JP2008103575A - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多層配線構造において、配線容量を低減しつつ、高いエレクトロマイグレーション耐性を有する半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】銅配線の最上部に金属キャップ膜12dを堆積し、ガルバニック反応を利用して金属キャップ膜12dを溶解させる。このようにすると、銅配線の最上部に空間領域12cを形成し、従来のEM発生箇所であった銅配線と絶縁性のバリア膜13界面を形成しないため、EM耐性を大幅に向上させることができる。また、銅配線の最上部に位置する空間領域12cは、みかけ上、比誘電率1の絶縁膜が堆積されていると考えることができ、配線トータル容量が大幅に低減し、電子デバイスの実効誘電率を下げることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ダマシン法を用いた銅配線を備える半導体装置及び半導体装置の製造方法に関するものである。
近年、半導体デバイスの製造において、低抵抗で且つエレクトロマイグレーション耐性に優れた銅が配線材料として注目されている。銅はドライエッチングが困難であるため、ダマシン法と呼ばれる配線形成方法が用いられている。これは、例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜に予め所定の溝を形成し、その溝に配線材料(銅)を埋め込んだ後、余剰の配線材料を化学機械研磨(CMP)により除去し、配線形成する方法である。さらに、接続孔と配線溝とを形成した後、一括して配線材料を埋め込み、余剰配線材料をCMPにより除去するデュアルダマシン法も知られている。なお、銅は層間絶縁膜に対して極めて拡散しやすい材料であるため、銅膜の周囲に銅の拡散を防止するバリア膜を設ける必要がある。現在、配線用の銅膜の周辺を覆うために、一般的に、銅配線の下面及び側面には、銅の拡散防止膜として機能するWN、TaN又はTiN等よりなる導電性バリア膜(バリアメタル膜)が用いられていると共に、銅配線の上面には、銅の拡散防止膜として機能するSiN又はSiC等よりなる絶縁性バリア膜が用いられている。
以下に、従来の半導体装置及びその製造方法について、図11,図12を参照しながら説明する。
図11は、従来の半導体装置における銅配線の構造を示す断面図であって、具体的には、90nmデバイス以降の多層銅配線として一般的に用いられているデュアルダマシン構造を持つ銅配線の構造を示す断面図である。
図11に示すように、基板(図示省略)上には、下層配線溝101aを有する第1の層間絶縁膜101が形成されている。第1の層間絶縁膜101における下層配線溝101aには、第1のバリアメタル膜102a及び第1の銅膜102bがこの順に形成されてなる下層配線102が形成されている。下層配線102の上及び第1の層間絶縁膜101の上には、銅の拡散防止膜として機能する絶縁性バリア膜103が形成されている。絶縁性バリア膜103の上には第2の層間絶縁膜104が形成されている。第2の層間絶縁膜104の下部及び絶縁性バリア膜103には、下層配線102の上面を露出させる接続孔104aが形成されていると共に、第2の層間絶縁膜104の上部には、接続孔104aと連通する上層配線溝104bが形成されている。接続孔104a及び上層配線溝104bには、第2のバリアメタル膜106a及び第2の銅膜106bよりなる上層配線106が形成されている。上層配線106には、接続孔104aに形成され、第2のバリアメタル膜106a及び第2の銅膜106bよりなるプラグとなる部分があり、該プラグを介して下層配線102と上層配線106とが電気的に接続されている。
また、図12(a)〜(f)は、従来の半導体装置における銅配線の形成方法を示す工程断面図であって、具体的には、デュアルダマシン(Dual Damascene)法、つまり、下層配線と接続する接続孔及び上層配線溝を形成し、銅膜によって接続孔及び上層配線溝を同時に埋め込んだ後に、該銅膜における上層配線溝からはみ出している部分に対して研磨を行うことによって銅配線を形成する工程を示している。
まず、図12(a)に示すように、基板(図示省略)上に、例えば炭素含有のシリコン酸化膜よりなる第1の層間絶縁膜101を形成する。続いて、フォトリソグラフィー法により、第1の層間絶縁膜101の上に、下層配線溝パターンを持つレジストパターン(図示省略)を形成した後、該レジストパターンをマスクに用いて、第1の層間絶縁膜101に対してドライエッチングを行って下層配線溝101aを形成する。続いて、スパッタ法により、第1の層間絶縁膜101に形成された下層配線溝101aが途中まで埋まるように、第1の層間絶縁膜101の上にTa/TaN積層膜よりなる第1のバリアメタル膜102a及び銅シード膜(図示省略)とを順次堆積する。続いて、電解メッキ法により、下層配線溝101aが完全に埋まるように、銅シード膜の上に第1の銅膜102bを堆積する。続いて、CMP法により、第1のバリアメタル膜102a及び第1の銅膜102b(銅シード膜を含む:以下同じ)における下層配線溝101aの外側にはみ出している部分を除去することにより、第1のバリアメタル膜102a及び第1の銅膜102bよりなる下層配線102を形成する。尚、下層配線102は、以下に説明する工程によって形成される上層配線106(図12(f)参照)と同様の構造を持つ。次に、図12(b)に示すように、下層配線102の上及び第1の層間絶縁膜101の上に、厚さが50nm程度となるように、銅の拡散防止膜として機能するシリコン炭化膜等よりなる絶縁性バリア膜103を堆積する。続いて、絶縁性バリア膜103の上に、厚さが600nm程度となるように、例えば炭素含有のシリコン酸化膜よりなる第2の層間絶縁膜104を堆積する。次に、図12(c)に示すように、第2の層間絶縁膜104の上に、厚さが50nm程度となるように、例えばシリコン酸化膜よりなるキャップ膜105を堆積する。尚、キャップ膜105は、後述するCMPを行う工程の際に完全に除去される。続いて、フォトリソグラフィーにより、キャップ膜105の上に、接続孔パターンを持つレジストパターン(図示省略)を形成した後、該レジストパターンをマスクに用いて、キャップ膜105及び第2の層間絶縁膜104に対してドライエッチングを行うことにより、キャップ膜105及び第2の層間絶縁膜104を貫通して絶縁性バリア膜103に到達する接続孔104aを形成する。次に、図12(d)に示すように、接続孔104aの形成方法と同様にして、フォトリソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第2の層間絶縁膜104の上部に、キャップ膜105及び第2の層間絶縁膜104を開口させて接続孔104aと連通する上層配線溝104bを形成する。