JP2008096723A - 保護層形成装置、保護剤バー、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の保護層形成装置2は、像担持体1に保護剤バー21とブラシ状の保護剤供給部材22を用いて保護剤を供給する手段を有し、像担持体に供給される保護剤の全消費量に対する廃トナー中に含まれる全保護剤の量が20%以下となるように保護剤を像担持体に供給する。この保護層形成装置2においては、保護剤を塗布するための保護剤供給部材22のブラシ22aと保護剤バー21とを接触させ、ブラシ先端に不定形の保護剤を付着させ、ブラシ先端に付着した不定形の保護剤を像担持体に供給する。このように、像担持体上に供給する保護剤の量を適切に保ち、かつ不定形の保護剤による保護層を形成することにより、保護剤による保護効果を維持しつつ、無駄な消費を低減できる。
【選択図】図1
Description
そのため、有機感光体の寿命を延ばし長期に渡って高画質を保持するには、摩擦による部材の劣化を低減し、クリーニング性を向上させる必要がある。
そして本発明は、上記の目的を達成するために、像担持体に適切な量の保護層を形成することができ、保護剤バーの消費量も低減することができる保護層形成装置を提供すること、および、その保護層形成装置に用いるのに最適な保護剤バーを提供することを目的とし、さらには、その保護層形成装置を画像形成部に備え、上記の目的を達成し得る画像形成装置を提供すること、および、その画像形成装置に装備されるプロセスカートリッジを提供することを目的としている。
本発明の第1の手段は、帯電手段で像担持体を一様に帯電し、帯電した前記像担持体の表面に潜像形成手段で潜像を形成し、該潜像を現像手段により少なくともトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成し、前記像担持体の表面に形成されたトナー像を転写手段で被転写体に転写した後、転写後の像担持体表面の残留トナーをクリーニング手段で除去する構成の画像形成装置に装備され、前記像担持体の表面に保護剤を供給して該像担持体の表面を保護する保護層を形成する保護層形成装置において、前記像担持体に、保護剤バーとブラシ状の保護剤供給部材を用いて保護剤を供給する手段を有し、前記像担持体に供給される保護剤の、全消費量に対する、廃トナー中に含まれる全保護剤の量が、20%以下となるように前記保護剤を前記像担持体に供給することを特徴とする。
また、本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の保護層形成装置において、前記保護剤バーを前記保護剤供給部材のブラシに押し当てて前記保護剤を前記ブラシに移行させる押圧力付与機構と、前記保護剤供給部材により像担持体上に供給された保護剤を薄層化する保護層形成機構とを有することを特徴とする。
また、本発明の第5の手段は、第4の手段の保護剤バーにおいて、前記保護剤は、50〜130℃に少なくとも一つの吸熱ピーク温度を有することを特徴とする。
また、本発明の第7の手段は、第6の手段の保護剤バーにおいて、前記保護剤中の両親媒性の有機物のHLB値(界面活性剤の水と油の親和性を示す値:Hydrophile-Lipophile Balance)が1.0〜6.5に設定されていることを特徴とする。
さらに本発明の第8の手段は、第6または第7の手段の保護剤バーにおいて、前記保護剤中の両親媒性の有機物が非イオン系界面活性剤であることを特徴とする。
また、本発明の第10の手段は、第9の手段の保護剤バーにおいて、前記保護剤中に含有される疎水性の有機物をパラフィンとすることを特徴とする。
さらに本発明の第11の手段は、第9の手段の保護剤バーにおいて、前記保護剤中に含有される疎水性有機化合物(A)と両親媒性の有機物(B)の重量比A/Bが、10/90〜97/3であることを特徴とする。
また、本発明の第15の手段は、第13または第14の手段の画像形成装置において、前記像担持体には、予め保護剤が塗布されていることを特徴とする。
さらに本発明の第16の手段は、第13または第14の手段の画像形成装置において、前記像担持体の使用開始前に、装置内で前記帯電手段、現像手段および転写手段が前記像担持体に接触していない状態で保護剤を塗布した像担持体を用いたことを特徴とする。
また、本発明の第18の手段は、第13〜第17の何れか1つの手段の画像形成装置において、前記被転写体は、シート状の転写媒体、あるいは、ベルト状もしくはドラム状の中間転写媒体であることを特徴とする。
また、本発明の第20の手段は、画像形成装置であって、第19の手段のプロセスカートリッジを着脱可能に備えたことを特徴とする。
また、本発明の保護剤バーにおいては、保護剤は、50〜130℃に少なくとも一つの吸熱ピーク温度を有することにより、像担持体上に保護剤を膜状に付着することが容易で、像担持体の保護効果が高い保護剤バーを実現することができる。
また、本発明の保護剤バーにおいては、前記保護剤中に、両親媒性の有機物及び疎水性の有機物を含有すること、前記保護剤中に含有される疎水性の有機物をパラフィンとすること、さらには、前記保護剤中に含有される疎水性有機化合物(A)と両親媒性の有機物(B)の重量比A/Bが、10/90〜97/3であることにより、像担持体上に保護剤粒子をほとんど存在させずに、像担持体上に保護剤を膜状に付着することが容易で、像担持体の保護効果が高い保護剤バーを実現することができる。
また、帯電手段が、帯電部材に直流電圧と交流電圧を重畳して印加することにより像担持体の帯電を行うことにより、像担持体の帯電電位の均一性が高い、オゾンやNOx等の酸化性ガスの発生が少ない、小型な画像形成装置を実現することができる。
