JP2008102708A - エネルギー管理支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】目標値を達成するために現時点以降のエネルギー削減量を明確に提示する。
【解決手段】長期間省エネルギー目標値及び過去エネルギー実績値から取得される長期間内で区分される短周期毎のベースラインを設定するデータ設定手段1,2bと、建物の消費エネルギー計測系7から短周期毎エネルギー実測値を収集し、短周期毎ベースラインと短周期毎エネルギー実測値とから、短周期毎のエネルギー削減率を演算する省エネルギー効果演算手段35と、当初から現時点までの短周期毎に得られた累積エネルギー実績値と累積ベースラインとから、現時点までの累積エネルギー削減率を演算する累積省エネルギー効果演算手段36と、求めた累積エネルギー削減率が現時点までの累積エネルギー削減率よりも小さい場合、残期間における短周期毎のエネルギー削減率を演算し表示可能とする残日数削減エネルギー演算手段37とを備えたエネルギー管理支援装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】長期間省エネルギー目標値及び過去エネルギー実績値から取得される長期間内で区分される短周期毎のベースラインを設定するデータ設定手段1,2bと、建物の消費エネルギー計測系7から短周期毎エネルギー実測値を収集し、短周期毎ベースラインと短周期毎エネルギー実測値とから、短周期毎のエネルギー削減率を演算する省エネルギー効果演算手段35と、当初から現時点までの短周期毎に得られた累積エネルギー実績値と累積ベースラインとから、現時点までの累積エネルギー削減率を演算する累積省エネルギー効果演算手段36と、求めた累積エネルギー削減率が現時点までの累積エネルギー削減率よりも小さい場合、残期間における短周期毎のエネルギー削減率を演算し表示可能とする残日数削減エネルギー演算手段37とを備えたエネルギー管理支援装置である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、建物内の設備機器で消費されるエネルギー消費量を省エネルギー目標値に導くためのエネルギー管理支援装置に関する。
従来の一般的なエネルギー管理方法は、日単位、週単位または月単位ごとにエネルギー消費量をグラフ化または図表化して表示することにより、エネルギー消費量である実績値を管理する方法である。この管理方法は、実際のエネルギー消費動向を視覚的に表示することにより、エネルギー削減効果を期待する方法である。
しかし、このエネルギー管理方法では、長期間(月間、年間)における省エネルギー目標値に対し、日々のエネルギー消費量をどの程度の値にしなければならないのか明確に判断できない。このことは、日毎のエネルギー実績値を管理しても、このままの状態で推移したとき、果たして省エネルギー目標値を達成するのか、あとどの程度減らせばよいのか等について把握できない。その理由は、日毎のエネルギー消費量が気温、曜日等の要因によって異なる為である。その結果、省エネ目標期間として定めた最終月末または年度末になったとき、省エネルギ-目標値に達成できなくなってしまうケースが多々ある。
そこで、近年、多数の電気設備を持つ建物の省エネルギ-化を実現するための装置が提案されている。
この装置は、過去の平均外気温度及び過去の月別エネルギー消費量を記憶し、これら平均外気温度及び月別エネルギー消費量に基づき、ベースラインモデルを用いた演算を実行し、対象建物で使用される日毎のエネルギー消費量目標値(ベースラインエネルギー消費量)を求める。そして、当該ベースラインエネルギー消費量と実エネルギー消費量とを比較し、省エネルギ-制御結果を評価する建物エネルギー評価装置である(特許文献1)。
特開2006−98361号公報(図1参照)
この装置は、過去の平均外気温度及び過去の月別エネルギー消費量を記憶し、これら平均外気温度及び月別エネルギー消費量に基づき、ベースラインモデルを用いた演算を実行し、対象建物で使用される日毎のエネルギー消費量目標値(ベースラインエネルギー消費量)を求める。そして、当該ベースラインエネルギー消費量と実エネルギー消費量とを比較し、省エネルギ-制御結果を評価する建物エネルギー評価装置である(特許文献1)。
しかし、以上のような建物エネルギー評価装置は、電気設備機器に対する制御を省エネ化の観点から評価するものであって、評価が低ければ電気設備機器の稼動を抑制する方向に制御する。よって、前述したように実際のエネルギー消費量との関係から以後の日々のエネルギー消費量をどの程度の値に定める必要があるのか等について明確に示唆するものではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、当初から現時点までのエネルギー消費状況を把握しつつ、残日数の短周期毎のエネルギー消費量をどの程度の値に抑制するかを明確に提示し、省エネルギ-目標値を達成しやすい環境を作り出すエネルギー管理支援装置を提供することを目的とする。
