JP5600085B2 - 評価支援システム、方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、評価対象の評価を支援するシステムに関する。
建物の運用状態を分析する装置として、設備の運転状態が管理目標に到達しない場合に管理目標未到達の原因を推論する建物設備管理の分析装置(特許文献1を参照)がある。
また、建物の環境情報を収集するための計測手段と処理手段を備え、建物環境情報を基にした建物性能を評価する建物評価システムがある(特許文献2を参照)。
特開2005−182441号公報 特開2002−38583号公報 特開2005−158020号公報 特開2003−162573号公報 特開2003−41649号公報 特開2002−269172号公報 特開2003−256554号公報 特開2004−108913号公報 特開2005−157550号公報
建物のライフサイクルは、計画・設計、施工、運用、解体で一巡する(図1を参照)。このうち、運用段階は、建物のライフサイクルの大半を占め、ここで運転の効率化を行い、適正なエネルギー利用を推進し、更新の判断を的確にすることで、運用の最適化を図ることが重要となる。即ち、運用段階においては、建物の運転、エネルギー利用、更新が、総合的に見て最適となるような運用が求められる。このような運用は、環境保全にも寄与する。
従来、建物及び該建物の備える設備を監視するシステムは存在している。例えば、建物設備の運転制御・監視を行う中央監視装置、建物のエネルギー管理を重点的に行うことを目的としたBEMS(Building and Energy Management
System)等である。しかし、これらのシステムを用いて、建物の運用の最適化を図るには、経験と勘を有した設備管理者が必要であり、建物固有の特性を熟知した設備管理者が、経験と勘に基づいて、トライアンドエラーを繰り返しながら運用条件の微調整を行い、最適化を行っているのが現状である。
上記作業を補助するために、建物の設備のシミュレーションを行うことで最適な運用条件を算出する方法が用いられている。しかし、シミュレーションで正確な結果を得るためには、シミュレーションの結果が実際の結果と一致するようにシミュレーションコードのチューニングを行う必要がある。このチューニングにはやはり熟練者の経験と勘、さらに多くの作業時間が必要である。
本発明は、評価対象について知識のないユーザに対しても、評価対象のバランスが最適となっていないことを容易に気付かせ、問題の存在を認識させることを課題とする。
また、上記した課題を解決するために、評価対象の評価において目標となる評価指標である目標評価指標を記憶する記憶装置に接続されるコンピュータを備える評価支援システムであって、前記コンピュータが、中心点と、前記中心点からの距離が前記評価指標の値を示す指標点であって該評価指標と対となる他の評価指標の値を示す指標点を前記中心点を挟んで互いに反対側に有する指標点と、複数の前記指標点の重心を示す重心記号と、を有するバランスチャートを生成するバランスチャート生成手段と、前記バランスチャートを出力する前記出力手段と、を備える評価支援システムとした。
詳細には、本発明は、建物の運用状態に係る数値情報である運用データを取得する運用データ取得手段と、前記建物の運用状態に影響する運用条件であって、前記運用データが取得された際の運用条件である第一の運用条件を保持する第一の運用条件保持手段と、前記建物の運用において基準となる運用状態に係る数値情報である基準運用データに対する前記運用データの割合を算出することで、前記建物の運用状態を評価する際の指標である建物の評価指標を算出する評価指標算出手段と、前記建物の運用を最適化する場合において目標となる評価指標である目標評価指標に到達するための運用条件である第二の運用条件を算出する第二の運用条件算出手段と、前記第一の運用条件に基づいた建物の運用シミュレーションを行うことで第一の模擬運用データを算出し、前記第二の運用条件に基づいた前記運用シミュレーションを行うことで第二の模擬運用データを算出する運用シミュレーション手段と、前記運用データ取得手段によって取得された運用データに、前記第一の模擬運用データに対する前記第二の模擬運用データの割合を乗算することで、前記第二の運用条件で前記建物を運用したと仮定した場合の仮定運用データを算出する仮定運用データ算出手段と、前記基準運用データに対する前記仮定運用データの割合を算出することで、前記第二の運用条件で前記建物を運用したと仮定した場合の建物の評価指標である仮定評価指標を算出する仮定評価指標算出手段と、前記評価指標算出手段によって算出された前記評価指標、前記仮定評価指標算出手段によって算出された前記仮定評価指標、及び前記第二の運用条件を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする建物運用状態最適化支援システムである。
ここで、運用データは、建物の運用状態に係る情報のうち、数値化が可能な情報である。運用データは、建物及び建物の設備に備えられたセンサによる計測や、手入力によって取得される。また、運用条件は、建物の運用状態に影響する様々な条件であって、設備や機器であれば設定値等がこれにあたる。但し、設備や機器の設定値以外にも、建物の運用にあたっての取り決めや、運用状態に影響する外的要因も運用条件に含まれる。
本発明では、建物の評価に評価指標が使用される。評価指標は、取得された運用データの、基準運用データに対する比を表したものである。評価指標を算出することによって、建物の運用状態を把握することが可能となる。