さらに、像担持体には予め保護剤が塗布されているか、あるいは、像担持体の使用開始前に、装置内で帯電手段、現像手段および転写手段が像担持体に接触していない状態で保護剤を塗布した像担持体を用いることにより、初期の画像が安定していて、また、長期に渡って画像を出力した際も、安定的に高画質画像を出力可能な画像形成装置を実現することができる。
さらにまた、画像形成部を複数並設し、該複数の画像形成部でトナー色の異なる画像を形成し、各色のトナー像を被転写体に重ね合わせて転写して多色またはフルカラー画像を形成する構成とすることにより、異常画像が起こらず、消耗品の交換頻度が少なく、長期に渡って高画質な多色またはフルカラー画像を出力可能な画像形成装置を実現することができる。
廃棄する保護剤の量を減らし、また、保護剤を感光体以外の場所に移動させないためには、保護剤が塊・粉状で感光体上に供給されるのではなく、不定形または膜状の形状で供給されることが望ましい。すなわち、保護剤が塊・粉状で感光体上に供給された場合、保護剤の大半がクリーニングブレードで堰き止められて、廃トナーボトルに捨てられてしまい、また、感光体上に供給された感光体の粒の一部は、帯電ローラの直下を通過する際に帯電ローラに移動したり、現像手段を通過する際に現像剤に混入してしまいやすいが、不定形・膜状で感光体上に付着した保護剤は本質的に感光体上に保持されて、感光体を保護し、クリーニングブレードで堰き止められて廃棄されたり、帯電ローラまたは現像剤に移動しない。
また、同時に、電気的ストレスから感光体表面を確実に保護するためには、保護剤は感光体表面で延展し、保護剤層を形成することが好ましく、このような形態をとるには、保護剤組成物の分子間相互作用力が高すぎない方が好ましい。
分子間相互作用力が大きいと、一旦確定した相内構造を変化させるには大きなエネルギーが必要となるため、示差熱分析計などによって測定される吸熱ピーク発生温度は高くなる。
よって、保護剤バーの形状を維持しつつ、保護剤層形成時の延展性を確保するためには、保護剤バー中の保護剤は50℃〜130℃に少なくとも1つの吸熱ピーク温度を有することが好ましい。なお、本発明における吸熱ピーク温度とは、示差熱分析計を用いた、昇温時の示差熱プロフィールにおける、吸熱ピーク位置の温度を指す。
さらに、この吸着した両親媒性の有機化合物の疎水性構造部分と、疎水性有機化合物が、分子間力等に起因する分子間相互作用により複合化しつつ均質な保護剤層が形成されると考えられる。
また、感光体表面に保護剤層が形成された後には、帯電工程や転写工程の電気的ストレスは、保護剤層を形成している保護剤に対して加えられるため、保護剤の分子鎖が切断、酸化、親水化といった作用を受けることとなる。
これにより、保護剤は部分的に分解されるが、感光体への電気的ストレスは激減し、上述の感光体の劣化が抑制されるため、極めて長期間に渉る感光体の使用を可能にするものである。
前記両親媒性の有機化合物(B)は、感光体表面への吸着と保護剤劣化成分の取り込みによる表面疎水化機能を併せ持つことが重要である。電気的ストレスを受けて劣化した保護剤と共に、周辺の両親媒性の有機化合物(B)が逆ミセルに類する形態をとるには、そのHLB値(界面活性剤の水と油の親和性を示す値:Hydrophile-Lipophile Balance)の設定が重要であり、この値を1.0〜6.5の範囲とすることにより、湿度に対してより良好な安定状態にすることができるため好ましい。
HLB値は、界面活性剤の水と油(水に不溶性の有機化合物)への親和性の程度を表す値であり、値が大きいほど水への親和性が高くなる。なお、本発明のHLB値は、下記の式(1)のいわゆる川上式により算出した。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo) 式(1)
ここで、Mwは親水性部分の分子量、Moは親油基の分子量、logは常用対数を示している。
両親媒性の有機化合物は、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤やこれらの複合物等に類別されるが、本発明の保護剤は、上述のように感光体上に保護剤層を形成し、画像形成工程を経るため、感光体の電気的な特性に対して悪影響を与えないようにする必要がある。
両親媒性の有機化合物として非イオン系界面活性剤を用いることにより、界面活性剤自身がイオン解離することがなくなるため、使用環境、特に湿度が、大幅に変動した場合にも、気中放電などによる電荷のリークを抑制することができ、画像品質を高度に維持することができる。
CnH2n+1COOH 化学式(1)
ただし、式中のnは15〜35の整数を示す。
上記の化学式(1)のアルキルカルボン酸として直鎖アルキルカルボン酸を用いることにより、両親媒性の有機化合物が吸着した像担持体表面で、両親媒性の有機化合物の疎水性部分が配列しやすくなり、担持体表面への吸着密度が特に高くなるため、好ましい様態である。
よって、両親媒性の有機化合物の1分子当りの平均エステル結合数は、1から3個であることが好ましい。
両親媒性の有機化合物としては、前述のように陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
