JP2008115161A - 多機能性複合粉体を配合してなる化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 鱗片状基材の表面に、少なくとも酸化チタン微粒子からなる粒子群を担持させ、さらにその表面をチタニウムおよび鉄を含む複合酸化物で被覆した複合粉体を配合してなる化粧料、および前記微粒子群に、さらに酸化鉄(III)微粒子を含む化粧料。
【選択図】 図1
Description
また、前記メークアップ化粧料においては、前記の付着性、延展性、ツヤ感などの他に、(1)均一な化粧膜が得られること、(2)適度な隠蔽性(カバー力)を有すること、(3)化粧膜が白浮きしないことなどが求められており、さらにこれらに加えてソフトフォーカス性や紫外線遮蔽性が要求されることが多い。
また、前記粒子群は、さらに酸化鉄(III)微粒子を含み、その含有量が0.01〜10.0重量%の範囲にあることが好ましい。
また、前記酸化鉄(III)微粒子は、着色顔料として使用される赤褐色のベンガラ微粒子であることが好ましい。
さらに、前記酸化チタン微粒子および/または前記酸化鉄(III)微粒子は、ケイ素、アルミニウム、亜鉛、鉄から選ばれた1種または2種以上の金属元素の酸化物、水酸化物および/または水和酸化物で表面処理されたものであることが好ましい。
また、前記微粒子群を担持してなる前記鱗片状基材に被覆される前記複合酸化物は、前記複合粉体中に10〜30重量%含むことが好ましい。
さらに、前記複合酸化物中に含まれる前記鉄をFe2O3で表し、さらに前記チタニウムをTiO2で表したとき、その重量組成比(Fe2O3/TiO2)は、0.01〜0.3の範囲にあることが好ましい。
また、前記化粧料は、前記複合粉体以外に、着色顔料としての酸化チタン微粒子を含有していないことが好ましい。
さらに、前記化粧料は、メークアップ化粧料であることが好ましい。
このように、本発明に係る複合粉体は、それ自身が多くの機能を備えた多機能性複合粉体であるので、上記のような高度な配合技術を有していなくとも、所望の化粧料、特にメークアップ化粧料を容易に調製することができる。
[複合粉体A]
本発明に係る第一の複合粉体は、鱗片状基材の表面に、少なくとも酸化チタン微粒子からなる粒子群を担持させ、さらにその表面をチタニウムおよび鉄を含む複合酸化物で被覆した複合粉体である。
ここで使用される鱗片状基材としては、一般的に化粧料用の体質顔料として用いられるものであれば、特に制限なく使用することができ、例えば、タルク、マイカ、セリサイト、合成マイカ、板状シリカ、板状酸化アルミニウム、薄片状ガラス粉末およびアルミニウム蒸着フィルム等が挙げられる。この中でも、マイカは、前記の付着性、延展性(延び広がり)、ツヤ感などを与える上で特に優れているため、これを使用することが好ましい。
さらに、前記鱗片状基材の平均厚さは0.005〜1μm、好ましくは0.01〜0.5μmであることが望ましい。ここで、前記鱗片状基材の平均厚さが0.005μm未満では、嵩高くなって吸油量が大幅に増加し、化粧料への配合に高度な技術を要することになり、また前記平均厚さが1μmを超えると、延展性が低下するので好ましくない。
しかし、前記酸化チタン微粒子の平均粒子径は、0.1〜0.4μm、好ましくは0.2〜0.3μmであることが望ましい。ここで、前記平均粒子径が0.1μm未満では、可視光の散乱効果が低いためソフトフォーカス効果が得られず、また得られる複合粉体の感触が悪くなり、さらにはキシミ感の増大と隠蔽性(カバー力)の低下を招くことになる。また、前記平均粒子径が0.4μmを超えても、隠蔽性(カバー力)の低下を招くため、好ましくない。
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−O−Ti−O−Fe−O−Ti−O− (I)
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前記複合酸化物の被覆層の厚さを正確に測定することは困難であるが、前記の被覆重量から判断すると、40nm以下、好ましくは5〜25nmの範囲にあることが望ましい。
本発明に係る第二の複合粉体は、鱗片状基材の表面に、少なくとも酸化チタン微粒子および酸化鉄(III)微粒子からなる粒子群を担持させ、さらにその表面をチタニウムおよび鉄を含む複合酸化物で被覆した複合粉体である。
