JP2008096886A - プラスチックレンズおよびカラーレンズの製造方法 - Google Patents

プラスチックレンズおよびカラーレンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】難染色性のプラスチック基材を用いて、耐熱性が高く染色性にも優れるプラスチックレンズおよびそのレンズを染色してなるカラーレンズの製造方法を提供すること。
【解決手段】プラスチックレンズは、プラスチック基材上にハードコート層を有し、プラスチック基材の屈折率が1.65以上、荷重たわみ温度(ASTM D648 1.8MPa)が150℃以上であり、ハードコート層が下記(a)〜(c)成分を含有するコーティング組成物により形成されている。
(a)金属酸化物微粒子
(b)有機ケイ素化合物
(c)1分子中に、エポキシ基、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基から選ばれる官能基を少なくとも2個以上有することを特徴とする多官能化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチックレンズおよびそのレンズを染色してなるカラーレンズの製造方法に関する。
プラスチックレンズは、ガラスレンズに比べて軽量であり、成形性、加工性、染色性等に優れ、しかも割れにくく安全性も高いため、眼鏡レンズ分野において急速に普及し、その大部分を占めている。また、近年では薄型化、軽量化のさらなる要求に応えるべく、チオウレタン系樹脂やエピスルフィド系樹脂等の高屈折率素材が開発されている。例えば、エピチオ基を有する化合物(エピスルフィド化合物)を硫黄の存在下で重合させることにより非常に屈折率の高いエピスルフィド系樹脂を製造する方法が提案されている(特許文献1、2参照)。
特開2004−002712号公報 特開2005−281527号公報
しかしながら、特許文献1、2のような、熱硬化性樹脂であるエピスルフィド系樹脂からなるプラスチックレンズは耐熱性が低く、100℃以上の熱が加わると、レンズの変形が起こり、レンズ性能が維持できなくなる。また、一般に、チオウレタン系樹脂は屈折率が高くなるほど耐熱性が低くなる傾向があり、屈折率が1.65以上になると特に耐熱性の低下傾向は強く、チオウレタン系樹脂を用いて、1.65以上の屈折率を持ち、かつ100℃以上の加熱に耐える品質を出すことは非常に困難である。熱可塑性樹脂の素材として、プラスチックレンズ用として使用され、かつ耐熱性の比較的高いプラスチック素材としてはポリカーボネート樹脂があるが、屈折率は1.59〜1.60であり、眼鏡レンズの薄型化には不十分である。また、耐熱性の指標となる荷重たわみ温度についても、ポリカーボネート樹脂は、ASTM D648に記載の試験方法において、圧力1.8MPa下における加重たわみ温度が125℃〜135℃程度であり、ハードコート加工時の焼成等を考慮すると不十分であり、より耐熱性が高いことが望まれる。
さらに、屈折率が1.60以上である熱可塑性樹脂として、透明で屈折率が高いサルホン系樹脂の適用も考えられるが、サルホン系樹脂の着色方法は、樹脂自体に着色剤を練り込み、成形するしか着色方法がないため、カラーのバリエーションが限られ、グラデーション染色が不可能という欠点がある。この欠点により、プラスチックレンズ、中でも眼鏡レンズ用としてサルホン系樹脂を採用することは困難であった。
そこで本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高屈折率、高耐熱性であり染色性にも優れるプラスチックレンズおよびそのレンズを染色してなるカラーレンズの製造方法を提供することを目的とする。
前記の課題を解決すべく、本発明のプラスチックレンズは、屈折率が1.65以上である熱可塑性樹脂からなるプラスチック基材上にハードコート層を有するプラスチックレンズであって、前記ハードコート層が下記(a)〜(c)成分を含有するコーティング組成物により形成されていることを特徴とする。
(a)金属酸化物微粒子
(b)有機ケイ素化合物
(c)1分子中に、エポキシ基、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基、から選ばれる官能基を、少なくとも2個以上有する多官能化合物
本発明によれば、プラスチックレンズの基材の屈折率が1.65以上あるため、薄型レンズとして好適である。また、ハードコート層を形成するためのコーティング組成物に金属酸化物微粒子と有機ケイ素化合物が含有されているため、耐擦傷性に優れるハードコート層を提供できる。さらに、ハードコート層を形成するためのコーティング組成物に、1分子中に、エポキシ基、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基から選ばれる官能基を、少なくとも2個以上有することを特徴とする多官能化合物が含有されているため、ハードコート層の染色性が優れており、レンズ基材の染色が困難であったとしてもハードコート層を染色することによりカラーレンズを容易に得ることが可能となる。また、このようなプラスチックレンズ基材としては、1.8MPaにおける加重たわみ温度(ASTM D648)が150℃以上の熱可塑性樹脂を用いることで、ハードコート加工工程での高温加工が可能となり、ハードコート層の完全硬化を行い易く、結果的にハードコート層の擦傷性を向上させることが容易となる。また、完成したプラスチックレンズとしても、高温環境下で使用してもレンズが変形せず、耐熱性に優れたプラスチックレンズとして使用可能である。
前記した(a)成分としては、粒径1〜100nmのAl、Sn、Sb、Ta、Ce、La、Fe、Zn、W、Zr、In、Tiから選ばれる酸化物の単独微粒子および/またはこれらの複合微粒子から選ばれる1種又は2種以上の混合物がハードコート層の高屈折率化の点で好ましい。特に、Tiの酸化物、すなわち酸化チタンは屈折率が他の金属酸化物より高いので好ましい。
(b)成分の有機ケイ素化合物としては、下記式(1)に示す化合物を用いると、ハードコート層における(a)成分の強固なバインダー樹脂となるため好ましい。
SiX 3−n (1)
(式中、Rは、重合可能な反応基を有する有機基であり、Rは炭素数1〜6の炭化水素基であり、Xは加水分解性基であり、nは0または1である。)(c)成分の1分子中に、エポキシ基、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基から選ばれる官能基を、少なくとも2個以上有することを特徴とする、多官能化合物は染色性を向上させるためにハードコート層に添加される。
