JP2008111146A - 掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼、およびその製造方法 - Google Patents

掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼、およびその製造方法 Download PDF

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Katsumi Yamada
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Abstract

【課題】マルエージ鋼を凌駕する強度、伸び、靱性バランスに優れた機械構造用鋼およびその応用製品を提供する。
【解決手段】成分組成が、質量%で、C:0.30超〜0.5%、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、Al:0.025%以下、Mo:0.3〜0.5%、B:0.0005〜0.01%で、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、引張強度が2000MPa以上、40℃におけるシャルピー吸収エネルギーが30J以上であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は,主に土木建設機械の部品に用いられる構造用鋼に関するものであり、特に掘削工具の刃または削岩工具刃等に好適な、強度、延性及び靭性を兼ね備えた構造用鋼、これを用いた刃、およびこの構造用鋼の製造方法に関する。
近年、アジアを中心とする地域における建設ブームの高まりにより、切削機械、クレーン、削岩機、パワーショベル等の建設重機械の需要は急激に拡大している。建設面積の広大化と建築物の高層化を工期短縮のニーズと両立させるためには、建設重機械の大容量化・高出力化が重要であるが、非常にしばしば材料技術がこの大容量化・高出力化のキー技術となることが知られている。即ち、建設機が工作対象である土砂や岩石に直接接する工作刃、ドリル刃においては、高い削岩強度と高い耐衝撃性(靭性)を併せ持つ材料が使用される必要があるが、現在までに十分な耐用強度・靭性に基づく工具寿命を示す材料の選択には課題を残している。
上記のような用途に現状用いられているものとしては、焼入れ型の炭素鋼乃至は好適品種としてはマルエージ鋼がある。マルエージ鋼を用いる技術が例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている。
焼入れ型の炭素鋼で高強度化をはかろうとする技術は、合金元素を種々添加したものも含め広く試みられてきたが、一般的な狙い強度である引張強さ2000MPaに対して延性、靭性が不足すると指摘されている。また、マルエージ鋼では10数%のNiに加えて、CoやMo、Cr等を数%含有する。これは鋼のコストを著しく高めるとともに、昨今の原料枯渇の情勢では生産そのものがおびやかされる恐れもある。
特開2000−345302号公報 特開2002−38251号公報 特開2003−231921号公報
そこで本発明では、上記の従来技術の問題点に鑑みて、製造コストの増加を極力抑制して、しかも高強度、かつ高靭性の掘削工具刃ならびに削岩工具刃等に好適な材料および部品を安価に提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討をかさねた結果、これを解決する手段を見出した。要約するならば、合金鋼やマルエージ鋼のように多量のNiやCrを含有しない成分系の場合であっても、MoおよびBを適正範囲で添加した鋼を焼入れ焼戻ししてマルテンサイト組織とすれば、マルエージ鋼を凌駕する優れた引張強度−伸びバランスおよび高い靭性を示すことが明らかになったというのがその発端である。
さらに、このマルテンサイト組織を構成する組織(以降、下部組織と呼ぶ)に関して詳細に検討した結果、マルテンサイト組織を構成するブロックの大きさを一定値以下とすることで、特に優れた強度−伸びバランスが発現することを見出した。また、固溶Bがある値以上存在し、かつ旧オーステナイト粒界上に旧オーステナイト粒内の1.5倍以上存在することで優れた靭性が確保できることを見出した。
本発明は以上の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は以下の通りである。
(1)本発明に係る掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼は、成分組成が、質量%で、C:0.30超〜0.5%、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、Al:0.025%以下、Mo:0.3〜0.5%、B:0.0005〜0.01%で、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、引張強度が2000MPa以上、40℃におけるシャルピー吸収エネルギーが30J以上であることを特徴とする。