しかし、前記酸化鉄(III)微粒子の平均粒子径(該微粒子が細長い形状を有している場合には、該粒子の長径をLで表し、その短径をDで表したとき、(L+D)/2の数式から算出される値の平均値をいう。)は、0.1〜1.0μm、好ましくは0.2〜0.6μmであることが望ましい。ここで、前記平均粒子径が0.1μm未満では、発色が弱くなるため、所望の着色力(例えば、仄かな赤色)が得られなくなり、また前記平均粒子径が1.0μmを超えると、鮮やかな発色が得られなくなり、くすんだ色となるので、好ましくない。
なお、その他の構成成分については、上記の複合粉体Aの場合と同様であるので、ここではその説明を省略する。
以下に、本発明に係る複合粉体の調製方法について具体的に説明するが、本発明はこれらの方法に限定されるものではない。
前記酸化チタン微粒子、または前記酸化チタン微粒子および前記酸化鉄(III)微粒子からなる粒子群を鱗片状基材の表面に担持させる方法としては、以下に示すような従来公知の方法を採用することができる。
(1)水、アルコールまたはその混合物の分散媒に前記粒子群を分散させたコロイド溶液を、前記鱗片状基材の懸濁液(通常は水懸濁液)中に添加して分散させ、その両者間の静電気的相互作用を利用して前記鱗片状基材の表面に前記粒子群を担持させた後、前記分散媒を分離して乾燥させる方法。
前記乾燥粉体、すなわち前記粒子群を担持してなる鱗片状基材上にチタニウムおよび鉄を含む複合酸化物で被覆する方法としては、以下に示すような従来公知の方法を採用することができる。
(1)水、アルコールまたはその混合物の分散媒に前記乾燥粉体を懸濁させた懸濁液に、塩化チタンなどの水溶液と塩化鉄などの水溶液を加えて撹拌して前記基材の表面を前記複合酸化物で被覆した後、前記分散媒を分離して乾燥し、さらに400〜900℃の温度で焼成する方法。
a)適度な隠蔽性(カバー力)を付与するために、鱗片状基材上に担持される前記酸化チタン微粒子の平均粒子径やその担持量を調整する。
b)良好な紫外線遮蔽効果を付与するために、前記基材上に被覆される前記複合酸化物の量を調整する。さらに、前記酸化チタン微粒子に基づく機能を低下させないように、前記複合酸化物の被覆層の厚さを調整する。
d)前記複合酸化物の組成比などを調整して、得られる複合粉体のツヤをメークアップ化粧料に適したものとする。さらに、適度な付着性や均一な化粧膜が得られるように調整する。
以下に、本発明の化粧料、特にメークアップ化粧料について具体的に説明する。
本発明による化粧料は、前記の複合粉体(すなわち、複合粉体Aおよび/または複合粉体B)と、以下に述べる各種化粧料成分とを配合して得られるものである。
また、ポリアクリル酸メチル、ナイロン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタンなどの樹脂粒子を含んでいてもよい。
さらに、美白効果を有する有効成分として、アルブチン、コウジ酸、ビタミンC、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、ジ−パルチミン酸アスコルビル、アスコルビン酸グルコシド、その他のアスコルビン酸誘導体、プラセンタエキス、イオウ、油溶性甘草エキス、クワエキス等の植物抽出液、リノール酸、リノレイン酸、乳酸、トラネキサム酸などを含ませることができる。
さらに、本発明においては、医薬部外品原料規格2006(発行:株式会社薬事日報社、平成18年6月16日)や、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(発行:The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association、Eleventh Edition 2006)等に収載されている化粧料成分を特に制限なく使用することができる。
このような方法で製造された化粧料は、粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティック状、ジェル状、ムース状、液状、クリーム状などの各種形態で使用され、さらに具体的に述べれば、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、油性ファンデーション、ムースファンデーション、プレスドパウダー等のベースメークアップ化粧料、アイシャドウ、アイブロー、アイライナー、マスカラ、口紅等のポイントメークアップ化粧料、ボディパウダー、乳液、クリーム、化粧下地、石鹸、クレンジングフォーム、メーク落とし用クリーム等の洗浄用化粧料、保湿・肌荒れ防止、アクネ、角質ケア、マッサージ、しわ・たるみ対応、くすみ・くま対応、紫外線ケア、美白、抗酸化ケア用等のスキンケア化粧料、育毛用、フケ防止、かゆみ防止、洗浄用、コンディショニング・整髪、パーマネント・ウエーブ用、ヘアカラー・ヘアブリーチ用等のヘアケア化粧料、洗浄用、日焼け防止、手荒れ防止、スリミング用、血行改善用、かゆみ抑制、体臭防止、制汗、体毛ケア、リペラント用等のボディーケア化粧料、香水、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン、シャワーコロン等、練香水、ボディーロ−ション、バスオイル等のフレグランス化粧料、歯磨き、マウスウォッシュ等のオーラルケア製品などが挙げられる。