JP2008117753A - イオンガン、イオンビームエッチング装置、イオンビームエッチング設備、エッチング方法及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

イオンガン、イオンビームエッチング装置、イオンビームエッチング設備、エッチング方法及び磁気記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板の両面を平坦化できるコンパクトなイオンガン、これを備えたイオンビームエッチング装置、イオンビームエッチング設備、これらを用いたエッチング方法及び磁気記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】イオンガン10は、プラズマ発生源14と、引き出し電極部16と、を含み、引き出し電極部16は、電極板34、36、38におけるこれら電極板34、36、38を横切る基準面18の一方側の部分を含みこれらの部分が基準面18における照射対象領域18Aに対向するように基準面18に対して傾斜した第1の電極部20と、電極板34、36、38における基準面18の他方側の部分を含みこれらの部分が基準面18における照射対象領域18Aに対向するように基準面18に対して傾斜した第2の電極部22と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオンガン、これを備えたイオンビームエッチング装置、イオンビームエッチング設備、これらを用いたエッチング方法及び磁気記録媒体の製造方法に関する。
ハードディスク等の磁気記録媒体は、記録層を構成する磁性粒子の微細化、材料の変更、ヘッド加工の微細化等の改良により著しい面記録密度の向上が図られており、今後も一層の面記録密度の向上が期待されている。
しかしながら、ヘッドの加工限界、磁界の広がりに起因する記録対象のトラックに隣接する他のトラックへの誤ったデータの記録や再生時のクロストークなどの問題が顕在化し、従来の改良手法による面記録密度の向上は限界にきている。
これに対し、一層の面記録密度の向上を実現可能である磁気記録媒体の候補として、記録層を多数の記録要素に分割してなるディスクリートトラックメディアやパターンドメディアが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
尚、表面の凹凸が大きいと磁気ヘッドの良好な浮上特性が得られないため、凹凸パターンの記録層の上に充填材を成膜して凹部を充填し、凸部よりも上に成膜された余剰の充填材を除去して表面を平坦化することが提案されている。
表面を平坦化する手法としては、Ar等の加工用ガスを基板の表面に対して傾斜した方向から照射するイオンミリング又はイオンビームエッチングと称される手法を用いることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。所望のレベルまで表面を平坦化するために、基板の表面に対して例えば30°以下程度の低い照射角で加工用ガスを照射することが想定されている。
イオンビームエッチング装置は、プラズマ発生源と引き出し電極部とを有するイオンガンを備え、イオンガンの引き出し電極部が薄板状の被加工体の片面に対向するように設置されて用いられる(例えば、特許文献3、4、5、6参照)。加工用ガスを基板の表面に対して傾斜した方向から照射するためには、引き出し電極部が被加工体の片面に対して傾斜して対向するようにイオンガンを設置すればよい。
磁気記録媒体は一般的に基板の両面に記録層を備えている。生産性を高めるためには、両面の平坦化を同時に行うことが好ましい(例えば、特許文献7参照)。又、加工による基板の反りを抑制するという点でも両面の平坦化を同時に行うことが好ましい。
特開平9−97419号公報 特開2005−235356号公報 特開昭62−113345号公報 特開2000−273630号公報 特表2002−510428号公報 特開2006−100205号公報 特開2005−56535号公報
しかしながら、両面の平坦化を同時に行うためには、イオンビームエッチング装置に2つのイオンガンを備える必要があり、装置が大型化するという問題がある。
より具体的には、イオンガンはプラズマ発生源の容積が大きく、2つのイオンガンをこれらのプラズマ発生源同士が干渉しないように設置すると、2つのイオンガンが真空チャンバの両側に大きく突出し、装置が大型化することとなる。
又、生産性を高めるためには、複数の基板を同時に加工することが好ましいが、この場合イオンを照射する照射対象領域が大きくなる。従って、引き出し電極部の面積が広い大型のイオンガンを備える必要があると共に、イオンガンと基板との間隔も長くする必要があり、イオンビームエッチング装置が一層大型化することとなる。
又、プラズマ発生源で生成されるプラズマは不安定であるので2つのイオンガンから同等の強度のイオンビームを被照射体の両面に照射することが容易ではないという問題もある。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、基板の両面をエッチングできるコンパクトなイオンガン、これを備えたイオンビームエッチング装置、イオンビームエッチング設備、これらを用いたエッチング方法及び磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、複数の電極板を有しこれら電極板にプラズマ発生源のイオンが通過するための複数の貫通孔が形成された引き出し電極部を含み、該引き出し電極部が、複数の電極板におけるこれら電極板を横切る所定の基準面の一方側の部分を含みこれらの部分が基準面における引き出し電極部よりもプラズマ発生源から離間する側の所定の照射対象領域に対向するように基準面に対して傾斜した第1の電極部と、複数の電極板における基準面の他方側の部分を含みこれらの部分が照射対象領域に対向するように基準面に対して傾斜した第2の電極部と、を有するイオンガンにより上記目的を達成するものである。