これらの多官能化合物としては、1分子中に同じ官能基(例えばエポキシ基)を2個以上有しても良いし、1分子中に異なる官能基(例えばエポキシ基とアクリル基)を合計で2個以上有してもよい。
これらの多官能化合物の中でも、染色性とハードコート層の擦傷性、ハードコート層の外観上に白濁やクラックといった欠陥の出にくさ等を考慮すると、多官能エポキシ化合物が好ましい。
多官能エポキシ化合物としては、染色性を向上させる点で、脂肪族エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物あるいは芳香族エポキシ化合物等のいずれも好ましく用いることができる。
また,(c)成分の使用量は、ハードコート層固形分の3〜30重量%であることが好ましい。3重量%未満では染色速度も非常に遅く、また染色ムラが出易くなり、ハードコーティング液のポットライフも短くなる。また、30重量%を超えると、ハードコートの擦傷性が低下する欠点がある。
本発明では、前記プラスチック基材がサルホン系樹脂からなることが好ましい。
この発明によれば、プラスチック基材がサルホン系樹脂からなるため、加重たわみ温度が150℃以上と耐熱性に優れ、また透明で高屈折率であるので薄型プラスチックレンズの製造に適する。
サルホン系樹脂としては、ポリサルホン、ポリエーテルサルホンおよびポリフェニレンサルホンから選ばれる少なくとも一種が好適に使用可能である。このようなサルホン系樹脂はいずれも熱可塑性であり、射出成形等の手段により容易にレンズ基材を成形することができるため、レンズ基材の製造効率に優れる。また、レンズ基材の製造に関して溶剤・溶液を使わないため環境への負荷も低い。
本発明では、前記ハードコート層の上に反射防止層を有することが好ましい。
反射防止層としては、多層蒸着(乾式法)による無機系反射防止層と湿式コーティングによる有機系反射防止層のいずれでもよい。
有機系反射防止層は、湿式法により反射防止層を形成するため、真空装置等の大型設備が不要となり、製造にかかるコストを低減させることが可能となる。また、ハードコート層、反射防止層を連続して湿式法で形成できるので、プラスチックレンズの製造に手間を要しない。さらには、乾式法で形成される無機物を主成分とする無機反射防止層に比べ、湿式法で形成される有機膜の有機系反射防止層は、プラスチックレンズ基材およびハードコート層との熱膨張率差が小さいことから、加熱によるクラックの発生が起こりにくくなるので耐熱性に優れたプラスチックレンズとすることができる。
有機系反射防止層は、内部空洞を有するシリカ系微粒子と、前記した式(1)で示される有機ケイ素化合物とを含有する組成物から形成されることが好ましい。
このような本発明によれば、シリカ系微粒子が内部空洞を有するので、屈折率の低い気体、溶媒を包含することができる。これにより、内部空洞を有するシリカ系微粒子は、内部空洞を有しないシリカ系微粒子よりも屈折率が低くなり、有機反射防止層の屈折率を低くすることが可能となる。有機反射防止層の屈折率を低くすることで、ハードコート層との屈折率の差が大きくなり、反射防止機能を向上させることができる。
本発明のプラスチックレンズは、眼鏡レンズをはじめ、カメラレンズ、望遠鏡用レンズ、顕微鏡用レンズ、ステッパー用集光レンズなど各種の薄型光学レンズとして幅広く使用することができる。特に、耐熱性が高いとともにカラー化が容易であることから、眼鏡用として特に好適である。
本発明のカラーレンズの製造方法は、屈折率が1.65以上である熱可塑性樹脂からなるプラスチック基材上にハードコート層を有するカラーレンズの製造方法であって、下記(a)〜(c)成分を含有するコーティング組成物によりハードコート層を前記プラスチック基材上に形成するハードコート層形成工程と、前記ハードコート層形成工程後に、前記ハードコート層を染色する染色工程とを備えることを特徴とする。
(a)金属酸化物微粒子
(b)有機ケイ素化合物
(c)1分子中に、エポキシ基、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基から選ばれる官能基を、少なくとも2個以上有する多官能化合物
本発明のカラーレンズの製造方法によれば、特定の組成からなるハードコート層を染色するため、レンズ基材が難染色性である熱可塑性樹脂においても、最終的に耐擦傷性に優れたカラーレンズを提供できる。
例えば、難染色性のサルホン系樹脂からなるプラスチック基材を容易にカラーレンズ化することが可能となる。
以下、本発明のプラスチックレンズおよびその製造方法について実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態では、眼鏡用のプラスチックレンズを例示するが、これに限定されず、例えばカメラ用レンズを始め各種薄型光学レンズに好ましく適用できる。
本実施形態のプラスチックレンズは、屈折率が1.65以上、かつ、ASTM D648記載の試験方法において、圧力が1.8MPa下における荷重たわみ温度が150℃以上のレンズ基材上にプライマー層、染色されたハードコート層、反射防止層および防汚層(撥水層)を有する。
(1.レンズ基材)
本実施形態のレンズ基材は、下記式(1)〜(3)に示す構造単位からなるポリサルホン、ポリフェニレンサルホン、およびポリエーテルサルホンから選ばれるサルホン系樹脂から形成される。
Figure 2008096886
Figure 2008096886
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このようなサルホン系樹脂はいずれも熱可塑性であり、射出成形等の手段により容易にレンズ基材を成形することができる。また、いずれも屈折率が1.65以上あり、ASTM D648 1.8MPaにおける加重たわみ温度が150℃以上である。
前記した各構造単位を有するサルホン系樹脂はいずれも基本構造を示したものであって、本発明の効果を損なわない限り、他の構成要素と共重合させて共重合体として用いることも可能である。また、サルホン系樹脂と他の熱可塑性樹脂をブレンドしてブレンド物として用いることも可能である、なお、共重合体として用いる場合も、ブレンド物として用いる場合にも、前記した各構造単位は、樹脂全体に対して20〜95重量%の範囲にあることが好ましい。20重量%未満ではサルホン系樹脂の特徴である、高耐熱性、高屈折率といった要素が十分に発揮できず、また95%を超えた場合、加工性や流動性の点で、問題が発生しやすくなる。