この中でも、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、プレスドパウダー等のメークアップ化粧料に使用することが特に好ましい。
なお、本発明に係る前記複合粉体は、その他の化粧料に配合して使用してもよい。しかし、これらの化粧料は、前記の基本的特性の全てを必ずしも要求しないので、必要に応じて前記複合粉体を使用することが望ましい。
次に、本発明の実施例その他で採用された測定方法を具体的に述べれば、以下の通りである。
(1)鱗片状基材の平均粒子径
前記鱗片状基材の試料をレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−300)を用いて、その平均粒子径を測定した。
(2)鱗片状基材の厚さ
前記鱗片状基材の試料から選ばれた100個の粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製S-5200N)を用いて写真撮影し、その厚さの平均値を測定した。
前記酸化チタン微粒子の試料から選ばれた100個の粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製S-5200N)を用いて写真撮影し、その粒子径の平均値を測定した。
(4)酸化鉄(III)微粒子の平均粒子径
前記酸化鉄(III)微粒子の試料から選ばれた100個の粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製S-5200N)を用いて写真撮影し、その粒子径の平均値を測定した。ただし、本発明の実施例で使用された酸化鉄(III)微粒子は、細長い形状を有しているため、その粒子の長径(L)と短径(D)の合計値を2で除した値を粒子径とした。
[調製例1]
鱗片状基材として、平均粒子径9μmの雲母244g(山口雲母(株)製Y−1800)を純水1200mlに加えて十分に攪拌した後、10重量%濃度の塩化水素水溶液を用いてpHを2.3付近に調節した懸濁液を得た。
次いで、これを室温まで冷却した後、濾過水洗し、110℃の温度で16時間乾燥した。
さらに、得られた乾燥粉末の塊をミキサーに入れて解砕(または粉砕)して、酸化チタン微粒子が担持された雲母300gを得た。
次に、10重量%濃度の塩化鉄水溶液35gと10重量%濃度の塩化チタン水溶液665gを混合した後、これを前記懸濁液に撹拌しながら17時間かけて添加し、さらに室温まで冷却した。なお、前記混合液の添加に際しては、15重量%濃度のアンモニア水を用いて懸濁液のpHを5.5に保持した。
表1に示す割合となるように、前記雲母と前記酸化チタン微粒子との重量比率を変更すると共に、前記塩化鉄水溶液と前記塩化チタン水溶液との重量比率を変更し、さらに前記塩化鉄および前記塩化チタンの被覆量を変更した以外は、調製例1と同様にして、チタニウムおよび鉄を含む複合酸化物で被覆された酸化チタン微粒子付き雲母B〜F、H〜J(以下、「複合粉体B〜F」および「複合粉体H〜J」という)を得た。
前記酸化チタン微粒子を前記雲母上に担持させずに、表1に示す割合となるように調製した以外は、調製例1と同様にして、チタニウムおよび鉄を含む複合酸化物で被覆された雲母K(以下、「複合粉体K」という)を得た。
前記塩化鉄水溶液を添加せずに、表1に示す割合となるように調製した以外は、調製例1と同様にして、酸化チタンで被覆された酸化チタン微粒子付き雲母L(以下、「複合粉体L」という)を得た。
前記塩化チタン水溶液を添加せずに、表1に示す割合となるように調製した以外は、調製例1と同様にして、酸化鉄で被覆された酸化チタン微粒子付き雲母M(以下、「複合粉体M」という)を得た。
鱗片状基材として、平均粒子径9μmの雲母244g(山口雲母(株)製Y−1800)を純水1200mlに加えて十分に攪拌した後、10重量%濃度の塩化水素水溶液を用いてpHを2.3付近に調節した懸濁液を得た。
次いで、これを室温まで冷却した後、濾過水洗し、110℃の温度で16時間乾燥した。
