JP2008108406A - 光記録媒体駆動装置、層数判定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときの反射光信号の変化点の発生パターンが、単層ディスクの場合に生じ得るノイズ光も含めた発生パターンの何れかに合致するか否かを判別した結果に基づき単層/多層の判定を行う。これにより反射光信号にノイズ光が載る場合にも、単層ディスクであるかそれ以外の多層ディスクであるかの判定を適正に行うことができる。またこのような手法は層数判定にあたりサーボをかける必要がなく、その分ディスクに記録される物理情報から層数情報を取得する場合よりも高速な判定動作が可能となる。
【選択図】図4
Description
或いは、ディスク種別が同じ場合であっても、記録層を複数有する多層ディスクが存在する場合には、その層数を確認する必要がある。
ディスク種別が異なる場合、それぞれ最適とされる光学的なパラメータなどが異なるので、サーボをかけてデータを読み出すにあたっては対応する全ての種別についてのパラメータを試すなどの必要があり、その意味で上記物理情報に基づくディスク種別や層数についての判定を行う場合には相応の時間を要する。この点で、判定動作を高速に行う上での妨げとなってしまう。
つまり、少なくとも光記録媒体に対して接離する方向となるフォーカス方向に移動可能に保持された対物レンズを介し、上記光記録媒体に対してレーザ光を照射すると共に、上記レーザ光の照射に応じて得られる上記光記録媒体からの反射光の検出を行うヘッド手段を備える。
また、上記対物レンズを上記フォーカス方向に駆動するフォーカス手段と、上記ヘッド手段で検出された反射光に基づく反射光信号を生成する信号生成手段とを備える。
さらに、上記フォーカス手段により上記対物レンズを駆動させ、そのときの上記反射光信号を入力しその変化点を検出すると共に、検出した上記変化点の発生パターンが、上記光記録媒体が単層ディスクである場合に生じ得るノイズ光を含めた発生パターンの何れかに合致するか否かを判別した結果に基づき、上記光記録媒体が単層ディスクであるか多層ディスクであるかの判定を行う制御手段を備えるものである。
また、上記のようにして対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときの反射光信号の変化点の発生パターンが、単層ディスクの場合に生じ得るノイズ光も含めた発生パターンの何れかに合致するか否かを判別する判定動作とすることで、本来生じるべきでないノイズ光が生じる場合にも、単層/多層の判定を適正に行うことができる。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態としてのディスクドライブ装置の内部構成について示すブロック図である。
このディスクドライブ装置としては、図示する光ディスクDとして、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)のそれぞれに対応可能に構成される。また、これに伴い、図中光ピックアップ1としては、波長λ=780nm、650nm、405nmのそれぞれ波長の異なるレーザ光を共通のレーザダイオード及び共通の対物レンズを用いて照射するように構成された、いわゆる3波長単眼式のピックアップが採用されている。
また、このディスクドライブ装置は、データ再生のみが可能な再生専用装置とされる。この場合、ピット・ランドの組み合わせでデータが記憶される再生専用のROMディスクとしての光ディスクDのみでなく、記録可能型として、ライトワンス型やリライタブル型の光ディスクDについての再生も可能とされる。
そして再生時には、光ピックアップ(光学ヘッド)1によって光ディスクD上のトラックにピット或いはマークで記録された情報の読出が行われる。
なお、光ディスクDには、再生専用の管理情報として、例えばディスクの物理情報等がエンボスピット又はウォブリンググルーブによって記録されるが、これらの情報の読出も光ピックアップ1により行われる。さらに記録可能型の光ディスクDに対しては、グルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたADIP情報が記録されているが、その読み出しも光ピックアップ1によって行うことができる。
光ピックアップ1内において、上記対物レンズは2軸機構によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。
また光ピックアップ1全体はスレッド機構3によりディスク半径方向に移動可能とされている。
また光ピックアップ1におけるレーザダイオードはレーザドライバ9からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
マトリクス回路4には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データに相当するRF信号(再生データ信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEなどを生成する。
また、グルーブのウォブリングに係る信号、即ちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号PPを生成する。
さらに本実施の形態の場合、後述する層数判定動作時に用いられるプルイン(Pull in)信号PIも生成する。なお、ここで言うプルイン信号PIとは、再生データ信号のエンベロープである。
また、プルイン信号PIはシステムコントローラ10に対して供給される。
データ信号処理回路5において、上記2値化処理により得られた2値データ列は後段のデコード部7に対して供給される。また、生成された上記再生クロックは、図示は省略したが各部の動作クロックとして供給される。また検出された同期信号はデコード部7に対して供給される。
再生時においては、上記データ信号処理回路5で復号された2値データ列、及び同期信号に基づく復調タイミングで示されるタイミングで、上記2値データ列に対する復調処理を行い、再生データを得る。デコード部7で再生データにまでデコードされたデータは、ホストインタフェース8に転送され、システムコントローラ10の指示に基づいてホスト機器100に転送される。ホスト機器100とは、例えばコンピュータ装置やAV(Audio-Visual)システム機器などである。