次に、図12(e)に示すように、基板全面に対して異方性エッチングを行って、接続孔104aの底部に露出している絶縁性バリア膜103を除去して下層配線102の上面を露出させる。次に、図12(f)に示すように、スパッタ法により、接続孔104a及び上層配線溝104bが途中まで埋まるように、第2の層間絶縁膜104の上にTa/TaN積層膜よりなる第2のバリアメタル膜106a及び銅シード膜(図示省略)を順次堆積する。続いて、電解メッキ法により、接続孔104a及び上層配線溝104bが完全に埋まるように、銅シード膜の上に第2の銅膜106bを堆積する。続いて、CMP法により、キャップ膜105と第2のバリアメタル膜106a及び第2の銅膜106b(銅シード膜を含む:以下同じ)における上層配線溝106の外側にはみ出している部分とを除去し、第2のバリアメタル膜106a及び銅膜106bよりなる上層配線106を形成する。上層配線106には、接続孔104aに形成され、第2のバリアメタル膜106a及び第2の銅膜106bよりなるプラグ106cとなる部分があり、該プラグ106cを介して下層配線102と上層配線106とが電気的に接続されている。ここで、接続孔104a及び上層配線溝104bに充填された第2の銅膜106bの下面及び側面に成膜されている第2のバリアメタル膜106aは、銅の拡散防止膜として機能する。以上で説明した製造工程、つまり、従来例に係る半導体装置の製造方法における図12(a)〜(f)に示したような製造工程を繰り返し行うことにより、従来の多層銅配線を有する半導体装置を得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−309174号公報
しかしながら、前述の従来例の配線構造(図11参照)においては、下層配線102中の銅膜102bとその上部の絶縁性バリア膜103とが接する構造となっており、この界面は、銅のエレクトロマイグレーション(Electro Migration :EM)が起こりやすいという問題点を持っている。一般的に、銅のマイグレーションは粒界拡散よりも表面拡散が支配的であることが分かっており、銅と絶縁性バリア膜との界面を改善する手法をあらゆる角度から検討されている。また、微細化の進展は、プロセス的に許容電流密度が減少する方向にあるが、設計要求としての許容電流密度は増加する方向にいっている。そのため微細化に伴い、許容電流を確保することが非常に困難になってきており、プロセス的に大きなブレイクスルー技術の導入が必須になってきている。絶縁性バリア膜のもう一つの問題点は、膜の比誘電率が高いことである。この絶縁性バリア膜は、銅の拡散防止目的以外に、銅の酸化防止膜そしてダマシン形成に必要な接続孔のストッパー膜としても使用されているため、ある程度の膜厚(エッチ選択比による)が必要になってくる。現在、層間絶縁膜の比誘電率は低減されつつあるが、絶縁性バリア膜の比誘電率は大きく低減されていない。微細化に伴い、配線容量は層間絶縁膜より絶縁性バリア膜の比誘電率に律速されてきており、絶縁性バリア膜の低誘電率化が必須になってきている。
そこで本発明では、このような従来の問題点を解消するために提案されたものであり、実効的な配線容量を低減しつつ、高いエレクトロマイグレーション耐性を実現可能とする半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明の(以下同様に)半導体装置は、素子が形成される基板と、前記基板上に形成される複数層の層間絶縁膜と、最上位の前記層間絶縁膜以外の前記各層間絶縁膜上部に埋め込まれる配線と、任意の前記配線上に形成される空間領域と、所定の前記配線の層間を電気的に接続するプラグとを有することを特徴とする。
また、前記各層間絶縁膜間にバリア膜を備えることを特徴とする。
また、前記配線の側面及び底面の表面に第1のバリアメタル膜が形成されることを特徴とする。
また、前記プラグの側面に第2のバリアメタル膜が形成されることを特徴とする。
また、前記プラグの側面および底面に第2のバリアメタル膜が形成されることを特徴とする。
また、前記空間領域が形成される任意の配線が最上位層配線であることを特徴とする。
また、前記空間領域の上面は前記空間領域が形成される配線を備える層間絶縁膜の上面と同一面上にあることを特徴とする。
また、前記空間領域の高さは20nm以下であることを特徴とする。
また、前記空間領域は窒素またはアルゴンを含み、圧力が10mTorr以下であることを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、素子が形成された基板上に、それぞれに配線が埋め込まれる複数の層間絶縁膜を形成してなる半導体装置の製造方法であって、任意の前記配線を形成する際に、前記基板または下層層間絶縁膜上に第1の層間絶縁膜を形成する工程と、前記下層層間絶縁膜上に形成した場合には接続される下層配線への第1の接続孔を形成する工程と、前記第1の層間絶縁膜の上部に第1の配線溝を形成する工程と、前記第1の配線溝に第1の配線を形成する工程と、前記第1の配線上にキャップ膜を形成する工程と、前記第1の配線及び前記第1の層間絶縁膜の上に第2の層間絶縁膜を形成する工程と、前記キャップ膜を除去して空間領域を形成する工程とを有することを特徴とする。
また、前記キャップ膜を形成する工程の後に、前記第1の配線及び前記第1の層間絶縁膜の上にバリア膜を形成する工程を有することを特徴とする。
また、前記第1の配線溝を形成する工程の後に、前記第1の配線溝に第1のバリアメタル膜を形成する工程を有することを特徴とする。
また、前記第2の層間絶縁膜を形成する工程の後に、前記第2の層間絶縁膜に前記第1の配線と接続する第2の接続孔を形成する工程と、前記第2の層間絶縁膜の上部に第2の接続溝を形成する工程とを有することを特徴とする。
また、前記空間領域を形成する工程の後に、前記第2の配線溝及び前記第2の接続孔に第2の配線及びプラグを形成することを特徴とする。
また、前記空間領域を形成する工程の後で、前記第2の配線及び前記プラグを形成する工程の前に、前記第2の配線溝の側面及び底面と前記第2の接続孔の側面及び底面に第2のバリアメタル膜を形成する工程を有することを特徴とする。
また、前記第2のバリアメタル膜の厚さは前記空間領域の厚さよりも厚いことを特徴とする。
また、前記第2のバリアメタル膜を形成する工程の後で、前記第2の配線及び前記プラグを形成する工程の前に、前記第2の接続孔の底面に形成された前記第2のバリアメタル膜を除去する工程を有することを特徴とする。
また、前記第2の接続孔の底面に形成される第2のバリアメタル膜を除去する際に、前記第2の接続孔の側面に前記第2のバリアメタル膜を再付着させることを特徴とする。
また、前記キャップ膜の形成を選択めっき法によって行うことを特徴とする。
また、前記キャップ膜の材料が、CoWP,CoWB,NiMoP,NiMoBのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
また、前記キャップ膜の除去をpH6以下の酸性の薬液による洗浄によって行うことを特徴とする。