(2.プライマー層)
プライマー層は、レンズ基材の最表面に形成され、レンズ基材と後述するハードコート層双方の界面に存在して、レンズ基材とハードコート層双方への密着性を発揮する性質を有し、表面処理膜全体の耐久性を向上させる役割を担う。さらに外部からの衝撃吸収層としての性質も併せ持ち、耐衝撃性を向上させる性質も有する。
このようなプライマー層としては、有機樹脂ポリマーと、酸化チタンを含有する金属酸化物微粒子(単独酸化物あるいは複合酸化物)とを含む組成物を用いて形成されることが好ましい。
有機樹脂ポリマーは、レンズ基材とハードコート層の双方に密着性を発現する。金属酸化物微粒子は、フィラーとしてプライマー層の架橋密度向上に作用して、耐水性、耐候性や耐光性の向上を図ることができる。上記有機樹脂ポリマーとしては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、(メタ)アクリル樹脂等の各種樹脂を使用することが可能である。この内、硫黄原子を含むレンズ基材に対する密着性とフィラーとなる金属酸化物微粒子の分散性の点から、ポリエステル樹脂を好ましく用いることができる。
一方、酸化チタンを含有する金属酸化物微粒子としては、光活性のないルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを用いることが耐光性の観点から好ましい。この金属酸化物微粒子の平均粒径は、1〜200nmが好ましく、より好ましくは5〜30nmを用いる。
プライマー層形成用組成物(コーティング液)の塗布にあたっては、レンズ基材とプライマー被膜の密着性の向上を目的として、レンズ基材の表面を予めアルカリ処理、酸処理、界面活性剤処理、無機あるいは有機の微粒子による剥離/研磨処理、プラズマ処理を行うことが効果的である。また、コーティング液の塗布/硬化方法としては、ディッピング法(浸漬法)、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、あるいは、フローコート法等によりコーティング液を塗布した後、40〜200℃の温度で数時間加熱/乾燥することにより、プライマー層を形成できる。
また、プライマー層の膜厚は、0.01〜50μm、特に0.1〜30μmの範囲が好ましい。プライマー層が薄すぎると耐水性や耐衝撃性などの基本性能が実現できず、逆に厚すぎると、表面の平滑性が損なわれたり、光学的歪や白濁、曇りなどの外観欠点を発生する場合がある。なお、プライマー層の屈折率は、干渉縞の発生を避けるため、レンズ基材の屈折率に合わせることが好ましい。
(3.ハードコート層)
ハードコート層は、レンズ基材表面に形成されたプライマー層上に形成される。ハードコート層は、下記(a)〜(c)成分を含有するコーティング組成物(ハードコート層形成用組成物)により形成されている。
(a)金属酸化物微粒子
(b)有機ケイ素化合物
(c)1分子中に、エポキシ基、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基から選ばれる官能基を、少なくとも2個以上有することを特徴とする、多官能化合物
(a)成分としては、粒径1〜100nmのAl、Sn、Sb、Ta、Ce、La、Fe、Zn、W、Zr、In、Tiから選ばれる酸化物の単独微粒子および/またはこれらの複合微粒子から選ばれる1種又は2種以上の混合物がハードコート層の高屈折率化の点で好ましい。特に、Tiの酸化物、すなわち酸化チタンは屈折率が他の金属酸化物より高いので好ましい。また、酸化チタンとしては、プライマー層と同様に、光活性のないルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを用いることが耐光性の観点より好ましい。
(b)成分の有機ケイ素化合物としては、下記式(1)に示す化合物を用いると、ハードコート層における(a)成分の強固なバインダー樹脂となるため好ましい。
SiX 3−n (1)
(式中、Rは、重合可能な反応基を有する有機基であり、Rは炭素数1〜6の炭化水素基であり、Xは加水分解性基であり、nは0または1である。)
式(1)で示される有機ケイ素化合物は、いわゆるシランカップリング剤であり、ハードコート層のバインダー樹脂としての役割を果たす。式(1)中、Rは、重合可能な反応基を有する有機基であり、炭素数は2以上である。Rはビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、1−メチルビニル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基等の重合可能な反応基を有する。また、Xは、加水分解可能な官能基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、クロロ基、ブロモ基等のハロゲン基、アシルオキシ基等があげられる。Rは、炭素数1〜6の一価炭化水素基を表すが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、フェニル基等を例示することができる。良好な耐擦傷性を得るには、メチル基が好ましい。
有機ケイ素化合物としては、具体的には、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、アリルトリアルコキシシラン、アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン等があげられる。これらの有機ケイ素化合物は、2種類以上を混合して用いてもよい。
そして、ハードコート層形成用組成物(コーティング液)を製造する際には、金属酸化物微粒子が分散したゾルと、有機ケイ素化合物とを混合することが好ましい。金属酸化物微粒子の配合量は、ハードコート層の硬度や、屈折率等により決定されるものであるが、コーティング液中の固形分の5〜80質量%、特に10〜60質量%であることが好ましい。配合量が少なすぎると、ハードコート層の耐磨耗性が不十分となり、配合量が多すぎると、ハードコート層にクラックが生じることがある。また、ハードコート層を染色する場合には、染色性が低下する場合もある。
(c)成分の1分子中に、エポキシ基、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基から選ばれる官能基を、少なくとも2個以上有することを特徴とする、多官能化合物は、ハードコート層の染色性を向上させるとともに、プライマー層に対するハードコート層の密着性を向上させて、ハードコート層の耐水性およびプラスチックレンズとしての耐衝撃性を向上させることができる。これらの多官能化合物としては、1分子中に同じ官能基(例えばエポキシ基)を2個以上有しても良いし、1分子中に異なる官能基(例えばエポキシ基とアクリル基)を合計で2個以上有してもよい。
