JP2009056309A - イオノマー樹脂に匹敵するレジリエンスを持つ、注型適性のある処方物から形成したゴルフ用具 - Google Patents

イオノマー樹脂に匹敵するレジリエンスを持つ、注型適性のある処方物から形成したゴルフ用具 Download PDF

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Abstract

【課題】コアおよびカバーを含むゴルフボールを提供することを目的とする。
【解決手段】コアおよびカバーを含むゴルフボールであって、該ゴルフボールの少なくとも一部が、以下の成分:イソシアネート-含有成分とイソシアネート-反応性成分との反応生成物から形成したプレポリマー、ここで該イソシアネート-含有成分は、3官能性であり、かつ該イソシアネート-反応性成分は、第二ジアミンを含み;および3,3'-ジメチル-4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンを含む硬化剤、を含む組成物から形成されたものであることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、改善されたレジリエンスおよび復元係数を持つ、注型適性のある処方物を含む組成物に関する。更に、本発明は、該注型適性のある処方物から形成したゴルフ用具を意図する。特に、本発明は、従来のイオノマーに匹敵する復元係数を有する、注型適性を持つポリウレア組成物を意図するものである。
ゴルフボールは、様々な組成物から作られており、該組成物は、ゴルフボール製造業者等に、特別なボールの感触および空気力学的特性を変更する能力を与える。例えば、バラタから作られたゴルフボールカバーは、高度に熟練したゴルファーが、特に短いショットにおいて、ボールの飛球方向および飛距離を正確にコントロールするのに十分なスピン速度を達成することを可能とする。しかし、バラタで覆ったゴルフボールは、容易く損傷を受け、このことにより、平均的なゴルファーは、このようなボールの使用を敬遠する。この耐久性に係る問題を排除するために、製造業者は、典型的に、カバー材料としてイオノマー樹脂を使用している。しかし、イオノマー樹脂で覆ったゴルフボールは、事実上切断抵抗のあるカバーを持つが、そのスピン特性および感触は、バラタで覆われたボールと比較して劣っている。
得られるゴルフボールが、イオノマー樹脂製のものと同様に耐久性であることから、ポリウレタンおよびポリウレアは、ゴルフボールカバー用の有用な材料として認識されており、しかもバラタで覆われたゴルフボールのソフトな感触を持つ。米国特許第4,123,061号は、ポリオールまたはアミン-型の硬化剤で硬化される、ポリエーテルとジイソシアネートとで作られた、ポリウレタンプレポリマーから製造された、ゴルフボールを教示している。更に、米国特許第5,334,673号は、ゴルフボールのカバーを製造するために、市場から入手できる2つの部類に属するポリウレタン、即ち熱硬化性および熱可塑性ポリウレタンの使用、および特にポリウレタンプレポリマー、および徐々に反応するアミン硬化剤、および/または二官能性グリコールを含む組成物から作られた、熱硬化性ポリウレタンで覆われたゴルフボールを開示している。米国特許第5,484,870号は、何れも少なくとも2つの官能基を含む、有機ジイソシアネートと有機アミンとの反応生成物を含む、ポリウレア組成物を開示している。一旦これら2つの成分を併合すると、その反応速度は極めて速く、従って該組成物の物理的諸特性を変更する能力は、限定される。
ポリウレタンおよびポリウレアで覆われたゴルフボールは、イオノマー樹脂で覆われたゴルフボールよりも軟質であるが、このようなボールは、該ゴルフボールカバーのレジリエンスまたは弾性反発力(ゴルフクラブで衝撃を与えた後の、ゴルフボールの初期速度の関数)に関して、イオノマー樹脂製ゴルフボールと完全には一致しない。更に、このようなゴルフボールのカバーを製造するのに使用する、ポリウレタンおよびポリウレアは、一般的に芳香族成分、例えば芳香族ジイソシアネート、ポリオールまたはポリアミンを含んでいるので、これらは、光、特に紫外(UV)光に暴露した際に、変色し易い。この変色を防止し、あるいはこれを緩慢にするためには、光およびUV安定剤、例えばチヌビン(Tinuvin) 770、765、および328を、これらの芳香族ポリマー材料に添加する。更に、芳香族ポリマー材料から形成した該カバーが、変色しないことを保証するためには、該カバーを白色塗料で塗装し、次いで透明コートで覆って、該ゴルフボールの白色性を維持する。しかし、該ゴルフボールのディンプルのある表面に、均一に白色で着色したコートを適用することは、極めて困難であり、このような方法は、該ゴルフボールの製造業者に、長い製造時間および高い経費の負担を強いる。
従って、ゴルフ用具および特に、ゴルフボールの全体としての性能特性に悪影響を与えることなしに、少なくともイオノマー樹脂のレジリエンスに匹敵するレジリエンスを与える材料を用いて製造した成分を含むゴルフボールに対する、絶えることのない要求がある。更に、ゴルフボール成分および他のゴルフ-関連用具の製造に適した、改善された耐変色性と、切断および引掻抵抗とを併せ持つ、組成物を提供することが有利であろう。
本発明は、コアおよびカバーを含むゴルフボールを提供することを目的としており、ここで該ゴルフボールの少なくとも一部は、以下の成分:イソシアネート-含有成分とイソシアネート-反応性成分との反応生成物から形成したプレポリマー、ここで該イソシアネート-含有成分は3官能性であり、かつ該イソシアネート-反応性成分は、第二ジアミンを含み; および3,3'-ジメチル-4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンを含む硬化剤を含有する組成物から製造されている。一態様において、該組成物は、本質的に、以下の一般式を持つ結合からなる:
Figure 2009056309
該一般式において、xは、鎖長であって、約1またはそれ以上であり、またRおよびR1は、約1〜約20個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物である。
本発明のこの局面において、該第二ジアミンは、約200〜約3,000なる範囲内の分子量を持つことができる。一態様において、該第二ジアミンは、約1,800〜約2,200なる範囲内の分子量を持つ。該イソシアネート-含有成分が、約15%〜約25%なる範囲内のNCO基を含むことができる。一態様において、該イソシアネート-含有成分は、約20%〜約28%なる範囲内のNCO基を含む。
本発明は、またコアと、該コアの回りに配置されて、内側ボールを形成する層と、該内側ボール上に注入成型されたカバーとを含み、ここで該ボールの少なくとも一部は、以下の成分:少なくとも1種の3-官能性イソシアネート-含有成分と、少なくとも1種のアミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分との反応生成物から形成したプレポリマー、ここで該プレポリマーは、約10%〜約20%なる範囲のNCO含有率を有し;および少なくとも1種のアミン-末端を持つ硬化剤を含む組成物から製造されたものである、ゴルフボールにも係る。
一態様において、該アミン-末端を持つ硬化剤は、3,3'-ジメチル-4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンを含む。別の態様では、該アミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分は、第二ジアミン、第二トリアミン、またはこれらの組み合わせを含む。他の態様においては、該プレポリマーは、約12%〜約16%なる範囲の、NCO含有率を持つ。更に別の態様では、該アミン-末端を持つ硬化剤は、3,3'-ジメチル-4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンを含み、かつ該アミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分は、第二ジアミン、第二トリアミン、またはこれらの組み合わせを含む。
本発明の組成物は、該ゴルフボールの任意の部分に配合できるが、一態様においては、該カバーがこの組成物を含む。他の態様においては、該ボールの中間層が、該組成物で作られている。しかし、成型して中実球とする場合には、該組成物は、約160〜約200 attiなる範囲の圧縮率、あるいは成型して中実球とする場合に、約170〜約190 attiなる範囲の圧縮率を持つ。該組成物は、また成型して中実球とする場合に、約0.77またはそれ以上の復元係数(COR)を持つことができる。
本発明は、またコア;および以下の一般式を持つ結合から本質的になる、注型適性を持つポリウレア材料で作られたカバーを含む、ゴルフボールにも係り:
Figure 2009056309
該一般式において、xは、鎖長であって、約1またはそれ以上であり、またRおよびR1は、約1〜約20個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物を表し、また該注型適性を持つポリウレア材料は、以下の成分:少なくとも1種の3官能性イソシアネートおよび少なくとも1種の第二ジアミン、第二トリアミン、またはこれらの混合物から生成されたプレポリマー、ここでNCO含有率は、約12%〜約16%なる範囲にあり;および3,3'-ジメチル-4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンを含む硬化剤を含有し、また該注型適性を持つポリウレア材料は、成型して中実球とした場合に、約170〜約190 attiなる範囲の圧縮率、および成型して中実球とした場合に、約0.77またはそれ以上のCORを持つ。該プレポリマーは、少なくとも1種の3官能性イソシアネートおよび約1,800〜約2,200なる範囲内の分子量を持つ第二ジアミンから製造することができる。
本発明の更なる特徴並びに利点は、添付した図面との関連で与えられる、以下の詳細な説明から確認することができる。
本発明は、ゴルフ用具、例えばゴルフボール、ゴルフクラブ等において使用するための、改善されたポリウレアを主成分とする組成物をも意図し、これは伝統的に、より硬質の樹脂材料、例えばイオノマーに少なくとも匹敵するレジリエンスを持つ。特に、本発明の組成物は、従来のイオノマー組成物と比較して、少なくとも匹敵するレジリエンスを持ち、また従来のポリウレタンおよびポリウレア組成物のレジリエンス以上に改善されたレジリエンスを持つ。
本発明の組成物は、様々なゴルフボールの構成、即ちワン-ピース、ツー-ピース、または多層ボール並びにゴルフクラブ部品、例えばクラブヘッドインサートにおいて使用することができる。本発明の組成物は、カバー等の様々なゴルフボール部品に含められた場合には、イオノマーまたは従来のポリウレタンまたはポリウレア組成物を配合したゴルフボールよりも良好な、またはこれらと等しい物理的並びに空気力学的諸特性を持つゴルフボールを生成する。
本発明の組成物
本発明の組成物は、イソシアネート-含有成分および少なくとも1種のアミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分を含むことができる。一態様において、本発明のポリウレアを主成分とする組成物は、イソシアネート-含有成分、少なくとも1種のアミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分、および少なくとも1種の他のイソシアネート-反応性成分と共に形成される。ここで使用する用語「〜から形成(製造)」および「〜で形成(製造)」とは、開放状態、例えば特許請求の範囲の用語で「含む」を意味する。故に、一連の列挙した成分「から形成」または「で形成」された組成物が、少なくとも1種のこれらの列挙された成分を含む組成物であることを意味し、またさらに該組成物の製造中に、他の列挙されていない成分を含めることができることを意味する。該少なくとも1種の他のイソシアネート-反応性成分は、アミン-末端またはヒドロキシル-末端を持つことができる。
本発明のこの局面において、本発明の組成物は、プレポリマーおよび硬化剤から形成することができる。例えば、イソシアネート-含有成分と、アミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分との反応生成物から製造される該プレポリマーは、硬化剤で架橋される。該硬化剤は、イソシアネート-反応性であり、またアミン-末端またはヒドロキシル-末端を持つものであり得る。一態様において、該プレポリマーは、少なくとも1種のアミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分で硬化され、該成分は、第一アミン、第二アミン、第三アミン、またはこれらの組み合わせを主成分とするものであり得る。例えば、該アミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分は、第二アミノ基を含むことができる。
本発明の組成物は、ウレアおよび/またはウレタン結合を含むことができる。当業者には公知であるように、イソシアネート-含有成分と、アミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分とから形成された組成物は、本質的にウレア結合からなり、一方イソシアネート-含有成分と、ヒドロキシル-末端を持つ成分とから製造された組成物は、本質的にウレタン結合からなる。更に、イソシアネート-含有成分と、アミン-末端およびヒドロキシル-末端を持つ成分の混合物とから形成された組成物は、ウレア結合およびウレタン結合両者を含む。例えば、イソシアネート-含有成分と、アミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分とから形成されたプレポリマーを、ヒドロキシル-末端を持つ成分で硬化して、ハイブリッドポリウレア/ウレタン組成物を製造することができる。
この点に関連して、本発明の一態様においては、本発明の組成物は、本質的にウレア結合、即ち以下の式で表される結合からなる:
Figure 2009056309
該一般式において、xは、鎖長であって、約1またはそれ以上であり、またRおよびR1は、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物を表す。一態様において、少なくとも一つのRおよびR1は、約1〜約20個の炭素原子を含む直鎖または分岐炭化水素鎖である。他の態様においては、RおよびR1は、両者とも、約1〜約20個の炭素原子を含む直鎖または分岐炭化水素鎖である。本発明のこの局面は、イソシアネート-含有成分および少なくとも1種のアミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分を主成分とする組成物を形成することによって、達成できる。本発明の開示の目的にとって、包括的な構造においてここで使用するm、n、x、y、およびz等の下付きの文字は、当業者には、重合度(即ち、連続的な繰返し単位の数)として理解される。分子的に均一な生成物の場合には、これらの数値は、零でない場合には、通常整数である。分子的に不均一な生成物の場合には、これらの数値は、零でない場合には、整数に限定されない平均数であり、また平均重合度であるものと理解される。
他の態様においては、本発明の組成物は、ウレア結合および同様にウレタン結合、即ち以下の式で表される結合を含む:
Figure 2009056309
該一般式において、xは、鎖長であり、即ち約1またはそれ以上であり、またRおよびR1は、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物を表す。一態様において、少なくとも一つのRおよびR1は、約1〜約20個の炭素原子を含む直鎖または分岐炭化水素鎖である。他の態様においては、RおよびR1は、両者とも、約1〜約20個の炭素原子を含む直鎖または分岐炭化水素鎖である。
本発明のポリウレア組成物のこれら特別な成分を、以下において、更に一層詳細に説明する。
イソシアネート-含有成分
当業者にとって入手可能な任意のイソシアネートが、本発明による該イソシアネート-含有成分として使用するのに適したものである。本発明で使用するイソシアネートは、脂肪族、環式脂肪族、芳香族-脂肪族、芳香族、これらのあらゆる誘導体、および1分子当たり2またはそれ以上のイソシアネート基(NCO)を持つこれら化合物の組合せを含む。該イソシアネートは、有機ポリイソシアネート-末端を持つプレポリマー、低遊離イソシアネート基含有プレポリマー、およびこれらの混合物であり得る。該イソシアネート-含有成分は、また任意のイソシアネート-官能性モノマー、ダイマー、トリマー、またはポリマーアダクト、プレポリマー、準-プレポリマー、またはこれらの混合物を含むことができる。イソシアネート-官能性化合物は、モノイソシアネートまたは2またはそれ以上の任意のイソシアネート官能性を含むポリイソシアネートを含むことができる。一態様において、該イソシアネート官能性は、約2〜約3である。例えば、該イソシアネート官能性は、約2.1〜約3.1なる範囲内であり得る。他の態様では、該イソシアネート官能性は、3.1であり、換言すれば、該イソシアネートは3官能性である。
適当なイソシアネート-含有成分は、包括的構造:O=C=N-R-N=C=Oで表されるジイソシアネートを含み、該式において、Rは好ましくは環式基、芳香族基、または炭素原子数約1〜約20の直鎖または分岐炭化水素部分である。該イソシアネートは、また1またはそれ以上の環式基または1またはそれ以上のフェニル基を含むことができる。多数の環式基または芳香族基が存在する場合、炭素原子数約1〜約10の直鎖および/または分岐炭化水素鎖が、該環式または芳香族基間のスペーサとして存在し得る。幾つかの場合において、該環式または芳香族基は、夫々、その2-、3-および/または4-位において、あるいはo-、m-および/またはp-位において置換されていてもよい。置換基は、ハロゲン原子、一級、二級、または三級炭化水素基、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
本発明で使用できるイソシアネートの例は、置換および異性体混合物、例えば2,2'-、2,4'-、および4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI);3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニレンジイソシアネート(TODI);トルエンジイソシアネート(TDI);重合体MDI;カルボジイミド-変性液状4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート;p-フェニレンジイソシアネート(PPDI);m-フェニレンジイソシアネート(MPDI);トリフェニルメタン-4,4'-およびトリフェニルメタン-4,4”-トリイソシアネート;ナフチレン-1,5-ジイソシアネート;2,4'-、4,4'-、および2,2-ビフェニルジイソシアネート;ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(PMDI)(重合体PMDIとしても知られている);MDIとPMDIとの混合物;PMDIとTDIとの混合物;エチレンジイソシアネート;プロピレン-1,2-ジイソシアネート;テトラメチレン-1,2-ジイソシアネート;テトラメチレン-1,3-ジイソシアネート;テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);オクタメチレンジイソシアネート;デカメチレンジイソシアネート;2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン-1,12-ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロブタン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,2-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(HTDI);2,4-メチルシクロヘキサンジイソシアネート;2,6-メチルシクロヘキサンジイソシアネート;4,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート;2,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート;1,3,5-シクロヘキサントリイソシアネート;イソシアナトメチルシクロヘキサンイソシアネート;1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン;イソシアナトエチルシクロヘキサンイソシアネート;ビス(イソシアナトメチル)-シクロヘキサンジイソシアネート;4,4'-ビス(イソシアナトメチル)-ジシクロヘキサン;2,4'-ビス(イソシアナトメチル)-ジシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート(IPDI);HDIのトリイソシアネート;2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート(TMDI);4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI);2,4-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;1,2-、1,3-および1,4-フェニレンジイソシアネート;芳香族脂肪族イソシアネート、例えば1,2-、1,3-および1,4-キシレンジイソシアネート;m-テトラメチルキシレンジイソシアネート(m-TMXDI);p-テトラメチルキシレンジイソシアネート(p-TMXDI);任意のポリイソシアネートのトリマー化イソシアヌレート、例えばトルエンジイソシアネートのイソシアヌレート、ジフェニルメタンジイソシアネートのトリマー、テトラメチルキシレンジイソシアネートのトリマー、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、およびこれらの混合物;任意のポリイソシアネートのダイマー化ウレトジオン(uretdione)、例えばトルエンジイソシアネートのウレトジオン、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、およびこれらの混合物;上記イソシアネートおよびポリイソシアネートから誘導される、変性ポリイソシアネート;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
本発明で使用することのできる、上に列挙した化合物は、不飽和ジイソシアネート、即ち芳香族化合物、例えば置換および異性体混合物を包含し、例えば2,2'-、2,4'-、および4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、3,3'-ジメチル-4,4'-ジフェニルジイソシアネート(TODI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、重合体MDI、カルボジイミド-変性液状4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート(PPDI)、m-フェニレンジイソシアネート(MPDI)、トリフェニルメタン-4,4'-およびトリフェニルメタン-4,4”-トリイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、2,4'-、4,4'-、および2,2-ビフェニルジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(PMDI)(重合体PMDIとしても知られている)、およびこれらの混合物を含むが、不飽和化合物の使用は、好ましくは以下において論じる如く、光安定剤または顔料の使用と組合わせる。
一態様においては、飽和または脂肪族イソシアネート、即ち炭素-炭素二重結合を含まないイソシアネート-含有成分を使用して、本発明の組成物を製造する。適当な飽和イソシアネートは、エチレンジイソシアネート;プロピレン-1,2-ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート;テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDO);オクタメチレンジイソシアネート;デカメチレンジイソシアネート;2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン-1,12-ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロブタン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,2-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(HTDI);2,4-メチルシクロヘキサンジイソシアネート;2,6-メチルシクロヘキサンジイソシアネート;4,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート;2,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート;1,3,5-シクロヘキサントリイソシアネート;イソシアナトメチルシクロヘキサンイソシアネート;1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン;イソシアナトエチルシクロヘキサンイソシアネート;ビス(イソシアナトメチル)-シクロヘキサンジイソシアネート;4,4'-ビス(イソシアナトメチル)-ジシクロヘキサン;2,4'-ビス(イソシアナトメチル)-ジシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート(IPDI);HDIのトリイソシアネート;2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジイソシアネート(TMDI)のトリイソシアネート;4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI);2,4-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
特に、本発明のイソシアネート-含有成分は、比較的高いNCO含有率を持つ、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を主成分とする、粘性の低い脂肪族ポリイソシアネートであり得る。従って、一態様においては、該イソシアネート-含有成分は、約15%〜30%なる範囲内のNCOを、好ましくは約18%〜約25%なる範囲内のNCO含有率を持ち、また以下のような一般的な構造を含む:
Figure 2009056309
市販品として入手できるこのような成分の例は、PA州、ピッツバーグのバイエルマテリアルサイエンス(Bayer Material Science) LLPから入手できるデスモジュール(DesmodurTM) XP2410およびデスモジュールXP2580を含むが、これらに限定されず、これらは夫々24%および20%なるNCO含有率を有している。
該イソシアネート-含有成分が、事実上芳香族である場合、該イソシアネート-含有成分は、約15%〜35%なる範囲、好ましくは約20%〜約33%なる範囲、より好ましくは約24%〜32%なる範囲内のNCO含有率を持つ、ジフェニルジイソシアネート(MDI)を主成分とするものであり得る。市販品として入手できるこれらイソシアネートの例は、PA州、ピッツバーグのバイエルマテリアルサイエンス(Bayer Material Science) LLPから入手できるデスモジュール(DesmodurTM) XP2619およびデスモジュールXP7144を含むが、これらに限定されない。これらは、夫々31.5%および24%なるNCO含有率を有する。
上で簡単に論じたように、芳香族-脂肪族イソシアネートも、本発明の組成物において使用できる。ここで使用する、芳香族-脂肪族化合物は、芳香族リングを含む、このような化合物として理解すべきであり、ここで該イソシアネート基は、該リングとは直接結合していない。故に、如何なる特別な理論にも拘泥するつもりはないが、該NCO基の該芳香族リングとの間接的結合性は、芳香族化合物と典型的に関連する、該物質の変色を阻害または遅延する。芳香族-脂肪族化合物の一例は、1,3-ビス-イソシアナト-1-メチレンエチレンベンゼン(TMXDI)であり、以下のような一般的な構造を持つ:
Figure 2009056309