さらに、得られた乾燥粉末の塊をミキサーに入れて解砕(または粉砕)して、酸化チタン微粒子およびベンガラ微粒子が担持された雲母300gを得た。
次に、10重量%濃度の塩化鉄水溶液35gと10重量%濃度の塩化チタン水溶液665gを混合した後、これを前記懸濁液に撹拌しながら17時間かけて添加し、さらに室温まで冷却した。なお、前記混合液の添加に際しては、15重量%濃度のアンモニア水を用いて懸濁液のpHを5.5に保持した。
[調製例7]
鱗片状基材として、平均粒子径9μmの雲母65g(山口雲母(株)製Y−1800)、平均粒子径0.25μmの酸化チタン微粒子15g(石原産業(株)製タイペークCR−50)および平均粒子径35nmの酸化チタンナノ微粒子20g(TAYCA CORPORATION製MT−500B)をミキサーに入れて撹拌し、均一に混合して、雲母/酸化チタン微粒子/酸化チタンナノ微粒子を含む混合粉体Nを得た。
パウダーファンデーションの調製
表2に示す配合比率(重量%)となるように、調製例1〜7で得られた複合粉体A、B、D〜Mまたは混合粉体Nの成分(1)と下記化粧料成分(2)〜(8)をそれぞれミキサーに入れて撹拌し、均一に混合した。次に、下記化粧料成分(9)〜(11)をこのミキサーに入れて撹拌し、さらに均一に混合した。次いで、得られたケーキ状物質を解砕処理した後、その中から約12gを取り出し、46mm×54mmx4mmの角金皿に入れてプレス成型した。
これにより、前記複合粉体A、D、E、F、H、IまたはJを50重量%含むパウダーファンデーションA-(50)、D-(50)、E-(50)、F-(50)、H-(50)、I-(50)またはJ-(50)(以下、「実施例化粧料1A-(50)、1D-(50)、1E-(50)、1F-(50)、1H-(50)、1I-(50)または1J-(50)」という)、前記複合粉体A、BまたはGを30重量%含むパウダーファンデーションA-(30)、B-(30)またはG-(30)(以下、「実施例化粧料1A-(30)、1B-(30)または1G-(30)」という)、前記複合粉体K、LまたはMを50重量%含むパウダーファンデーションK-(50)、L-(50)またはM-(50)(以下、「比較例化粧料1K-(50)、1L-(50)または1M-(50)」という)、および前記混合粉体Nを50重量%含むパウダーファンデーションN-(50)(以下、「比較例化粧料1N-(50)」という)をそれぞれ調製した。これらをまとめた結果を表3に示す。
プレスドパウダーの調製
表4に示す配合比率(重量%)となるように、調製例1、調製例2および調製例7で得られた複合粉体A、Cまたは混合粉体Nの成分(1)と下記化粧料成分(2)〜(8)をそれぞれミキサーに入れて撹拌し、均一に混合した。次に、下記化粧料成分(9)〜(10)をこのミキサーに入れて撹拌し、さらに均一に混合した。次いで、得られたケーキ状物質を解砕処理した後、その中から約12gを取り出し、46mm×54mmx4mmの角金皿に入れてプレス成型した。
これにより、前記複合粉体Aを10重量%含むプレスドパウダーA-(10)(以下、「実施例化粧料2A-(10)」という)、前記複合粉体Cを50重量%含むプレスドパウダーC-(50)(以下、「実施例化粧料2C-(50)」という)、および前記混合粉体Nを10重量%含むプレスドパウダーN-(10)(以下、「比較例化粧料2N-(10)」という)をそれぞれ調製した。これらをまとめた結果を表5に示す。
パウダーファンデーションの官能評価
実施例1で調製されたパウダーファンデーション、すなわち実施例化粧料1A-(50)、1A-(30)、1B-(30)、1D-(50)、1E-(50)、1F-(50)、1G-(30)、1H-(50)、1I-(50)、1J-(50)、および比較例1で調製されたパウダーファンデーション、すなわち比較例化粧料1K-(50)、1L-(50)、1M-(50)、1N-(50)をそれぞれ肌に塗った場合の使用感(官能評価試験結果)について、20人のモニターから聞き取り調査を行った。その結果の平均値を表6に示す。なお、この使用感についての聞き取り調査は、以下の基準に基づいて行った。
◎:最適な使用感または感触が得られている。
○:ほぼ最適な使用感または感触が得られている。
△:やや違和感がある。
X:明らかな違和感がある。
実施例1で調製されたパウダーファンデーション、すなわち実施例化粧料1A-(50)、1A-(30)、1B-(30)、1D-(50)、1E-(50)、1F-(50)、1G-(30)、1H-(50)、1I-(50)、1J-(50)、および比較例1で調製されたパウダーファンデーション、すなわち比較例化粧料1K-(50)、1L-(50)、1M-(50)、1N-(50)をそれぞれ0.08g計り取り、サージカルテープ(3M社/Transporeテープ)40cm2に均一に塗布した。