(2)上記(1)において、前記成分組成が、さらに、質量%で、Cr:2.5%以下、Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、V:0.5%以下の1種または2種以上を含むことを特徴とする。
(3)上記(1)または(2)において、前記成分組成が、さらに、質量%で、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする。
(4)本発明に係る掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼は、成分組成が、質量%で、C:0.30超〜0.5%、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、Al:0.025%以下、Mo:0.3〜0.5%、B:0.0005〜0.01%で、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ、組織が体積率で90%以上のマルテンサイト組織で、該マルテンサイト組織を構成するブロックの大きさが1.5μm以下であり、さらに、固溶Bが0.0005%以上で該固溶Bが旧オーステナイト粒界上に旧オーステナイト粒内の1.5倍以上存在することを特徴とする。
(5)上記(4)において、前記成分組成が、さらに、質量%で、Cr:2.5%以下、Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、V:0.5%以下の1種または2種以上を含むことを特徴とする。
(6)上記(4)または(5)において、前記成分組成が、さらに、質量%で、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする。
(7)上記(1)乃至(6)のいずれかにおいて、掘削または削岩工具刃用鋼は、厚さ20mm以下の板状、もしくは直径150mm以下の円柱状の形状であることを特徴とする。
(8)本発明に係る掘削工具刃用鋼または削岩工具刃は、上記(1)乃至(7)に記載の掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼が用いられてなるものである。
(9)本発明に係る掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼の製造方法は、成分組成が、質量%で、C:0.30超〜0.5%、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、Al:0.025%以下、Mo:0.3〜0.5%、B:0.0005〜0.01%で、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材を、昇温速度100℃/s以上で加熱して焼入れた後に、100℃以上、400℃以下の温度にて焼戻すことを特徴とする。
(10)上記(9)において、前記成分組成が、さらに、質量%で、Cr:2.5%以下、Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、V:0.5%以下の1種または2種以上を含むことを特徴とする。
(11)上記(9)または(10)において、前記成分組成が、さらに、質量%で、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下の1種または2種以上を含有するすることを特徴とする。
(12)本発明に係る掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼の製造方法は、成分組成が、質量%で、C:0.30超〜0.5%、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、Al:0.025%以下、Mo:0.3〜0.5%、B:0.0005〜0.01%で、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ厚さ20mm以下の板状、もしくは直径150mm以下の円柱状の形状の鋼素材を、昇温速度100℃/s以上で加熱して焼入れた後に、100℃以上、400℃以下の温度にて焼戻すことを特徴とする特徴とする。
(13)上記(12)において、前記成分組成が、さらに、質量%で、Cr:2.5%以下、Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、V:0.5%以下の1種または2種以上を含むことを特徴とする。