m-テトラメチルキシレンジイソシアネート(m-TMXDI);p-テトラメチルキシレンジイソシアネート(p-TMXDI)両者は、適当な芳香族-脂肪族イソシアネートとして、本発明における使用を意図するものである。芳香族-脂肪族イソシアネートの更なる非-限定的な例は、1,2-、1,3-、および1,4-キシレンジイソシアネート;任意のポリイソシアネートのトリマー化イソシアヌレート、例えばトルエンジイソシアネートのイソシアヌレート、ジフェニルメタンジイソシアネートのトリマー、テトラメチルキシレンジイソシアネートのトリマー、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、およびこれらの混合物;任意のポリイソシアネートのダイマー化イソシアヌレート、例えばトルエンジイソシアネートのウレトジオン、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、およびこれらの混合物;上記イソシアネートおよびポリイソシアネートから誘導される、変性ポリイソシアネート;およびこれらの混合物を含む。該芳香族-脂肪族イソシアネートは、本発明の目的にとって、上に列挙した不飽和または飽和イソシアネートの何れかと混合することができる。
該イソシアネートのNCO含有率は、約15%〜約35%なる範囲内であり得る。一態様において、該イソシアネートのNCO含有率は、約20%〜約33%なる範囲、およびより好ましくは約24%〜約32%なる範囲内にある。他の態様では、該イソシアネートのNCO含有率は、約22%〜約26%なる範囲内にある。
イソシアネート-反応性成分
当業者が入手できる任意のアミン-末端を持つ化合物が、該イソシアネート-反応性成分として使用するのに適している。該アミン-末端を持つ化合物は、アミン-末端を持つ炭化水素、アミン-末端を持つポリエーテル、アミン-末端を持つポリエステル、アミン-末端を持つポリカーボネート、アミン-末端を持つポリカプロラクトン、およびこれらの混合物を含むことができる。該アミン-末端を持つセグメントは、第一アミン(NH2)または第二アミン(NHR)の形状であり得る。更に、該アミンは、ジアミンまたはトリアミンであり得る。
本発明で使用する適当なアミン-末端を持つ化合物の分子量は、約100〜約10,000なる範囲内にあり得る。一態様において、該アミン-末端を持つ化合物は、約200以上、好ましくは約300以上、およびより一層好ましくは約500以上である。他の態様では、該アミン-末端を持つ化合物の分子量は、約5,000以下、好ましくは約3,000以下、およびより好ましくは約2,500以下である。例えば、一態様においては、該アミン-末端を持つ化合物の分子量は、約300〜約3,000なる範囲内にある。
一態様において、該アミン-末端を持つ化合物は、以下の一般的な構造を持つ、アミン-末端を持つ炭化水素を含む:
H2N-[CnH2n]x-NH2
H2N-[CnH2n]x-NHR;または
RHN-[CnH2n]x-NHR
ここで、xは、鎖長であり、即ち約1またはそれ以上であり、nは、好ましくは約1〜約12であり、またRは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物を表す。
該アミン-末端を持つ化合物は、また以下の一般的な構造を持つ、アミン-末端を持つポリエーテルであってもよい:
H2N-[CnH2nO]x-CnH2n-NH2
H2N-[CnH2nO]x-CnH2n-NHR;または
RHN-[CnH2nO]x-CnH2n-NHR
ここで、xは、鎖長であり、即ち約1またはそれ以上であり、nは、好ましくは約1〜約12であり、またRは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物を表す。アミン-末端を持つポリエーテルの例は、ポリエーテルアミンである。ここで使用する用語「ポリエーテルアミン」とは、ポリエーテル主鎖の末端に結合した、第一アミノ基を含むポリオキシアルキレンアミンを意味する。しかし、イソシアネートとアミンとの迅速な反応、および多くのウレア製品の不溶性のために、ジアミンおよびポリエーテルアミンの選択は、ポリウレアプレポリマーの上首尾の形成を可能とするものに制限される。一態様において、該ポリエーテル主鎖は、テトラメチレン、プロピレン、エチレン、トリメチロールプロパン、グリセリン、およびこれらの混合物を主成分とする。
一態様において、該ポリエーテルアミンは、以下のような一般的な構造を持つ:
Figure 2009056309
ここで、繰返し単位xは、約1〜約70なる範囲の値を持ち、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物を表し、またR3は、水素原子、メチル基、またはこれらの混合物を表す。更に一層好ましくは、該繰返し単位xは、約5〜約50なる範囲内にあり、またより一層好ましくは約12〜約35なる範囲内にある。
もう一つの態様において、該ポリエーテルアミンは、以下のような一般的な構造を持つ:
Figure 2009056309
ここで、繰返し単位xおよびzは、約3.6〜約8なる範囲内の併合された値を持ち、また繰返し単位yは、約9〜約50なる範囲内の値を持ち、Rは、約1〜約20個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物を表し、またR1は、-(CH2)a-を表し、ここで「a」は、約1〜約10なる範囲内の繰返し単位、フェニレン基、環式基、またはこれらの混合物であり得、またR3は、水素原子、メチル基、またはこれらの混合物である。
更に別の態様では、該ポリエーテルアミンは、以下のような一般的な構造を持つ:
H2N-(R1)-O-(R1)-O-(R1)-NH2
H2N-(R1)-O-(R1)-O-(R1)-NHR;または
RHN-(R1)-O-(R1)-O-(R1)-NHR
ここで、Rは、約1〜約20個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物を表し、またR1は、-(CH2)a-を表し、ここで「a」は、約1〜約10なる範囲内の繰返し単位、フェニレン基、環式基、またはこれらの混合物であり得る。
適当なポリエーテルアミンは、メチルジエタノールアミン;ポリオキシアルキレンジアミン、例えばポリテトラメチレンエーテルジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、ポリオキシエチレンジアミン、およびポリオキシプロピレンジアミン;ポリ(エチレンオキシドキャップドオキシプロピレン)エーテルジアミン;プロピレンオキシドを主成分とするトリアミン;トリエチレングリコールジアミン;トリメチロールプロパンを主成分とするトリアミン;グリセリンを主成分とするトリアミン;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一態様において、該プレポリマーを製造するのに使用する該ポリエーテルアミンは、ジェファミン(JeffamineTM) D2000 (テキサス州、オースチンの、ハンツマン社(Huntsman Corporation)により製造)である。
本発明において使用する該ポリエーテルアミンの分子量は、約100〜約5,000なる範囲内であり得る。一態様において、該ポリエーテルアミンの分子量は、約200以上、好ましくは約230以上である。他の態様において、該ポリエーテルアミンの分子量は、約4,000以下である。更に別の態様において、該ポリエーテルアミンの分子量は、約600以上である。更に他の態様によれば、該ポリエーテルアミンの分子量は、約3,000以下である。更に別の態様において、該ポリエーテルアミンの分子量は、約1,000〜約4,000なる範囲、好ましくは約1,000〜約4,000なる範囲、およびより好ましくは約1,500〜約2,500なる範囲内にある。より低い分子量のポリエーテルアミンは、プレポリマー製造中に固体ポリウレアを生成する傾向を示す恐れがあるので、より高分子量のオリゴマー、例えばジェファミン(JeffamineTM) D2000が好ましい。
更に、該アミン-末端を持つ化合物は、以下の一般的な構造を持つ、アミン-末端を持つポリエステルを含むことができる:
H2N-[-R1CO2R2CO2-]x-R1-NH2
H2N-[-R1CO2R2CO2-]x-R1-NHR;または
RHN-[-R1CO2R2CO2-]x-R1-NHR
ここで、xは、鎖長、即ち約1以上、好ましくは約1〜約20なる範囲の値であり、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物であり、またR1およびR2は、直鎖または分岐炭化水素鎖、例えばアルキルまたはアリール鎖である。
ポリカプロラクトンとポリアミンとのコポリマーも、本発明のイソシアネート-反応性成分として使用できる。適当なコポリマーは、ビス(2-アミノエチル)エーテルで開始させたポリカプロラクトン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、ポリオキシエチレンジアミンで開始させたポリカプロラクトン、プロピレンジアミンで開始させたポリカプロラクトン、ポリオキシプロピレンジアミンで開始させたポリカプロラクトン、1,4-ブタンジアミンで開始させたポリカプロラクトン、トリメチロールプロパンを主成分とする、トリアミン開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルジアミン開始ポリカプロラクトン、ヘキサンジアミン開始ポリカプロラクトン、ポリテトラメチレンエーテルジアミン開始ポリカプロラクトン、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。更に、以下の構造を持つポリカプロラクトンポリアミンも、本発明で使用する該イソシアネート-反応性成分として有用であり得る:
Figure 2009056309
ここで、xは、鎖長、即ち約1以上、好ましくは約1〜約20なる範囲の値であり、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、または環式基のうちの一つであり、またR1は、約1〜約20個の炭素原子を含む直鎖または分岐炭化水素鎖である。
アミン-末端を持つポリカプロラクトンは、また以下の構造を持つものをも含む:
Figure 2009056309
ここで、xは、鎖長、即ち1以上、好ましくは約1〜約20なる範囲の値であり、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、または環式基のうちの一つであり、またR1は、約1〜約20個の炭素原子を含む直鎖または分岐炭化水素鎖である。
もう一つの態様において、該アミン-末端を持つ化合物は、以下のような一般的な構造のひとつを持つ、アミン-末端を持つポリカーボネートであり得る:
Figure 2009056309
ここで、xは、鎖長であって、好ましくは約1〜約20なる範囲の値であり、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、または環式基のうちの一つであり、またR1は、直鎖炭化水素または主としてビスフェノールA単位またはその誘導体である。
アミン-末端を持つポリアミンも、本発明のイソシアネート-反応性成分として使用できる。適当なアミン-末端を持つポリアミンは、以下の構造を持つものを含むが、これらに限定されない:
Figure 2009056309
ここで、xは、鎖長、即ち約1以上の値であり、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、または環式基のうちの一つであり、R1は、約1〜約12個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、または環式基であり、またR2は、約1〜約12個の炭素原子を含むアルキル基(直鎖または分岐鎖)、フェニル基、または環式基である。従って、上記イソシアネート-反応性成分の何れか、並びに米国特許公開第2007/0093317号において教示されている、ポリアミンテレケリックス(telechelics)の何れかを、本発明による該イソシアネート-反応性成分として使用することができる。
イソシアネート-反応性成分として使用できる、追加のアミン-末端を持つ化合物は、ポリ(アクリロニトリル-co-ブタジエン);液状またはワックス状固体形状にあるポリ(1,4-ブタンジオール)ビス(4-アミノベンゾエート);直鎖または分岐ポリエチレンイミン;約500〜約30,000なる範囲内の平均分子量を持つ、低分子量並びに高分子量ポリエチレンイミン;約200〜約5,000なる範囲内の平均分子量を持つ、ポリ(プロピレングリコール)ビス(2-アミノプロピルエーテル);約200〜約2,000なる範囲内の平均分子量を持つ、ポリテトラヒドロフランビス(3-アミノプロピル)末端を持つ化合物;およびこれらの混合物(これらは全て、ウイスコンシン州、ミルウォーキーの、アルドリッチ(Aldrich)社から入手できる)を含むが、これらに限定されない。
本発明で使用するのに適当なポリ(アクリロニトリル-co-ブタジエン)化合物は、以下に列挙する構造の一つを持つ:
Figure 2009056309
ここで、xは、鎖長、即ち約1を越える値であり、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基またはこれらの混合物であり、R1は、水素原子、メチル基、シアノ基、フェニル基、またはこれらの混合物であり、またR2は、水素原子、メチル基、塩素原子、またはこれらの混合物である。一態様において、比:y:xは、約82:18〜約90:10なる範囲にある。換言すれば、該ポリ(アクリロニトリル-co-ブタジエン)は、質量基準で約10%〜約18%なる範囲のアクリロニトリルを含むことができる。
もう一つの態様において、本発明の組成物は、以下に列挙する構造の一つを持つ、ポリ(1,4-ブタンジオール)ビス(4-アミノベンゾエート)を含む:
Figure 2009056309
ここで、xは、鎖長、即ち約1以上の値であり、nは好ましくは約1〜約12なる範囲の値であり、RおよびR1は、直鎖または分岐炭化水素鎖、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物であり、またR2は、水素原子、メチル基、またはこれらの混合物である。一態様において、R1は、フェニル基であり、R2は、水素原子であり、またnは約2である。
更に別の態様において、以下のような構造の一つを持つ、少なくとも一つの直鎖または分岐ポリエチレンイミンを、該イソシアネート-反応性成分として使用する:
Figure 2009056309
ここで、xおよびyは、鎖長、即ち約1を越える値であり、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物であり、およびR1は、水素原子、メチル基、またはこれらの混合物である。一態様において、R1は、水素原子である。もう一つの態様において、本発明の組成物は、該イソシアネート-反応性成分として、直鎖または分岐ポリエチレンイミンの混合物を含む。
更に別の態様において、本発明の組成物は、以下の構造の一つを持つ、ポリテトラヒドロフランビス(3-アミノプロピル)末端を持つ化合物を含む:
Figure 2009056309
ここで、mおよびnは、鎖長、即ち約1以上の値であり、nは、好ましくは約1〜約12なる範囲内の値であり、またmは、好ましくは約1〜約6なる範囲内の値であり、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物のうちの任意の一つであり、またR1およびR2は、水素原子、メチル基、またはこれらの混合物である。一態様において、R1およびR2両者は、水素原子であり、かつmおよびn両者は、約2である。
疎水性セグメントを主成分とする、アミン-末端を持つ部分を用いることによって、本発明のポリウレア組成物は、アミン-末端を持つ親水性セグメントで形成したポリウレア組成物よりも、一層耐水性であり得る。従って、一態様において、該アミン-末端を持つ化合物は、疎水性主鎖、例えば不飽和または飽和炭化水素を主成分とする、アミン-末端を持つ化合物を含む。アミン-末端を持つ炭化水素の一例は、アミン-末端を持つポリブタジエンである。
更に、上で簡単に述べたように、ジアミンおよびトリアミンは、該イソシアネート-反応性成分として使用できる。一態様において、紫外線安定剤または白化剤を、後処理中に配合しようとする際には、芳香族ジアミンを使用できる。米国特許第5,484,870号は、本発明で使用するのに適した、適当な芳香族ジアミンを与えており、この特許の全開示内容を、参考としてここに組入れる。例えば、有用な芳香族ポリアミンは、ポリメチレン-ジ-p-アミノベンゾエート、ポリエチレングリコール-ビス(4-アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール-ジ-p-アミノベンゾエート、ポリプロピレングリコール-ジ-p-アミノベンゾエート、およびこれらの混合物を含む。更に、本発明のプレポリマーを製造する上で使用できるトリアミンは、N,N,N',N'-テトラメチル-エチレンジアミン、1,4-ジアゾビシクロ(2,2,2)-オクタン、N-メチル-N'-ジメチルアミノエチルピペラジン、N,N-ジメチルベンジルアミン、ビス-(N,N-ジエチルアミノエチル)-アジペート、N,N-ジエチルベンジルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N',N'-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、N,N-ジメチル-β-フェニルエチルアミン、1,2-ジメチルイミダゾール、および2-メチルイミダゾールを含む。
本発明の該イソシアネート-反応性成分として使用するためのトリアミンの非-限定的な例は、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、N-(アミノプロピル)エチレンジアミン、N-(アミノエチル)ブチレンジアミン、N-(アミノプロピル)ブチレンジアミン、N-(アミノエチル)ヘキサメチレンジアミン、N-(アミノプロピル)ヘキサメチレンジアミン、4-アミノメチルオクタン-1,8-ジアミン、(プロピレンオキシド)を主成分とするトリアミン(a.k.a.ポリオキシプロピレントリアミン)、トリメチロールプロパンを主成分とするトリアミン、グリセリンを主成分とするトリアミン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルアミン(即ち、N-(2-アミノエチル)-1,3-プロピレンジアミン、N3-アミン)、N,N-ビス(2-((アミノカルボニル)アミノ)エチル)ウレア、N,N',N"-トリス(2-アミノエチル)メタントリアミン、N1-(5-アミノペンチル)-1,2,6-ヘキサントリアミン、1,1,2-エタントリアミン、N,N',N"-トリス(3-アミノプロピル)メタントリアミン、N1-(2-アミノエチル)-1,2,6-ヘキサントリアミン、N1-(10-アミノデシル)-1,2,6-ヘキサントリアミン、1,9,18-オクタデカントリアミン、4,10,16,22-テトラザペンタコサン-1,13,25-トリアミン、N1-(3-((4-((3-アミノプロピル)アミノ)ブチル)アミノ)プロピル)-1,2,6-ヘキサントリアミン、ジ-9-オクタデセニル-(Z,Z)-1,2,3-プロパントリアミン、1,4,8-オクタントリアミン、1,5,9-ノナントリアミン、1,9,10-オクタでカントリアミン、1,4,7-ヘプタントリアミン、1,5,10-デカントリアミン、1,8,17-ヘプタデカントリアミン、1,2,4-ブタントリアミン、1,3,5-ペンタントリアミン、N1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)ブチル)-1,2,6-トリアミン、2,5-ジメチル-1,4,7-ヘプタントリアミン、N1-6-アミノヘキシル-1,2,6-ヘキサントリアミン、6-エチル-3,9-ジメチル-3,6,9-ウンデカントリアミン、1,5,11-ウンデカントリアミン、1,6,11-ウンデカントリアミン、N,N-ビス(アミノメチル)メタンジアミン、N,N-ビス(2-アミノエチル)-1,3-プロパンジアミン、メタントリアミン、N1-(2-アミノエチル)-N-2-(3-アミノプロピル)-1,2,5-ペンタントリアミン、N1-(2-アミノエチル)-1,2,6-ヘキサントリアミン、2,6,11-トリメチル-2,6,11-ドデカントリアミン、1,1,3-プロパントリアミン、6-(アミノメチル)-1,4,9-ノナントリアミン、1,2,6-ヘキサントリアミン、N2-(2-アミノエチル)-1,1,2-エタントリアミン、1,3,6-ヘキサントリアミン、N,N-ビス(2-アミノエチル)-1,2-エタンジアミン、3-(アミノメチル)-1,2,4-ブタントリアミン、1,1,1-エタントリアミン、N1,N1-ビス(2-アミノエチル)-1,2-プロパンジアミン、1,2,3-プロパントリアミン、2-メチル-1,2,3-プロパントリアミン、およびこれらの混合物を含む。
テトラミンの非-限定的な例は、トリエチレンテトラミン(即ち、ビス(アミノエチル)エチレンジアミン)、テトラエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、N,N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(即ち、a.k.a. N4-アミン、N,N'-1,2-エタンジイルビス-(1,3-プロパンジアミン)、1,5,8,12-テトラザドデカン)、ビス(アミノエチル)プロピレンジアミン、ビス(アミノエチル)ブチレンジアミン、ビス(アミノプロピル)ブチレンジアミン、ビス(アミノエチル)ヘキサメチレンジアミン、ビス(アミノプロピル)ヘキサメチレンジアミンを含む。他のより高級なポリアミンの例示的な例は、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリメチレン-ポリフェニルアミン、およびこれらの混合物を含む。
一態様において、本発明の該イソシアネート-反応性成分は、第二ジアミンまたは第二トリアミンであり、ここで、これら基本となるジアミンまたはトリアミンのアミン末端基は、ケトン、例えばアセトンまたは他の適当な溶媒と反応し、還元されて、以下の末端構造によって表される、ヒンダード第二アミン末端基を生成する:
Figure 2009056309
如何なる特別な理論にも拘泥するものではないが、各末端基上の一つの反応性水素原子が、より選択性の高い反応性を与え、また第一アミンよりも緩慢な固有の反応性を示す該第二ジアミンまたは第二トリアミンを生成する。これは、恐らく高度の立体障碍、例えば窒素原子上のt-ブチル基を持つアミンが、立体障碍を持たない、または低レベルの立体障碍のみを持つアミンよりも、低い反応速度を持つためである。
この点に関連して、好ましくは、該第二ジアミンの分子量は、約100〜約5,000なる範囲、好ましくは約200〜約2,500なる範囲、およびより好ましくは約300〜約2,100なる範囲内にある。一態様において、該第二ジアミンイソシアネート-反応性成分の分子量は、約1,800〜約2,100なる範囲、好ましくは約1,900〜約2,075なる範囲内にある。該イソシアネート-反応性成分が、第二トリアミンである場合、その分子量は、約50〜約2,000なる範囲、好ましくは約100〜約1,000なる範囲、およびより好ましくは約300〜約700なる範囲内の値であり得る。例えば、該イソシアネート-反応性成分として使用するのに適した該第二トリアミンの分子量は、約500〜約600なる範囲内の値であり得る。
該第二ジアミンおよび第二トリアミンは、好ましくは少量の第一アミン、即ち、約5%未満、好ましくは約3%未満、およびより好ましくは2%未満の第一アミンを含む。更に、この種のイソシアネート-反応性成分は、他のアミン-末端を持つ成分と比較して、比較的低い動粘度を持つ。例えば、本発明で使用するのに適した第二ジアミンおよび第二トリアミンの動粘度は、25℃(77°F)において、約5cSt〜約500cStなる範囲内の値であり得る。一態様において、該イソシアネート-反応性成分の動粘度は、25℃(77°F)において、約180cSt〜約250cStなる範囲内にある。もう一つの態様において、該動粘度は、25℃(77°F)において、約5cSt〜約50cStなる範囲内にある。
適当な第二ジアミンの市場で入手できる例は、ハンツマン社(Huntsman Corporation)から入手できる、ジェファミン(JEFFAMINETM) XTJ-584、XTJ-585およびXTJ-576を含む。同様にハンツマン社から入手できる、ジェファミン(JEFFAMINETM) XTJ-586は、該イソシアネート-反応性成分として使用できる、市販品として入手可能な第二トリアミンである。
本発明のこの局面において、該イソシアネート-反応性成分として使用するのに適した第二ジアミンは、以下のような代表的な構造を持つ、アミン-末端を持つポリプロピレングリコール(PPG)を主成分とするものであり得る:
Figure 2009056309
ここで、xは鎖長であって、好ましくは約1以上、およびより好ましくは約1〜約70なる範囲内の値である。一態様において、xは約2〜約68なる範囲内の値である。もう一つの態様において、xは約25〜約40なる範囲、好ましくは約30〜約38なる範囲内の値である。更に別の態様において、xは約2〜約10なる範囲内の値である。更に別の態様において、xは約60〜約70なる範囲、好ましくは約65〜約70なる範囲内の値である。該アミン-末端を持つPPGの分子量は、約200〜約4,500なる範囲内の値であり得る。一態様において、該分子量は、約210〜約450なる範囲内にある。他の態様では、該分子量は、約1,800〜約4,200なる範囲内にある。更に別の態様において、該分子量は、約1,900〜約2,500なる範囲内にある。更に別の態様において、該分子量は、約3,800〜約4,200なる範囲内にある。該第二ジアミンの製造において使用するのに適した、基本となるジアミンの市場で入手できる例は、ハンツマン社(Huntsman Corporation)から入手できる、ジェファミン(JEFFAMINETM) D-230、D-400、D-2000、およびD-4000Xを含む。
上記の第二トリアミンは、プロピレンオキシドとトリオール開始剤とを反応させ、次いでその末端ヒドロキシル基をアミノ化することによって製造され、以下の代表的な構造で示される、トリアミンを主成分とするものであり得る:
Figure 2009056309
ここでnは、0〜約2なる範囲、好ましくは0〜約1なる範囲の値であり得、x、y、およびzは、鎖長であって、好ましくは1以上であり、またRは水素原子またはアルキル基である。プロピレンオキシドのモル数は、x+y+zで表され、これは、約4〜約90なる範囲の値であり得る。一態様において、x+y+zは、約5〜約6なる範囲内にある。他の態様では、x+y+zは、約40〜約60なる範囲、好ましくは約45〜約55なる範囲、およびより好ましくは48〜約52なる範囲内にある。更に別の態様において、x+y+zは、約70〜約95なる範囲、好ましくは約80〜約90なる範囲、およびより好ましくは約83〜約88なる範囲内にある。該第二トリアミンの製造において使用するのに適した、市販品として入手可能な基本となるトリアミンは、ハンツマン社(Huntsman Corporation)から入手できる、ジェファミン(JEFFAMINETM) T-403、T-3000およびT-5000を含む。
該アミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分に加えて、ヒドロキシル-末端を持つイソシアネート-反応性成分を、本発明に従って使用することも可能である。しかし、少なくとも一つのヒドロキシル-末端を持つイソシアネート-反応性成分を使用する場合、その後に使用される上記硬化剤が、アミン-末端を持つものであったとしても、本発明の組成物は、もはやウレア結合から本質的になるものとは考えられない。寧ろ、この組成物は、ウレアおよびウレタン結合両者を含むことから、ハイブリッド組成物であると考えられる。該イソシアネート-反応性成分として使用するのに適した、ヒドロキシル-末端を持つ成分は、上記ポリウレタンプレポリマーにおいて使用するのに適した、当業者が入手できる任意のポリオールを含むが、これらに限定されない。ポリオールの例は、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、炭化水素ポリオール、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。飽和および不飽和ポリオール両者が、本発明において使用するのに適したものである。