運用シミュレーション手段は、所定の運用条件に基づいて建物を運用した場合の模擬運用データを、運用のシミュレーションを行うことによって算出する。模擬運用データの算出はシミュレーションによるため、実際にその運用条件で建物を運用した場合の運用データとの間には誤差が生じる。本発明は、第一の運用条件に基づいて算出された第一の模擬運用データと、第二の運用条件に基づいて算出された第二の模擬運用データとの比が、第一の運用条件で実際に建物が運用された場合の運用データと、第二の運用条件で建物が実際に運用された場合の運用データとの比に近いと予測されることを利用して、第二の運用条件で運用されたと仮定した場合の仮定運用データを算出し、この仮定運用データと実際に第二の運用条件で運用された場合の運用データとの間に生じる誤差を最小限にとどめるものである。本発明は、このような構成を採用することによって、正確な仮定運用データ
及び仮定評価指標を算出することを可能としている。
本発明に拠れば、評価指標、仮定評価指標及び第二の運用条件が出力されることで、ユーザは建物の運用を最適化することが可能な運用条件を、経験や勘に頼らずに得ることが可能となる。
本発明は、ユーザによる前記目標評価指標の入力を受け付ける入力受付手段を更に備え、前記第二の運用条件算出手段は、前記入力受付手段によって受け付けられた前記目標評価指標に到達するための運用条件である前記第二の運用条件を算出することを特徴としてもよい。
このような構成を備えることによって、ユーザが建物運用改善の目標を設定することが可能となる。
本発明は、前記仮定評価指標算出手段によって算出された前記仮定評価指標が、前記目標評価指標を基準とした所定の範囲内に属するか否かを判定する目標到達判定手段を更に備えることを特徴としてもよい。
このような構成を備えることによって、第二の運用条件で運用することによって、目標評価指標に到達できるか否かを判定し、目標評価指標に到達できる第二の運用条件を特定することが可能となる。
本発明において、前記評価指標算出手段及び前記仮定評価指標算出手段は、建物を評価する際の観点を定めた所定の評価項目について入力と出力の関係で対となる評価指標を算出することを特徴としてもよい。
評価指標算出手段及び仮定評価指標算出手段が、一の評価項目について、入力に係る評価指標と、出力に係る評価指標を算出することで、評価項目について入力と出力のバランスを判断することが可能となる。なお、ここでいう出力には、入力に対して消費の関係となるものも含まれる。
本発明は、中心点と、前記中心点からの距離が前記評価指標の値を示す指標点であって該評価指標と入力と出力の関係で対となる他の評価指標の値を示す指標点を前記中心点を挟んで互いに反対側に有する指標点と、複数の前記指標点の重心を示す重心記号と、を有するバランスチャートを生成するバランスチャート生成手段を更に備え、前記出力手段は、前記バランスチャートを出力することを特徴としてもよい。
ここで、指標点の重心は、全ての指標点の二次元座標の算術平均を座標として持つ点である。ここで、入力に係る評価指標と、出力に係る評価指標のバランスが崩れた場合、バランスチャート上の指標点の重心の位置がずれる。このようなバランスチャートが出力されることによって、建物の運用について知識のないユーザに対しても、建物の運用のバランスが最適となっていないことを容易に気付かせ、問題の存在を認識させることが出来る。
本発明は、建物の運用におけるエネルギー消費量を算出するエネルギー消費量算出手段を更に備え、前記バランスチャート生成手段は、前記エネルギー消費量の値に応じて前記重心記号の大きさを変化させることを特徴としてもよい。
重心記号の大きさがエネルギー消費量の値に応じて変化することで、エネルギー消費量を目視で容易に把握することが可能となる。
本発明において、前記評価指標算出手段は、前記評価項目である設備管理について入力と出力の関係で対となる評価指標として、入力に係る評価指標であるエネルギー入力率を、前記建物において消費されるエネルギーのエネルギー契約量に対するエネルギー消費量の割合を算出することで算出し、出力に係る評価指標であるエネルギー出力率を、前記建物に備えられた機器の定格容量に対する機器の入力負荷の割合を算出することで算出すること、を特徴としてもよい。
施設管理は、施設(設備)面の評価項目であり、入力に係る評価指標であるエネルギー入力率及び出力に係る評価指標であるエネルギー出力率を有する。エネルギー入力率とエネルギー出力率とのバランスによって、施設のエネルギーの利用が最適な状態となっているか否かが判断される。
また、本発明において、前記評価指標算出手段は、前記評価項目であるエネルギー管理について入力と出力の関係で対となる評価指標として、入力に係る評価指標であるエネルギー供給率を、前記建物におけるエネルギー製造能力に対する製造エネルギーの割合を算出することで算出し、出力に係る評価指標であるエネルギー消費過剰率を、前記建物でのエネルギー消費による消費想定負荷に対する消費実態負荷の割合を算出することで算出すること、を特徴としてもよい。
エネルギー管理は、エネルギー消費面の評価項目であり、入力に係る評価指標であるエネルギー供給率及び出力に係る評価指標であるエネルギー消費過剰率を有する。エネルギー供給率とエネルギー消費過剰率とのバランスによって、エネルギーの需要と供給が最適な状態となっているか否かが判断される。
また、本発明において、前記評価指標算出手段は、前記評価項目である建築物管理について入力と出力の関係で対となる評価指標として、入力に係る評価指標である建物稼働率を、前記建物における建物稼動の目標に対する建物稼動の割合を算出することで算出し、出力に係る評価指標である部分負荷率を、前記建物に備えられた機器の定格能力に対する機器の運転時の出力負荷又は製造エネルギー量の割合を算出することで算出すること、を特徴としてもよい。