また、前記キャップ膜の除去をpH6以下の酸性の薬液を前記第2の接続孔を介して進行させて行うことを特徴とする。
以上により、実効的な配線容量を低減しつつ、高いエレクトロマイグレーション耐性を実現することができる。
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、銅配線の最上部に空間領域を形成し銅配線と絶縁性バリア膜界面を形成しないことにより、同配線上部付近で銅のエレクトロマイグレーションが発生しないため、銅のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができる。また、銅配線の最上部に位置する空間領域は、みかけ上、比誘電率1の絶縁膜が堆積されていると考えることができるため、配線トータル容量が大幅に低減し、半導体装置の実効誘電率を下げることができる。
本発明の半導体装置は、従来の半導体装置にみられるような銅配線と絶縁性のバリア膜との界面を形成しないために銅配線の最上部に空間領域を形成する。銅配線と絶縁性のバリア膜との間に空間領域が形成されるため、銅配線と絶縁性バリア膜とが接触することがなく、銅のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができる。また、銅配線の最上部に位置する空間領域は、みかけ上、比誘電率1の絶縁膜が堆積されていると考えることができる。そのため、配線トータル容量が大幅に低減し、半導体装置の実効誘電率を下げることができる。
以下、本発明の各実施形態について、図を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図1及び図2並びに図3を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態の半導体装置における銅配線の構造を示す断面図である。
図1に示すように、素子が形成されたシリコン基板(図示省略)上には、下層配線溝11aを有する第1の層間絶縁膜11が形成されている。第1の層間絶縁膜11における下層配線溝11aには、第1のバリアメタル膜12a及び第1の銅膜12b及び空間領域12cがこの順に形成されてなる下層配線12が形成されている。下層配線12の上には、銅の拡散防止として機能するバリア膜13が形成されている。第1の層間絶縁膜11及びバリア膜13の上には、第2の層間絶縁膜14が形成されている。第2の層間絶縁膜14の下部およびバリア膜13には、下層配線12の上面を露出させる接続孔14aが形成されていると共に、第2の層間絶縁膜14の上部には、接続孔14aと連通する上層配線溝14bが形成されている。接続孔14a及び上層配線溝14bには、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなる上層配線16が形成されている。上層配線16には、接続孔14aに形成され、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなるプラグ16cとなる部分があり、該プラグ16cを介して下層配線12の第1の銅膜12bと上層配線16とが電気的に接続されている。
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の特徴は、前記下層配線12の最上部に空間領域12cが形成されて第1の銅膜12bとバリア膜13との間に空間領域12cが存在することとなり、第1の銅膜12bとバリア膜13とが直接接していないことである。このように、従来構造の問題点であった第1の銅膜12bとバリア膜13との界面での銅のエレクトロマイグレーションが発生しないため、銅のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができる。また、下層配線12の最上部に位置する空間領域は、みかけ上、比誘電率1の絶縁膜が堆積されていると考えることができる。そのため、配線トータル容量が大幅に低減し、半導体装置の実効誘電率を下げることができる。また、下層配線12の最上部に位置する空間領域の高さは5nmから20nm程度が妥当であり、一定の高さに制御することで半導体装置の実効誘電率のばらつきを最小にすることができる。このとき、空間領域の上面は層間絶縁膜の上面と同じ高さであるとより好ましい。また、下層配線12の最上部に位置する空間領域は、窒素またはアルゴンを含み、圧力が10mTorr以下になっていることで、比誘電率1を実現でき且つ配線の酸化を抑制した空間状態になっている。
図2(a)〜(e)は、第1の実施形態の半導体装置における銅配線の上層配線溝形成方法を示す工程断面図、図3(a)〜(c)は、第1の実施形態の半導体装置における銅配線の上層配線形成方法を示す工程断面図である。
まず、図2(a)に示すように、素子が形成されたシリコン基板(図示省略)上に、例えば炭素含有シリコン酸化膜の第1の層間絶縁膜11を形成した後、例えばシリコン酸化膜よりなるキャップ膜(図示省略、尚、この膜は後述するCMPを行う工程によって除去される)を形成する。続いて、フォトリソグラフィー法により、キャップ膜上に、下層配線溝パターンを持つレジストパターン(図示省略)を形成した後、該レジストパターンをマスクに用いて、キャップ膜及び第1の層間絶縁膜11に対してドライエッチングを行って下層配線溝11aを形成する。続いて、スパッタ法により、キャップ膜及び第1の層間絶縁膜11に形成された下層配線溝11aを覆うように、キャップ膜及び第1の層間絶縁膜11の上にTa/TaN積層膜よりなる第1のバリアメタル膜12a及び銅シード膜(図示省略)とを順次堆積する。続いて、電解めっき法により、下層配線溝11aが完全に埋まるように、銅シード膜の上に第1の銅膜12bを堆積する。続いて、CMP法により、キャップ膜と下層配線溝11aの外側にはみ出している第1のバリアメタル膜12a及び第1の銅膜12b(銅シード膜を含む:以下同じ)とを除去することにより、第1のバリアメタル膜12a及び第1の銅膜12bよりなる下層配線12を形成する。尚、下層配線12は、以下に説明する工程によって形成される上層配線16(図2(e)参照)と同様の構造を持つ。次に、図(b)に示すように、例えば無電解めっき法により、下層配線12の上に、空間領域12cの形成領域となるCoWPのような金属キャップ膜12dを第1の銅膜12bに対して選択的に堆積する。堆積膜厚は5nmから20nm程度が妥当である。また、無電解めっきの際にPd触媒を使用すれば第1の銅膜12bをエッチングしつつ金属キャップ膜12dを堆積できる。次に、図2(c)に示すように、金属キャップ膜12dの形成領域を含む下層配線12の上及び第1の層間絶縁膜11の上に、厚さが50nm程度となるように、銅の拡散防止膜として機能する例えばシリコン炭化膜よりなるバリア膜13を堆積する。その後、バリア膜13の上に、厚さが600nm程度となるように、例えば炭素含有のシリコン酸化膜よりなる第2の層間絶縁膜14を堆積する。