具体的には、疎水性有機化合物の例としては、脂肪族飽和炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素、脂環式飽和炭化水素、脂環式不飽和炭化水素や芳香族炭化水素に分類される炭化水素類の他に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリパーフルオロアルキルエーテル(PFA)、パーフルオロエチレン−パーフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリビニリデンフルオリド(PVdF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂やフッ素系ワックス類、ポリメチルシリコーン、ポリメチルフェニルシリコーン等のシリコーン樹脂やシリコーン系ワックス類等が挙げられる。また、疎水性有機化合物としては、これらに限られるものではないが、特に脂肪族飽和炭化水素が、両親媒性の有機化合物との相溶性が高く、両親媒性の有機化合物を感光体全面に膜状に付着させることができ、経済的にも安価であるため、非常に好ましい。従来、脂肪族飽和炭化水素はトナー中に含まれており、脂肪族飽和炭化水素が感光体上に付着することは、所謂ワックスフィルミングと呼ばれ、異常画像を発生させるものとして、脂肪族飽和炭化水素が感光体に付着しないような、工夫を講じていた。しかし、両親媒性の有機化合物と混合して用いることで、両親媒性の有機化合物の延展し難い欠点を補いながら、感光体に付着しても異常画像を発生しないことは、新しい発見である。
また一方で、疎水性有機化合物(A)の分子量が大きすぎると、保護層形成時に十分な延展性が得られず、感光体上に保護剤成分が粉粒体となって付着し被覆層を形成しないことがある。このような状態では、疎水性有機化合物(A)の感光体保護への寄与は小さく、感光体の保護は、表面に吸着した両親媒性の有機化合物(B)負うところとなる。
また、保護剤バーは、画像形成装置中に配設された感光体の近傍で使用されるため、連続使用の元では、駆動系などの熱源から発生する熱のため、室温より高い温度雰囲気下に曝されることが多い。よって、使用中に保護剤バーの形状を維持するためには、ある程度の温度までは、保護剤組成物の溶融などの相変化を生じないようにする必要がある。
また同時に、電気的ストレスから感光体表面を確実に保護するためには、保護剤は感光体表面で延展し、保護剤層を形成することが好ましく、このような形態をとるには、保護剤組成物の分子間相互作用力が高すぎない方が好ましい。
よって、前記保護剤バーの形状を維持しつつ、感光体表面に保護剤層を形成する時の延展性を確保するためには、保護剤バーの保護剤は、50℃〜120℃に少なくとも1つの吸熱ピーク温度を有することが好ましい。なお、本発明における吸熱ピーク温度とは、示差熱分析計を用いた、昇温時の示差熱プロフィールにおける、吸熱ピーク位置の温度を指す。
従って、例えば金属元素を含む潤滑剤成分等が分解、酸化して、金属酸化物となり、帯電部材に蓄積して汚染し、高抵抗化するような不具合は、本発明の感光体保護剤の使用により、解消することができる。
ここで、使用前の像担持体とは、画像形成を一枚も行っていない感光体を指すものとする。
図1は本発明の保護層形成装置を備えた画像形成部の要部構成例を示す概略要部構成図である。
像担持体であるドラム状の感光体1に対向して配設された保護層形成装置2は、感光体を保護する保護剤を棒状(円柱状、四角柱状、六角柱状等)にした保護剤バー21と、この保護剤バー21と接触するブラシ22aを有し保護剤バー21からブラシ22aに移行した保護剤を感光体1へ供給する保護剤供給部材22と、保護剤バー21を保護剤供給部材22のブラシ22aに押し当てて保護剤を保護剤供給部材22のブラシ22aに移行させる押圧力付与機構23と、保護剤供給部材22により感光体上に供給された保護剤を薄層化する保護層形成機構24等から主に構成されている。
また、感光体1の表面に供給された保護剤は、物質種の選択によっては供給時に十分な保護層にならない場合がある。このため、より均一な保護層を形成するために、感光体表面の保護剤は、例えばブレード状の部材24aと、そのブレード状の部材24aを感光体ドラム1の表面に押し当てるバネやスプリング等の押圧部材24bとを持つ保護層形成機構24により薄層化され、感光体表面の保護層となる。このように、感光体1に不定形の保護剤を適量供給するとともに、保護層形成機構24により薄層化することにより、保護剤が感光体上で不定形な保護膜となって保持されやすくなる。これにより、帯電手段(例えば帯電ローラ等)3の汚れ等による異常画像が起こらず、消耗品の交換頻度が少なく、長期に渡って高画質画像を出力可能な画像形成装置を実現することができる。
また、支持体24cから突き出し、たわみを持たせることができるブレード状部材24aの長さ、いわゆる自由長についても同様に押圧で加える、力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね1〜15mm程度であれば好ましく使用でき、2〜10mm程度であれば更に好ましく使用できる。
弾性金属ブレードの厚みは、0.05〜3mm程度であれば好ましく使用でき、0.1〜1mm程度であればより好ましく使用できる。
また、弾性金属ブレードでは、ブレードのねじれを抑止するために、取り付け後に支軸と略平行となる方向に、曲げ加工等の処理を施しても良い。
表面層を形成する材料としては、PFA、PTFE、FEP、PVdF等のフッ素樹脂や、フッ素系ゴム、メチルフェニルシリコーンエラストマー等のシリコーン系エラストマー等を、必要により充填剤と共に、用いることができるが、これに限定されるものではない。