建築物管理は、建築(構造)面の評価項目であり、入力に係る評価指標である建物稼働率及び出力に係る評価指標である部分負荷率を有する。建物稼働率と部分負荷率とのバランスによって、建物の稼動が最適な状態となっているか否かが判断される。
本発明に拠れば、評価対象について知識のないユーザに対しても、評価対象のバランスが最適となっていないことを容易に気付かせ、問題の存在を認識させることが可能となる。
建物のライフサイクルを示した図である。 実施形態に係る建物総合評価システムの構成の概略を示した図である。 実施形態における評価指標の算出処理の概要を示したフローチャートである。 実施形態において表示されるバランスチャート50を示した図である。 最適運用条件算出処理の全体の流れを示したフローチャートである。
本発明に係る建物運用状態の最適化支援システムを、建物総合評価システムとして実施した場合の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
<システム構成>
図2は、本実施形態に係る建物総合評価システムの構成の概略を示した図である。建物総合評価システムは、サーバ10と、ネットワーク30と、各種センサ40を備える。サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、HDD(Hard Disk Drive)13、NIC(Network Interface Card)14、表示装置15、入力装置17等を有し、これらはバス16を介して接続されている。
CPU11は、中央処理装置であり、RAM12等に展開された命令及びデータを処理することで、バス16に接続されたRAM12、HDD13、NIC14、表示装置15等を制御する。RAM12は、主記憶装置であり、CPU11によって制御され、各種命令やデータが書き込まれ、読み出される。HDD13は、補助記憶装置であり、主にサーバ10の電源を落としても保持したい情報が書き込まれ、読み出される。NIC14は、ネットワークインターフェースであり、ネットワーク30より信号を受信し、ネットワーク30へ信号を送信する。表示装置15は、出力装置であり、CPU11によって制御され、出力された表示データを表示する。入力装置17は、マウス、キーボード等の入力装置であり、ユーザによって操作される。入力装置17から入力された内容はRAM12に記録され、CPU11によって処理される。
各種センサ40は、温度センサ、流量センサ等の、建物及び建物に設置された設備の状態を計測するセンサ類である。各種センサ40によって計測されたデータは、運用データとしてネットワーク30を介してHDD13上の運用データベースに蓄積される。なお、各種センサ40がネットワーク30に直接接続されていない場合は、入力装置17にデータファイルを読み込ませるか、又は直接手入力を行うことで、運用データとしてHDD13上の運用データベースに蓄積される。
<評価項目と評価指標>
次に、本実施形態で用いる評価項目と評価指標を説明する。表1は、本実施形態で用いる評価項目と評価指標、及びその関係を示した図である。本実施形態では、評価項目として、施設(設備)面の評価項目となる施設管理(Facility Management)FM、エネルギー消費面の評価項目となるエネルギー管理(Energy Management)EM及び建築(構造)面の評価項目となる建築物管理(Construction Management)CMの3つの評価項目を用いる。夫々の評価項目は、入力と出力の関係で対となる評価指標を有し、これらのバランスによって、最適な状態となっているか否かが判断される。本実施形態において、評価指標は、基本運用データに対する運用データの割合を0.0から1.0までの範囲(但し、基本運用データの精度不足や、機器の過負荷運転等により、1.0以上の値をとることもありうる)で表したものであり、入力と出力の関係で対となる評価指標が同一又は近い値となっていれば、バランスのよい状態となっていると判断できる。なお、本実施形態において評価指標は、0.0から1.0までの範囲で表されるが、基本運用データに対する運用データの割合を表す方法は、これに限定されない。例えば、百分率による表示を採用してもよい。
Figure 0005600085
評価項目の一である施設管理FMは、入力に係る評価指標であるエネルギー入力率及び出力に係る評価指標であるエネルギー出力率を有し、これらのバランスによって、エネルギーの利用が最適な状態となっているか否かが判断される。エネルギー入力率がエネルギー出力率に対して大きい場合、エネルギーの契約量に対して消費量が過大である可能性があり、契約の見直しによるコスト改善等が必要であることが判断できる。また、エネルギー入力率がエネルギー出力率に対して小さい場合、建物が必要とするエネルギー量に対して適正なエネルギー契約量となっていないため、契約の変更や機器の運転効率改善の検討が必要と判断できる。
評価項目の一であるエネルギー管理EMは、入力に係る評価指標であるエネルギー供給率及び出力に係る評価指標であるエネルギー消費過剰率を有し、これらのバランスによって、エネルギーの需要と供給が最適な状態となっているか否かが判断される。エネルギー供給率がエネルギー消費過剰率に対して大きい場合、建物内部のエネルギーロスの改善や運用条件変更による運用の改善が必要であると判断できる。また、エネルギー供給率がエネルギー消費過剰率に対して小さい場合、必要な熱エネルギー量に対して、機器劣化などの要因により、熱エネルギー需要をまかなえていない状況(室内温度上昇などの内部環境悪化)が発生していることが考えられ、機器メンテナンスの検討、運用条件の変更による運用の改善が必要であると判断できる。