又、本発明は、複数の電極板を有しこれら電極板にプラズマ発生源のイオンが通過するための複数の貫通孔が形成された引き出し電極部を含み、該引き出し電極部が、複数の電極板におけるこれら電極板を横切る所定の基準面の一方側の部分を含み基準面に対して傾斜した照射方向でプラズマ発生源のイオンを基準面の一方側から基準面における引き出し電極部よりもプラズマ発生源から離間する側の所定の照射対象領域に照射するための第1の電極部と、複数の電極板における基準面の他方側の部分を含み基準面に対して傾斜した照射方向でプラズマ発生源のイオンを基準面の他方側から照射対象領域に照射するための第2の電極部と、を有するイオンガンにより上記目的を達成するものである。
これらのイオンガンは、照射対象領域に設置される被加工体の両面にイオンを照射できるので、1台だけで被加工体の両面を同時に平坦化できる。従って、イオンビームエッチング装置は、このイオンガンを1台だけ備えていればよく、イオンビームエッチング装置のコンパクト化に寄与する。
又、このイオンガンは、第1の電極部と第2の電極部にイオンを供給するプラズマ発生源の構成部品の全部又は一部を共通にできるので、この点でもコンパクト化に寄与する。
又、このイオンガンは、第1の電極部と第2の電極部とに共通のプラズマ発生源からイオンを供給できるので、同等の強度のイオンビームを被加工体の両面に照射することが容易である。従って、被加工体の両面を同等にエッチングできると共に薄板状の被加工体の反りを抑制する効果が高い。
即ち、次のような本発明により、上記目的を達成できる。
(1)プラズマ発生源と、複数の電極板を有しこれら電極板に前記プラズマ発生源のイオンが通過するための複数の貫通孔が形成された引き出し電極部と、を含み、該引き出し電極部は、前記複数の電極板におけるこれら電極板を横切る所定の基準面の一方側の部分を含みこれらの部分が前記基準面における前記引き出し電極部よりも前記プラズマ発生源から離間する側の所定の照射対象領域に対向するように前記基準面に対して傾斜した第1の電極部と、前記複数の電極板における前記基準面の他方側の部分を含みこれらの部分が前記照射対象領域に対向するように前記基準面に対して傾斜した第2の電極部と、を有することを特徴とするイオンガン。
(2)プラズマ発生源と、複数の電極板を有しこれら電極板に前記プラズマ発生源のイオンが通過するための複数の貫通孔が形成された引き出し電極部と、を含み、該引き出し電極部は、前記複数の電極板におけるこれら電極板を横切る所定の基準面の一方側の部分を含み前記基準面に対して傾斜した照射方向で前記プラズマ発生源のイオンを前記基準面の一方側から前記基準面における前記引き出し電極部よりも前記プラズマ発生源から離間する側の所定の照射対象領域に照射するための第1の電極部と、前記複数の電極板における前記基準面の他方側の部分を含み前記基準面に対して傾斜した照射方向で前記プラズマ発生源のイオンを前記基準面の他方側から前記照射対象領域に照射するための第2の電極部と、を有することを特徴とするイオンガン。
(3) (1)又は(2)において、前記第1の電極部と前記第2の電極部とが前記基準面に対して面対称の構造であることを特徴とするイオンガン。
(4) (1)乃至(3)のいずれかにおいて、前記プラズマ発生源は、前記第1の電極部及び前記第2の電極部の両方へのイオンの供給のための共通の構成部品を有することを特徴とするイオンガン。
(5) (1)乃至(4)のいずれかにおいて、前記各電極板は、前記第1の電極部に含まれる部分と前記第2の電極部に含まれる部分とが一体で成形されたことを特徴とするイオンガン。
(6) (1)乃至(5)のいずれかにおいて、前記第1の電極部と前記第2の電極部との間に、イオンの照射を防止するための非照射部が設けられたことを特徴とするイオンガン。
(7) (1)乃至(6)のいずれかにおいて、前記各電極板は、前記第1の電極部と前記第2の電極部との境界の中央部を通り前記照射対象領域を二分するように前記基準面と直交する面の一方側の部分と他方側の部分とが、この面と前記照射対象領域とが交差する部分に対向するようにこの面に対して対称的に傾斜していることを特徴とするイオンガン。
(8) (1)乃至(7)のいずれかのイオンガンを備えたことを特徴とするイオンビームエッチング装置。
(9)板状の被加工体の表面に対して略垂直な方向から前記被加工体の表面にイオンを照射可能である垂直照射用イオンガンを備えた垂直照射用イオンビームエッチング装置と、(1)乃至(7)のいずれかに記載のイオンガンを備えた傾斜照射用イオンビームエッチング装置と、を有することを特徴とするイオンビームエッチング設備。
(10) (9)において、前記垂直照射用イオンビームエッチング装置は前記垂直照射用イオンガンを一対備え、前記被加工体の両側の表面にイオンを照射可能であることを特徴とするイオンビームエッチング設備。
(11) (1)乃至(7)のいずれかに記載のイオンガンの前記照射対象領域に板状の被加工体を前記基準面に平行に設置する被加工体設置工程と、前記第1の電極部から前記被加工体の一方の面にイオンを照射し前記第2の電極部から前記被加工体の他方の面にイオンを照射して前記被加工体の両面をエッチングするエッチング工程と、を含むことを特徴とするエッチング方法。
