JP2008111498A - クリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】取付け孔の位置がずれていても係止脚を座屈せずも挿入係止でき、取付け状態で係止脚に対して横方向の外力が作用しても、全周ほぼ均一な撓み剛性が得られるクリップを提供する。
【解決手段】このクリップ10は、頭部11と、係止脚12とを有し、係止脚12は、頭部11から垂設された軸部21と、軸部21外周に所定間隔をおいて配列されると共に、上端が頭部11の下面に連結され、下端部の両側二箇所を軸部21から延出された連結リブ23に連結された複数の弾性係止脚24a,24bとを備え、連結リブ23を除く軸部21の外周は、弾性係止片24a,24bの内周よりも内側に位置し、係止脚12をパネル19の取付け孔20に挿通させるとき、弾性係止片24a,24bの内周が軸部21外周に当接しないように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車の内装部品等の部品を、車体パネル等の取付け孔に固定するために使用されるクリップに関する。
従来、このようなクリップとしては、部品に固定される頭部と、この頭部から垂下された係止脚とを有し、この係止脚を車体パネル等の取付け孔に挿入して固定するものが使用されていた。
例えば、下記特許文献1には、頭部と脚部を備え、車体等のパネルの孔に脚部を挿入することによって係止する構成のクリップにおいて、脚部が頭部から独立に垂下した4本の脚で成り、各脚は中間部分では半径方向外方に拡がり、且つその端部においては先細の脚部を構成するように一体に成形されており、更に、各脚は、中間部分付近での断面において、同じ形状にされ且つ、脚部の中心軸線に関して対称に且つ相互に等間隔に形成されていることを特徴とするクリップが開示されている。
また、下記特許文献2には、頭部と、頭部の下面から垂設される係止脚とを有し、該係止脚をパネルの透孔に押し入れることによってパネルに止着されるようにした合成樹脂製の止め具にあって、前記係止脚は前記頭部の下面から真直に垂設され、中心部から外に向けて突き出す3若しくは4つの突片を有し、これら突片相互の間に所要の間隔を設けると共に、該突片の最外周部の描く仮想上の軸径が前記パネルの透孔の直径を超えないようにしてなる軸芯部と、前記軸芯部の前記突片間に配置され、且つ該突片との間に所要の間隔を保つと共に、各上端部を前記軸芯部の基部若しくは前記頭部の下面に接合し、また各下端部を前記軸芯部の脚端にそれぞれ接合して長さの途中を該軸芯部から離して空隙を設けると共にそれぞれ長さの途中の外側面に前記パネルの透孔の直径を超える大きさの膨出部を備えてなる複数個の弾性係止片とから構成され、前記パネルの透孔に対する係止時には前記軸芯部を前記透孔に押し込むのに伴わせて前記弾性係止片を縮径させて前記膨出部を前記パネルの透孔の縁に掛け止めるようにした止め具が開示されている。
更に、下記特許文献3には、被取付けパネルの取付け孔周縁に当接する頭部と、該頭部から延出されて前記取付け孔に挿入され、該取付け孔の裏面側の周縁に係合する脚部とを有する樹脂製のクリップにおいて、前記脚部は、前記頭部の下面中心から垂設された軸部と、この軸部から径方向に放射状に延設されると共にその上端が前記頭部の下面に連結された少なくとも3つの突部と、これらの突部から周方向に延設されて各突部の間に配置され、その上端が前記頭部に連結されると共に、その周方向への延出方向端部が対向する突部との間に所定のスリットを設けて、その下端部のみが対向する突部に連結され、その外径が前記取付け孔の内径よりも大きくされた係合片とを有することを特徴とするクリップが開示されている。
実開平4−105615号公報 特許第3560061号公報 特開2005−315369号公報
しかしながら、上記特許文献1のクリップでは、脚部が、頭部から独立に垂下した4本の脚(弾性係止片)からなっているので、各弾性係止片の中心に軸部が存在せず、部品間の寸法ずれによって、取付け孔の位置がずれ、脚部を取付け孔に対して斜めに挿入する場合に、座屈を生じて挿入できなくなったり、折れたりする可能性があった。
