチ(Aldrich)社から入手できる。従って、一態様において、本発明のプレポリマーは、以下の構造式の一つで表される、ポリ(アクリロニトリル-co-ブタジエン)を含む:
もう一つの態様において、該プレポリマーは、以下の構造式の一つで表される、ポリ(1,4-ブタンジオール)ビス(4-アミノベンゾエート)を含む:
更に別の態様では、該プレポリマーは、以下の構造式の一つで表される、直鎖または分岐したポリエチレンイミンの少なくとも1種を含む:
更に別の態様において、本発明の該プレポリマーは、以下の構造式の一つで表される、ポリテトラヒドロフランビス(3-アミノプロピル)末端を持つ化合物を包含する:
疎水性セグメントを主成分とするアミノ-末端を持つ成分を使用することによって、本発明の組成物は、アミノ-末端を持つ親水性セグメントによって形成した組成物よりも、耐水性がより高いものとなり得る。従って、一態様において、該アミノ-末端を持つ化合物は、疎水性骨格、例えば不飽和または飽和炭化水素を主成分とする、アミノ-末端を持つ化合物を含む。アミノ-末端を持つ炭化水素の一例は、アミノ-末端を持つポリブタジエンである。
ヒドロキシ-末端を持つ成分も、本発明の該イソシアネート-反応性成分として使用するのに適したものである。適当なヒドロキシ-末端を持つ成分は、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、炭化水素ポリオール、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。該ヒドロキシ-末端を持つ成分は、芳香族または脂肪族(飽和)であり得る。しかし、該ヒドロキシ-末端を持つ成分が、飽和でない場合には、該硬化された組成物は、好ましくは光安定剤を含む。
本発明において使用するための、適当なポリエーテルポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG);ポリテトラメチレンエーテルグリコールと2-メチル-1,4-ブタンジオールとのコポリマー(PTG-L);ポリ(オキシエチレン)グリコール;ポリ(オキシプロピレン)グリコール;エチレンオキシドキャップ(ポリオキシプロピレン)グリコール;ポリ(オキシプロピレンオキシエチレン)グリコール;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
適当なポリエステルポリオールは、ポリエチレンアジペートグリコール;ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール;ポリブチレンアジペートグリコール;ポリエチレンブチレンアジペートグリコール;ポリヘキサメチレンアジペートグリコール;ポリヘキサメチレンブチレンアジペートグリコール;o-フタレート-1,6-ヘキサンジオールポリエステルポリオール;ポリエチレンテレフタレートポリエステルポリオール;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
炭化水素ポリオールは、ヒドロキシ-末端を持つ液状イソプレンゴム(LIR)、ヒドロキシ-末端を持つポリブタジエンポリオール、ヒドロキシ-末端を持つポリオレフィンポリオール、ヒドロキシ-末端を持つ炭化水素ポリオール、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
本発明に従って使用できる他のポリオールは、グリセロール;ヒマシ油およびその誘導体;ポリテール(Polytail) H;ポリマーリテールHA;クラトン(Kraton)ポリオール;アクリル系ポリオール;カルボン酸、スルホン酸または燐酸根を基本とする、酸官能化されたポリオール;飽和二量体化脂肪酸から転化された、ダイマーアルコール;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
疎水性骨格を基本とするポリオールを用いることにより、本発明のポリウレタン組成物は、疎水性骨格のないポリオールを含む、ポリウレタン組成物よりも高い耐水性を持つことができる。疎水性骨格を基本とするポリオールの幾つかの非-限定例は、炭化水素ポリオール、ヒドロキシ-末端を持つポリブタジエンポリオール、ポリエーテル、ポリカプロラクトン、およびポリエステルを含む。
シリコーンを含有する成分も、本発明によるイソシアネート-反応性成分として使用することを意図する。ここで言うシリコーンなる用語は、合成ポリマーおよび:(RnSiO(4-n)/2))m (ここで、nは1〜3であり、またmは2以上である)を表す。シリコーンは、繰返しSi-O骨格を含み、またSi-C結合によって、かなりの割合の該珪素原子に結合した有機基Rを持つ。市販品として入手できるシリコーンにおいて、殆どのRは、メチル、より長いアルキル、フルオロアルキル、フェニル、およびビニル基であるが、Rはまた水素、塩素、アルコキシ、アシルオキシ、アルキルアミノ、またはこれらの組合せであってもよい。一般に縮合型の反応により生成される、シリコーンホモポリマー、シリコーンランダムコポリマー、およびシリコーン-有機(ブロック)コポリマーは、本発明での使用を意図している。事実、適当なシリコーンは、直鎖、分岐、および架橋された構造を含むことができる。
該シリコーン-含有成分は、また少なくとも一つのイソシアネート基と反応するための、少なくとも一つの官能基、即ちアミノまたはヒドロキシル基を含むか、あるいは別法では、該イソシアネート-ドナー成分と反応する前に、アミノまたはヒドロキシル基と反応するためのエポキシ基を含む。当業者は、予め含まれていない場合に、所定の官能性をシリコーン成分に付加するための様々な方法を理解するであろう。
1以上のシリコーン単位、即ち:
ここで使用する用語「置換または無置換アルキル」とは、任意の置換または無置換の非-環式炭素-含有基を意味する。アルキル基の例は、低級アルキル基、即ちC1-C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、およびイソプロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル等を含む、これらの異性体);高級アルキル基、即ち7個以上の炭素原子を含むアルキル基(例えば、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等);アルケニル(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノルボルネニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル等);およびアルキニル(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノルボルニニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル等)を包含する。当業者は、本発明の範囲内の直鎖および分岐アルキル基の様々な構成については馴染みがあるであろう。