可撓性のブラシ繊維の具体的な材料としては、一般的に公知の材料から1種乃至2種以上を選択して使用することができる。具体的には、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン);ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂(例えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン);塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−ブタジエン樹脂;フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン);ポリエステル;ナイロン;アクリル;レーヨン;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂(例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂);などの内、可撓性を持つ樹脂を使用することができる。
また、撓みの程度を調整するために、ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ヒドリンゴム、ノルボルネンゴム等を複合して用いても良い。
図2に示す画像形成部(画像形成ステーション)10は、像担持体であるドラム状の感光体1と、感光体1を帯電する帯電手段である帯電装置(図示の例では帯電ローラ)3と、帯電された感光体1にレーザー光L等を照射して静電潜像を形成する潜像形成手段(図示せず)と、感光体1上の静電潜像をトナーで現像して可視像化する現像手段である現像装置5と、感光体1上のトナー像を転写媒体(または中間転写媒体)7に転写する転写手段6と、転写後の感光体1の表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段であるクリーニング装置4と、クリーニング装置4から帯電装置3に至る部分に配置された保護層形成装置2等を有している。そして、この画像形成部10では、感光体1とともに、保護層形成装置2、帯電装置3、現像装置5、クリーニング装置4をカートリッジ内に設けたプロセスカーリッジ11を用いている。
感光体1に対向して配設された保護層形成装置2は、図1と同様に、保護剤バー21、保護剤供給部材22、押圧力付与機構23、保護層形成機構24等から主に構成される。
また、感光体1は、転写工程後に部分的に劣化した保護剤やトナー成分等が残存した表面となっているが、クリーニング装置4のクリーニング部材41により表面残存物が清掃され、クリーニングされる。図2では、ブレード状のクリーニング部材41は、いわゆるカウンタータイプ(リーディングタイプ)に類する角度で当接されている。
この画像形成装置100は、画像形成を行う画像形成装置本体(プリンタ部)110と、この本体110の上部に設置された原稿読取部(スキャナ部)120と、その上に設置された原稿自動給紙装置(ADF)130と、画像形成装置本体110の下部に設置された給紙部200とを備えており、複写機の機能を有している。また、この画像形成装置100は、外部装置との通信機能を有しており、装置外部のパーソナルコンピュータ等と接続することにより、プリンタやスキャナとして用いることができる。また、電話回線や光回線と接続することにより、ファクシミリとして用いることができる。
有機光導電層を有する有機感光体(OPC)等に代表される像担持体であるドラム状の感光体1は、除電ランプ(図示せず)等で除電され、帯電部材(例えば帯電ローラ)を有する帯電装置3で均一にマイナスに帯電される。
帯電装置3による感光体1の帯電が行なわれる際には、電圧印加機構(図示せず)から帯電部材に、感光体1を所望の電位に帯電させるに適した、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した帯電電圧が印加される。
すなわち、レーザー光源(例えば半導体レーザー)から発せられたレーザー光は、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等からなる光偏向器により偏向走査され、走査レンズやミラー等からなる走査結像光学系を介して感光体1の表面を、感光体1の回転軸方向(主走査方向)に走査する。
潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブ51に、感光体1の露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
上記の二次転写後、転写媒体は、中間転写媒体7から分離され、転写像が得られる。また、一次転写後に感光体1上に残存するトナー粒子は、クリーニング装置4のクリーニング部材41によって、クリーニング装置4内のトナー回収室へ、回収される。また、二次転写後に中間転写媒体7上に残存するトナー粒子は、ベルトクリーニング装置9のクリーニング部材によって、クリーニング装置9内のトナー回収室へ、回収される。
しかしながら、帯電部材を感光体表面に接触または近接して帯電を行う帯電装置3では、前述のように放電が感光体表面近傍の領域で行われるため、感光体1への電気的ストレスが大きくなりがちである。
そこで、本発明の感光体保護剤を用いた保護層形成装置2を用いることにより、長期間に渡り感光体を劣化させることなく維持できるため、経時的な画像の変動や使用環境による画像の変動を大幅に抑制でき、安定した画像品質の確保が可能となる。
本発明の画像形成装置に用いる像担持体である感光体は、導電性支持体の上に感光層が設けられている。感光層の構成は電荷発生材と電荷輸送材を混在させた単層型、あるいは電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、あるいは電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。また、感光体の機械的強度、耐磨耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のため、感光層の上に保護層を設けることもできる。感光層と導電性支持体の間には下引き層が設けられていてもよい。また各層には必要により可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
・モノフェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3−t−ブチル−4−ヒドロキシニソールなど。
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−tーブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
電荷輸送層能力を有する高分子としては、高分子中に電荷輸送能力を有する基(下記の化学式(2))を例示することができる。
電荷輸送能力を有するアクリル樹脂は、化学式(2)の基を有する不飽和カルボン酸を重合させることにより機械的強度が高く、透明性にも優れ、電荷輸送能力も高い表面層を形成することができ、単官能の化学式(2)の基を有する不飽和カルボン酸に多官能の不飽和カルボン酸、好ましくは3官能以上の不飽和カルボン酸を混合することで、アクリル樹脂は架橋構造を形成し、熱硬化性高分子となり、表面層の機械的強度は極めて高いものとなる。多官能の不飽和カルボン酸に、化学式(2)の基を付加しても良いが、モノマーの製造コストが高くなってしまうため、多官能の不飽和カルボン酸には、化学式(2)の基を付加せず、通常光硬化性多官能モノマーを用いることが好ましい。
まず、本発明の画像形成装置に用いるトナーは、平均円形度が0.93〜1.00であることが好ましい。本発明では、下記の式(2)より得られた値を円形度と定義する。この円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
円形度SR=粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長 :式(2)
トナー粒子に角がないため、現像装置内での 現像剤の攪拌トルクが小さく、攪拌の駆動が安定するために異常画像が発生しない。
ドットを形成するトナーの中に、角張ったトナー粒子がいないため、転写で転写媒体に圧接する際に、その圧がドットを形成するトナー全体に均一にかかり、転写中抜けが生じにくい。
トナー粒子が角張っていないことから、トナー粒子そのものの研磨力が小さく、像担持体の表面を傷つけたり、磨耗させたりしない。
円形度は、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜10000個/μlとして前記装置によりトナーの形状、粒度を測定する。
重量平均径D4が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすい。また、重量平均径D4が10μmを超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しい。
トナーの粒度分布がシャープであることから、摩擦帯電量分布もシャープとなり、カブリの発生が抑えられる。また、トナー粒径が揃っていると、潜像ドットに対して、緻密に、かつ整然と並ぶように現像されるので、ドット再現性に優れる。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について述べる。
ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロ−ルメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ピニル、プロピオン酸ピニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
具体的な手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
トナー中の着色剤の個数平均径が0.5μmより大きいときには、顔料の分散性が充分なレベルには到らず、好ましい透明性が得られないことがある。
0.1μmより小さい微小粒径の着色剤は、可視光の半波長より十分小さいため、光の反射、吸収特性に悪影響を及ぼさないと考えられる。よって、0.1μm未満の着色剤の粒子は良好な色再現性と、定着画像を有するOHPシートの透明性に貢献する。一方、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、入射光の透過が阻害されたり、散乱されたりして、OHPシートの投影画像の明るさ及び彩かさが低下する傾向がある。
さらに、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、トナー粒子表面から着色剤が脱離し、カブリ、ドラム汚染、クリーニング不良といった種々の問題を引き起こしやすいため、好ましくない。特に、0.7μmより大きな粒径の着色剤は、全着色剤の10個数%以下であることが好ましく、5個数%以下であることが、より好ましい。
予めの混錬に用いる結着樹脂としては、トナー用結着樹脂として例示した樹脂類をそのまま使用することができるが、これらに限定されるものではない。
また、湿潤液としては、結着樹脂の溶解性や、着色剤との塗れ性を考慮しながら、一般的なものを使用できるが、特に、アセトン、トルエン、ブタノン等の有機溶剤や水が、着色剤の分散性の面から好ましい。
中でも、水の使用は、環境への配慮及び、後のトナー製造工程における着色剤の分散安定性維持の点から、一層好ましい。