(14)上記(12)または(13)において、前記成分組成が、さらに、質量%で、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする。
本発明によれば、高価な合金元素を大量に含有することなく、高強度、かつ高靭性の掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼を得ることができる。
本発明に係る掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼における、成分組成と組織、ならびに強度とシャルピー吸収エネルギーについて以下に具体的に説明する。
1.成分組成について
成分組成の限定理由について説明する。なお、成分組成における各元素の含有量(%)は全て質量%を意味する。
C:0.30超〜0.5%
Cは必要な強度、靭性を確保するために必須の元素であり、0.30%以下では,所定の強度確保が難しい。一方、0.5%を超えると靭性もしくは延性が低下するため0.5%を上限とした。
Si:1.0%以下
Siは脱酸剤として鋼の溶製時に作用するので、含有させることができる。但し、1.0%を超えると,鋼の靭性もしくは延性を著しく低下させるので、上限を1.0%とした。
Mn:1.5%以下
Mnは、鋼の溶製時の脱酸剤としての作用を有しているので、含有させることができる。但し、1.5%を超えると鋼の延性もしくは靭性を著しく低下させるので、上限を1.5%とした。
Al:0.025%以下
Alは,脱酸に有効な元素である。また焼入れ時のオーステナイト粒成長を抑制することによって、強度、靭性の維持に有効な元素である、しかしながら含有量が0.025%を越えて含有させてもその効果は飽和し、むしろコスト上昇を招く不利が生じるので上記の範囲に限定した。
Mo:0.3〜0.5%
Moは本発明において、特に重要な元素である。Moは延性などの機械的特性を大きく損なうことなく強度、靭性を向上させる。その効果を発現するには0.3%以上の添加が必須である。一方、0.5%を超えて添加しても強度や靭性のそれ以上の向上にならず、逆に延性が低下し始めるので、上限を0.5%とした。
B:0.0005〜0.01%
Bは、焼入れ性の向上に有効であり、また粒界強化により鋼全体の強度向上に寄与する有用な元素である。そのためには0.0005%以上の含有が必要である。しかし0.01%を超えて含有してもその効果は飽和するので、上記範囲に限定した。
以上が、本発明における基本成分であるが、本発明ではその他にも、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
Cr:2.5%以下
Crは,焼入れ性の向上に有効であり、硬化深さを確保する上で有用である。しかし過度に含有すると、炭化物安定効果によって残留炭化物の生成を助長し、強度の低下をまねく。従ってCr含有は,できる限り低減することが望ましいが、2.5%までは許容できる。なお、焼入れ性を向上させる作用を発現させるためには、0.2%以上含有させることが好ましい。
Cu:1.0%以下
Cuは,焼入れ性の向上に有効であり、またフェライト中に固溶して強度を向上させる。しかし、1.0%を超えて含有すると,熱延時に割れが発生する。そこで上記の範囲に限定した。なお、焼入れ性や強度を向上させる作用を発現させるためには、0.2%以上含有させることが好ましい。
Ni:2.0%以下
Niは,焼入れ性を向上させるのに有効であり、また炭化物の生成を抑制するため、膜状炭化物の粒界への生成を抑制し、粒界強度を上げることで強度、靭性の向上に寄与する。ただしNiは、非常に高価な元素であり、2.0%を超えて添加すると鋼材コストが著しく上昇する。そこで、2.0%以下とすることが好ましい。なお、焼入れ性や強度、靭性を向上させる作用を発現させるためには、0.5%以上含有させることが好ましい。
V:0.5%以下
Vは、鋼中でCと結合し、強化元素としての作用が期待される。また焼き戻し軟化抵抗性を向上させる効果もあり、強度向上に寄与する。しかし0.5%を超えて含有してもその効果は飽和するため、上記の範囲に限定した。なお、強度を向上させる作用を発現させるためには、0.1%以上含有させることが好ましい。
さらに本発明では以下に述べる成分の1種または2種以上を含有することができる。
Ti:0.1%以下
Tiは、不可避的不純物として混入するNと結合することで、BがBNとなってBの焼入れ性向上効果が消失することを防止する。しかし0.1%を超えて含有してもTiNが大量に形成されて、強度や疲労強度の低下を招くため、Tiは0.1%以下とすることが好ましい。なお、この効果を得るためには、0.005%以上含有させることが、より好ましい。
Nb:0.1%以下
Nbは、焼入れ性向上効果のほかに、析出強化元素として強度や靭性の向上に寄与する。しかし0.1%を超えて含有しても、その効果は飽和するので0.1%以下とすることが好ましい。なお、この効果を発現させるためには、0.005%以上含有させることが、より好ましい。