また、デコードされたアドレスデータは、システムコントローラ10に対して供給される。
ウォブル信号処理回路6は、システムコントローラ10からの指示に基づき、マトリクス回路4からのプッシュプル信号PPからこのように光ディスクDのウォブリンググルーブによって記録された情報を検出し、これをシステムコントローラ10に対して供給する。
即ちフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに応じてフォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号を生成し、これらを2軸ドライバ14に供給することで、光ピックアップ1内の2軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを上記各サーボ信号に応じたドライブ信号により駆動制御する。これによって光ピックアップ1、マトリクス回路4、サーボ回路11、2軸ドライバ14、2軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
またサーボ回路11は、システムコントローラ10からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、ジャンプパルスを出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
また、サーボ回路11は、フォーカスバイアスの設定も可能に構成される。すなわち、システムコントローラ10からの指示に基づくフォーカスバイアスを上述したフォーカスサーボループに対して加算することができる。
スピンドルサーボ回路12は、データ信号処理回路5にて生成される再生クロックを現在のスピンドルモータ2の回転速度情報として得、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
なお、光ディスクDが記録可能型ディスクである場合には、ウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを現在のスピンドルモータ2の回転速度情報として得ることができるので、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成することもできる。
そしてスピンドルサーボ回路12は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルドライバ16によりスピンドルモータ2のCLV回転を実行させる。
またスピンドルサーボ回路12は、システムコントローラ10からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ2の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
システムコントローラ10は、ホストインタフェース8を介して与えられるホスト機器100からのコマンドに応じて各種処理を実行する。
例えば、ホスト機器100から光ディスクDに記録されている或るデータの転送を求めるリードコマンドが供給された場合、システムコントローラ10は、まず指示されたアドレスを目標としてシーク動作制御を行う。即ちサーボ回路11に指令を出し、シークコマンドにより指定されたアドレスをターゲットとする光ピックアップ1のアクセス動作を実行させる。
その後、その指示されたデータ区間のデータをホスト機器100に転送するために必要な動作制御を行う。即ち光ディスクDから読み出される信号(再生データ信号)についてデータ信号処理回路5、デコード部7における再生処理を実行させ、要求されたデータを転送する。
もちろん光記録媒体駆動装置の構成例としては他にも多様に考えられ、例えば記録が可能な構成とすることもできる。すなわち、本発明の光記録媒体駆動装置としては、記録再生装置、及び記録専用装置の形態もあり得る。
特に、BDについてのSLとDLの判定を行う。
しかしながら、光ディスクからデータを読み出すにあたっては、フォーカスサーボ・トラッキングサーボがかけられている必要がある。そのため、上記物理情報に基づく層数判定を行う場合には相応の時間を要し、判定動作の高速化の妨げとなる。
このようにして、対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときに光ディスクから得られる反射光信号に基づき行う層数判定としては、例えば以下のような考えに基づき行うことができる。
先ず、記録層が1つのみの単層ディスクであれば、図2(a)に示されるようにして表面での反射光、記録層での反射光のそれぞれに基づく2つの変化点(ピーク位置)が得られるべきものとなる。また、記録層を2つ有するディスクであれば、図2(b)に示されるようにして表面反射光と、2つの記録層反射光(第1記録層及び第2記録層)とのそれぞれに基づく計3つの変化点が得られるべきものとなる。
従って、層数判定としては、対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときの反射光信号について、その変化点が2点のみである場合には単層ディスクであると判定でき、また変化点が3点であったときは2層ディスクであるとの判定を行うことができる。
図示するようにして、3波長単眼式のピックアップにより単層のBDにレーザ光を照射した場合、表面及び記録層での反射光の他に、表面の反射光の前に表面反射前ノイズ光、表面の反射光の内部に表面反射内ノイズ光、記録層の反射光の後に記録層反射後ノイズ光、のそれぞれが生じる可能性がある。
さらに、このようなノイズ光は、記録層の反射光に基づいて生じるものである。図3では単層のBDの場合にノイズ光の生じうる位置を示したものであるが、2層の場合には記録層が増える分、ノイズ光の生じうる位置のパターンはさらに複雑化するものとなる。
このような反射光信号に基づく層数判定を行うことができなければ、上述したようにしてサーボをかけて光ディスクDに書かれている物理情報を読み出す必要があり、その分判定動作の高速化の妨げとなってしまう。
そもそも、BDとしては、現状では単層(SL:Single Layer)と2層(DL:Dual Layer)との2種しか存在しない。そこで、本実施の形態では、ノイズ光の発生パターンが最もシンプルなSLについて、これを間違いなくSLと判定し、それ以外のものはすべてDLと判定することでSL/DLの判定を行うものとする。