次に、図2(d)に示すように、第2の層間絶縁膜14の上に、厚さが50nm程度となるように、例えばシリコン酸化膜よりなるキャップ膜15を堆積する。続いて、フォトリソグラフィーにより、キャップ膜15の上に、接続孔パターンを持つレジストパターン(図示省略)を形成した後、該レジストパターンをマスクに用いて、キャップ膜15及び第2の層間絶縁膜14に対してドライエッチングを行うことにより、キャップ膜15及び第2の層間絶縁膜14を貫通してバリア膜13に到達する接続孔14aを形成する。次に、図2(e)に示すように、接続孔14aの形成方法と同様にして、フォトリソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第2の層間絶縁膜14の上部に、キャップ膜15及び第2の層間絶縁膜14を開口させて接続孔14aと連通する上層配線溝14bを形成する。次に、図3(a)に示すように、例えばCFとNとの混合ガスを用いたドライエッチングによって基板全面に対してエッチバックを行って、接続孔14aの底部に露出しているバリア膜13及び金属キャップ膜12dを除去して下層配線12を露出させる。次に、図3(b)に示すように、金属キャップ膜12dを溶解させ、空間領域12cを形成する。ここでは、pH6以下の酸性薬液による洗浄、例えばHFによる洗浄を行って金属キャップ膜12dを溶解させる。このとき接続孔14aの底部において、第1の銅膜12bとCoからなる金属キャップ膜12dが直接接している界面(Cu/Co)が露出する。この状態で酸による洗浄を行うことにより、接続孔14aを介して薬液が進行し、接続孔14aの底部において、ガルバニック反応(Co→Co2+,2H→H)が起こり、金属キャップ膜12dを溶解させることができる。次に、図3(c)に示すように、スパッタ法により、接続孔14a及び上層配線溝14bが途中まで埋まるように、第2の層間絶縁膜14上のプラグ16cを含む上層配線16形成領域表面にTa/TaN積層膜よりなる第2のバリアメタル膜16a及び銅シード膜(図示省略)を順次堆積する。ここで、Ta/TaNの膜厚を金属キャップ膜12dより厚く堆積させる。このようにすれば、接続孔14aの底部において連続なバリアメタルを形成することができ、銅の埋め込み不良を防ぐことができる。続いて、電解メッキ法により、接続孔16a及び上層配線溝16bが完全に埋まるように、銅シード膜の上に銅膜16bを堆積する。続いて、CMP法により、キャップ膜15と上層配線溝16の外側にはみ出している第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16b(銅シード膜を含む:以下同じ)とを除去し、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなる上層配線16を形成する。上層配線16には、接続孔14aに形成され、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなるプラグ16cとなる部分があり、該プラグ16cを介して下層配線12と上層配線16とが電気的に接続されている。ここで、接続孔14a及び上層配線溝14bに充填された第2の銅膜16bの下面及び側面に成膜されている第2のバリアメタル膜16aは、銅の拡散防止膜として機能する。
以上で説明した製造工程、つまり、図2(a)〜(e)及び図3(a)〜(c)に示したような製造工程を繰り返し行うことにより、従来の多層銅配線を有する半導体装置を得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の特徴は、下層配線に接続される接続孔を形成した後に、酸薬液による洗浄を施し、バリア膜と銅膜との間に形成された金属キャップ膜12dをガルバニック反応により溶解させ、配線上部に空間領域を形成することである。このように、従来構造の問題点であった第1の銅膜12bとバリア膜13との界面での銅のエレクトロマイグレーションが発生しないため、銅のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができる。また、下層配線12の最上部に位置する空間領域は、みかけ上、比誘電率1の絶縁膜が堆積されていると考えることができる。そのため、配線トータル容量が大幅に低減し、半導体装置の実効誘電率を下げることができる。
尚、前述では、金属キャップ膜にCoWPを使用したが、本実施形態においては、例えば、CoWP,CoWB,NiMoP,NiMoBのうちから選択されるいずれか一つ又は複合からなった材料を用いても、酸薬液による洗浄によるガルバニック反応により溶解させることができる。
また、前述では、配線(下層配線12及び上層配線16)材料として銅を用いた場合について説明したが、本実施形態においては、配線材料の種類は特に限定されるものではなく、例えば銅、銀、アルミニウム又はこれらの合金等を用いてもよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図4及び図5を参照しながら説明する。
図4は、第2の実施形態の半導体装置における銅配線の構造を示す断面図である。
図4に示すように、素子が形成されたシリコン基板(図示省略)上には、下層配線溝11aを有する第1の層間絶縁膜11が形成されている。第1の層間絶縁膜11における下層配線溝11aには、第1のバリアメタル膜12a及び第1の銅膜12b及び空間領域12cがこの順に形成されてなる下層配線12が形成されている。下層配線12の上には、銅の拡散防止として機能するバリア膜13が形成されている。第1の層間絶縁膜11及びバリア膜13の上には、第2の層間絶縁膜14が形成されている。第2の層間絶縁膜14の下部およびバリア膜13には、下層配線12の上面を露出させる接続孔14aが形成されていると共に、第2の層間絶縁膜14の上部には、接続孔14aと連通する上層配線溝14bが形成されている。接続孔14aの側壁及び上層配線溝14bには、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなる上層配線16が形成されている。本実施形態においては、接続孔14aの底部には第2のバリアメタルが形成されていない。上層配線16には、接続孔14aに形成され、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなるプラグ16cとなる部分があり、該プラグ16cを介して下層配線12と上層配線16とが電気的に接続されている。
