JP2008094087A - パネル状成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車のサイドドア、バックドア、フード、ルーフ等に使用される樹脂製の積層構造のパネル状成形体であって、枠部内周縁の滲みがなく且つ意匠部の微小な歪みがなく、一層優れた仕上精度のパネル状成形体を提供する。
【解決手段】パネル状成形体は、板状の意匠部(1)の一面側に枠部(2)を射出成形して成る積層構造の成形体であり、枠部(2)の内周部(4)は、意匠部(1)へ密着し且つ当該枠部の中心側に向うに従い肉厚が薄くなる厚さ変化領域を備えている。そして、厚さ変化領域の幅と枠部(2)の厚さの比率、および、厚さ変化領域の幅と枠部(2)の幅の比率が特定の関係を満足する様に設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、パネル状成形体に関し、詳しくは、自動車のサンルーフの窓、クォータ窓、リアウインド等に使用される樹脂製のパネル状成形体であって、板状の意匠部の一面側に枠部を射出成形して成る積層構造のパネル状成形体に関する。
自動車のパネル状の部品については、軽量化が大きな課題であり、鋼板に代えて、繊維強化プラスチックから成る成形体を使用する傾向にあり、サンルーフの窓、クォータ窓、リアウインド、貨物車助手席の視認窓などの窓部分についても、軽量で且つ意匠性に優れたパネル状成形体の利用が種々検討されている。
上記のパネル状成形体としては、例えば、図11に示す様な2層構造の「二色成形品」が提案されている。図11は、自動車用窓として使用される従来のパネル状成形体の窓枠部分の層構成を示す部分的な縦断面図であり、符号(1)で示す部材が樹脂製の窓ガラス、符号(2)で示す部材が窓枠にそれぞれ相当し、符号(3)が窓としての開口を示している。図11に示すパネル状成形体は、透明樹脂から成り且つ窓ガラスを構成する板状の意匠部(1)(透明部)と、ガラス繊維やタルク等の無機充填材が強化材として添加された不透明の強化樹脂から成り且つ窓枠を構成する枠部(2)とを備え、これらの部位を射出成形(二色成形法)で積層一体化したものである(特許文献1及び2)。
二色成形法は、製造効率を高め且つ外観を綺麗に仕上げることを企図したものであるが、上記のパネル状成形体においては、強化材が添加された第1材料を最初に射出して枠部(2)を成形し、次いで第2材料(透明樹脂)を射出して意匠部(1)を成形することにより、意匠部(1)における残留応力を低減し、湾曲やうねり等の変形を防止する様にしている。すなわち、最初に枠部(2)を射出し、その強い収縮現象がある程度進行した後に意匠部(1)を射出ことにより、枠部(2)の収縮の影響が意匠部(1)現れない様にしている。
特開2003−320548号公報 特開2005−103907号公報
昨今、自動車の意匠部分を構成する上記の様なパネル状成形体においては、より高い外観性、すなわち、より高度な仕上精度が要求されている。しかしながら、上記のパネル状成形体は、意匠部(1)における湾曲などの全体的な変形を防止する観点から、枠部(2)を最初に成形しており、その場合、意匠部(1)の透明樹脂を射出した際、斯かる樹脂の流れに接する枠部(2)の界面の不透明樹脂が意匠部成形用キャビティへ溶け出すため、枠部(2)の内周縁の樹脂が開口(3)側へ僅かに滲み出た状態となり、意匠性が損なわれると言う問題がある。
これに対し、意匠部(1)を先に成形した場合には、次に射出した枠部(2)の樹脂に意匠部(1)の界面が僅かに溶け出したとしても、透明樹脂であり且つ枠部(2)の溶着範囲内であるから、上記の様な滲み現象として視認されることはない。その反面、意匠部(1)を先に形成した場合には、枠部(2)の強い収縮が意匠部(1)に影響し、型開後に意匠部(1)において変形が生じ易くなる。
後段の射出で枠部(2)を成形することによる意匠部(1)の湾曲などの大きな変形については、型開までの保持時間や保持圧力、型開時の金型温度の設定、更には材料の選択などにより対処し得る。しかしながら、図11の符号(9)で示す様に、意匠部(1)の表側の枠部(2)内周部に相当する位置には、枠部(2)の収縮に伴い、光の反射具合によって判別できる程度の僅かな窪み状の歪みが発生する。この様な意匠部(1)の微小な歪み(9)も、高い外観性が要求される昨今の自動車などにおいては意匠性を損なう大きな要素となる。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、板状の意匠部の一面側に枠部を射出成形して成る積層構造のパネル状成形体であって、枠部内周縁の滲みがなく且つ意匠部の微小な歪みがなく、一層優れた仕上精度のパネル状成形体を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明では、1段目の射出で意匠部を成形し、2段目の射出で枠部を成形した積層構造を採用することにより、意匠部成形用キャビティに対する枠部の樹脂の溶け出しをなくし、枠部内周縁の樹脂の滲みを防止した。そして、枠部の中心側に向うに従い肉厚が薄くなる厚さ変化領域を枠部の内周部に設け、かつ、枠部の厚さ及び幅に対する厚さ変化領域の幅の各比率を特定の範囲に設定することにより、枠部成形後の当該枠部内周部の収縮力を先に成形した意匠部へ影響しない程度まで低減させる様にした。
すなわち、本発明の要旨は、板状の意匠部の一面側に枠部を射出成形して成る積層構造のパネル状成形体であって、枠部の内周部は、意匠部へ密着し且つ当該枠部の中心側に向うに従い肉厚が薄くなる厚さ変化領域を備え、枠部の厚さをt、幅をL、厚さ変化領域の幅をLとした場合、厚さ変化領域の幅Lと枠部の厚さtの比L/t、および、厚さ変化領域の幅Lと枠部の幅Lの比L/Lが次式(1)の関係を満足することを特徴とするパネル状成形体に存する。
本発明のパネル状成形体は、板状の意匠部の一面側に枠部を射出成形して成る積層構造を採用したため、枠部内周縁の意匠部に対する開口側への滲みがなく、しかも、枠部の内周部が特定の厚さ変化領域を備えているため、枠部の収縮による意匠部の微小な歪みを防止でき、一層優れた仕上精度を得ることが出来る。従って、本発明のパネル状成形体は、自動車用窓などの意匠部分に好適である。
本発明に係るパネル状成形体の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明においては、窓ガラスと窓枠に相当する部位から成る基本構造を備えた図1〜図3に示す第1の態様と、サイドドアやバックドア等の車体の一部を構成する樹脂製の成形パネルに前記の基本構造を適用した図4〜図9に示す第2の態様とが挙げられる。図1〜図3が第1の態様に係るパネル状成形体の外形および主要部の構造を示す図であり、図4〜図9が第2の態様に係るパネル状成形体の外形および主要部の構造を示す図である。また、図10はパネル状成形体表面の仕上り状態の評価方法を示す図である。
先ず、本発明の第1の態様について説明する。本発明のパネル状成形体は、図1に示す様に、板状の意匠部(1)の一面側に枠部(2)を射出成形して成る積層構造の樹脂成形体であり、例えば、自動車、列車などの車輌や船舶の他、建築物の窓として使用される。最も典型的には、自動車のサイドドア、バックドア、スライドドア、フード、ルーフ等の窓として使用される。
意匠部(1)は、例えば自動車用窓として使用される場合、サイドドア、バックドア、スライドドア、フード、ルーフ等に対応する窓全体の形状、すなわち、窓ガラス及び窓枠部分を含む全体形状に応じて形成される。図1では、方形平板状に形成されたものを例示している。上記の用途において、意匠部(1)は、窓ガラスに相当する部分も構成するため、透明性を有する合成樹脂、通常は非強化合成樹脂で構成され、その厚さは3〜15mm程度とされる。
意匠部(1)は、略平坦な板状に形成されていればよく、その表面が必ずしも完全な平面を構成している必要はない。例えば、全体が緩く湾曲した形状、一部に曲面が設けられた形状に形成されてもよい。また、上記の窓用の場合、意匠部(1)は、日射透過率を制限することにより、自動車やその他の車輌に適用した場合の室内の熱線(近赤外線、赤外線)量を低減し、室内の昇温を抑制することが出来る。具体的には、意匠部(1)は、後述する樹脂の構成により、その日射透過率を60%未満とされる。
枠部(2)は、意匠部(1)の一面側から当該意匠部を補強し且つ窓ガラスに相当する意匠部(1)を縁取って意匠性を高めるための平板状の部材である。枠部(2)は、好ましくは複合強化合成樹脂で構成され、その厚さは1〜10mm、好ましくは1〜6mm程度とされる。枠部(2)は、例えば自動車の窓に適用する場合、自動車の室内側となる意匠部(1)の一面側に配置される。意匠部(1)に対する枠部(2)の重なり代の面積は、意匠性を損なうことなく且つ十分に採光するため、意匠部(1)の面積の40%未満に設定される。