本発明で使用するのに適したポリエーテルポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG);ポリテトラメチレンエーテルグリコールと2-メチル-1,4-ブタンジオール(PTG-L)とのコポリマー;ポリ(オキシエチレングリコール);ポリ(オキシプロピレングリコール);エチレンオキシドキャップド(ポリオキシプロピレン)グリコール;ポリ(オキシプロピレンオキシエチレン)グリコール;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
適当なポリカプロラクトンポリオールは、ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン;プロピレングリコール開始ポリカプロラクトン;1,4-ブタンジオール開始ポリカプロラクトン;トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン;ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン;1,6-ヘキサンジオール開始ポリカプロラクトン;ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)開始ポリカプロラクトン;エチレングリコール開始ポリカプロラクトン;ジプロピレングリコール開始ポリカプロラクトン;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
適当なポリエステルポリオールは、ポリエチレンアジペートグリコール;ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール;ポリブチレンアジペートグリコール;ポリエチレンブチレンアジペートグリコール;ポリヘキサメチレンアジペートグリコール;ポリヘキサメチレンブチレンアジペートグリコール;o-フタレート-1,6-ヘキサンジオールポリエステルポリオール;ポリエチレンテレフタレートポリエステルポリオール;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
本発明で使用できるポリカーボネートポリオールの例は、ポリ(フタレートカーボネート)グリコール;ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール;ビスフェノールAを含むポリカーボネートポリオール;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
炭化水素ポリオールは、ヒドロキシル-末端を持つ液状イソプレンゴム(LIR);ヒドロキシル-末端を持つポリブタジエンポリオール;ヒドロキシル-末端を持つポリオレフィンポリオール;ヒドロキシル-末端を持つ炭化水素ポリオール;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
本発明の該イソシアネート-反応性成分として使用できる他のポリオールは、ヒマシ油およびその誘導体;ポリテール(Polytail) H;ポリテールHA;クラトン(Kraton)ポリオール;アクリル系ポリオール;カルボン酸、スルホン酸、または燐酸基を基本とする酸官能化されたポリオール;飽和ダイマー化脂肪酸から転化されたダイマーアルコール;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
疎水性主鎖を基本とするポリオールを使用することによって、本発明の組成物は、疎水性主鎖を持たないポリオールを含む組成物と比較して、より一層耐水性のものとなり得る。疎水性主鎖を基本とするポリオールの幾つかの非-限定的な例は、炭化水素ポリオール、ヒドロキシル-末端を持つポリブタジエンポリオール、ポリエーテル、ポリカプロラクトン、およびポリエステルを包含する。
一態様においては、少なくとも2種のイソシアネート-反応性成分を使用し、ここで、該イソシアネート-反応性成分の一方は、アミノ-末端を持つものであり、かつその第二のものは、ヒドロキシル-末端を持つものである。前に論じたアミノ-末端を持つおよびヒドロキシル-末端を持つ成分の何れも、この点に関して使用するのに適している。しかし、上で論じた如く、一旦ヒドロキシル-末端を持つイソシアネート-反応性成分を使用すると、得られる該組成物はウレタン結合を含み、従って最早本発明の目的とする純粋なポリウレアではない。どちらかと言えば、この組成物は、ウレアおよびウレタン結合両者を含む。
硬化剤
本発明で使用する該硬化剤は、ヒドロキシル-末端を持つ硬化剤、アミン-末端を持つ硬化剤、およびその混合物を含むが、これらに限定されない。当業者には公知であるように、使用する硬化剤の型は、得られる組成物がポリウレア/ウレタンまたはポリウレア/ウレタンであるか否かを決定する。ヒドロキシル-末端を持つ硬化剤で硬化された、ウレア結合のみを含むプレポリマーは、ポリウレア/ウレタンである。というのは、あらゆる過剰のイソシアネート基が、該硬化剤のヒドロキシル基と反応して、ウレタン結合を生成するからである。これとは対照的に、アミン-末端を持つ硬化剤を、ウレア結合のみを含むプレポリマーと共に使用した場合には、該過剰量のイソシアネート基は、該アミン-末端を持つ硬化剤のアミノ基と反応して、より多くのウレタン結合を生成し、純ポリウレア組成物を与える。
故に、該硬化剤は、アミン-末端を持つものであり、従って得られる組成物は、ウレア結合のみを含む。適当なアミン-末端を持つ硬化剤は、エチレンジアミン;ヘキサメチレンジアミン;1-メチル-2,6-シクロヘキシルジアミン;2,2,4-および2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン;4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンおよびその誘導体;1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン;1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン;4,4'-ジシクロヘキシルメタンジアミン;1,4-シクロヘキサン-ビス(メチルアミン);1,3-シクロヘキサン-ビス(メチルアミン);ジエチレングリコールビス-(アミノプロピル)エーテル;2-メチルペンタメチレン-ジアミン;ジアミノシクロヘキサン;ジエチレントリアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;プロピレンジアミン;1,3-ジアミノプロパン;ジメチルアミノプロピルアミン;ジエチルアミノプロピルアミン;イミド-ビス(プロピルアミン);モノエタノールアミン;ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;モノイソプロパノールアミン;ジイソプロパノールアミン;イソホロンジアミン;4,4'-メチレン-ビス(2-クロロアニリン);3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン;3,5-ジメチルチオ-2,6-トルエンジアミン;3,5-ジエチルチオ-2,4-トルエンジアミン;3,5-ジエチルチオ-2,6-トルエンジアミン;4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタンおよびその誘導体;1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン;1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン;N,N'-ジアルキルアミノ-ジフェニルメタン;トリメチレングリコール-ジ-p-アミノベンゾエート;ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート;4,4'-メチレン-ビス(2-クロロ-2,6-ジエチレンアニリン);4,4'-メチレン-ビス(2,6-ジエチルアニリン);m-フェニレンジアミン;p-フェニレンジアミン;N,N'-ジイソプロピルイソホロンジアミン;ポリオキシプロピレンジアミン;プロピレンオキシドを主成分とするトリアミン;3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノシクロヘキシルメタン;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一態様において、該アミン-末端を持つ硬化剤は、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンである。一態様において、該アミン-末端を持つ硬化剤は、約64以上の分子量を持つことができる。他の態様においては、該硬化剤の分子量は、約2,000以下である。更に、上に列挙した、任意のアミン-末端を持つ部分は、上記ポリウレアプレポリマーと反応させるための硬化剤として使用することができる。
上に列挙した化合物の中で、本発明で使用するのに適した、該飽和状態にあるアミン-末端を持つ硬化剤は、エチレンジアミン;ヘキサメチレンジアミン;1-メチル-2,6-シクロヘキシルジアミン;2,2,4-および2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン;4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン;1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン;1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン;4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの誘導体;4,4'-ジシクロヘキシルメタンジアミン;1,4-シクロヘキサン-ビス(メチルアミン);1,3-シクロヘキサン-ビス(メチルアミン);ジエチレングリコールビス-(アミノプロピル)エーテル;2-メチルペンタメチレン-ジアミン;ジアミノシクロヘキサン;ジエチレントリアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;プロピレンジアミン;1,3-ジアミノプロパン;ジメチルアミノプロピルアミン;ジエチルアミノプロピルアミン;イミド-ビス(プロピルアミン);モノエタノールアミン;ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;モノイソプロパノールアミン;ジイソプロパノールアミン;イソホロンジアミン;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
イソシアネート-反応性成分としての、第二ジアミンまたは第二トリアミンの使用に関連して、上で簡単に説明した様に、多くのアミンが、該イソシアネートとの反応のためには、その遊離NCO基とアミン末端基との間の迅速な反応性のために、望ましくない可能性がある。これと同様な問題が、該プレポリマーと共に使用するのに適した硬化剤を選択する際にも存在する。例えば、一般的に、ヒンダード第一ジアミン以外の第一ジアミンは、迅速に反応し、従って該硬化剤としての第一ジアミンの選択は、処理条件によっては問題となる可能性がある。それ故に、一態様においては、ヒンダード第二ジアミンを、該硬化剤として使用できる。例えば、4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンまたは3,3'-ジメチル-4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン(これらは両者共に、夫々クリアリンク(ClearlinkTM) 1000およびクリアリンク(ClearlinkTM) 3000として、UOPから市販品として入手できる)が、本発明のポリウレアプレポリマーを製造する目的で、イソシアネートとの組合せで使用するのに適している。更に商品名ジェフリンク(JefflinkTM)の下で、ハンツマン社から入手できる、N,N'-ジイソプロピル-イソホロンジアミンを、該第二ジアミン硬化剤として使用することができる。更に、メチレンジアミンを主成分とする第二ジアミンを硬化剤として使用することができる。例えば、UOPから、ユニリンク(UnilinkTM) 4200が、硬化剤として使用するのに適している。
更に、該ポリウレアプレポリマーは、単独のヒドロキシル-末端を持つ硬化剤またはヒドロキシル-末端を持つ硬化剤の混合物で硬化することができる。しかし、一旦ヒドロキシル-末端を持つ硬化剤を使用した場合、該ポリウレアプレポリマー中の過剰量のイソシアネートは、該硬化剤中のヒドロキシル基と反応し、ウレタン結合を生成し、これは、もはや純粋なポリウレアではなく、ポリウレア/ウレタン組成物としての、組成物を結果する。
適当なヒドロキシル-末端を持つ硬化剤は、エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;2-メチル-1,3-プロパンジオール;2-メチル-1,4-ブタンジオール;ジプロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;1,2-ブタンジオール;1,3-ブタンジオール;1,4-ブタンジオール;2,3-ブタンジオール;2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール;トリメチロールプロパン;シクロヘキシルジメチロール;トリイソプロパノールアミン;N,N,N',N'-テトラ-(2-ヒドロキシプロピル)-エチレンジアミン;ジエチレングリコールビス(アミノプロピル)エーテル;1,5-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン;1,4-シクロヘキシルジメチロール;1,3-ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]シクロヘキサン;1,3-ビス{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}シクロヘキサン;ポリテトラメチレンエーテルグリコール、好ましくは約250〜約3,900なる範囲の分子量を持つもの;レゾルシノール-ジ-(β-ヒドロキシエチル)エーテルおよびその誘導体;ヒドロキノン-ジ-(β-ヒドロキシエチル)エーテルおよびその誘導体;1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3-ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;N,N-ビス(β-ヒドロキシプロピル)アニリン;2-プロパノール-1,1'-フェニルアミノビス;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。該ヒドロキシル-末端を持つ硬化剤は、少なくとも約50なる分子量を持つことができる。一態様において、該ヒドロキシル-末端を持つ硬化剤の分子量は、約2,000以下である。
上記のリスト中に含まれる、該飽和状態にあるヒドロキシル-末端を持つ硬化剤が、光安定性組成物を製造する際には好ましい。これらの飽和状態にあるヒドロキシル-末端を持つ硬化剤は、エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;2-メチル-1,3-プロパンジオール;2-メチル-1,4-ブタンジオール;ジプロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;1,2-ブタンジオール;1,3-ブタンジオール;1,4-ブタンジオール;2,3-ブタンジオール;2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール;トリメチロールプロパン;シクロヘキシルジメチロール;トリイソプロパノールアミン;N,N,N',N'-テトラ-(2-ヒドロキシプロピル)-エチレンジアミン;ジエチレングリコールビス(アミノプロピル)エーテル;1,5-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン;1,4-シクロヘキシルジメチロール;1,3-ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]シクロヘキサン;1,3-ビス{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}シクロヘキサン;約250〜約3,900なる範囲の分子量を持つポリテトラメチレンエーテルグリコール;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
従って、これら両タイプの硬化剤、即ちヒドロキシル-末端を持つおよびアミン-末端を持つ硬化剤は、1種またはそれ以上の飽和、不飽和、芳香族、および環式基を含むことができる。更に、該ヒドロキシル-末端を持つおよびアミン-末端を持つ硬化剤は、1またはそれ以上のハロゲン原子を含むことができる。該得られるポリウレアエラストマーの剪断抵抗を更に改善するために、3官能性硬化剤を使用して、架橋を補佐し、改善することができる。例えば、ヒドロキシル-末端を持つ硬化剤を使用できる。好ましくは、トリオール、例えばトリメチロールプロパンまたはテトラオール、例えばN,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミンを、該処方物に添加することができる。
一態様において、該硬化剤は、共に継続中の米国特許第7,041,769号に開示されている、改良された硬化剤ブレンドである。該特許の内容全体を、ここに参考として組入れる。例えば、本発明の硬化剤は、凝固点降下剤で改善して、固化の開始を遅らせ、また保存安定性の顔料分散体を含む、硬化剤ブレンドを生成することができる。アミン-末端を持つ硬化剤の幾つかは、比較的高い凝固点を持ち、例えばヘキサメチレンジアミン(約41℃(105.8°F))、ジエタノールアミン(約28℃(82.4°F))、トリエタノールアミン(約21℃(69.8°F))、ジイソプロパノールアミン(約23℃(73.4°F))、およびトリイソプロパノールアミン(約44℃(111.2°F))である。このようなアミン-末端を持つ硬化剤は、アミン-末端を持つ凝固点降下剤またはアミン-末端を持つ凝固点降下剤の混合物で改良することができる。適当なアミン-末端を持つ凝固点降下剤は、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、ジメチルアミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミン、1,2-プロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
該凝固点降下剤は、好ましくは該硬化剤の凝固点を減じるのに十分な量であって、顔料分散性の喪失を防止するのに適した量で、しかも該ゴルフボールの物性に悪影響を与えない量で添加される。一態様において、該凝固点降下剤は、該硬化剤ブレンド、即ち硬化剤、凝固点降下剤の質量基準で、約5質量%以上なる量で該硬化剤に添加される。他の態様においては、該凝固点降下剤は、該硬化剤ブレンドの質量基準で、約8質量%以上なる量で存在する。更に別の態様では、該凝固点降下剤は、約10質量%またはそれ以上の量で存在する。更に他の態様では、該硬化剤ブレンドは、該硬化剤ブレンドの質量基準で、約12質量%またはそれ以上なる量で該凝固点降下剤を含有する。該硬化剤ブレンドは、また該硬化剤ブレンドの質量基準で、約14質量%またはそれ以上なる量で該凝固点降下剤を含有する。
更に、凍結並びにその後の解凍後に、好ましくは、本発明の改良された硬化剤ブレンドは、ヘグマン(Hegman)スケールで、0を越え、好ましくは約1またはそれ以上、およびより好ましくは約2またはそれ以上の顔料分散性(度)を有する。一態様において、凍結/解凍サイクル後の該改良された硬化剤ブレンドは、該ヘグマンスケールで、約3またはそれ以上の顔料分散度を持つ。もう一つの態様において、凍結並びに解凍後の、該改良された硬化剤ブレンドは、該ヘグマンスケールで、約4またはそれ以上、好ましくは約5またはそれ以上の顔料分散度を持つ。更に別の態様では、凍結並びに解凍後の、該改良された硬化剤ブレンドは、該ヘグマンスケールで、約6またはそれ以上の顔料分散度を持つ。更に別の態様において、凍結並びに解凍後に、該ヘグマンスケールで、約7またはそれ以上の顔料分散度を持つ。
本発明の組成物の製造
本発明の該ウレアを主成分とする組成物を処理するために使用する、2つの基本的な技術、即ちワンショット法およびプレポリマー法がある。該ワンショット法では、上記イソシアネート-含有化合物、上記イソシアネート-反応性成分、および上記硬化剤を1段階で反応させ、一方該プレポリマー法は、プレポリマーを製造するための、該イソシアネート-反応性化合物と、該イソシアネート-含有化合物との間の第一の反応、および該プレポリマーと、硬化剤との間のその後の反応を必要とする。何れの方法も、本発明のポリウレア組成物を製造するのに利用できるが、該プレポリマー法は、化学反応の良好な制御性を与え、結果として得られるエラストマーのより均一な特性をもたらすことから、このプレポリマー法が好ましい。
従って、一態様においては、本発明の組成物は、少なくとも1種のイソシアネート-含有成分と、少なくとも1種のイソシアネート-反応性成分とを反応させて、プレポリマーを形成し、該プレポリマーの鎖長を、硬化剤によって延長して、該系を硬化することによって製造することができる。特に、上で論じた該イソシアネート-含有成分の全てを、上で論じた該イソシアネート-反応性成分の何れかと反応させて、プレポリマーを形成することができる。一態様において、該プレポリマーは、イソシアネート-含有成分と、アミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分とから形成され、本質的にウレア結合からなっている。別の態様では、該プレポリマーは、イソシアネート-含有成分と、第二ジアミンとから形成される。
本発明のもう一つの局面では、本発明で使用する該イソシアネート-含有成分は、脂肪族イソシアネートとハイブリッド化された、芳香族イソシアネートを含むことができる。例えば、芳香族イソシアネートは、イソシアネート-反応性成分、例えばアミン-末端を持つ成分と反応させて、中間的なプレポリマーを生成することができ、次いで該プレポリマーを、該プレポリマーの官能基と、過剰量で添加される脂肪族イソシアネートとの間で更に反応させるのに十分な温度にて加熱する。結果として、プレポリマーは、両端部に脂肪族イソシアネート基を持つ。一態様において、該中間的なプレポリマーの官能基と、該脂肪族イソシアネート中のNCO基とを更に反応させるのに十分な、上記温度は、約60〜約90℃なる範囲、好ましくは約70〜約80℃なる範囲内にある。本発明のこの局面の目的にとっては、前に議論した芳香族および脂肪族イソシアネート-含有成分の何れかを使用することができる。
一旦形成された、該プレポリマーは、好ましくは約10%〜20%なる範囲の遊離イソシアネートモノマー(NCO基)を含む。一態様において、該プレポリマーのNCO含有率は、約12%〜16%である。該プレポリマー中の未反応のNCO基の数は、該反応の速度、得られる該組成物の硬さ等のファクタを調節するために変更することができる。例えば、未反応のイソシアネート基の質量%での量が増大すると、幾分線形の様式でその硬さも増大する。従って、該NCO含有率が約10.5質量%である場合、硬さは、約55ショアAであり得、一方一度該NCO含有率が約15質量%まで増大すると、硬さは、約80ショアAを越える。
本発明のこの局面において、該プレポリマーは、該遊離のイソシアネートモノマーから取り出すことができる。例えば、ストリッピングの後、該プレポリマーは、約1%またはそれ以下の遊離イソシアネートモノマーを含むことができる。他の態様では、該プレポリマーは、約0.5%またはそれ以下の遊離イソシアネートモノマーを含む。
当業者は、ゴルフボールおよびゴルフボール部品の様々な特性、例えば硬さが、プレポリマー対硬化剤の比を調節することによって制御できることを認識している。該比は、上で論じたように該プレポリマーのNCO含有率、および該硬化剤の分子量の関数である。例えば、1,4-ブタンジオールで硬化された、6%の未反応NCO基を含むプレポリマーの該比は、15.6:1であり、一方4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)ジシクロヘキシルメタン(クリアリンク(Clearlink) 1000)で硬化された同一のプレポリマーの該比は、4.36:1である。本発明の目的にとって、プレポリマー対硬化剤のこの比は、好ましくは約0.5:1〜約16:1なる範囲内にある。当業者は、この比が、本発明の組成物から製造した層の型に依存して、レジリエンスを最小化するように調節すべきであることを認識しているはずである。例えば、本発明の組成物からカバーを製造する場合、該プレポリマー対硬化剤の比は、約1:0.95であり得る。
同様に、該プレポリマー対硬化剤の比は、該組成物が熱硬化性であるか熱可塑性であるかを決定する上である役割を演じている。例えば、1:1の化学量論比の、硬化剤で架橋されたプレポリマーは、事実上熱可塑性である。他方、熱硬化性ポリウレタンは、一般的に、該プレポリマー対硬化剤の比が1未満である場合に生成される。例えば、該組成物は、該プレポリマー対第二ジアミン硬化剤の比が、1:0.95である場合に熱硬化性であり得る。
該硬化剤の選択は、本発明の該組成物が熱硬化性であるか熱可塑性であるかを決定するので、該ボール上に本発明の組成物を成型する方法は、また該組成物の型に応じて変化するであろう。例えば、本発明の熱可塑性ポリウレア組成物は、射出成型法または圧縮成型法により、該ボール上に成型し得る、熱可塑性ペレットを製造するのに利用できる。熱硬化性ポリウレア組成物は、該ボール上で流延することができる。更に、本発明の熱硬化性および熱可塑性ポリウレア組成物両者は、反応性射出成型(RIM)法および液体射出成型(LIM)法を利用して、該コアの回りで成型し得る。
ポリウレタンおよび/またはポリウレア組成物中に、従来から配合されている追加の材料は、本発明のプレポリマーまたは硬化された組成物中に添加することができる。これらの追加の材料は、触媒、湿潤剤、着色剤、蛍光増白剤、架橋剤、白化剤、例えばTiO2、ZnO、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定化剤、消泡剤、加工助剤、界面活性剤、および他の公知の添加剤を含むが、これらに限定されない。例えば、湿潤剤は、顔料をより効果的に分散させる目的で、本発明の該改良された硬化剤ブレンドに添加することができる。適当な湿潤剤は、特にバイク-ケムル(Byk-Chemle)およびクロンプトン社(Crompton Corporation)から入手できる。
酸化防止剤、安定剤、軟化剤、内部添加および外部添加可塑剤を包含する可塑剤、耐衝撃性改善剤、発泡剤、密度-調節用フィラー、強化材および相溶化剤も、本発明の組成物に添加することができる。当業者は、これら添加剤の添加目的およびこれら目的を満たすために使用すべきその量については、認識しているであろう。
触媒
触媒も、該プレポリマーと該硬化剤との間の反応速度を調節するために使用することができる。適当な触媒は、ビスマス触媒;亜鉛オクトエート;第一錫オクトエート;錫触媒、例えばビス-ブチル錫ジラウレート(ダブコ(DABCOTM) T-12;エアープローダクツ&ケミカルズ社(Air Products and Chemicals, Inc.)によって製造されている)、ビス-ブチル錫ジアセテート(ダブコ(DABCOTM) T-1);第一錫オクトエート(ダブコ(DABCOTM) T-9);塩化錫(II)、塩化錫(IV)、ビス-ブチル錫ジメトキシド(ファスカット(FASCATTM)-4211)、ジメチル-ビス[1-(オキソンデシル)オキシ]第一錫塩(フォルメッツ(FORMEZTM) UL-28)、ジ-n-オクチル錫ビス-イソオクチルメルカプトアセテート(フォルメッツ(FORMEZTM) UL-29);アミン触媒、例えばトリエチレンジアミン(ダブコ(DABCOTM) 33-LV)、トリエチルアミン、およびトリブチルアミン;有機酸、例えばオレイン酸および酢酸;遅延触媒、例えばポリカット(POLYCATTM) SA-1、ポリカット(POLYCATTM) SA-2、ポリカット(POLYCATTM)等;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一態様において、該触媒は、ジ-ブチル錫ジラウレートである。
該触媒は、好ましくは該反応混合物中の該成分の反応を触媒するのに十分な量で添加される。一態様において、該触媒は、該組成物の質量基準で、約0.001〜約5質量%なる範囲の量で存在する。例えば、ジ-ブチル錫ジラウレート等の錫触媒を使用する場合、該触媒は、好ましくは約0.005〜約1質量%なる範囲の量で存在する。他の態様において、該触媒は、約0.05質量%またはそれ以上の量で存在する。別の態様では、該触媒は、約0.5質量%またはそれ以上の量で存在する。