(12) (11)に記載のエッチング方法を用いる工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(13) (12)において、前記エッチング方法を用いる工程は、前記被加工体の両面を平坦化する工程であることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(14) (9)又は(10)に記載の垂直照射用イオンビームエッチング装置を用いて前記被加工体の表面に対して略垂直な方向から前記被加工体の表面にイオンを照射する垂直エッチング工程と、(9)又は(10)に記載の傾斜照射用イオンビームエッチング装置を用いて前記被加工体の表面に対して傾斜した方向から前記被加工体の表面にイオンを照射する傾斜エッチング工程と、を含みこれらの工程をこの順で行うことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
尚、本出願書類において「イオンビームエッチング」という用語は、例えばイオンミリング等の、イオン化したガスを被加工体に一様に照射して被加工体の表面を除去する加工方法の総称という意義で用いることとする。
本発明によれば、被加工体の両面にイオンを照射できるコンパクトなイオンガン、これを備えたイオンビームエッチング装置、イオンビームエッチング設備、これらを用いたエッチング方法及び磁気記録媒体の製造方法を実現できる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の第1実施形態は、図1〜3に示されるようなイオンガン10及びこのイオンガン10を備える、図4に示されるようなイオンビームエッチング装置12に関する。
イオンガン10は、プラズマ発生源14と、引き出し電極部16と、を備え、引き出し電極部16は、第1の電極部20と、第2の電極部22と、を有している。尚、本第1実施形態では、イオンガン10はイオンビームエッチング装置12の上部に設置されており、イオンを下方に照射するようになっている。
プラズマ発生源14は、下方に開口する放電容器26と、放電容器26を取り巻くように設置されたコイル28と、を有している。これら放電容器26及びコイル28は、第1の電極部20及び第2の電極部22の両方へのイオンの供給のためのプラズマ発生源14の共通の構成部品である。放電容器26の上部には給気孔26Aが形成され、給気孔26Aには、配管を介してAr、Xe、Kr等のプラズマを生成するための加工用ガスを供給するためのガス供給装置30が接続されている。又、コイル28は、一端が接地され、他端は周波数が数MHz〜十数MHz(一例として13.56MHz)である高周波電力供給装置32に結線されている。
引き出し電極部16は、近接して配置された薄板状の複数(本第1実形態では3枚)の電極板34、36、38を有しこれら電極板34、36、38にはプラズマ発生源14のイオンが通過するための複数の貫通孔34A、36A、38Aが形成されている。電極板34、36、38は、この順でプラズマ発生源14から離間するように、放電容器26の下部に設置されている。尚、本第1実施形態において引き出し電極部16は底面視において略円形である。又、放電容器26の側壁は略円筒形である。
第1の電極部20は、電極板34、36、38におけるこれら電極板34、36、38を横切る基準面18の一方側(図1〜4の左側)の部分を含みこれらの部分が基準面18における引き出し電極部16よりもプラズマ発生源14から離間する側の照射対象領域18Aに対向するように基準面18に対して傾斜している。第2の電極部22は、電極板34、36、38における基準面18の他方側(図1〜4の右側)の部分を含みこれらの部分も照射対象領域18Aに対向するように基準面18に対して傾斜している。
第1の電極部20は、基準面18に対して傾斜した第1の照射方向D1でプラズマ発生源14のイオンを基準面18の一方側(図1〜4の左側)から照射対象領域18Aに照射するようになっている。第2の電極部22は、基準面18に対して傾斜した第2の照射方向D2でプラズマ発生源14のイオンを基準面18の他方側(図1〜4の右側)から照射対象領域18Aに照射するようになっている。
第1の電極部20と第2の電極部22は、基準面18に対して面対称の構造である。
第1の照射方向D1、第2の照射方向D2と基準面18とがなす照射角は、1°〜30°の範囲の低い角度に設定することが好ましく、1°〜5°の範囲に設定することがより好ましい。ここで「照射角」とは、第1の照射方向D1、第2の照射方向D2と基準面18とがなす角度のうち小さい方の角度という意義で用いることとする。尚、第1の照射方向D1、第2の照射方向D2は、第1の電極部20、第2の電極部22から照射されるイオンビームの中心軸の方向である。実際に第1の電極部20、第2の電極部22から照射されるイオンの進行方向には、第1の照射方向D1、第2の照射方向D2に対して一定のばらつきがある。
電極板34は、スクリーングリッドであり、放電容器26内のプラズマと電極板36とを分離することができ、直流電源40の陽極に結線されている。電極板36は、加速グリッドであり、直流電源42の陰極に結線されている。電極板38は、アース電極とも呼ばれる減速グリッドであり、接地されている。電極板34、36、38の材料としては、C(炭素)やMoを用いることができる。
これら電極板34、36、38は、基準面18が横切る部分がプラズマ発生源14側に突出するように該基準面18が横切る部分において基準面18に対して面対称に屈曲した形状であり、第1の電極部20に含まれる部分と第2の電極部22に含まれる部分とが一体で成形されている。電極板34、36、38は、第1の電極部20に含まれる部分が第1の照射方向D1に対して垂直に配置され、第2の電極部22に含まれる部分が第2の照射方向D2に対して垂直に配置されている。