この図4に示されるように、単層のBDの場合に生じ得るノイズ光も含めた反射光信号の変化点の発生パターンとしては、図4(a)の[表面反射光、記録層反射光、記録層反射後ノイズ光]のそれぞれに基づく3点が得られるパターンと、図4(b)の[表面反射前ノイズ光、表面反射光、記録層反射光]のそれぞれに基づく3点が得られるパターンと、図4(c)の[表面反射前ノイズ光、表面反射光、記録層反射光、記録層反射後ノイズ光]のそれぞれに基づく4点が得られるパターンとの、計3パターンがある。
また、この図4では、単層のBDの場合に生じ得る変化点の発生パターンとして、ノイズ光が生じる場合のパターンのみについて示しているが、実際にはノイズ光が全く生じないといったケースもあり得る。すなわち、表面反射光、記録層反射光のそれぞれに基づく2つの変化点のみが得られる場合である(図2(a)参照)。
このことから、単層のBDの場合に生じ得る変化点の発生パターンとしては、このようなノイズ光の全く生じないパターンも含めて、計4パターンとなる。
すなわち、この判別結果に基づきSLをSLとして適正に判定することができるもので、ひいてはSL/DL(単層/多層)の判定を適正に行うことができるものである。
すなわち、記録層反射光に対し、各ノイズ光及び表面反射光のレベルは最高でも1/2を超えることはないものであり、従って記録層反射光に基づく変化点のレベルと比較して1/2以下のものは、ノイズ光または表面反射光に基づく変化点であるとの識別が可能となる。
先ず、層数判定を行うにあたっては、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボをかけない状態で、装填された光ディスクDに対するレーザ光照射を実行させると共に、対物レンズをフォーカス方向に駆動させそのときに得られるプルイン信号PIをマトリクス回路4から入力する。そして、このように得られるプルイン信号PIの変化点とそのレベルを検出し、それらの情報を保持する。これによって変化点の数と、それぞれの変化点でのプルイン信号PIのレベルの情報とを取得する。
従って、このように変化点の数nが5以上であるか否かの判別を行って、n≧5である場合にはDLであると判定する。
ここで、この時点では既に、表面反射光の前に表面反射前ノイズ光が検出されるケースであることが確定しているので、1番目=表面反射前ノイズ光、2番目=表面反射光、3番目=記録層反射光であることが確定している。そこで、4番目が記録層反射後ノイズ光に基づく変化点であるとすれば、3番目に検出された変化点のレベル(V3)に対し、4番目に検出された変化点のレベル(V4)が1/2以下となっているか否かを判別すれば、4番目が記録層反射後ノイズ光であるか否かを判別することができる。すなわち、図4(c)のSLのケースであるか否かを判別できる。
具体的には、例えばV3/V4≧2であるか否かを判別する。そして、その結果V3/V4≧2であれば、SLと判定する。
また、V3/V4≧2でないとすれば、4番目は記録層の反射光に基づくものとなるので、その場合は記録層の反射光が2つ検出されたことになる。このため、V3/V4≧2でないとされた場合は、DLと判定する。
そこで、n=3である場合には、2番目の変化点のレベル(V2)に対して3番目の変化点のレベル(V3)が1/2以下となっているか否か(例えばV2/V3≧2であるか否か)を判別する。この判別の結果、V2/V3≧2であるとされた場合は、図4(a)のケースと合致するので、SLと判定する。
一方、V2/V3≧2でないとされた場合は、3番目がノイズ光でなく記録層の反射光であるということになるので、DLと判定する。
n≧3ではないとして否定結果が得られた場合、変化点の数nは「1」ということになり、矛盾が生じる。このためステップS103にて否定結果が得られた場合は、ステップS112のエラー処理として、予め定められた所定の処理を実行する。
ステップS104において、n≧5であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS111に進んでDLであるとの判定を行う。
ステップS105において、V3/V1≧2且つV3/V2≧2であり、V1とV2とが共にV3に対して1/2以下となっているとして肯定結果が得られた場合は、表面反射前ノイズ光が発生していることが確定するため、ステップS106に進み、変化点の数nが「3」(n=3)であるか否かについて判別処理を行う。つまり、これによって図4(b)のケースであるか否かの判別が行われる。
ステップS106において、n=3であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS110に進んでSLであるとの判定を行う。
このステップS107に至る過程では、既に表面反射前ノイズ光が生じるケースであって且つ変化点の数nが「4」であることが確定しているので、SLである場合に残されたケースは図4(c)のケースのみとなる。このため当該ステップS107は、上記の判別処理によって、4番目に検出された変化点が記録層反射後ノイズ光に基づくものであるか否かを判別し、図4(c)のケースであるか否かを確認しようとするものである。
一方、V3/V4≧2でなく、V3に対しV4が1/2以下になっていない(つまり4番目に検出された変化点が記録層反射後ノイズ光に基づくものでない)として否定結果が得られた場合は、4番目は他の記録層の反射光ということになるので、ステップS111に進みDLであるとの判定を行う。
ステップS108において、n=3ではないとして否定結果が得られた場合は、変化点の数nが「4」で、且つ表面反射前ノイズ光が生じないケースとなり、図4に示した何れのケースにも当てはまらない。このため、ステップS108にて否定結果が得られた場合は、ステップS111においてDLであるとの判定を行う。
このステップS109に至る過程では、既に表面反射前ノイズ光が生じていないことが確定していることから、1番目=表面反射光、2番目=記録層反射光であることが確定している。また、上記ステップS108の判別結果から変化点の数nは「3」であることが確定している。このとき、SLとして残されたケースは図4(a)のケースのみとなることから、当該ステップS109では、上記のようにしてV2に対しV3が1/2以下となっているか否かについて判別することで、3番目が記録層反射後ノイズ光であるか否かの確認、つまり図4(a)のケースであるか否かの確認を行っている。