ここで使用する「シクロアルキル」とは、環式炭素-含有基であり、一つのリング(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル)、または単一の炭素原子において融合した、2以上のリング(スピロリング、例えばシクロペンタンスピロシクロブタン、シクロヘキサンスピロシクロペンタン)または2以上の炭素原子において融合したリング(例えば、アダマンチル、cis-またはtrans-デカリン)等を含むことができる、環状C3-C20基を含むが、これらに限定されない。このようなシクロアルキル基は、また様々な置換基を含むことができ、該置換基の1またはそれ以上の水素原子は、官能基によって置換されている。このような官能基は、上記のもの、および1-28個の炭素原子を持つアルキル基を含む。本発明の環式基は、更に1またはそれ以上のヘテロ原子、例えばO、SまたはNを含むことができる。更に、このようなシクロアルキル基は、1またはそれ以上の二重または三重結合を含むことができ、例えばシクロヘキセニルまたはシクロヘキシニル基であり得、また1またはそれ以上の二重結合を含む非-芳香族シクロアルキル基を含み、例えばシクロプロパジエニル、シクロペンタジエニル、シクロヘプタジエニル等であり得る。
例えば、適当なシリコーン-含有成分は、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)、1,3-ビス(3-アミノプロピル)-テトラメチル-ジシロキサン、1,4-ビス(3-アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、ポリ(スチレン-ジメチルシロキサン)ジ-ブロックポリマー(PS-PDMS)、テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。PDMSは、以下に示す一般的な構造を持つ:
本発明で使用するのに適した、ヒドロキシル末端基を持つシリコーン-含有成分の更なる例は、以下の構造式I(a)で示される:
更に、該シリコーン単位は、一般的には「エポキシ」官能性とも呼ばれる、オキシラン官能性を持つ成分中に組込むことができる。当業者には公知である如く、該オキシラン官能性は、以下の構造を含む、任意の適当な化合物から得ることができる:
特に、該オキシラン官能性は、シリコーン成分と、上で論じたものを包含する、任意のオキシラン官能性成分との反応により達成できる。例えば、本発明によるエポキシ-シリコーンプリカーサは、化学量論的に過剰量のエポキシドと、一般に上記I(a)で表されるシロキサンとを反応させることにより製造できる。得られる構造の非-限定例は、以下の構造式I(b)で示される:
一旦、エポキシ-シリコーンプリカーサを生成すれば、該エポキシリングを、アミノ-末端を持つ成分と反応させて、アルコールおよびアミンを形成することができる。アミノ-末端を持つ成分とエポキシ官能性を持つプリカーサとの、一般的な反応式は、以下に示す通りである:
更に、任意のヒドロキシル-末端を持つシリコーン-含有成分は、触媒の存在下で、ヒドロキシル-末端を持つ成分と反応して、エーテル結合を生成することができる。本発明の目的にとって、この型のイソシアネート-反応性成分を、ここではエーテルアダクトと呼ぶ。特に、ヒドロキシル-末端を持つシリコーン-含有成分は、酸触媒の存在下で、ヒドロキシル-末端を持つ成分と反応することができ、この反応はエーテルリングを開環して、アルコールを生成し、結果として適当なイソシアネート-含有成分と反応することができる。
典型的には、該シリコーン-含有成分の含有率は、全コポリマーまたはブロックコポリマーの質量を基準として、約1〜約95質量%なる範囲、好ましくは約5〜約50質量%なる範囲、より好ましくは約10〜約40質量%なる範囲、および最も好ましくは約15〜約30質量%なる範囲にある。ここに掲載する全ての範囲の値は互換性があり、新たな範囲を形成することを可能とする。例えば、本発明は、また約1〜約30質量%なる範囲、約5〜約15質量%なる範囲、および約40〜約95質量%なる範囲の、シリコーン-含有成分の含有率を含む。
上で簡単に論じたように、また以下においてより詳しく議論する如く、本発明の該シリコーン-変性ウレタンおよびウレアを、耐衝撃性ポリマーによって更に変性して、ポリマーアロイを製造する。本発明で使用するのに適した耐衝撃性ポリマーは、エチレン-n-ブチルアクリレート/グリシジルアクリレート、エチレン-n-ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレート、マレイン酸無水物でグラフトした、エチレン/ブテンコポリマー、マレイン酸無水物でグラフトした、エチレン/ヘキセンコポリマー、マレイン酸無水物でグラフトした、エチレン/オクテンコポリマー、メタロセンを基本とするエチレン/ブテン/マレイン酸無水物、スチレン/エチレン/ブテン/マレイン酸無水物、エチレン-n-ブチルアクリレート/一酸化炭素、酸性コポリマー、化学的に変性されたエチレン/プロピレンゴム、EPDM(即ち、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー)ゴム、ABS(即ち、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)、MBS(即ち、メタクリレート/ブタジエン/スチレン)、HIPS(即ち、高耐衝撃性ポリスチレン)、エチレン/酢酸ビニル/マレイン酸無水物、ASA(即ち、アクリレート/スチレン/アクリロニトリル)、ポリフェニレンおよびポリスチレンエーテル、ポリエーテル/スチレン/マレイン酸無水物、α-メチルスチレン/スチレン、およびこれらのブレンドを含むが、これらに限定されない。
本発明の組成物は、様々な方法で製造することができる。例えば、変性したシリコーンウレタンまたはシリコーンウレアは、ワンショット法を利用して、あるいはプレポリマー法を利用する、多段合成によって製造することができる。本発明の組成物を製造するのに、何れの方法を利用することもできるが、該プレポリマー法は、化学反応の良好な制御性を与え、また結果として、生成する組成物に、より均一な特性を与えることができる。更に、本発明の組成物は、公知の押出法、射出成型法、反応射出成型法、圧縮成型法、注入成型法、またはこれらの組合せを含む、様々な周知法によって、製造することができる。