又、貫通孔34A、36A、38Aは、第1の電極部20に含まれる部分において各貫通孔が他の電極板の対応する貫通孔と第1の照射方向D1に並ぶように配置され、第2の電極部22に含まれる部分において各貫通孔が他の電極板の対応する貫通孔と第2の照射方向D2に並ぶように配置されている。
イオンビームエッチング装置12は、更に、真空チャンバ44と、真空チャンバ44内において照射対象領域18Aに薄板状の被照射体24を基準面18に平行な姿勢で支持するための支持部46と、ニュートライザ48と、を備えている。
真空チャンバ44は、上部のイオンガン10の設置部が開口した略箱体である。真空チャンバ44の下部には排気孔44Aが設けられ、排気孔44Aには配管を介して真空ポンプ50が接続されている。
被照射体24は、図5及び図6に示されるように、具体的にはディスクリートトラックメディア、パターンドメディア等の磁気記録媒体の製造工程における中間製品である複数の被加工体52が保持器54で保持されたものである。
被加工体52は、図7に示されるように、円板形状の基板52Aの両面に形成された凹凸パターンの記録層52Bと、記録層52Bの上に成膜された充填材52Cと、を有し記録層52Bの凹部が充填材52Cで充填されたものである。基板52Aと記録層52Bとの間には実際には下地層、反強磁性層、軟磁性層、配向層等の他の層が備えられるが、本第1実施形態の理解に重要とは思われないので、これらの層についての説明は省略する。
尚、本出願書類において「磁気記録媒体」という用語は、情報の記録、読み取りに磁気のみを用いるハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ等に限定されず、磁気と光を併用するMO(Magneto Optical)等の光磁気記録媒体、磁気と熱を併用する熱アシスト型の記録媒体も含む意義で用いることとする。
保持器54は、略円板形状で複数の被加工体52を保持するための複数の保持部54Aを備えている。各保持部54Aは、円板形状の被加工体52よりも一回り大きい貫通孔54Bに1つの被加工体52を収容するようになっており、各貫通孔54Bの周囲には、円板形状の被加工体52をその外周における3箇所の位置で係止するための3つの係止器54C、54D、54Eが備えられている。
支持部46は、3つのローラ46A、46B、46Cを備え、略円板形状の被照射体24を立てた状態で、これらローラ46A、46B、46Cで被照射体24の外周を支持するように構成されている。
より詳細には、これらローラ46A、46B、46Cは、外周に被照射体24の外周部を係止するための周方向の溝が形成されており、円板形状の被照射体24を下端近傍及び水平方向両端近傍で支持するように設置されている。
又、これらローラ46A、46B、46Cの一部又は全部は図示しない駆動装置に連結されており、略円板形状の被照射体24を回転駆動するように構成されている。
ニュートライザ48は、イオンガン10から照射されるイオンを中和するための粒子を放出するように構成されている。例えば、イオンガン10から照射されるAr+等の陽イオンに対し、ニュートライザ48は、真空チャンバ44内に電子を放出するようになっている。
次に、イオンガン10及びイオンビームエッチング装置12の作用について、被加工体52の両面をエッチングして平坦化する工程を含む磁気記録媒体の製造方法を例として、図8のフロ−チャートに沿って説明する。
まず、イオンビームエッチング装置12の支持部46で被照射体24を立てた状態で支持し、被照射体24に保持された複数の被加工体52を照射対象領域18Aに基準面18に平行に設置する(S102)。
次に、支持部46と共に被照射体24を回転駆動しつつ、被照射体24に保持された複数の被加工体52の両面にイオンガン10からこれらの面に対して傾斜した第1の照射方向D1及び第2の照射方向D2で面対称的にイオンを照射する(S104)。
被加工体52の両面の充填材52Cは、イオンが衝突することで除々に除去される。記録層52Bの凸部の上面が露出したところで、イオンの照射を停止する。これにより、被加工体52の表面が平坦化される。イオンビームエッチング等のドライエッチングは、凸部を凹部よりも選択的に速く除去する傾向があり、被加工体52の表面に対して傾斜した方向からイオンを照射することで、凸部を凹部よりも選択的に速く除去する傾向が一層高くなる。従って、高精度な平坦化が可能である。高精度の平坦化を実現するためには、第1の照射方向D1、第2の照射方向D2と基準面18とがなす照射角が1°〜30°の範囲より好ましくは1°〜5°の範囲(一例として2°程度)であることが好ましい。
平坦化工程(S104)後、必要に応じて被加工体52の両面に保護層、潤滑層を形成し、磁気記録媒体が完成する。
このようにイオンガン10は、被加工体52の両面にイオンを照射できるので、1台だけで被加工体52の両面を同時に平坦化できる。従って、イオンビームエッチング装置12は、イオンガン10を1台だけ備えていればよく、コンパクトである。
又、イオンガン10は、プラズマ発生源14が第1の電極部20及び第2の電極部22の両方へのイオンの供給のための共通の構成部品を有するので、この点でもコンパクト化に寄与する。