(1) 上記課題を解決するために、本発明は、少なくとも1つの建物に設置される設備機器のエネルギー実測値(エネルギー消費量)に基づき、長期間の省エネルギー目標値に達するように支援するエネルギー管理支援装置において、前記長期間の省エネルギー目標値及び過去のエネルギー実績値から取得される当該長期間内で区分される短周期毎のベースラインを設定するデータ設定手段と、前記少なくとも1つの建物に設置される消費エネルギー計測系から前記短周期毎のエネルギー実測値を収集し、前記短周期毎のベースラインと当該短周期毎のエネルギー実測値とに基づき、短周期毎のエネルギー削減率またはエネルギー削減量を演算する短周期毎省エネルギー効果演算手段と、この短周期毎省エネルギー効果演算手段で算出された当初から現時点までの短周期毎に得られた累積エネルギー実績値と累積ベースラインとを基づき、現時点までの累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量を演算する累積省エネルギー効果演算手段と、この累積省エネルギー効果演算手段で求めた累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量が現時点までの累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量よりも小さい場合、残期間における短周期毎の平均的なエネルギー削減率またはエネルギー削減量を演算する残日数削減エネルギー演算手段とを備えたエネルギー管理支援装置である。
また、本発明は、上記構成に新たに、前記短周期毎省エネルギー効果演算手段、前記累積省エネルギー効果演算手段及び残日数削減エネルギー演算手段でそれぞれ得られた各エネルギー削減率、各エネルギー削減量を選択的に抽出して所定の様式に基づいて帳票化または折れ線グラフ化として出力する手段を付加したものでもよい。
(2) また、本発明は、前記(1)の構成に新たに、前記残日数削減エネルギー演算手段において前記累積省エネルギー効果演算手段で求めた累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量が現時点までの累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量よりも小さいと判断されたとき、警報を出力する警報出力手段を付加した構成のエネルギー管理支援装置であってもよい。
また、本発明は、前記(1)の構成に新たに、予め設備機器ごとに負荷影響度を考慮しつつ各設備機器データを設定する設定手段と、前記残日数削減エネルギー演算手段において累積省エネルギー効果演算手段で求めた累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量が現時点までの累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量よりも小さいと判断されたとき、前記設定手段で設定された負荷影響度を参照し、負荷影響度の小さい負荷遮断設備機器を判断する負荷遮断機器判断手段と、この負荷遮断機器判断手段で判断された設備機器に対して負荷遮断指令信号を出力する負荷遮断指令出力手段とを付加した構成のエネルギー管理支援装置であってもよい。
本発明によれば、当初から現時点までのエネルギー消費状況を把握しつつ、残日数の短周期毎のエネルギー消費量をどの程度の値に削減するかを明確に算出して提示可能とするので、省エネルギ-目標値を達成しやすい環境を容易に把握できるエネルギー管理支援装置を提供できる。
以下、本発明に係るエネルギー管理支援装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るエネルギー管理支援装置の一実施の形態を示す構成図である。
このエネルギー管理支援装置は、キーボード,マウスなどのデータ入力部1と、各種データを記憶する記憶装置2と、エネルギー管理支援処理部3と、外部から収集するエネルギー消費量(実績値)や省エネルギー演算処理の途中データを一時的に格納するデータバッフア記憶部4と、表示部5と、プリンタ6とによって構成される。
図1は本発明に係るエネルギー管理支援装置の一実施の形態を示す構成図である。
このエネルギー管理支援装置は、キーボード,マウスなどのデータ入力部1と、各種データを記憶する記憶装置2と、エネルギー管理支援処理部3と、外部から収集するエネルギー消費量(実績値)や省エネルギー演算処理の途中データを一時的に格納するデータバッフア記憶部4と、表示部5と、プリンタ6とによって構成される。