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の特徴は、前記下層配線12の最上部に空間領域12cが形成されて第1の銅膜12bとバリア膜13との間に空間領域12cが存在することとなり、第1の銅膜12bとバリア膜13とが直接接していないことである。また、接続孔14aの底部には第2のバリアメタルが形成されていない。このように、接続孔14aの底部にバリアメタルが形成されていなければ、接続孔底部におけるジュール発熱が低減され、銅のマイグレーション耐性が向上する。また、従来構造の問題点であった第1の銅膜12bとバリア膜13との界面での銅のエレクトロマイグレーションが発生しないため、更に銅のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができる。また、下層配線12の最上部に位置する空間領域は、みかけ上、比誘電率1の絶縁膜が堆積されていると考えることができる。そのため、配線トータル容量が大幅に低減し、半導体装置の実効誘電率を下げることができる。
図5(a)〜(d)は、第2の実施形態の半導体装置における銅配線の形成方法を示す工程断面図である。
第1の実施形態と同様の製造方法で下層配線から上層配線溝までを形成する。以下、以降の形成方法について詳細に説明する。
まず、図5(a)に示すように、金属キャップ膜12d(図3参照)を溶解させ、空間領域12cを形成する。ここでは、pH6以下の酸性薬液による洗浄、例えばHFによる洗浄を行って金属キャップ膜12dを溶解させる。次に、図5(b)に示すように、スパッタ法により、接続孔14a及び上層配線溝14bが途中まで埋まるように、第2の層間絶縁膜14上の接続孔14a及び上層配線溝14b表面にTa/TaN積層膜よりなる第2のバリアメタル膜16aを堆積する。その後、図5(c)に示すように、Arにより接続孔14aの底部に堆積されているバリアメタル膜をエッチング(スパッタ)除去する。ここで、Arでエッチングする際に接続孔底部における空間領域12cにバリアメタルが再付着し、空間領域12cをバリアメタルで塞ぐことが可能となる。次に、図5(d)に示すように、銅シード膜(図示省略)を堆積し、接続孔16a及び上層配線溝16bが完全に埋まるように、銅シード膜の上に銅膜16bを堆積する。続いて、CMP法により、キャップ膜15と上層配線溝16の外側にはみ出している第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16b(銅シード膜を含む:以下同じ)とを除去し、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなる上層配線16を形成する。上層配線16には、接続孔14aに形成され、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなるプラグ16cとなる部分があり、該プラグ16cを介して下層配線12と上層配線16とが電気的に接続されている。
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の特徴は、第1の配線に接続される接続孔14aを形成した後に、酸薬液による洗浄を施し、第1の配線上部に空間領域を形成することである。また、Arにより接続孔14aの底部に堆積されているバリアメタル膜をエッチング(スパッタ)除去する。このようにすることで、接続孔底部におけるジュール発熱が低減され、第1の実施形態よりも更に銅のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図6及び図7並びに図8を参照しながら説明する。
図6は、第3の実施形態の半導体装置における銅配線の構造を示す断面図である。
図6に示すように、素子が形成されたシリコン基板(図示省略)上には、下層配線溝11aを有する第1の層間絶縁膜11が形成されている。第1の層間絶縁膜11における下層配線溝11aには、第1のバリアメタル膜12a及び第1の銅膜12b及び空間領域12cがこの順に形成されてなる下層配線12が形成されている。下層配線12及び第1の層間絶縁膜11の上には、第2の層間絶縁膜14が形成されている。第2の層間絶縁膜14の下部には、下層配線12の上面を露出させる接続孔14aが形成されていると共に、第2の層間絶縁膜14の上部には、接続孔14aと連通する上層配線溝14bが形成されている。接続孔14a及び上層配線溝14bには、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなる上層配線16が形成されている。上層配線16には、接続孔14aに形成され、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなるプラグ16cとなる部分があり、該プラグ16cを介して下層配線12と上層配線16とが電気的に接続されている。
本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の特徴は、前記下層配線12の最上部に空間領域12cが形成され、第1の銅膜12bと空間領域とが直接接していないことである。このように、従来構造の問題点であった第1の銅膜12bとバリア膜13との界面での銅のエレクトロマイグレーションが発生しないため、銅のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができる。さらに、本実施形態では、第1及び第2の実施形態で使用していたバリア膜13を堆積しないことにある。これは、空間領域12cが銅の拡散防止としての機能するため必要性はなくなり、バリア膜を形成しないことにより、半導体装置の実行誘電率を大幅に低減させることが可能となる。
図7(a)〜(e)は、第3の実施形態の半導体装置における銅配線の上層配線溝形成方法を示す工程断面図、図8(a)〜(e)は、第3の実施形態の半導体装置における銅配線の上層配線形成方法を示す工程断面図である。
まず、図7(a)に示すように、素子が形成されたシリコン基板(図示省略)上に、例えば炭素含有シリコン酸化膜の第1の層間絶縁膜11を形成した後、例えばシリコン酸化膜よりなるキャップ膜(図示省略、尚、この膜は後述するCMPを行う工程によって除去される)を形成する。続いて、フォトリソグラフィー法により、キャップ膜上に、下層配線溝パターンを持つレジストパターン(図示省略)を形成した後、該レジストパターンをマスクに用いて、キャップ膜及び第1の層間絶縁膜11に対してドライエッチングを行って下層配線溝11aを形成する。続いて、スパッタ法により、キャップ膜及び第1の層間絶縁膜11に形成された下層配線溝11aの表面を覆うように、キャップ膜及び第1の層間絶縁膜11の上にTa/TaN積層膜よりなる第1のバリアメタル膜12a及び銅シード膜(図示省略)とを順次堆積する。続いて、電解めっき法により、下層配線溝11aが完全に埋まるように、銅シード膜の上に第1の銅膜12bを堆積する。続いて、CMP法により、キャップ膜と下層配線溝11aの外側にはみ出している第1のバリアメタル膜12a及び第1の銅膜12b(銅シード膜を含む:以下同じ)とを除去することにより、第1のバリアメタル膜12a及び第1の銅膜12bよりなる下層配線12を形成する。尚、下層配線12は、以下に説明する工程によって形成される上層配線16(図7(e)参照)と同様の構造を持つ。