上記の枠部(2)は、図1に示す様に、通常、意匠部(1)の一面の外周部全周を囲む様に、意匠部(1)の外周部に倣った平面形状に形成されるが、パネル状成形体の適用対象によっては、意匠部(1)の外周部の一部を囲む形状、例えば平面形状が略四角形の意匠部(1)の3辺部に沿った略コ字の平面形状に形成されてもよい。換言すれば、枠部(2)の開口(3)は、図示する様に中央に設けられてもよいし、偏って設けられてもよい。更に、偏って設けられ且つ一部が切り欠かれていてもよい。なお、枠部(2)の表面には、後述する様な取付片(図4(b)及び図5(b)に符号(6)で示す突起)が突設されていてもよい。
本発明のパネル状成形体は、枠部(2)の内周縁の滲みを防止するため、上記の様に、先に成形された意匠部(1)の一面に枠部(2)を射出成形した積層構造を備えている。しかも、本発明では、枠部(2)を成形した際、特に枠部(2)の内周部(4)(開口(3)の周囲の部分)における収縮力を低減するため、枠部(2)の内周部(4)が特定の形状に形成される。すなわち、図2に示す様に、枠部(2)の内周部(4)は、意匠部(1)へ密着し且つ当該枠部の中心側(開口(3)側)に向うに従い肉厚が連続的または段階的に薄くなる厚さ変化領域を備えている。これにより、意匠部(1)の表側(枠部(2)と反対側の面)に微小な歪みが生じるのを防止することが出来る。
枠部(2)における内周部(4)の形状としては、図2(a)〜(c)に示す様な形状が挙げられる。具体的には、図2(a)に示す枠部(2)の内周部(4)は、枠部(2)の中心側に向うに従い肉厚が連続して薄くなる、すなわち、漸次薄くなる形状を備え、かつ、当該内周部の長さ方向に直交して断面視した場合に平坦な傾斜面に構成されている。
また、図2(b)に示す枠部(2)の内周部(4)は、図2(a)の場合と同様に枠部(2)の中心側に向うに従い肉厚が漸次薄くなる形状を備え、かつ、当該内周部の長さ方向に直交して断面視した場合に意匠部(1)との界面側に没入する湾曲した傾斜面に構成されている。
更に、図2(c)に示す枠部(2)の内周部(4)は、枠部(2)の中心側に向うに従い肉厚が段階的に薄くなる、すなわち、逐次薄くなる形状を備え、かつ、当該内周部の長さ方向に直交して断面視した場合に意匠部(1)との界面側に段階的に近づく階段状の面に構成されている。
枠部(2)の内周部(4)において、上記の様な厚さ変化領域は、通常は内周部(4)の全長に亙って設けられる。しかしながら、内周部(4)の厚さ変化領域は、枠部(2)の内周部の収縮を意匠部(1)に歪みが生じない程度に低減し得る限り、部分的に設けられてもよい。通常、内周部(4)の全長に対する有効な厚さ変化領域の長さの比率は50〜100%である。また、厚さ変化領域は、通常は符号(L)で示す一定の幅で連続して設けられるが、内周部(4)において厚さ変化領域が部分的に設けられる場合、内周部(4)の長さ方向(枠部(2)の長さ方向)に沿って一定のピッチで且つ一定のパターンで幅Lを変化させて設けられてもよい。
具体的には、上記の様な厚さ変化領域は、図3に示す様に、例えば、パネル状成形体を裏側から視た場合、直線状に形成される枠部(2)の内周縁を基準として、一定波長の波状に枠部(2)の幅の中央側へ後退し且つ内周部(4)の長さ方向に沿って連続的に繰り返す様にパターンで設けられる。換言すれば、図3に示す枠部(2)の内周部(4)は、厚さに変化のない厚肉部分(厚さtの部分)の内周端縁が開口(3)側へ波状に連続して突出する構造を有する。
本発明においては、枠部(2)の上記の厚さ変化領域を有効に機能させるため、図2に示す様に、枠部(2)の厚さをt、枠部(2)の幅をL、枠部(2)の厚さ変化領域の幅をLとした場合、厚さ変化領域の幅Lと枠部(2)の厚さtの比L/t、および、厚さ変化領域の幅Lと枠部(2)の幅Lの比L/Lが次式(1)及び(2)の範囲に設定される。なお、本発明において、枠部(2)の幅Lとは、意匠部(1)と重なっている部位の幅を言う。
枠部(2)の内周部(4)の厚さ変化領域の幅Lと枠部(2)の厚さtとの比L/t、および、厚さ変化領域の幅Lと枠部(2)の幅Lとの比L/Lを上記の様に設定する理由は次の通りである。すなわち、枠部(2)の厚さtに対して内周部(4)の厚さ変化領域の幅Lが小さすぎると、厚さ方向の収縮の影響が大きくなりすぎてしまい、パネル状成形体の外観見栄えが低下する。また、枠部(2)の幅Lに対して内周部(4)の厚さ変化領域の幅Lが小さすぎると、収縮の影響を吸収する領域が少ないために、外観見栄えが低下する。
ところで、上記の比L/tと比L/Lはお互いの影響を補完し合う比である。すなわち、変化領域の幅Lが枠部(2)の厚さtに対して十分に大きくない場合であっても、枠部(2)の幅Lに対して十分に大きければ、枠部の収縮の影響は除減され、見栄えを良好にする効果は十分に達成できる。また、変化領域の幅Lが枠部(2)の幅Lに対して十分に大きくない場合であっても、枠部(2)の厚さtに対して十分に大きければ、樹脂の収縮に見合った吸収が可能となるため、枠部の収縮の影響を吸収することが可能となり、見栄えを良好にする効果は十分に達成できる。従って、本発明においては、厚さ変化領域の幅Lと枠部の厚さtの比L/t、および、厚さ変化領域の幅Lと枠部の幅Lの比L/Lが次式(3)の関係を満足していればよい。
また、本発明においては、意匠部(1)の射出時の流動方向の線膨張係数αAMDとこれに直交する方向の線膨張係数αATDの平均値をα、枠部(2)の射出時の流動方向の成形収縮率SBMDとこれに直交する方向の成形収縮率SBTDの平均値をSとした場合、前記の線膨張係数の平均値αと成形収縮率の平均値Sの比α/Sが次式(4)の範囲に設定される。
意匠部(1)の線膨張係数の平均値αと枠部(2)の成形収縮率の平均値Sとの比α/Sを上記の様に設定する理由は次の通りである。すなわち、上記の比α/Sが小さくなりすぎると、意匠部(1)の凸の反り(枠部(2)のない面を凸にするパネル成形体の反り)が大きくなり、逆に、上記の比α/Sが大きすぎると、意匠部(1)の凹の反り(枠部(2)のある面を凸にするパネル成形体の反り)が大きくなり、何れも製品として適さなくなる場合がある。
更に、本発明の好ましい態様においては、意匠部(1)の線膨張係数の平均値α、および、意匠部(1)の上記の各線膨張係数αATDとαAMDの比αATD/αAMDが次式(5)及び(6)の範囲に設定される。
意匠部(1)の線膨張係数の平均値α、および、意匠部(1)の上記の各線膨張係数の比αATD/αAMDを上記の様に設定する理由は次の通りである。すなわち、意匠部(1)の線膨張係数の平均値αが7.5×10−5よりも大きくなると、温度変化による製品の寸法変化が大きくなりすぎてしまい、歪みが発生したり、接合部や取付部の剥離、破断が発生する場合がある。逆に、上記の平均値αが2×10−5より小さくなると、透明性を損なう。また、上記の各線膨張係数の比αATD/αAMDが2.0よりも大きいと、方向による寸法変化の違いが大きくなりすぎてしまい、歪みが発生したり、接合部や取付部の剥離、破断が発生する場合がある。
また、本発明の更に好ましい態様においては、枠部(2)の上記の各成形収縮率の平均値S、および、各成形収縮率の比SBTD/SBMDが次式(7)及び(8)の範囲に設定される。但し、枠部(2)の各成形収縮率の平均値S及び各成形収縮率の比SBTD/SBMDは、枠部(2)を構成する樹脂により射出成形された一辺100mm、厚さ3.2mmの方形平板における値とする。
枠部(2)の各成形収縮率の平均値S及び各成形収縮率の比SBTD/SBMDを上記の範囲に設定する理由は次の通りである。すなわち、枠部(2)の各成形収縮率の平均値Sが7×10−3よりも大きくなると、収縮の影響が大きくなりすぎてしまい、たとえ厚さ変化領域を設けたとしても、意匠部(1)の表面に窪みが発生する場合がある。また、意匠部(1)の凸の反りが大きくなりすぎてしまい、製品として適さなくなる場合がある。逆に、上記の平均値Sが4.5×10−3よりも小さくなると、意匠部(1)の凹の反りが大きくなり、同様に、製品として適さなくなる場合がある。そして、上記の成形収縮率の比SBTD/SBMDが3よりも大きいと、収縮に方向性が生じてしまい、パネル成形体にねじれが生じる場合がある。
なお、本発明のパネル状成形体において、意匠部(1)は、枠部(2)に裏打ちされた部位だけ薄肉に形成されてもよい。換言すれば、枠部(2)は、意匠部(1)の一面の外周側に嵌合する状態に溶着されていてもよい。更に、枠部(2)の内周部(4)の厚さ変化領域には補強用のリブが設けられてもよい。