これらの多官能化合物としては、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能性エポキシ化合物として、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物、イソホロンジオールジグリシジルエーテル、ビス−2,2−ヒドロキシシクロヘキシルプロパンジグリシジルエーテル等の脂環族エポキシ化合物、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ化合物等が挙げられる。
1分子中に(メタ)アクリル基を2個以上有する多官能性(メタ)アクリル化合物として、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
1分子中にビニル基を2個以上有する多官能ビニル化合物として、ジビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物、1分子中にアリル基を2個以上有する多官能アリル化合物として、ジアリルフタレート、トリアリルフタレート等が挙げられる。
また、1分子中にエポキシ基1個と(メタ)アクリル基1個を同時に含む多官能化合物として、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレートなどが挙げられる。
また、これらの多官能化合物は、上記官能基以外にも、例えば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基、ウレタン結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合などの官能基や結合を有していてもよい。
これらの多官能化合物の中でも、染色性とハードコート層の擦傷性、ハードコート層の外観上に白濁やクラックといった欠陥の出にくさ等を考慮すると、多官能エポキシ化合物が好ましい。
さらに、ハードコート層に硬化触媒を添加してもよい。硬化触媒としては、例えば、過塩素酸、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸マグネシウム等の過塩素酸類、Cu(II)、Zn(II)、Co(II)、Ni(II)、Be(II)、Ce(III)、Ta(III)、Ti(III)、Mn(III)、La(III)、Cr(III)、V(III)、Co(III)、Fe(III)、Al(III)、Ce(IV)、Zr(IV)、V(IV)等を中心金属原子とするアセチルアセトナート、アミン、グリシン等のアミノ酸、ルイス酸、有機酸金属塩等が挙げられる。
このようにして得られるコーティング液は、必要に応じ、溶剤で希釈して用いることができる。溶剤としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族類等の溶剤が用いられる。また、必要に応じて、少量の金属キレート化合物、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料、油溶染料、顔料、フォトクロミック化合物、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール系等の耐光耐熱安定剤等を添加し、コーティング液の塗布性、硬化速度および硬化後の被膜性能を改良することもできる。
また、コーティング液の塗布・硬化方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、あるいは、フローコート法によりコーティング液を塗布した後、40〜200℃の温度で数時間加熱乾燥することにより、ハードコート被膜を形成する。なお、ハードコート層の膜厚は、0.05〜30μmであることが好ましい。膜厚が0.05μm未満では、基本性能が実現できない。また、膜厚が30μmを越えると表面の平滑性が損なわれたり、光学歪みが発生してしまう場合がある。なお、ハードコート層の屈折率は、干渉縞の発生を避けるため、レンズ基材、プライマー層の屈折率に合わせることが好ましい。
このようなハードコート層に対しては、後述する反射防止層を形成する前に、染色工程により染色を行うことで結果的に眼鏡用カラーレンズを得ることができる。染色手法としては、一般の分散染料を用いた染色手法が可能であり、レンズ基材自体への染色と同様にして染色が可能である。
分散染料を用いる染色手法は、通常、次のようにして行われる。
所定の温度にした染色浴を準備し、分散染料を染色浴中に添加して拡販する。分散染料としては、染着性および耐光性が良好なことが好ましく、アンスラキノン誘導体、キノフタロン誘導体、ニトロジフェニルアミン系誘導体、およびアゾ系分散染料などが挙げられる。分散染料は単独、または2種以上を配合して使用することができ、染色浴への添加量は、希望の染色スピードとなるように、1g〜30g/リットルの範囲で使用することができる。染色浴の温度は、通常40〜100℃の範囲であり、より好ましくは、70℃〜99℃である。40℃未満では、染色スピードが極端に遅くなり、希望の染色濃度に達するまでの時間が極端に長くなり実使用に耐えない。また、100℃を超える場合は、加圧を行う必要があるため、装置が大型化し、作業性が低下する。
また、染色浴中には、必要に応じて分散染料の分散を助けるための、界面活性剤や、染色スピードを早くするための、染色促進剤を添加することも可能である。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ラウリル硫酸塩等の陰イオン活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン活性剤などが挙げられる。これらの界面活性剤の使用量は、分散染料の添加量に対して、10〜200重量%の範囲で適宜決めることが可能であり、通常は、染色浴中に、1g〜10g/リットル程度の添加量が好ましく用いられる。染色促進剤としては、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール等の芳香環を有するアルコール類や、o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、トリクロルベンゼン、ジクロルベンゼン、メチルナフタレンなどが挙げられる。これらの染色促進剤は、単独または2種以上を混合して用いてもよい。染色促進剤の添加量は、分散染料の添加量に対して、20〜1000重量%の範囲で適宜決めることが可能であり、通常は、染色浴中に、1g〜30g/リットル程度の添加量が好ましく用いられる。