一方、V2/V3≧2ではなく、V2に対してV3が1/2以下とはなっていない(つまり3番目が他の記録層反射光である)として否定結果が得られた場合は、ステップS111に進みDLであるとの判定を行う。
但し、このように実際に検出した反射光信号の変化点の数と所定の変化点間のレベル差とが、単層ディスクの場合に生じうる変化点の発生パターンに基づき設定された所定条件を満たすか否かについて判別を行う手法については、以下のような変形例も可能である。
その上で、先ずはこの場合も変化点の数nが「2」であるか否かを判別し、n=2であればSLと判定する。また、n=2でない場合はn≧3であるか否かについて判別し、n≧3でない場合はエラー扱いとする。
すなわち、図4(a)のように表面反射前ノイズ光が無く且つ記録層反射後ノイズ光が有る場合には、V2に対しV3が1/2以下となるので、これを確認しようとするものである。
この場合、表面反射前ノイズ光がなければ、1番目は必ず表面反射光となるので、上記のようにV2に対しV3が1/2以下となっていれば、2番目は記録層反射光であるということが確定する。また、このようにV3がV2の1/2以下であれば、3番目の変化点はノイズ光(記録層反射後ノイズ光)であるということも判明する。従って、上記のようにV2/V3≧2か否かを判別すれば、表面反射前ノイズ光が無く且つ記録層反射後ノイズ光が有るか否かを確認できるものである。
一方、n=3でない場合は、図4(a)に対してさらに4番目以降が存在することになり、SLのケースに合致しない。すなわち、DLと判定する。
つまり、先の例の場合と同様に、1番目の変化点のレベル(V1)と2番目の変化点のレベル(V2)とが、共に3番目に検出された変化点のレベル(V3)に対して1/2以下となっているか否かを判別する。具体的には、例えばV3/V1≧2且つV3/V2≧2であるか否かを判別する。この条件が満たされれば、3番目が記録層反射光で、1番目・2番目が共に記録層反射光以外の他の光であることが判明する。このとき、1番目・2番目の何れかは表面反射光であることになるので、残る1つは表面反射前ノイズ光であることになる。つまり、これによって1番目=表面反射前ノイズ光、2番目=表面反射光であるということが確定することになり、結果、図4(b)(c)の何れかの可能性があるパターンであるということが判明する。
V3/V4≧2ではなく、V3に対しV4が1/2以下になっていないとされた場合は、4番目の変化点は他の記録層反射光によるものと判明するので、DLと判定する。
よって、さらに変化点の数nが「4」であるか否かを判別し、n=4であれば図4(c)のケースとなるのでSLと判定する。また、n=4でなければSLの場合に生じ得る何れのケースにも合致しないことから、DLと判定する。
先ず、ステップS202(PIS変化点の検出処理)、S202(n=2か否かの判別処理)、S203(n≧3か否かの判別処理)では、それぞれ先の図5に示したステップS101、S102、S103と同様の処理を実行する。そして、ステップS202にて肯定結果が得られた場合は、ステップS210にてSLと判定する。また、ステップS203にてn≧3ではないとして否定結果が得られた場合は、n=1となって矛盾するので、ステップS212に進み先のステップS112と同様のエラー処理を実行する。
V2/V3≧2であり、V2に対しV3が1/2以下になっているとして肯定結果が得られた場合は、ステップS205に進み、変化点の数nが「3」(n=3)であるか否かについて判別処理を行う。
一方、ステップS205においてn=3ではないとして否定結果が得られた場合は、図4(a)に対してさらに4番目以降が存在することになり、SLである場合の何れのケースにも合致しないので、ステップS211に進んでDLとの判定を行う。
この条件が満たされれば、図4(b)(c)の何れかの可能性があるパターンであるということが判明する。
V3/V4≧2ではなく、V3に対しV4が1/2以下になっていないとの否定結果が得られた場合は、4番目の変化点は他の記録層反射光によるものと判明するので、ステップS211に進みDLとの判定を行う。
n=4であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS210に進みSLであるとの判定を行う。
一方、n=4でないとして否定結果が得られた場合は、ステップS211に進みDLであるとの判定を行う。
例えばこれまでの説明では、反射光信号の変化点の発生パターンが単層ディスクである場合に生じ得るノイズ光を含めた発生パターンの何れかに合致するか否かを判別するための具体的手法として、実際に検出した反射光信号の変化点の数と所定の変化点間のレベル差とが、単層ディスクの場合に生じうる変化点の発生パターンに基づき設定された所定条件を満たすか否かについて判別を行う手法のみを例示したが、他の手法を採ることもできる。
例えば、図4に示したような単層ディスクの場合に生じ得る反射光信号の各パターンの波形と、実際に検出された反射光信号の波形との相関性を調べた結果に基づき、実際に検出された反射光信号の波形のパターンが何れかのパターンに合致するか否かを判別することもできる。
但し、相関計算は比較的処理量が多いことから、層数判定動作の時間短縮・処理負担軽減の面で好ましくない。これに対し、実施の形態で例示したような反射光信号の変化点の数と所定の変化点間のレベル差とが所定条件を満たすか否かについて判別を行う手法を採る場合には、必要な処理は少なくとも変化点検出、除算などの比較的簡易な演算処理や数値の大小関係の比較処理など、処理負担は相当に少なくすることができる。この点で、実施の形態で例示した手法を採る場合の方が、層数判定動作に要する時間は格段に高速化することができる。
例えば他の種類の光ディスク記録媒体の場合であっても、単層ディスクの場合のノイズ光の発生パターンが図4と同様であれば、先に例示した手法による層数判定を行うことで、同様に単層/多層の別を判定することができる。また、規格上、単層と2層との2種しか存在しないのであれば、全ての光ディスク記録媒体について単層/2層の何れであるかの判定を適正に行うことができる。
また、単層ディスクの場合のノイズ光の発生パターンが図4に示したものと異なる場合には、そのパターンと実際に得られたパターンとについて、実際に得られたパターンがそれら何れかのパターンに合致するか否かを判別した結果に基づくことで、単層/多層の別を適正に判定することができる。そしてこの場合も、規格上単層と2層との2種しか存在しない場合には、同様に単層/2層の何れかであるかの判定を適正に行うことができる。
