JP2008096138A - 角速度センサの製造方法および角速度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数本の振動アームの振動特性を個別に調整することができる音叉型の角速度センサの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明においては、各アーム部12A,12Bの振動特性の調整を、調整対象であるアーム部12A以外の他のアーム部12Bの振動を機械的に拘束した状態で行う。この状態では、アーム部12A,12B間の連成振動は発生しておらず、調整対象であるアーム部12Aがその外形形状、圧電特性等に応じた固有の振動形態で振動する。これにより、アーム部12Aの振動方向、共振周波数などの振動特性の調整を個別に行うことが可能となる。また、各アーム部12A,12Bの振動特性の調整を高精度に行うことが可能となり、所期の振動特性を有する振動子を備えた角速度センサを製造することができる。
【選択図】図11

Description

本発明は、例えば、ビデオカメラの手振れ検知、バーチャルリアリティ装置における動作検知、カーナビゲーションシステムにおける方向検知などに用いられる角速度センサの製造方法および角速度センサに関し、更に詳しくは、音叉型の振動子を有する角速度センサの製造方法および角速度センサに関する。
従来より、民生用の角速度センサとして、片持ち梁や両持ち梁の振動音片型振動子あるいは音叉型振動子を所定の共振周波数で振動させておき、角速度の影響によって生じるコリオリ力を圧電素子などで検出することによって角速度を検出する、いわゆる振動型のジャイロセンサが広く使用されている。この種の振動型ジャイロセンサは、単純な機構、短い起動時間、安価で製造可能といった利点を有しており、例えば、ビデオカメラ、バーチャルリアリティ装置、カーナビゲーションシステムなどの電子機器に搭載され、それぞれ手振れ検知、動作検知、方向検知などをする際のセンサとして活用されている。
振動型ジャイロセンサは、搭載される電子機器の小型化、高性能化に伴い、小型化、高性能化が要求されている。例えば、電子機器の多機能化のため、他の用途に用いられる各種センサと組み合わせて同一集合基板上に搭載し、小型化を図るといった要請がある。この小型化を行ううえで、シリコン(Si)などの単結晶基板と、半導体製造分野で用いられる薄膜形成プロセスとフォトリソグラフィ技術を用いて構造体を形成する、MEMSと呼ばれる加工技術を用いることが一般的となってきている(例えば特許文献1,2参照)。
また、電気信号から歪を発生させる逆圧電効果、歪から電気信号を発生する圧電効果の機能を有する圧電材料がジャイロセンサに用いられ、振動子を共振駆動させ、その共振状態で被ジャイロ搭載物が回転した際に、ジャイロセンサにコリオリ力が作用し、振動子の振動方向に垂直な力が発生して、その力による歪を角速度として電気信号に変換する機能を実現している。
ところで、MEMS加工により形成される振動子の断面形状が、振動子として理想的な形状からずれる場合があるため、センサ素子の形成後、振動子の機械的振動における振動面の縦方向と横方向の共振周波数の差を調整する必要がある。例えば、特許文献1には、振動子の振動状態の各種調整方法について記載がされている。
一方、特許文献2などに記載されている音叉型振動子を有するジャイロセンサにおいては、2本もしくはそれ以上の本数の振動アーム間で連成振動モードが形成される。このため、振動アーム単独ではアーム断面から理想的な形状からずれ、片持ち音片型ジャイロのように振動面がずれたような状態であっても、一連の振動アーム間で形成される重心が移動する振動モードは縮退し、重心が移動しないモード、つまり一連の振動子が形成された平面に対する水平面以外の振動は発生しにくく、振動面の調整を行わなくても通常の使用において大きな問題はなかった。
特開2005−241382号公報 特開2006−17569号公報
