JP2008110359A - コイル状線材の矯正方法及び矯正装置 - Google Patents

コイル状線材の矯正方法及び矯正装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数個の矯正ローラを用いてコイル状の線材を直線状に矯正するときに、直線性の精度を従来よりも向上することができる矯正方法及び矯正装置を提供する。
【解決手段】コイル状の線材Mが戴置される回転自在な回転台と、該線材Mを繰り出すあるいは引き出す線材供給手段(送りローラ2)と、基台32に二列に互い違いに配置されるとともに回動自由でかつその外周面で該線材M両側面から交互に付勢する複数個の円板状の矯正ローラ31A〜31Eと、を備えるコイル状線材の矯正装置1において、前記回転台または前記基台32を傾ける傾動手段5と、繰り出されたあるいは引き出された前記線材Mの略円弧部分を含む平面と、複数個の前記矯正ローラ31A〜31Eによりつくられる矯正平面と、が成す変位角を小さくするように前記傾動手段5を逐次制御する制御手段と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、コイル状の線材を直線状に矯正する矯正方法及び矯正装置に関し、より詳細には複数個の矯正ローラを用いた矯正方法及び矯正装置における直線性の精度向上に関する。
ワークを圧造成形して所定形状の部品を製造する圧造機では、前段に線材の矯正装置及び切断装置が付属され、長尺の線材が所定長のワークに切断されて順次供給されるのが一般的である。鋼線などの線材は通常コイル状に巻回された状態で入荷するので、矯正装置は略円弧状に巻き癖のついた線材を直線状に矯正して、切断装置に供給する役割を有している。近年、部品の寸法精度向上に対する要求が厳しくなってきており、前提条件として線材及びワークの直線性の精度向上が重要な課題となっている。特に高精度な部品を製造する場合には直線状の線材を用いる場合もあるが、線材長が限られるため段取り作業が繁雑となり、また線材の歩留まりが悪く、コストも増加する。したがって、コイル状の線材であっても、高精度に直線状に矯正できる矯正装置が必要である。
この種の矯正装置には、複数個の矯正ローラを用いた装置が多用されている。例えば、本願出願人が特許文献1に開示した線材供給装置では、ターンテーブル(回転台)と送りローラと矯正ローラ群とが、2組並設されている。ターンテーブルはコイル状に巻回された線材を戴置する部位であり、送りローラは線材を繰り出す部位である。矯正ローラ群は、繰り出された線材を左右両側面から交互に付勢して、直線状に矯正する部位である。2組並設されているのは、交互に使用することで段取り時間を短縮するためである。
なお、ターンテーブルを保持するために、例えば特許文献2に開示されるスタンドを用いることができる。このスタンドは、ターンテーブルの下側にピストン及びシリンダを備えて昇降可能とし、線材の繰り出し高さを略一定に保つようにしている。
また、直線性の精度向上を図るために、2組の矯正ローラ群を直列に用いて、水平方向と垂直方向からの付勢を順次行う装置も実用化されている。
実開平6−29743号公報 特公平2−14136号公報
ところで、従来の矯正ローラ群を用いた矯正実験の結果によれば、矯正後の線材の直線性すなわち真直度に限界のあることが判明した。すなわち、線材の繰り出し元を矯正ローラ群がつくる矯正平面内に一致させ、矯正ローラの相互配置を各種変更して矯正を行ってみても、真直度がゼロになることはなく、限界があった。また、2つの矯正ローラ群を用いて水平、垂直両方向からの矯正を施しても、やはり、真直度には限界があった。この原因は、線材の略円弧状の巻き癖が矯正平面に一致せず、はみ出た状態で矯正されることによるものと判明している。
本発明は上記背景に鑑みてなされたものであり、複数個の矯正ローラを用いてコイル状の線材を直線状に矯正するときに、直線性の精度を従来よりも向上することができる矯正方法及び矯正装置を提供する。
本発明のコイル状線材の矯正方法は、回転自在な回転台に戴置されたコイル状の線材を繰り出しあるいは引き出し、二列に互い違いに配置された複数個の回動自由な円板状の矯正ローラの外周面で該線材を両側面から交互に付勢して、直線状に矯正するコイル状線材の矯正方法において、繰り出されたあるいは引き出された前記線材の略円弧部分の姿勢を、その略円弧部分を含む平面が複数個の前記矯正ローラによりつくられる矯正平面と一致するように、逐次制御することを特徴とする。