又、イオンガン10は、第1の電極部20及び第2の電極部22にイオンを供給するプラズマ発生源14が共通であり、放電容器26の中の空間が共通であるので、同等の強度のイオンビームを被加工体52の両面に照射することが容易である。従って、被加工体52の両面を同等に平坦化できると共に薄板状の被加工体52の反りを抑制する効果が高い。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本第2実施形態は、前記第1実施形態に対し、図9に示されるように、第1の電極部20と第2の電極部22との間に、照射対象領域18Aの引き出し電極部16側の端部へのイオンの照射を防止するための非照射部60が設けられたことを特徴としている。他の構成については、前記第1実施形態と同様であるので、図1等と同一符号を付することとして説明を省略する。
非照射部62は、電極板34、36、38における中央部(基準面18が横切る部分)及びその近傍の貫通孔が形成されていない部分である。
このように、非照射部60を設けることで、被照射体24の外周面がエッチングされることを防止できる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本第3実施形態に係るイオンガン70は前記第1実施形態に係るイオンガン10に対し、図10に示されるように、引き出し電極部72が底面視において、基準面18に略平行な辺が長く、基準面18に略垂直な辺が短い略長方形であることを特徴としている。第1の電極部74と第2の電極部76も底面視において略長方形である。又、放電容器の側壁は略角筒である(図示省略)。他の構成については、前記第1実施形態と同様であるので、図2等と同一符号を付することとして説明を省略する。
被照射体の大きさによっては、基準面18から遠い電極板の貫通孔を通過したイオンは被照射体よりも遠くへ照射され被照射体には照射されないことがある。第1の照射方向D1、第2の照射方向D2と基準面18とがなす照射角が小さい場合、このように被照射体に照射されないイオンが増大することがあるが、底面視において引き出し電極部72を基準面18に略平行な方向に長く基準面18に略垂直な方向に短い略長方形とすることで、被照射体に照射されないイオンを低減できる。これにより被照射体へのイオンビームの照射効率を高めることができる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本第4実施形態は前記第1実施形態に対し、図11に示されるように、引き出し電極部82を構成する各電極板84、86、88の第1の電極部20に含まれる部分と第2の電極部22に含まれる部分との間に絶縁部84A、86A、88Aが設けられた構成である。他の構成については、前記第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
絶縁部84A、86A、88Aの材料としては、例えば、炭化ケイ素、酸化チタン、AlTiCのようなAl、Ti、Cを主成分とするセラミック等を用いることができる。
又、直流電源40は2個設けられており、それぞれスクリーングリッドである電極板84の第1の電極部20に含まれる部分と第2の電極部22に含まれる部分とに接続されている。
同様に、直流電源42も2個設けられており、それぞれ加速グリッドである電極板86の第1の電極部20に含まれる部分と第2の電極部22に含まれる部分とに接続されている。
このように、引き出し電極部82を構成する各電極板84、86、88の第1の電極部20に含まれる部分と第2の電極部22に含まれる部分とを電気的に分離することで、これらに印加する電圧を独立して調節できる。従って、第1の電極部20から照射されるイオンビームの強度やエネルギーと第2の電極部22から照射されるイオンビームの強度やエネルギーとを独立して制御できる。これにより、例えば、被加工体24の一方の面に照射されるイオンビームの強度やエネルギーと他方の面に照射されるイオンビームの強度やエネルギーとを高精度で一致させることができる。又、被加工体24の一方の面に照射されるイオンビームの強度やエネルギーと他方の面に照射されるイオンビームの強度やエネルギーとを意図的に異ならせることも可能である。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
本第5実施形態は前記第4実施形態に対し、図12に示されるように、絶縁部84A、86A、88Aが前記第2実施形態の非照射部を兼ねる構成である。他の構成については、前記第2実施形態及び第4実施形態と同様であるので説明を省略する。又、本第5実施形態の効果についても、前記第2実施形態及び第4実施形態と同様であるので説明を省略する。尚、本第5実施形態及び前記第4実施形態のように電極板の第1の電極部に含まれる部分と第2の電極部に含まれる部分との間に絶縁部が設けられ、このような絶縁部を基準面が横切る場合についても、本出願では「電極板を横切る基準面」という表現を用いる。又、電極板の第1の電極部に含まれる部分と第2の電極部に含まれる部分とが分離して設けられ、分離している部分を基準面が横切る場合についても、本出願では「電極板を横切る基準面」という表現を用いる。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
本第6実施形態は前記第1実施形態に対し、図13に示されるように、放電容器26に放電容器26内を第1の電極部20側と前記第2の電極部22側とに仕切る隔壁26Bが設けられた構成である。他の構成については、前記第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