また、上記特許文献2のクリップでは、軸芯部の中心から外側に突出する突片が、弾性係止片の間に位置して、係止脚が取付け孔に挿入されている間、取付け孔の内周に当接して、係止脚の取付け孔に対する中心位置出しを行うようになっている。しかし、取付け孔どうしの寸法ずれが大きくて、脚部を取付け孔に対してかなり大きな角度で斜めに挿入する場合には、上記突片が取付け孔の内周で削られながら挿入されることになるので、係止脚の挿入抵抗が大きくなるという問題点があった。
更に、上記特許文献3のクリップでは、各係合片の一側が、軸部から放射状に延設された突部に連結されているので、係合片の突部に連結された方の側縁と、軸部から遊離した方向の側縁とで、内側へのたわみ剛性が相違するため、全周に均一な撓み剛性が得られにくく、取付け状態で脚部に対して横方向の大きな外力が作用したとき、方向によっては係合片が大きく変形して抜けやすくなる可能性があった。
したがって、本発明の目的は、取付け孔への係止脚の挿入時に、取付け孔の位置がずれていても座屈することなく、かつ、挿入抵抗がそれほど増大せずに挿入係止でき、取付け状態で脚部に対して横方向の外力が作用しても、全周ほぼ均一な撓み剛性が得られるようにしたクリップを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1は、頭部と、頭部の下面から垂設される係止脚とを有し、該係止脚をパネルの取付け孔に挿入することにより、パネルに止着されるようにした合成樹脂製のクリップにおいて、
前記係止脚は、前記頭部の下面中心部から垂設された軸部と、
この軸部の外周に所定間隔をおいて配列され、上端を前記頭部の下面に連結され、下端部の両側二箇所を、前記軸部に連結された、3片以上の弾性係止片とを備え、
前記弾性係止片との連結部を除く軸部の外周は、前記弾性係止片の内周よりも内側に位置しており、前記係止脚を前記パネルの取付け孔に挿通させるとき、前記弾性係止片の内周が前記軸部外周に当接しないように構成されていることを特徴とするクリップを提供するものである。
上記発明によれば、係止脚は、頭部の下面中心部から垂設された軸部と、この軸部の外周に所定間隔をおいて配列された3片以上の弾性係止片を有しているので、部品間の寸法ずれによって取付け孔の位置がずれて、係止脚を取付け孔に対して斜めに挿入しなければならない場合でも、軸部によって弾性係止片の座屈や破損が防止される。また、連結リブを除く軸部の外周は、弾性係止片の内周よりも内側に位置しており、係止脚をパネルの取付け孔に挿通させるとき、弾性係止片の内周が軸部外周に当接しないように構成されているので、軸部や弾性係止片が取付け孔の内周によって削られることはなく、挿入抵抗が著しく増大することがない。更に、弾性係止片は、上端を頭部の下面に連結され、下端部の両側二箇所を、軸部に連結されているので、全周ほぼ均一な撓み剛性を得ることができる。
本発明の第2は、前記第1の発明において、 前記各弾性係止片の下端部の両側二箇所は、前記軸部から延出された連結リブを介して前記軸部に連結されているクリップを提供するものである。
上記発明によれば、弾性係止片の下端部の両側二箇所が、軸部から延出された連結リブを介して軸部に連結されているので、フレキシブル性を損なうことなく、適度な剛性を有しており、係止脚の取付け孔への挿入抵抗を比較的小さく維持することができ、挿入作業性を良好にすることができる。
本発明の第3は、前記第2の発明において、前記軸部には、前記弾性係止片どうしの間にほぼ位置する突片が軸方向に沿って形成されており、前記突片の上端は前記頭部の下面に連結され、前記突片の下端は前記連結リブをなしており、前記連結リブを除く前記突片の外周は、前記弾性係止片の内周よりも内側に位置しているクリップを提供するものである。