該ワンショット法は、該イソシアネート、該ヒドロキシル-末端を持つまたはアミノ-末端を持つ化合物(またはこれらの組合せ)、シリコーン-含有成分、および該耐衝撃性ポリマーを、一段階で反応させる。この方法の一変法は、該イソシアネート、該ヒドロキシル-末端を持つまたはアミノ-末端を持つ化合物(またはこれらの組合せ)、およびシリコーン-含有成分を一段階で反応させて、シリコーンウレタンまたはシリコーンウレアを製造し、次いで該シリコーンウレタンまたはシリコーンウレアを該耐衝撃性ポリマーと共に押出して、所定のポリマーアロイを生成する。
本発明の組成物を如何なる型の方法で製造するかとは無関係に、イソシアネート対アミンまたはヒドロキシル基の、1:1なる化学量論比が、完全に硬化された組成物を与える。別法において、化学量論的に過剰量のイソシアネートが、該プレポリマーの生成後に存在する、即ちイソシアネート末端基が依然として存在する場合、次に該プレポリマーを、更に硬化剤と反応させるか、あるいは水分により硬化させる。本発明のこの局面において、追加の硬化剤を使用して、該シリコーン-含有成分との反応後に残されている、あらゆる過剰量のイソシアネート硬化させることができる。適当な硬化剤は、脂肪族、芳香族、または芳香-脂肪族アミノ-末端またはヒドロキシル-末端を持つ硬化剤またはこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。
適当なヒドロキシル-末端を持つ硬化剤は、エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;2-メチル-1,3-プロパンジオール;2-メチル-1,4-ブタンジオール;ジプロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;1,2-ブタンジオール;1,3-ブタンジオール;1,4-ブタンジオール;2,3-ブタンジオール;2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール;トリメチロールプロパン;シクロヘキシルジメチロール;トリイソプロパノールアミン;N,N,N',N'-テトラ-(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン;ジエチレングリコールビス(アミノプロピル)エーテル;1,5-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン;1,4-シクロヘキシルジメチロール;1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]シクロヘキサン;1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}シクロヘキサン;ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG);レゾルシノール-ジ(β-ヒドロキシエチル)エーテルおよびその誘導体;ヒドロキノン-ジ(β-ヒドロキシエチル)エーテルおよびその誘導体;1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3-ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;N,N-ビス(β-ヒドロキシプロピル)アニリン;2-プロパノール-1,1'-フェニルアミノビス;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
従って、本発明の目的にとって、純粋なシリコーンウレア組成物は、以下の代表的なウレア結合のみを含有する:
パーシル(PurSilTM)およびカルボシル(CarboSilTM)を含む組成物の材料特性を、以下の表に記載する:
組成物の添加剤
ポリウレタンを主成分とする組成物およびポリウレアを主成分とする組成物において、従来含められていた付随的な材料を、上で議論した任意の段階で、本発明の組成物に添加することができる。例えば、当業者には公知の如く、ポリマーアロイは、一般に数種の非類似のポリマー成分、即ち通常は混合しないはずの化合物を含む。故に、本発明の組成物は、各基本ポリマーの所定の特性を犠牲にすることなく、2種の不混和性のポリマーのブレンドを容易にするための相溶化剤の使用に基く利点を持つことができる。相溶化剤の適当な例は、マレイン酸無水物でグラフトした、エチレン-オクテンコポリマー、エチレン、アルキルアクリレートまたはメタクリレートのコポリマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
典型的には、該組成物の全量を基準として、約0〜約0.04質量%なる範囲の、低濃度での錫触媒の使用は、適当な反応速度を達成するために、高い温度の使用を必要とし、これは上記プレポリマーの分解に導く可能性がある。従来よりも高い濃度まで、該触媒の量を高めることにより、匹敵する硬化段階を維持しつつ、加工温度を減じることが可能となる。より高い触媒濃度の使用は、混合速度を減じることをも可能とする。従って、一態様において、該錫触媒は、該組成物を基準として、約0.01〜約0.55質量%なる範囲の量で存在する。もう一つの態様においては、約0.05〜約0.4質量%なる範囲の量の錫触媒が該組成物中に存在する。更に別の態様において、該錫触媒は、約0.1〜約0.25質量%なる範囲の量で存在する。
酸化防止剤、安定化剤、軟化剤、内部および外部可塑剤を包含する、可塑剤、例えばカプロラクトンまたはカプロラクタム、耐衝撃性改良剤、発泡剤、密度調節用フィラー、および強化材料を、本発明の任意の組成物に添加することができる。当業者は、これら添加物の使用目的、またこれらの目的を満たすために使用すべきその量を認識しているはずである。
例えば、フィラーは、レオロジーおよび混合特性、比重(即ち、密度-改善フィラー)、モジュラス、引裂き強さ、補強等に影響を与えるために、本発明の該ポリウレタンおよびポリウレア組成物に添加することができる。これらのフィラーは、一般に無機フィラーであり、また適当なフィラーは、多数の金属、金属酸化物および塩、例えば酸化亜鉛および酸化錫、並びに硫酸バリウム、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、クレー、タングステン、炭化タングステン、一連のシリカ、リグラインド(典型的には、約30メッシュの粒子に粉砕された、再生コア材料)、高ムーニー粘度ゴムリグラインド、およびこれらの混合物を包含する。
フィラーは、また該コアの、あるいは特殊なボール、例えば、低スイングスピードの競技者にとって好ましい、低質量をもつボールの少なくとも一つの追加の層の質量を改善するために使用することができる。