以上説明した元素以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。主な不可避的不純物としては、S、P、N、Oが挙げられる。これら元素は、S:0.05%以下、P:0.05%以下、N:0.01%以下、O:0.01%以下であれば許容できる。
2.組織について
以上、好適成分組成範囲ついて説明したが、本発明では、成分組成を上記の範囲に限定するだけでは不十分で、以下に説明するように鋼の組織が調整されている必要がある。
鋼の組織:体積率90%以上のマルテンサイト組織
マルテンサイトは強度を得るために必須の組織である。本発明の場合には体積率で90%以上のマルテンサイト組織とすることで優れた特性を発揮する。そのため上記範囲に限定した。マルテンサイトの体積率が90%未満である場合には、強度の上昇に寄与しない残留オーステナイト相等の未変態相や炭化物等の析出物の量が多くなりすぎて、2000MPa以上という高強度化の達成は困難となる。
マルテンサイト組織:組織を構成するブロックの大きさが1.5μm以下
マルテンサイト組織は、耐疲労性の観点等からもより微細であることが望ましい。オーステナイトからの代表的変態組織であるマルテンサイト組織は複雑な下部組織を有しているが、一般的には、次のような組織単位で分類されている。まず、最小単位はマルテンサイトラスである。隣接するラスは、結晶方位差が極めて小さく、機械的特性を大きく支配しない。次に、結晶面と結晶方位のほぼ同等な隣接するラスの集団であるブロックについては、変態前のオーステナイト粒内には、数個のブロックが存在する。さらに、結晶面が同等で成長方向の異なるブロックの集団をパケットと分類される。マルテンサイト組織を微細化するということは、上述の各組織単位を小さくすることとほぼ同義であるが、最も効果的には、ブロック単位を微細化することで達成できる。なぜならば、ブロック内のマルテンサイトラス間は、小傾角粒界となっており、実質的に連続した組織とみなすことができる。一方、ブロック、パケットもしくは変態前オーステナイト粒界は、大傾角粒界であるため、これらの大きさは直接的に素材の機械的特性に影響を及ぼすと考えられる。そして当該ブロックの大きさは、結晶方位顕微鏡(Orientation Imaging Microscopy)や透過電子顕微鏡(TEM)等によって評価可能である。一方、パケットもマルテンサイト組織の下部組織単位であるが、同じく大傾角粒界を有する、より小さな組織単位であるブロックで規定するのが望ましい。また、変態前のオーステナイト組織の大きさを最終熱処理前に全製品に対して検査するのは、実工程上現実的でない。よって、最終製品(特に、最終熱処理後)に対し容易に評価可能で、素材の機械的特性に影響を及ぼす下部組織ということから、マルテンサイト組織内のブロックの大きさを規定するものである。本発明においては、当該ブロックの平均化された大きさが1.5μm以下とすることで、特に優れた強度−延性バランスと強靭性を発揮する。なお、ここでいう「大きさ」とは、鋼の組織評価に対し一般的に用いられる平均粒径を指し、例えば、切断法により導かれる平均粒径を用いることができる。
固溶Bの存在形態:鋼中に0.0005%以上、かつ、焼入れ処理等を行なった時の旧オーステナイト粒界上に粒内の1.5倍以上存在する
さらに、本発明においては、固溶Bの存在形態を以下のように制御することにより、安定した機械的特性を発揮する。すなわち、前述の通り本発明では、焼入れ性向上と粒界強化の目的でB量を規定しているが、この元素が効果を発揮するには、固溶Bの確保とその存在状態が非常に重要である。鋼中のBは、例えば、BNやM23(C,B)(ここで、Mは金属元素を示す)の形成によって、その固溶量が低減する。BN形成抑制には、Nと結合しやすいTi等の添加が効果的であるが、鋼中炭素量が多い鋼種系においては、添加したTi等が炭化物へ置換固溶してしまい、その効果が期待できなくなってしまう。このため、γ域での充分な溶体化が必須となる。さらに、当該固溶Bは、主として旧オーステナイト粒界に存在していることが望ましい。強度、伸びおよび靭性等の機械特性に大きく影響する粒界強度は、固溶Bが、主として旧オーステナイト粒界上に存在し、粒内と比較して濃度差を有すること(即ち粒界偏析すること)により向上するからである。これは、固溶Bが粒界偏析することで、粒界脆化を引き起こすPの粒界偏析を防止するためと考えている。発明者らの検討により、高周波加熱焼入れもしくは400℃以下の低温焼戻し等の最終熱処理後に、0.0005%以上の固溶Bが確保されており、かつ当該最終熱処理により形成された旧オーステナイト粒内に対し、当該旧オーステナイト粒界上に1.5倍の当該固溶Bが存在していれば、より確実に、安定した靭性が得られることを確認した。