データ入力部1は、例えば月間,年間の省エネルギー目標値や過去のエネルギー消費量等から得られるベースラインその他必要な制御指示を入力する。
記憶装置2には、少なくともデータ入力部1から入力される省エネルギー削減目標値及びベースラインを設定する設定データ記憶領域2a、省エネルギー削減目標値及びベースラインの他、省エネルギー演算結果のエネルギー削減量,削減率データを登録する省エネルギー管理テーブル2b及び温度データ記憶領域2cが設けられている。
省エネルギー管理テーブル2bは、後記する図4に示すごとく当月各日毎に所定の項目(各月各日、平均気温、エネルギー消費量、ベースライン、エネルギー削減率(省エネ率)の他、累計エネルギー消費量,累積ベースライン,累積エネルギー削減率等)が設けられている。
エネルギー管理支援処理部3は、CPUで構成され、機能的には、1つの対象建物の各種動力源により消費される日単位、週単位または月単位のトータルエネルギー消費量を計測する消費エネルギー計測系7で取得されるトータルエネルギー消費量を取り込んだ後、内部処理可能なデータに変換する入出力インタフェース部31と、所定時間ごとに入出力インタフェース部31や入力ポート32にデータ収集指示を出してエネルギー消費量や外気温度を収集し、省エネルギー管理テーブル2bの該当項目及び温度データ記憶領域2cに記憶するデータ収集部33とが設けられている。なお、動力源としては、空調熱源機器:ボイラ、ターボ冷凍機、冷温水発生機、ヒートポンプチラーなど、空調熱源機器:冷却塔,循環ポンプ,オイルタンク,熱交換器など、空調2次側機器:空調機、ファンコイル,ヒートポンプエアコンなどの多くの機器が挙げられる。8は温度センサ、9は日単位、週単位または月単位のトータルエネルギー消費量を記憶する各種のメディア記憶媒体である。
また、エネルギー管理支援処理部3は、平均温度算出手段34、短周期の省エネルギー効果演算手段35、累積省エネルギー効果演算手段36、残日数削減エネルギー演算手段37及び削減エネルギー表示編集処理手段38が設けられている。
平均温度算出手段34は、例えば温度センタ8から各日毎に所定時間ごとに測定される複数回の外気温度を平均化し平均温度を求めるものである。
省エネルギー効果演算手段35は、例えば日毎(または周単位,月単位)のエネルギー削減量、エネルギー削減率等の省エネルギー効果を演算し、省エネルギ-管理テーブル2bの該当する領域に記憶していく。
累積省エネルギー効果演算手段36は、当月初めから現時点までの累積エネルギー消費量、累積ベースラインを求めた後、現時点までのエネルギー削減量またはエネルギー削減率等の累積省エネルギーの効果を演算し、得られた累積エネルギー消費量、累積ベースライン,累積エネルギー削減量または累積エネルギー削減率を省エネルギ-管理テーブル2bの該当する領域に記憶する。
残日数削減エネルギー演算手段37は、当月における残日数における省エネルギー削減目標値を達成するための削減エネルギーを演算する機能を持っている。削減エネルギー表示編集処理手段38は、所定の様式に基づく帳票(例えば図4参照)または横軸に各日、縦軸にエネルギー量を表す2次元的な折れ線グラフを編集作成し、表示部5に表示するか、プリンタ6から出力する。
次に、以上のように構成されたエネルギー管理支援装置の動作について図2を参照して説明する。
(1) 先ず、省エネルギーに関する演算を実行するに先立ち、データ入力部1から省エネルギー化を実行しようとする例えば該当月のベースラインa及び月間省エネルギー削減目標値bまたはエネルギー削減率目標値cを入力し、省エネルギ-管理テーブル2bの該当する領域に格納する。エネルギー削減率目標値cは、図3に示す省エネルギ-管理テーブル2bの左最上段欄外に格納される。
(1) 先ず、省エネルギーに関する演算を実行するに先立ち、データ入力部1から省エネルギー化を実行しようとする例えば該当月のベースラインa及び月間省エネルギー削減目標値bまたはエネルギー削減率目標値cを入力し、省エネルギ-管理テーブル2bの該当する領域に格納する。エネルギー削減率目標値cは、図3に示す省エネルギ-管理テーブル2bの左最上段欄外に格納される。
これらベースラインa、省エネルギー削減目標値b及びエネルギー削減率目標値cの間には次のような関係が成立する。
a × c =b
ベースラインaは、前年同月のエネルギー実績値、過去数年(3年)の同月におけるエネルギー実績値の平均値、または過去数年間における温度関数を考慮して定義された関数式から求まる値である。
a × c =b
ベースラインaは、前年同月のエネルギー実績値、過去数年(3年)の同月におけるエネルギー実績値の平均値、または過去数年間における温度関数を考慮して定義された関数式から求まる値である。