本発明の矯正方法では、鋼線や銅線などの線材はコイル状の形態で回転台に戴置され、一端から順次繰り出されあるいは引き出される。ここで、回転台と矯正ローラとの間に駆動源が配設されて矯正ローラに線材が押し込まれる構成の場合に「繰り出す」と記載し、矯正ローラと切断装置との間に駆動源が配設されて矯正ローラに線材が引き込まれる構成の場合に「引き出す」と記載し、両方を包含して「供給する」と記載している。いずれの場合でも、供給される線材には元のコイル形状に起因する略円弧状の巻き癖がついている。複数個の矯正ローラは、二列に互い違いに配置されて基準となる矯正平面をつくっており、さらに、円板状で回動自由とされている。したがって、供給された線材は、左右交互に矯正ローラの外周面に当接して付勢され、蛇行しながら進んでゆく。
このとき、線材は平面内の単純な円弧のつながりではなく、線材自体の周方向に捻りが加わって三次元的にうねりながら供給され、巻き癖による円弧と矯正平面との成す変位角が徐々に変化するのが実態であった。従来の技術では、線材の略円弧状の巻き癖が矯正平面と一致しない状態で矯正が行われていたため、十分な真直度が得られていなかった。本発明では、線材の略円弧部分の姿勢を逐次制御して、常に矯正平面と一致するようにしている。ここで言う略円弧部分を含む平面とは数学的に厳密な定義ではなく、工学的にほぼ平面と見做せることを意味している。すなわち、線材は厳密には三次元に曲がっているが、これから矯正を行う一部分に着目すれば、ほぼ二次元の円弧状と見做すことができ、さらに円弧を含む平面を把握することができる。そして、このような略円弧部分が連なった形状の線材が逐次供給されるものと考えることができる。
この略円弧部分を含む平面を矯正平面と一致させるように、すなわち線材を矯正平面内に保持するように、線材の姿勢を逐次制御する。例えば、線材の姿勢をセンサで検出しつつ、回転台または矯正ローラを逐次傾ける制御を行う。これは、回転台を回転自在とするだけでなく、回転軸心を揺動可能とすることによって、実現することができる。あるいは矯正ローラを支持する基台を傾動させるようにしてもよい。
さらに、前記線材の繰り出し元あるいは引き出し元が前記矯正平面内に収まるようにしておくことが好ましい。
線材がコイル状の部分から別れて出てくる繰り出し元あるいは引き出し元を、矯正平面内に収めることが好ましく、例えば駆動源に相当する前述の送りローラを矯正平面内に配置することで実現できる。あるいは、矯正平面内にガイドリングを適宜設けて線材を通過させるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明のコイル状線材の矯正方法によれば、線材の略円弧部分は、矯正平面内に保持された状態で、両側面から交互に付勢されて矯正される。このとき、従来のように線材が矯正平面からはみ出る現象は生じなく、線材は矯正平面内で蛇行する。したがって、線材の略円弧部分は、円弧の外側及び内側の真横から付勢され、高い直線精度で矯正される。
次に、本発明の矯正方法を実現する矯正装置について説明する。本発明のコイル状線材の矯正装置は、コイル状の線材が戴置される回転自在な回転台と、該線材を繰り出すあるいは引き出す線材供給手段と、基台に二列に互い違いに配置されるとともに回動自由でかつその外周面で該線材を両側面から交互に付勢する複数個の円板状の矯正ローラと、を備えるコイル状線材の矯正装置において、前記回転台または前記基台を傾ける傾動手段と、
繰り出されたあるいは引き出された前記線材の略円弧部分を含む平面と、複数個の前記矯正ローラによりつくられる矯正平面と、が成す変位角を小さくするように前記傾動手段を逐次制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
回転台は、コイル状の線材を戴置する部位であり、例えば線材の巻回されたドラムを固定した台が回転するようにして構成することができる。あるいはドラム自体を回転自在に保持するように構成してもよい。線材供給手段は、コイル状の線材を繰り出すあるいは引き出すことにより、矯正ローラに順次供給する部位である。線材供給手段は、矯正ローラの前方あるいは後方に配設され、例えば一対の送りローラや一組の移送フィンガを適用することができる。送りローラは、一対の円板状部材の間に線材を挟圧し、回転によって線材を供給すものである。移送フィンガは可動フィンガと固定フィンガとからなり、可動フィンガが線材を把持し供給方向に移動した後、固定フィンガが線材を固定保持し、可動フィンが線材を放して元の位置に戻る、という一連の動作により線材を供給するものである。複数個の矯正ローラは、二列に互い違いに配置されており、例えば、水平な基台上に、線材に対向して左右交互に適宜間隔を設けて配置することができる。矯正ローラは円板状であり、中心を枢支することによって回動自由とし、外周面で線材に当接し付勢するように形成することができる。