小型ジャイロセンサを用いるような自動車や携帯型電子機器装置などにおいては、ジャイロセンサに供される電源品質は必ずしも理想的な電源波形ではなく、用いる直流成分に対して、直流信号発生装置や他の電気部品から発生する交流信号が混入することが多い。このような電源が機械的に調整されていない音叉型ジャイロセンサに供された場合、混入する交流信号が、ジャイロセンサ内部で振動子を共振駆動させる交流信号と重畳して側帯波となる周波数を形成することで、振動子の駆動周波数にずれを生じさせる。
また、振動子が、Si基板の表面に圧電膜を形成しそのSi基板にMEMS技術により形状加工を行うことで形成された音叉型振動子であって、基本モードとなる振動状態が圧電膜の形成面に沿った方向で振動励起される場合、圧電膜による振動励起の剛心が振動子の重心からずれた位置となる。
このように、駆動周波数にずれが生じた状態で、圧電膜に沿った振動励起で振動子を駆動させた場合、共振状態の振動子の振動面がずれ易くなり、その結果、角速度が生じていない状態でも検出出力が変動することになり、ノイズが著しく増加するおそれがあった。このため、音叉型ジャイロセンサにおいては、片持ち音片型ジャイロと同様に、振動子の機械的な調整を行うことが望ましいが、複数本の振動アーム間で連成振動が発生するため、振動アームを個別に調整することが難しいという問題がある。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、複数本の振動アームの振動特性を個別に調整することができる音叉型の角速度センサの製造方法および角速度センサを提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明の角速度センサの製造方法は、基部から一体的にほぼ同一方向へ延出された複数本のアーム部の一表面に、圧電膜を介して励振用の駆動電極と角速度検出用の検出電極がそれぞれ形成された角速度センサの製造方法であって、上記アーム部の振動特性の調整を各々独立して行うとともに、調整対象である一つのアーム部以外の他のアーム部の振動を機械的に拘束した状態で、当該一つのアーム部の振動特性の調整を行うことを特徴とする。
上記複数本のアーム部は、音叉型の振動子を構成する。これら複数本のアーム部は、駆動電極に駆動周波数の交流信号が印加されときに発生する圧電膜の逆圧電効果により振動が励起される。検出電極は、角速度が生じたときに発生する振動面に垂直な方向の振動成分を圧電膜の圧電効果により検出し、これを角速度信号として出力する。
本発明において、各アーム部の振動特性の調整を、調整対象である一つのアーム部以外の他のアーム部の振動を機械的に拘束した状態で行うようにしている。この状態では、アーム部間の連成振動は発生しておらず、調整対象であるアーム部がその外形形状、圧電特性等に応じた固有の振動形態で振動する。これにより、アーム部の振動方向、共振周波数などの振動特性の調整を個別に行うことが可能となる。また、各アーム部の振動特性の調整を高精度に行うことが可能となり、所期の振動特性を有する振動子を備えた角速度センサを製造することができる。
アーム部の機械的な拘束には、弾性を有する固定具をアーム部に取り付ける方法が採用できる。拘束に大きな力は必要とされない。アーム部に軽く付加を与えることで、アーム部の共振振動を阻止できる。これにより、アーム部間における機械的連成動作を防ぎ、各アーム部の振動特性の調整を個別に行えるようになる。
アーム部の振動特性には、当該アーム部の振動方向、振動周波数、離調度などが含まれる。アーム部の振動方向は、圧電膜の形成面と平行な方向とされるが、これに限らず、圧電膜の形成面と垂直な方向でもよい。アーム部の振動状態、例えば振動方向は、検出電極からの検出信号やアーム部振動面の変位測定などによってモニタすることができる。アーム部の振動特性の調整は、例えばレーザー加工装置を用いたアーム部に対する外形加工によって行うことができる。