ちなみに、過去数年間における温度関数を考慮した関数式で定義するとは、例えば図3に示すように省エネルギー化を実行する過去3年間の当月(=例えば4月)の各気温ごとのエネルギー消費量×,○,△をプロットし、これら平均を表す近似的な2次曲線(イ)を描いていき、y=dx2+ex+fなる気温を考慮した2次関数式で表すことを意味する。yはエネルギー消費量、xは気温、d,e,fは定数である。
以上のようにベースラインaが気温の関数等で定義された場合、エネルギー削減量よりもエネルギー削減率を目標値とすることが望ましい。その理由は、エネルギー削減目標値で表した場合には気温の影響を大きく受けて意味を有さない各日毎の削減量となるのに対し、エネルギー削減率目標値で表した場合には気温の影響を受けることが少なくなり、気温の変化に対して影響の受け難い同じ指標に基づいて各日毎のエネルギー削減率を得ることができる為である。よって、図4はエネルギー削減率目標値で表している。
(2) エネルギー管理支援処理部3は、以上のように当月または各日のベースラインa及び月間エネルギー削減率目標値cを設定した後、図2に示す一連の処理を実行する。
すなわち、データ収集部33は、例えば所定時間経過ごとに入力ポート32を介して温度センサ8で測定した外気温度を取り込み、日毎に複数回の外気温度を取り込んで記憶装置2の温度データ記憶領域2cに格納する(S1〜S3)。そして、当日のある定時間(例えば24時)に達したとき(S4)、エネルギー管理支援処理部3は平均温度算出手段34を実行する。
平均温度算出手段34は、温度データ記憶領域2cから複数回にわたって測定した外気温度を平均化し、平均気温を求めた後、省エネルギ-管理テーブル2bの当日の平均気温領域に書き込んだ後(S5)、省エネルギ-効果演算手段35を実行する。
(3) 省エネルギ-効果演算手段35は、データ収集部33を介して消費エネルギー計測系7から当日のエネルギー実績値を取り込んでデータバッフア記憶部4に記憶した後(S6)、当該エネルギー消費量と設定データ記憶領域2aから例えば当月の平均気温を考慮したベースラインとを取り出し、当日の省エネルギー効果を演算する(S7)。
すなわち、各日の省エネ効果は、1日のエネルギー実績値と、1日当たりのベースラインとの比較により算出される。
ここで、1日当たりのベースラインとは、以下のような幾つかの値が考えられる。
イ) 当月のベースラインaを月日数で割った値。
ロ) 当月のベースラインaを月日数で割ったところの1週間の各日の値に土曜・日曜などの需要負荷を違いに応じた重み付けに従って按分した値である。例えばデパートなどでは平日よりも土曜・日曜にお客が多く入り、一般の商用ビルでは土曜・日曜の稼働率が少ない。よって、平日を「1」としたとき、その稼動状態に応じてデパートの場合には例えば土曜・日曜を「1.5」を乗じ、また商用ビルの場合には土曜では「0.7」、日曜では「0.3」を乗じて得られた値等である。
イ) 当月のベースラインaを月日数で割った値。
ロ) 当月のベースラインaを月日数で割ったところの1週間の各日の値に土曜・日曜などの需要負荷を違いに応じた重み付けに従って按分した値である。例えばデパートなどでは平日よりも土曜・日曜にお客が多く入り、一般の商用ビルでは土曜・日曜の稼働率が少ない。よって、平日を「1」としたとき、その稼動状態に応じてデパートの場合には例えば土曜・日曜を「1.5」を乗じ、また商用ビルの場合には土曜では「0.7」、日曜では「0.3」を乗じて得られた値等である。
ハ) 当月のベースラインaが気温を考慮した関数式で定義されている場合には、その関数式に各日の平均気温を代入した後に月日数で割った値となる。
省エネルギ-効果演算手段35は、各日のエネルギー実績値と各日のベースラインとから下記式によって各日毎のエネルギー削減量またはエネルギー削減率を演算することにより、省エネルギー効果を取得する。
* 各日のエネルギー削減量
・ 1日目の削減量=1日目のベースライン−1日目のエネルギー実績値
・ 2日目の削減量=2日目のベースライン−2日目のエネルギー実績値
・ 3日目の削減量=3日目のベースライン−3日目のエネルギー実績値
・
・
* 各日のエネルギー削減率
・ 1日目の削減率=1日目の削減量/1日目のベースライン
・ 2日目の削減率=2日目の削減量/2日目のベースライン
・ 3日目の削減率=3日目の削減量/3日目のベースライン
そして、以上のように演算によって得られた省エネルギー効果のうち、例えば各日のエネルギー削減率を省エネルギ-管理テーブル2bの該当項目領域に格納する。よって、省エネルギ-管理テーブル2bの該当項目領域に各日毎のエネルギー削減率を格納し、表示部5に表示するか、プリンタ6で出力すれば、各日毎の省エネ効果を把握できる。なお、各日毎の省エネルギ-効果は、大きかったり、小さかったりし、その日によって異なるのが一般的である。
・ 1日目の削減量=1日目のベースライン−1日目のエネルギー実績値