染色浴は通常の場合、水を用いて調整するが、必要に応じて水とメタノール、エタノール、イソプロパノール等の有機溶剤との混合物を用いて調整してもよい。
染色浴の温度とレンズを染色浴中に浸ける時間は、希望の色調、濃度により変わるが、通常は40℃〜100℃で、1分〜60分程度、レンズを染色浴中に浸けることによって、希望の濃度、色調のレンズが得られる。
(4.反射防止層)
反射防止層は、ハードコート層上に形成され、有機化合物を主成分とする単層の有機薄膜である。以下、有機系反射防止層ともいう。
有機系反射防止層は、内部空洞を有するシリカ系微粒子(以下、「中空シリカ系微粒子」ともいう)と、ハードコート層の形成に用いられた式(1)で示される有機ケイ素化合物とを含んだ組成物から好ましく形成される。この有機ケイ素化合物も最終的に有機系反射防止層におけるシリカ系微粒子のバインダー剤として働く。
ここで、中空シリカ系微粒子を用いるのは、内部空洞内にシリカよりも屈折率が低い気体または溶媒が包含されることによって、空洞のないシリカ系微粒子に比べてより屈折率が低減し、結果的に、有機層に優れた反射防止効果を付与できるからである。
中空シリカ系微粒子は、特開2001−233611号公報に記載されている方法等で製造することができるが、本発明では、平均粒径が1〜150nmの範囲にあり、かつ屈折率が1.16〜1.39の範囲にあるものを使用することが望ましい。粒子の平均粒径が1nm未満になると、粒子内部の空隙率が小さくなって、所望の低屈折率が得られなくなる。また、平均粒径が150nmを超えると、有機薄膜のヘイズが増加するので好ましくない。なお、好ましい平均粒径は、以下の式で計算することができる。
平均粒径=(設計波長(nm)/有機系反射防止層屈折率)×1/4
なお、平均粒径1〜150nm、屈折率1.16〜1.39の中空シリカ系微粒子を含む分散ゾルが市販されている(例えば、触媒化成工業(株)製、スルーリア、およびレキューム)。
なお、この有機系反射防止層形成用組成物中には、有機系反射防止層の耐擦傷性(耐摩耗性)向上のために、分子中に1個以上のエポキシ基を含有するエポキシ基含有有機化合物を含むことが好ましい。このようなエポキシ基含有有機化合物としては、例えば、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
有機系反射防止層としては、シリコーン系、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系などの樹脂と2種以上併用して成膜した有機薄膜を用いてもよい。このうち特に、プラスチックレンズとしての耐熱性、耐薬品性、耐擦傷性、などの諸特性を考慮した場合は、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂を含む低屈折率層とすることが好ましく、この際に、表面硬度の向上や、屈折率の調整のため、微粒子状無機物などを添加することも可能である。添加する微粒子状無機物としては、コロイド状に分散したゾルなどが挙げられ、低屈折率という観点から、フッ化マグネシウムゾル、フッ化カルシウムゾルなどが挙げられる。
さらに、有機系反射防止層形成用組成物(コーティング液)には、必要に応じて、少量の硬化触媒(レンズ基材製造用重合触媒)や、光重合開始剤、酸発生剤、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン・ヒンダートフェノール等の光安定剤、分散染料・油溶染料・蛍光染料・顔料等を添加し、コーティング液の塗布性の向上や、重合硬化後の被膜性能を改良することができる。
このような有機系反射防止層は、上述したコーティング液を用いて、湿式法によりハードコート層上に低屈折率の有機薄膜として好適に形成することができる。蒸着法やスパッタリング法などの乾式法で形成される無機系反射防止層は、下層の有機薄膜からなるハードコート層やプラスチック基材との大きな熱膨張率差により耐熱性が低いのに対して、湿式法により形成される有機系反射防止層は、ハードコート層やプラスチック基材との熱膨張率差が小さいことから加熱によるクラックの発生が起こり難くなり、耐熱性に優れる。また、湿式法により形成することができるため、真空装置や大型の設備は不要となり、簡便に作製することが可能となる。
湿式法による低屈折率の有機系反射防止層の形成方法としては、ディッピング法、スピンナー法、スプレー法、フロー法などの公知の方法を用いることができる。これらの成膜方法のうちで、プラスチックレンズ基材のような曲面形状に膜厚が50〜150nmの薄膜をムラなく成膜することを考慮すると、ディッピング法、またはスピンナー法が好ましい。なお、ハードコート層上に低屈折率の有機系反射防止層を形成する際には、ハードコート層表面に前処理を行うことが好ましい。この前処理の具体例としては、表面研磨、紫外線−オゾン洗浄、プラズマ処理等によりハードコート層表面を親水化(接触角θ=60°以下)する方法が有効である。
有機系反射防止層の具体的な形成方法は、以下の様な手順により行われる。まず、式(1)あるいは式(2)の有機ケイ素化合物を有機溶剤で希釈し、その後必要に応じて水または薄い塩酸、酢酸等を添加して加水分解を行う。さらに、中空シリカ系微粒子を有機溶剤中にコロイド状に分散した品を添加する。その後、必要に応じ、硬化触媒、光重合開始剤、酸発生剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加し、十分に撹拌した後にコーティング液として用いる。
このとき、硬化後の固形分に対して、コーティング液の希釈する濃度は、好ましくは固形分濃度として0.5〜15質量%であり、より好ましくは1〜10質量%である。固形分濃度が15質量%を越えた場合には、ディッピング法で引き上げ速度を遅くしたり、スピンナー法で回転数を高くしても、所定の膜厚を得ることが困難であり、膜厚が必要以上に厚くなってしまう。また、固形分濃度が0.5質量%に満たない場合には、ディッピング法で引き上げ速度を早くしたり、スピンナー法で回転数を遅くしても、膜厚が必要よりも薄くなってしまい所定の膜厚を得ることが困難である。また、速度を速くし過ぎたり、回転数を遅くし過ぎると、レンズ上での塗りムラが大きくなりやすく、界面活性剤等の添加でも対応仕切れなくなってしまう。