固溶B量は、添加B量から析出物となっているB量を差し引くことで求められる。析出物となっているB量は、酸化物、窒化物、炭化物あるいは金属間化合物として存在している析出物を電解等により抽出分離し、これらに含まれるBを直接定量する。一方、固溶Bの旧オーステナイト粒内と粒界上との濃度分布については、当該旧オーステナイト粒径が10μm以上であれば、例えば二次イオン質量分析分光法(SIMS)で、粒内に対する粒界上のイオン強度比が1.5倍以上あることで判断可能である。この他、TEMを用いて粒界から電子エネルギー損失スペクトル(EELS)を取得する方法、また、試料を原子炉等で放射化し、質量数10のB同位体(10B)から発生するα線をフィルム上に感光させるα線トラックエッチング法(ATE)も有効な高感度検出手段であるが、微量な場合の検出感度や定量性の点で、前述のSIMSが最も適している。以上記述のように、固溶Bとしての量0.0005%以上を確保しつつ、その存在箇所を主として旧オーステナイト粒界上に制限することで、粒界脆性を回避することが可能である。
3.強度およびシャルピー吸収エネルギーについて
引張強度:2000MPa以上、かつ40℃におけるシャルピー吸収エネルギー:30J以上
本発明で目的としている高強度、かつ高靭性の掘削工具刃ならびに削岩工具刃としての有用性は、現状高価であるマルエージ鋼と同等以上の特性をもって達成しようとすれば、強度レベルは2000MPa以上、40℃におけるシャルピー吸収エネルギー(なお、試験片は2mmUノッチとする)は30J以上である必要があるため、これらを特性範囲として限定した。なお、上述の成分組成および鋼の組織を満足することにより、引張強度2000MPa以上、40℃におけるシャルピー吸収エネルギー30J以上を満足するものとなる。
次に、本発明に係る掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼の製造方法について説明する。上述の成分組成を有する鋼を鋼素材として、これに焼入れと焼戻し処理を施すことで製造する。本発明の場合には、焼入れ時の昇温速度および焼戻し温度が重要であり、以下のようにする必要がある。
焼入れ時の加熱昇温速度:100℃/s以上
焼入れ時の加熱昇温速度が100℃/s未満であると、マルテンサイト組織のブロックの大きさが1.5μmを超えて大きくなり、強度と延性とを両立することができなくなる。よって、焼入れ時の加熱昇温速度は100℃/s以上とする必要がある。
焼戻し温度:100℃以上、400℃以下
焼戻し温度を100℃以上、400℃以下の温度範囲とすることで、鋼中に含有されているBが拡散したり析出したりすることなく、粒界に濃化して粒界強化に適切に寄与する。焼戻し温度を400℃以下とすることで、微細粒効果との重畳により高強度、高延性および高靭性を維持する。焼戻し温度が高いと強度が低下するとともに、Bの粒界への濃化度も下がり、その結果、靭性が顕著に低下する。この意味で、焼戻し温度は400℃以下とする必要がある。また、焼戻し温度が100℃未満であると、靭性、伸びともに不十分となる。よって、焼戻し温度は100℃以上、400℃以下の範囲とする。
なお、鋼素材は、前述の成分を含む鋼塊を、圧延や鍛造等で熱間加工あるいは冷間加工したものも使用できる。前述の成分を含む鋼塊は、転炉による溶製においても真空溶製によるものでも使用できる。特に、鋼素材を鋼板とする場合には、鋼塊または連鋳スラブを加熱して熱間圧延し、さらに酸洗してスケール除去した後に、冷間圧延で所定の厚さに整える。また、鋼素材を棒鋼とする場合には、棒鋼圧延または鍛造、もしくはそれらの組み合わせによって直径150mm以下の厚さの丸棒形状にした後、所定の切削加工を施し、掘削工具刃基本形状または削岩工具刃基本形状とする。
その後、マルテンサイト組織とするために、上述の鋼素材(掘削工具刃部品または削岩工具刃部品)に対し、焼入れと焼戻し処理を行う。これらの処理における加熱手段は、高周波によるものでも、炉加熱でも、赤外線加熱でも、通電加熱でもいずれでもよい。
かくして得られた鋼材は安価にして、マルエージ鋼に匹敵する強度と十分の靭性を有し、高強度、高靭性を必要とする掘削工具刃部品または削岩工具刃部品への適用が可能となる。
以下、実施例に従って説明する。
表1に示す鋼を真空溶製にて製造した。これらの鋼を1100℃に加熱して、熱間圧延し、直径200mmのビレットとした。続いて多数パスで棒鋼圧延し、最終的な外径を直径100mmとして素材とし、この得られた素材に以下の熱処理および評価を実施した。