・ 2日目の削減量=2日目のベースライン−2日目のエネルギー実績値
・ 3日目の削減量=3日目のベースライン−3日目のエネルギー実績値
・
・
* 各日のエネルギー削減率
・ 1日目の削減率=1日目の削減量/1日目のベースライン
・ 2日目の削減率=2日目の削減量/2日目のベースライン
・ 3日目の削減率=3日目の削減量/3日目のベースライン
そして、以上のように演算によって得られた省エネルギー効果のうち、例えば各日のエネルギー削減率を省エネルギ-管理テーブル2bの該当項目領域に格納する。よって、省エネルギ-管理テーブル2bの該当項目領域に各日毎のエネルギー削減率を格納し、表示部5に表示するか、プリンタ6で出力すれば、各日毎の省エネ効果を把握できる。なお、各日毎の省エネルギ-効果は、大きかったり、小さかったりし、その日によって異なるのが一般的である。
(4) 引き続き、エネルギー管理支援処理部3は、累積省エネルギー効果演算手段36を実行する。
累積省エネルギー効果演算手段36は、当月初めから現時点までの各日のエネルギー実績値と各日のベースラインとを用いて、累積エネルギー消費量及び累積ベースラインを演算する(S8)。
累積省エネルギー効果演算手段36は、当月初めから現時点までの各日のエネルギー実績値と各日のベースラインとを用いて、累積エネルギー消費量及び累積ベースラインを演算する(S8)。
例示すると、次のような演算式で算出する。
すなわち、累積省エネルギー効果演算手段36は、省エネルギ-管理テーブル2bのエネルギー消費量項目及びベースライン項目から各日のエネルギー実績値及び各日のベースラインを取り出し、累積エネルギー消費量及び累積ベースラインを求める。
すなわち、累積省エネルギー効果演算手段36は、省エネルギ-管理テーブル2bのエネルギー消費量項目及びベースライン項目から各日のエネルギー実績値及び各日のベースラインを取り出し、累積エネルギー消費量及び累積ベースラインを求める。
例:10日目まで経過した時点の場合。
・ 10日までの累積エネルギー消費量=1日目のエネルギー実績値+2日目のエネルギー実績値+……+10日目のエネルギー実績値
・ 10日までの累積ベースライン=1日目のベースライン+2日目のベースライン+……+10日目のベースライン
以上のようにして10日までの累積エネルギー消費量及び累積ベースラインからその日(10日まで)の省エネルギー効果を算出する。
・ 10日までのエネルギー削減量=10日までの累積ベースライン−10日目までの累積エネルギー消費量
・ 10日までのエネルギー削減率=10日までのエネルギー削減量/10日までの累積ベースラインとなる。
・ 10日までの累積エネルギー消費量=1日目のエネルギー実績値+2日目のエネルギー実績値+……+10日目のエネルギー実績値
・ 10日までの累積ベースライン=1日目のベースライン+2日目のベースライン+……+10日目のベースライン
以上のようにして10日までの累積エネルギー消費量及び累積ベースラインからその日(10日まで)の省エネルギー効果を算出する。
・ 10日までのエネルギー削減量=10日までの累積ベースライン−10日目までの累積エネルギー消費量
・ 10日までのエネルギー削減率=10日までのエネルギー削減量/10日までの累積ベースラインとなる。
そして、以上のように演算により得られた省エネルギー効果のうち、例えば各日の累積エネルギー削減率を省エネルギ-管理テーブル2bの該当累積エネルギー削減率項目領域に格納する。
(5) 以上のようにして10日までの各日の累積エネルギー削減率を求めた後、残日数削減エネルギー演算手段37を実行するか否かを判断する(S9)。具体的には、オペレータに対して実行するか否かのメッセージを表示し、例えば上記算出結果からエネルギー削減率が月間エネルギー削減目標値よりも大きい場合にはひとまず目標達成の見込みがあるので実行不可とするが、エネルギー削減率が月間エネルギー削減目標値よりも小さい場合には実行指示を入力する。或いは予め設定される経過実行日等の記憶領域にフラグ「1」を立てることにより、残日数削減エネルギー演算手段37の実行有りと判断する。特に、エネルギー削減率が月間目標値よりも小さい場合には、今後月末までの各日毎に今まで以上の省エネルギー運転が必要となる。
そこで、残日数削減エネルギー演算手段37は、月末までの1日当り消費してよい必要エネルギー削減量を求める(S10)。すなわち、残日数削減エネルギー演算手段37は、具体的には次の手順に従って演算処理する。
・ 月末までの残る日数に削減すべき合計量
=月間エネルギー削減量目標値−10日目までの累積エネルギー削減量
・ 月末までの1日当りの必要削減量
=月末までの残る日々に削減すべき合計量−月末までの残日数
・ 月末までの1日当りの必要削減率
=月末までの1日当りの必要削減量/月末までの1日当りのベースライン