低濃度、典型的には全組成物を基準として、約0〜約0.04質量%なる範囲の量での錫触媒の使用は、適当な反応速度を達成するために、高温度の使用を必要とするが、これは、生成するプレポリマーの分解をもたらす恐れがある。触媒量を慣例に反する高濃度にまで高めると、妥当な硬化段階を維持しつつ、加工温度を下げることが可能である。より高い触媒濃度の使用も、混合速度を下げることを可能とする。従って、一態様においては、該錫触媒は、該組成物の約0.01〜約0.55質量%なる範囲の量で存在する。他の態様においては、約0.05〜約0.4質量%なる範囲の量の錫触媒が、該組成物中に存在する。更に別の態様において、該錫触媒は、該組成物中に、約0.1〜約0.25質量%なる範囲の量で存在する。
如何なる理論にも拘泥するつもりはないが、ウレア結合を含むプレポリマーと共に使用する場合、ジ-ブチル錫ジラウレート等の触媒は、硬化速度を阻害または遅らせる。しかし、ウレタン結合を含むプレポリマーと共に使用した場合には、ジ-ブチル錫ジラウレートは、該反応速度を加速する。当業者は、本発明に従って製造した組成物の特定の型に最も適した、触媒の型並びに量を、選択することができるであろう。
密度-調整用フィラー
フィラーを、本発明の組成物に添加して、そのレオロジー並びに混合特性、比重(即ち、密度-調節フィラー)、モジュラス、引裂強さ、強化度等に影響を与えることができる。該フィラーは、一般的に無機物であり、また適当なフィラーは、多くの金属、金属酸化物および塩、例えば酸化亜鉛および酸化錫、並びに硫酸バリウム、炭化タングステン、一連のシリカ、リグラインド(典型的に、約30メッシュの粒子に粉砕された、再生コア材料)、高ムーニー粘度のゴムリグラインド、およびこれらの混合物を含む。
例えば、本発明の組成物は、当業者には公知の如く、広範囲に渡る密度-調節用フィラー、例えばセラミックス、ガラス球(中実または中空、および充填または非-充填)、および繊維、無機粒子、および金属粒子、例えば金属フレーク、金属粉末、酸化物、およびこれらの誘導体とブレンドすることによって、強化することができる。このようなフィラーの選択は、所望のゴルフボールの型、即ち、以下においてより詳しく説明するような、ワン-ピース、ツー-ピース、多成分、または糸巻き等に依存する。一般的にフィラーは、4g/ccを越える密度を持つ無機物であり、また問題とする層に含まれる該ポリマー成分の全質量を基準として、約5〜約65質量%なる範囲の量で存在する。有用なフィラーの例は、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、およびシリカ、並びに他の公知の、これらの対応する塩および酸化物を包含する。
フィラーは、また該コア、あるいは特製のボール用の少なくとも1層の追加の層の質量を調節するのに使用することができ、例えばより低質量のボールが、スイングスピードの低い競技者にとっては好ましい。
発泡剤
本発明の組成物は、少なくとも1種の物理的または化学的発泡剤を添加して、発泡させることができる。発泡させたポリマーの使用は、ゴルフボールのデザイナーが、該ボールの密度または質量分布を調節して、慣性の角運動量の調節、また結果的に該ボールのスピン速度および性能の調節を行うことを可能とする。発泡された材料は、またポリマー材料の使用量の節減により、有力なコスト削減をもたらす。
有用な発泡剤は、有機発泡剤、例えばアゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、N,N-ジメチル-N,N-ジニトロソテレフタルアミド、N,N-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゼン-1,3-ジスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン-3,3-ジスルホニルヒドラジド、4,4'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、p-トルエンスルホニルセミカルバジド、バリウムアゾジカルボキシレート、ブチルアミンニトリル、ニトロウレア、トリヒドラジノトリアジン、フェニルメチル-ウランタン(uranthan)、p-スルホンヒドラジド、過酸、および無機発泡剤、例えば重炭酸アンモニウムおよび重炭酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。ガス、例えば空気、窒素、二酸化炭素等も、本発明の組成物の射出成型の際に、該組成物中に注入することもできる。
更に、本発明の発泡された組成物は、該成型過程中に、またはその前に、該組成物と微小球とをブレンドすることにより製造することができる。ポリマー、セラミック、金属およびガラス微小球が、本発明において有用であり、またこれらは中実または中空、および充填または非-充填のものであり得る。特に、径約1,000μmまでの微小球が有用である。更に、米国特許第6,386,992号(これを、参考としてここに組入れる)に記載されているような、発泡用の液体窒素の使用は、本発明で使用するための、高度に均一な発泡組成物の製造を可能とする。
射出成型または圧縮成型法の何れかを使用して、発泡したポリマー材料を含む層またはコアを製造することができる。例えば、本発明の組成物は、熱成型することができ、従って圧縮成型することができる。圧縮成型された、グラフト化メタロセン触媒含有ポリマーブレンド層に関しては、従来のハーフシェル金型内で、グラフト化メタロセン触媒含有ポリマーブレンドを射出成型するか、あるいは発泡させたグラフト化メタロセン触媒含有ポリマーのシートを圧縮成型することにより、ハーフシェルを製造することができる。該ハーフシェルは、前もって形成した中心またはコア、カバー、またはマントル層の周りに配置し、このアセンブリーを圧縮成型機に導入し、約121.1〜約204.4℃(約250〜約400°F)なる範囲内の温度にて、圧縮成型する。この成型したボールを、次に依然として該金型内に維持したまま冷却し、最終的に該グラフト化メタロセン触媒含有ポリマーブレンドの層が、変形することなしに取扱うのに十分な硬さとなった際に、該金型から取出す。追加のコア、マントル、およびカバー層を、次に、必要に応じて、完全なボールが形成されるまで、該予め成型された層上に成型する。
光安定剤
上で論じたように、時間の経過に伴う最大の光安定性を得るために、本発明の組成物は、好ましくは飽和された成分のみを含む。しかし、飽和成分からなる組成物は、変色に対して抵抗性であるが、屋外暴露された際に、その機械的諸特性における劣化に対して影響を受けない訳ではない。それ故に、上記不飽和成分を含む組成物の何れかに対する、UV吸収剤および光安定剤の添加が、顕著な黄変を防止するために推奨され、またこの添加は、飽和成分のみを含む組成物における引張強さ、伸び、および色彩安定性の維持を補佐し得る。光安定剤の使用は、またこれら両者の型の組成物における光劣化による、カバー表面の破断を防止するのを補佐する。ここで使用する、該用語「光安定剤」とは、ヒンダードアミン光安定剤、紫外線(UV)吸収剤、および酸化防止剤を包含するものとして理解することができる。
適当な光安定剤は、チヌビン(TINUVINTM) 292、チヌビン(TINUVINTM) 328、チヌビン(TINUVINTM) 213、チヌビン(TINUVINTM) 765、チヌビン(TINUVINTM) 770およびチヌビン(TINUVINTM) 622を含むが、これらに限定されない。 チヌビン(TINUVINTM)製品は、N.Y.州、タリータウンのチバスペシャルティーケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)社から入手できる。一態様において、該光安定剤は、UV吸収剤であるチヌビン(TINUVINTM) 328であり、これは芳香族化合物について有用である。別の態様においては、ヒンダードアミン光安定剤である、チヌビン(TINUVINTM) 765を、脂肪族化合物と共に使用する。更に、チヌビン(TINUVINTM) 292も、本発明の芳香族または脂肪族組成物と共に使用することができる。
更に、上で論じたように、染料並びに蛍光増白剤および蛍光顔料も、本発明に従って製造したポリマーを用いて作成した、ゴルフボールカバー内に配合することができる。このような追加の成分は、その所定の目的を達成するであろう、任意の量で添加できる。
組成物ブレンド
本発明の組成物は、好ましくは、使用するイソシアネート-反応性成分および硬化剤の型に依存して、約1%〜約100%なる範囲のポリウレアまたはポリウレア-ポリウレタンを含むが、該組成物は他の材料とブレンドすることも可能である。一態様において、該組成物は、約10%〜約90%なる範囲のポリウレアまたはポリウレア-ポリウレタン、好ましくは約10%〜約75%なる範囲のポリウレアまたはポリウレア-ポリウレタンを含み、また約90%〜10%なる範囲、より好ましくは約90%〜約25%なる範囲の、以下に記載するような他のポリマーおよび/または他の材料を含む。以下において特に述べない限り、全ての百分率は、問題としているゴルフボール層の全組成物の質量基準の、質量%で与えられている。
本発明の組成物と共にブレンドするのに適した、他のポリマー材料は、注型適性を持つ熱可塑性物質、カチオン性およびアニオン性ウレタンイオノマーおよびウレタンエポキシ樹脂、ポリウレタンイオノマー、ポリウレアイオノマー、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミドおよびポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリリン(polyacrylin)、シロキサンおよびエポキシ樹脂またはこれらのブレンド、およびこれらの混合物を含む。当業者は、該ポリマー材料と、本発明の組成物とをブレンドする方法について、十分に認識しているであろう。
適当なウレタンイオノマーの例は、米国特許第5,692,974号に記載されている。この特許の開示全体を、参考としてここに組入れる。適当なポリウレタンの他の例は、米国特許第5,334,673号に記載されている。この特許の開示全体を、参考としてここに組入れる。上に列挙したポリウレアイオノマーを製造するのに使用する、適当なポリウレアの例は、米国特許第5,484,870号において論じられている。特に、米国特許第5,484,870号に記載のポリウレアは、ポリイソシアネートとポリアミン硬化剤とを反応させて、ポリウレアを生成することにより製造され、これらは、ポリウレアプレポリマーと硬化剤とから製造される、本発明のポリウレアとは区別される。エポキシ基含有硬化剤で硬化された、適当なポリウレタンの例は、米国特許第5,908,358号に記載されている。上記特許の開示事項全体を、参考としてここに組入れる。
組成物の酸官能化
米国特許第6,610,812号に記載されているように、本発明の組成物は、また酸官能化して、他の成分または層に対する接着性を改善することができる。ここで、該特許の開示事項全体を、参考としてここに組入れる。該酸官能基は、好ましくはスルホン酸基(HSO3)、カルボン酸基(HCO2)、リン酸基(H2PO3)またはこれらの組み合わせを基本とする。2以上の型の酸官能基を、該組成物に組込むことができる。一態様において、該酸官能化は、該酸基を、前記イソシアネート-含有成分または前記イソシアネート-反応性成分中に組込むことにより達成される。例えば、該イソシアネート-含有成分および酸官能基-含有化合物、例えば米国特許第4,956,438号および同第5,071,578号に記載されている化合物を、該プレポリマーの製造前に反応させることが可能である。上記特許の開示事項全体を、参考としてここに組入れる。
該酸基は、また後-重合反応中に組込むこともできる。ここで、該酸官能基は、該硬化されたポリウレアまたはポリウレア-ポリウレタンに導入またはこれと結合することができる。更に、上記のように共重合によって作成された、該酸官能性ポリウレアまたはポリウレア-ポリウレタンには、更に、このような後-重合反応を通して、追加の酸官能基を組込むことができる。該ポリウレアまたはポリウレタンに酸官能基を組込むための適当な薬剤およびその製法は、米国特許第6,207,784号に記載されている。この特許の開示事項全体を、参考としてここに組入れる。
当業者は、該酸官能性ポリウレアまたはポリウレタンを製造するための他の方法を、認識しているであろう。例えば、米国特許第5,661,207号に記載されているように、上記態様の組合せを利用することができる。この特許の開示事項全体を、参考としてここに組入れる。
ゴルフボールの構成
ゴルフボールのコア層
本発明に従って作られたゴルフボールのコアは、中実、半-中実(半-固体)、中空、流体-充填または粉末-充填された、ワン-ピースまたは多成分コアであり得る。ここで使用する、該用語「半-中実(半-固体)」とは、ペースト、ゲル等を意味する。当業者にとって公知のあらゆるコア材料が、本発明のゴルフボールにおいて使用するのに適したものである。適当なコア材料は、熱硬化性材料、例えばゴム、スチレンブタジエン、ポリブタジエン、イソプレン、ポリイソプレン、trans-イソプレン、並びに熱可塑性材料、例えばイオノマー樹脂、ポリアミドまたはポリエステル、および熱可塑性および熱硬化性ポリウレタンエラストマーを含む。上記のように、本発明の組成物は、ゴルフボールのコアを製造するために使用できる。
別法において、該ゴルフボールコアは、基材のゴム(天然、合成、またはこれらの組み合わせ)、架橋剤およびフィラーを含む組成物から形成される。別の態様において、該ゴルフボールコアは、cis-trans触媒、ポリブタジエンを含む弾性ポリマー成分、フリーラジカル源、および随意の架橋剤、フィラー、またはこれら両者を含む反応生成物から形成される。ポリマー、cis-trans触媒、フィラー、架橋剤、およびフリーラジカル源の様々な組合せ、例えば同時継続中のかつ同一人に譲渡された米国特許第6,998,445号に記載されているものを使用して、該反応生成物を製造することができる。この特許の開示事項全体を、参考としてここに組入れる。このポリブタジエン反応生成物は、コア組成物に関連する章において論じるが、本発明は、またこの反応生成物を使用して、ゴルフボールの任意の部品の少なくとも一部を製造することをも意図する。
ここで使用する、該用語「コアおよび中心」とは、該ボールの最も内側の部品を表すために、一般に互換的に使用される。しかし、幾つかの態様において、該用語「中心」とは、多数のコア層、即ち中心および外側コア層が存在する場合に使用される。
より高いレジリエンスおよびより低い圧縮率を得るために、好ましくは約40%を越えるcis-異性体含有率を持つ高分子量ポリブタジエンを、該ゴルフボールまたはその一部における任意の点における、trans-異性体含有率を高めるように転化する。一態様において、該cis-異性体は、全ポリブタジエン含有量に対して、約70%を越える、好ましくは約80%を越える、およびより好ましくは約90%を越える量で存在する。更に別の態様において、該cis-異性体は、全ポリブタジエン含有量に対して、約95%を越える、およびより好ましくは約96%を越える量で存在する。
少量の1,2-ポリブタジエン異性体(ビニル-ポリブタジエン)の存在が、初期のポリブタジエン、および該反応生成物において望まれる。一態様において、該ビニル-ポリブタジエン異性体含有率は、約7%未満、好ましくは約4%未満、およびより好ましくは約2%未満である。
該ポリブタジエン材料は、約200,00を越える絶対分子量を持つことができる。一態様において、該ポリブタジエンの分子量は、約250,000を越え、およびより好ましくは約300,000〜500,000なる範囲内にある。他の態様においては、該ポリブタジエンの分子量は、約400,000以上である。この材料の多分散性は、約2以下、より好ましくは1.8以下、およびより一層好ましくは1.6以下である。
一態様において、該ポリブタジエンは、約20を越え、好ましくは約30を越え、およびより好ましくは約40を越えるムーニー粘度を持つ。ムーニー粘度は、典型的にはASTM D-1646に従って測定する。別の態様では、該ポリブタジエンのムーニー粘度は、約35を越え、および好ましくは約50を越える。更に別の態様では、該ムーニー粘度は、約120以下である。例えば、該未加硫のポリブタジエンのムーニー粘度は、約40〜約120なる範囲内であり得る。一態様において、該ムーニー粘度は、約40〜約80なる範囲内であり得る。他の態様において、該ムーニー粘度は、約45〜約60なる範囲、より好ましくは約45〜約55なる範囲内であり得る。
一態様において、該中心部の組成物は、少なくとも約40なるレジリエンス指数を持つ、少なくとも1種のゴム物質を含む。別の態様では、該少なくとも1種のゴム物質のレジリエンス指数は、少なくとも約50である。
望ましいポリブタジエンゴムの例は、OH州、アクロンのバイエル(Bayer)社から市販品として入手できる、ブナ(BUNATM) CB22およびブナ(BUNATM) CB23;日本国、東京のウベインダストリーズ(UBE Industries)社から市販品として入手できる、ウベポール(UBEPOLTM) 360Lおよびウベポール(UBEPOLTM) 150L;TX州、ヒューストンのシェル(Shell)社から市販品として入手できる、カリフレックス(CARIFLEXTM) BCP820、カリフレックス(CARIFLEXTM) BCP824、カリフレックス(CARIFLEXTM) BR1220;およびOH州、アクロンのグッドイヤー(Goodyear)社から市販品として入手できる、カイネックス(KINEXTM) 7245およびカイネックス(KINEXTM) 7665を含む。所望ならば、該ポリブタジエンは、また当分野において公知の他のエラストマー、例えば天然ゴム、ポリイソプレンゴムおよび/またはスチレンブタジエンゴムと混合して、該コアの特性を改善することができる。
如何なる特定の理論にも拘泥するつもりはないが、該cis-trans触媒成分は、該フリーラジカル源との組合せで、該ポリブタジエンポリマー成分のcis-配座からtrans-配座へ、該ポリマー成分の一定割合を転化するように機能するものと考えられる。従って、該cis-trans転化は、好ましくはcis-trans触媒、例えば有機硫黄または金属含有有機硫黄化合物、硫黄または金属を含まない、置換または未置換芳香族有機化合物、無機スルフィド化合物、芳香族有機金属化合物、またはこれらの混合物の存在を含む。
ここで使用する「cis-trans触媒」とは、cis-異性体の少なくとも一部を、与えられた温度にて、trans-異性体に転化する、任意の成分またはその組合せを意味する。該cis-trans触媒成分は、1種またはそれ以上の、ここに記載されるcis-trans触媒を含むことができるが、典型的には少なくとも1種の有機硫黄化合物、第VIA族成分、無機スルフィド、またはこれらの組み合わせを含む。一態様において、該cis-trans触媒は、有機硫黄成分および無機スルフィド成分または第VIA族成分のブレンドである。
本発明に言及する場合にここで使用するように、該用語「有機硫黄化合物」または「有機硫黄成分」とは、炭素、水素、および硫黄原子を含む任意の化合物を意味する。ここで使用するように、該用語「硫黄成分」とは、元素状硫黄、ポリマー状硫黄、またはこれらの組み合わせを意味する。更に、該用語「元素状硫黄」とは、S8のリング構造を意味し、また該用語「ポリマー状硫黄」とは、該元素状硫黄に対して、少なくとも一つの追加の硫黄を含む構造を意味するものと理解すべきである。
該cis-trans触媒は、典型的には、該trans-ポリブタジエン異性体含有率を高めるように、該反応生成物を製造するのに十分な量で存在して、結果的に該弾性ポリマー成分全体を基準として、trans-異性型のポリブタジエンの含有率を約5〜70%なる範囲内とする。該cis-trans触媒は、該trans-ポリブタジエン異性体含有率を少なくとも約15%、より好ましくは少なくとも約20%、およびより一層好ましくは少なくとも約25%まで高めるのに十分な量で存在することが好ましい。
従って、該cis-trans触媒は、好ましくは、該弾性ポリマー成分全体の100部当たり、約0.1〜約25部なる範囲内の量で存在する。ここで使用する、「pph」としても知られている、用語「100部当たりの部」とは、該ポリマー成分全体の100質量部に対する、混合物中に存在する特定の成分の質量部数として定義される。数学的には、これは、ある成分の質量を該ポリマーの全質量で割り、ファクタ100を掛けた値として表される。一態様において、該cis-trans触媒は、該弾性ポリマー成分全体の、約0.1〜約12pphなる範囲の量で存在する。他の態様においては、該cis-trans触媒は、該弾性ポリマー成分全体の、約0.1〜約10pphなる範囲の量で存在する。更に別の態様において、該cis-trans触媒は、該弾性ポリマー成分全体の、約0.1〜約8pphなる範囲の量で存在する。更に他の態様において、該cis-trans触媒は、該弾性ポリマー成分全体の、約0.1〜約5pphなる範囲の量で存在する。上記範囲の下端の値は、0.1pphが、所定の転化率を与えないことが明らかになった場合には、高めることも可能である。例えば、存在する該cis-trans触媒の量は、約0.5以上、0.75以上、1.0以上または更に1.5以上であってもよい。
本発明において使用するのに適した有機硫黄成分は、少なくとも1種のジフェニルジスルフィド;4,4'-ジトリルジスルフィド;2,2'-ベンズアミドジフェニルジスルフィド;ビス(2-アミノフェニル)ジスルフィド;ビス(4-アミノフェニル)ジスルフィド;ビス(3-アミノフェニル)ジスルフィド;2,2'-ビス(4-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(3-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(4-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(5-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(6-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(7-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(8-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(2-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(3-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(3-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(4-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(5-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(6-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(7-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(8-アミノナフチル)ジスルフィド;1,2'-ジアミノ-1,2'-ジチオジナフタレン;2,3'-ジアミノ-1,2'-ジチオジナフタレン;ビス(4-クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2-クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(3-クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(4-ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2-ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(3-ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(4-フルオロフェニル)ジスルフィド;ビス(4-ヨードフェニル)ジスルフィド;ビス(2,5-ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(3,5-ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,4-ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,6-ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,5-ジブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(3,5-ジブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2-クロロ-5-ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,3,4,5,6-ペンタクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(4-シアノフェニル)ジスルフィド;ビス(2-シアノフェニル)ジスルフィド;ビス(4-ニトロフェニル)ジスルフィド;ビス(2-ニトロフェニル)ジスルフィド;2,2'-ジチオ安息香酸エチル;2,2'-ジチオ安息香酸メチル;2,2'-ジチオ安息香酸;4,4'-ジチオ安息香酸エチル;ビス(4-アセチルフェニル)ジスルフィド;ビス(2-アセチルフェニル)ジスルフィド;ビス(4-ホルミルフェニル)ジスルフィド;ビス(4-カルバモイルフェニル)ジスルフィド;1,1'-ジナフチルジスルフィド;2,2'-ジナフチルジスルフィド;1,2'-ジナフチルジスルフィド;2,2'-ビス(1-クロロジナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(1-ブロモナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(2-クロロナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(1-シアノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(1-アセチルナフチル)ジスルフィド等;またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。最も好ましい有機硫黄成分は、ジフェニルジスルフィド;4,4'-ジトリルジスルフィド;またはこれらの混合物、特に4,4'-ジトリルジスルフィド;を含む。一態様において、該少なくとも1種の有機硫黄成分は、実質的に金属を含まない。ここで使用する用語「実質的に金属を含まない」とは、約10質量%未満、好ましくは約5質量%未満、より好ましくは約3質量%未満、より一層好ましくは約1質量%未満、および最も好ましくは約0.01質量%未満を意味する。硫黄および金属を含まない、適当な置換または未置換の芳香族有機成分は、ジフェニルアセチレン、アゾベンゼン、またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。該芳香族有機基は、好ましくはそのサイズにおいて、C6〜C20なる範囲、およびより好ましくはC6〜C10なる範囲内にある。
一態様において、該有機硫黄cis-trans触媒は、該反応生成物中に、約0.5pph以上の量で存在する。他の態様では、有機硫黄成分を含む該cis-trans触媒は、該反応生成物中に、約0.6pph以上の量で存在する。更に別の態様において、有機硫黄成分を含む該cis-trans触媒は、該反応生成物中に、約1.0pph以上の量で存在する。更に他の態様において、有機硫黄成分を含む該cis-trans触媒は、該反応生成物中に、約2.0pph以上の量で存在する。
適当な金属含有有機硫黄成分は、ジエチルジチオカルバメート、ジアミルジチオカルバメート、およびジメチルジチオカルバメート、またはこれらの混合物の、カドミウム、銅、鉛、およびテルル類似体を含むが、これらに限定されない。一態様において、該金属含有有機硫黄cis-trans触媒は、該反応生成物中に、約1.0pph以上の量で存在する。他の態様において、第VIA族成分を含む、該cis-trans触媒は、該反応生成物中に、約2.0pph以上の量で存在する。更に別の態様において、第VIA族成分を含む、該cis-trans触媒は、該反応生成物中に、約2.5pph以上の量で存在する。更に他の態様において、第VIA族成分を含む、該cis-trans触媒は、該反応生成物中に、約3.0pphまたはそれ以上の量で存在する。