上記発明によれば、軸部に軸方向に沿った突片を設けたことにより、軸部の剛性を高めて取付け孔への挿入ガイド性を高めることができると共に、連結リブを除く突片の外周は、弾性係止片の内周よりも内側に位置しているので、係止脚を取付け孔に対して斜めに挿入しなければならない場合でも、突片が取付け孔の内周に当接して削られることはなく、挿入抵抗が著しく増大することがない。
本発明の第4は、前記第3の発明において、前記弾性係止片は、軸部に対してほぼ90度間隔で配置された4片のものからなり、そのうちの対向する一対の弾性係止片は、対向する他の対の弾性係止片よりも、幅広かつ薄肉に形成されており、前記幅広の弾性係止片の両側に向かう一対の前記突片どうしの角度が、鋭角をなしているクリップを提供するものである。
上記発明によれば、幅広の弾性係止片は、該弾性係止片の両側に向かう一対の突片どうしの角度が鋭角をなしているので、該弾性係止片が内側に大きく撓むと、該突片の先端に当たる位置となるが、幅広の弾性係止片は薄肉に形成されているので、その撓み代を十分確保することができる。一方、幅広の弾性係止片は、内側に大きく撓むと、該突片の先端に当たる位置となることにより、取付け状態で、係止脚に対して幅広の弾性係止片を撓ませる方向に大きな外力が作用した場合でも、該弾性係止片の内周が上記突片に当接してそれ以上の撓みを規制されるので、弾性係止片の破損や、極端な変形によるクリップの抜け等を防止することができる。
一方、幅狭の弾性係止片は、比較的厚肉に形成されるため、内側への撓み代を確保することが難しくなるが、幅狭の弾性係止片の両側に向かう一対の突片どうしの角度は鈍角をなすので、内側に撓んだときに突片に干渉することなく、より大きく撓むことができるので、撓み代を十分確保することができる。また、幅広の弾性係止片に比べて厚肉とすることにより、幅広の弾性係止片と幅狭の弾性係止片との剛性をほぼ均等にして、クリップの全周において、ほぼ均一な撓み剛性を与えることができる。
本発明の第5は、前記第4の発明において、前記係止脚の下端部外周には、前記弾性係止片と前記連結リブと前記軸部とで画成された4つの抜き孔が形成されており、これらの抜き孔のうち、前記幅広の弾性係止片の下方に位置するものが、前記幅狭の弾性係止片の下方に位置するものよりも、幅狭で上方に長く伸びているクリップを提供するものである。
上記発明によれば、係止脚の下端部外周に形成された、弾性係止片と連結リブと軸部とで画成された4つの抜き孔のうち、幅広の弾性係止片の下方に位置するものが、幅狭の弾性係止片の下方に位置するものよりも、幅狭で上方に長く伸びていることにより、幅狭の弾性係止片の下端両側の連結部間の可撓性と、幅広の弾性係止片の下端両側の連結部間の可撓性とを同等にして、連結部における係止脚の全周における撓み剛性をより均等にすることができる。
本発明の第6は、前記第4又は第5の発明において、前記軸部の、前記幅狭の弾性係止片に向かう前記突片どうしの間に、前記突片の過剰な撓みを規制するリブ状突起が形成されているクリップを提供するものである。
上記発明によれば、取付け状態で、係止脚に対して幅狭の弾性係止片を撓ませる方向に大きな外力が作用した場合でも、該弾性係止片の内周が上記リブ状突起に当接してそれ以上の撓みを規制されるので、弾性係止片の破損や、極端な変形によるクリップの抜け等を防止することができる。
本発明の第7は、上記第1〜6の発明のいずれか1つにおいて、前記各弾性係止片の上端部は、次第に幅狭とされて前記頭部の下面に連結されているクリップを提供するものである。
上記発明によれば、各弾性係止片の上端部が、次第に幅狭とされて前記頭部の下面に連結されているので、各弾性係止片に外力が作用したとき、内側に撓むだけでなく、幅狭とされた上端部においてねじられやすくなるため、取付け孔の内周に追従しつつ撓むことができ、取付け孔に対する係合力を維持することができる。
本発明のクリップによれば、係止脚は、部品間の寸法ずれによって取付け孔の位置がずれて、係止脚を取付け孔に対して斜めに挿入しなければならない場合でも、軸部によって弾性係止片の座屈や破損が防止され、また、軸部や弾性係止片が取付け孔の内周によって削られることはなく、挿入抵抗が著しく増大することがない。更に、弾性係止片は、上端を頭部の下面に連結され、下端部の両側二箇所を、軸部から延出された連結リブに連結されているので、フレキシブル性を損なうことなく、適度な剛性を有している。したがって、係止脚の取付け孔への挿入抵抗を比較的小さく維持することができ、挿入作業性を良好にすることができる。