次に、図7(b)に示すように、例えば無電解めっき法により、下層配線12の上に、CoWPのような金属キャップ膜12dを第1の銅膜12b上に選択的に堆積する。堆積膜厚は5nmから20nm程度が妥当である。また、無電解めっきの際にPd触媒を使用すれば第1の銅膜12bをエッチングしつつ金属キャップ膜12dを堆積できる。次に、図7(c)に示すように、下層配線12及び第1の層間絶縁膜11の上に、厚さが600nm程度となるように、例えば炭素含有のシリコン酸化膜よりなる第2の層間絶縁膜14を堆積する。次に、図7(d)に示すように、第2の層間絶縁膜14の上に、厚さが50nm程度となるように、例えばシリコン酸化膜よりなるキャップ膜15を堆積する。続いて、フォトリソグラフィーにより、キャップ膜15の上に、接続孔パターンを持つレジストパターン(図示省略)を形成した後、該レジストパターンをマスクに用いて、キャップ膜15及び第2の層間絶縁膜14に対してドライエッチングを行うことにより、キャップ膜15及び第2の層間絶縁膜14を貫通して金属キャップ膜12dに到達する接続孔14aを形成する。次に、図7(e)に示すように、接続孔14aの形成方法と同様にして、フォトリソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第2の層間絶縁膜14の上部に、キャップ膜15及び第2の層間絶縁膜14を開口させて接続孔14aと連通する上層配線溝14bを形成する。次に、図8(a)に示すように、例えばCFとNとの混合ガスを用いたドライエッチングによって基板全面に対してエッチバックを行って、接続孔14aの底部に露出している金属キャップ膜12dを除去して下層配線12を露出させる。次に、図8(b)に示すように、金属キャップ膜12dを溶解させ、空間領域12cを形成する。ここでは、pH6以下の酸性薬液による洗浄、例えばHFによる洗浄を行って金属キャップ膜12dを溶解させる。このとき接続孔14aの底部において、第1の銅膜12bとCoからなる金属キャップ膜12dが直接接している界面(Cu/Co)が露出する。この状態で酸による洗浄を行うと、接続孔14aを介して薬液が進行し、接続孔14aの底部において、ガルバニック反応(Co→Co2+,2H→H)が起こり、金属キャップ膜12dを溶解させることができる。次に、図8(c)に示すように、スパッタ法により、接続孔14a及び上層配線溝14bが途中まで埋まるように、第2の層間絶縁膜14上のプラグ16cを含む上層配線16形成領域表面にTa/TaN積層膜よりなる第2のバリアメタル膜16a及び銅シード膜(図示省略)を順次堆積する。ここで、Ta/TaNの膜厚を金属キャップ膜12dより厚く堆積させる。このようにすれば、接続孔14aの底部において連続なバリアメタルを形成することができ、銅の埋め込み不良を防ぐことができる。続いて、電解メッキ法により、接続孔16a及び上層配線溝16bが完全に埋まるように、銅シード膜の上に銅膜16bを堆積する。続いて、CMP法により、キャップ膜15と上層配線溝16の外側にはみ出している第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16b(銅シード膜を含む:以下同じ)とを除去し、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなる上層配線16を形成する。上層配線16には、接続孔14aに形成され、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなるプラグ16cとなる部分があり、該プラグ16cを介して下層配線12と上層配線16とが電気的に接続されている。ここで、接続孔14a及び上層配線溝14bに充填された第2の銅膜16bの下面及び側面に成膜されている第2のバリアメタル膜16aは、銅の拡散防止膜として機能する。
以上で説明した製造工程、つまり、図7(a)〜(e)及び図8(a)〜(c)に示したような製造工程を繰り返し行うことにより、従来の多層銅配線を有する半導体装置を得ることができる。
本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の特徴は、配線に接続される接続孔を形成した後に、酸薬液による洗浄を施し、配線である銅膜上に形成された金属キャップ膜12dをガルバニック反応により溶解させ、配線上部に空間領域を形成することである。このように、従来構造の問題点であった第1の銅膜12bとバリア膜13との界面での銅のエレクトロマイグレーションが発生しないため、銅のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができる。また、下層配線12の最上部に位置する空間領域は、みかけ上、比誘電率1の絶縁膜が堆積されていると考えることができる。そのため、配線トータル容量が大幅に低減し、半導体装置の実効誘電率を下げることができる。
尚、前述では、金属キャップ膜にCoWPを使用したが、本実施形態においては、例えば、CoWP,CoWB,NiMoP,NiMoBのうちから選択されるいずれか一つ又は複合からなった材料を用いても、酸薬液による洗浄によるガルバニック反応により溶解させることができる。
また、前述では、配線(下層配線12及び上層配線16)材料として銅を用いた場合について説明したが、本実施形態においては、配線材料の種類は特に限定されるものではなく、例えば銅、銀、アルミニウム又はこれらの合金等を用いてもよい。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図9及び図10を参照しながら説明する。
図9は、第4の実施形態の半導体装置における銅配線の構造を示す断面図である。
図9に示すように、素子が形成されたシリコン基板(図示省略)上には、下層配線溝11aを有する第1の層間絶縁膜11が形成されている。第1の層間絶縁膜11における下層配線溝11aには、第1のバリアメタル膜12a及び第1の銅膜12b及び空間領域12cがこの順に形成されてなる下層配線12が形成されている。下層配線12及び第1の層間絶縁膜11の上には、第2の層間絶縁膜14が形成されている。第2の層間絶縁膜14の下部には、下層配線12の上面を露出させる接続孔14aが形成されていると共に、第2の層間絶縁膜14の上部には、接続孔14aと連通する上層配線溝14bが形成されている。接続孔14aの側壁及び上層配線溝14bには、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなる上層配線16が形成されている。本実施形態においては、第3の実施形態に対して、接続孔14aの底部には第2のバリアメタルが形成されていない構成である。上層配線16には、接続孔14aに形成され、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなるプラグ16cとなる部分があり、該プラグ16cを介して下層配線12と上層配線16とが電気的に接続されている。