この製法によると、得られるトナーに含有される着色剤粒子の粒径が小さくなるばかりでなく、該粒子の分散状態の均一性が高くなるため、OHPによる投影像の色の再現性がより一層良くなる。
離型剤としては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的には第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
また、トナー製造過程で水系媒体中にトナー組成物を分散させるに際して、主に分散安定化のための樹脂微粒子を添加してもよい。
この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
像担持体に対する負荷を軽減した場合には、像担持体上のトナーや小径のキャリアの除去が不十分となり、これらはクリーニング装置を通過する際に、像担持体表面を傷つけ、画像形成装置の性能を変動させる要因となる。
また、本発明の画像形成装置は、上述のような、高品質な画像を得るに適した構成のトナーとの併用ばかりでなく、粉砕法による不定形のトナーに対しても適用でき、装置寿命を大幅に延ばすことは言うまでもない。
該トナーに使用される一般的な結着剤樹脂の例としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体等のスチレン系共重合体;ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル系単重合体やその共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のポリビニル誘導体;ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリイミド系重合体、ポリオール系重合体、エポキシ系重合体、テルペン系重合体、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられ、単独あるいは混合して使用できるが特にこれらに限定するものではない。中でも、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂より選ばれる少なくとも1種以上であることが、電気特性、コスト面等から、より好ましいものである。更には、良好な定着特性を有するものとして、ポリエステル系樹脂および/またはポリオール系樹脂の使用が、一層好ましい。
FT115(日本精蝋製 合成ワックス)を39重量部、トリステアリン酸ソルビタン(HLB:1.5)を61重量部を蓋付きのガラス製容器に入れ、130℃に温度制御したホットスターラーにより、攪拌しつつ溶融した。
予め83℃に加熱した内寸法12mm×8mm×350mmのアルミニウム製の金型を満たすように、溶融した保護剤処方(1)の組成物を流し込み、50℃まで室温雰囲気で放冷後、温度設定をした恒温槽にて60℃まで再加熱して、その温度で20分間保持し、その後、室温まで放冷した。
冷却後、固形物を型から外し、長手方向の両端を切断し、底面を切削して7mm×8mm×310mmの保護剤バー(1)を作成し、保護剤バーの重量を計測しておいた。保護剤バーの底面に両面テープを貼り付け金属製支持体に固定した。
また、この保護剤バーの表面を6Bの鉛筆で引っかいたところ、スジが生じなかったが、5Bの鉛筆で引っかいたところ、スジが生じたため、この保護剤バーの鉛筆硬度は、5B〜6Bの間であることが分かった。
ノルマルパラフィン(平均分子量640)を70重量部、モノステアリン酸ソルビタン(HLB:5.9)を30重量部を用いる以外は、保護剤バー(1)の製造方法と同様にして保護剤バー(2)を作製した。
この保護剤バー(10mg)について、吸熱ピークを示差熱分析計DSC−60(島津製作所製)を用いて測定したところ、53℃と88℃に吸熱ピークが得られた。
また、この保護剤バーの表面を6Bの鉛筆で引っかいたところ、スジが生じたため、この保護剤バーは、6Bよりも柔らかいことが分かった。
保護剤バー(1)の製造方法において、ノルマルパラフィン(平均分子量640)を73重量部、モノステアリン酸グリセリル(HLB:3.5)を27重量部を用いる以外は、保護剤バー(1)の製造方法と同様にして保護剤バー(3)を作製した。
この保護剤バーの表面を6Bの鉛筆で引っかいたところ、スジが生じたため、この保護剤バーは、6Bよりも柔らかいことが分かった。
また、この保護剤バー(10mg)について、吸熱ピークを示差熱分析計DSC−60(島津製作所製)を用いて測定したところ、53℃と88℃に吸熱ピークが得られた。
保護剤バー(1)の製造方法において、保護剤にステアリン酸亜鉛のみを用い、蓋付きのガラス製容器にステアリン酸亜鉛を入れ、165℃に温度制御したホットスターラーにより、攪拌しつつ溶融する以外は同様にして保護剤バー(4)を作製した。
この保護剤バーを4Bの鉛筆で引っかいたところ、保護剤バーにはスジが起こらなかったが、2Bの鉛筆で引っかくとスジが生じた。即ち、この保護剤バー表面の硬さは鉛筆硬度4B〜2Bの間であることが分かった。
直径30mmのアルミニウムドラム(導電性支持体)上に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層を、その順に塗布した後、乾燥し、3.6μmの下引き層、約0.14μmの電荷発生層、23μmの電荷輸送層、約3.5μmの保護層からなる感光体を作製した。このとき、保護層の塗工はスプレー法により、それ以外は浸漬塗工法により行った。保護層には、電荷輸送層に、平均粒径0.18μmのアルミナを23.8質量%添加した処方のものを用いた。