次に、図1〜14を参照して、本発明によるクリップの一実施形態を説明する。図1は同クリップの斜視図、図2は同クリップの正面図、図3は同クリップの右側面図(左側面図も同一になる)、図4は同クリップの平面図(背面図も同一になる)、図5は同クリップの底面図、図6は図4のA−A’矢示線に沿った断面図、図7は図4のB−B’矢示線に沿った断面図、図8は図2のC−C’矢示線に沿った断面図、図9は同クリップの係止脚を種々の高さで切った断面を示す説明図、図10は同クリップを製造するための金型を示す説明図、図11は同クリップを用いて取付け部材を取付けパネルの取付け孔に固定した状態を示す断面図、図12は同クリップを取付けパネルの取付け孔に挿入する際の撓み状態を示す断面図、図13は同クリップの取付け状態において幅広の弾性係止片の方向に荷重がかかったときの撓み状態を示す断面図、図14は同クリップの取付け状態において幅狭の弾性係止片の方向に荷重がかかったときの撓み状態を示す断面図である。
図1に示すように、このクリップ10は、頭部11と、係止脚12とから構成されている。頭部11は、有底円筒状の基部13と、この基部13の上端外周に形成された第1フランジ部14と、基部13の中間部外周に形成された第2フランジ部15と、基部13の下端部外周に形成されたシールフランジ部16とを有している。図6に示すように、第2フランジ部15は、上方に湾曲した環状の突部15aを有している。
クリップ10は、図11に示すように、取付け部材17の係合溝18に嵌合して、該係合溝18の周縁を第1フランジ部14と第2フランジ部15とで挟み、取付け部材17に予め固定されるようになっている。
シールフランジ部16は、その周縁が斜め下方に向けて延出されたスカート状をなし、取付けパネル19の上面に当接して、取付け孔20をシールする役割もなしている。なお、上記取付け部材17としては、例えば自動車のドアトリムなどが挙げられ、上記取付けパネル19としては、ボディパネルなどが挙げられる。
図6,7、8を参照すると、係止脚12は、頭部11の下面中心部から垂設された軸部21を有している。この軸部21から外径方向に放射状に、4つの突片22が延設されている。これらの突片22は、軸部21の軸方向に沿って伸び、その上端が頭部11の下面に連結されており、その下端部は、後述する弾性係止片24a、24bに連結される連結リブ23をなしている。
軸部21の外周には、所定間隔をおいて、ほぼ90度ずつの角度で、4片の弾性係止片24a、24bが配置されている。このうち、対向する一対の弾性係止片24aは幅広で、対向する残りの一対の弾性係止片24bは幅狭となっている。各弾性係止片24a、24bは、その上端部25を頭部11に連結されている。また、前記突片22は、各弾性係止片24a、24bどうしの間にほぼ位置しており(図8参照)、各弾性係止片24a、24bの下端部は、その両側二箇所を、上記突片22の下縁部となって延出された連結リブ23に連結されている。更に、各弾性係止片24a、24bの間はスリット32となっている。
各弾性係止片24a、24bの上端部25は、頭部11に近づくにつれて次第に幅狭となっており、それによって各弾性係止片24a、24bに外力が作用したとき、内側に撓むだけでなく、幅狭となった上端部25においてねじられることを可能にしている。
そして、上端部よりもやや下方部分に係合段部26が形成され、係合段部26より下方部分に拡径部27が設けられている。更に、拡径部27より下方部分は、次第に縮径するテーパ部28をなしている。テーパ部28よりも下方部分は、連結部29を介して連結リブ23の端縁が、係止脚12の下端部30まで伸びている。