評価項目の一である建築物管理CMは、入力に係る評価指標である建物稼働率及び出力に係る評価指標である部分負荷率を有し、これらのバランスによって、建物の稼動が最適な状態となっているか否かが判断される。建物稼働率が部分負荷率に対して大きい場合、建物の稼働率に対して、設備容量が過大である可能性があり、建物の運用時の負荷に対応する高効率な機器への更新が必要であると判断できる。また、建物稼働率が部分負荷率に対して小さい場合、必要な負荷に対する熱源容量の不足が考えられ、機器の容量を増やすことの検討が必要であると判断できる。
なお、評価項目及び評価指標は、システムの実装に際して適宜設定することが好ましく、上記した評価項目及び評価指標を用いることとしたのは、本実施形態における一例である。また、上記した運用の改善方法についても、本実施形態における一例であり、実際には様々な改善方法が存在する。
<運用データ>
次に、表2及び表3を用いて、本実施形態において用いられる運用データの一例を説明する。表2は、エネルギー入力率、エネルギー出力率を算出するために用いられるデータを示した図である。エネルギー入力率を算出するための運用データとしては、電力計積算値、ガスメータ積算値、水道メータ積算値、油メータ積算値、及び電気、ガス、水道、油の契約量が挙げられる。電力計積算値、ガスメータ積算値、水道メータ積算値、油メータ積算値を計測するための各種センサ40は、電力計パルス、ガスメータパルス、水道メータパルス、油メータパルスを測定できる位置に備えられる。また、これらのデータが各種センサ40による計測では得られない場合は、請求書データから手入力してもよい。電気
、ガス、水道、油の契約量は、供給会社との契約量から手入力される。
エネルギー出力率を算出するための運用データとしては、前記した電気、ガス、水道、油を消費する対象機器の消費エネルギー量、及びこれら対象機器の消費エネルギーの仕様データを使用する。電気、ガス、水道、油を消費する対象機器の消費エネルギー量を計測するための各種センサ40は、対象機器に取り付けられる。また、これらのデータが各種センサ40による計測では得られない場合は、対象機器の持つメータ等を目視確認した値を手入力してもよい。対象機器の消費エネルギーの仕様データは、対象機器の試運転データや、カタログから得た値が予めシステムのHDD13に記録されている。また、これらのデータが予めHDD13に記録されていない場合は、試運転データやカタログから得た値を手入力してもよい。
Figure 0005600085
表3は、エネルギー供給率、エネルギー消費過剰率を算出するために用いられるデータを示した図である。ここでは、計測対象がターボ冷凍機である場合の運用データを例示する。エネルギー供給率を算出するための運用データとしては、冷水出入口温度差、冷水流量、冷凍機消費電力および冷却水入口温度が挙げられる。これらの値を計測するための各種センサ40は、冷凍機入口、冷凍機出口の冷水配管、冷却水配管、冷凍機電力メータに備えられる。また、これらのデータが各種センサ40による計測では得られない場合は、対象となるターボ冷凍機の日報記録データから手入力してもよい。
エネルギー消費過剰率を算出するための運用データとしては、建物二次側送水温度、建物二次側還水温度、建物二次側還水流量、外気温度、電力計積算値が挙げられる。これらの値を計測するための各種センサ40は、二次側送水管、二次側還水管、建物外部(例えば冷却塔近傍)、用途別電力計パルスに備えられる。また、これらのデータが各種センサ40による計測では得られない場合は、対象となるターボ冷凍機の日報記録データから手入力してもよい。
Figure 0005600085
建物稼働率を算出するための運用データとしては、様々なデータを使用することが出来る。建物の用途や、業態、業種、地域によって最適な運用データを用いることが好ましい。工場等、生産を行う建物であれば、生産能力及び生産目標を用いることが好ましいし、他にも、売上金額と売上目標、宿泊客数と収容可能宿泊客数、入店客数と過去入店客数最大数などを用いることが考えられる。これらの運用データは、各種センサ40によって計測することが難しいため、他のシステム(生産管理システム、売上管理システム、顧客管理システム等)からの取得や、手入力される。
部分負荷率算出を算出するための運用データとしては、建物に設置された機器の出力負荷及び該機器の定格能力が挙げられる。これらの値を計測するための各種センサ40は、建物に設置された機器に備えられる。また、これらのデータが各種センサ40による計測では得られない場合は、対象となる機器の日報記録データから手入力してもよい。対象機器の定格能力は、対象機器の試運転データや、カタログから得た値から手入力される。
上記した運用データは、全て運用データベースに蓄積される。なお、本実施形態では、エネルギー入力率、エネルギー出力率を算出するために用いられる運用データの計測対象を電気、ガス、水道、油としているが、対象となる建物及び建物に設置された設備で、天然ガス等その他のエネルギーを利用する場合は、これらその他のエネルギーも計測対象に含めることが好ましい。また、本実施形態では、エネルギー供給率、エネルギー消費過剰率を算出するために用いられる運用データの計測対象をターボ冷凍機としているが、対象となる建物及び建物に設置された設備は、全て計測対象に含めることが好ましい。
<評価指標の算出及び表示処理>
図3は、本実施形態における評価指標の算出処理の概要を示したフローチャートである。図3に示された処理は、建物総合評価システムにおいて、RAM12等に展開されたプログラムをCPU11が解釈及び実行することで行われる。CPU11は、所定のタイミング、又はユーザより入力された指示に基づいて図3に示された処理を実行する。また、以下の各処理の処理単位及び処理順序は、本実施形態に示されている処理単位、処理順序に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。ここで、算出する評価指標の一例として、エネルギー供給率の算出処理を示しているが、その他の評価指標、即ちエネルギー入力率、エネルギー出力率、エネルギー消費過剰率、建物稼働率及び部分負荷率の算出処理も、用いる運用データが異なるのみで、算出方法は同様である。