また、本発明のパネル状成形体においては、意匠部(1)の傷つきや劣化を主に防止するため、保護膜としての硬質被膜(図6〜図9に符号(7)で示す被膜)が設けられてもよい。斯かる硬質被膜は、意匠部(1)の表側の面、すなわち、枠部(2)と反対側の面に配置される。更に、意匠部(1)の表面と上記の硬質被膜との間には透明樹脂層が設けられてもよい。意匠部(1)の表面に透明樹脂層および硬質被膜を順次設けた場合には、意匠部(1)におけるクラック防止効果をより高めることが出来る。硬質被膜、透明樹脂層については後述する。
次に、本発明の第2の態様について説明する。本発明のパネル状成形体は、窓用の開口部が設けられた成形パネルに適用してモジュール化したものであり、モジュール化された成形パネルは、自動車、列車などの車輌、船舶の他、建築部品として使用される。最も典型的には、窓を有する自動車のサイドドア、バックドア、スライドドア、フード、ルーフ又はそれらの類似部品として使用される。
すなわち、本発明のパネル状成形体は、図4に示す様に、窓用の開口部を有する成形パネル(5)と一体化されており、窓ガラスとしての透明樹脂製の意匠部(1)が成形パネル(5)の開口部に嵌合し且つ窓枠としての枠部(2)が成形パネル(5)の一面側(図4(b)に示す内側)に位置する状態で配置される。そして、意匠部(1)の表面を含む成形パネル(5)の他面側(図4(a)に示す状態の表側)に硬質被膜(7)(図6及び図7参照)が配置される。
成形パネル(5)は、樹脂製の部材であり、例えば自動車部品の場合、サイドドア、バックドア、スライドドア、フード、ルーフ等に対応する所定の形状に形成される。通常、成形パネル(5)は不透明樹脂で構成される。成形パネル(5)の厚さは、材料構成および適用部位にもよるが、通常は1〜10mm程度である。成形パネル(5)には窓を構成する開口部が設けられる。斯かる開口部の形状は、適用部位、目的などに応じて種々の形状に設計でき、例えば図示する様に四角形に形成される。
意匠部(1)及び枠部(2)の基本的構造は前述の態様と同様である。また、図4(b)及び図5(b)に示す様に、意匠部(1)と反対側の枠部(2)の表面、すなわち、自動車に適用する場合に室内側となる枠部(2)の表面には、通常、内装部品などの他の部品を取り付けるための取付片(6)が突設される。斯かる取付片(6)は、後述する枠部(2)の内周部(4)に設けられてもよい。
硬質被膜(7)(図6及び図7参照)は、成形パネル(5)及び意匠部(1)の表面の傷つきや劣化を主に防止するための保護膜であり、意匠部(1)の表面を含む成形パネル(5)の他面側、すなわち、上記の枠部(2)と反対側の図4(a)に示す面に配置される。硬質被膜(7)は、成形パネル(5)の色調および意匠部(1)の透明性を損なうことのない様に透明樹脂によって形成される。なお、図4及び図5では硬質被膜(7)の図示を省略している。
上記の硬質被膜(7)は、単層でもよいが、保護機能を高めるため、少なくとも2層以上の多層構造を備えていることが好ましく、当該多層構造においては、最外層の硬度を最大に設定するのが好ましい。多層構造を有する硬質被膜(7)としては、例えば、熱線遮蔽、紫外線吸収、サーモクロミック、フォトクロミック、エレクトロクロミックの各機能性層やプライマー層などのうち、少なくとも一つ以上の機能を備えているのが好ましい。また、図示しないが、成形パネル(5)及び意匠部(1)に対する保護機能を高める観点から、意匠部(1)の表面を含む成形パネル(5)の一面側、すなわち、枠部(2)側の面にも、上記と同様の硬質被膜が配置されているのが好ましい。
更に、図示しないが、上記の硬質被膜(7)と、成形パネル(5)及び意匠部(1)との間に、透明樹脂層が設けられてもよい。この様に透明樹脂層を設けることによって、成形パネル(5)と意匠部(1)の密着性向上を図ることが出来る。更には、成形パネル(5)と意匠部(1)上に硬質被膜(7)を設ける場合、上述した透明樹脂層上に硬質被膜(7)が設けられることにより、成形パネル(5)や意匠部(1)の歪みに起因するクラックの発生を防止でき、成形パネル(5)と意匠部(1)の間隙に対する硬質被膜(7)の原料の侵入も防止することが出来る。
ところで、図6(a)に示す様に、成形パネル(5)の厚さと意匠部(1)の厚さを比較すると、上記の様に、通常は意匠部(1)の厚さの方が厚く設計される。その場合、意匠上の観点から、意匠部(1)は、図6(a)に示す様に、その表側が成形パネル(5)と同一平面となる様に配置されてもよいし、また、図9に示す様に、当該意匠部の表側が成形パネル(5)よりも外側へ厚さの差分だけ突出する様に配置されてもよい。
パネル状成形体の厚さに沿った枠部(2)の断面形状(枠部の縦横の伸長方向に直交する断面形状)は、図6(a)に示す様に、意匠部(1)が成形パネル(5)の表側と同一平面となる様に配置される場合、当該枠部内周部の意匠部(1)側の面に段差部(20)を有する形状とされ、かつ、段差部(20)の後退深さ(段差の大きさ)は、成形パネル(5)と意匠部(1)の厚さの差に相当する深さに設計される。他方、図9に示す様に、意匠部(1)の表側が成形パネル(5)よりも外側へ厚さの差分だけ突出する様に配置される場合、パネル状成形体の厚さに沿った枠部(2)の断面形状は、通常、当該枠部内周部の成形パネル(5)及び意匠部(1)側の面が平坦な形状とされる。
本発明において、上記の枠部(2)は、意匠部(1)の外周部の全周を囲む状態に配置されるが、意匠部(1)は、図4に示す様に、その外周部の全周が成形パネル(5)で囲まれた状態に配置されてもよいし、あるいは、図5に示す様に、意匠部(1)の外周部の一部がパネル(5)で囲まれた状態に配置されてもよい。すなわち、図4に示すモジュール化されたパネル状成形体は、成形パネル(5)の略中央部に形成された閉じた状態の開口部に意匠部(1)が配置されたものであり、図5に示すモジュール化されたパネル状成形体は、成形パネル(5)の縁寄りに形成された一部切り欠かれた開いた状態の開口部に意匠部(1)が配置されたものである。そして、何れの場合も、意匠部(1)は、これを囲む成形パネル(5)の開口部に固着されて成形パネル(5)と一体化されている。
本発明においては、意匠部(1)と成形パネル(5)と連結強度を高めるため、枠部(2)は、意匠部(1)の外周部と成形パネル(5)の開口部の内周部とに跨って配置され且つ成形パネルと(5)一体化されている。本発明においては、上記の構成により、部材の軽量化を実現し且つ使用に十分耐え得る強度を確保することが出来る。
更に、本発明の好ましい態様においては、成形パネル(5)及び意匠部(1)と枠部(2)との結合強度を一層高めるため、図6(b)及び(c)に示す様に、厚さに沿って断面視した場合、意匠部の外周部と成形パネルの開口部の内周部との接合部が枠部との嵌合構造を備えている。上記の嵌合構造について、前述の成形パネル(5)と意匠部(1)の厚さの関係から、意匠部(1)が成形パネル(5)の表側と同一平面となる様に配置される場合を例に挙げて更に具体的に説明すると、次の2つの形態が挙げられる。
すなわち、上記の嵌合構造の第1の形態は、図6(b)に示す様に、意匠部(1)の外周部と成形パネル(5)の開口部の内周部との接合部が枠部(2)側に突起部(11)を構成し且つ枠部(2)に設けられた溝部(21)に前記の突起部(11)が嵌合する構造である。図6(b)に示す構造においては、枠部(2)の溝部(21)により、成形パネル(5)と意匠部(1)が互いに面方向にずれるのを規制し且つ成形パネル(5)及び意匠部(1)に対する枠部(2)の固着面積を大きく出来るため、成形パネル(5)と意匠部(1)の結合強度を高めることが出来る。
上記の嵌合構造の第2の形態は、図6(c)に示す様に、意匠部(1)の外周部と成形パネル(5)の開口部の内周部との接合部が枠部(2)側に溝部(12)を構成し且つ枠部(2)に設けられた突起部(22)が前記の溝部(12)に嵌合する構造である。図6(c)に示す構造においては、枠部(2)の突起部(22)により、成形パネル(5)及び意匠部(1)に対する枠部(2)の固着面積を大きく出来るため、成形パネル(5)と意匠部(1)の結合強度を高めることが出来る。
また、本発明の好ましい他の態様において、モジュール化されたパネル状成形体は、図7(a)に示す様に、厚さに沿って断面視した場合、成形パネルの開口部の内周部が枠部との嵌合構造を備えている。具体的には、斯かる嵌合構造は、成形パネル(5)の開口部の内周部が枠部(2)側に突出して意匠部(1)の外周部に被さる屈曲した突起部(53)を有し且つ枠部(2)に設けられた溝部(23)に前記の突起部(53)が嵌合する構造である。図7(a)に示す構造においては、枠部(2)の溝部(23)により、成形パネル(5)の突起部(53)を拘束し、成形パネル(5)の開口部が拡がる方向に変形するのを規制できるため、成形パネル(5)と意匠部(1)の高い結合強度を維持することが出来る。