本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の特徴は、前記下層配線12の最上部に空間領域12cが形成され、第1の銅膜12bと空間領域12cとが直接接しているため、従来問題点の問題点であった第1の銅膜12bとバリア膜13との界面での銅のエレクトロマイグレーションが発生しないため、銅のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができる。また、接続孔14aの底部には第2のバリアメタルが形成されていない。このように、接続孔14aの底部にバリアメタルが形成されていなければ、接続孔底部におけるジュール発熱が低減され、更に銅のマイグレーション耐性が向上する。また、また、下層配線12の最上部に位置する空間領域12cは、みかけ上、比誘電率1の絶縁膜が堆積されていると考えることができ、また、高誘電率のバリア膜を堆積させていないため、配線容量が大幅に低減でき、半導体装置の実効誘電率を下げることができる。
図10(a)〜(d)は、第4の実施形態の半導体装置における銅配線の形成方法を示す工程断面図である。
まず、第3の実施形態と同様の製造方法で下層配線から上層配線溝までを形成する。以下、以降の形成方法について詳細に説明する。
図10(a)に示すように、金属キャップ膜12d(図8参照)を溶解させ、空間領域12cを形成する。ここでは、pH6以下の酸性薬液による洗浄、例えばHFによる洗浄を行って金属キャップ膜12dを溶解させる。次に、図10(b)に示すように、スパッタ法により、接続孔14a及び上層配線溝14bが途中まで埋まるように、第2の層間絶縁膜14上のプラグ16cを含む上層配線16形成領域表面にTa/TaN積層膜よりなる第2のバリアメタル膜16aを堆積する。その後、図10(c)に示すように、Arにより接続孔14aの底部に堆積されているバリアメタル膜16aをエッチング(スパッタ)除去する。ここで、Arでエッチングする際に接続孔底部のバリアメタルが周囲に飛散して接続孔底部における空間領域12cに再付着し、接続孔がない空間領域12cと接続孔底部とを遮断し、バリアメタルで塞ぐことが可能となる。次に、図10(d)に示すように、銅シード膜(図示省略)を堆積し、接続孔14a及び上層配線溝14bが完全に埋まるように、銅シード膜の上に銅膜16bを堆積する。続いて、CMP法により、キャップ膜15と上層配線溝16の外側にはみ出している第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16b(銅シード膜を含む:以下同じ)とを除去し、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなる上層配線16を形成する。上層配線16には、接続孔14aに形成され、第2のバリアメタル膜16a及び第2の銅膜16bよりなるプラグ16cとなる部分があり、該プラグ16cを介して下層配線12と上層配線16とが電気的に接続されている。
本発明の第4の本実施形態に係る半導体装置の製造方法の特徴は、配線に接続される接続孔を形成した後に、酸薬液による洗浄を施し、配線である銅膜上に形成された金属キャップ膜12dをガルバニック反応により溶解させ、配線上部に空間領域を形成することである。また、Arにより接続孔14aの底部に堆積されているバリアメタル膜をエッチング(スパッタ)除去する。このようにすることで、従来構造の問題点であった第1の銅膜12bとバリア膜13との界面での銅のエレクトロマイグレーションが発生しないため、銅のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができる。また、下層配線12の最上部に位置する空間領域は、みかけ上、比誘電率1の絶縁膜が堆積されていると考えることができる。そのため、配線トータル容量が大幅に低減し、半導体装置の実効誘電率を下げることができる。
以上の各実施形態においては、空間領域を形成される配線層が最下層配線である場合を例に説明したが、1または複数の配線層のうち1またはそれ以上の任意の配線層において空間領域を形成することができる。さらに、最上位層配線においても空間領域を設けることができ、その場合は、もちろん、上位配線とのプラグは形成されない。
本発明は、実効的な配線容量を低減しつつ、高いエレクトロマイグレーション耐性を実現することができ、ダマシン法を用いた銅配線を備える半導体装置及び半導体装置の製造方法等に有用である。
第1の実施形態の半導体装置における銅配線の構造を示す断面図 第1の実施形態の半導体装置における銅配線の上層配線溝形成方法を示す工程断面図 第1の実施形態の半導体装置における銅配線の上層配線形成方法を示す工程断面図 第2の実施形態の半導体装置における銅配線の構造を示す断面図 第2の実施形態の半導体装置における銅配線の形成方法を示す工程断面図 第3の実施形態の半導体装置における銅配線の構造を示す断面図 第3の実施形態の半導体装置における銅配線の上層配線溝形成方法を示す工程断面図 第3の実施形態の半導体装置における銅配線の上層配線形成方法を示す工程断面図 第4の実施形態の半導体装置における銅配線の構造を示す断面図 第4の実施形態の半導体装置における銅配線の形成方法を示す工程断面図 従来の半導体装置における銅配線の構造を示す断面図 従来の半導体装置における銅配線の形成方法を示す工程断面図
符号の説明
11、101 第1の層間絶縁膜
11a、101a 下層配線溝
12、102 下層配線
12a、102a 第1のバリアメタル膜
12b、102b 第1の銅膜
12c 空間領域
12d 金属キャップ膜
13、103 バリア膜
14、104 第2の層間絶縁膜
14a、104a 接続孔
14b、104b 上層配線溝
15、105 キャップ膜
16、106 上層配線
16a、106a 第2のバリアメタル膜
16b、106b 第2の銅膜
16c、106c プラグ

Claims (22)

  1. 素子が形成される基板と、
    前記基板上に形成される複数層の層間絶縁膜と、
    最上位の前記層間絶縁膜以外の前記各層間絶縁膜上部に埋め込まれる配線と、
    任意の前記配線上に形成される空間領域と、
    所定の前記配線の層間を電気的に接続するプラグと
    を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記各層間絶縁膜間にバリア膜を備えることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記配線の側面及び底面の表面に第1のバリアメタル膜が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の半導体装置。
  4. 前記プラグの側面に第2のバリアメタル膜が形成されることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