S101では、建物全体の製造エネルギー、即ち建物及び建物に設置された設備によって製造されるエネルギーの総量が算出される。CPU11は、HDD13に蓄積された運用データベースから、冷水出入口温度差、冷水流量をはじめとする、建物及び建物に設置された設備に関する運用データを読み出し、これらの運用データを基に、所定期間における製造エネルギーの合計を算出する。その後、処理はS102へ進む。
S102では、建物全体のエネルギー製造能力、即ち建物及び建物に設置された設備によって製造することが可能なエネルギーの総量が算出される。CPU11は、HDD13に蓄積された運用データベースから、冷凍機消費電力や外気温度をはじめとする建物及び建物に設置された設備に関する運用データを読み出し、これらの運用データから各機器の製造しているエネルギーを計算し、この結果を基に所定期間におけるエネルギー製造能力の合計を算出する。その後、処理はS103へ進む。
S103では、エネルギー供給率が算出される。S101で算出された所定期間における製造エネルギーの合計を、S102で算出された所定期間におけるエネルギー製造能力の合計で割ることで、エネルギー供給率が算出される。即ち、エネルギー供給率は以下の式を用いて算出される。
エネルギー供給率 = Σ(製造エネルギー)/Σ(エネルギー製造能力)
算出されたエネルギー供給率はRAM12に記録され、必要であればHDD13に蓄積される。その後、本チャートに示された処理は終了する。
その他の評価指標、即ちエネルギー入力率、エネルギー出力率、エネルギー消費過剰率、建物稼働率及び部分負荷率の算出処理も、用いる運用データが異なるのみで、算出方法は同様である。エネルギー消費過剰率、エネルギー入力率、エネルギー出力率、建物稼働率、部分負荷率の算出処理について、以下に概要を説明する。
エネルギー消費過剰率の算出には、建物二次側送水温度、建物二次側還水温度、建物二次側還水流量、外気温度、電力計積算値等の運用データが用いられる。建物二次側送水温度、建物二次側還水温度、建物二次側還水流量等に基づいて算出された所定期間における消費実態負荷の合計を、外気温度、電力計積算値等に基づいて算出された所定期間における消費想定負荷の合計で割ることで、エネルギー消費過剰率が算出される。即ち、エネルギー消費過剰率は以下の式を用いて算出される。
エネルギー消費過剰率 = Σ(消費実態負荷)/Σ(消費想定負荷)
エネルギー入力率の算出には、電力計積算値、ガスメータ積算値、水道メータ積算値、油メータ積算値等およびこれらの契約量が用いられる。電力計積算値、ガスメータ積算値、水道メータ積算値、油メータ積算値等に基づいて算出された所定期間におけるエネルギー消費量の合計を、電力、ガス、水道、油の契約量に基づいて算出された所定期間におけるエネルギー契約量の合計で割ることで、エネルギー入力率が算出される。即ち、エネルギー入力率は以下の式を用いて算出される。
エネルギー入力率 = Σ(エネルギー消費量)/Σ(エネルギー契約量)
エネルギー出力率の算出には、前記した電気、ガス、水道、油を消費する対象機器の消費エネルギー量およびこれらの対象機器の消費エネルギー量の仕様データが用いられる。対象機器の消費エネルギー量に基づいて算出された所定期間における機器の入力負荷の合計を、対象機器の消費エネルギー量の仕様データに基づいて算出された所定期間における機器の定格容量の合計で割ることで、エネルギー出力率が算出される。即ち、エネルギー出力率は以下の式を用いて算出される。
エネルギー出力率 = Σ(機器の入力負荷)/Σ(機器の定格容量)
建物稼働率の算出には、生産能力及び生産目標が用いられる。所定期間における生産能力の合計を、所定期間における生産目標の合計で割ることで、建物稼働率が算出される。即ち、建物稼働率は以下の式を用いて算出される。
建物稼働率 = Σ(生産能力)/Σ(生産目標)
部分負荷率の算出には、建物に設置された機器の出力負荷及び該機器の定格能力が用いられる。建物に設置された全ての機器の出力負荷に基づいて算出された所定期間における機器の出力負荷の合計を、建物に設置された全ての機器の定格能力に基づいて算出された所定期間における機器の定格能力の合計で割ることで、部分負荷率が算出される。即ち、部分負荷率は以下の式を用いて算出される。
部分負荷率 = Σ(機器の出力負荷)/Σ(機器の定格能力)
なお、部分負荷率の算出にあたっては、機器の出力負荷に代えて、機器の製造エネルギー量を使用することとしてもよい。
次に、エネルギー消費原単位の算出処理を説明する。エネルギー消費原単位は、建物で消費する電気、ガス、水道、油等の単位面積・単位時間あたりのエネルギーを、単位を統一して表したものである。本実施形態では、エネルギーの総量をメガジュール換算し、1平方メートル1時間あたりの使用エネルギーを算出する。単位はMJ/m2・hである。
CPU11は、所定の時間内に建物で消費する電気、ガス、油等のエネルギーの総量をメガジュール換算し、所定の時間及び建物の有効床面積で割ることでエネルギー消費原単位を算出する。
図4は、本実施形態において表示されるバランスチャート50を示した図である。CPU11は、評価指標の算出処理で算出された評価指標およびエネルギー消費原単位の算出処理で算出されたエネルギー消費原単位に基づいて、バランスチャート50を生成し、表示装置15に出力する。