また、本発明の好ましい更に他の態様においては、図7(b)に示す様に、厚さに沿って断面視した場合、意匠部(1)の外周部が枠部(2)との嵌合構造を備えている。具体的には、斯かる嵌合構造は、意匠部(1)の外周部の枠部(2)側が当該意匠部の面方向に沿って外側へ突出して成形パネル(5)の開口部の内周部に被さる突出部(14)を有し且つ枠部(2)の内周側に設けられた肉薄の段差部(24)に対して前記の突出部(14)を含む意匠部(1)の外周部が嵌合する構造である。図7(b)に示す構造においては、意匠部(1)の突出部(14)により、成形パネル(5)の開口部の内周部に対する固着面積を大きく出来、しかも、意匠部(1)の突出部(14)により、枠部(2)に対する意匠部(1)の固着面積を大きく出来るため、成形パネル(5)と意匠部(1)の結合強度を高めることが出来る。
なお、図5に示すモジュール化されたパネル状成形体、すなわち、成形パネル(5)の一部が開いた状態の開口部に意匠部(1)が配置されたパネル状成形体において、前記の開口部の開いた状態の部位では、図8に示す様に、意匠部(1)だけが枠部(2)に固着されている。その場合、意匠部(1)と枠部(2)の結合構造は、図8に示す様に、平面同士を固着させてこれらを一体化したものでもよいし、あるいは、上記の様な各種の嵌合構造を利用して一体化したものでもよい。
また、前述の図9に示す様な態様、すなわち、意匠部の表側が成形パネル(5)よりも外側へ厚さの差分だけ突出する様に配置される態様においても、成形パネル(5)、意匠部(1)及び枠部(2)の上記の様な各種の嵌合構造を採用することが出来、斯かる嵌合構造により、成形パネル(5)、意匠部(1)及び枠部(2)をより一層強固に一体化することが出来る。
本発明においては、前述の各条件を満足する様に構成材料が選択される。以下、本発明のパネル状成形体およびモジュール化されたパネル状成形体を構成する材料について説明する。
先ず、意匠部(1)の構成材料について説明する。意匠部(1)の構成材料は、透明樹脂であれば、従来公知の任意のものから適宜選択することが出来る。ここで、透明とは、JIS K7105に準拠して測定された表面の平滑な厚み3mmの板状成形品における全光線透過率として、通常10%以上、好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上であることを意味する。染料または顔料を含有する透明な樹脂においては、斯かる染料または顔料の使用割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、通常0.001〜2重量部、好ましくは0.005〜120重量部、更に好ましくは0.005〜0.5重量部である。
上記の様な透明樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、水添ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、SMA樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂、ポリメタクリルメタクリレート樹脂、ポリフェニルエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、非晶性ポリアミド樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、環状ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルフォン、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーが挙られる。これらの中では、耐衝撃性や耐熱性の面から、ポリカーボネート樹脂(PC)、中でも、芳香族ポリカーボネート樹脂を主構成樹脂とするものが好ましい。なお、主構成樹脂とするとは、芳香族ポリカーボネート樹脂の割合が通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上であることを意味する。
PCを主構成樹脂とする場合に併用する樹脂は、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリメタクリルメタクリレート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、その形態は、透明性を維持する形態であればアロイでも共重合体でもよい。
本発明で使用するPCは、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを、または、これらに併せて少量のポリヒドロキシ化合物などを反応させて得られる、直鎖または分岐の熱可塑性の重合体または共重合体である。PCは公知の方法によって製造することが出来、製造方法としては、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマ−の固相エステル交換法などが挙げられる。
原料として使用される芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−トリクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリ−ル)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリ−ル)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等のジヒドロキシジアリ−ルエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリ−ルスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリ−ルスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリ−ルスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
上記の中では、好ましくはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類であり、耐衝撃性の点から特に好ましくは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA)である。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、2種類以上を併用してもよい。
芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させるカーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメ−ト等が使用され、具体的には、ホスゲン;ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリ−ルカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;二価フェノールのジハロホルメ−ト等が挙げられる。これらのカーボネート前駆体は2種類以上を併用してもよい。
また、本発明において、PCは、三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよい。三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)べンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物類の他、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリ−ル)オキシインド−ル(別名:イサチンビスフェノール)、5−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブロムイサチン等が挙げられ、これらの中では、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。多官能性芳香族化合物は、前記の芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を置換して使用され、その使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対し、通常0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜2モル%である。