ここで、本発明の層数判定手法は、ノイズ光が生じない場合に適用しても、単層/多層の別を誤判定する虞はないものとなる。従って、複数波長単眼式以外の光ピックアップが採用される場合で、ノイズ光が生じない場合であっても、本発明を適用して何ら問題は生じない。
むしろ、複数波長単眼式以外の光ピックアップを採用する場合でも、将来何らかの原因でノイズ光が生じる可能性もあり得る。そのような場合に本発明を適用すれば、実施の形態の場合と同様に、単層/多層の別の判定(規格上、単層/2層の2種のみであれば単層/2層の別の判定)を適正に行うことが可能となる。
続いて、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、光ディスクDの種別の判定を、第1の実施の形態と同様に対物レンズをフォーカス方向に駆動したときの反射光信号の変化点を検出した結果に基づき行うものである。
なお、第2の実施の形態としても、ディスクドライブ装置の構成としては図1に示したものと同様となるので改めての説明は省略する。
このようにしてBD系から優先的に判定が行われるのは、BDが最新の規格で、最新の規格のディスクほどその使用頻度が高いという推測に基づいてのことである。
図7は、対物レンズをフォーカス方向に駆動したときに得られる反射光信号(例えばプルイン信号PI)の変化点の検出パターンを、BDのSLの場合(図7(a))、DVDのSLの場合(図7(b))、CDの場合(図7(c))のそれぞれについて示している。
ディスク表面から記録層までの距離は、BDの場合でおよそ0.1mm、DVDの場合およそ0.6mm、CDの場合はおよそ1.2mmとされる。従って、図示するように表面の変化点の検出タイミングから記録層の変化点の検出タイミングまでの差は、BDの場合0.1mm相当、DVDの場合0.6mm相当、CDの場合1.2mm相当の時間差となる。
このことから、検出された各変化点間の時間差を求めることで、BD/DVD/CDの大まかなディスク種別を判定することができるものである。
しかしながら、このようにしてBD用のレーザを用いて反射光検出を行うと、先に述べたようにBD/DVD/CDでそれぞれ記録層位置が違うことからも理解されるように、DVD・CD系の光ディスクDであった場合は、その記録層までフォーカス位置を到達させることができない虞がある。
また、BD用のレーザでは、特に記録済みのDVD−RW,DVD+RW,CD−RWについて、記録層からの充分な反射光信号を得ることができず、結果として記録層の変化点が検出されなくなってしまうという可能性もある。
すなわち、これらのことによると、上記のようにBD用のレーザから起動させて種別判定を行うことに伴っては、次の図8に示されるようにしてDVDの場合(図8(a))、CDの場合(図8(b))で共に記録層の変化点が検出されなくなってしまう可能性があることになる。
この点で、先の図7に示したような記録層位置の違いに基づくディスク種別の判定では、ディスク種別を適正に判定することができなくなってしまう。
このことにより、BD/DVD/CDの大別に際し先ず始めに行われるべきBD/DVD・CD(BDかそれ以外か)の判定を行うにあたっては、上述したような変化点の数のみに基づく判定としてしまったのでは適正な判定動作とすることができなくなってしまう。
これに伴っては光ディスクDの装填から起動までのユーザの待ち時間が増えるので、その分ユーザに不快感を与えてしまうという問題が生じる。
そして、このようにレーザ光照射を実行させた状態で、対物レンズをフォーカス方向に駆動させ、そのときに得られる反射光信号としてマトリクス回路4からのプルイン信号PIを入力する。その上で、このように得られるプルイン信号PIの変化点とそのレベルを検出し、それらの情報を保持する。これによって変化点の数nと、それぞれの変化点でのプルイン信号PIのレベルの情報とを取得する。
BD用のレーザ光を照射しているので、変化点検出を行った光ディスクD上の位置に付着物や傷がないとすると、
・BD-SLの場合・・・「表面・記録層」
・BD-DLの場合・・・「表面・第1記録層・第2記録層」
となる。すなわちBDであって付着物や傷がないとされる場合、検出される変化点の数nは必ず2以上となる。
・BD-SLの場合・・・「記録層のみ」
・BD-DLの場合・・・「第1記録層・第2記録層」
となる。
そのために第2の実施の形態では、ディスク表面の反射率と記録層での反射率との差を利用する。すなわち、ディスク表面の反射率は、各種別でおよそ4〜5%であるのに対し、BDの記録層の反射率は規格上12〜70%となっているので、その差を利用する。
この判別の結果、検出した変化点が表面のものであるとされた場合は、先の図8に示した何れかのケースとなるので、DVD・CD系のディスクであると判定する。
この点を考慮すると、上述のようにして変化点の数nが2以上であることを以て直ちにBD系であるとの判定を行うと、DVD・CD系をBDであると誤認してしまう可能性がないとは言えないことになる。
そこでこの点を利用し、変化点の数nが2以上であってBD/DVD・CDの双方の可能性があるとされる場合には、検出された1番目と2番目の変化点について、それらの間が0.1mm以下(つまりBD)か、0.6mm以上(つまりDVD・CD系)かを判別すれば、BD/DVD・CDを判定することができる。
具体的にこの場合は、検出された2以上の変化点のうち1番目と2番目の変化点の検出タイミング差が、例えば0.3mm相当以下の時間長であるか否かを判別し、0.3mm相当以下となっていればBDと判定し、それ以外ならDVD・CD系と判定する。
具体的には、変化点の数nが「1」であるか否かを判別し、「1」である場合には再度、その変化点のレベルが反射率4〜5%に相当するレベルであるか否かを判別する。この条件が満たされればDVD・CD系と判定する。
ここでもし仮に、このような反射率の条件が満たされなかった場合は、再度のリトライは行わず、エラー扱いとする。すなわち、ここに至るまでの流れでは、1度目のリトライで変化点の数nが「1」とされ、そのレベルが表面のレベルではないことが確定したことになるが、これはBD,DVD,CDの何れの場合にも合致しないパターンとなる。このため、上記のようにしてエラー扱いとするものである。