該有機硫黄成分は、またハロゲン化有機硫黄化合物であってもよい。ハロゲン化有機硫黄化合物は、以下の一般式を持つ化合物を含むが、これらに限定されない:
Figure 2009056309
ここで、R1-R5は、任意の順の、C1-C8アルキル基;ハロゲン原子;チオール基(-SH);カルボキシレート基;スルホン化基;および水素原子;および更にペンタフルオロチオフェノール基;2-フルオロチオフェノール基;3-フルオロチオフェノール基;4-フルオロチオフェノール基;2,3-フルオロチオフェノール基;2,4-フルオロチオフェノール基;3,4-フルオロチオフェノール基;3,5-フルオロチオフェノール基;2,3,4-フルオロチオフェノール基;3,4,5-フルオロチオフェノール基;2,3,4,5-テトラフルオロチオフェノール基;2,3,5,6-テトラフルオロチオフェノール基;4-クロロテトラフルオロチオフェノール基;ペンタクロロチオフェノール基;2-クロロチオフェノール基;3-クロロチオフェノール基;4-クロロチオフェノール基;2,3-クロロチオフェノール基;2,4-クロロチオフェノール基;3,4-クロロチオフェノール基;3,5-クロロチオフェノール基;2,3,4-クロロチオフェノール基;3,4,5-クロロチオフェノール基;2,3,4,5-テトラクロロチオフェノール基;2,3,5,6-テトラクロロチオフェノール基;ペンタブロモチオフェノール基;2-ブロモチオフェノール基;3-ブロモチオフェノール基;4-ブロモチオフェノール基;2,3-ブロモチオフェノール基;2,4-ブロモチオフェノール基;3,4-ブロモチオフェノール基;3,5-ブロモチオフェノール基;2,3,4-ブロモチオフェノール基;3,4,5-ブロモチオフェノール基;2,3,4,5-テトラブロモチオフェノール基;2,3,5,6-テトラブロモチオフェノール基;ペンタヨードチオフェノール基;2-チオフェノール基;3-チオフェノール基;4-チオフェノール基;2,3-ヨードチオフェノール基;2,4-ヨードチオフェノール基;3,4-ヨードチオフェノール基;3,5-ヨードチオフェノール基;2,3,4-ヨードチオフェノール基;3,4,5-ヨードチオフェノール基;2,3,4,5-テトラヨードチオフェノール基;2,3,5,6-テトラヨードチオフェノール基;およびこれらの塩、例えば亜鉛、マグネシウム、リチウム、カルシウム、カリウム、マンガン、ニッケル等の塩であり得る。好ましくは、該ハロゲン化有機硫黄化合物は、ペンタクロロチオフェノール、これは、純粋な形状で、またはストラクトール(STRUKTOLTM)なる商品名の下に、市販品として入手できる;および45%(PCTP 2.4部に関連)にて添加された、硫黄化合物ペンタクロロチオフェノールを含有するクレーを主成分とする担体である。ストラクトール(STRUKTOLTM)は、OH州、ストー(Stow)の米国ストラクトール社(Struktol Company)から市販品として入手できる。PCTPは、CA州、サンフランシスコのエキナケム(eChinachem)社から、純粋な形状で市販品として入手でき、また塩の形状として、同社から市販品として入手できる。最も好ましくは、該ハロゲン化有機硫黄化合物は、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩であり、これは、CA州、サンフランシスコのエキナケム(eChinachem)社から市販品として入手できる。本発明の該ハロゲン化有機硫黄化合物は、好ましくは、約2.2pphを越える量で、より好ましくは約2.3pph〜約5pphなる範囲、および最も好ましくは約2.3〜約4pphなる範囲の量で存在する。
該cis-trans触媒は、また第VIA族成分をも含むことができる。ここで使用する用語「第VIA族成分」または「第VIA族元素」とは、硫黄成分、セレン、テルル、またはこれらの組み合わせを含む成分を意味する。元素硫黄およびポリマー硫黄は、例えばOH州、チャードン(Chardon)のエラストケム社(Elastochem, Inc)から市販品として入手できる。元素硫黄触媒化合物は、PB(RM-S)-80元素硫黄およびPB(CRST)-65ポリマー硫黄を含み、これらは各々エラストケム社から入手できる。テロイ(TELLOY)なる商品名の例示的なテルル触媒およびバンデックス(VANDEX)なる商品名の例示的なテルル触媒が、各々CT州、ノルウォーク(Norwalk)のRTバンダービルト(Vanderbilt)社から市販品として入手できる。
一態様において、第VIA族成分を含む該cis-trans触媒は、該反応生成物中に、約0.25pph以上なる量で存在する。他の態様では、第VIA族成分を含む該cis-trans触媒は、該反応生成物中に、約0.5pph以上なる量で存在する。更に別の態様において、第VIA族成分を含む該cis-trans触媒は、該反応生成物中に、約1.0pph以上なる量で存在する。
適当な無機スルフィド成分は、硫化チタン、硫化マンガン、および鉄、カルシウム、コバルト、モリブデン、タングステン、銅、セレン、イットリウム、亜鉛、錫およびビスマスのスルフィド類似体を含むが、これらに限定されない。一態様において、無機スルフィド成分を含む該cis-trans触媒は、該反応生成物中に、約0.5pph以上なる量で存在する。更に別の態様において、第VIA族成分を含む該cis-trans触媒は、該反応生成物中に、約0.75pphまたはそれ以上なる量で存在する。更に別の態様において、第VIA族成分を含む該cis-trans触媒は、該反応生成物中に、約1.0pphまたはそれ以上なる量で存在する。反応生成物が、有機硫黄成分および無機スルフィド成分を含むcis-trans触媒のブレンドを含む場合、該有機硫黄成分は、好ましくは約0.5pph以上、好ましくは1.0pph以上、およびより好ましくは、約1.5pph以上の量で存在し、また該無機スルフィド成分は、約0.5pph以上、好ましくは0.75pph以上、およびより好ましくは、約1.0pph以上の量で存在する。
置換または未置換の芳香族有機化合物も、該cis-trans触媒に含めることができる。一態様において、該芳香族有機化合物は、実質的に金属を含まないものである。適当な置換または未置換の芳香族有機化合物は、式:(R1)x-R3-M-R4-(R2)yを持つ成分を含むが、これらに限定されない。該一般式において、R1およびR2は、各々水素原子、または置換または未置換のC1-20の直鎖、分岐鎖、または環式アルキル、アルコキシ、またはアルキルチオ基、または単環、多環、または融合環式C6〜C24芳香族基であり;xおよびyは、各々0〜5なる範囲内の整数であり;R3およびR4は、各々単環、多環、または融合環式C6〜C24芳香族基から選択され;およびMは、アゾ基または金属成分を含む。R3およびR4は、各々好ましくはC6〜C10芳香族基から選択され、より好ましくはフェニル、ベンジル、ナフチル、ベンズアミド、およびベンゾチアジル基から選択される。R1およびR2は、各々好ましくは置換または未置換のC1-10の直鎖、分岐鎖、または環式アルキル、アルコキシ、またはアルキルチオ基、またはC6〜C10芳香族基から選択される。R1、R2、R3、またはR4が置換されている場合、該置換は、1またはそれ以上の以下のような置換基を含むことができる:ヒドロキシル基およびその金属塩;メルカプト基およびその金属塩;ハロゲン原子;アミノ、シアノ、ニトロ、およびアミド基;エステル、酸を含むカルボキシル基およびその金属塩;シリル;アクリレートおよびその金属塩;スルホニルまたはスルホンアミド基;およびホスフェートおよびホスフィット。Mが金属成分である場合、これは、当業者が入手できる、任意の適当な元素状金属であり得る。典型的には、該金属は、遷移金属であるが、好ましくは、該金属はテルルまたはセレンである。
しばしばフリーラジカル開始剤とも呼ばれる、フリーラジカル源は、好ましくはゴムを主成分とするコア組成物中に存在する。該フリーラジカル源は、典型的には、パーオキシドであり、また好ましくは有機パーオキシドであり、これは硬化サイクル中に分解する。適当なフリーラジカル源は、有機パーオキシド化合物、例えばジ-t-アミルパーオキシド、ジ(2-t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンパーオキシドまたはビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンまたは1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t-ブチルヒドロパーオキシド等、およびこれらの任意の混合物を包含する。
他の例は、PA州、フィラデルフィアのエルフアトケム(Elf Atochem)社から市販品として入手できる、バロックス(VAROXTM) 231XLおよびバロックス(VaroxTM) DCP-R;IL州、シカゴのアクゾノーベル(Akzo Nobel)社から市販品として入手できる、パーカドックス(PERKADOXTM) BCおよびパーカドックス(PERKADOXTM) 14;およびNJ州、トレントン(Trenton)のレインケミー(Rhein Chemie)社から市販品として入手できる、エラストケム(ELASTOCHEMTM) DPC-70を含むが、これらに限定されない。パーオキシドが、種々の活性を持つ様々な形状で入手できることは、周知である。該活性は、典型的にその「活性酸素含有率」によって規定される。例えば、パーカドックス(PERKADOXTM) BCパーオキシドは、98%活性であり、また活性酸素含有率5.8%を有し、一方でパーカドックス(PERKADOXTM) DPC-70は、70%活性であり、また活性酸素含有率4.18%を有する。該パーオキシドは、全弾性ポリマー成分100部当たり、約0.1部を越える量、好ましくは全弾性ポリマー成分100部当たり、約0.1〜15部なる範囲、およびより好ましくは全弾性ポリマー成分100部当たり、約0.2〜5部なる範囲の量で存在する。該パーオキシドが、純粋なものとして存在する場合、これは、好ましくは少なくとも約0.25pph、より好ましくは約0.35pph〜約2.5pphなる範囲、および最も好ましくは約0.5pph〜約2pphなる範囲内の量で存在する。
パーオキシドは、また上記の如く、当業者には周知であるように、濃縮されたものとして入手することも可能である。この場合において、濃厚パーオキシドを本発明において使用する場合、当業者は、純パーオキシドにとって適した濃度が、濃厚パーオキシドについて、その活性で割ることによって、容易に調節できることを認識しているであろう。例えば、2pphの純パーオキシドは、活性50%の濃厚パーオキシド4pphに等価である(即ち、2÷0.5=4)。
一態様において、該フリーラジカル源の量は、約5pphまたはそれ以下であるが、約3pphまたはそれ以下であってもよい。他の態様において、該フリーラジカル源の量は、約2.5pphまたはそれ以下である。更に他の態様において、該フリーラジカル源の量は、約2pphまたはそれ以下である。更に他の態様において、該フリーラジカル源の量は、約1pphまたはそれ以下、好ましくは約0.75pphまたはそれ以下である。
当業者は、本発明による幾つかのcis-trans触媒の存在が、従来の架橋反応と比較して、ここに記載したような、より大量のフリーラジカル源にとってより適していることを理解すべきである。選択的にまたは付随的に、該フリーラジカル源は、電子ビーム、UVまたはγ-輻射、X-線、またはフリーラジカルを発生し得る任意の他の高エネルギー輻射源の、1種またはそれ以上であってもよい。当業者は、熱が、しばしばフリーラジカルの発生開始を容易にすることを認識している。
一態様において、該フリーラジカル源対該cis-trans触媒の比は、約10以下であり、また約5以下であり得る。更に、該フリーラジカル源対該cis-trans触媒の比は、約4以下であるが、約2以下であってもよく、あるいはまた約1以下であってもよい。他の態様では、該フリーラジカル源対該cis-trans触媒の比は、約0.5以下、好ましくは約0.4以下である。更に別の態様において、該フリーラジカル源対該cis-trans触媒の比は、約1.0を越える。更に他の態様において、該フリーラジカル源対該cis-trans触媒の比は、約1.5以上、好ましくは約1.75以上である。
架橋剤を配合して、該反応生成物の硬さを高めることができる。適当な架橋剤は、1種またはそれ以上の、炭素原子数3〜8の不飽和脂肪酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸またはモノカルボン酸の金属塩、例えば亜鉛、カルシウム、またはマグネシウムアクリレート塩等、およびこれらの混合物を含む。その例は、1種またはそれ以上の、金属塩ジアクリレート、ジメタクリレート、およびモノメタクリレートを含むが、これらに限定されず、ここで該金属は、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ナトリウム、リチウムまたはニッケルである。好ましいアクリレートは、亜鉛アクリレート、亜鉛ジアクリレート、亜鉛メタクリレート、亜鉛ジメタクリレート、およびこれらの混合物を含む。一態様において、亜鉛メタクリレートは、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩との組合せで使用される。該架橋剤は、該弾性ポリマー成分中のポリマー鎖の一部を、架橋するのに十分な量で存在する必要がある。例えば、該所定の圧縮率は、架橋の量を調節することによって得ることができる。これは、例えば架橋剤の型および量を、当業者には周知の方法で変えることにより達成できる。該架橋剤は、典型的には該ポリマー成分の、約0.1%を越える量、好ましくは該ポリマー成分の約10〜約50%なる範囲の量、より好ましくは該ポリマー成分の約10〜約40%なる範囲の量で存在する。
一態様において、該架橋剤は、該基材ポリマー100部当たり約10部(pph)を越える量、好ましくは該基材ポリマーに対して、約20〜約40pphなる範囲の量、より好ましくは該基材ポリマーに対して、約25〜約35pphなる範囲の量で存在する。有機硫黄を、該cis-trans触媒として選択した場合には、亜鉛ジアクリレートを、該架橋剤として選択することができ、また約25pph未満の量で存在する。
元素状硫黄またはポリマー硫黄を、該cis-trans触媒に含める場合、促進剤を使用して、該cis-trans触媒の性能を改善することができるものと理解すべきである。適当な促進剤は、スルフェナミド、例えばN-オキシジエチレン2-ベンゾチアゾールスルフェナミド、チアゾール、例えばベンゾチアジルジスルフィド、ジチオカルバメート、例えばビスマスジメチルジチオカルバメート、チウラム、例えばテトラベンジルチウラムジスルフィド、キサンテート、例えば亜鉛イソプロピルキサンテート、チアジアジン、チオウレア、例えばトリメチルチオウレア、グアナジン、例えばN,N'-ジ-o-トリルグアナジン、またはアルデヒド-アミン、例えばブチルアルデヒド-アニリン縮合生成物、またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
典型的には、酸化防止剤が、従来のゴルフボールコア組成物中に含められており、その理由は、ゴルフボールコアにおいて使用する化合物の製造業者によって供給される材料中に、酸化防止剤が含められているからである。如何なる理論にも拘泥するつもりはないが、該反応生成物におけるより大量の酸化防止剤の存在は、より低いtrans-異性体含有率をもたらす恐れがある。というのは、該酸化防止剤は、該フリーラジカル源の少なくとも一部を消費してしまうからである。従って、前に説明した反応生成物中で、該フリーラジカル源を大量に、例えば約3pphなる量で使用した場合においてさえ、約0.3pphを越える酸化防止剤の量は、cis-trans転化における補佐のために、実際に利用できる、フリーラジカルの有効量を大幅に減じてしまう。
該組成物における酸化防止剤の存在は、該cis-trans転化を十分に補佐する、該フリーラジカルの能力を阻害する恐れがあるものと考えられるので、十分な量のフリーラジカルを保証する一つの方法は、該組成物中のフリーラジカルの初期レベルを高めて、十分な量のフリーラジカルが、該組成物中の酸化防止剤との相互作用後にも、残されるようにすることである。従って、該組成物に与えられるフリーラジカルの初期量を、少なくとも約10%だけ高め、およびより好ましくは、少なくとも約25%だけ高めて、残留フリーラジカルの有効量が、十分な該所定のcis-trans転化を得るのに十分なものとすることができる。該組成物中の酸化防止剤の量に依存して、該フリーラジカルの初期量を、必要に応じて、少なくとも約50%、100%、またはより以上の量だけ高めることができる。以下において論じるように、該組成物中の該フリーラジカル量の選択は、フリーラジカル対酸化防止剤の所定の比に基づいて決定することができる。
もう一つの方法は、該組成物中の酸化防止剤の量を減じ、あるいは該酸化防止剤を排除することである。例えば、本発明の反応生成物は、実質的に酸化防止剤を含まず、結果として該cis-trans転化のための、フリーラジカルのより高い利用性を達成することができる。ここで使用する、該用語「実質的に含まない」とは、一般に該ポリブタジエン反応生成物が、約0.3pph未満の酸化防止剤、好ましくは約0.1pph未満の酸化防止剤、より好ましくは約0.05pph未満の酸化防止剤、および最も好ましくは約0.01pph未満の酸化防止剤を含むことを意味する。
酸化防止剤の量が、転化後のtrans-異性体の含有率と関連性を持つことが、本発明において示された。例えば、約168.3℃(335°F)において11分間硬化された、0.5pphの酸化防止剤を含む、ポリブタジエン反応生成物は、該転化後に、該中心部の外表面において約15%の、および内部部分において約13.4%のtrans-異性体含有率を与える。対照的に、実質的に酸化防止剤を含まない、この同一のポリブタジエン反応生成物は、該転化後に、外表面において約32%の、および内部部分において約21.4%のtrans-異性体含有率を与える。
一態様において、該フリーラジカル源対酸化防止剤の比は、約10を越える。他の態様において、該フリーラジカル源対酸化防止剤の比は、約25を越え、好ましくは約50を越える。更に別の態様において、該フリーラジカル源対酸化防止剤の比は、約100またはそれ以上である。更に他の態様において、該フリーラジカル源対酸化防止剤の比は、約200またはそれ以上、好ましくは約250またはそれ以上、およびより好ましくは約300またはそれ以上である。
該反応生成物が、実質的に酸化防止剤を含まない場合、該フリーラジカル源の量は、好ましくは約3pphまたはそれ以下である。一態様において、該フリーラジカル源は、約2.5pphまたはそれ以下、好ましくは約2pphまたはそれ以下の量で存在する。更に他の態様において、該反応生成物における該フリーラジカル源の量は、約1.5pphまたはそれ以下、好ましくは約1pphまたはそれ以下である。更に別の態様において、該フリーラジカル源は、約0.75pphまたはそれ以下の量で存在する。
該反応生成物が、約0.1pphまたはそれ以上の酸化防止剤を含む場合、該フリーラジカル源は、好ましくは約1pphまたはそれ以上の量で存在する。一態様において、該反応生成物が、約0.1pphまたはそれ以上の酸化防止剤を含む場合、該フリーラジカル源は、約2pphまたはそれ以上の量で存在する。他の態様において、約0.1pphまたはそれ以上の量で、酸化防止剤が存在する場合、該フリーラジカル源は、約2.5pphまたはそれ以上の量で存在する。
一態様において、該反応生成物が、約0.05pphを越える量の酸化防止剤を含む場合、該フリーラジカル源は、好ましくは約0.5pphまたはそれ以上の量で存在する。他の態様において、該反応生成物が、約0.05pphを越える量の酸化防止剤を含む場合、該フリーラジカル源は、約2pphまたはそれ以上の量で存在する。更に他の態様において、該フリーラジカル源は、約0.05pphを越える量で、酸化防止剤が存在する場合、約2.5pphまたはそれ以上の量で存在する。
ゴルフボール組成物に従来含められている追加の材料を、ゴムを主成分とするコア組成物に添加することができる。これらの追加の材料は、密度-調節フィラー、着色剤、反応促進剤、架橋剤、白化剤、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、消泡剤、加工助剤、および他の公知の添加剤を含むが、これらに限定されない。安定剤、軟化剤、内部および外部可塑剤を含む可塑剤、耐衝撃性改良剤、発泡剤、賦形剤、強化材、および相溶化剤も、本発明の任意の組成物に添加することができる。当分野において周知である、これら物質全ては、その通常の目的で、典型的な量で添加される。
例えば、本発明の組成物に関連して上記した該フィラーは、ゴムを主成分とするコア組成物に添加して、レオロジーおよび混合特性、比重(即ち、密度-調節フィラー)、モジュラス、引裂強さ、強化度等に影響を与えることができる。フィラーは、また該コアの質量を調節するのに使用でき、例えばより低質量のボールは、スイング速度の遅い競技者に好まれる。
上で論じたように、ポリブタジエンコア材料中のcis-異性体を、trans-異性体に転化することが好ましい可能性がある。従って、一態様において、転化後の該trans-異性体含有率は、少なくとも約10%またはそれ以上であり、一方他の態様では、該含有率は、約12%またはそれ以上である。別の態様において、該trans-異性体含有率は、転化後、約15%またはそれ以上である。更に別の態様において、転化後の該trans-異性体含有率は、約20%またはそれ以上、およびより好ましくは約25%またはそれ以上である。更に他の態様において、転化後の該trans-異性体含有率は、約30%またはそれ以上、および好ましくは約32%またはそれ以上である。転化後の該trans-異性体含有率は、また約35%またはそれ以上、および好ましくは約38%またはそれ以上、あるいは更に約40%またはそれ以上である。更に他の態様では、約42%またはそれ以上、あるいは更に約45%またはそれ以上である。
本発明の反応生成物を含む該成分の硬化された部分は、内部位置において、第一の量のtrans-異性体ポリブタジエンおよび外側表面位置において、第二の量のtrans-異性体ポリブタジエンを含むことができる。一態様において、外側表面位置におけるtrans-異性体の量は、内部位置におけるtrans-異性体の量よりも多い。本明細書において与えられる実施例により更に示されるように、転化後の該外側表面と該内部位置との間のtrans-異性体の含有率における差は、該硬化サイクルおよび該転化反応に使用した物質の比に依存して異なる可能性がある。例えば、これらの差は、該外側部分におけるtrans-異性体の量よりも多い、該内側部分におけるtrans-異性体の量を持つ、中心部を反映している可能性がある。
該中心部の該外側部分は、転化後のtrans-異性体を、例えば約10%またはそれ以上、約12%またはそれ以上、約15%またはそれ以上等、また上記のように約45%またはそれ以上なる量までをも含む、本明細書において既に述べた量で含むことができる。例えば、本発明の一態様において、該ポリブタジエン反応生成物は、中心部分の外側表面において、約35%〜60%なる範囲の含有率で、該trans-異性体を含むことができる。もう一つの態様は、中心部分の外側表面において、約40%〜50%なる範囲の含有率で、該trans-異性体を含む。一態様において、該反応生成物は、中心部分の外側表面において、約45%なる含有率で、該trans-異性体ポリブタジエンを含む。一態様においては、従って、該中実中心部分の中心部における、該反応生成物は、該外側表面に存在する量よりも少なくとも約20%少ない量でtrans-異性体を含み、好ましくは少なくとも約30%少ない量で該trans-異性体を含み、あるいは少なくとも約40%少ない量で該trans-異性体を含むことができる。他の態様において、該内側位置における該trans-異性体の量は、該外側表面に存在する量よりも少なくとも約6%少なく、好ましくは該第二の量よりも少なくとも約10%少ない。
該中心部の内側部分と、該中心部の外側部分との間の勾配は、変えることができる。一態様において、転化後の該外側と内側との間のtrans-異性体含有率における差は、約3%またはそれ以上であり、一方他の態様では、この差は、約5%またはそれ以上であり得る。もう一つの態様において、転化後の該外側表面と内側位置との間の上記差は、約10%またはそれ以上、およびより好ましくは約20%またはそれ以上である。更に別の態様において、転化後の該外側表面と内側位置との間の、trans-異性体含有率におけるこの差は、約5%またはそれ以下、約4%またはそれ以下、および更に約3%またはそれ以下であり得る。更に他の態様において、転化後の該外側表面と内側位置との間の、該差は約1%未満である。
好ましくは、該ポリブタジエン反応生成物としての該物質は、少なくとも約15ショアA、より好ましくは約30ショアA〜80ショアDなる範囲、および更により好ましくは約50ショアA〜60ショアDなる範囲の硬さを持つ。更に、比重は、典型的には、該ゴルフボールポリブタジエン材料に対して、約0.7を越え、好ましくは約1を越える。更に、該ポリブタジエン反応生成物は、好ましくは約3.445MPa(約500psi)〜約2067MPa(約300,000psi)なる範囲、好ましくは約13.78MPa(約2,000psi)〜約1378MPa(200,000psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つ。
該ポリブタジエン反応生成物の所定の損失正接は、周波数1Hzおよび1%歪にて測定した場合に、-60℃にて約0.15未満および30℃にて約0.05未満であるべきである。一態様において、該ポリブタジエン反応生成物としての該物質は、好ましくは-50℃において約0.1以下、およびより好ましくは-50℃にて約0.07以下の損失正接を持つ。
所定の圧縮剛性を持つゴルフボールを製造するためには、該ポリブタジエン反応生成物としての該物質の動剛性は、-50℃にて約50,000N/m未満とすべきである。好ましくは、該動剛性は、-50℃にて約10,000〜40,000N/mなる範囲とすべきであり、またより好ましくは該動剛性は、-50℃にて約20,000〜30,000N/mなる範囲とすべきである。
一態様において、該反応生成物は、0℃において測定した第二の動剛性の約130%未満である、-50℃において測定した第一の動剛性を持つ。他の態様において、該第一の動剛性は、該第二の動剛性の約125%未満である。更に別の態様において、該第一の動剛性は、該第二の動剛性の約110%未満である。
ゴルフボールの中間層
本発明のゴルフボールが、中間層、例えば内側カバー層または外側カバー層、即ち、ゴルフボールの内側コアとその外側カバーとの間に配置された任意の層を含む場合、この層は、熱可塑性および熱硬化性材料を包含する、当業者には公知の任意の材料を含むことができる。一態様において、該中間層は、少なくとも部分的に本発明の組成物から作成される。
該中間層は、また同様に、1種またはそれ以上の、以下に列挙するようなホモポリマーまたはコポリマー材料を含むことができる:
(1) ビニル樹脂、例えば塩化ビニルの重合、または塩化ビニルと酢酸ビニル、アクリル酸エステルまたはビニリデンクロリドとの共重合により生成される樹脂;
(2) ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンおよびコポリマー、例えばエチレンメチルアクリレート、エチレンエチルアクリレート、エチレン酢酸ビニル、エチレンメタクリル酸またはエチレンアクリル酸またはプロピレンアクリル酸および単一サイト触媒またはメタロセン触媒を用いて製造したコポリマーおよびホモポリマー;
(3) ポリウレタン、例えばポリオールとジイソシアネートまたはポリイソシアネートとから製造したもの、および米国特許第5,334,673号に記載されているもの;
(4) ポリウレア、例えば米国特許第5,484,870号に記載されているもの;
(5) ポリアミド、例えばポリ(ヘキサメチレンアジパミド)およびその他のジアミンと二塩基酸とから製造したもの、並びにアミノ酸から製造したもの、例えばポリ(カプロラクタム)、およびポリアミドとサーリン(SURLYN)、ポリエチレン、エチレンコポリマー、エチル-プロピレン-非-共役ジエンターポリマー等とのブレンド;
(6) アクリル系樹脂およびこれら樹脂とポリ塩化ビニル、エラストマー等とのブレンド;
(7) 熱可塑性樹脂、例えばウレタン;オレフィン系熱可塑性ゴム、例えばポリオレフィンとエチレン-プロピレン-非-共役ジエンターポリマーとのブレンド;スチレンとブタジエン、イソプレンまたはエチレン-ブチレンゴムとのブロックコポリマー;またはコポリ(エーテル-アミド)、例えばPA州、フィラデルフィアのアトフィナケミカルズ社(Atofina Chemicals, Inc.)によって市販されているペバックス(PEBAX)および米国特許第5,688,191号(この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる)に記載されている熱可塑性組成物;