有用な発泡剤は、有機発泡剤、例えばアゾビスホルムアミド;アゾビスイソブチロニトリル;ジアゾアミノベンゼン;N,N-ジメチル-N,N-ジニトロソ-テレフタルアミド;N,N-ジニトロソペンタメチレン-テトラミン;ベンゼンスルホニル-ヒドラジド;ベンゼン-1,3-ジ-スルホニルヒドラジド;ジフェニルスルホン-3,3-ジスルホニルヒドラジド;4,4'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド;p-トルエンスルホニルセミカルバジド;バリウムアゾジカルボキシレート;ブチルアミンニトリル;ニトロウレア;トリヒドラジノトリアジン;フェニル-メチルウランタン(uranthan);p-スルホニルヒドラジド;パーオキシド;および無機発泡剤、例えば重炭酸アンモニウムおよび重炭酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。空気、窒素、二酸化炭素等のガスを、射出成型工程中に、該組成物に吹込むことも可能である。
射出成型または圧縮成型の何れかを使用して、発泡されたポリマー材料を含む層を生成し得る。例えば、本発明の組成物は、熱成型することができ、また結果として圧縮成型することができる。圧縮成型し、グラフトし、メタロセン触媒を用いて得たポリマーブレンド層に関連して、従来のハーフシェル鋳型内で、グラフトし、メタロセン触媒を用いて得たポリマーブレンドを射出成型により、あるいは発泡させ、グラフトし、メタロセン触媒を用いて得たポリマーのシートを、圧縮成型することにより、ハーフシェルを製造できる。該ハーフシェルを、前もって成型した中心またはコア、カバー、またはマントル層の回りに配置し、またこのアセンブリーを、圧縮成型装置に導入し、約121〜204℃(約250〜400°F)なる範囲の温度にて、圧縮成型する。次いで、この成型したボールを、該鋳型内に維持したまま冷却し、該グラフトし、メタロセン触媒を用いて得たポリマーブレンドの層が、変形なしに扱うのに十分に硬くなった際に、該鋳型から取り出す。必要ならば、完全なボールが形成されるまで、追加のコア、マントル、およびカバーを、前に成型した層上に成型により形成する。
故に、本発明の組成物は、そこに含まれる不飽和成分に起因する重大な黄変を回避するために、少なくとも1種の光安定化成分を含むことができる。光安定化剤の使用は、例えば約15以上の黄色度(ΔY)における差を持つ組成物にとって好ましく、また約12〜約15なる範囲の黄色度における差を持つ組成物に添加することも可能である。ここで使用する光安定化剤は、ヒンダードアミン光安定化剤、紫外線(UV)吸収剤、および酸化防止剤を含むものと理解することができる。
上で論じたように、染料並びに蛍光増白剤および蛍光顔料を、本発明によって製造したポリマーを用いて作成したゴルフボールカバーに含めることができる。このような付随的な成分は、その所定の目的を達成し得る任意の量で添加することができる。
本発明の組成物は、好ましくは約1〜約100%なる範囲の、本発明の該変性されたシリコーンウレタンまたはウレアを含むが、該組成物は、他の材料とブレンドすることもできる。一態様において、該組成物は、約10〜約90%なる範囲の量、好ましくは約10〜約75%なる範囲の量で、該変性されたシリコーンウレタンまたはウレアを含み、また約90〜約10%なる範囲の量、より好ましくは約90〜約25%なる範囲の量で、以下に論じるような、他のポリマーおよび/または他の材料を含む。ここにおいて特に述べない限り、全ての%は、問題とするゴルフボール層の全組成物の質量を基準とするものである。
本発明の組成物とブレンドするのに適した他のポリマー材料は、注型適正のある熱可塑性樹脂、カチオン性およびアニオン性ウレタンイオノマー、およびウレタンエポキシ樹脂、ポリウレタンイオノマー、ポリウレアイオノマー、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミドおよびポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリリン(polyacrylin)、シロキサンおよびエポキシ樹脂またはそのブレンド、およびこれらの混合物を包含する。当業者は、本発明の組成物とこれらポリマー材料とのブレンド法については、十分に認識しているであろう。
本発明の組成物は、任意の型のボール構成と共に使用することができる。例えば、本発明では、ワンピース、ツーピース、スリーピース、およびフォーピース設計のゴルフボールを含むが、これらに限定されず、更に、該ボールの所定の性能の型に依存して、二重コア、二重カバー、中間層、多重コア、および/または多層カバーを持つゴルフボールをも含む。即ち、本発明の組成物は、ゴルフボールのコア、中間層、および/またはカバーにおいて使用でき、これら各々は、単一層または多重層を含むことができる。ここで使用する用語「多(重)層」とは、少なくとも2つの層を意味する。
本発明において使用できるボール構成の適当な型の、非限定的な例は、米国特許第6,056,842号、同第5,688,191号、同第5,713,801号、同第5,803,831号、同第5,885,172号、同第5,919,100号、同第5,965,669号、同第5,981,654号、同第5,981,658号および同第6,149,535号;並びに公開第US2001/0009310 A1号、同第US2002/0025862号、および同第US2002/0028885号に記載されているものを包含する。これら特許および公開特許出願の全開示事項を、ここに参考として組入れる。
本発明によって作られるゴルフボールのコアは、中実(固体)、半-固体、中空、流体-充填、または粉末-充填式、ワンピースまたは多成分コアであり得る。上記の如く、該コアは、本発明の組成物を含むように生成される。別法において、該コアは、当業者には公知の、任意の従来の材料から製造することができる。例えば、ゴム、スチレンブタジエン、ポリブタジエン、イソプレン、ポリイソプレン、trans-イソプレン等の熱硬化性材料、並びにイオノマー樹脂、ポリアミドまたはポリエステル等の熱可塑性材料、および熱可塑性並びに熱硬化性ポリウレタンエラストマーを使用して、該コアを製造することができる。
一態様において、該ゴルフボールコアは、基本となるゴム(天然、合成、またはこれらの組合せ)、架橋剤、およびフィラーを含む組成物から製造する。もう一つの態様において、該ゴルフボールコアは、cis-trans触媒、ポリブタジエンを含むレジリエンスポリマー成分、遊離基源、および場合により架橋剤、フィラーまたは両者を含む反応生成物から製造する。様々なポリマーの組合せ、cis-trans触媒、フィラー、架橋剤、および遊離基源、例えば米国特許第6,998,445号(この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる)に記載されているものを使用して、該反応生成物を作成できる。