係止脚12の下端部30外周には、弾性係止片24a、24bと、連結リブ23と、軸部21とで画成された4つの抜き孔33,34が形成されている。このうち、幅広の弾性係止片24aの下方に位置する第1抜き孔33は、幅狭の弾性係止片24bの下方に位置する第2抜き孔34よりも、幅狭で上方に長く伸びている。
図10には、このクリップ10を製造するための金型の概略構造が示されている。この金型は、図中イの方向にスライドする一対の型35,36と、これらの型35,36に対して矢印ロ方向に開閉する複数本の型37,38とを有している。一対の型35,36は、クリップ10の外周形状を形成すると共に、幅広の弾性係止片24aと、軸部21及び突片22との間隙に挿入される挿入部39を有している。また、型37,38のうち、対向する一対の型37は、幅広の弾性係止片24aの内周に挿入され、残りの対向する一対の型38は、幅狭の弾性係止片24bの内周に挿入されるようになっている。
図8を併せて参照すると、幅広の弾性係止片24aと突片22との間には、型37,38の挿入部39を挿入できるようにすると共に、弾性係止片24aの内側への撓み代を十分に確保するため、所定の間隙S1を設ける必要がある。このため、弾性係止片24aの厚さt1は、比較的肉薄にする必要性があるが、幅W1は比較的広くとることが可能である。一方、弾性係止片24bは、挿入部39によって、その幅W2を規制されるため、比較的幅狭になってしまうという制約がある。そこで、この実施形態では、弾性係止片24aの幅W1を広くすると共に、厚さt1を薄くし、弾性係止片24bの幅W2を狭くすると共に、厚さt2を厚くして、両者の断面積をできるだけ同等となるようにし、全周にほぼ均等な撓み剛性が得られるようにしている。
一方、弾性係止片24bは、厚さt2を厚くするため、内側への撓み代を十分に確保するためには、内側に撓んだときに突片22とできるだけ干渉しないような構造にする必要がある。このため、この実施形態では、突片22の、幅広の弾性係止片24aに向かう一対の角度θ1を鋭角とし、幅狭の弾性係止片24bに向かう一対の角度θ2を鈍角として、弾性係止片24bと突片22との隙間S2を確保し、弾性係止片24bが突片22に干渉せずに内側に大きく撓めるようにしている。
また、上記のように突片22の方向によって角度が異なるため、鋭角となるθ1の角度に挿入される型37は、半径方向に細長い断面形状をなし、鈍角となるθ2の角度に挿入される型38は、周方向に幅の広い断面形状をなす。その結果、図2、3,4に示すように、型37が挿入される第1抜き孔33は、幅狭で上下に長く伸び、型38が挿入される第2抜き孔34は、幅広で上下に比較的短い形状をなしている。このことは、次のような作用、効果をもたらす。すなわち、幅広の第2抜き孔34の両側に位置する連結リブ23間の撓み剛性は、両者の間隔が広いので比較的低くすることが可能であるのに対して、幅狭の第1抜き孔33の両側に位置する連結リブ23間の撓み剛性は、両者の間隔が狭いので通常は高くなる傾向がある。しかし、この実施形態では、上記のように、第1抜き孔33が上下に長く伸びていることにより、間隔が狭くても撓み剛性を低下させるようにしており、結果的に、連結部29における撓み剛性を全周に亘って比較的均一にするのに寄与している。
図9には、このクリップ10を種々の高さ並びに角度で切った断面形状が示されており、図中のA〜Kは、対応する矢印で示される位置で切った断面形状を示している。図中のA〜Dに示されるように、係止脚12の下端部30から上方に向かうに従って、連結リブ23が半径方向外方の伸びる。そして、同図D,E,Fに示されるように、各連結リブ23は、弾性係止片24a、24bの両側部分に連結され、弾性係止片24a、24bの両側が対応する連結リブ23で支持された形状となっている。更に、同図G、H、Iに示されるように、弾性係止片24a、24bの外周径が次第に大きくなり、テーパ部28及び拡径部27が形成されている。更にまた、同図J,Kに示されるように、弾性係止片24a、24bが縮径して係合段部26が形成されると共に、頭部11に向けて次第に幅狭になり、上端部において頭部11の下面に連結した形状をなしている。