(8) ポリフェニレンオキシド樹脂またはMA州、ピッツフィールドの、ジェネラルエレクトリック社(General Electric Company)により、ノリル(NORYL)なる商品名で市販されている、ポリフェニレンオキシドと高耐衝撃性ポリスチレンとのブレンド;
(9) 熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、グリコール変性されたポリエチレンテレフタレート、およびDE州、ウイルミントンの、E.I.デュポンデュネモアーズ&Co.(E.I. DuPont de Nemours & Co)社により、商品名ハイトレル(HYTREL)の下で市販されている、およびMA州、ピッツフィールドの、ジェネラルエレクトリック社により、ロモッド(LOMOD)なる商品名で市販されているエラストマー;
(10) ポリカーボネートと、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、スチレン無水マレイン酸、ポリエチレン、エラストマー等とを含む、およびポリ塩化ビニルと、アクリロニトリルブタジエンスチレンまたはエチレン酢酸ビニルまたは他のエラストマーとを含むブレンドおよびアロイ;および
(11) 熱可塑性ゴムと、ポリエチレン、プロピレン、ポリアセタール、ナイロン、ポリエステル、セルロースエーテル等とのブレンド。
一態様において、該中間層は、ポリマー、例えば官能性モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸等を含む、エチレン、プロピレン、ブテン-1またはヘキセン-1を主成分とするホモポリマーまたはコポリマー、および完全にまたは部分的に中和されたイオノマー樹脂およびそのブレンド、メチルアクリレート、メチルメタクリレートホモポリマーおよびコポリマー、イミド化、アミノ基-含有ポリマー、ポリカーボネート、強化ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、高耐衝撃性ポリスチレン、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリ(フェニレンスルフィド)、アクリルニトリル-ブタジエン、アクリル酸-スチレン-アクリルニトリル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンビニルアルコール)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、および官能性コモノマーを含むこれらのコポリマー、およびこれらのブレンドを含む。
上で簡単に述べたように、該中間層は、イオノマー材料、例えばエチレンと不飽和モノカルボン酸とのイオン性コポリマーを含むことができ、該コポリマーは、DE州、ウイルミントンの、E.I.デュポンデュネモアーズ&Co.(E.I. DuPont de Nemours & Co)社により、商品名サーリン(SURLYNTM)の下で入手でき、またエクソン(Exxon)から、イオテック(IOTEKTM)またはエスコール(ESCORTM)なる商品名で入手できる。これらは、エチレンとメタクリル酸またはアクリル酸とのコポリマーまたはターポリマーであり、完全にまたは部分的に、即ち約1〜約100%、亜鉛、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、マンガン、ニッケル等の塩で中和されている。一態様において、該カルボン酸基は、約10%〜約100%なる範囲内で中和されている。該カルボン酸基は、またメタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸またはイタコン酸を含むことができる。該塩は、炭素原子数2〜10のオレフィンと、炭素原子数3〜8の不飽和モノカルボン酸との反応生成物である。
該中間層は、また少なくとも1種のイオノマー、例えば酸-含有エチレンコポリマーイオノマー、をも含むことができ、該イオノマーは、E/X/Yターポリマーを含み、ここでEはエチレンであり、Xは、約0〜50質量%なる範囲の量で存在する、アクリレートまたはメタクリレートを主成分とする柔軟化コモノマーであり、またYは、約5〜35質量%なる範囲の量で存在する、アクリル酸またはメタクリル酸である。他の態様では、該アクリル酸またはメタクリル酸は、約8〜35質量%なる範囲、より好ましくは8〜25質量%なる範囲、および最も好ましくは8〜20質量%なる範囲の量で存在する。
該イオノマーは、また所謂「低酸性」および「高酸性」イオノマー、並びにこれらのブレンドを含むことができる。一般的に、約15%までの酸を含有するイオン性コポリマーは、「低酸性」イオノマーと考えられ、一方約15%を越える酸を含有するイオン性コポリマーは、「高酸性」イオノマーであると考えられる。例えば、米国特許第6,506,130号および同第6,503,156号は、低酸性イオノマーが、16質量%以下の酸含有率を持つものと定義し、一方高酸性イオノマーが、約16質量%を越える酸を含有するものとして定義している。
低酸性イオノマーは、高いスピンを付与するものと考えられる。従って、一態様において、該中間層は、酸が約10〜15質量%なる範囲で存在し、また場合によりより柔軟なターポリマーを生成するために、柔軟化コモノマー、例えばイソ-またはn-ブチルアクリレートを含む、低酸性イオノマーを含有する。該柔軟化コモノマーは、酸が2〜10個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸のビニルエステル、アルキル基が1〜10個の炭素原子を含むビニルエーテルおよびアルキル基が1〜10個の炭素原子を含むアルキルアクリレートまたはメタクリレートからなる群から選択できる。適当な柔軟化コモノマーは、酢酸ビニル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート等を含む。
他の態様において、該中間層は、低スピン速度および最大飛距離を達成するために、少なくとも1種の高酸性イオノマーを含む。この点に関して、該アクリル酸またはメタクリル酸は、約15〜約35質量%なる範囲の量で存在し、該イオノマーを、高弾性率のイオノマーとする。一態様において、該高弾性率イオノマーは、約16質量%のカルボン酸、好ましくは約17〜約25質量%なる範囲のカルボン酸、より好ましくは約18.5〜約21.5質量%なる範囲のカルボン酸を含む。幾つかの状況において、追加のコモノマー、例えばアクリレートエステル(例えば、イソ-またはn-ブチルアクリレート等)をも、より柔軟なターポリマーを生成するために、含めることができる。該追加のコモノマーは、酸が2〜10個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸のビニルエステル、アルキル基が1〜10個の炭素原子を含むビニルエーテル、およびアルキル基が1〜10個の炭素原子を含むアルキルアクリレートまたはメタクリレートからなる群から選択することができる。適当な柔軟化コモノマーは、酢酸ビニル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート等を含む。
結果として、該高弾性率イオノマーを製造するために使用するのに適した幾つかのコポリマーの例は、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー、エチレン/イタコン酸コポリマー、エチレン/マレイン酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/アクリル酸/ビニルアルコールコポリマー等の高酸性の態様を含むが、これらに限定されない。
一態様において、該中間層は、有機脂肪酸によって100%中和されている、α,β-不飽和カルボン酸基を含有する、少なくとも1種のポリマー、またはその塩から製造できる。該有機酸は、脂肪族、単官能性(飽和、不飽和、または多重不飽和)有機酸である。これら有機酸の塩も、使用することができる。本発明の有機酸の塩は、バリウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛、ビスマス、クロム、コバルト、銅、カリウム、ストロンチウム、チタン、タングステン、マグネシウム、セシウム、鉄、ニッケル、銀、アルミニウム、錫、またはカルシウムの塩、脂肪酸、特にステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸、またはこれらのダイマー化誘導体の塩を包含する。本発明の有機酸およびその塩は、比較的非移動性(これらは、周囲温度条件下で、該ポリマー表面でブルームを起こすことがない)であり、また不揮発性(これらは、溶融混合に必要とされる温度にて揮発することがない)であることが好ましい。
該高度に中和されたポリマー(HNP)の酸部分、典型的にはエチレンを主成分とするイオノマーは、好ましくは約70%を越えて、より好ましくは約90%を越えて、また最も好ましい少なくとも約100%中和されている。該HNPは、また第二のポリマー成分とブレンドすることができ、該第二の成分は、酸基を含む場合には、従来の方法で、有機脂肪酸によって、あるいはこれら両者により中和することができる。部分的にまたは完全に中和されていてもよい、該第二のポリマー成分は、好ましくはイオノマーコポリマーおよびターポリマー、イオノマープリカーサ、熱可塑性樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、熱可塑性エラストマー、ポリブタジエンゴム、バラタ、メタロセン-触媒ポリマー(グラフト化および非-グラフト化)、単一サイト触媒ポリマー、高結晶性酸性ポリマー、カチオン性イオノマー等を含む。
この態様において、該酸性コポリマーは、E/X/Yコポリマーとして記載でき、ここでEはエチレンであり、Xは、エチレン性不飽和カルボン酸であり、またYは、柔軟化コモノマーである。好ましい態様において、Xはアクリル酸またはメタクリル酸であり、またYは、C1-8アルキルアクリレートまたはメタクリレートエステルである。Xは、好ましくは、該ポリマーの約1〜35質量%なる範囲、より好ましくは該ポリマーの約5〜30質量%なる範囲、および最も好ましくは該ポリマーの約10〜20質量%なる範囲の量で存在する。Yは、該ポリマーの約0〜50質量%なる範囲、より好ましくは該ポリマーの約5〜25質量%なる範囲、および最も好ましくは該ポリマーの約10〜20質量%なる範囲の量で存在する。
該有機酸は、脂肪族、単官能性(飽和、不飽和、または多重不飽和)有機酸である。これら有機酸の塩も使用できる。本発明の有機酸の塩は、バリウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛、ビスマス、クロム、コバルト、銅、カリウム、ストロンチウム、チタン、タングステン、マグネシウム、セシウム、鉄、ニッケル、銀、アルミニウム、錫、またはカルシウムの塩、脂肪酸、特にステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸、またはこれらのダイマー化誘導体の塩を包含する。本発明の有機酸およびその塩は、比較的非移動性(これらは、周囲温度条件下で、該ポリマー表面でブルームを起こすことがない)であり、また不揮発性(これらは、溶融混合に必要とされる温度にて揮発することがない)であることが好ましい。
熱可塑性ポリマー成分、例えばコポリエーテルエステル、コポリエステルエステル、コポリエーテルアミド、エラストマーポリオレフィン、スチレンジエンブロックコポリマーおよびこれらの水添誘導体、コポリエステルアミド、熱可塑性ポリウレタン、例えばコポリエーテルウレタン、コポリエステルウレタン、コポリウレアエタン、エポキシを主成分とするポリウレタン、ポリカプロラクトンを主成分とするポリウレタン、ポリウレア、およびポリカーボネートを主成分とするポリウレタンフィラー、および必要ならば他の成分を、該酸部分を中和する前、その最中またはその後にブレンドすることができる。
これら材料の例は、米国特許出願第2001/0018375号および同第2001/0019971号に記載されており、これら文献の開示事項全体を参考としてここに組入れる。
該イオノマー組成物は、また少なくとも1種のグラフト化メタロセン触媒ポリマーを含むことができる。この態様のブレンドは、約1pph〜約100pphなる範囲の、少なくとも1種のグラフト化メタロセン触媒ポリマー、および約99pph〜0pphなる範囲の少なくとも1種のイオノマー、好ましくは約5pph〜約90pphなる範囲の少なくとも1種のグラフト化メタロセン触媒ポリマー、および約95pph〜約10pphなる範囲の少なくとも1種のイオノマー、より好ましくは約10pph〜約75pphなる範囲の少なくとも1種のグラフト化メタロセン触媒ポリマー、および約90pph〜約25pphなる範囲の少なくとも1種のイオノマー、および最も好ましくは約10pph〜約50pphなる範囲の少なくとも1種のグラフト化メタロセン触媒ポリマー、および約90pph〜約50pphなる範囲の少なくとも1種のイオノマーを含むことができる。該層が発泡される場合、該グラフト化メタロセン触媒ポリマーブレンドは、任意の公知の発泡剤によって、成型中に発泡させることができる。
更に、以下においてより詳しく論じる、ポリアミドも、イオノマーと混合することができる。
他の態様では、該中間層は、少なくとも1種の、本来または完全に非-イオノマー性の熱可塑性材料を含む。適当な非-イオノマー性熱可塑性材料は、ポリアミドおよびポリアミドブレンド、グラフト化および非-グラフト化メタロセン触媒ポリオレフィンまたはポリアミド、ポリアミド/イオノマーブレンド、ポリアミド/非-イオノマーブレンド、ポリフェニレンエーテル/イオノマーブレンド、およびこれらの混合物を包含する。グラフト化および非-グラフト化メタロセン触媒ポリオレフィンまたはポリアミド、ポリアミド/イオノマーブレンド、ポリアミド/非-イオノマーブレンドの例は、同時継続中の米国特許第6,800,690号に記載されており、この特許の開示全体を、参考としてここに組入れる。
一態様において、ポリアミドホモポリマー、例えばポリアミド6,18およびポリアミド6,36は、単独でまたは他のポリアミドホモポリマーとの組合せで使用される。他の態様では、ポリアミドコポリマー、例えばポリアミド6,18/6,36を、単独でまたは他のポリアミドホモポリマーとの組合せで使用する。適当なポリアミドホモポリマーおよびコポリマーの他の例は、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド7、ポリアミド11、ポリアミド12 (PA州、フィラデルフィアのアトフィナケミカルズ社(Atofina Chemicals, Inc.)によって、リルサンアムノ(Rilsan AMNO)として市販されている)、ポリアミド13、ポリアミド4,6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,9、ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6,36、ポリアミド12,12、ポリアミド13,13、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6,6/6,10、ポリアミド6/6,T(ここで、Tは、テレフタル酸を表す)、ポリアミド6/6,6/6,10、ポリアミド6,10/6,36、ポリアミド66,6,18、ポリアミド66,6,36、ポリアミド6/6,18、ポリアミド6/6,36、ポリアミド6/6,10/6,18、ポリアミド6/6,10/6,36、ポリアミド6,10/6,18、ポリアミド6,12/6,18、ポリアミド6,12/6,36、ポリアミド6/66/6,18、ポリアミド6/66/6,36、ポリアミド66/6,10/6,18、ポリアミド66/6,10/6,36、ポリアミド6/6,12/6,18、ポリアミド6/6,12/6,36、およびこれらの混合物を含む。
前記のように、上記ポリアミドホモポリマー、コポリマー、およびホモポリマー/コポリマーブレンドの何れかは、場合により非-イオノマーポリマー、例えば非-イオノマー熱可塑性ポリマー、非-イオノマー熱可塑性コポリマー、非-イオノマーTPE、およびこれらの混合物とブレンドすることができる。
ポリアミド-非-イオノマーブレンドの具体的な一例は、ポリアミド-メタロセン触媒ポリマーブレンドである。これらのブレンドした組成物は、グラフト化および/または非-グラフト化メタロセン触媒ポリマーを含むことができる。ペンダント基で官能化されたグラフト化メタロセン触媒ポリマー、例えば無水マレイン酸等は、デュポン社から実験的な量で入手できる。グラフト化メタロセン触媒ポリマーは、また市販品として入手できる非-グラフト化メタロセン触媒ポリマーを、モノマーおよび有機パーオキシドを含む、後-重合反応に掛けて、所定のペンダント基(1または複数)を含むグラフト化メタロセン触媒ポリマーを生成することによって得ることもできる。
ポリアミド-非-イオノマーブレンドのもう一つの例は、非-メタロセン単一サイト触媒を用いて製造した、ポリアミドおよび非-イオン性ポリマーである。ここで使用する、該用語「非-メタロセン触媒」または「非-メタロセン単一サイト触媒」とは、メタロセン触媒以外の単一サイト触媒を意味する。適当な単一サイト触媒ポリマーの例は、同時継続中の米国特許出願第09/677,871号に記載されている。この文献の全開示を、参考としてここに組入れる。
該ポリアミドとブレンドするのに適した非-イオノマーは、ブロックコポリ(エステル)コポリマー、ブロックコポリ(アミド)コポリマー、ブロックコポリ(ウレタン)コポリマー、スチレンを主成分とするコポリマー、熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンド(ここで、該エラストマーは加硫されていない(TEB))、および熱可塑性樹脂とエラストマーまたはゴムとのブレンド(ここで、該エラストマーは、力学的に加硫されている(TED))を含むが、これらに限定されない。該中間層用の組成物を形成するための、ポリアミドとブレンドするのに適した他の非-イオノマーは、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、イミド化アミノ基-含有ポリマー、高耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリ(フェニレンスルフィド)、強化エンジニアリングプラスチック、アクリル酸-スチレン-アクリロニトリル、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(4-シアノブチルアクリレート)、ポリ(2-エチルブチルアクリレート)、ポリ(ヘプチルアクリレート)、ポリ(2-メチルブチルアクリレート)、ポリ(3-メチルブチルアクリレート)、ポリ(N-オクタデシルアクリルアミド)、ポリ(オクタデシルメタクリレート)、ポリ(4-ドデシルスチレン)、ポリ(4-テトラデシルスチレン)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(オキシメチレン)、ポリ(シラザン)、ポリ(フランテトラカルボン酸ジイミド)、ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(メチルスチレン)、シリコーン、並びにこれらが属する群のポリマーおよび官能性コモノマーを含むそのコポリマー、およびこれらのブレンドを含むが、これらに限定されない。
一態様において、該非-イオノマー材料は、約60ショアDまたはそれ以上の硬さおよび約206.7MPa(約30,000psi)またはそれ以上の曲げ弾性率を持つ。
該中間層は、好ましくは該中間層中のポリマーの主成分として使用されて、その硬化状態におけるレジリエンスを付与する弾性ポリマー成分、および強化ポリマー成分を、ブレンドとして含むことができる。該中間層において使用するのに適した弾性ポリマーは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエン、スチレン-プロピレン-ジエンゴム、エチレン-プロピレン-ジエン(EPDM)、これらの混合物等を含み、これらは好ましくは少なくとも約50,000〜約1,000,000なる範囲内の高分子量を持つ。一態様において、該分子量は、約250,000〜約750,000なる範囲、およびより好ましくは、約200,000〜約400,000なる範囲内にある。
該強化ポリマー成分は、好ましくは架橋を開始することなしに、混合を可能とするのに十分に低い、好ましくは約-35℃〜120℃なる範囲内の結晶融点(Tg)を持つ。更に、該強化ポリマー成分は、好ましくは、該弾性ポリマー成分と混合する際に、該混合温度において、これら2種のポリマー成分の適当な混合を可能とするのに十分に低い粘度を持つ。該中間層を形成するための全組成物に対する該強化ポリマー成分の重量は、一般的に約5〜25質量%なる範囲、好ましくは約10〜20質量%なる範囲内にある。
該強化ポリマー成分において使用するのに適したポリマーの例は、以下に列挙するものを包含する:trans-ポリイソプレン、ブロックコポリマーエーテル/エステル、アクリル系ポリオール、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、1,2-ポリブタジエン(シンジオタクチック)、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、trans-ポリシクロオクテナマー、trans-異性体ポリブタジエン、およびこれらの混合物。特に適した強化ポリマーは、以下に列挙するものを包含する:ハイトレル(HYTRELTM)、即ちDE州、ウイルミントンの、デュポン(DuPont)社により市販品として入手できるブロックコポリマーエーテル/エステル;trans-異性体ポリブタジエン、例えばフレン(FUREN) 88なる商品名で、日本、川崎市、川崎区、ヤコウ(Yako)のアサヒケミカルズ(Asahi Chemicals)から得たもの;クラレイ(KURRARAY) TP251なる商品名で、クラレ社(KURRARAY CO.)から市販品として入手できるtrans-ポリイソプレン;OH州、アクロンのバイエル-ラバー部門(Bayer-Rubber Division)から商品名レバプレン(LEVAPREN) 700HVの下に、市販品として入手できるエチレン-酢酸ビニルコポリマー;およびOH州、タラマッジのハルスアメリカ社(Huls America Inc.)から商品名ベステナマー(VESTENAMER) 8012の下に、市販品として入手できるtrans-ポリシクロオクテナマー(polycyclooctenenamer)。幾つかの適当な強化ポリマー成分は、Tcおよびガラス転移点(Tg)と共に、以下の表1に掲載する:
Figure 2009056309
該強化ポリマー成分において使用するのに特に適した他のポリマーは、典型的に少なくとも約80%のtrans-異性体含有率を有し、残部のcis-異性体1,4-ポリブタジエンおよびビニル-異性体1,2-ポリブタジエンを含む、剛性化ポリブタジエン成分である。従って、これは、ここでは「高trans-異性体ポリブタジエン」または「剛性化ポリブタジエン」と呼び、これを、本発明のゴルフボールコアを製造するのに使用する、cis-異性体ポリブタジエンまたは低trans-異性体含有率の、即ち典型的に80%以下の異性体含有率を持つポリブタジエンから区別することができる。該剛性化ポリブタジエン成分のビニル含有率は、該ポリブタジエン異性体の、好ましくは約15%以下、好ましくは約10%未満、より好ましくは約5%未満、および最も好ましくは約3%未満である。
本発明のゴルフボールにおいて使用する場合、該剛性化ポリブタジエン成分は、好ましくは約4を越えない、好ましくは約3を越えない、およびより好ましくは、約2.5を越えない多分散性を持つ。該多分散性(Pd)は、あるポリマーの重量平均分子量(Mw)対数平均分子量(Mn)の比である。
更に、本発明のゴルフボールにおいて使用する場合、該剛性化ポリブタジエン成分は、典型的に、少なくとも約100,000、好ましくは約200,000〜1,000,000なる範囲にあるものとして定義されるように、高いMwを持つ。一態様において、絶対平均分子量は、約230,000〜750,000なる範囲にある。他の態様において、絶対平均分子量は、約275,000〜700,000なる範囲にある。該ビニル含有率が、約10%を越える任意の態様において、該絶対平均分子量は、好ましくは約200,000を越える。
Trans-ポリイソプレンまたは高trans-異性体ポリブタジエンが、該強化ポリマー成分中に含まれている場合には、前者は、該ポリマーブレンド、即ち該弾性および強化ポリマーの、約10〜40質量%なる範囲、好ましくは約15〜30質量%なる範囲、より好ましくは約15〜25質量%までの量で存在し得る。
該コアに関連して上記したものと同一の架橋剤を、この態様において使用して、該弾性ポリマー-強化ポリマーブレンドに対する、所定の弾性率を達成することができる。一態様において、該架橋剤は、該ポリマーブレンド100部当たり、約1〜約50部なる範囲、好ましくは該ブレンド100部当たり、約20〜約45部なる範囲、およびより好ましくは、該ポリマーブレンド100部当たり、約30〜約40部なる範囲の量で添加される。
該弾性ポリマー成分、強化ポリマー成分、フリーラジカル開始剤、および本発明によるゴルフボールコアの中間層を形成するのに使用する、任意の他の材料を、当業者には公知の任意の型の混合により、併合することができる。
ゴルフボールカバー
該カバーは、該ボールとクラブとの界面を与える。該カバーに対して望ましい特性は、特に良好な成型適正、高い耐磨耗性、高い耐衝撃性、高い耐引裂強さ、高いレジリエンス、および良好な離型性である。該カバー層は、少なくとも部分的に、本発明の組成物から製造することができる。一態様において、本発明の組成物は、本発明のゴルフボールの少なくとも一つのカバー層を形成するために使用できる。例えば、該カバー層は、イソシアネート-含有成分と、イソシアネート-反応性成分との反応生成物を用いて製造することができ、これは硬化剤で硬化することができる。
該カバー組成物は、また1種またはそれ以上のホモポリマーまたはコポリマー材料、例えば以下に列挙するものから製造またはこれらを含むことができる:
(1) ビニル樹脂、例えば塩化ビニルの重合、または塩化ビニルと酢酸ビニル、アクリル酸エステルまたはビニリデンクロリドとの共重合により生成される樹脂;
(2) ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンおよびコポリマー、例えばエチレンメチルアクリレート、エチレンエチルアクリレート、エチレン酢酸ビニル、エチレンメタクリル酸またはエチレンアクリル酸またはプロピレンアクリル酸および単一サイト触媒を用いて製造したコポリマーおよびホモポリマー;
(3) 熱可塑性または熱硬化性、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、酸官能化されたポリウレタン、例えばポリオールまたはアミンと、ジイソシアネートまたはポリイソシアネートとから製造したもの、および米国特許第5,334,673号および米国特許出願第10/072,395号に記載されているもの;
(4) 熱可塑性または熱硬化性、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、酸官能化されたポリウレア、例えば米国特許第5,484,870号および米国特許出願第10/072,395号に記載されているもの;
(5) ポリアミド、例えばポリ(ヘキサメチレンアジパミド)およびその他のジアミンと二塩基酸とから製造したもの、並びにアミノ酸から製造したもの、例えばポリ(カプロラクタム)、強化ポリアミド、およびポリアミドとイオノマー、ポリエチレン、エチレンコポリマー、エチル-プロピレン-非-共役ジエンターポリマー等とのブレンド;
(6) アクリル系樹脂およびこれら樹脂とポリ塩化ビニル、エラストマー等とのブレンド;
(7) 熱可塑性樹脂、例えばウレタン;オレフィン系熱可塑性ゴム、例えばポリオレフィンとエチレン-プロピレン-非-共役ジエンターポリマーとのブレンド;スチレンとブタジエン、イソプレンまたはエチレン-ブチレンゴムとのブロックコポリマー;またはコポリ(エーテル-アミド)、例えばPA州、フィラデルフィアのアトフィナケミカルズ社(Atofina Chemicals, Inc.)によって市販されているペバックス(PEBAX)または米国特許第5,688,191号に記載されている熱可塑性組成物;
(8) ポリフェニレンオキシド樹脂またはMA州、ピッツフィールドの、ジェネラルエレクトリック社(General Electric Company)により、ノリル(NORYL)なる商品名で市販されている、ポリフェニレンオキシドと高耐衝撃性ポリスチレンとのブレンド;