このように、放電容器26内に隔壁26Bが設けられる場合も、プラズマ発生源26は、放電容器26の外壁部分やコイル28等の、第1の電極部20及び第2の電極部22の両方へのイオンの供給のための共通の構成部品を有する。従って、前記第1実施形態と同様にイオンガンのコンパクト化に寄与する。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
本第7実施形態は前記第1実施形態に対し、図14〜16に示されるように、引き出し電極部100の第1の電極部102と第2の電極部104を構成する各電極板108、110、112が、第1の電極部102と第2の電極部104との境界の中央部を通り照射対象領域18Aを二分するように基準面18と直交する面106の一方側の部分と他方側の部分とが、この面106と照射対象領域18Aとが交差する部分に対向するように、この面106に対して対称的に傾斜した構成である。他の構成については、前記第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
尚、各電極板108、110、112は、前記第1実施形態と同様に、基準面18に対しても対称的に傾斜している。
このように各電極板108、110、112が、基準面18に対して対称的に傾斜すると共に、面106と照射対象領域18Aとが交差する部分に対向するように、面106に対しても対称的に傾斜している場合も、基準面18に対して一定の照射角でイオンを照射することができ、更に、照射対象領域18Aに照射するイオンの強度を増大させる効果が得られる。
次に、本発明の第8実施形態について説明する。
本第8実施形態は、図17に示されるようなイオンビームエッチング設備200に関する。イオンビームエッチング設備200は、被照射体24に保持された板状の被加工体52の表面に対して略垂直な方向から被加工体52の表面にイオンを照射可能である垂直照射用イオンガン202を備えた垂直照射用イオンビームエッチング装置204と、被加工体52の表面に対して傾斜した方向から被加工体52の表面にイオンを照射可能である前記第1実施形態の(傾斜照射用)イオンビームエッチング装置12と、を有する。
垂直照射用イオンビームエッチング装置204は、垂直照射用イオンガン202を一対備え、被加工体52の両側の表面にイオンを照射可能である。垂直照射用イオンガン202には、配管を介してAr、Xe、Kr等のプラズマを生成するための加工用ガスを供給するためのガス供給装置206が接続されている。尚、垂直照射用イオンガン202は、引き出し電極部が平坦な構造である。垂直照射用イオンガン202の他の構造については、前記第1実施形態のイオンガン10と同様であるので説明を省略する。
垂直照射用イオンビームエッチング装置204は、更に、真空チャンバ208と、真空チャンバ208内において被照射体24を一対の垂直照射用イオンガン202の間に両面がこれら一対の垂直照射用イオンガン202に対向するように支持するための支持部210と、ニュートライザ212と、を備えている。支持部210は、前記第1実施形態の(傾斜照射用)イオンビームエッチング装置12の支持部46と同様に略円板形状の被照射体24を回転駆動するように構成しても良い。又、被加工体52の表面に対して略垂直な方向から被加工体52の表面にイオンを照射するので、支持部210は、被照射体24を回転駆動しない構成とすることもできる。
真空チャンバ208は、一対の垂直照射用イオンガン202の設置部が開口した略箱体である。真空チャンバ208の下部には排気孔208Aが設けられ、排気孔208Aには配管を介して真空ポンプ214が接続されている。
(傾斜照射用)イオンビームエッチング装置12の構成については、前記第1実施形態で説明しているので、ここでは説明を省略する。尚、(傾斜照射用)イオンビームエッチング装置12のイオンガン10の構成は、前記第2〜第7実施形態のイオンガンのような構成としてもよい。
次に、イオンビームエッチング設備200の作用について、被加工体52の両面をエッチングして平坦化する工程を含む磁気記録媒体の製造方法を例として、図18のフロ−チャートに沿って説明する。
まず、垂直照射用イオンビームエッチング装置204を用いて、被照射体24に保持された被加工体52の両側の表面に対して略垂直な方向から被加工体52の両側の表面にイオンを照射する(S202)。被加工体52の両面の充填材52Cは、イオンが衝突することで除去される。記録層52Bの凸部の上面が露出する前にイオンの照射を停止する。このように被加工体52の表面に対して略垂直な方向からイオンを照射することで、充填材52Cのエッチングレートを高めることができ、生産効率の向上に寄与する。
次に、(傾斜照射用)イオンビームエッチング装置12を用いて、被加工体52の両側の表面に対して傾斜した方向から被加工体52の両側の表面にイオンを照射する(S204)。記録層52Bの凸部の上面が露出したところで、イオンの照射を停止する。これにより、被加工体52の表面が平坦化される。このように被加工体52の両側の表面に対して傾斜した方向からイオンを照射することで、凸部を凹部よりも選択的に速く除去する傾向が高くなる。従って、高精度な平坦化が可能である。傾斜エッチング工程(S204)後、必要に応じて被加工体52の両面に保護層、潤滑層を形成し、磁気記録媒体が完成する。
このように、垂直照射用イオンガン202により比較的高いエッチングレートで充填材52Cをエッチングする垂直エッチング工程(S202)と、(傾斜照射用)イオンビームエッチング装置12により凸部を凹部よりも選択的に速く除去する傾向を高めて充填材52Cをエッチングする傾斜エッチング工程(S204)と、をこの順で行うことで、生産効率の向上及び高精度な平坦化を両立できる。