本実施形態におけるバランスチャート50は、中心点51と、中心点51を一端とする3軸、3軸上に配置された評価指標を示す点52、指標点52の重心に配置された円53からなる。3軸は夫々評価項目のうち施設管理FMに係るFM軸、エネルギー管理EMに係るEM軸、及び建築物管理CMに係るCM軸の3つの軸に分けられ、中心点51を挟んで180度反対に位置する軸に、夫々の評価項目について入力と出力に関係する評価指標を示す指標点52が配置される。FM軸にはエネルギー入力率及びエネルギー出力率が、EM軸にはエネルギー供給率及びエネルギー消費過剰率が、CM軸には建物稼働率及び部分負荷率が属する。指標点52は、中心点51からの距離によって0.0から1.0までの値をとる評価指標を表す。
各評価項目のバランスを見るために用意された表示要素が、指標点52の重心に配置された円53である。評価指標の重心は、評価指標の二次元座標の平均座標を求めることで算出される。但し、重心の算出にあたっての算出方法はこれに限定されない。実施の形態によって適宜他の算出方法を採用することとしてもよい。先述の通り、バランスを見るべき対応する評価指標が中心点51を挟んで180度反対に位置する軸に表されるため、重心の位置がずれることで、評価指標のバランスが崩れたことを容易に視認可能である。
また、重心円53は、エネルギー消費原単位に応じて大きさが変化する。このため、ユーザは建物で消費するエネルギーの増減を容易に視認可能である。即ち、重心の位置及び重心円53の大きさによって、ユーザは建物の運用状態のバランスが崩れていることを判断可能である。
<最適運用条件算出処理>
次に、シミュレーションによる最適運用条件算出処理を説明する。図5は、最適運用条件算出処理の全体の流れを示したフローチャートである。最適運用条件算出処理は、建物総合評価システムにおいて、RAM12等に展開されたプログラムをCPU11が解釈及び実行することで行われる。CPU11は、所定のタイミング、又はユーザより入力された指示に基づいて図5に示された処理を実行する。また、以下の各処理の処理単位及び処理順序は、本実施形態に示されている処理単位、処理順序に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
S201では、目標評価指標が設定される。ユーザは、表示装置15に表示されたバランスチャート50を確認し、重心がずれていることを発見した場合、入力装置17を操作することで、建物総合評価システムに対して、バランスチャート50を理想的な状態にするための目標評価指標を設定することが出来る。例えば、表示された指標点52をドラッグアンドドロップで移動させる方法や、カーソルによって移動させる方法、目標評価指標を数値で入力する方法等がある。CPU11は、入力に基づいて目標評価指標を設定し、RAM12に保存する。ここで、目標評価指標は、ユーザ操作に基づかずに、自動的に設定されてもよい。その後、処理はS202へ進む。
S202では、現在の運用条件(以下、第一の運用条件という)に基づいたシミュレーションが行われる。CPU11は、第一の運用条件に基づいてシミュレーションを行い、算出された模擬的な運用データを第一の模擬運用データとしてRAM12又はHDD13に保存する。より具体的には、対象となる設備ごとに、運用条件を入力した場合に、カタログ値又はこれまでの運用実績に基づいた運用データが出力されるシミュレーションモジュールが用意され、このシミュレーションモジュールに第一の運用条件が入力されることでシミュレーションが行われる。その後、処理はS203へ進む。
S203では、第二の運用条件が算出される。CPU11は、評価指標が目標評価指標に近づくであろう第二の運用条件を算出し、RAM12又はHDD13に記録する。この第二の運用条件の算出は、各運用条件ごとの特徴に基づいて、変更した場合に対応する評価指標の値を増減させるであろう運用条件の変更後の値を算出することで行われるが、具体的な算出処理の内容は、対象となる評価指標、設備、機器によって大きく異なる。ここで、第二の運用条件の具体的な算出方法を、本実施形態において用いられる評価指標ごとに例示する。
エネルギー供給率に影響する運用条件のうち、代表的なものとしては、エネルギーを消費する機器へのエネルギー入力量、機器からの出力エネルギー、等がある。これらの運用条件を変更してエネルギー供給率を変化させる方法として、エネルギーを消費する機器へのエネルギー入力量を少なくする方法、同一の入力エネルギー量で今以上の出力エネルギーを発生させる方法、等がある。機器が冷凍機である場合、冷凍機の運用条件、即ち冷凍機の設定値である冷凍機の出口温度を高めに設定する。さらに、冷凍機に流入する冷却水の温度を低下させるために、冷却塔の出口温度の設定値も併せて低めに設定する。冷却塔の出口温度の設定値は、通常摂氏32度程度であるが、この値を例えば摂氏28度のように低く設定する。これらの設定値変更によって、対象となる冷凍機の効率が向上し、エネルギーの入力量や出力量を変化させることが出来る。また、機器が空調機である場合、設定温度(室内の目標温度)を上げて風量を絞ることが出来る。CPU11は、上記した方法に基づいてエネルギー供給率を変更可能な運転条件を判定し、設定値の限界を考慮しつつ、第二の運用条件を算出する。
エネルギー消費過剰率に影響する運用条件のうち、代表的なものとしては、空調機の運転時の設定条件である取り入れ外気量、運転モード(暖房、冷房)、設定温度、建物の内
部発熱負荷である照明の点灯/消灯、断熱性能、等がある。これらの運用条件を変更してエネルギー消費過剰率を変化させる方法として、空調している部屋のCO2濃度に基づい