本発明によれば、複数本の振動アームの振動特性を個別に調整することが可能となる。これにより、各アーム部の振動特性の調整を高精度に行うことが可能となり、所期の振動特性を有する振動子を備えた角速度センサを製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態による音叉型の角速度センサ(振動型ジャイロセンサ)10の概略構成を示す平面図である。本実施形態の角速度センサ10は、基部11と、この基部11から一体的にほぼ同一方向(y軸方向)へ延出された2本のアーム部12A,12Bとを備えている。これら基部11及びアーム部12A,12Bは、MEMS加工技術を用いて作製され、Si(シリコン)ウエハなどの圧電特性を有さない単結晶基板上に、後述する圧電機能層や各種リード配線部が形成された後、ドライエッチング加工およびダイシング加工を用いて所定形状に切り出されることによって、角速度センサ10を構成している。
アーム部12A,12Bは、角速度センサ10の振動子を構成し、図示の例では2本形成されているが、3本以上でも構わない。一方のアーム部12Aの一表面には、励振用の駆動電極13a1,13a2と角速度検出用の検出電極14a1,14a2がそれぞれ形成されている。他方のアーム部12Bの一表面には、励振用の駆動電極13b1,13b2と角速度検出用の検出電極14b1,14b2がそれぞれ形成されている。
駆動電極13a1と13a2及び駆動電極13b1と13b2は、各アーム部12A,12B上において検出電極14a1,14a2及び検出電極14b1,14b2を挟むようにしてそれぞれ配置されている。検出電極14a1,14a2及び検出電極14b1,14b2は、断面四角形状のアーム部12A,12Bの軸心に関して対称な位置にそれぞれ形成されている。駆動電極13a1と駆動電極13a2は検出電極14a1,14a2の外側及び内側に、アーム部12Aの軸心に関して対称な位置にそれぞれ配置され、駆動電極13b1と駆動電極13b2は検出電極14b1,14b2の外側及び内側に、アーム部12Bの軸心に関して対称な位置にそれぞれ配置されている。
図2Aは、図1における[2]−[2]線方向断面図である。図2Bは圧電機能層15A,15Bの概略断面図である。駆動電極13a1,13a2,13b1,13b2及び検出電極14a1,14a2,14b1,14b2は、アーム部12A,12B上に下地電極膜17を介して設けられた圧電膜16A,16Bの上に形成されている。以下、これら下地電極膜17、圧電膜16A,16B、駆動電極13a1,13a2,13b1,13b2、検出電極14a1,14a2,14b1,14b2を総称して、圧電機能層15A,15Bともいう。
本実施形態において、圧電機能層15A,15Bの形成領域は、アーム部12A,12Bの延在方向(y軸方向)とその配列方向(x軸方向)に対してそれぞれ直交する方向(z軸方向)に法線をもつ当該アーム部12A,12Bのそれぞれの一表面上とされている。なお、これ以外にも、これら圧電機能層15A,15Bを、x軸方向に法線をもつ各アーム部12A,12Bの外面側に形成してもよい。
ここで、下地電極膜17は、Si基板にスパッタ法で形成したTi(チタン)とPt(白金)の積層膜からなり、圧電機能層15A,15Bにおいて共通の電極膜としてアーム部12A,12B間に形成されている。圧電膜16A,16Bは、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)のターゲットを酸素雰囲気中でRFスパッタすることで形成される。駆動電極13a1,13a2,13b1,13b2、検出電極14a1,14a2,14b1,14b2は、圧電膜16A,16Bの上に形成したPt膜を、フォトリソグラフィ技術を用いて各電極形状にパターニングすることによって形成される。電極パターンの形成後、圧電膜16A,16Bについても上層の電極形状に合わせてパターニングされるが、これに限られない。そして、駆動電極13a1,13a2,13b1,13b2、検出電極14a1,14a2,14b1,14b2、更に、アーム部12B上の配線取出部26から露出させた下地電極膜17の一部にそれぞれ接続される配線群25と、電極取り出し用のランド23a1,23a2,23b1,23b2,24a1,24a2,24b1,24b2,27が、基部11の上にそれぞれ形成される。角速度センサ10は、上記ランドを介して、フリップチップ接合法やワイヤボンディング接合法などによって、図示しない配線基板に電気的に接続される。