尚、上記第1〜第8実施形態において、第1の電極部20(74、102)と第2の電極部22(76、104)は、基準面18に対して面対称の構造であり、第1の照射方向D1と基準面18とがなす照射角と、第1の照射方向D2と基準面18とがなす照射角と、が同等であるが、被加工体の両面を充分に平坦化できれば第1の照射方向D1と基準面18とがなす照射角と、第2の照射方向D2と基準面18とがなす照射角と、が若干異なる構造としてもよい。
又、上記第1〜第8実施形態において、引き出し電極部16(72、82、100)は、3枚の電極板34、36、38(84、86、88、108、110、112)を有してなる構成であるが、要求される仕様等に応じて、引き出し電極部は2枚の電極板を有する構成としてもよく、4枚以上の電極板を有する構成としてもよい。
又、上記第1〜第8実施形態において、電極板34、36、38(84、86、88、108、110、112)は平面形状であるが、被加工体の両面を充分に平坦化できれば、電極板は曲面形状でもよい。
又、上記第1、第2、第4〜第8実施形態において、引き出し電極部16(82)は、底面視において略円形であり、上記第3実施形態において、引き出し電極部72は、底面視において略長方形であるが、被照射体の形状等に応じて、引き出し電極部は、例えば六角形や楕円形等の円形や長方形以外の形状としてもよい。
又、上記第1〜第8実施形態において、被照射体24に保持された複数の被加工体52が同時にエッチングされるが、単一の被加工体の加工にも本発明は適用可能である。
又、上記第1〜第8実施形態において、加工用ガスとしてAr、Kr、Xe等の希ガスを例示しているが、充填材52Cと化学的に反応して充填材52Cを脆化させる性質を有するガス(酸素系ガスやハロゲン系ガス)を含むガスを用いて被加工体52の両面を平坦化してもよい。
又、上記第1〜第8実施形態において、プラズマ発生源14は誘導結合型であるが、例えばECR(電子サイクロトロン共鳴)プラズマ型、ヘリコン波プラズマ型、容量結合型等の高周波プラズマ源やDCプラズマ源を用いてもよい。
又、上記第8実施形態において、被加工体52の両側の表面に対して傾斜した方向から被加工体52の両側の表面にイオンを照射する(S204)前に、垂直照射用イオンビームエッチング装置204を用いて被加工体52の両側の表面に対して略垂直な方向から被加工体52の両側の表面にイオンを照射して充填材52Cを高いエッチングレートでエッチングしている(S202)が、垂直照射用イオンビームエッチング装置204に代えて、反応性イオンエッチング装置等の他のエッチング装置を用いてもよい。この場合も、例えば、充填材52Cと化学的に反応して充填材52Cを脆化させる性質を有するガス(酸素系ガスやハロゲン系ガス)を含むガスを用いることで、充填材52Cを高いエッチングレートでエッチングすることができ、生産効率の向上に寄与する。又、反応性イオンエッチング装置において、加工用ガスとしてAr、Kr、Xe等の希ガスを用いてエッチングを行うようにしてもよい。
又、上記第1〜第8実施形態において、被加工体52を加工して得られる磁気記録媒体としてディスクリートトラックメディア及びパターンドメディアが例示されているが、螺旋形状の記録層を有する磁気ディスクの製造についても本発明は適用可能である。又、MO等の光磁気ディスク、磁気と熱を併用する熱アシスト型の記録ディスクの製造に対しても本発明は適用可能である。
本発明は、基板両面に凹凸パターンの記録層を備える磁気記録媒体の製造等に利用できる。
本発明の第1実施形態に係るイオンガンの要部の構造を模式的に示す側断面図 同底面図 図1における引き出し電極部の部分を拡大して示す側断面図 前記イオンガンを備えるイオンビームエッチング装置の要部の構造を模式的に示す側断面図 同第1実施形態に係る被照射体の構造を模式的に示す側面図 図5における保持部の部分を拡大して示す側面図 同保持部に保持される被加工体の構造を模式的に示す側断面図 前記イオンガンを備えるイオンビームエッチング装置による磁気記録媒体の製造方法の概略を示すフローチャート 本発明の第2実施形態に係るイオンガンの要部の構造を模式的に示す側断面図 本発明の第3実施形態に係るイオンガンの引き出し電極部の構造を模式的に示す底面図 本発明の第4実施形態に係るイオンガンの引き出し電極部の部分を示す側断面図 本発明の第5実施形態に係るイオンガンの引き出し電極部の部分を示す側断面図 本発明の第6実施形態に係るイオンガンの構造を模式的に示す側断面図 本発明の第7実施形態に係るイオンガンの要部の構造を模式的に示す底面図 図14におけるXV-XV線に沿う側断面図 図14におけるXVI-XVI線に沿う側断面図 本発明の第8実施形態に係るイオンビームエッチング設備の要部の構造を模式的に示す側断面図 前記イオンビームエッチング設備による磁気記録媒体の製造方法の概略を示すフローチャート
符号の説明
10、70…(傾斜照射用)イオンガン
12…(傾斜照射用)イオンビームエッチング装置
14…プラズマ発生源
16、72、82、100…引き出し電極部
18…基準面
18A…照射対象領域
20、74、102…第1の電極部
22、76、104…第2の電極部
24…被照射体
26…放電容器
28…コイル
30、206…ガス供給装置
32…電力供給装置
34、36、38、84、86、88、108、110、112…電極板
34A、36A、38A…貫通孔
40、42…直流電源
44、208…真空チャンバ
46、210…支持部
46A、46B、46C…ローラ
48、212…ニュートライザ
50、214…真空ポンプ
52…被加工体
54…保持器