高周波加熱焼入れを前提とする本鋼種において、最終熱処理後に想定される組織は、オーステナイト温度域からの変態相であるマルテンサイト相、加熱が不十分であった場合の未変態フェライト相、ならびに炭化物等の未固溶介在物や析出物のみである。これらは、一般的に使用されるナイタールエッチングにより組織を現出した後、光学顕微鏡での観察で判別できる。よって、マルテンサイト組織の体積率の算出は、以下の方法とした。前述の素材から直径20mm×長さ60mmの円柱試料を切り出した。この試料を高周波加熱によって920℃に加熱した後、即焼入れし、さらにその後170℃で20分間の焼戻しをおこない、試料とした。当該試料表面をナイタールエッチングした後、光学顕微鏡で観察し、この光学顕微鏡観察で判別したマルテンサイト相以外(即ち、未変態フェライト相ならびに炭化物等の未固溶介在物や析出物)の領域の面積率を算出した。さらにこの面積率から体積率に換算し、このマルテンサイト相以外の領域の体積率を100%から引いた値を、本実施例におけるマルテンサイト相の体積率とした。発明例においては、高周波焼入れ温度を920℃とオーステナイト領域にとったために、組織の大半がマルテンサイト相となった。
マルテンサイト組織の下部組織であるブロックの評価は、以下の方法とした。前述の素材より直径20mm×長さ60mmの円柱試料を切り出した。この試料を高周波加熱によって920℃に加熱した後、即焼入れした。その後170℃で20分間の焼戻しをおこなった後に、さらに10mm角の検鏡試料を採取し、前述した結晶方位顕微鏡によってブロック評価を行った。各試料に対して10μm角領域を2視野づつ、合計約11000点の結晶方位情報を取得した。各視野内において同一色で閉じた領域をブロックとして境界認識させた後、一般的な平均粒径導出と同じ切断法の適用で得られた値をその視野のブロックの大きさとし、各視野の値の全数を単純算術平均して、素材に対するブロックの平均化された大きさとした。
鋼中の固溶B量は、添加B量から析出物となっているB量を差し引くことで求めた。析出物となっているB量は、電解抽出分析方法を用いた。まず、前述の素材を30mm角に切り出し、試料とした。この試料を高周波加熱によって920℃に加熱した後、即焼入れし、さらにその後、170℃で20分間の焼戻しをおこなった。この焼戻し後の試料を、10%アセチル−アセトン系電解液にて1g電解抽出し、抽出残渣をフィルター捕集して、析出物となっているB量を定量した。
試料中の固溶Bの濃度分布測定は、以下の方法とした。ブロックサイズ評価で用いた10mm角試料を再度鏡面研磨し、SIMSで濃度分布を測定した。SIMSでの測定条件は、一次イオンO を用い、視野絞り150μm(直径)の領域から質量数43の二次イオンBO のイオン像を2視野得た。その各視野内について、粒界上における二次イオン強度平均値と粒内における二次イオン強度平均値とをそれぞれ求め、その各強度平均値の比を求めた。最後に、2視野におけるイオン強度比を算術平均し、その試料における濃度分布比とした。
旧オーステナイト粒界の確認は次のように行なった。固溶Bの濃度分布測定で用いた10mm角試料を再度用いて、検鏡試料とした。固溶Bの濃度分布測定で用いた試料に対し、圧延方向に平行なL断面を鏡面研磨し、水:500gに対しピクリン酸:50gを溶解させたピクリン酸水溶液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:11g、塩化第一鉄:1gおよびシュウ酸1.5gを添加したものを腐食液として作用させ、旧オーステナイト粒界を現出させた。その後1000倍の光学顕微鏡視野にて、旧オーステナイト粒界の確認を行った。
素材より、引張試験片(JIS5号)の形状に放電加工で切り出した。この試験片を高周波加熱によって920℃に加熱した後、即焼入れした。その後170℃で20分間の焼戻しをおこない、引張試験に供した。
マルエージ鋼(Fe−18Ni−10Co−5Mo−0.4Ti)においても冷間圧延までおこない、上記と同じ形状の試験片を切り出した後、820℃に加熱後、空冷によって焼入れし、520
℃加熱によってエージング処理を行った。
靭性の評価は上述と異なり、熱間圧延で15mm厚さとした。圧延材のC方向と一致するように2mmUノッチのシャルピー試験片を切り出した。試験片は、高周波焼入れにて920℃に加熱された後、即焼入れした。焼戻しは、170℃×30分間おこない、その後シャルピー試験に供した。試験温度は−40℃、40℃の2条件でおこない、その吸収エネルギーで比較することとした。
マルテンサイト組織の体積率、引張強度、全伸び、シャルピー吸収エネルギーの結果を表1中に示す。表1より、本発明の範囲内にある鋼は強度、伸びおよび靭性のバランスがマルエージ鋼を上回った。
Figure 2008111146
ここでは組織の影響を調べた。実験方法は全て実施例1と同じである。ただしマルテンサイトの体積率の影響を見るために、高周波加熱の温度に関して種々の条件を採用した。例えば、比較例においては、加熱温度を低くして未変態フェライト相の量を増やしたので、マルテンサイトの体積率が90%未満となった。実験結果を表2に示す。マルテンサイトの体積率が90%より低くなると強度が顕著に低下してしまうことがわかる。
Figure 2008111146