上記図9のG〜Kに示されるように、軸部21の突片22の外周は、弾性係止片24a、24bの内周よりも内側に位置している。そして、係止脚12を取付けパネル19の取付け孔20に挿入するとき(図11参照)、図12に示すように、各弾性係止片24a、24bが内側に撓んでも、軸部21の突片22に接触しないようにされている。
次に、このクリップ10の作用、効果を説明する。
図11に示すように、クリップ10の第1フランジ部14と第2フランジ部15との間の基部13を、例えば自動車のドアトリムなどからなる取付け部材17に形成された係合溝18を差し込んで、係合溝18の周縁を第1フランジ部14と第2フランジ部15とで挟み、クリップ10を取付け部材17に予め固定する。
この状態で、例えばボディパネル等からなる取付けパネル19の取付け孔20に、クリップ10の係止脚12を挿入する。すると、弾性係止片24a、24bが内側に撓んで係止脚12の拡径部27が取付け孔20を通過し、係合段部26が取付け孔20の裏面側周縁に係合して、クリップ10が固定され、取付け部材17が取付けパネル19に固定される。
ところで、係止脚12を取付け孔20に挿通させるとき、取付けパネル19と取付け部材17との位置ずれによって、取付け孔20に対して係止脚12を斜めに挿入することになっても、このクリップ10では、軸部21が存在することによって、係止脚12の座屈が防止され、取付け孔20に挿入することができる。
また、図12に示すように、弾性係止片24a、24bは、それらの外周が取付け孔20の内周位置になるまで撓むが、このとき、弾性係止片24a、24bの内周が軸部21の突片22に当接しない程度の間隙が設けられている。このため、上記のように、取付け孔20に対して係止脚12を斜めに挿入することになっても、突片22が取付け孔20の内周に接触することはなく、突片22を削りながら挿入しなければならないという事態は生じないので、係止脚12の挿入をスムーズに行うことができる。
図13、14は、クリップ10を介して、取付け部材17を取付けパネル19に固定した状態で、取付け部材17と取付けパネル19との熱膨張差等によって、クリップ10の係止脚12に横方向の荷重がかかった状態を示している。図13は、幅広の弾性係止片24aの方向に荷重がかかった状態を示し、図14は幅狭の弾性係止片24bの方向に荷重がかかった状態を示している。
図13において、更に大きな荷重がかかったとしても軸部21の突片22が、弾性係止片24aの内周に当接して、弾性係止片24aのそれ以上の変形を阻止するので、クリップ10の破損を防止できる。
また、図13,14のそれぞれの状態において、隣接する弾性係止片には、取付け孔20の内周が斜めに当たることになり、斜め方向の押圧力が作用する場合があるが、この実施形態では、各弾性係止片24a、24bの上端部25が、頭部11に向かって次第に幅狭となるように形成されているので、弾性係止片24a、24bが多少ねじられることが可能となっており、それによって取付け孔20の内周に適合するように変形することができる。
そして、このクリップ10では、各弾性係止片24a、24bの幅が相違しても、横断面積がほぼ等しくなるように厚さを調整されているので、係止脚12の全周に亘ってほぼ均等な撓み剛性が得られる。また、各弾性係止片24a、24bの連結部29においても、前述したように、第1抜き孔33が第2抜き孔34に対して幅狭で、高さ方向により長い形状をしていることにより、全周に亘ってほぼ均等な撓み剛性が得られる。
図15,16には、本発明によるクリップの他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
この実施形態におけるクリップ10aは、軸部21の、幅狭の弾性係止片24b,24bに向かう一対の突片22,22どうしの間に、リブ状突起22a,22aがそれぞれ突設している。図15を併せて参照すると、各リブ状突起22aは、頭部11の下面から所定高さで軸方向に沿って伸びていると共に、軸部21の軸方向中間位置から軸部21先端に向かって次第に高さが低くなるテーパ面22bが形成されている。