本発明に使用するPCの分子量は、任意であるが、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]として、通常10,000〜50,000である。粘度平均分子量を10,000以上とすることにより、機械的強度が向上して機械的強度の要求の高い用途に好適なものとなる。一方、粘度平均分子量を50,000以下とすることにより、流動性が低下して成形加工が容易なものとなる。なお、粘度平均分子量は、好ましくは12,000〜40,000であり、更に好ましくは14,000〜30,000である。また、粘度平均分子量の異なる2種類以上のPCを混合してもよい。
ここで、粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計で温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式(η=1.23×10−40.83)から算出される値を意味する。極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、以下の式により算出した値である。
本発明で使用するPCの末端水酸基濃度は、通常1,000ppm以下、好ましくは800ppm以下、更に好ましくは600ppm以下である。また、その下限は、特にエステル交換法で製造するPCでは、通常10ppm、好ましくは30ppm、更に好ましくは40ppmである。
末端水酸基濃度を10ppm以上とすることにより、分子量の低下が抑制でき、樹脂組成物の機械的特性がより向上する傾向にある。また、末端基水酸基濃度を1,000ppm以下にすることにより、樹脂組成物の滞留熱安定性や色調がより向上する傾向にある。なお、末端水酸基濃度の単位は、PC重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものであり、測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)である。
また、成形品外観の向上や流動性の向上を図るため、本発明で使用するPCは、芳香族ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。この芳香族ポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1,500〜9,500、好ましくは2,000〜9,000である。芳香族ポリカーボネートオリゴマーの使用量は、PCに対し、通常30重量%以下である。
更に、本発明で使用するPCは、バージンPCだけでなく、使用済みの製品から再生されたPC、所謂マテリアルリサイクルされたPCを含有してもよい。使用済みの製品としては、光学ディスク等の光記録媒体、導光板、自動車窓ガラス・自動車ヘッドランプレンズ・風防などの車両透明部材、水ボトル等の容器、メガネレンズ、防音壁・ガラス窓・波板等の建築部材などが挙げられる。また、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。再生されたPCの使用割合は、バージンPCに対し、通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
前記の意匠部(1)の構成材料には、前述の染料または顔料以外に、従来公知の任意の助剤を添加することが出来、その例としては、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、耐候性改良剤、アルカリ石鹸、金属石鹸、可塑剤、流動性改良剤、造核剤、難燃剤、ドリッピング防止剤などが挙げられる。これらの助剤の使用量は公知の範囲から適宜選択される。
次に、枠部(2)の構成材料、および、第2の態様において使用される成形パネル(5)の構成材料について説明する。枠部(2)及び成形パネル(5)の構成材料としては、特に制限されず、各種公知の任意の熱可塑性樹脂が使用できる。具体的には、例えば、ポリカーボネート樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂などが挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。これらの中では、熱安定性、剛性、意匠部(1)との密着性の点から、PCや熱可塑性ポリエステル樹脂が好ましく、中でも、PCを主材としたもの、特に熱可塑性ポリエステル樹脂との併用が好ましい。
枠部(2)及び成形パネル(5)の構成材料として、PCと熱可塑性ポリエステル樹脂とから成るポリマーアロイを使用する場合、両成分の合計量に対するPCの割合は通常10〜90重量%である。
上記の熱可塑性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸類またはその反応性誘導体から成るジカルボン酸成分と、ジオール類またはそのエステル誘導体から成るジオール成分とを縮合反応して得られる重合体または共重合体を示す。
上記の熱可塑性ポリエステル樹脂の製造は、一般的には、チタン、ゲルマニウム、アンチモン等を含有する重縮合触媒の存在下、ジカルボン酸成分とジオール成分とを反応させ、副生する水または低級アルコールを系外に排出することにより行われる。なお、縮合反応は、バッチ式または連続式の何れの形式でもよく、固相重合により重合度を上げてもよい。
ジカルボン酸類としては、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の何れでもよいが、耐熱性、寸法安定性などの点から、芳香族ジカルボン酸が好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、4,4’−p−タ−フェニレンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸などが挙げられる。また、5−メチルイソフタル酸などのアルキル基置換体;テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル等のアルキルエステル誘導体などの反応性誘導体も使用することが出来る。
上記の中では、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸およびそれらのアルキルエステル誘導体が好ましく、テレフタル酸およびそのアルキルエステル誘導体が更に好ましい。これらの芳香族ジカルボン酸は2種以上を併用してもよく、また、芳香族ジカルボン酸と共に、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸を併用することも可能である。
また、ジオール類としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール類;1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、トランス−またはシス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環族ジオール類;p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)等の芳香族ジオール類が挙げられる。また、これらの置換体も使用することが出来る。
上記の中では、熱安定性、耐衝撃性、剛性等の点から、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールが更に好ましく、エチレングリコールが特に好ましい。これらは2種以上を併用してもよい。また、ジオール成分として、分子量400〜6,000の長鎖ジオール類、すなわち、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の1種以上を上記のジオール類と併用して共重合させてもよい。