ここでは他の成分の効果を調べた。表3に示すような鋼を真空溶製にて製造した。以下の実験手法は実施例1と同じである。結果を表3中にまとめて示す。Cr、Tiが過度に含有されると、強度低下を招き、またNi、V、Nbについてはその効果が飽和することがわかる。
Figure 2008111146
ここでは、焼入れにおける加熱時の昇温速度の影響について調べた、実施例1における鋼No.1−4と同一の成分組成の鋼に対し、高周波加熱に変えて炉加熱を実施した。その後、実施例1と同一条件で焼戻しを行い、組織および特性の調査を行った。表4に、炉加熱を採用した場合(鋼No.4−1)の昇温速度、組織、特性について、高周波加熱の場合(表1中の鋼No.1−4)と比較して示す。
焼入れ時の加熱昇温速度が遅い炉加熱の場合、マルテンサイトのブロックサイズが大きくなり、2000MPa以上の強度で30J以上の40℃におけるシャルピー吸収エネルギーを達成できず、伸びも低下していることがわかる。
Figure 2008111146
ここでは、焼戻し温度の影響について調べた。実施例1における鋼No.1−4、鋼No.1−12と同一の成分組成の鋼に対し、実施例1と同一条件で焼入れまで行った後、焼戻し温度を260℃、380℃、450℃と変化させて実験を行った。その結果を表5に示す。
焼戻し温度が400℃以上になると、Bの粒界濃化が低くなり、その結果、40℃におけるシャルピー吸収エネルギーが顕著に低下することがわかる。
Figure 2008111146
次に、実工程で刃に加工した後の疲労耐久性について評価した。実施例1の外径100mmの棒鋼を縮径圧延後、粗切削してΦ22mm×108mmLの円柱(先端40mmのみ円錐形状)の刃状に加工し、その後、高周波熱処理によって焼入れ焼戻し処理を行って刃形状部品とした。図1に、当該掘削試験用の試験片1の形状を模式的に示した。(a)は側面からみた断面図、(b)は刃側からみた下面図である。図1中の数字の単位は、全てmmである。試験は実モード模擬の繰り返し打撃試験とした。マルゼン製ガソリン駆動MA−180型掘削機に装着し、掘削荷重40kgfでコンクリートを連続掘削し、破損または掘削が進まなくなるまでの繰り返し掘削時間によって刃寿命を評価した。実験に供した素材は、実施例1に記載の鋼No.1−1〜1−16、実施例5に記載の鋼No.5−1〜5−6、ならびにJIS G4404 SKS4およびJIS G4404 SKS43(このJIS G4404は1972年に改訂されたものを指す)である。焼入れ条件と焼戻し条件は、鋼No.1−1〜1−16が実施例1と、鋼No.5−1〜5−6が実施例5と、同一条件である。コンクリートの混合材質は1m3当りポルトランドセメント320kg、細骨材820kg、粗骨材960kg、水190kgを混合したもので、固化後28日を経過し圧縮強度29MPaのものを交換しつつ使用した。試験結果を表6に示す。発明例の鋼はマルエージ鋼とほぼ同等の回数であるが、比較例の鋼は、引張強度もしくは40℃におけるシャルピー吸収エネルギーが低いため、実部品疲労強度においても低下していることがわかる。また、焼戻し温度を400℃超えとしても疲労強度は低下している。また、鋼No.1−14を用いた場合より、Moを0.5%を超えて添加しても、一定以上の効果がないことがわかる。
Figure 2008111146
本発明鋼は、マルエージ鋼ならびに従来の耐衝撃工具用鋼を凌駕する優れた引張強度と靭性バランスおよび高い延性を有するので、従来これらが使用されていた部品に適用可能である。
掘削試験用の試験片の形状を模式的に示した図である。(a)は側面からみた断面図、(b)は刃側からみた下面図である。
符号の説明
1 掘削試験用試験片

Claims (14)

  1. 成分組成が、質量%で、C:0.30超〜0.5%、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、Al:0.025%以下、Mo:0.3〜0.5%、B:0.0005〜0.01%で、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、引張強度が2000MPa以上、40℃におけるシャルピー吸収エネルギーが30J以上であることを特徴とする掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼。
  2. 前記成分組成が、さらに、質量%で、Cr:2.5%以下、Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、V:0.5%以下の1種または2種以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼。
  3. 前記成分組成が、さらに、質量%で、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼。