  5. 前記プラグの側面および底面に第2のバリアメタル膜が形成されることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
  6. 前記空間領域が形成される任意の配線が最上位層配線であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  7. 前記空間領域の上面は前記空間領域が形成される配線を備える層間絶縁膜の上面と同一面上にあることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6のいずれかに記載の半導体装置。
  8. 前記空間領域の高さは20nm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7のいずれかに記載の半導体装置。
  9. 前記空間領域は窒素またはアルゴンを含み、圧力が10mTorr以下であることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7または請求項8のいずれかに記載の半導体装置。
  10. 素子が形成された基板上に、それぞれに配線が埋め込まれる複数の層間絶縁膜を形成してなる半導体装置の製造方法であって、
    任意の前記配線を形成する際に、
    前記基板または下層層間絶縁膜上に第1の層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記下層層間絶縁膜上に形成した場合には接続される下層配線への第1の接続孔を形成する工程と、
    前記第1の層間絶縁膜の上部に第1の配線溝を形成する工程と、
    前記第1の配線溝に第1の配線を形成する工程と、
    前記第1の配線上にキャップ膜を形成する工程と、
    前記第1の配線及び前記第1の層間絶縁膜の上に第2の層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記キャップ膜を除去して空間領域を形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 前記キャップ膜を形成する工程の後に、前記第1の配線及び前記第1の層間絶縁膜の上にバリア膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項10記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記第1の配線溝を形成する工程の後に、前記第1の配線溝に第1のバリアメタル膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項10または請求項11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記第2の層間絶縁膜を形成する工程の後に、
    前記第2の層間絶縁膜に前記第1の配線と接続する第2の接続孔を形成する工程と、
    前記第2の層間絶縁膜の上部に第2の接続溝を形成する工程と
    を有することを特徴とする請求項10または請求項11または請求項12のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記空間領域を形成する工程の後に、前記第2の配線溝及び前記第2の接続孔に第2の配線及びプラグを形成することを特徴とする請求項13記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記空間領域を形成する工程の後で、前記第2の配線及び前記プラグを形成する工程の前に、前記第2の配線溝の側面及び底面と前記第2の接続孔の側面及び底面に第2のバリアメタル膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 前記第2のバリアメタル膜の厚さは前記空間領域の厚さよりも厚いことを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
  17. 前記第2のバリアメタル膜を形成する工程の後で、前記第2の配線及び前記プラグを形成する工程の前に、前記第2の接続孔の底面に形成された前記第2のバリアメタル膜を除去する工程を有することを特徴とする請求項15または請求項16のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  18. 前記第2の接続孔の底面に形成される第2のバリアメタル膜を除去する際に、前記第2の接続孔の側面に前記第2のバリアメタル膜を再付着させることを特徴とする請求項17記載の半導体装置の製造方法。
  19. 前記キャップ膜の形成を選択めっき法によって行うことを特徴とする請求項10または請求項11または請求項12または請求項13または請求項14または請求項15または請求項16または請求項17または請求項18のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  20. 前記キャップ膜の材料が、CoWP,CoWB,NiMoP,NiMoBのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項10または請求項11または請求項12または請求項13または請求項14または請求項15または請求項16または請求項17または請求項18または請求項19のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  21. 前記キャップ膜の除去をpH6以下の酸性の薬液による洗浄によって行うことを特徴とする請求項10または請求項11または請求項12または請求項13または請求項14または請求項15または請求項16または請求項17または請求項18または請求項19または請求項20のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  22. 前記キャップ膜の除去をpH6以下の酸性の薬液を前記第2の接続孔を介して進行させて行うことを特徴とする請求項13または請求項14または請求項15または請求項16または請求項17または請求項18のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010047038A1 (ja) * 2008-10-22 2010-04-29 パナソニック株式会社 半導体装置及びその製造方法
US8361237B2 (en) 2008-12-17 2013-01-29 Air Products And Chemicals, Inc. Wet clean compositions for CoWP and porous dielectrics

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