また、本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹脂は、少量の分岐剤を導入することにより分岐させることも出来る。分岐剤としては、トリメシン酸、トリメリチン酸、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリト−ル等が挙げられる。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹脂の好適な具体例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリプロピレンテレフタレート樹脂(PPT)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリへキシレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)、ポリブチレンナフタレート樹脂(PBN)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)樹脂(PCT)、ポリシクロヘキシルシクロヘキシレート(PCC)等が挙げられる。これらの中では、流動性と耐衝撃性の点から、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリプロピレンテレフタレート樹脂(PPT)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)が好ましい。
上記のポリエチレンテレフタレート樹脂は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を主成分とし、且つ、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分とし、これらの縮合反応によって得られる飽和ポリエステル重合体または共重合体である。繰り返し単位としてのエチレンテレフタレート単位の割合は、通常70モル%以上、好ましくは80モル%以上である。また、ポリエチレンテレフタレート樹脂中には、重合時の副反応生成物であるジエチレングリコールが共重合成分として含まれることがあるが、このジエチレングリコールの量は、重合反応に使用するジオール成分の全量に対し、通常0.5〜6モル%、好ましくは0.5〜5モル%である。
他の熱可塑性ポリエステル樹脂の具体例としては、例えば、ラクトンの開環重合によるポリピバロラクトン樹脂、ポリ(ε−カプロラクトン)樹脂、溶融状態で液晶を形成する液晶ポリマ−(Thermotropic Liquid Crystal Polymer;TLCP)等が挙げられる。具体的には、市販の液晶ポリエステル樹脂としては、イ−ストマンコダック社製「X7G」、ダ−トコ社製「Xyday(ザイダ−)」、住友化学社製「エコノール」、セラニ−ズ社製「ベクトラ」等が挙げられる。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹脂の固有粘度は、通常0.4〜1.5dl/g、好ましくは0.5〜1.3dl/gである。ここで、固有粘度は、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の溶媒中30℃で測定した値を意味する。固有粘度が0.4未満の場合は耐衝撃性が低下し易く、1.5を超える場合は流動性が低下し易い。また、熱可塑性ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量は、通常5〜50μeq/g、好ましくは10〜30μeq/gである。末端カルボキシル基量が5μeq/g未満の場合は耐衝撃性が低下し易く、50μeq/gを超える場合は、耐湿熱性、熱安定性が不十分となり易い。
更に、本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹脂としては、バ−ジン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された熱可塑性ポリエステル樹脂、所謂マテリアルリサイクルされた熱可塑性ポリエステル樹脂の使用も可能である。使用済みの製品としては、容器、フィルム、シ−ト、繊維などが主として挙げられ、好ましくはPETボトル等の容器である。また、再生熱可塑性ポリエステル樹脂としては、製品の不適合品、スプル−、ランナ−等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。
また、枠部(2)及び成形パネル(5)の構成材料には、剛性、寸法安定性、耐熱性を向上させる目的で無機フィラーを配合することが好ましい。斯かる無機フィラーとしては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、酸化鉄、アルミナ、チタン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、珪酸マグネシウム(タルク)、珪酸アルミニウム(マイカ)、珪酸カルシウム(ウォラストナイト)、クレー、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラス繊維、けい砂、けい石、石英粉、しらす、けいそう土、ホワイトカーボン、鉄粉、アルミニウム粉などが挙げられる。これらの中では、珪酸マグネシウム(タルク)、珪酸アルミニウム(マイカ)、珪酸カルシウム(ウォラストナイト)が好ましい。無機フィラーは2種類以上を併用することも出来る。
上記の無機フィラーの形状は、球状、立方形状、粒状、針状、板状、繊維状などの何れの形状であってもよいが、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物の寸法安定性を向上させ、剛性を高く、外観を良好にすると言う観点から、板状または針状が好ましく、レーザー回折粒度(D50)が10μm以下のフィラーが好ましい。
無機フィラーの使用量は、枠部(2)又は成形パネル(5)の構成材料100重量部に対し、通常2〜50重量部、好ましくは5〜40重量部である。無機フィラーの配合量が2重量部未満の場合は、剛性、寸法安定性、耐熱性の改良効果が小さく、50重量部を超える場合は耐衝撃性が低下する。
上記の無機フィラーは、無処理のままであってもよいが、樹脂成分との親和性または界面結合力を高める目的で、無機表面処理剤、高級脂肪酸またはそのエステル、塩などの誘導体、カップリング剤などで処理するのが好ましい。表面処理の際は、非イオン、陽イオン、陰イオン型などの各種の界面活性剤、各種の樹脂などの分散剤による処理を併せて行うならば、機械的強度および混練性が向上して好ましい。
更に、枠部(2)及び成形パネル(5)の構成材料には、帯電防止性や静電塗装が可能な導電性を付与する目的で導電性カーボンブラック及び/又は中空ナノカーボン繊維を配合することが出来る。導電性カーボンブラックとしては、アセチレンガスを熱分解して得られるアセチレンブラック、原油を原料としファーネス式不完全燃焼によって製造されるケッチェンブラック等が挙げられる。中空ナノカーボン繊維は、規則的に配列した炭素原子の本質的に連続的な多数層から成る外側領域と、内部中空領域とを有し、各層と中空領域とが実質的に同心に配置されている本質的に円柱状のフィブリルである。更に、上記の外側領域の規則的に配列した炭素原子が黒鉛状である。上記の中空領域の直径は通常2〜20nmである。この様な中空ナノカーボン繊維は、ハイペリオン・カタルシス社により、「グラファイト・フィブリル」と言う商品名で販売しており、容易に入手できる。
前述の様に、意匠部(1)は非強化合成樹脂で構成されるのに対し、枠部(2)及び成形パネル(5)は複合強化合成樹脂で構成されるのが好ましい。すなわち、本発明においては、上記の様な枠部(2)及び成形パネル(5)の構成材料には強化用繊維を配合するのが好ましい。強化用繊維としては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、生分解繊維、タルク、マイカ、ウォラストナイトの群から選ばれる1種以上のものを使用できる。これらの中では価格の点からガラス繊維が好ましい。特に、断面の長径/短径により算出された扁平率が2以上である扁平断面を有するガラス繊維が好ましい。
強化用繊維は、無処理のままであってもよいが、樹脂成分との親和性または界面結合力を高める目的で、前述の無機フィラーと同様、公知の無機表面処理剤、高級脂肪酸またはそのエステル、塩などの誘導体、カップリング剤などで処理するのが好ましい。表面処理する際には、非イオン、陽イオン、陰イオン型などの各種の界面活性剤、各種の樹脂などの分散剤による処理を併せて行うのが、機械的強度および混練性の向上の観点から好ましい。
強化用繊維の形態は、ロービング、ヤーン、フィラメント、チョップストランド等の繊維であれば何れも使用できる。また、目的によっては、ロービングクロス等の如き織物状のものも使用できる。本発明において上記の如き繊維は、2種以上を組み合わせて使用することも可能である。また、枠部(2)及び成形パネル(5)の中に分散する強化用繊維の重量平均繊維長は、強度および分散性観点から、通常1.5〜10mm、好ましくは1.8〜5mmである。