54A…保持部
54B…貫通孔
54C、54D、54E…係止器
60…非照射部
84A、86A、88A…絶縁部
200…イオンビームエッチング設備
202…垂直照射用イオンガン
204…垂直照射用イオンビームエッチング装置
D1…第1の照射方向
D2…第2の照射方向
S102…被加工体設置工程
S104…平坦化工程
S202…垂直エッチング工程
S204…傾斜エッチング工程

Claims (14)

  1. プラズマ発生源と、複数の電極板を有しこれら電極板に前記プラズマ発生源のイオンが通過するための複数の貫通孔が形成された引き出し電極部と、を含み、該引き出し電極部は、前記複数の電極板におけるこれら電極板を横切る所定の基準面の一方側の部分を含みこれらの部分が前記基準面における前記引き出し電極部よりも前記プラズマ発生源から離間する側の所定の照射対象領域に対向するように前記基準面に対して傾斜した第1の電極部と、前記複数の電極板における前記基準面の他方側の部分を含みこれらの部分が前記照射対象領域に対向するように前記基準面に対して傾斜した第2の電極部と、を有することを特徴とするイオンガン。
  2. プラズマ発生源と、複数の電極板を有しこれら電極板に前記プラズマ発生源のイオンが通過するための複数の貫通孔が形成された引き出し電極部と、を含み、該引き出し電極部は、前記複数の電極板におけるこれら電極板を横切る所定の基準面の一方側の部分を含み前記基準面に対して傾斜した照射方向で前記プラズマ発生源のイオンを前記基準面の一方側から前記基準面における前記引き出し電極部よりも前記プラズマ発生源から離間する側の所定の照射対象領域に照射するための第1の電極部と、前記複数の電極板における前記基準面の他方側の部分を含み前記基準面に対して傾斜した照射方向で前記プラズマ発生源のイオンを前記基準面の他方側から前記照射対象領域に照射するための第2の電極部と、を有することを特徴とするイオンガン。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第1の電極部と前記第2の電極部とが前記基準面に対して面対称の構造であることを特徴とするイオンガン。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記プラズマ発生源は、前記第1の電極部及び前記第2の電極部の両方へのイオンの供給のための共通の構成部品を有することを特徴とするイオンガン。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記各電極板は、前記第1の電極部に含まれる部分と前記第2の電極部に含まれる部分とが一体で成形されたことを特徴とするイオンガン。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記第1の電極部と前記第2の電極部との間に、イオンの照射を防止するための非照射部が設けられたことを特徴とするイオンガン。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記各電極板は、前記第1の電極部と前記第2の電極部との境界の中央部を通り前記照射対象領域を二分するように前記基準面と直交する面の一方側の部分と他方側の部分とが、この面と前記照射対象領域とが交差する部分に対向するようにこの面に対して対称的に傾斜していることを特徴とするイオンガン。
  8. 請求項1乃至7のいずれかのイオンガンを備えたことを特徴とするイオンビームエッチング装置。
  9. 板状の被加工体の表面に対して略垂直な方向から前記被加工体の表面にイオンを照射可能である垂直照射用イオンガンを備えた垂直照射用イオンビームエッチング装置と、請求項1乃至7のいずれかに記載のイオンガンを備えた傾斜照射用イオンビームエッチング装置と、を有することを特徴とするイオンビームエッチング設備。
  10. 請求項9において、
    前記垂直照射用イオンビームエッチング装置は前記垂直照射用イオンガンを一対備え、前記被加工体の両側の表面にイオンを照射可能であることを特徴とするイオンビームエッチング設備。
  11. 請求項1乃至7のいずれかに記載のイオンガンの前記照射対象領域に板状の被加工体を前記基準面に平行に設置する被加工体設置工程と、前記第1の電極部から前記被加工体の一方の面にイオンを照射し前記第2の電極部から前記被加工体の他方の面にイオンを照射して前記被加工体の両面をエッチングするエッチング工程と、を含むことを特徴とするエッチング方法。
  12. 請求項11に記載のエッチング方法を用いる工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  13. 請求項12において、
    前記エッチング方法を用いる工程は、前記被加工体の両面を平坦化する工程であることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  14. 請求項9又は10に記載の垂直照射用イオンビームエッチング装置を用いて前記被加工体の表面に対して略垂直な方向から前記被加工体の表面にイオンを照射する垂直エッチング工程と、請求項9又は10に記載の傾斜照射用イオンビームエッチング装置を用いて前記被加工体の表面に対して傾斜した方向から前記被加工体の表面にイオンを照射する傾斜エッチング工程と、を含みこれらの工程をこの順で行うことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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