ここで使用する用語「コアおよび中心」とは、一般的に、該ゴルフボールの最も内側の成分(構成部品)を表すのに、互換的に使用される。しかし、幾つかの態様において、該用語「中心」とは、多重コア層が存在する場合、即ち中心と外側コア層が存在する場合に使用される。
本発明のゴルフボールが、中間層、例えば内側カバー層または外側コア層、即ちゴルフボールの内側コア層と外側カバー層との間に設けられた任意の層を含む場合、この層は、熱硬化性および熱可塑性材料を含む、当業者には公知の任意の材料を含むことができる。一態様において、この中間層は、少なくとも部分的に、本発明の組成物から作成される。
該中間層は、また1種またはそれ以上のホモポリマーまたはコポリマー型の熱硬化性および熱可塑性材料、例えばビニル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、アクリル樹脂、およびこれらの樹脂と、ポリ塩化ビニル、エラストマー等とのブレンド、オレフィン系熱可塑性ゴム、スチレンとブタジエンとのブロックコポリマー、イソプレンまたはエチレン-ブチレンゴム、コポリ(エーテルアミド)、ポリフェニレンオキシド樹脂またはポリフェニレンオキシド樹脂と高耐衝撃性ポリスチレンとのブレンド、ポリエステル、およびこれらの混合物を含むこともできる。
例えば、該中間層は、低酸性イオノマー、例えば米国特許第6,506,130号および同第6,503,156号に記載されているもの、高酸性イオノマー、高度に中和されたポリマー、例えば米国特許第6,565,455号および同第6,565,456号に記載されているもの、またはこれらの混合物から製造できる。該中間層は、また米国特許第5,688,191号に記載されているような組成物から製造することも可能である。これら特許および刊行物の全開示事項を、特別に参考としてここに組入れる。
該カバー層は、少なくとも部分的には、少なくとも一つの本発明の組成物から作ることができる。本発明の組成物を、コアまたは中間/内側カバー層に組込む場合、該カバー層は、本発明の組成物から製造することができ、あるいは該カバー層は、該中間層に関連して上の章で論じたような、一種またはそれ以上のホモポリマーまたはコポリマー材料から製造することができる。該カバーは、また少なくとも部分的に、該コアとの関連で上記したような、ポリブタジエン反応生成物から製造することも可能である。
本発明のゴルフボールは、圧縮成型法、フリップ成型法、射出成型法、格納式ピン射出成型法、反応射出成型(RIM)法、液体射出成型(LIM)法、注入成型法、真空成型法、粉末塗布法、フローコーティング法、回転塗布法、浸漬法、噴霧法等の、様々な適用法を用いて製造できる。従来、圧縮成型法および射出成型法は、熱可塑性物質に対して適用され、一方で、RIM、即ち液体射出成型法、および注入成型法は、熱硬化性物質に対して利用されている。これらのおよび他の製造方法は、米国特許第6,207,784号および同第5,484,870号(これらの特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる)に記載されている。
本発明の組成物を、カバー層に組込む場合、例えば本発明のポリウレアを主成分とするおよびポリウレタンを主成分とする材料は、当分野において周知の様々な技術、例えば噴霧法、圧縮成型法、浸漬法、回転塗布法、注入成型法、またはフローコーティング法を利用して、該内側ボール上に適用することができる。一態様において、本発明の組成物は、注入成型法と圧縮成型法との組合せを使用して、該内側ボール上に適用することができる。
該中間層は、当業者には公知の任意の適当な方法を用いて、製造することもできる。例えば、中間層は、吹込成型法によって製造し、また射出成型法、圧縮成型法、注入成型法、真空成型法、粉末塗布法等によって形成された、ディンプルを持つカバー層で覆うことができる。
同様に、米国特許第5,006,297号および同第5,334,673号両者も、本発明のポリウレアを主成分とするおよびポリウレタンを主成分とする組成物を適用するのに利用することのできる、適当な成型技術を開示している。しかし、本発明の方法は、これら技術の使用に限定されず、当業者には公知の他の方法を利用することも可能である。例えば、該ボールのコアを支持する他の方法を、部分的な真空生成法の代わりに利用することができる。
本発明のゴルフボールは、更なる利益を得るために、塗装し、被覆し、または表面処理することができる。更に、商標または他の証印等を、該ボールカバーの外側表面上に、刻印、即ちパッド-印刷し、またこの刻印した外側表面を、次に少なくとも1種の透明コートで処理して、該ボールに光沢のある仕上げを付与し、また該カバー上に刻印した証印を保護することができる。本発明のゴルフボールは、また染料昇華処理に付すことができ、ここでは、少なくとも1種のゴルフボール成分が、該外側表面のある深さまで移動して、証印を形成する、少なくとも1種のインクによる昇華処理に付される。これについては、米国特許第6,935,240号(この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる)に記載されている。
本発明のゴルフボールの諸特性、例えば硬さ、モジュラス、コア径、中間層の厚み、およびカバー層の厚みは、本発明のゴルフボールの競技特性、例えばスピン、初期速度、および感触に影響を与えることが分かっている。例えば、該中間層の曲げ弾性率および/または引張弾性率は、本発明のゴルフボールの「感触」に影響を与えるものと考えられている。ここにおいて、範囲は相互に入り混じり、即ち一つの範囲の下端部は、他の範囲の上端部と結合できるものと理解すべきである。
成分の大きさ
ゴルフボール成分(構成部品)の大きさ、即ち厚みおよび径は、所定の特性に応じて変えることができる。本発明の目的にとって、任意の層の厚みを使用できる。上で概説した様々な態様の非-限定例を、層の大きさに関連してここに与える。
2以上の層を含むことのできる、該コアは、約0.229〜約4.19cm(約0.09〜約1.65in)なる範囲内の径を持つことができる。一態様において、本発明のコアの径は、約3.05〜約4.140cm(約1.2〜約1.630in)なる範囲にある。もう一つの態様において、該コアは、約3.94〜約4.19cm(約1.55〜約1.65in)なる範囲にある。例えば、一態様において、該コアの径は、約3.81〜約4.11cm(約1.5〜約1.62in)なる範囲にある。