このように変化点の数nが「0」であった場合は、先に説明したものと同様のリトライを行って、光ディスクD上の異なる位置で再度変化点検出を行う。そして、このリトライにより検出された変化点について、先に説明したものと同様、その数nやレベルについての条件判定を再度行う。
具体的には、先ずは変化点の数nが「2」以上であるか否かを判別し、2以上であれば1番目と2番目の変化点の間が0.3mm相当以下の間隔となっているか否かを判別し、この条件が満たされればBDと判定し、満たされなければDVD・CD系と判定する。
一方、2以上でないとされた場合は、変化点の数nが「1」であるか否かを判別し、「1」であれば先に述べたようにその変化点のレベルが反射率4〜5%に相当するレベルであるか否かを判別し、この条件が満たされればDVD・CD系と判定する。また、このように変化点の数nが「1」とされた後、反射率についての条件が満たされなかったときには、この場合も既に1度のリトライを行ったということで、再度のリトライは行わずにエラー扱いとする。
なお、この図に示す処理動作はシステムコントローラ10が例えば内部のROM等に格納されたプログラムに基づいて実行するものである。
そして、続くステップS302では、変化点の数n≧2であるか否かを判別する。
変化点の数n≧2ではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS303に進み、変化点の数n=1であるか否かを判別する。
変化点のレベルが上記所定閾値以下であるとして肯定結果が得られた場合はステップS305に進み、DVD・CD系と判定する。
リトライ処理が既に行われているとして肯定結果が得られた場合は、ステップS307に進み、エラー処理として予め定められた所定処理を実行する。
このステップS308の処理を実行した後は、図示するようにしてステップS302に戻るようにされる。これによって変化点の数nやレベルについての条件判定が再度実行されることになる。
リトライ処理が既に行われているとして肯定結果が得られた場合は、ステップS309に進んで「No Disc」と判定する。
一方、リトライ処理が行われていないとして否定結果が得られた場合は、ステップS311において先のステップS308と同様のリトライ処理を実行した後、ステップS302に戻るようにされる。
一方、1番目の変化点〜2番目の変化点が0.3mm相当以下であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS313に進みBDと判定する。
続いて、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、BD系の光ディスクDについて、その種別に応じた最適なトラッキング方式を選択するものである。
なお、第3の実施の形態においても、ディスクドライブ装置の構成としては先の図1に示したものと同様となるので改めての説明は省略する。
このため、光ディスクDの装填後、トラッキングサーボをかける前においては、BD-ROであるか、BD-R・BD-REであるかの判定を行う必要があることになる。
つまり具体的には、低反射率ROディスクとしてのROMディスクであるにも関わらず、BD-R・BD-REとの判定が行われしまい、これによってトラッキング方式としてDPDではなくDPPが選択されてしまうといったものである。
先ず、この場合も基本的には、先の図11に示したような閾値th-Jを用いた判別手法を採用する。具体的には、この場合も先の第1,第2の実施の形態の場合と同様に反射光信号(この場合も例えばプルイン信号PI)についての変化点の検出を行った上で、検出された変化点のうち、そのレベルが閾値th-Jより大となる変化点があるか否かを判別する。
そして、閾値th-Jより大となる変化点があるとされた場合には、トラッキング方式としてDPDを選択して終了する。
なお、確認のために述べておくと、DPP/DPDの各方式の切り換えとしては、マトリクス回路4におけるトラッキングエラー信号TEの算出にあたり、光ピックアップ1内の各ディテクタからの出力信号のうち何れの信号を用いるかの切り換えと、トラッキングエラー信号TEの算出方法との切り換えを行うことで実現できる。
DPP方式によりデータが読み出せた場合は、BD-R,BD-REであると推定できるので、そのままDPPの選択状態で終了する。
一方、データが読み出せなかった場合には、低反射率ROであると推定できるので、DPD方式を選択して終了する。
上記による第3の実施の形態の動作によれば、このようにして通常のBD-ROにおいて記録層の反射光信号レベルが閾値th-J以下となってしまう場合にも、適切なトラッキング方式を選択することができる。
なお、この図に示す処理動作としてもシステムコントローラ10が内蔵するROM等に格納されるプログラムに基づいて実行するものである。
そして、ステップS402では、PISレベル>閾値th-Jの変化点があるか否かについて判別を行う。PISレベル>閾値th-Jとなる変化点があるとして肯定結果があるとした場合は、BD-ROと推定できるので、ステップS405に進んでDPDを選択する。
つまり、マトリクス回路4に対しDPD方式によるトラッキングエラー信号TEの生成を行うように動作切り換え指示を行う。
なお、図1では、システムコントローラ10からマトリクス回路4への制御線が示されていないが、実際に第3の実施の形態の動作を実現するにあたっては当該制御線を設けるものとすればよい。
すなわち、先ずはサーボ回路11に対しトラッキングサーボをONする指示及び光ディスクD上の所定アドレスへのアクセス指示を行って、データ読み出しの実行制御を行う。そして、この結果、最終的にデータが読み出されたとみなされる所定の条件を満たすか否か(例えばエラーレートが所定以下か否かなど)を判別することで、サーボがかかりデータが読めたか否かを判別する。
一方、データが読めなかったとして否定結果が得られた場合は、ステップS405に進みDPDを選択する。このステップS404→S405の処理により、低反射率ROの場合にその反射率のみに基づいてDPPが選択されてしまうといった事態の防止が図られる。
このような誤認は、例えば光学系の製造バラツキや温度などの周辺環境によってR・REタイプのディスクについて反射光信号レベルが高く検出されてしまうことによって引き起こされる可能性がある。