そして、この実施形態によれば、クリップ10aを取付けパネル19の取付孔20に取付けた状態で、係止脚12に対して幅狭の弾性係止片24b,24bを撓ませる方向に大きな外力が作用した場合でも、弾性係止片24bの内周がリブ状突起22aに当接してそれ以上の撓みを規制されるので、弾性係止片24bの破損や、極端な変形によるクリップ10の取付孔20からの抜け等を防止することができる。
本発明のクリップの一実施形態を示す斜視図である。 同クリップの正面図である。 同クリップの右側面図である。 同クリップの平面図である。 同クリップの底面図である。 図4のA−A’矢示線に沿った断面図である。 図4のB−B’矢示線に沿った断面図である。 図2のC−C’矢示線に沿った断面図である。 同クリップの係止脚を種々の高さで切った断面を示す説明図である。 同クリップを製造するための金型を示す説明図である。 同クリップを用いて取付け部材を取付けパネルの取付け孔に固定した状態を示す断面図である。 同クリップを取付けパネルの取付け孔に挿入する際の撓み状態を示す断面図である。 同クリップの取付け状態において幅広の弾性係止片の方向に荷重がかかったときの撓み状態を示す断面図である。 同クリップの取付け状態において幅狭の弾性係止片の方向に荷重がかかったときの撓み状態を示す断面図である。 本発明のクリップの他の実施形態を示す断面図である。 図15のD−D’矢視線に沿った断面図である。
符号の説明
10,10a クリップ
11 頭部
12 係止脚
19 パネル
20 取付け孔
21 軸部
22 突片
22a リブ状突起
23 連結リブ
24a 弾性係止片(幅広)
24b 弾性係止片(幅狭)

Claims (7)

  1. 頭部と、頭部の下面から垂設される係止脚とを有し、該係止脚をパネルの取付け孔に挿入することにより、パネルに止着されるようにした合成樹脂製のクリップにおいて、
    前記係止脚は、前記頭部の下面中心部から垂設された軸部と、
    この軸部の外周に所定間隔をおいて配列され、上端を前記頭部の下面に連結され、下端部の両側二箇所を、前記軸部に連結された、3片以上の弾性係止片とを備え、
    前記弾性係止片との連結部を除く軸部の外周は、前記弾性係止片の内周よりも内側に位置しており、前記係止脚を前記パネルの取付け孔に挿通させるとき、前記弾性係止片の内周が前記軸部外周に当接しないように構成されていることを特徴とするクリップ。
  2. 前記各弾性係止片の下端部の両側二箇所は、前記軸部から延出された連結リブを介して前記軸部に連結されている請求項1記載のクリップ。
  3. 前記軸部には、前記弾性係止片どうしの間にほぼ位置する突片が軸方向に沿って形成されており、前記突片の上端は前記頭部の下面に連結され、前記突片の下端は前記連結リブをなしており、前記連結リブを除く前記突片の外周は、前記弾性係止片の内周よりも内側に位置している請求項2記載のクリップ。
  4. 前記弾性係止片は、軸部に対してほぼ90度間隔で配置された4片のものからなり、そのうちの対向する一対の弾性係止片は、対向する他の対の弾性係止片よりも、幅広かつ薄肉に形成されており、前記幅広の弾性係止片の両側に向かう一対の前記突片どうしの角度が、鋭角をなしている請求項3記載のクリップ。
  5. 前記係止脚の下端部外周には、前記弾性係止片と前記連結リブと前記軸部とで画成された4つの抜き孔が形成されており、これらの抜き孔のうち、前記幅広の弾性係止片の下方に位置するものが、前記幅狭の弾性係止片の下方に位置するものよりも、幅狭で上方に長く伸びている請求項4記載のクリップ。
  6. 前記軸部の、前記幅狭の弾性係止片に向かう前記突片どうしの間に、前記突片の過剰な撓みを規制するリブ状突起が形成されている請求項4又は5記載のクリップ。
  7. 前記各弾性係止片の上端部は、次第に幅狭とされて前記頭部の下面に連結されている請求項1〜6のいずれか1つに記載のクリップ。
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