該カバーは、典型的に十分な強度、良好な性能特性、および耐久性を与える厚みを持つ。一態様において、該カバーの厚みは、約0.0508〜0.889cm(約0.02〜約0.35in)なる範囲にある。該カバーは、好ましくは約0.0508〜0.305cm(約0.02〜約0.12in)なる範囲、好ましくは約0.254cm(約0.1in)以下である。本発明の組成物を使用して、ゴルフボールの外側カバーを形成する場合、該カバーは、約0.127cm(0.05in)以下、好ましくは約0.0508〜0.127cm(約0.02〜約0.05in)なる範囲、より好ましくは約0.0508〜0.0889cm(約0.02〜約0.035in)なる範囲の厚みを持つ。
該コアと該中間層とは、一緒に、約4.27cm(約1.68in)のボールに対して、好ましくは約3.76cm(約1.48in)以上の径を持つ内側ボールを形成する。一態様において、約4.27cm(約1.68in)のボールの該内側ボールは、約3.86cm(約1.52in)以上の径を持つ。もう一つの態様において、約4.27cm(約1.68in)のボールの該内側ボールは、約4.22cm(約1.66in)以下の径を持つ。更に別の態様において、約4.37cm(約1.72in)(またはそれ以上)のボールは、約3.81cm(約1.5in)以上の内側ボール径を持つ。更に他の態様では、約4.37cm(約1.72in)のボールの、内側ボールの径は、約4.32cm(約1.70in)以下である。
硬さ
多くのゴルフボールは、所定の性能特性を獲得するために、様々な硬さ、例えば硬さの勾配を持つ層からなる。本発明は、層間で硬さの勾配を持つゴルフボール、並びに同一の硬さを持つ層を有するこれらゴルフボールを意図している。
本発明の中間層も、該ボールの特定の構成に依存して、硬さにおける変化を示すことができる。一態様において、該中間層の固さは、約30ショアD以上である。もう一つの態様において、該中間層の固さは、約90ショアD以下、好ましくは約80ショアD以下、およびより好ましくは約70ショアD以下である。更に別の態様では、該中間層の固さは、約50ショアD以上、好ましくは約55ショアD以上である。一態様において、該中間層の固さは、約55ショアD〜約65ショアDなる範囲にある。該中間層の固さは、また約65ショアD以上であってもよい。
圧縮率値は、測定すべき構成部品の径に依存する。本発明に従って作られるゴルフボールの該コア、またはその一部のアッチ圧縮率は、好ましくは約80未満、より好ましくは約75未満である。ここで使用する用語「アッチ圧縮率」または「圧縮率」とは、アッチ圧縮率ゲージを用いて測定された、較正されたバネの撓みに対する、ある対象または物質の撓みとして定義される。該アッチ圧縮率ゲージは、NJ州、ユニオンシティーのアッチエンジニアリング社(Atti Engineering Corp.)から市販品として入手できる。アッチ圧縮率は、典型的にゴルフボールの圧縮率を測定するために使用される。一態様において、該コアの圧縮率は、約40〜約80なる範囲、好ましくは約50〜約70なる範囲内にある。更に別の態様では、該コアの圧縮率は、好ましくは約50以下、およびより好ましくは約25以下である。
別の低圧縮率の態様では、該コアは、約20未満、より好ましくは約10未満、および最も好ましくは0なる圧縮率を持つ。しかし、当業者には公知の如く、本発明により製造した該コアは、該アッチ圧縮率ゲージの測定値以下であってもよい。
一態様において、好ましくは、本発明のゴルフボールは、約55以上、好ましくは約60〜約120なる範囲のアッチ圧縮率を持つ。もう一つの態様において、本発明のゴルフボールのアッチ圧縮率は、少なくとも約40、好ましくは約50〜120なる範囲、およびより好ましくは約60〜100なる範囲内にある。更に別の態様では、本発明のゴルフボールのアッチ圧縮率は、約75以上、かつ約95以下である。例えば、本発明の好ましいゴルフボールは、約80〜約95なる範囲の圧縮率を持つことができる。
ゴルフボールのCORに関する制限は、USGAにおいて、これまでは存在しなかったが、該ゴルフボールの初期速度は、約76.3±1.53m(250±5フィート/秒(ft/s))を越えることはできない。従って、一態様において、該初期速度は、約74.7m/s(245ft/s)以上かつ約77.8m/s(255ft/s)以上である。もう一つの態様において、該初期速度は、約76.3m/s(250ft/s)以上である。一態様において、該初期速度は、約77.2m/s(253ft/s)〜約77.5m/s(254ft/s)なる範囲にある。更に別の態様では、該初期速度は、約77.8m/s(255ft/s)である。初期速度に関する一般的な規則は、ゴルフボールの製造業者等が、この範囲内に留まることを要求するが、当業者は、本発明のゴルフボールが、この範囲外の初期速度を持つゴルフボールに、容易に変換されることを理解するであろう。
USGAによって提示された、該初期速度の制限の結果として、目標は、該約77.8m/s(255ft/s)という限界を犯すことなしに、CORを最大にすることである。ボールのCORは、外向きのまたは跳ね返り速度対内向きのまたは到達速度の比をとることによって求められる。ワンピース型の中実ゴルフボールにおいて、該CORは、該ボールの、組成および硬さを含む、様々な特性に依存するであろう。与えられた組成に対して、CORは、一般に硬さが大きくなるにつれて、増大する。ツーピース型の中実ゴルフボール、例えばコアおよびカバーにおいて、該カバーの目的の一つは、該コアの値を超える、CORにおける利得を得ることにある。高いCORに対するコアの寄与が大きなものである場合、カバーからの寄与はそれ程必要とされない。同様に、該カバーが該ボールの高いCORに対して実質的に寄与する場合、より小さなコアからの寄与が必要とされる。
更に、該内側ボールは、約0.780以上のCORを持つ。一態様において、該CORは、約0.790以上である。
曲げ弾性率
従って、本発明のゴルフボールは、約3.45MPa(約500psi)〜約3445MPa(約500,000psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つ、中間層を含むことが好ましい。より好ましくは、該中間層の曲げ弾性率は、約6.89MPa(約1,000psi)〜約1723MPa(約250,000psi)なる範囲内にある。一態様において、該中間層の曲げ弾性率は、約13.8MPa(約2,000psi)〜約1378MPa(約200,000psi)なる範囲内にある。他の態様では、該中間層の曲げ弾性率は、約206.7MPa(約30,000psi)〜約551.2MPa(約80,000psi)なる範囲内にある。該曲げ弾性率は、ASTM D-790-03、プロセデュア(Procedure) Bに記載された手順により測定する。