さて、以上のような構成を有する本実施形態の角速度センサ10においては、下地電極膜17をGND(グラウンド)電位に接続し、アーム部12Aの駆動電極13a1とアーム部12Bの駆動電極13b1に対して駆動信号となる交流信号を供給するとともに、これと逆位相の駆動信号をアーム部12Aの駆動電極13a2とアーム部12Bの駆動電極13b2に供給する。この結果、ある瞬間には図3Aに示すように、駆動電極13a1,13b1の圧電部が伸び、駆動電極13a2,13b2の圧電部が縮むため、2本のアーム部12A,12Bは閉じる方向に変形する。また、別の瞬間には図3Bに示すように、駆動電極13a1,13b1の圧電部が縮み、駆動電極13a2,13b2の圧電部が伸びるため、2本のアーム部12A,12Bは開く方向に変形する。この動作が振動子の共振周波数で発生する結果、振動子は振動子のもつ共振倍率分変形が増幅され、アーム部12A,12Bがx軸方向に開閉動作する。
さらに、この状態でアーム部12A,12Bの伸びる方向(y軸方向)を軸として回転を印加すると、振動子にコリオリ力が発生する。例えば、所定方向の回転印加時において、アーム部12A,12Bが閉じる方向で動作する際には、図4Aに示すように、アーム部12Aには下方向(−z方向)、アーム部12Bには上方向(+z方向)の力がそれぞれ発生する。また、アーム部12A,12Bが開く方向で動作する際には、図4Bに示すように、アーム部12Aには上方向(+z方向)、アーム部12Bには下方向(−z方向)の力がそれぞれ発生する。その結果、2本のアーム部12A,12Bは、図5に示すような運動が発生し、この運動に同期して発生する検出電極14a1及び検出電極14a2の和信号と、検出電極14b1及び検出電極14b2の和信号とにより、振動子の上下方向に発生した力、すなわち角速度に比例した出力が得られることになる。
本実施形態の角速度センサ10においては、アーム部12A,12Bの一表面に圧電機能層15A,15Bがそれぞれ形成された構成であるため、このときの各アーム部の振動は、図6に示すようになる。図6はアーム部12Aについて示している。例えば、一方の駆動電極13a1が伸びて他方の駆動電極13a2が縮む際には、アーム部12Aの断面で観察すると、駆動電極13a1側から発生する応力S1は斜め右下の方向となり、駆動電極13a2側から発生する応力S2は斜め右上の方向となる。この2つの応力S1,S2の合成として、アーム部12Aには右向きの励振駆動力Sが発生することになる。なお、このとき、同様な説明で、アーム部12Bには左向きの励振駆動力が発生することになる。
ここで、振動子としてのアーム部12A,12Bの断面が図6に示したような四角形状に安定して作製される場合は特に問題ないが、ICP−RIE(Inductively Coupled Plasma−Reactive Ion Etching)などのドライエッチング法を用いてアーム部12A,12Bの形状加工を行う場合、アーム部12A,12Bの断面形状は、必ずしも直角四角形状に形成されるとは限られず、例えば図7に模式的に示すような歪んだ四角形状になる。このため、図7に示した形状の振動子は、励振駆動力S0が斜め方向となり、この方向に励振方向が変位し易くなる。
さらに、図8に示すように、振動子の断面形状が、多少縦横比が1からずれた正四角形の場合、縦方向の共振周波数Fvと横方向の共振周波数Fhを数百Hz程度離して設定される。本実施形態の場合、横共振周波数Fhは振動子の駆動周波数に相当し、縦共振周波数Fvは角速度の検出周波数に相当する。角速度印加時に上下の力が加わると、横に同期して縦方向にもずれる振動が励起されるように設計されることで、角速度の検出が可能となる。FvとFhが数百Hz程度しか離れておらず、また、振動子の重心Gが断面中心部にあるにもかかわらず駆動力の剛心Rがほぼ表面に存在し、両者の位置が大きくずれているため、横共振周波数Fhのずれに対して縦方向の振動が非常に励起され易く、振動面が駆動信号周波数の変調によってずれ易い。