・ 月末までの1日当り消費してよいエネルギー量
=月末までの1日当りのベースライン−月末までの1日当りの必要削減量である。
=月間エネルギー削減量目標値−10日目までの累積エネルギー削減量
・ 月末までの1日当りの必要削減量
=月末までの残る日々に削減すべき合計量−月末までの残日数
・ 月末までの1日当りの必要削減率
=月末までの1日当りの必要削減量/月末までの1日当りのベースライン
・ 月末までの1日当り消費してよいエネルギー量
=月末までの1日当りのベースライン−月末までの1日当りの必要削減量である。
残日数削減エネルギー演算手段37は、以上のようにして月末までの1日当り消費してよいエネルギー削減量または削減率を求めた後、省エネルギ-管理テーブル2bの11日以降の月間省エネルギー削減目標に達成するための今後必要とする省エネルギー削減率を表す領域に順次記憶していく。なお、図4は13日までの累計に基づくエネルギー削減率を求めているので、14日以降の1日当りの必要削減量を演算し、格納している。
ここで、残日数には平日と土曜・日曜などとの重み付けに応じて按分してもよい。このとき、1日当りのベースラインについても曜日等の重み付けに応じて按分してもよい。
また、月間のベースラインが気温の関数で定義されている場合、月末までにならないと各日の平均気温が確定しないので、月間削減量目標値も決まらない。よって、この場合には過去の同月の平均気温や月初めから例えば10日までの平均気温、或いは10日までの平均気温の推移を考慮しつつ気温を推測し、関数式に代入して各日のベースラインを決定してもよい。
なお、今後の省エネ率の演算方法としては、別の演算方法も考えられる。
例えばベースラインが気温の関数で定義されている場合、今後の気温が分らないことから、今後の必要削減量を計算対象とすることが困難である。
例えばベースラインが気温の関数で定義されている場合、今後の気温が分らないことから、今後の必要削減量を計算対象とすることが困難である。
そこで、残日数削減エネルギー演算手段37は、現時点までの日数と、現時点までの累計エネルギー削減率と、月間エネルギー削減率目標値とに基づき、以下の演算によって今後のエネルギー削減率を求める。具体的には、
・ 月間エネルギー削減率目標値=(今までの累積エネルギー削減率×今までの日数+今後のエネルギー削減率×今後の日数)/月間日数から、今後のエネルギー削減率を求める。
・ 月間エネルギー削減率目標値=(今までの累積エネルギー削減率×今までの日数+今後のエネルギー削減率×今後の日数)/月間日数から、今後のエネルギー削減率を求める。
・ 今後のエネルギー削減率=(月間エネルギー削減率×月間日数−今までの累計エネルギー削減率×今までの日数)/今後の日数となる。
以上のようにして残日数による必要エネルギー削減率を求めた後、残エネルギー削減率を含むエネルギー消費状態を表示するか否かを判断し(S11)、表示する旨の指示があれば、削減エネルギー表示編集処理手段38を実行する。
(6) 削減エネルギー表示編集処理手段38は、図4に示す省エネルギ-管理テーブル2bをそのまま出力するか、或いは月間エネルギー削減率目標値を達成するために必要な項目を抽出し、所要とする様式に基づいて帳票を作成し、表示部5に表示し、またはプリンタ6から出力する。また、図5に示すように2次元的なグラフを編集し、表示部5に表示し、またはプリンタ6から出力する。2次元的なグラフとしては、横軸が当月の各日、縦軸がエネルギー削減率で表した後、月間エネルギー削減率目標値ライン(ロ)を引いた後、各日ごとにエネルギー削減率をプロットし、折れ線グラフ(ハ)を作成する。そして、14日以降の必要エネルギー削減率を点線ライン(ニ)で表し、一目瞭然に各日の必要エネルギー削減率が視覚的に把握できるように作成し、表示部5に表示し、またはプリンタ6から出力する(S12)。
そして、各日の必要エネルギー削減率を表示部5に表示し、またはプリンタ6から出力した後、当月終了かを判断し(S13)、未だ月末に達していない場合にはステップS1に移行し、一連の処理を繰り返す。当月終了の場合には次月に継続するか否かを判断し(S14)、継続する場合にはステップS1に移行する。
従って、以上のような実施の形態によれば、残日数削減エネルギー演算手段37が累積省エネルギー効果演算手段36で求めた累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量が現時点までの累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量よりも小さいと判断されたとき、月間または年間エネルギー削減率目標値または月間または年間エネルギー削減量を達成するための現時点以降の各日毎または各月毎のエネルギー削減率またはエネルギー削減量を算出して表示可能とするので、一目瞭然に各日毎または各月毎のエネルギー削減率またはエネルギー削減量を把握でき、目標達成を意識した設備機器の運用を行うことができる。