(9) 熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、グリコール変性されたポリエチレンテレフタレート、およびDE州、ウイルミントンの、E.I.デュポンデュネモアーズ&Co.(E.I. DuPont de Nemours & Co)社により、商品名ハイトレル(HYTREL)の下で市販されている、およびMA州、ピッツフィールドの、ジェネラルエレクトリック社(General Electric Company)により、ロモッド(LOMOD)なる商品名で市販されているエラストマー;
(10) 官能性モノマー、例えばアクリル酸またはメタクリル酸を含む、エチレン、プロピレン、1-ブテンまたは1-ヘキセンを主成分とするホモポリマーまたはコポリマー、または完全にまたは部分的に中和されたイオノマー樹脂、およびこれらのブレンド、メチルアクリレート、メチルメタクリレートホモポリマーまたはコポリマー、低酸性イオノマー、好酸性イオノマー、およびこれらのブレンド;
(11) ポリカーボネートと、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、スチレン無水マレイン酸、ポリエチレン、エラストマー等とを含む、およびポリ塩化ビニルと、アクリロニトリルブタジエンスチレンまたはエチレン酢酸ビニルまたは他のエラストマーとを含むブレンドおよびアロイ;および
(12) 熱可塑性ゴムと、ポリエチレン、プロピレン、ポリアセタール、ナイロン、ポリエステル、セルロースエーテル等とのブレンド。
該カバーは、また該コアに関連して上で論じた、該ポリブタジエン反応生成物から製造することができる。
本明細書の至る部分において論じたように、本発明の組成物は、任意の公知の方法、例えば注入成型、圧縮成型、射出成型、反応性射出成型法等で、該ゴルフボール上に成型することができる。当業者は、使用する該成型法が、少なくとも部分的に該組成物の諸特性により決定できることを理解するであろう。例えば、注入成型は、該材料が熱硬化性である場合に好ましく、一方圧縮成型または射出成型は、熱可塑性組成物にとって好ましい方法であり得る。
ゴルフボールの構成
本発明の組成物は、任意の型のゴルフボール構成と共に利用でき、該構成は、該ボールの所定の性能の型に依存して、ワン-ピース、ツー-ピース、スリー-ピース、およびフォー-ピース設計、二重コア、二重カバー、中間層、多重層コアおよび/または多重層カバーを含むが、これらに限定されない。即ち、本発明の組成物は、ゴルフボールのコア、中間層、および/またはカバーにおいて使用でき、その各々は、単一層または多重層を含むことができる。ここで使用する、該用語「多(重)層」とは、少なくとも2つの層を意味する。
上記コアに関する章において説明したように、コアはワン-ピースコアまたは多重層コアであり得、これら両者は、中実、半-固体、中空、流体-充填、または粉末-充填構成であり得る。多重層コアは、付随的なコア層またはその上に設けられた付随的なコア層を持つ、最も内側の成分を含むものである。
更に、本発明のゴルフボールが、中間層を含む場合、この層は、単一のまたは多重層カバー、単一または多重ピースコア、単一層カバーおよびコア、または多層カバーおよび多層コア両者と共に組込むことができる。該中間層は、ゴルフボールの内側カバー層または外側コア層、あるいは該内側カバー層と該外側コア層との間に設けられた任意の他の層であり得る。該コアとの関連で、該中間層は、複数の層を含むこともできる。所望により、任意の数または型の中間層を使用することができることが理解されよう。
例えば、図1は、コア2、少なくとも一つの中間層3、およびカバー4を含む、ゴルフボール1を示す。一態様において、図1の該ゴルフボールは、ポリブタジエン反応性物質または他の公知の材料性のコア2および本発明の組成物を含むカバー4を示している。他の態様において、図1のコア2は、液体であり得、ここで中空球状コアシェルは液体で充填されている。該中間層3は、公知のイオノマーまたは本発明の組成物で作られている。
該中間層は、また中実、半-固体、中空、流体-充填または粉末-充填中心部の回りを、張力を掛けたエラストマー材料で巻回することができる。ここで使用する用語「流体」とは、液体またはガスを意味し、また該用語「半-固体」とは、ペースト、ゲル等を意味する。糸巻き層は、本発明の目的にとって、コア層または中間層として説明することができる。一例として、図1の該ゴルフボール1は、コア2、その上に巻き付けられた張力を掛けたエラストマー層3、およびカバー層4を含むことができる。特に、図1の該ゴルフボール1は、ポリブタジエン反応性物質製のコア2、張力を掛けたエラストマー層3を含む中間層および本発明の組成物から形成されたカバー4を持つことができる。本発明のこの局面において、本発明の組成物は、疎水性主鎖を持つイソシアネート-反応性成分を用いて形成して、より高い耐水性を持つゴルフボールを作成することができる。該張力を掛けたエラストマー材料は、当業者には公知の任意の適当な材料で作ることができる。一態様において、本発明の組成物は、該張力を掛けたエラストマー材料を製造するのに使用される。
該ボールの少なくとも一つの層は、防湿層、例えば米国特許第5,820,488号に記載されているような層であり得、ここで該特許を、参考として本明細書に組入れる。該ボールのコアと外側表面との間の他の層、即ちカバー、プライマー層、および透明コート層よりも、低い水蒸気透過率を持つ、任意の適当なフィルム-形成材料を使用することができる。その例は、フッ素ガスを含む、ポリブタジエン反応性物質、ポリビニリデンクロリド、およびヒル石を含むが、これらに限定されない。一態様において、該防湿層は、該ボールを、約37.8℃(100°F)、および70%相対湿度において6週間保存した場合に、該防湿層を含まず、同一の型のコアおよびカバーを含み、かつ実質的に同一の条件下で保存された、ゴルフボールのCORにおける損失と比較して、少なくとも5%だけ、該ゴルフボールのCROの損失を減じるのに十分な水蒸気透過率を持つ。
該カバー層を形成する前に、該内側ボール、即ち該コアおよびその上に設けられた全ての中間層を、表面処理して、該内側ボールの外側表面と該カバーとの間の接着性を高めることができる。このような表面処理の例は、該サブアセンブリーの外側表面を、機械的または化学的に侵蝕させることを含むことができる。更に、該内側ボールは、その回りにカバーを形成する前に、コロナ放電処理、プラズマ処理、シラン浸漬処理、または当業者には公知の他の化学的な方法に付すことができる。該ボールの他の層、例えば該コアおよび該カバー層も、表面処理することができる。これらのおよび他の表面処理技術の例は、米国特許第6,315,915号に見出すことができる。この特許全体を、参考としてここに組入れる。
該コアまたはカバーは、複数の層、例えばゴルフボール中心近傍に設けられた内側カバー層およびその上に形成された外側カバー層を含むことができる。例えば、図2は、コア6、外側コア層または中間層7、薄い内側カバー層8、およびその上に設けられた薄い外側カバー層9を含むゴルフボール5を表す。特に、該コア6および中間層7は、ポリブタジエン反応性材料で作ることができ、該内側カバー層8は、本発明の組成物または公知のイオノマー材料で作ることができ、また該外側カバー層9は、本発明の組成物または公知のカバー材料で作ることができる。
更に、本発明の組成物は、大きなコア11および薄い外側カバー層12を持つ、図3に示されたゴルフボール10を製造するために使用できる。一態様において、該大きなコア11は、ポリブタジエン反応性材料で作られ、また該薄い外側カバー層12は、本発明の組成物で形成される。
典型的に、ゴルフボールにおいて硬さ勾配を使用して、幾つかの特性を達成するが、本発明は、また本質的に同一の硬さを持つ、多数のカバー層を含むゴルフボールにおいて、本発明の組成物を使用することをも意図しており、ここで少なくとも一つの層は、ある方法で改善されて、該ボールの性能に影響を及ぼす特性が、変更されている。このようなボールの構成は、「多数のカバー層を持つゴルフボール(Golf Ball with Multiple Cover Layers)」と題する、2002年6月13日付で出願された、同時継続中の米国特許出願第10/167,744号に記載されている。この特許出願の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
このような一態様において、両カバー層は、同一の材料で作ることができ、また本質的に同一の硬さを持つことができるが、これらの層は、異なる摩擦係数値を持つように設計される。もう一つの態様において、本発明の組成物は、本質的に同一の硬さを持つが、高変形の下では、異なるレオロジー特性を持つ、多数の層を含むゴルフボールにおいて使用される。この態様の別の局面は、本質的に同一の硬さを持つが、異なる厚みを有し、硬い内側カバーボール上の柔軟な外側カバーを模倣する、多数のカバー層を含むゴルフボールに関連する。
この概念の別の局面において、ゴルフボールの該カバー層は、本質的に同一の硬さを持つが、周囲温度に比して高いまたは低い温度にて、異なる特性を持つ。特に、本発明のこの局面は、多層カバー層を持つゴルフボールを意図しており、ここで該外側カバー層用組成物は、該内側カバー層よりも低い、低温における曲げ弾性率を有し、一方でこれらの層は、周囲および低温において同一の硬さを維持しており、これは硬い内側カバー層上の柔軟な外側カバー層を、模倣する感触をもたらす。幾つかのポリウレアは、イオノマー樹脂よりも、様々な温度において、より一層安定な曲げ弾性率を持つことができ、また結果として周囲温度よりも低い温度、または高温におけるよりも、効果的に「より柔軟な」層を作成するのに使用できる。
この概念の更に別の局面は、本質的に同一の硬さを持つが、乾燥条件下におけるものと比較して、湿潤条件下において異なる特性を持つ、多重カバー層を持つゴルフボールに関する。ゴルフボール層の湿潤性は、特に表面粗さ、化学的な不均質性、分子配向、膨潤性、および界面張力により影響される可能性がある。従って、ゴルフボール層の非-破壊的な表面処理は、層の疎水性を増すのに役立つ可能性があり、一方ゴルフボール層の高度な研磨または平滑化は、湿潤性を低下する恐れがある。米国特許第5,403,453号および同第5,456,972号は、ポリマー材料の表面を処理して、湿潤性に影響を与える方法を開示している。これら特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。更に、プラズマエッチング、コロナ放電処理、および火炎処理は、該材料表面の湿潤性を、所望の状態に変えるための、有用な表面処理であり得る。該ゴルフボール層用組成物に、湿潤剤を添加して、該層の表面張力を調節することができる。
従って、本発明による該カバー層の湿潤性における差は、接触角における差によって測定できる。ある層の接触角は、約1度(低湿潤性)〜約180度(極めて高い湿潤性)なる範囲であり得る。一態様において、該カバー層は、約1度またはそれ以上変動する接触角を持つ。他の態様において、該カバー層の接触角は、約3度またはそれ以上変動する。更に別の態様において、該カバー層の接触角は、約5度またはそれ以上変動する。
本発明で使用することのできる適当な型のボール構成の他の非-限定的な例は、米国特許第6,056,842号、同第5,688,191号、同第5,713,801号、同第5,803,831号、同第5,885,172号、同第5,919,100号、同第5,965,669号、同第5,981,654号、同第5,981,658号、および同第6,149,535号、並びに公開特許第US2001/0009310 A1号、同第US2002/0025862号、同第US2002/0028885号に記載されているものを包含する。これら特許および公開特許出願の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
上記層の製造
本発明のゴルフボールは、圧縮成型、フリップ成型、射出成型、格納式ピン射出成型、反応式射出成型(RIM)、液体射出成型(LIM)、注入成型、真空成型、粉末塗布、回転塗布、浸漬、噴霧等の様々な適用技術を利用して製造できる。スプリットベントピンを用いる射出成型法は、米国特許第6,877,974号に見出すことができる。格納式ピン射出成型法の例は、米国特許第6,129,881号、同第6,235,230号、および同第6,379,138号に見出すことができる。これらの成型法に関する参考文献は、その全体を、ここに参考として組入れる。
当業者は、使用する該成型法が、少なくとも部分的に、該組成物の諸特性によって決定できることを理解しているであろう。例えば、注入成型、RIMまたはLIM法は、該材料が熱硬化性である場合に好ましいものであり得、一方圧縮成型または射出成型法は、熱可塑性組成物に対して好ましいものであり得る。しかし、圧縮成型法は、また熱硬化性内側ボール材料に対しても使用できる。例えば、コアが、熱硬化性材料で作られている場合、圧縮成型法は、該コアを形成するのに特に適した方法であり、一方で該コアが、熱可塑性材料で作られている場合、該コアは、射出成型することができる。更に、該中間層は、また当業者には公知の任意の適当な方法を利用して製造できる。例えば、中間層を、吹込成型によって製造し、射出成型、圧縮成型、注入成型、真空成型、粉末塗布等によって形成された、ディンプルを持つカバー層で、これを覆うことができる。
更に、層が、本発明の組成物または他の公知のポリウレアおよび/またはポリウレタン組成物で作られている場合、これらの材料は、様々な適用技術、例えば当分野において周知の、噴霧、圧縮成型、浸漬、回転塗布、注入成型、またはフローコーティング法を利用して、内側ボール上に適用することができる。内側ボールの周りに、ポリウレアおよびポリウレタン材料を生成する例は、米国特許第5,733,428号、同第5,006,297号、および同第5,334,673号に記載されている。これらの米国特許の開示事項全体を、ここに参考として組入れる。一態様において、注入成型と圧縮成型との組合せを利用して、内側ボール上にポリウレタンまたはポリウレア組成物を適用することができる。しかし、本発明によるカバーの形成方法は、これら技術の利用のみに限定されず、当業者に公知の他の方法を利用することも可能である。
該カバー層を形成する前に、該内側ボール、即ち該コアおよびその上に設けられる任意の中間層を、表面処理して、該内側ボールの外側表面と該カバーとの間の接着性を高めることができる。このような表面処理の例は、該サブアセンブリーの外側表面を、機械的または化学的に侵蝕することを含むことができる。更に、該内側ボールは、その回りに該カバー層を形成する前に、コロナ放電、プラズマ処理、および/またはシラン浸漬処理に掛けることができる。該ボールの他の層、例えば該コアも、表面処理することができる。これらのおよび他の表面処理技術の例は、米国特許第6,315,915号に見出すことができる。この特許の開示事項全体を、ここに参考として組入れる。
本発明のゴルフボール部品を製造するための、ここで論じた該方法並びに他の製造方法は、また米国特許第6,207,784号および同第5,484,870号に記載されている。これら特許の開示事項全体を、ここに参考として組入れる。
ディンプル
本発明のゴルフボールは、好ましくは幾つかの飛翔特性を考慮して設計される。様々なディンプルパターンのプロフィールが、ゴルフボールの空気力学的な諸特性を調節するための、比較的効果的な方法を与える。それ故に、該ボールの表面上に、ディンプルを配列する方法は、任意の利用可能な方法であり得る。例えば、該ボールは、米国特許第4,560,168号に記載されているような、二十面体を基本とするパターン、あるいは米国特許第4,960,281号に記載されているような、八面体を基本とするディンプルパターンを持つことができる。あるいはまた、該ディンプルパターンは、米国特許第6,338,684号に記載されているような、葉序学的なパターンに従って配列することができる。この特許の開示事項全体を、ここに参考として組入れる。
ディンプルパターンは、また切頭八面体、大きな菱立方八面体(rhombcuboctahedron)、切頭十二面体および大きな斜方三十二面体を包含するアルキメデスパターンを基本とするものであり得る。ここで、該パターンは、米国特許第6,705,959号に記載されているように、非線形の分割線を持つ。この特許の開示事項全体を、ここに参考として組入れる。本発明のゴルフボールは、また非-円形型のディンプル、即ち米国特許第6,409,615号に記載されているように、不定形のディンプルで覆われていてもよい。
高い表面被覆率を与えるディンプルパターンが好ましく、またこれは当分野において公知である。例えば、米国特許第5,562,552号、同第5,575,477号、同第5,957,787号、同第5,249,804号、および同第4,925,193号は、ゴルフボール上にディンプルを配置するための幾何学的なパターンを開示している。一態様において、本発明のゴルフボールは、少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、およびより好ましくは少なくとも70%またはそれ以上の、該カバー層表面領域のディンプル被覆率を持つ。より高いディンプル被覆率値を持つディンプルパターンも、本発明で使用することができる。従って、本発明のゴルフボールは、少なくとも75%またはそれ以上、約80%またはそれ以上、または更に約85%またはそれ以上のディンプル被覆率を持つことができる。
更に、管状の格子パターン、例えば米国特許第6,290,615号(この特許の開示事項全体を、ここに参考として組入れる)に記載されているものも、本発明のゴルフボールで使用することができる。本発明のゴルフボールは、また米国特許第6,383,092号(この特許の開示事項全体を、ここに参考として組入れる)に記載されているように、該ボールの該中間層上に配置される、複数のピラミッド状の突起を持つこともできる。該ゴルフボール上の複数のピラミッド状の突起は、該中間層の表面の、約20%〜約80%なる範囲を覆うことができる。
もう一つの態様において、該ゴルフボールは、平坦でない分割線を持つことができ、これは、ピラミッド状の突起の幾分かを、該ボールの赤道部分の回りに配置することを可能とする。このようなゴルフボールは、「ゴルフボール用の金型(Mold For A Golf Ball)」と題する、1999年11月18日付で出願された米国特許出願第09/442,845号(この特許出願の開示事項全体を、ここに参考として組入れる)に記載されているような金型を用いて、製造することができる。この態様は、該ピラミッド状突起のより一層の均一化を可能とする。変動するサイズのディンプルを持つディンプルパターンの幾つかの追加の非-限定的な例は、また米国特許第6,358,161号および同第6,213,898号(これら特許の開示事項全体を、ここに参考として組入れる)に与えられている。
該ボール上のディンプルの総数またはディンプル数は、該ディンプルのサイズおよび選択されたそのパターン等のファクタに依存して変えることができる。一般に、該ボール上のディンプルの総数は、好ましくは約100〜約1,000ディンプルなる範囲にあるが、当業者は、この範囲内にある異なるディンプル数が、該ボールの飛翔特性を大幅に変えることを認識しているであろう。一態様において、該ディンプル数は、約380ディンプルまたはそれ以上であるが、より好ましくはこれは、約400ディンプルまたはそれ以上およびより一層好ましくは約420ディンプルまたはそれ以上である。一態様において、該ボール上のディンプル数は、約422ディンプルである。幾つかの場合において、該ボール上に、より少数のディンプルを持つことが望ましい場合がある。従って、本発明の一態様は、約380ディンプルまたはそれ以下を有し、またより好ましくは該ディンプル数は、約350ディンプルまたはそれ以下である。
対称軸の回りのカテナリー曲線を旋回するディンプルプロフィールは、空力的効率を高め、該ディンプルパターンを変えることなしにボールの性能を調節すべく、該ディンプルを変更する有利な方法を与え、またあらゆるスイングスピードを持つゴルファーに対して、均等に高められた飛距離をもたらすことを可能とする。従って、米国特許第6,796,912号(この特許の開示事項全体を、ここに参考として組入れる)に記載されているような、カテナリー曲線ディンプルパターンは、本発明のゴルフボールで使用することを意図するものである。
ゴルフボールの後処理
本発明のゴルフボールは、更なる便宜のために、塗装し、被覆し、または表面処理することができる。例えば、本発明のゴルフボールは、原樹脂塗料組成物で処理することができ、あるいは該カバー組成物は、所定の色彩性を達成するために、幾つかの添加物を含むことができる。一態様において、該ゴルフボールカバー組成物は、蛍光増白剤、例えば7-トリアジニルアミノ-3-フェニルクマリンの誘導体を、改善された耐候性および白色度を与える目的で、含むことができる。このような蛍光増白剤の例は、米国特許出願第2002/0082358号(この特許出願の開示事項全体を、ここに参考として組入れる)に開示されている。
装飾的および保護被覆材料、並びにこのような材料をゴルフボールカバーの表面に適用する方法は、ゴルフボール技術分野において周知である。一般に、このような被覆材料は、ウレタン、ウレタンハイブリッド、エポキシ樹脂、ポリエステルおよびアクリル系樹脂を含む。
該被覆層は、当業者にとって公知の任意の適当な方法で適当することができる。例えば、該被覆層は、金型内被覆工程、例えば米国特許第5,849,168号(この特許の開示事項全体を、ここに参考として組入れる)に記載されている方法で、該ゴルフボールカバーに適用することができる。更に、本発明のゴルフボールは、米国特許第6,500,495号、同第6,248,804号、および同第6,099,415号(これら特許の開示事項全体を、ここに参考として組入れる)に記載されている方法および材料を使用して、紫外線硬化性/処理性インキで塗装または被覆することができる。本発明で使用することのできる、任意の商標または他の表示を、ゴルフボール製造業の分野の当業者にとって公知の、様々な方法によって、該ゴルフボールに適用することができる。一態様において、該表示は、該ゴルフボールカバーの外側表面にスタンプされ、即ちパッド-印刷され、また該スタンプされた外側表面は、次いで少なくとも1種のクリアコートで処理して、該ボールに、該カバー上にスタンプされた該表示の光沢仕上げおよびその保護を行うことができる。他の態様において、該表示は、インク-ジェット印刷により、該意図した層に適用することができる。また、必要ならば、2以上の被覆層を用いることも可能である。
ゴルフボールの特性
硬さ、モジュラス、コア径、中間層の厚みおよびカバー層の厚み等の、本発明のゴルフボールの諸特性は、本発明のゴルフボールの競技特性、例えばスピン、初期速度および感触に影響を及ぼすことが分かっている。例えば、該中間層の曲げ弾性率および/または引張弾性率は、本発明のゴルフボールの「感触」に影響を持つものと考えられている。ここでは、該範囲(複数)は、相互に関連していることを意味し、即ち一つの範囲の下限は、他の範囲の上限と結合し得るものと理解すべきである。
部品の寸法
ゴルフボール部品の寸法、即ちその厚みおよび径は、所定の特性に応じて変えることができる。本発明の目的にとって、任意の層の厚みを、使用することができる。上で略述した様々な態様の非-限定的な例を、層の寸法に関連して、ここに与える。
本発明は、任意サイズのゴルフボールに関する。USGAの仕様は、競技用のゴルフボールのサイズを、約4.27cm(1.68in)を越える径に制限しているが、レジャー用ゴルフ競技に対しては、任意サイズのゴルフボールを使用することができる。該ゴルフボールの好ましい径は、約4.27cm(約1.68in)〜約4.57cm(約1.8in)なる範囲内にある。より好ましい径は、約4.27cm(約1.68in)〜約4.47cm(約1.76in)なる範囲内にある。約4.27cm(約1.68in)〜約4.42cm(約1.74in)なる範囲内の径が、最も好ましいが、約4.32cm(約1.7in)〜約4.95cm(約1.95in)なる範囲内の何れかにある径を使用することができる。好ましくは、該コアおよび全中間層の全体としての径は、最終的なボールの全体的な径の約80%〜約98%である。
該コアは、約2.29mm(約0.09in)〜約4.19cm(約1.65in)なる範囲内の径を持つことができる。一態様において、本発明のゴルフボールのコアの径は、約3.05cm(1.2in)〜約4.14cm(約1.630in)なる範囲内にある。もう一つの態様において、該コアの径は、約3.30cm(約1.3in)〜約4.06cm(約1.6in)なる範囲、好ましくは約3.53cm(約1.39in)〜約4.06cm(約1.6in)なる範囲内およびより好ましくは約3.81cm(約1.5in)〜約4.06cm(約1.6in)なる範囲内にある。更に別の態様において、該コアは、約3.94cm(約1.55in)〜約4.19cm(約1.65in)なる範囲内の径を持つ。
該ゴルフボールのコアは、該ボールの残部に対して著しく大きなものであり得る。例えば、一態様において、該コアは、該ボールの約90%〜約98%を構成し、好ましくは該ボールの約94%〜約96%を構成する。この態様において、該コアの径は、好ましくは約3.91cm(約1.54in)またはそれ以上、好ましくは約3.94cm(約1.55in)である。一態様において、該コアの径は、約4.04cm(約1.59in)またはそれ以上である。更に別の態様において、該コアの径は、約4.17cm(約1.64in)またはそれ以下である。
該コアが、内側コア層および外側コア層を含む場合、該内側コア層は、好ましくは約2.29cm(約0.9in)またはそれ以上であり、また該外側コア層は、約0.254cm(約0.1in)またはそれ以上である。一態様において、該内側コア層は、約2.29mm(約0.09in)〜約3.05cm(1.2in)なる範囲の径を有し、かつ該外側コア層は、約0.254cm(約0.1in)〜約2.03cm(約0.8in)なる範囲の径を有する。更に別の態様において、該内側コア層は、約2.41mm(約0.095in)〜約2.79cm(1.1in)なる範囲の径を有し、かつ該外側コア層は、約0.508cm(約0.20in)〜約0.762mm(約0.03in)なる範囲の径を有する。
本発明の組成物が、外側コア層として使用される場合、該層の硬化後の厚みは、好ましくは約0.0254mm(約0.001in)〜約0.254cm(約0.1in)なる範囲にある。一態様において、該外側コア層の硬化後の厚みは、約0.0508mm(約0.002in)〜約0.127cm(約0.05in)なる範囲にある。他の態様において、該外側コア層の硬化後の厚みは、約0.0762mm(約0.003in)〜約0.762mm(約0.03in)なる範囲にある。
該カバーは、典型的に十分な強度、良好な性能特性、および耐久性を与えるような厚みを持つ。一態様において、該カバーの厚みは、約0.508mm(約0.02in)〜約0.889cm(約0.35in)なる範囲にある。他の態様では、該カバーは、好ましくは約0.508mm(約0.02in)〜約0.305cm(0.12in)約なる範囲、好ましくは約0.254cm(約0.1in)またはそれ以下、最も好ましくは約0.118cm(約0.07in)またはそれ以下なる厚みを持つ。更に別の態様において、該外側カバーは、約0.508mm(約0.02in)〜約0.118cm(約0.07in)なる範囲の厚みを持つ。更に別の態様において、該カバーの厚みは、約0.127cm(約0.05in)またはそれ以下、好ましくは約0.508mm(約0.02in)〜約0.127cm(約0.05in)なる範囲内にある。例えば、該外側カバーは、約0.508mm(約0.02in)〜約0.114cm(約0.045in)なる範囲、好ましくは約0.635mm(約0.025in)〜約0.102cm(約0.04in)なる範囲内の厚みを持つ。一態様において、該外側カバーは、厚み約0.762mm(約0.03in)である。
ゴルフボール中間層の厚みの該範囲は、中間層、即ち外側コア層としての中間層、内側カバー層、糸巻き層、水分/蒸気バリア層を用いた場合の多大な可能性の故に、大きい。本発明のゴルフボールにおいて使用した場合、該中間層または内側カバー層は、約0.762cm(約0.3in)またはそれ以下の厚みを持つことができる。一態様において、該中間層の厚みは、約0.0508mm(約0.002in)〜約0.254cm(約0.1in)なる範囲、好ましくは約0.254mm(約0.01in)またはそれ以上である。一態様において、該中間層の厚みは、約2.29mm(約0.09in)またはそれ以下、好ましくは約0.152cm(約0.06in)またはそれ以下である。他の態様において、該中間層の厚みは、約0.127cm(約0.05in)またはそれ以下、より好ましくは約0.254mm(約0.01in)〜約0.114cm(約0.045in)なる範囲内にある。一態様において、該中間層の厚みは、約0.508mm(約0.02in)〜約0.102cm(約0.04in)なる範囲内にある。他の態様では、該中間層の厚みは、約0.635mm(約0.025in)〜約0.889mm(約0.035in)なる範囲にある。更に別の態様において、該中間層の厚みは、約0.889mm(約0.035in)である。更に他の態様において、該内側カバー層の厚みは、約0.762mm(約0.03in)〜約0.889mm(約0.035in)なる範囲にある。該中間層および外側カバー層に関するこれらの範囲の様々な組合せが、ここに記載された他の態様との組合せで使用することができる。