水蒸気の透過
本発明の組成物から製造したゴルフボール部分の水蒸気の透過率は、吸収、例えば特定の条件における、一定期間内の質量のゲインおよびサイズのゲインにより、および透過率、例えばASTM E96-00に従って測定される水蒸気透過率(MVTR)によって表すことができる。MVTRとは、特定の温度および湿度差における、単位面積当たりの、かつ単位時間当たりの、所定の厚みをもつ物質内に拡散した、水蒸気の質量を意味する。例えば、100%相対湿度および約22.2℃(72°F)にて、7週間に渡り、ゴルフボール部分の質量変化を追跡することは、ボールが良好な耐水性を持つことを明らかにするのに役立つ。一態様において、本発明のゴルフボール部分は、7週間後に、約0.15g以下の質量ゲインを示した。もう一つの態様において、本発明のゴルフボールは、7週間に渡る保存期間経過後に、約0.13g以下の質量ゲインを示した。更に別の態様では、本発明のゴルフボールの質量ゲインは、7週間後に、約0.09g以下であった。更に別の態様において、該質量ゲインは、7週間後に、約0.06g以下であった。本発明のゴルフボールは、好ましくは7週間に渡る保存期間経過後に、約0.03g以下の質量ゲインを示す。
ゴルフボール、あるいはその一部のMVTRは、38℃および90%相対湿度条件下で、約2g/(m2×日)以下、例えば約0.45〜約0.95g/(m2×日)、約0.01〜約0.9g/(m2×日)またはそれ以下であり得る。
該カバーの光安定性は、黄色度指数における差(ΔYI)、即ち所定の暴露時間後に測定した黄色度と暴露前の黄色度との間の差により定量化できる。一態様において、該ΔYIは、5日間(120時間)の暴露後に、約10以下、好ましくは5日間の暴露後に、約6以下、およびより好ましくは5日間の暴露後に、約4以下である。もう一つの態様において、5日間の暴露後に、約2以下、およびより好ましくは5日間の暴露後に、約1以下である。更に別の態様において、該ΔYIは、8日間(192時間)の暴露後に、約80以下、好ましくは8日間の暴露後に約60以下、およびより好ましくは8日間の暴露後に、約40以下である。更に他の態様では、該ΔYIは、8日間(192時間)の暴露後に、約30以下、好ましくは8日間の暴露後に約28以下、およびより好ましくは8日間の暴露後に、約25以下である。
b彩度ディメンション(Δb*、黄色から青)における差も、また該カバーの光安定性を定量化する方法の一つである。一態様において、該Δb*は、5日間(120時間)の暴露後に、約4以下、好ましくは5日間の暴露後に、約3以下、およびより好ましくは5日間の暴露後に、約2以下である。もう一つの態様において、該Δb*は、5日間の暴露後に、約1以下である。更に別の態様では、該Δb*は、8日間(192時間)の暴露後に、約25以下、好ましくは8日間の暴露後に約20以下、およびより好ましくは8日間の暴露後に、約15以下である。更に別の態様において、該Δb*は、8日間(192時間)の暴露後に、約14以下、好ましくは8日間の暴露後に約13以下、およびより好ましくは8日間の暴露後に、約12以下である。
実施例1:本発明の組成物
本発明によるシリコーン骨格を持つアミンアダクトを用いて製造したプレポリマーを、アミノ-末端を持つ硬化剤で硬化して、以下の表4に示すようなカバー組成物を製造した。本発明の処方物中に含まれる該プレポリマーおよび硬化剤両者は、その特性において芳香族-脂肪族性のものである。従来の芳香族プレポリマーおよび芳香族硬化剤を用いた、コントロールカバー処方物は、以下に示すようにして製造した。特に、該コントロール処方物の該プレポリマーおよび硬化剤は、芳香族であり、即ち該成分は、炭素-炭素二重結合および、特にベンゼンリングを含む。従って、本発明の処方物は、本来的に、該コントロール処方物よりも光安定性である。更に、本発明の処方物の剪断速度は、該コントロール処方物の剪断速度よりも高い。
2:A2は、MDI/PTMEG2000と6%NCOとの反応生成物である。
3:B1は、エタキュア(EthacureTM) 100LCであり、これは、アルブマール(Albemarle)から入手できるジエチルトルエンジアミンである。
4:B2は、エタキュア(EthacureTM) 300であり、これは、アルブマール(Albemarle)から入手できるジ-(メチルチオ)トルエンジアミンである。
5:C1はHCC19584であり、これは、ポリワン(PolyOne)社から入手できる、白色顔料分散液(white dispersion)である。
本発明のアミンアダクトを、HDIダイマーから製造したプレポリマーに対する硬化剤として使用して、カバー組成物(以下の表5に示す)を製造した。従来のプレポリマーおよび硬化剤を使用して、コントロールカバー処方物を、以下に示すように作成した。特に、本発明の処方物に含まれている、該プレポリマーおよび硬化剤は、両者共に、その特性上、芳香族-脂肪族性のものである。該コントロール処方物の該プレポリマーおよび硬化剤は、かなり芳香族性であり、即ちこれら成分は、炭素-炭素二重結合を含み、また特にベンゼンリングを含んでいる。故に、本発明の処方物は、該コントロール処方物に比して、本来的にかなり光安定性が高い。
得られるゴルフボールの諸特性を与え、かつ提示された処方に従って製造した、コントロールゴルフボールと比較した。本発明のゴルフボールおよびコントロールゴルフボールは、両者共にポリブタジエンゴムコアと、熱可塑性内側カバー層とを使用して製造した。以下の表に見られるように、本発明の処方物は、該コントロール処方物によるものと同一の諸特性を持つ、カバーおよびゴルフボールを与えた。
2:A2は、MDI/PTMEG2000と6%遊離NCOとの反応生成物である。
3:B3は、1,4-ブタンジオールジグリシダルエーテルと、ジエチルトルエンジアミンとのアミンアダクト(アルブマール(Albemarle)から入手できる、エタキュア(EthacureTM) 100LC)である。
4:B2は、エタキュア(EthacureTM) 300であり、これは、アルブマール(Albemarle)から入手できるジ-(メチルチオ)トルエンジアミンである。
5:C1はHCC19584であり、これは、ポリワン(PolyOne)社から入手できる、白色顔料分散液(white dispersion)である。
本発明による処方物を、コントロール処方物と比較して、該組成物の、ゲル化時間/硬化速度に及ぼす作用を決定した。本発明1の処方は、ジメチルシロキサンとN,N'-ジイソプロピル-イソホロンジアミンとのアミンアダクトを含み、また本発明2の処方は、ジグリシダルエーテルと、N,N'-ジイソプロピル-イソホロンジアミンとのアミンアダクトを含む。以下の表6に示したように、本発明の処方物、即ちアミンアダクトを含有するものは、コントロール処方物と比較して、より緩慢な硬化またはゲル化速度を持つ。