また、エネルギー削減目標値に対して、日々における建物の設備機器の運用が悪いとき、残された期間に必要とする日々の省エネルギー削減率または削減量が次第に大きくなるので、運用者の危機意識が高まり、達成しようとする環境が生成される。
(その他の実施の形態)
(1) 上記実施の形態では、月間または年間エネルギー削減目標のもとに運用管理する例について述べたが、任意期間におけるエネルギー削減目標管理にも同様に利用できるものである。
(1) 上記実施の形態では、月間または年間エネルギー削減目標のもとに運用管理する例について述べたが、任意期間におけるエネルギー削減目標管理にも同様に利用できるものである。
(2) また、エネルギー管理支援処理部3としては、図6に示すように記憶装置2の設定データ記憶領域2aに一週間(7日)ごと、または10日ごとの日付けを設定するとともに、残日数削減エネルギー演算手段37の出力側に警報出力手段41を設ける。
そして、残日数削減エネルギー演算手段37は、前記設定データ記憶領域2aに設定される日ごとに、累積省エネルギー効果演算手段36で求めた累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量が現時点までの累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量よりも小さいと判断されたとき、警報指示を警報出力手段41に通知する。
ここで、警報出力手段41は、警報指示を受けると、装置自体に付加されている音声発生器42に鳴動信号を送出し、警報を発生する。音声発生器42に代えて、表示部5に所定のメッセージを表示するか、或いは点滅表示する構成であってもよい。
これにより、ある設定日ごとに確実にエネルギー削減の低下状態を認識できる。
(3) 上記実施の形態では、累積省エネルギー効果演算手段36で求めた累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量が現時点までの累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量よりも小さいと判断されたとき、以降の各日毎のエネルギー削減率または削減量を演算し、表示するようにしたが、さらに図7及び図8に示す機能を付加した構成であってもよい。
具体的には、記憶装置2に建物に設置される各設備機器名ごとに負荷影響度、負荷設備機器ID及び日毎のエネルギー消費量または削減率を規定する負荷管理テーブル2dを形成するとともに、エネルギー管理支援処理部3に負荷遮断機器判断手段51及び負荷遮断指令出力手段52を設ける。
エネルギー管理支援処理部3の残日数削減エネルギー演算手段37は、前記設定データ記憶領域2aに設定される日ごとに、累積省エネルギー効果演算手段36で求めた累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量が現時点までの累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量よりも小さいと判断されたとき、以降の各日毎のエネルギー削減率または削減量を演算し、負荷遮断機器判断手段51に送出する。
負荷遮断機器判断手段51は、残日数削減エネルギー演算手段37から各日毎のエネルギー削減率または削減量を受けると、各設備機器名ごとの負荷影響度と日毎のエネルギー消費量または削減率とを参照し、最も負荷影響度が低く、かつ、日毎のエネルギー消費量または削減率から遮断すべき設備機器を特定し、該当設備機器IDを負荷遮断指令出力手段52に送る。負荷遮断指令出力手段52は、設備機器IDを伴う負荷遮断指令信号を負荷監視装置などに送り、設備機器IDに対応する設備機器の遮断を促す。
このような構成とすることにより、エネルギーの削減が悪いとき、負荷影響度と日毎のエネルギー消費量または削減率とに基づき、設備機器を特定し、遮断を促すので、運用者が運用操作することなく、確実に月間または年間エネルギー削減目標値に達成することができる。
(4) さらに、上記実施の形態では、1つの建物のエネルギー削減について述べたが、例えば図9に示すように通信インタフェース機能を持つ入出力インタフェース部3に公衆通信回線またはインターネット等の通信ネットワーク53を介して多数の建物の消費エネルギー測定系7,…と接続するとともに、記憶装置2に各建物に対応する複数の設定データ記憶領域2a´、省エネルギー削減目標値及びベースラインの他、省エネルギー演算結果のエネルギー削減量,削減率データを登録する複数省エネルギー管理テーブル2b´及び複数の温度データ記憶領域2c´を形成すれば、第1の実施形態と同様に各建物の月間または年間のエネルギー削減目標値に対する省エネ化を達成するための支援を実現できる。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