傾動手段は、前記回転台または前記基台を傾ける部位である。例えば、回転台を傾ける傾動手段として、回転台を枢支する軸の軸受け部を揺動させる機構部及び駆動源を組み合わせて構成することができる。また、基台を傾ける傾動手段として、例えば、基台を揺動可能に枢支する枢支部と、基台下部に設けたギヤ部及び駆動源と、を備えるようにしてもよい。駆動源には、例えばモータを用いることができ、正転あるいは逆転により所望の傾動制御を行うことができる。いずれか一方を傾けることにより、回転台と基台との相対角度が変化するので、回転台側の線材と基台側の矯正平面との相対角度が変化する。
制御手段は、線材の略円弧部分を含む平面と矯正平面とが成す変位角を小さくするように傾動手段を逐次制御する部位である。制御手段には、例えば、検出部、演算部、及び出力部を備えた電子制御装置を用いることができる。電子制御装置の検出部では、例えば光学的なセンサにより変位角を検出し、演算部で傾ける方向と角度とを求め、出力部で前記駆動源を逐次制御することができる。この変位角の検出と傾動の制御とを、リアルタイムのフィードバック制御で行うことにより、変位角を減少させ、好ましくはゼロとすることができる。
以上説明した本発明の矯正装置によれば、傾動手段により回転台または基台を傾けて、線材の略円弧部分と矯正平面とが成す変位角を小さく、好ましくはゼロとすることができる。したがって、線材の略円弧部分を含む平面を矯正平面と一致させる本発明の矯正方法を実行することができる。
本発明の矯正方法では、回転台または矯正ローラを逐次傾けて、供給された線材の略円弧部分を含む平面を矯正平面と一致させるので、略円弧部分は円弧の外側及び内側の真横から付勢され、高い直線精度で矯正される。
また、本発明の矯正装置は、傾動手段と制御手段とを備えて、変位角を減少させ、好ましくはゼロとするように逐次制御できるので、本発明の矯正方法を実行することができる。
まず、図1を参考にして、従来の矯正装置を説明する。図1は従来の矯正装置の要部を説明する図であり、(A)は平面図、(B)は正面図を示している。従来の矯正装置6は、コモンベース61上に水平矯正部8と垂直矯正部7とを備え、図中右方向の図略の回転台から供給された線材を直線状に矯正して、左方向へ供給するものである。
水平矯正部8は、コモンベース61上に水平に配置された水平基台81と、水平基台81と同じ水平面に配置されてその一端が水平基台81に保持される水平サブ基台82とを備えている。水平サブ基台82の他端側は、強力なばね部材83により水平基台81に向けて付勢されている。そして、水平基台81の上面に2個の矯正ローラ85B、85Dが、水平サブ基台82の上面に3個の矯正ローラ85A、85C、85Eがそれぞれ、水平姿勢で回動自由に設けられている。計5個の矯正ローラ85A〜85Eは、図中の右側から左側に向かって二列に互い違いに配置されて、中央には矯正路が形成されている。
垂直矯正部7は、水平矯正部8の左側に設けられ、コモンベース61上に垂直に配置された垂直基台71と、垂直基台71と同じ垂直面に配置されてその一端が垂直基台71に保持される垂直サブ基台72とを備えている。垂直サブ基台72の他端側は、強力なばね部材73により垂直サブ基台72に向けて付勢されている。そして、垂直基台81の一側面に2個の矯正ローラ75A、75Cが、垂直サブ基台72の同じ側の側面に2個の矯正ローラ75B、75Dがそれぞれ、垂直姿勢で回動自由に設けられている。計4個の矯正ローラ75A〜75Dは、図中の右側から左側に向かって二列に互い違いに配置され、中央には水平矯正部8から連なる矯正路が形成されている。
上記構成の矯正装置6において、線材は図中右側から矯正路に導かれ、まず水平姿勢の矯正ローラ85A〜85Eに順次当接してわずかに蛇行しながら左側に進み、次いで垂直姿勢の矯正ローラ75A〜75Dに順次当接してわずかに蛇行し、矯正が施される。このように、水平、垂直両方向から矯正しても、コイル状の線材を用いた場合には矯正後の真直度には限界があった。