て取り入れ外気量を適正化(削減)する方法、機器運転モードが混在している場合(例えば、暖房時期にペリメータ(窓側)暖房、インテリア(室内)側冷房などの混合が発生している場合がある。これは、温度設定値によって生じることがある)に、機器の設定を変更して運転モードの混在によるロスを低減させる方法、機器の設定温度を変更して過冷、過熱を抑制する方法、使用されていない電灯を消灯することで内部負荷を減らす方法、高効率または調光器付き照明器具へ変更する事で内部負荷を減らす方法、建築的な改造を行って断熱性能を向上させ、外皮負荷を低減させる方法、等がある。CPU11は、上記した方法に基づいてエネルギー消費過剰率を変更可能な運転条件を判定し、設定値の限界を考慮しつつ、第二の運用条件を算出する。なお、建築的な改造を行って断熱性能を向上させ、外皮負荷を低減させる方法や、高効率または調光器付き照明器具へ変更する事で内部負荷を減らす方法については、運用条件の変更に建築的な改造を伴い、変更にかかるコストが大きいため、第二の運用条件として算出される対象としての優先度を低くすることが好ましい。
エネルギー入力率に影響する運用条件のうち、代表的なものとしては、エネルギーの契約量、使用するエネルギー量、機器の効率、等がある。これらの運用条件を変更してエネルギー入力率を変化させる方法として、エネルギーの契約量を適正化することでエネルギー入力率を大きくする方法や、使用するエネルギーを減らすことでエネルギー入力率を小さくする方法、(上記エネルギー供給率を変化させる方法として記載した方法を適宜実施することで)機器の効率を向上させ、機器の消費するエネルギー量を少なくすることでエネルギー入力率を小さくする方法、等がある。CPU11は、上記した方法に基づいてエネルギー入力率を変更可能な運転条件を判定し、設定値の限界を考慮しつつ、第二の運用条件を算出する。
エネルギー出力率に影響する運用条件のうち、代表的なものとしては、機器への入力量、機器容量、待機電力、等がある。これらの運用条件を変更してエネルギー出力率を変化させる方法として、機器の効率を向上させ、機器への入力量を減らすことでエネルギー出力率を小さくする方法や、機器を更新することで機器容量を適正化し、エネルギー出力率を大きくする方法、機器の運転時間や機器の台数を削減(適正化)することで、待機電力を削減し、エネルギー出力率を大きくする方法、等がある。CPU11は、上記した方法に基づいてエネルギー出力率を変更可能な運転条件を判定し、設定値の限界を考慮しつつ、第二の運用条件を算出する。
建物稼働率に影響する運用条件のうち、代表的なものとしては、生産目標等がある。これらの運用条件を変更して建物稼働率を変化させる方法として、生産目標を少なくして生産量を維持することで建物稼働率を大きくする方法、等がある。CPU11は、上記した方法に基づいて建物稼働率を変更可能な運転条件を判定し、設定値の限界を考慮しつつ、第二の運用条件を算出する。なお、建物稼働率に影響する運用条件は、建物の用途や、業態、業種、地域によって異なる。建物が工場である場合は、上述の生産量と生産目標等の運用条件が該当するが、例えば、建物がテナントオフィスである場合は、建物稼働率に影響する運用条件として、遊休スペースの面積等がある。建物稼働率を変化させる方法として、ビル内の遊休スペースを集約し集約スペースを空調対象から除外する方法、入居率を増加させる方法、等がある。建物稼働率に影響する運用条件は、建物の用途や、業態、業種、地域によって適宜最適な運用条件が選択されることが好ましい。
部分負荷率に影響する運用条件のうち、代表的なものとしては、機器の能力等がある。これらの運用条件を変更して部分負荷率を変化させる方法として、機器の更新を行うことで機器の定格能力を変更する方法や、削減効果の高い機器の運転条件を変更することで、
機器の出力負荷を増減させる方法、機器に対して適切なタイミングでメンテナンスを施し、劣化した性能を回復させて機器の出力上限値を向上させる方法、等がある。CPU11は、上記した方法に基づいて部分負荷率を変更可能な運転条件を判定し、設定値の限界を考慮しつつ、第二の運用条件を算出する。
なお、第二の運用条件の算出にあたって、運用条件ごとの特徴に基づいて評価指標の増減が予測できないものは、各運用条件の値を適宜変化させた第二の運用条件を算出し、トライアンドエラーを繰り返すことで目標の評価指標に近づくこととしてもよい。その後、処理はS204へ進む。
S204では、第二の運用条件に基づいたシミュレーションが行われる。CPU11は、第二の運用条件に基づいてシミュレーションを行い、算出された模擬的な運用データを第二の模擬運用データとしてRAM12又はHDD13に保存する。具体的には、前記シミュレーションモジュールに第二の運用条件が入力されることでシミュレーションが行われる。その後、処理はS205へ進む。
S205では、仮定運用データが算出される。CPU11は、二つのシミュレーション結果のそれぞれ同じ運用データ同士の比率を、第一の運用条件の下で取得された運用データに掛け合わせて、仮定運用データを作成する。即ち、CPU11は、以下の式を用いて仮定運用データを算出する。
仮定運用データ = 運用データ×(第二の模擬運用データ/第一の模擬運用データ)
その後、処理はS206へ進む。
S206では、仮定運用データに基づいて、第二の運用条件で建物を運用したと仮定した場合の建物の評価指標である仮定評価指標が算出される。評価指標の算出処理の詳細は、図3を用いて説明した通りである。その後、処理はS207へ進む。
S207では、仮定エネルギー消費原単位が算出される。CPU11は、第二の運用条件で建物を運用した場合に、所定の時間内に建物で消費する電気、ガス、油等のエネルギーの総量をメガジュール換算し、所定の時間及び建物の有効床面積で割ることで仮定エネルギー消費原単位を算出する。その後、処理はS208へ進む。