音叉型振動子は、一般に、複数の振動アームが機械的に結合し連成振動となるモード以外は振動モードとして縮退し、複数の振動アームの結合で決まる重心位置が移動しないような振動モードが安定して存在する。このため、例えば図9に示すようにアーム部12A,12Bの断面形状が平行四辺形状に歪んでいる場合において、図9Bのように2本のアーム部12A,12B間でこの歪みの方向が線対称(z軸に関して対称)になっている場合、各アーム部12A,12Bは、個別の振動方向が斜めになっているにもかかわらず、連成振動モードでは水平方向(x軸方向)に振動する。なお、図9Aのように2本のアーム部12A,12B間で断面形状の歪み方向が同一である場合、連成振動モードにおける振動方向は、個別の振動方向とほぼ同一方向となる。
図9Aの場合には、駆動周波数がFhからずれてFvに近づくに従い、大きく振動面がずれ、ジャイロとしての出力が変動し、角速度の非印加時でも出力が変動するノイズが発生する。また、図9Bの場合も、駆動周波数がFhからずれると振動が不安定となり、感度不安定性やノイズ発生となる。なお、駆動周波数Fhの変動は、外乱信号が駆動信号に混入した際に発生する側帯波を原因として起こる。例えば、外乱信号の周波数をFaとした場合、Fh±Faなる側帯波が形成され、Fh>Fvの設計条件では、Fh−Faの共振周波数でFvに近くなり、Fh<Fvの設計条件では、Fh+Faの共振周波数でFvに近くなる。
このように、x軸方向を励振方向とする角速度センサにおいては、Si基板表面に圧電膜を形成した片持ち型振動音片タイプと同様に機械的に調整を行うことは可能であるが、例えば図9Aのような場合では、アーム部12Aとアーム部12Bが連成動作となっているため、アーム部12Aのみ機械的に調整を行ってもアーム部12Aの振動はアーム部12Bの振動の影響を受けているため、アーム部12Aの振動面の観察を行っても適切に調整することはできない。また、図9Bのような場合には、個別アームの振動方向は振動子の水平面からずれているにもかかわらず、2本のアーム部12A,12Bを連成振動させた際には振動面が水平面となるため、調整に必要なモニターをする要素がなく、アーム部12A,12Bを機械的に調整することができない。
そこで、本実施形態では、以下に示すような方法で、アーム部12A,12Bの振動特性の調整を行うようにしている。
すなわち、本実施形態では、アーム部12A,12Bの振動特性の調整を各々独立して行うとともに、調整対象である一つのアーム部以外の他のアーム部の振動を機械的に拘束した状態で、当該一つのアーム部の振動特性の調整を行うようにしている。
具体的に、図10に示すように、アーム部12Aを調整するに際して、アーム部12Bは弾性をもつ固定具30により振動を拘束する。固定具30によるアーム部12Bの拘束力は大きな力である必要はなく、アーム部12Bの共振条件を外すことができる程度の負荷をアーム部12Bに付与できればよい。固定具30は、アーム部12Bに接触する構成であれば、その固定構造や取付位置は特に制限されない。この方法により、2本のアーム部12A,12B間で機械的連成動作条件が成立しなくなるため、アーム部12Aをその固有の振動特性で振動させることが可能となる。
図11は、アーム部12Aの振動特性の調整工程を説明するための図である。図11Aに示すように、アーム部12Bに固定具30を取り付けた状態で、アーム部12Aの駆動電極13a1,13a2に駆動信号を入力し、アーム部12Aを共振駆動させる。このとき、アーム部12Aはその断面形状などに起因する固有の振動特性で振動する。そして、アーム部12Aの振動方向を検出電極14a1,14a2の出力信号に基づいてモニタリングしながら、図11Bに示すようにアーム部12Aの側方からレーザー光を照射し外形加工を施すことによって、アーム部12Aの振動方向を水平方向(圧電膜形成面と平行な方向)へ調整する。なお、振動方向が水平方向のとき、検出電極14a1,14a2の出力の和信号が0となるので、その検出信号が0となるように、アーム部12Aに対する外形加工位置、加工量を調整する。