保護剤バー(1)〜(3)の保護剤塗布後の帯電手段直下における感光体の表面を電子顕微鏡を用いて観察したところ、3視野の観察で保護剤バー(1)においては、保護剤の粒が1mm2当たり5〜12個観察され、保護剤バー(2)、(3)においては、保護剤の粒が1mm2当たり0〜2個観察される程度であった。
また、保護剤バー(4)の保護剤塗布後の帯電手段直下における感光体の表面を電子顕微鏡を用いて観察したところ、保護剤の粒が多数観察されたため、1mm2当たりに存在する粒の数を3視野について数えたところ、その個数の平均は603個であった。
それぞれの感光体ユニットをタンデム型カラー画像形成装置(リコー製:imagio Neo C385)のブラック用画像形成ステーションにセットし、順にブラックのハーフトーン画像を出力した。実施例1〜3の保護剤バー(1)〜(3)を用いた感光体ユニットから出力した画像は高画質な画像であったが、比較例1の保護剤バー(4)を用いた感光体ユニットから出力した画像には薄いスジが見られた。
タンデム型カラー画像形成装置(リコー製:imagio Neo C385)のすべての色の画像形成ステーションを図1及び図2の構成になるように改造し、実施例4として、ブラック用画像形成ステーションに、保護剤バー(1)をセットした感光体ユニットを組み込んだ。また、比較例2として、シアンの画像形成ステーションには、保護剤バー(4)をセットした感光体ユニットを組み込んだ。そして、画像面積が5%のカラーチャートを、5枚ずつ、計10000枚画像形成した。
ブラックのハーフトーン画像を出力したところ、高画質の画像が得られたが、シアンのハーフトーン画像を出力したところ、スジ状の異常画像が得られた。
また、トナーボトル中の廃トナーを溶剤で処理してGC−MS(島津製作所社製:GCMS−QP5000)で分析し、トリステアリン酸ソルビタン由来のピークより、トナーボトル中の保護剤の量を算出した。これらの分析より、保護剤の全消費量に対する、廃トナー中に含まれる全保護剤の量は15%と算出された。
また、ICPを用いてシアンのトナーボトル中の廃トナーの亜鉛量の定量を行い、ステアリン酸亜鉛量を算出し、保護剤の全消費量に対する、廃トナー中に含まれる全保護剤の量を算出したところ34%であった。
実施例4において保護剤バー(1)を保護剤バー(2)に換えて感光体ユニットにセットし、ブラック用画像形成ステーションに組み込んだものを実施例5とし、保護剤バー(3)を感光体ユニットにセットしてシアン用画像形成ステーションに組み込んだものを実施例6とし、マゼンタ用の画像形成ステーションには、保護剤バー(4)をセットした感光体ユニットを組み込んで比較例3とした。そして、画像面積が5%のカラーチャートを、5枚ずつ、計50000枚画像形成した。
50000枚の画像形成後、ブラックおよびシアンのハーフトーン画像を出力したところ、いずれも高画質の画像が得られたが、マゼンタのハーフトーン画像を出力したところ、帯状の地汚れが見られた。また、マゼンタ用感光体ユニットから保護剤バー(4)を取り出したところ、厚みが半分以下になっていた。
また、ブラックおよびシアンのトナーボトル中の廃トナーを溶剤で処理してGC−MS(島津製作所社製:GCMS−QP5000)で分析し、ノルマルパラフィン由来のピークより、トナーボトル中の保護剤の量を算出した。これらの分析より、保護剤の全消費量に対する、廃トナー中に含まれる全保護剤の量はブラック用感光体ユニットにおいては3%、シアン用感光体ユニットにおいては6%と算出された。
また、ICPを用いてマゼンタのトナーボトル中の混合物質の亜鉛量の定量を行い、ステアリン酸亜鉛量を算出し、保護剤の全消費量に対する、廃トナー中に含まれる全保護剤の量を算出したところ31%であった。
2:保護層形成装置
3:帯電装置(帯電手段)
4:クリーニング装置(クリーニング手段)
5:現像装置(現像手段)
6:一次転写装置(転写手段)
7:中間転写媒体(または転写媒体)
8:潜像形成装置
9:ベルトクリーニング装置
10:画像形成部(画像形成ステーション)
11:プロセスカートリッジ
12:二次転写装置
13:搬送装置
14:定着装置
15:搬送装置
16:排紙ローラ
17:排紙トレイ
21:保護剤バー
22:保護剤供給部材
22a:ブラシ
22b:支持体
23:押圧力付与機構
24:保護層形成機構
24a:ブレード状部材
24b:押圧部材
41:クリーニング部材
42:クリーニング押圧機構
51:現像スリーブ
52,53:現像剤攪拌搬送部材
100:画像形成装置
110:画像形成装置本体(プリンタ部)
120:原稿読取部(スキャナ部)
130:原稿自動給紙装置(ADF)
200:給紙部
201a〜201d:給紙カセット
202:給紙ローラ
203:分離ローラ
204,205,206:搬送ローラ
207:レジストローラ
210:両面用搬送装置
Claims (20)
- 帯電手段で像担持体を一様に帯電し、帯電した前記像担持体の表面に潜像形成手段で潜像を形成し、該潜像を現像手段により少なくともトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成し、前記像担持体の表面に形成されたトナー像を転写手段で被転写体に転写した後、転写後の像担持体表面の残留トナーをクリーニング手段で除去する構成の画像形成装置に装備され、前記像担持体の表面に保護剤を供給して該像担持体の表面を保護する保護層を形成する保護層形成装置において、
前記像担持体に、保護剤バーとブラシ状の保護剤供給部材を用いて保護剤を供給する手段を有し、前記像担持体に供給される保護剤の、全消費量に対する、廃トナー中に含まれる全保護剤の量が、20%以下となるように前記保護剤を前記像担持体に供給することを特徴とする保護層形成装置。 - 請求項1記載の保護層形成装置において、