該中間層対該外側カバー層の厚みの比は、好ましくは約10またはそれ以下、より好ましくは約3またはそれ以下である。別の態様において、該中間層対該外側カバー層の厚みの比は、約1またはそれ以下である。該コアと中間層とは、一緒に内側ボールを形成し、これは約4.27cm(約1.68in)ボールに対して、好ましくは約3.76cm(約1.48in)またはそれ以上の径を持つ。一態様において、約4.27cm(約1.68in)ボールの該内側ボールは、約3.86cm(約1.52in)またはそれ以上の径を持つ。他の態様において、約4.27cm(約1.68in)ボールの該内側ボールは、約4.22cm(約1.66in)またはそれ以下の径を持つ。更に別の態様において、約4.37cm(約1.72in)(またはそれ以上)のボールは、約3.81cm(約1.50in)またはそれ以上の内側ボール径を持つ。更に他の態様において、約4.37cm(約1.72in)ボールに関する該内側ボールの径は、約4.32cm(約1.70in)またはそれ以下である。
硬さ
殆どのゴルフボールは、所定の性能特性を達成するために、異なる硬さを持つ、例えば硬さに勾配を持つ層からなっている。本発明は、層間に硬さの勾配を持つゴルフボール、並びに同一の硬さを持つ層を備えたゴルフボールの提供を意図する。
特に当業者は、「材料の硬さ」と「ゴルフボールにつき直接測定した硬さ」との間には、根本的な差があることを理解すべきである。材料の硬さは、ASTM-D2240に示されて手順によって規定され、また一般に、該硬さを測定すべき該材料から作成した、平坦な「スラブ」または「ボタン」の硬さを測定する工程を含む。ゴルフボール(または他の球体表面)につき直接測定した場合の硬さは、全く異なる測定値であり、従って異なる硬さ値をもたらす。この差は、ボールの構成(即ち、コアの型、コアおよび/またはカバー層の数等)、ボール(または球体)の径、および隣接層の材料組成を含むが、これらに限定されない多数のファクタからもたらされる。これら2つの物性値の測定技術は、線形関係にはなく、従って一方の硬さ値は、他方の硬さ値と容易に相関付けることはできない。
本発明のゴルフボールのコアは、特定のゴルフボール構成に依存して、変動する硬さを持つことができる。一態様において、該コアの硬さは、成型した球体について測定した値で、少なくとも約15ショアA、好ましくは少なくとも約30ショアAである。他の態様において、該コアは、約50ショアA〜約90ショアDなる範囲内の硬さを持つ。更に別の態様において、該コアの硬さは、約80ショアDまたはそれ以下である。好ましくは、該コアは、約30〜約65ショアDなる範囲内の硬さを有し、およびより好ましくは、該コアは、約35〜約60ショアDなる範囲の硬さを有する。
本発明の中間層の固さは、また該ボールの特定の構成に依存して、変化することができる。一態様において、該中間層の固さは、約30ショアDまたはそれ以上である。他の態様において、該中間層の固さは、約90ショアDまたはそれ以下、好ましくは約80ショアDまたはそれ以下、およびより好ましくは約70ショアDまたはそれ以下である。更に別の態様において、該中間層の固さは、約50ショアDまたはそれ以上、好ましくは約55ショアDまたはそれ以上である。一態様において、該中間層の固さは、約55ショアD〜約65ショアDなる範囲内にある。該中間層は、また約65ショアDまたはそれ以上であってもよい。
該中間層を、該コア層よりも硬いものとしたい場合、該中間層の硬さ対該コアの硬さの比は、好ましくは約2またはそれ以下である。一態様において、この比は約1.8またはそれ以下である。更に別の態様において、該比は、約1.3またはそれ以下である。
該コアおよび中間層に関連して、該カバーの硬さは、該ゴルフボールの構成および所定の特性に依存して変えることができる。該カバーの硬さ対該内側ボールの硬さ比は、ボールの空力的特性、特にボールのスピンを調節するために使用される、主な変数である。一般的に、該内側ボールが硬いほど、ドライバーのスピンは大きくなり、また該カバーが柔軟であるほど、該ドライバーのスピンは大きくなる。
例えば、該中間層を、該ボールにおける最も固い部分、例えば約50ショアD〜約75ショアDなる範囲の硬さを持つ部分としたい場合には、該カバー材料は、そのスラブについて測定した値として、約20ショアDまたはそれ以上、好ましくは約25ショアDまたはそれ以上、およびより好ましくは約30ショアDまたはそれ以上の硬さを持つことができる。別の態様では、該カバー自体は、約30ショアDまたはそれ以上の硬さを持つ。特に、該カバーの硬さは、約30ショアD〜約70ショアDなる範囲であり得る。一態様において、該カバーは、約40ショアD〜約65ショアDなる範囲内の硬さを持ち、また他の態様において、該硬さは、約40ショアD〜約55ショアDなる範囲内にある。本発明のもう一つの局面において、該カバーは、約45ショアD未満、好ましくは約40ショアD未満、およびより好ましくは約25ショアD〜約40ショアDなる範囲内の硬さを持つ。一態様において、該カバーは、約30ショアD〜約40ショアDなる範囲内の硬さを持つ。
この態様において、該外側カバー層が、該中間層または内側カバー層よりも柔軟である場合、該外側カバー材料の硬さ対該中間層材料の、ショアD硬さの比は、約0.8またはそれ以下、好ましくは約0.75またはそれ以下、およびより好ましくは約0.7またはそれ以下である。他の態様において、この比は、約0.5またはそれ以下、好ましくは約0.45またはそれ以下である。
更に別の態様において、該比は、該カバーおよび中間層材料が、実質的に同一の硬さを持つ場合、約0.1またはそれ以下である。該カバー層と該中間層との間の硬さにおける差を、有意なものとはしたくない場合、該カバーは、約55ショアD〜約65ショアDなる範囲内の硬さを持つことができる。この態様において、該外側カバー対該中間層のショアD硬さの比は、約1.0またはそれ以下、好ましくは約0.9またはそれ以下である。
該カバーの硬さは、ショアC硬さによって定義することもできる。例えば、該カバーは、約70ショアCまたはそれ以上、好ましくは約80ショアCまたはそれ以上の硬さを持つことができる。他の態様においては、該カバーは、約95ショアCまたはそれ以下、好ましくは約90ショアCまたはそれ以下の硬さを持つ。
他の態様において、該カバー層は、該中間層よりも硬い。この設計において、該カバー層対該中間層のショアD硬さの比は、約1.33またはそれ以下、好ましくは約1.14またはそれ以下である。
ツー-ピースボールを構築する場合、そのコアは、その外側カバーよりも柔軟であり得る。例えば、該コアの硬さは、約30ショアD〜約50ショアDなる範囲内にあり、また該カバーの硬さは、約50ショアD〜約80ショアDなる範囲内であり得る。この型の構成において、該カバーの硬さ対該コアの硬さの比は、好ましくは約1.75またはそれ以下である。他の態様において、この比は、約1.55またはそれ以下である。例えば、本発明の組成物が、酸-官能化されており、ここで該酸基が、少なくとも部分的に中和されている場合、該材料に依存して、該カバー対コアの硬さ比は、好ましくは約1.25またはそれ以下である。
圧縮率
圧縮率値は、測定される部品の径に依存する。ゴルフボールの圧縮率を測定するために、典型的にはアッチ圧縮率が使用される。ここで使用する、該用語「アッチ圧縮率」または「圧縮率」とは、アッチコンプレッションゲージ(Atti Compression Gauge)によって測定した、検量されたバネの撓みに対する、物体(対象)または材料の撓みとして定義される。該ゲージは、NJ州、ユニオンシティーのアッチエンジニアリング社(Atti Engineering Corp.)から市販品として入手できる。
本発明の組成物から作成した中実球のアッチ圧縮率は、約140〜約210なる範囲内であり得る。一態様において、該圧縮率は、約150〜約200なる範囲内にある。他の態様において、該圧縮率は、約170〜約190なる範囲内にある。
本発明に従って調製したゴルフボールの、該コア、または該コアの一部のアッチ圧縮率は、好ましくは約80未満、より好ましい約75未満である。他の態様において、該コアの圧縮率は、約40〜約80なる範囲、好ましくは約50〜約70なる範囲内にある。更に別の態様において、該コアの圧縮率は、約50以下、およびより好ましくは約25以下である。別の低圧縮率態様では、該コアは、約20未満、より好ましい約10未満、および最も好ましくは0である。しかし、当業者には公知の如く、本発明に従って製造した該コアは、該アッチコンプレッションゲージの測定限界以下であり得る。
一態様において、本発明のゴルフボールは、好ましくは約55またはそれ以上、好ましくは約60〜約120なる範囲のアッチ圧縮率を有する。もう一つの態様において、本発明のゴルフボールのアッチ圧縮率は、少なくとも40、好ましくは約50〜約120なる範囲、およびより好ましくは約60〜100なる範囲内にある。更に別の態様において、本発明のゴルフボールの圧縮率は、約75またはそれ以上かつ約95またはそれ以下である。例えば、好ましい本発明のゴルフボールは、約80〜約95なる範囲の圧縮率を持つ。
初期速度およびCOR
一般に、ゴルフボールのCORに関するUSGAの制限は無いが、該ゴルフボールの初期速度は、約76.25±約1.53m/秒(m/s)(250±5ft/秒(ft/s))を越えてはならない。従って、一態様において、該初期速度は、約74.7m/s(約245ft/s)またはそれ以上、および約89.3m/s(約255ft/s)またはそれ以上である。もう一つの態様において、該初期速度は、約76.3m/s(約250ft/s)またはそれ以上である。一態様において、該初期速度は、約77.2m/s(約253ft/s)〜約77.5m/s(約254ft/s)の範囲内にある。更に別の態様において、該初期速度は、約89.3m/s(約255ft/s)である。初期速度に関する一般的な規則は、ゴルフボール製造業者が、この範囲内に留まることを要求するが、当業者は、本発明のゴルフボールが、この範囲外の初期速度を持つゴルフボールに容易に変換できることを理解するであろう。例えば、本発明のゴルフボールは、約67.1m/s(約220)またはそれ以上、好ましくは約7.63m/s(約225ft/s)またはそれ以上の初期速度を持つように設計することができる。
結果として、該USGAによって示された該初期速度の制限に関する、最終目標は、該約89.3m/s(255ft/s)という限界を犯すことなしに、CORを最大にすることである。ボールの該CORは、該ボールのアウトバウンドまたはリバウンド速度対復帰またはインバウンド速度の比を求めることによって測定される。ワン-ピース中実ゴルフボールにおいて、該CORは、該ボールの圧縮率および硬さを包含する様々な特性に依存するであろう。与えられた圧縮率に対して、CORは、一般に硬さが増大するにつれて大きくなるであろう。ツー-ピース中実ゴルフボール、例えばコアおよびカバーにおいて、該カバーを設ける目的の一つは、該コアにおけるCORの利得を越える該CORの利得を得ることである。高いCORに対する該コアの寄与が実質的なものである場合、カバーに対して要求される寄与は、より小さい。同様に、該カバーが、該ボールの高いCORに対して実質的に寄与している場合、該コアに対しては、より小さな寄与が必要とされる。
本発明は、約38.1m/s(約125ft/s)なるインバウンド速度において、約0.700〜約0.850なる範囲のCORを持つゴルフボールを意図する。一態様において、該CORは、約0.750またはそれ以上、好ましくは約0.780またはそれ以上である。もう一つの態様において、該ボールは、約0.800またはそれ以上のCORを持つ。更に別の態様において、本発明のゴルフボールのCORは、約0.800〜約0.815なる範囲にある。
更に、該内側ボールは、好ましくは約0.780またはそれ以上のCORを持つ。一態様において、該CORは、約0.790またはそれ以上である。更に、本発明の組成物から作成した中実球は、約0.65またはそれ以上のCORを持つ。一態様において、該CORは、約0.75またはそれ以上である。他の態様において、該中実球のCORは、約0.76またはそれ以上である。更に別の態様において、該中実球のCORは、約0.77またはそれ以上である。更に他の態様において、該中実球のCORは、約0.79またはそれ以上である。例えば、該中実球は、約0.80またはそれ以上のCORを持つことができる。
スピン速度
当業者には公知の如く、ゴルフボールのスピン速度は、該ゴルフボールの構成に依存して変動するであろう。多層ボール、例えばコア、中間層、およびカバー(ここで、このカバーは、本発明のポリウレアまたはポリウレタン組成物から作られている)において、ドライバーから離れるゴルフボールのスピン速度(「ドライバースピン速度」)は、約2,000rpmまたはそれ以上である。一態様において、該ドライバースピン速度は、約2,000rpm〜約3,500rpmなる範囲にある。別の態様では、該ドライバースピン速度は、約2,200rpm〜約3,400rpmなる範囲にある。更に別の態様において、該ドライバースピン速度は、約2,700rpm未満である。
本発明に従って製造した、ツー-ピースボールは、また1,500rpmおよびそれ以上のドライバースピン速度を持つことができる。一態様において、該ドライバースピン速度は、約2,000rpm〜約3,300rpmなる範囲にある。本発明に従って製造した、糸巻きボールは、好ましくは同様なスピン速度を持つ。
該スピン速度の測定法は、当業者には十分に理解されているはずである。該スピン速度を測定する方法の例は、米国特許第6,500,073号、同第6,488,591号、同第6,286,364号、および同第6,241,622号に記載されている。これら米国特許の内容全体を、参考としてここに組入れる。
曲げ弾性率
従って、本発明のゴルフボールは、約3.445MPa〜約3445MPa(約500psi〜約500,000psi)なる範囲内の、ASTM D-6272-98に従って測定した、曲げ弾性率を持つことが好ましい。より好ましくは、該中間層の曲げ弾性率は、約6.89MPa〜約1723MPa(約1,000psi〜約250,000psi)なる範囲内にある。最も好ましくは、該中間層の曲げ弾性率は、約13.78MPa〜約1378MPa(約2,000psi〜約200,000psi)なる範囲内にある。
該カバー層の曲げ弾性率は、好ましくは約13.78MPa(約2,000psi)またはそれ以上、およびより好ましくは約34.45MPa(約5,000psi)またはそれ以上である。一態様において、該カバー層の曲げ弾性率は、約68.9MPa〜約1034MPa(約10,000psi〜約150,000psi)なる範囲内にある。より好ましくは、該カバー層の曲げ弾性率は、約103.4MPa〜約826.8MPa(約15,000psi〜約120,000psi)なる範囲内にある。最も好ましくは、該カバー層の曲げ弾性率は、約124.0MPa〜約757.9 MPa(約18,000psi〜約110,000psi)なる範囲内にある。他の態様においては、該カバー層の曲げ弾性率は、約689MPa(約100,000psi)またはそれ以下、好ましくは約551.2MPa(約80,000psi)またはそれ以下、およびより好ましくは約482.3MPa(約70,000psi)またはそれ以下である。例えば、該カバー層の曲げ弾性率は、約68.9MPa〜約482.3MPa(約10,000psi〜約70,000psi)なる範囲内、約82.68MPa〜約413.4MPa(約12,000psi〜約60,000psi)なる範囲内、または約96.46MPa〜約344.5MPa(約14,000psi〜約50,000psi)なる範囲内にある。
一態様において、該カバー層が、約50ショアD〜約60ショアDなる範囲の固さを持つ場合には、該カバー層は、好ましくは約379.0MPa〜約447.9MPa(約55,000psi〜約65,000psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つ。
一態様において、該中間層対該カバー層の曲げ弾性率の比は、約0.003〜約50なる範囲にある。別の態様では、該中間層対該カバー層の曲げ弾性率の比は、約0.006〜約4.5なる範囲にある。更に別の態様において、該中間層対該カバー層の曲げ弾性率の比は、約0.11〜約4.5なる範囲にある。
一態様において、本発明の組成物は、本質的に同一の硬さを持つが、曲げ弾性率において異なる、多重カバー層を備えるゴルフボールにおいて使用される。本発明のこの局面において、該2つのカバー層の曲げ弾性率間の差は、好ましくは約34.45MPa(約5,000psi)またはそれ以下である。もう一つの態様において、該曲げ弾性率における差は、約3.445MPa(約500psi)またはそれ以上である。更に別の態様において、該2つのカバー層(ここで、少なくとも一つは、強化されている)間の曲げ弾性率間の差は、約3.445MPa〜約68.9MPa(約500psi〜約10,000psi)なる範囲、好ましくは約3.445MPa〜約34.45MPa(約500psi〜約5,000psi)なる範囲内にある。一態様において、未強化のまたは未変性の材料で作成された該2つのカバー層間の曲げ弾性率間の差は、約6.89MPa〜約17.23MPa(約1,000psi〜約2,500psi)なる範囲内にある。
比重
カバーまたは中間層の比重は、好ましくは少なくとも約0.7である。一態様において、該中間層またはカバーの比重は、約0.8またはそれ以上、好ましくは約0.9またはそれ以上である。例えば、一態様において、該ゴルフボールは、約0.9またはそれ以上の比重を持つ中間層、および約0.95またはそれ以上の比重を持つカバーを含む。他の態様において、該中間層またはカバーは、約1.00またはそれ以上の比重を持つ。更に別の態様において、該中間層またはカバーの比重は、約1.05またはそれ以上、好ましくは約1.10またはそれ以上である。
該コアは、約1.00またはそれ以上の、好ましくは1.05またはそれ以上の比重を持つことができる。例えば、本発明のゴルフボールは、約1.10またはそれ以上の比重を持つコアおよび約0.95またはそれ以上の比重を持つカバーを含むことができる。
以下の非-限定的な実施例は、単に、本発明の好ましい態様を例示するものであり、また本発明を何ら限定するものと考えるべきではなく、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によって規定される。以下の実施例において、「部」とは、特に述べない限り、「質量部」である。
実施例1:本発明の組成物を用いて作成した中実球
中実球を、本発明の組成物(サンプル#1)を用いて製造した。以下の表2に示すように、弾性率および復元係数(COR)は、イオノマー材料から製造した中実球よりも高い。特に、組成物は、24%なるNCO含有率を持つヘキサメチレンジイソシアネートを主成分とする、過剰量の脂肪族ポリイソシアネート(デスモジュール(DesmodurTM) XP-2410;バイエル(Bayer)社から入手できる)と、分子量2050を持つ第二ジアミン(ジェファミン(JeffamineTM) XTJ-576;ハンツマン(Huntsman)社から市販品として入手できる)とを反応させることによって、14%なる遊離NCO含有率を持つプレポリマーを生成することによって、製造した。次いで、このプレポリマーを、3,3'-ジメチル-4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン(クリアリンク(ClearlinkTM) 3000;UOP社から入手できる)を用いて、1:0.95なるプレポリマー対硬化剤比にて、架橋した。比較例の中実球は、タイトリスト(Titlelist)ゴルフボールにおいて見られるイオノマー材料を用いて製造し、即ちサンプル#2および#3は、夫々NXTおよびDTソロ(Solo)ゴルフボールにおいて使用されているカバー材料を主成分とし、またサンプル#4は、タイトリスト(Titlelist)プロ(Pro) VIのケーシングにおいて使用されている材料を主成分とするものである。
Figure 2009056309
実施例2:本発明の組成物
以下の表3に示すように、実施例1において説明した処方物に加えて、本発明の組成物を、これら様々な成分を用いて、製造することができる。
Figure 2009056309
上記処方物の何れかに対して触媒を添加して、該処方物の硬化速度を調節することができる。例えば、ジブチル錫ジラウレートを、全樹脂固形分を基準として、約0.005〜約0.01%なる範囲の量で添加することができる。
ここで使用する、該用語「約」とは、1またはそれ以上の数または数値範囲との関連で使用され、ある範囲内の全ての数値を含む、このような数値の全てに言及しているものと理解すべきである。該実施例以外に、あるいは特別明確に特定されていなくても、全ての数値範囲、量、値および%、例えば材料の量、反応時間および温度、異なる量間の比、分子量に関する値(数平均分子量(Mn)であれ、重量平均分子量(Mw)であれ)、および本明細書の以下の部分におけるその他の数値は、その値、量または範囲に、用語「約」が明確に示されていなくても、該用語「約」が先行しているものとして読取ることができる。従って、逆の事項が示されていなくても、以下の明細書および添付した特許請求の範囲に示された数値的パラメータは、本発明の開示によって得ようとしている所定の特性に依存して、変動する可能性のある近似である。ともかく、また特許請求の範囲に等価な原則の応用に限定しようとするものではないが、各数値的パラメータは、少なくとも、報告された意味のある値の数に照らして、また通常の丸め技術を適用することによって、理解すべきである。
該開示の広い範囲を示す上記数値範囲およびパラメータが、近似であるにも拘らず、特定の実施例に示された数値は、出来る限り正確なものとして報告されている。しかし、あらゆる数値は、本来的に、各テストの測定値に見られる標準偏差に起因する、幾分かの誤差を含んでいる。更に、変動する範囲の数値の連なりが、本明細書に示された場合には、記述された値を含む、これら値の任意の組合せが使用可能であることを意図している。
本明細書において説明し、特許請求した本発明は、ここに記載された特定の態様によって、その範囲が限定されるものではない。というのは、これらの態様は、本発明の幾つかの局面を例示するものであるからである。あらゆる等価な態様が、本発明の範囲内に入るものとする。例えば、本発明の組成物は、またパターのインサート、ゴルフクラブヘッドおよびその部分、ゴルフシューズ部分、およびゴルフバッグ部分等のゴルフ用具においても使用できる。本明細書において提示されかつ説明されたものに加えて、本発明の様々な改良が、前記説明から当業者には明らかになるであろう。このような改良も、添付した特許請求の範囲内に入るものである。前記明細書テキストにおいて引用した、全ての特許並びに特許出願の全開示事項を、参考として、ここに明確に組入れる。
多成分ゴルフボールの断面図であり、ここで少なくとも一つの層は、本発明の組成物で作られている。 コア、薄い内側カバー層、およびその上に設けられた薄い外側カバー層を含む、多成分ゴルフボールの断面図であり、ここで少なくとも一つの層は、本発明の組成物で作られている。 本発明の組成物で作られたカバーを含む、ツー-ピースボールの断面図である。
符号の説明
1、5、10・・ゴルフボール
2、6・・コア
3、7・・中間層
4・・カバー
8・・薄い内側カバー層
9、12・・薄い外側カバー層
11・・大きなコア

Claims (17)

  1. コアおよびカバーを含むゴルフボールであって、該ゴルフボールの少なくとも一部分が、以下の成分:
    イソシアネート-含有成分とイソシアネート-反応性成分との反応生成物から形成したプレポリマー、ここで該イソシアネート-含有成分は、3官能性であり、かつ該イソシアネート-反応性成分は、第二ジアミンを含み;および
    3,3'-ジメチル-4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンを含む硬化剤、
    を含む組成物から形成されたものであることを特徴とする、前記ゴルフボール。
  2. 前記組成物が、本質的に、以下の一般式を持つ結合からなり:
    Figure 2009056309
    該一般式において、xは、鎖長であって、約1またはそれ以上であり、またRおよびR1は、約1〜約20個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物である、請求項1記載のゴルフボール。
  3. 前記第二ジアミンが、約200〜約3,000なる範囲内の分子量を持つ、請求項1記載のゴルフボール。
  4. 前記第二ジアミンが、約1,800〜約2,200なる範囲内の分子量を持つ、請求項3記載のゴルフボール。
  5. 前記イソシアネート-含有成分が、約15%〜約25%なる範囲内のNCO基を含む、請求項1記載のゴルフボール。
  6. 前記イソシアネート-含有成分が、約20%〜約28%なる範囲内のNCO基を含む、請求項5記載のゴルフボール。
  7. 前記カバーが、前記組成物を含む、請求項1記載のゴルフボール。
  8. 前記組成物が、成型して中実球とした場合に、約170〜190 attiなる範囲の圧縮率を持つ、請求項1記載のゴルフボール。
  9. コアと;
    該コアの回りに配置されて、内側ボールを生成する層と;
    該内側ボール上に注型されたカバーとを含み、ここで該ボールの少なくとも一部は、以下の成分:
    少なくとも1種のイソシアネート-含有成分と、少なくとも1種のイソシアネート-反応性成分との反応生成物から形成したプレポリマー、ここで該プレポリマーは、約10%〜約20%なる範囲のNCO含有率を有し;および
    少なくとも1種のアミン-末端を持つ硬化剤、
    を含む組成物から形成されたものであることを特徴とする、ゴルフボール。
  10. 前記アミン-末端を持つ硬化剤が、3,3'-ジメチル-4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンを含む、請求項9記載のゴルフボール。
  11. 前記アミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分が、第二ジアミン、第二トリアミン、またはこれらの組み合わせを含む、請求項9記載のゴルフボール。
  12. 前記少なくとも一部が、該カバーを含む、請求項9記載のゴルフボール。
  13. 前記組成物が、約160〜約200 attiなる範囲の圧縮率および約0.77またはそれ以上の復元係数の、少なくとも一方を持つ、請求項9記載のゴルフボール。
  14. 前記プレポリマーが、約12%〜約16%なる範囲の、NCO含有率を持つ、請求項9記載のゴルフボール。
  15. 前記アミン-末端を持つ硬化剤が、3,3'-ジメチル-4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンを含み、かつ前記アミン-末端を持つイソシアネート-反応性成分が、第二ジアミン、第二トリアミン、またはこれらの組み合わせを含む、請求項12記載のゴルフボール。
  16. コア;および
    以下の一般式を持つ結合から本質的になる、注型適性を持つポリウレア材料で作られた、カバーを含み:
    Figure 2009056309
    該一般式において、xは、鎖長であって、約1またはそれ以上であり、またRおよびR1は、約1〜約20個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物を表し、また該注型適性を持つポリウレア材料は、以下の成分:
    少なくとも1種の3官能性イソシアネートおよび少なくとも1種の第二ジアミン、第二トリアミン、またはこれらの混合物から生成されたプレポリマー、ここでNCO含有率は、約12%〜約16%なる範囲にあり;および
    3,3'-ジメチル-4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンを含有する、硬化剤を含み、ここで該注型適性を持つポリウレア材料は、成型して中実球とした場合に、約170〜約190なる範囲の圧縮率および約0.77またはそれ以上のCORを持つ、
    ことを特徴とする、ゴルフボール。
  17. 前記プレポリマーが、少なくとも1種の3官能性イソシアネートおよび約1,800〜約2,200なる範囲内の分子量を持つ第二ジアミンから生成される、請求項16記載のゴルフボール。
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