アーム部12Aの調整が完了した後、アーム部12Bから固定具30を取り外し、今度はアーム部12Aに固定具30を取り付けて、アーム部12Bの振動特性を調整する。図13は、アーム部12Bの振動特性の調整工程を示している。アーム部12Bの調整は、アーム部12Aの調整と同様に、駆動電極13b1,13b2に駆動信号を入力し、アーム部12Bを共振駆動させながら行われる。このとき、アーム部12Aは固定具30により振動が拘束されているので、アーム部12Bは固有の振動特性で振動することになる。そして、上述したようなレーザートリミング技術を用いて、アーム部12Bの振動方向が水平方向となるように調整する。
なお、アーム部12Bの振動特性の調整に際しては、アーム部12Aが既に調整を完了しているので、アーム部12Aとの連成振動を行わせてもアーム部12Bはその固有の振動特性で振動する傾向にある。従って、アーム部12Bの調整時にはアーム部12Aに固定具30を取り付けなくても可能である。なお、高精度な調整が要求される場合には、アーム部12Bの調整時にもアーム部12Aの振動を拘束させておく方が好ましい。
また、この調整工程の際、離調度(縦共振周波数と横共振周波数との差)や共振周波数の調整も同時に行ってもよい。共振周波数の調整方法としては、周波数を高くするときにはアーム部の先端部位をレーザー加工し、周波数を低くするときにはアーム部の根元部位をレーザー加工する。アーム部間で共振周波数が異なるときの調整方法としては、アーム部12Aの共振周波数とアーム部12Bの共振周波数を予め個別に測定しておき、それぞれのアーム部の共振周波数がほぼ一致するように、例えば周波数の高い側のアーム部に対してはアーム部の根元部位にレーザーを照射し、周波数の低い側のアーム部に対してはアーム部の先端部位にレーザーを照射する。
以上のようにして、アーム部12A,12Bの振動特性の調整が行われる。本実施形態によれば、アーム部12A,12Bの振動方向や離調度、共振周波数などの振動特性の調整を個別に行うことができるので、アーム部12A,12Bの振動特性の調整を高精度に行うことが可能となる。これにより、所期の振動特性を有する振動子を備えた、ノイズに強い角速度センサを製造することができる。
また、図13A,Bは、他の実施形態として、アーム部12Aの振動面(上面)の変位を光学的に検出する水平面振動モニターを用いてアーム部12Aの水平振動を検出する方法を説明する図である。水平面振動モニターとしては、レーザー変位計を用いることができる。本実施形態においても、一方のアーム部(図示の例ではアーム部12A)の調整時には他方のアーム部12Bの振動を固定具30で拘束する。調整前におけるアーム部12Aの個別振動方向が斜めの場合、水平面振動モニターの出力は周期的に変動する。この変動がゼロとなるようにアーム部12Bにレーザー光を照射して振動方向を水平方向に調整する(図12B)。なお、この場合においても、アーム部の検出電極からの出力信号を参照することも勿論可能である。
更に、他の実施形態として、アーム部の駆動周波数をスイープした際に、検出周波数に対応するFvの周波数成分が、駆動周波数に対応するFhの周波数成分よりも小さくなるように、更に好ましくは、Fvの周波数成分が最も小さくなるように各アーム部の振動特性を調整するようにしてもよい。これにより、アーム部の振動方向を厳密に水平方向に調整せずとも、駆動周波数の変化による検出周波数Fvへの変位を抑制できるので、ノイズの発生を抑えることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施形態では、2本の振動アームを有する角速度センサを例に挙げて説明したが、アーム部の本数は2本の限られず、3本以上のアーム部を有する角速度センサに対しても適用することが可能である。この場合、1本のアーム部の振動調整を行う際には、他の2本のアーム部の振動を拘束するようにする。
また、以上の実施形態では、各アーム部の励振方向が圧電膜の形成面に対して平行な方向(図1においてx軸方向)であり、検出方向が圧電膜の形成面に対して垂直な方向(同z軸方向)である振動子を有する角速度センサについて本発明を適用した例について説明したが、これに限られず、励振方向が圧電膜の形成面に対して垂直な方向であり、検出方向が圧電膜の形成面に対して平行な方向である振動子を有する角速度センサについても、本発明は適用可能である。