  4. 成分組成が、質量%で、C:0.30超〜0.5%、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、Al:0.025%以下、Mo:0.3〜0.5%、B:0.0005〜0.01%で、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ、組織が体積率で90%以上のマルテンサイト組織で、該マルテンサイト組織を構成するブロックの大きさが1.5μm以下であり、さらに、固溶Bが0.0005%以上で該固溶Bが旧オーステナイト粒界上に旧オーステナイト粒内の1.5倍以上存在することを特徴とする掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼。
  5. 前記成分組成が、さらに、質量%で、Cr:2.5%以下、Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、V:0.5%以下の1種または2種以上を含むことを特徴とする、請求項4に記載の掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼。
  6. 前記成分組成が、さらに、質量%で、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項4または5に記載の掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼。
  7. 掘削または削岩工具刃用鋼は、厚さ20mm以下の板状、もしくは直径150mm以下の円柱状の形状であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼が用いられたことを特徴とする、掘削工具刃または削岩工具刃。
  9. 成分組成が、質量%で、C:0.30超〜0.5%、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、Al:0.025%以下、Mo:0.3〜0.5%、B:0.0005〜0.01%で、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材を、昇温速度100℃/s以上で加熱して焼入れた後に、100℃以上、400℃以下の温度にて焼戻すことを特徴とする掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼の製造方法。
  10. 前記成分組成が、さらに、質量%で、Cr:2.5%以下、Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、V:0.5%以下の1種または2種以上を含むことを特徴とする、請求項9に記載の掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼の製造方法。
  11. 前記成分組成が、さらに、質量%で、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項9または10に記載の掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼の製造方法。
  12. 成分組成が、質量%で、C:0.30超〜0.5%、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、Al:0.025%以下、Mo:0.3〜0.5%、B:0.0005〜0.01%で、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ厚さ20mm以下の板状、もしくは直径150mm以下の円柱状の形状の鋼素材を、昇温速度100℃/s以上で加熱して焼入れた後に、100℃以上、400℃以下の温度にて焼戻すことを特徴とする掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼の製造方法。
  13. 前記成分組成が、さらに、質量%で、Cr:2.5%以下、Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、V:0.5%以下の1種または2種以上を含むことを特徴とする、請求項12に記載の掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼の製造方法。
  14. 前記成分組成が、さらに、質量%で、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項12または13に記載の掘削工具刃用鋼または削岩工具刃用鋼の製造方法。
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