本発明のパネル状成形体は、通常、後述する様な二色成形法により製造されるが、意匠部(1)と枠部(2)とは、成形時に互いに強固に溶着される必要がある。従って、意匠部(1)及び枠部(2)の上記の様な各組成については、1種以上の成分が共通する様に選択される。すなわち、本発明においては、意匠部(1)及び枠部(2)を構成する各組成中の10重量%以上を占める成分の1種以上が同一であることが好ましい。
硬質被膜は、前述の通り、意匠部(1)の表面の傷つきや劣化を主に防止するための保護膜である。従って、硬質被膜の構成材料は透明樹脂でなければならず、斯かる透明樹脂としては、ハードコート剤として知られている公知の材料を適宜使用することが出来、例えば、シリコーン系、アクリル系、シラザン系などの種々のハードコート剤を使用することが出来る。これらの中では、接着性や耐候性を向上させるために、ハードコート剤を塗布する前にプライマー層を設ける2コートタイプのハードコートが好ましい。
なお、上記の硬質被膜の最外層に備えられる前述の各種機能(熱線遮蔽、紫外線吸収、サーモクロミック、フォトクロミック、エレクトロクロミックの各機能)のために使用する材料としては、従来公知の各機能材料を適宜に選択して使用することが出来る。また、透明樹脂層の樹脂としては、本発明の効果を損なうことがなく、成形パネル(5)や意匠部(1)との密着性が十分な透明樹脂である限り、特に制限はなく、適宜選択することが出来る。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
次に、本発明のパネル状成形体の製造方法について説明する。本発明のパネル状成形体は、通常、二色成形法(ダブルモールド)によって製造される。周知の通り、二色成形は、2組の射出装置が備えられた射出成形機を使用し、二色または二種類の樹脂から成る一体の製品を射出成形する成形法である。
具体的には、成形機の装置構成によっても異なるが、例えば、一次成形用金型に第1シリンダから意匠部構成材料としての第1材を射出し、一次成形品として意匠部(1)を成形した後、一旦、型開きを行い、次いで、コア側に意匠部(1)を付着させた状態で金型回転盤を180°回転させ、一次成形用金型と反対側に位置する二次成形用金型を型閉し、第2シリンダから枠部構成材料としての第2材を射出し、二次成形品として枠部(2)を成形した後、再び型開きを行い、意匠部(1)と枠部(2)とが一体化されたパネル状成形体を取り出す。なお、上記の様な成形においては、金型回転盤の垂直軸の周りに二組の金型を背中合わせに取付けることにより、半回転毎に1ショットの成形体が得られる。
また、透明樹脂層を設けるためには、具体的には、例えば、本発明のパネル状成形体を射出成形にて製造する際、金型内に透明樹脂シートを予め設置して射出成形する方法が挙げられる。透明樹脂層の樹脂としては、本発明の効果を損なうことがなく、意匠部(1)や枠部(2)との密着性が十分な透明樹脂である限り、特に制限はなく、適宜選択することが出来る。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。なお、本発明のパネル状成形体の製造方法としては、製造過程において予め形成されたシート等の成形体を金型内に装着して成形するインサート成形法を採用することも出来る。
更に、第2の態様のモジュール化されたパネル状成形体は、意匠部(1)及び枠部(2)が一体化された前述のパネル状成形体と成形パネル(5)とを個別に成形した後に接合して一体化する方法によって容易に製造することが出来る。接合手段としては、接着剤を使用する方法の他、振動溶着、レーザー溶着、熱板溶着、射出溶着などが挙げられる。また、上記の他、多色成形法を利用して製造することも出来る。更には、製造過程においてシート等の予め形成された成形体を金型内に装着するインサート成形法を採用することも出来る。
硬質被膜のコーティング方法としては、スプレーコート、ディップコート、フローコート、スピンコート、バーコート等が挙げられる。また、フイルムインサートによる方法、転写フィルムに好適な薬剤を塗布して転写する方法なども採用し得る。また、成形パネル(5)及び意匠部(1)と硬質被膜(7)との間に透明樹脂層を設けるには、例えば、本発明のパネル状成形体を射出成形にて製造する際、金型内に透明樹脂シートを予め設置して射出成形する方法が挙げられる。
上記の様に、本発明のパネル状成形体は、板状の意匠部(1)の一面側に枠部(2)を射出成形して構成されている。すなわち、本発明においては、二色成形法などにより1段目の射出で意匠部(1)を成形し、2段目の射出で枠部(2)を成形した積層構造を採用しており、意匠部成形用キャビティに対する枠部(2)の樹脂の溶け出しがないため、枠部(2)内周縁の樹脂の開口(3)側への滲みを防止することが出来る。換言すれば、意匠部(1)を先に成形するため、枠部(2)を成形する際に仮に意匠部(1)の界面の樹脂が溶け出したとしても、枠部成形用キャビティへ溶け出す。従って、枠部(2)の内周縁の樹脂が開口(3)側へ滲むと言う現象が発生することはない。しかも、意匠部(1)が透明樹脂の場合は、意匠部(1)の樹脂が枠部(2)側へ溶け出しても意匠部(1)の表側から識別することが出来ない。
しかも、本発明においては、枠部(2)の内周部に対して、枠部(2)の中心側に向うに従い肉厚が薄くなる厚さ変化領域を設け、かつ、厚さ変化領域の幅Lと枠部(2)の厚さtの比率および厚さ変化領域の幅Lと枠部(2)の幅Lの比率が特定の関係を満足する様に設定しているため、枠部(2)成形後の当該枠部内周部の収縮力を先に成形した意匠部(1)へ影響しない程度まで低減させることが出来る。これにより、本発明では、意匠部(1)の表側の枠部(2)内周部に相当する位置において窪み状の微小な歪みの発生を防止することが出来る。例えば自動車用窓として一層高い外観性、すなわち、一層優れた仕上精度を得ることが出来る。
因に、本発明において、意匠部(1)の表面の微小な歪みの有無は、以下の評価方法によって容易に判別することが出来る。すなわち、歪みの評価方法においては、図10に示す様に、例えば20mmのピッチで構成された格子(8)を準備し、試料(パネル状成形体)の意匠部(1)の表面に対して、投影角度(仰角)(θ)が45度となる様に前記の格子(8)を配置し、格子(8)を通過した光と共に当該格子の陰影を意匠部(1)の表面に写す。そして、意匠部(1)の表面の投影点の仮想垂線に対して格子(8)と対称な位置から格子(8)の陰影を観察する。これにより、意匠部(1)の表面が平坦な場合は、格子(8)の陰影に歪みが見られず、また、意匠部(1)の表面に微小な歪みがある場合は、格子(8)の陰影にも歪みが見られる。
なお、本発明のパネル状成形体は、意匠部(1)が透明樹脂で構成されている場合に限らず、意匠部(1)と枠部(2)が異なる色、あるいは、同色に着色されたものであっても、上記の様に樹脂の滲み出しがなく、かつ、意匠部(1)の表面に歪みがないため、より優れた高い外観性を得ることが出来る。
更に、本発明の第2の態様に係るモジュール化されたパネル状成形体においては、成形パネル(5)、意匠部(1)、枠部(2)及び硬質被膜(7)が一体化され、しかも、意匠部(1)の外周部と成形パネル(5)の開口部の内周部とに跨って配置された枠部(2)が成形パネル(5)に対する意匠部(1)の結合を補完し、成形パネル(5)に対する意匠部(1)の結合強度が一層高められているため、1つの完成された部品として直ちに使用することが出来る。換言すれば、本発明のパネル状成形体は、軽量で且つより一層モジュール化されているため、例えば、自動車のボディの組立工程などで直ちに使用でき、より生産性を向上することが出来る。
二色成形法により意匠部(1)と枠部(2)とを積層して成る図1の形状のパネル状成形体を試料として作製した。意匠部(1)の長さは150mm、幅は70mm、厚さtは2mmであり、枠部(2)の厚さtは3mm、枠部(2)の幅Lは18.5〜20mmであった。すなわち、枠部(2)の開口(3)の長さは93〜110mm、幅は30〜33mmであった。
意匠部(1)の材料としては、PC(三菱エンジニアプラスチックス社製;商品名「ユーピロン S2000UR」)を使用した。その粘度平均分子量(Mv)は24,500、線膨張係数の平均値αは7×10−5[/℃]、線膨張係数の比αATD/αAMDは1.0であった。また、枠部(2)の材料としては、上記と同様のPC70重量%、PET30重量%、強化材料のガラス線維7.5重量%の組成の樹脂を使用した。その成形収縮率の平均値Sは4.7×10−3、各成形収縮率の比SBTD/SBMDは1.7であった。そして、上記の線膨張係数の平均値αと成形収縮率の平均値Sの比α/Sは1.49×10−2であった。