S208では、仮定評価指標が目標評価指標に到達したか否かが判定される。CPU11は、仮定評価指標を100%とした場合の目標評価指標とのずれが5%以内であるか否かを判定する。ずれが5%より小さい場合、仮定評価指標は目標評価指標に到達したとみなされ、処理はS209へ進む。ずれが5%以上である場合、仮定評価指標は目標評価指標に到達していないとみなされ、処理はS203へ進む。ここで進んだS203では、目標評価指標とのずれを考慮して更に第二の運用条件が算出しなおされる。S203からS208までの処理は、仮定評価指標が目標評価指標に到達するまで繰り返される。ここで、ずれの許容範囲を5%としているのは、本実施形態による一例であり、許容範囲の広さは実施の形態によって適宜設定されることが好ましい。
S209では、バランスチャート50が再生成される。CPU11は、S206で算出された仮定評価指標およびS207で算出された仮定エネルギー消費原単位に基づいて、バランスチャート50を生成する。その後、処理はS210へ進む。
S210では、再生成されたバランスチャート50、及び目標評価指標に到達した第二の運用条件が出力される。CPU11は、S209で生成されたバランスチャート50及びS203で算出された第二の運用条件を、表示装置15に出力する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
本実施形態に拠れば、重心の位置及び重心円53の大きさによって、建物の運用状態のバランスが崩れていることを判断可能なバランスチャート50が表示されることによって、建物の運用について知識のないユーザであっても、建物の運用のバランスが最適となっていないことを容易に知ることが出来る。また、目標評価指標に到達した第二の運用条件が表示装置15に表示されることで、ユーザは、建物の運用を最適化することが可能な運用条件を、経験や勘に頼らずに得ることが可能となる。
加えて、シミュレーションによって算出された第一の模擬運用データと、第二の模擬運用データの比に基づいて、第二の運用条件で建物を運用した場合の仮定運用データを得るため、仮定運用データと、第二の運用条件で建物を実際に運用した場合の運用データとの誤差が小さくなる。このため、熟練者の経験と勘、及び多くの作業時間を必要とするシミュレーションコードのチューニングを行う必要性が低減する。
即ち、本実施形態に拠れば、運用の効率化、適正なエネルギー利用及び更新の判断を支援するシステムであって、熟練者による操作、管理又は調整の必要性を大幅に低減させた建物運用最適化支援システムを提供することが可能となる。
11 CPU
12 RAM
13 HDD
14 NIC
15 表示装置
16 バス
17 入力装置
30 ネットワーク
40 各種センサ
50 バランスチャート
51 中心点
52 指標点
53 重心円
FM 施設管理
EM エネルギー管理
CM 建築物管理

Claims (4)

  1. 建物の運用状態の評価において目標となる評価指標である目標評価指標と建物の運用におけるエネルギー消費量とを記憶する記憶装置に接続されるコンピュータを備える評価支援システムであって、前記コンピュータが、
    中心点と、前記中心点からの距離が前記評価指標の値を示す指標点であって該評価指標と入力と出力の関係で対となる他の評価指標の値を示す指標点を前記中心点を挟んで互いに反対側に有する指標点と、複数の前記指標点の重心を示す重心記号と、を有するバランスチャートを生成するバランスチャート生成手段と、
    前記バランスチャートを出力する出力手段と、
    を備え、
    前記バランスチャート生成手段は、前記エネルギー消費量に応じて前記重心記号の大きさを変化させる、評価支援システム。
  2. 前記バランスチャート生成手段は、前記中心点を一端とする複数の軸を更に有し、複数の前記指標点それぞれが異なる前記軸上に配置された、前記バランスチャートを生成し、
    前記重心は、前記指標点の二次元座標の平均座標を求めることで算出される、
    請求項1に記載の評価支援システム。
  3. 建物の運用状態の評価において目標となる評価指標である目標評価指標と建物の運用におけるエネルギー消費量とを記憶する記憶装置に接続されるコンピュータが、
    中心点と、前記中心点からの距離が前記評価指標の値を示す指標点であって該評価指標と入力と出力の関係で対となる他の評価指標の値を示す指標点を前記中心点を挟んで互いに反対側に有する指標点と、複数の前記指標点の重心を示す重心記号と、を有するバランスチャートを生成するバランスチャート生成ステップと、
    前記バランスチャートを出力する出力ステップと、
    を実行し、
    前記バランスチャート生成ステップは、前記エネルギー消費量に応じて前記重心記号の大きさを変化させる、評価支援方法。
  4. 建物の運用状態の評価において目標となる評価指標である目標評価指標と建物の運用に
    おけるエネルギー消費量とを記憶する記憶装置に接続されるコンピュータを、
    中心点と、前記中心点からの距離が前記評価指標の値を示す指標点であって該評価指標と入力と出力の関係で対となる他の評価指標の値を示す指標点を前記中心点を挟んで互いに反対側に有する指標点と、複数の前記指標点の重心を示す重心記号と、を有するバランスチャートを生成するバランスチャート生成手段と、
    前記バランスチャートを出力する出力手段と、
    として機能させ、
    前記バランスチャート生成手段は、前記エネルギー消費量に応じて前記重心記号の大きさを変化させる、評価支援用プログラム。
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