前記保護剤を塗布するための前記保護剤供給部材のブラシと前記保護剤バーとを接触させ、前記保護剤供給部材のブラシ先端に不定形の保護剤を付着させ、基本的にブラシ先端に付着した前記不定形の保護剤を前記ブラシを介して前記像担持体に供給することを特徴とする保護層形成装置。 - 請求項1または2記載の保護層形成装置において、
前記保護剤バーを前記保護剤供給部材のブラシに押し当てて前記保護剤を前記ブラシに移行させる押圧力付与機構と、前記保護剤供給部材により像担持体上に供給された保護剤を薄層化する保護層形成機構とを有することを特徴とする保護層形成装置。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の保護層形成装置に用いられる保護剤バーであって、
棒状の保護剤からなり、該保護剤の表面の鉛筆硬度が、5Bより軟らかいことを特徴とする保護剤バー。 - 請求項4記載の保護剤バーにおいて、
前記保護剤は、50〜130℃に少なくとも一つの吸熱ピーク温度を有することを特徴とする保護剤バー。 - 請求項4または5記載の保護剤バーにおいて、
前記保護剤中に、両親媒性(親水性と疎水性)の有機物を含有することを特徴とする保護剤バー。 - 請求項6記載の保護剤バーにおいて、
前記保護剤中の両親媒性の有機物のHLB値(界面活性剤の水と油の親和性を示す値:Hydrophile-Lipophile Balance)が1.0〜6.5に設定されていることを特徴とする保護剤バー。 - 請求項6または7記載の保護剤バーにおいて、
前記保護剤中の両親媒性の有機物が非イオン系界面活性剤であることを特徴とする保護剤バー。 - 請求項4〜8のいずれか1項に記載の保護剤バーにおいて、
前記保護剤中に、両親媒性の有機物及び疎水性の有機物を含有することを特徴とする保護剤バー。 - 請求項9記載の保護剤バーにおいて、
前記保護剤中に含有される疎水性の有機物をパラフィンとすることを特徴とする保護剤バー。 - 請求項9記載の保護剤バーにおいて、
前記保護剤中に含有される疎水性有機化合物(A)と両親媒性の有機物(B)の重量比A/Bが、10/90〜97/3であることを特徴とする保護剤バー。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の保護層形成装置において、
請求項4〜11のいずれか1項に記載の保護剤バーを用いたことを特徴とする保護層形成装置。 - 像担持体を帯電する帯電手段と、帯電された像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体上の潜像を少なくともトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体上のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の像担持体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、前記像担持体の表面に保護剤を供給して該像担持体の表面を保護する保護層を形成する保護層形成手段とを有する画像形成部を備えた画像形成装置において、
前記保護層形成手段として、請求項1〜3、12の何れか1項に記載の保護層形成装置を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13記載の画像形成装置において、
前記帯電手段が、帯電部材に直流電圧と交流電圧を重畳して印加することにより前記像担持体の帯電を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13または14記載の画像形成装置において、
前記像担持体には、予め保護剤が塗布されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13または14記載の画像形成装置において、
前記像担持体の使用開始前に、装置内で前記帯電手段、現像手段および転写手段が前記像担持体に接触していない状態で保護剤を塗布した像担持体を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13〜16の何れか1項に記載の画像形成装置において、
前記画像形成部を複数並設し、該複数の画像形成部でトナー色の異なる画像を形成し、各色のトナー像を被転写体に重ね合わせて転写して多色またはフルカラー画像を形成することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13〜17の何れか1項に記載の画像形成装置において、
前記被転写体は、シート状の転写媒体、あるいは、ベルト状もしくはドラム状の中間転写媒体であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13〜18の何れか1項に記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジであって、
前記画像形成部を構成する像担持体、保護層形成装置、帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうち、前記像担持体と前記保護層形成装置と、前記帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうちの少なくとも1つとを、カートリッジ内に備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 請求項19記載のプロセスカートリッジを着脱可能に備えたことを特徴とする画像形成装置。
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