更に、成形する際、枠部(2)の内周部(4)を図2(a)〜(c)、図3及び図11の構造に設計し、また、枠部(2)の厚さt及び幅Lに対する厚さ変化領域の幅Lの各比率を変更し、そして、各態様について、枠部(2)の内周端縁の滲みの有無、および、意匠部(1)の表側の枠部内周部(4)に相当する部位の歪みの有無について確認しした。歪みの評価方法は、前述の図10に示す評価方法を利用した。その結果、以下の表に示す様な結果が得られた。なお、表中の実施例2における内周部(4)の構造は、図2(c)の階段状の断面形状であるが、段数を2段とした。
自動車用窓として使用されるパネル状成形体の一例の外観を表側および裏側から示した斜視図である。 本発明に係るパネル状成形体の層構成および枠部内周部の構造を示す部分的な縦断面図である。 枠部内周部の厚さ変化領域の他のパターンを示すパネル状成形体の部分的な背面図および縦断面図である。 窓用の開口部を有する成形パネルと一体化されたパネル状成形体の一例の外観を正面側および背面側から示した斜視図である。 窓用の開口部を有する成形パネルと一体化されたパネル状成形体の他の例の外観を正面側および背面側から示した斜視図である。 図4及び図5のパネル状成形体における成形パネル、意匠部及び枠部の結合構造の例を図4及び図5のD−D線に沿って部分的に破断して示した断面図である。 図4及び図5のパネル状成形体における成形パネル、意匠部及び枠部の結合構造の例を図4及び図5のD−D線に沿って部分的に破断して示した断面図である。 図5のパネル状成形体の他の例における意匠部と枠部の結合構造の例を図5のE−E線に沿って部分的に破断して示した断面図である。 パネル状成形体における成形パネル、意匠部及び枠部の結合構造の他の例を示した断面図である。 パネル状成形体表面の仕上り状態を評価するための評価方法を模式的に示した断面図である。 従来の自動車用窓としてのパネル状成形体の窓枠部分の層構成を示す部分的な縦断面図である。
符号の説明
1 :意匠部
11:突起部
12:溝部
14:突出部
2 :枠部
20:段差部
21:溝部
22:突起部
23:溝部
24:段差部
3 :開口
4 :内周部
5 :成形パネル
53:屈曲した突起部
6 :取付片
7 :硬質被膜
8 :格子
:意匠部の厚さ
:枠部の厚さ
:枠部の幅
:枠部の厚さ変化領域の幅

Claims (28)

  1. 板状の意匠部の一面側に枠部を射出成形して成る積層構造のパネル状成形体であって、枠部の内周部は、意匠部へ密着し且つ当該枠部の中心側に向うに従い肉厚が薄くなる厚さ変化領域を備え、枠部の厚さをt、幅をL、厚さ変化領域の幅をLとした場合、厚さ変化領域の幅Lと枠部の厚さtの比L/t、および、厚さ変化領域の幅Lと枠部の幅Lの比L/Lが次式(1)の関係を満足することを特徴とするパネル状成形体。
  2. 意匠部の射出時の流動方向の線膨張係数αAMDとこれに直交する方向の線膨張係数αATDの平均値をα、枠部の射出時の流動方向の成形収縮率SBMDとこれに直交する方向の成形収縮率SBTDの平均値をSとした場合、線膨張係数の平均値αと成形収縮率の平均値Sの比α/Sが次式(2)の範囲である請求項1に記載のパネル状成形体。
  3. 意匠部の線膨張係数の平均値α、および、各線膨張係数αATDとαAMDの比αATD/αAMDが次式(3)及び(4)の範囲である請求項2に記載のパネル状成形体。
  4. 枠部の各成形収縮率の平均値S、および、各成形収縮率の比SBMD/SBTDが次式(5)及び(6)の範囲である請求項2又は3に記載のパネル状成形体。
    (但し、各成形収縮率の平均値S及び各成形収縮率の比SBTD/SBMDは、枠部を構成する樹脂により射出成形された一辺100mm、厚さ3.2mmの方形平板における値とする。)
  5. 意匠部および枠部を構成する各組成中の10重量%以上を占める成分の1種以上が同一である請求項1〜4の何れかに記載のパネル状成形体。
  6. 意匠部が非強化合成樹脂で構成され、枠部が複合強化合成樹脂で構成されている請求項1〜5の何れかに記載のパネル状成形体。
  7. 意匠部が透明性を有する合成樹脂で構成されている請求項6に記載のパネル状成形体。
  8. 枠部を構成する複合強化合成樹脂の強化材が、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、生分解繊維、タルク、マイカ、ウォラストナイトの群から選ばれる1種以上である請求項6又は7に記載のパネル状成形体。
  9. 強化材が、断面の長径/短径により算出された扁平率が2以上である扁平断面を有するガラス繊維である請求項8に記載のパネル状成形体。
  10. 強化材としての繊維の成形品中に分散する重量平均繊維長が1.5〜10mmである請求項8〜10の何れかに記載のパネル状成形体。
  11. 自動車のサイドドア、バックドア、スライドドア、フード、ルーフ又はそれらの類似部品の窓として使用される請求項1〜10の何れかに記載のパネル状成形体。
  12. 窓用の開口部を有する成形パネルと一体化された請求項1〜10の何れかに記載のパネル状成形体であって、意匠部が前記成形パネルの開口部に嵌合し且つ枠部が前記成形パネルの一面側に位置する状態で配置され、前記意匠部の表面を含む前記成形パネルの他面側に硬質被膜が配置され、前記枠部は、前記意匠部の外周部と前記成形パネルの開口部の内周部とに跨って配置され且つ前記成形パネルと一体化されているパネル状成形体。
  13. 成形パネルが不透明樹脂で構成されている請求項12に記載のパネル状成形体。
  14. 意匠部に対する枠部の重なり代の面積が前記意匠部の面積の40%未満である請求項12又は13に記載のパネル状成形体。
  15. 厚さに沿って断面視した場合、意匠部の外周部と成形パネルの開口部の内周部との接合部が枠部との嵌合構造を備えている請求項12〜14の何れかに記載のパネル状成形体。
  16. 嵌合構造は、意匠部の外周部と成形パネルの開口部の内周部との接合部が枠部側に突起部を構成し且つ枠部に設けられた溝部に前記突起部が嵌合する構造である請求項15に記載のパネル状成形体。
  17. 嵌合構造は、意匠部の外周部と成形パネルの開口部の内周部との接合部が枠部側に溝部を構成し且つ枠部に設けられた突起部が前記溝部に嵌合する構造である請求項15に記載のパネル状成形体。
  18. 厚さに沿って断面視した場合、成形パネルの開口部の内周部が枠部との嵌合構造を備えている請求項12〜14の何れかに記載のパネル状成形体。
  19. 嵌合構造は、成形パネルの開口部の内周部が枠部側に突出して意匠部の外周部に被さる屈曲した突起部を有し且つ枠部に設けられた溝部に前記突起部が嵌合する構造である請求項18に記載のパネル状成形体。
  20. 厚さに沿って断面視した場合、意匠部の外周部が枠部との嵌合構造を備えている請求項12〜14の何れかに記載のパネル状成形体。
  21. 嵌合構造は、意匠部の外周部の枠部側が当該意匠部の面方向に沿って外側へ突出して成形パネルの開口部の内周部に被さる突出部を有し且つ枠部の内周側に設けられた肉薄の段差部に対して前記突出部を含む意匠部の外周部が嵌合する構造である請求項20に記載のパネル状成形体。
  22. 枠部の成形パネル及び意匠部と反対側の表面には、他部品を取り付けるための取付片が突設されている請求項12〜21の何れかに記載のパネル状成形体。
  23. 硬質被膜が少なくとも2層以上の多層構造を備え、当該多層構造において最外層の硬度が最大である請求項12〜22の何れかに記載のパネル状成形体。
  24. 硬質被膜が、熱線遮蔽、紫外線吸収、サーモクロミック、フォトクロミック、エレクトロクロミックの各機能のうち、少なくとも一つ以上の機能を備えている請求項12〜23の何れかに記載のパネル状成形体。
  25. 前記意匠部の表面を含む前記成形パネルの一面側に硬質被膜が配置されている請求項12〜24の何れかに記載のパネル状成形体。
  26. 成形パネルが、芳香族ポリカーボネート樹脂10〜90重量%及び熱可塑性ポリエステル樹脂10〜90重量%(但し両者の合計量が100重量%)から成るポリマーアロイ100重量部に対し、無機フィラー2〜50重量部を含む樹脂組成物から成り、枠部が、芳香族ポリカーボネート樹脂および/または熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し、強化繊維1〜50重量を含む樹脂組成物から成る、請求項12〜25の何れかに記載のパネル状成形体。
  27. 成形パネルに使用する無機フィラーが、タルク、マイカ、ウォラストナイトの群から選ばれる1種以上である請求項26に記載のパネル状成形体。
  28. 自動車のサイドドア、バックドア、スライドドア、フード、ルーフ又はそれらの類似部品として使用される請求項12〜27の何れかに記載のパネル状成形体。
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