コーティング液をレンズ基材に塗布後、熱または紫外線及びその併用によって硬化させて有機系反射防止層が得られるが、加熱処理によって硬化させることが好ましい。加熱処理の際の加熱温度は、コーティング組成物の組成、レンズ基材の耐熱性等を考慮して決定されるが、50〜200℃が好ましく、より好ましくは80〜140℃である。
得られる有機系反射防止層の膜厚は50〜150nmの範囲が好ましい。この範囲より厚すぎたり薄すぎると十分な反射防止効果が得られないおそれがある。また、有機系反射防止層の屈折率は、反射防止層として機能するために、下層のハードコート層との屈折率差が0.10以上(有機系反射防止層の屈折率として1.64以下)、好ましくは0.15以上、さらに好ましくは0.20以上とする必要がある。具体的には、有機系反射防止層の屈折率は、1.30〜1.45の範囲とすることが好ましい。
(5.防汚層)
以上のように、レンズ基材上にプライマー層、ハードコート層および有機系反射防止層が形成されたプラスチックレンズには、さらにプラスチックレンズ表面の撥水撥油性能を向上させる目的で、反射防止層上にフッ素を含有する有機ケイ素化合物からなる防汚層を形成することができる。フッ素を含有する有機ケイ素化合物としては、例えば、特開2005−301208号公報や特開2006−126782号公報に記載されている含フッ素シラン化合物を好適に使用することができる。
含フッ素シラン化合物は、有機溶剤に溶解し、所定濃度に調整した撥水処理液を用いて有機系反射防止層上に塗布する方法を採用することができる。塗布方法としては、ディッピング法、スピンコート法等を用いることができる。なお、撥水処理液を金属ペレットに充填した後、真空蒸着法などの乾式法を用いて防汚層を形成することも可能である。
防汚層の膜厚は、特に限定されないが、0.001〜0.5μmが好ましい。より好ましくは0.001〜0.03μmである。防汚層の膜厚が薄すぎると撥水撥油効果が乏しくなり、厚すぎると表面がべたつくので好ましくない。また、防汚層の厚さが0.03μmより厚くなると反射防止効果が低下するため好ましくない。
以上のような本実施形態の眼鏡用プラスチックレンズは、ポリサルホン系樹脂をレンズ基材としているため、透明で屈折率が1.65以上であり、薄型レンズとして好適である。また、加重たわみ温度が150℃以上あるため、ハードコート加工時などでより高温に耐えることが可能であり、また、実使用にあたっても、高温下で変形等が少なく、耐熱性にも優れたレンズである。また、ポリサルホン系樹脂は熱可塑性であり、射出成形等により容易にレンズ基材とすることも可能である。それ故、レンズ基材の製造効率に優れるとともに、レンズ基材の製造に関して溶剤・溶液を使わないため環境への負荷も低い。そして、ハードコート層形成用組成物に多官能エポキシ化合物、多官能(メタ)アクリル化合物等の染色成分が含有されているため、ハードコート層の染色性が優れており、レンズ基材の染色が困難であってもハードコート層を染色することによりカラーレンズを容易に提供できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、反射防止層を単層の有機薄膜で構成される有機系反射防止層としたが、これに限らず、反射防止層は無機物を主成分とするものとしてもよい。例えば、SiO2 ,SiO,ZrO2 ,TiO2,TiO,Ti23,Ti25,Al23,Ta25,CeO2 ,MgO,Y23,SnO2,MgF2 ,WO3等の無機物を主成分と
する無機系反射防止層を形成してもよい。これらの無機物を単独で用いてもよく、又は、2種以上を混合して用いてもよい。
例えば、基材から大気に向かって順に、SiO2、ZrO2、SiO2、ZrO2、SiO2の5層を有する反射防止層としてもよい。
このような無機物を主成分とする反射防止層を形成する際には、乾式法、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等を用いて、反射防止層を形成することができる。なお、真空蒸着法においては、蒸着中にイオンビームを同時に照射するイオンビームアシスト法を用いてもよい。
次に、本発明の実施形態に基づく実施例および比較例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものはない。具体的には、以下に示す方法で眼鏡用のプラスチックレンズを製造した後、耐熱性、染色性などの評価を行った。
[実施例1]
(1-1)レンズ基材(ポリサルホン樹脂製)の作製
市販のポリサルホン樹脂(荷重たわみ温度(1.8MPa):174℃、屈折率:1.67)のペレットを用いて、シリンダー温度380℃、金型温度160℃の条件で、マイナス形状レンズ用の金型を使用し、射出圧縮成形機によってプラスチックレンズを作製した。なお、金型は、作製したレンズでの中心厚が1.2mm、度数が約−5Dとなるように調整したものを使用した。
ここで、原料樹脂の屈折率および荷重たわみ温度は以下のようにして測定した。
(屈折率の測定法)
レンズ基材の作製に供した樹脂ペレットを用い、熱プレス法により、厚み2mmのフラット板を作製した。このフラット板からサンプルを切り出し、アッベ屈折率計(アタゴ社製 タイプ4T)を用いて、25℃におけるe線(547nm)の屈折率を測定した。
(荷重たわみ温度の測定法)
レンズ基材の作製に供した樹脂ペレットを用い、熱プレス法により、厚み6.4mmのフラット板を作製した。このフラットからサンプルを切り出し、ASTM D648 の試験法に準じて、応力1.8MPaにおける荷重たわみ温度を測定した。
(1-2)プライマー層の形成
(プライマー層形成用組成物の調整)
市販の水性ポリエステル「A−160P」(高松油脂株式会社製、固形分濃度25%)186g、メタノール257g、水15g、ブチルセロソルブ37gを混合し、さらにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5g、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー株式会社製、商品名「L−7604」)0.1gを加え、3時間攪拌してプライマー層形成用組成物を調整した。
(プライマー層形成工程)
このプライマー層形成用組成物に前記した(1-1)により作製したレンズ基材を浸漬して、引き上げ速度15cm/minで塗布を行った。塗布後のレンズ基材に対し100℃で20分間加熱硬化処理を行い、レンズ基材上に膜厚1.0μmのプライマー層を形成した。