1…データ入力部、2…記憶装置、2a…設定データ記憶領域、2b…省エネルギー管理テーブル、2c…温度データ記憶領域、3…エネルギー管理支援処理部、5…表示部、6…プリンタ、7…建物の消費エネルギー計測系、8…温度センサ、9…記憶媒体、31…入出力インタフェース部、32…入力ポート、33…データ収集部、34…平均温度算出手段、35…短周期の省エネルギー効果演算手段、36…累積省エネルギー効果演算手段、37…残日数削減エネルギー演算手段、38…削減エネルギー表示編集処理手段、41…警報出力手段、51…負荷遮断機器判断手段、52…負荷遮断指令出力手段、53…通信ネットワーク。
Claims (6)
- 少なくとも1つの建物に設置される設備機器のエネルギー実測値(エネルギー消費量)に基づき、長期間の省エネルギー目標値に達するように支援するエネルギー管理支援装置において、
前記長期間の省エネルギー目標値及び過去のエネルギー実績値から取得される当該長期間内で区分される短周期毎のベースラインを設定するデータ設定手段と、
前記少なくとも1つの建物に設置される消費エネルギー計測系から前記短周期毎のエネルギー実測値を収集し、前記短周期毎のベースラインと当該短周期毎のエネルギー実測値とに基づき、短周期毎のエネルギー削減率またはエネルギー削減量を演算する短周期毎省エネルギー効果演算手段と、
この短周期毎省エネルギー効果演算手段で算出された当初から現時点までの短周期毎に得られた累積エネルギー実績値と累積ベースラインとを基づき、現時点までの累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量を演算する累積省エネルギー効果演算手段と、
この累積省エネルギー効果演算手段で求めた累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量が現時点までの累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量よりも小さい場合、残期間における短周期毎の平均的なエネルギー削減率またはエネルギー削減量を演算する残日数削減エネルギー演算手段と
を備えたことを特徴とするエネルギー管理支援装置。 - 請求項1に記載のエネルギー管理支援装置において、
前記短周期毎省エネルギー効果演算手段、前記累積省エネルギー効果演算手段及び残日数削減エネルギー演算手段でそれぞれ得られた各エネルギー削減率、各エネルギー削減量を選択的に抽出して所定の様式に基づいて帳票化または折れ線グラフ化として出力する手段を付加したことを特徴とするエネルギー管理支援装置。 - 前記長周期は月単位または年単位であり、前記短周期は日単位、週単位、月単位であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエネルギー管理支援装置。
- 前記短周期毎のベースラインは、気温を関数として定義された関数式から求めた値であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエネルギー管理支援装置。
- 請求項1または請求項2に記載のエネルギー管理支援装置において、
前記残日数削減エネルギー演算手段において前記累積省エネルギー効果演算手段で求めた累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量が現時点までの累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量よりも小さいと判断されたとき、警報を出力する警報出力手段を付加したことを特徴とするエネルギー管理支援装置。 - 請求項1または請求項2に記載のエネルギー管理支援装置において、
予め設備機器ごとに負荷影響度を考慮しつつ各設備機器データを設定する設定手段と、
前記残日数削減エネルギー演算手段において累積省エネルギー効果演算手段で求めた累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量が現時点までの累積エネルギー削減率または累積エネルギー削減量よりも小さいと判断されたとき、前記設定手段で設定された負荷影響度を参照し、負荷影響度の小さい負荷遮断設備機器を判断する負荷遮断機器判断手段と、
この負荷遮断機器判断手段で判断された設備機器に対して負荷遮断指令信号を出力する負荷遮断指令出力手段とを付加したことを特徴とするエネルギー管理支援装置。
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