具体的には、PISレベルが閾値th-Jより大となる変化点がないとされてDPDを選択した場合についても、サーボがかかりデータが読めるか否かを判別するようにする。その結果、データが読めるとされた場合には、ROMタイプであるとしてそのままDPDの設定状態で終了する。
そして、データが読めなければ、今度はDPPを選択し、その状態でデータが読めるか否かを再度判別する。この結果データが読めればR・REタイプであるとしてそのままDPPの設定状態で終了する。
先ず、ステップS501、S502は、先の図12のステップS401、S402と同様となる。そして、ステップS502において、PISレベル>th-Jとなる変化点がないとされた場合はステップS503にてDPPを選択する処理を実行し、PISレベル>th-Jとなる変化点があるとされた場合はステップS504にてDPDを選択する処理を実行する。
また、データが読めないとした場合にはステップS504に進みDPDを選択する。
一方、データが読めないとして否定結果が得られた場合は、ステップS503に戻り、DPPを選択する処理を実行する。すなわち、これによってR・REタイプであるにも関わらずPISレベル>th-Jとなる変化点があるとしてDPDが選択されてしまった場合にも、サーボがかかりデータが読めるか否かの判別を行った結果に基づき、適切なトラッキング方式を選択することができる。
先に述べたような単なる塵埃の堆積などによる反射率の低下、光学系の製造バラツキ・周辺環境等による反射率の上昇で誤認が生じているといったときには、必ずどちらか一方のトラッキング方式に収束させることができるものとなるが、もし仮に、ドライブ装置や光ディスクD自体に不具合がある場合には、無限ループに陥ってしまう虞がある。
そこで、閾値th-Jに基づき設定したトラッキング方式でデータが読めないとされたことに応じ他方のトラッキング方式を設定して再度データ読み出し・データが読めるか否かの判別・判別結果に応じたトラッキング方式の選択を行う回数は、ごく少ない回数(例えば1回)に止めるのが望ましいものとなる。
続いて、第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、基本的にはこれまでで説明してきた第1〜第3の実施の形態の各種動作を組み合わせて、BD/DVD・CDの判定→BDと判定された場合におけるBDのSL/DLの判定→BDの場合に対応したDPD/DPDの選択、を一連の動作で実行するようにしたものとなる。
なお、この第4の実施の形態についてもディスクドライブ装置の構成は図1に示したものと同様となるので改めての説明は省略する。
これまでで説明した各実施の形態の動作としては、それぞれ反射光信号の変化点レベルを基準としてディスク種別や記録層数の判定を行うようにされているので、反射光信号レベルの低下に応じては適切な判定動作を行うことができなくなる可能性がある。
そこで、先ずは予め工場出荷時等において表面の反射光信号レベル(例えばプルイン信号PIのレベル)を基準反射光信号レベルとして測定しておき、この基準反射光信号レベルの情報を予めシステムコントローラ10が内蔵するメモリに対して格納しておく。その上で、光ディスクDの装填ごとに表面合焦時における反射光信号レベル(1番目の変化点のレベル)を測定するものとし、この測定した表面の反射光信号レベルと上記基準反射光信号レベルとを比較し、その結果に基づき反射光信号のゲインを調整する。具体的には、測定した反射光信号レベルが上記基準反射光信号レベルと比較して所定以下となっている場合に、反射光信号のゲインを所定分増加させる動作を行うものである。
つまり、具体的にこの場合は、基準反射光信号レベル(Vref)に対する測定された反射光信号レベル(つまり1番目の変化点のPISレベル=V1)の割合(V1/Vref)について、所定の2つの閾値(閾値th-R1:例えば「0.4」、閾値th-R2:例えば「0.6」)を設けておき、先ずは測定された反射光信号レベルV1/基準反射光信号レベルVrefの値が閾値th-R1以下となるか否か(つまりV1/Vref≦0.4であるか否か)を判別する。そして、V1/Vref≦0.4であると判別された場合は、反射光信号のゲインを第1の所定値分増加させる(例えば+6dB)。
そして、V1/Vref≦0.4にまで低下していないとされた場合に、さらに測定された反射光信号レベルV1/基準反射光信号レベルVrefの値が閾値th-R2以下であるか否か(V1/Vref≦0.6であるか否か)を判別し、この判別の結果V1/Vref≦0.6であるとされた場合は、反射光信号のゲインを第2の所定値分増加させる(例えば+3dB)。V1/Vref≦0.6でなかった場合は、特にゲイン調整は行わないものとしている。
このようにしてゲイン調整に複数の段数を設けることで、実際の反射光信号レベルの低下具合に応じたより細かな調整動作とすることができる。
また、確認のために述べておくと、これら図14〜図17に示す一連の処理動作は、光ディスクDの装填に応じて開始されるものである。
図示するようにして、この場合のBD/DVD・CDの判定動作についての処理動作としては、先の図10に示した第2の実施の形態としての処理動作と同様の処理動作を実行する。すなわち、図中のステップS601〜S613としては、図10にて説明したステップS301〜S313と同様の処理を実行する。
その上でこの場合は、ステップS613にてBDと判定した後に、次の図15に示されるステップS614に処理を進めるようにされる。
このSL/DLの判定動作に対応して実行される処理動作については、先の図5に示した第1の実施の形態としての処理動作と同様の処理動作を実行する。すなわち、図中ステップS614〜S624としては、図5に示したステップS102〜S112と同様の処理動作を実行する。
この場合、ステップS622にてSLと判定した後、及びステップS623にてDLと判定した後には、次の図16に示すステップS625に処理を進めるようにされる。
先ず、ステップS625では、1番目の変化点のレベルV1と基準反射光信号レベルVrefの読出し処理を実行する。すなわち、先の図14のステップS601により実行したPIS変化点検出処理によって内部のメモリに保持されている1番目の変化点のレベルV1と、同じく内部のメモリ内に予め格納されている基準反射光信号レベルVrefとを読み出す。
ステップS626において、V1/Vref≦th-R1であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS627に進みPISのゲインを第1の所定値分増加させる処理を行う。すなわち、例えばマトリクス回路4内の反射光信号についてのアンプのゲインを上記第1の所定値分として+6dBするための制御処理を行う。