(1-3)ハードコート層の形成
(ハードコート層形成用組成物の調整)
ブチルセロソルブ73g、メタノール148g、およびγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン57gを混合した。この混合液に0.1N塩酸水溶液18gを攪拌しながら滴下した。さらに3時間攪拌後、一昼夜熟成させた。この液にメタノール分散SiO微粒子ゾル(触媒化成工業株式会社製、商品名「オスカル1132」固形分濃度30%)146g、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「デナコールEX−421」)50g、過塩素酸マグネシウム3g、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L−7001」)0.16g、フェノール系酸化防止剤(川口化学工業株式会社製、商品名「アンテージクリスタル」)0.6gを添加し4時間撹拌後、一昼夜熟成させてハードコート層形成用組成物とした。
(ハードコート層形成工程)
ハードコート層形成用組成物に前記した(1-2)によりプライマー層を形成したレンズ基材を浸漬して、引き上げ速度30cm/minで塗布を行った。塗布後のレンズ基材に対し125℃で3時間加熱硬化処理を行い、レンズ基材上に膜厚2.5μmのハードコート層を形成した。このようにして形成したハードコート層をHC1という。
(1-4)無機系反射防止層の形成
前記(1-3)で得られたハードコート層形成後のレンズ基材上に以下の手法により反射防止層を形成して、評価用のプラスチックレンズとした。
(無機系反射防止層形成工程)
真空中で、レンズ基材を200Wの出力のアルゴンガスプラズマ中に30秒間暴露させた後、真空蒸着法によってレンズ基材側からSiO、ZrO、SiO、ZrO、SiO、の5層の薄膜を形成した。形成された無機系反射防止層の光学膜厚は、レンズ基材側から順番に、最初のSiO層が約λ/4、次のZrO層とSiO層の合計膜厚が約λ/4、次のZrO層が約λ/4、最上層のSiO層が約λ/4である。このときの設計波長λは520nmとした。さらに無機系反射防止層上に含フッ素シラン化合物からなる防汚層(撥水膜)を真空蒸着法により成層した。このようにして形成した無機系反射防止層をAR1という。
[実施例2]
反射防止層を以下のように有機系反射防止層として形成した以外は、実施例1と同様にして評価用のプラスチックレンズを製造した。
(有機系反射防止層形成用組成物の調製)
γ−グリシドキシトリメトキシシラン0.42部、イソプロパノール125部を混合した後、テトラエトキシシラン5.4部、メチルトリメトキシシラン0.7部を混合して、十分に撹拌した。その後、0.1規定酢酸水溶液13.4部を撹拌しながら滴下し、5時間撹拌した。この液にイソプロパノール分散中空シリカゾル(固形分濃度20質量%)5.6部を加えて十分に混合した後、室温で3日間熟成させ、固形分濃度が約2質量%の有機系反射防止層形成用組成物(低屈コーティング液)として使用した。
(有機系反射防止層形成工程)
この有機系反射防止層形成用組成物にハードコート層形成後のレンズ基材を浸漬し、引き上げ速度10cm/minで塗布を行った。塗布後のレンズ基材を60℃で20分間風乾した後、120℃で120分間焼成を行い、ハードコート層上に膜厚90nmの有機系反射防止層(低屈折率層)を形成した。このようにして形成した無機系反射防止層をAR2という。
[実施例3]
プライマー層を形成せず、ハードコート層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして評価用のプラスチックレンズを製造した。
(ハードコート層形成用組成物の調製)
ブチルセロソルブ68g、メタノール139g、およびγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン61gを混合した。この混合液に0.1N塩酸水溶液17gを攪拌しながら滴下した。さらに3時間攪拌後、一昼夜熟成させた。この液にメタノール分散SiO微粒子ゾル(触媒化成工業株式会社製、商品名「オスカル1132」固形分濃度30%)181g、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「デナコールEX−421」)38g、過塩素酸マグネシウム3g、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L−7001」)0.15g、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L−7604」)0.05g、フェノール系酸化防止剤(川口化学工業株式会社製、商品名「アンテージクリスタル」)0.6g、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャルティケミカルズ株式会社製、商品名「TINUVIN213」)3.7gを添加し4時間撹拌後、一昼夜熟成させてハードコート層形成用組成物とした。
(ハードコート層形成工程)
ハードコート層形成用組成物にプライマー層形成後のレンズ基材を浸漬し、引き上げ速度35cm/minで塗布を行った。塗布後のレンズ基材に対し125℃で3時間加熱硬化処理して、レンズ基材上に膜厚2.5μmのハードコート層を形成した。このようにして形成したハードコート層をHC2という。
[実施例4]
市販のポリフェニレンサルホン樹脂(荷重たわみ温度(1.8MPa) 207℃、屈折率 1.67)のペレットを用い、シリンダー温度380℃、金型温度180℃の条件で射出圧縮成形を行ってレンズ基材を作成した以外は、実施例2と同様にして評価用のプラスチックレンズを製造した。
[実施例5]
市販のポリエーテルサルホン樹脂(荷重たわみ温度(1.8MPa) 204℃、屈折率 1.65)のペレットを用いて、シリンダー温度380℃、金型温度180℃の条件で射出圧縮成形を行ってレンズ基材を作成した以外は、実施例2と同様にして評価用のプラスチックレンズを製造した。
[比較例1]
レンズ基材に対して一切表面処理を行わない以外は、実施例1と同様にしてプラスチックレンズを製造した。すなわち、レンズ基材上にプライマー層、ハードコート層および反射防止層のいずれも形成しなかった。
[比較例2]
実施例3におけるハードコート層形成用組成物の調製の際に、「ジグリセロールポリグリシジルエーテル 38g」を配合しなかった以外は、実施例3と同様にして評価用のプラスチックレンズを製造した。なお、レンズ基材上のハードコート層の膜厚は2.4μmであった。このようにして形成したハードコート層をHC3という。