2:B4は、ジェフリンク(JefflinkTM) 754であり、これは、ハンツマン(Huntsman)社から入手できるN,N'-ジイソプロピル-イソホロンジアミンである。
3:B5は、ジグリシダルエーテルと、ジェフリンク(JefflinkTM) 754とのアミンアダクトである。
4:B6は、ジメチルシロキサンと、ジェフリンク(JefflinkTM) 754とのアミンアダクトである。
5:C1はHCC19584であり、これは、ポリワン(PolyOne)社から入手できる、白色顔料分散液(white dispersion)である。
不飽和脂肪酸の金属塩、例えば亜鉛ジアクリレートで架橋されている、cis-1,4-ポリブタジエンゴムを含有する従来の中実構造は、コアの生成のために使用できる。このコア構造は、次いで本発明の熱可塑性シリコーン-ウレタンコポリマーを含有するカバー処方物で、ワンショット法またはプレポリマー法を用い、公知の圧縮成型、または射出成型、または注入成型技術によって、被覆することができる。例えば、この方法は、0.05モルのメタンビス(4-フェニルイソシアネート)(MDI)、0.015モルの3-ヒドロキシプロピル末端を持つ、ポリジメチルシロキサン(分子量約1,000)および0.035モルの1,4-ブタンジオール、および適当な触媒とを、必要ならば高温にて密に混合する工程を含むことができる。該カバーは、約0.127〜約0.254cm(約0.05〜0.10in)なる範囲の厚みを持つことができる。
コア、約34.5MPa(50,000psi)を越える曲げ弾性率を持つ内側カバー、および熱可塑性シリコーン-ウレタンコポリマーからなるカバーを含むゴルフボールも、本発明に従って製造できる。該カバーは、約0.0508〜約0.127cm(約0.02〜0.05in)なる範囲の厚みを持つことができ、一態様においては、約68.9MPa(10,000psi)未満の初期モジュラスを持つことができる。もう一つの態様において、該初期モジュラスは、約2.067〜約689MPa(約300〜100,000psi)なる範囲内であり得る。
表7は、シリコーン-ポリエステルウレタンまたはシリコーン-ポリカーボネートウレタンのコポリマーを含む、数種の実験用ボールカバー組成物を含む、ゴルフボール性能をまとめたものである。この研究のために、約3.94cm(約1.55in)なる径および約81なる圧縮率を持つコアを使用し、約0.089cm(約0.035in)なる厚みを持つケーシング層を、圧縮成型によって、該コアの回りに形成した。該ゴルフボールの反発係数(COR)は、約0.8を越えるものであった。該ゴルフボールの外側カバー層は、約0.0762cm(約0.030in)なる厚みを有し、また格納式ピン射出成型法を利用して、該ケーシング層上に、成型した。
ゴルフボールを、以下の表9に示すような、架橋されたポリブタジエンコアおよび内側カバー層を使用して、本発明に従って製造した。
ここに記載し特許請求した本発明は、ここに記載された特定の態様によって、その範囲が限定されるものではない。というのは、これらの態様は、本発明の幾つかの局面を例示するものであるからである。あらゆる等価な態様は、本発明の範囲内にあるものとする。例えば、本発明の組成物は、またパターのインサート、ゴルフクラブヘッド、およびその部品、ゴルフシューズの部品、およびゴルフバッグの部品等のゴルフ用具においても使用できる。事実、ここに記載し、提示したものに加えて、本発明の様々な改良が、上記説明から、当業者には明らかになるであろう。このような改良も、添付した特許請求の範囲に入るものとする。本明細書において上記した全ての特許および特許出願の、内容全体を、参考として、特にここに組入れる。
Claims (13)
- コアとカバーとを含むゴルフボールであって、該ゴルフボールの少なくとも一部が、
シリコーンおよびウレア結合、ウレタン結合、またはウレア結合とウレタン結合との組合せを含む、第一の成分;および
耐衝撃性ポリマー
を含む組成物から形成されたものであることを特徴とする、上記ゴルフボール。 - 該耐衝撃性ポリマーが、エチレン-n-ブチルアクリレート-グリシジルアクリレート、マレイン酸無水物でグラフトしたエチレン-ブテンコポリマー、マレイン酸無水物でグラフトしたエチレン-ヘキセンコポリマー、マレイン酸無水物でグラフトしたエチレン-オクテンコポリマー、エチレン-n-ブチルアクリレート-一酸化炭素、酸性コポリマー、化学的に変性されたエチレン-プロピレンゴム、EPDMゴム、ABS、MBS、SEBS-g-MA、またはこれらの任意に組合せを含む、請求項1記載のゴルフボール。
- 該組成物が、ウレアおよびシリコーン結合からなる、請求項1記載のゴルフボール。
- 該第一成分が、イソシアネート、アミンアダクトおよび硬化剤の反応生成物である、請求項1記載のゴルフボール。
- 該第一成分が、イソシアネート、ヒドロキシアダクトおよび硬化剤の反応生成物である、請求項1記載のゴルフボール。
- 該第一成分が、イソシアネート、アミノ-末端を持つ成分、およびシリコーン-含有成分の反応生成物である、請求項1記載のゴルフボール。
- 該第一成分が、イソシアネート、アミノ-末端を持つ成分、およびシリコーン-含有成分の反応生成物である、請求項1記載のゴルフボール。
- コアとカバーとを含むゴルフボールであって、該カバーが、
イソシアネートと、アミノ-末端を持つ成分、ヒドロキシ-末端を持つ成分、またはこれらの組合せの反応生成物を含む第一の成分;
シリコーンを含む第二の成分;および
耐衝撃性ポリマーを含む、第三の成分;
を含む組成物から形成されたものであることを特徴とする、上記ゴルフボール。 - 該耐衝撃性ポリマーが、エチレン-n-ブチルアクリレート-グリシジルアクリレート、マレイン酸無水物でグラフトしたエチレン-ブテンコポリマー、マレイン酸無水物でグラフトしたエチレン-ヘキセンコポリマー、マレイン酸無水物でグラフトしたエチレン-オクテンコポリマー、エチレン-n-ブチルアクリレート-一酸化炭素、酸性コポリマー、化学的に変性されたエチレン-プロピレンゴム、EPDMゴム、ABS、MBS、SEBS-g-MA、またはこれらの任意に組合せを含む、請求項8記載のゴルフボール。
- 該第一成分が、飽和状態にある、請求項8記載のゴルフボール。
- 更に、アミノ-末端を持つ硬化剤、ヒドロキシ-末端を持つ硬化剤、またはこれらの組合せを含む、請求項8記載のゴルフボール。
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