本発明の実施形態による角速度センサの概略構成を示す平面図である。 図1における[2]−[2]線方向断面図および圧電機能層の概略構成図である。 図1の角速度センサのアーム部の励振動作を説明するための要部正面図である。 図1の角速度センサの角速度検出動作を説明するための要部正面図である。 角速度印加時におけるアーム部の振動状態を説明する要部正面図である。 アーム部の励振駆動原理を説明する要部正面図である。 アーム部の断面形状による励振方向の変化を説明する要部正面図である。 アーム部の重心位置と剛心位置を説明する要部正面図である。 アーム部の断面形状の相違による個別振動方向と連成振動方向とを説明する要部正面図である。 本発明の実施形態による角速度センサの振動特性の調整方法を説明する平面図である。 本発明の実施形態による角速度センサの振動特性の調整方法を説明する要部正面図である。 本発明の実施形態による角速度センサの振動特性の調整方法を説明する要部正面図である。 本発明の他の実施形態による角速度センサの振動特性の調整方法を説明する要部正面図である。
符号の説明
10…角速度センサ、11…基部、12A,12B…アーム部、13a1,13a2,13b1,13b2…駆動電極、14a1,14a2,14b1,14b2…検出電極、15A,15B…圧電機能層、16A,16B…圧電膜、17…下地電極膜、30…固定具

Claims (8)

  1. 基部から一体的にほぼ同一方向へ延出された複数本のアーム部の一表面に、圧電膜を介して励振用の駆動電極と角速度検出用の検出電極がそれぞれ形成された角速度センサの製造方法であって、
    前記アーム部の振動特性の調整を各々独立して行うとともに、
    調整対象である一つのアーム部以外の他のアーム部の振動を機械的に拘束した状態で、当該一つのアーム部の振動特性の調整を行う
    ことを特徴とする角速度センサの製造方法。
  2. 前記他のアーム部に弾性を有する固定具を取り付けて、当該他のアーム部の振動を拘束する
    ことを特徴とする請求項1に記載の角速度センサの製造方法。
  3. 前記アーム部の振動方向を、前記圧電膜の形成面と平行な方向に調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の角速度センサの製造方法。
  4. 前記アーム部の振動方向を、前記圧電膜の形成面と垂直な方向に調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の角速度センサの製造方法。
  5. 前記アーム部の振動特性の調整を、前記検出電極からの検出信号に基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載の角速度センサの製造方法。
  6. 前記アーム部の振動特性の調整を、前記アーム部の振動面の変位を光学的に検出しながら行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の角速度センサの製造方法。
  7. 前記アーム部の振動特性の調整を、当該アーム部に対する外形加工によって行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の角速度センサの製造方法。
  8. 基部と、
    前記基部から一体的にほぼ同一方向へ延出された複数本のアーム部と、
    前記アーム部の一表面に形成された圧電膜と、
    前記圧電膜の上にそれぞれ形成された励振用の駆動電極および角速度検出用の検出電極とを備えた角速度センサであって、
    前記複数本のアーム部のうち一つのアーム部は、当該一つのアーム部以外の他のアーム部の振動を機械的に拘束した際に、前記圧電膜の形成面と平行または垂直な方向に振動している
    ことを特徴とする角速度センサ。




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