[比較例3]
市販のポリカーボネート樹脂(荷重たわみ温度(1.8MPa) 135℃、屈折率 1.59)のペレットを用いて、シリンダー温度300℃、金型温度120℃の条件で射出圧縮成形を行ってレンズ基材を作成した以外は、実施例2と同様にして評価用のプラスチックレンズを製造した。なお、レンズ基材の作成にあたっては、中心厚が1.4mm、度数が、約−5Dとなるように、金型を調整した。
[評価方法]
以上の実施例1〜5、および比較例1〜3により得られたプラスチックレンズの物性を以下に示す評価方法で評価した。評価項目は、耐熱性、耐擦傷性および染色性の3項目である。評価結果を表1に示す。
(1)耐熱性
レンズを玉型加工し、メタルフレームに枠入れを行った。枠入れしたレンズを50℃に設定したオーブン中に入れ、30分間放置した。その後レンズを取り出し、レンズの外観について暗箱での目視検査を行い、クラック等の外観異常が発生していないかを検査する。外観に異常がない場合は、オーブンの温度を5℃上げてから、再度レンズを入れ、さらに30分間加熱後に取り出し、レンズの外観を先ほどと同様に検査した。この試験を、外観に異常が出るまで繰り返し、異常が出た時の温度を、レンズの耐熱性の指標として用いた。
(2)耐擦傷性
ボンスター#0000スチールウール(日本スチールウール(株)製)を用いて、1kgfの荷重をかけ、1cm程度の幅で約3cmの長さを10往復擦ったのち、目視でレンズ表面に入った傷の状態を下記のA〜Eの5水準の基準で評価した。
A:全く傷がつかない
B:1〜10本の傷がつく
C:10〜100本の傷がつく
D:無数の傷がついているが、平滑な表面も残っている。
E:無数の傷がつき、平滑な表面がほとんど残っていない。
(3)染色性
最終的に反射防止層を形成したレンズについては、ハードコート層形成後に、以下のようにして染色性の評価を行った。反射防止層もハードコート層も形成していない比較例1については、レンズ生地(レンズ基材)のままで染色性の評価を行った。
染色液を調整するため、92℃の純水1リットルに、界面活性剤としてNES−203(日光ケミカルズ)を3cc添加し、さらに分散染料として、セイコープラックスダイヤコート用染色剤アンバーDを2g添加した後、十分に攪拌して染色浴を調整した。この染色浴に、レンズを5分間浸漬させて染色を行い、染色前と染色後における全光線透過率をBPIフォトメーターを用いて測定し、染色前後の透過率の差によって、以下のような基準で染色性を評価した。
良好:20%以上
難 :10〜19%
不可:0〜9%
[結 果]
Figure 2008096886
表1の結果から、実施例1〜5の眼鏡レンズは、耐熱性や耐擦傷性が良好なだけでなく、ハードコート層の染色性に優れるため、レンズ基材自体が難染色性であっても容易にカラーレンズを提供できる。
一方、比較例1の眼鏡レンズは、ハードコート層がないため、耐擦傷性が劣るだけでなく、染色も不可能である。また、比較例2の眼鏡レンズはハードコート層の染色性が悪いため、カラーレンズとすることが困難である。比較例3の眼鏡レンズはレンズ基材の材質がポリカーボネートであるため、荷重たわみ温度が低く耐熱性が劣り、屈折率も低い。
本発明は、プラスチックレンズおよびそのレンズを染色してなるカラーレンズの製造方法として使用することができる。例えば、眼鏡レンズ、カメラレンズ、望遠鏡用レンズ、顕微鏡用レンズ、ステッパー用集光レンズ等の光学レンズ等に好適に適用できる。

Claims (8)

  1. 屈折率が1.65以上である熱可塑性樹脂からなるプラスチック基材上にハードコート層を有するプラスチックレンズであって、
    前記ハードコート層が下記(a)〜(c)成分を含有するコーティング組成物により形成されていることを特徴とするプラスチックレンズ。
    (a)金属酸化物微粒子
    (b)有機ケイ素化合物
    (c)1分子中に、エポキシ基、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基から選ばれる官能基を、少なくとも2個以上有する多官能化合物
  2. 請求項1に記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記(c)成分が多官能エポキシ化合物であることを特徴とするプラスチックレンズ。
  3. 請求項1または2に記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記プラスチック基材がサルホン系樹脂からなることを特徴とするプラスチックレンズ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記サルホン系樹脂がポリサルホン類、ポリエーテルサルホン類およびポリフェニレンサルホン類から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とするプラスチックレンズ。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記ハードコート層の上に反射防止層を有することを特徴とするプラスチックレンズ。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のプラスチックレンズが眼鏡用であることを特徴とするプラスチックレンズ。
  7. 屈折率が1.65以上である熱可塑性樹脂からなるプラスチック基材上にハードコート層を有するカラーレンズの製造方法であって、
    下記(a)〜(c)成分を含有するコーティング組成物によりハードコート層を前記プラスチック基材上に形成するハードコート層形成工程と、
    (a)金属酸化物微粒子
    (b)有機ケイ素化合物
    (c)1分子中に、エポキシ基、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基から選ばれる官能基を、少なくとも2個以上有する多官能化合物
    前記ハードコート層形成工程後に、前記ハードコート層を染色する染色工程とを備えることを特徴とするカラーレンズの製造方法。
  8. 請求項6に記載のカラーレンズの製造方法において、
    前記プラスチック基材がサルホン系樹脂からなることを特徴とするカラーレンズの製造方法。
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