これらを測定試料としてSPFアナライザー(Optometrics社、SPF290S、光源に75Wキセノンランプを使用)を用いて、紫外線遮蔽性の強弱を示すSPF(Sun Protection Factor)値をそれぞれ5回測定し、その平均値を求めた。その結果を表7に示す。なお、SPF値はその値が大きいほど、紫外線遮蔽効果が高いことを意味する。
また、前記複合粉体G(ベンガラ微粒子を含む)を配合した実施例化粧料1G-(50)の場合は、皮膚に塗ったとき、ベンガラ粒子を含まない複合粉体(例えば複合粉体A)を配合した実施例化粧料よりも、さらに白浮きが抑制されることが分かった。
また、前記混合粉体Nを配合した比較例化粧料1N-(50)の場合は、紫外線遮蔽性に優れているものの、その他の多くの点で劣っていることが分かった。
プレスドパウダーの官能評価
実施例2で調製されたプレスドパウダー、すなわち実施例化粧料2A-(10)、2C-(50)、および比較例2で調製されたプレスドパウダー、すなわち比較例化粧料2N-(10)をそれぞれ肌に塗った場合の使用感(官能評価試験結果)について、20人のモニターから聞き取り調査を行った。その結果の平均値を表8に示す。なお、この使用感についての聞き取り調査は、以下の基準に基づいて行った。
◎:最適な使用感または感触が得られている。
○:ほぼ最適な使用感または感触が得られている。
△:やや違和感がある。
X:明らかな違和感がある。
これに対し、前記混合粉体Nを配合した比較例化粧料2N-(10)の場合は、一部を除いて多くの点で劣っていることが分かった。
2 酸化チタン微粒子
3 チタニウムおよび鉄を含む複合酸化物による被覆層
Claims (11)
- 鱗片状基材の表面に、少なくとも酸化チタン微粒子からなる粒子群を担持させ、さらにその表面をチタニウムおよび鉄を含む複合酸化物で被覆した複合粉体を配合してなる化粧料。
- 前記粒子群が、さらに酸化鉄(III)微粒子を含み、その含有量が0.01〜10.0重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
- 前記酸化チタン微粒子が、着色顔料として使用される白色の酸化チタン微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
- 前記酸化鉄(III)微粒子が、着色顔料として使用される赤褐色のベンガラ微粒子であることを特徴とする請求項2に記載の化粧料。
- 前記酸化チタン微粒子および/または前記酸化鉄(III)微粒子が、ケイ素、アルミニウム、亜鉛、鉄から選ばれた1種または2種以上の金属元素の酸化物、水酸化物および/または水和酸化物で表面処理されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料。
- 前記鱗片状基材の表面に担持される前記酸化チタン微粒子が、前記複合粉体中に5〜30重量%含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の化粧料。
- 前記微粒子群を担持してなる前記鱗片状基材に被覆される前記複合酸化物が、前記複合粉体中に10〜30重量%含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の化粧料。
- 前記複合酸化物中に含まれる前記鉄をFe2O3で表し、さらに前記チタニウムをTiO2で表したとき、その重量組成比(Fe2O3/TiO2)が0.01〜0.3の範囲にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の化粧料。
- 前記化粧料が、前記複合粉体を5〜60重量%の範囲で含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の化粧料。
- 前記化粧料が、前記複合粉体以外に、着色顔料としての酸化チタン微粒子を含有していないことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の化粧料。
- 前記化粧料が、メークアップ化粧料であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の化粧料。
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