V1/Vref≦th-R2であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS629に進みPISのゲインを第2の所定値分増加させる処理を行う。つまり、マトリクス回路4内のアンプのゲインを上記第2の所定値分として例えば+3dBするための制御処理を行う。
この図17に示す処理動作としては、先の図13に示した処理動作とほぼ同様の処理動作を実行するものとされる。すなわち、図17におけるステップS630〜S634としては、図13におけるステップS501を除いたステップS502〜S506と同様の処理を実行する。
なお、図示は省略しているが、この場合もドライブ装置や光ディスクDの不具合による無限ループに陥らないように、一方のトラッキング方式を選択してデータが読めなかった場合に他方のトラッキング方式を選択する回数は、例えば1回などに制限するようにしておく。
以上で第4の実施の形態としての処理動作は終了となる。
しかしながら、このようなノイズ光が生じる場合においても、図14に示されるような第2の実施の形態において説明したものと同様の処理を行うことで、適正にBD/DVD・CDの判定を行うことができる。
「表面反射光・記録層反射光」
「表面反射光・記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」
「表面反射前ノイズ光・表面反射光・記録層反射光」
「表面反射前ノイズ光・表面反射光・記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」
の4パターンとなる。
このようにして表面検出漏れによりn=1となる場合には、図14に示される第2の実施の形態と同様の処理動作が行われることで、適正にBD/DVD・CDの判定を行うことが可能であることが理解できる。
・「表面反射光・記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」のとき・・・変化点の数nは「記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」のn=2となる。
・「表面反射前ノイズ光・表面反射光・記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」のとき・・・変化点の数nは「記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」のn=2となる。
すなわち、これらのパターンのように記録層反射後ノイズ光が生じる場合には、記録層の数n=2が検出されることになる。
つまり、「表面反射光・記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」のとき、及び「表面反射前ノイズ光・表面反射光・記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」のときも共に1番目の変化点〜2番目の変化点が0.3mm相当以下となるので、適正にBDであると判定することができるものである。
但し、表面反射前ノイズ光は、先にも述べたようにその反射光信号レベルは反射率に換算して4〜5%と、表面での反射光信号レベルとほぼ同レベルで得られることになる。従って1番目に検出される変化点のレベルV1を表面の反射光信号レベルとしてみなすものとした図16の処理によれば、表面反射前ノイズ光が発生する場合にも適正にフォトディテクタの感度調整を行うことができる。
同様に、図17のDPP/DPDの切り換え処理としては図13に基づく処理動作を実行するものとしたが、図12に基づく処理動作とすることもできる。
Claims (3)
- 少なくとも光記録媒体に対して接離する方向となるフォーカス方向に移動可能に保持された対物レンズを介し、上記光記録媒体に対してレーザ光を照射すると共に、上記レーザ光の照射に応じて得られる上記光記録媒体からの反射光の検出を行うヘッド手段と、
上記対物レンズを上記フォーカス方向に駆動するフォーカス手段と、
上記ヘッド手段で検出された反射光に基づく反射光信号を生成する信号生成手段と、
上記フォーカス手段により上記対物レンズを駆動させ、そのときの上記反射光信号を入力しその変化点を検出すると共に、検出した上記変化点の発生パターンが、上記光記録媒体が単層ディスクである場合に生じ得るノイズ光を含めた発生パターンの何れかに合致するか否かを判別した結果に基づき、上記光記録媒体が単層ディスクであるか多層ディスクであるかの判定を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする光記録媒体駆動装置。 - 上記制御手段は、
検出した上記変化点の個数と所定の変化点間の上記反射光信号のレベル差とが、上記単層ディスクである場合の発生パターンに基づいて予め定められた上記変化点の数と上記所定の変化点間の反射光信号のレベル差についての条件を満たすか否かについて判別を行った結果に基づき、上記光記録媒体が単層ディスクであるか多層ディスクであるかの判定を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体駆動装置。 - 少なくとも光記録媒体に対して接離する方向となるフォーカス方向に移動可能に保持された対物レンズを介し、上記光記録媒体に対してレーザ光を照射すると共に、上記レーザ光の照射に応じて得られる上記光記録媒体からの反射光の検出を行うヘッド手段と、上記対物レンズを上記フォーカス方向に駆動するフォーカス手段と、上記ヘッド手段で検出された反射光に基づく反射光信号を生成する信号生成手段とを備えた光記録媒体駆動装置における層数判定方法であって、
上記フォーカス手段により上記対物レンズを駆動させ、そのときの上記反射光信号を入力しその変化点を検出すると共に、検出した上記変化点の発生パターンが、上記光記録媒体が単層ディスクである場合に生じ得るノイズ光を含めた発生パターンの何れかに合致するか否かを判別した結果に基づき、上記光記録媒体が単層ディスクであるか多層ディスクであるかの判定を行う、
ことを特徴とする層数判定方法。
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