次に、本発明を実施するための最良の形態を、図2を参考にして説明する。図2は本発明の実施例の矯正装置を模式的に説明する図である。実施例の矯正装置1は、図略の回転台と、送りローラ2と、5個の矯正ローラ31A〜31Eと、マーキング手段41及びマーカー検出手段42と、傾動手段5と、図略の制御手段と、で構成されている。
回転台には、例えば特許文献2に開示されるスタンドを用いることができる。このスタンドを用いることにより、コイル状の線材Mを消費しても、常に繰り出し元の高さを一定に保つことができる。送りローラ2は線材供給手段に相当する部位であり、一対の対向する円板状の部材が、ほぼ線材径に相当する間隔を開けて配設さている。送りローラ2は、図略の駆動源によって回転することにより、線材Mを挟圧し、矯正ローラ31A〜31Eに向けて繰り出すことができる。
5個の矯正ローラ31A〜31Eは円板状で、基台32上に二列に互い違いに配置され、それぞれの中心が枢支されて回動自由となっている。矯正ローラ31A〜31Eは、基台32よりもわずかに上方の一つの平面に配設されており、この平面が基準となる矯正平面である。また、線材Mが通過する中央の通路が矯正路である。矯正ローラ31A〜31Eの外周面の中央には、図1に示されるように溝が形成されており、線材が安定した高さで当接するようになっている。なお、矯正ローラの個数は5個に限定されない。
マーキング手段41は、矯正路の入口側に固設され、通過する線材Mに対して一定の方向から(図中の奥側から)マーカーを付与する手段である。マーカーにはインクなどを用いることができる。線材Mの外周面には長手方向に線状のマーカーが付与されることになる。一方、マーカー検出手段42は、矯正路の出口側に固設され、通過する線材Mのマーカーの回転角度を検出する手段である。回転角度は、矯正路の入口から出口までに至る線材Mの捻れ角に相当する量である。検出されたマーカーの回転角度がゼロのとき、すなわち線材Mが周方向に捻れることなく矯正路内を通過しているときには、線材Mの巻き癖の略円弧部分は矯正平面内にあり変位角はゼロと判明する。ある回転角度が検出されたときには、線材Mが捻れながら通過しており、線材Mの略円弧部分と矯正平面とが変位角を有していることが判明する。
傾動手段5は、基台32を傾ける部位であり、1組の枢支部51、51と、従動ギヤ52と、駆動ギヤ53と、駆動モータ54と、で構成されている。枢支部51、51は、基台32が矯正路を中心として左右に傾動できるように枢支する部位であり、転がり軸受けがベース59に固定されて形成されている。従動ギヤ52は、基台32の下部に下向きに固定された半円状のギヤである。駆動ギヤ53は、従動ギヤ52に噛合して、これを駆動するギヤである。駆動モータ54は、ベース59の底部内側に設けられ、その出力軸には上記の駆動ギヤ53が設けられている。なお、駆動ギヤ53にはウォームを適用してもよく、また減速機構を付加して所望する駆動トルク及び駆動速度に変換するようにしてもよい。
図略の制御手段は、マーカー検出手段42の検出結果に応じて、駆動モータ54を制御する手段である。すなわち、検出された線材Mの回転角度を基にして、基台32を傾ける方向と変位角を演算し、駆動モータ54に制御指令を送って制御する。線材Mは次々と繰り出され、検出される回転角度は逐次変化するため、制御は逐次リアルタイムで行われる。
以上説明した実施例の矯正装置1を用いて線材Mを矯正すれば、線材Mの略円弧部分と矯正平面とが成す変位角を小さくすることができる。したがって、線材Mの略円弧部分を含む平面を前記矯正ローラ31A〜31Eによりつくられる矯正平面と一致させる本発明の矯正方法を実行することができる。
なお、変位角を求める別法として二次元計測法がある。二次元計測法では、矯正路の入口側に距離計測手段を設けて、線材Mの矯正路からの水平変位と垂直変位とを計測する。すると、線材Mの略円弧部分の変位する方向が判明するので、演算によって変位角を求めることができる。この方法では、線材Mを複数点で拘束した状態で計測するため、非拘束状態における真の変位角を得るために、演算結果を補正するようにしてもよい。
以降の説明では、実験結果を引用して、実施例の矯正装置1の効果について記載する。図3は、実施例の矯正装置1と同様の5個の矯正ローラ35A〜35Eを用いて行った矯正実験の方法を説明する図であり、(A)は矯正ローラの配置を、(B)は変位角を、(C)は真直度を、それぞれ示している。実験に用いた線材Mは、機械構造用炭素鋼S45Cの直径D=6mmの丸棒である。矯正ローラ35A〜35Eの二列配置は、図3(A)に示すとおりであり、1番目と3番目と5番目のローラ35A、35C、35Eを矯正路の一方に一直線に配置し、他方には2番目と4番目のローラ35B、35Dを配置している。また、線材Mが通過する矯正路に対して、2番目のローラ35Bを押込量P2=3mmだけ押し込むとともに、4番目のローラ35Dを押込量P4=0.4〜0.9mmの範囲で条件変更して押し込み、押込量P2、P4の分だけ線材Mを蛇行させている。また、線材Mはコイル径1000mmとして略円弧状の巻き癖を施し、図3(B)に示されるように変位角Xを、(ア)の0°から(オ)の115°まで5段階に変えている。すなわち、線材を繰り出す方向を意図的に変えて、略円弧部分を含む平面と矯正平面との成す変位角Xを変え、繰り返して実験している。そして、下式及び図3(C)に示されるような真直度Kを矯正後の各線材Mで求めることにより、矯正効果を評価している。
真直度K = 4×Q/(L×L)
ただし、Lは線材Mの基準長さであり、Qは線材の姿勢を上下で変えたときの最大変歪量である。
上述の要領で行った矯正実験の結果は図4に示すとおりであり、変位角Xが(ア)の0°のときに、最も矯正効果の大きいことが判明した。図4で、横軸は4番目のローラ35Dの押込量P4、縦軸は得られた真直度Kを示し、5本のグラフはパラメータとして変位角Xを変えた場合を示している。図示されるように、変位角Xが(ア)の0°で押込量P4=0.5mmのとき、真直度Kはゼロとなり、ほぼ完全な直線に矯正されることが判明した。一方、変位角Xが0°でない(イ)から(オ)の場合には、押込量P4を変えても真直度Kはゼロとならないこと、及び変位角Xが大きいほど真直度が低下して矯正の困難なことが判明した。なお、真直度Kの負号は、押込量P4が過大なために略円弧部分が反対側にまで過矯正されたことを意味している。
以上の実験結果から、変位角Xを小さくすること、好ましくはゼロとすることが、矯正性能を向上する上で肝要であると判明した。本発明の矯正方法及び矯正装置は、これを実現するものである。
従来の矯正装置の要部を説明する図であり、(A)は平面図、(B)は正面図を示している。 本発明の実施例の矯正装置を模式的に説明する図である。 図2の実施例と同様の5個の矯正ローラを用いて行った矯正実験の方法を説明する図であり、(A)は矯正ローラの配置を、(B)は変位角を、(C)は真直度を、それぞれ示している。 図3に示す要領で行った矯正実験の結果を示すグラフである。
符号の説明
1:矯正装置
2: 送りローラ(線材供給手段)
31A〜31E、35A〜35E:矯正ローラ
32:基台
41:マーキング手段 42:マーカー検出手段
5:傾動手段
51:枢支部 52:従動ギヤ 53:駆動ギヤ 54:駆動モータ
6:従来の矯正装置
7:垂直矯正部 8:水平矯正部
M:線材 D:線材の直径
P2、P4:矯正ローラの押込量
X:変位角
K:真直度 L;線材の基準長さ Q:線材の最大変歪量

Claims (3)

  1. 回転自在な回転台に戴置されたコイル状の線材を繰り出しあるいは引き出し、二列に互い違いに配置された複数個の回動自由な円板状の矯正ローラの外周面で該線材を両側面から交互に付勢して、直線状に矯正するコイル状線材の矯正方法において、
    繰り出されたあるいは引き出された前記線材の略円弧部分の姿勢を、その略円弧部分を含む平面が複数個の前記矯正ローラによりつくられる矯正平面と一致するように、逐次制御することを特徴とするコイル状線材の矯正方法。
  2. 前記線材の繰り出し元あるいは引き出し元が前記矯正平面内に収まるようにした請求項1に記載のコイル状線材の矯正方法。
  3. コイル状の線材が戴置される回転自在な回転台と、該線材を繰り出すあるいは引き出す線材供給手段と、基台に二列に互い違いに配置されるとともに回動自由でかつその外周面で該線材を両側面から交互に付勢する複数個の円板状の矯正ローラと、を備えるコイル状線材の矯正装置において、
    前記回転台または前記基台を傾ける傾動手段と、
    繰り出されたあるいは引き出された前記線材の略円弧部分を含む平面と、複数個の前記矯正ローラによりつくられる矯正平面と、が成す変位角を小さくするように前記傾動手段を逐次制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするコイル状線材の矯正装置。
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